JP2018069785A - 車両の車室前部構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、フロントガラスの支持強度を向上させるとともに、フロントガラスの取付け精度を向上させることを目的とする。【解決手段】本発明に係る車両の車室前部構造のフロントピラー140は、室内側ピラー半筒部143と室外側ピラー半筒部141,145とにより筒状に構成されて、室内側ピラー半筒部143の周方向における一端縁と室外側ピラー半筒部145の周方向における一端縁とがフロントピラー140の筒状部分を構成して、相互に重ね合わされた状態で接合されており、フロントガラス18の端縁は、室外側ピラー半筒部145の一端縁と室内側ピラー半筒部143の一端縁との接合部位に対して周方向に所定角度だけ回転した位置にある室外側ピラー半筒部141,145の外周面の平坦なガラス固定面141sに固定されている。【選択図】図2
Description
本発明は、車両のフロントガラスにおける左右の端縁を左右のフロントピラーにより支持できるように構成された車両の車室前部構造に関する。
上記した車両の車室前部構造に関する技術が特許文献1に記載されている。特許文献1の車両では、図6に示すように、フロントピラー100は、ピラーアウタパネル101とピラーインナパネル102とピラーリインフォース103とを備えている。ピラーアウタパネル101とピラーインナパネル102とピラーリインフォース103とは幅方向一端側と他端側とにフランジ部101f,102f,103fが設けられている。そして、ピラーアウタパネル101とピラーインナパネル102とピラーリインフォース103とのフランジ部101f,102f,103fが相互にスポット溶接されることで、フロントピラー100が筒状に形成される。フロントピラー100の一端側(前側)のフランジ部101f,102f,103fにはフロントガラス105の端縁が接着により固定されている。また、フロントピラー100の他端側(後側)のフランジ部101f,102f,103fにはドアシール用のウエザーストリップ106が装着されている。
上記したように、特許文献1の車室前部構造では、フロントガラス105の端縁は、フロントピラー100の一端側(前側)のフランジ部101f,102f,103fに接着により固定されている。このように、フロントガラス105の端縁がフロントピラー100のフランジ部101f,102f,103fで支持される構成のため、フロントピラー100の筒状部分で支持する場合と比較して支持強度か低い。さらに、フランジ部101f,102f,103fはスポット溶接により接合されるため、フロントガラス105の固定面に波打ちが生じており、フロントガラスの取付け精度が低い。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、フロントガラスの支持強度を向上させるとともに、フロントガラスの取付け精度を向上させることである。
上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。請求項1の発明は、車両のフロントガラスにおける左右の端縁を左右のフロントピラーにより支持できるように構成された車両の車室前部構造であって、前記フロントピラーは、室内側ピラー半筒部と室外側ピラー半筒部とにより筒状に構成されて、前記室内側ピラー半筒部の周方向における一端縁と前記室外側ピラー半筒部の周方向における一端縁とが前記フロントピラーの筒状部分を構成して、相互に重ね合わされた状態で接合されており、前記フロントガラスの端縁は、前記室外側ピラー半筒部の一端縁と前記室内側ピラー半筒部の一端縁との接合部位に対して周方向に所定角度だけ回転した位置にある前記室外側ピラー半筒部の外周面の平坦なガラス固定面に固定されている。
本発明によると、フロントガラスの端縁は、室外側ピラー半筒部の一端縁と室内側ピラー半筒部の一端縁との接合部位に対して周方向に所定角度だけ回転した位置にある前記室外側ピラー半筒部の外周面の平坦なガラス固定面に固定されている。即ち、フロントガラスの端縁は、フロントピラーの筒状部分の外周面に形成された平坦なガラス固定面に固定されている。このため、従来のように、室外側ピラー半筒部のフランジ部と室内側ピラー半筒部のフランジ部との接合部位にガラス固定面を設ける構成と比較して、フロントガラスの端縁の支持強度が向上する。また、フロントピラーの筒状部分の外周面にガラス固定面を形成することで、ガラス固定面を平坦にでき、フロントガラスの取付け精度が向上する。
請求項2の発明によると、室内側ピラー半筒部の周方向における他端縁と前記室外側ピラー半筒部の周方向における他端縁とにはフランジ部が形成されており、前記室内側ピラー半筒部のフランジ部と前記室外側ピラー半筒部のフランジ部とが前記フロントピラーの筒状部分から半径方向外側に突出した状態で相互に接合されている。
請求項3の発明によると、室外側ピラー半筒部の一端縁と室内側ピラー半筒部の一端縁とは、機械的な連結構造と溶接とにより接合されている。ここで、室外側ピラー半筒部の一端縁と室内側ピラー半筒部の一端縁とは、相互に重ね合わされた状態で周方向に相対移動が可能なため、フロントピラーの筒状部分の製作精度が出し難い。しかし、機械的な連結構造を設けることで、室外側ピラー半筒部の一端縁と室内側ピラー半筒部の一端縁とを機械的な連結構造により仮止めした状態で溶接を行なえるようになる。このため、フロントピラーの筒状部分を構成している室外側ピラー半筒部の一端縁と室内側ピラー半筒部の一端縁とを確実に位置決めした状態で溶接できる。これにより、フロントピラーの製作精度を確保でき、フロントピラーによるフロントガラスの支持精度を向上させることができる。
請求項4の発明によると、室外側ピラー半筒部の一端縁と室内側ピラー半筒部の一端縁との溶接部位は、フロントピラーの長手方向において機械的な連結構造に挟まれた位置に設けられている。このため、長手方向の全体に亘ってフロントピラーの製作精度を確保した状態で、溶接を確実に行えるようになる。
請求項5の発明によると、室内側ピラー半筒部のフランジ部と室外側ピラー半筒部のフランジ部とは、フロントピラーの筒状部分に沿って配置されたエアバックが展開する際のガイドとして機能する。このため、室内側ピラー半筒部のフランジ部と室外側ピラー半筒部のフランジ部を有効利用できる。
本発明によると、フロントガラスの支持強度を向上させることができる。また、フロントガラスの取付け精度を向上させることができる。
[実施形態1]
以下、図1から図5に基づいて本発明の実施形態1に係る車両の車室前部構造について説明する。本実施形態に係る車両の車室前部構造は、車室の前部を構成するフロントガラスの支持構造、及びフロントガラスを支持するフロントピラーの構造に関するものである。ここで、図中に示す前後左右及び上下は、前記車室前部構造を備える車両の前後左右及び上下に対応している。
以下、図1から図5に基づいて本発明の実施形態1に係る車両の車室前部構造について説明する。本実施形態に係る車両の車室前部構造は、車室の前部を構成するフロントガラスの支持構造、及びフロントガラスを支持するフロントピラーの構造に関するものである。ここで、図中に示す前後左右及び上下は、前記車室前部構造を備える車両の前後左右及び上下に対応している。
<車両の車室前部構造の概要について>
車両ボディ10を構成する車室の前部には、図1に示すように、左右両側位置にフロントピラー14が設けられており、左右のフロントピラー14によってルーフパネル16の前部が支持されている。なお、車両は左右対称に構成されているため、図1等に基づき、代表して車両の左側の車室前部構造について説明する。
車両ボディ10を構成する車室の前部には、図1に示すように、左右両側位置にフロントピラー14が設けられており、左右のフロントピラー14によってルーフパネル16の前部が支持されている。なお、車両は左右対称に構成されているため、図1等に基づき、代表して車両の左側の車室前部構造について説明する。
フロントピラー14は、図1に示すように、フェンダーパネル19によって覆われた支柱本体部14mと、その支柱本体部14mの上側延長線上に設けられた窓枠部140とを備えている。そして、左右のフロントピラー14の窓枠部140とルーフパネル16の前端部16fによって囲まれた範囲にフロントガラス18がセットされている。また、ルーフパネル16の左右両側には、ルーフサイドレール160が車両前後方向に延びるように形成されている。ルーフサイドレール160は、フロントピラー14の窓枠部140がつながるように、その窓枠部140の延長線上に設けられている。
車両ボディ10の車室の側面には、フロントピラー14、ルーフサイドレール160、車室フロア(図示省略)、及びボディ後部側壁10bの前端部に囲まれた範囲にドア開口部10kが形成されている。そして、ドア開口部10kがフロントドア20によって開閉可能に構成されている。フロントドア20は、上下一対のドアヒンジ(図示省略)によって水平回動可能な状態でフロントピラー14の支柱本体部14mに連結されている。
車両のフロントピラー14の窓枠部140とルーフサイドレール160との室外側は、図1に示すように、装飾用カバー部品30によって車両ボディ10のドア開口部10kの周縁に沿って連続的に覆われている。装飾用カバー部品30は、フロントピラー14の窓枠部140からルーフサイドレール160までを覆うカバー部品本体部34と、フロントピラー14の窓枠部140に沿ってフロントガラス18の表面を覆うレインガータモール部40等とから構成されている。また、フロントピラー14の窓枠部140は、図2に示すように、室内側が半筒状のピラー用トリム50によって覆われている。
<フロントピラー14の窓枠部140について>
フロントピラー14の窓枠部140は、図2〜図4に示すように、ピラーインナパネル143とピラーアウタリインフォース145とピラーアウタパネル141とから筒状に形成されている。ピラーアウタパネル141は、フロントピラー14の窓枠部140における室外側で装飾用カバー部品30及びドア用ウエザー70の支持レール73が取付けられるパネルである。ピラーアウタパネル141は、右端から順番にガラス固定フランジ部141s、傾斜部141r、天板部141u、縦壁部141h、及びフランジ部141fを備えている。そして、ガラス固定フランジ部141sとフランジ部141fとに対して傾斜部141rと天板部141uと縦壁部141hとが断面略山形に突出するように構成されている。ピラーアウタパネル141の天板部141uと縦壁部141hとには、装飾用カバー部品30の固定用の連結ピン74,75が通される貫通穴(図番省略)が形成されている。
フロントピラー14の窓枠部140は、図2〜図4に示すように、ピラーインナパネル143とピラーアウタリインフォース145とピラーアウタパネル141とから筒状に形成されている。ピラーアウタパネル141は、フロントピラー14の窓枠部140における室外側で装飾用カバー部品30及びドア用ウエザー70の支持レール73が取付けられるパネルである。ピラーアウタパネル141は、右端から順番にガラス固定フランジ部141s、傾斜部141r、天板部141u、縦壁部141h、及びフランジ部141fを備えている。そして、ガラス固定フランジ部141sとフランジ部141fとに対して傾斜部141rと天板部141uと縦壁部141hとが断面略山形に突出するように構成されている。ピラーアウタパネル141の天板部141uと縦壁部141hとには、装飾用カバー部品30の固定用の連結ピン74,75が通される貫通穴(図番省略)が形成されている。
ピラーインナパネル143は、図2に示すように、フロントピラー14の窓枠部140における室内側を構成するパネルである。ピラーインナパネル143は、右端から順番に右側縦壁部143w、底板部143d、左側縦壁部143b、及びフランジ部143fを備えている。そして、ピラーインナパネル143の左右の縦壁部143b,143wと底板部143dとが断面略U字形に成形されている。
ピラーアウタリインフォース145は、図2に示すように、フロントピラー14の窓枠部140における室外側を構成するパネルである。ピラーアウタリインフォース145は、右端から順番に右側縦壁部145w、天板部145s、左側縦壁部145b、及びフランジ部145fを備えている。そして、ピラーアウタリインフォース145の左右の縦壁部145b,145wと天板部145sとが断面略逆U字形に成形されている。
ピラーアウタリインフォース145の右側縦壁部145wの端縁は、ピラーインナパネル143の右側縦壁部143wの端縁に重ねられて、リベット147、及びレーザスポット溶接Wにより接合される。このため、ピラーアウタリインフォース145の右側縦壁部145wの端縁と、ピラーインナパネル143の右側縦壁部143wの端縁とには、図3等に示すように、フロントピラー14の長手方向に複数のリベット孔143e,145eが形成されている。
<フロントピラー14(窓枠部140)の製作手順について>
フロントピラー14を製作する場合には、先ず、図3に示すように、ピラーアウタパネル141とピラーアウタリインフォース145とが接合される。即ち、ピラーアウタリインフォース145の天板部145sにピラーアウタパネル141のガラス固定フランジ部141sが重ねられ、スポット溶接等により固定される。ここで、スポット溶接等の位置は、フロントガラス18が接着されるガラス固定面から離れた位置に設定されている。このため、フロントガラス18が接着されるガラス固定面は平坦に形成される。さらに、ピラーアウタリインフォース145のフランジ部145fにピラーアウタパネル141のフランジ部141fが重ねられ、スポット溶接等により固定される。
フロントピラー14を製作する場合には、先ず、図3に示すように、ピラーアウタパネル141とピラーアウタリインフォース145とが接合される。即ち、ピラーアウタリインフォース145の天板部145sにピラーアウタパネル141のガラス固定フランジ部141sが重ねられ、スポット溶接等により固定される。ここで、スポット溶接等の位置は、フロントガラス18が接着されるガラス固定面から離れた位置に設定されている。このため、フロントガラス18が接着されるガラス固定面は平坦に形成される。さらに、ピラーアウタリインフォース145のフランジ部145fにピラーアウタパネル141のフランジ部141fが重ねられ、スポット溶接等により固定される。
次に、図4に示すように、ピラーアウタリインフォース145の右側縦壁部145wの端縁がピラーインナパネル143の右側縦壁部143wの端縁に重ねられ、ピラーアウタリインフォース145のフランジ部145fがピラーインナパネル143のフランジ部143fに重ねられる。この状態で、ピラーアウタリインフォース145の右側縦壁部145wの端縁とピラーインナパネル143の右側縦壁部143wの端縁とがリベット孔143e,145eを利用してリベット147により固定される。ここで、ピラーアウタリインフォース145の右側縦壁部145wの端縁とピラーインナパネル143の右側縦壁部143wの端縁とは、図5に示すように、フロントピラー14の長手方向に間隔を開けて設けられた複数(図5では4個所)のリベット147により仮固定される。
次に、ピラーアウタリインフォース145の右側縦壁部145wの端縁とピラーインナパネル143の右側縦壁部143wの端縁とは、前記リベット147による固定位置以外の位置がフロントピラー14の長手方向に一定間隔でレーザスポット溶接Wにより固定される。さらに、ピラーアウタパネル141のフランジ部141fとピラーアウタリインフォース145のフランジ部145fとピラーインナパネル143のフランジ部143fとがスポット溶接等により固定される。これにより、フロントピラー14の窓枠部140は筒状に形成される。このように、ピラーアウタパネル141とピラーアウタリインフォース145とが本発明における室外側ピラー半筒部に相当し、ピラーインナパネル143が本発明における室内側ピラー半筒部に相当する。また、前記リベット147、及びリベット孔143e,145eが本発明における機械的な連結構造に相当する。
<車室前部構造(フロントピラーの周縁構造)について>
フロントピラー14(窓枠部140)のピラーアウタパネル141のガラス固定フランジ部141s(ガラス固定面)には、図2に示すように、フロントガラス18の左端縁がゴム系接着剤18sにより固定される。ここで、フロントガラス18の裏側端縁には、フロントピラー14に対するフロントガラス18の位置決めとゴム系接着剤18sの流れを規制する角枠状の突条18dが設けられている。突条18dは、ゴム製で断面逆台形状に形成されており、フロントガラス18の裏面に接着されている。そして、フロントガラス18は、突条18dよりも外周側が前記ゴム系接着剤18sによりフロントピラー14のガラス固定フランジ部141sに固定されている。
フロントピラー14(窓枠部140)のピラーアウタパネル141のガラス固定フランジ部141s(ガラス固定面)には、図2に示すように、フロントガラス18の左端縁がゴム系接着剤18sにより固定される。ここで、フロントガラス18の裏側端縁には、フロントピラー14に対するフロントガラス18の位置決めとゴム系接着剤18sの流れを規制する角枠状の突条18dが設けられている。突条18dは、ゴム製で断面逆台形状に形成されており、フロントガラス18の裏面に接着されている。そして、フロントガラス18は、突条18dよりも外周側が前記ゴム系接着剤18sによりフロントピラー14のガラス固定フランジ部141sに固定されている。
また、フロントピラー14のピラーアウタパネル141の天板部141uと縦壁部141hとには装飾用カバー部品30(カバー部品本体部34)が取付けられる。カバー部品本体部34は、図2に示すように、装飾部341と縦板部342とにより断面略T字形に形成されている。そして、カバー部品本体部34の縦板部342がフロントピラー14(ピラーアウタパネル141)の左縦壁部141hを覆っている。カバー部品本体部34の縦板部342は、ドア用ウエザー70の支持レール73と共に複数の第1連結ピン75によってピラーアウタパネル141の左縦壁部141hに取付けられている。
また、カバー部品本体部34の装飾部341は、図2に示すように、フロントピラー14(ピラーアウタパネル141)の天板部141uとドア用ウエザー70等とを覆えるように構成されている。装飾部341は、複数の第2連結ピン74によってフロントピラー14(ピラーアウタパネル141)の天板部141uに取付けられている。そして、カバー部品本体部34の装飾部341の右端縁にはレインガータモール部40が取付けられている。
フロントピラー14(窓枠部140)は、図2に示すように、ピラー用トリム50によって室内側から覆われている。ピラー用トリム50は、複数の連結クリップ52によってピラーインナパネル143の底板部143dに取付けられている。また、ピラー用トリム50の内側には、フロントピラー14のピラーインナパネル143のフランジ部143fと連結クリップ52との間にカーテンシールドエアバック55が収納されている。そして、車両の衝突時にカーテンシールドエアバック55が展開する際、カーテンシールドエアバック55はピラーインナパネル143のフランジ部143fと左側縦壁部143bとにガイドされてフロントドア20のドアガラス22に沿って室内側に展開可能となる。
<本実施形態に係る車両の車室前部構造の長所について>
本実施形態に係る車両の車室前部構造によると、フロントガラス18の端縁は、フロントピラー14のピラーアウタパネル141におけるガラス固定フランジ部141s(室外側ピラー半筒部の外周面の平坦なガラス固定面)に固定されている。ここで、ガラス固定フランジ部141sは、ピラーアウタリインフォース145の右側縦壁部145wの端縁(室外側ピラー半筒部の一端縁)とピラーインナパネル143の右側縦壁部143wの端縁(室内側ピラー半筒部の一端縁)の接合部位に対して周方向に所定角度だけ回転した位置にある。即ち、フロントガラス18の端縁は、フロントピラー14の筒状部分の外周面に形成された平坦なガラス固定面(ガラス固定フランジ部141s)に固定されている。
本実施形態に係る車両の車室前部構造によると、フロントガラス18の端縁は、フロントピラー14のピラーアウタパネル141におけるガラス固定フランジ部141s(室外側ピラー半筒部の外周面の平坦なガラス固定面)に固定されている。ここで、ガラス固定フランジ部141sは、ピラーアウタリインフォース145の右側縦壁部145wの端縁(室外側ピラー半筒部の一端縁)とピラーインナパネル143の右側縦壁部143wの端縁(室内側ピラー半筒部の一端縁)の接合部位に対して周方向に所定角度だけ回転した位置にある。即ち、フロントガラス18の端縁は、フロントピラー14の筒状部分の外周面に形成された平坦なガラス固定面(ガラス固定フランジ部141s)に固定されている。
このため、従来のように、室外側ピラー半筒部のフランジ部と室内側ピラー半筒部のフランジ部との接合部位にガラス固定面を設ける構成と比較して、フロントガラス18の端縁の支持強度が向上する。また、フロントピラー14の筒状部分の外周面にガラス固定面を形成することで、ガラス固定面を平坦にでき、フロントガラス18の取付け精度が向上する。さらに、フロントピラー14には、フロントガラス18の端縁側にピラーアウタリインフォース145とピラーインナパネル143とを接合するためのフランジ部が不要になる。このため、フロントピラー14を室内側から覆うピラー用トリム50の径寸法を小さくでき、車両運転時の視界を広くできる。
また、ピラーアウタリインフォース145の右側縦壁部145wの端縁(室外側ピラー半筒部の一端縁)とピラーインナパネル143の右側縦壁部143wの端縁(室内側ピラー半筒部の一端縁)とは、リベット147とレーザスポット溶接Wとにより接合されている。ここで、ピラーアウタリインフォース145の右側縦壁部145wの端縁とピラーインナパネル143の右側縦壁部143wの端縁とは、相互に重ね合わされた状態で周方向に相対移動が可能なため、フロントピラー14(窓枠部140)の製作精度が出し難い。しかし、リベット147を使用することで、ピラーアウタリインフォース145の右側縦壁部145wの端縁とピラーインナパネル143の右側縦壁部143wの端縁とをリベット147により仮止めした状態でレーザスポット溶接Wを行なえるようになる。このため、フロントピラー14の筒状部分を構成しているピラーアウタリインフォース145の右側縦壁部145wの端縁とピラーインナパネル143の右側縦壁部143wの端縁とを確実に位置決めした状態でレーザスポット溶接Wを行なえる。これにより、フロントピラー14の製作精度を確保でき、フロントピラー14によるフロントガラス18の支持精度を向上させることができる。
また、ピラーアウタリインフォース145の右側縦壁部145wの端縁とピラーインナパネル143の右側縦壁部143wの端縁とのレーザスポット溶接部位は、フロントピラー14の長手方向においてリベット147による連結構造に挟まれた位置に設けられている。このため、長手方向の全体に亘ってフロントピラー14の製作精度を確保した状態で、レーザスポット溶接Wを確実に行えるようになる。また、ピラーアウタパネル141とピラーアウタリインフォース145とピラーインナパネル143とのフランジ部141f,143f,145fとは、フロントピラー14の筒状部分に沿って配置されたカーテンシールドエアバック55が展開する際のガイドとして機能する。このため、前記フランジ部141f,143f,145fを有効に利用できる。
<変更例>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、フロントピラー14の室外側を装飾用カバー部品30(カバー部品本体部34)で覆う例を示した。しかし、装飾用カバー部品30を省略してピラーアウタパネル141をフロントピラー14の意匠面とすることも可能である。また、本実施形態では、ピラーアウタリインフォース145の天板部145sにピラーアウタパネル141のガラス固定フランジ部141sを重ね、この部分にフロントガラス18の端縁を接着固定する例を示した。しかし、ピラーアウタリインフォース145の天板部145sとピラーアウタパネル141のガラス固定フランジ部141sと接触面積を小さくし、フロントガラス18の端縁をピラーアウタリインフォース145の天板部145sに直接的に接着固定することも可能である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、フロントピラー14の室外側を装飾用カバー部品30(カバー部品本体部34)で覆う例を示した。しかし、装飾用カバー部品30を省略してピラーアウタパネル141をフロントピラー14の意匠面とすることも可能である。また、本実施形態では、ピラーアウタリインフォース145の天板部145sにピラーアウタパネル141のガラス固定フランジ部141sを重ね、この部分にフロントガラス18の端縁を接着固定する例を示した。しかし、ピラーアウタリインフォース145の天板部145sとピラーアウタパネル141のガラス固定フランジ部141sと接触面積を小さくし、フロントガラス18の端縁をピラーアウタリインフォース145の天板部145sに直接的に接着固定することも可能である。
14・・・・フロントピラー
140・・・窓枠部
141s・・ガラス固定フランジ部(ガラス固定面)
141・・・ピラーアウタパネル(室外側ピラー半筒部)
141f・・フランジ部
143・・・ピラーインナパネル(室内側ピラー半筒部)
143f・・フランジ部
145・・・ピラーアウタリインフォース(室外側ピラー半筒部)
145f・・フランジ部
147・・・リベット(機械的な連結構造)
143e,145e・・リベット孔(機械的な連結構造)
18・・・・フロントガラス
55・・・・カーテンシールドエアバック(エアバック)
W・・・・・レーザスポット溶接
140・・・窓枠部
141s・・ガラス固定フランジ部(ガラス固定面)
141・・・ピラーアウタパネル(室外側ピラー半筒部)
141f・・フランジ部
143・・・ピラーインナパネル(室内側ピラー半筒部)
143f・・フランジ部
145・・・ピラーアウタリインフォース(室外側ピラー半筒部)
145f・・フランジ部
147・・・リベット(機械的な連結構造)
143e,145e・・リベット孔(機械的な連結構造)
18・・・・フロントガラス
55・・・・カーテンシールドエアバック(エアバック)
W・・・・・レーザスポット溶接
Claims (5)
- 車両のフロントガラスにおける左右の端縁を左右のフロントピラーにより支持できるように構成された車両の車室前部構造であって、
前記フロントピラーは、室内側ピラー半筒部と室外側ピラー半筒部とにより筒状に構成されて、前記室内側ピラー半筒部の周方向における一端縁と前記室外側ピラー半筒部の周方向における一端縁とが前記フロントピラーの筒状部分を構成して、相互に重ね合わされた状態で接合されており、
前記フロントガラスの端縁は、前記室外側ピラー半筒部の一端縁と前記室内側ピラー半筒部の一端縁との接合部位に対して周方向に所定角度だけ回転した位置にある前記室外側ピラー半筒部の外周面の平坦なガラス固定面に固定されている車両の車室前部構造。 - 請求項1に記載の車両の車室前部構造であって、
前記室内側ピラー半筒部の周方向における他端縁と前記室外側ピラー半筒部の周方向における他端縁とにはフランジ部が形成されており、
前記室内側ピラー半筒部のフランジ部と前記室外側ピラー半筒部のフランジ部とが前記フロントピラーの筒状部分から半径方向外側に突出した状態で相互に接合されている車両の車室前部構造。 - 請求項1又は請求項2のいずれかに記載の車両の車室前部構造であって、
前記室外側ピラー半筒部の一端縁と前記室内側ピラー半筒部の一端縁とは、機械的な連結構造と溶接とにより接合されている車両の車室前部構造。 - 請求項3に記載の車両の車室前部構造であって、
前記室外側ピラー半筒部の一端縁と前記室内側ピラー半筒部の一端縁との溶接部位は、前記フロントピラーの長手方向において前記機械的な連結構造に挟まれた位置に設けられている車両の車室前部構造。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の車両の車室前部構造であって、
前記室内側ピラー半筒部のフランジ部と前記室外側ピラー半筒部のフランジ部とは、前記フロントピラーの筒状部分に沿って配置されたエアバックが展開する際のガイドとして機能する車両の車室前部構造。
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JP2020111201A (ja) * | 2019-01-11 | 2020-07-27 | 本田技研工業株式会社 | 外装パネル構造 |
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2016
- 2016-10-25 JP JP2016208556A patent/JP2018069785A/ja active Pending
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CN111098927B (zh) * | 2018-10-26 | 2022-10-28 | 丰田自动车株式会社 | 车辆用柱结构 |
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