JP2007045896A - 架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法と架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体 - Google Patents

架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法と架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体 Download PDF

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圭介 西村
Fusakichi Akimaru
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Abstract

【課題】
本発明は、耐熱性に優れ、複雑な形状へ二次加工ができる上に、成形後も高い柔軟性を有する架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法を提供せんとするものである。
【解決手段】
本発明の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法は、ポリプロピレン系樹脂が、JISK7210に基づいて測定されるメルトインデックスが0.4〜2.0g/10minであり、且つ、示差走査熱量計による吸熱ピークの少なくとも1つが、160℃以上で、尚且つ、含エチレン−プロピレンゴム(EPR)量が1重量%〜50重量%の範囲であるエチレン-プロピレンブロック共重合体50〜99重量%と、該メルトインデックスが0.5〜10g/10minであるポリエチレン系樹脂1〜50重量%とからなるポリプロピレン系樹脂組成物を用いて、成形した後、発泡・架橋させることを特徴とするものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐熱性に優れ、複雑な形状へ二次加工ができ、成形後も高いクッション感を保持することが可能な架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法に関する。
架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、一般的に柔軟性、軽量性、断熱性に優れており、従来より、天井、ドア、インスツルメントパネル等の車両用内装材として用いられている。これらの内装材は、通常、シート状のポリオレフィン系樹脂発泡体を真空成形や圧縮成形等により二次加工して所定の形状に成形されている。また、ポリオレフィン系樹脂発泡体は、通常、ポリ塩化ビニル樹脂のシート、熱可塑性エラストマーのシート、天然または人造の布状物、レザー等の表皮材を貼り合わせた積層体として使用されている。
最近の発泡体の真空成形や、スタンピング成形などの圧縮成形では、生産性向上のために加工温度を120〜200℃の高温条件としたり、複雑な形状に成形加工するため深絞り成形が求められたりしており、そのためポリオレフィン系樹脂発泡体には高温での成形加工性が良好であることが要求されている。
また、自動車の内装は手触り、触感が良好なものが求められるようになってきており、安全性を追求する上でも、内装材料の柔軟性が強く要望されている。
ところが、柔軟性を向上させる方法として、これまでは密度を下げる方法、発泡シートに含まれるポリエチレン量を上げる方法、エチレンプロピレンランダム共重合体の場合エチレン含有量を上げるなどの方法があった。しかし、この場合耐熱性が十分に満足のいくものではなく、ホットスタンピング成形法により所望形状の成形品を得る場合、柔軟性の良好な成形品を得ることができないことがある。
例えば、従来の表皮材付き発泡シートを、予め真空成形により凹型で所望形状に成形し、これに溶融した熱可塑性樹脂からなる骨材を供給し、凸型で型押ししてホットスタンピング成形する場合には、発泡体内に骨材樹脂が部分的にめり込んだり、このめり込んだ骨材樹脂により発泡体が部分的にちぎれることがあり、良好な成形品を得ることができない。
これを解決する方法として、プロピレン系樹脂のメルトインデックスと融点を特定し、エチレン系樹脂のメルトインデックスを特定し、架橋構造を制御する方法がとられている(特許文献1参照)。
しかし、この方法では耐熱性は確保されるが、成形後の十分な柔軟性を保持するためには不十分であった。
特許3308724号公報
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、耐熱性に優れ、複雑な形状へ二次加工ができる上に、成形後も高い柔軟性を有する架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法を提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法は、ポリプロピレン系樹脂が、JISK7210に基づいて測定されるメルトインデックスが0.4〜2.0g/10minであり、示差走査熱量計による吸熱ピークの少なくとも1つが160℃以上で、かつ、含エチレン−プロピレンゴム(EPR)量が1重量%〜50重量%の範囲であるエチレン-プロピレンブロック共重合体50〜99重量%と、該メルトインデックスが0.5〜10g/10minであるポリエチレン系樹脂1〜50重量%とからなるポリプロピレン系樹脂組成物を用いて、成形した後、発泡・架橋させることを特徴とするものである。
本発明によれば、手触り触感が良好な柔軟性に優れる上に、成形不具合を発生させること無く複雑な形状の、耐熱性能に優れた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体、特に自動車内装材用の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を提供することができる。
本発明は、前記課題、つまり手触り触感が良好な柔軟性に優れる上に、成形不具合を発生させること無く複雑な形状の、耐熱性能に優れた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体について、鋭意検討し、特定なメルトインデックスを持つポリオレフィン系樹脂で構成された組成物を用いて成形、架橋・発泡してみたところ、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
本発明者らは、鋭意研究の結果、樹脂成分として、特定のメルトインデックスを持ち、特定量のエチレン−プロピレンゴム(以下EPR)を含有するエチレン−プロピレンブロック共重合体と、特定のメルトインデックス(MI)を持つポリエチレン系樹脂との組成物を用い、架橋助剤及び熱分解型発泡剤を組み合わせることにより、上記目的が達成できることを見いだし、本発明を完成した。
本発明で用いるポリプロピレン系樹脂とは、エチレン−プロピレンブロック共重合体のことを言い、このエチレン−プロピレンブロック共重合体とは、所望の物性を満たしていれば従来より公知のブロック共重合体もしくはランダムブロック共重合体のどちらでもよい。
上記エチレン−プロピレンブロック共重合体のメルトインデックス(MI)は、JIS K7210に基づき、温度230℃、荷重2.16 kgf の通常の条件で測定されるもので、0.4〜2.0g/10minの範囲にあるものが使用される。このMIが0.4未満では、シート化する際の剪断によって熱分解型発泡剤が分解するため外観上問題が生じ、MIが2.0を超えると、発泡シートの耐熱性が不十分となる。
又、上記ポリプロピレン系樹脂の示差走査熱量計による吸熱ピークは、その少なくとも1つが、160℃以上であるが、DSCによる吸熱ピークが、160℃未満であると、スタンピング成形において、発泡体は金型内に射出される骨材樹脂の高温に曝されるが、上記金型内、就中、コーナー部の応力が集中し易い部位において、高温の骨材樹脂が部分的に発泡体の層内にめり込んで、甚だしい場合には、発泡体層を貫通し、骨材樹脂が表皮材をも汚損する等の所謂「発泡体の樹脂抱き込み」という不具合が生じる場合がある。この傾向は、金型形状の複雑さ、大型化によって益々顕著となる。
さらに、EPR量を特定の量に規定することによって、耐熱性を保有しながら、尚かつ成形後に柔軟性を保持することができる架橋ポリオレフィン系樹脂を得ることが可能となる。本発明でいう、EPRとはエチレンとプロピレンの共重合体であり、従来より公知のエチレン−プロピレンブロック共重合体を作成するときの重合過程で生成するものをいう。その量としては1重量%〜50重量%であるが、1重量%未満であれば十分な柔軟性は得られず、50重量%より多い場合は十分な耐熱性が得られない場合がある。
このEPR量は重合時のエチレンガスの仕込量、重合方法により左右される。エチレン−プロピレンブロック共重合体からその量の特定の方法としては種々考えられるが、キシレンによってEPRをとかし、電子顕微鏡を用いて空孔を観察して特定する方法などがある。
本発明では、上記ポリプロピレン系樹脂の比率は目的の物性を考慮に入れ、種々決定すれば良い。具体的は比率としては50〜99重量%であり、好ましくは60〜90重量%、更に好ましくは65〜85重量%である。
本発明で用いるポリエチレン系樹脂は、特に特定はしないが、例えばエチレンの単独重合体(低密度、中密度、高密度)、エチレンを主成分とする共重合体、これらの混合物のいずれでもよい。前記共重合体としては、例えばエチレンと炭素数4つ以上のα−オレフィン(例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられる)が重合して得られるエチレン−α−オレフィン共重合体(線状低密度ポリエチレン)、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。特に、線状低密度ポリエチレンが好ましい。
上記ポリエチレン系樹脂のメルトインデックス(MI) は、JIS K7210に基づき、温度190℃、荷重2.16 kgf の通常の条件で測定されるもので、0.5〜10g/10minの範囲にあるものが使用される。このMIが0.5未満であると、シート化する際に該シートの表面が粗面化し、外観上問題を生じ、MIが10を超えると、発泡シートの耐熱性が不十分となる。
本発明の特徴は成形後のクッション性を上げることにあるが、ポリエチレン系樹脂をいれることによる耐熱性の低下とのバランスを考慮に入れて、目的とする物性に合わせてポリエチレン系樹脂の添加量を決定すると良い。具体的なポリエチレン系樹脂の量としては好ましくは1〜50重量%で、より好ましくは5〜40重量%で、特に好ましくは10〜35重量%である。
上記エチレン−プロピレンブロック共重合体が50重量%未満あるいはポリエチレン系樹脂が50重量%を超えると、発泡シートの高温伸び等の耐熱性及び剛性が不十分となる。
さらに、本発明の特徴を著しく損なわない範囲であれば、第3次成分として例えばエチレン−プロピレンランダム共重合体、ホモポリプロピレン樹脂、変性ポリプロピレン樹脂などのプロピレン系樹脂、イソプレン、ブタジエン、スチレンなどのブロック部をもつブロック共重合体、その他の様々な熱可塑性樹脂を必要な特性に応じて、1種類もしくは2種類以上混合して使用してもよい。
熱分解型発泡剤としては、上記樹脂組成物の溶融温度よりも高い分解温度を有するものであればよく、好ましくは、アゾジカルボンアミドがあり、更に、アゾジカルボンアミドと同等もしくはそれより高い分解温度を有するヒドラゾシカルボンアミド、アゾジカルボン酸バリウム塩、ジニトロソペンタエチレンテトラミン、ニトロソグアニジン、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジンシンメトリックトリアジン、ビスベンゼンスルホニルヒドラジド、バリウムアゾジカルバキシレート、アゾビスイソブチロニトリル、トルエンスルホニルヒドラジド等が用いられ。これらは単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。熱分解型発泡剤の配合量は、樹脂成分の合計量100重量部に対して、一般に2〜40重量部程度であり、所望の発泡倍率に応じて設定される。
架橋助剤として多官能モノマーを使用する。多官能モノマーとしては、例えばジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、トリメリット酸トリアリルエステル、トリアリルイソシアヌレート、エチルビニルベンゼンなどを使用することができる。上記架橋助剤は単独で使用しても良いし、2種類以上混合しても良い。架橋助剤の配合量は、樹脂成分の合計量100重量部に対して、0.1〜30重量部、より好ましくは0.5〜15重量部であり、所望のゲル分率に応じて設定される。
又、架橋助剤と有機過酸化物を組み合わせて架橋することもできる。この有機過酸化物としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等が用いられる。有機過酸化物の配合量は、樹脂成分の合計量100重量部に対して、0.01〜10重量部、より好ましくは0.05〜5重量部であり、所望のゲル分率に応じて設定される。
本発明でのゲル分率は特に規定はしないが耐熱性、クッション性を考慮し、又、本発明において、上記ポリオレフィン系樹脂を架橋させる際に、上記の所謂化学架橋方法と電離性放射線による架橋方法を併用してもよい。
尚、本発明の特徴を損なわない範囲で、発泡剤の分解促進剤、気泡核調整剤、酸化防止剤、熱安定剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、無機充填剤等の各種添加剤を配合することができる。
本発明では、前記各成分を配合して得られたポリオレフィン系樹脂発泡組成物を所定形状に成形した後、架橋・発泡してポリオレフィン系樹脂発泡体を製造する。
具体的には、例えば、下記の製造方法が挙げられる。前記ポリオレフィン系樹脂組成物の所定量を、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、ミキシングロール等の混練装置を用いて、熱分解型発泡剤の分解温度未満で均一に溶融混練し、これをシート状に成形する。
次いで、得られたシートに電離性放射線を所定線量照射して、オレフィン系樹脂を架橋させ、この架橋シートを熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させる。電離性放射線照射による架橋にかえて、過酸化物による架橋や、シラン架橋を行っても良い。
そして、この発泡性シートに電離性放射線の照射を行い、この発泡性シートを構成する樹脂を架橋させる。電離性放射線としては、電子線、X線、β線、γ線等が使用される。
照射線量は、一般に1〜300kGy程度であり、所望のゲル分率に応じて線量が設定される。
樹脂が架橋された発泡性シートは、例えば、熱風、赤外線、メタルバス、オイルバス、ソルトバス等により、熱分解型発泡剤の分解温度以上で且つ樹脂の融点以上の温度、例えば190〜290℃に加熱し、発泡剤の分解ガスによって樹脂を発泡させ、こうして、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を得る。
更に本発明においては、タイプCのデュロメータを用いてJIS K7312「熱硬化性ポリウレタンエラストマー成型物の物理試験方法」に準拠して測定した硬度HsCa/30と見掛け密度b(kg/m)、ゲル分率c(%)、ポリエチレン系樹脂比率d(%)が、以下の計算式(数1)に示される特性を有し、且つ四方をニップし160℃に温調されたオーブンにて30分間加熱した前記発泡体の硬度HsCe/30が以下の計算式(数2)に示される特性を有することを評価基準とした。また、本発明においての硬度測定の詳細は6mm以上になるように対象となる発泡体を重ね、硬度が98以上のプレート上で測定した数値をいうこととする。
a≦0.46×b×c/d (数1)
e/a<1.2 (数2)
もし、これらの式を満たさない場合、本発明が達成しようとする成形後のクッション感が十分ではない。
以下の方法により、それぞれの物性値の評価を行った。
(メルトインデックスの測定方法)
JIS K7210「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR) 及びメルトボリュームフローレイト(MVR) の試験方法」に準ずる。ポリプロピレン系樹脂は230℃、荷重2.16kgf、ポリエチレン系樹脂は温度190℃、荷重2.16kgfで行った。
(示差走査熱量分析方法)
本発明における示差走査熱量分析は、以下の方法で行った。約10mgのポリオレフィン系樹脂を、白金パンにいれ、示差走査熱量計(DSC:セイコー電子工業株式会社製RDC220−ロボットDSC)にて測定した。測定条件は、サンプルを一度溶融させた後、10℃/分の速度で−50℃まで冷却させ、それから5℃/分の速度で昇温して測定し
た。
(EPR量の特定方法)
エチレン−プロピレンブロック共重合体をシート成形し、ミクロトームにより面出しをする。その後、キシレンの入ったビーカに浸積する。このビーカを超音波洗浄機で2乃至3時間超音波をかける。その後、同サンプルをアセトンの入ったビーカに移し替え、これにも1時間超音波をかける。アセトンを入れ替えてもう一度同様に1時間超音波をかける。こうして得られたサンプルを走査性電子顕微鏡により、空孔の状態を観察し、その面積の比から量を推定する。
(成形後クッション性保持の評価方法)
タイプCのデュロメータを用いてJIS K7312「熱硬化性ポリウレタンエラストマー成型物の物理試験方法」に準拠して測定した硬度HsCa/30と見掛け密度b(kg/m)、ゲル分率c(%)、ポリエチレン系樹脂比率d(%)が、以下の計算式(数1)に示される特性を有し、且つ四方をニップし160℃で30分間加熱した前記発泡体の硬度HsCe/30が以下の計算式(数2)に示される特性を有することを評価基準とした。
a≦0.46×b×c/d (数1)
e/a<1.2 (数2)
もし、これらの式を満たさない場合、本発明が達成しようとする成形後のクッション感が十分ではない。
また、上記硬度の表記方法はHsCaまたはe/30であり、これはタイプC硬さ試験で加圧面が密着してから30秒後の硬さの読みがaまたはeであったことを示す。
(ゲル分率の測定方法)
ゲル分率とは算出した値のことである。架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を約50mg精密に秤量し、120℃のキシレン25mlに24時間浸漬した後、200メッシュのステンレス製金網で濾過して、金網状の不溶解分を真空乾燥する。次いで、この不溶解分の重量を精密に秤量し、以下の式に従ってゲル分率を百分率で算出した。
ゲル分率(%)={不溶解分の重量(mg)/秤量したポリオレフィン樹脂発泡体の重量(mg)}×100
(見掛け密度の測定方法)
JIS K6767「発泡プラスチック−ポリエチレン−試験方法」に基づいて測定されたものである。
例えば、10cm角に打ち抜き、厚み、重量を測定。以下の式により見掛け密度を算出した。
見掛け密度(kg/m)=サンプル重量(kg)/{サンプル厚み(m)×0.01(m)}
実施例1
ポリプロピレン系樹脂(エチレン−プロピレンブロック共重合体、MI=1.8、DSCピーク温度164℃、含エチレン−プロピレンゴム量20重量%)70重量%とポリエチレン系樹脂(線状低密度ポリエチレン:MI=8)30重量%と発泡剤アゾジカルボンアミド8部、架橋助剤としてジビニルベンゼン7部、酸化防止剤としてTTHP1部をヘンシェルミキサーで混合し得られた混合物をベント付き60mmφ一軸押出機で1mmの厚さにシート成形する。
こうして得られたシートを電子線照射器を用いて60kGyの電子線を照射し架橋させる。これを240℃に加熱したソルトバスに浸積させることにより見掛け密度56kg/m、ゲル分率50%の発泡体を得た。
得られた発泡体をタイプCのデュロメータを用いて硬度を計測するとHsC42/30であった。この発泡体を30分間160℃で加熱し冷やした後もう一度タイプCのデュロメータを用いて硬度を計測するとHsC48/30であった。
実施例2
ポリプロピレン系樹脂(エチレン−プロピレンブロック共重合体、MI=1.8、DSCピーク温度164℃、含エチレン−プロピレンゴム量20重量%)80重量%とポリエチレン系樹脂(線状低密度ポリエチレン:MI=8)20重量%と発泡剤アゾジカルボンアミド10部、架橋助剤としてジビニルベンゼン3部、酸化防止剤としてTTHP1部をヘンシェルミキサーで混合し得られた混合物をベント付き60mmφ一軸押出機で1mmの厚さにシート成形する。
こうして得られたシートを電子線照射器を用いて50kGyの電子線を照射し架橋させる。これを240℃に加熱したソルトバスに浸積させることにより見掛け密度40kg/m、ゲル分率38%の発泡体を得た。
得られた発泡体をタイプCのデュロメータを用いて硬度を計測するとHsC34/30であった。この発泡体を30分間160℃で加熱し冷やした後もう一度タイプCのデュロメータを用いて硬度を計測するとHsC38/30であった。
実施例3
ポリプロピレン系樹脂(エチレン−プロピレンブロック共重合体、MI=1.8、DSCピーク温度164℃、含エチレン−プロピレンゴム量20重量%)80重量%とポリエチレン系樹脂(線状低密度ポリエチレン:MI=8)20重量%と発泡剤アゾジカルボンアミド10部、架橋助剤としてジビニルベンゼン3部、酸化防止剤としてTTHP1部をヘンシェルミキサーで混合し得られた混合物をベント付き60mmφ一軸押出機で1mmの厚さにシート成形する。
こうして得られたシートを電子線照射器を用いて55kGyの電子線を照射し架橋させる。これを240℃に加熱したソルトバスに浸積させることにより見掛け密度40kg/m、ゲル分率43%の発泡体を得た。
得られた発泡体をタイプCのデュロメータを用いて硬度を計測するとHsC39/30であった。この発泡体を30分間160℃で加熱し冷やした後もう一度タイプCのデュロメータを用いて硬度を計測するとHsC43/30であった。
実施例4
ポリプロピレン系樹脂(エチレン−プロピレンブロック共重合体、MI=1.8、DSCピーク温度164℃、含エチレン−プロピレンゴム量20重量%)70重量%とポリエチレン系樹脂(線状低密度ポリエチレン:MI=8)30重量%と発泡剤アゾジカルボンアミド8部、架橋助剤としてジビニルベンゼン7部、酸化防止剤としてTTHP1部をヘンシェルミキサーで混合し得られた混合物をベント付き60mmφ一軸押出機で1mmの厚さにシート成形する。
こうして得られたシートを電子線照射器を用いて70kGyの電子線を照射し架橋させる。これを240℃に加熱したソルトバスに浸積させることにより見掛け密度67kg/m、ゲル分率55%の発泡体を得た。
得られた発泡体をタイプCのデュロメータを用いて硬度を計測するとHsC53/30であった。この発泡体を30分間160℃で加熱し冷やした後もう一度タイプCのデュロメータを用いて硬度を計測するとHsC56/30であった。
比較例1
ポリプロピレン系樹脂(エチレン−プロピレンブロック共重合体、MI=3.5、DSCピーク温度166℃、含エチレン−プロピレンゴム量15重量%)80重量%とポリエチレン系樹脂(線状低密度ポリエチレン:MI=8)20重量%と発泡剤アゾジカルボンアミド10部、架橋助剤としてジビニルベンゼン3部、酸化防止剤としてTTHP1部をヘンシェルミキサーで混合し得られた混合物をベント付き60mmφ一軸押出機で1mmの厚さにシート成形する。
こうして得られたシートを電子線照射器を用いて45kGyの電子線を照射し架橋させる。これを240℃に加熱したソルトバスに浸積させることにより見掛け密度38kg/m、ゲル分率35%の発泡体を得た。
得られた発泡体をタイプCのデュロメータを用いて硬度を計測するとHsC30/30であった。この発泡体を30分間160℃で加熱し冷やした後もう一度タイプCのデュロメータを用いて硬度を計測するとHsC38/30であった。
比較例2
ポリプロピレン系樹脂(ホモポリプロピレン、MI=2、DSCピーク温度167℃、含エチレン−プロピレンゴム量0重量%)60重量%とポリエチレン系樹脂(線状低密度ポリエチレン:MI=8)40重量%と発泡剤アゾジカルボンアミド9部、架橋助剤としてジビニルベンゼン6部、酸化防止剤としてTTHP1部をヘンシェルミキサーで混合し得られた混合物をベント付き60mmφ一軸押出機で1mmの厚さにシート成形する。
こうして得られたシートを電子線照射器を用いて50kGyの電子線を照射し架橋させる。これを240℃に加熱したソルトバスに浸積させることにより見掛け密度40kg/m、ゲル分率37%の発泡体を得た。
得られた発泡体をタイプCのデュロメータを用いて硬度を計測するとHsC38/30であった。この発泡体を30分間160℃で加熱し冷やした後もう一度タイプCのデュロメータを用いて硬度を計測するとHsC42/30であった。
比較例3
ポリプロピレン系樹脂(エチレン−プロピレンランダム共重合体、MI=1.3、DSCピーク温度148℃、含エチレン−プロピレンゴム量0重量%)80重量%とポリエチレン系樹脂(線状低密度ポリエチレン:MI=8)20重量%と発泡剤アゾジカルボンアミド10部、架橋助剤としてジビニルベンゼン3部、酸化防止剤としてTTHP1部をヘンシェルミキサーで混合し得られた混合物をベント付き60mmφ一軸押出機で1mmの厚さにシート成形する。
こうして得られたシートを電子線照射器を用いて50kGyの電子線を照射し架橋させる。これを240℃に加熱したソルトバスに浸積させることにより見掛け密度40kg/m、ゲル分率37%の発泡体を得た。
得られた発泡体をタイプCのデュロメータを用いて硬度を計測するとHsC33/30であった。この発泡体を30分間160℃で加熱し冷やした後もう一度タイプCのデュロメータを用いて硬度を計測するとHsC41/30であった。
比較例4
ポリプロピレン系樹脂(エチレン−プロピレンブロック共重合体、MI=1.8、DSCピーク温度164℃、含エチレン−プロピレンゴム量20重量%)30重量%とポリエチレン系樹脂(線状低密度ポリエチレン:MI=8)70重量%と発泡剤アゾジカルボンアミド8部、架橋助剤としてジビニルベンゼン6部、酸化防止剤としてTTHP1部をヘンシェルミキサーで混合し得られた混合物をベント付き60mmφ一軸押出機で1mmの厚さにシート成形する。
こうして得られたシートを電子線照射器を用いて70kGyの電子線を照射し架橋させる。これを240℃に加熱したソルトバスに浸積させることにより見掛け密度56kg/m、ゲル分率51%の発泡体を得た。
得られた発泡体をタイプCのデュロメータを用いて硬度を計測するとHsC25/30であった。この発泡体を30分間160℃で加熱し冷やした後もう一度タイプCのデュロメータを用いて硬度を計測するとHsC36/30であった。
Figure 2007045896
Figure 2007045896

Claims (2)

  1. ポリプロピレン系樹脂が、JIS K7210に基づいて測定されるメルトインデックスが0.4〜2.0g/10minであり、示差走査熱量計による吸熱ピークの少なくとも1つが160℃以上で、かつ、含エチレン−プロピレンゴム(EPR)量が1重量%〜50重量%の範囲であるエチレン-プロピレンブロック共重合体50〜99重量%と、該メルトインデックスが0.5〜10g/10minであるポリエチレン系樹脂1〜50重量%とからなるポリプロピレン系樹脂組成物を用いて、成形した後、発泡・架橋させることを特徴とする架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
  2. タイプCのデュロメータを用いてJIS K7312に基づいて測定した硬度HsCa/30と見掛け密度b(kg/m)、ゲル分率c(%)、ポリエチレン系樹脂比率d(%)が以下の計算式(数1)に示される特性を有し、且つ四方をニップし160℃で30分間加熱した前記発泡体の硬度HsCe/30が以下の計算式(数2)に示される特性を有することを特徴とする架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
    a≦0.46×b×c/d (数1)
    e/a<1.2 (数2)
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