JP2018071717A - デファレンシャル装置 - Google Patents

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功 廣田
雅彦 朝日
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【課題】構造を複雑化することなく、小型化することができるデファレンシャル装置を提供する。【解決手段】トランスアクスルケース3内に回転可能に収容され駆動力が入力される入力ギヤ取付部5を有するデフケース7と、複数のピニオンシャフト9と、ベベルギヤからなる複数のピニオン11と、一対のサイドギヤ13,15とを有する差動機構17と、この差動機構17の差動回転を制限する多板クラッチ19と、この多板クラッチ19を締結操作するアクチュエータ21とを備えたデファレンシャル装置1において、多板クラッチ19を、入力ギヤ取付部5の内径側に配置し、ピニオン11を、多板クラッチ19の軸方向一側に隣接して配置し、アクチュエータ21を、ピニオン11との軸方向間に多板クラッチ19を挟んで多板クラッチ19の軸方向他側に隣接して配置し、ピニオン11と多板クラッチ19との一部を、径方向及び軸方向にオーバーラップして配置した。【選択図】図1

Description

本発明は、車両に適用されるデファレンシャル装置に関する。
従来、デファレンシャル装置としては、キャリア内に回転可能に収容され駆動力が入力される入力ギヤ取付部を有するデフケースと、このデフケースに形成されたギヤ部に噛み合う第1遊星ギヤと、この第1遊星ギヤと噛み合う第2遊星ギヤと、第1遊星ギヤと第2遊星ギヤとを回転可能に支持するプラネタリキャリアと、第2遊星ギヤと噛み合うサンギヤとを有する差動機構と、この差動機構の差動回転を制限する多板クラッチと、この多板クラッチを締結操作するアクチュエータとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このデファレンシャル装置では、駆動力が入力されるデフケースを収容するキャリア内の配置スペースに比較的余裕があり、多板クラッチと、差動機構と、アクチュエータとを軸方向に並列に配置している。
一方、他のデファレンシャル装置としては、トランスアクスルケース内に回転可能に収容され駆動力が入力される入力ギヤ取付部を有するデフケースと、このデフケースに一体回転可能に収容された複数のピニオンシャフトと、この複数のピニオンシャフトにそれぞれ自転可能に支持されデフケースの回転により公転するベベルギヤからなる複数のピニオンと、この複数のピニオンとそれぞれ噛み合い相対回転可能に配置された一対のサイドギヤとを有する差動機構と、この差動機構の差動回転を制限する多板クラッチと、この多板クラッチを締結操作するアクチュエータとを備えたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
このデファレンシャル装置では、駆動力が入力されるデフケースを収容するトランスアクスルケース内の配置スペースに制限があり、トランスアクスルケース内に差動機構を収容し、トランスアクスルケースに組付けられるトランスファケース内に多板クラッチと、アクチュエータとを収容している。
実開平5−14656号公報 特開2009−103249号公報
しかしながら、上記特許文献1のようなデファレンシャル装置では、駆動力が入力されるデフケースを収容するケース内に制限がないので、多板クラッチと差動機構とアクチュエータとを軸方向に並列に配置することができるが、装置が軸方向に長大化していた。
一方、上記特許文献2のようなデファレンシャル装置では、トランスアクスルケースと別体のケースに多板クラッチとアクチュエータとを収容することで、トランスアクスルケース内の制限を避けることができるが、装置がさらに軸方向に長大化すると共に、差動機構と多板クラッチとの接続構造など、装置の構造が複雑化していた。
そこで、この発明は、構造を複雑化することなく、小型化することができるデファレンシャル装置の提供を目的としている。
本発明は、トランスアクスルケース内に回転可能に収容され駆動力が入力される入力ギヤ取付部を有するデフケースと、このデフケースに一体回転可能に収容された複数のピニオンシャフトと、この複数のピニオンシャフトにそれぞれ自転可能に支持され前記デフケースの回転により公転するベベルギヤからなる複数のピニオンと、この複数のピニオンとそれぞれ噛み合い相対回転可能に配置された一対のサイドギヤとを有する差動機構と、この差動機構の差動回転を制限する多板クラッチと、この多板クラッチを締結操作するアクチュエータとを備えたデファレンシャル装置であって、前記多板クラッチは、前記入力ギヤ取付部の内径側に配置され、前記ピニオンは、前記多板クラッチの軸方向一側に隣接して配置され、前記アクチュエータは、前記ピニオンとの軸方向間に前記多板クラッチを挟んで前記多板クラッチの軸方向他側に隣接して配置され、前記ピニオンと前記多板クラッチとは、一部が径方向及び軸方向にオーバーラップして配置されていることを特徴とする。
このデファレンシャル装置では、差動機構がベベルギヤからなる複数のピニオンを有するので、ピニオンの取付外径から径方向外側に向けて配置スペースが設けられている。
この配置スペースにおいて、ピニオンと多板クラッチとは、一部が径方向及び軸方向にオーバーラップして配置されているので、装置が軸方向に長大化することがなく、径方向の張り出しも最小限に抑えることができる。
加えて、多板クラッチの軸方向両側には、差動機構とアクチュエータとが隣接して配置されているので、差動機構と多板クラッチとアクチュエータとが離れて配置されることがなく、簡易な構造で差動機構の差動回転を制限することができる。
従って、このようなデファレンシャル装置では、トランスアクスルケース内にデフケースが収容されていても、構造を複雑化することなく、小型化することができる。
本発明によれば、構造を複雑化することなく、小型化することができるデファレンシャル装置を提供することができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態に係るデファレンシャル装置の断面図である。
図1を用いて本発明の実施の形態に係るデファレンシャル装置について説明する。
本実施の形態に係るデファレンシャル装置1は、トランスアクスルケース3内に回転可能に収容され駆動力が入力される入力ギヤ取付部5を有するデフケース7と、このデフケース7に一体回転可能に収容された複数のピニオンシャフト9と、この複数のピニオンシャフト9にそれぞれ自転可能に支持されデフケース7の回転により公転するベベルギヤからなる複数のピニオン11と、この複数のピニオン11とそれぞれ噛み合い相対回転可能に配置された一対のサイドギヤ13,15とを有する差動機構17と、この差動機構17の差動回転を制限する多板クラッチ19と、この多板クラッチ19を締結操作するアクチュエータ21とを備えている。
また、多板クラッチ19は、入力ギヤ取付部5の内径側に配置され、ピニオン11は、多板クラッチ19の軸方向一側に隣接して配置され、アクチュエータ21は、ピニオン11との軸方向間に多板クラッチ19を挟んで多板クラッチ19の軸方向他側に隣接して配置されている。
そして、ピニオン11と多板クラッチ19とは、一部が径方向及び軸方向にオーバーラップして配置されている。
また、アクチュエータ21は、操作部23と、この操作部23の作動により締結されるパイロットクラッチ25と、このパイロットクラッチ25の締結により多板クラッチ19を締結させるカム機構27とを有する。
そして、多板クラッチ19の径は、ピニオン11の取付外径より大きく設定され、パイロットクラッチ25の径は、多板クラッチ19の径より大きく設定されている。
さらに、操作部23は、電磁石29であり、デフケース7には、電磁石29と隣接して配置され内径側と外径側とで電磁石29との間で磁束の受け渡しが可能な磁束透過部31が設けられている。
そして、磁束透過部31は、内径側が電磁石29の軸方向先端側でデフケース7に磁束の受け渡しが可能な第1受渡部33と、外径側が電磁石29の軸方向背面側でデフケース7に磁束の受け渡しが可能な第2受渡部35とを有する。
また、第1受渡部33は、入力ギヤ取付部5の内径側に配置されている。
さらに、操作部23は、デフケース7を固定系に回転可能に支持するベアリング37の外径側に配置されている。
図1に示すように、トランスアクスルケース3は、エンジンや電動モータなどの駆動源が軸方向の少なくとも一側に配置される。
このトランスアクスルケース3内の動力伝達経路の上流側である駆動源側には、駆動源からの駆動力を変速させるトランスミッションなどの変速機構39が収容されている。
このようなトランスアクスルケース3内の動力伝達経路の下流側には、差動機構17と、多板クラッチ19と、アクチュエータ21とが収容され、変速機構39の出力ギヤ41と噛み合う入力ギヤ43を介して駆動源から変速機構39で変速された駆動力が差動機構17に伝達される。
差動機構17は、デフケース7と、ピニオンシャフト9と、ピニオン11と、一対のサイドギヤ13,15とを備えている。
デフケース7は、ケース本体45とカバー47とからなり、軸方向の両側に設けられたボス部49,51の外周でそれぞれベアリング37,53を介してトランスアクスルケース3に回転可能に支持されている。
このデフケース7には、入力ギヤ43が固定されるフランジ状の入力ギヤ取付部5が設けられ、入力ギヤ43が変速機構39の出力ギヤ41と噛み合い、デフケース7に駆動力が伝達される。
このようなデフケース7には、ケース本体45内にピニオンシャフト9と、ピニオン11と、一対のサイドギヤ13,15と、多板クラッチ19と、アクチュエータ21の操作部23以外の部材などが収容され、カバー47が複数のボルトを介してケース本体45に固定された後、入力ギヤ43を固定する複数のボルトでさらに固定される。
ピニオンシャフト9は、デフケース7の内部に周方向等間隔に4つのピニオンシャフト9が収容され、それぞれ外端がデフケース7の孔部に係合されてピンで抜け止めされ、内端がデフケース7内に収容された支持部材55に係合されている。
この4つのピニオンシャフト9は、デフケース7に入力された駆動力が伝達され、デフケース7と一体に回転駆動される。
このような4つのピニオンシャフト9のそれぞれの外端側には、複数のピニオン11がそれぞれ支承されている。
複数のピニオン11は、デフケース7の周方向等間隔に4つ配置される4ピニオンタイプとなっており、それぞれ4つのピニオンシャフト9の外端側に支承されてデフケース7の回転によって公転する。
このピニオン11とデフケース7との径方向間には、ピニオン11の公転によるピニオン11の径方向への移動を受ける球面ワッシャが配置されている。
このようなピニオン11は、一対のサイドギヤ13,15に駆動力を伝達すると共に、噛み合っている一対のサイドギヤ13,15に差回転が生じると回転駆動されるようにピニオンシャフト9に自転可能に支持されている。
一対のサイドギヤ13,15は、デフケース7内に相対回転可能に収容され、他方のサイドギヤ15のボス部がピニオンシャフト9の内端側で一方のサイドギヤ13側に向けて延設されて配置され、複数のピニオン11とそれぞれ噛み合っている。
このように他方のサイドギヤ15のボス部を一方のサイドギヤ13側に向けて配置することにより、他方のサイドギヤ15の支持安定性を保持しつつ、デフケース7を軸方向に小型化することができる。
この一対のサイドギヤ13,15とデフケース7との軸方向間には、ピニオン11との噛み合い反力による一対のサイドギヤ13,15の軸方向への移動を受けるスラストワッシャが配置されている。
このような一対のサイドギヤ13,15は、内周側にスプライン形状の連結部57,59がそれぞれ設けられ、例えば、左右車輪などの出力側の機構に一体回転可能に連結された駆動軸(不図示)がそれぞれサイドギヤ13,15と一体回転可能に連結され、デフケース7に入力された駆動力を駆動軸を介して出力側の機構に出力する。
なお、一対のサイドギヤ13,15に連結される駆動軸とデフケース7との径方向間には、デフケース7の内部と外部とを区画するシール部材61,63が配置されている。
このような差動機構17における差動回転は、多板クラッチ19の締結によって制限され、多板クラッチ19によって制御されて一対のサイドギヤ13,15に伝達された駆動力が出力側の機構に出力される。
多板クラッチ19は、ピニオン11と軸方向に隣接して配置されると共に、入力ギヤ取付部5の内径側でデフケース7とサイドギヤ13に溶接などによって一体回転可能に固定された固定部材65との径方向間に配置され、複数の外側クラッチ板と複数の内側クラッチ板とからなる。
複数の外側クラッチ板は、デフケース7の内周に形成されたスプライン形状の係合部に軸方向移動可能でデフケース7と一体回転可能に係合されている。
複数の内側クラッチ板は、複数の外側クラッチ板に対して軸方向に交互に配置され、固定部材65の外周に形成されたスプライン形状の係合部に軸方向移動可能でサイドギヤ13と一体回転可能に係合されている。
この多板クラッチ19は、複数の外側クラッチ板と複数の内側クラッチ板とで構成され、滑り摩擦を伴い伝達トルクを中間制御可能な制御型の摩擦クラッチとなっている。
ここで、トランスアクスルケース3は、変速機構39を収容する側の軸方向一側にエンジンや電動モータなどの駆動源が配置されるので、駆動源との干渉があり、差動機構17のサイドギヤ15側に多板クラッチ19やアクチュエータ21を配置することが困難であった。
この駆動源との干渉を回避するために、トランスアクスルケース3のサイドギヤ15側にトランスアクスルケース3と別体のケースを組付け、この別体のケース内に多板クラッチ19やアクチュエータ21を収容することが考えられる。
しかしながら、トランスアクスルケース3と別体のケースに多板クラッチ19やアクチュエータ21を収容してしまうと、差動機構17と多板クラッチ19との接続構造が複雑化するだけでなく、装置が大型化してしまう。
このように配置スペースに制限があるトランスアクスルケース3内において、差動機構17は、ベベルギヤからなるピニオン11を有しているので、ピニオン11の取付外径から径方向外側である入力ギヤ43側に向けて配置スペースが確保されている。
そこで、この配置スペースにおいて、多板クラッチ19は、内径側の一部がピニオン11の一部と径方向及び軸方向にオーバーラップして配置されている。
なお、径方向にオーバーラップとは、軸方向から見たときに多板クラッチ19とピニオン11との一部の径方向位置が重なり合って配置されていることを示し、軸方向にオーバーラップとは、径方向から見たときに多板クラッチ19とピニオン11との一部の軸方向位置が重なり合って配置されていることを示す。
このように多板クラッチ19を配置することにより、別体のケースを用いることなく、トランスアクスルケース3内のピニオン11の取付外径から径方向外側の配置スペースにおいて、多板クラッチ19の軸方向と径方向の張り出しを最小限に抑えつつ、装置を小型化することができる。
加えて、多板クラッチ19をトランスアクスルケース3と別体のケースに収容する必要がなく、デフケース7内に収容することができるので、差動機構17と多板クラッチ19との接続構造が複雑化することがない。
この多板クラッチ19の径は、ピニオン11の取付外径より大きく設定されており、その外径がピニオン11の取付外径より径方向の斜め外方に位置されている。
このように多板クラッチ19の径を設定することにより、トランスアクスルケース3内のピニオン11の取付外径から径方向外側の配置スペースを有効に利用しつつ、多板クラッチ19における摩擦面を確保することができ、多板クラッチ19の断続特性を向上することができる。
このような多板クラッチ19は、アクチュエータ21によって締結操作される。
アクチュエータ21は、ピニオン11との軸方向間に多板クラッチ19を挟んで多板クラッチ19と軸方向に隣接して配置され、操作部23と、磁束透過部31と、パイロットクラッチ25と、アーマチャ67と、カム機構27とを備えている。
操作部23は、電磁石29であり、デフケース7の外側でデフケース7の磁束透過部31と軸方向に隣接して配置され、電磁コイル69と、コア71とを備えている。
電磁コイル69は、環状に所定巻き数巻回されて合成樹脂などの絶縁部材によってモールド成形され、コア71の内部に配置されている。
この電磁コイル69は、トランスアクスルケース3の外部に引き出されたコネクタ73を介してトランスアクスルケース3の外部に配置された通電を制御するコントローラ(不図示)と接続され、コントローラによる制御によって多板クラッチ19で必要な摩擦トルクを生じさせるように電磁コイル69に通電される。
コア71は、電磁コイル69への通電により磁界が形成されるように磁性材料から形成され、所定の磁路断面積を有している。
このコア71は、軸方向外側が径方向に延設され、内径側がデフケース7側に向けて延設されて断面L字状に形成され、電磁コイル69の軸方向外側と径方向内側とを覆っている。
この電磁石29は、デフケース7を回転可能に支持するベアリング37と軸方向にオーバーラップ、すなわち径方向から見て電磁石29の軸方向位置がベアリング37の軸方向位置と重なり合って、トランスアクスルケース3に一体形成され、トランスアクスルケース3の内部でデフケース3側に突出した筒状部8の外周面に圧入されて配置されている。この筒状部8の内周面には、ベアリング37のアウタレースが配置されている。
このように電磁石29を配置することにより、電磁石29がデフケース7に軸方向により近接して配置され、装置を軸方向に小型化することができる。
このような電磁石29には、デフケース7に形成された磁束透過部31が近接して配置されている。
磁束透過部31は、デフケース7のカバー47を磁性材料で形成することによって、内径側と外径側とで電磁石29のコア71との間で磁束の受け渡しが可能であり、第1受渡部33と、第2受渡部35とを備えている。
第1受渡部33は、入力ギヤ取付部5の内径側に配置されると共に、電磁石29のコア71の内径側との軸方向間に微小隙間を持って対向するエアギャップを有して配置されており、電磁石29のコア71とデフケース7との間で磁束の受け渡しが可能となっている。
第2受渡部35は、電磁石29の外径側に配置されるようにデフケース7側から電磁石29側に向けて軸方向に延設され、電磁石29の軸方向背面側で電磁石29のコア71の外径側との径方向間に微小隙間を持って対向するエアギャップを有して配置されており、電磁石29のコア71とデフケース7との間で磁束の受け渡しが可能となっている。
ここで、電磁石29のコア71をデフケース7側に向けて開口されたコ字状に形成させた場合には、電磁石29のコア71と磁束透過部31との磁束の受け渡し部分が、電磁石29の内径側と外径側とで共に軸方向間に配置されることになり、電磁石29が径方向に大型化すると共に、デフケース7も径方向に大型化してしまう。
これに対して、電磁石29の内径側では第1受渡部33と電磁石29のコア71との軸方向間、電磁石29の外径側では第2受渡部35と電磁石29のコア71との径方向間に磁束の受け渡し部分を配置することにより、磁束の受け渡し部分が電磁石29の対角線上に配置され、電磁石29を径方向に小型化することができると共に、デフケース7を径方向に小型化することができる。
加えて、第1受渡部33は、デフケース7の入力ギヤ取付部5の内径側に配置されているので、デフケース7の駆動力の入力に直接的に関わる必要がなく、磁束透過部31の剛性を低減することができ、デフケース7を低コスト化することができる。
このような磁束透過部31は、電磁石29の励磁により、コア71と磁束透過部31とパイロットクラッチ25とアーマチャ67とを磁束が透過することによって最短の磁束ループを形成し、パイロットクラッチ25を締結させる。
パイロットクラッチ25は、デフケース7の内部に収容されて磁束透過部31と軸方向に隣接して配置されると共に、デフケース7とカムリング75との径方向間に配置され、複数の外側プレートと複数の内側プレートとからなる。
複数の外側プレートは、デフケース7の内周に形成されたスプライン形状の係合部に軸方向移動可能でデフケース7と一体回転可能に係合されている。
複数の内側プレートは、複数の外側プレートに対して軸方向に交互に配置され、カムリング75の外周に形成されたスプライン形状の係合部に軸方向移動可能でカムリング75と一体回転可能に係合されている。
このパイロットクラッチ25の径は、多板クラッチ19の径より大きく設定されており、パイロットクラッチ25の径方向位置と多板クラッチ19の径方向位置とが径方向にオーバーラップして配置されている。
すなわち、パイロットクラッチ25の内径側は、軸方向から見たときに、多板クラッチ19の外径側と重なり合うように配置され、パイロットクラッチ25が多板クラッチ19に軸方向に隣接して多板クラッチ19の径方向の斜め外方に位置されている。
このようにパイロットクラッチ25の径を設定することにより、トランスアクスルケース3内のピニオン11の取付外径から径方向外側の配置スペースを有効に利用しつつ、パイロットクラッチ25における摩擦面を確保することができ、パイロットクラッチ25の断続特性を向上することができる。
このようなパイロットクラッチ25は、アーマチャ67が電磁石29の励磁によって吸引移動されることにより締結される。
アーマチャ67は、磁性材料からなり、軸方向にパイロットクラッチ25を挟んで磁束透過部31と対向配置され、デフケース7内に軸方向移動可能に配置されている。
このアーマチャ67は、電磁石29が励磁されたときに形成される磁束ループによって電磁石29側に吸引移動され、パイロットクラッチ25を締結させてカム機構27で軸方向推力を発生させる。
カム機構27は、カムリング75と、プレッシャリング77と、カムリング75とプレッシャリング77とに周方向に形成された複数のカム面間に介在されたカムボール79とからなる。
カムリング75は、サイドギヤ13のボス部の外周側に配置され、デフケース7との軸方向間にカム機構27で生じるスラスト反力を受けるスラストベアリングを介して軸方向移動が規制されている。
このカムリング75の外周には、パイロットクラッチ25の複数の内側プレートが軸方向移動可能で一体回転可能に係合されている。
プレッシャリング77は、サイドギヤ13のボス部の外周側にカムリング75と軸方向に対向し、軸方向移動可能に配置されている。
このプレッシャリング77の外径側は、多板クラッチ19の複数のクラッチ板と軸方向に隣接して配置され、カム機構27で生じるスラスト力によってプレッシャリング77が軸方向に移動することにより多板クラッチ19を押圧して締結させる。
カムボール79は、カムリング75とプレッシャリング77とに周方向に形成された複数のカム面を対向させ、これらのカム面間に介在されている。
このカムボール79は、パイロットクラッチ25の締結によってカムリング75とプレッシャリング77との間に差回転が生じることにより、パイロットクラッチ25に生じる摩擦トルクに応じた強さでプレッシャリング77を多板クラッチ19側へ軸方向押圧移動させるスラスト力を発生させる。
このように構成されたデファレンシャル装置1では、電磁石29の電磁コイル69への通電により、コア71、磁束透過部31、パイロットクラッチ25、アーマチャ67を介した磁力線が循環されて磁束ループが形成され、アーマチャ67が電磁石29側に吸引移動されてパイロットクラッチ25が締結される。
このパイロットクラッチ25の締結トルクは、カム機構27を介して軸方向推力に変換され、プレッシャリング77が多板クラッチ19の複数のクラッチ板を押圧して多板クラッチ19が締結される。
この多板クラッチ19の接続により、デフケース7とサイドギヤ13とが接続され、差動機構17における差動回転が制限される。
この多板クラッチ19の締結状態は、電磁石29への通電を停止することにより、パイロットクラッチ25の締結が解除され、カム機構27が初期位置に戻ることによって、プレッシャリング77による多板クラッチ19の押圧が解除されて解除される。
この多板クラッチ19の締結解除により、デフケース7とサイドギヤ13との接続が解除され、差動機構17における差動回転の制限が解除される。
このようなデファレンシャル装置1では、差動機構17がベベルギヤからなる複数のピニオン11を有するので、ピニオン11の取付外径から径方向外側に向けて配置スペースが設けられている。
この配置スペースにおいて、ピニオン11と多板クラッチ19とは、一部が径方向及び軸方向にオーバーラップして配置されているので、装置が軸方向に長大化することがなく、径方向の張り出しも最小限に抑えることができる。
加えて、多板クラッチ19の軸方向両側には、差動機構17とアクチュエータ21とが隣接して配置されているので、差動機構17と多板クラッチ19とアクチュエータ21とが離れて配置されることがなく、簡易な構造で差動機構17の差動回転を制限することができる。
従って、このようなデファレンシャル装置1では、トランスアクスルケース3内にデフケース7が収容されていても、構造を複雑化することなく、小型化することができる。
また、多板クラッチ19の径は、ピニオン11の取付外径より大きく設定され、パイロットクラッチ25の径は、多板クラッチ19の径より大きく設定されているので、ピニオン11の取付外径から径方向外側の配置スペースを有効に利用して多板クラッチ19とパイロットクラッチ25とを配置させることができる。
さらに、磁束透過部31は、内径側が電磁石29の軸方向先端側でデフケース7に磁束の受け渡しが可能な第1受渡部33と、外径側が電磁石29の軸方向背面側でデフケース7に磁束の受け渡しが可能な第2受渡部35とを有するので、電磁石29とデフケース7とを径方向に小型化することができ、装置を小型化することができる。
また、第1受渡部33は、入力ギヤ取付部5の内径側に配置されているので、磁束透過部31がデフケース7の駆動力の入力に直接的に関わる必要がなく、磁束透過部31の剛性を低減することができ、デフケース7を低コスト化することができる。
さらに、操作部23は、デフケース7を固定系に回転可能に支持するベアリング37の外径側に配置されているので、電磁石29をデフケース7に軸方向により近接して配置することができ、装置を軸方向に小型化することができる。
なお、本発明の実施の形態に係るデファレンシャル装置では、アクチュエータの操作部が電磁石となっているが、これに限らず、操作部を油圧式アクチュエータの油圧室などとしてもよく、多板クラッチを締結操作できるものであればアクチュエータはどのような形態であってもよい。
1…デファレンシャル装置
3…トランスアクスルケース
5…入力ギヤ取付部
7…デフケース
9…ピニオンシャフト
11…ピニオン
13,15…サイドギヤ
17…差動機構
19…多板クラッチ
21…アクチュエータ
23…操作部
25…パイロットクラッチ
27…カム機構
29…電磁石
31…磁束透過部
33…第1受渡部
35…第2受渡部
37…ベアリング

Claims (5)

  1. トランスアクスルケース内に回転可能に収容され駆動力が入力される入力ギヤ取付部を有するデフケースと、このデフケースに一体回転可能に収容された複数のピニオンシャフトと、この複数のピニオンシャフトにそれぞれ自転可能に支持され前記デフケースの回転により公転するベベルギヤからなる複数のピニオンと、この複数のピニオンとそれぞれ噛み合い相対回転可能に配置された一対のサイドギヤとを有する差動機構と、この差動機構の差動回転を制限する多板クラッチと、この多板クラッチを締結操作するアクチュエータとを備えたデファレンシャル装置であって、
    前記多板クラッチは、前記入力ギヤ取付部の内径側に配置され、
    前記ピニオンは、前記多板クラッチの軸方向一側に隣接して配置され、
    前記アクチュエータは、前記ピニオンとの軸方向間に前記多板クラッチを挟んで前記多板クラッチの軸方向他側に隣接して配置され、
    前記ピニオンと前記多板クラッチとは、一部が径方向及び軸方向にオーバーラップして配置されていることを特徴とするデファレンシャル装置。
  2. 請求項1記載のデファレンシャル装置であって、
    前記アクチュエータは、操作部と、この操作部の作動により締結されるパイロットクラッチと、このパイロットクラッチの締結により前記多板クラッチを締結させるカム機構とを有し、
    前記多板クラッチの径は、前記ピニオンの取付外径より大きく設定され、
    前記パイロットクラッチの径は、前記多板クラッチの径より大きく設定されていることを特徴とするデファレンシャル装置。
  3. 請求項2記載のデファレンシャル装置であって、
    前記操作部は、電磁石であり、
    前記デフケースには、前記電磁石と隣接して配置され内径側と外径側とで前記電磁石との間で磁束の受け渡しが可能な磁束透過部が設けられ、
    前記磁束透過部は、内径側が前記電磁石の軸方向先端側でデフケースに磁束の受け渡しが可能な第1受渡部と、外径側が前記電磁石の軸方向背面側でデフケースに磁束の受け渡しが可能な第2受渡部とを有することを特徴とするデファレンシャル装置。
  4. 請求項3記載のデファレンシャル装置であって、
    前記第1受渡部は、前記入力ギヤ取付部の内径側に配置されていることを特徴とするデファレンシャル装置。
  5. 請求項2乃至4のいずれか1項に記載のデファレンシャル装置であって、
    前記操作部は、前記デフケースを固定系に回転可能に支持するベアリングの外径側に配置されていることを特徴とするデファレンシャル装置。
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