JP2018065898A - 発泡体 - Google Patents

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英男 余郷
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Abstract

【課題】 本発明は、本発明はこれら従来技術に鑑み、天然由来原料を使用することで、焼却時の石油由来のCO2発生を抑制するとともに、植物由来原料を使用した低密度ポリエチレンを使用することで良好な機械特性を有する外観美麗な天然由来ポリエチレン系樹脂発泡体を提供することを課題とする。【解決手段】 発泡体の全成分100質量%中に天然由来エチレン成分を含む低密度ポリエチレン系樹脂を20質量%以上100質量%以下含みASTM D6866(2004年制定)によって測定されるバイオマス度が25%以上である発泡体【選択図】なし

Description

本発明は発泡体に関する。
プラスチックは加工性や使いやすい特性を有するが、再利用の困難さ、衛生上の問題などにより使い捨てされていた。しかしながら、プラスチックが大量に使用、廃棄されるにつれ、その埋め立て処理や焼却処理に伴う問題がクローズアップされており、ごみ埋め立て地の不足、非生分解性のプラスチックが環境に残存することによる生態系への影響、燃焼時の有害ガス発生、大量の燃焼熱量による地球温暖化など環境負荷を与える原因となっている。
生分解性プラスチックには石油由来と植物由来からなるものが存在するが、炭酸ガスの固定化手段として有効な植物由来のプラスチックが注目を浴びている。炭酸ガスの固定化とは燃焼時に炭酸ガスを発生するが、光合成時に吸収するため、炭酸ガスは増加しないという考え方であり、そのような天然由来のプラスチックの中で特にポリ乳酸が取り上げられ、積極的な開発が進められている。特許文献1では、ポリ乳酸に架橋構造を施し、不活性ガスを発泡剤として5倍発泡体を得ている。しかしながらポリ乳酸自体は植物由来のプラスチックであるものの、耐衝撃性、引張伸びが不足しているため、緩衝材や、深絞りの成形が困難であった。特許文献2では、ポリ乳酸の機械的特性を補うために、グリシジル基を共重合させた変性ポリオレフィンを添加し、植物由来原料であるポリ乳酸を使用しつつ、機械的特性の向上を計っている。しかしながら、現在使用されている石油由来樹脂のポリオレフィンに比べて機械的物性が劣るものであった。
また、特許文献3では植物由来原料を使用したポリエチレン系樹脂発泡体について記載されているが、低密度ポリエチレンについて詳細が不明であり、有用性についても不明であった。
特開2003−286360号公報 特開平09−316310号公報 特開2013−60528号公報
本発明はこれら従来技術に鑑み、天然由来原料を使用することで、焼却時の石油由来のCO発生を抑制するとともに、植物由来原料を使用した低密度ポリエチレンを使用することで良好な機械特性を有する外観美麗な天然由来ポリエチレン系樹脂発泡体を提供することを課題とする。
(1)発泡体の全成分100質量%中に天然由来エチレン成分を含む低密度ポリエチレン系樹脂(A)を20質量%以上100質量%以下含みASTM D6866(2004年制定)によって測定されるバイオマス度が25%以上であり、ゲル分率が5%以上60%以下であることを特徴とする発泡体
(2)前記低密度ポリエチレン系樹脂(A)が、密度が0.90〜0.94kg/cmである(1)記載の発泡体。
(3)発泡体の全成分100質量%中に前記低密度ポリエチレン系樹脂(A)を50質量%以上100質量%以下含有する(1)または(2)記載の発泡体。
(4)前記低密度ポリエチレン系樹脂(A)を20〜80質量%、石油由来ポリエチレン系樹脂(B)を80〜20質量%含む(1)〜(3)のいずれかに記載の発泡体。
本発明はこれら従来技術に鑑み、天然由来原料を使用することで、焼却時の石油由来のCO2発生を抑制するとともに、天然由来原料を使用した低密度ポリエチレンを使用することで良好な機械特性を有する外観美麗な天然由来ポリエチレン系樹脂発泡体を提供することを課題とする。
本発明の発泡体は、発泡体の全成分100質量%中に天然由来エチレンに由来する成分を含む低密度ポリエチレン樹脂(A)(天然由来エチレンに由来する成分を含む低密度ポリエチレンを、以下、バイオ低密度ポリエチレンという)を20質量%以上100質量%以下含み、ASTM D6866(2004年制定)によって測定されるバイオマス度が25%以上であることを特徴とする発泡体である。
発泡体の全成分100質量%中のバイオ低密度ポリエチレン樹脂(A)の含有量は20質量%以上100質量%以下であることが重要であるが、より好ましくは50質量%以上100質量%以下であり、さらに好ましくは80質量%以上95質量%以下である。
また、使用するバイオ低密度ポリエチレン樹脂は、密度が900〜940kg/mの範囲内にあるものが好ましく用いられ、中でも密度が910〜930kg/m、融点が100〜115℃が、特に好ましく用いられる。
本発明の発泡体中のポリオレフィン系樹脂としては、バイオ低密度ポリエチレン以外に、天然由来エチレンに由来する成分を含む高密度ポリエチレンや直鎖上低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンを使用してもよい。その他、ポリオレフィン系樹脂(以下石油由来ポリオレフィンと呼ぶ)を適宜用いることができる。石油由来ポリオレフィンとして、ポリ酢酸ビニル(EVA)、ポリエチレンエチルアクリレート(EEA)、ポリプロピレン(PP)、ポリ−1−ブテン、1,2−ポリブタジエン及びその水素添加物、ポリイソブチレン、プロピレンとエチレン及び/または1−ブテンとのあらゆる比率でのランダム共重合体またはブロック共重合体、ポリメチルペンテン、シクロペンタジエンとエチレン及び/またはプロピレンとの共重合体などの環状ポリオレフィン、エチレンとプロピレンとのあらゆる比率においてジエン成分が50重量%以下であるエチレン−プロピレン−ジエン3元共重合体等が挙げられる。その他、石油由来ポリオレフィンとしてのポリエチレンとして、ナフサなどの化石原料から生成される高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を使用しても良い。
次にバイオポリエチレンの原料である天然由来エチレンの生成方法について説明する。天然原料であるサトウキビから得られる糖質を発酵剤である酵母サッカロマイセス・セレビシエを用いて発酵させ、エタノールを生成し、生成されたエタノールをγアルミナ等の触媒を用いて300℃を超える温度の接触反応によってエチレンに転化されることで、バイオポリエチレンの原料である天然由来エチレンを得ることができる。
本発明の発泡体中のバイオポリエチレンは、必要に応じて石油由来オレフィンに由来するα−オレフィン成分を含んでも良い。
本発明の発泡体の密度は20kg/m〜500kg/mの範囲のものであることが好ましい。
本発明の発泡体としてはバイオ低密度ポリエチレン(A)とその他ポリエチレンを併用することで石油由来ポリエチレン同士の組み合わせと比較し高い機械物性を得ることができる。詳細には、発泡体全量100質量%において、バイオ低密度ポリエチレン(A)が20質量%〜80質量%、その他のポリエチレンが80質量%〜20質量%の範囲である。さらに好ましくはバイオ低密度ポリエチレン(A)が30質量%〜70質量%の範囲である。
また、高い断熱性能や、高い緩衝性能を満足する低密度の発泡体(20kg/m〜50kg/m)を得る場合において、好ましい態様としては発泡体全量100質量%において、バイオ低密度ポリエチレンが20質量%〜80質量%、その他のポリエチレンが80質量%〜20質量%の範囲である。バイオ低密度ポリエチレン(A)が20質量%以下の場合、出来た発泡体の独立気泡率が低下するため、好ましくなく、80質量%以上の場合、出来た発泡体の110℃における加熱収縮が大きくなるため好ましくない。
本発明の発泡体の独立気泡率は、80%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。独立気泡率が80%を下回ると表面性が低下する可能性があり、断熱性が低下する可能性があるため好ましくない。なお、独立気泡率の上限は100%である。
また本発明の発泡体は本発明の目的を著しく損なわない範囲であれば、後述する各種添加剤を含有することができる。詳細には、発泡体全成分100質量%において、顔料、熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、難燃剤、触媒失活剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、充填剤、結晶核剤、発泡核剤などの添加剤を0質量%以上50質量%以下含有することができ、好ましくは、発泡体全成分100質量%において0質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは、0.2質量%以上5質量%以下含有する態様である。
熱安定剤や酸化防止剤として、例えば、ヒンダードフェノール類、燐系化合物、ヒンダードアミン類、硫黄化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物などが挙げられる。
難燃剤として、ハロゲン系難燃剤、燐系難燃剤、無機系難燃剤などが使用できるが、非ハロゲン系難燃剤の使用が望ましい。
触媒失活剤として、アルキルフォスフェートおよび・またはアルキルホスホネート化合物などが挙げられ、モノオクチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、モノエチルヘキシルホスフェート、ジエチルヘキシルホスフェート、モノステアリルホスフェート、ジステアリルホスフェートなどが挙げられる。
本発明で使用する発泡核剤としては、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、クレー、ゼオライト、カオリン、ベントナイト、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウムなどの無機フィラーが挙げられる。
本発明の発泡体を製造するために用いる原料には、必要に応じて多官能性モノマーを含有していても良い。多官能性モノマーは、本発明の発泡体の耐熱性を向上させるなどの目的で、架橋させようとする際に必要である。これらの多官能性モノマーは原料中のポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、1〜10質量部の範囲で用いられ、好ましくは2〜7質量部の範囲である。1質量部未満では添加効果が十分でなく、10質量部を超えるとブリードアウトが多くなり、単なるコストアップになるだけであるため、好ましくない。
これらの多官能性モノマーは従来より公知のものを用いて良く、例えば1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート等のアクリレート系又はメタクリレート系化合物;トリメリット酸トリアリルエステル、ピロメリット酸トリアリルエステル、シュウ酸ジアリル等のカルボン酸のアリルエステル;トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等のシアヌール酸又はイソシアヌール酸のアリルエステル;N−フェニルマレイミド、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド等のマレイミド系化合物;フタル酸ジプロパギル、マレイン酸ジプロパギル等の2個以上の三重結合を有する化合物;ジビニルベンゼン等が挙げられる。また本発明の発泡体を上記多官能性モノマーを用いて架橋させる場合、その架橋方法は有機過酸化物による架橋、電離性放射線照射による架橋の何れか若しくは両方であることが好ましい。発泡体を架橋させるタイミングは、発泡前、発泡中、発泡後の何れであっても良い。
架橋発泡体を作成する際に使用する有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3、α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルパーオキシクメン、4,4'−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレリック酸n−ブチルエステル、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等が挙げられる。原料中のポリオレフィン系樹脂100重量部に対して通常0.2〜10質量部の範囲で用いられる。0.2質量部未満では添加効果が十分ではなく、10質量部を超えると架橋が進みすぎるため好ましくない。
電離性放射線としては、例えば、α線、β線、γ線、電子線等を挙げることができる。電離性放射線の照射線量は、目的とする架橋度、被照射物の形状、厚み等によって異なるが、照射線量は通常1〜200kGy、好ましくは1〜100kGyである。照射線量が少なすぎると、十分に架橋が進行しないためその効果が不十分であり、多すぎると樹脂が分解してしまう可能性があるため好ましくない。これらの中でも、電子の加速電圧を制御することで様々な厚みの被照射物に対して効率よく樹脂を架橋させることが出来るため、電子線が好ましい。また電離性放射線の照射回数については特に制限はない。
本発明の発泡体を架橋させる場合(架橋発泡体とする場合)は、発泡体のゲル分率は5%以上である事が好ましい。ゲル分率が5%未満の場合、架橋発泡体として十分な耐熱性を有していないため好ましくない。また発泡体のゲル分率は、成形加工性の点から60%以下であることが好ましい。さらに好ましいのは10%以上50%以下である。尚、発泡体のゲル分率は、後述する方法で測定した値である。
本発明の発泡体はASTM D6866(2004年制定)によって測定されるバイオマス度が25%以上であることが重要であるが、このバイオマス度について説明する。バイオマス度とは製品中に含まれる天然由来原料の割合を意味し、その定量化には天然の放射性炭素C14の濃度を用いることができる。天然の放射性炭素C14は宇宙線起源であり、COの大気循環を通じて、植物に取り込まれる。一方、宇宙線の影響から隔絶された化石燃料では半減期5730年のC14は壊変し尽くして、含有量はほぼゼロである。つまり、天然原料由来とは天然の放射性炭素C14を含有することを意味し、天然由来原料のC14濃度は107.5pmc(percentmodern carbon)であり、化石燃料のC14濃度は0pmcである。本発明の発泡体のバイオマス度は天然由来原料のC14濃度(107.5pmc)に対するASTM D6866-06(2004年制定)の技術規格「放射性炭素及び同位体比質量分析を使用する天然領域材料のバイオに基づくものの含有率の決定のための標準試験法」(Standard Test Methods for Determining the Biobased Content of Natural Range Materials Using Radiocarbon and Isotope Ratio Mass Spectrometry Analysis)」に準じて測定したC14濃度(単位pmc)の割合である。
本発明の発泡体のバイオマス度は好ましくは25%以上99%以下、より好ましくは30%以上99%以下である。発泡体中のバイオマス度が25%未満である場合は、燃焼時の大気中の二酸化炭素増加を低減し、温室効果の拡大防止に繋がりにくくなるため好ましくない。
本発明の発泡体を得る方法としては、従来より公知の方法として、物理発泡剤を用いて押出機から押し出し発泡させる方法、金型内で発泡させる方法、化学発泡剤を用いて発泡させる方法などが挙げられる。
物理発泡剤としては、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン等の揮発性炭化水素類、ジクロロジフルオロメタン、1,1,1−トリフルオロエタン、塩化メチレン等のハロゲン系炭化水素類、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル等のエーテル類、二酸化炭素や窒素等が用いられ、これらは単独で用いても2種類以上併用してもよい。また、アルコールや水などを発泡助剤として用いることも出来る。これらの中でも超臨界状態の二酸化炭素を用いたものが安全性や地球環境への負荷を低減させるという点から好ましい。
化学発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボン酸バリウム、重炭酸ナトリウム等の重炭酸塩等が挙げられ、これらは単独で用いても2種類以上併用してもよい。必要に応じて、酸化亜鉛やステアリン酸亜鉛などの発泡剤分解促進剤を使用することは均一な発泡体を得るために好ましい態様である。
熱分解型発泡剤を用いて発泡させる場合は、樹脂を架橋させておいた方が気泡破れ等が発生せず、外観美麗な発泡体が得られる。樹脂を架橋させる方法としては、有機過酸化物による架橋、電離性放射線照射による架橋等あるが、必要に応じて、多官能性モノマを樹脂組成物中に含有してもよい。
熱分解型発泡剤の添加量は原料中のポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、1〜30質量部の範囲であることが好ましい。1質量部未満では発泡性が十分でないため、得られる発泡体の密度が高くなる。30質量部を超えると均一な発泡体が得られにくく、また得られた発泡体の機械的強度が低下する可能性がある。
有機過酸化物を用いて架橋させる場合の発泡体の製造方法としてはポリオレフィン系樹脂と有機過酸化物、熱分解型発泡剤を押出機に供給し、シート状に成形し、発泡性樹脂組成物を得る。これを熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱し、有機過酸化物を分解させることにより樹脂を架橋させながら、発泡剤を熱分解させることで発泡体を作成する。このため、有機過酸化物の分解温度は樹脂組成物の混練温度よりも高く、熱分解型発泡剤の分解温度よりも低い温度である化合物を選択するのが好ましい。
電離性放射線を用いて架橋させる場合の発泡体の製造方法としてはポリオレフィン系樹脂、多官能性モノマー、熱分解型発泡剤を押出機に供給し、シート状に成形し、発泡性樹脂組成物を得る。このシートに電離性放射線を照射し、樹脂を架橋させる。次いで、架橋させたシートを熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱し発泡剤を分解させ、発泡体を作成する。加熱の方法としては、従来公知の方法を用いてよく、例えば、縦型及び横型の熱風発泡炉、溶融塩等の薬液浴上などで行うことができる。
何れの製造方法においても共通の事項として、樹脂組成物の溶融混連は、単軸、二軸押出機、タンデム型押出機等の押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー等の混練装置で混練する事が出来る。押出機を用いる場合においては、真空ベントを設置していることが好ましい。また必要に応じて、例えばVブレンダーやヘンシェルミキサーなどでそれぞれの樹脂及び添加剤を事前にブレンドしてから、押出機等に供給しても良い。
本発明の発泡体の用途としては、例えば車輌用途としては、ドア、インスツルメントパネル、シートバックガーニッシュ、コンソールボックス、天井、フロアーマット等の内装材、ダッシュパネルインシュレーター、リアサイドトリムインシュレーター等の各種インシュレーター、トランクサイド、ホイルハウスカバー等が挙げられる。また、例えば断熱材としては、パイプカバー、スパイラルホース、長尺屋根、等に用いられる。また、例えばクッション材としてはデスクマット、フロアーマット等の各種マット類、紙管巻芯の緩衝材等が挙げられる。さらに例えばパッキング材、粘着テープ等の基材、タイル等の目地材等が挙げられ、幅広い用途に適用可能である。更に、パッキング材の中でも温水接触や該発泡体を真空成型等の加熱加工を行う場合には好適に使用することができる。
以下に本発明の実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。実施例および比較例で使用した原料を下記に示す。
バイオ低密度ポリエチレン
A・・・低密度ポリエチレン ブラスケム社製 グレード名SBC818
密度918kg/m MFR8.1g/10min(190℃ 2.16kgf)
バイオマス度95%
B・・・低密度ポリエチレン ブラスケム社製 グレード名:SBF0323HC
密度923kg/m MFR0.32g/10min(190℃ 2.16kgf)
バイオマス度95%
石油由来ポリオレフィン系樹脂
C・・・低密度ポリエチレン 日本ポリエチレン社製 グレード名LF640MA
密度924kg/m MFR5.0g/10min(190℃ 2.16kgf)
D・・・直鎖状低密度ポリプエチレン 日本ポリプロ社製 グレード名FY6C
密度905kg/m MFR2.4g/10min(190℃ 2.16kgf)
発泡剤
E・・・アゾジカルボンアミド 大塚化学社製 グレード名T−8
(1)見掛け密度の測定方法
JIS K6767(1999)「発泡プラスチック−ポリエチレン−試験方法」に基づいて測定されたものである。
例えば、15cm以上になるようなサンプルサイズ(例えば、10cm角)に打ち抜き、厚み、質量を測定する。サンプルの面積(10cm角の場合は100cm)とその厚みから体積を算出し、以下の式により見掛け密度を算出した。
見掛け密度(kg/m)=サンプル重量(kg)/{サンプル厚み(m)×サンプル面積(m)}
そして5サンプルの測定により得られた値から上下限値を除いた3点の平均値を、見掛け密度とした。
(2)ゲル分率の測定
発泡体を約50mg精密に秤量し、130℃のテトラリン25mlに3時間浸漬した後、200メッシュのステンレス製金網で濾過して、アセトンで洗浄、金網状の不溶解分を真空乾燥する。次いで、この不溶解分の重量を精密に秤量し、以下の式に従ってゲル分率を百分率で算出した。
ゲル分率(%)={不溶解分の重量(mg)/秤量した発泡体の重量(mg)}×100
(3)発泡体の示差走査熱量分析による融点の測定
示差走査熱量分析は、以下の方法で行った。約5mgの発泡体を0.1mgまで正確に秤量し、白金パンにいれ、示差走査熱量計(DSC:セイコー電子工業株式会社製RDC220−ロボットDSC)にて測定した。なお、サンプルである発泡体は、目視で気泡が残らない程度に、予め機械的に気泡を潰して、上述の通り秤量し、測定した。
測定条件は、50℃から200℃の間で10℃/分の速度で昇温し、5分間保持した後、200℃から−50℃の間で10℃/分の速度で降温し、更に5分間保持した後−50℃から200℃の間で10℃/分の速度で昇温した際の、2度目の昇温過程で得られた吸熱ピークを融点とした。
(4)バイオマス度の測定
発泡体のバイオマス度はASTM D6866-06(2004年制定)の技術規格「放射性炭素及び同位体比質量分析を使用する天然領域材料のバイオに基づくものの含有率の決定のための標準試験法」の内、加速器質量分析法(AMS法)により発泡体のC14濃度を測定し、以下に示す式によりバイオマス度を求めた。
バイオマス度(%)=発泡体のC14濃度(pmc)÷107.5(pmc)×100
(5)引張強度、引張伸び
引張強さ、引張伸びは、JIS K6767(1999年)に準拠して測定を行った。
(6)加熱収縮率
JIS K7133(1999年制定)に準じて、得られた発泡体を温度110℃の雰囲気下で1時間放置し、加熱後の寸法変化を測定した。寸法変化は発泡体製造時の流れ方向と幅方向の2点測定を実施した。
(7)独立気泡率の測定
JIS K7138(2006)「硬質発泡プラスチック-連続気泡率及び独立気泡率の求め方」の測定法2(体積膨張法による非通気体積の測定)に準拠して独立気泡率を測定した。
(8)(成形品の施工性、繰り返し施工性)
樹脂発泡体を幅110mmに切断し、300℃の熱風で該樹脂発泡体を加熱しながら円錐形状の口金を通して、内径18mmの円筒体を得た。円筒体に成形した保温材を呼び径15A(外径15.88mm)、肉厚1.02mmの銅管へ施工するとき、保温材を5回取り付け、取り外しを行い、やぶれ、欠け等が発生した水準を(×)、変化ないものを(○)とした。
(実施例1)
バイオ低密度ポリエチレンとしてSBC818(ブラスケム社製)100質量部に対して、安定剤としてイルガノックス1010(チバ・スペシャルティーケミカルズ製)を0.3質量部、発泡剤としてアゾジカルボンアミドT−8(大塚化学社製)5質量部添加して、シリンダー前半部を190℃、後半部分を140℃に設定したスクリュー径60mmφの二軸押出機を用い、スクリュー回転数15rpmでTダイから押し出し、厚さ1.05mmの長尺の発泡性シートを得た。
ついで、このシートに加速電圧800kVで、電離性放射線を50kGy照射し、樹脂を架橋させた。得られたシートを230℃に設定した溶融塩浴上に浮かばせて、シート状架橋発泡体として巻取りした。
出来た発泡体は厚み2.1mm、密度102kg/mの発泡体であり、バイオマス度は95%であった。独立気泡率は95%であり、外観美麗な発泡体であった。
(実施例2〜7)
使用するバイオ低密度ポリエチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、発泡剤の種類、添加比率は表1の通りであり、電離性放射線を所望の照射線量で照射した以外は実施例1と同様な方法でシート状架橋発泡体を製造した。得られた発泡体の評価結果は表1の通りである。
(比較例1~4)
使用するポリオレフィン系樹脂、発泡剤、架橋助剤の種類、添加比率は表1の通りであり、電離性放射線を所望の照射線量で照射した以外は実施例1と同様な方法でシート状架橋発泡体を製造した。得られた発泡体の評価結果は表1の通りである。
Figure 2018065898

Claims (4)

  1. 発泡体の全成分100質量%中に天然由来エチレン成分を含む低密度ポリエチレン系樹脂(A)を20質量%以上100質量%以下含みASTM D6866(2004年制定)によって測定されるバイオマス度が25%以上であり、ゲル分率が5%以上60%以下であることを特徴とする発泡体。
  2. 前記低密度ポリエチレン系樹脂(A)が、密度が0.90〜0.94kg/cmである請求項1記載の発泡体。
  3. 発泡体の全成分100質量%中に前記低密度ポリエチレン系樹脂(A)が50質量%以上100質量%以下の含有する請求項1または2記載の発泡体。
  4. 前記低密度ポリエチレン系樹脂(A)を20〜80質量%、石油由来ポリエチレン系樹脂(B)を80〜20質量%含む請求項1〜3のいずれかに記載の発泡体。
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