JP2018067516A - 絶縁電線、樹脂ワニス及び絶縁電線の製造方法 - Google Patents

絶縁電線、樹脂ワニス及び絶縁電線の製造方法 Download PDF

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雄大 古屋
Yudai Furuya
雄大 古屋
吉田 健吾
Kengo Yoshida
健吾 吉田
田村 康
Yasushi Tamura
康 田村
悠史 畑中
Yuji Hatanaka
悠史 畑中
菅原 潤
Jun Sugawara
潤 菅原
雅晃 山内
Masaaki Yamauchi
雅晃 山内
修平 前田
Shuhei Maeda
修平 前田
齋藤 秀明
Hideaki Saito
秀明 齋藤
槙弥 太田
Shinya Ota
槙弥 太田
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Abstract

【課題】本発明は、絶縁層の密着力の低下を抑制しつつ、絶縁層の低誘電率化を図ることができる絶縁電線を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の一態様に係る絶縁電線は、線状の導体と、この導体の外周面に積層される1又は複数の絶縁層とを備える絶縁電線であって、上記1又は複数の絶縁層の少なくとも1層が、樹脂マトリックスと、この樹脂マトリックス中に分散する気泡とを備え、上記樹脂マトリックスがポリイミド及びポリエーテルスルホンを含有する。【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁電線、樹脂ワニス及び絶縁電線の製造方法に関する。
適用電圧が高い電気機器、例えば高電圧で使用されるモータ等では、電気機器を構成する絶縁電線に高電圧が印加され、その絶縁被膜表面で部分放電(コロナ放電)が発生し易くなる。コロナ放電の発生によって、局部的な温度上昇、オゾンの発生、イオンの発生等が引き起こされると、早期に絶縁破壊を生じ、絶縁電線ひいては電気機器の寿命が短くなる。このため、適用電圧が高い電気機器に使用される絶縁電線には、優れた絶縁性、機械的強度等に加えてコロナ放電開始電圧を高めることも求められる。
コロナ放電開始電圧を上げるためには、導体の外周面に積層される絶縁被膜の誘電率を小さくすることが有効である。このような低い誘電率の絶縁被膜として、気泡を有する発泡樹脂層が用いられる絶縁電線が提案されている(特開平10−168248号公報参照)。
特開平10−168248号公報
しかしながら、上記公報に記載の絶縁電線は、発泡樹脂層が気泡を有するため、この気泡に起因して発泡樹脂層の密着力が低下するおそれがある。つまり、従来の絶縁電線にあっては、絶縁層の低誘電率化と密着力とはトレードオフの関係にある。
本発明は以上のような事情に基づいたものであり、絶縁層の密着力の低下を抑制しつつ、絶縁層の低誘電率化を図ることができる絶縁電線、樹脂ワニス及び絶縁電線の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係る絶縁電線は、線状の導体と、この導体の外周面に積層される1又は複数の絶縁層とを備える絶縁電線であって、上記1又は複数の絶縁層の少なくとも1層が、樹脂マトリックスと、この樹脂マトリックス中に分散する気泡とを備え、上記樹脂マトリックスがポリイミド(以下、「PI」ともいう。)及びポリエーテルスルホン(以下、「PES」ともいう。)を含有する。
上記課題を解決するためになされた本発明の他の一態様に係る樹脂ワニスは、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを反応させて得られるポリイミド前駆体、ポリエーテルスルホン及び気泡形成粒子を含有する。
上記課題を解決するためになされた本発明の他の一態様に係る絶縁電線の製造方法は、線状の導体と、この導体の外周面に積層される1又は複数の絶縁層とを備える絶縁電線の製造方法であって、上記導体の外周側に、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを反応させて得られるポリイミド前駆体、ポリエーテルスルホン及び気泡形成粒子を含有する樹脂ワニスを塗布する塗布工程と、上記塗布された樹脂ワニスを加熱する加熱工程とを備える。
本発明の絶縁電線及び樹脂ワニスは、絶縁層の密着力の低下を抑制しつつ、絶縁層の低誘電率化を図ることができる。また、本発明の絶縁電線の製造方法は、絶縁層の密着力の低下を抑制しつつ、絶縁層の低誘電率化を図ることができる絶縁電線を容易かつ確実に製造することができる。
本発明の一実施形態に係る絶縁電線を示す模式的断面図である。 図1の絶縁電線の模式的部分拡大図である。 図1の絶縁電線とは異なる実施形態に係る絶縁電線を示す模式的断面図である。
[本発明の実施形態の説明]
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係る絶縁電線は、線状の導体と、この導体の外周面に積層される1又は複数の絶縁層とを備える絶縁電線であって、上記1又は複数の絶縁層の少なくとも1層が、樹脂マトリックスと、この樹脂マトリックス中に分散する気泡とを備え、上記樹脂マトリックスがポリイミド及びポリエーテルスルホンを含有する。
当該絶縁電線は、上記樹脂マトリックスがPIと共にPESを含有するので、この絶縁層の密着力の低下を抑制することができる。そのため、当該絶縁電線は、絶縁層に比較的多くの気泡を分散することができる。従って、当該絶縁電線は、絶縁層の密着力の低下を抑制しつつ、絶縁層の低誘電率化を図ることができる。なお、上記樹脂マトリックスがPI及びPESを含有することによって絶縁層の密着力の低下を抑制することができる理由は定かではないが、PESが接着剤として機能することで絶縁層の密着性の低下を抑制しているものと考えられる。
上記樹脂マトリックスが海島構造を有し、上記海島構造の海相の主成分が上記ポリイミド、島相の主成分が上記ポリエーテルスルホンであるとよい。このように、上記海島構造の海相の主成分がPI、島相の主成分がPESであることによって、絶縁層の密着力の向上に寄与するPESが樹脂マトリックス中に均一に分散され易い。そのため、絶縁層の密着力の低下を容易かつ確実に抑制することができる。
上記樹脂マトリックス中のポリエーテルスルホンの含有量としては、5質量%以上30質量%以下が好ましい。このように、上記樹脂マトリックス中のPESの含有量が上記範囲内であることで、絶縁層の機械的特性を維持しつつこの絶縁層の密着力の低下を抑制することができる。
上記気泡が、複数の熱分解性樹脂粒子に由来するとよい。このように、上記気泡が、複数の熱分解性樹脂粒子に由来することによって、絶縁層の密着力の低下を容易かつ確実に抑制することができる。つまり、上述の従来技術のように、発泡剤を発泡させることで絶縁層に気泡を形成する場合、気泡形成時の発泡剤の発泡に起因して絶縁層が膨張する。これに対し、気泡が熱分解性樹脂に由来する場合、絶縁層が不用意に変形しないので、この絶縁層の密着力の低下を抑制し易い。
上記気泡の含有率としては、5体積%以上70体積%以下が好ましい。このように、上記気泡の含有率が上記範囲内であることによって、密着力の低下が抑制されると共に低誘電率化が図られる絶縁層を確実に形成できる。
本発明の一態様に係る樹脂ワニスは、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを反応させて得られるポリイミド前駆体、ポリエーテルスルホン及び気泡形成粒子を含有する。
当該樹脂ワニスは、上記ポリイミド前駆体、PES及び気泡形成粒子を含有するので、当該樹脂ワニスを用いて導体の外周面に積層される絶縁層を形成すると、PI及びPESを含有する樹脂マトリックスと、この樹脂マトリックス中に分散される気泡とを備える絶縁層を形成することができる。このように形成された絶縁層は、上記樹脂マトリックスがPIと共にPESを含有するので、この絶縁層の密着力の低下を抑制することができる。そのため、この絶縁層は比較的多くの気泡を分散することができる。従って、当該樹脂ワニスは、絶縁層の密着力の低下を抑制しつつ、絶縁層の低誘電率化を図ることができる。
上記気泡形成粒子が、熱分解性樹脂粒子であるとよい。このように、上記気泡形成粒子が熱分解性樹脂粒子であることによって、絶縁層の密着力の低下を容易かつ確実に抑制することができる。
本発明の一態様に係る絶縁電線の製造方法は、線状の導体と、この導体の外周面に積層される1又は複数の絶縁層とを備える絶縁電線の製造方法であって、上記導体の外周側に、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを反応させて得られるポリイミド前駆体、ポリエーテルスルホン及び気泡形成粒子を含有する樹脂ワニスを塗布する塗布工程と、上記塗布された樹脂ワニスを加熱する加熱工程とを備える。
当該絶縁電線の製造方法は、導体の外周側にPI及びPESを含有する樹脂マトリックスと、この樹脂マトリックス中に分散される気泡とを備える絶縁層を形成することができる。このように形成された絶縁層は、上記樹脂マトリックスがPIと共にPESを含有するので、この絶縁層の密着力の低下を抑制することができる。そのため、この絶縁層は比較的多くの気泡を分散することができる。従って、当該絶縁電線の製造方法は、絶縁層の密着力の低下を抑制しつつ、絶縁層の低誘電率化を図ることが可能な絶縁電線を容易かつ確実に製造することができる。
なお、本発明において、「海島構造」とは、海相を形成する樹脂相中に、島相を形成する樹脂相(ドメイン)が分散した構造をいう。「主成分」とは、最も含有量の多い成分をいい、例えば50質量%以上含有される成分をいい、好ましくは70質量%以上含有される成分をいう。「熱分解性樹脂粒子」とは、加熱によって分解することで、加熱前に占めていた領域で少なくとも1部が消失する樹脂粒子をいう。「気泡の含有率」とは、気泡を有する絶縁層の体積に対するこの絶縁層内の気泡の容積の百分率である。この気泡の含有率は、気泡を有する絶縁層の固体分の質量と密度とから算出される実体積をV0、気泡を有する絶縁層の気泡を含むみかけの体積をV1とするとき、(V1−V0)/V1×100で算出することができる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明に係る絶縁電線の一つの実施形態について図面を参照しつつ詳説する。
[第一実施形態]
図1の絶縁電線1は、線状の導体2と、この導体2の外周面に積層される1つの絶縁層3とを備える。当該絶縁電線1は、例えばコイルに使用される。
<導体>
導体2は例えば断面が円形状の丸線とされるが、断面が方形状の角線であってもよい。
導体2の材質としては、導電率が高くかつ機械的強度が大きい金属が好ましい。このような金属としては、例えば銅、銅合金、アルミニウム、ニッケル、銀、軟鉄、鋼、ステンレス鋼等が挙げられる。導体2は、これらの金属を線状に形成した材料や、このような線状の材料にさらに別の金属を被覆した多層構造のもの、例えばニッケル被覆銅線、銀被覆銅線、銅被覆アルミ線、銅被覆鋼線等を用いることができる。
導体2の平均断面積(軸と垂直な断面の平均断面積)の下限としては、0.01mmが好ましく、0.1mmがより好ましい。一方、導体2の平均断面積の上限としては、100mmが好ましく、50mmがより好ましい。導体2の平均断面積が上記下限未満であると、導体2に対する絶縁層3の体積が大きくなり、当該絶縁電線1を用いて形成されるコイル等の体積効率が低くなるおそれがある。一方、導体2の平均断面積が上記上限を超えると、当該絶縁電線1が不必要に大径化するおそれがある。なお、「導体の平均断面積」とは、導体の軸と垂直な任意の10個の断面における断面積の平均値をいう。
<絶縁層>
絶縁層3は、樹脂マトリックスと、この樹脂マトリックス中に分散する気泡とを備える。上記気泡は、樹脂マトリックス中に均一に分散している。絶縁層3は、ポリイミド前駆体、PES及び複数の気泡形成粒子を含有する樹脂ワニスを導体2の外周面に塗布した後、この樹脂ワニスを加熱することで導体2の外周側に焼付けられる。
(樹脂マトリックス)
上記樹脂マトリックスは、PI及びPESを含有する。当該絶縁電線1は、上記樹脂マトリックスがPIと共にPESを含有するので、この絶縁層3の密着力の低下を抑制することができる。そのため、当該絶縁電線1は、絶縁層2に比較的多くの気泡を分散することができる。従って、当該絶縁電線1は、絶縁層3の密着力の低下を抑制しつつ、絶縁層3の低誘電率化を図ることができる。なお、上記樹脂マトリックスがPI及びPESを含有することによって絶縁層3の密着力の低下を抑制することができる理由は定かではないが、PESが接着剤として機能することで絶縁層3の密着性の低下を抑制しているものと考えられる。
上記PIは、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを反応して得られるポリイミド前駆体(ポリアミック酸)の加熱によって得られる。具体的には、上記PIは、上記ポリイミド前駆体を含有する樹脂ワニスを導体2の外周側に塗布した上、この樹脂ワニスを加熱することによって得られる。また、上記ポリイミド前駆体は、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの縮合重合によって得られる。この縮合重合反応は従来のポリイミド前駆体の合成と同様の条件にて行うことができる。例えば芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを有機溶剤中で混合し、この混合液を加熱することにより芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとが縮合重合してポリイミド前駆体を含む溶液が得られる。
上記芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えばピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらの芳香族テトラカルボン酸二無水物は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの芳香族テトラカルボン酸二無水物のうち、PMDAは剛直な構造を有するため、イミド化後のPIの耐熱性を向上できる点で好ましい。
上記芳香族ジアミンとしては、例えば4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、2,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、2,4’−ジアミノジフェニルスルホン、2,2’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2’−ジアミノジフェニルスルフィド、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ベンゾフェノンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。これらの芳香族ジアミンは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの芳香族ジアミンのうち、ODA、BAPP及びこれらの組み合わせが好ましい。中でも、上記芳香族ジアミンとしてODAを配合すると、PIの靱性を向上させることができる点で特に好ましい。また、上記芳香族ジアミンとして分子鎖が比較的長いBAPPを配合すると、加工時等の応力を受けた際の絶縁層3の損傷を抑制できる点で特に好ましい。
なお、上記ポリイミド前駆体を形成する成分としては、上述の本実施形態の効果を損なわない限り、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物や、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミンが配合されてもよい。
上記マトリックス中のPIの含有量の下限としては、70質量%が好ましく、80質量%がより好ましい。一方、上記マトリックス中のPIの含有量の上限としては、95質量%が好ましく、92質量%がより好ましい。上記マトリックス中のPIの含有量が上記下限に満たないと、絶縁層3の耐熱性が不十分となるおそれがある。逆に、上記マトリックス中のPIの含有量が上記上限を超えると、マトリックス中のPESの含有量が不十分となり、絶縁層3の密着力が低下するおそれがある。
ポリイミド前駆体の重量平均分子量の下限としては、10,000が好ましく、30,000がより好ましい。一方、上記PIの重量平均分子量の上限としては、300,000が好ましく、100,000がより好ましい。上記PIの重量平均分子量が上記下限に満たないと、絶縁層3の機械的強度が不十分となるおそれがある。逆に、上記PIの重量平均分子量が上記上限を超えると、樹脂ワニスを用いた絶縁層3の形成が困難になるおそれがある。なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)装置を使用して、展開溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用い、単分散ポリスチレンを標準として測定した値である。
上記PESは、構成分子中にスルホニル基を有する熱可塑性ポリマーであり、例えばジハロゲノジフェニルスルホンとジヒドロキシジフェニルスルホンとを縮合重合させることにより得られる。PESは、耐熱性が高く、ポリイミド前駆体と適度に相溶するため、上記ポリイミド前駆体を含有する樹脂ワニスに配合するのに適している。
上記マトリックス中のPESの含有量の下限としては、5質量%が好ましく、8質量%がより好ましい。一方、上記マトリックス中のPESの含有量の上限としては、30質量%が好ましく、25質量%がより好ましい。上記マトリックス中のPESの含有量が上記下限に満たないと、絶縁層3の密着力が十分に高まらないおそれがある。逆に、上記マトリックス中のPESの含有量が上記上限を超えると、絶縁層3の耐熱性が不十分となるおそれがある。
上記PESの重量平均分子量の下限としては、10,000が好ましく、30,000がより好ましい。一方、上記PESの重量平均分子量の上限としては、100,000が好ましく、80,000がより好ましい。上記PESの重量平均分子量を上記下限以上とすることにより、絶縁層3の耐熱性の低下を抑制できる。一方、上記PESの重量平均分子量が上記上限を超えると、樹脂ワニスの塗布性が低下するおそれがある。なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)装置を使用し、展開溶媒としてNMPを用い、単分散ポリスチレンを標準として測定した値である。
上記芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを縮合重合させる際の反応条件は使用するモノマー等により適宜設定すればよく、例えば反応温度を10℃以上80℃以下とし、反応時間を0.5時間以上24時間以下とすればよい。
縮合重合させる際、芳香族テトラカルボン酸二無水物の合計量(当量)と芳香族ジアミンの合計量(当量)とを約1:1とすることが好ましい。これにより、縮合重合反応を良好に進行させることができる。
有機溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン等の非プロトン性極性有機溶剤が使用できる。これらの有機溶剤は単独で用いても2種以上を組み合わせても良い。
有機溶剤の量は、芳香族テトラカルボン酸二無水物及び芳香族ジアミンを均一に分散させることができる量であれば特に制限されないが、例えばこれらのモノマー成分の合計量100質量部に対して100質量部以上1000質量部以下の範囲となるように使用すればよい。
なお、上記樹脂マトリックスは、上述の本実施形態の効果を損なわない範囲で、上記PI及びPES以外の樹脂を含有していてもよい。上記樹脂マトリックスに含有可能な樹脂としては、例えばフェノキシ樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルホルマール、ポリウレタン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリエステルアミドイミド、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニルサルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、共重合ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルケトン等が挙げられる。
さらに、上記樹脂マトリックスには、上記成分以外に、顔料、染料、無機又は有機のフィラー、潤滑剤、密着向上剤等の各種添加剤や反応性低分子、相溶化剤などを添加してもよい。中でも、密着向上剤としてメラミンを添加すると、導体2と絶縁層3との密着力を向上できる。
また、上記樹脂マトリックスは、海島構造を有するのが好ましい。さらに、上記海島構造の海相の主成分が上記PI、島相の主成分が上記PESであることが好ましい。海島構造とは、海相中に島相が点在する構造であり、本実施形態においては海相中に複数の島相が均一に分散している。当該絶縁電線1は、上記樹脂マトリックスが海島構造を有し、上記海島構造の海相の主成分がPI、島相の主成分がPESであることによって、絶縁層3と導体2との密着力の向上に寄与するPESが樹脂マトリックス中に均一に分散され易い。そのため、上記樹脂マトリックスが海島構造を有することで、絶縁層3の密着力の低下を容易かつ確実に防止することができる。
上記海相におけるPIの含有量の下限としては、80質量%が好ましく、90質量%がより好ましい。上記海相におけるPIの含有量が上記下限に満たないと、絶縁層3における耐熱性、絶縁性等の機械的特性が低下するおそれがある。なお、上記海相におけるPIの含有量の上限としては、特に限定されるものではなく、例えば100質量%とすることができる。
上記島相におけるPESの含有量の下限としては、80質量%が好ましく、90質量%がより好ましい。上記島相におけるPESの含有量が上記下限に満たないと、絶縁層3の密着力が不十分となるおそれがある。なお、上記島相におけるPESの含有量の上限としては、特に限定されるものではなく、例えば100質量%とすることができる。
上記海相に対する島相の存在割合の下限としては、0.2が好ましく、0.3がより好ましい。一方、上記海相に対する島相の存在割合の上限としては、0.5が好ましく、0.4がより好ましい。上記海相に対する島相の存在割合が上記下限に満たないと、絶縁層3の密着力が不十分となるおそれがある。逆に、上記海相に対する島相の存在割合が上記上限を超えると、絶縁層3における耐熱性、絶縁性等の機械的特性が低下するおそれがある。
上記島相の形状としては、球状、紡錘形状、針状、棒状、立方状、板状、鱗片状、繊維状等が挙げられる。中でも、上記島相の形状としては、絶縁層3における均一分散性を高めて絶縁層3の密着力を向上し易い球状が好ましい。
(気泡)
上記気泡の平均径の下限としては、1μmが好ましく、3μmがより好ましい。一方、上記気泡の平均径の上限としては、10μmが好ましく、5μmがより好ましい。上記気泡の平均径が上記下限に満たないと、絶縁層3の低誘電率化が十分に促進されないおそれがある。逆に、上記気泡の平均粒径が上記上限を超えると、複数の気泡が連結されるおそれがあり、これによって絶縁層3の機械的強度が低下するおそれがある。なお、上記気泡が複数の熱分解性樹脂に由来する場合、上記気泡の平均径は、上記熱分解性樹脂粒子の平均粒径と略等しい。また、「気泡の平均径」とは、絶縁電線を軸に対して垂直に切断し、その切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した際の、任意の20個の気泡の径の平均値をいう。
絶縁層3における上記気泡の含有率の下限としては、5体積%が好ましく、10体積%がより好ましい。一方、上記気泡の含有率の上限としては、70体積%が好ましく、50体積%がより好ましい。上記気泡の含有率が上記下限に満たないと、絶縁層3の低誘電率化が十分に促進されないおそれがある。逆に、上記気泡の含有量が上記上限を超えると、絶縁層3の密着力が低下するおそれがある。
上記気泡は、複数の気泡形成粒子に由来している。上記気泡は、上記ポリイミド前駆体及びPESに加え、複数の気泡形成粒子を含有する樹脂ワニスを導体2の外周面に塗布した上、この樹脂ワニスを加熱して導体2の外周面に絶縁層3を焼付けることで得られる。
上記気泡形成粒子としては、例えば熱分解性樹脂粒子や、化学発泡剤、熱膨張マイクロカプセル等の発泡剤や、シラスバルーン、ガラスバルーン、セラミックバルーン、有機樹脂バルーン等の中空フィラーなどが挙げられる。
上記熱分解性樹脂粒子の材質としては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の片方若しくは両方の末端又は一部をアルキル化、(メタ)アクリレート化若しくはエポキシ化した化合物;
ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル等の炭素数1以上6以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの重合体;
ウレタンオリゴマー、ウレタンポリマー、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン(メタ)アクリレート等の変性(メタ)アクリレートの重合物;
ポリ(メタ)アクリル酸;
これらの架橋物;
ポリスチレン、架橋ポリスチレンなどが挙げられる。上記熱分解性樹脂粒子は、絶縁層3に独立気泡を形成できるよう、樹脂マトリックス中に均一分散されることが好ましい。かかる点から、上記熱分解性樹脂粒子の材質として上記架橋物、架橋ポリスチレン等の架橋樹脂を用いることが好ましい。
上記熱分解性樹脂粒子の熱分解温度の下限としては、150℃が好ましく、200℃がより好ましい。一方、上記熱分解性樹脂粒子の熱分解温度の上限としては、330℃が好ましく、300℃がより好ましい。上記熱分解性樹脂粒子の熱分解温度が上記下限に満たないと、当該絶縁電線1の製造時等に意図せず熱分解してしまうおそれがある。逆に、上記熱分解性樹脂粒子の熱分解温度が上記上限を超えると、熱分解性樹脂粒子を熱分解させるために必要となるエネルギーコストが過大となるおそれがある。なお、「熱分解温度」とは、窒素雰囲気下で室温から10℃/mimで昇温し、質量減少率が50%となるときの温度をいい、例えばエスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社の示差熱熱重量同時測定装置「TG/DTA」を用いて熱重量を測定することで測定できる。
上記熱分解性樹脂粒子の平均粒径の下限としては、1μmが好ましく、3μmがより好ましい。一方、上記熱分解性樹脂粒子の平均粒径の上限としては、10μmが好ましく、5μmがより好ましい。上記熱分解性樹脂粒子の平均粒径が上記下限に満たないと、絶縁層3の低誘電率化が十分に促進されないおそれがある。逆に、上記熱分解性樹脂粒子の平均粒径が上記上限を超えると、複数の気泡が連結されるおそれがあり、これにより絶縁層3の機械的強度が低下するおそれがある。なお、「平均粒径」とは、累積分布における50%径(メジアン径)を意味する。
上記化学発泡剤は、加熱することにより分解して、例えば窒素ガス、炭酸ガス、一酸化炭素、アンモニアガス等を発生し、このガスにより気泡を形成するもので、有機発泡剤又は無機発泡剤が使用できる。
上記有機発泡剤としては、例えばアゾジカルボンアミド(A.D.C.A)、アゾビスイソブチロニトリル(A.I.B.N)等のアゾ系発泡剤、例えばジニトロソペンタメチレンテトラミン(D.P.T)、N,N’ジニトロソ−N,N’−ジメチルテレフタルアミド(D.N.D.M.T.A)等のニトロソ系発泡剤、例えばP−トルエンスルホニルヒドラジド(T.S.H)、P,P−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(O.B.S.H)、ベンゼンスルホニルヒドラジド(B.S.H)等のヒドラジド系、他にはトリヒドラジノトリアジン(T.H.T)、アセトン−P−スルホニルヒドラゾンなどが例示され、これらを単独で、又は二種類以上合わせて使用できる。
また、上記無機発泡剤としては、例えば重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、ホウ化水素ナトリウム、ソジウムボロンハイドライド、シリコンオキシハイドライド等が例示される。一般的に無機発泡剤は、ガス発生速度が有機発泡剤より緩慢でありガス発生の調整が難しい。そのため、上記化学発泡剤としては、有機発泡剤が好ましい。
上記熱膨張マイクロカプセルは、内部発泡剤からなる芯材(内包物)と、この芯材を包む外殻とを有し、芯材の膨張によって外殻が膨張する。
上記熱膨張性マイクロカプセルの内部発泡剤は、加熱により膨張又は気体を発生するものであればよく、その原理は問わない。上記熱膨張性マイクロカプセルの内部発泡剤としては、例えば低沸点液体、化学発泡剤及びこれらの混合物を使用することができる。
上記低沸点液体としては、例えばブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン等のアルカンや、トリクロロフルオロメタン等のフレオン類などが好適に用いられる。
上記化学発泡剤としては、加熱によりNガスを発生するアゾビスイソブチロニトリル等の熱分解性を有する物質が好適に用いられる。
上記熱膨張性マイクロカプセルの内部発泡剤の発泡開始温度、つまり低沸点液体の沸点又は化学発泡剤の熱分解温度としては、熱膨張性マイクロカプセルの外殻の軟化温度以上とされる。
上記気泡形成粒子としては、熱分解性樹脂粒子が好ましい。当該絶縁電線1は、上記気泡が複数の熱分解性樹脂粒子に由来することによって、絶縁層3の密着力の低下を容易かつ確実に抑制することができる。つまり、上述の従来技術のように、発泡剤を発泡させることで絶縁層に気泡を形成する場合、気泡形成時の発泡剤の発泡に起因して絶縁層が膨張する。これに対し、気泡が上記熱分解性樹脂に由来する場合、絶縁層3が不用意に変形しないので、この絶縁層3の密着力の低下を抑制し易い。
絶縁層3は、一回の焼付けによって形成することも可能であるが、複数回の焼付けによって形成することが好ましい。つまり、絶縁層3は、1層の焼付層から構成することも可能であるが、図2に示すように複数の焼付層3aから構成されることが好ましい。絶縁層3を複数の焼付層3aから構成することで、絶縁層3を容易かつ確実に所望の厚さに形成することができ、さらに絶縁層の厚さ方向における気泡の均一分散性が高くなる。また、絶縁層3を複数の焼付層3aから構成することで、上記PESが焼付層3a間の接着剤としての機能を奏し、各焼付層3aの層間密着力が向上する。
各焼付層3aの平均厚さの下限としては、0.2μmが好ましく、0.8μmがより好ましい。一方、各焼付層3aの平均厚さの上限としては、30μmが好ましく、20μmがより好ましく、10μmがさらに好ましい。各焼付層3aの平均厚さが上記下限に満たないと、各焼付層3a中に気泡を分散させ難くなるおそれがある。逆に、各焼付層3aの平均厚さが上記上限を超えると、焼付層の製造が困難になるおそれがある。なお、「焼付層の平均厚さ」とは、上記島相を有しない部分における焼付層の任意の10点における厚さの平均値をいう。
焼付層3aの平均厚さに対するこの焼付層3aに含まれる上記島相の焼付層3a厚さ方向における径の比の下限としては、0.8が好ましく、0.9がより好ましく、0.95がさらに好ましい。上記比が上記下限以上であることによって、隣接する焼付層3aの界面とPESとの接触面積が大きくなるため、焼付層3a間の密着力をより向上させることができる。一方、上記島相を均一に分散させる観点から、上記比の上限としては、1.5が好ましく、1.2がより好ましい。なお、上記島相の焼付層3a厚さ方向における径は、例えばPESの重量分子量、塗工工程前の樹脂ワニスの攪拌速度や攪拌時間を調整することにより制御できる。
1層の焼付層3aの平均厚さに対する気泡の平均径の比の下限としては、0.3が好ましく、0.4がより好ましい。一方、1層の焼付層3aの平均厚さに対する気泡の平均径の比の上限としては、0.9が好ましく、0.7がより好ましい。1層の焼付層3aの平均厚さに対する気泡の平均径の比が上記下限に満たないと、絶縁層3の低誘電率化が十分に促進されないおそれがある。逆に、1層の焼付層3aの平均厚さに対する気泡の平均径の比が上記上限を超えると、1層の焼付層3a中に気泡を形成し難くなると共に、隣接する焼付層3aに存在する気泡同士が連結するおそれがある。
絶縁層3の平均厚さの下限としては、15μmが好ましく、30μmがより好ましい。一方、絶縁層3の平均厚さの上限としては、300μmが好ましく、200μmがより好ましい。絶縁層3の平均厚さが上記下限に満たないと、コロナ放電開始電圧を高める効果が不十分となるおそれがある。逆に、絶縁層3の平均厚さが上記上限を超えると、当該絶縁電線1が不必要に大径化するおそれがある。
絶縁層3の比誘電率の上限としては、3.3が好ましく、3がより好ましい。絶縁層3の比誘電率が上記上限を超えると、コロナ放電開始電圧が十分に高まらないおそれがある。一方、絶縁層3の比誘電率の下限としては、特に限定されるものではないが、例えば1.5とすることができる。絶縁層3の比誘電率が上記下限に満たないと、絶縁層3の破壊強度が不十分となるおそれがある。なお、「絶縁層の比誘電率」とは、絶縁層の誘電率と真空の誘電率との比をいう。
<絶縁電線の製造方法>
当該絶縁電線1の製造方法は、導体2の外周側に、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを反応させて得られるポリイミド前駆体、ポリエーテルスルホン及び気泡形成粒子を含有する樹脂ワニスを塗布する塗布工程と、上記塗布された樹脂ワニスを加熱する加熱工程とを備える。当該絶縁電線の製造方法は、導体2の外周側にPI及びPESを含有する樹脂マトリックスと、この樹脂マトリックス中に分散される気泡とを備える絶縁層3を形成することができる。従って、当該絶縁電線の製造方法は、絶縁層3の密着力の低下を抑制しつつ、絶縁層3の低誘電率化を図ることが可能な絶縁電線1を容易かつ確実に製造することができる。
(塗布工程)
上記塗布工程では、上記ポリイミド前駆体、PES及び気泡形成粒子を含有する樹脂ワニスを導体2の外周側に塗布する。まず、上記塗布工程で用いられる上記樹脂ワニスについて説明する。
(樹脂ワニス)
上記樹脂ワニスは、上述のように芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを反応(縮合重合)させて得られるポリイミド前駆体、PES及び気泡形成粒子を含有する。上記芳香族テトラカルボン酸二無水物及び芳香族ジアミンとしては、当該絶縁電線1の構成において説明した上述の化合物が挙げられる。また、上記気泡形成粒子としては、当該絶縁電線1の構成において説明した上述の気泡形成粒子が挙げられ、好ましくは上記熱分解性樹脂粒子が挙げられる。当該樹脂ワニスは、上記気泡形成粒子が上記熱分解性樹脂粒子であることによって、絶縁層3の密着力の低下を容易かつ確実に防止することができる。
上記樹脂ワニスは、通常有機溶剤をさらに含む。当該絶縁電線の製造方法では、絶縁層3が所望の厚さになるまで上記塗布工程及び加熱工程を繰り返し行い、順次積層される複数の焼付層によって絶縁層3が構成されてもよい。この点、上記樹脂ワニスが有機溶剤を含む場合、2回目以降の塗布工程において樹脂ワニス中の有機溶剤が前回の工程で形成された絶縁層中のPESを若干溶解するため、焼付層間の密着力をより向上させることができる。
上記有機溶剤としては非プロトン性極性有機溶剤が好ましい。ポリイミド前駆体は非プロトン性極性有機溶剤に対する溶解性が高いため、上記有機溶剤として非プロトン性極性有機溶剤を用いることにより、例えば塗布性を向上させることができる。また、非プロトン性極性有機溶剤を用いることにより、上記2回目以降の塗布工程において焼付層中のPESが適度に非プロトン性極性有機溶剤に溶解するため、焼付層間の密着力をさらに向上させることができる。
上記非プロトン性極性有機溶剤としては、ポリイミド前駆体の溶解性の観点から、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン及びこれらの組み合わせが好ましく、NMPがより好ましい。
有機溶剤は、ポリイミド前駆体の縮合重合反応に使用した有機溶剤をそのまま使用してもよく、ポリイミド前駆体を得た後、別途添加してもよいが、作業性の観点から、ポリイミド前駆体の縮合重合反応に使用した有機溶剤をそのまま使用することが好ましい。有機溶剤の含有量は、例えばポリイミド前駆体100質量部に対して100質量部以上1000質量部以下の範囲とすればよい。
上記樹脂ワニスは、上述した成分以外に顔料、染料、無機又は有機のフィラー、潤滑剤、密着向上剤等の各種添加剤や反応性低分子、相溶化剤などを添加してもよい。さらに本発明の趣旨を損ねない範囲で他の樹脂を混合して使用してもよい。
当該樹脂ワニスは、上記ポリイミド前駆体、PES及び気泡形成粒子を含有するので、当該樹脂ワニスを用いて導体2の外周面に積層される絶縁層を形成すると、PI及びPESを含有する樹脂マトリックスと、この樹脂マトリックス中に分散される気泡とを備える絶縁層を形成することができる。従って、当該樹脂ワニスは、従って、絶縁層3の密着力の低下を抑制しつつ、絶縁層3の低誘電率化を図ることができる。
上記樹脂ワニスの塗布方法としては、特に限定されないが、例えば樹脂ワニスを貯留した樹脂ワニス槽と塗布ダイスとを備える塗布装置を用いた方法等が挙げられる。この塗布装置によれば、導体2が樹脂ワニス槽内を挿通することで樹脂ワニスが導体2の外周面に付着し、その後塗布ダイスを通過することで樹脂ワニスが導体2の外周面に均一な厚さで塗布される。
(加熱工程)
上記加熱工程では、上記塗布工程で塗布された樹脂ワニスを加熱する。上記加熱工程によって、上記樹脂ワニスを導体2の外周面に焼付けることで、導体2の外周面に絶縁層3が形成される。上記加熱工程における加熱方法としては、特に限定されないが、熱風加熱、赤外線加熱、高周波加熱等、従来公知の方法が挙げられる。また、加熱温度としては、通常350℃以上700℃以下である。加熱時間としては、通常5秒以上100秒以下である。
[第二実施形態]
図3の絶縁電線11は、線状の導体2と、この導体2の外周面に積層される複数の絶縁層とを備える。具体的には、当該絶縁電線11は、上記複数の絶縁層として、導体2の外周面に直接積層される第1絶縁層12aと、この第1絶縁層12aの外周面に直接積層される第2絶縁層12bとを備える。図3の絶縁電線11において、導体2及び第1絶縁層12aは、図1の導体2及び絶縁層3と同様の構成を有する。そのため、当該絶縁電線11にあっては、第1絶縁層12aは、PI及びPESを含有する樹脂マトリックス中に気泡が分散する構造を有するので、上述のように密着力の低下を抑制しつつ、低誘電率化を図ることができる。なお、導体2及び第1絶縁層12aの具体的説明は、上述のように第一実施形態の説明と重複するため省略する。
第2絶縁層12bは、第1絶縁層12aと異なり気泡を有していない。第2絶縁層12bは、気泡を有していない点以外は第1絶縁層12aと同様の構成を有する。つまり、第2絶縁層12bは、第1絶縁層12aと同様にPI及びPESを含有する樹脂マトリックスを備える。この樹脂マトリックスの具体的構成は、第1絶縁層12aと同様とすることができる。なお、第2絶縁層12bの樹脂マトリックスの説明は、第一実施形態の説明と重複するため省略する。
第2絶縁層12bの平均厚さの下限としては、0.5μmが好ましく、1μmがより好ましい。一方、第2絶縁層12bの平均厚さの上限としては、40μmが好ましく、20μmがより好ましい。第2絶縁層12bの平均厚さが上記下限に満たないと、第1絶縁層12aと第2絶縁層12bとの密着力を十分に高められないおそれがある。逆に、第2絶縁層12bの平均厚さが上記上限を超えると、当該絶縁電線11が不必要に大径化するおそれがある。
<絶縁電線の製造方法>
当該絶縁電線11の製造方法は、導体2の外周側に第1絶縁層形成用樹脂ワニスを塗布する第1塗布工程と、上記第1塗布工程によって塗布された第1絶縁層形成用樹脂ワニスを加熱する第1加熱工程と、上記第1加熱工程によって形成された第1絶縁層12aの外周側に第2絶縁層形成用樹脂ワニスを塗布する第2塗布工程と、上記第2塗布工程によって塗布された第2絶縁層形成用樹脂ワニスを加熱する第2加熱工程とを備える。当該絶縁電線の製造方法は、当該絶縁電線11を容易かつ確実に製造することができる。
(第1塗布工程及び第1加熱工程)
上記第1塗布工程は、図1の絶縁電線1の製造方法における上記塗布工程と同様に行われる。上記第1加熱工程は、図1の絶縁電線1の製造方法における上記加熱工程と同様に行われる。当該絶縁電線の製造方法は、上記第1塗布工程及び第2塗布工程を複数回繰り返し行ってもよい。
(第2塗布工程)
上記第2塗布工程では、第2絶縁層12bを形成する第2絶縁層形成用樹脂ワニスを第1絶縁層12aの外周側に塗布する。上記第2絶縁層形成用樹脂ワニスとしては、気泡形成粒子を含有しないこと以外、第1絶縁層形成用樹脂ワニスと同様とすることができる。
(第2加熱工程)
上記第2加熱工程では、上記第2塗布工程で塗布された第2絶縁層形成用樹脂ワニスを加熱する。上記第2加熱工程により、第2絶縁層形成用樹脂ワニスを第1絶縁層12aの外周面に焼付けることで、第1絶縁層12aの外周面に第2絶縁層12bが形成される。上記第2加熱工程における加熱方法、加熱温度及び加熱時間としては、図1の絶縁電線1の製造方法における上記加熱工程と同様とすることができる。なお、当該絶縁電線の製造方法は、上記第2塗布工程及び第2加熱工程を第2絶縁層12bが所望の厚さになるまで繰り返し行ってもよい。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、当該絶縁電線は、絶縁層の少なくとも1層が、PI及びPESを含有する樹脂マトリックスと、この樹脂マトリックス中に分散する気泡とを有する限り、3層以上の絶縁層を有していてもよい。また、当該絶縁電線は、例えば導体と上記気泡を有する絶縁層との間に気泡を有しない絶縁層が介在してもよい。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例]
[No.1]
銅を鋳造、延伸、伸線及び軟化し、断面が円形で直径が1mmの導体を得た。次に芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを反応して得られるポリイミド前駆体、PES、熱分解性樹脂粒子及び有機溶剤を含む第1絶縁層形成用樹脂ワニスを作成した。なお、この第1絶縁層形成用樹脂ワニスにおけるPESとポリイミド前駆体との質量比は30:70であった。この第1絶縁層形成用樹脂ワニスを上記導体の外周面に塗布し、線速4.0m/min、加熱炉入口温度250℃、加熱炉出口温度350℃の条件で加熱する工程を繰り返し行うことで導体の外周面に平均厚さ25μm、気泡の含有率50体積%の第1絶縁層を形成した。また、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを反応して得られるポリイミド前駆体、PES及び有機溶剤を含む第2絶縁層形成用樹脂ワニスを作成した。なお、この第2絶縁層形成用樹脂ワニスにおけるPESとポリイミド前駆体との質量比は30:70であった。この第2絶縁層形成用樹脂ワニスを上記第1絶縁層の外周に塗布し、線速4.0m/min、加熱炉入口温度250℃、加熱炉出口温度350℃の条件で加熱することで第1絶縁層の外周面に平均厚さ5μmの第2絶縁層を形成し、No.1の絶縁電線を得た。なお、この絶縁電線を軸に対して垂直に切断し、その切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察したところ、第1絶縁層中の気泡の平均径は3.0μmであった。
[No.2]
第1絶縁層の気泡の含有率を10体積%とした以外はNo.1と同様にして、No.2の絶縁電線を得た。
[比較例]
[No.3]
第1絶縁層形成用樹脂ワニス及び第2絶縁層形成用ワニスにPESを配合しなかったこと以外は、No.1と同様にしてNo.3の絶縁電線を得た。
第1絶縁層形成用樹脂ワニス及び第2絶縁層形成用ワニスにPESを配合しなかったこと以外は、No.2と同様にしてNo.4の絶縁電線を得た。
<層間密着力>
絶縁電線にカッターで長さ2cm程度の切込みを2本、0.5mm間隔で入れた。この2本の切込みによって区画される帯状部分の短辺側の一端からオートグラフ(株式会社東洋精機製作所製の「STROGRAPH−M2」)を用いて180°方向にピール試験を実施し、出力された値を短辺の長さで除することによって絶縁層の層間密着力[N/mm]を測定した。この測定結果を表1に示す。なお、表1における「A」は密着力が高く層間で剥離しないため、層間密着力を測定できなかったことを意味する。
<部分放電開始電圧>
絶縁電線2本を撚り合わせたツイストペア片を用い、絶縁電線の両端に50Hz正弦波の交流電圧を印加した。電圧を50V/secの速さで上昇し、放電量が100pCに達した時の電圧を測定し、交流電圧の最大値(ピーク値)を部分放電開始電圧(PDIV)[Vp]として測定した。この測定結果を表1に示す。
Figure 2018067516
[評価結果]
表1に示すように、第1絶縁層及び第2絶縁層が共にPESを含まないNo.3及びNo.4の絶縁電線は、第1絶縁層及び第2絶縁層の層間密着力が不十分であることが分かる。特に、No.4の絶縁電線は、第1絶縁層の気泡含有量が50体積%と高いため、層間密着力の低下が大きくなっていることが分かる。これに対し、No.1及びNo.2の絶縁電線は、第1絶縁層及び第2絶縁層が共にPESを含むことで、部分放電開始電圧を十分に高めつつ、第1絶縁層及び第2絶縁層の層間密着力を十分に高めることができることが分かった。
本発明に係る絶縁電線及び樹脂ワニスは、絶縁層の密着力の低下を抑制しつつ、この絶縁層の低誘電率化を図ることができるので、高電圧で使用されるモータ等の適用電圧が高い電気機器に適用できる。また、本発明に係る絶縁電線の製造方法は、絶縁層の密着力の低下を抑制しつつ、この絶縁層の低誘電率化を図ることができる当該絶縁電線の製造に適している。
1,11 絶縁電線
2 導体
3 絶縁層
3a 焼付層
12a 第1絶縁層
12b 第2絶縁層

Claims (8)

  1. 線状の導体と、この導体の外周面に積層される1又は複数の絶縁層とを備える絶縁電線であって、
    上記1又は複数の絶縁層の少なくとも1層が、樹脂マトリックスと、この樹脂マトリックス中に分散する気泡とを備え、
    上記樹脂マトリックスがポリイミド及びポリエーテルスルホンを含有する絶縁電線。
  2. 上記樹脂マトリックスが海島構造を有し、
    上記海島構造の海相の主成分が上記ポリイミド、島相の主成分が上記ポリエーテルスルホンである請求項1に記載の絶縁電線。
  3. 上記樹脂マトリックス中のポリエーテルスルホンの含有量が5質量%以上30質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の絶縁電線。
  4. 上記気泡が、複数の熱分解性樹脂粒子に由来する請求項1、請求項2又は請求項3に記載の絶縁電線。
  5. 上記気泡の含有率が5体積%以上70体積%以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の絶縁電線。
  6. 芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを反応させて得られるポリイミド前駆体、ポリエーテルスルホン及び気泡形成粒子を含有する樹脂ワニス。
  7. 上記気泡形成粒子が、熱分解性樹脂粒子である請求項6に記載の樹脂ワニス。
  8. 線状の導体と、この導体の外周面に積層される1又は複数の絶縁層とを備える絶縁電線の製造方法であって、
    上記導体の外周側に、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを反応させて得られるポリイミド前駆体、ポリエーテルスルホン及び気泡形成粒子を含有する樹脂ワニスを塗布する塗布工程と、
    上記塗布された樹脂ワニスを加熱する加熱工程と
    を備える絶縁電線の製造方法。
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