JP2018071263A - 天井膜施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】天井下地材5に、可撓性を有する帯状の天井膜8を敷設する天井膜施工方法であって、天井膜8の両側辺部に線状体16を付設した状態で当該天井膜8を巻き取ってある巻取りロールを床上に設置し、巻取りロールから繰り出された天井膜8の両側辺部8aを、天井下地材5を構成する一対の支持レール15の一端側に供給し、供給された天井膜8の先端部を両支持レール15に沿って他端側に引き出して敷設する。
【選択図】図2
Description
このロールスクリーンは、巻き戻し機構を備えたロールボックスに巻き取られ、ロールボックスルは、上階側の床スラブの下面における両支持レールの一端側に取付けられている。
そのため、天井下地材の両支持レールに沿った敷設作業以外に、重量のあるロールボックスの高所での取付け作業、及び、その高所作業のための足場の組付け・撤去作業が発生する。そのため、施工に多くの手間を有するとともに、工期の長期化とコストの高騰化を招来し易い。
しかも、ロールスクリーンの幅方向両側の側辺部の各々には、その側辺部の全長に渡る長さの芯材が挿入されているため、巻き取られたロールスクリーンのロール径が大きくなり、これを収納するロールボックスが大型化して嵩張り易い。特に、天井膜の敷設長さが長くなればなるほどロールボックスが大型化するため、天井裏空間内に大型化したロールボックスの収納空間を確保することは難しい。
前記天井膜の両側辺部に線状体を付設した状態で当該天井膜を巻き取ってある巻取りロールを床上に設置し、
前記巻取りロールから繰り出された前記天井膜の両側辺部を、前記天井下地材を構成する一対の支持レールの一端側に供給し、
供給された前記天井膜の先端部を前記両支持レールに沿って他端側に引き出して敷設する点にある。
したがって、天井下地材に沿った天井膜の敷設を無足場で容易に行うことが可能となり、工期の短縮とコストの削減を図ることができる。
また、巻取りロールを床上の広い空間に設置するので、天井膜の敷設長さが長い場合でも、その長さ分の天井膜を巻き取った大径で重量のある巻取りロールを取り扱い易い状態で容易に設置することができ、施工性の向上を図ることができる。
挿入された状態では、前記両支持レールの前記溝部の開口から外部に導出された前記天井膜の導出部位の下面は、前記両支持レールに設けられた突条に対して持上げられた状態で当接する点にある。
吊下げ支持された多数のTバー3は、同一水平面上において等間隔で連結され、この連結された多数のTバー3をもって天井下地材5が構成されている。この天井下地材5の下面側に形成される天井面は、隣接するTバー3間に沿って照明器具、空調空気の吹出口等の各種設備器具類7を配列する設備ラインL1と、隣接するTバー3間に沿って不燃性と可撓性を有する帯状の天井膜8を敷設する天井膜ラインL2とから構成されている。
第1Tバー3Aには、図2の右側に示すように、上下方向に沿う板状のウェブ11と、このウェブ11の下端部から両側方に張り出す状態で一体形成されるフランジ12とが備えられている。そのうち、ウェブ11の天井膜ラインL2側の側面11aには、フランジ12の上面12aとの間に溝部13を形成する上側フランジ部14が一体的に突出形成され、溝部13には、天井膜8の幅方向中央側に向かって開口する開口部13a(図6参照)が形成されている。この上側フランジ部14とフランジ12及びウェブ11の一部とをもって、天井膜8の幅方向両側の両側辺部8aを移動自在に載置支持する支持レール15が構成されている。
また、図2、図6に示すように、支持レール15の溝部13内の幅は、溝部13内の開口部13aの周縁に接触又は近接する天井膜8の側辺部8aが天井膜8の幅方向外方側に移動可能な余裕をもって構成されている。天井膜8の両側辺部8aが両支持レール15の溝部13内の開口部13aの周縁に接触する状態では、両溝部13の開口部13aから外部に導出された天井膜8の幅方向中間部が自重で緩やかに下方に湾曲して垂下する。
そのため、天井膜8の両側辺部8aが両支持レール15の溝部13内の開口部13aの周縁に接触する状態では、天井膜8の両側辺部8aの移動抵抗は小さく、両溝13内に供給された天井膜8の両側辺部8aをフランジ12の上面12aに沿って滑らかに引き出し移動することができる。
支持レール15の溝部13内の幅方向外側端部は、その外側位置へ天井膜8の側辺部8aが移動することによって当該天井膜8に膜幅方向での適正な張り(張力)を付与することが可能な位置に設定されている。
支持レール15のフランジ12の先端部には、レール長手方向の全域に亘って第1突条17の下端よりも上方に突出する第2突条18が一体形成されている。そのため、両支持レール15の溝部13内に天井膜8の側辺部8aが挿入された状態では、両支持レール15の溝部13の開口部13aから外部に導出された天井膜8の導出部位8bの下面は、両支持レール15に設けられた第2突条18に対して持上げられた状態で当接する。これにより、天井膜8が風等で揺れても両支持レール15と天井膜8の導出部位8bとの間に隙間が発生することを抑制することができる。
[1]巻取りロール設置工程
図1に示すように、両Tバー3の長手方向で相対向する両壁面21のうち、両Tバー3の一端部に対面する一方の壁面21近くの床上にロール支持台22を設置し、このロール支持台22の軸受け部22aに、天井膜8の両側辺部8aに線状体としてのワイヤー16を付設した状態で当該天井膜8を巻き取ってある巻取りロール23のロール軸23aを回転自在に載置する。
巻取りロール23に巻き取られている天井膜8の長さは、隣接するTバー3間の全長に亘る設定敷設長さに構成されている。また、天井膜8の先端部8cには、隣接するTバー3の対向間隔よりも小なる長さの芯材25が挿入されている。この芯材25が挿入された天井膜8の先端部8cには、天井膜8の先端部8cを両Tバー3の支持レール15に沿って他端側に引き出し操作する後述の引張工具26が脱着自在に連結される。
図1に示すように、ロール支持台22の巻取りロール23から引き出されて上方に繰り出された天井膜8を、一方の壁面21に架設された供給ガイド部27を経由して両Tバー3の支持レール15の溝部13の一端部に供給する。
供給ガイド部27は、一方の壁面21に脱着自在にボルト止めされたブラケット27Aに、両支持レール15の溝部13に対応する高さ位置において繰り出された天井膜8を屈曲案内するガイドローラ27Bを枢着して構成されている。そのため、巻取りロール23から上方に繰り出された天井膜8は、両支持レール15の一端側に位置する供給ガイド部27のガイドローラ27Bにおいてレール長手方向に沿う水平方向に方向転換され、且つ、両支持レール15の溝部13の一端側開口に対して水平方向から供給案内される。
天井膜8の先端部8cに連結された引張工具26を床上の作業者が把持し、引張工具26を連結部26aが後方側に位置する後ろ傾斜姿勢に保持する。この状態で作業者が他方の壁面21側に移動すると、両支持レール15の溝部13の一端部に供給された天井膜8の両側辺部8aは、支持レール15のフランジ12の上面12aに沿って摺動しながら他端側に引き出され、天井膜8の先端部8cが両Tバー3間の天井膜敷設領域の終端に到達した時点で引き出しが終了する。
図4に示すように、天井膜8の後端部8dは、天井膜8の先端部8cが天井膜敷設領域の終端に到達する前の段階で巻取りロール23から離脱し、天井膜8の先端部8cが天井膜敷設領域の終端に到達したときには、天井膜8の後端部8dは天井膜敷設領域の始端に位置するように設定されている。
この時点では、供給ガイド部27は不要となるため、供給ガイド部27のブラケット27Aを一方の壁面21から撤去する。
図4、図5に示すように、天井膜8の両側辺部8aに挿入されたワイヤー16の各端部16aは、天井膜8の両側辺部8aの端面よりも膜長手方向の外方に突出する。両ワイヤー16の各突出端部16aは、それを幅方向外方側に移動させた状態で当該ワイヤー16に張力を付与する張力付与手段30を介して膜固定部34の一例である壁面21に取付けられている。
張力付与手段30は、天井膜8の両側辺部8aに挿入されたワイヤー16を膜幅方向外方側に移動させた設定膜張り位置P2(図6参照)に位置保持する張り位置保持部30Aと、設定膜張り位置P2(図6参照)に位置保持されているワイヤー16に所定張力を付与する張力付与部30Bとから構成されている。そのうち、張力付与部30Bは、両ワイヤー16の各突出端部16aに取付けられたロックターミナルボルト31から構成され、張り位置保持部30Aは、ロックターミナルボルト31を壁面21に取付ける固定部材32に形成されている。
そのため、図6の上図に示すように、両支持レール15の溝部13に供給された天井膜8の側辺部8aが、支持レール15の上側フランジ部14の第1突条17で抜止め係止され、両支持レール15の溝部13の開口部13aから外部に導出された天井膜8の幅方向中間部が自重で緩やかに下方に湾曲して垂下する状態では、両ワイヤー16に取付けられている各ロックターミナルボルト31のボルト31Cは、両固定部材32のボルト挿通孔32aおける膜幅方向内方側に位置する。このボルト挿通孔32aの膜幅方向内方側位置は張力解除位置P1となる。
図6に示すように、両固定部材32のボルト挿通孔32aにおける膜幅方向外方側端部が、天井膜8に対して膜幅方向で張力を付与する設定膜張り位置P2になる。この設定膜張り位置P2には、ロックターミナルボルト31のボルト31Cを落とし込み状態で係合保持する係合保持溝32bが、ボルト挿通孔32aの膜幅方向外方側端部に連通形成されている。この係合保持溝32bをもって上述の張力付与手段30の張り位置保持部30Aが構成されている。
(1)上述の実施形態では、天井膜8の両側辺部8aに線状体としてのワイヤー16を挿入したが、このワイヤー16に換えてロープやチェーン等の他の線状体を用いてもよい。さらに、天井膜8の両側辺部8aの外面にワイヤー16等の線状体を付設してもよい。
例えば、上述の実施形態では、固定部材32に、ボルト挿通孔32aと係合保持溝32bとを連通形成したが、固定部材32にボルト挿通孔32aのみを単独で形成し、ボルト挿通孔32aに挿入されたロックターミナルボルト31のボルト31Cを張力解除位置P1と設定膜張り位置P2との間で移動自在に構成してもよい。
また、固定部材32に、ロックターミナルボルト31のボルト31Cを設定膜張り位置P2で位置保持する係合保持溝32bのみを単独で形成してもよい。この場合、係合保持溝32bに挿通保持されたロックターミナルボルト31を締め込み操作して、ワイヤー16に所定張力を付与することにより、天井膜8の両側辺部8aを膜幅方向外方側に設定張力で引っ張ることができる。
設定膜張り位置P2に単独で形成される係合保持溝32bの形状としては、ボルト31Cに対応した真円の円形孔や上下方向に長い長孔であってもよく、さらには、その長孔の上部側を拡大した孔などであってもよい。
また、張力付与手段30を、天井膜8に膜幅方向での張力を付与する膜幅方向用張力付与手段と天井膜8に膜長手方向での張力を付与する膜長手方向用張力付与手段とから構成してもよい。
8 天井膜
8a 側辺部
8b 導出部位
8c 先端部
15 支持レール
16 線状体(ワイヤー)
18 突条(第2突条)
23 巻取りロール
26 引張工具
27 供給ガイド部
30 張力付与手段
34 膜固定部(壁面21)
Claims (5)
- 天井下地材に、可撓性を有する帯状の天井膜を敷設する天井膜施工方法であって、
前記天井膜の両側辺部に線状体を付設した状態で当該天井膜を巻き取ってある巻取りロールを床上に設置し、
前記巻取りロールから繰り出された前記天井膜の両側辺部を、前記天井下地材を構成する一対の支持レールの一端側に供給し、
供給された前記天井膜の先端部を前記両支持レールに沿って他端側に引き出して敷設する天井膜施工方法。 - 前記巻取りロールから上方に繰り出された前記天井膜を前記両支持レールの一端側に設けた供給ガイド部においてレール長手方向に方向転換し、且つ、前記両支持レールの一端側に供給案内する請求項1記載の天井膜施工方法。
- 前記天井膜の先端部に連結された引張工具を介して、前記両支持レールの一端側に供給された前記天井膜の先端部を前記両支持レールに沿って他端側に引き出し操作する請求項1又は2記載の天井膜施工方法。
- 前記両支持レールに沿って引き出された前記天井膜の両側辺部の前記線状体を、それを幅方向外方側に移動させた状態で当該線状体に張力を付与する張力付与手段を介して膜固定部に固定する請求項1〜3のいずれか1項に記載の天井膜施工方法。
- 前記天井膜の両側辺部は、前記両支持レールの溝部にレール長手方向から挿入され、
挿入された状態では、前記両支持レールの前記溝部の開口から外部に導出された前記天井膜の導出部位の下面は、前記両支持レールに設けられた突条に対して持上げられた状態で当接する請求項1〜4のいずれか1項に記載の天井膜施工方法。
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