JP2018070477A - 水中油型乳化組成物 - Google Patents
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Description
(A) 水膨潤性粘土鉱物
(B) アニオン性界面活性剤
(C) 非イオン性界面活性剤
(D) 親水性紫外線散乱剤
(E) 脂肪酸
(F) コレステロール及び/又はフィトステロール
(G) 水
工程1:(A)水膨潤性粘土鉱物、(B)アニオン性界面活性剤及び(G)水を含む水相成分を調製する工程
工程2:(C)非イオン性界面活性剤、(E)脂肪酸、並びに(F)コレステロール及び/又はフィトステロールを含む油相成分を調製する工程
工程3:工程1で得られる水相成分と工程2で得られる油相成分とを40〜90℃にて加熱混合し、乳化液を調製する工程
工程4:工程3で得られた乳化液に、あらかじめ水に分散させた(D)親水性紫外線散乱剤を混合する工程
本明細書において「水膨潤性」とは、第15改正日本薬局方に定められたベントナイトの膨潤力についての試験方法を準用し、粘土鉱物2.0gの膨潤体積(cm3)で表される膨潤力が、20cm3/2g以上であるものをいう。
成分(B)のアニオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、乳化安定性の観点から、アミノ酸系界面活性剤を含むことが好ましく、これらの中でも、アシルグルタミン酸塩及びアシルメチルタウリン塩から選択される1種又は2種以上を含むことがより好ましい。市販品としては、アミソフトHS-11P(味の素社製;ステアロイルグルタミン酸ナトリウム)、NIKKOL SMT(日光ケミカルズ社製;ステアロイルタウリンナトリウム)が例示できる。
成分(C)の非イオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、乳化安定性及び経日安定性を向上させる観点から、HLBが7以下のものが好ましい。例えば、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、セスキイソステアリン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル、セスキオレイン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル;ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル、ペンタオレイン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、イソステアリン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、ジオレイン酸ジグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル;モノオレイン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル;POE(5)硬化ヒマシ油、POE(7.5)硬化ヒマシ油、POE(10)硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
これらの中でも、グリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上を含むことが好ましく、モノステアリン酸グリセリルを含むことがより好ましい。2種以上のHLBのものを使用する場合は、加重平均等で上記範囲にしてもよい。
HLB=7+11.7log(Mw/Mo)・・・(I)
〔式中、Mwは親水性基部の分子量、Moは親油性基部の分子量をそれぞれ示す。〕
成分(D)の親水性紫外線散乱剤は、紫外線散乱剤の表面が親水処理されたものである。
本発明に用いられる紫外線散乱剤としては、特に限定されないが、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム等が挙げられる。紫外線防御効果の観点から、酸化チタン及び/又は酸化亜鉛を含むことが好ましく、酸化チタンを含むことがより好ましい。紫外線散乱剤の粒径は、紫外線防御効果や分散性を向上させ経日安定性を向上させる観点から、平均一次粒子径1〜1000nmが好ましい。
成分(E)の脂肪酸は、一般に化粧料に用いられるもので、飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸、また直鎖脂肪酸及び分岐脂肪酸のいずれでもよい。脂肪酸の平均炭素数は、好ましくは12以上、より好ましくは14以上であって、また、好ましくは24以下、より好ましくは22以下である。上記脂肪酸の具体例としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等が挙げられる。なかでもステアリン酸が好ましい。
成分(F)のコレステロール及びフィトステロールは、ステロール骨格を有し、水に溶解せず、油剤にも溶解しにくい物質である。フィトステロールは植物から得られる植物ステロールの総称であり、β-シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、ブラシカステロール等を含有する混合物を挙げることができる。市販されているものとしては、Presome C-I、Presome CSII-101、Phytopresome等(以上、日本精化株式会社)を挙げることができる。
本発明の水中油型乳化組成物中における水の含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは99質量%以下、より好ましくは97質量%以下、更に好ましくは93質量%以下である。
本発明の水中油型乳化組成物中には、保湿性、塗布時の伸びの良さを高めるため、更に、多価アルコールを含有させることが好ましい。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール(平均分子量650未満)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(平均分子量650未満)、イソプレングリコール、1,3-ブチレングリコール等のグリコール類;グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンが挙げられる。このうち、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコールが好適に使用でき、より好ましくはジプロピレングリコールである。これらの多価アルコールは、1種又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
本発明の水中油型乳化組成物には、更に25℃で液状又はペースト状の油剤を含有させることができる。かかる液状又はペースト状の油剤には、液状の有機紫外線吸収剤、及び通常の化粧料に用いられる油剤(化粧料用油剤)が含まれる。
本発明の水中油型乳化組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、以上の成分のほか、通常、医薬品、医薬部外品、化粧品等に配合される他の成分、例えば固形油、増粘剤、防腐剤、pH調整剤、アルコール類、薬剤、固形の紫外線吸収剤、成分(D)以外の紫外線散乱剤、色素、香料等を、必要に応じて適宜配合することができる。
本発明の水中油型乳化組成物の用途は任意であるが、化粧料、医薬品、医薬部外品等に好適に用いることができる。具体的には、ローション、乳液、美容クリーム、下地化粧料、日焼け止め化粧料、パック、マッサージ化粧料等の皮膚化粧料;各種薬剤を含有するクリーム等の外用医薬品として好適に利用できる。
本発明の水中油型乳化組成物は、紫外線散乱剤を均一に分散でき、水中油型乳化組成物中に安定性を向上させる観点から、以下の工程を含む方法により製造されることが好ましい。
工程1:(A)水膨潤性粘土鉱物、(B)アニオン性界面活性剤及び(G)水を含む水相成分を調製する工程
工程2:(C)非イオン性界面活性剤、(E)脂肪酸、並びに(F)コレステロール及び/又はフィトステロールを含む油性成分を調製する工程
工程3:工程1で得られる水相成分と工程2で得られる油相成分とを40〜90℃、好ましくは50〜80℃にて加熱混合し、乳化液を調製する工程
工程4:工程3で得られる乳化液に、あらかじめ水に分散させた(D)親水性紫外線散乱剤を混合する工程
下記製造方法に従って表1及び表2に示す水中油型乳化組成物を調製し、下記試験方法及び評価方法に従って試験・評価を行った。
(1)表中に示す各水相成分を80℃で加熱溶解させ、水相を調製した。
(2)表中に示す各油相成分を80℃で加熱溶解させ、油相を調製した。
(3)水相に油相を添加して乳化機を用いて乳化した。
(4)上記(3)に紫外線散乱剤を加えて分散を行い、水中油型乳化組成物を得た。
(1)紫外線防御能試験
表1に示す実施例1及び実施例7の各組成物を使用した。各試料を2mg/cm2の割合でPMMA板に塗布し、15分乾燥後に、PMMA板上の試料の所定8箇所について、SPFアナライザー(SPF 290S plus、Optometricus USA,Inc製)を用いて吸光度を測定した。測定結果を図1に示す。
専門パネラー10名により、表1及び表2の各試料を実際に顔に使用し、「塗布後の透明感」、「塗布時のきしみ感」について、評価を行った。
「塗布後の透明感」は、非常に透明感がある場合を5点、透明感がない場合を1点として1点刻みの5段階で評価し、10人の評価から平均点を求めた。
「塗布時のきしみ感」は、きしみ感を全く感じない場合を5点、非常にきしみ感を感じる場合を1点として1点刻みの5段階で評価し、10人の評価から平均点を求めた。
表1及び表2に示す各試料を60mLの透明なスクリュー管に封入し、50℃で1か月間保存した。1月保管後に、目視による乳化物の外観変化を評価した。
<基準>
○:1か月の保管後も分離などの外観変化がない。
×:1か月の保管後に分離(油浮き、クリーミング、水沈み)、ゲル化が観察される。
※2:アミソフトHS-11P(味の素ヘルシーサプライ社製)
※3:NIKKOL SMT(日光ケミカルズ社製)
※4:TTO-55(C)(石原産業社製)
※5:WT-PF02(テイカ社製;表中のカッコ付き数値は水分散体としての含有量)
※6:Eusolex T-AVO(メルク社製)
※7:MT-500SA(テイカ社製)
※8:TTO-W-5(石原産業社製;表中のカッコ付き数値は水分散体としての含有量)
Claims (6)
- 次の成分(A)〜(G)を含有し、成分(C)と成分(F)の合計量に対する成分(E)の質量比(E)/[(C)+(F)]が0.1以上1.0以下である水中油型乳化組成物。
(A) 水膨潤性粘土鉱物
(B) アニオン性界面活性剤
(C) 非イオン性界面活性剤
(D) 親水性紫外線散乱剤
(E) 脂肪酸
(F) コレステロール及び/又はフィトステロール
(G) 水 - 成分(D)が、平均一次粒子径1〜1000nmの酸化チタン及び/又は酸化亜鉛を親水化処理したものである請求項1に記載の水中油型乳化組成物。
- 成分(D)が、含水ケイ酸又は無水ケイ酸により表面処理された紫外線散乱剤を含むものである請求項1又は2のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
- 成分(C)のHLBが7以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物。
- 成分(B)アシルグルタミン酸塩及びアシルメチルタウリン塩から選択される1種又は2種以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物。
- 以下の工程を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物の製造方法。
工程1:(A)水膨潤性粘土鉱物、(B)アニオン性界面活性剤及び(G)水を含む水相成分を調製する工程
工程2:(C)非イオン性界面活性剤、(E)脂肪酸、並びに(F)コレステロール及び/又はフィトステロールを含む油相成分を調製する工程
工程3:工程1で得られる水相成分と工程2で得られる油相成分とを40〜90℃にて加熱混合し、乳化液を調製する工程
工程4:工程3で得られた乳化液に、あらかじめ水に分散させた(D)親水性紫外線散乱剤を混合する工程
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