JP2021031608A - 発泡体シート、及び粘着テープ - Google Patents

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基 高杉
梨絵 松井
Rie Matsui
梨絵 松井
慶人 菱沼
Keito HISHINUMA
慶人 菱沼
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Abstract

【課題】環境負荷が低く、耐衝撃性に優れた発泡体シート及びその発泡体シートを備える粘着テープを提供する。【解決手段】本発明の発泡体シートはバイオ系ポリオレフィン樹脂を含む発泡体シートであり、発泡体シートにおけるバイオ率が25質量%以上であり、面方向破断強度が1.0MPa以上である。本発明の粘着テープは、本発明の発泡体シートと、その発泡体シートの片面又は両面に設けられる粘着材とを備える。【選択図】なし

Description

本発明は、バイオ系ポリオレフィン樹脂を含有する発泡体シート、及びその発泡体シートを備える粘着テープに関する。
樹脂を発泡させることにより得られる発泡体シートは、例えば、建築、エレクトロニクス及び車輌等の各種分野において広く利用されている。発泡体シートに用いられる樹脂としては、石油由来の樹脂が一般的であるが、その製造過程や廃棄過程等において多くの二酸化炭素を排出するため、環境への負荷が問題になっている。そこで、このような問題を解決するために、天然由来の樹脂を用いる検討がなされている。
例えば特許文献1には、天然由来エチレンに由来する成分を含むポリエチレン(バイオ系ポリエチレン)を用い、ASTM D6866(2004年制定)によって測定されるバイオマス度が25%以上である発泡体が記載されている。また、特許文献2には、天然由来エチレン成分を含む低密度ポリエチレン系樹脂を20質量%以上100質量%以下含み、バイオマス度が25%以上であり、ゲル分率が5%以上60%以下である発泡体が記載されている。
特開2013−155225号公報 特開2018−65898号公報
近年、電子機器は、小型化及び各種部品の高機能化が進んでおり、それに伴い、電子機器用途に用いる発泡体シートには、薄層化することが望まれている。そして、薄層化した発泡体シートにおいても環境負荷を低減させることが求められつつある。しかし、薄層化した発泡体シートは、一般に耐衝撃性が低いため、電子機器内部で緩衝材として使用した場合に、その機能を十分に果たすことが難しい場合がある。
そこで、本発明は、環境負荷が低く、耐衝撃性に優れた発泡体シート及びその発泡体シートを備える粘着テープを提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、発泡体シート中のバイオ率を25質量%以上としたうえで、面方向破断強度を1.0MPa以上に調整することにより、上記課題を解決できることを見出し、以下の本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[8]に関する。
[1]バイオ系ポリオレフィン樹脂を含む発泡体シートであって、前記発泡体シートにおけるバイオ率が25質量%以上であり、面方向破断強度が1.0MPa以上である発泡体シート。
[2]ZDにおける平均気泡径が前記発泡体シートの厚みの50%以下である上記[1]に記載の発泡体シート。
[3]MD及びTDの少なくとも1つの方向の平均気泡径が200μm以下である上記[1]又は[2]に記載の発泡体シート。
[4]厚みが0.05〜1.5mmであり、発泡倍率が1.5〜10倍である上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の発泡体シート。
[5]前記バイオ系ポリオレフィン樹脂がポリエチレン系樹脂である上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の発泡体シート。
[6]MD及びTDの少なくとも1つの方向の常温破断点強度が3.0MPa以上である上記[1]〜[5]のいずれか1つに記載の発泡体シート。
[7]電子機器用である上記[1]〜[6]のいずれか1つに記載の発泡体シート。
[8]上記[1]〜[7]のいずれか1つに記載の発泡体シートと、前記発泡体シートの片面又は両面に設けられる粘着材とを備える粘着テープ。
本発明によれば、環境負荷が低く、耐衝撃性に優れた発泡体シート及びその発泡体シートを備える粘着テープを提供することができる。
面方向破断強度の測定方法を説明するための図である。 落球試験の試験方法を説明するための図である。
[発泡体シート]
本発明の発泡体シートは、バイオ系ポリオレフィン樹脂を含む発泡体シートであり、発泡体シートにおけるバイオ率が25質量%以上であり、面方向破断強度が1.0MPa以上である。
本発明においては、発泡体シートのバイオ率を25質量%以上にすると共に面方向破断強度を特定の範囲に調整することにより、発泡体シートの環境負荷を低くし、かつ発泡体シートの耐衝撃性を良好にすることが可能になる。
以下、本発明を詳細に説明する。
〔バイオ系ポリオレフィン樹脂〕
本発明の発泡体シートは、少なくともバイオ系ポリオレフィン樹脂を含む発泡体である。なお、バイオ系ポリオレフィン樹脂とは、天然由来成分を含むポリオレフィン樹脂である。ガソリンの代替としてバイオエタノールが商業的に生産されており、バイオエタノールを脱水させて原料のエチレンを作製できるという観点から、バイオ系ポリオレフィン樹脂は、好ましくはポリエチレン系樹脂であり、より好ましくは天然由来エチレンを構成単位として含むポリエチレン系樹脂である。より具体的には、天然由来エチレンの単独重合体、天然由来エチレンと、石油由来オレフィンとの共重合体が挙げられ、これらの中でも、入手容易性等の観点から、天然由来エチレンと石油由来オレフィンとの共重合体が好ましい。石油由来オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、及び1−ヘキセンから選ばれる1種以上であることが好ましく、中でもエチレンが好ましい。バイオ系ポリオレフィン樹脂としてのポリエチレン系樹脂には、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)等が挙げられる。また、低密度ポリエチレン(LDPE)には、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高圧法低密度ポリエチレン等が挙げられる。バイオ系ポリオレフィン樹脂は、天然由来エチレンを構成単位として含むエチレン−酢酸ビニル共重合体でもよい。
バイオ系ポリオレフィン樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
柔軟性の観点及び成形性の観点から、好ましいバイオ系ポリオレフィン樹脂としてのポリエチレン系樹脂は低密度ポリエチレン(LDPE)である。
バイオ系ポリオレフィン樹脂(A)において、天然由来エチレンに由来する構成単位の含有量は、40〜98質量%であることが好ましく、75〜97質量%がより好ましく、85〜96質量%がさらに好ましい。すなわち、バイオ系ポリオレフィン樹脂(A)のバイオ率は、40〜98質量%であることが好ましく、75〜97質量%がより好ましく、85〜96質量%がさらに好ましい。
天然由来エチレンに由来する構成単位の含有量を上記下限値以上とすると、環境負荷が低くなり、例えば二酸化炭素の削減効果なども高められる。一方、天然由来エチレンに由来する構成単位の含有量を上限値以下とすると、後述する発泡性樹脂シートを得る際に結晶化速度が小さくなるため、幅方向に均一な厚みの発泡性樹脂シートを得やすくなり、発泡体シートが薄くなっても耐衝撃性が良好となりやすい。
バイオ系ポリオレフィン樹脂のメルトインデックス(MI)は、好ましくは1.5〜12g/10分以上である。メルトインデックスが前記範囲であると、樹脂が柔軟でありながらも発泡が適切に進行する。そのため、発泡体シートの柔軟性が向上すると共に、最大気泡径を小さくし、発泡体シートの耐衝撃性、柔軟性などを向上させることができる。これらの観点から、バイオ系ポリオレフィン樹脂(A)のメルトインデックスは、2.0〜10g/10分がより好ましく、2.2〜7.0g/10分がさらに好ましく、2.4〜5.0g/10分がよりさらに好ましい。なお、メルトインデックス(MI)は、JIS K7210に準拠して、温度190℃、荷重2.16kgfの条件下で測定した値である。
バイオ系ポリオレフィン樹脂(A)の密度は、例えば0.900〜0.940g/cmであり、好ましくは0.910〜0.930g/cmである。バイオ系ポリオレフィン樹脂(A)は、密度が上記範囲内であると、耐衝撃性、柔軟性などの発泡体として要求される各種性能を良好にしやすくなる。
バイオ系ポリオレフィン樹脂は、天然由来エチレン及び必要に応じて石油由来オレフィンなどを用いて公知の方法により製造することができる。バイオ系ポリオレフィン樹脂の原料である天然由来エチレンは、例えば、天然原料であるサトウキビから得られる糖質を、発酵剤である酵母サッカロマイセス・セレビシエを用いて発酵させ、エタノールを生成し、γ−アルミナ等の触媒を用いて300℃を超える温度の接触反応によって、そのエタノールを脱水することで得られる。
〔バイオ系ポリオレフィン樹脂以外の樹脂〕
発泡体シートは、バイオ系ポリオレフィン樹脂以外の樹脂を含んでもよく、例えば、石油系ポリオレフィン樹脂を含むことが好ましい。石油系ポリオレフィン樹脂は、一般的に石油由来オレフィンから製造されたポリオレフィン樹脂である。石油系ポリオレフィン樹脂を使用することで、発泡体シートを薄くすることが可能になる。また、発泡体シートの面方向破断強度、平均気泡径及び常温破断点強度を後述の範囲内に調整しやすくなる。なお、石油由来オレフィンは、ナフサ、エタン、LPG(Liquefied Petroleum Gas)、NGL(Natural Gas Liquid)、ガスオイル等の石油化学原料を熱分解することにより生産されたオレフィンである。
石油系ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等が挙げられ、これらの中ではポリエチレン樹脂、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体から選択される少なくとも1種の樹脂が好ましく、ポリエチレン樹脂がより好ましい。石油系ポリオレフィン樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
≪ポリエチレン樹脂≫
ポリエチレン樹脂としては、チーグラー・ナッタ化合物、メタロセン化合物、酸化クロム化合物等の重合触媒で重合されたポリエチレン樹脂が挙げられ、好ましくはメタロセン化合物の重合触媒で重合されたポリエチレン樹脂が用いられる。メタロセン化合物の重合触媒で重合されたポリエチレン樹脂を使用することで、後述する架橋などを均一にでき、薄型化しても柔軟性などの発泡体としての各種性能を良好にしやすくなる。また、最大気泡径を小さくしやすくなる。
また、ポリエチレン樹脂としては、密度が0.930g/cm以下である低密度ポリエチレン(LDPE)が好ましく、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)がより好ましい。直鎖状低密度ポリエチレンを用いることにより、発泡体シートに柔軟性を付与するとともに、発泡体シートを薄くすることが可能になる。直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレン(例えば、全モノマー量に対して75質量%以上、好ましくは90質量%以上)と必要に応じて少量のα−オレフィンとを共重合することにより得られる直鎖状低密度ポリエチレンがより好ましい。
α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、及び1−オクテン等が挙げられる。なかでも、炭素数4〜10のα−オレフィンが好ましい。
発泡体シートを薄くしながらも柔軟性をより一層良好にする観点からは、上記したメタロセン化合物の重合触媒により重合されたポリエチレン樹脂が、直鎖状低密度ポリエチレンであることが好ましい。
ポリエチレン樹脂の密度は、0.870〜0.930g/cmが好ましく、0.890〜0.925g/cmがより好ましく、0.900〜0.923g/cmがさらに好ましい。ポリエチレン樹脂としては、複数のポリエチレン樹脂を用いることもでき、また、上記した密度範囲以外のポリエチレン樹脂を加えてもよい。
ポリエチレン樹脂のメルトインデックスは1.0〜12g/10分であることが好ましく、1.5〜8g/10分であることがより好ましく、1.8〜4.5g/10分であることがさらに好ましい。ポリエチレン樹脂のメルトインデックスが上記範囲内であると、発泡が適切に行われて発泡体シートの最大気泡径を小さくしやすくなると共に、発泡体シートの加工性、成形性が良好になる。なお、メルトインデックスは、JIS K7210に準拠して、温度190℃、荷重2.16kgfの条件下で測定した値である。
(メタロセン化合物)
メタロセン化合物としては、遷移金属をπ電子系の不飽和化合物で挟んだ構造を有するビス(シクロペンタジエニル)金属錯体等の化合物を挙げることができる。より具体的には、チタン、ジルコニウム、ニッケル、パラジウム、ハフニウム、及び白金等の四価の遷移金属に、1又は2以上のシクロペンタジエニル環又はその類縁体がリガンド(配位子)として存在する化合物を挙げることができる。
このようなメタロセン化合物は、活性点の性質が均一であり各活性点が同じ活性度を備えている。メタロセン化合物を用いて合成した重合体は、分子量、分子量分布、組成、組成分布等の均一性が高いため、メタロセン化合物を用いて合成した重合体を含むシートを架橋した場合には、架橋が均一に進行する。その結果、均一に延伸できるため、発泡体シートの厚みが均一になりやすく、発泡体シートを薄くしやすくなる。
リガンドとしては、例えば、シクロペンタジエニル環、インデニル環等を挙げることができる。これらの環式化合物は、炭化水素基、置換炭化水素基又は炭化水素−置換メタロイド基により置換されていてもよい。炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、各種プロピル基、各種ブチル基、各種アミル基、各種ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種セチル基、フェニル基等が挙げられる。なお、「各種」とは、n−、sec−、tert−、iso−を含む各種異性体を意味する。
また、環式化合物をオリゴマーとして重合したものをリガンドとして用いてもよい。
さらに、π電子系の不飽和化合物以外にも、塩素や臭素等の一価のアニオンリガンド又は二価のアニオンキレートリガンド、炭化水素、アルコキシド、アリールアミド、アリールオキシド、アミド、アリールアミド、ホスフィド、アリールホスフィド等を用いてもよい。
四価の遷移金属やリガンドを含むメタロセン化合物としては、例えば、シクロペンタジエニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、メチルシクロペンタジエニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドジルコニウムジクロリド等が挙げられる。
メタロセン化合物は、特定の共触媒(助触媒)と組み合わせることにより、各種オレフィンの重合の際に触媒としての作用を発揮する。具体的な共触媒としては、メチルアルミノキサン(MAO)、ホウ素系化合物等が挙げられる。なお、メタロセン化合物に対する共触媒の使用割合は、10〜100万モル倍が好ましく、50〜5,000モル倍がより好ましい。
≪ポリプロピレン樹脂≫
石油系ポリオレフィン樹脂として使用されるポリプロピレン樹脂としては、例えば、ポリプロピレンや、プロピレンを50質量%以上含有するプロピレン−エチレン共重合体、プロピレンを50質量%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
プロピレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、具体的には、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げることができ、これらの中では、炭素数6〜12のα−オレフィンが好ましい。
ポリプロピレン樹脂の密度は、0.870〜0.930g/cmが好ましく、0.890〜0.925g/cmがより好ましく、0.900〜0.923g/cmがさらに好ましい。ポリプロピレン樹脂としては、複数のポリプロピレン樹脂を用いることもでき、また、上記した密度範囲以外のポリプロピレン樹脂を加えてもよい。
≪エチレン−酢酸ビニル共重合体≫
石油系ポリオレフィン樹脂として使用するエチレン−酢酸ビニル共重合体は、例えば、酢酸ビニルの含有量(VA量)が、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは12〜35質量%、さらに好ましくは15〜30質量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体が挙げられる。エチレン−酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニルの含有量が前記範囲内であると、最大気泡径を小さくすることができ、柔軟性に優れる発泡体シートを得ることができる。
本発明においては、例えば、分子量、共重合体成分の酢酸ビニルの量、融点等が異なる2種類以上のものを組み合わせて使用することができる。
なお、本発明で用いるエチレン−酢酸ビニル共重合体は、エチレンと酢酸ビニルの他、酢酸ビニルの一部を加水分解して生成したビニルアルコールを含むものでもよい。
このようなエチレン−酢酸ビニル共重合体としては、例えば、東ソー株式会社製「ウルトラセン」、三井・デュポンポリケミカル株式会社製「エバフレックス」、宇部丸善ポリエチレン株式会社製「UBEポリエチレン」、旭化成ケミカルズ株式会社製「サンテック」等が挙げられる。
エチレン−酢酸ビニル共重合体の密度は、0.900〜0.980g/cmが好ましく、0.910〜0.975g/cmがより好ましく、0.920〜0.960g/cmがさらに好ましい。エチレン−酢酸ビニル共重合体としては、複数のエチレン−酢酸ビニル共重合体を用いることもでき、また、上記した密度範囲以外のエチレン−酢酸ビニル共重合体を加えてもよい。
エチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトインデックスは1.5〜15g/10分であることが好ましく、2.0〜10g/10分であることがより好ましく、2.5〜5g/10分であることがさらに好ましい。エチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトインデックスが前記範囲内であると、発泡体シートの最大気泡径を小さくしやすくなると共に、発泡体シートの加工性、成形性が良好になる。なお、メルトインデックスは、JIS K7210に準拠して、温度190℃、荷重2.16kgfの条件下で測定した値である。
〔各樹脂の含有量〕
発泡体シートにおけるバイオ系ポリオレフィン樹脂の含有量は、環境への負荷を低減して発泡体シートのバイオ率を高める観点から、樹脂成分全量基準で25質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましい。また、発泡体シートを薄型化し、かつ発泡体としての性能を良好にしやすくするためには、バイオ系ポリオレフィン樹脂(A)以外の樹脂を含んでいたほうがよい。そのような観点から、バイオ系ポリオレフィン樹脂(A)の含有量は、98質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましい。
石油系ポリオレフィン樹脂の含有量は、樹脂成分全量基準で2質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、そして、75質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましい。ポリオレフィン樹脂(B)の含有量をこれら下限値以上とすることで、シートを薄くしやすくなり、かつ発泡体シートの耐衝撃性が良好となりやすくなる。また、これら上限値以下とすることで、環境負荷を低くして、発泡体シートのバイオ率を高めやすくなる。
石油系ポリオレフィン樹脂がメタロセン化合物の重合触媒で重合されたポリエチレン樹脂を含む場合、そのポリエチレン樹脂は、石油系ポリオレフィン樹脂として、単独で使用することが好ましいが、他の石油系ポリオレフィン樹脂と併用してもよい。
メタロセン化合物の重合触媒で重合されたポリエチレン樹脂の含有量は、石油系ポリオレフィン樹脂全量基準で、40〜100質量%が好ましく、50〜100質量%がさらに好ましく、85〜100質量%がさらに好ましい。メタロセン化合物の重合触媒で重合されたポリエチレン樹脂の含有量を多くすることで、発泡体シートの柔軟性などを良好にしやすくなり、また、架橋などを均一にでき、シートを薄型化でき、かつ平均気泡径を小さくしやすくなる。
<発泡体シートにおけるバイオ率>
本発明の発泡体シートにおけるバイオ率は25質量%以上である。バイオ率を25質量%未満にすると、環境への負荷を低減することができない。この観点から、バイオ率は、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。上限値に特に制限はないが、発泡体シートの強度、柔軟性、製造コストなどの観点から、90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましく、75質量%以下がよりさらに好ましい。なお、発泡体シートのバイオ率は、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
<発泡体シートの面方向破断強度>
本発明の発泡体シートの面方向破断強度は1.0MPa以上である。発泡体シートの面方向破断強度が1.0MPa未満であると、電子機器に使用するには、発泡体シートの耐衝撃性が不十分になる場合がある。このような観点から、発泡体シートの面方向破断強度は、好ましくは1.2MPa以上であり、より好ましくは1.7MPa以上であり、さらに好ましくは2.5MPa以上であり、よりさらに好ましくは3.2MPa以上である。また、発泡体シートの面方向破断強度の範囲の上限値は特に限定されないが、例えば8.0MPaである。なお、発泡体シートの面方向破断強度は後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
<発泡体シートの気泡径>
ZDにおける平均気泡径が発泡体シートの厚みの50%以下であることが好ましい。ZDにおける平均気泡径が発泡体シートの厚みの50%以下であると、発泡体シートの面方向破断強度を容易に1.0MPa以上にすることができ、発泡体シートの耐衝撃性を改善することができる。このような観点から、ZDにおける平均気泡径が発泡体シートの厚みの25%以下であることがより好ましく、18%以下であることがより好ましい。
本発明の発泡体シートのMD及びTDの少なくとも1つの方向の平均気泡径は、好ましくは200μm以下である。発泡体シートのMD及びTDの少なくとも1つの方向の平均気泡径が200μm以下であると、発泡体シートの機械的強度を向上させることができ、これにより、発泡体シートの面方向破断強度を容易に1.0MPa以上にすることができる。このような観点から、本発明の発泡体シートのMD及びTDの少なくとも1つの方向の平均気泡径は、より好ましくは190μm以下であり、さらに好ましくは170μm以下である。なお、本発明の発泡体シートのMD及びTDの少なくとも1つの方向の平均気泡径の範囲の下限値は、特に限定されないが、例えば、20μmである。また、本発明の発泡体シートのMD及びTDの両方向の平均気泡径が、上記範囲内であることがより好ましい。
なお、MD方向は、Machine directionを意味し、押出方向等と一致する方向であるとともに、TD方向は、Transverse directionを意味し、MD方向に直交する方向である。また、ZD方向は、発泡シートの厚さ方向であり、MD方向及びTD方向のいずれにも垂直な方向である。発泡体シートのND、TD及びZDの平均気泡径並びに発泡体シートの厚みは後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
<発泡体シートの厚み>
本発明の発泡体シートの厚みは、好ましくは0.05〜1.5mmである。厚みを0.05mm以上とすると、発泡体シートの機械強度、耐衝撃性などの発泡体シートの性能を良好にできる。また、厚みを1.5mm以下にすると薄型化が容易になり、小型化した電子機器に好適に使用できる。薄型化しつつ、発泡体シートの性能を十分に発揮させる観点から、発泡体シートの厚みは、より好ましくは1.2mm以下、さらに好ましくは0.9mm以下、よりさらに好ましくは0.6mm以下であり、また、より好ましくは0.08mm以上であり、さらに好ましくは0.10mm以上である。
<発泡倍率>
本発明の発泡体シートの発泡倍率は、好ましくは1.5〜10倍である。発泡体シートの発泡倍率を1.5倍以上とすると、気泡割合が高くなり、柔軟性などの発泡体としての性能が良好となる。一方、発泡倍率が10倍以下であると、発泡体シートの面方向破断強度を容易に1.0MPa以上にすることができ、発泡体シートの耐衝撃性を改善することができる。また、発泡体シートのMD、TD及びZDの平均気泡径を小さくすることができる。これらの観点から、発泡体シートの発泡倍率は1.8〜9倍が好ましく、2.0〜7倍がさらに好ましい。なお、発泡倍率とは、発泡前と発泡後の比容積(単位:cc/g)を測定し、発泡後の比容積/発泡前の比容積によって算出されたものをいう。
<ゲル分率>
本発明の発泡シートのゲル分率は、20質量%以上が好ましい。ゲル分率を20質量%以上とすると平均気泡径を上記範囲内に調整しやすくなると共に、発泡体シートの気泡を微細化しやすくなり、耐衝撃性や機械強度を向上させやすくなる。そのような観点から、発泡体シートのゲル分率は、25質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましい。また、発泡体シートの柔軟性、耐衝撃性、衝撃吸収性などを向上させる観点から、ゲル分率は、65質量%以下が好ましく、60質量%以下がさらに好ましく、55質量%以下がさらに好ましい。
<常温破断点強度>
本発明の発泡体シートのMD及びTDの少なくとも1つの方向の常温破断点強度は、好ましくは3.0MPa以上である。発泡体シートのMD及びTDの少なくとも1つの方向の常温破断点強度が3.0MPa以上であると、発泡体シートの耐衝撃性がさらに改善される。このような観点から、本発明の発泡体シートのMD及びTDの少なくとも1つの方向の常温破断点強度は、より好ましくは4.0MPa以上であり、さらに好ましくは4.5MPa以上である。本発明の発泡体シートのMD及びTDの少なくとも1つの方向の常温破断点強度の範囲の上限値は、特に限定されないが、例えば20MPaである。なお、本発明の発泡体シートのMD及びTDの常温破断点強度は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。また、本発明の発泡体シートのMD及びTDの両方向の常温破断点強度が、上述の範囲内であることがより好ましい。
<樹脂組成物>
発泡体シートは、上記樹脂と発泡剤を含む樹脂組成物を発泡してなるものである。また、発泡体シートには、さらに添加剤が配合されていてもよく、したがって、発泡体シートは、上記樹脂と発泡剤に加えて添加剤を含む樹脂組成物を発泡してなるものでもよい。
〔発泡剤〕
発泡剤としては熱分解型発泡剤が好ましい。熱分解型発泡剤の具体例としては、分解温度が140℃〜270℃程度の有機系又は無機系の化学発泡剤が挙げられる。
有機系発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸金属塩(アゾジカルボン酸バリウム等)、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、ヒドラゾジカルボンアミド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、トルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジン誘導体、トルエンスルホニルセミカルバジド等のセミカルバジド化合物等が挙げられる。
無機系発泡剤としては、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、無水クエン酸モノソーダ等が挙げられる。
これらの中では、微細な気泡を得る観点、及び経済性、安全面の観点から、アゾ化合物、ニトロソ化合物が好ましく、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミンがより好ましく、アゾジカルボンアミドが特に好ましい。これらの熱分解型発泡剤は、単独で又は2以上を組み合わせて使用することができる。
熱分解型発泡剤の配合量は、樹脂成分100質量部に対して1〜30質量部が好ましい。このような配合量とすることで、シートの気泡が破裂せずに適切に発泡ができる。また、熱分解型発泡剤の配合量を多くすると、発泡倍率が高くなり、柔軟性を向上させることが可能である。そのため、熱分解型発泡剤の配合量は、3〜25質量部がより好ましく、5〜18質量部がさらに好ましい。
〔添加剤〕
樹脂組成物には、添加剤として気泡核調整剤が配合されることが好ましい。気泡核調整剤としては、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛等の亜鉛化合物、クエン酸、尿素の有機化合物等が挙げられる。これらの中では、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛がより好ましく、これらは一方のみ使用してもよいし、両方を使用してもよい。発泡剤に加えて気泡核調整剤を使用することで、平均気泡径、及び気泡径のばらつきを小さくしやすくなる。
気泡核調整剤の配合量は、樹脂成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜8質量部、より好ましくは0.2〜5質量部、さらに好ましくは0.3〜2.5質量部である。
樹脂組成物には、添加剤として酸化防止剤が配合されてもよい。酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等が挙げられる。酸化防止剤は、例えば樹脂成分100質量部に対して0.01〜5質量部配合される。
また、樹脂組成物には、添加剤として着色剤が配合されていてもよい。着色剤は、発泡体シートの色を調整するものとして配合される。着色剤としては、具体的には、顔料、染料等が挙げられる。着色剤は、例えば樹脂成分100質量部に対して0.5〜5質量部配合される。
さらに、樹脂組成物には、添加剤としてワックスが配合されていてもよい。ワックスは、樹脂組成物の流動性を向上させると共に、樹脂組成物の熱劣化を抑制する作用を有する。ワックスとしては、具体的には、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、マイクロワックス等が挙げられる。ワックスは、例えば樹脂成分100質量部に対して0.01〜5質量部配合される。
樹脂組成物には、添加剤として、必要に応じて、上記以外にも、熱安定剤、難燃剤、帯電防止剤、充填材等の発泡体シートの製造に一般的に使用する添加剤が配合されていてもよい。
<発泡体シートの製造方法>
発泡体シートは、樹脂、発泡剤及び必要に応じてその他添加剤を配合し、混練することで得られた樹脂組成物をシート状に成形することにより発泡性樹脂シートを準備し、次いで電離放射線により架橋した後、加熱炉、オーブン等の加熱装置内にて加熱して発泡させる方法により製造することが好ましい。
上記発泡性樹脂シートは、例えば、バンバリーミキサーや加圧ニーダ等の混練り機を用いて各種成分を混練して得た樹脂組成物を、押出機、カレンダ、コンベアベルトキャスティング等により連続的に押し出すことにより得るとよい。
発泡性樹脂シートの架橋方法としては、電離性放射線による架橋、有機過酸化物による架橋等が挙げられるが、電離性放射線による架橋が好ましい。
電離性放射線により架橋する場合、電離性放射線としては、例えば、紫外光、γ線、電子線等が挙げられる。電離性放射線の照射量は、0.5〜10Mradが好ましく、1.5〜8Mradがより好ましい。電離性放射線により架橋を行った場合、径が小さく均一な気泡径を有する発泡体シートを得ることができる。
電離性放射線以外で架橋する場合には、有機過酸化物により架橋してもよい。有機過酸化物により架橋する場合、樹脂組成物に有機過酸化物を予め配合するとよい。有機過酸化物としては、例えば、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、クミルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート、α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、t−ブチルパーオキシクメン等が挙げられる。
有機過酸化物の配合量は、樹脂成分100質量部に対して0.05〜10質量部が好ましく、0.1〜7質量部がより好ましい。
発泡性樹脂シートを発泡させる方法としては、オーブンのようなバッチ方式や、発泡性樹脂シートを長尺のシート状とし、連続的に加熱炉内を通す連続発泡方式を挙げることができる。加熱温度は、好ましくは200〜320℃、より好ましくは250〜300℃である。
発泡性樹脂シートは、発泡させる際にMD方向及びTD方向の少なくとも一方、好ましくはこれらの両方に延伸させるとよい。MD方向及びTD方向に延伸させることで、平均気泡径、平均気泡径の比を上記した範囲内に調整しやすくなる。また、発泡性樹脂シートは、発泡した後にMD方向及びTD方向の少なくとも一方、好ましくはこれらの両方に延伸させてもよい。なお、発泡性樹脂シートを発泡させた後に延伸する場合には、発泡後に冷却することなく発泡時の溶融状態を維持したまま続けて延伸してもよく、冷却した後、再度加熱して溶融又は軟化状態とした上で延伸してもよい。
<用途>
本発明の発泡体シートは、電子機器用途に好適に使用される。すなわち、本発明の発泡体シートは、例えば、スマートフォン等の携帯電話、カメラ、ゲーム機器、電子手帳、タブレット端末、ノート型パーソナルコンピューター等の電子機器の内部、好ましくはスマートフォン等の携帯電話の内部において好適に使用されるものである。発泡体シートは、電子機器内部において、例えば、シール材、衝撃吸収材などとして使用される。
[粘着テープ]
本発明の発泡体シートは、発泡体シートを基材とする粘着テープに使用してもよい。粘着テープは、例えば、発泡体シートと、発泡体シートの少なくとも一方の面に設けた粘着材とを備えるものである。粘着テープは、粘着材を介して他の部材に接着することが可能になる。粘着テープは、発泡体シートの両面に粘着材を設けたものでもよいし、片面に粘着材を設けたものでもよい。
粘着材は、感圧接着性を有する部材であって、少なくとも粘着剤層を備えるものであればよく、発泡体シートの表面に積層された粘着剤層単体であってもよいし、発泡体シートの表面に貼付された両面粘着シートであってもよいが、粘着剤層単体であることが好ましい。なお、両面粘着シートは、基材と、基材の両面に設けられた粘着剤層とを備えるものである。両面粘着シートは、一方の粘着剤層を発泡体シートに接着させるとともに、他方の粘着剤層を他の部材に接着させるために使用する。
粘着剤層を構成する粘着剤としては、特に制限はなく、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等を用いることができる。また、粘着材の上には、さらに離型紙等の剥離シートが貼り合わされてもよい。
粘着材の厚さは、5〜200μmであることが好ましく、より好ましくは7〜150μmであり、さらに好ましくは10〜100μmである。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
[実施例1〜6及び比較例1〜5]
表1に記載の種類及び配合量の樹脂及び添加剤を配合し、押出機に供給して130℃で溶融混練して、樹脂組成物を得た。その樹脂組成物を押し出して長尺状の発泡性樹脂シートを得た。
次に、上記長尺状の発泡性樹脂シートの両面に加速電圧500kVの電子線を4.5Mrad照射して樹脂シートを架橋した。架橋した発泡性樹脂シートを熱風及び赤外線ヒーターにより250℃に保持された発泡炉内に連続的に送り込んで、MD及びTD方向に延伸させながら発泡させて、表1に記載の厚みの発泡体シートを得た。なお、樹脂組成物の調製に際し、使用した樹脂及び添加剤の詳細は表2のとおりである。
実施例、比較例において得られた発泡体シートを以下のように評価した。
<発泡体シートのバイオ率>
発泡シートのバイオ率はASTM D6866 Method Bに準拠して測定した。具体的には、発泡体シートを燃焼し、発泡シートの燃焼により発生したCOを定量した。定量したCOについて、加速器質量分析計(AMS)を用いて14Cの濃度を測定した。そして、大気中のCOにおける14Cの濃度と、測定した14Cの濃度とを比較してバイオ率を算出した。
<厚み>
ダイヤルゲージを用いて発泡体シートの厚みを計測した。
<発泡倍率>
発泡前と発泡後の比容積(単位:cc/g)を測定し、発泡後の比容積/発泡前の比容積によって算出した。
<ゲル分率>
発泡体シートから約100mgの試験片を採取し、試験片の重量A(mg)を精秤する。次に、この試験片を120℃のキシレン30cm中に浸漬して24時間放置した後、200メッシュの金網で濾過して金網上の不溶解分を採取、真空乾燥し、不溶解分の重量B(mg)を精秤する。得られた値から、下記式によりゲル分率(質量%)を算出した。
ゲル分率(質量%)=(B/A)×100
<平均気泡径>
発泡体シートを50mm四方にカットしたものを測定用の発泡体シートサンプルとして用意した。これを液体窒素に1分間浸した後にカミソリ刃でMD方向、及びTD方向に沿ってそれぞれ厚み方向に切断した。この断面をデジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製「VHX−900」)を用いて200倍の拡大写真を撮り、MD方向、及びTD方向のそれぞれにおける長さ2mm分の切断面に存在する全ての気泡について気泡径を測定し、その操作を5回繰り返した。そして、全ての気泡の平均値をMD方向、及びTD方向の平均気泡径とした。また、測定したすべての気泡について、ZD方向の気泡径も測定し、その平均値をZD方向の平均気泡径とした。
<面方向破断強度>
以下の手順で面方向破断強度を測定した。
(i)発泡体シートの10mm角範囲にプライマー(セメダイン株式会社製「PPXプライマー」)を塗布した後、塗布部分の中央に直径5mm分の接着剤(セメダイン株式会社製「PPX」)を滴下した。その後直ちに、接着剤滴下部分に10mm角のアルミ製治具を置き、発泡体シートと10mm角のアルミ製治具とを接着した。その後、10mm角のアルミ製治具の大きさに沿って発泡体シートをカットした。
(ii)カットした発泡体シート11における10mm角のアルミ製治具12を接着していない面111(図1(a)参照)に不図示のプライマーを塗布し、塗布部分の中央に直径5mm分の不図示の接着剤を滴下した。その後直ちに、図1(a)に示すように、発泡体シート11の面111に10mm角のアルミ製治具13を置き、発泡体シート11と治具13とを接着した。治具13の周辺にはみ出した接着剤をふき取った後、室温で30分間放置することで接着剤を養生し、面方向破断強度測定用サンプルとした。
(iii)続いて、1kNのロードセルを設置した不図示の試験機(株式会社エー・アンド・デイ製「テンシロン万能材料試験機」)に、発泡体シート11のシート面111が引張方向に対して垂直になるように面方向破断強度測定用サンプルを取り付けた。図1(b)に示すように、治具12,13の一方を速度10mm/分で垂直上向きに引っ張り、発泡体シート11を破断させた。このときの最大荷重を測定し、1回目の測定結果とした。同様の操作を3回繰り返し、その平均値を面方向破断強度とした。
<MD及びTDの常温破断点強度>
発泡体シートをJIS K6251 4.1に規定されるダンベル状1号形にカットした。これを試料として用い、測定温度23℃で、MD及びTDの常温破断点強度をJIS K6767に準拠して測定した。
<落球試験>
以下の手順で落球試験を実施した。
(i)発泡体シートを横50mm×縦70mm×全辺の幅2mmになるように打ち抜き、両面に粘着剤層を形成して、額縁状の試料を作製した。そして、図2(a)に示すように、額縁状の試料21を横70mm×縦95mmのSUS板(A)22に貼り付けた。なお、粘着剤層には、アクリル系粘着剤(積水化学工業株式会社製、型番:#5782)を用いた。
(ii)図2(a)に示すように、SUS板(A)22に貼り付けた試料21を用いて、中央に横25mm×縦50mmの穴231を有する横120mm×縦120mmのSUS板(B)23に、SAS板(A)22がその穴を塞ぐように、SUS板(A)22を貼り付けた。
(iii)SUS板(A)22全体に5kgfの荷重をかけ、SUS板(A)22をSUS板(B)23に10秒間圧着した。その後、試料21を用いてSUS板(B)23に貼り付けたSUS板(A)22を23℃で24時間養生した。
(iv)図2(b)に示すように、SUS板(B)23の穴231から現れているSUS板(A)22に対して30cmの高さの位置から、SUS板(B)23の穴231の中央の位置に向けて重さ300gの鉄球24を落下させた。鉄球24を落下させてもSUS板(B)23からSUS板(A)22が剥がれない場合は、鉄球24を落下させる位置を2cmさらに高くして、再び、鉄球24を落下させた。この操作をSUS板(B)23からSUS板(A)22が剥がれるまで繰り返した。そして、SUS板(B)23からSUS板(A)22が剥がれたときのSUS板(B)23の穴231から現れているSUS板(A)22に対する鉄球24の高さから、以下の基準で、試料21を評価した。
○:鉄球24の高さが100cm以上
△:鉄球24の高さが50cm以上100cm未満
×:鉄球24の高さが50cm未満
表1の結果から明らかなように、各実施例の発泡体シートは、バイオ率が高く、かつ耐衝撃性が良好であることが理解できる。
11 発泡体シート
12,13 アルミ製治具
21 額縁状の試料
22 SUS板(A)
23 SUS板(B)
24 鉄球

Claims (8)

  1. バイオ系ポリオレフィン樹脂を含む発泡体シートであって、
    前記発泡体シートにおけるバイオ率が25質量%以上であり、
    面方向破断強度が1.0MPa以上である発泡体シート。
  2. ZDにおける平均気泡径が前記発泡体シートの厚みの50%以下である請求項1に記載の発泡体シート。
  3. MD及びTDの少なくとも1つの方向の平均気泡径が200μm以下である請求項1又は2に記載の発泡体シート。
  4. 厚みが0.05〜1.5mmであり、
    発泡倍率が1.5〜10倍である請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡体シート。
  5. 前記バイオ系ポリオレフィン樹脂がポリエチレン系樹脂である請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡体シート。
  6. MD及びTDの少なくとも1つの方向の常温破断点強度が3.0MPa以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の発泡体シート。
  7. 電子機器用である請求項1〜6のいずれか1項に記載の発泡体シート。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の発泡体シートと、前記発泡体シートの片面又は両面に設けられる粘着材とを備える粘着テープ。
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