JP2018065969A - シリコーンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】着色がなく、透明であり、脱水素不純物が抑制され、粘度が低く、他のモノマーとの相溶性に優れる、両末端に重合性の基を有するとともに水酸基を2つ含む親水性側鎖を有するシリコーンを簡便に製造できるシリコーンの製造方法を提供する。
【解決手段】重合性の基を有するとともに水酸基を2つ含む親水性側鎖を有するシリコーンの製造方法であって、下記式(4)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、下記式(5)で表される化合物とを、付加反応させることにより製造する。
Figure 2018065969

Figure 2018065969

【選択図】なし

Description

本発明は、シリコーンの製造方法、特には眼科デバイス製造用シリコーンの製造方法に関する。詳細には、両末端に(メタ)アクリレート基を有し、眼科デバイス製造用の他のモノマーと共重合させて架橋構造を形成することにより、コンタクトレンズ(親水性コンタクトレンズ、シリコーンハイドロゲル)、眼内レンズ、人工角膜等の眼科デバイスに好適な可撓性ポリマーを与えるシリコーンの製造方法に関する。
酸素透過性と親水性を有する眼用デバイス、特にはコンタクトレンズの原材料として様々な重合性シリコーンモノマーが開発されている。特に、高い酸素透過性を与えるコンタクトレンズ材料として、両末端に重合性の基を有し、かつ、親水性側鎖を有するポリシロキサンが開発されている。例えば特許文献1には、両末端に重合性の基を有し、かつ、親水性側鎖を有するポリシロキサンを重合成分として製造された親水性コンタクトレンズが記載されており、親水性側鎖として下記式(a)で示される基が記載されている。
Figure 2018065969
特公昭62−29776号公報
しかし、親水性側鎖として上記式(a)に示されるような基を有するポリシロキサンを製造するためには、特許文献1に記載のように、水酸基とSiH基との脱水素反応を防止するため、原料となる不飽和化合物の水酸基をケタールあるいはアルキルシリル基で保護した後、オルガノハイドロジェンポリシロキサンと付加反応させ、さらに保護基を脱離して水酸基を再生する必要があり、非常に工程が煩雑である。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、着色がなく、透明であり、脱水素不純物が抑制され、粘度が低く、他のモノマーとの相溶性に優れる、両末端に重合性の基を有するとともに水酸基を2つ含む親水性側鎖を有するシリコーンを簡便に製造できるシリコーンの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、下記式(1)で表されるシリコーンの製造方法であって、
Figure 2018065969
[式中、Rは下記式(2)で表される基である。
Figure 2018065969
(式(2)中、nは2〜8の整数であり、Rはメチル基又は水素原子である。)
は互いに独立に、炭素数1〜10の、置換又は非置換の一価炭化水素基であり、Rは互いに独立に、炭素数1〜6のアルキル基であり、Aは下記式(3)で表される基である。
Figure 2018065969
(式(3)中、mは2〜10の整数であり、Xは−C2p−1(OH)で示される、水酸基を2個有する分岐していてもよいアルキル基であり、pは1〜6の整数である。)
aは1〜500の整数であり、bは1〜100の整数である。ただし、a+bは50〜600である。]
下記式(4)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、
Figure 2018065969
(式(4)中、R、R、R、a、及びbは前記と同様である。)
下記式(5)で表される化合物とを、
Figure 2018065969
(式(5)中、kは0〜8の整数であり、Xは前記と同様である。)
前記式(4)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のSiH基のモル数に対して、前記式(5)で表される化合物の不飽和結合のモル数が4〜10倍となる条件で付加反応させることにより前記式(1)で表されるシリコーンを得るシリコーンの製造方法を提供する。
このようなシリコーンの製造方法であれば、着色がなく、透明であり、脱水素不純物が抑制され、粘度が低く、他のモノマーとの相溶性に優れる、両末端に重合性の基を有するとともに水酸基を2つ含む親水性側鎖を有するシリコーンを簡便に製造することができる。
このとき、前記Xが、下記式(6)又は(7)で表される基であることが好ましい。
Figure 2018065969
Figure 2018065969
(式中、は結合部位を表す。)
このようなものであれば、本発明の効果をより一層向上させることができる。
本発明のシリコーンの製造方法であれば、着色がなく、透明であり、脱水素不純物が抑制され、粘度が低く、他のモノマーとの相溶性に優れる、両末端に重合性の基を有するとともに水酸基を2つ含む親水性側鎖を有するシリコーンを簡便に製造できる。また、本発明のシリコーンの製造方法により得られたシリコーンは、コンタクトレンズ材料、眼内レンズ材料、及び人工角膜材料等の、眼科デバイス製造用として好適かつ有用なものとなる。
上述のように、着色がなく、透明であり、脱水素不純物が抑制され、粘度が低く、他のモノマーとの相溶性に優れる、両末端に重合性の基を有するとともに水酸基を2つ含む親水性側鎖を有するシリコーンを簡便に製造できるシリコーンの製造方法が求められていた。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ね、下記式(4)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンと下記式(5)で表される化合物とを、下記式(4)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のSiH基のモル数に対して、下記式(5)で表される化合物の不飽和結合のモル数が4〜10倍となる条件で付加反応させることにより下記式(1)で表されるシリコーンを得るシリコーンの製造方法であれば、着色がなく、透明であり、脱水素不純物が抑制され、粘度が低く、他のモノマーとの相溶性に優れるシリコーンを簡便に製造できる製造方法となることを見出し、本発明を成すに至った。
即ち、本発明は、下記式(1)で表されるシリコーンの製造方法であって、
Figure 2018065969
[式中、Rは下記式(2)で表される基である。
Figure 2018065969
(式(2)中、nは2〜8の整数であり、Rはメチル基又は水素原子である。)
は互いに独立に、炭素数1〜10の、置換又は非置換の一価炭化水素基であり、Rは互いに独立に、炭素数1〜6のアルキル基であり、Aは下記式(3)で表される基である。
Figure 2018065969
(式(3)中、mは2〜10の整数であり、Xは−C2p−1(OH)で示される、水酸基を2個有する分岐していてもよいアルキル基であり、pは1〜6の整数である。)
aは1〜500の整数であり、bは1〜100の整数である。ただし、a+bは50〜600である。]
下記式(4)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、
Figure 2018065969
(式(4)中、R、R、R、a、及びbは前記と同様である。)
下記式(5)で表される化合物とを、
Figure 2018065969
(式(5)中、kは0〜8の整数であり、Xは前記と同様である。)
前記式(4)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のSiH基のモル数に対して、前記式(5)で表される化合物の不飽和結合のモル数が4〜10倍となる条件で付加反応させることにより前記式(1)で表されるシリコーンを得るシリコーンの製造方法である。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明のシリコーンの製造方法は、下記式(1)で表されるシリコーンの製造方法である。
Figure 2018065969
[式中、Rは下記式(2)で表される基である。
Figure 2018065969
(式(2)中、nは2〜8の整数であり、Rはメチル基又は水素原子である。)
は互いに独立に、炭素数1〜10の、置換又は非置換の一価炭化水素基であり、Rは互いに独立に、炭素数1〜6のアルキル基であり、Aは下記式(3)で表される基である。
Figure 2018065969
(式(3)中、mは2〜10の整数であり、Xは−C2p−1(OH)で示される、水酸基を2個有する分岐していてもよいアルキル基であり、pは1〜6の整数である。)
aは1〜500の整数であり、bは1〜100の整数である。ただし、a+bは50〜600である。]
本発明のシリコーンの製造方法においては、下記式(4)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、
Figure 2018065969
(式(4)中、R、R、R、a、及びbは前記と同様である。)
下記式(5)で表される化合物とを、
Figure 2018065969
(式(5)中、kは0〜8の整数であり、Xは前記と同様である。)
前記式(4)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のSiH基のモル数に対して、前記式(5)で表される化合物の不飽和結合のモル数が4〜10倍となる条件で付加反応させることにより前記式(1)で表されるシリコーンを得る。
上記式(4)において、Rは下記式(2)で表される基である。
Figure 2018065969
上記式(2)中、nは2〜8の整数であり、好ましくは3又は4であり、Rはメチル基又は水素原子である。
上記式(4)において、Rは互いに独立に、炭素数1〜10の、好ましくは炭素数1〜6の、置換又は非置換の一価炭化水素基である。このような一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、及びヘキシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、及びナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、及びフェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基及びアリル基等のアルケニル基が挙げられる。また、Rは、これらの一価炭化水素基において、炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部がフッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子で置換された基であってもよい。置換された一価炭化水素基としては、例えばトリフロロプロピル基が挙げられる。上記例示した基の中でも、メチル基が好ましい。
上記式(4)において、Rは互いに独立に、炭素数1〜6の、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、及びヘキシル基が挙げられる。好ましくはメチル基である。
上記式(4)において、aは1〜500の整数、好ましくは50〜300の整数であり、bは1〜100の整数、好ましくは4〜40の整数である。ただし、a+bは50〜600、好ましくは80〜340、特に好ましくは100〜300である。a+bが50未満では、得られる上記式(1)のシリコーンから所望の可撓性を有するポリマーを得ることが難しくなる。一方、a+bが600を超えると、得られる上記式(1)のシリコーンが、他の親水性モノマーとの相溶性が悪いものとなる恐れがある。特には、a及びbが各々上記範囲内にあり、かつ、a/bが10〜50であることが、親水性とシロキサンの疎水性とのバランスの点で好ましい。
また、上記式(5)において、kは0〜8の整数であり、好ましくは1〜4の整数である。Xは−C2p−1(OH)で示される、水酸基を2個有する分岐していてもよいアルキル基であり、pは1〜6の整数であり、好ましくは3〜6の整数である。Xとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、メチルブチル基、ジメチルブチル基、ペンチル基、メチルペンチル基、及びヘキシル基等のアルキル基において、これらの基の炭素原子に結合している水素原子のうち2個がそれぞれ水酸基に置換されているものが挙げられる。好ましくは、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、及びsec−ブチル基の構造を有するものである。また、2個の水酸基は同一の炭素原子に結合していてもよいが、一つの炭素原子に結合する水酸基は一つであることが好ましい。
上記Xは、特には下記式(6)又は(7)で表される基であることが好ましい。
Figure 2018065969
Figure 2018065969
(式中、は結合部位を表す。)
上記式(5)で表される化合物としては、例えば下記式(8)で表される化合物や下記式(9)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2018065969
Figure 2018065969
また、上記式(4)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは従来公知の方法で製造することができる。特には、末端源である(メタ)アクリルシリコーンダイマーを出発原料とする方法で製造することが好ましい。(メタ)アクリルシリコーンダイマーは、例えば下記式で表されるものが挙げられる。
Figure 2018065969
(Rは前記と同様である。)
上記式で表される(メタ)アクリルシリコーンダイマーとしては、例えば、下記式(10)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2018065969
例えば、上記式(10)で表される化合物と、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン及び1,3,5,7−テトラメチルテトラシロキサンを目的の構造となる量で仕込み、トリフロロメタンスルホン酸触媒で酸平衡反応させる。その後、中和し、低沸点物を減圧ストリップすることで、下記式(11)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが得られる。
Figure 2018065969
(式中、は結合部位を表し、a及びbは前記と同様である。)
以上説明したような上記式(4)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンと上記式(5)で表される化合物とを、上記式(4)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のSiH基のモル数に対して、上記式(5)で表される化合物の不飽和結合のモル数が4〜10倍となる条件で付加反応させる。ここで、上記式(4)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のSiH基のモル数に対して、上記式(5)で表される化合物の不飽和結合のモル数が4倍未満であると、得られるシリコーンは、着色し、脱水素不純物の抑制効果が見られず高粘度化し、他のモノマーとの相溶性に劣るものとなる。一方、10倍を超えると経済的に不利となるとともに、得られるシリコーンは、白濁し、他のモノマーとの相溶性も悪いものとなる。
上記式(4)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンと上記式(5)で表される化合物との付加反応は、従来公知の方法に従って行えばよい。例えば、白金族化合物等の付加反応触媒の存在下で行う。その際、溶剤を使用してもよく、例えばヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエン等の脂肪族、芳香族系溶剤、エタノール、IPA等のアルコール系溶剤を好適に使用することができる。
好ましい態様としては、例えば、上記式(5)で表される化合物を必要に応じて溶剤で希釈し、そこへ白金系ヒドロシリル化触媒を添加する。白金系ヒドロシリル化触媒の種類は特に制限されず、従来公知のものが使用できる。白金の濃度は、反応基質及び溶媒の全量に対して2〜30ppmが好ましい。
次に、室温もしくはそれ以上の温度で上記式(4)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを滴下して反応させる。滴下終了後、加温下で熟成し、その後、反応系中に残存するSiH基の量を常法に従い測定することで反応の完結を確認する。例えば、水素ガス発生量法が使用できる。
その後、反応液から溶媒を留去する。反応の終点を上記のように確認することにより、上記式(4)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが生成物中に残存しないため、高純度のシリコーンを得ることができる。なお、上記反応は一括で行ってもよい。
付加反応終了後に、反応液から過剰の上記式(5)で表される化合物を除去する。除去方法としては、減圧下ストリップ、又はイオン交換水もしくはぼう硝水で反応物を水洗して上記式(5)で表される化合物を水層へ抽出し除去する方法が挙げられる。この際、良好な2層分離を得る為に、トルエン、ヘキサン、アセトン等の溶剤を適当量使用するのが好ましい。
また、上記反応において、必要に応じて重合禁止剤を添加してもよい。重合禁止剤としては(メタ)アクリル化合物に従来使用されているものであればよい。例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2−t−ブチルヒドロキノン、4−メトキシフェノール、及び2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)等のフェノール系重合禁止剤が挙げられる。これらの重合禁止剤は、1種単独でも2種以上を組み合わせて使用してもよい。重合禁止剤の量は特に制限されるものではないが、得られる化合物の質量に対して5〜500ppmとなる量が好ましく、より好ましくは10〜100ppmとなる量である。
以上説明したような上記式(4)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンと上記式(5)で表される化合物との付加反応により、下記式(1)で表されるシリコーンが得られる。
Figure 2018065969
上記式(1)において、R、R、R、a、及びbは前記と同様であり、R、R、及びRとしては、式(4)で説明したものと同様のものを挙げることができる。また、Aは下記式(3)で表される基である。
Figure 2018065969
ここで、上記式(3)中、mは2〜10の整数であり、好ましくは3〜6の整数である。また、Xは上記と同様であり、Xとしては、式(5)で説明したものと同様のものを挙げることができる。
本発明のシリコーンの製造方法により得られる上記式(1)で表されるシリコーンは、他のモノマーと共重合させてポリマーを製造することに適したものとなる。他のモノマーとしては、アクリル系モノマー、例えば(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート;アクリル酸誘導体、例えばN,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−アクリロイルモロホリン、N−メチル(メタ)アクリルアミド;その他の不飽和脂肪族もしくは芳香族化合物、例えばクロトン酸、桂皮酸、ビニル安息香酸;及び重合性基含有シリコーン化合物等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記実施例において、粘度はキャノンフェンスケ粘度計を用い、比重は浮秤計を用いて測定した。屈折率はデジタル屈折率計RX−5000(アタゴ社製)を用いて測定した。H−NMR分析は、JNM−ECP500(日本電子社製)を用い、測定溶媒として重クロロホルムを使用して実施した。
[実施例1]
下記式(8)で表される化合物140.3g(1.06モル、下記式(12)で表される化合物(オルガノハイドロジェンポリシロキサン)中のSiH基のモル数に対して、下記式(8)で表される化合物の不飽和結合のモル数が5.0となる量)及びイソプロピルアルコール390.0gを、攪拌機、ジムロート、温度計、及び滴下ロートを付けた1リットルフラスコに仕込み、70℃まで昇温した。塩化白金酸アルカリ中和物とビニルシロキサンの反応物(錯体)のトルエン溶液(白金含有量0.5%)0.9g(反応基質及び溶媒の全量に対して白金濃度6ppm)を上記フラスコ中に添加した後、下記式(12)で表される化合物250.0g(0.0355モル)を、滴下ロートを用いて、2時間かけて上記フラスコ中へ滴下した。70℃で7時間熟成した後、反応系中の残存SiH基の量を水素ガス発生量法に従い測定したところ、反応前の水素ガス発生量の2%以下であった。これにより反応の完結を確認した。イソプロピルアルコールを減圧ストリップし、オイル状粗生成物385.0gを得た。
Figure 2018065969
Figure 2018065969
なお、水素ガス発生量は以下の方法により測定したものである。
清浄な100mlマイヤーフラスコに、試料10gを正確に取り、次にn−ブタノール10mlに溶解した液に20%苛性ソーダ水溶液を20ml徐々に添加し、発生した水素ガス量をガスビュレットで測定した。下記式に当てはめて、0℃、1気圧におけるガス発生量に換算した。
水素ガス発生量(ml/g)=0.359 × P × V / T × S
(P:測定時の気圧(mmHg)、V:発生水素ガス量(ml)、T:273+t℃(t℃:発生水素ガス温度=測定時の温度)、S:試料量)
上記の粗生成物にアセトン780g及び水195gを添加し、撹拌した後、静置、分液し、下層のシリコーン層を得た。この洗浄操作をさらに2回繰り返し、水/アセトン層に上記式(8)で表される化合物を抽出して除去した。白濁した下層375gに4−メトキシフェノール0.025g(100ppm)及び2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.025g(100ppm)を加え、減圧ストリップすることで無色透明のオイル状生成物221gを得た(収率79.6%)。H−NMR分析により、この生成物は下記式(13)で表されるシリコーンであることが確認された。このシリコーンの粘度は2070mm/s(25℃)であり、比重は1.003(25℃)であり、屈折率は1.4168であった。
Figure 2018065969
得られたシリコーンのH−NMRスペクトルデータを以下に示す。なお、脱水素不純物の量は、上記式(12)中のSiH基における水素原子が脱水素反応によりイソプロポキシ基に置換されたもの(イソプロポキシ不純物)の量を計算することで評価した。イソプロポキシ不純物量は、OCH(C の下線部のプロトンを示す1.3ppmのシグナル積分値が1.09であることから、6で除した0.18と計算された。
0.1ppm(540H)、0.5ppm(12H)、0.55ppm(4H)、1.6ppm(12H)、1.7ppm(4H)、1.9ppm(6H)、3.4ppm(12H)、3.5ppm(12H)、3.6〜3.7ppm(12H)、3.85ppm(6H)、4.1ppm(4H)、5.5ppm(2H)、6.1ppm(2H)
得られたシリコーン、メタクリル酸メチル、及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートをそれぞれ同量ずつ混合したところ透明溶解した。
[実施例2]
上記式(8)で表される化合物の量を、140.3g(1.06モル、上記式(12)で表される化合物中のSiH基のモル数に対して、上記式(8)で表される化合物の不飽和結合のモル数が5.0となる量)から112.2g(0.85モル、上記式(12)で表される化合物中のSiH基のモル数に対して、上記式(8)で表される化合物の不飽和結合のモル数が4.0となる量)に変えた他は実施例1と同様にして、無色透明のシリコーン223g(収率80.3%)を得た。このシリコーンの粘度は2100mm/s(25℃)であり、比重は1.002(25℃)であり、屈折率は1.4168であった。H−NMR分析によりイソプロポキシ不純物量は、0.19と計算された。
得られたシリコーン、メタクリル酸メチル、及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートをそれぞれ同量ずつ混合したところ透明溶解した。
[実施例3]
上記式(8)で表される化合物の量を、140.3g(1.06モル、上記式(12)で表される化合物中のSiH基のモル数に対して、上記式(8)で表される化合物の不飽和結合のモル数が5.0となる量)から281.2g(2.13モル、上記式(12)で表される化合物中のSiH基のモル数に対して、上記式(8)で表される化合物の不飽和結合のモル数が10.0となる量)に変えた他は実施例1と同様にして、無色透明のシリコーン225g(収率81.1%)を得た。このシリコーンの粘度は2050mm/s(25℃)であり、比重は1.003(25℃)であり、屈折率は1.4167であった。H−NMR分析によりイソプロポキシ不純物量は、0.10と計算された。
得られたシリコーン、メタクリル酸メチル、及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートをそれぞれ同量ずつ混合したところ透明溶解した。
[比較例1]
上記式(8)で表される化合物の量を、140.3g(1.06モル、上記式(12)で表される化合物中のSiH基のモル数に対して、上記式(8)で表される化合物の不飽和結合のモル数が5.0となる量)から84.3g(0.64モル、上記式(12)で表される化合物中のSiH基のモル数に対して、上記式(8)で表される化合物の不飽和結合のモル数が3.0となる量)に変えた他は実施例1と同様にして、淡褐色のシリコーン219.6g(収率79.1%)を得た。このシリコーンの粘度は2680mm/s(25℃)であり、比重は1.002(25℃)であり、屈折率は1.4165であった。H−NMR分析によりイソプロポキシ不純物量は、0.22と計算された。
得られたシリコーン、メタクリル酸メチル、及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートをそれぞれ同量ずつ混合したところ微白濁した。
[比較例2]
上記式(8)で表される化合物の量を、140.3g(1.06モル、上記式(12)で表される化合物中のSiH基のモル数に対して、上記式(8)で表される化合物の不飽和結合のモル数が5.0となる量)から42.2g(0.32モル、上記式(12)で表される化合物中のSiH基のモル数に対して、上記式(8)で表される化合物の不飽和結合のモル数が1.5となる量)に変えた他は実施例1と同様にして、褐色のシリコーン218.2g(収率78.6%)を得た。このシリコーンの粘度は3080mm/s(25℃)であり、比重は1.004(25℃)であり、屈折率は1.4169であった。H−NMR分析によりイソプロポキシ不純物量は、0.34と計算された。
得られたシリコーン、メタクリル酸メチル、及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートをそれぞれ同量ずつ混合したところ微白濁した。
[比較例3]
上記式(8)で表される化合物の量を、140.3g(1.06モル、上記式(12)で表される化合物中のSiH基のモル数に対して、上記式(8)で表される化合物の不飽和結合のモル数が5.0となる量)から25.3g(0.19モル、上記式(12)で表される化合物中のSiH基のモル数に対して、上記式(8)で表される化合物の不飽和結合のモル数が0.9となる量)に変えた他は実施例1と同様にして、褐色のシリコーン214.9g(収率77.4%)を得た。このシリコーンの粘度は4620mm/s(25℃)であり、比重は1.001(25℃)であり、屈折率は1.4162であった。H−NMR分析によりイソプロポキシ不純物量は、0.45と計算された。
得られたシリコーン、メタクリル酸メチル、及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートをそれぞれ同量ずつ混合したところ白濁した。
[比較例4]
上記式(8)で表される化合物の量を、140.3g(1.06モル、上記式(12)で表される化合物中のSiH基のモル数に対して、上記式(8)で表される化合物の不飽和結合のモル数が5.0となる量)から421.7g(3.20モル、上記式(12)で表される化合物中のSiH基のモル数に対して、上記式(8)で表される化合物の不飽和結合のモル数が15.0となる量)に変えた他は実施例1と同様にして、淡白濁のシリコーン219.3g(収率79.0%)を得た。このシリコーンの粘度は3040mm/s(25℃)であり、比重は1.004(25℃)であり、屈折率は1.4165であった。H−NMR分析によりイソプロポキシ不純物量は、0.05と計算された。
得られたシリコーン、メタクリル酸メチル、及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートをそれぞれ同量ずつ混合したところ微白濁した。
実施例1〜3に示す通り、本発明のシリコーンの製造方法であれば、着色がなく、透明であり、脱水素不純物が抑制され、粘度が低く、他のモノマーとの相溶性に優れる、両末端に重合性の基を有するとともに水酸基を2つ含む親水性側鎖を有するシリコーンを簡便に製造できることが明らかとなった。
一方、比較例1〜3に示す通り、上記式(12)で表される化合物(上記式(4)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンに相当)中のSiH基のモル数に対して、上記式(8)で表される化合物(上記式(5)で表される化合物に相当)の不飽和結合のモル数が4倍未満となる条件では、得られるシリコーンは、着色が多く、脱水素不純物が多く、粘度が高く、他のモノマーとの相溶性が悪いものとなった。また、比較例4に示す通り、上記式(12)で表される化合物中のSiH基のモル数に対して、上記式(8)で表される化合物の不飽和結合のモル数が10倍を超えた条件では、得られるシリコーンは、上記式(8)で表される化合物(上記式(5)で表される化合物に相当)のホモポリマーが生成するため白濁し、粘度が高く、他のモノマーとの相溶性が悪いものとなった。このため、比較例1〜4で得られたシリコーンは、眼科デバイス製造用シリコーンとしては適さないものであることが明らかとなった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (2)

  1. 下記式(1)で表されるシリコーンの製造方法であって、
    Figure 2018065969
    [式中、Rは下記式(2)で表される基である。
    Figure 2018065969
    (式(2)中、nは2〜8の整数であり、Rはメチル基又は水素原子である。)
    は互いに独立に、炭素数1〜10の、置換又は非置換の一価炭化水素基であり、Rは互いに独立に、炭素数1〜6のアルキル基であり、Aは下記式(3)で表される基である。
    Figure 2018065969
    (式(3)中、mは2〜10の整数であり、Xは−C2p−1(OH)で示される、水酸基を2個有する分岐していてもよいアルキル基であり、pは1〜6の整数である。)
    aは1〜500の整数であり、bは1〜100の整数である。ただし、a+bは50〜600である。]
    下記式(4)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、
    Figure 2018065969
    (式(4)中、R、R、R、a、及びbは前記と同様である。)
    下記式(5)で表される化合物とを、
    Figure 2018065969
    (式(5)中、kは0〜8の整数であり、Xは前記と同様である。)
    前記式(4)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のSiH基のモル数に対して、前記式(5)で表される化合物の不飽和結合のモル数が4〜10倍となる条件で付加反応させることにより前記式(1)で表されるシリコーンを得ることを特徴とするシリコーンの製造方法。
  2. 前記Xが、下記式(6)又は(7)で表される基であることを特徴とする請求項1に記載のシリコーンの製造方法。
    Figure 2018065969
    Figure 2018065969
    (式中、は結合部位を表す。)
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