JP2018069391A - 研削装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易かつ低コストで、機械の熱変形による影響を受けづらくすることが可能な研削装置を提供する。【解決手段】第1の研削装置1Aは、タッチプローブ22によって、外輪用ワークWoの溝加工完了時の第1の溝底径Di及び第1の中心座標(Xci,Zci)を測定し、次に測定基準42の座標(Xr,Zr)を測定する。次に第1のツルーイング装置4Aを用いて溝研削用砥石21aのツルーイングを実行し、測定器45にてツルーイング終了時点のツルーイング点Ptの磨耗量ΔXtを測定してツルーイング終了時のツルーイング点Ptの座標(Xt+ΔXt,Zt)を算出し、この座標と測定基準42の座標とから第1の相対距離(Xrt,Zrt)を算出し、この相対距離と第1の溝底径Di及び第1の中心座標(Xci,Zci)とから、加工時に溝研削用砥石21aが第1の溝底部Db1と接触するときのベース部20の座標(Xb,Zb)を算出する。【選択図】 図1

Description

本発明は、ツルーイング装置を備える研削装置に関する。
従来、研削加工において、研削加工の途中でタッチプローブ等の測定機によりワークの寸法測定を行い、その寸法を加工情報に反映している。しかし、加工中に生じる研削装置の各構成部材の熱変形によって、測定機と砥石との座標変換時に誤差が生じ、それが加工寸法の誤差につながるという問題があった。この問題を解決するための技術として、例えば、特許文献1及び2に開示された技術がある。
特許文献1の技術では、変数として複数に変化させた工作機械の各部材の線膨張係数の中から、温度変化の複数のパターンのそれぞれにおける熱変位推定値と実際の熱変位量との差を小さくするような各部材の線膨張係数を同定する。そして、同定した線膨張係数に基づき熱変位補正量を算出し、算出した熱変位補正量に基づき工作機械の移動体の位置を補正する制御を行っている。
また、特許文献2の技術では、熱変形が小さな低膨張合金製の基準フレームに、低膨張合金製のツール側とワーク側のスケールを設け、ツール側とワーク側のセンサによりスケールのマークを読み取る。これにより、ツール側の座標とワーク側の座標を、熱変形の影響を最小にしながら求めている。更に、求めた座標を切削加工での送りにフィードバックして、工作機械の熱変形によるワークの加工誤差を最小にしている。
特開2015−30083号公報 特開2014−237204号公報
しかしながら、上記特許文献1の従来技術は、研削盤が大型である場合、研削盤各部が複雑な温度分布となり、線膨張係数による熱変形の定量化(線膨張係数の同定)が複雑になる。更に、周辺、内部の高精度な温度調整が必要なことなど、実際には高い技術と高度な設備が必要であり、コストや実現性の面で問題があった。
また、上記特許文献2の従来技術は、ワークとツールの測定手段が異なるためワークとツール間の座標変換を行っている。そして、この座標変換の際に熱変形の誤差をなくすためにインバー材等の低膨張合金を使用している。しかし、この方法を大型研削盤に適用した場合、大きな構造材に一般的に高価で難加工な低膨張合金を使用することになるため、工作機械の高価格化を招く他、低膨張合金の材料特性上、構成部材として使用が出来ない場合がある。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、簡易かつ低コストで、機械の熱変形による影響を受けづらくすることが可能な研削装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る研削装置は、第1の回転軸と該第1の回転軸の先端部に取付けられた回転砥石と前記第1の回転軸を回転駆動する第1の回転駆動源とを有する研削部と、ワークを固定支持するワーク支持用部材と、前記ワーク支持用部材を第2の回転軸を介して前記第1の回転軸と並行な軸回りに回転可能に支持する支持台と、前記第2の回転軸を回転駆動する第2の回転駆動源とを有するワーク支持部と、センサ軸と該センサ軸の先端部に設けられた接触式の測定子とを有するタッチプローブと、前記研削部及び前記タッチプローブを軸並行に固定支持するベース部と、前記タッチプローブの位置基準となる測定基準と、基台と該基台の前記ワーク支持部と対向する側に設けられた前記回転砥石をツルーイングするためのドレッサーとを有するツルーイング部と、移動駆動源及び案内部材を備え、前記移動駆動源の駆動力によって、前記ベース部を、前記ワークの研削位置、前記回転砥石のツルーイング位置、前記ワークの形状の測定位置及び前記測定基準の測定位置へと前記案内部材に沿って直交2軸方向に移動する移動機構部と、前記第1及び第2回転駆動源並びに前記移動駆動源を駆動制御して、研削用の回転速度で回転する前記回転砥石を前記ワーク支持用部材に固定支持された前記ワークに接触させて、前記ワークを研削する処理を行う研削処理部と、前記移動駆動源を駆動制御して、前記タッチプローブの前記測定子を前記ワーク支持部に固定支持された研削加工後の前記ワークに接触させて、該ワークの形状を測定する処理を行うワーク形状測定処理部と、前記移動駆動源を駆動制御して、前記タッチプローブを前記測定基準に接触させて、前記測定基準の位置座標を測定する処理を行う測定基準座標測定部と、前記第1の回転駆動源及び前記移動駆動源を駆動制御して、ツルーイング用の回転速度で回転する前記回転砥石を前記ツルーイング部の前記ドレッサーに接触させて前記回転砥石をツルーイングする処理を行うツルーイング処理部と、前記回転砥石とツルーイング時に接触する前記ドレッサーの接触点であるツルーイング点の位置座標を測定するツルーイング点座標測定部と、を備える。
更に、ツルーイング終了時の前記ベース部の位置座標を前記測定基準の位置座標で代表して、該測定基準の位置座標とツルーイング終了時に前記ツルーイング点座標測定部で測定した前記ツルーイング点の位置座標との相対距離と、前記ワーク形状測定処理部で測定した前記ワークの形状情報とに基づき、研削加工時に前記回転砥石が前記ワークと接触するときの前記代表の位置座標に対応する前記ベース部の位置座標を決定するベース位置決定部と、前記ベース位置決定部で決定した前記ベース部の位置座標に基づき前記ワークの仕上げ加工を行う仕上げ加工部と、を備える。
そして、前記測定基準と前記ドレッサーとは、熱的影響による前記相対距離の誤差が予め設定した目標加工精度を満たす範囲内となる位置関係に配設されている。
本発明によれば、研削加工時のベース部の位置決定に、熱による影響を受けにくいツルーイング点と測定基準との相対距離を用いるので、熱による影響を抑制して安定した加工が可能になる。また、構造経由の距離、即ち研削装置の寸法によらずにツルーイング点と測定基準との位置関係の変化のみで熱変形の影響を抑えることが可能である。これにより、構造材の線膨張係数を考慮しなくてもよいので、従来と比較して材料の制約が無い。また、複雑な熱変形制御を行わなくてもよいので設備の高度化が不要であり、そのためのコストが不要となる。即ち、従来と比較して簡易且つ低コストで熱変形による影響を抑制したベース部の位置決めが可能となる。
第1実施形態に係る第1の研削装置の全体構成の一例を示す図である。 第2のベース部を移動する移動機構部の構成例を示す模式図である。 (a)及び(b)は、タッチプローブの構成例を示す模式図である。 第1実施形態に係る第1の制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 第1実施形態に係る第1の制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。 第1実施形態に係る外輪用ワークの溝加工処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係るワーク情報測定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係るベース位置決定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 (a)〜(e)は、第1実施形態の第1の研削装置のベース位置を決定するまでの一連の動作を説明するための模式図である。 ツルーイング終了時の溝研削用砥石と第1のツルーイング装置との位置関係の一例を示す模式図である。 溝研削用砥石を第1の溝底部に接触させたときの外輪用ワークと、ベース部と、第1のツルーイング装置との位置関係を示す図である。 第1の研削装置の溝研削部、タッチプローブ、加工点、第1のツルーイング装置及び測定基準を含む各構成部の構造経由の距離を説明するための図である。 第2実施形態に係る第2の研削装置の全体構成の一例を示す図である。 ツルーイング終了時の溝研削用砥石と第2のツルーイング装置との位置関係の一例を示す模式図である。 第2実施形態に係る第2の制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。 第2実施形態に係る内輪用ワークの溝加工処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 基準砥石径測定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 熱変形補正処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 (a)〜(d)は、第2実施形態の基準砥石径を測定する一連の動作を説明するための模式図である。 (a)は、基準砥石径を測定する際の近接検知境界と溝研削用砥石とツルーイング点との位置関係の一例を示す図であり、(b)は、ツルーイング終了時の砥石径を測定する際の近接検知境界と溝研削用砥石とツルーイング点との位置関係の一例を示す図である。 (a)〜(d)は、第2実施形態の熱変形を考慮した砥石径を測定する一連の動作を説明するための模式図である。 溝研削用砥石を第3の溝底部に接触させたときの内輪用ワークと、ベース部と、第2のツルーイング装置との位置関係を示す図である。 (a)は、上記第1実施形態の変形例を示す模式図であり、(b)は、上記第2実施形態の変形例を示す模式図である。
次に、図面を参照して、本発明の第1〜第2実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、部材乃至部分の縦横の寸法や縮尺は実際のものとは異なる場合があることに留意すべきである。従って、具体的な寸法や縮尺は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合があることは勿論である。
また、以下に示す第1〜第2実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置などを下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(第1実施形態)
(構成)
第1実施形態に係る第1の研削装置1Aは、例えば、玉軸受の軌道輪(外輪及び内輪)等のワークの周面にボールの転動路となる溝を、回転砥石による研削加工によって形成する装置である。
この第1の研削装置1Aは、図1に示すように、研削測定部2と、ワーク支持部3と、第1のツルーイング装置4Aと、第1の制御装置5Aとを備えている。
研削測定部2は、ベース部20と、溝研削部21と、タッチプローブ22とを備えている。ベース部20は、第1のベース部23と、第2のベース部26とを備えている。
研削測定部2は、更に、移動機構部として、第1の左直動案内装置24Lと、第1の右直動案内装置24Rと、第1のボールねじ装置25とを備えている。加えて、第2の左直動案内装置27Lと、第2の右直動案内装置27Rと、第2のボールねじ装置28とを備えている。
溝研削部21は、溝研削用砥石21aと、第1の回転軸としての砥石スピンドル21bと、この砥石スピンドル21bを内部に収容する砥石スピンドルハウジング21cと、砥石スピンドル21bの第1の回転駆動源である砥石スピンドル用モータ21dとを備えている。
溝研削用砥石21aは、円盤状の回転砥石から構成され、砥石スピンドル21bの先端に同芯に取り付けられている。なお、溝研削用砥石21aは、溝研削対象のワークの種類に応じた外径寸法、厚さ寸法を有したものが取り付けられる。また、溝研削用砥石21aは、第1のツルーイング装置4Aによるツルーイング(形直し)によって、ワークに形成する溝形状に合致した凸状砥石面が外周面に成形されるようになっている。
かかる構成によって、溝研削部21は、砥石スピンドル用モータ21dによって砥石スピンドル21bを回転駆動することで、砥石スピンドル21bの先端に取り付けられた溝研削用砥石21aを研削用の回転速度で回転する。そして、この回転する溝研削用砥石21aをワークWの周面に接触させることで、接触面を研削加工して溝を形成する。
一方、タッチプローブ22は、溝研削部21で研削加工した溝の表面の位置情報を測定する際に用いられる。なお、タッチプローブ22の詳細については後述する。
ここで、第1実施形態において、第1の研削装置1Aの全体の座標系は、図1に示す座標軸のように、正面視で左右方向をX軸、上下方向(高さ方向)をZ軸、奥行き方向をY軸とした直交座標系として定義されている。なお、図1中の座標軸における「+」及び「−」の符号は各軸のプラス方向及びマイナス方向を示す。
溝研削部21とタッチプローブ22とは、矩形状の第1のベース部23のZ軸のマイナス方向の端部からZ軸に沿って突出した状態で第1のベース部23に固定支持されている。加えて、溝研削部21とタッチプローブ22とは、X軸方向に所定の間隙を空けて軸並行に第1のベース部23に固定支持されている。
第1の左直動案内装置24Lは、第2のベース部26上にボルトを介して固定支持された直線状の第1の左案内レール24Lrと、この第1の左案内レール24Lrに沿って直動するように第1の左案内レール24Lrに軸受機構を介して取り付けられた第1の左スライダ24Lsとを備えている。
第1の右直動案内装置24Rは、第1のボールねじ装置25を間に挟んで、第1の左直動案内装置24Lの第1の左案内レール24Lrと並行に第2のベース部26上にボルトを介して固定支持された直線状の第1の右案内レール24Rrを備えている。更に、第1の右案内レール24Rrに沿って直動するように第1の右案内レール24Rrに軸受機構を介して取り付けられた第1の右スライダ24Rsを備えている。
第1のボールねじ装置25は、第1のボールねじ軸25Bと、第1のボールねじナット25Nと、第1のストッパ25STPと、Z軸駆動用モータ25Mと、Z軸エンコーダ25Eとを備えている。
第1のボールねじ軸25Bは、螺旋状のねじ溝を外周面に有し、第1のボールねじナット25Nは、ねじ軸のねじ溝に対向するねじ溝を内周面に有し、両ねじ溝により形成される螺旋状のボール転動路内に転動自在に複数のボールが装填されている。
第1のボールねじ軸25Bは、第1の左案内レール24Lr及び第1の右案内レール24Rrと並行に配置されている。更に、一端側が、Z軸駆動用モータ25Mの駆動軸に例えばカップリングを介して連結され、他端側が、第1のストッパ25STPに例えば軸受を介して支持されている。
第1のストッパ25STPは、第2のベース部26上にボルトを介して固定支持され、第1のボールねじ軸25Bの他端側において、第1のボールねじナット25Nの抜け落ちを防止する。
移動駆動源であるZ軸駆動用モータ25Mは、第1のボールねじ軸25Bに回転力を付与するサーボモータであって、不図示の電気ケーブルを介した第1の制御装置5Aからのモータ制御信号によって駆動制御される。また、Z軸駆動用モータ25Mは、第2のベース部26上にボルトを介して固定支持され、第1のボールねじ軸25Bの一端側において、第1のボールねじナット25Nの抜け落ちを防止する。
Z軸エンコーダ25Eは、Z軸駆動用モータ25Mのモータ回転角度位置θmzを検出するインクリメンタル方式のロータリエンコーダである。Z軸エンコーダ25Eは、検出したモータ回転角度位置θmzを、不図示の電気ケーブルを介して第1の制御装置5Aに送信する。
かかる構成によって、Z軸駆動用モータ25Mの回転駆動力によって、第1のボールねじ軸25Bを回転駆動することで、ボールの転動を介して第1のボールねじナット25Nが第1のボールねじ軸25Bに沿って移動する。これに伴って、第1の左スライダ24Lsが第1の左案内レール24Lrに沿って直動し、第1の右スライダ24Rsが第1の右案内レール24Rrに沿って直動する。
ここで、第1のベース部23は、第1の左スライダ24Ls、第1の右スライダ24Rs及び第1のボールねじナット25NのY軸方向の手前側の端面にそれぞれボルトを介して固定されている。従って、第1のベース部23がZ軸方向に移動すると、第1のベース部23に固定支持された溝研削部21及びタッチプローブ22がZ軸方向に移動する。
一方、第2の左直動案内装置27Lは、図1及び図2に示すように、不図示のコラム上にボルトを介して固定支持された直線状の第2の左案内レール27Lrと、この第2の左案内レール27Lrに沿って直動するように第2の左案内レール27Lrに軸受機構を介して取り付けられた第2の左スライダ27Lsとを備えている。
第2の右直動案内装置27Rは、第2のボールねじ装置28を間に挟んで、第2の左直動案内装置27Lの第2の左案内レール27Lrと並行にコラム上に固定支持された直線状の第2の右案内レール27Rrを備えている。更に、第2の右案内レール27Rrに沿って直動するように第2の右案内レール27Rrに軸受機構を介して取り付けられた第2の右スライダ27Rsを備えている。
第2のボールねじ装置28は、第2のボールねじ軸28Bと、第2のボールねじナット28Nと、第2のストッパ28STPと、X軸駆動用モータ28Mと、X軸エンコーダ28Eとを備えている。
第2のボールねじ軸28Bは、螺旋状のねじ溝を外周面に有し、第2のボールねじナット28Nは、ねじ軸のねじ溝に対向するねじ溝を内周面に有し、両ねじ溝により形成される螺旋状のボール転動路内に転動自在に複数のボールが装填されている。
第2のボールねじ軸28Bは、第2の左案内レール28Lr及び第2の右案内レール28Rrと並行に配置されている。更に、一端側が、X軸駆動用モータ28Mの駆動軸に例えばカップリングを介して連結され、他端側が、第2のストッパ28STPに例えば軸受を介して支持されている。
第2のストッパ28STPは、コラム上にボルトを介して固定支持され、第2のボールねじ軸28Bの他端側において、第2のボールねじナット28Nの抜け落ちを防止する。
移動駆動源であるX軸駆動用モータ28Mは、第2のボールねじ軸28Bに回転力を付与するサーボモータであって、不図示の電気ケーブルを介した第1の制御装置5Aからのモータ制御信号によって駆動制御される。また、X軸駆動用モータ28Mは、コラム上にボルトを介して固定支持され、第2のボールねじ軸28Bの一端側において、第2のボールねじナット28Nの抜け落ちを防止する。
X軸エンコーダ28Eは、X軸駆動用モータ28Mのモータ回転角度位置θmxを検出するインクリメンタル方式のロータリエンコーダである。X軸エンコーダ28Eは、検出したモータ回転角度位置θmxを、不図示の電気ケーブルを介して第1の制御装置5Aに送信する。
かかる構成によって、X軸駆動用モータ28Mの回転駆動力によって、第2のボールねじ軸28Bを回転駆動することで、ボールの転動を介して第2のボールねじナット28Nが第2のボールねじ軸28Bに沿って移動する。これに伴って、第2の左スライダ27Lsが第2の左案内レール27Lrに沿って直動し、第2の右スライダ27Rsが第2の右案内レール27Rrに沿って直動する。
ここで、第2のベース部26は、第2の左スライダ27Ls、第2の右スライダ27Rs及び第2のボールねじナット28NのY軸方向の手前側の端面にそれぞれボルトを介して固定されている。従って、第2のベース部26がX軸方向に移動すると、第2のベース部26に固定支持された第1のベース部23がX軸方向に移動する。即ち、ベース部20の全体がX軸方向に移動するため、第1のベース部23に固定支持された溝研削部21及びタッチプローブ22もX軸方向に移動する。
以上の構成によって、溝研削部21及びタッチプローブ22は、図1中のX軸方向とZ軸方向とに移動可能となっている。なお、Y軸方向の移動機構については図示省略したが、第1の研削装置1Aのベース部20は、Y軸方向にも移動可能に構成されていてもよい。
ワーク支持部3は、図1に示すように、支持台30と、支持台30上に設けられたテーブル31と、テーブル31上に設けられたワーク支持用部材32と、テーブル31を回転自在に支持する第2の回転軸であるワーク回転用スピンドル33とを備えている。更に、ワーク回転用スピンドル33を内部に収容するワーク回転用スピンドルハウジング34と、ワーク回転用スピンドル33を回転駆動する第2の回転駆動源であるワーク回転用モータ35とを備えている。
ワーク支持用部材32は、磁力によってワークWを固定支持するマグネットチャックから構成されている。また、ワーク支持用部材32は、ワークWの種類に対応して、様々な形状のものが用意されており、研削加工するワークの種類に応じて、対応する形状のものを付け替え可能に構成されている。ここで、第1実施形態において、ワークWの種類としては、大きく分けて軸受の外輪用ワークWoと内輪用ワークWiとが含まれる。
なお、図1に例示したワークWは、玉軸受の外輪用ワークWoであり、外輪の内周面に溝を形成するため、円筒形状のワーク支持用部材32の上端に外輪用ワークWoを磁力で吸着して固定支持している。以下の説明において、外輪用ワークWoと内輪用ワークWiとを区別する必要が無い場合は、単に「ワークW」と記載する場合がある。
ワーク回転用モータ35は、モータ回転角度位置を検出するアブソリュート方式のロータリエンコーダ36E(以下、「ワーク回転軸エンコーダ36E」と記載する場合がある)を備えている。そして、ワーク回転軸エンコーダ36Eで検出したモータ回転角度位置θmrを、不図示の電気ケーブルを介して第1の制御装置5Aに送信するように構成されている。
かかる構成によって、ワーク支持部3は、ワーク回転用モータ35によってワーク回転用スピンドル33を回転駆動することで、テーブル31を回転すると共に、テーブル31上にワーク支持用部材32を介して固定支持されたワークWを回転する。
第1のツルーイング装置4Aは、ドレッサーベース40と、ドレッサーベース40に固定支持されたダイヤモンドドレッサー41と、ドレッサーベース40の上部に固定支持された測定基準42とを備えている。
ダイヤモンドドレッサー41は、ダイヤモンドを円錐形状に研磨してなる先端部Ptを有し、溝研削用砥石21aの外周面に、ワークWに形成する溝形状に合致した凸状砥石面を成形する際に用いられる。以下、ダイヤモンドドレッサー41の先端部Ptを、「ツルーイング点Pt」と記載する場合がある。
ここで、第1のツルーイング装置4Aは、溝研削用砥石21aの回転速度と、ダイヤモンドドレッサー41に対するX軸方向の送り速度及びZ軸方向の送り速度を調整することによって、溝研削用砥石21aを、ツルーイング(形直し)又はドレッシング(目立て)する。
具体的に、第1の制御装置5Aによって、砥石スピンドル用モータ21dの回転速度を制御することで溝研削用砥石21aの回転速度を制御する。加えて、X軸駆動用モータ28Mの回転速度、即ち溝研削用砥石21aのX軸方向の移動速度を制御することで、溝研削用砥石21aのダイヤモンドドレッサー41に対する切り込み速度を制御する。更に、Z軸駆動用モータ25Mの回転速度、即ち溝研削用砥石21aのZ軸方向の移動速度を制御することで、溝研削用砥石21aのダイヤモンドドレッサー41に対する送り速度を制御する。
また、第1実施形態の第1のツルーイング装置4Aは、ダイヤモンドドレッサー41のツルーイング点Ptの基準座標(Xt,Zt)及びこの基準座標に対する磨耗量ΔXtを測定する測定器45(例えば、電気マイクロメータ)を備えている。この測定器45は、測定基準42に対して厳密に位置決めされて取り付けられている。そのため、測定器45からの測定値は装置全体の座標系におけるX軸座標値及びZ軸座標値に変換することができる。
測定基準42は、タッチプローブ22の位置基準であり、例えば、金属製の円柱状部材から構成されている。測定基準42は、その測定点Pmがタッチプローブ22で定期的に測定され、タッチプローブ22の位置誤差を補正するのに用いられる。第1実施形態において、測定基準42は、ドレッサーベース40の上部に設けられている。なお、測定基準42は、タッチプローブ22で測定可能な位置でかつ熱的影響による測定基準42の位置座標とツルーイング点Ptの位置座標との相対距離の誤差が、予め設定した目標加工精度を満たす範囲内となる位置に設けられている。具体的に、測定基準42とダイヤモンドドレッサー41とは、例えば、ドレッサーベース40のフレームが鉄製であり、目標加工精度を5[μm]以下に設定した場合に、両者の構造経由の距離が、41[cm]以下となる位置関係に設けられる。ここで、鉄の線膨張係数は12.1×10−6であり、温度が1[℃]変化すると1[m]当たり12.1[μm]だけ長さが変化する。また、第1のツルーイング装置4Aは、支持台30上における熱的影響の少ない位置(例えば、発熱源から可能な限り遠い位置など)に設けられている。なお、温度環境が原因で目標加工精度を満たせない場合は、例えばドレッサーベース40に研削用のクーラントを通すなどして温度変化を1[℃]以内にコントロールするようにしてもよい。
第1の制御装置5Aは、砥石スピンドル用モータ21d、ワーク回転用モータ35、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、第1のツルーイング装置4Aを用いたドレス処理、溝研削部21による溝研削処理、タッチプローブ22によるワーク情報測定処理、測定情報に基づくベース位置決定処理等を実行する。なお、第1の制御装置5Aの詳細な構成については後述する。
(タッチプローブ22の構成)
次に、図3に基づき、本実施形態のタッチプローブ22の構成を説明する。
タッチプローブ22は、図3(a)に示すように、プローブハウジング22aと、プローブヘッド22bとを備えている。
プローブヘッド22bは、プローブ軸22sと、測定子22tとを備えている。測定子22tは、プローブ軸22sの先端部の外周面から該先端部を介して背中合せに外側に突出する第1アーム部22c及び第2アーム部22eを備えている。更に、プローブ軸22sの先端部の外周面から第1アーム部22c及び第2アーム部22eと直交する方向に背中合わせに外側に突出する第3アーム部22g及び第4アーム部22iを備えている。なお更に、測定子22tは、第1アーム部22c及び第2アーム部22eの先端に形成された第1先端球22d及び第2先端球22fと、第3アーム部22g及び第4アーム部22iの先端に形成された第3先端球22h及び第4先端球22jとを備えている。
更に、タッチプローブ22は、図示省略するが、プローブハウジング22aの内部に設けられた圧力センサと、プローブヘッド22bの傾きに応じた力を圧力センサに伝達する伝達部材とを備えている。
かかる構成によって、第1先端球22dが溝の表面に接触して押されることで、押された方向とは逆方向にプローブヘッド22bが傾く。これにより、伝達部材が押されて圧力センサにおいてこの押圧力Pr1が検出される。同様に、第2先端球22fが溝の表面に接触して押されることで、押圧力Pr2が検出され、第3先端球22hが溝の表面に接触して押されることで、押圧力Pr3が検出される。また、第4先端球22jが溝の表面に接触して押されることで、押圧力Pr4が検出される。
以下、第1先端球22d、第2先端球22f、第3先端球22h及び第4先端球22jを、単に「先端球22d、22f、22h及び22j」と略記する場合がある。
これら検出された押圧力の検出値Pr1、Pr2、Pr3及びPr4は、不図示の電気ケーブルを介して第1の制御装置5Aに送信される。
(第1の制御装置5Aのハードウェア構成)
次に、図4に基づき、第1の制御装置5Aのハードウェア構成を説明する。
第1の制御装置5Aは、コンピュータシステムを備えている。このコンピュータシステムは、図4に示すように、CPU(Central Processing Unit)60と、RAM(Random Access Memory)62と、ROM(Read Only Memory)64とを備えている。加えて、各種内外バス68と、入出力インターフェース(I/F)66とを備えている。
CPU60、RAM62及びROM64は、各種内外バス68を介して接続されていると共に、このバス68にI/F66を介して、タッチプローブ22(圧力センサ)、第1のツルーイング装置4A(磨耗量測定機)、X軸エンコーダ28E、Z軸エンコーダ25Eが接続されている。更に、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置(Secondary Storage)70や、LCDモニタ等の出力装置72、操作パネル、キーボード、マウスなどの入力装置74などが接続されている。
そして、電源を投入すると、ROM64等に記憶されたBIOS等のシステムプログラムが、ROM64に予め記憶された各種専用のコンピュータプログラム、あるいは、CD−ROMやDVD−ROMなどの記憶媒体を介して記憶装置70にインストールされた各種専用のコンピュータプログラムをRAM62にロードし、RAM62にロードされたプログラムに記述された命令に従ってCPU60が各種リソースを駆使して所定の制御及び演算処理を行うことで後述する各機能をソフトウェア上で実現できるようになっている。
(第1の制御装置5Aの機能構成)
次に、図5に基づき、第1の制御装置5Aの機能構成を説明する。
第1の制御装置5Aの第1の機能構成部50Aは、図5に示すように、溝研削処理部51と、ワーク情報測定部52と、測定基準座標測定部53と、ツルーイング処理部54と、ベース位置決定部55とを備えている。
溝研削処理部51は、入力装置74を介して入力される研削開始指令に応じて、記憶装置70に予め記憶された、形成する溝の種類(例えば商品又はワークの型番等)に対応した、目標溝形状データ、加工条件データ等の溝研削加工に必要なデータを記憶装置70から読み出す。そして、読み出したデータに基づき、まず、溝研削用砥石21aのツルーイング処理を実行してから、溝の研削加工処理を実行する。
ここで、目標溝形状データは、加工対象のワークの型番毎に1つのデータが用意されている。具体的に、目標溝断面形状に係る情報を含むデータである。
また、加工条件データは、ワークWの形状、材質等、溝研削用砥石21aの種類等によって予め決められた加工条件のデータである。例えば、商品又はワークの型番毎に設定されるデータである。
また、溝研削処理部51は、加工対象のワークが外輪用ワークWoの場合に、研削加工を繰り返し実行して、2回目以降のツルーイングの実行タイミングになったと判定すると、ワーク情報測定指令をワーク情報測定部52に出力する。
ワーク情報測定部52は、タッチプローブ22を用いて、溝研削加工後の外輪用ワークWoの溝部分とこれと対向する溝部分との溝底部間の距離を測定する。加えて、外輪用ワークWoの中心位置Rciの座標を測定する。
ここで、第1実施形態では、図1に示すように、溝研削加工後の外輪用ワークWoに形成された溝の、加工点Pg側の溝部分の溝底部である第1の溝底部Db1とこれと対向する溝部分の溝底部である第2の溝底部Db2との間の距離である第1の溝底径Diを測定する。加えて、外輪用ワークWoの中心位置Rciの座標である第1の中心座標(Xci,Zci)を測定する。ここで、加工点Pgは、溝研削加工時の溝研削用砥石21aとワークWとの接点である。
具体的に、ワーク情報測定部52は、溝研削処理部51から入力されるワーク情報測定指令に応じて、まず、タッチプローブ22を用いて、溝研削加工後の外輪用ワークWoの溝の形状を測定する。この処理は、ワーク回転用モータ35、X軸駆動用モータ28M、及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御することで実行する。
具体的に、ワーク情報測定部52は、加工点Pgに対応する溝部分とその対向位置の溝部分の2箇所の溝形状を測定する。
即ち、ワーク情報測定部52は、まず、加工点Pgに対応する溝部分の位置に対して、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御する。そして、プローブヘッド22bを測定位置への位置合わせに必要な各軸方向に移動して測定対象の溝部分正面の予め設定されたZ軸座標位置で停止する。このとき、各溝部分の測定に用いる先端球を予め決定しておく。ここでは、例えば、第2先端球22fを加工点Pg側の測定に用い、第1先端球22dを対向側の測定に用いる先端球に決定する。従って、まず、第2先端球22fが加工点Pgに対応する溝部分の正面に来るように移動を行う。引き続き、X軸駆動用モータ28Mを駆動制御して、プローブヘッド22bをX軸方向に移動し、第2先端球22fを溝表面に接触させ、接触時のモータ回転角度位置θmx及びθmzを測定する。更に、モータ回転角度位置θmx及びθmzから、接触位置のX軸座標値及びZ軸座標値を算出し、このX軸座標値及びZ軸座標値を組にして、RAM62に記憶する。この位置測定を溝部分に沿ってZ軸座標位置を変更しながら繰り返し行い、加工点Pg側の溝形状を測定する。
続いて、ワーク情報測定部52は、X軸駆動用モータ28Mを駆動制御して、第2先端球22fと背面対向する第1先端球22dを加工点Pgに対応する溝部分と対向する位置にある溝部分の正面へと移動する。引き続き、Z軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、プローブヘッド22bをZ軸方向に移動し、先端球を予め設定されたZ軸座標位置で停止する。そして、X軸駆動用モータ28Mを駆動制御して、プローブヘッド22bをX軸方向に移動し、第1先端球22dを溝表面に接触させ、接触時のモータ回転角度位置θmx及びθmzを測定する。更に、モータ回転角度位置θmx及びθmzから、接触位置のX軸座標値及びZ軸座標値を算出し、このX軸座標値及びZ軸座標値を組にして、RAM62に記憶する。この位置測定を溝部分に沿ってZ軸座標位置を変更しながら繰り返し行い、対向側の溝形状を測定する。
ワーク情報測定部52は、溝形状の測定結果に基づき、外輪用ワークWoの対向する2箇所の溝部分に対して溝の最も深い部分、即ち加工点側及び対向側の第1及び第2の溝底部Db1及びDb2の座標である第1及び第2の溝底座標(X1,Z1)及び(X2,Z2)を特定する。なお、Z1=Z2となる。そして、特定した第1及び第2の溝底座標(X1,Z1)及び(X2,Z2)に基づき溝底間の距離(第1の溝底径)Di及び外輪用ワークWoの中心位置Rciの座標である第1の中心座標(Xci,Zci)を算出する。そして、算出した第1の溝底径Di及び第1の中心座標(Xci,Zci)をRAM62に記憶する。
ワーク情報測定部52は、第1の溝底径Di及び第1の中心座標(Xci,Zci)の測定を終了すると、測定基準座標測定指令を、測定基準座標測定部53に出力する。
図5に戻って、測定基準座標測定部53は、タッチプローブ22を用いて、第1のツルーイング装置4Aの測定基準42の測定点Pmの位置座標(Xr,Zr)(以下、「測定基準位置座標(Xr,Zr)」と記載する場合がある)を測定する。
具体的に、測定基準座標測定部53は、ワーク情報測定部52から入力される測定基準座標測定指令に応じて、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御する。これにより、プローブヘッド22bをX軸方向及びZ軸方向に移動し、予め測定用として決定した先端球(例えば、第2先端球22f)を測定基準42の測定点Pmに接触させる。そして、接触時のモータ回転角度位置θmx及びθmzを測定する。更に、モータ回転角度位置θmx及びθmzから、接触位置のX軸座標値Xr及びZ軸座標値Zrを算出し、このX軸座標及びZ軸座標を組にして、測定基準位置座標(Xr,Zr)としてRAM62に記憶する。
測定基準座標測定部53は、測定基準位置座標(Xr,Zr)の測定が完了すると、ツルーイング実行指令を、ツルーイング処理部54に出力する。
ツルーイング処理部54は、第1のツルーイング装置4Aを用いて、溝研削用砥石21aのツルーイングを実行する。
具体的に、ツルーイング処理部54は、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、溝研削用砥石21aを、第1のツルーイング装置4Aのダイヤモンドドレッサー41のツルーイング点Ptの近傍位置へと移動する。その後、砥石スピンドル用モータ21dを駆動制御し、溝研削用砥石21aをツルーイング用の回転速度で回転する。そして、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、溝研削用砥石21aを、ツルーイング点Ptに向けてツルーイング用の切り込み速度でX軸方向に移動すると共に、ツルーイング用の送り速度でZ軸方向に移動する。これによって、溝研削用砥石21aのツルーイングを行う。ツルーイング処理部54は、ツルーイングが終了すると、第1のツルーイング装置4Aの測定器45に、ダイヤモンドドレッサー41のツルーイング点Ptの基準位置(Xt,Zt)に対する磨耗量ΔXtを測定させる。そして、測定された磨耗量ΔXtをRAM62に記憶する。加えて、RAM62に記憶された測定基準位置座標(Xr,Zr)を、ツルーイング終了時のベース部20の代表座標(以下、「ベース座標(Xb,Zb)」と記載する場合がある)として設定する。ここで、第1実施形態において、ベース座標(Xb,Zb)は変数として管理されている。従って、測定基準位置座標(Xr,Zr)を、変数であるベース座標(Xb,Zb)に代入することで、ツルーイング終了時のベース座標(Xb,Zb)を決定する。
ツルーイング処理部54は、ツルーイング及び磨耗量ΔXtの測定が終了すると、ベース位置決定指令を、ベース位置決定部55に出力する。
ベース位置決定部55は、溝研削用砥石21aと外輪用ワークWoの加工点Pg側の第1の溝底部Db1とが接触するときのベース部20の位置を決定する。
具体的に、ベース位置決定部55は、RAM62に記憶された、ツルーイング点Ptの基準位置座標(Xt,Zt)と、磨耗量ΔXtとから、ツルーイング終了時のツルーイング点Ptの座標(Xt+ΔXt,Zt)を算出する。次に、この座標(Xt+ΔXt,Zt)と、RAM62に記憶された測定基準位置座標(Xr,Zr)とから、下式(1)及び(2)に従って、ツルーイング終了時のツルーイング点Ptの座標と測定基準位置座標(Xr,Zr)との相対距離(Xrt,Zrt)を算出する。以下、この相対距離(Xrt,Zrt)を、「第1の相対距離(Xrt,Zrt)」と記載する場合がある。
Xrt=Xr−(Xt+ΔXt) ・・・(1)
Zrt=Zr−Zt ・・・(2)
引き続き、算出した第1の相対距離(Xrt,Zrt)と、RAM62に記憶された第1の溝底径Di及び第1の中心座標(Xci,Zci)とから、下式(3)及び(4)に基づき、溝研削用砥石21aと外輪用ワークWoの第1の溝底部Db1とが接触するときのベース部20の座標であるベース座標(Xb,Zb)を算出する。
Xb=Xci+Xrt+Di/2 ・・・(3)
Zb=Zci+Zrt ・・・(4)
そして、算出したベース座標(Xb,Zb)をRAM62に記憶する。即ち、変数であるベース座標(Xb,Zb)に、算出値を代入する。
このように、熱の影響を受けにくいツルーイング点Ptと測定点Pmとの第1の相対距離(Xrt,Zrt)と、熱の影響を受けない第1の溝底径Di及び第1の中心座標(Xci,Zci)とからベース座標を決定することで、熱変形による誤差を補正する。
そして、ベース位置決定部55は、ベース座標が決定すると、位置決定終了通知を溝研削処理部51に出力する。
溝研削処理部51は、ベース位置決定部55からの位置決定終了通知を受信すると、以降は、RAM62に記憶されたベース座標(Xb,Zb)を用いて、外輪用ワークWoの仕上げ加工を行う。
(外輪用ワークWoの溝加工処理)
次に、図6に基づき、第1実施形態の外輪用ワークWoの溝加工処理の処理手順を説明する。
第1の制御装置5AのCPU60によってプログラムが実行され、外輪用ワークWoの溝加工処理が開始されると、図6に示すように、まず、ステップS100に移行する。
ステップS100では、溝研削処理部51において、記憶装置70から、研削加工対象の外輪用ワークWoの型番に対応する目標溝形状データ及び加工条件データをRAM62に読み込んで、ステップS102に移行する。
ステップS102では、溝研削処理部51において、RAM62に読み込んだ加工条件データに基づき溝形状管理処理を行う。その後、ステップS104に移行する。
ここで、溝形状管理処理は、第1のツルーイング装置4Aを用いて、溝研削用砥石21aを、これから形成する溝形状を形成可能な形状にツルーイングする処理と、ツルーイングした溝研削用砥石21aを用いて外輪用マスターワークWomの周面に溝を研削加工する処理とを含む。更に、溝形状管理処理は、最初に加工する外輪用ワークWoに対して、位置基準マスターを測定し、この測定値を位置基準マスター初期値として、RAM62に記憶する処理を含む。
ステップS104では、溝研削処理部51において、溝の研削加工処理を実行する。その後、ステップS106に移行する。
ここで、第1実施形態の溝の研削加工処理は、砥石スピンドル用モータ21d、ワーク回転用モータ35、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、まず、外輪用ワークWoの内周面に溝研削用砥石21aを用いて溝を粗研削加工する。引き続き、ワーク回転用モータ35、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、タッチプローブ22によって外輪用ワークWoの溝形状を測定する。続いて、この測定結果に基づき寸法誤差を算出し、算出した寸法誤差に基づき、砥石スピンドル用モータ21d、ワーク回転用モータ35、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、溝の仕上げ加工を行う処理となる。
このとき、ステップS116のベース位置決定処理を実行前は、砥石スピンドル21bとプローブ軸22sとのXZ軸座標の相対距離(Xwt,Zwt)に基づき、溝研削用砥石21aとプローブヘッド22bとの間の座標変換を行って仕上げ加工を行う。以下、この相対距離(Xwt,Zwt)を、「第2の相対距離(Xwt,Zwt)」と記載する場合がある。ここで、第2の相対距離(Xwt,Zwt)は、砥石スピンドル21bとプローブ軸22sとの構造経由の距離が大きくなるほど熱の影響を受けやすくなる。ここで、構造経由の距離とは、必ずX/Y/Z軸のどれかの軸に並進し、空中を通過しない経路のみで構成された経路の距離である。即ち、空中経由の距離が短くても構造経由の距離が長い場合は熱変形が大きくなる。特に、大型の研削装置では、構造経由の距離が数[m]にもなるため、僅かな温度変化でも相対位置は数十[μm]も変形する場合がある。この熱を起因とする相対位置変化は、座標変換時の大きな誤差となる。
一方、ベース位置決定処理の実行後は、ベース位置決定部55で、第1の相対距離(Xrt,Zrt)に基づき算出されたベース座標(Xb,Zb)に基づき、仕上げ加工を行う。即ち、熱的な影響を受けにくい第1の相対距離(Xrt,Zrt)を用いて座標変換を行うので熱変形による誤差を抑制することが可能となる。
本実施形態では、更に、2個目以降の溝形成後の外輪用ワークWoに対して位置基準マスターを測定し、この測定結果と位置基準マスター初期値との差を演算する。そして、演算結果が予め設定した規定値以下である場合に、以降の外輪用ワークWoに対して溝の研削加工処理を実行する。一方、規定値を超えている場合に、異常であると判断し動作を中断して、操作者に対して警報等によって報知する。
ステップS106では、溝研削処理部51において、ツルーイングの実行タイミングであるか否かを判定する。そして、実行タイミングであると判定した場合(Yes)は、ワーク情報測定指令をワーク情報測定部52に出力して、ステップS108に移行し、そうでないと判定した場合は、ステップS104に移行する。
ステップS108に移行した場合は、ワーク情報測定部において、外輪用ワークWoの第1の溝底径Di及び第1の中心座標(Xci,Zci)を測定する。その後、測定基準座標測定部53に、測定基準座標測定指令を出力して、ステップS110に移行する。
ステップS110では、測定基準座標測定部53において、タッチプローブ22を用いて、測定基準位置座標(Xr,Zr)を測定する。その後、ツルーイング処理部54に、ツルーイング実行指令を出力して、ステップS112に移行する。
ステップS112では、ツルーイング処理部54において、溝研削用砥石21aのツルーイングを実行して、ステップS114に移行する。
ここで、砥石スピンドル21bとプローブ軸22sとの距離Xwtと、交換直後の溝研削用砥石21aの径は既知である。ツルーイング時はこれらの熱変形を考慮して、ダイヤモンドドレッサー41に対して溝研削用砥石21aを位置決めし、切り込んでいく。また、ツルーイングが完了した時点でのベース部20の位置を測定基準位置座標(Xr,Zr)で代表する。
ステップS114では、ツルーイング処理部54において、第1のツルーイング装置4Aの測定器45に対して磨耗測定指令を出力して、ツルーイング点Ptの基準位置(Xt,Zt)に対する磨耗量ΔXtを測定させる。そして、その後、ベース位置決定部55に、ベース位置決定指令を出力して、ステップS116に移行する。
ステップS116では、ベース位置決定部55において、ツルーイング終了時の第1の相対距離(Xrt,Zrt)を算出する。更に、この第1の相対距離(Xrt,Zrt)と、第1の溝底径Di及び第1の中心座標(Xci,Zci)とから、溝研削用砥石21aが第1の溝底部Db1と接触するときのベース部20の座標(Xb,Zb)を算出する。これにより、ベース部20の位置を補正する。その後、溝研削処理部51に、位置決定終了通知を出力して、ステップS118に移行する。
ステップS118では、溝研削処理部51において、溝加工処理が終了したか否かを判定し、終了したと判定した場合(Yes)は、一連の処理を終了し、終了していないと判定した場合(No)は、ステップS104に移行する。
(ワーク情報測定処理)
次に、上記ステップS108で実行されるワーク情報測定処理の処理手順を説明する。
ステップS108において、ワーク情報測定処理が実行されると、図7に示すように、まず、ステップS200に移行する。
ステップS200では、ワーク情報測定部52において、タッチプローブ22を用いて、加工点Pgに対応する溝部分、及び外輪用ワークWoの中心を通ってこの溝部分と対向する溝部分の形状を測定する。その後、ステップS202に移行する。
ここで、第1及び第2先端球22d及び22fを測定に用いることとする。この場合、ワーク情報測定部52は、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、まず、測定に用いる第1及び第2先端球22d及び22fを測定対象の溝部分正面の未測定のZ軸座標位置へと移動する。
第1実施形態では、加工対象が外輪用ワークWoであるため、測定対象の溝部分は、対向位置にある一対の溝部分となる。この場合、同時に、一対の測定対象の溝部分の一方が第1先端球22dと対向し、他方が第2先端球22fと対向することになる。
Z軸座標位置が決まると、次に、プローブヘッド22bの第1先端球22d又は第2先端球22fを、測定対象の溝部分の表面に接触させる。具体的に、ワーク情報測定部52は、X軸駆動用モータ28Mを駆動制御して、タッチプローブ22をX軸方向に移動する。そして、第1先端球22d又は第2先端球22fを測定対象の溝部分の表面に接触させる。
続いて、ワーク情報測定部52は、X軸エンコーダ28E及びZ軸エンコーダ25Eからの接触位置におけるモータ回転角度位置θmx及びθmzを取得する。そして、取得したモータ回転角度位置θmx及びθmzを、例えば、記憶装置70に予め記憶された変換テーブルを参照して、ワーク座標系のX軸座標値及びZ軸座標値に変換し、これらの組を、RAM62に記憶する。
以上の一連の測定処理を溝部分の形状を測定するのに必要な範囲内でZ軸座標を変えながら繰り返し行うことで溝形状を測定する。
ステップS202では、ワーク情報測定部52において、ステップS200で測定した対向する一対の溝部分の溝形状情報(座標情報)に基づき、第1及び第2の溝底部Db1及びDb2の第1及び第2の溝底座標(X1,Z1)及び(X2,Z2)を特定する。そして、特定した第1及び第2の溝底座標(X1,Z1)及び(X2,Z2)から第1の溝底径Di(=X1−X2)を算出する。その後、特定した第1及び第2の溝底座標(X1,Z1)及び(X2,Z2)と、算出した第1の溝底径DiとをRAM62に記憶して、ステップS204に移行する。
ステップS204では、ワーク情報測定部52において、ステップS202で算出した第1の溝底径Diと、RAM62に記憶された第1及び第2の溝底部Db1及びDb2のZ軸座標とから外輪用ワークWoの第1の中心座標(Xci,Zci)を算出する。その後、算出した第1の中心座標(Xci,Zci)をRAM62に記憶して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
(ベース位置決定処理)
次に、上記ステップS116で実行されるベース位置決定処理の処理手順を説明する。
ステップS116において、ベース位置決定処理が実行されると、図8に示すように、まず、ステップS300に移行する。
ステップS300では、ベース位置決定部55において、ツルーイング終了時の第1の相対距離(Xrt,Zrt)を算出する。その後、ステップS302に移行する。
具体的に、ベース位置決定部55は、RAM62に記憶された、ツルーイング点Ptの基準位置座標(Xt,Zt)と、磨耗量ΔXtとから、ツルーイング終了時のツルーイング点Ptの座標(Xt+ΔXt,Zt)を算出する。引き続き、この座標(Xt+ΔXt,Zt)と測定基準位置座標(Xr,Zr)とから、上式(1)及び(2)に従って、ツルーイング終了時の第1の相対距離(Xrt,Zrt)=(Xr−(Xt+ΔXt),Zr−Zt)を算出する。
ステップS302では、ベース位置決定部55において、ベース座標(Xb,Zb)を算出する。その後、算出したベース座標(Xb,Zb)をRAM62に記憶して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
具体的に、ベース位置決定部55は、ステップS300で算出した第1の相対距離(Xrt,Zrt)と、RAM62に記憶された第1の溝底径Di及び第1の中心座標(Xci,Zci)とから、上式(3)及び(4)に従って、ベース座標(Xb,Zb)を算出する。
(動作)
次に、図1〜図8を参照しつつ、図9〜図12に基づき、第1実施形態の第1の研削装置1Aの動作例を説明する。
いま第1の制御装置5Aに対して入力装置74を介して外輪用ワークWoの研削開始指令が入力されたとする。これにより、第1の制御装置5Aは、まず、記憶装置70に記憶された、目標溝形状データ及び加工条件データをRAM62に読み込む。そして、読み込んだデータに基づき、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、溝研削用砥石21aを第1のツルーイング装置4Aのツルーイング点Ptの近傍(但し、Z軸座標はツルーイング開始位置)に移動する。
次に、第1の制御装置5Aは、砥石スピンドル用モータ21dを駆動制御して、溝研削用砥石21aを予め設定したツルーイング用の回転速度で回転する。引き続き、第1の制御装置5Aは、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、溝研削用砥石21aを、ツルーイング点Ptにツルーイング用の切り込み速度でX軸方向に移動する(切り込む)と共に、ツルーイング用の送り速度でZ軸方向に移動する。これにより、溝研削用砥石21aの砥石面を所望の形状へと成形する。
次に、第1の制御装置5Aは、不図示のワーク交換機構によって、ワーク支持部3のワーク支持用部材32に外輪用マスターワークWomを固定支持する。そして、第1の制御装置5Aは、砥石スピンドル用モータ21dを駆動制御して、溝研削用砥石21aを予め設定した溝研削用の回転速度で回転する。
引き続き、第1の制御装置5Aは、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して溝研削部21を移動し、回転する溝研削用砥石21aの砥石面を、ワーク支持用部材32に固定支持された外輪用マスターワークWomの内周面の溝形成位置へと移動すると共に予め設定した切り込み量で切り込む。これによって、外輪用マスターワークWomの溝研削用砥石21aの接触位置に溝が形成される。第1の制御装置5Aは、ワーク回転用モータ35を駆動制御して、外輪用マスターワークWomを予め設定した回転角度ずつ回転させて、外輪用マスターワークWomの内周面に溝を形成する。
続いて、第1の制御装置5Aは、タッチプローブ22によって、外輪用マスターワークWomの内周面に形成した溝の形状測定処理を行う。これによって、外輪用マスターワークWomの溝形状の情報を得ると、次に、第1の制御装置5Aは、測定した溝形状情報と、RAM62に読み込んだ目標溝形状データとに基づき、目標溝形状に対する形成した溝形状のズレ量を算出する。そして、算出したズレ量を補正値としてRAM62に記憶する。
補正値の測定処理が終了すると、第1の制御装置5Aは、不図示のワーク交換機構によって、最初に加工する外輪用ワークWoをワーク支持用部材32に固定支持する。そして、第1の制御装置5Aは、この最初に加工する外輪用ワークWoに対して、プローブヘッド22bによって、位置基準マスターを測定する。
具体的に、第1の制御装置5Aは、Z軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、プローブヘッド22bの先端球22fを、Z軸方向に移動して、外輪用ワークWoのZ軸方向の上端位置及び下端位置を測定する。次に、第1の制御装置5Aは、X軸駆動用モータ28Mを駆動制御して、プローブヘッド22bの先端球22fを、X軸方向に移動して、ワーク支持用部材32との接触位置を測定する。そして、これら測定した位置情報を位置基準マスター初期値として、RAM62に記憶する。
次に、第1の制御装置5Aは、溝研削部21によって、外輪用ワークWoの内周面を粗研削加工して溝を形成する。更に、第1の制御装置5Aは、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、タッチプローブ22を用いて、外輪用ワークWoに形成した溝の形状測定を行う。
続いて、第1の制御装置5Aは、測定した溝形状情報と、RAM62に記憶された目標溝形状データ及び補正値とに基づき、直径等の各種寸法と、楕円量、傾斜誤差等の各種寸法誤差とを算出する。そして、第1の制御装置5Aは、算出した各種寸法及び各種寸法誤差を、RAM62に記憶する。
その後、第1の制御装置5Aは、RAM62に記憶された各種寸法及び各種寸法誤差に基づき、溝研削部21の姿勢補正のための補正値等の各種補正値及び溝の取り残し代を算出する。
そして、第1の制御装置5Aは、各種補正値に基づき各種モータを制御して機械の姿勢を補正し、外輪用ワークWoに形成した溝の取り残し代分を加工する。即ち、仕上げ加工を行う。このとき、溝研削用砥石21aとプローブヘッド22bとの間の座標変換は、第2の相対距離(Xwt,Zwt)を用いて行う。
引き続き、2個目以降の外輪用ワークWoについて、第1の制御装置5Aは、まず、砥石スピンドル用モータ21d、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、溝研削部21によって、外輪用ワークWoの内周面を粗研削加工して溝を形成する。次に、タッチプローブ22によって、溝研削加工後の外輪用ワークWoに対して位置基準マスターを測定する。
更に、位置基準マスター測定値と、先に測定した位置基準マスター初期値との差分値を算出し、算出した差分値と規定値とを比較する。そして、差分値が規定値以下であると判定した場合、引き続き、上記同様に位置情報の測定処理、各種寸法及び各種寸法誤差の算出処理、各種補正値及び溝の取り残し代の算出処理、仕上げ加工処理を実施する。
以降は、上記同様の処理を繰り返し行い、外輪用ワークWoの内周面に順次溝を形成していく。
一方、位置基準マスター測定値と位置基準マスター初期値との差分値が規定値を超えると判定した場合、異常があったと見なして以降の動作を中止し、不図示の警報装置によって、操作者に異常があったことを報知する。
異常が検出されず溝加工処理が繰り返し行われると、第1の制御装置5Aは、溝加工途中において、ツルーイングが必要なタイミングになったか否かを判定する。これは、例えば、溝研削加工数や連続研削時間等から判定する。
第1の制御装置5Aは、ツルーイングが必要なタイミングになったと判定すると、まず、溝加工後の外輪用ワークWoに対して、タッチプローブ22を用いて、ワーク情報の測定を行う。
具体的に、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、例えば、図9(a)に示すように、タッチプローブ22を用いて、加工点Pg側の溝部である第1の溝部D1の形状と、第1の溝部D1と対向する溝部である第2の溝部D2の形状とを測定する。即ち、第1の制御装置5Aは、タッチプローブ22の第2先端球22fを第1の溝部D1の表面に接触させて溝表面の座標情報を取得する処理を、第1の溝部D1に沿ってZ軸座標位置を変えながら繰り返し行う。同様に、タッチプローブ22の第1先端球22dを第2の溝部D2の表面に接触させて溝表面の座標情報を取得する処理を、第2の溝部D2に沿ってZ軸座標位置を変えながら繰り返し行う。
第1の制御装置5Aは、測定した第1の溝部D1の形状情報と、測定した第2の溝部D2の形状情報とに基づき、第1の溝底部Db1の第1の溝底座標(X1,Z1)と第2の溝底部Db2の第2の溝底座標(X2,Z2)とを特定する。
引き続き、第1及び第2の溝底座標(X1,Z1)及び(X2,Z2)に基づき、第1の溝底径Di(=X1−X2)を算出する。更に、第1の溝底径Di、第1の溝底座標(X1,Z1)及び第2の溝底座標(X2,Z2)に基づき、「Xci=X1−Di/2」、「Zci=Z1=Z2」から第1の中心座標(Xci,Zci)を算出する。第1の制御装置5Aは、算出した第1の溝底径Di及び第1の中心座標(Xci,Zci)をRAM62に記憶する。
続いて、第1の制御装置5Aは、測定基準位置座標(Xr,Zr)を測定する。
具体的に、第1の制御装置5Aは、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、例えば、図9(b)に示すように、タッチプローブ22を用いて、測定点基準位置座標を測定する。ここでは、タッチプローブ22の第2先端球22fを測定点Pmに接触させ、接触位置の座標情報を取得することで、測定基準位置座標(Xr,Zr)を測定する。
引き続き、第1の制御装置5Aは、上記溝加工前の最初のツルーイング時と同様に、溝研削用砥石21aのツルーイングを行う。即ち、第1の制御装置5Aは、各種モータを制御して、例えば、図9(c)に示すように、溝研削用砥石21aをツルーイング用の回転速度で回転した状態で、ツルーイング用の切り込み速度でX軸方向に移動すると共に、ツルーイング用の送り速度でZ軸方向に移動する。これにより、溝研削用砥石21aの砥石面を形直しする。
ツルーイングの終了後、第1の制御装置5Aは、第1のツルーイング装置4Aの測定器45に、ツルーイング点Ptの基準位置(Xt,Zt)からの磨耗量ΔXtの測定指令を出力する。これにより、測定器45は、例えば、図9(d)の下図に示すように、ツルーイングによる磨耗後のツルーイング点Ptの位置を測定する。そして、図9(d)の上図に示すツルーイング前の基準位置との差ΔXtを算出する。測定器45で測定された磨耗量ΔXtは不図示の電気ケーブルを介して第1の制御装置5Aに入力される。
第1の制御装置5Aは、入力された磨耗量ΔXtから、図10に示すように、ツルーイング終了時の溝研削用砥石21aの外輪用ワークWoの第1の溝底部Db1と接触する部分(ツルーイング終了時のツルーイング点Ptと接触する部分)の座標(Xt+ΔXt,Zt)を算出する。
引き続き、第1の制御装置5Aは、ツルーイング終了時の溝研削用砥石21aの外輪用ワークWoの第1の溝底部Db1と接触する部分の座標(Xt+ΔXt,Zt)と、測定基準位置座標(Xr,Zr)との相対距離を算出する。
具体的に、第1の制御装置5Aは、図10に示すように、上式(1)に従って、X軸座標の相対距離Xrtを「Xrt=Xr−(Xt+ΔXt)」と算出し、上式(2)に従って、Z軸座標の相対距離Zrtを「Zrt=Zr−Zt」と算出する。
そして、第1の制御装置5Aは、算出した第1の相対距離(Xrt,Zrt)と、第1の溝底径Di及び第1の中心座標(Xci,Zci)とから、ベース座標(Xb,Zb)を算出する。
具体的に、第1の制御装置5Aは、上式(3)に従って、ベース部20のツルーイング終了時の測定点PmのX軸座標Xrに対応する位置のX軸座標Xbを「Xb=Xci+Xrt+Di/2」と算出する。更に、上式(4)に従って、ベース部20のツルーイング終了時の測定点PmのZ軸座標Zrに対応する位置のZ軸座標Zbを「Zb=Zci+Zrt」と算出する。
即ち、ベース座標(Xb,Zb)は、図11に示すように、ツルーイング終了時の溝研削用砥石21aがツルーイング点Ptに接触しているときの測定基準42の測定点Pmの位置に対応した位置の座標となる。
このように、溝研削用砥石21aが第1の溝底部Db1に接触するときのベース部20の位置を、熱的影響の比較的小さいツルーイング点Ptと測定点Pmとの相対距離から算出するようにした。これにより、熱的影響の比較的大きい砥石スピンドル21bとプローブ軸22sとの相対距離である第2の相対距離(Xwt,Zwt)を用いた場合と比較して、熱的影響による相対位置変化を抑制することが可能となる。
第1の制御装置5Aは、ベース座標決定後の仕上げ処理において、例えば、図9(e)に示すように、現在の第1の溝底径Diに対して、目標溝底径Difとした場合に、ベース座標(Xb,Zb)から、(Dif−Di)/2を相対移動させて外輪用ワークWoを加工することで所望の寸法に仕上げることが可能となる。
以降は、次のツルーイングを実行するタイミングとなるまで、外輪用ワークWo毎に、タッチプローブ22によって溝形状を測定し、測定した溝形状データに基づき、第1の溝底径Di及び第1の中心座標(Xci,Zci)を算出する。そして、これら算出値と、今回算出した第1の相対距離(Xrt,Zrt)とを用いて、溝研削用砥石21aが第1の溝底部Db1に接触するときのベース座標(Xb,Zb)を決定し、上記同様の仕上げ加工処理を行う。
また、ツルーイングを実行するタイミングとなる毎に、上記一連の処理を実行して、第1の相対距離(Xrt,Zrt)を算出する。そして、算出した第1の相対距離(Xrt,Zrt)から、ベース座標(Xb,Zb)を決定し、上記同様の仕上げ加工処理を行う。
一方、上記ツルーイング点Ptと測定基準42の測定点Pmとの第1の相対距離(Xrt,Zrt)を利用したベース位置決定処理を行わない場合の、溝研削用砥石21aが第1の溝底部Db1に接触するときのベース座標(Xb,Zb)を求める方法の一例を説明する。
まず、タッチプローブ22を用いて、外輪用ワークWoの第1の溝部D1の形状と、第2の溝部D2の形状とを測定する。更に、測定した形状情報に基づき、第1の溝底径Di及び第1の中心座標(Xci,Zci)を算出する。
次に、プローブ軸22sの先端部の中心位置をベース部20の位置として、第1の中心座標(Xci,Zci)と、第3先端球22hのXZ軸の中心座標との位置を合わせて、このときの座標をベース座標(Xb,Zb)=(Xci,Zci)に設定する。
更に、溝研削用砥石21aの砥石径をDgとして、溝研削用砥石21aが第1の溝底部Db1に接触するときのベース部20の位置(即ち、第3先端球22hのXZ軸の中心位置)は、砥石スピンドル21bとプローブ軸22sとの相対距離(Xwt,Zwt)を用いて、下式(5)及び(6)から求めることができる。
Xb=Xci+(Xwt−Dg/2)+Di/2 ・・・(5)
Zb=Zci+Zwt ・・・(6)
ここで、測定値である第1の中心座標(Xci,Zci)と、第1の溝底径Diとは熱変形による影響を受けない値である。一方、図12中の(1)の双方向矢印線に示すように、砥石スピンドル21bとプローブ軸22sとは、両者の間の構造経由の距離が長く、特に、大型の研削装置(大型研削盤)などでは数[m]にもなる。加えて、同図中の(1)の経路にある構造体内に、砥石スピンドル用モータ21dを要因とする第1の発熱源Hs1が存在する。
また、図12中の(2)の双方向矢印線に示すように、溝加工時の溝研削用砥石21aと第1のツルーイング装置4Aのダイヤモンドドレッサー41とは、両者の間の構造経由の距離が長く、特に、大型研削盤などでは数[m]にもなる。加えて、熱の影響を受けることで、砥石径Dgは、溝研削用砥石21aとダイヤモンドドレッサー41との相対位置関係の倍で変化する。更に、図12に示すように、同図中の(2)の経路には、加工点Pgでの溝加工を要因とする第2の発熱源Hs2と、ワーク回転用モータ35を要因とする第3の発熱源Hs3とが存在する。
以上のことから、第2の相対距離(Xwt,Zwt)及び砥石径Dgは、熱の影響を受けやすい距離及び寸法となり、構造体の熱変形による誤差が生じやすい。
これに対して、図12中の(3)の双方向矢印線に示すように、測定基準42と第1のツルーイング装置4Aのダイヤモンドドレッサー41とは、両者の間の構造経由の距離が短く、かつ、周辺に発熱源が少ないため熱的に安定した位置にある構成部となる。即ち、測定基準42の測定点Pmとダイヤモンドドレッサー41のツルーイング点Ptとの第1の相対距離(Xrt,Zrt)は、構造体の熱変形による誤差が生じにくい。
ここで、溝研削用砥石21aは回転砥石に対応し、第1のツルーイング装置4Aはツルーイング部に対応し、ドレッサーベース40は基台に対応し、ダイヤモンドドレッサー41はドレッサーに対応する。
また、溝研削処理部51は研削処理部に対応し、ワーク情報測定部52はワーク形状測定処理部に対応し、測定器45は、ツルーイング点座標測定部に対応する。
(第1実施形態の作用及び効果)
第1実施形態に係る第1の研削装置1Aは、加工点Pgの位置が、Y軸方向から視て、砥石スピンドル21bを挟んでツルーイング点Pt側に位置するように構成されている。加えて、砥石スピンドル21bとこの砥石スピンドル21bの先端部に取付けられた溝研削用砥石21aと砥石スピンドル21bを回転駆動する砥石スピンドル用モータ21dとを有する溝研削部21を備える。更に、ワークWを固定支持するワーク支持用部材32と、ワーク支持用部材32を、ワーク回転用スピンドル33を介して砥石スピンドル21bと並行な軸回りに回転可能に支持するテーブル31と、ワーク回転用スピンドル33を回転駆動するワーク回転用モータ35とを有するワーク支持部3を備える。更に、プローブ軸22sとこのプローブ軸22sの先端部に設けられた測定子22tとを有するタッチプローブ22を備える。更に、溝研削部21及びタッチプローブ22を軸並行に固定支持するベース部20と、タッチプローブ22の位置基準である測定基準42とを備える。更に、ドレッサーベース40と、ドレッサーベース40のワーク支持部3と対向する側に設けられた溝研削用砥石21aをツルーイングするためのダイヤモンドドレッサー41とを有する第1のツルーイング装置4Aを備える。更に、第1及び第2のベース部23及び26を、ワークWの研削位置、溝研削用砥石21aのツルーイング位置、ワークWの形状の測定位置及び測定基準42の測定位置へと移動する移動機構部を備える。この移動機構部は、ベース部20の第1のベース部23をZ軸方向に移動するための機構部として、Z軸駆動用モータ25M、第1の左直動案内装置24L、第1の右直動案内装置24R、及び第1のボールねじ装置25を備える。更に、この移動機構部は、ベース部20の第2のベース部26をX軸方向に移動するための機構部として、X軸駆動用モータ28M、第2の左直動案内装置27L、第2の右直動案内装置27R及び第2のボールねじ装置28を備える。
そして、第1実施形態に係る第1の研削装置1Aは、溝研削処理部51が、砥石スピンドル用モータ21d、ワーク回転用モータ35、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、予め設定した溝研削用の回転速度で回転する溝研削用砥石21aをワーク支持用部材32に固定支持されたワークWに接触させて、ワークWを研削する処理を行う。ワーク情報測定部52が、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、タッチプローブ22の測定子22tをワーク支持部3に固定支持された研削加工後のワークWに接触させて、該ワークWの形状を測定する処理を行う。測定基準座標測定部53が、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、タッチプローブ22の測定子22tを測定基準42に接触させて、測定基準42の測定点Pmの位置座標(Xr,Zr)を測定する処理を行う。ツルーイング処理部54が、砥石スピンドル用モータ21d、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、予め設定したツルーイング用の回転速度で回転する溝研削用砥石21aを第1のツルーイング装置4Aのダイヤモンドドレッサー41のツルーイング点Ptに接触させて溝研削用砥石21aをツルーイングする処理を行う。第1のツルーイング装置4Aの測定器45が、ツルーイング点Ptの位置座標(Xt,Zt)を測定する。
ここで、測定基準42とダイヤモンドドレッサー41とは、熱的影響による測定点Pmの位置座標(Xr,Zr)とツルーイング点Ptの位置座標(Xt,Zt)との相対距離である第1の相対距離(Xrt,Zrt)の誤差が予め設定した目標加工精度を満たす範囲内となる位置関係に配設されている。具体的に、第1実施形態において、第1のツルーイング装置4Aは、例えば、発熱源から可能な限り離れた位置に配設され、測定基準42は、第1のツルーイング装置4Aのドレッサーベース40の上部に設けられている。より具体的に、測定基準42は、例えば、ドレッサーベース40のフレームが鉄製であり、目標加工精度を5[μm]以下に設定した場合に、ダイヤモンドドレッサー41との構造経由の距離が41[cm]以下となる位置に設けられる。
更に、ベース位置決定部55が、ツルーイング終了時のベース部20の位置座標を測定基準42の位置座標(Xr,Zr)で代表する。加えて、測定基準42の位置座標(Xr,Zr)とツルーイング終了時に測定器45で測定したツルーイング点Ptの位置座標(Xt,Zt)との第1の相対距離(Xrt,Zrt)と、ワーク情報測定部52で測定したワークWの形状情報とに基づき、研削加工時に溝研削用砥石21aがワークWと接触するときの前記代表の位置座標に対応するベース部20の位置座標(Xb,Zb)を決定する。溝研削処理部51が、ベース位置決定部55で決定したベース部の位置座標(Vb,Zb)に基づきワークWの仕上げ加工を行う。
更に、ワークWは、転がり軸受の軌道輪を構成する円環状の部材(外輪用ワークWo,内輪用ワークWi)である。そして、第1実施形態の溝研削処理部51は、外輪用ワークWoの内周面に転動体の転動路となる溝を研削する溝研削処理を行う。ワーク情報測定部52が、外輪用ワークWoの内周面に形成された溝の外輪用ワークWoの中心を介して対向する第1及び第2の溝部D1及びD2の形状を測定する。加えて、第1及び第2の溝部D1及びD2の形状から特定される第1の溝底部Db1の座標(X1,Z1)及び第2の溝底部Db2の座標(X2,Z2)に基づき溝底部間の直線距離である第1の溝底径Di及び外輪用ワークWoの第1の中心座標(Xci,Zci)を算出する処理を行う。ベース位置決定部55が、測定基準42の位置座標(Xr,Zr)とツルーイング終了時のツルーイング点Ptの位置座標(Xt,Zt)との第1の相対距離(Xrt,Zrt)と、第1の溝底径Di及び第1の中心座標(Xci,Zci)とに基づき、溝研削加工時に溝研削用砥石21aが外輪用ワークWoの第1の溝底部Db1と接触するときの前記代表の位置座標に対応するベース部20の位置座標(Xb,Zb)を決定する。
具体的に、測定基準42の測定点Pmの座標(Xr,Zr)とツルーイング終了時点のツルーイング点Ptの座標(Xt,Zt)との第1の相対距離(Xrt,Zrt)と、第1の溝底径Diと、外輪用ワークWoの第1の中心座標(Xci,Zci)とから、前記代表の位置座標に対応するベース部20の座標(Xb,Zb)を上式(3)及び(4)に従って算出する。
上記構成であれば、従来の位置決め方法と比較して、ベース部20の位置座標(Xb,Zb)を決定する際に、熱による影響を受けにくい第1の相対距離(Xrt,Zrt)を用いるので、相対的に安定した加工が可能になる。また、構造経由の距離、即ち研削装置の寸法によらずにツルーイング点Ptと測定基準42との位置関係の変化のみで熱変形の影響を抑えることが可能である。この効果は、X軸方向の第1の相対距離Xrtと第2の相対距離Xwtとの差、Z軸方向の第1の相対距離Zrtと第2の相対距離Zwtとの差が大きくなる大型の研削盤において顕著となる。また、構造材の線膨張係数を考慮しなくてもよいので、従来と比較して材料の制約が無い。また、複雑な熱変形制御を行わなくてもよいので設備の高度化が不要であり、そのためのコストが不要となる。即ち、従来と比較して簡易且つ低コストで熱変形による影響を抑制した位置決めが可能となる。
(第2実施形態)
(構成)
第2実施形態は、上記第1実施形態の第1の研削装置1Aにおいて、第1のツルーイング装置4A及び第1の制御装置5Aに代えて、第2のツルーイング装置4B及び第2の制御装置5Bを備える点が異なる。また、上記第1実施形態の第1の研削装置1Aは、加工点Pgが、Y軸方向から視て、砥石スピンドル21bを挟んでツルーイング点Ptと同じ側にある。これに対して、第2実施形態の第2の研削装置1Bでは、加工点Pgが、Y軸方向から視て、砥石スピンドル21bを挟んでツルーイング点Ptと反対側にある点が異なる。即ち、溝研削用砥石21aのツルーイング時の接触点と加工時の接触点とが砥石スピンドル21bを挟んで反対となるため、第1の相対距離(Xrt,Zrt)を利用して座標変換を行う場合に、溝研削用砥石21aの砥石径を考慮する必要がある。しかし、砥石径は、ツルーイング点Ptと溝研削用砥石21aとの位置関係の変化の2倍で変化するため、砥石径を補正する必要がある。そのため、第2実施形態の第2の研削装置1Bは、砥石径を補正する手段を有している点で上記第1実施形態と異なる。
以下、上記第1実施形態と同じ構成部に対しては同じ符号を付して適宜説明を省略し、異なる点を詳細に説明する。
第2実施形態に係る第2の研削装置1Bは、図13に示すように、研削測定部2と、ワーク支持部3と、第2のツルーイング装置4Bと、第2の制御装置5Bとを備えている。
なお、図13に例示したワークWは、玉軸受の内輪用ワークWiであり、内輪の外周面に溝を形成するため、円筒形状のワーク支持用部材32の上端に内輪用ワークWiを磁力で吸着して固定支持している。
第2のツルーイング装置4Bは、図13及び図14に示すように、ドレッサーベース40と、ダイヤモンドドレッサー41と、測定基準42と、センサ支持部43と、近接センサ44とを備えている。
センサ支持部43は、第1支持部43aと、第1支持部43aに接続する第2支持部43bとを有する。第1支持部43aは、ドレッサーベース40のダイヤモンドドレッサー41側の面に一端が固定され、一端側からワーク支持部3に向かって水平方向に延長する低線膨張合金製の例えば角柱状の部材から構成されている。第2支持部43bは、第1支持部43aの他端部(先端部)から上方に向かって垂直方向に延長する低線膨張合金製の角柱状の部材から構成されている。
近接センサ44は、第2支持部43bの上端部(X軸方向においてツルーイング点Ptと対向する位置)に設けられ、近接検知境界DP以内に近づいた物体を検出するセンサである。例えば、エアマイクロセンサ、AE(Acoustic Emission)センサなどが該当する。ここで、近接検知境界DPは、近接センサ44が自身に近接した物体を検知可能な範囲と検知不可能な範囲との境界である。第2実施形態では、近接センサ44は、図14に示すように、ダイヤモンドドレッサー41側から近接検知境界DP以内へと接近した溝研削用砥石21aを検知する。
(第2の制御装置5Bのハードウェア構成)
第2の制御装置5Bのハードウェア構成は、上記第1実施形態の第1の制御装置5Aのハードウェア構成と同様となる。
(第2の制御装置5Bの機能構成)
第2の制御装置5Bは、第2の機能構成部50Bとして、溝研削処理部51と、ワーク情報測定部52と、測定基準座標測定部53と、ツルーイング処理部54と、ベース位置決定部55と、砥石径測定部56とを備えている。
第2実施形態の溝研削処理部51は、電源投入後の2回目のツルーイングの実行タイミングにおいて、ツルーイングの実行前に、溝加工終了時点の溝研削用砥石21aの中心点GScの座標(Xow,Zow)を測定する。そして、測定した中心点GScの座標(Xow,Zow)をRAM62に記憶する。その後、ワーク情報測定指令をワーク情報測定部52に出力する。
第2実施形態の溝研削処理部51は、更に、砥石径測定部56からの基準砥石径算出完了通知に応じて、2回目のツルーイングを実行後の溝研削用砥石21aを用いて、溝加工処理を実行する。加えて、ベース位置決定部55からの位置決定終了通知に応じて、3回目以降のツルーイングを実行後の溝研削用砥石21aを用いて、溝加工処理を実行する。
第2実施形態のワーク情報測定部52は、溝研削処理部51からのワーク情報測定指令に応じて、タッチプローブ22を用いて、溝研削加工後の内輪用ワークWiの溝部分とこれと背面対向する溝部分との溝底部間の距離を測定する。加えて、内輪用ワークWiの中心位置Rcoの座標を測定する。
ここで、第2実施形態では、図13に示すように、溝研削加工後の内輪用ワークWiに形成された溝の、加工点Pg側の溝部分の溝底部である第3の溝底部Db3とこれと背面対向する溝部分の溝底部である第4の溝底部Db4との間の距離である第2の溝底径Doを測定する。加えて、内輪用ワークWiの中心位置Rcoの座標である第2の中心座標(Xoc,Zoc)を測定する。
具体的に、ワーク情報測定部52は、溝研削処理部51から入力されるワーク情報測定指令に応じて、まず、タッチプローブ22を用いて、溝研削加工後の内輪用ワークWiの溝の形状を測定する。上記第1実施形態の外輪用ワークWoのときと同様に、この処理は、ワーク回転用モータ35、X軸駆動用モータ28M、及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御することで実行する。
第2実施形態のワーク情報測定部52は、溝形状の測定結果に基づき、内輪用ワークWiの背面対向する2箇所の溝部分に対して溝の最も深い部分、即ち加工点Pg側及び背面対向側の第3及び第4の溝底部Db3及びDb4の座標である第3及び第4の溝底座標(X3,Z3)及び(X4,Z4)を特定する。なお、Z3=Z4となる。そして、特定した第3及び第4の溝底座標(X3,Z3)及び(X4,Z4)に基づき溝底間の距離(第2の溝底径)Do及び内輪用ワークWiの中心位置Rcoの座標である第2の中心座標(Xoc,Zoc)を算出する。
第2実施形態のワーク情報測定部52は、2回目のツルーイングの実行タイミングにおいて、その実行前に第2の溝底径Do及び第2の中心座標(Xoc,Zoc)の測定を終了すると、砥石径算出指令を砥石径測定部56に出力する。
第2実施形態の測定基準座標測定部53は、2回目のツルーイングの実行タイミングにおいて、ツルーイングの実行前に、ワーク情報測定部52からの指令に応じて、タッチプローブ22を用いて、測定基準位置座標(Xr,Zr)を測定する。そして、測定した測定基準位置座標(Xr,Zr)をRAM62に記憶する。その後、測定完了通知をツルーイング処理部54に出力する。また、3回目以降のツルーイングの実行タイミングにおいて、ツルーイングの実行前に、ツルーイング処理部54からの指令に応じて、タッチプローブ22を用いて、測定基準位置座標(Xr,Zr)を測定する。そして、測定した測定基準位置座標(Xr,Zr)をRAM62に記憶する。その後、ツルーイング実行指令をツルーイング処理部54に出力する。
砥石径測定部56は、ワーク情報測定部52からの砥石径算出指令に応じて、RAM62に記憶された、溝研削用砥石21aの中心点GScの座標(Xow,Zow)と、第2の溝底径Do及び第2の中心座標(Xoc,Zoc)とから、下式(7)に従って、溝加工完了時の第1の砥石径Dwnを算出する。
Dwn=2×(Xow−Xoc)−Do・・・(7)
砥石径測定部56は、算出した溝加工完了時の第1の砥石径DwnをRAM62に記憶し、その後、測定基準座標測定指令を、測定基準座標測定部53に出力する。
砥石径測定部56は、更に、ツルーイング処理部54からの砥石送り距離測定指令に応じて、2回目のツルーイングの実行前に、近接センサ44を用いて、ツルーイング点Ptから所定距離αだけ離れた位置から近接検知境界DPまでの溝研削用砥石21aの送り距離である第1の砥石送り距離Xw0を測定する。そして、測定した第1の砥石送り距離Xw0をRAM62に記憶し、ツルーイング実行指令をツルーイング処理部54に出力する。
砥石径測定部56は、ツルーイング処理部54からの基準砥石径測定指令に応じて、まず、近接センサ44を用いて、2回目のツルーイング後のツルーイング点Ptから近接検知境界DPまでの溝研削用砥石21aの送り距離である第2の砥石送り距離Xw1を測定する。次に、RAM62に記憶された溝加工完了時の第1の砥石径Dwn、第1の砥石送り距離Xw0及び第2の砥石送り距離Xw1と、ROM64又は記憶装置70に予め記憶された所定距離α及び2回目のツルーイング時の切り込み量A0とから、下式(8)に従って、基準砥石径Dw0を算出する。
Dw0=Dwn−2×(Xw1−Xw0−A0) ・・・(8)
なお、上式(8)の算出過程は、下式(8a)〜(8d)となる(図20(a)を参照)。
Dw0=Dwn−2×(A0−α) ・・・(8a)
Xw1+Dwn−2×(A0−α)=Xw0+Dwn+a ・・・(8b)
α=Xw0−Xw1+2A0 ・・・(8c)
Dw0=Dwn−2×(A0−(Xw0−Xw1+2A0)) ・・・(8d)
上式(8d)を整理することで、上式(8)が導出される。
そして、算出した基準砥石径Dw0をRAM62に記憶する。その後、基準砥石径算出完了通知を溝研削処理部51に出力する。
砥石径測定部56は、ツルーイング処理部54からの砥石径測定指令に応じて、まず、近接センサ44を用いて、ツルーイング点Ptから近接検知境界DPまでの溝研削用砥石21aの送り距離である第3の砥石送り距離Xw2を測定する。そして、第2の砥石送り距離Xw1と第3の砥石送り距離Xw2との差である距離差ΔXwを算出する。次に、第1のツルーイング装置4Aの測定器45に、ダイヤモンドドレッサー41のツルーイング点Ptの現在の磨耗位置T1を測定させる。そして、基準磨耗位置T0(後述)と測定した磨耗位置T1との差である磨耗差ΔTを算出する。引き続き、RAM62に記憶された基準砥石径Dw0と、算出した磨耗差ΔT及び距離差ΔXwとから、下式(9)に従って、熱変形による誤差が補正された砥石径である第2の砥石径Dwを算出する。そして、算出した第2の砥石径DwをRAM62に記憶する。その後、ベース位置決定指令を、ベース位置決定部55に出力する。
Dw=Dw0−2×(ΔXw+ΔT)・・・(9)
第2実施形態のツルーイング処理部54は、測定基準座標測定部53からの測定完了通知に応じて、2回目のツルーイングの実行前に、第2のツルーイング装置4Bの測定器45に、ダイヤモンドドレッサー41のツルーイング点Ptの基準磨耗位置T0を測定させる。そして、測定した基準磨耗位置T0をRAM62に記憶し、砥石送り距離測定指令を砥石径測定部56に出力する。
第2実施形態のツルーイング処理部54は、更に、砥石径測定部56からのツルーイング実行指令に応じて、上記第1実施形態と同様の手順で、溝研削用砥石21aの2回目のツルーイングを行う。その後、基準砥石径測定指令を砥石径測定部56に出力する。
また、第2実施形態のツルーイング処理部54は、3回目以降のツルーイングの実行タイミングにおいて、測定基準座標測定部53からのツルーイング実行指令に応じてツルーイングを実行する。その後、砥石径測定指令を、砥石径測定部56に出力する。
第2実施形態のベース位置決定部55は、溝研削用砥石21aと内輪用ワークWiの加工点Pg側の第3の溝底部Db3とが接触するときのベース部20の位置を決定する。
具体的に、ベース位置決定部55は、砥石径測定部56からのベース位置決定指令に応じて、RAM62に記憶された、ツルーイング終了時点のツルーイング点Ptの座標(Xt,Zt)と、測定基準位置座標(Xr,Zr)とから、第1の相対距離(Xrt,Zrt)を算出する。
続いて、算出した第1の相対距離(Xrt,Zrt)と、RAM62に記憶された、第2の溝底径Do、第2の中心座標(Xoc,Zoc)及び第2の砥石径Dwとから、下式(10)及び(11)に基づき、溝研削用砥石21aと内輪用ワークWiの第3の溝底部Db3とが接触するときのベース部20の位置であるベース座標(Xb,Zb)を算出する。そして、算出したベース座標(Xb,Zb)をRAM62に記憶する。
このように、熱の影響を受けにくいツルーイング点Ptと測定点Pmとの第1の相対距離(Xrt,Zrt)と、熱の影響を受けない、第2の砥石径Dw、第2の溝底径Do及び第2の中心座標(Xoc,Zoc)とからベース座標を決定することで、熱変形による誤差を補正する。
Xb=Xoc+Do/2+Xrt+Dw ・・・(10)
Zb=Zoc+Zrt ・・・(11)
そして、ベース位置決定部55は、ベース座標(Xb,Zb)が決定すると、位置決定終了通知を溝研削処理部51に出力する。
(内輪用ワークWiの溝加工処理)
次に、図16に基づき、第2実施形態の内輪用ワークWiの溝加工処理の処理手順を説明する。
第2の制御装置5BのCPU60によってプログラムが実行され、内輪用ワークWiの溝加工処理が開始されると、図16に示すように、まず、ステップS400に移行する。
ステップS400では、溝研削処理部51において、記憶装置70から、研削加工対象の内輪用ワークWiの型番に対応する目標溝形状データ及び加工条件データをRAM62に読み込んで、ステップS402に移行する。
ステップS402では、溝研削処理部51において、RAM62に読み込んだ加工条件データに基づき溝形状管理処理を行う。その後、ステップS404に移行する。
ここで、溝形状管理処理は、第2のツルーイング装置4Bを用いて、溝研削用砥石21aを、これから形成する溝形状を形成可能な形状にツルーイングする処理と、ツルーイングした溝研削用砥石21aを用いて内輪用マスターワークWimの周面に溝を研削加工する処理とを含む。更に、溝形状管理処理は、最初に加工する外輪用ワークWoに対して、位置基準マスターを測定し、この測定値を位置基準マスター初期値として、RAM62に記憶する処理を含む。
ステップS404では、溝研削処理部51において、溝の研削加工処理を実行する。その後、ステップS406に移行する。
ここで、第2実施形態の溝の研削加工処理は、砥石スピンドル用モータ21d、ワーク回転用モータ35、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、まず、内輪用ワークWiの外周面に溝研削用砥石21aを用いて溝を粗研削加工する。引き続き、ワーク回転用モータ35、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、タッチプローブ22によって内輪用ワークWiの溝形状を測定する。続いて、この測定結果に基づき寸法誤差を算出し、算出した寸法誤差に基づき、砥石スピンドル用モータ21d、ワーク回転用モータ35、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、溝の仕上げ加工を行う処理となる。
このとき、ステップS418の熱変形補正処理の実行前は、第2の相対距離(Xwt,Zwt)に基づき、溝研削用砥石21aとプローブヘッド22bとの間の座標変換を行って仕上げ加工を行う。
一方、熱変形補正処理の実行後は、ベース位置決定部55で、第2の砥石径Dwと、第1の相対距離(Xrt,Zrt)とに基づき算出されたベース座標(Xb,Zb)に基づき、仕上げ加工を行う。即ち、近接センサ44による測定によって寸法誤差の補正された第2の砥石径Dwと、熱的な影響を受けにくい第1の相対距離(Xrt,Zrt)とを用いて座標変換を行うので熱変形による誤差を抑制することが可能となる。
本実施形態では、更に、2個目以降の溝形成後の内輪用ワークWiに対して位置基準マスターを測定し、この測定結果と位置基準マスター初期値との差を演算する。そして、演算結果が予め設定した規定値以下である場合に、以降の内輪用ワークWiに対して溝の研削加工処理を実行する。一方、規定値を超えている場合に、異常であると判断し動作を中断して、操作者に対して警報等によって報知する。
ステップS406では、溝研削処理部51において、ツルーイング実行タイミングか否かを判定し、実行タイミングであると判定した場合(Yes)は、ステップS408に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS410に移行する。
ステップS408に移行した場合は、溝研削処理部51において、2回目のツルーイングの実行タイミングか否かを判定する。そして、2回目の実行タイミングであると判定した場合(Yes)は、ステップS410に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS412に移行する。
ステップS410に移行した場合は、第2の機能構成部50Bにおいて、基準砥石径測定処理を実行して、ステップS414に移行する。
一方、ステップS412に移行した場合は、第2の機能構成部50Bにおいて、熱変形補正処理を実行して、ステップS414に移行する。
ステップS414では、溝研削処理部51において、溝加工処理が終了したか否かを判定し、終了したと判定した場合(Yes)は、一連の処理を終了し、終了していないと判定した場合(No)は、ステップS404に移行する。
(基準砥石径測定処理)
次に、図17に基づき、上記ステップS410で実行される基準砥石径測定処理の処理手順について説明する。
上記ステップS410において、基準砥石径測定処理が実行されると、図17に示すように、まず、ステップS500に移行する。
ステップS500では、溝研削処理部51において、2回目のツルーイング処理の実行前に、溝加工完了時の溝研削用砥石21aの中心点GScの座標(Xow,Zow)を測定する。そして、測定した中心座標(Xow,Zow)をRAM62に記憶する。その後、ワーク情報測定指令をワーク情報測定部52に出力して、ステップS502に移行する。
ここで、溝研削処理部51は、X軸エンコーダ28E及びZ軸エンコーダ25Eから、溝加工完了時のモータ回転角度位置θmx及びθmzを取得する。そして、取得したモータ回転角度位置θmx及びθmzを、溝研削用砥石21aの中心点GScのX軸座標値Xow及びZ軸座標値Zowに変換し、これらの組を、RAM62に記憶する。
ステップS502では、ワーク情報測定部52において、ワーク情報測定指令の入力に応じて、タッチプローブ22を用いて、ワーク情報を測定し、測定したワーク情報をRAM62に記憶する。その後、砥石径測定部56に砥石径算出指令を出力して、ステップS504に移行する。
具体的に、ワーク情報測定部52は、上記第1実施形態の外輪用ワークWoのときと同様に、加工点Pgに対応する溝部分、及び内輪用ワークWiの中心を通ってこの溝部分と背面対向する溝部分の形状を測定する。次に、測定した背面対向する一対の溝部分の溝形状情報(座標情報)に基づき、第3及び第4の溝底部Db3及びDb4の第3及び第4の溝底座標(X3,Z3)及び(X4,Z4)を特定する。更に、第3及び第4の溝底座標(X3,Z3)及び(X4,Z4)から、第2の溝底径Do(=X3−X4)を算出する。そして、第3及び第4の溝底座標(X3,Z3)及び(X4,Z4)及び第2の溝底径Doから、内輪用ワークWiの第2の中心座標(Xoc,Zoc)を算出する。
ステップS504では、砥石径測定部56において、砥石径算出指令の入力に応じて、RAM62に記憶されている第2の溝底径Do、第2の中心座標(Xoc,Zoc)及び中心点GScの座標(Xow,Zow)から、上式(7)に従って、第1の砥石径Dwnを算出する。その後、算出した第1の砥石径DwnをRAM62に記憶し、測定基準座標測定部53に測定基準座標測定指令を出力して、ステップS506に移行する。
なお、砥石径測定部56は、溝研削用砥石21aが交換直後のものである場合、第1の砥石径Dwnとして予めROM64又は記憶装置70に記憶されたカタログ値をRAM62に記憶する。
ステップS506では、測定基準座標測定部53において、測定基準座標測定指令の入力に応じて、タッチプローブ22を用いて、測定基準位置座標(Xr,Zr)を測定する。その後、測定した測定基準位置座標(Xr,Zr)をRAM62に記憶し、ツルーイング処理部54に測定完了通知を出力して、ステップS508に移行する。
ステップS508では、ツルーイング処理部54において、測定完了通知の入力に応じて、第2のツルーイング装置4Bの測定器45に対して磨耗測定指令を出力して、ツルーイング点Ptの基準磨耗位置T0を測定させる。そして、測定された基準磨耗位置T0をRAM62に記憶し、砥石径測定部56に砥石送り距離測定指令を出力して、ステップS510に移行する。
具体的に、測定器45は、現在のツルーイング点PtのX座標Xt0を測定し、このXt0を基準磨耗位置T0としてRAM62に記憶する。
ステップS510では、砥石径測定部56において、砥石送り距離測定指令の入力に応じて、近接センサ44を用いて、第1の砥石送り距離Xw0を測定する。その後、測定した第1の砥石送り距離Xw0をRAM62に記憶し、ツルーイング処理部54にツルーイング実行指令を出力して、ステップS512に移行する。
具体的に、砥石径測定部56は、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、まず、ツルーイング点Ptから所定距離αだけ離れた位置に溝研削用砥石21aを移動する。そして、X軸エンコーダ28Eから、モータ回転角度位置θmxを取得し、これをX軸座標値に変換し、変換したX座標値である第1の砥石X座標値Xg1をRAM62に記憶する。次に、砥石径測定部56は、X軸駆動用モータ28Mを駆動制御して、溝研削用砥石21aをX軸のマイナス方向(図13中のX−の方向)に移動する。そして、近接センサ44が溝研削用砥石21aの接近を初めて検知した位置(近接検知境界DPの位置)で溝研削用砥石21aを停止し、X軸エンコーダ28Eからモータ回転角度位置θmxを取得する。そして、取得したモータ回転角度位置θmxをX軸座標値に変換して、第2の砥石X座標値Xg2を得る。
続いて、砥石径測定部56は、RAM62に記憶された第1の砥石X座標値Xg1から、第2の砥石X座標値Xg2を減算して、第1の砥石送り距離Xw0を算出する。
ステップS512では、ツルーイング処理部54において、ツルーイング実行指令の入力に応じて、溝研削用砥石21aのツルーイングを実行する。その後、砥石径測定部56に砥石径測定指令を出力して、ステップS514に移行する。
具体的に、ツルーイング処理部54は、X軸駆動用モータ28Mを駆動制御して、溝研削用砥石21aを、ダイヤモンドドレッサー41のツルーイング点Ptに対して切り込み量A0だけ切り込み、ツルーイングを行う。
ステップS514では、砥石径測定部56において、砥石径測定指令の入力に応じて、近接センサ44を用いて、第2の砥石送り距離Xw1を測定する。その後、測定した第2の砥石送り距離Xw1をRAM62に記憶して、ステップS516に移行する。
具体的に、砥石径測定部56は、まず、X軸エンコーダ28Eからツルーイング終了時のモータ回転角度位置θmxを取得する。そして、取得したモータ回転角度位置θmxをX軸座標値に変換して、第3の砥石X座標値Xg2を得る。そして、第3の砥石X座標値Xg2をRAM62に記憶する。次に、X軸駆動用モータ28Mを駆動制御して、溝研削用砥石21aをX軸のマイナス方向に移動する。そして、近接センサ44が溝研削用砥石21aの接近を初めて検知した位置(近接検知境界DPの位置)で溝研削用砥石21aを停止し、X軸エンコーダ28Eからモータ回転角度位置θmxを取得する。そして、取得したモータ回転角度位置θmxをX軸座標値に変換して、第4の砥石X座標値Xg3を得る。
続いて、砥石径測定部56は、RAM62に記憶された第3の砥石X座標値Xg2から、第4の砥石X座標値Xg3を減算して、第2の砥石送り距離Xw1を算出する。
ステップS516では、砥石径測定部56において、基準砥石径Dw0を算出し、算出した基準砥石径Dw0をRAM62に記憶する。その後、砥石径算出完了通知を、溝研削処理部51に出力して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
具体的に、砥石径測定部56は、予め設定された所定距離α及び切り込み量A0と、RAM62に記憶された第1の砥石径Dwn、第1の砥石送り距離Xw0及び第2の砥石送り距離Xw1とから、上式(8)に従って、基準砥石径Dw0を算出する。
(熱変形補正処理)
次に、図18に基づき、上記ステップS412で実行される熱変形補正処理の処理手順について説明する。
上記ステップS412において、熱変形補正処理が実行されると、図18に示すように、まず、ステップS600に移行する。
ステップS600では、溝研削処理部51において、3回目以降のツルーイング処理の実行前に、溝加工完了時の溝研削用砥石21aの中心点GScの座標(Xow,Zow)を測定する。そして、測定した中心座標(Xow,Zow)をRAM62に記憶する。その後、測定基準座標測定部53に測定基準座標測定指令を出力して、ステップS602に移行する。
ステップS602では、測定基準座標測定部53において、測定基準座標測定指令の入力に応じて、タッチプローブ22を用いて、測定基準位置座標(Xr,Zr)を測定する。その後、測定した測定基準位置座標(Xr,Zr)をRAM62に記憶し、ツルーイング処理部54にツルーイング実行指令を出力して、ステップS604に移行する。
ステップS604では、ツルーイング処理部54において、ツルーイング実行指令の入力に応じて、溝研削用砥石21aのツルーイングを実行する。その後、砥石径測定部56に砥石送り距離測定指令を出力して、ステップS606に移行する。
具体的に、ツルーイング処理部54は、X軸駆動用モータ28Mを駆動制御して、溝研削用砥石21aを、ダイヤモンドドレッサー41のツルーイング点Ptに対して切り込み量A1だけ切り込み、ツルーイングを行う。
ステップS606では、砥石径測定部56において、砥石送り距離測定指令の入力に応じて、近接センサ44を用いて、第3の砥石送り距離Xw2を測定する。その後、測定した第3の砥石送り距離Xw2をRAM62に記憶して、ステップS608に移行する。
ここで、砥石径測定部56は、上記ステップS514と同様に、3回目以降のツルーイング終了時の位置から近接検知境界DPまでの砥石送り距離である第3の砥石送り距離Xw2を測定する。
ステップS608では、砥石径測定部56において、RAM62に記憶された第2の砥石送り距離Xw1と第3の砥石送り距離Xw2との差分(Xw2−Xw1)である距離差ΔXwを算出する。そして、算出した距離差ΔXwをRAM62に記憶して、ステップS610に移行する。
ステップS610では、砥石径測定部56において、第2のツルーイング装置4Bの測定器45に対して磨耗測定指令を出力して、ツルーイング点Ptの現在の磨耗位置T1を測定させる。そして、測定された磨耗位置T1をRAM62に記憶して、ステップS612に移行する。
具体的に、測定器45は、現在のツルーイング点PtのX座標Xt1及びZ座標Zt1を測定し、測定したX座標Xt1を現在の磨耗位置T1としてRAM62に記憶する。加えて、現在のツルーイング点Ptの座標(Xt1,Zt1)をRAM62に記憶する。
ステップS612では、砥石径測定部56において、RAM62に記憶されている基準磨耗位置T0と磨耗位置T1との差である磨耗差ΔT(=T1−T0)を算出する。そして、算出した磨耗差ΔTをRAM62に記憶して、ステップS614に移行する。
ステップS614では、砥石径測定部56において、RAM62に記憶された基準砥石径Dw0、距離差ΔXw及び磨耗差ΔTから、上式(9)に従って、第2の砥石径Dwを算出する。そして、算出した第2の砥石径DwをRAM62に記憶する。その後、ベース位置決定部55にベース位置決定指令を出力して、ステップS616に移行する。
ステップS616では、ベース位置決定部55において、ベース位置決定指令の入力に応じて、溝研削用砥石21aと内輪用ワークWiの第3の溝底部Db3とが接触するときのベース部20の位置であるベース座標(Xb,Zb)を算出する。そして、算出したベース座標(Xb,Zb)をRAM62に記憶して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
具体的に、ベース位置決定部55は、まず、RAM62に記憶された測定基準位置座標(Xr,Zr)及びツルーイング点Ptの座標(Xt1,Zt1)から、第1の相対距離(Xrt=Xr−Xt1,Zrt=Zr−Zt1)を算出する。次に、算出した第1の相対距離(Xrt,Zrt)と、RAM62に記憶された基準砥石径Dw0、距離差ΔXw及び磨耗差ΔTとから、上式(10)及び(11)に従って、ベース座標(Xb,Zb)を算出する。このベース座標(Xb,Zb)は、熱変形による誤差が補正された座標となる。
(動作)
次に、図13〜図18を参照しつつ、図19〜図21に基づき、第2実施形態の第2の研削装置1Bの動作例を説明する。
第2実施形態では、溝研削用砥石21aの加工点Pgとの接点とツルーイング点Ptとの接点とが砥石スピンドル21bを挟んで反対側にある構成となっている。加えて、ここでは、加工対象のワークWが、内輪用マスターワークWim及び内輪用ワークWiとなっており、ワークの外周面に溝を加工するようになっている。これらが、上記第1実施形態の外輪用マスターワークWom及び外輪用ワークWoを加工時の構成との違いであり、2回目のツルーイングの実行タイミングまでの動作は基本的に同様となる。そのため、以下、2回目のツルーイングの実行タイミングになった後からの動作を説明する。
第2の制御装置5Bは、2回目のツルーイングの実行タイミングになったと判定すると、まず、図19(a)に示すように、溝加工完了時の溝研削用砥石21aの中心点GScの座標(Xow,Zow)を測定する。そして、測定した座標(Xow,Zow)をRAM62に記憶する。
続いて、第2の制御装置5Bは、溝加工後の内輪用ワークWiに対して、タッチプローブ22を用いて、ワーク情報の測定を行う。
具体的に、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、タッチプローブ22を移動し、図19(b)に示すように、第3の溝部D3の形状と、第4の溝部D4の形状とを測定する。即ち、第2の制御装置5Bは、タッチプローブ22の第1先端球22dを第3の溝部D3の表面に接触させて溝表面の座標情報を取得する処理を、第3の溝部D3に沿ってZ軸座標位置を変えながら繰り返し行う。同様に、タッチプローブ22の第2先端球22fを第4の溝部D4の表面に接触させて溝表面の座標情報を取得する処理を、第4の溝部D4に沿ってZ軸座標位置を変えながら繰り返し行う。
第2の制御装置5Bは、測定した第3の溝部D3の形状情報と、測定した第4の溝部D4の形状情報とに基づき、第3の溝底部Db3の第3の溝底座標(X3,Z3)と第4の溝底部Db4の第4の溝底座標(X4,Z4)とを特定する。
引き続き、第3及び第4の溝底座標(X3,Z3)及び(X4,Z4)に基づき、第2の溝底径Do(=X3−X4)を算出する。更に、第2の溝底径Doと、第3及び第4の溝底座標(X3,Z3)及び(X4,Z4)とに基づき、「Xoc=X3−Do/2」、「Zoc=Z3=Z4」から第2の中心座標(Xoc,Zoc)を算出する。第2の制御装置5Bは、算出した第2の溝底径Do及び第2の中心座標(Xoc,Zoc)をRAM62に記憶する。
続いて、第2の制御装置5Bは、RAM62に記憶された中心点GScの座標(Xow,Zow)、第2の溝底径Do及び第2の中心座標(Xoc,Zoc)から、上式(7)に従って、加工完了時の第1の砥石径Dwnを算出する。そして、算出した第1の砥石径DwnをRAM62に記憶する。
引き続き、第2の制御装置5Bは、例えば、図19(c)に示すように、タッチプローブ22を用いて、測定基準位置座標(Xr,Zr)を測定する。そして、測定した測定基準位置座標(Xr,Zr)をRAM62に記憶する。
続いて、第2の制御装置5Bは、第2のツルーイング装置4Bの測定器45を用いて、例えば、図19(d)に示すように、基準磨耗位置T0を測定する。そして、測定した基準磨耗位置T0をRAM62に記憶する。
次に、第2の制御装置5Bは、第2のツルーイング装置4Bの近接センサ44を用いて、溝研削用砥石21aの第1の砥石送り距離Xw0を測定する。具体的に、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、図20(a)の(1)に示すように、溝研削用砥石21aをツルーイング点Ptから所定距離αだけ離れた位置に移動する。更に、この位置から近接検知境界DPに向かって溝研削用砥石21aを移動し、第1の砥石送り距離Xw0を測定する。そして、測定した第1の砥石送り距離Xw0をRAM62に記憶する。
続いて、第2の制御装置5Bは、第2のツルーイング装置4Bを用いて、溝研削用砥石21aのツルーイングを行う。具体的に、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、例えば、図20(a)の(2)に示すように、溝研削用砥石21aをツルーイング点Ptに対して切り込み量A0で切り込み、ツルーイングを行う。
第2の制御装置5Bは、ツルーイングを終了すると、例えば、図20(a)の(3)に示すように、終了時の位置から近接検知境界DPに向かって溝研削用砥石21aを移動し、第2の砥石送り距離Xw1を測定する。そして、測定した第2の砥石送り距離Xw1をRAM62に記憶する。
引き続き、第2の制御装置5Bは、第1の砥石径Dwn、所定距離α、切り込み量A0、第1の砥石送り距離Xw0及び第2の砥石送り距離Xw1から、上式(8)に従って、基準砥石径Dw0を算出する。そして、算出した基準砥石径Dw0をRAM62に記憶する。
引き続き、第2の制御装置5Bは、2回目のツルーイング後の溝研削用砥石21aを用いて溝研削加工を行う。
その後、第2の制御装置5Bは、3回目のツルーイングの実行タイミングになったと判定すると、図21(a)に示すように、溝加工完了時の溝研削用砥石21aの中心点GScの座標(Xow,Zow)を測定する。そして、測定した座標(Xow,Zow)をRAM62に記憶する。
続いて、第2の制御装置5Bは、例えば、図21(b)に示すように、タッチプローブ22を用いて、測定基準位置座標(Xr,Zr)を測定する。そして、測定した測定基準位置座標(Xr,Zr)をRAM62に記憶する(上書きする)。
次に、第2の制御装置5Bは、第2のツルーイング装置4Bを用いて、溝研削用砥石21aのツルーイングを行う。具体的に、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、例えば、図20(b)の(1)及び図21(c)に示すように、溝研削用砥石21aをツルーイング点Ptに対して切り込み量A1で切り込み、ツルーイングを行う。
第2の制御装置5Bは、ツルーイングを終了すると、例えば、図20(b)の(2)及び図21(c)に示すように、ツルーイング終了時の位置から近接検知境界DPに向かって溝研削用砥石21aを移動し、第3の砥石送り距離Xw2を測定する。そして、測定した第3の砥石送り距離Xw2をRAM62に記憶する。
引き続き、第2の制御装置5Bは、RAM62に記憶された第2の砥石送り距離Xw1と第3の砥石送り距離Xw2との差である距離差ΔXwを算出する。そして、算出した距離差ΔXwをRAM62に記憶する。
続いて、第2の制御装置5Bは、第2のツルーイング装置4Bの測定器45を用いて、例えば、図21(d)に示すように、現在の磨耗位置T1を測定する。そして、測定した磨耗位置T1と、T1を測定時に測定した現在のツルーイング点Ptの座標(Xt1,Zt1)とをRAM62に記憶する。引き続き、図21(d)に示すように、RAM62に記憶された基準磨耗位置T0と現在の磨耗位置T1との差である磨耗差ΔTを算出する。そして、算出した磨耗差ΔTをRAM62に記憶する。
続いて、第2の制御装置5Bは、RAM62に記憶された基準砥石径Dw0、距離差ΔXw及び磨耗差ΔTから、上式(9)に従って、熱変形による誤差を補正した第2の砥石径Dwを算出する。そして、算出した第2の砥石径DwをRAM62に記憶する。
引き続き、第2の制御装置5Bは、RAM62に記憶された測定基準位置座標(Xr,Zr)及びツルーイング点Ptの座標(Xt1,Zt1)から、第1の相対距離(Xrt,Zrt)を算出する。そして、算出した第1の相対距離(Xrt,Zrt)と、RAM62に記憶された第2の溝底径Do、第2の中心座標(Xoc,Zoc)及び第2の砥石径Dwから、上式(10)及び(11)に従って、溝研削用砥石21aと第3の溝底部Db3とが接触するときのベース座標(Xb,Zb)を算出する。
具体的に、第2の制御装置5Bは、上式(10)に従って、ベース部20のツルーイング終了時の測定点PmのX軸座標Xrに対応する位置のX軸座標Xbを「Xb=Xoc+Do/2+Xrt+Dw」と算出する。更に、上式(11)に従って、ベース部20のツルーイング終了時の測定点PmのZ軸座標Zrに対応する位置のZ軸座標Zbを「Zb=Zoc+Zrt」と算出する。
即ち、ベース座標(Xb,Zb)は、図22に示すように、ツルーイング終了時の溝研削用砥石21aがツルーイング点Ptに接触しているときの測定基準42の測定点Pmの位置に対応した位置の座標となる。
このように、溝研削用砥石21aが第3の溝底部Db3に接触するときのベース部20の位置を、正確に測定した第2の砥石径Dwと、熱的影響の比較的小さいツルーイング点Ptと測定点Pmとの第1の相対距離(Xrt,Zrt)とから算出するようにした。これにより、熱的影響の比較的大きい砥石スピンドル21bとプローブ軸22sとの相対距離である第2の相対距離(Xwt,Zwt)を用いた場合と比較して、熱的影響による相対位置変化を抑制することが可能となる。
第2の制御装置5Bは、ベース座標決定後の仕上げ処理において、例えば、現在の第2の溝底径Doに対して、目標溝底径Dofとした場合に、ベース座標(Xb,Zb)から、(Dof−Di)/2を相対移動させて内輪用ワークWiを加工することで所望の寸法に仕上げることが可能となる。
以降は、次のツルーイングを実行するタイミングとなるまで、内輪用ワークWi毎に、今回算出した第2の砥石径Dw及び第1の相対距離(Xrt,Zrt)とを用いて、溝研削用砥石21aが第3の溝底部Db3に接触するときのベース座標(Xb,Zb)を決定し、上記同様の仕上げ加工処理を行う。
また、以降はツルーイングを実行するタイミングとなる毎に、上記一連の処理を実行して、測定基準位置座標(Xr,Zr)、ツルーイング後のツルーイング点Ptの座標(Xt,Zt)、距離差ΔXw及び磨耗差ΔTを測定する。更に、距離差ΔXw及び磨耗差ΔTとから第2の砥石径Dwを算出し、測定基準位置座標(Xr,Zr)及びツルーイング点Ptの座標(Xt,Zt)とから第1の相対距離(Xrt,Zrt)を算出する。そして、第2の砥石径Dwと、第1の相対距離(Xrt,Zrt)と、第2の溝底径Do及び第2の中心座標(Xoc,Zoc)とに基づきベース座標(Xb,Zb)を決定し、上記同様の仕上げ加工処理を行う。
一方、上記熱の影響が補正された第2の砥石径Dw及び上記第1の相対距離(Xrt,Zrt)を利用したベース位置決定処理を行わない場合の、溝研削用砥石21aが第3の溝底部Db3に接触するときのベース座標(Xb,Zb)を求める方法の一例を説明する。
まず、タッチプローブ22を用いて、内輪用ワークWiの第3の溝部D3の形状と、第4の溝部D4の形状とを測定する。更に、測定した形状情報に基づき、第2の溝底径Do及び第2の中心座標(Xoc,Zoc)を算出する。
次に、プローブ軸22sの先端部の中心位置をベース部20の位置として、第2の中心座標(Xoc,Zoc)と、第3先端球22hのXZ軸の中心座標との位置を合わせて、このときの座標をベース座標(Xb,Zb)=(Xoc,Zoc)に設定する。
更に、溝研削用砥石21aの砥石径をDgとして、溝研削用砥石21aが第3の溝底部Db3に接触するときのベース部20の位置(即ち、第3先端球22hのXZ軸の中心位置)は、砥石スピンドル21bとプローブ軸22sとの相対距離(Xwt,Zwt)を用いて、下式(12)及び(13)から求めることができる。
Xb=Xoc+Do/2+Dg/2+Xwt ・・・(12)
Zb=Zoc+Zwt ・・・(13)
ここで、測定値である第2の中心座標(Xoc,Zoc)と、第2の溝底径Doとは熱変形による影響を受けない値である。一方、砥石スピンドル21bとプローブ軸22sとは、上記第1実施形態と同様に両者の間の構造経由の距離が長く、特に、大型の研削装置(大型研削盤)などでは数[m]にもなる。加えて、上記第1実施形態と同様に、構造体内に、砥石スピンドル用モータ21dを要因とする発熱源が存在する。
また、上記第1実施形態と同様に、溝加工時の溝研削用砥石21aと第2のツルーイング装置4Bのダイヤモンドドレッサー41とは、両者の間の構造経由の距離が長く、特に、大型研削盤などでは数[m]にもなる。加えて、熱の影響を受けることで、砥石径Dgは、溝研削用砥石21aとダイヤモンドドレッサー41との相対位置関係の倍で変化する。更に、加工点Pgでの溝加工を要因とする発熱源と、ワーク回転用モータ35を要因とする発熱源とが存在する。
以上のことから、第2の相対距離(Xwt,Zwt)及び砥石径Dgは、熱の影響を受けやすい距離及び寸法となり、構造体の熱変形による誤差が生じやすい。
これに対して、測定基準42と第2のツルーイング装置4Bのダイヤモンドドレッサー41とは、両者の間の構造経由の距離が短く、かつ、周辺に発熱源が少ないため熱的に安定した位置にある構成部となる。即ち、測定基準42の測定点Pmとダイヤモンドドレッサー41のツルーイング点Ptとの第1の相対距離(Xrt,Zrt)は、構造体の熱変形による誤差が生じにくい。加えて、熱変形の小さい低線膨張合金製のセンサ支持部43で支持された近接センサ44によって、正確な第2の砥石径Dwを測定している。即ち、第2の砥石径Dwは熱の影響を加味した値となる。
ここで、溝研削用砥石21aは回転砥石に対応し、砥石スピンドル21bは回転軸に対応し、砥石スピンドル用モータ21dは回転駆動源に対応し、第1のツルーイング装置4Aはツルーイング部に対応し、ダイヤモンドドレッサー41はドレッサーに対応する。
また、センサ支持部43はセンサ支持部材に対応し、溝研削処理部51は研削処理部に対応し、ワーク情報測定部52はワーク形状測定処理部に対応し、測定器45は、ツルーイング点座標測定部に対応する。
(第2実施形態の作用及び効果)
第2実施形態に係る第2の研削装置1Bは、加工点Pgの位置が、Y軸方向から視て、砥石スピンドル21bを挟んでツルーイング点Ptとは反対側に位置するように構成されている。加えて、砥石スピンドル21bとこの砥石スピンドル21bの先端部に取付けられた溝研削用砥石21aと砥石スピンドル21bを回転駆動する砥石スピンドル用モータ21dとを有する溝研削部21を備える。更に、ワークWを固定支持するワーク支持用部材32と、ワーク支持用部材32を、ワーク回転用スピンドル33を介して砥石スピンドル21bと並行な軸回りに回転可能に支持するテーブル31と、ワーク回転用スピンドル33を回転駆動するワーク回転用モータ35とを有するワーク支持部3を備える。更に、プローブ軸22sとこのプローブ軸22sの先端部に設けられた測定子22tとを有するタッチプローブ22を備える。更に、溝研削部21及びタッチプローブ22を軸並行に固定支持するベース部20と、タッチプローブ22の位置基準である測定基準42とを備える。更に、ドレッサーベース40と、ドレッサーベース40のワーク支持部3と対向する側に設けられた溝研削用砥石21aをツルーイングするためのダイヤモンドドレッサー41とを有する第1のツルーイング装置4Aを備える。更に、第1及び第2のベース部23及び26を、ワークWの研削位置、溝研削用砥石21aのツルーイング位置、ワークWの形状の測定位置及び測定基準42の測定位置へと移動する移動機構部を備える。この移動機構部は、ベース部20の第1のベース部23をZ軸方向に移動するための機構部として、Z軸駆動用モータ25M、第1の左直動案内装置24L、第1の右直動案内装置24R、及び第1のボールねじ装置25を備える。更に、この移動機構部は、ベース部20の第2のベース部26をX軸方向に移動するための機構部として、X軸駆動用モータ28M、第2の左直動案内装置27L、第2の右直動案内装置27R及び第2のボールねじ装置28を備える。
そして、第2実施形態に係る第2の研削装置1Bは、溝研削処理部51が、砥石スピンドル用モータ21d、ワーク回転用モータ35、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、予め設定した溝研削用の回転速度で回転する溝研削用砥石21aをワーク支持部3のワーク支持用部材32に固定支持されたワークWに接触させて、ワークWを研削する処理を行う。ワーク情報測定部52が、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、タッチプローブ22の測定子22tをワーク支持部3のワーク支持用部材32に固定支持された研削加工後のワークWに接触させて、該ワークWの形状を測定する処理を行う。測定基準座標測定部53が、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、タッチプローブ22の測定子22tを測定基準42に接触させて、測定基準42の測定点Pmの位置座標(Xr,Zr)を測定する処理を行う。ツルーイング処理部54が、砥石スピンドル用モータ21d、X軸駆動用モータ28M及びZ軸駆動用モータ25Mを駆動制御して、予め設定したツルーイング用の回転速度で回転する溝研削用砥石21aを第1のツルーイング装置4Aのダイヤモンドドレッサー41のツルーイング点Ptに接触させて溝研削用砥石21aをツルーイングする処理を行う。第1のツルーイング装置4Aの測定器45が、ツルーイング点Ptの位置座標(Xt,Zt)を測定する。ツルーイング点Ptと対向して該ツルーイング点PtからX軸方向に溝研削用砥石21aの砥石径の長さよりも離れた位置に設けられた近接センサ44を備える。砥石径測定部56が、近接センサ44を用いて、溝研削用砥石21aの直径である第2の砥石径Dwを測定する。
ここで、測定基準42とダイヤモンドドレッサー41とは、熱的影響による測定点Pmの位置座標(Xr,Zr)とツルーイング点Ptの位置座標(Xt,Zt)との相対距離である第1の相対距離(Xrt,Zrt)との誤差が予め設定した目標加工精度を満たす範囲内となる位置関係に配設されている。具体的に、第2実施形態において、第2のツルーイング装置4Bは、発熱源から可能な限り離れた位置に配設され、測定基準42は、第2のツルーイング装置4Bのドレッサーベース40の上部に設けられている。より具体的に、測定基準42は、例えば、ドレッサーベース40のフレームが鉄製であり、目標加工精度を5[μm]以下と設定した場合に、ダイヤモンドドレッサー41との構造経由の距離が41[cm]以下となる位置に設けられる。
また、近接センサ44は、第2のツルーイング装置4Bを構成するドレッサーベース40にセンサ支持部43を介して支持されており、センサ支持部43は、低線膨張合金製の部材から構成されている。
更に、ベース位置決定部55が、測定基準42の測定点Pmの位置座標(Xr,Zr)とツルーイング終了時のツルーイング点Ptの位置座標(Xt,Zt)との間の第1の相対距離(Xrt,Zrt)と、ツルーイング終了時に砥石径測定部56で測定した第2の砥石径Dwと、ワークWの形状情報とに基づき、研削加工時に溝研削用砥石21aがワークWと接触するときの前記代表の位置座標に対応するベース部20の位置座標(Xb,Zb)を決定する。
更に、ワークWは、転がり軸受の軌道輪を構成する円環状の部材(外輪用ワークWo,内輪用ワークWi)である。そして、第2実施形態の溝研削処理部51は、内輪用ワークWiの外周面に転動体の転動路となる溝を研削する溝研削処理を行う。ワーク情報測定部52が、内輪用ワークWiの外周面に形成された溝の内輪用ワークWiの中心を介して背面対向する第3及び第4の溝部D3及びD4の形状を測定する。加えて、第3及び第4の溝部D3及びD4の形状から特定される第3の溝底部Db3の座標(X3,Z3)及び第4の溝底部Db4の座標(X4,Z4)に基づきこれら溝底部間の直線距離である第2の溝底径Do及び内輪用ワークWiの第2の中心座標(Xoc,Zoc)を算出する処理を行う。ベース位置決定部55が、測定基準42の位置座標(Xr,Zr)とツルーイング終了時のツルーイング点Ptの位置座標(Xt,Zt)との第1の相対距離(Xrt,Zrt)と、ツルーイング終了時の第2の砥石径Dwと、第2の溝底径Do及び第2の中心座標(Xoc,Zoc)とに基づき、溝研削加工時に溝研削用砥石21aが外輪用ワークWoの第3の溝底部Db3と接触するときの前記代表の位置座標に対応するベース部20の位置座標(Xb,Zb)を決定する。
具体的に、砥石径測定部56が、ツルーイングの実行タイミングにおいて、内輪用ワークWiの加工完了時の溝研削用砥石21aの中心点の座標(Xow,Zow)、第2の溝底径Do及び第2の中心座標(Xoc,Zoc)から、上式(7)に従って、加工完了時の第1の砥石径Dwnを算出する処理(第1の砥石径算出処理)を行う。砥石径測定部56が、第1の砥石径Dwnを算出後に溝研削用砥石21aをツルーイング点Ptから所定距離αだけ離れた位置から近接センサ44の近接検知境界DPまで移動したときの第1の砥石送り距離Xw0を測定する。砥石径測定部56が、第1の砥石送り距離Xw0の測定後に溝研削用砥石21aを切り込み量A0だけ切り込んでツルーイングした後の終了時の位置から溝研削用砥石21aを近接検知境界DPまで移動したときの第2の砥石送り距離Xw1を測定する。砥石径測定部56が、第1の砥石径Dwn、第1の砥石送り距離Xw0、切り込み量A0及び第2の砥石送り距離Xw1から上式(8)に従って、溝研削用砥石21aの基準砥石径Dw0を算出する処理(第2の砥石径算出処理)を行う。砥石径測定部56が、以降のツルーイングの実行タイミングにおいて、溝研削用砥石21aを切り込み量A1で切り込んでツルーイングした後の終了時の位置から、溝研削用砥石21aを近接検知境界DPまで移動したときの第3の砥石送り距離Xw2を測定する。砥石径測定部56が、第2の砥石送り距離Xw1と第3の砥石送り距離Xw2との差である距離差ΔXwを算出する。砥石径測定部56が、基準砥石径Dw0を算出時のツルーイング点PtのX軸方向の基準磨耗位置T0と第3の砥石送り距離Xw2を測定時のツルーイング点PtのX軸方向の磨耗位置T1との差である磨耗差ΔTを算出する。砥石径測定部56が、基準砥石径Dw0と、距離差ΔXwと、磨耗差ΔTとから、上式(9)に従って、ツルーイング終了時の第2の砥石径Dwを算出する処理(第3の砥石径算出処理)を行う。
そして、ベース位置決定部55が、測定基準位置座標(Xr,Zr)とツルーイング終了時のツルーイング点Ptの座標(Xt,Zt)との第1の相対距離(Xrt,Zrt)と、ツルーイング終了時の第2の砥石径Dwと、第2の溝底径Do及び第2の中心座標(Xoc,Zoc)とから、上式(10)及び(11)に従って、前記代表の位置座標に対応するベース部20の座標(Xb,Zb)を算出する。
上記構成であれば、従来の位置決め方法と比較して、ベース部20の位置座標(Xb,Zb)を決定する際に、熱による影響の無い第2の砥石径Dw及び熱による影響を受けにくい第1の相対距離(Xrt,Zrt)を用いるので、相対的に安定した加工が可能になる。また、構造経由の距離、即ち研削装置の寸法によらずにツルーイング点Ptと測定基準42との位置関係の変化のみで熱変形の影響を抑えることが可能である。この効果は、X軸方向の第1の相対距離Xrtと第2の相対距離Xwtとの差、Z軸方向の第1の相対距離Zrtと第2の相対距離Zwtとの差が大きくなる大型の研削盤において顕著となる。また、近接センサ44を支持するセンサ支持部43は、単純形状で、かつ研削装置の寸法と比較して小型のものでよいことから、大型の構造部材に低線膨張合金を使用する場合と比較して低コストで導入可能である。また、複雑な熱変形制御を行わなくてもよいので設備の高度化が不要であり、そのためのコストが不要となる。即ち、従来と比較して簡易且つ低コストで熱変形による影響が補正された位置決めが可能となる。
(変形例)
(1)上記第1実施形態において、外輪用ワークWoを例に挙げて説明したが、この構成に限らず、図23(a)に示すように、内輪用ワークWiにも上記第1実施形態に係る発明は適用可能である。この場合、上記第2実施形態と同様の手順で内輪用ワークWiの第2の溝底径Do及び第2の中心座標(Xoc,Zoc)を測定する。また、ベース座標(Xb,Zb)の算出に、上式(3)及び(4)に代えて、下式(14)及び(15)を用いる。
Xb=Xoc−Do/2+Xrt ・・・(14)
Zb=Zoc+Zrt ・・・(15)
(2)上記第2実施形態において、内輪用ワークWiを例に挙げて説明したが、この構成に限らず、図23(b)に示すように、外輪用ワークWoにも上記第2実施形態に係る発明は適用可能である。この場合、上記第1実施形態と同様の手順で外輪用ワークWoの第1の溝底径Di及び第1の中心座標(Xci,Zci)を測定する。また、ベース座標(Xb,Zb)の算出に、上式(10)及び(11)に代えて、下式(16)及び(17)を用いる。
Xb=Xci−Di/2+Dw+Xrt ・・・(16)
Zb=Zci+Zrt ・・・(17)
(3)上記第2実施形態では、近接センサ44を用いて各砥石送り距離を測定する構成としたが、この構成に限らない。例えば、レーザ距離センサを用いることで、溝研削用砥石21aをX軸のマイナス方向に送る動作をすることなく第1〜第3の砥石送り距離Xw0〜Xw2を測定することが可能となる。これによって、サイクルタイムを短縮することが可能となる。また、ツルーイング後の溝研削用砥石21aの正確な第2の砥石径Dwを測定できるのであれば他の測定器を用いてもよい。
(4)上記各実施形態において、ダイヤモンドドレッサー41を、ダイヤモンドを円錐形状に研磨してなる先端部Ptを有するポイントドレッサーから構成したが、この構成に限らない。例えば、角錐状に研磨した先端部Ptを備える構成など他の構成としてもよい。
(5)上記各実施形態では、タッチプローブ22の測定子22tを十字状に4つの先端球を配置し、かつ溝部分の表面位置をタッチプローブ22のプローブ軸22s回り方向の回転位置を変えずに測定する構成としたが、この構成に限らない。例えば、測定子22tの先端球及びアーム部を背面対向する2つに減らした場合に、測定子22tの位置を回転駆動機構等によってプローブ軸22s回りに回転させることで、各対向する溝部分に対応させる構成としてもよい。また、測定子22tの先端球及びアームの組を1つにして、溝部分毎に測定子を回転させて対応させる構成としてもよい。また、プローブ軸22sの先端部にのみ測定子としての先端球を設けた構成としてもよい。この場合に、プローブ軸22sの基端部を支点に支点回りにプローブ軸22sがX軸方向に回動する構成としてもよい。
(6)上記各実施形態では、ツルーイング装置のドレッサーベース40の上部に測定基準42を設ける構成としたが、この構成に限らず、側部等の他の位置に設ける構成としてもよい。また、ツルーイング装置に設けることに限らず、両者の間の距離が近接距離範囲内であって、かつ熱的な影響が許容範囲内の位置であれば、研削装置内の他の位置に設ける構成としてもよい。
(7)上記各実施形態では、研削測定部2の位置測定処理において、モータ、ボールねじ及びエンコーダの組合せで各種座標位置を測定する構成としたが、この構成に限らない。例えば、リニアスケールやレーザ変位計等の測定器を用いて各種座標位置を測定する構成としてもよい。
1A,1B…第1,第2の研削装置、2…研削測定部、3…ワーク支持部、4A,4B…第1,第2のツルーイング装置、5A,5B…第1,第2の制御装置、20…ベース部、21…溝研削部、21a…溝研削用砥石、21b…砥石スピンドル、21c…砥石スピンドルハウジング、21d…砥石スピンドル用モータ、22…タッチプローブ、22a…プローブハウジング、22b…プローブヘッド、22s…プローブ軸、22t…測定子、23…第1のベース部、24L…第1の左直動案内装置24L、24R…第1の右直動案内装置、25…第1のボールねじ装置、25M…Z軸駆動用モータ、26…第2のベース部、27L…第2の左直動案内装置、27R…第2の右直動案内装置、28…第2のボールねじ装置、28M…X軸駆動用モータ、51…溝研削処理部、52…ワーク情報測定部、53…測定基準座標測定部、54…ツルーイング処理部、55…ベース位置決定部、56…砥石径測定部、41…ダイヤモンドドレッサー、42…測定基準、43…センサ支持部、44…近接センサ、45…測定器

Claims (10)

  1. 第1の回転軸と該第1の回転軸の先端部に取付けられた回転砥石と前記第1の回転軸を回転駆動する第1の回転駆動源とを有する研削部と、
    ワークを固定支持するワーク支持用部材と、前記ワーク支持用部材を第2の回転軸を介して前記第1の回転軸と並行な軸回りに回転可能に支持する支持台と、前記第2の回転軸を回転駆動する第2の回転駆動源とを有するワーク支持部と、
    センサ軸と該センサ軸の先端部に設けられた接触式の測定子とを有するタッチプローブと、
    前記研削部及び前記タッチプローブを軸並行に固定支持するベース部と、
    前記タッチプローブの位置基準となる測定基準と、
    基台と該基台の前記ワーク支持部と対向する側に設けられた前記回転砥石をツルーイングするためのドレッサーとを有するツルーイング部と、
    移動駆動源及び案内部材を備え、前記移動駆動源の駆動力によって、前記ベース部を、前記ワークの研削位置、前記回転砥石のツルーイング位置、前記ワークの形状の測定位置及び前記測定基準の測定位置へと前記案内部材に沿って直交2軸方向に移動する移動機構部と、
    前記第1及び第2の回転駆動源並びに前記移動駆動源を駆動制御して、研削用の回転速度で回転する前記回転砥石を前記ワーク支持用部材に固定支持された前記ワークに接触させて、前記ワークを研削する処理を行う研削処理部と、
    前記移動駆動源を駆動制御して、前記タッチプローブの前記測定子を前記ワーク支持部に固定支持された研削加工後の前記ワークに接触させて、該ワークの形状を測定する処理を行うワーク形状測定処理部と、
    前記移動駆動源を駆動制御して、前記タッチプローブを前記測定基準に接触させて、前記測定基準の位置座標を測定する処理を行う測定基準座標測定部と、
    前記第1の回転駆動源及び前記移動駆動源を駆動制御して、ツルーイング用の回転速度で回転する前記回転砥石を前記ツルーイング部の前記ドレッサーに接触させて前記回転砥石をツルーイングする処理を行うツルーイング処理部と、
    前記回転砥石とツルーイング時に接触する前記ドレッサーの接触点であるツルーイング点の位置座標を測定するツルーイング点座標測定部と、
    ツルーイング終了時の前記ベース部の位置座標を前記測定基準の位置座標で代表して、該測定基準の位置座標とツルーイング終了時に前記ツルーイング点座標測定部で測定した前記ツルーイング点の位置座標との相対距離と、前記ワーク形状測定処理部で測定した前記ワークの形状情報とに基づき、研削加工時に前記回転砥石が前記ワークと接触するときの前記代表の位置座標に対応する前記ベース部の位置座標を決定するベース位置決定部と、
    前記ベース位置決定部で決定した前記ベース部の位置座標に基づき前記ワークの仕上げ加工を行う仕上げ加工部と、を備え、
    前記測定基準と前記ドレッサーとは、熱的影響による前記相対距離の誤差が予め設定した目標加工精度を満たす範囲内となる位置関係に配設されている研削装置。
  2. 前記測定基準は前記ツルーイング部を構成する前記基台に設けられている請求項1に記載の研削装置。
  3. 研削加工時の前記回転砥石と前記ワークとの接触点である加工点の位置が、前記直交2軸方向に対して直交する軸方向から視て、前記第1の回転軸を挟んで前記ツルーイング点側に位置するように構成されている請求項1又は2に記載の研削装置。
  4. 前記ワークは、転がり軸受の軌道輪を構成する円環状の部材であり、
    前記研削処理部は、前記ワークの周面に転動体の転動路となる溝を研削する溝研削処理を行うように構成されており、
    前記ワーク形状測定処理部は、前記ワークの周面に形成された前記溝の前記ワークの中心を介して対向又は背面対向する2つの溝部の形状を測定すると共に、該2つの溝部の形状から特定される溝底部の座標に基づき溝底部間の直線距離である溝底径及び前記ワークの中心位置の座標を算出する処理を行うように構成されており、
    前記ベース位置決定部は、前記測定基準の位置座標とツルーイング終了時の前記ツルーイング点の位置座標との相対距離と、前記溝底径及び前記ワークの中心位置の座標とに基づき、研削加工時に前記回転砥石が前記ワークと接触するときの前記代表の位置座標に対応する前記ベース部の位置座標を決定する請求項3に記載の研削装置。
  5. 前記ワークは、前記転がり軸受の外輪を構成する部材であり、
    前記直交2軸は、鉛直方向の一方の軸であるZ軸と、前記ワーク支持部と前記ツルーイング部とが並ぶ方向の他方の軸であるX軸とから構成され、
    前記測定基準のX軸座標及びZ軸座標とツルーイング終了時点の前記ツルーイング点のX軸座標及びZ軸座標との相対距離をXrt及びZrtとし、前記外輪を構成する部材に形成された溝の溝底径である第1の溝底径をDiとし、前記外輪を構成する部材の中心位置のX軸座標及びZ軸座標である第1の中心座標をXci及びZciとし、前記代表の位置座標に対応する前記ベース部のX軸座標及びZ軸座標をXb及びZbとして、該Xb及びZbを下式(1)及び(2)に従って算出する請求項4に記載の研削装置。
    Xb=Xci+Xrt+Di/2 ・・・(1)
    Zb=Zci+Zrt ・・・(2)
  6. 研削加工時の前記回転砥石と前記ワークとの接触点である加工点の位置が、前記直交2軸方向に対して直交する軸方向から視て、前記第1の回転軸を挟んで前記ツルーイング点とは反対側に位置するように構成され、
    前記回転砥石の直径である砥石径を測定する砥石径測定部を備え、
    前記ベース位置決定部は、前記測定基準の位置座標とツルーイング終了時の前記ツルーイング点の位置座標との相対距離と、前記ツルーイング終了時に前記砥石径測定部で測定した前記砥石径と、前記ワークの形状情報とに基づき、研削加工時に前記回転砥石が前記ワークと接触するときの前記代表の位置座標に対応する前記ベース部の位置座標を決定する請求項1又は2に記載の研削装置。
  7. 前記ワークは、転がり軸受の軌道輪を構成する円環状の部材であり、
    前記研削処理部は、前記ワークの周面に転動体の転動路となる溝を研削する溝研削処理を行うように構成されており、
    前記ワーク形状測定処理部は、前記ワークの周面に形成された前記溝の前記ワークの中心を介して背面対向する2つの溝部の形状を測定すると共に、該2つの溝部の形状から特定される溝底部の座標に基づき溝底部間の直線距離である溝底径及び前記ワークの中心位置の座標を算出する処理を行うように構成されており、
    前記ベース位置決定部は、ツルーイング終了時の前記測定基準の位置座標と前記ツルーイング点の位置座標との相対距離と、前記ツルーイング終了時の前記砥石径と、前記溝底径及び前記ワークの中心位置の座標とに基づき、研削加工時に前記回転砥石が前記ワークと接触するときの前記代表の位置座標に対応する前記ベース部の位置座標を決定する請求項6に記載の研削装置。
  8. 前記ワークは、前記転がり軸受の内輪を構成する部材であり、
    前記直交2軸は、鉛直方向の一方の軸であるZ軸と、前記ワーク支持部と前記ツルーイング部とが並ぶ方向の他方の軸であるX軸とから構成され、
    前記測定基準のX軸座標及びZ軸座標とツルーイング終了時の前記ツルーイング点のX軸座標及びZ軸座標との相対距離をXrt及びZrtとし、前記ツルーイング終了時の前記砥石径をDwとし、前記内輪を構成する部材に形成された溝の溝底径である第2の溝底径をDoとし、前記内輪を構成する部材の中心位置のX軸座標及びZ軸座標である第2の中心座標をXoc及びZocとし、前記代表の位置座標に対応する前記ベース部のX軸座標及びZ軸座標をXb及びZbとして、該Xb及びZbを下式(3)及び(4)に従って算出する請求項7に記載の研削装置。
    Xb=Xoc+Do/2+Xrt+Dw ・・・(3)
    Zb=Zoc+Zrt ・・・(4)
  9. 前記ツルーイング点と対向して該ツルーイング点からX軸方向に前記砥石径の長さよりも離れた位置に設けられた近接センサを備え、
    前記砥石径測定部は、
    ツルーイングの実行タイミングにおいて、前記ワークの加工完了時の前記回転砥石の中心点のX軸座標Xow及びZ軸座標Zowと、前記第2の溝底径Doと、前記第2の中心座標Xoc及びZocとから、下式(5)に従って、加工完了時の砥石径である第1の砥石径Dwnを算出する第1の砥石径算出処理と、
    前記第1の砥石径Dwnを算出後に前記回転砥石を、前記ツルーイング点から所定距離αだけ離れた位置から前記近接センサの検知範囲の境界である近接検知境界まで送ったときの第1の砥石送り距離Xw0を測定し、該第1の砥石送り距離Xw0の測定後に前記回転砥石を切り込み量A0だけ切り込んでツルーイングした後のツルーイング終了時の位置から前記回転砥石を前記近接検知境界まで送ったときの第2の砥石送り距離Xw1を測定し、前記第1の砥石径Dwnと前記第1の砥石送り距離Xw0と前記切り込み量A0と前記第2の砥石送り距離Xw1とから下式(6)に従って、前記回転砥石の基準の砥石径である基準砥石径Dw0を算出する基準砥石径算出処理と、
    以降のツルーイングの実行タイミングにおいて、前記回転砥石を切り込み量A1で切り込んでツルーイングした後のツルーイング終了時の位置から、前記回転砥石を前記近接検知境界まで送ったときの第3の砥石送り距離Xw2を測定し、前記第2の砥石送り距離Xw1と前記第3の砥石送り距離Xw2との差である距離差ΔXwを算出し、前記基準砥石径Dw0を算出時の前記ツルーイング点のX軸方向の磨耗位置T0と前記第3の砥石送り距離X2を測定時の前記ツルーイング点のX軸方向の磨耗位置T1との差である磨耗差ΔTを算出し、前記基準砥石径Dw0と前記距離差ΔXwと前記磨耗差ΔTとから、下式(7)に従って、前記ツルーイング終了時の砥石径である第2の砥石径Dwを算出する第2の砥石径算出処理と、を実行する請求項8に記載の研削装置。
    Dwn=2×(Xow−Xoc)−Do ・・・(5)
    Dw0=Dwn−2×(Xw1−Xw0−A0) ・・・(6)
    Dw=Dw0−2×(ΔXw+ΔT) ・・・(7)
  10. 前記近接センサは、前記ツルーイング部を構成する前記基台にセンサ支持部材を介して支持されており、
    前記センサ支持部材は、低線膨張合金製の部材から構成されている請求項9に記載の研削装置。
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