JP6623142B2 - アルミケーブルとジョイント部材との接続構造 - Google Patents
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Description
そして、溶接用ケーブルは、溶接機から対象物までの距離が長くなると、導線用ケーブル104とホルダ用ケーブル105の間に溶接用ケーブルジョイント110を介して延長ケーブルが接続される。
溶接用ケーブルジョイントは、ケーブル導体を挿入して止めネジにより締結する導体挿入部を有するプラグ及びソケットからなり、一方のケーブルにプラグを装着し、他方のケーブルにソケットを装着して接続を行っていた(例えば、特許文献1参照)。
従来の溶接用ケーブルジョイントは、銅導体との接続を前提に設計されているため、銅や黄銅が材料として使用されている。
このため、アルミニウム導体を接続する際には、送配電分野で行われているように、ブラッシングにより酸化皮膜を除去する必要がある。
しかし、素線の撚り合わせ、特に溶接用ケーブルのように、多数の細い素線によって導体が構成されていると、ブラッシングでは導体外周部の素線の表面の酸化皮膜を除去することは出来るが、内側の素線にまでブラッシングを施すことは難しかった。
さらに、溶接用ケーブルのように細い素線で構成される場合、ブラッシングの際に力を入れすぎると素線が折れたり切れたりすることがあるので、ブラッシングを慎重に行わねばならず、作業負担の増加を招いていた。
溶接用ケーブルであるアルミケーブルの導体の外周に取り付けられ、溶接用ケーブルジョイントのジョイント部材の導体挿入部に挿入されるパイプスリーブを有するアルミケーブルとジョイント部材との接続構造において、
前記パイプスリーブは、銅、銅合金、銀若しくは銀合金製であって、その内部表面が錫若しくは錫合金又はニッケル若しくはニッケル合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金のいずれかからなる被覆層で覆われており、
前記パイプスリーブの内側に導電性のコンパウンドが内包され、
前記パイプスリーブが、締結された止めネジで押圧された状態で、前記コンパウンドに含まれる金属微粒子により、前記アルミケーブルの導体の素線の表面の酸化被膜が破壊されて、前記パイプスリーブとの導電性が確保され、前記導体同士の導通が確保されており、
前記パイプスリーブの内部表面に、凸部が形成され、
前記止めネジによる締結が行われて、前記アルミケーブルの導体を構成する複数の素線の内側に前記凸部が入り込み、前記アルミケーブルの導体の内側の素線の酸化皮膜が破壊され、その内側から露出した新生面と前記凸部とが接触していることを特徴とする。
溶接用ケーブルであるアルミケーブルの導体の外周に取り付けられ、溶接用ケーブルジョイントのジョイント部材の導体挿入部に挿入されるパイプスリーブを有するアルミケーブルとジョイント部材との接続構造において、
前記パイプスリーブは、アルミニウム又はアルミニウム合金製であり、
前記パイプスリーブの内側に導電性のコンパウンドが内包され、
前記パイプスリーブが、締結された止めネジで押圧された状態で、前記コンパウンドに含まれる金属微粒子により、前記アルミケーブルの導体の素線の表面の酸化被膜が破壊されて、前記パイプスリーブとの導電性が確保され、前記導体同士の導通が確保されており、
前記パイプスリーブの内部表面に、凸部が形成され、
前記止めネジによる締結が行われて、前記アルミケーブルの導体を構成する複数の素線の内側に前記凸部が入り込み、前記アルミケーブルの導体の内側の素線の酸化皮膜が破壊され、その内側から露出した新生面と前記凸部とが接触していることを特徴とする。
前記パイプスリーブは、その外部表面及び内部表面が錫若しくは錫合金、ニッケル若しくはニッケル合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金のいずれかからなる被覆層で覆われていることを特徴とする。
前記凸部は、前記溶接用ケーブルの長手方向に沿った凸条であることを特徴とする。
前記パイプスリーブの内部表面に、前記溶接用ケーブルの長手方向に沿って凹凸が繰り返して形成されていることを特徴とする。
前記パイプスリーブは、前記溶接用ケーブルの長手方向の一端部が閉塞されていることを特徴とする。
また、パイプスリーブをアルミニウム又はアルミニウム合金製とした場合には、溶接用ケーブルの導体がアルミニウム又はアルミニウム合金製ある場合でも異種金属接触腐食による発熱の発生を効果的に回避又は抑制することが可能となる。さらに、挿入される導体と同種の材料とすることで、応力緩和やクリープの発生を抑制することができ、これによる発熱の発生を効果的に回避又は抑制することが可能となる。
また、後述する第一〜第八の実施形態では、溶接用ケーブルジョイント10が溶接用ケーブルを構成する、導体がアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミケーブル120と導体が銅又は銅合金からなる銅ケーブル130とを接続することを前提とする。
この実施形態では、銅ケーブル130とアルミケーブル120を接続するに当たり、銅ケーブル130には第二のジョイント部材30を、アルミケーブル120には第一のジョイント部材20を取り付ける場合を例に説明する。
図1は、本実施形態の溶接用ケーブルジョイント10を示す分解斜視図である。
溶接用ケーブルジョイント10は、図示のように、アルミケーブル120の導体121が挿入される導体挿入部21とプラグ部22とを有する第一のジョイント部材20と、銅ケーブル130の導体131が挿入される導体挿入部31とソケット部32とを有する第二のジョイント部材30と、第一のジョイント部材20の導体挿入部21に挿入され、導体挿入部21とアルミケーブル120の導体121の間に介在する円筒状の第一のパイプスリーブ40と、第二のジョイント部材30の導体挿入部31に挿入され、導体挿入部31と銅ケーブル130の導体131の間に介在する円筒状の第二のパイプスリーブ50と、第一のジョイント部材20を被覆する第一の絶縁カバー60と、第二のジョイント部材30を被覆する第二の絶縁カバー70とを備えている。
銅ケーブル130は、銅又は銅合金からなる導体131と、導体131の外周を被覆する絶縁層132とからなり、その接続端部は絶縁層132が除去され、導体131の外周が露出している。
また、導体131は、複数の素線が撚り合わされてなる。溶接用ケーブルは可撓性が要求されるので、導体131の素線は、電力ケーブルの素線と比較して非常に細く、例えば、外径が0.45[mm]である。
このように、銅ケーブル130は、細い素線を撚り合わせた導体を有するいわゆるキャブタイヤケーブルである。
アルミケーブル120は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる導体121と、導体121の外周を被覆する絶縁層122とからなり、その接続端部は絶縁層122が除去され、導体121の外周が露出している。
また、導体121は、複数の素線が撚り合わされてなる。これらの素線も、電力ケーブルの素線と比較して非常に細く、例えば、外径が0.45[mm]である。
このように、アルミケーブル120も、細い素線を撚り合わせた導体を有する、いわゆるキャブタイヤケーブルである。
図2は第一及び第二のジョイント部材20,30のケーブル中心線に沿った断面図、図3は第一及び第二のジョイント部材20,30の斜視図である。
第二のジョイント部材30は、全体が銅又は銅合金(例えば、黄銅)によって一体的に形成された略円柱体である。
この第二のジョイント部材30の一端部側には導体挿入部31を備え、他端部側にはソケット部32を備えている。
これらの止めネジ35は、例えば、一端部に六角穴が形成された頭無しネジである。また、各止めネジ35は、ユニクロめっきされた鋼もしくはクロムモリブデン鋼など一般的なネジ材料から形成されている。
後述する第一のジョイント部材20のプラグ部22は、円錐台形状の突起であり、挿入方向先端部に向かうにつれて縮径しており、ソケット部32は、プラグ部22の長手方向の大部分を挿入することができる。また、挿入時には、ソケット部32の内側表面とプラグ部22の外側表面とが密接するようになっている。
つまり、突起26をスリット37の直線状部分に沿わせながらプラグ部22をソケット部32に挿入し、途中から、スリット37の螺旋状部分に突起26を沿わせることにより、プラグ部22をソケット部32にねじ込むことができる。突起26はスリット37の螺旋状部分を進むことにより、プラグ部22の外側表面をソケット部32の内側表面に圧接させ、なお且つ、逆方向にねじらない限り、プラグ部22が抜ける方向への移動が規制される構造となっている。
第一のジョイント部材20は、図2及び図3に示すように、一端部側には導体挿入部21を備え、他端部側にはプラグ部22を備えた略円柱体である。
そして、導体挿入部21及びプラグ部22は銅又は銅合金(例えば、黄銅)によって一体的に形成されている。
これらの止めネジ25は、例えば、一端部に六角穴が形成された頭無しネジである。また、各止めネジ25は、ユニクロめっきされた鋼もしくはクロムモリブデン鋼など一般的なネジ材料から形成されている。
そして、プラグ部22の外側表面には、ボス状の突起26が設けられている。
このプラグ部22をソケット部32に挿入して相互に連結する構造については既に前述した通りである。
第二のパイプスリーブ50は、銅又は銅合金製の円管であり、その一端部から銅ケーブル130の導体131を挿入するために僅かに拡径しており、他端部は導体131が外に出ないように僅かに縮径している。
この第二のパイプスリーブ50は、銅ケーブル130の、素線の撚り合わせからなる導体131を挿入可能となる内径に設定されている。
図4は第一のパイプスリーブ40の斜視図、図4(B)はケーブル中心方向に沿った断面図である。
図示のように、第一のパイプスリーブ40は、銅又は銅合金製の両端部が開口した円管であり、第二のパイプスリーブ50と同様に、その一端部が僅かに拡径し、他端部が僅かに縮径している。
また、素線の撚り合わせからなるアルミケーブル120の導体121を挿入可能となる内径に設定されている点も同様である。
第一のパイプスリーブ40が銅又は銅合金製であっても、少なくともアルミニウム製の導体121と接する内面に、これらのめっきからなる内部被覆層41を形成することにより、第一のパイプスリーブ40と導体121との間での異種金属接触腐食を防ぐことが出来る。
第一及び第二の絶縁カバー60,70は、接続状態の第一及び第二のジョイント部材20,30の周囲を被覆する絶縁性のカバーである。これら絶縁カバー60,70は、絶縁性の樹脂等により形成されており、可撓性を有している。なお、以下に説明する第一及び第二の絶縁カバー60,70の形状は一例であり、接続状態の第一及び第二のジョイント部材20,30の周囲を被覆できる形状であれば以下のものに限定されない。
本体部61は、第一のジョイント部材20を内側に格納可能である。
また、縮径部62は最も縮径したその一端部の内径がアルミケーブル120の絶縁層122の外径よりも幾分小さく、アルミケーブル120を挿通させた場合に、その絶縁層122を締め付けて密接する。
本体部71は、第二のジョイント部材30を内側に格納可能である。
また、縮径部72は最も縮径したその一端部の内径が銅ケーブル130の絶縁層132の外径よりも幾分小さく、銅ケーブル130を挿通させた場合に、その絶縁層132を締め付けて密接する。
また、大径部73は、第一の絶縁カバー60の本体部61の他端部を挿入可能な内径であり、本体部61を挿入することで第一の絶縁カバー60と第二の絶縁カバー70とを連結することができる。
上記溶接用ケーブルジョイント10による溶接用ケーブルを構成するアルミケーブル120と銅ケーブル130の接続作業について図5(A)から図5(D)の工程図により説明する。
まず、図5(A)に示すように、接続端部の絶縁層122が除去されて導体121が露出したアルミケーブル120を第一の絶縁カバー60の縮径部62側から挿入し、アルミケーブル120の接続端部から第一の絶縁カバー60を退避させておく。
同様に、接続端部の絶縁層132が除去されて導体131が露出した銅ケーブル130を第二の絶縁カバー70の縮径部72側から挿入し、銅ケーブル130の接続端部から第二の絶縁カバー70を退避させておく。
この導電性のコンパウンドは、導電性を有する金属微粒子(例えば、亜鉛微粒子)と粘性を有するグリス(鉱物油性のグリス、シリコーングリスその他のグリス全般又はひまし油)を含んだ混合物からなる。
この導電性のコンパウンドの金属微粒子が、アルミニウム又はアルミニウム合金製の導体121の各素線の表面の酸化皮膜を破壊し、第一のパイプスリーブ40と導体121との導電性を良好に維持する。
また、絶縁層132から露出した銅ケーブル130の導体131は、第二のパイプスリーブ50に挿入される。
また、第二のジョイント部材30の導体挿入部31には、銅ケーブル130の導体131に装着された第二のパイプスリーブ50が挿入され、止めネジ35により締結される。
これにより、第一及び第二のジョイント部材20,30と第一及び第二のパイプスリーブ40,50とアルミケーブル120の導体121と銅ケーブル130の導体131とが被覆され、外部に対して絶縁状態となり、アルミケーブル120と銅ケーブル130の接続作業が完了する。
上記溶接用ケーブルジョイント10の第一のパイプスリーブ40は、錫若しくは錫合金又はニッケル若しくはニッケル合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金からなる内部被覆層41が内側表面に形成されているので、銅又は銅合金製の第一のパイプスリーブ40の本体部分とアルミニウム又はアルミニウム合金製の導体121とが直接的に接触することが回避でき、銅−アルミニウム間で生じる異種金属接触腐食の発生を効果的に抑制することが可能となる。
従って、溶接用ケーブルを構成するアルミケーブル120と銅ケーブル130とを接続する場合に、異種金属接触腐食による接触抵抗の増加及び発熱の発生を効果的に回避又は抑制することが可能となる。
なお、上述した第一のパイプスリーブ40と第二のパイプスリーブ50は、それぞれが挿入される第一又は第二のジョイント部材20,30の導体挿入部21,31の材質に合わせて銅又は銅合金製とする場合を例示したが、これらは銀又は銀合金製としても良い。
なお、第一のパイプスリーブ40については、銀又は銀合金製とした場合でも、錫若しくは錫合金、ニッケル若しくはニッケル合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金からなる内部被覆層41を形成することが望ましい。
第二の実施形態として第一のパイプスリーブの他の例を図6に基づいて説明する。図6は第一のパイプスリーブ40Aの斜視図である。
前述した第一のパイプスリーブ40では、内部被覆層41を除く本体部分を銅又は銅合金で形成する場合を例示したが、アルミケーブル120の導体121を挿入する場合、応力緩和やクリープの発生を抑制するためには、導体121とパイプスリーブとを同じ材質又は同種の材質で形成することが望ましい。
このため、この第一のパイプスリーブ40Aは、全体をアルミニウム又はアルミニウム合金で形成している。
その場合、第一のパイプスリーブ40Aの外部表面の全体は、銅又は銅合金からなる第一のジョイント部材20の導体挿入部21との間で異種金属接触腐食が生じないように対策が必要となることから、錫若しくは錫合金、ニッケル若しくはニッケル合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金のいずれかからなる外部被覆層42Aが形成されている。
また、この第一のパイプスリーブ40Aは、酸化皮膜が形成されないように、その内部表面にも亜鉛、ニッケル又は錫のいずれかからなる内部被覆層41Aが形成されている。
内部被覆層の形成を行わない場合は、パイプスリーブ40Aの内面の酸化皮膜を取り除いた後、コンパウンドを塗布することで酸化の進行を防ぐとよい。
さらに、第一のパイプスリーブ40Aの全体がアルミニウム又はアルミニウム合金から形成されているので、相互間での材料の均一化により、導体121との間での応力緩和やクリープの発生を抑制することが可能となる。
なお、この第一のパイプスリーブ40Aにアルミケーブル120の導体121を挿入する際にも、導体121の素線に対するブラッシングによる酸化皮膜の除去及び導体121又は第一のパイプスリーブ40A内への導電性のコンパウンドの塗布を行う必要がある。これにより、アルミケーブル120の導体121の素線の表面の酸化皮膜を効果的に破壊することができ、第一のパイプスリーブ40Aと導体121の間を良好に導通させることが可能となる。
第三の実施形態として第一のパイプスリーブの他の例を図7及び図8に基づいて説明する。図7は第一のパイプスリーブ40Bの斜視図、図8は止めネジ25により導体挿入部21に締結された第一のパイプスリーブ40Bのケーブル長手方向に垂直な断面図である。
各羽根43Bは、第一のパイプスリーブ40Bの内部表面から中心に向かって立設した矩形の平板状であって、ケーブル長手方向に沿った凸条をなしている。また、各羽根43Bは、第一のパイプスリーブ40Bの内部において、ケーブル長手方向のほぼ全長に渡って形成されている。
また、各羽根43Bも、その表面全体が内部被覆層41Bで被覆されている。
そして、この第一のパイプスリーブ40Bは、複数の羽根43Bを備えるので、図8に示すように、導電性のコンパウンドの塗布とブラッシングによる酸化皮膜除去とが行われてからアルミケーブル120の導体121が挿入され、止めネジ25による締結が行われた場合に、導体121を構成する複数の素線Sの内側に各羽根43Bが入り込み、導体121の内側の深い所にある酸化皮膜が破壊され、その内側から露出した新生面Lとの接触を図ることができ、第一のパイプスリーブ40Bと導体121の間をさらに良好に導通させることが可能となる。
なお、アルミケーブル120の導体121の素線Sが螺旋状に撚られている場合には、各羽根43Bも素線Sと同様の螺旋状に沿うようにケーブル長手方向に傾斜させて形成することが望ましい。
また、図示はしないが、各羽根43Bは、連続でなく、間隔を置いて断続的に配置しても良い。つまり、長手方向に沿った第一のパイプスリーブ40Bのケーブル長手方向のほぼ全長に渡る一枚の羽根ではなく、より短い羽根がケーブル長手方向に沿って複数並ぶように構成しても良い。
第四の実施形態として第一のパイプスリーブの他の例を図9に基づいて説明する。図9は第一のパイプスリーブ40Cの斜視図である。
この第一のパイプスリーブ40Cは、前述した第一のパイプスリーブ40Bと同様に、全体がアルミニウム又はアルミニウム合金で形成され、その内部表面と外部表面には、それぞれ、錫若しくは錫合金、ニッケル若しくはニッケル合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金のいずれかからなる内部被覆層41Cと外部被覆層42Cとが形成されている。
また、その内部表面には内側に突出した凸部としての凸条43Cが形成されている。
従って、凸条43Cは、羽根43Bのように表面積を広く確保できないが、その分、本数が多く形成されている。
また、各凸条43Cも、その表面全体が内部被覆層41Cで被覆されている。
なお、凸条43Cも、アルミケーブル120の導体121の素線Sが螺旋状に撚られている場合には、素線Sの螺旋形状に沿うようにケーブル長手方向に傾斜させて形成することが望ましい。
また、図示はしないが、凸条43Cは、連続でなく、間隔を置いて断続的に配置しても良い。この凸条も、長手方向に沿った第一のパイプスリーブ40Cのケーブル長手方向のほぼ全長に渡る一本の凸条ではなく、より短い凸条がケーブル長手方向に沿って複数並ぶように構成しても良い。
第五の実施形態として第一のパイプスリーブの他の例を図10に基づいて説明する。図10は第一のパイプスリーブ40Dの斜視図である。
この第一のパイプスリーブ40Dは、内角120度の扇形の筒状体を三つ合わせて円筒状を形成しており、当該円筒状の内部空間を三つに区画する隔壁43Dが凸部として機能する。
この第一のパイプスリーブ40Dは、三つの扇形の筒状体は、全体がアルミニウム又はアルミニウム合金で形成され、その内部表面と外部表面には、それぞれ、錫若しくは錫合金、ニッケル若しくはニッケル合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金のいずれかからなる内部被覆層41Dと外部被覆層42Dとが形成されている。
また、隔壁43Dの内部表面と外部表面にも内部被覆層41Dと外部被覆層42Dとが形成されている。
そして、この第一のパイプスリーブ40Dは、複数の隔壁43Dを備えるので、導電性のコンパウンドの塗布とブラッシングによる酸化皮膜除去とが行われてからアルミケーブル120の導体121が挿入された場合に、導体121を構成する複数の素線Sの中心まで各隔壁43Dが入り込み、導体の内側の深い所にある酸化皮膜が除去された新生面Lとの接触を図ることができ、第一のパイプスリーブ40Dと導体121の間をより良好に導通させることが可能となる。
なお、第一のパイプスリーブ40Dは、三つの筒状体から形成する場合に限らず、これらを一体化させた一部材から形成しても良い。
第六の実施形態として第一のパイプスリーブの他の例を図11に基づいて説明する。図11は第一のパイプスリーブ40Eの斜視図である。
この第一のパイプスリーブ40Eは、全体がアルミニウム又はアルミニウム合金で形成され、その外部表面には、錫若しくは錫合金、ニッケル若しくはニッケル合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金のいずれかからなる外部被覆層42Dが形成されている。
さらに、この第一のパイプスリーブ40Eの内部表面には、ケーブルの長手方向に沿って凹凸構造44Eが繰り返して形成されている。凹凸構造44Eは、ケーブルの長手方向に対して直交する方向に沿った複数の溝がケーブルの長手方向に複数並んで形成され、溝と凸条とが交互に並んで形成された形状となっている。この凹凸構造44Eは周方向に沿った複数の凹部と凸部とが繰り返し並ぶ構造だが、凹部と凸部は一つの連続するらせん状としてもよい。
また、この凹凸構造44Eは、ケーブルの長手方向の全長に渡って形成されており、全ての凹凸構造44Eの表面全体に、錫若しくは錫合金、ニッケル若しくはニッケル合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金のいずれかからなる内部被覆層が形成されている。
そして、この第一のパイプスリーブ40Eは、内部表面に凹凸構造44Eを備えているので、酸化皮膜除去を行わずに(行っても良い)アルミケーブル120の導体121が挿入された場合に、素線の表面の酸化皮膜が凹凸構造との摺動により破壊され、ブラッシング等の酸化皮膜除去作業負担を低減しつつ第一のパイプスリーブ40Eと導体121の間を良好に導通させることが可能となる。
また、導体121に導電性のコンパウンドを塗布した場合には、当該コンパウンドを凹凸構造44Eの溝内に保持することができ、素線の表面の酸化皮膜の破壊をより効果的に促し、当該破壊効果と導通を維持することができる。
第七の実施形態として第一のパイプスリーブの他の例を図12に基づいて説明する。図12は第一のパイプスリーブ40Fの斜視図である。
この第一のパイプスリーブ40Fは、全体がアルミニウム又はアルミニウム合金で形成され、その外部表面には、錫若しくは錫合金、ニッケル若しくはニッケル合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金のいずれかからなる外部被覆層42Fが形成されている。
さらに、この第一のパイプスリーブ40Fは、内部表面に凸部(この例では羽根43Fを例示するが、前述した凸条や隔壁でも良い)を有し、内部表面と各羽根43Fの表面全体に凹凸構造44Fを形成している。
また、第一のパイプスリーブ40Fの内部表面全体と凸部と凹凸構造44Fの表面全体には、錫若しくは錫合金、ニッケル若しくはニッケル合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金のいずれかからなる内部被覆層が形成されている。
この第一のパイプスリーブ40Fは、前述した第一のパイプスリーブ40Eと同一の効果を有すると共に、各羽根43Fに設けた凹凸構造により、より内側の導体121の素線Sに対しても酸化皮膜の破壊を行うことができ、より内側の素線に対するブラッシングの作業負担を低減しつつも、第一のパイプスリーブ40Fと導体121の間をより良好に導通させることが可能となる。
第八の実施形態として第一のパイプスリーブの他の例を図13に基づいて説明する。図13は第一のパイプスリーブ40Gの斜視図である。
この第一のパイプスリーブ40Gは、全体がアルミニウム又はアルミニウム合金で形成され、その外部表面には、錫若しくは錫合金、ニッケル若しくはニッケル合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金のいずれかからなる外部被覆層42Gが形成され、内部表面には、錫若しくは錫合金、ニッケル若しくはニッケル合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金のいずれかからなる内部被覆層(図示略)が形成されている。
そして、この第一のパイプスリーブ40Gは、ケーブル長手方向における一端部が開口し、他端部は壁面45Gにより閉塞されている。
なお、この壁面45Gは、前述した第一のパイプスリーブ40及び40A〜40Gの全てについて適用することが可能である。
前述した第二〜第八の実施形態における第一のパイプスリーブ40A〜40Gは、主要な材料をアルミニウム又はアルミニウム合金とする場合を例示したが、主要な材料を銅、銅合金、銀又は銀合金としてもよい。その場合、パイプスリーブの内部表面全体には錫若しくは錫合金又はニッケル若しくはニッケル合金のいずれかからなる内部被覆層を形成することが必須となるがパイプスリーブの外部表面の外部被覆層は不要とすることができる。
また、第二のジョイント部材をアルミケーブルに取り付ける際も、上述の説明における第一のジョイント部材で使用したパイプスリーブを用いることは自明である。
20 第一のジョイント部材
21 導体挿入部
22 プラグ部
24 ネジ穴
25 止めネジ
30 第二のジョイント部材
31 導体挿入部
32 ソケット部
34 ネジ穴
35 止めネジ
40,40A,40B,40C,40D,40E,40F,40G 第一のパイプスリーブ
41,41A,41B,41C,41D 内部被覆層
42A,42B,42C,42D,42F,42G 外部被覆層
43B 羽根
43C 凸条
43D 隔壁
43F 羽根
44E 凹凸構造
44F 凹凸構造
45G 壁面
50 第二のパイプスリーブ
60 第一の絶縁カバー
70 第二の絶縁カバー
100 アーク溶接装置
101 溶接機
102 ホルダ
103 アースクランプ
104 導線用ケーブル
105 ホルダ用ケーブル
120 アルミケーブル(溶接用ケーブル)
121 導体
130 銅ケーブル(溶接用ケーブル)
131 導体
Claims (6)
- 溶接用ケーブルであるアルミケーブルの導体の外周に取り付けられ、溶接用ケーブルジョイントのジョイント部材の導体挿入部に挿入されるパイプスリーブを有するアルミケーブルとジョイント部材との接続構造において、
前記パイプスリーブは、銅、銅合金、銀若しくは銀合金製であって、その内部表面が錫
若しくは錫合金又はニッケル若しくはニッケル合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金のいずれかからなる被覆層で覆われており、
前記パイプスリーブの内側に導電性のコンパウンドが内包され、
前記パイプスリーブが、締結された止めネジで押圧された状態で、前記コンパウンドに含まれる金属微粒子により、前記アルミケーブルの導体の素線の表面の酸化被膜が破壊されて、前記パイプスリーブとの導電性が確保され、前記導体同士の導通が確保されており、
前記パイプスリーブの内部表面に、凸部が形成され、
前記止めネジによる締結が行われて、前記アルミケーブルの導体を構成する複数の素線の内側に前記凸部が入り込み、前記アルミケーブルの導体の内側の素線の酸化皮膜が破壊され、その内側から露出した新生面と前記凸部とが接触していることを特徴とするアルミケーブルとジョイント部材との接続構造。 - 溶接用ケーブルであるアルミケーブルの導体の外周に取り付けられ、溶接用ケーブルジョイントのジョイント部材の導体挿入部に挿入されるパイプスリーブを有するアルミケーブルとジョイント部材との接続構造において、
前記パイプスリーブは、アルミニウム又はアルミニウム合金製であり、
前記パイプスリーブの内側に導電性のコンパウンドが内包され、
前記パイプスリーブが、締結された止めネジで押圧された状態で、前記コンパウンドに含まれる金属微粒子により、前記アルミケーブルの導体の素線の表面の酸化被膜が破壊されて、前記パイプスリーブとの導電性が確保され、前記導体同士の導通が確保されており、
前記パイプスリーブの内部表面に、凸部が形成され、
前記止めネジによる締結が行われて、前記アルミケーブルの導体を構成する複数の素線の内側に前記凸部が入り込み、前記アルミケーブルの導体の内側の素線の酸化皮膜が破壊され、その内側から露出した新生面と前記凸部とが接触していることを特徴とするアルミケーブルとジョイント部材との接続構造。 - 前記パイプスリーブは、その外部表面及び内部表面が錫若しくは錫合金、ニッケル若しくはニッケル合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金のいずれかからなる被覆層で覆われていることを特徴とする請求項2記載のアルミケーブルとジョイント部材との接続構造。
- 前記凸部は、前記溶接用ケーブルの長手方向に沿った凸条であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のアルミケーブルとジョイント部材との接続構造。
- 前記パイプスリーブの内部表面に、前記溶接用ケーブルの長手方向に沿って凹凸が繰り返して形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のアルミケーブルとジョイント部材との接続構造。
- 前記パイプスリーブは、前記溶接用ケーブルの長手方向の一端部が閉塞されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のアルミケーブルとジョイント部材との接続構造。
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