JP7246226B2 - 天井面材の施工構造及び施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、天井面材を天井部に取り付けるための天井面材の施工構造及び施工方法に関する。
従来、建物の天井部にロール状に巻かれた天井面材を取り付ける工法が知られている。
例えば、特許文献1には図9に示すように、天井下地材130に帯状の天井膜132を取り付ける天井膜施工方法の記載がある。これは、天井膜132を巻き取ってある巻取りロール133を床上に設置し、巻取りロール133から繰り出された天井膜132の両側辺部を、天井下地材130を構成する一対の支持レール134の一端側に供給し、供給された天井膜132の先端部を両支持レール134に沿って他端側に引き出して取り付けるもので、天井膜の敷設を無足場で容易に行うことができ、工期の短縮等が図れるというものである。
また、特許文献2に記載の天井構造の施工方法は、相対向して対をなす壁面のうち、一方の対となる壁面上部にそれぞれ略水平に受け材(回り縁)を取付け、これら受け材上に、シート状の裏地材に矩形板状の天井素材を多数貼着してなる矩形状の天井材(ロール状に巻いた状態で用意しておく)を、受け材上の弾性体上に架け渡し、その一端側を下方に押し込んで弾性体を後退させ、順次展開しつつ回転させて敷設するものであり、これにより施工が容易で工期短縮化が図れるというものである。
特開2018-71263号公報 特開平7-180265号公報
さて、前記特許文献1の天井膜施工方法は、巻取りロール133を床上に設置することから天井までの距離が長くなり、これに係る余計な天井膜132の重量等が天井膜の敷設の負荷となり、施工がし辛いという問題がある。また特許文献2の施工方法は、ロール状に巻いた天井材を順次展開しつつ押し込む(弾性体)工法であるため、天井材の展開処理の負荷が大きく、また作業性が悪いという問題がある。
本発明は前記問題点を解決するためになされたものであり、ロール状に巻かれた天井面材の繰り出し、搬送及び天井部への配置が容易に行え、施工性及び経済性にも優れた天井面材の施工構造及び施工方法を提供することを目的とする。
以上の技術的課題を解決するため、本発明は図1等に示すように、建物の天井部2に、ロール状に巻かれた天井面材4を取り付けるための天井面材の施工構造であって、建物の天井部2に平行に架設された横材6と、前記横材6の下部に、これに沿う状態で取り付けられ、前記天井面材4の縁部を支持可能な溝状保持部14を形成する保持材12と、隣り合う前記横材6から、それぞれ垂下された吊り部材82に回転可能に支持され、前記天井面材4がロール状に巻かれたロール材8と、前記隣り合う横材6の下部間に回転可能に配置され、前記ロール材8から繰り出された前記天井面材4の搬送方向をガイド可能な補助ローラ10と、を有し、前記ロール材8から繰り出した前記天井面材4の搬送方向を、前記補助ローラ10により前記溝状保持部14に向けてガイドさせ、前記天井面材4の左右の縁部をそれぞれ前記溝状保持部14に嵌め入れ、前記ロール材8から前記天井面材4を繰り出しつつ、前記天井面材4を前記溝状保持部14に沿って奥方向に移動させ、前記天井面材4を前記天井部2に配置する構成である。
本発明に係る天井面材の施工構造は、前記吊り部材82として、前記隣り合う横材6にそれぞれ係止させる取付け具84、当該取付け具84からそれぞれ垂下される吊り棒86、これら吊り棒間に架設され、前記ロール材8の中心の筒部材30に挿通可能な軸部材88を具備し、当該軸部材88により前記ロール材8を回転可能に支持する構成である。
本発明に係る天井面材の施工構造は、前記吊り棒86の下部に、それぞれ前記軸部材88を保持する弾性材100を介在させ、前記軸部材88に支持された前記ロール材8の重量に応じて前記弾性材100を上下に伸縮させ、前記ロール材8からの前記天井面材4の繰り出しに伴い、前記軸部材88とともに前記ロール材8を上方に移動させる構成である。
本発明に係る天井面材の施工構造は、表面を断面波形状に形成した前記天井面材4を用い、前記補助ローラ10の回転材の一部又は全体を前記波形状と噛み合う歯車状に形成し、この補助ローラ10により前記天井面材4を搬送させる構成である。
本発明に係る天井面材の施工構造は、前記補助ローラ10を前記横材6に取り付けるための配置部材108を用い、この配置部材108の上部に磁石113を装着し、当該磁石により前記配置部材108を前記横材6の下部に吸着させ、前記補助ローラ10を前記横材6に取り付ける構成である。
本発明に係る天井面材の施工構造は、前記保持材12の溝状保持部14の下部に、可撓性を有するガイド片81の一端部を取り付け、下方に湾曲する当該ガイド片81の他端部を前記補助ローラ10の近傍に位置させる構成である。
本発明は、建物の天井部2に、ロール状に巻かれた天井面材4を取り付ける天井面材の施工方法であって、前記天井部2に平行に横材6を架設し、上記横材6の下部に、これに沿う状態で、前記天井面材4の縁部を支持可能な溝状保持部14を形成する保持材12を取り付け、隣り合う前記横材6から、それぞれ垂下された吊り部材82に、前記天井面材4がロール状に巻かれたロール材8を回転可能に配置し、前記隣り合う横材6の下部間に、前記ロール材8から繰り出された前記天井面材4の搬送方向をガイド可能な補助ローラ10を配置し、前記ロール材8から前記天井面材4を繰り出し、前記補助ローラ10により前記天井面材4の搬送方向を、前記溝状保持部14に向けてガイドさせ、当該天井面材4の左右の縁部をそれぞれ前記溝状保持部14に嵌め入れ、前記ロール材8から前記天井面材4を繰り出しつつ、当該天井面材4を前記溝状保持部14に沿って奥方向に移動させ、前記天井面材4を前記天井部2に配置する方法である。
本発明に係る天井面材の施工方法として、前記吊り部材82は、前記隣り合う横材6にそれぞれ係止させる取付け具84、当該取付け具84からそれぞれ垂下される吊り棒86間に架設され、前記ロール材8の中心の筒部材30に挿通可能な軸部材88を備え、当該軸部材88により前記ロール材8を回転可能に支持する方法である。
本発明に係る天井面材の施工方法は、前記吊り棒86の下部に、それぞれ前記軸部材88を保持する弾性材100を介在させ、前記軸部材88に支持された前記ロール材8の重量に応じて前記弾性材100を上下に伸縮させ、前記ロール材8からの前記天井面材4の繰り出しに伴い、前記軸部材88とともに前記ロール材8を上方に移動させる方法である。
本発明に係る天井面材の施工方法は、前記天井面材4の表面を断面波形状に形成し、前記補助ローラ10の回転材の一部又は全体を前記波形状と噛み合う歯車状に形成し、この補助ローラ10により前記天井面材4を搬送させる方法である。
本発明に係る天井面材の施工構造によれば、ロール材から繰り出した天井面材の搬送方向を、補助ローラにより溝状保持部に向けてガイドさせ、天井面材の左右の縁部をそれぞれ溝状保持部に嵌め入れ、ロール材から天井面材を繰り出しつつ、天井面材を溝状保持部に沿って奥方向に移動させ、天井面材を天井部に配置する構造を採用したから、ロール材からの天井面材の繰り出し及び搬送が容易に行え、作業性が良く少人数での取付けも可能となり、天井部への天井面材の配置が容易、迅速かつ効果的に行えて施工性に優れ、また経済性にも優れるという効果を奏する。
本発明に係る天井面材の施工構造によれば、吊り部材として、横材に係止させる取付け具、吊り棒、これら吊り棒間に架設される軸部材を具備し、ロール材を回転可能に支持する構成を採用したから、ロール材の横材への取り付け、及び取り外しが迅速に行え、施工性にも寄与するという効果がある。
本発明に係る天井面材の施工構造によれば、吊り棒の下部に、それぞれ軸部材を保持する弾性材を介在させ、ロール材からの天井面材の繰り出しに伴い、軸部材とともにロール材を上方に移動させる構成を採用したから、ロール材からの天井面材の繰り出しがあっても、補助ローラに対するロール材からの天井面材の繰出し位置が変化しないため、天井面材の繰り出し及び搬送等の作業もし易くなり、施工性が良いという効果がある。
本発明に係る天井面材の施工構造によれば、表面を断面波形状に形成した天井面材を用い、補助ローラを波形状と噛み合う歯車状に形成し天井面材を搬送させる構成を採用したから、ロール材からの天井面材の繰り出し、及び天井面材の補助ローラ上の搬送が容易かつ円滑に行えるという効果がある。
本発明に係る天井面材の施工構造によれば、補助ローラを横材に取り付けるための配置部材に磁石を装着し、磁石により配置部材を横材に吸着させ、補助ローラを横材に取り付ける構成を採用したから、補助ローラの横材への取り付け及び取り外しが容易かつ迅速に行えるという効果がある。
本発明に係る天井面材の施工構造によれば、保持材の下部に、可撓性を有するガイド片の一端部を取り付け、ガイド片の他端部を補助ローラの近傍に位置させる構成を採用したから、天井面材の溝状保持部への搬送が正確且つ容易に行えるという効果がある。
本発明に係る天井面材の施工方法によれば、ロール材から天井面材を繰り出し、補助ローラにより天井面材の搬送方向を、溝状保持部に向けてガイドし、天井面材の左右の縁部をそれぞれ溝状保持部に嵌め入れ、ロール材から天井面材を繰り出しつつ、天井面材を溝状保持部に沿って奥方向に移動させ、天井面材を天井部に配置する方法を採用したから、ロール材からの天井面材の繰り出し及び搬送が容易に行え、作業性が良く少人数での取付けも可能となり、天井部への天井面材の配置が容易、迅速かつ効果的に行えて施工性に優れ、また経済性にも優れるという効果を奏する。
本発明に係る天井面材の施工方法によれば、吊り部材として、横材に係止させる取付け具、吊り棒、ロール材を挿通させた軸部材を取り付けたものを用い、ロール材を回転可能に支持する方法を採用したから、ロール材の横材への取り付け、及び取り外しが迅速に行え、施工性にも寄与するという効果がある。
本発明に係る天井面材の施工方法によれば、上記吊り棒の下部に、それぞれ軸部材を保持する弾性材を介在させ、ロール材からの天井面材の繰り出しに伴い、軸部材とともにロール材を上方に移動させる方法を採用したから、ロール材からの天井面材の繰り出しがあっても、補助ローラに対するロール材からの天井面材の繰出し位置が変化しないため、天井面材の繰り出し及び搬送等の作業もし易くなり、施工性が良いという効果がある。
本発明に係る天井面材の施工方法によれば、天井面材の表面を断面波形状に形成し、補助ローラの回転材の一部又は全体を波形状と噛み合う歯車状に形成し、この補助ローラにより天井面材を搬送させる方法を採用したから、ロール材からの天井面材の繰り出し及び天井面材の補助ローラ上の搬送が容易かつ円滑に行えるという効果がある。
実施の形態に係り、天井面材の施工構造を示す図である。 野縁材への各種保持材(a)、(b)の取付け構造を示す図である。 実施の形態に係り、天井面材の施工構造及び施工方法を示す図である。 吊り部材に係り、取付け具の野縁材への取付け構造を示す図である。 吊り部材に係り、吊り棒への軸部材の各種取付け構造(a)、(b)、(c)を示す図である。 実施の形態に係り、補助ローラの取付け構造を示す図である。 実施の形態に係り、搬送冶具を用いて天井面材を搬送する状態(a)、(b)を示す図である。 実施の形態に係り、線材を用いて天井面材を搬送する状態を示す図である。 従来例に係る天井膜施工方法を示す図である。
以下、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、実施の形態に係り、建物の天井部2における天井面材4の施工構造及び施工方法を示すものである。
この天井面材の天井構造では、天井部2に敷設される天井面材4、この天井面材4を支持する横材6としての野縁材6を有し、さらに天井面材4がロール状に巻かれたロール材8及び補助ローラ10を備えている。また野縁材6には、天井面材4を支持し保持する保持材12が取り付けられる。
天井面材4は、紙等の比較的軽量の材料を用いた可撓性のある面材である。この天井面材4としてここでは、シート材として紙(不燃紙)を断面波形状(凸部と凹部の繰り返し形状)に形成し、この一方の面を平坦なシート状の紙(不燃紙)で被ったものを用いる。この天井面材4を天井部2に敷設する場合、通常表面が波形状の面を下側にして配置する。なお、天井面材4の板厚(略山谷間)としては、例えば10mm~15mm等のものがある。
前記天井面材4は、巻かれた長尺方向に対して可撓性を有し、また幅方向については可撓性は殆どなく野縁材6(保持材12)間では撓まない。さらに、ここでは一定幅の天井面材4をロール状に巻いたロール材8の状態で搬送及び維持管理し、またこのまま施工に用いる。これにより、ロール材8の移動及び取扱いが容易となり施工性も改善される。
他に、天井面材4として、グラスウールを面材状にしたもの、合成樹脂系等の発泡材、或いは合成樹脂系の不織布を面材状に形成したもの等を用いることができる。
横材6としての野縁材6は、平坦な底板部20、及びこれから上方に屈曲形成された左右の側板部22,22からなる断面コの字形状で、上方に開口する凹部23が形成された長尺材である。また、野縁材6の各側板部22,22の上部には、それぞれ内側に向けて逆U字状に屈曲形成された係合部24,24が形成されている。野縁材6は、軽量鋼板を屈曲成型したものである。
横材としては、野縁材6の他に、野縁受け材、梁材など天井下地の下部を構成し水平に配置される材料が利用可能である。
前記ロール材8は、巻取具28に天井面材4をロール状に巻きつけたものである。巻取具28は、円筒状の筒部材30、及びこの両側に取り付けられた中空円板状のカバー部材32,32からなる。天井面材4は、巻取具28の筒部材30に巻きつけられ、その両縁部5,5はそれぞれカバー部材32,32に保護されている。
補助ローラ10は、断面は略円形で、柱状(又は筒状)の回転材40を有し、その両端部には、それぞれ円板状の保護板42が取り付けられている。前記回転材40の一部又は全体の周囲には、シート材(紙等)を波形状に形成した波板43が巻かれ、歯車状に形成されている。なお、前記歯車状の波板43は、天井面材4の波形状の面とは互いに噛み合うように形成され、天井面材4の搬送等が良好に行えるようにしている。
回転材40の軸部には、軸材41が挿通可能な貫通孔が設けられており、この軸材41に対して回転材40は回転自在である。軸材41の両端部は、それぞれ螺着のためのネジ溝が刻設されている。
保持材12は図2に示すように、野縁材6の下部に取り付けて使用され、天井面材4を天井部2に保持するために用いられる。保持材12には、鋼、アルミニウム等の金属材、或いは塩化ビニル等の合成樹脂材が用いられる。保持材12は、天井面材4同士の目地部分の化粧材としても機能する。
保持材12には、図2(a)に示すように、頂部46、側部及び左右のフランジ部48,48からなる断面ハット状の保持材12aがある。また保持材12として、他に断面Z状の保持材12z、図2(b)に示すように、係合部材50と係止部材52との2部材からなる保持材12bを用いることができる。保持材12は、断面が一定形状の長尺材である。保持材12は、止着具54としてネジ等を用いて野縁材6の下部に取り付けられる。
前記保持材12aは、止着具54を用いてその頂部46を野縁材6の底板部20に取り付ける。そして、保持材12aのフランジ部48と野縁材6の底板部20との間に溝状保持部14を形成する。保持材12aは、溝状保持部14に天井面材4の縁部5を挟み、そのフランジ部48で天井面材4を支持し保持する。
保持材12bの係合部材50及び係止部材52は、何れも断面が一定形状の長尺材である。係合部材50は、平坦な板部55及びこの板部55の中央部から同一方向に突設された2つの係合片56,56を有する。保持材12bは、係合部材50の板部55或いは係合片56,56同士の間から止着具54を用いて野縁材6の底板部20に螺設する。
また、前記係止部材52は、平坦な板部58及びこの板部58の中央部から突設された係止片60を有する。これら係合片56及び係止片60の各接合部は、それぞれ断面が凹凸状に形成され、これらが相互に噛み合う。
保持材12bは、止着具54を用いて係合部材50を野縁材6の底板部20に取り付け、この係合部材50に下から係止部材52を差し込み接合する。係合部材50の各係合片56,56に、係止部材52の係止片60を差し込んだ状態で係合片56,56と係止片60とが相互に噛み合い、両部材が係止した状態を維持する。
これにより、係合部材50と係止部材52間に溝状保持部14が形成され、この溝状保持部14に天井面材4の縁部5を挟み、この状態で天井面材4を保持する。また、係合片56及び係止片60は、係止箇所が複数段(ここでは二段)設けられ、複数段階の係止状態が維持され、天井面材4の板厚に応じた保持が可能となる。
次に、図1~4等に基づき、天井面材4の施工構造について説明する。
建物の天井部2に天井下地を構築する場合、例えば吊ボルト70、ハンガー71、野縁受け材72、及びクリップ74等を用い、これら下地材に野縁材6等を支持させる。ハンガー71は、U字に屈曲形成された保持部76を有し、この保持部76に保持される野縁受け材72は、鋼板からなり上片部73と側片部79及び下片部80を有する断面コの字状の長尺材である。
クリップ74は鋼材からなり、上部には野縁受け材72に引っ掛ける掛止片75が設けられ、下部の両側には野縁材6の係合部24に係合させる係合片77が突設されている。
先ず、天井躯体から吊り下げた吊ボルト70にハンガー71を取り付け、このハンガー71の保持部76で野縁受け材72を保持する。そして、所定間隔をおいて配置された野縁受け材72の下部に、各野縁受け材72と交差(直交)する方向に一定間隔をおいて野縁材6を配置する。
野縁材6は、その各係合部24,24にクリップ74の係合片77,77を係合させて保持し、クリップ74の掛止片75を折り曲げ野縁受け材72の上片部73に掛止固定し、野縁受け材72の下部に野縁材6を取り付ける。野縁材6同士は平行に配置し、隣り合う野縁材6同士の間隔は略天井面材4の横幅程度とする。
ここで、建物の天井部2において、平面的には矩形状の箇所に天井面材4を敷設する。野縁材6は、天井部2の一辺の壁際部78から向かいの他辺の壁際部に向けて配置し、全体に渡って並設する。なおここでは、天井部2の前記一辺の壁際部78に対して、その前方(前部)とは、天井面材4を搬送し敷設する方向、即ち前記他辺の壁際部の方向を指すものとし、このため前記一辺の壁際部78は後方(後部)となる。
そして、野縁材6の下部(底板部20)に、その長尺方向に沿って保持材12を取り付ける。ここでは、断面ハット状の保持材12(12a)を取り付ける。
なお保持材12は、野縁材6の底板部20に取り付ける際、天井部2に配置済みの野縁材6に取り付ける方法、或いは配置前の野縁材6の底板部20に予め取り付けておく方法がある。何れの方法を採用するかは、工事の状況に応じて決めればよい。
保持材12の取り付けについて、野縁材6の前記一辺の壁際部78の一部の箇所はそのままとし、これ以外の部位(他辺の壁際部に向け)に取り付ける。前記壁際部78の一部の箇所については、ロール材8及び補助ローラ10等を取り付けるため、保持材12はこれらの撤去後に取り付ける。
保持材12は、野縁材6の底板部20に沿う状態で取り付ける。この場合、断面ハット状の保持材12(12a)はその頂部46を、止着具54を用いて底板部20に螺設する。
野縁材6の底板部20に取り付けた保持材12により、当該底板部20と保持材12のフランジ部48間、或いは係合部材50と係止部材52間に、長手方向に延びる溝状保持部14が形成される。この溝状保持部14は、側部が開口した断面コの字状で、ここに嵌め込まれた天井面材4の縁部5の支持が可能である。
次に、隣り合う野縁材6間の少し下方にロール材8を配置する。ロール材8は、吊り部材82を用いて天井部2の一辺の壁際部78の近傍に配置し、ここから他辺の壁際部に向けて天井面材4を敷設する。通常、隣り合う野縁材6,6間(保持材12同士の間隔)は、天井面材4の幅と略同程度としており、天井面材4はそのまま保持材12,12間に配置可能である。
ロール材8は、他辺の壁際部に向けた天井面材4の敷設が終了した後は、これを取り外し、元のロール材8等を取り付けた箇所に、残りの天井面材4を敷設する。このため、ロール材8の取り付け位置は、前記一辺の壁際部78近くで且つ作業の妨げにならない位置に配置する。
ロール材8は、吊り部材82を用いて配置する。この吊り部材82は、取付け具84、吊り棒86、及び軸部材88等からなる。
図4に示すように、取付け具84は、基板部90の左右部からそれぞれ立上板部91が形成され、各立上板部91は一部が切欠かれ、その残りの部位の上部側には鉤状の係合片部92が形成されている。そして、取付け具84はその係合片部92を、野縁材6の凹部23に突入させ且つ野縁材6の側板部22に係止させる。
吊り棒86は、断面円形の棒材であり上部側及び下部側にはそれぞれネジ溝が刻設されている。軸部材88は、断面円形の中空のパイプ状、或いは中実の棒材である。軸部材88の両端部の近傍には、当該軸部材88と直交する方向の上下にそれぞれ保持孔96が形成され、この保持孔96に吊り棒86を挿通させ、これを止着する。
図5は、吊り部材82の吊り棒86に係る、軸部材88の各種支持形態を示したものである。図5(a)の吊り部材82は、吊り棒86の下部を軸部材88の保持孔96に貫通させ、軸部材88の下部の吊り棒86の端部に支持ナット98を螺着する。この支持ナット98により、吊り棒86に軸部材88を支持固定する。
図5(b)の吊り部材82は、軸部材88と支持ナット98との間に、弾性材としてコイルバネ100を介在させた形態を示したものである。このコイルバネ100は、中心部を吊り棒86が挿通する状態で配置し、その上部及び下部には、それぞれ中空円板状の保持板99を介在させ、コイルバネ100の上下部の保持を確実にしている。
軸部材88は、コイルバネ100に保持され、コイルバネ100の伸縮に応じて上下に移動する。コイルバネ100は、軸部材88からの重量の大小に応じて伸縮し、軸部材88からの重量が小さくなると、コイルバネ100は伸びて軸部材88は上方向に移動する。
なお、コイルバネ100を、吊り棒86が挿通する状態で軸部材88の上部に配置し、その上部を吊り棒86に固定し、その下部を軸部材88の上部に固定する形態を採用してもよい。この場合は、軸部材88はコイルバネ100の伸縮に応じて上下に移動し、軸部材88からの重量が小さくなると、コイルバネ100は縮んで軸部材88は上方向に移動する。
図5(c)の吊り部材82は、軸部材88を受け具102等で支持する形態である。
これは、吊り棒86に「く」の字状のバネ材からなる固定材104を取り付け、この固定材104の背部に、U字状の受け具102の一端部を固定したものである。
固定材104の取り付けには、吊り棒86の下部近傍の上下部にそれぞれ、右下りの貫通孔105、右上りの貫通孔106を設け、これら各孔に固定材104の上下部(ピン状)を挿通させ、固定材104を止着したものである。
受け具102は、ロール材8を保持した軸部材88の両端部を、そのまま受け具102に保持させることができ、ロール材8の配置も容易である。
次に、補助ローラ10を、前記ロール材8の配置場所の少し前方(他辺の壁際部側)に配置する。補助ローラ10は、配置部材108を用いて隣り合う野縁材6間の下部に取り付ける。補助ローラ10により、ロール材8から繰り出した天井面材4は補助ローラ10に引かれて先に搬送され、併せてその搬送方向を、保持材12の溝状保持部14に向かうようガイドされる。
補助ローラ10によれば、ロール材8から繰り出された天井面材4を保持搬送するとともに、この天井面材4の向きを水平に近い向きに変え案内することができる。そして、この向きのまま天井面材4の縁部5を、保持材12による溝状保持部14に差し込むこと(嵌め込み)が可能である。このため、補助ローラ10のガイド機能により、天井面材4の溝状保持部14への差し込み等その敷設を容易にする。
前記ロール材8の配置位置は、前記天井部2の一辺の壁際部78近傍で且つ野縁材6の少し下方が好ましく、また天井面材4の繰り出しに適した位置に配置する。ロール材8から繰り出された天井面材4は、そのまま天井部2に配置した野縁材6の下部まで搬送する必要がある。
この搬送路は、長いと天井面材4の重量が搬送作業の負担となるため、作業性等を考慮して妥当な方向及び長さを考慮する。ここでは、配置されたロール材8の軸中心から、補助ローラ10の軸中心に向かう角度を水平から45度程度としている。このため、ロール材8から補助ローラ10に搬送される天井面材4が水平から30度~45度程度となる。
また、補助ローラ10は、野縁材6の下部近傍であって、且つ補助ローラ10の回転の妨げにならない位置に配置する。補助ローラ10の上部を通過する天井面材4は、少し前方に配置された保持材12による溝状保持部14に向けて搬送される。このため、補助ローラ10を通過する天井面材4の高さ位置は、溝状保持部14の高さに近い位置が天井面材4の搬送には好ましい。
さて、ロール材8は、吊り部材82を用いて野縁材6の少し下方に配置する。ロール材8の配置では、先ず天井面材4を配置する箇所の左右の野縁材6に、それぞれ吊り部材82の取付け具84を係止させこれを取り付ける。取付け具84は、その係合片部92の先部を野縁材6の凹部23に突入(嵌め)させ、且つ係合片部92の凹所を野縁材6の側板部22に引っ掛けることで、簡単に取り付けられる。
そして、各取付け具84の基板部90に、それぞれ吊り棒86を垂下する状態で取り付ける。このとき、吊り棒86の上端部を基板部90に設けた孔部に挿通させ、ナットを吊り棒86の上端部に螺着して基板部90に固定する。また、吊り棒86の上端部を、野縁材6の底板部20に当接した状態で基板部90に固定することで、野縁材6に対する取付け具84及び吊り棒86の取り付けが強固になる。
さらに、吊り棒86の下部を、軸部材88の端部の保持孔96に挿通させ、この軸部材88の下部と吊り棒86の下端部との間にコイルバネ100を介在させ、下からナット98を螺着して軸部材88の一端部を吊り棒86に取り付ける。そして、用意されたロール材8(両端部にそれぞれカバー部材32を配置)を持ち上げ、軸部材88の他端部からこのロール材8の筒部材30を嵌め、軸部材88でロール材8を保持できる状態にする。
次に、他方の取付け具84に取り付けた吊り棒86の下部を、先にロール材8を取り付けた軸部材88の他端部の保持孔96に挿通させ、コイルバネ100を介在し、ナット98を吊り棒86に螺着してこの他端部を取り付ける。
これにより、ロール材8は、吊り部材82の軸部材88に回転自在に取り付けられる。この吊り部材82によれば、取付け具84等が容易に野縁材6に取り付けられ、また同様に取り外しも容易に行われることから作業が迅速に行える。
ロール材8を、隣り合う野縁材6間およびこれらの近傍に取り付けることにより、このロール材8からの天井面材4を、野縁材6の下部に配置した両保持材12(溝状保持部14)間に、円滑かつ正確に敷設することができる。
ロール材8の取付けでは、他に、取付け具84に吊り棒86、軸部材88及びロール材8等の全ての部材を取り付けておき、そのまま両取付け具84をそれぞれ野縁材6に係止させ、ナット等を締め付けて各部を調整し、ロール材8を配置するようにしても良い。ロール材8の取付け手順は、他にも種々あり現場の状況に応じて決めればよい。
続いて、前記ロール材8を取り付けた前方に、補助ローラ10を配置する。補助ローラ10は、両野縁材6の下部に回転可能に取り付けられる。
図6に示すように、補助ローラ10は、配置部材108を用いて両野縁材6間の下部に取り付ける。配置部材108は、板材をL型に屈曲したアングル材110、このアングル材110を野縁材6に取り付けるための固定部材112からなる。アングル材110は、横向き部位には取付用の孔部が設けられ、また縦向き部位には上下に長い長孔114が形成されている。固定部材112は、配置部材108を野縁材6の底板部20に固定するための部材である。
補助ローラ10は、天井面材4の敷設が終了すれば取り外すため、野縁材6への固定部材112の固定は、着脱が容易に行えることが望ましい。このため、固定部材112の野縁材6への固定手段としては、磁石による吸着、接着材による接着、或いはボルトナットによる螺着等が適当である。ここでは、固定部材112の上部に磁石113を取り付け、この磁石113による吸着を固定手段としている。
固定部材112は、例えば上側の接合部、中間の側部及び下側の取付け部からなる形態がある。この固定部材112は、その取付け部とアングル材110の横向き部位とをボルトナットを用いて固定し、固定部材112の下部にアングル材110を取り付ける。なお固定部材112は、側部及び取付け部の一部をカバー材で覆うようにしてもよい。
固定部材112の接合部には、鋼製の野縁材6に吸着する例えば板状の磁石113を接着材等で固着する。なお、固定部材112の接合部は他に、接着用、或いはビス、ボルトナット等を用いた螺着用等、野縁材6との各種の接合形態の採用が可能である。
補助ローラ10は、配置部材108を用いて野縁材6の下側に回転自在に取り付けられる。補助ローラ10の配置では、先のロール材8を配置した箇所の野縁材6に、それぞれ配置部材108を取り付ける。先ず、野縁材6の該当位置の下部(底板部20)に、配置部材108の固定部材112(アングル材110取付け済)を設置し固定する。
固定部材112は、上部の磁石113の吸着により、簡単に野縁材6に取り付けられ固定できる。他方の野縁材6の該当位置の下部にも、同様にして配置部材108を設置する。これら配置部材108は、下部の両アングル材110の縦向き部位が互いに向き合う状態に配置する。
次に、補助ローラ10の軸部に設けた貫通孔に軸材41を挿通する。そして、補助ローラ10の貫通孔から突出した軸材41の各端部を、それぞれ前記両アングル材110の長孔114に差し込む。補助ローラ10は、前記長孔114の範囲で上下に高さ調整が可能である。
そして、補助ローラ10の上下位置が定まれば、ナット116を前記軸材41の端部に螺設し、軸材41を長孔114の所定位置に固定する。なお、ナット116は、長孔114の内側及び外側の両側から螺設する。
補助ローラ10は、これを取り付けた配置部材108を野縁材6の下部に固定した状態で、軸材41を中心に回転自在である。
前記ロール材8及び補助ローラ10を、それぞれ隣り合う野縁材6間の所定位置に取り付けることにより、ロール材8からの天井面材4を、前方の保持材12による溝状保持部14に円滑かつ迅速に配置することができる。
さらに、保持材12の溝状保持部14の下部に、天井面材4を溝状保持部14に案内するガイド片81を取り付ける。ガイド片81は、幅の狭い板状の短尺材であり、可撓性のある板状のゴム材、合成樹脂材或いは金属材からなる。このガイド片81は、保持材12の端部の下部に接着材等を用いてその一端部を取り付ける。ガイド片81の他端部は、ガイド片81の可撓性により下方に湾曲し、補助ローラ10の近傍に位置させる。
次に、図3等に基づき天井面材の施工方法について説明する。なお、天井面材4の天井部2への施工に関し、天井面材4の繰り出し及び搬送敷設は主に作業員により行われる。上述したように天井部2に架設した野縁材6には、この野縁材6の下部に沿う状態で保持材12が取り付けられている。
天井面材4は、天井部2の一辺の壁際部78近傍から、これと向き合う他辺の壁際部に向けて連続的に搬送し配置する。
そして、前記配置したロール材8から天井面材4を繰り出し、この天井面材4は、その前方に配置した補助ローラ10の上部を通過させる。このとき、補助ローラ10は天井面材4の通過に伴って回転し、同時に補助ローラ10により、天井面材4の進行方向を水平に近い向きに転換させ天井面材4をガイドする。
また、天井面材4の下面は波形状であり、一方の補助ローラ10の表面は全周に渡って波板が取り付けられ歯車状に形成されているため、両者は良好に噛み合う。このため、天井面材4が補助ローラ10の回転材40の上部を通過する際には、両者が噛み合い天井面材4の搬送がスムーズに行える。
補助ローラ10の先(前部)には、野縁材6の下部に保持材12が配置されており、補助ローラ10の少し前方に、この保持材12(溝状保持部14)の手前側の端部が位置している。そして、保持材12の溝状保持部14の下部には、ガイド片81が下方に湾曲した状態で取り付けられている。このため、ガイド片81の上面部を天井面材4(縁部5)が滑らかに通過し、ガイド片81により天井面材4が溝状保持部14にガイドされる。
隣り合う保持材12同士の間隔は、天井面材4の幅と同じ程度にしており、天井面材4はそのまま保持材12同士間に配置可能であり、溝状保持部14に嵌め入れることができる。
ロール材8から繰り出した天井面材4は、補助ローラ10の上部を通過しかつ搬送され、天井面材4の端部66(先端部)の左右の縁部5を、それぞれ野縁材6の下部の保持材12による溝状保持部14に差し込み(嵌め)、先へ移動させる。この際、天井面材4の向きは補助ローラ10により転換され、水平に近い角度で溝状保持部14に向けて搬送することができ、溝状保持部14内への差し込みも容易に行え、作業の迅速化が図れる。
またこの際、ガイド片81により、天井面材4が自然に溝状保持部14にガイド案内され、天井面材4の搬送等が楽に行える。さらに、ロール材8と補助ローラ10との距離も比較的近距離に設定できることから、ロール材8から補助ローラ10への天井面材4の移送もスムーズに行える。
そして、天井面材4をロール材8から繰り出し(巻き戻し)ながら、その縁部5を溝状保持部14に沿って奥方向に押し込み、各保持材12の長尺方向(前方)に向けて搬送する。こうして、天井面材4の端部66が、左右の両保持材12の前方の端部、即ち他辺の壁際部に到達するまで天井面材4を押し込みかつ移動搬送する。
これにより、天井面材4は、両縁部5がそれぞれ保持材12の溝状保持部14に嵌められて支持され、また天井面材4が天井部2の一辺の壁際部78から他辺の壁際部にかけて配置される。
図7は、搬送冶具120を用いて、天井面材4の搬送を補助する状態を示している。この搬送冶具120は、平坦な矩形状の板材122の上面部に波形シート材124を接着等により固着したものである。この波形シート材124は、天井面材4の波形状と同様な断面形状にシート材を波形状に形成したものである。また、板材122の下部には、握って操作するためのU字状のハンドル部126が取り付けられている。
通常、天井面材4の波形状のシート材は比較的脆いため、むやみに引っ張ると破損したりする虞がある。このため、天井面材4を野縁材6に沿って搬送する際等には、天井面材4の下方から搬送冶具120を押し当て、天井面材4の波形状の面に搬送冶具120の波形シート材124を噛み合わせ、そのまま搬送冶具120を搬送方向に移動操作し、天井面材4を引いて搬送する。これにより、天井面材4の波形の形状を壊さず、且つ簡易に天井面材4を搬送することができる。
特に、天井部2の壁際部78の近傍においては、天井面材4の端部66を搬送するのが面倒である。この場合、搬送冶具120を用いることで、天井面材4の端部66を壁際部78の保持材12zに向けて楽に搬送でき、簡単に天井面材4の端部66を保持材12zに収めることができる。
また、天井面材4を野縁材6に沿って搬送する場合、糸或いは紐等の線材を用いるのも有効な手段である。この場合、例えば図8に示すように、天井面材4の先端部66に引っ掛け孔部(ここでは2箇所)を設け、これら孔部間を繋いだ線材の中間部から線材128を延設し、この線材128の他端部を搬送先の壁際部78まで延ばした状態に配置する。
そして、搬送先から前記線材128を引くことで、天井面材4の先端部66を簡単に搬送することができ、またこれを壁際部78の保持材12zに収めることができる。
前記線材128を引く場合、同図に示すように例えば野縁受け材72等に滑車129を取り付け、この滑車129により線材128の向きを下方に変え、これを床面等から引っ張り天井面材4を搬送するのも有効である。
天井部2は、地上からの高さがあるため天井面材4を野縁材6に沿って搬送する場合、途中箇所の搬送は大変であるが、前記線材を用いることで、天井部2の他の壁際部78までの天井面材4の搬送が容易に行える。
次に、吊り部材82に用いたコイルバネ100について説明する。このコイルバネ100は、ロール材8を載置した軸部材88からの荷重に応じて上下に伸縮する。ロール材8の繰り出し当初は、ロール材8の重量が比較的重いためコイルバネ100は収縮し、ロール材8は比較的下方に位置する。そして、ロール材8から天井面材4が多く繰り出された後は、ロール材8はその分重量が軽くなるためコイルバネ100は伸長し、軸部材88とともにロール材8は上方に押し上げられ移動する。
これにより、ロール材8からの天井面材4の繰り出し量に応じて、ロール材8の半径は小さくなり、天井面材4の繰出し位置101が相対的に下降する一方、ロール材8の軽量化に伴いコイルバネ100は伸長し、ロール材8が押し上げられる。
このため、ロール材8の上部表面の天井面材4の繰出し位置101として、その絶対位置は比較的一定し、ロール材8の繰出し位置101と、補助ローラ10との高さ位置との位置関係が比較的一定に維持される。
そして、ロール材8から繰り出される天井面材4は、その先の補助ローラ10の上部に向けて搬送されるが、両者の高さ関係が一定に保たれることから、天井面材4の繰り出し角度等も一定に維持され、天井面材4の繰り出し及び搬送作業の変化なく調和して行え、作業性にも寄与する。また、コイルバネ100は天井面材4の繰り出しに対して、これを弾性保持する作用があるため、天井面材4には適度な張力が維持され、天井面材4の弛み等が防げるという効果がある。
前記他辺の壁際部の野縁材6(保持材12)の端部までの天井面材4の配置が終了すると、先ず補助ローラ10を野縁材6から取り外す。この場合、補助ローラ10の取り付けは固定部材112に設けた磁石の吸着によるため、この取り外しは簡単に行える。
そして、補助ローラ10及びロール材8の取付け位置等、天井面材4の未配置箇所のため天井面材4の一部を残しておく。このため、ロール材8から該当する長さの天井面材4を繰り出し、所定の位置で切断する。
この後、天井面材4が残されたロール材8を取り外す。このロール材8についても、これを野縁材6に取り付け係止係合させた取付け具84等は、その係合片部92を野縁材6から外すことで、簡単に取り外せる。
そして、前記未配置箇所の野縁材6の下部に保持材12を取り付け、天井面材4を配置する。この場合、先に天井面材4を野縁材6の下部に配置し、下から保持材12を野縁材6の底板部20に押し当て、このまま保持材12を野縁材6の底板部20に螺着する。これにより、前記未配置箇所への天井面材4の配置が楽に行える。
また、天井面材4を切断した端部66(後端部)は壁際部78に配置されるが、これを保持するため、一辺の壁際部78に保持材12(12z)を取り付ける。壁際部78の保持材12は、野縁材6とは直交する方向に配置し、隣り合う両野縁材6間に架設する。この場合、一方の野縁材6の底板部20に保持材12の一端部の頂部46を止着具54で螺設し、他方の野縁材6についても同様に保持材12の他端部を螺設して架設する。そして、天井面材4の端部66を保持材12に収め支持する。
天井面材4の移動搬送の際、搬送冶具120を用いることにより、天井面材4の移動搬送及び壁際部78に天井面材4を搬送することが容易に行え、また、天井面材4の端部66を保持材12(12z)に簡単に収めることができる。
天井部2の他辺の壁際部における天井面材4の端部66についても、同様にしてこの他辺の壁際部に保持材12を配置し、これに天井面材4の端部66を収め支持させる。
なお、壁際部の保持材12として、主に断面Z状の保持材12zを用いる。この保持材12zは、断面ハット状の保持材12aの片半部分の形状であり、その頂部を野縁材6の底板部20に固定する。
このように、天井部2の隣り合う野縁材6間、及び天井部2の一辺及び他辺の各壁際部78に天井面材4を配置支持させ、他の隣り合う野縁材6間についても同様に天井面材4を配置し、天井部2の全体に天井面材4を配置敷設する。
従って、前記実施の形態に係る天井面材の施工構造及び施工方法によれば、野縁材間に配置したロール材から天井面材4を巻き戻しながら天井部2に配置するという施工により、ロール材からの天井面材の繰り出し及び搬送が容易に行え、作業性が良く少人数での取付けも可能となり、天井部2への天井面材4の配置が容易、迅速かつ効果的に行えて施工性に優れ、また天井面材の配置構造が簡易なことから経済性にも優れるという効果がある。
2 天井部
4 天井面材
6 横材(野縁材)
8 ロール材
10 補助ローラ
12 保持材
14 溝状保持部
30 筒部材
81 ガイド片
82 吊り部材
84 取付け具
86 吊り棒
88 軸部材
100 弾性材(コイルバネ)
108 配置部材
113 磁石

Claims (10)

  1. 建物の天井部に、ロール状に巻かれた天井面材を取り付けるための天井面材の施工構造であって、
    前記天井部に平行に架設された横材と、
    前記横材の下部に、これに沿う状態で取り付けられ、前記天井面材の縁部を支持可能な溝状保持部を形成する保持材と、
    隣り合う前記横材から、それぞれ垂下された吊り部材に回転可能に支持され、前記天井面材がロール状に巻かれたロール材と、
    前記隣り合う横材の下部間に回転可能に配置され、前記ロール材から繰り出された前記天井面材の搬送方向をガイド可能な補助ローラと、を有し、
    前記吊り部材として、前記隣り合う横材にそれぞれ係止させる取付け具、当該取付け具からそれぞれ垂下される吊り棒、これら吊り棒間に架設され、前記ロール材の中心の筒部材に挿通可能な軸部材を具備し、当該軸部材により前記ロール材を回転可能に支持させ、
    前記吊り棒の下部に、それぞれ前記軸部材を保持する弾性材を介在させ、前記軸部材に支持された前記ロール材の重量に応じて前記弾性材を上下に伸縮させ、前記ロール材からの前記天井面材の繰り出しに伴い、前記軸部材とともに前記ロール材を上方に移動させることとし、
    前記ロール材から繰り出した前記天井面材の搬送方向を、前記補助ローラにより前記溝状保持部に向けてガイドさせ、前記天井面材の左右の縁部をそれぞれ前記溝状保持部に嵌め入れ、前記ロール材から前記天井面材を繰り出しつつ、当該天井面材を前記溝状保持部に沿って奥方向に移動させ、前記天井面材を前記天井部に配置することを特徴とする天井面材の施工構造。
  2. 建物の天井部に、ロール状に巻かれた天井面材を取り付けるための天井面材の施工構造であって、
    前記天井部に平行に架設された横材と、
    前記横材の下部に、これに沿う状態で取り付けられ、前記天井面材の縁部を支持可能な溝状保持部を形成する保持材と、
    隣り合う前記横材から、それぞれ垂下された吊り部材に回転可能に支持され、前記天井面材がロール状に巻かれたロール材と、
    前記隣り合う横材の下部間に回転可能に配置され、前記ロール材から繰り出された前記天井面材の搬送方向をガイド可能な補助ローラと、を有し、
    表面を断面波形状に形成した前記天井面材を用い、前記補助ローラの回転材の一部又は全体を前記波形状と噛み合う歯車状に形成し、この補助ローラにより前記天井面材を搬送させることとし、
    前記ロール材から繰り出した前記天井面材の搬送方向を、前記補助ローラにより前記溝状保持部に向けてガイドさせ、前記天井面材の左右の縁部をそれぞれ前記溝状保持部に嵌め入れ、前記ロール材から前記天井面材を繰り出しつつ、当該天井面材を前記溝状保持部に沿って奥方向に移動させ、前記天井面材を前記天井部に配置する
    ことを特徴とする天井面材の施工構造。
  3. 建物の天井部に、ロール状に巻かれた天井面材を取り付けるための天井面材の施工構造であって、
    前記天井部に平行に架設された横材と、
    前記横材の下部に、これに沿う状態で取り付けられ、前記天井面材の縁部を支持可能な溝状保持部を形成する保持材と、
    隣り合う前記横材から、それぞれ垂下された吊り部材に回転可能に支持され、前記天井面材がロール状に巻かれたロール材と、
    前記隣り合う横材の下部間に回転可能に配置され、前記ロール材から繰り出された前記天井面材の搬送方向をガイド可能な補助ローラと、を有し、
    前記補助ローラを前記横材に取り付けるための配置部材を用い、この配置部材の上部に磁石を装着し、当該磁石により前記配置部材を前記横材の下部に吸着させ、前記補助ローラを前記横材に取り付けることとし、
    前記ロール材から繰り出した前記天井面材の搬送方向を、前記補助ローラにより前記溝状保持部に向けてガイドさせ、前記天井面材の左右の縁部をそれぞれ前記溝状保持部に嵌め入れ、前記ロール材から前記天井面材を繰り出しつつ、当該天井面材を前記溝状保持部に沿って奥方向に移動させ、前記天井面材を前記天井部に配置することを特徴とする天井面材の施工構造。
  4. 建物の天井部に、ロール状に巻かれた天井面材を取り付けるための天井面材の施工構造であって、
    前記天井部に平行に架設された横材と、
    前記横材の下部に、これに沿う状態で取り付けられ、前記天井面材の縁部を支持可能な溝状保持部を形成する保持材と、
    隣り合う前記横材から、それぞれ垂下された吊り部材に回転可能に支持され、前記天井面材がロール状に巻かれたロール材と、
    前記隣り合う横材の下部間に回転可能に配置され、前記ロール材から繰り出された前記天井面材の搬送方向をガイド可能な補助ローラと、を有し、
    前記保持材の溝状保持部の下部に、可撓性を有するガイド片の一端部を取り付け、下方に湾曲する当該ガイド片の他端部を前記補助ローラの近傍に位置させ、
    前記ロール材から繰り出した前記天井面材の搬送方向を、前記補助ローラにより前記溝状保持部に向けてガイドさせ、前記天井面材の左右の縁部をそれぞれ前記溝状保持部に嵌め入れ、前記ロール材から前記天井面材を繰り出しつつ、当該天井面材を前記溝状保持部に沿って奥方向に移動させ、前記天井面材を前記天井部に配置することを特徴とする天井面材の施工構造。
  5. 前記吊り部材として、前記隣り合う横材にそれぞれ係止させる取付け具、当該取付け具からそれぞれ垂下される吊り棒、これら吊り棒間に架設され、前記ロール材の中心の筒部材に挿通可能な軸部材を具備し、当該軸部材により前記ロール材を回転可能に支持することを特徴とする請求項2、3又は4に記載の天井面材の施工構造。
  6. 前記吊り棒の下部に、それぞれ前記軸部材を保持する弾性材を介在させ、前記軸部材に支持された前記ロール材の重量に応じて前記弾性材を上下に伸縮させ、前記ロール材からの前記天井面材の繰り出しに伴い、前記軸部材とともに前記ロール材を上方に移動させることを特徴とする請求項に記載の天井面材の施工構造。
  7. 表面を断面波形状に形成した前記天井面材を用い、前記補助ローラの回転材の一部又は全体を前記波形状と噛み合う歯車状に形成し、この補助ローラにより前記天井面材を搬送させることを特徴とする請求項1、3又は4に記載の天井面材の施工構造。
  8. 建物の天井部に、ロール状に巻かれた天井面材を取り付ける天井面材の施工方法であって、
    前記天井部に平行に横材を架設し、
    上記横材の下部に、これに沿う状態で、前記天井面材の縁部を支持可能な溝状保持部を形成する保持材を取り付け、
    隣り合う前記横材から、それぞれ垂下された吊り部材に、前記天井面材がロール状に巻かれたロール材を回転可能に配置し、
    前記隣り合う横材の下部間に、前記ロール材から繰り出された前記天井面材の搬送方向をガイド可能な補助ローラを配置し、
    前記吊り部材は、前記隣り合う横材にそれぞれ係止させる取付け具、当該取付け具からそれぞれ垂下される吊り棒間に架設され、前記ロール材の中心の筒部材に挿通可能な軸部材を備え、当該軸部材により前記ロール材を回転可能に支持し、
    前記吊り棒の下部に、それぞれ前記軸部材を保持する弾性材を介在させ、前記軸部材に支持された前記ロール材の重量に応じて前記弾性材を上下に伸縮させ、前記ロール材からの前記天井面材の繰り出しに伴い、前記軸部材とともに前記ロール材を上方に移動し、
    前記ロール材から前記天井面材を繰り出し、前記補助ローラにより前記天井面材の搬送方向を、前記溝状保持部に向けてガイドさせ、当該天井面材の左右の縁部をそれぞれ前記溝状保持部に嵌め入れ、前記ロール材から前記天井面材を繰り出しつつ、当該天井面材を前記溝状保持部に沿って奥方向に移動させ、前記天井面材を前記天井部に配置することを特徴とする天井面材の施工方法。
  9. 建物の天井部に、ロール状に巻かれた天井面材を取り付ける天井面材の施工方法であって、
    前記天井部に平行に横材を架設し、
    上記横材の下部に、これに沿う状態で、前記天井面材の縁部を支持可能な溝状保持部を形成する保持材を取り付け、
    隣り合う前記横材から、それぞれ垂下された吊り部材に、前記天井面材がロール状に巻かれたロール材を回転可能に配置し、
    前記隣り合う横材の下部間に、前記ロール材から繰り出された前記天井面材の搬送方向をガイド可能な補助ローラを配置し、
    前記天井面材の表面を断面波形状に形成し、前記補助ローラの回転材の一部又は全体を前記波形状と噛み合う歯車状に形成し、この補助ローラにより前記天井面材を搬送させ、
    前記ロール材から前記天井面材を繰り出し、前記補助ローラにより前記天井面材の搬送方向を、前記溝状保持部に向けてガイドさせ、当該天井面材の左右の縁部をそれぞれ前記溝状保持部に嵌め入れ、前記ロール材から前記天井面材を繰り出しつつ、当該天井面材を前記溝状保持部に沿って奥方向に移動させ、前記天井面材を前記天井部に配置することを特徴とする天井面材の施工方法。
  10. 前記吊り部材は、前記隣り合う横材にそれぞれ係止させる取付け具、当該取付け具からそれぞれ垂下される吊り棒間に架設され、前記ロール材の中心の筒部材に挿通可能な軸部材を備え、当該軸部材により前記ロール材を回転可能に支持することを特徴とする請求項に記載の天井面材の施工方法。




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