JP2018070477A - 水中油型乳化組成物 - Google Patents

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【課題】紫外線防御効果が高く、製剤の経日安定性に優れ、また塗布時のきしみ感がなく、塗布後の透明性にも優れる紫外線防御化粧料の提供。【解決手段】次の成分(A)〜(G)を含有し、成分(C)と成分(F)の合計量に対する成分(E)の質量比(E)/[(C)+(F)]が0.1以上1.0以下である水中油型乳化組成物。(A) 水膨潤性粘土鉱物(B) アニオン性界面活性剤(C) 非イオン性界面活性剤(D) 親水性紫外線散乱剤(E) 脂肪酸(F) コレステロール及び/又はフィトステロール(G) 水【選択図】図1

Description

本発明は、水中油型乳化組成物に関する。
近年、日常生活における日焼け対策の重要性が指摘されてきており、自然な仕上がりが得られ、さっぱりとした使用感で連用しやすい水中油型の日焼け止め化粧料が開発されてきている。
例えば、特許文献1には、極微粒子酸化チタンを水−多価アルコールに分散させた透明なゾルとスメクタイトを含有することにより、二酸化チタンの沈殿等を生じさせることなく、自然な仕上がりとさっぱりとした使用感が得られる化粧料が開示されている。また特許文献2には、実質的に非凝集状態にある微粒子二酸化チタンと、紫外線A吸収能を有する紫外線吸収剤及び/又は紫外線A散乱能を有する紫外線散乱剤とを配合することにより、自然な仕上がりで紫外線防御効果が高い皮膚外用剤が開示されている。
特開昭64-75413号公報 特開平11-116454号公報
しかし、前記特許文献1及び2に記載の技術を含め、従来の紫外線防御化粧料は、紫外線防御効果には優れ、自然な仕上がり、さっぱりした使用感は得られるものの、製剤の経日安定性が十分ではなく、また塗布時にきしみ感があるという課題があった。
従って、紫外線防御効果が高く、製剤の経日安定性に優れ、塗布時のきしみ感がなく、塗布後の透明感にも優れる紫外線防御化粧料の開発が望まれている。
本発明者は、上記課題を解決するために検討を行った結果、水膨潤性粘土鉱物、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、ステロール類及び脂肪酸を含有する水中油型乳化組成物に、親水性の紫外線散乱剤を含有させると、紫外線散乱剤が水中油型乳化組成物に均一に分散され、沈降や凝集が起こらず、また水中油型乳化組成物の分離等もなく安定な組成物となることを見いだした。更にこの水中油型乳化組成物は、紫外線散乱剤が均一に分散していることにより、塗布時のきしみ感がなく、塗布後の透明性にも優れたものとなることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は次の成分(A)〜(G)を含有し、成分(C)と成分(F)の合計量に対する成分(E)の質量比(E)/[(C)+(F)]が0.1以上1.0以下である水中油型乳化組成物を提供するものである。
(A) 水膨潤性粘土鉱物
(B) アニオン性界面活性剤
(C) 非イオン性界面活性剤
(D) 親水性紫外線散乱剤
(E) 脂肪酸
(F) コレステロール及び/又はフィトステロール
(G) 水
また、本発明は以下の工程を含む、上記の水中油型乳化組成物の製造方法を提供するものである。
工程1:(A)水膨潤性粘土鉱物、(B)アニオン性界面活性剤及び(G)水を含む水相成分を調製する工程
工程2:(C)非イオン性界面活性剤、(E)脂肪酸、並びに(F)コレステロール及び/又はフィトステロールを含む油相成分を調製する工程
工程3:工程1で得られる水相成分と工程2で得られる油相成分とを40〜90℃にて加熱混合し、乳化液を調製する工程
工程4:工程3で得られた乳化液に、あらかじめ水に分散させた(D)親水性紫外線散乱剤を混合する工程
本発明の水中油型乳化組成物は、紫外線防御効果が高く、製剤の経日安定性に優れ、塗布時のきしみ感がなく、塗布後の透明感にも優れるものである。
本発明(実施例1、7)の水中油型乳化組成物における紫外領域から可視領域にかけての吸光度を示す図である。
〔成分(A):水膨潤性粘土鉱物〕
本明細書において「水膨潤性」とは、第15改正日本薬局方に定められたベントナイトの膨潤力についての試験方法を準用し、粘土鉱物2.0gの膨潤体積(cm3)で表される膨潤力が、20cm3/2g以上であるものをいう。
成分(A)の水膨潤性粘土鉱物としては、ベントナイト(天然及び合成ベントナイトを含む)、モンモリロナイト(天然及び合成モンモリロナイトを含む)、バイデライト、ノントロナイト、ラポナイト、ソーコナイト、ヘクトライト(天然及び合成ヘクトライトを含む)、スチブンサイト等のスメクタイト族の粘土鉱物、バーミキュライト、膨潤性合成フッ素雲母(Na型、Li型合成マイカ)、膨潤性の雲母等が挙げられる。このうち、ベントナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、ラポナイト、ヘクトライト、及び合成ベントナイト等が好ましく、なかでもベントナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、ラポナイト及びヘクトライトから選ばれる1種又は2種以上を含むことがより好ましい。
具体的な水膨潤性粘土鉱物としては、ポーラゲル(アメリカンコロイド社製)、ラポナイト(日本シリカ社製)、ベンゲル(豊順鉱業社製)、ルーセンタイト(コープケミカル株式会社製)、クニピア(クニミネ工業社製)、スメクトンSA(クニミネ工業社製)、ベンクレイ(水澤化学工業社製)、ビーガム(バンダービルト社製)等の商品名で市販されているものを使用することができる。
水膨潤性粘土鉱物の平均粒径は、水に分散させたとき、好ましくは1nm以上、より好ましくは5nm以上、更に好ましくは10nm以上であり、また、好ましくは5000nm以下、より好ましくは3000nm以下、更に好ましくは1500nm以下である。なお、ここでいう水膨潤性粘土鉱物の平均粒径とは、50質量倍の水に分散させた水膨潤性粘土鉱物をレーザー回折法により測定したメディアン径(積算粒子量が50体積%になる粒子径)であり、島津レーザ回折式粒度分布測定装置SALD-2200で測定することができる。
本発明の水中油型乳化組成物中における成分(A)の含有量は、経日安定性を向上させる観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上であり、また、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは4.0質量%以下、更に好ましくは3.0質量%以下である。
〔成分(B):アニオン性界面活性剤〕
成分(B)のアニオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、乳化安定性の観点から、アミノ酸系界面活性剤を含むことが好ましく、これらの中でも、アシルグルタミン酸塩及びアシルメチルタウリン塩から選択される1種又は2種以上を含むことがより好ましい。市販品としては、アミソフトHS-11P(味の素社製;ステアロイルグルタミン酸ナトリウム)、NIKKOL SMT(日光ケミカルズ社製;ステアロイルタウリンナトリウム)が例示できる。
本発明の水中油型乳化組成物中における成分(B)の含有量は、経日安定性を向上させる観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、また、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは2.0質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下である。
〔成分(C):非イオン性界面活性剤〕
成分(C)の非イオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、乳化安定性及び経日安定性を向上させる観点から、HLBが7以下のものが好ましい。例えば、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、セスキイソステアリン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル、セスキオレイン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル;ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル、ペンタオレイン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、イソステアリン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、ジオレイン酸ジグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル;モノオレイン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル;POE(5)硬化ヒマシ油、POE(7.5)硬化ヒマシ油、POE(10)硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
これらの中でも、グリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上を含むことが好ましく、モノステアリン酸グリセリルを含むことがより好ましい。2種以上のHLBのものを使用する場合は、加重平均等で上記範囲にしてもよい。
なお、HLB値は、親水性−親油性のバランスを示す指標であり、本発明においては、下記の川上式(I)により算出されるものを意味する。
HLB=7+11.7log(Mw/Mo)・・・(I)
〔式中、Mwは親水性基部の分子量、Moは親油性基部の分子量をそれぞれ示す。〕
本発明の水中油型乳化組成物中における成分(C)の含有量は、経日安定性を向上させる観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8.0質量%以下、更に好ましくは6.0質量%以下である。
本発明において、成分(C)に対する成分(B)の含有質量比(B)/(C)は、経日安定性を向上させる観点から、好ましくは0.02以上、より好ましくは0.03以上であり、また、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.5以下である。
〔成分(D):親水性紫外線散乱剤〕
成分(D)の親水性紫外線散乱剤は、紫外線散乱剤の表面が親水処理されたものである。
本発明に用いられる紫外線散乱剤としては、特に限定されないが、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム等が挙げられる。紫外線防御効果の観点から、酸化チタン及び/又は酸化亜鉛を含むことが好ましく、酸化チタンを含むことがより好ましい。紫外線散乱剤の粒径は、紫外線防御効果や分散性を向上させ経日安定性を向上させる観点から、平均一次粒子径1〜1000nmが好ましい。
また、紫外線散乱剤の粒子の形状としては、球状、板状、紡錘状、針状等のいずれでもよい。また、酸化チタンにおいては、ルチル型であってもアナターゼ型であってよいが、ルチル型を用いると、更に組成物の耐光性が向上し、好ましい。
また、紫外線散乱剤の表面処理剤としては、水に分散可能な処理剤であれば特に限定されないが、無水ケイ酸、含水ケイ酸を含むものが好ましい。また、これらケイ酸処理の前に、例えばアルミナ、酸化ジルコニウム等で、あらかじめ表面処理してもよい。
親水処理に用いる表面処理剤の総量としては、特に限定されないが、紫外線散乱剤の表面活性を封鎖し、紫外線散乱剤の分散性を向上させ、透明性やきしみ感を向上させる観点から、紫外線散乱剤に対して、好ましくは5.0質量%以上、より好ましくは10.0質量%以上であり、また、好ましくは50.0質量%以下、より好ましくは40.0質量%以下である。
表面処理剤総量に対する無水ケイ酸又は含水ケイ酸の割合は、特に限定されないが、この表面活性を十分に封鎖しやすく、透明性やきしみ感を向上させる観点から、50質量%以上であることが好ましい。
本発明では、特に限定されないが、親水性紫外線散乱剤の分散性及び分散体の経日安定性を向上させる観点から、ビーズミルや、その他の強分散機により、親水性紫外線散乱剤を水に分散させたものを用いることもできる。また、水分散体自体の安定性を保つために、水とともに界面活性剤やゲル化剤などを含有していてもよいし、更に、防腐剤や酸化防止剤などの安定剤を含有していてもよい。これら成分は、水分散体の調製時に添加しても、水分散体調製後に後から添加してもよい。親水性紫外線散乱剤の水分散体の市販品としては、例えば、含水ケイ酸被覆タイプである、テイカ株式会社製のWT-01、WT-PF01、WT-PF02、PXWT-1、MICRO TITANIUM DIOXIDE SMT-100WR、触媒化成工業株式会社製のCONCELIGHT WP-10S、クローダジャパン株式会社製のSOLAVEIL CT-30W、TIOVEIL AQN等;無水ケイ酸被覆タイプである、日揮触媒化成株式会社製のネオサンベールPW-6010A-20、ネオサンベールPW-6030A-20、ネオサンベールZPW-6010(S-25)、ネオサンベールZPW-6030(S-25)、石原産業株式会社性のTTO-W-5等;加水分解シルク被覆タイプである、株式会社JOHZEN製のエテルナZnO等;未被覆タイプであるメルク株式会社製のEusolex T、Eusolex T-AQUA等が挙げられる。成分(D)としては、分散性に優れ、均一に塗布できることから、含水ケイ酸又は無水ケイ酸により被覆したものを含むことが好ましく、含水ケイ酸により被覆したものを含むことがより好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物中における成分(D)の含有量は、紫外線防御効果、透明性、きしみ感を向上させる観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
〔成分(E):脂肪酸〕
成分(E)の脂肪酸は、一般に化粧料に用いられるもので、飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸、また直鎖脂肪酸及び分岐脂肪酸のいずれでもよい。脂肪酸の平均炭素数は、好ましくは12以上、より好ましくは14以上であって、また、好ましくは24以下、より好ましくは22以下である。上記脂肪酸の具体例としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等が挙げられる。なかでもステアリン酸が好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物中における成分(E)の含有量は、経日安定性を向上させる観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、また、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは2.0質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下である。
〔成分(F):コレステロール及び/又はフィトステロール〕
成分(F)のコレステロール及びフィトステロールは、ステロール骨格を有し、水に溶解せず、油剤にも溶解しにくい物質である。フィトステロールは植物から得られる植物ステロールの総称であり、β-シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、ブラシカステロール等を含有する混合物を挙げることができる。市販されているものとしては、Presome C-I、Presome CSII-101、Phytopresome等(以上、日本精化株式会社)を挙げることができる。
本発明の水中油型乳化組成物中における成分(F)の含有量は、製剤の経日安定性を向上させる観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、また、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは2.0質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下である。
また、経日安定性を向上させる観点から、成分(C)と成分(F)の合計量に対する成分(E)の質量比(E)/[(C)+(F)]は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.11以上、更に好ましくは0.12以上であり、また、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.8以下、更に好ましくは0.5以下である。
〔成分(G):水〕
本発明の水中油型乳化組成物中における水の含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは99質量%以下、より好ましくは97質量%以下、更に好ましくは93質量%以下である。
〔多価アルコール〕
本発明の水中油型乳化組成物中には、保湿性、塗布時の伸びの良さを高めるため、更に、多価アルコールを含有させることが好ましい。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール(平均分子量650未満)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(平均分子量650未満)、イソプレングリコール、1,3-ブチレングリコール等のグリコール類;グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンが挙げられる。このうち、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコールが好適に使用でき、より好ましくはジプロピレングリコールである。これらの多価アルコールは、1種又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
本発明の水中油型乳化組成物中における多価アルコールの含有量は、保湿性、塗布時の伸びの良さを高める点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、また、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。
〔液状又はペースト状の油剤〕
本発明の水中油型乳化組成物には、更に25℃で液状又はペースト状の油剤を含有させることができる。かかる液状又はペースト状の油剤には、液状の有機紫外線吸収剤、及び通常の化粧料に用いられる油剤(化粧料用油剤)が含まれる。
液状の有機紫外線吸収剤としては、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸2-エトキシエチル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸2-エチルヘキシル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ホモメンチル、オクトクリレン、ジメチルジエチルベンザルマロネート等が挙げられる。
液状油中に含まれる前記有機紫外線吸収剤以外の化粧料用油剤としては、α-オレフィンオリゴマー、流動イソパラフィン、流動パラフィン、イソヘキサデカン、水添ポリイソブテン、スクワラン等の炭化水素油;トリオクタン酸グリセリル、アボカド油、オリーブ油、ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、ダイズ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマシ油、綿実油、ミンク油等のトリグリセリド;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、カプリル酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ジオレイン酸プロピレングリコール、オレイン酸イソデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セチル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、イソノナン酸イソノニル、セバシン酸ジイソプロピル、イソステアリン酸プロピレングリコール等のエステル油;2-オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール等の分岐又は不飽和の高級アルコール;ジメチルポリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーン油を挙げることができる。
本発明の水中油型乳化組成物中における液状又はペースト状の油剤の含有量は、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは3質量%以上であり、また好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下がより好ましく、更に好ましくは20質量%以下である。
〔その他の任意成分〕
本発明の水中油型乳化組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、以上の成分のほか、通常、医薬品、医薬部外品、化粧品等に配合される他の成分、例えば固形油、増粘剤、防腐剤、pH調整剤、アルコール類、薬剤、固形の紫外線吸収剤、成分(D)以外の紫外線散乱剤、色素、香料等を、必要に応じて適宜配合することができる。
〔用途、剤型〕
本発明の水中油型乳化組成物の用途は任意であるが、化粧料、医薬品、医薬部外品等に好適に用いることができる。具体的には、ローション、乳液、美容クリーム、下地化粧料、日焼け止め化粧料、パック、マッサージ化粧料等の皮膚化粧料;各種薬剤を含有するクリーム等の外用医薬品として好適に利用できる。
本発明の水中油型乳化組成物の剤形は任意であり、液状、エマルション、ジェル状、スプレー状、ムース状等のものとして調製される。
〔製造方法〕
本発明の水中油型乳化組成物は、紫外線散乱剤を均一に分散でき、水中油型乳化組成物中に安定性を向上させる観点から、以下の工程を含む方法により製造されることが好ましい。
工程1:(A)水膨潤性粘土鉱物、(B)アニオン性界面活性剤及び(G)水を含む水相成分を調製する工程
工程2:(C)非イオン性界面活性剤、(E)脂肪酸、並びに(F)コレステロール及び/又はフィトステロールを含む油性成分を調製する工程
工程3:工程1で得られる水相成分と工程2で得られる油相成分とを40〜90℃、好ましくは50〜80℃にて加熱混合し、乳化液を調製する工程
工程4:工程3で得られる乳化液に、あらかじめ水に分散させた(D)親水性紫外線散乱剤を混合する工程
なお、工程4において、(D)親水性紫外線散乱剤は水分散体の形で、工程3で得られた乳化液に混合されるが、この水分散体の調製は、ビーズミルやその他の強分散機を用いて行うことができる。また、成分(D)の水分散体自体の安定性を保つために、水とともに界面活性剤やゲル化剤などを含有させて水分散体を調製してもよい。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1〜11、比較例1〜7
下記製造方法に従って表1及び表2に示す水中油型乳化組成物を調製し、下記試験方法及び評価方法に従って試験・評価を行った。
<製造方法>
(1)表中に示す各水相成分を80℃で加熱溶解させ、水相を調製した。
(2)表中に示す各油相成分を80℃で加熱溶解させ、油相を調製した。
(3)水相に油相を添加して乳化機を用いて乳化した。
(4)上記(3)に紫外線散乱剤を加えて分散を行い、水中油型乳化組成物を得た。
<試験方法、評価方法>
(1)紫外線防御能試験
表1に示す実施例1及び実施例7の各組成物を使用した。各試料を2mg/cm2の割合でPMMA板に塗布し、15分乾燥後に、PMMA板上の試料の所定8箇所について、SPFアナライザー(SPF 290S plus、Optometricus USA,Inc製)を用いて吸光度を測定した。測定結果を図1に示す。
図1の結果より、実施例1及び7の水中油型乳化組成物はいずれも、優れた紫外線防御効果を有していた。特に、親水性紫外線散乱剤を水分散体の形で用いた実施例1の水中油型乳化組成物は、300nm付近の吸光度が非常に高く、極めて優れた紫外線防御効果を示す一方、440nm付近の吸光度が低く、可視領域での透過率が低い、つまりは、光学特性上も塗布膜が白くならず、塗布時の透明性が高いことが明らかとなった。
(2)官能評価
専門パネラー10名により、表1及び表2の各試料を実際に顔に使用し、「塗布後の透明感」、「塗布時のきしみ感」について、評価を行った。
「塗布後の透明感」は、非常に透明感がある場合を5点、透明感がない場合を1点として1点刻みの5段階で評価し、10人の評価から平均点を求めた。
「塗布時のきしみ感」は、きしみ感を全く感じない場合を5点、非常にきしみ感を感じる場合を1点として1点刻みの5段階で評価し、10人の評価から平均点を求めた。
(3)経日安定性評価
表1及び表2に示す各試料を60mLの透明なスクリュー管に封入し、50℃で1か月間保存した。1月保管後に、目視による乳化物の外観変化を評価した。
<基準>
○:1か月の保管後も分離などの外観変化がない。
×:1か月の保管後に分離(油浮き、クリーミング、水沈み)、ゲル化が観察される。
※1:クニピアG4(クニミネ工業社製)
※2:アミソフトHS-11P(味の素ヘルシーサプライ社製)
※3:NIKKOL SMT(日光ケミカルズ社製)
※4:TTO-55(C)(石原産業社製)
※5:WT-PF02(テイカ社製;表中のカッコ付き数値は水分散体としての含有量)
※6:Eusolex T-AVO(メルク社製)
※7:MT-500SA(テイカ社製)
※8:TTO-W-5(石原産業社製;表中のカッコ付き数値は水分散体としての含有量)
表1及び表2より、本発明の水中油型乳化組成物は、比較例と比べて、経日安定性に優れ、塗布時のきしみ感がなく、塗布後の透明感があることが分かる。

Claims (6)

  1. 次の成分(A)〜(G)を含有し、成分(C)と成分(F)の合計量に対する成分(E)の質量比(E)/[(C)+(F)]が0.1以上1.0以下である水中油型乳化組成物。
    (A) 水膨潤性粘土鉱物
    (B) アニオン性界面活性剤
    (C) 非イオン性界面活性剤
    (D) 親水性紫外線散乱剤
    (E) 脂肪酸
    (F) コレステロール及び/又はフィトステロール
    (G) 水
  2. 成分(D)が、平均一次粒子径1〜1000nmの酸化チタン及び/又は酸化亜鉛を親水化処理したものである請求項1に記載の水中油型乳化組成物。
  3. 成分(D)が、含水ケイ酸又は無水ケイ酸により表面処理された紫外線散乱剤を含むものである請求項1又は2のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
  4. 成分(C)のHLBが7以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物。
  5. 成分(B)アシルグルタミン酸塩及びアシルメチルタウリン塩から選択される1種又は2種以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物。
  6. 以下の工程を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物の製造方法。
    工程1:(A)水膨潤性粘土鉱物、(B)アニオン性界面活性剤及び(G)水を含む水相成分を調製する工程
    工程2:(C)非イオン性界面活性剤、(E)脂肪酸、並びに(F)コレステロール及び/又はフィトステロールを含む油相成分を調製する工程
    工程3:工程1で得られる水相成分と工程2で得られる油相成分とを40〜90℃にて加熱混合し、乳化液を調製する工程
    工程4:工程3で得られた乳化液に、あらかじめ水に分散させた(D)親水性紫外線散乱剤を混合する工程
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