JP2016046227A - 被覆電線端末の防水構造 - Google Patents

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Yasuo Takemura
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Abstract

【課題】断面円形状の電線挿通孔を有する既存のシール材を断面非円形状の被覆電線に適用しても、所望の防水性能を確実に発揮する。【解決手段】被覆電線端末の防水構造は、断面非円形状の被覆電線と、被覆電線の断面円形状に形成された端末部に装着されて断面円形状の電線挿通孔が形成された環状のシール材と、端末部のシール材の前後に取り付けられて端末部を断面円形状に変形しつつ形状を維持する第1及び第2形状保持部材とを備える。シール材の後方に配置される第2形状保持部材は、被覆電線の延びる方向に所定間隔を空けて配置された少なくとも2つの第1嵌合部を有する第1部材、及び第1嵌合部と被覆電線の延びる方向に交互に配置される少なくとも1つの第2嵌合部を有する第2部材を備え、U字溝を有する第1及び第2部材が被覆電線の端末部を両側から挟み込んだ状態で、両側のU字溝によって円形を形成する。【選択図】図1

Description

この発明は、コネクタのハウジングに収容された被覆電線端末に防水のためのシール材が取り付けられた被覆電線端末の防水構造に関する。
従来より、コネクタのハウジングに形成された電線収容用の筒部の内周面に密着する外周面を有する環状の防水栓を被覆電線に装着し、この防水栓を前側拘束部とリアホルダとで挟むようにして筒部内に収容することで、被覆電線の端末部への水分の浸入を防止する防水コネクタが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の防水コネクタでは、防水栓に、断面円形状の被覆電線の外形に合わせた断面円形状の電線挿通孔が形成されている。そして、この電線挿通孔に被覆電線を挿通させた上で防水栓と共に端末部をハウジングの筒部内に挿入することにより、防水栓の外周面を筒部の内周面と密着させつつ防水栓の内周面を被覆電線の外周面に密着させる。これにより、ハウジングと防水栓との間及び防水栓と被覆電線との間の防水機能を発揮させている。
特開2014−44802号公報
上記特許文献1に開示された従来技術の防水コネクタでは、防水栓が装着される被覆電線が断面円形状の一般的な丸形電線である。このため、防水栓の外周面で受ける筒部内の接触圧を被覆電線の外周面に対して均一に加えることが可能である。
一方、例えば三相交流電線のように、複数の被覆電線を束ねた束電線を使用する場合は、断面円形状の被覆電線を3本組み合わせるよりも、例えば120°の中心角を有する断面扇形の被覆電線を3本組み合わせて全体が断面円形状となるようにした方がよい。なぜなら、断面扇形の被覆電線を3本組み合わせた方が、束電線全体の断面積を小さくすることができるからである。近年では、このような断面非円形状の被覆電線が着目されている。
なお、このような断面非円形状の被覆電線に上記のような防水栓を適用する場合には、例えば断面非円形状の被覆電線の外形形状に合わせた断面非円形状の電線挿通孔を防水栓に形成する。そして、この電線挿通孔に断面非円形状の被覆電線を挿通させることで、防水栓の電線挿通孔の内周面と被覆電線の外周面との密着性を確保するようにしている。
しかしながら、断面非円形状の被覆電線を用いた場合に密着性を確保するためには、上記のようにこの被覆電線の外形形状に合わせた断面非円形状の電線挿通孔を防水栓に形成する必要がある。このため、断面非円形状の被覆電線には、一般的な丸形電線に用いられる断面円形状の電線挿通孔を有する生産済みの既存の防水栓を使用することができないという問題がある。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消し、断面円形状の電線挿通孔を有する既存のシール材を断面非円形状の被覆電線に適用しても、所望の防水性能を確実に発揮することができる被覆電線端末の防水構造を提供することを目的とする。
本発明に係る被覆電線端末の防水構造は、断面非円形状の被覆電線と、前記被覆電線の断面円形状に形成された端末部に装着されて断面円形状の電線挿通孔が形成された環状のシール材と、前記被覆電線の端末部の前記シール材の前後に取り付けられて前記被覆電線の端末部を断面円形状に変形しつつ形状を維持する第1形状保持部材及び第2形状保持部材とを備え、前記シール材の後方に配置される第2形状保持部材は、前記被覆電線の端末部を両側から挟み込むように設けられた第1部材及び第2部材を備え、前記第1部材は、前記被覆電線の延びる方向に所定間隔を空けて配置された少なくとも2つの第1嵌合部を有し、前記第2部材は、前記第1嵌合部と前記被覆電線の延びる方向に交互に配置される少なくとも1つの第2嵌合部を有し、前記第1及び第2部材は、それぞれ前記被覆電線が嵌まるU字溝を有し、前記第1及び第2嵌合部がそれぞれ互いに嵌合し前記第1及び第2部材が前記被覆電線の端末部を両側から挟み込んだ状態で、両側の前記U字溝によって円形を形成することを特徴とする。
本発明に係る被覆電線端末の防水構造によれば、円形状の電線挿通孔を有する環状のシール材が装着された断面非円形状の被覆電線における断面円形状に形成された端末部が、このシール材の前後に取り付けられて端末部を断面円形状に変形しつつ形状を維持する第1及び第2形状保持部材によって形状保持されるので、シール材として円形状の電線挿通孔が形成された既存のものを使用しても、所望の防水性能を確実に発揮することができる。
また、シール材の後方に配置される第2の形状保持部材において端末部を両側から挟み込むように設けられた第1及び第2部材のうち第1部材が被覆電線の延びる方向に所定間隔を空けて配置された少なくとも2つの第1嵌合部を有し、第2部材が第1嵌合部と被覆電線の延びる方向に交互に配置された少なくとも1つの第2嵌合部を有し、これらの部材がそれぞれ被覆電線が嵌まるU字溝を有し、第1及び第2嵌合部がそれぞれ互いに嵌合し第1及び第2部材が被覆電線の端末部を両側から挟み込んでこの両側のU字溝で円形を形成するので、被覆電線を断面非円形状から断面円形状に変形させるときに端末部を両側から挟み込む第1及び第2部材が被覆を噛み込んでしまうことなく、変形させた形状を維持することができる。
本発明の一実施形態においては、前記第1及び第2嵌合部は、前記U字溝の開放端に先が拡がるテーパ状のガイド面をそれぞれ有する。
本発明の他の実施形態においては、前記第1及び第2嵌合部のうち前記第1及び第2部材が前記被覆電線の端末部を両側から挟み込んだ状態で、最も外側に現れるものの前記被覆電線の延びる方向の幅が他よりも幅広に形成されている。
本発明によれば、断面円形状の電線挿通孔を有する既存のシール材を断面非円形状の被覆電線に適用しても、所望の防水性能を確実に発揮することができる。
本発明の一実施形態に係る被覆電線端末の防水構造が適用されたコネクタを示す外観斜視図である。 図1のA−A’線断面図である。 同被覆電線端末の防水構造が適用される被覆電線の端末部を製造工程毎に示す斜視図である。 同被覆電線の端末部を一部を分解した状態で示す斜視図である。 同被覆電線の端末部に取り付けられる形状保持部材を示す分解斜視図である。 同被覆電線の端末部に対して形状保持部材を取り付ける様子を示す取付動作図である。
以下、添付の図面を参照して、この発明の実施の形態に係る被覆電線端末の防水構造を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る被覆電線端末の防水構造が適用されたコネクタを示す外観斜視図、図2は図1のA−A’線断面図である。また、図3は、被覆電線端末の防水構造が適用される被覆電線の端末部を製造工程毎に示す斜視図、図4は被覆電線の端末部を一部を分解した状態で示す斜視図である。更に、図5は、被覆電線の端末部に取り付けられる形状保持部材を示す分解斜視図、図6は被覆電線の端末部に対して形状保持部材を取り付ける様子を示す取付動作図である。
図1及び図2に示すように、被覆電線端末の防水構造が適用されたコネクタ1は、複数の被覆電線20を束ねた構造の束電線10の先端側において、それぞれ解された各被覆電線20の端末部の先端をまとめて内部に収容するように取り付けられている。コネクタ1は、図示しない相手方のコネクタや筐体等(以下、「相手方接続部材」と呼ぶ。)に接続されるものである。
コネクタ1は、樹脂成形部材からなるハウジング31を備える。ハウジング31には、各被覆電線20の芯線21に接続された接続端子39をそれぞれ収容する複数の端子収容孔37が並設されている。また、コネクタ1は、ハウジング31を相手方接続部材に固定するためのハウジング固定部32を備える。ハウジング固定部32は、相手方接続部材に形成されたねじ穴に対し、ねじ止めにより取り付けるための孔部32aが複数形成されたフランジ状の先端部を有する。
コネクタ1は、また、ハウジング31とハウジング固定部32との間をシールすると共に、相手方接続部材とコネクタ1との間をシールする角丸矩形リング状のパッキン33を備える。このパッキン33は、ハウジング固定部32の先端面側に形成された溝部32b内に嵌め込まれた状態で備えられている。
ハウジング31の端子収容孔37においては、接続端子39は、係合穴39eにランス部37aの係合部が係合することにより内部に固定収容される。ハウジング31には、端子収容孔37の後端側に連通する断面丸形(丸穴)の電線収容孔38が設けられている。電線収容孔38は、端子収容孔37側の先方電線収容孔38Aと、これよりも大径の後方電線収容孔38Bとにより構成されている。
なお、電線収容孔38において、先方電線収容孔38Aと後方電線収容孔38Bとの間には段差面38aが設けられている。電線収容孔38には、接続端子39が接続されると共に、後述するシール材40やカラー50が装着された各被覆電線20の端末部が収容される。
各被覆電線20を備える束電線10は、例えば二相三線や三相三線等の3本の被覆電線20を撚り合わせて全体の外径及び断面が円形状となるように束ねて構成されている。被覆電線20は、銅、アルミニウムなどの導電材からなる芯線21が、絶縁樹脂などの絶縁材からなる被覆22に覆われた構造からなる。
被覆電線20の芯線21は、複数の素線を撚ったものである。被覆電線20の外周面23は、被覆22の外周面と同義である。ハウジング31内に収容される端末部における各被覆電線20は、上記のように束電線10を構成する際に全体の外形が断面円形状となるように撚り合わされることにより、それぞれ芯線21及びその周囲の被覆22の断面形状が非円形状の、例えば扇形状となるように形成されている。
ここで、扇形又は扇形状とは、1つの円弧部とその両端を通る2つの半径部とで囲まれた形状をいう。なお、2つの半径部がなす角度は必ずしも180°未満とは限らず、例えば半円形であってもよい。また、被覆電線20の断面形状は必ずしも厳密な扇形状ではなく、ほぼ扇形状であればよい。
なお、本実施形態においては、束電線10が3本の被覆電線からなるため、1つの被覆電線20における2つの半径部がなす角度は約120°となっている。このように、被覆電線20は主要部分の断面形状が扇形状であるので、例えば被覆電線20を3本束ねた束電線10の形態では、既存の円形導体を有する一般的な丸形電線に比べて全体の外径を小さくすることができる。従って、これら被覆電線20からなる束電線10を用いれば、電線全体の配索スペース等の省スペース化を図ることができる。
また、一般的な電線においては、芯線の導電材を銅ではなくアルミニウムにより構成すると、被覆電線全体の軽量化を図ることができるが、この場合は芯線の導電率が銅に比べて低くなってしまう。このため、銅と同等の導電率を有する被覆電線をアルミニウムの芯線により形成しようとすると、必然的に芯線のサイズが大きくなってしまうこととなる。この点、上記束電線10によれば、被覆電線20の断面形状が扇形状であるので、芯線21をアルミニウムにより構成して3本束ねたときの束電線10の全体の外径を小さくすることができる。これにより、電線全体の大型化を抑制することができる。
更に、扇形状の被覆電線20は、断面形状が丸形状の丸形電線の芯線の断面積及び被覆の厚さと同じサイズの断面積の芯線21及び厚さの被覆22で構成した場合、被覆22の外周面23の全周の長さ(周長)が丸形電線に比べて約1.13倍となる。このため、扇形状から円形状に電線を変形させた場合は、芯線21と被覆22との密着具合が丸形電線に比べて多少緩くなるという特性を備えている。本実施形態においては、この特性に着目し、被覆電線20の端末部における後述するシール材40の装着箇所において、扇形状を円形状に変形させてその形状を維持することができる構成としている。
扇形状の被覆電線20には、それぞれ先端側の芯線21に超音波溶着や抵抗溶接、圧着などにより接続端子39が接続されている。接続端子39は、金属母材を打ち抜き/折り曲げ加工等して形成される。接続端子39は、被覆電線20の端末部の芯線21と電気的に接続される電線接続部39aと、この電線接続部39aから先端側(前方)に延びる電気接触部39bとを一体的に有している。
電線接続部39aは、芯線21を挟んだ両側部に水平方向に対向するように立設配置された接続バレル部39c(図3(e)参照)を有する。電気接触部39bは、図示しない相手方接続部材の棒状の接続端子と接触して結合される部分である。本実施形態の接続端子39は、被覆電線20の延びる方向(以下、「電線軸方向」と呼ぶ。)に延びる平板状をなしている。
電気接触部39bの先端側には、棒状の接続端子が挿通される貫通穴39dが形成され、この貫通穴39dの後端側(後方)には、上述した係合穴39eが形成されている。なお、接続端子39の具体的な形状や構造は限定されるものではなく、いわゆる雌雄嵌合可能な形状を有する接続端子であってもよい。
図2〜図4に示すように、被覆電線20の端末部に接続された接続端子39の近傍における被覆22の外周側には、環状のシール材40が装着されている。なお、図4においては接続端子39を省略し、断面円形状に変形された芯線21を示している。シール材40は、例えばエラストマー等の弾性材料からなる。シール材40は、被覆電線20の扇形状に対応せず一般的な断面円形状の貫通孔からなる電線挿通孔41を中心部に有する円筒状をなしている。このため、シール材40の外周形状は後方電線収容孔38Bに対応した断面円形状である。
シール材40は、後方電線収容孔38Bの内周面と密着可能な外周面を有する。また、シール材40の電線挿通孔41は、被覆電線20の外周面23と密着可能な内周面を有する。シール材40は、後方電線収容孔38B内に収容され、この後方電線収容孔38B内において、段差面38aと後述するリテーナ60との間に挟まれて配置され、ハウジング31と被覆電線20の外周面23との間を水密に封止する。
なお、シール材40の外周面及び電線挿通孔41の内周面には、それぞれ全周に亘ってリブ状の凸部が形成されている。電線挿通孔41の内周面に形成された凸部は、後述するカラー50及びリテーナ60によって被覆電線20が扇形状から断面円形状に変形された際に、被覆電線20の被覆22に食い込むので、電線挿通孔41の内周面と被覆22との接触面積を増やして密着性を高める役割を有する。
また、被覆電線20の端末部におけるシール材40の前方の外周面23上には、第1の形状保持部材としてのカラー50が装着されている。カラー50は、扇形状の被覆電線20の外周を囲むように円形状に成形された難変形性の円筒枠状部材からなる。カラー50は、例えばその厚みが約1mm程度となるように形成されたステンレスなどの金属材からなる。
カラー50には、例えばスリット51が形成されており、被覆電線20に装着された後に加締め加工されることで、スリット51が閉じて被覆電線20を扇形状から円形状に変形させその円形状を維持する機能を備える。このカラー50は、被覆電線20の端末部と共にハウジング31の先方電線収容孔38A内に収容される。
更に、図2及び図4に示すように、被覆電線20の端末部におけるシール材40の後方の外周面23上には、第2の形状保持部材としてのリテーナ60が装着されている。このリテーナ60は、被覆電線20の端末部を両側、例えば上方側及び下方側から挟み込むように設けられた第1部材としての第1リテーナ61及び第2部材としての第2リテーナ62からなる。
リテーナ60は、例えば樹脂成形部材からなり、図1及び図2に示すように、第1及び第2リテーナ61,62が組み合わされた電線保持状態で、ハウジング31の後端側に電線収容孔38を被覆電線20と共に塞ぐように装着される。リテーナ60は、第1及び第2リテーナ61,62の端面から電線軸方向に延びるようにそれぞれ形成された複数のロック片69a,69bを有する。
これら複数のロック片69a,69bをハウジング31に形成されたロック穴31a,31bにそれぞれ係合することにより、リテーナ60は、上記電線保持状態を維持したまま第1及び第2リテーナ61,62に分かれることなくハウジング31に装着される。リテーナ60は、例えば被覆電線20の端末部及びシール材40を端子収容孔37及び段差面38aと共に、被覆電線20の軸心が電線収容孔38と同心を保つようにハウジング31内において保持する。
第1リテーナ61は、電線軸方向に所定間隔を空けて配置された複数の第1嵌合部としての第1嵌合片63を有する。第1嵌合片63は、電線軸方向に沿って少なくとも2つ備えられていればよく、ここでは電線軸方向に沿って2つ設けられている。また、第1嵌合片63は、3本の被覆電線20の並設方向(以下、「電線並設方向」と呼ぶ。)に沿って所定間隔毎に複数配設されている。
第2リテーナ62は、第1リテーナ61の第1嵌合片63と電線軸方向に交互に配置される第2嵌合部としての第2嵌合片64を有する。第2嵌合片64は、電線軸方向に沿って少なくとも1つ設けられていればよく、ここでは電線軸方向に沿って2つ設けられている。また、第2嵌合片64は、電線並設方向に沿って第1嵌合片63と被覆電線20の挟み込み方向(以下、「電線挟持方向」と呼ぶ。)に対応する位置に所定間隔毎に複数配設されている。
図4〜図6に示すように、第1リテーナ61の電線並設方向に沿った第1嵌合片63間には、電線軸方向から見て電線挟持方向における第2リテーナ62側が開放端となる第1U字溝65が複数形成されている。また、第2リテーナ62の電線並設方向に沿った第2嵌合片64間には、電線軸方向から見て電線挟持方向における第1リテーナ61側が開放端となる第2U字溝66が複数形成されている。
なお、第1及び第2嵌合片63,64には、第1及び第2U字溝65,66の開放端に先が拡がるテーパ状のガイド面67,68がそれぞれ形成されている。各U字溝65,66にガイド面67,68が形成されることにより、第1及び第2U字溝65,66で被覆電線20を挟み込むときに、第1及び第2リテーナ61,62が合わさる部分(結合面)で例えば2つの半径部と1つの円弧部との各接続点側の鋭角部分の被覆22を各U字溝65,66が噛み込んで被覆22を破損するという不具合が発生することはない。これら各ガイド面67,68は必須構成ではないため、第1及び第2U字溝65,66が形成されていれば、上記のような不具合を防止する一定の効果がある。
また、第1及び第2嵌合片63,64は、例えば第1及び第2嵌合片63,64のうち、第1及び第2リテーナ61,62が各被覆電線20の端末部を両側から挟み込んだ状態において電線軸方向の最も外側に現れるものの電線軸方向に沿った幅が、他よりも幅広となるように形成されている。これにより、挟み込んだ被覆電線20がリテーナ60の外部に出るところで屈曲してしまうことを防止することができる。
このように構成されたリテーナ60は、第1及び第2嵌合片63,64がそれぞれ櫛歯状に第2及び第1リテーナ62,61に対して嵌合し、第1及び第2リテーナ61,62が各被覆電線20の端末部を第1及び第2U字溝65,66の部分において上記のように上方側及び下方側から挟み込む。そして、各被覆電線20を完全に挟み込んだ状態のときに、電線軸方向から見て第1及び第2U字溝65,66の曲面底部同士が形成する円形によって、各被覆電線20を扇形状から円形状に変形させその円形状を維持する。
従って、本実施形態に係る被覆電線端末の防水構造においては、断面円形状の電線挿通孔41を有する既存のシール材40を扇形状の被覆電線20の端末部に装着しても、シール材40の前方に装着されたカラー50と、シール材40の後方に装着されたリテーナ60とによって、シール材40の装着箇所を含む被覆電線20の形状が扇形状から断面円形状に変形されてその形状が維持される。このため、シール材40の電線挿通孔41の内周面と被覆電線20の外周面23との接触圧は丸形電線のときと同様に均一となり密着性は良好であるので、所望の防水性能を確実に発揮することができる。
次に、本実施形態に係る被覆電線端末の防水構造が適用される被覆電線20の端末部の製造工程について説明する。
まず、図3(a)に示すように、束電線10を解して、芯線21及び被覆22を有する断面非円形状の扇形状に形成された各被覆電線20の端末部を用意する。次に、図3(b)に示すように、シール材40の電線挿通孔41に被覆電線20を通してシール材40を被覆電線20の端末部に装着する。このとき、シール材40の電線挿通孔41の形状は、扇形状の被覆電線20の外周面23に沿って崩れた形状となる。なお、シール材40は、オイル含浸タイプであってもよい。
そして、図3(c)に示すように、シール材40の前方側に、図3(c)中矢印で示す挿入方向にカラー50を挿入し、カラー50の内周面が被覆電線20の外周面23を均一に押圧するようにカラー50を加締めて被覆電線20に装着する。これにより、シール材40の前方側のカラー50の装着箇所における被覆電線20は、扇形状から断面円形状に変形されてその形状が維持される。そして、このカラー50の装着箇所から続くシール材40の装着箇所における被覆電線20も、ほぼ断面円形状となるように変形される。
その後、図3(d)に示すように、被覆電線20のカラー50の装着箇所よりも先の部分の被覆20を除去し、芯線21を露出させる。芯線21を露出させたら、図3(e)に示すように、この露出箇所に接続端子39の電線接続部39aを超音波溶着、抵抗溶接、或いは接続バレル部39cを折り曲げて圧着等することにより接続する。
次に、図5及び図6(a)に示すように、分割状態の第1及び第2リテーナ61,62からなるリテーナ60を用意する。そして、図4に示すように、シール材40、カラー50及び図示しない接続端子39が接続された各被覆電線20の端末部におけるシール材40の後方に第1及び第2リテーナ61,62を配置する。
その後、図6(b)及び(c)に示すように、例えば第2リテーナ62の第2U字溝66の開放端のガイド面68に円弧部が当接するように各被覆電線20を配置し、図6(d)及び(e)に示すように、第1及び第2リテーナ61,62の第1及び第2嵌合片63,64同士を嵌合させつつ、ガイド面67,68と第1及び第2U字溝65,66とで各被覆電線20を挟み込んでいく。このとき、各被覆電線20は、扇形状からほぼ断面円形状となるように変形していく。
最後に、図6(f)及び(g)に示すように、第1及び第2リテーナ61,62の第1及び第2嵌合片63,64を完全に嵌合すると、電線挟持方向において第1及び第2U字溝65,66の曲面底部により被覆電線20が完全に挟み込まれ、電線軸方向から見て断面円形状となるように変形された上で第1及び第2リテーナ61,62により挟持される。
これにより、シール材40の後方側のリテーナ60の装着箇所における被覆電線20は、扇形状から断面円形状に変形されてその形状が維持される。そして、このリテーナ60の装着箇所から続くシール材40の装着箇所における被覆電線20は、カラー50によりほぼ断面円形状となっていたものが更にリテーナ60の作用により断面が円形状となるように強く変形されるので、シール材40の電線挿通孔41の内周面と外周面23とが円形で均一に密着する断面円形状となる。
こうしてシール材40、カラー50、接続端子39及びリテーナ60が装着された被覆電線20の端末部を、上述したようにハウジング31に装着すれば、本実施形態に係る被覆電線端末の防水構造が適用されたコネクタ1を製造することができる。なお、上述した被覆22の除去は、接続端子39の接続に先立って行われればよい。従って、被覆22の除去は、カラー50の装着より前に行われてもよい。
但し、シール材40にオイル含浸弾性材を用いる場合は、芯線21にオイルが付着するのを避けるため、芯線21が露出される時間を極力少なくするという意味で、カラー50を装着した後に被覆22を除去する方が望ましい。また、シール材40の後方に先にリテーナ60を装着し、後からカラー50をシール材40の前方に装着したりすることもできるので、各工程の順序は上述したものに限定されるものではなく、適宜入れ替えることが可能である。
1 コネクタ
10 束電線
20 被覆電線
21 芯線
22 被覆
23 外周面
31 ハウジング
37 端子収容孔
38 電線収容孔
39 接続端子
40 シール材
41 電線挿通孔
50 カラー
60 リテーナ
61 第1リテーナ
62 第2リテーナ
63 第1嵌合片
64 第2嵌合片
65 第1U字溝
66 第2U字溝
67,68 ガイド面

Claims (3)

  1. 断面非円形状の被覆電線と、
    前記被覆電線の断面円形状に形成された端末部に装着されて断面円形状の電線挿通孔が形成された環状のシール材と、
    前記被覆電線の端末部の前記シール材の前後に取り付けられて前記被覆電線の端末部を断面円形状に変形しつつ形状を維持する第1形状保持部材及び第2形状保持部材と
    を備え、
    前記シール材の後方に配置される第2形状保持部材は、前記被覆電線の端末部を両側から挟み込むように設けられた第1部材及び第2部材を備え、
    前記第1部材は、前記被覆電線の延びる方向に所定間隔を空けて配置された少なくとも2つの第1嵌合部を有し、
    前記第2部材は、前記第1嵌合部と前記被覆電線の延びる方向に交互に配置される少なくとも1つの第2嵌合部を有し、
    前記第1及び第2部材は、それぞれ前記被覆電線が嵌まるU字溝を有し、前記第1及び第2嵌合部がそれぞれ互いに嵌合し前記第1及び第2部材が前記被覆電線の端末部を両側から挟み込んだ状態で、両側の前記U字溝によって円形を形成する
    ことを特徴とする被覆電線端末の防水構造。
  2. 前記第1及び第2嵌合部は、前記U字溝の開放端に先が拡がるテーパ状のガイド面をそれぞれ形成する
    ことを特徴とする請求項1記載の被覆電線端末の防水構造。
  3. 前記第1及び第2嵌合部のうち前記第1及び第2部材が前記被覆電線の端末部を両側から挟み込んだ状態で、最も外側に現れるものの前記被覆電線の延びる方向の幅が他よりも幅広に形成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の被覆電線端末の防水構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021131743A1 (ja) * 2019-12-25 2021-07-01 住友電装株式会社 ワイヤハーネス
WO2022079982A1 (ja) * 2020-10-14 2022-04-21 住友電装株式会社 コネクタ
WO2023228742A1 (ja) * 2022-05-24 2023-11-30 株式会社オートネットワーク技術研究所 コネクタ

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