JP2013190076A - アクチュエータ及びこのアクチュエータを用いた動力伝達装置 - Google Patents

アクチュエータ及びこのアクチュエータを用いた動力伝達装置 Download PDF

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篤史 田村
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Abstract

【課題】レイアウト性を向上することができるアクチュエータ及びこのアクチュエータを用いた動力伝達装置を提供する。
【解決手段】アクチュエータ1が、アクチュエータハウジング3と、アクチュエータシャフト5と、アクチュエータシャフト5の外周に配置された第1のリング7と、アクチュエータハウジング3内でアクチュエータハウジング3と第1のリング7との間を摩擦締結可能に配置された摩擦部材9と、摩擦部材9を摩擦締結させる押圧部材11と、押圧部材11を作動させる作動部材13と、第1のリング7と推力変換機構15を介して所定回転角度をもって相対回転可能に配置された第2のリング17と、アクチュエータハウジング3の外部でアクチュエータハウジング3に設けられた第1の連結部19と、アクチュエータハウジング3の外部でアクチュエータシャフト5に設けられた第2の連結部21とを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に適用されるアクチュエータ及びこのアクチュエータを用いた動力伝達装置に関する。
従来、アクチュエータを備えた動力伝達装置としては、カップリングハウジングの内部に、断続部材としての多板クラッチとアクチュエータとを収容配置したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この動力伝達装置では、多板クラッチとアクチュエータとを一体にカップリングハウジングに収容するので、直列配置された動力伝達装置(カップリング)自体としては小型化が可能となっている。
特開2000−310244号公報
ところで、上記特許文献1のようなカップリングでは、単に直列配置された2軸間で動力を伝達する場合には、周辺部材に対するレイアウト性の問題は生じない。
しかしながら、ギヤなど回転部材を含む動力伝達装置と組み合わせて使用する場合には、動力伝達装置の支持構造を考慮して組み合わせる必要がある。このため、アクチュエータを含めて動力伝達装置の支持構造を設定するときには、ベアリングなどの支持部材の大型化や支持間隔の長大化を招いて、レイアウト性が悪化していた。
そこで、この発明は、レイアウト性を向上することができるアクチュエータ及びこのアクチュエータを用いた動力伝達装置の提供を目的としている。
本発明は、アクチュエータハウジングと、このアクチュエータハウジングの内周側に相対回転可能に配置されたアクチュエータシャフトと、前記アクチュエータハウジング内に相対回転可能に配置され、前記アクチュエータシャフトの外周に配置された第1のリングと、前記アクチュエータハウジング内で、前記アクチュエータハウジングと前記第1のリングとの間を摩擦締結可能に配置された摩擦部材と、前記アクチュエータハウジング内で、前記摩擦部材を摩擦締結させる押圧部材と、前記アクチュエータハウジングの外部に配置され、前記押圧部材を作動させる作動部材と、前記アクチュエータハウジング内で、前記第1のリングと推力変換機構を介して所定回転角度をもって相対回転可能に配置された第2のリングと、前記アクチュエータハウジングの外部で、前記アクチュエータハウジングに設けられた第1の連結部と、前記アクチュエータハウジングの外部で、前記アクチュエータシャフトに設けられた第2の連結部とを有することを特徴とする。
このアクチュエータでは、アクチュエータを単独で配置させることができるので、レイアウト性を向上することができる。
本発明によれば、レイアウト性を向上することができるアクチュエータ及びこのアクチュエータを用いた動力伝達装置を提供することができるという効果を奏する。
本発明の第1実施形態に係るアクチュエータの断面図である。 本発明の第2実施形態に係るアクチュエータの断面図である。 本発明の実施の形態に係る動力伝達装置の断面図である。
(アクチュエータ)
まず、図1,図2を用いて本発明の実施の形態に係るアクチュエータについて説明する。
(第1実施形態)
図1を用いて第1実施形態について説明する。
本実施の形態に係るアクチュエータ1は、アクチュエータハウジング3と、このアクチュエータハウジング3の内周側に相対回転可能に配置されたアクチュエータシャフト5と、アクチュエータハウジング3内に相対回転可能に配置され、アクチュエータシャフト5の外周に配置された第1のリング7と、アクチュエータハウジング3内で、アクチュエータハウジング3と第1のリング7との間を摩擦締結可能に配置された摩擦部材9と、アクチュエータハウジング3内で、摩擦部材9を摩擦締結させる押圧部材11と、アクチュエータハウジング3の外部に配置され、押圧部材11を作動させる作動部材13と、アクチュエータハウジング3内で、第1のリング7と推力変換機構15を介して所定回転角度をもって相対回転可能に配置された第2のリング17と、アクチュエータハウジング3の外部で、アクチュエータハウジング3に設けられた第1の連結部19と、アクチュエータハウジング3の外部で、アクチュエータシャフト5に設けられた第2の連結部21とを有する。
また、第1の連結部19と第2の連結部21とは、それぞれアクチュエータハウジング3の軸方向一側に配置されている。
さらに、アクチュエータハウジング3の内周部及びアクチュエータシャフト5の外周部には、シール部材23,25,27が設けられている。
また、アクチュエータハウジング3と第2のリング17との間には、第2のリング17を第1のリング7側に付勢する弾性部材29が配置されている。
図1に示すように、アクチュエータハウジング3は、軸方向の一側壁をなす壁部31と、軸方向の他側壁を有する筒状部33とからなる。壁部31は、磁性材料からなり、作動部材13である電磁石と、摩擦部材9との軸方向間に配置されている。また、壁部31には、磁束ループを形成させるための非磁性材料からなる磁路形成部材35が溶接などの固定手段によって壁部31と一体的に設けられている。また、壁部31には、軸方向の作動部材13側に向けて延設された延設部37,39が内外径にそれぞれ設けられている。
この延設部37,39は、作動部材13のコア55との径方向間に微小隙間を持って対向するエアギャップが設けられており、作動部材13のコア55から壁部31への磁束の受け渡しが可能となっている。この壁部31の外径側には、溶接などの固定手段によって筒状部33が一体回転可能に固定され、筒状部33の軸方向端面と壁部31の外径に設けられた凸部とが当接することによって壁部31と筒状部33との軸方向位置が位置決めされる。
筒状部33は、構造用炭素鋼材、アルミ合金材又は非磁性材料からなり、壁部31と軸方向に対向して設けられた壁部を有して有底の筒状に形成されている。また、筒状部33の内周には、摩擦部材9の外側プレートが係合されるスプライン形状の係合部41が形成されている。また、筒状部33の壁部には、アクチュエータハウジング3内に潤滑油を流入させる注入孔43が設けられ、潤滑油を注入させた後、蓋部材45によって閉塞される。このようなアクチュエータハウジング3の内周側の回転軸心部には、アクチュエータシャフト5がアクチュエータハウジング3と相対回転可能に配置されている。
アクチュエータシャフト5は、外周で摺動ブッシュ47を介してアクチュエータハウジング3と相対回転可能に支持されている。このアクチュエータシャフト5の外周部とアクチュエータハウジング3の内周部との径方向間には、アクチュエータハウジング3の内部と外部とを区画するそれぞれXリングとOリングとからなるシール部材23,25が設けられている。なお、シール部材23,25は、XリングやOリングに限らず、リップシールなどアクチュエータハウジング3の内部と外部とを区画可能であれば、どのようなシール部材であってもよい。このようなアクチュエータシャフト5の外周には、第1のリング7が配置されている。
第1のリング7は、アクチュエータハウジング3内で、アクチュエータシャフト5の外周に相対回転可能で軸方向移動可能に配置されている。また、第1のリング7とアクチュエータハウジング3の壁部31との軸方向間には、推力変換機構15で生じるスラスト反力を受けるスラストベアリング49が配置されている。この第1のリング7の外周には、摩擦部材9の内側プレートが軸方向移動可能で一体回転可能に係合されている。
摩擦部材9は、アクチュエータハウジング3内で、壁部31と押圧部材11との軸方向間に配置されている。この摩擦部材9は、筒状部33の係合部41に軸方向移動可能でアクチュエータハウジング3と一体回転可能に連結する複数の外側プレートと、第1のリング7の外周に複数の外側プレートに対して軸方向間に交互に配置され軸方向移動可能で第1のリング7と一体回転可能に連結する複数の内側プレートとで構成されている。
この摩擦部材9は、複数のプレートを摩擦締結させることにより、アクチュエータハウジング3と第1のリング7とを接続させる。なお、摩擦部材9は、多板のプレートに限らず、単板のプレートであるか押圧部材の壁面自体であってもよい。また、摩擦部材9における摩擦面は、プレート間だけに限らず、アクチュエータハウジング3の壁部31の壁面、押圧部材11の壁面を用いてもよい。このような摩擦部材9は、押圧部材11が電磁石である作動部材13の励磁によって吸引移動されることにより摩擦締結される。
押圧部材11は、環状の磁性材料からなり、アクチュエータハウジング3内に軸方向移動可能に収容され、軸方向に摩擦部材9を挟んでアクチュエータハウジング3の壁部31と対向配置されている。この押圧部材11は、作動部材13が励磁されたときに形成される磁束ループによって作動部材13側に吸引移動され、摩擦部材9のプレートを押圧して摩擦部材9を接続させる。
作動部材13は、ベアリング51を介してアクチュエータハウジング3の外部に配置され、本実施の形態では延設部39の軸方向外端部の外周面側に配置され、電磁コイル53とコア55とを備えた電磁石からなる。電磁コイル53は、合成樹脂などの絶縁部材によってモールド成形され、コア55の内部に配置されている。
コア55は、磁性材料からなり、アクチュエータハウジング3の壁部31と共に磁束を透過して磁束ループを形成させる。このコア55は、電磁コイル53とアクチュエータハウジング3の外部に配置された通電を制御するコントローラ(不図示)とを接続するリード線57(図3参照)が外部に引き出され、コントローラによる制御によって摩擦部材9で必要な摩擦トルクを生じさせるように電磁コイル53に通電される。この電磁コイル53の通電により、摩擦部材9が接続され、推力変換機構15でスラスト力が発生される。
推力変換機構15は、第1のリング7と第2のリング17とに周方向に形成された複数のカム面と、このカム面間に介在されたカムボール59とからなる。カムボール59は、第1のリング7と第2のリング17とに周方向に形成された複数のカム面を対向させ、これらのカム面間に介在されている。
このカムボール59は、摩擦部材9の接続によって第1のリング7と第2のリング17との間に差回転が生じることにより、摩擦部材9に生じる摩擦トルクに応じた強さで第2のリング17を軸方向の第1のリング7と反対側へ軸方向押圧移動させるカムスラスト力を発生させる。
第2のリング17は、アクチュエータハウジング3内で、アクチュエータシャフト5の外周に形成されたスプライン形状の第2の連結部21にアクチュエータシャフト5と一体回転可能で軸方向移動可能に連結されている。また、第2のリング17とアクチュエータハウジング3との径方向間には、アクチュエータハウジング3の内部と外部とを区画するXリングからなるシール部材27が配置されている。なお、シール部材27は、Xリングに限らず、Oリングやリップシールなどアクチュエータハウジング3の内部と外部とを区画可能であれば、どのようなシール部材であってもよい。
この第2のリング17は、摩擦部材9の摩擦締結によって第1のリング7に対して所定回転角度をもって相対回転し、推力変換機構15によって軸方向推力に変換されて軸方向の第1のリング7と反対側に移動される。このような第2のリング17とアクチュエータハウジング3との軸方向間には、弾性部材29が配置されている。
弾性部材29は、ウェーブスプリングからなり、アクチュエータハウジング3の内径側に設けられた円筒部61の径方向壁部と第2のリング17との軸方向間に、スラストベアリング63を介して配置されている。なお、弾性部材29は、ウェーブスプリングに限らず、皿バネやコイルバネなどの形状であってもよく、その材質は金属、ゴム、樹脂などの材料で形成可能である。
この弾性部材29は、第2のリング17を軸方向の第1のリング7側に付勢し、第1のリング7と第2のリング17との間に形成された推力変換機構15の初期位置を規定する。このような弾性部材29が配置されたアクチュエータハウジング3の円筒部61の外周には、第1の連結部19が設けられている。
第1の連結部19は、アクチュエータハウジング3の円筒部61の外周に径方向に向けて形成された凹凸部からなる。この第1の連結部19には、一対の回転部材(不図示)のうち一方の回転部材(不図示)が一体回転可能に連結される。このような第1の連結部19の内径側には、第2の連結部21が設けられている。
第2の連結部21は、アクチュエータシャフト5の外周に径方向に向けて形成された凹凸部であるスプライン形状に形成されている。この第2の連結部21には、一対の回転部材のうち他方の回転部材(不図示)が一体回転可能に連結される。
これら第1の連結部19と第2の連結部21とは、アクチュエータハウジング3の軸方向一側面側に配置されている。このため、アクチュエータ1を一対の回転部材を有する動力伝達装置などに組付ける際に、アクチュエータハウジング3の軸方向一側面側のみで組付けを行うことができる。
なお、第1の連結部19と第2の連結部21とは、それぞれ径方向に向けて形成された凹凸部となっているが、これに限らず、軸方向に向けて形成された凹凸部、或いは一体回転可能に連結される圧入部など、種々の連結形態を含む。
このように構成されたアクチュエータ1では、作動部材13の電磁コイル53への通電により、コア55、延設部37,39及び壁部31、摩擦部材9、押圧部材11を介した磁力線が循環されて磁束ループが形成され、押圧部材11が作動部材13側に吸引移動されて摩擦部材9が締結される。この摩擦部材9の締結トルクは、推力変換機構15を介して軸方向推力に変換され、第2のリング17が弾性部材29の付勢力に抗して軸方向の第1のリング7と反対側に移動される。この第2のリング17の軸方向移動により、例えば、一対の回転部材間に設けられた断続部が接続され、一対の回転部材間の動力伝達が可能となる。
このようなアクチュエータ1では、アクチュエータ1を単独で配置させることができるので、アクチュエータを搭載する動力伝達装置の支持構造などと独立して設計することができ、レイアウト性を向上することができる。
また、第1の連結部19と第2の連結部21とは、それぞれアクチュエータハウジング3の軸方向一側に配置されているので、一方と他方の回転部材をアクチュエータ1の軸方向の一方側に配置しても連結構造を確保しやすく、レイアウト性を向上させ、かつアクチュエータ1のアタッチメント性を向上することができる。
さらに、アクチュエータハウジング3の内周部及びアクチュエータシャフト5の外周部には、シール部材23,25,27が設けられているので、アクチュエータ1を単独の潤滑環境に形成させることができ、よりレイアウト性を向上することができる。
また、アクチュエータハウジング3と第2のリング17との間には、第2のリング17を第1のリング7側に付勢する弾性部材29が配置されているので、アクチュエータ1に弾性部材29を内蔵して第2のリング17の初期位置を規定することができ、よりレイアウト性及びアッセンブリ性を向上することができる。
(第2実施形態)
図2を用いて第2実施形態について説明する。
本実施の形態に係るアクチュエータ101は、第2のリング103は、第1のリング7と推力変換機構15を介して所定回転角度をもって相対回転可能に配置された回動部材105と、この回動部材105と連動して作動される連動部材107とを有する。
なお、第1実施形態と同一の構成には、同一の記号を記して構成及び機能説明は第1実施形態を参照するものとし省略するが、第1実施形態と同一の構成であるので、得られる効果は同一である。
図2に示すように、第2のリング103は、回動部材105と、連動部材107とを備えている。回動部材105は、アクチュエータハウジング3内で、アクチュエータシャフト5の外周に形成されたスプライン形状の連結部109にアクチュエータシャフト5と一体回転可能で軸方向移動可能に連結されている。また、回動部材105は、第1のリング7側の対向面に推力変換機構15を構成するカム面が形成されている。
この回動部材105は、摩擦部材9の摩擦締結によって第1のリング7に対して所定回転角度をもって相対回転し、推力変換機構15によって軸方向推力に変換されて軸方向の第1のリング7と反対側に移動される。この回動部材105には、連動部材107が軸方向に隣接配置されている。
連動部材107は、スラストベアリング111を介して回動部材105と軸方向に隣接配置されている。また、連動部材107には、アクチュエータハウジング3の円筒部61の径方向壁部に設けられた孔部113を挿通する挿通部115が周方向に複数設けられている。この挿通部115と孔部113との径方向間には、アクチュエータハウジング3の内部と外部とを区画するOリングからなるシール部材117が配置されている。なお、アクチュエータハウジング3の円筒部61の径方向壁部とアクチュエータシャフト5との径方向間には、アクチュエータハウジング3の内部と外部とを区画するXリングからなるシール部材119が配置されている。
この連動部材107とアクチュエータハウジング3の円筒部61の径方向壁部との軸方向間には、連動部材107を介して回動部材105を軸方向の第1のリング7側に付勢し、推力変換機構15の初期位置を規定する弾性部材29が配置されている。
このような連動部材107は、推力変換機構15によって軸方向移動される回動部材105と連動して弾性部材29の付勢力に抗して軸方向の第1のリング7と反対側に移動される。この連動部材107の軸方向移動により、例えば、一対の回転部材間に設けられた断続部が接続され、一対の回転部材間の動力伝達が可能となる。
このようなアクチュエータ101では、第2のリング103が第1のリング7と推力変換機構15を介して所定回転角度をもって相対回転可能に配置された回動部材105と、この回動部材105と連動して作動される連動部材107とを有するので、推力変換機構15を有する回動部材105を小型化でき、第2のリング103の大型化を抑制することができる。
(動力伝達装置)
次に、図3を用いて本発明の実施の形態に係るアクチュエータを用いた動力伝達装置について説明する。なお、本実施の形態に係る動力伝達装置では、第1実施形態のアクチュエータを適用したものとして説明するが、第2実施形態のアクチュエータも第1実施形態のアクチュエータと同様に適用可能である。また、第1実施形態のアクチュエータと同一の構成には、同一の記号を記して構成及び機能説明は第1実施形態のアクチュエータを参照するものとし省略するが、第1実施形態のアクチュエータと同一の構成であるので、得られる効果は同一である。
本実施の形態に係る動力伝達装置201は、動力を伝達可能な第1の回転部材203と、この第1の回転部材203の内周側に相対回転可能に配置され動力を伝達可能な第2の回転部材205と、第1の回転部材203と第2の回転部材205との間に配置された断続部材207と、軸方向に移動可能で、断続部材207を断続操作する第2の押圧部材209と、この第2の押圧部材209を移動操作するアクチュエータ1と、第1の回転部材203に形成され、第1の連結部19に連結された第3の連結部211と、第2の回転部材205に形成され、第2の連結部21に連結された第4の連結部213とを有する。
また、第1の回転部材203は、ベアリング215を介して固定ケース217側に支持され、第3の連結部211は、ベアリング215の内径側に配置されている。
図3に示すように、第1の回転部材203は、2つの分割部材からなり、軸方向両側の外周側でそれぞれベアリング215,219を介して静止系部材としての固定ケース217に回転可能に支持されている。また、一方の分割部材の内周には、断続部材207の外側クラッチ板が係合されるスプライン形状の係合部221が形成されている。
この第1の回転部材203の外周には、リングギヤ223がボルトで固定されるフランジ部225が形成されている。このフランジ部225には、分割部材の分割部が設けられ、2つの分割部材がボルトで一体的に固定される。このようなフランジ部225に固定されたリングギヤ223は、駆動力を伝達するドライブピニオン227と噛み合い、駆動力が伝達されて第1の回転部材203を回転駆動させる。
ドライブピニオン227は、リングギヤ223より小径に形成され、ドライブピニオンシャフト229の軸方向一端側にドライブピニオンシャフト229と連続する一部材で形成されている。このドライブピニオン227は、リングギヤ223と噛み合い、ドライブピニオンシャフト229に達された駆動力を方向変換しつつ、変速駆動させるベベルギヤ組からなるギヤ組231を構成している。
ドライブピニオンシャフト229は、軸心が第1の回転部材203の回転軸心と直交する方向に配置され、外周側で2つのベアリング233,235を介して固定ケース217に回転可能に支持されている。このドライブピニオンシャフト229の他端側外周には、スプライン形状の連結部237が形成され、入力部材239が一体回転可能に連結されている。
入力部材239は、連結部237を介してドライブピニオンシャフト229と一体回転可能に連結され、ドライブピニオンシャフト229の端部にねじ締結されたナット241によって軸方向の位置決めがなされると共に、ベアリング233,235に予圧が付与される。また、入力部材239と固定ケース217との径方向間には、固定ケース217の内部と外部とを区画するリップシールであるシール部材243が配置されている。また、入力部材239の外周には、シール部材243のリップ部と摺動しシール部材243を保護するダストカバー245が固定されている。
この入力部材239は、駆動力を入力させる入力側の動力伝達機構(不図示)側に接続された回転部材(不図示)と一体回転可能に接続され、ドライブピニオンシャフト229からギヤ組231を介して第1の回転部材203に駆動力を入力させる。このような第1の回転部材203の内周側には、差動機構247が配置されている。
差動機構247は、第2の回転部材205と、ピニオンシャフト249と、ピニオン251と、一対のサイドギヤ253,255とを備えている。第2の回転部材205は、軸方向両側の外周側でそれぞれ摺動ブッシュ257とベアリング259とを介して第1の回転部材203に相対回転可能に支持されている。また、第2の回転部材205のアクチュエータ1側の外周には、断続部材207の内側クラッチ板が係合されるスプライン形状の係合部261が形成されている。この第2の回転部材205には、ピニオンシャフト249と、ピニオン251と、一対のサイドギヤ253,255とが収容されている。
ピニオンシャフト249は、端部を第2の回転部材205に係合してピンで抜け止めされ第2の回転部材205と一体に回転駆動される。このピニオンシャフト249には、ピニオン251が支承されている。
ピニオン251は、第2の回転部材205の周方向等間隔に2つ配置され、それぞれピニオンシャフト249の両端側に支承されて第2の回転部材205の回転によって公転する。また、ピニオン251の背面側と第2の回転部材205との径方向間には、ピニオン251の公転時に発生する径方向への移動を受ける球面ワッシャが配置されている。
このピニオン251は、一対のサイドギヤ253,255に駆動力を伝達すると共に、噛み合っている一対のサイドギヤ253,255に差回転が生じると回転駆動されるようにピニオンシャフト249に自転可能に支持されている。
一対のサイドギヤ253,255は、第2の回転部材205に相対回転可能に収容され、ピニオン251と噛み合っている。また、サイドギヤ253,255の背面側と第2の回転部材205との軸方向間には、ピニオン251との噛み合い反力によるサイドギヤ253,255の軸方向への移動を受けるスラストワッシャがそれぞれ配置されている。
この一対のサイドギヤ253,255は、内周側にスプライン形状の連結部263,265が設けられ、出力側の動力伝達機構(不図示)側に接続された駆動軸(不図示)がそれぞれサイドギヤ253,255と一体回転可能に連結され、第2の回転部材205に入力された駆動力を出力側の動力伝達機構に出力する。
なお、サイドギヤ253側に接続される駆動軸は、中空状に形成されたアクチュエータシャフト5を挿通する。この駆動軸と固定ケース217との径方向間には、固定ケース217の内部と外部とを区画するリップシールであるシール部材267が配置されている。サイドギヤ255側に接続される駆動軸と固定ケース217との径方向間には、固定ケース217の内部と外部とを区画するリップシールであるシール部材269が配置されている。
このような差動機構247に伝達される駆動力は、第1の回転部材203と第2の回転部材205との間に設けられた断続部材207によって断続される。なお、このような動力伝達装置201は、いわゆるフリーランニングデフとなっている。
断続部材207は、複数の外側クラッチ板と、複数の内側クラッチ板とを備えている。複数の外側クラッチ板は、第1の回転部材203の内周に形成された係合部221に軸方向移動可能で第1の回転部材203と一体回転可能に係合されている。複数の内側クラッチ板は、複数の外側クラッチ板に対して軸方向に交互に配置され、第2の回転部材205の外周に形成された係合部261に軸方向移動可能で第2の回転部材205と一体回転可能に係合されている。
この断続部材207は、複数の外側クラッチ板と複数の内側クラッチ板とで構成された多板クラッチであり、滑り摩擦を伴い伝達トルクを中間制御可能な制御型の摩擦クラッチとなっている。このような断続部材207は、第2の押圧部材209によって断続操作される。
第2の押圧部材209は、中空状に形成され、アクチュエータシャフト5の外周側で断続部材207に対して軸方向に隣接配置され、第1の回転部材203内で第2の回転部材205の係合部261に軸方向移動可能で第2の回転部材205と一体回転可能に係合されている。また、第2の押圧部材209と第2の回転部材205との軸方向間には、第2の押圧部材209を断続部材207の接続解除方向に付勢する皿バネなどからなる付勢部材271が配置されている。この付勢部材271により、断続部材207の接続解除状態では、第2の押圧部材209が断続部材207を押圧することがなく、断続部材207における引きずりトルクの発生を抑制することができる。
この第2の押圧部材209は、アクチュエータ1側の軸方向端面がアクチュエータ1の第2のリング17の軸方向端面に当接されている。このため、第2の押圧部材209は、アクチュエータ1の作動による第2のリング17の軸方向移動により、断続部材207の接続方向に軸方向移動される。このアクチュエータ1による第2の押圧部材209の軸方向移動により、第2の押圧部材209が断続部材207の複数のクラッチ板に押圧力を付与し、断続部材207を接続させる。このような第2の押圧部材209の外径側には、第3の連結部211が設けられている。
なお、本実施の形態に係る動力伝達装置201では、第2の押圧部材209が付勢部材271によって断続部材207の接続解除方向に付勢されている。この付勢部材271による第2の押圧部材209の軸方向移動は、アクチュエータ1の第2のリング17に伝達されて第2のリング17が第1のリング7側に付勢されている。このため、アクチュエータ1では、図1,図2に示すような弾性部材29が廃止されている。
第3の連結部211は、第1の回転部材203のアクチュエータ1側の軸方向端面に軸方向に向けて形成された凹凸部からなる。なお、本実施の形態では、アクチュエータ1の第1の連結部19が軸方向に向けて形成された凹凸部となっている。また、第3の連結部211は、ベアリング215の内径側に配置され、第1の回転部材203が径方向に小型化されている。この第3の連結部211には、アクチュエータ1のアクチュエータハウジング3に形成された第1の連結部19が連結され、第1の回転部材203とアクチュエータハウジング3とが一体回転可能となる。このような第3の連結部211の内径側には、第4の連結部213が設けられている。
第4の連結部213は、第2の回転部材205のアクチュエータ1側の内周に径方向に向けて形成された凹凸部であるスプライン形状に形成されている。この第4の連結部213には、アクチュエータ1のアクチュエータシャフト5に形成された第2の連結部21が連結され、第2の回転部材205とアクチュエータシャフト5とが一体回転可能となる。
なお、第3の連結部211と第4の連結部213とは、それぞれ軸方向に向けて形成された凹凸部と径方向に向けて形成された凹凸部となっているが、これに限らず、径方向に向けて形成された凹凸部と軸方向に向けて形成された凹凸部、或いは一体回転可能に連結される圧入部など、種々の連結形態を含む。
このように構成された動力伝達装置201では、アクチュエータ1の作動によって第2のリング17が軸方向移動され、第2の押圧部材209が付勢部材271の付勢力に抗して断続部材207の接続方向に軸方向移動される。この第2の押圧部材209の軸方向移動により、断続部材207の複数のクラッチ板が押圧され断続部材207が接続される。この断続部材207の接続により、第1の回転部材203と第2の回転部材205とが接続されて駆動力の伝達が可能となる。
このような動力伝達装置201では、アクチュエータ1と、断続部材207を備えた第1の回転部材203と第2の回転部材205とを分離配置した後、第1の連結部19と第3の連結部211及び第2の連結部21と第4の連結部213とを連結することで、動力伝達装置201のレイアウト性を向上することができる。
また、第3の連結部211は、ベアリング215の内径側に配置されているので、装置の小型化を実現し、コンパクト化が可能であり、レイアウト性を向上することができる。
なお、本発明の実施の形態に係るアクチュエータでは、押圧部材が電磁石の励磁により吸引されるアーマチャとなっているが、これに限らず、アクチュエータハウジングの外部に配置されたアーマチャと連結して、アクチュエータハウジング内に配置されて連動する部材、アクチュエータハウジング内外を軸方向に貫通する部材であってもよい。
また、作動部材は、電磁石となっているが、これに限らず、流体圧を用いたシリンダとピストンからなる作動部材、電動モータとカム機構を用いた作動部材など、押圧部材を作動させることが可能な起動源をもつ作動部材であればどのようなものであってもよい。
さらに、推力変換機構は、一対のカム溝間にボールを配置したカム機構となっているが、これに限らず、一対の対向接触するカム面からなるカム機構、ネジ機構、ボールネジ機構など、回転を第2のリングの推力に変換できる機構であればどのような機構であってもよい。
また、本発明の実施の形態に係る動力伝達装置では、第1の回転部材に入力された駆動力を第2の回転部材に出力する動力系となっているが、これに限らず、第2の回転部材に入力された駆動力を第1の回転部材に出力するなど、入出力の関係はどちらであってもよい。
さらに、本発明の実施の形態に係る動力伝達装置は、制御可能な断続部材を備えたフリーランニング機能とデファレンシャル装置の組み合わせとなっているが、これに限らず、差動制限用の断続部材を備えたデファレンシャル装置、差動機構の一対の出力軸のうち一方の出力軸を断続させる断続部材を備えたアクスルディスコネクト装置、差動制限用の断続部材を備えたトランスファ装置、終減速ギヤ組と左右一対の断続部材を備えたツインクラッチ装置、デフキャリアに隣接して配置される断続部材を備えた終減速装置などであってもよい。
加えて、「アクチュエータハウジングの外部」の定義は、アクチュエータハウジングにおける外壁面で囲まれる空間の内部に位置していないことを意味し、例えば、第2の回転部材の内周側に形成された部分もアクチュエータハウジングの外部の範囲であり、この内周側に第2の連結部を形成してもよいし、又例えば、アクチュエータハウジングの筒状部の外周面に第1の連結部を形成してもよい。
1,101…アクチュエータ
3…アクチュエータハウジング
5…アクチュエータシャフト
7…第1のリング
9…摩擦部材
11…押圧部材
13…作動部材
15…推力変換機構
17,103…第2のリング
19…第1の連結部
21…第2の連結部
23,25,27,117,119…シール部材
29…弾性部材
201…動力伝達装置
203…第1の回転部材
205…第2の回転部材
207…断続部材
209…第2の押圧部材
211…第3の連結部
213…第4の連結部
215…ベアリング

Claims (6)

  1. アクチュエータハウジングと、
    このアクチュエータハウジングの内周側に相対回転可能に配置されたアクチュエータシャフトと、
    前記アクチュエータハウジング内に相対回転可能に配置され、前記アクチュエータシャフトの外周に配置された第1のリングと、
    前記アクチュエータハウジング内で、前記アクチュエータハウジングと前記第1のリングとの間を摩擦締結可能に配置された摩擦部材と、
    前記アクチュエータハウジング内で、前記摩擦部材を摩擦締結させる押圧部材と、
    前記アクチュエータハウジングの外部に配置され、前記押圧部材を作動させる作動部材と、
    前記アクチュエータハウジング内で、前記第1のリングと推力変換機構を介して所定回転角度をもって相対回転可能に配置された第2のリングと、
    前記アクチュエータハウジングの外部で、前記アクチュエータハウジングに設けられた第1の連結部と、
    前記アクチュエータハウジングの外部で、前記アクチュエータシャフトに設けられた第2の連結部と、
    を有することを特徴とするアクチュエータ。
  2. 請求項1記載のアクチュエータであって、
    前記第1の連結部と前記第2の連結部とは、それぞれ前記アクチュエータハウジングの軸方向一側に配置されていることを特徴とするアクチュエータ。
  3. 請求項1又は2記載のアクチュエータであって、
    前記アクチュエータハウジングの内周部及び前記アクチュエータシャフトの外周部には、シール部材が設けられていることを特徴とするアクチュエータ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアクチュエータであって、
    前記アクチュエータハウジングと前記第2のリングとの間には、前記第2のリングを前記第1のリング側に付勢する弾性部材が配置されていることを特徴とするアクチュエータ。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のアクチュエータを備えた動力伝達装置であって、
    動力を伝達可能な第1の回転部材と、
    この第1の回転部材の内周側に相対回転可能に配置され動力を伝達可能な第2の回転部材と、
    前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間に配置された断続部材と、
    軸方向に移動可能で、前記断続部材を断続操作する第2の押圧部材と、
    この第2の押圧部材を移動操作する前記アクチュエータと、
    前記第1の回転部材に形成され、前記第1の連結部に連結された第3の連結部と、
    前記第2の回転部材に形成され、前記第2の連結部に連結された第4の連結部と、
    を有することを特徴とする動力伝達装置。
  6. 請求項5記載の動力伝達装置であって、
    前記第1の回転部材は、ベアリングを介して固定ケース側に支持され、
    前記第3の連結部は、前記ベアリングの内径側に配置されていることを特徴とする動力伝達装置。
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