JP2018069304A - 溶接用ケーブルジョイントのジョイント部材 - Google Patents
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Abstract
Description
そして、溶接用ケーブルは、溶接機から対象物までの距離が長くなると、導線用ケーブル103とホルダ用ケーブル104の間に溶接用ケーブルジョイント110を介して延長ケーブルが接続される。
溶接用ケーブルジョイントは、導体挿入部が設けられたプラグとソケットを嵌合させることで電気的に接続することができる。
プラグ又はソケットの導体挿入部に対するケーブル導体の接続方式の一つとして、かしめによる接続とねじ止め式とが挙げられる。
かしめによる接続の場合は、ケーブル導体を筒状の導体挿入部に挿入し、その上からかしめて固定する。この方法は、ケーブル導体を導体挿入部に挿入してねじ込みネジにて締め付けるねじ止め式に比べ、電気性能に優れるといった利点がある。
一方、ねじ止め式の場合は、例えば、溶接用ケーブルが何らかの事情で損傷した際には、ネジを緩めてケーブル導体から取り外すことでジョイントを再利用可能という利点がある。かしめによる接続の場合は、導体挿入部が変形しているために再利用が出来ず、プラグ又はソケット部分に問題がなくてもジョイントごと交換しなければならないために不経済である。
この構造によれば、導体挿入部はケーブル導体をかしめて固定するので、高い電気性能を確保することができ、ケーブルを交換する際には、導体挿入部のみを交換すればよく、プラグ/ソケット本体は再利用することができるので経済的である。
従来の溶接用ケーブルジョイントは、銅導体との接続を前提に設計されているため、銅や黄銅が材料として使用されている。
この溶接用ケーブルジョイントは、アルミニウム導体と導体接続管との間の異種金属接触腐食やクリープ、応力緩和の問題を解消することができ、且つ、ケーブルを交換する際は導体接続管をプラグ/ソケットから分離すればよいので、プラグ/ソケット部分が廃棄されず経済的にも有利でもある。
溶接用ケーブル同士を接続する溶接用ケーブルジョイントのジョイント部材において、
溶接用ケーブルの導体が挿入される導体挿入部と、
他のジョイント部材との電気的接続を図るためのプラグ部又はソケット部とを備え、
前記導体挿入部と前記プラグ部又はソケット部との間に、挿入部と被挿入部とからなる着脱可能な嵌合構造が設けられ、
前記挿入部と前記被挿入部との相互の対向面の間に、弾性変形により圧接する弾性導体片が複数連接された接触子が設けられていることを特徴とする。
前記導体挿入部の材質が銅又は銅合金であることを特徴とする。
前記導体挿入部の材質がアルミニウム又はアルミニウム合金であることを特徴とする。
前記導体挿入部と、材質が銅又は銅合金である前記嵌合構造の前記挿入部又は前記被挿入部との間に、摩擦圧接接合部を備えることを特徴とする。
なお、「請求項3記載の溶接用ケーブルジョイントのジョイント部材の前記導体挿入部と、材質が銅又は銅合金である前記嵌合構造の前記挿入部又は前記被挿入部とを、摩擦圧接により接合することを特徴とする溶接用ケーブルジョイントの製造方法」としてもよい。
前記導体挿入部は、材質が銅又は銅合金である前記嵌合構造の前記挿入部又は前記被挿入部に対して、溶接又はろう付けのいずれかにより接合されていることを特徴とする。
前記導体挿入部は、その内部表面に、錫若しくは錫合金、ニッケル若しくはニッケル合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金のいずれかからなる被覆層が形成されていることを特徴とする。
前記導体挿入部は、その内側に導電性のコンパウンドが内包されていることを特徴とする。
また、接触子は振動に対しても安定して接続状態を維持するので、振動の緩みによる接続箇所の発熱を効果的に抑制することが可能である。
以下の説明では、一方のケーブルに装備されるジョイント部材を第一のジョイント部材とし、他方のケーブルに装備されるジョイント部材を第二のジョイント部材とする。
図1は本実施形態の溶接用ケーブルジョイント10の分解斜視図、図2はケーブル中心線に沿った断面図、図3及び図4は溶接用ケーブルの接続作業の工程図である。
この第一の実施形態では、溶接用ケーブルとしての二本の銅ケーブル130を溶接用ケーブルジョイント10により接続する場合を例示する。
銅ケーブル130は、図3及び図4に示すように、銅又は銅合金からなる導体131と、導体131の外周を被覆する絶縁層132とからなり、その接続端部は絶縁層132が除去され、導体131の外周が露出している。
また、導体131は、複数の素線が撚り合わされてなる。溶接用ケーブルは可撓性が要求されるので、導体131の素線は、電力ケーブルの素線と比較して非常に細く、例えば、外径が0.45[mm]である。
このように、銅ケーブル130は、細い素線を撚り合わせた導体を有するいわゆるキャブタイヤケーブルである。
第二のジョイント部材30は、溶接用ケーブルの導体が挿入される導体挿入部31と、第一のジョイント部材20との電気的接続を図るためのソケット部32との二部材から構成され、これらは、導体挿入部31側に設けられた挿入部81とソケット部32側に設けられた被挿入部82とを有する嵌合構造80により着脱可能となっている。
この導体挿入部31は、ケーブル長手方向(中心線方向)の一端部に開口部33が形成されており、他端部には挿入部81が設けられている。
そして、この導体挿入部31は、銅ケーブル130の導体131を直接挿入し、圧縮や圧着等で外周をかしめることで導体131を保持する。
なお、挿入部81については後述する。
このソケット部32は、ケーブル長手方向(中心線方向)の一端部に縮径開口部36が形成されており、他端部には被挿入部82が形成されている。
後述する第一のジョイント部材20のプラグ部22は、円錐台形状の突起であり、挿入方向先端部に向かうにつれて縮径しており、ソケット部32は、プラグ部22の長手方向の大部分を挿入することができる。また、挿入時には、ソケット部32の内側表面とプラグ部22の外側表面とが密接するようになっている。
第二のジョイント部材30の嵌合構造80は、前述したように、導体挿入部31の他端部に設けられた挿入部81と、ソケット部32の他端部に設けられた被挿入部82とを備えている。
また、挿入部81の根元部分には、被挿入部82との連結状態を維持するための雄ネジ部83が形成されている。
この被挿入部82の開口端部の内側には、雌ネジ部84が形成されており、前述した挿入部81を被挿入部82に挿入したときに、挿入部81の雄ネジ部83を締結することができる。
従って、被挿入部82に挿入部81を挿入し、雄ネジ部83を雌ネジ部84に締結することで、導体挿入部31とソケット部32とを一体的に連結することができる。
また、雄ネジ部83と雌ネジ部84によるネジ構造で連結しているので、着脱可能な構造を実現している。
この接触子86は、被挿入部82に挿入部81を挿入し、導体挿入部31とソケット部32とを一体的に連結した状態において、互いに対向する対向面である挿入部81の外周面と被挿入部82の溝部85の内周面とを良好に導通させる。
各弾性導体片は、その一端部が対向面である挿入部81の外周面に弾性力をもって当接し、他端部が被挿入部82の溝部85の内周面に弾性力をもって当接するような向きで連結支持されており、個々の弾性導体片が挿入部81の外周面と被挿入部82の溝部85の内周面との間での導通を図っている。
従って、複数の弾性導体片が連接することで、被挿入部82と挿入部81を通じて導体挿入部31とソケット部32との良好な導通を図ると共にその弾性が良好な導通状態を維持する。
上記接触子としては、例えば、マルチラムバンド(登録商標)が好ましい。
第一のジョイント部材20は、銅ケーブル130の導体131が挿入される導体挿入部21と、第二のジョイント部材30との電気的接続を図るためのプラグ部22との二部材から構成され、これらは、導体挿入部21側に設けられた挿入部81とソケット部32側に設けられた被挿入部82とを有する嵌合構造80により着脱可能となっている。
なお、嵌合構造80は、第二のジョイント部材30が備える嵌合構造80と同一なので、同符号を付して重複する説明は省略する。
この導体挿入部21は、ケーブル長手方向(中心線方向)の一端部に開口部23が形成されており、他端部には挿入部81が設けられている。
そして、この導体挿入部21は、銅ケーブル130の導体131を直接挿入し、圧縮や圧着等で外周をかしめることで導体131を保持する。
プラグ部22は、その中心線方向に沿って突出した円錐台形状の突起であり、前述したように、先端部に向かうにつれて縮径している。
そして、プラグ部22の外側表面には、ボス状の突起26が設けられている。
このプラグ部22をソケット部32に挿入して相互に連結する構造については既に前述した通りである。
上記溶接用ケーブルジョイント10による溶接用ケーブルを構成する銅ケーブル130同士の接続作業について図3(A)〜図3(C)及び図4(A)〜図4(C)の工程図により説明する。
まず、図3(A)及び図4(A)に示すように、それぞれの銅ケーブル130の接続端部の絶縁層132が除去されて導体131が露出した状態とされる。
同様に、第二のジョイント部材30の導体挿入部31も、他方の銅ケーブル130の導体131が挿入され、かしめにより導体131が保持される。
これらにより、銅ケーブル130同士の接続作業が完了する。
上記溶接用ケーブルジョイント10の第一と第二のジョイント部材20,30は、導体挿入部21,31とプラグ部22又はソケット部32との間に、挿入部81と被挿入部82とからなる着脱可能な嵌合構造80が設けられ、挿入部81と被挿入部82の溝部85との相互の対向面の間に接触子86が設けられている。
このため、第一と第二のジョイント部材20,30は、いずれも、導体挿入部21,31とプラグ部22又はソケット部32を連結したときには、接触子86により銅ケーブル130同士を良好な導通状態で接続することが可能となる。
また、接触子86は振動に対しても安定して接続状態を維持するので、振動の緩みによる接続箇所の発熱を効果的に抑制することが可能である。
さらに、銅ケーブル130に交換の必要が生じた場合でも、雄ネジ部83を雌ネジ部84に対して回すことで、導体挿入部21又は31をプラグ部22又はソケット部32から取り外すことができるので、導体挿入部21又は31のみがケーブルと共に交換となり、プラグ部22とソケット部32は再利用できるので、交換時のコストを低減することが可能となる。
図5は第二の実施形態の溶接用ケーブルジョイント10Aを示す分解斜視図、図6はケーブル中心線に沿った断面図である。
この溶接用ケーブルジョイント10Aについては、前述した溶接用ケーブルジョイント10と異なる点を主に説明し、溶接用ケーブルジョイント10と同一の構成については同符号を付して重複する説明は省略する。
図7及び図8に示すように、アルミケーブル120は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる導体121と、導体121の外周を被覆する絶縁層122とからなり、その接続端部は絶縁層122が除去され、導体121の外周が露出している。
また、導体121は、複数の素線が撚り合わされてなる。これらの素線も銅ケーブル130と同様に、電力ケーブルの素線と比較して非常に細く、例えば、外径が0.45[mm]である。
このように、アルミケーブル120も、細い素線を撚り合わせた導体を有する、いわゆるキャブタイヤケーブルである。
溶接用ケーブルジョイント10Aは、アルミケーブル120と銅ケーブル130とを接続するのに好適であり、そのため、第一のジョイント部材20Aはアルミケーブル120の保持に適した構造となっている。
第一のジョイント部材20Aは、プラグ部22及び嵌合構造80は前述した第一のジョイント部材20と同一なので、ここでは、導体挿入部21Aについて主に説明する。
この導体挿入部21Aは、ケーブル長手方向(中心線方向)の一端部に開口部23Aが形成されており、他端部には銅又は銅合金製の挿入部81が設けられている。
開口部23Aは、挿入部81側に向かって形成された内径が均一な有底の円形穴であり、この開口部23Aの内径は、アルミケーブル120の導体121を挿入することができる大きさに設定されている。
そして、この導体挿入部21Aは、アルミケーブル120の導体121を直接挿入し、圧縮や圧着等で外周をかしめることで導体121を保持する。
また、接合された導体挿入部21Aと挿入部81の境界面は、水分が直接付着しないよう、テープや塗料、グリス等で覆うことが望ましい。前述した絶縁カバーで溶接用ケーブルジョイント10A全体を覆うことも有効である。
この時、アルミケーブル120の導体121にもブラッシングを行い、酸化皮膜を除去しておく。
この導電性のコンパウンドは、導電性を有する金属微粒子(例えば、亜鉛微粒子)と粘性を有するグリス(鉱物油性のグリス、シリコーングリスその他のグリス全般又はひまし油)を含んだ混合物からなる。
この導電性のコンパウンドの金属微粒子が、アルミニウム又はアルミニウム合金製の導体挿入部21Aの内側表面及び導体121の各素線の酸化皮膜を破り、導体挿入部21Aと導体121との導通を良好に維持する。
上記溶接用ケーブルジョイント10Aによる溶接用ケーブルを構成する銅ケーブル130同士の接続作業について図7(A)〜図7(C)及び図8(A)〜図8(C)の工程図により説明する。
まず、図7(A)及び図8(A)に示すように、アルミケーブル120と銅ケーブル130の接続端部の絶縁層122,132が除去されて導体121,131が露出した状態とされる。
このとき、絶縁層122から露出したアルミケーブル120の導体121は、各素線の表面の酸化皮膜がブラッシングで除去される。
また、第一のジョイント部材20Aの導体挿入部21Aの内側表面の酸化皮膜がブラッシングで除去され、さらに、導電性のコンパウンドが塗布される。なお、コンパウンドはアルミケーブル120の導体121側に塗布してもよい。
同様に、第二のジョイント部材30の導体挿入部31も、銅ケーブル130の導体131が挿入され、かしめにより導体131が保持される。
同様に、第二のジョイント部材30の導体挿入部31とソケット部32が嵌合構造80により連結される。
この場合も、溶接用ケーブルジョイント10Aの第一のジョイント部材20A及び第二のジョイント部材30の外周は図示しない絶縁カバーにより被覆してもよい。
これらにより、アルミケーブル120と銅ケーブル130の接続作業が完了する。
上記溶接用ケーブルジョイント10Aは、溶接用ケーブルジョイント10と同様に、アルミケーブル120又は銅ケーブル130に交換の必要が生じた場合でも、嵌合構造80を分離させることで、導体挿入部21A又は31のみがケーブルと共に交換となり、プラグ部22とソケット部32は再利用できるので、交換時のコストを低減することが可能となる。
従って、アルミケーブル120と銅ケーブル130とを発熱の発生を抑制して良好な導通状態で接続することが可能となる。
図9は第三の実施形態の溶接用ケーブルジョイント10Bを示す分解斜視図、図10はケーブル中心線に沿った断面図である。
この溶接用ケーブルジョイント10Bについては、前述した溶接用ケーブルジョイント10,10Aと異なる点を主に説明し、溶接用ケーブルジョイント10,10Aと同一の構成については同符号を付して重複する説明は省略する。
この導体挿入部31Bは、ケーブル長手方向(中心線方向)の一端部に開口部33Bが形成されており、他端部には銅又は銅合金製の挿入部81が設けられている。
開口部33Bは、挿入部81側に向かって形成された内径が均一な有底の円形穴であり、この開口部33Bの内径は、アルミケーブル120の導体121を挿入することができる大きさに設定されている。
そして、この導体挿入部31Bは、アルミケーブル120の導体121を直接挿入し、圧縮や圧着等で外周をかしめることで導体121を保持する。
さらに、接合された導体挿入部31Bと挿入部81の境界面は、水分が直接付着しないよう、テープや塗料、グリス等で覆うことが望ましい。
図11は第四の実施形態の溶接用ケーブルジョイント10Cを示す分解斜視図、図12はケーブル中心線に沿った断面図である。
この溶接用ケーブルジョイント10Cについては、前述した溶接用ケーブルジョイント10と異なる点を主に説明し、溶接用ケーブルジョイント10と同一の構成については同符号を付して重複する説明は省略する。
また、第二のジョイント部材30Cは、他方の銅ケーブル130の導体131が挿入される導体挿入部31Cと、第一のジョイント部材20Cとの電気的接続を図るためのソケット部32との二部材から構成され、これらは、嵌合構造80により着脱可能となっている。
そして、これら導体挿入部21C,31Cは、ケーブル長手方向(中心線方向)の一端部に開口部23C,33Cが形成されており、他端部には銅又は銅合金製の挿入部81が設けられている。
開口部23C,33Cは、挿入部81側に向かって形成された内径が均一な有底の円形穴であり、この開口部23C,33Cの内径は、銅ケーブル130の導体131を後述するパイプスリーブを介して挿入することができる大きさに設定されている。
これらの止めネジ25C,35Cは、例えば、一端部に六角穴が形成された頭無しネジである。また、各止めネジ25C,35Cは、クロムモリブデン鋼やユニクロめっきを施した鋼といった一般的なネジ材料から形成されている。
このパイプスリーブは、両端部が開口し、一端部が幾分拡径し、他端部が幾分縮径した形状であり、拡径した端部から導体131が挿入される。また、縮径した端部は導体131が飛び出さないようにストッパーとして機能する。
また、パイプスリーブの外径は、導体挿入部21C,31Cの開口部23C,33Cに挿入可能な大きさとなっている。そして、開口部23C,33Cには、導体131に装着したパイプスリーブを挿入することが可能である。
上記溶接用ケーブルジョイント10Cは、溶接用ケーブルジョイント10と同一の技術的効果を得ることが可能である。
さらに、溶接用ケーブルジョイント10Cは、銅ケーブル130に交換の必要が生じた場合に、導体挿入部21C,31Cの止めネジ25C,35Cを緩めてパイプスリーブと導体131を外すことができるので、第一のジョイント部材20Cや第二のジョイント部材30Cを全体的に再利用できるので、交換時のコストをさらに低減することが可能となる。
図13は第五の実施形態の溶接用ケーブルジョイント10Dを示す分解斜視図、図14はケーブル中心線に沿った断面図である。
この溶接用ケーブルジョイント10Dについては、前述した溶接用ケーブルジョイント10Cと異なる点を主に説明し、溶接用ケーブルジョイント10Cと同一の構成については同符号を付して重複する説明は省略する。
溶接用ケーブルジョイント10Dは、アルミケーブル120と銅ケーブル130とを接続するのに好適であり、そのため、第一のジョイント部材20Dはアルミケーブル120の保持に適した構造となっている。
この導体挿入部21Dは、ケーブル長手方向(中心線方向)の一端部に開口部23Dが形成されており、他端部には銅又は銅合金製の挿入部81が設けられている。
また、上記導体挿入部21Dと挿入部81の接合作業も、導体挿入部21D及び挿入部81内への水分の侵入を防止することが可能であって、温度、湿度などの品質管理の行き届いた工場等の理想的な環境下で行われる。
さらに、接合された導体挿入部21Dと挿入部81の境界面は、水分が直接付着しないよう、テープや塗料、グリス等で覆うことが望ましい。前述した絶縁カバーで溶接用ケーブルジョイント10D全体を覆うことも有効である。
これらの止めネジ25Dは、例えば、頭無しネジであり、その材質をアルミニウム又はアルミニウム合金としている。
また、開口部23Dとパイプスリーブの間及びパイプスリーブと導体121との間、導体121の各素線の間には、前述した導電性のコンパウンドが行き渡って内包されるように、予め各所に塗布される。
上記溶接用ケーブルジョイント10Dは、溶接用ケーブルジョイント10Aと同様に、第一のジョイント部材20Dの導体挿入部21Dの材質をアルミニウム又はアルミニウム合金としたので、当該導体挿入部21Dにおいてアルミケーブル120の導体121を保持した場合でも、導体挿入部21Dと導体121との間における異種金属接触腐食と応力緩和/クリープによる発熱の発生を効果的に回避又は抑制することが可能となる。
図15は第六の実施形態の溶接用ケーブルジョイント10Eを示す分解斜視図、図16はケーブル中心線に沿った断面図である。
この溶接用ケーブルジョイント10Eについては、前述した溶接用ケーブルジョイント10,10C,10Dと異なる点を主に説明し、溶接用ケーブルジョイント10,10C,10Dと同一の構成については同符号を付して重複する説明は省略する。
この導体挿入部31Eは、ケーブル長手方向(中心線方向)の一端部に開口部33Eが形成されており、他端部には銅又は銅合金製の挿入部81が設けられている。
また、上記導体挿入部31Eと挿入部81の接合作業も、導体挿入部31E及び挿入部81内への水分の侵入を防止することが可能であって、温度、湿度などの品質管理の行き届いた工場等の理想的な環境下で行われる。
さらに、接合された導体挿入部31Eと挿入部81の境界面は、水分が直接付着しないよう、テープや塗料、グリス等で覆うことが望ましい。前述した絶縁カバーで溶接用ケーブルジョイント10E全体を覆うことも有効である。
また、開口部33Eとパイプスリーブの間及びパイプスリーブと導体121との間、導体121の各素線の間には、前述した導電性のコンパウンドが行き渡って内包されるように、予め各所に塗布される。
上述した各溶接用ケーブルジョイント10〜10Eにおいて、材質をアルミニウム又はアルミニウム合金とした導体挿入部21A,31B,21D,31Eの内側表面及びこれらに挿入されるパイプスリーブの外側表面又は内側表面には、錫若しくは錫合金、ニッケル若しくはニッケル合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金のいずれかからなる被覆層をメッキで形成しても良い。これにより、被覆層を形成した面において、酸化皮膜の影響を低減することが可能となり、ブラッシングを省略出来る。
また、導体挿入部21A,31B,21D,31Eの内側表面とパイプスリーブの外側表面の両方にメッキを施すと、導電性のコンパウンドを塗布することを省略しても、良好な導電性を確保することが可能となる。
銅ケーブル130同士の接続において、プラグ部とソケット部とが嵌合可能であれば、第一のジョイント部材と第二のジョイント部材とで導体131を保持する方式(かしめ式、ネジ止め式等)を一致させなくともよい。
例えば、一方の銅ケーブル130に第一のジョイント部材20を装備し、他方の銅ケーブル130に第二のジョイント部材30Cを装備して、互いに連結してもよい。
また或いは、一方の銅ケーブル130に第一のジョイント部材20Cを装備し、他方の銅ケーブル130に第二のジョイント部材30を装備して、互いに連結してもよい。
例えば、一方の銅ケーブル130に第一のジョイント部材20を装備し、他方のアルミケーブル120に第二のジョイント部材30Eを装備して、互いに連結してもよい。
また或いは、一方の銅ケーブル130に第一のジョイント部材20Cを装備し、他方のアルミケーブル120に第二のジョイント部材30Bを装備して、互いに連結してもよい。
この場合も、プラグ部とソケット部とが嵌合可能であれば、第一のジョイント部材と第二のジョイント部材とで導体121を保持する方式(かしめ式、ネジ止め式等)を一致させなくともよい。
従って、一方のアルミケーブル120には第一のジョイント部材20A又は20Dを装備し、他方のアルミケーブル120には第二のジョイント部材30B又は30Eを装備して、アルミケーブル120同士を連結することができる。
上記各溶接用ケーブルジョイント10〜10Eでは、いずれも、導体挿入部に挿入部81が設けられ、プラグ部又はソケット部に被挿入部82が設けられている場合を例示したが、導体挿入部側に被挿入部82が設けられ、プラグ部又はソケット部に挿入部81が設ける構造としても良い。
即ち、プラグ部とソケット部とが嵌合可能となるように、形状と寸法とが合致していれば、アルミケーブル120側に第一のジョイント部材20A又は20D又は第二のジョイント部材30B又は30Eを装備して、互いに連結してもよい。
20,20A,20C,20D ジョイント部材
21,21A,21C,21D 導体挿入部
22 プラグ部
23,23A,23C,23D 開口部
30,30B,30C,30E 第二のジョイント部材
31,31B,31C,31E 導体挿入部
32 ソケット部
33,33B,33C,33E 開口部
80 嵌合構造
81 挿入部
82 被挿入部
83 雄ネジ部
84 雌ネジ部
85 溝部
86 接触子
100 アーク溶接装置
120 アルミケーブル(溶接用ケーブル)
121 導体
122 絶縁層
130 銅ケーブル(溶接用ケーブル)
131 導体
132 絶縁層
Claims (7)
- 溶接用ケーブル同士を接続する溶接用ケーブルジョイントのジョイント部材において、
溶接用ケーブルの導体が挿入される導体挿入部と、
他のジョイント部材との電気的接続を図るためのプラグ部又はソケット部とを備え、
前記導体挿入部と前記プラグ部又はソケット部との間に、挿入部と被挿入部とからなる着脱可能な嵌合構造が設けられ、
前記挿入部と前記被挿入部との相互の対向面の間に、弾性変形により圧接する弾性導体片が複数連接された接触子が設けられていることを特徴とする溶接用ケーブルジョイントのジョイント部材。 - 前記導体挿入部の材質が銅又は銅合金であることを特徴とする請求項1記載の溶接用ケーブルジョイントのジョイント部材。
- 前記導体挿入部の材質がアルミニウム又はアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1記載の溶接用ケーブルジョイントのジョイント部材。
- 前記導体挿入部と、材質が銅又は銅合金である前記嵌合構造の前記挿入部又は前記被挿入部との間に、摩擦圧接接合部を備えることを特徴とする請求項3記載の溶接用ケーブルジョイントのジョイント部材。
- 前記導体挿入部は、材質が銅又は銅合金である前記嵌合構造の前記挿入部又は前記被挿入部に対して、溶接又はろう付けのいずれかにより接合されていることを特徴とする請求項3記載の溶接用ケーブルジョイントのジョイント部材。
- 前記導体挿入部は、その内部表面に、錫若しくは錫合金、ニッケル若しくはニッケル合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金のいずれかからなる被覆層が形成されていることを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の溶接用ケーブルジョイントのジョイント部材。
- 前記導体挿入部は、その内側に導電性のコンパウンドが内包されていることを特徴とする請求項3から6のいずれか一項に記載の溶接用ケーブルジョイントのジョイント部材。
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