JP6647185B2 - 溶接用ケーブルジョイント - Google Patents
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Description
そして、溶接用ケーブルは、溶接機から対象物までの距離が長くなると、導線用ケーブル104とホルダ用ケーブル105の間に溶接用ケーブルジョイント110を介して延長ケーブルが接続される。
溶接用ケーブルジョイントは、ケーブル導体を挿入して止めネジにより締結する導体挿入部を有するプラグ及びソケットからなり、一方のケーブルにプラグを装着し、他方のケーブルにソケットを装着して接続を行っていた(例えば、特許文献1参照)。
従来の溶接用ケーブルジョイントは、銅導体との接続を前提に設計されているため、銅や銅合金(例えば黄銅)が材料として使用されている。
溶接用ケーブルの導体が挿入される導体挿入部とプラグ部とを有する第一のジョイント部材と、溶接用ケーブルの導体が挿入される導体挿入部とソケット部とを有する第二のジョイント部材とを備え、前記プラグ部と前記ソケット部の連結により前記溶接用ケーブルを電気的に相互に接続する溶接用ケーブルジョイントにおいて、
前記第一のジョイント部材の前記導体挿入部と前記第二のジョイント部材の前記導体挿入部のいずれか一方の導体挿入部がアルミニウム又はアルミニウム合金から形成され、
前記アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部ではない他方の前記導体挿入部と前記プラグ部と前記ソケット部とが、銅又は銅合金から形成されていることを特徴とする。
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部に挿入され、当該導体挿入部と前記溶接用ケーブルの導体の間に介在するパイプスリーブと、
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部に挿入された前記パイプスリーブを締結する止めネジとを備え、
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部に挿入される前記パイプスリーブがアルミニウム又はアルミニウム合金から形成されている構成としても良い。
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部に挿入された前記パイプスリーブを締結する前記止めネジがアルミニウム又はアルミニウム合金から形成されている構成としても良い。
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記パイプスリーブの内側表面又は外側表面の少なくとも一方に、錫若しくは錫合金、ニッケル若しくはニッケル合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金のいずれかからなる被覆層が形成されている構成としても良い。
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部の内側表面に、錫若しくは錫合金、ニッケル若しくはニッケル合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金のいずれかからなる被覆層が形成されている構成としても良い。
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記パイプスリーブの内側に導電性のコンパウンドが内包されている構成としても良い。
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部は、かしめにより前記溶接用ケーブルの導体を保持する構造である構成としても良い。
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部と前記プラグ部又は前記ソケット部との間に、摩擦圧接接合部を備える構成としても良い。
なお、「上記各溶接用ケーブルジョイントの前記アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部と前記プラグ部又は前記ソケット部とを、摩擦圧接により接合することを特徴とする溶接用ケーブルジョイントの製造方法」としてもよい。
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部が、前記プラグ部又は前記ソケット部に対して、ロウ付け又は溶接により接合されている構成としても良い。
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部が、前記プラグ部又は前記ソケット部に対して、かしめにより接合されている構成としても良い。
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部の内側に導電性のコンパウンドが内包されている構成としても良い。
また、他方の第一又は第二のジョイント部材は、銅又は銅合金からなる既存のジョイント部材を接続するとが可能となる。
また、後述する第一〜第三の実施形態では、溶接用ケーブルジョイントが、溶接用ケーブルを構成する、導体がアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミケーブル120と導体が銅又は銅合金からなる銅ケーブル130とを接続することを前提とする。
図1は、本実施形態の溶接用ケーブルジョイント10を示す分解斜視図である。
溶接用ケーブルジョイント10は、図示のように、アルミケーブル120の導体121が挿入される導体挿入部21とプラグ部22とを有する第一のジョイント部材20と、銅ケーブル130の導体131が挿入される導体挿入部31とソケット部32とを有する第二のジョイント部材30と、第一のジョイント部材20の導体挿入部21に挿入され、導体挿入部21とアルミケーブル120の導体121の間に介在する第一のパイプスリーブ40と、第二のジョイント部材30の導体挿入部31に挿入され、導体挿入部31と銅ケーブル130の導体131の間に介在する第二のパイプスリーブ50と、第一のジョイント部材20を被覆する第一の絶縁カバー60と、第二のジョイント部材30を被覆する第二の絶縁カバー70とを備えている。
銅ケーブル130は、銅又は銅合金からなる導体131と、導体131の外周を被覆する絶縁層132とからなり、その接続端部は絶縁層132が除去され、導体131の外周が露出している。
また、導体131は、複数の素線が撚り合わされてなる。溶接用ケーブルは可撓性が要求されるので、導体131の素線は、電力ケーブルの素線と比較して非常に細く、例えば、外径が0.45[mm]である。
このように、銅ケーブル130は、細い素線を撚り合わせた導体を有するいわゆるキャブタイヤケーブルである。
アルミケーブル120は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる導体121と、導体121の外周を被覆する絶縁層122とからなり、その接続端部は絶縁層122が除去され、導体121の外周が露出している。
また、導体121は、複数の素線が撚り合わされてなる。これらの素線も、電力ケーブルの素線と比較して非常に細く、例えば、外径が0.45[mm]である。
このように、アルミケーブル120も、細い素線を撚り合わせた導体を有する、いわゆるキャブタイヤケーブルである。
第二のパイプスリーブ50は、銅又は銅合金(例えば黄銅)製の円管であり、その一端部から銅ケーブル130の導体131を挿入しやすくするために僅かに拡径しており、他端部は導体131が外に出ないように僅かに縮径している。
銅ケーブル130の導体131は、上述のように細い素線の撚り合わせからなるので、導体131をそのまま導体挿入部31に挿入すると、導体131の素線がばらけて良好な導通状態と保持力が得られにくくなるので、導体131をパイプスリーブ50を装着してから導体挿入部31に挿入する。パイプスリーブ50の内径は、導体131を挿入可能となる内径に設定されている。
第一のパイプスリーブ40は、アルミニウム又はアルミニウム合金製の円管であり、第二のパイプスリーブ50と同様に、その一端部が僅かに拡径し、他端部が僅かに縮径している。
また、素線の撚り合わせからなるアルミケーブル120の導体121を挿入可能となる内径に設定されている点も同様である。
この導電性のコンパウンドは、導電性を有する金属微粒子(例えば、亜鉛微粒子)と粘性を有するグリス(鉱物油性のグリス、シリコーングリスその他のグリス全般又はひまし油)を含んだ混合物からなる。
この導電性のコンパウンドの金属微粒子が、アルミニウム又はアルミニウム合金製の第一のパイプスリーブ40の内側表面及び導体121の各素線の酸化皮膜を破壊し、第一のパイプスリーブ40と導体121との導電性を良好に維持する。
図2は第一及び第二のジョイント部材20,30のケーブル中心線に沿った断面図、図3は第一及び第二のジョイント部材20,30の斜視図である。
第二のジョイント部材30は、全体が銅又は銅合金(例えば、黄銅)によって一体的に形成された略円柱体である。
この第二のジョイント部材30の一端部側には導体挿入部31を備え、他端部側にはソケット部32を備えている。
これらの止めネジ35は、例えば、一端部に六角穴が形成された頭無しネジである。また、各止めネジ35は、ユニクロめっきされた鋼もしくはクロムモリブデン鋼など一般的なネジ材料から形成されている。
後述する第一のジョイント部材20のプラグ部22は、円錐台形状の突起であり、挿入方向先端部に向かうにつれて縮径しており、ソケット部32は、プラグ部22の長手方向の大部分を挿入することができる。また、挿入時には、ソケット部32の内側表面とプラグ部22の外側表面とが密接するようになっている。
つまり、突起26をスリット37の直線状部分に沿わせながらプラグ部22をソケット部32に挿入し、途中から、スリット37の螺旋状部分に突起26を沿わせることにより、プラグ部22をソケット部32にねじ込むことができる。突起26はスリット37の螺旋状部分を進むことにより、プラグ部22の外側表面をソケット部32の内側表面に圧接させ、なお且つ、逆方向にねじらない限り、プラグ部22が抜ける方向への移動が規制される構造となっている。
第一のジョイント部材20は、図2及び図3に示すように、一端部側には導体挿入部21を備え、他端部側にはプラグ部22を備えた略円柱体である。
そして、導体挿入部21はアルミニウム又はアルミニウム合金によって形成されており、プラグ部22は銅又は銅合金(例えば、黄銅)によって形成されている。
そして、導体挿入部21とプラグ部22とは、異種金属であるが、摩擦圧接、ろう付け、溶接等により一体的に接合されている。これらは、接合面が母材と同等以上の強度が得られる摩擦圧接によって接合することが特に好適である。これにより、導体挿入部21とプラグ部22との間に摩擦圧接接合部が形成される。
また、接合された導体挿入部21とプラグ部22の境界面は、水分が直接付着しないよう、テープや塗料、グリス等で覆うことが望ましい。第一及び第二の絶縁カバー60,70で全体を覆うことも有効である。
そして、この開口部23の内径は、第一のパイプスリーブ40の外径より大きくなっており、第一のパイプスリーブ40を装着したアルミケーブル120の導体121を挿入することができる。
この導電性のコンパウンドは、第一のパイプスリーブ40内に使用するものと同一である。
この導電性のコンパウンドの金属微粒子が、アルミニウム又はアルミニウム合金製の導体挿入部21の内側表面及び第一のパイプスリーブ40の外側表面の酸化皮膜を破壊し、導体挿入部21と第一のパイプスリーブ40との導電性を良好に維持する。
これらの止めネジ25は、例えば、一端部に六角穴が形成された頭無しネジである。また、各止めネジ25は、導体挿入部21と同じ金属であるアルミニウム又はアルミニウム合金から形成されている。
そして、プラグ部22の外側表面には、ボス状の突起26が設けられている。
このプラグ部22をソケット部32に挿入して相互に連結する構造については既に前述した通りである。
第一及び第二の絶縁カバー60,70は、接続状態の第一及び第二のジョイント部材20,30の周囲を被覆する絶縁性のカバーである。これら絶縁カバー60,70は、絶縁性の樹脂等により形成されており、可撓性を有している。
なお、以下に説明する第一及び第二の絶縁カバー60,70の形状は一例であり、接続状態の第一及び第二のジョイント部材20,30の周囲を被覆できる形状であれば以下のものに限定されない。
本体部61は、第一のジョイント部材20を内側に格納可能である。
また、縮径部62は最も縮径したその一端部の内径がアルミケーブル120の絶縁層122の外径よりも幾分小さく、アルミケーブル120を挿通させた場合に、その絶縁層122を締め付けて密接する。
本体部71は、第二のジョイント部材30を内側に格納可能である。
また、縮径部72は最も縮径したその一端部の内径が銅ケーブル130の絶縁層132の外径よりも幾分小さく、銅ケーブル130を挿通させた場合に、その絶縁層132を締め付けて密接する。
また、大径部73は、第一の絶縁カバー60の本体部61の他端部を挿入可能な内径であり、本体部61を挿入することで第一の絶縁カバー60と第二の絶縁カバー70とを連結することができる。
上記溶接用ケーブルジョイント10による溶接用ケーブルを構成するアルミケーブル120と銅ケーブル130の接続作業について図4(A)から図4(D)の工程図により説明する。
まず、図4(A)に示すように、接続端部の絶縁層122が除去されて導体121が露出したアルミケーブル120を第一の絶縁カバー60の縮径部62側から挿入し、アルミケーブル120の接続端部から第一の絶縁カバー60を退避させておく。
同様に、接続端部の絶縁層132が除去されて導体131が露出した銅ケーブル130を第二の絶縁カバー70の縮径部72側から挿入し、銅ケーブル130の接続端部から第二の絶縁カバー70を退避させておく。
また、絶縁層132から露出した銅ケーブル130の導体131は、第二のパイプスリーブ50に挿入される。
そして、アルミケーブル120の導体121に装着された第一のパイプスリーブ40の外側表面の酸化皮膜がブラッシングで除去され、導体挿入部21に挿入され、止めネジ25により締結される。
また、第二のジョイント部材30の導体挿入部31には、銅ケーブル130の導体131に装着された第二のパイプスリーブ50が挿入され、止めネジ35により締結される。
これにより、第一及び第二のジョイント部材20,30と第一及び第二のパイプスリーブ40,50とアルミケーブル120の導体121と銅ケーブル130の導体131とが被覆され、外部に対して絶縁状態となり、アルミケーブル120と銅ケーブル130の接続作業が完了する。
なお、第一の絶縁カバー60と第二の絶縁カバー70を退避位置から第一のジョイント部材20又は第二のジョイント部材30を覆う位置に移動させてから、第一のジョイント部材20と第二のジョイント部材30とを接続しても良い。
上記溶接用ケーブルジョイント10は、第一のジョイント部材20の導体挿入部21がアルミニウム又はアルミニウム合金から形成され、第一のジョイント部材20のプラグ部22と第二のジョイント部材30の導体挿入部31及びソケット部32が銅又は銅合金で形成されており、第一のジョイント部材20の導体挿入部21とプラグ部22とが予め接合されていることから、溶接用ケーブルを構成するアルミケーブル120と銅ケーブル130とを接続する場合に、異種金属接触腐食と応力緩和/クリープによる発熱の発生を効果的に回避又は抑制することが可能となる。
また、アルミケーブル120と銅ケーブル130を接続する場合において、上記発熱の発生を回避又は抑制しつつ、第二のジョイント部材30と同じソケット構造を有する既存の銅又は銅合金製のジョイント部材を使用することが可能となる。
また同様に、第一のジョイント部材20の導体挿入部21の内側に導電性のコンパウンドが内包されているので、導体挿入部21の内側表面と、第一のパイプスリーブ40の外側表面の酸化皮膜を効果的に破壊することができ、これらの間を良好に導通させることが可能となる。
なお、上述した溶接用ケーブルジョイント10は、第一のジョイント部材20の導体挿入部21がアルミニウム又はアルミニウム合金で形成されているが、これに限られない。
例えば、図5及び図6に示すように、銅又は銅合金製の導体挿入部21A及びプラグ部22を備える第一のジョイント部材20Aとアルミニウム又はアルミニウム合金製の導体挿入部31Aと銅又は銅合金製のソケット部32を備える第二のジョイント部材30Aとを使用しても良い。
この場合、銅ケーブル130の導体131に第二のパイプスリーブ50を装着して第一のジョイント部材20Aの導体挿入部21Aに挿入し、アルミケーブル120の導体121に第一のパイプスリーブ40を装着して第二のジョイント部材30Aの導体挿入部31Aに挿入する。
また、導体挿入部21Aにおいて第二のパイプスリーブ50を締結する止めネジ25Aは、ユニクロめっきした鋼もしくはクロムモリブデン鋼など一般的なネジ材料が望ましく、導体挿入部31Aにおいて第一のパイプスリーブ40を締結する止めネジ35Aは、熱膨張係数を合わせるならアルミニウム又はアルミニウム合金で形成することが望ましい。
このような、第一のジョイント部材20A及び第二のジョイント部材30Aを備える溶接用ケーブルジョイントの場合も前述した溶接用ケーブルジョイント10と同一の効果を得ることが出来る。
図1の溶接用ケーブルジョイント10において、第一のジョイント部材20の導体挿入部21の内側表面又は第一のパイプスリーブ40の外側表面又はこれらの両方に、錫若しくは錫合金、ニッケル若しくはニッケル合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金のいずれかからなる被覆層をメッキで形成しても良い。これにより、被覆層を形成した面において、酸化皮膜の影響を低減することが可能となり、ブラッシングも省略出来る。また、第一のジョイント部材20の導体挿入部21の内側表面と第一のパイプスリーブ40の外側表面の両方にメッキを施すと、導電性のコンパウンドを塗布することを省略しても、良好な導電性を確保することが可能となる。
また、図5及び図6のように、第二のジョイント部材30Aの導体挿入部31Aをアルミニウム又はアルミニウム合金製とした場合には、当該導体挿入部31Aの内側表面に錫若しくは錫合金、ニッケル若しくはニッケル合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金のいずれかからなる被覆層をメッキで形成しても良い。
前述した第一のジョイント部材20及び第二のジョイント部材30では、導体挿入部21,31が、各ケーブル120,130の導体121,131をパイプスリーブ40,50を介して止めネジ25,35の締結により保持する構造を採用していたが、これに限られない。
この導体挿入部21Bは、一端部が開口し、他端部が閉塞されたアルミニウム又はアルミニウム合金製の円筒である。この導体挿入部21Bは、閉塞された端部側がプラグ部22と接合されている。
また、接合された導体挿入部21Bとプラグ部22の境界面は、水分が直接付着しないよう、テープや塗料、グリスなどで覆うことが望ましい。前述した第一及び第二の絶縁カバー60,70で全体を覆うことも有効である。
なお、上記かしめの際に、導体挿入部21Bの内側表面と導体121の各素線の表面の酸化皮膜をブラッシングで除去し、導体挿入部21B内には導電性のコンパウンドを介在させる。
この場合、第二のジョイント部材30Bの導体挿入部31Bは、前述した導体挿入部21Bと同様に、ソケット部32に対して、摩擦圧接、ろう付け、溶接等により接合される。
また、この場合、第一のジョイント部材は、導体挿入部とプラグ部22とが銅又は銅合金により一体的に形成され、その導体挿入部は、銅ケーブル130の導体131をかしめにより保持する構成とする。
このような構成の場合も、前述した図7の第一のジョイント部材20Bを備える構成と同じ効果を得ることが可能である。
前述した第二の実施形態では、かしめによりアルミケーブル120の導体121を保持する導体挿入部21Bがプラグ部22に対して摩擦圧接、ろう付け又は溶接等により接合される場合を例示したがこれに限定されない。
プラグ部22Cは、凸部28Cを有する点以外は前述したプラグ部22と同一の構造である。
そして、導体挿入部21Cの一端部にプラグ部22Cの凸部28Cを挿入し、導体挿入部21Cの一端部を圧縮によりかしめて、導体挿入部21Cとプラグ部22Cとを接合しても良い。
なお、この導体挿入部21Cによるアルミケーブル120の導体121の保持もかしめにより行われる。
また、接合された導体挿入部21Cとプラグ部22Cの境界面は、水分が直接付着しないよう、テープや塗料、グリスなどで覆うことが望ましい。前述した第一及び第二の絶縁カバー60,70で全体を覆うことも有効である。
その際、導体121の素線の表面の酸化皮膜の除去及び導電性のコンパウンドの塗布を行うべきことは言うまでもない。
さらに、導体挿入部21Cは、かしめによりプラグ部22Cの凸部28Cに接合される構造であるため、導体挿入部21Cとプラグ部22Cとの接合作業を容易に行うことが可能となる。
また、導体挿入部21Cとプラグ部22Cとの接合作業と導体挿入部21Cにより導体121の保持作業を同時に行うことも可能となり、作業性の向上を図ることが可能となる。
また、例えば、第一のジョイント部材は、導体挿入部とプラグ部とが銅又は銅合金により一体的に形成され、その導体挿入部は、銅ケーブル130の導体131をかしめに保持する構成とする。また、前述したネジ止め式のジョイント部材を使用しても良い。
このような構成の場合も、前述した図9の第一のジョイント部材20Cを備える構成と同じ効果を得ることが可能である。
銅ケーブル130を溶接用ケーブルとして使用している溶接の現場において、アルミケーブル120を導入する場合、溶接用ケーブルを構成する複数のケーブルの一部を置き換えることが想定される。
具体的には、銅ケーブル130が三本連結して使用されている現場において、その内の1本をアルミケーブル120に交換する場合に、上記第一〜第三の実施形態で説明した溶接用ケーブルジョイントを構成する第一のジョイント部材20〜20C及び第二のジョイント部材30〜30Cが以下の態様で使用される。
(1)第一の実施形態で説明した、銅又は銅合金により一体的に形成された第一のジョイント部材20A
(2)第二の実施形態で説明した、かしめにより銅ケーブル130の導体131を保持する導体挿入部とプラグ部22とが銅又は銅合金により一体的に形成された第一のジョイント部材
(3)第一の実施形態で説明した、銅又は銅合金により一体的に形成された第二のジョイント部材30
(4)第二の実施形態で説明した、かしめにより銅ケーブル130の導体131を保持する導体挿入部とソケット部32とが銅又は銅合金により一体的に形成された第二のジョイント部材
(5)第一の実施形態で説明した、第一のジョイント部材20
(6)第二の実施形態で説明した、第一のジョイント部材20B
(7)第三の実施形態で説明した、第一のジョイント部材20C
(8)第一の実施形態で説明した、第二のジョイント部材30A
(9)第二の実施形態で説明した、第二のジョイント部材30B
(10)第二の実施形態で説明した、第二のジョイント部材30C
但し、アルミケーブル120に装備するジョイント部材は、相手側のプラグ部又はソケット部に対して寸法及び形状が整合して連結可能なソケット部又はプラグ部を有するジョイント部材を使用する必要がある。
例えば、プラグ部とソケット部が嵌合するのなら、図5に示すネジ止めによる第一のジョイント部材20Aが先に銅ケーブル130に取り付けられているところに、図8に示す本発明のかしめによる第二のジョイント部材30Bを取り付けたアルミケーブル120を接続することが可能である。
前述した各実施形態において、材質を銅又は銅合金と例示したプラグ部、ソケット部、導体挿入部、第一又は第二のパイプスリーブ、止めねじについては、銅又は銅合金以外の金属材料、例えば、銀若しくは銀合金材料又は銅、銅合金、銀、銀合金、錫、錫合金若しくはニッケル若しくはニッケル合金のいずれかからなる被覆層で覆われた金属材料から形成してもよい。
一方のアルミケーブル120に第一のジョイント部材20,20B又は20Cを装着し、他方のアルミケーブル120には第二のジョイント部材30A,30B又は30Cを装着することでアルミケーブル120同士を接続することが可能となる。
なお、この場合もプラグ部とソケット部とが嵌合可能であれば、導体121の接続方式が一致する必要はない。
20,20A,20B,20C 第一のジョイント部材
21,21A,21B,21C 導体挿入部
22,22C プラグ部
23 開口部
24 ネジ穴
25,25A 止めネジ
26 突起
28C 凸部
30,30A,30B,30C 第二のジョイント部材
31,31A,31B,31C 導体挿入部
32 ソケット部
33 開口部
34 ネジ穴
35,35A 止めネジ
36 縮径開口部
37 スリット
38C 凸部
40 第一のパイプスリーブ
50 第二のパイプスリーブ
60 第一の絶縁カバー
61 本体部
62 縮径部
70 第二の絶縁カバー
71 本体部
72 縮径部
73 大径部
100 アーク溶接装置
101 溶接機
102 ホルダ
103 アースクランプ
104 導線用ケーブル
105 ホルダ用ケーブル
120 アルミケーブル
121 導体
122 絶縁層
130 銅ケーブル
131 導体
132 絶縁層
Claims (12)
- 溶接用ケーブルの導体が挿入される導体挿入部とプラグ部とを有する第一のジョイント部材と、溶接用ケーブルの導体が挿入される導体挿入部とソケット部とを有する第二のジョイント部材とを備え、前記プラグ部と前記ソケット部の連結により前記溶接用ケーブルを電気的に相互に接続する溶接用ケーブルジョイントにおいて、
前記第一のジョイント部材の前記導体挿入部と前記第二のジョイント部材の前記導体挿入部のいずれか一方の導体挿入部がアルミニウム又はアルミニウム合金から形成され、
前記アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部ではない他方の前記導体挿入部と前記プラグ部と前記ソケット部とが、銅又は銅合金から形成され、
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部に挿入され、当該導体挿入部と前記溶接用ケーブルの導体の間に介在するパイプスリーブと、
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部に挿入された前記パイプスリーブを締結する止めネジとを備え、
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部に挿入される前記パイプスリーブがアルミニウム又はアルミニウム合金から形成されており、
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記パイプスリーブの内側表面又は外側表面の少なくとも一方に、錫若しくは錫合金、ニッケル若しくはニッケル合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金のいずれかからなる被覆層が形成されていることを特徴とする溶接用ケーブルジョイント。 - 溶接用ケーブルの導体が挿入される導体挿入部とプラグ部とを有する第一のジョイント部材と、溶接用ケーブルの導体が挿入される導体挿入部とソケット部とを有する第二のジョイント部材とを備え、前記プラグ部と前記ソケット部の連結により前記溶接用ケーブルを電気的に相互に接続する溶接用ケーブルジョイントにおいて、
前記第一のジョイント部材の前記導体挿入部と前記第二のジョイント部材の前記導体挿入部のいずれか一方の導体挿入部がアルミニウム又はアルミニウム合金から形成され、
前記アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部ではない他方の前記導体挿入部と前記プラグ部と前記ソケット部とが、銅又は銅合金から形成され、
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部に挿入され、当該導体挿入部と前記溶接用ケーブルの導体の間に介在するパイプスリーブと、
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部に挿入された前記パイプスリーブを締結する止めネジとを備え、
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部に挿入される前記パイプスリーブがアルミニウム又はアルミニウム合金から形成されており、
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部の内側表面に、錫若しくは錫合金、ニッケル若しくはニッケル合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金のいずれかからなる被覆層が形成されていることを特徴とする溶接用ケーブルジョイント。 - 溶接用ケーブルの導体が挿入される導体挿入部とプラグ部とを有する第一のジョイント部材と、溶接用ケーブルの導体が挿入される導体挿入部とソケット部とを有する第二のジョイント部材とを備え、前記プラグ部と前記ソケット部の連結により前記溶接用ケーブルを電気的に相互に接続する溶接用ケーブルジョイントにおいて、
前記第一のジョイント部材の前記導体挿入部と前記第二のジョイント部材の前記導体挿入部のいずれか一方の導体挿入部がアルミニウム又はアルミニウム合金から形成され、
前記アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部ではない他方の前記導体挿入部と前記プラグ部と前記ソケット部とが、銅又は銅合金から形成され、
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部に挿入され、当該導体挿入部と前記溶接用ケーブルの導体の間に介在するパイプスリーブと、
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部に挿入された前記パイプスリーブを締結する止めネジとを備え、
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部に挿入される前記パイプスリーブがアルミニウム又はアルミニウム合金から形成されており、
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記パイプスリーブの内側に導電性のコンパウンドが内包され、
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記パイプスリーブの内側表面又は外側表面の少なくとも一方に、錫若しくは錫合金、ニッケル若しくはニッケル合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金のいずれかからなる被覆層が形成されていることを特徴とする溶接用ケーブルジョイント。 - 溶接用ケーブルの導体が挿入される導体挿入部とプラグ部とを有する第一のジョイント部材と、溶接用ケーブルの導体が挿入される導体挿入部とソケット部とを有する第二のジョイント部材とを備え、前記プラグ部と前記ソケット部の連結により前記溶接用ケーブルを電気的に相互に接続する溶接用ケーブルジョイントにおいて、
前記第一のジョイント部材の前記導体挿入部と前記第二のジョイント部材の前記導体挿入部のいずれか一方の導体挿入部がアルミニウム又はアルミニウム合金から形成され、
前記アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部ではない他方の前記導体挿入部と前記プラグ部と前記ソケット部とが、銅又は銅合金から形成され、
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部の内側に導電性のコンパウンドが内包されており、
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部に挿入され、当該導体挿入部と前記溶接用ケーブルの導体の間に介在するパイプスリーブと、
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部に挿入された前記パイプスリーブを締結する止めネジとを備え、
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部に挿入される前記パイプスリーブがアルミニウム又はアルミニウム合金から形成されており、
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記パイプスリーブの内側表面又は外側表面の少なくとも一方に、錫若しくは錫合金、ニッケル若しくはニッケル合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金のいずれかからなる被覆層が形成されていることを特徴とする溶接用ケーブルジョイント。 - アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部は、かしめにより前記溶接用ケーブルの導体を保持する構造であることを特徴とする請求項4記載の溶接用ケーブルジョイント。
- アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記パイプスリーブの内側表面又は外側表面の少なくとも一方に、錫若しくは錫合金、ニッケル若しくはニッケル合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金のいずれかからなる被覆層が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の溶接用ケーブルジョイント。
- アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部の内側表面に、錫若しくは錫合金、ニッケル若しくはニッケル合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金のいずれかからなる被覆層が形成されていることを特徴とする請求項1,3,4,6のいずれか一項に記載の溶接用ケーブルジョイント。
- アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記パイプスリーブの内側に導電性のコンパウンドが内包されていることを特徴とする請求項1,2,3,4,6,7のいずれか一項に記載の溶接用ケーブルジョイント。
- アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部の内側に導電性のコンパウンドが内包されていることを特徴とする請求項1,2,3,4,6,7,8のいずれか一項に記載の溶接用ケーブルジョイント。
- アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部と前記プラグ部又は前記ソケット部との間に、摩擦圧接接合部を備えることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の溶接用ケーブルジョイント。
- アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部が、前記プラグ部又は前記ソケット部に対して、ロウ付け又は溶接により接合されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の溶接用ケーブルジョイント。
- アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された前記導体挿入部が、前記プラグ部又は前記ソケット部に対して、かしめにより接合されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の溶接用ケーブルジョイント。
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