JP2018065716A - 13族窒化物結晶の製造方法及び窒化ガリウム結晶 - Google Patents

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Abstract

【課題】ボイド、インクルージョン等の欠陥が少なく、貫通転位密度が小さい13族窒化物結晶を提供する。【解決手段】13族窒化物結晶の製造方法は、基体1上に、高さが揃っている角錐状又は円錐状の13族窒化物結晶2を所定の間隔を隔てて形成する第1の工程と、アルカリ金属と13族元素を含み、窒素が溶解している混合融液中で、13族窒化物結晶2を種結晶として、13族窒化物を結晶成長させ、c面を形成する第2の工程を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、13族窒化物結晶の製造方法及び窒化ガリウム結晶に関するものである。
液相成長法を用いて窒化ガリウム(GaN)基板を製造する手法の一つとして、金属ナトリウムと金属Gaの混合融液中に窒素を溶解させ、GaNを結晶成長させるフラックス法が知られている。フラックス法は、700〜900℃の比較的低温で結晶成長させることが可能であることに加え、容器内の圧力も2MPa〜8MPa程度で比較的低いため、工業化することが可能な結晶成長方法である。
フラックス法を用いて、基体上に種結晶領域を形成して窒化ガリウムを結晶成長させる窒化ガリウム結晶の製造方法が知られている。
特許文献1には、AlGaNを成膜した窒化ガリウム基板をレーザーで窒化ガリウム基板まで到達するようにエッチングして逆円錐状の凹部を複数形成し、AlGaN層を起点として窒化ガリウムを結晶成長することで、逆円錐状の凹部上に成長させる方法が開示されている。
特許文献2には、正三角形格子を構成する辺と窒化ガリウム結晶のa軸とが成す角度が30°、即ち、正三角形格子を構成する辺が窒化ガリウムのm軸に平行である正三角形格子の格子点に窒化ガリウム結晶の成長開始領域を配置して、隣接する成長開始領域から成長する窒化ガリウム結晶を合体させる方法が開示されている。
特許文献3には、正方格子の格子点上に円錐状の窒化ガリウムを気相成長で結晶成長させて形成し、隣接する円錐状の窒化ガリウムから成長する窒化ガリウム結晶を合体させる方法が開示されている。
特許文献1に記載されている方法では、凹部上に成長した窒化ガリウムの貫通転位は減少する。
しかしながら、凹部以外の領域は、AlGaNのc面上に結晶成長するため、凹部以外の領域上に成長した窒化ガリウムの貫通転位は減少しない。また、AlGaNとGaNの格子定数の違いから新たに転位が発生する。
特許文献2には、正三角形格子点上に形成される成長開始領域の形状に関する詳細な記載は無いが、結晶成長によって六角錐状の窒化ガリウムが形成される過程が図示されている。この方法では、六角錐状の結晶が横方向に成長する際に、転位は斜面で曲げられるので、貫通転位は減少する。
しかしながら、結晶成長で六角錐状の結晶を形成する場合、形状と寸法を揃えて多数の結晶を成長させることは難しく、形状や高さが均一にならない場合もある。また、六角錐状の結晶になる前にc面が形成されて六角錘台状の結晶になって成長することもある。そのため、高さや形状の異なる結晶が合体することにより、会合部分でボイドが形成されたり、表面に凹凸が形成されたりする場合がある。また、六角錘台状のc面上に成長した結晶では貫通転位が減少しない場合もある。ここで、表面に凹凸が形成されると、混合融液の一部がインクルージョンとして取り込まれる場合もある。
特許文献3に記載されている方法では、正方格子の格子点上に円錐状の窒化ガリウム結晶を気相成長で形成して横方向に結晶成長させることで転位を減少させている。
しかしながら、前述の通り、形状と寸法を揃えて多数の結晶を成長させることは難しいため、会合部分でボイドが形成されたり、表面に凹凸が形成されたりする場合がある。また、貫通転位が減少しない場合もある。
本発明は、ボイド、インクルージョン等の欠陥が少なく、貫通転位密度が小さい13族窒化物結晶を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、13族窒化物結晶の製造方法において、基体上に、高さが揃っている角錐状又は円錐状の13族窒化物結晶を所定の間隔を隔てて形成する第1の工程と、アルカリ金属と13族元素を含み、窒素が溶解している混合融液中で、前記13族窒化物結晶を種結晶として、13族窒化物を結晶成長させ、c面を形成する第2の工程を含む。
本発明によれば、ボイド、インクルージョン等の欠陥が少なく、貫通転位密度が小さい13族窒化物結晶を提供することができる。
本実施形態の13族窒化物結晶の製造方法により基体上に形成される13族窒化物結晶の一例を示す断面模式図である。 本実施形態とは異なる13族窒化物結晶の製造方法により基体上に形成される13族窒化物結晶の一例を示す断面模式図である。 13族窒化物結晶が配置されている基体の一例を示す模式図である。 図3の基体におけるm軸会合を示す模式図である。 13族窒化物結晶が配置されている基体の他の例を示す模式図である。 図5の基体におけるa軸会合を示す模式図である。 本実施形態の13族窒化物結晶の製造方法に用いられる結晶成長装置の一例を示す模式図である。 本実施形態の窒化ガリウム結晶の一例を示す断面模式図である。 実施例1の13族窒化物結晶の製造方法を示す断面模式図である。 実施例2の13族窒化物結晶の製造方法を示す断面模式図である。 実施例3の13族窒化物結晶の製造方法を示す断面模式図である。
[13族窒化物結晶の製造方法]
本実施形態の13族窒化物結晶の製造方法は、基体上に、高さが揃っている角錐状又は円錐状の13族窒化物結晶を所定の間隔を隔てて形成する第1の工程と、アルカリ金属と13族元素を含み、窒素が溶解している混合融液中で、13族窒化物結晶を種結晶にして、13族窒化物を結晶成長させ、c面を形成する第2の工程を含む。このため、基体と角錐状又は円錐状の13族窒化物結晶の界面近傍から伝播する転位は、角錐状又は円錐状の13族窒化物結晶の斜面で曲げられ、頂点を通った転位のみが曲げられずにそのまま13族窒化物結晶のc面へ伝播する。その結果、主面であるc面に貫通する転位を減らすことができ、貫通転位密度が小さいc面を有する13族窒化物結晶を製造することができる。
本実施形態の13族窒化物結晶の製造方法は、第2の工程の後に、混合融液中で、第2の工程で結晶成長した13族窒化物のc面を成長面として、13族窒化物を結晶成長させる第3の工程をさらに含む。
なお、第3の工程は、必要に応じて、省略することができる。
本実施形態において、13族元素とは、ホウ素、アルミニウム、ガリウム及びインジウムの少なくとも一つであり、13族窒化物とは、13族元素の窒化物又は13族元素の窒化物の混晶である。
アルカリ金属、13族元素及び13族窒化物は、それぞれナトリウム、ガリウム及び窒化ガリウムであることが好ましい。これにより、不純物濃度が少なく、貫通転位密度が小さく、平坦なc面を有する窒化ガリウム結晶を製造することができる。
図1に、本実施形態の13族窒化物結晶の製造方法により基体上に形成される13族窒化物結晶の一例を示す。
具体的には、基体1上に、所定の間隔を隔てて形成された複数の角錐状又は円錐状の13族窒化物結晶2を種結晶として、13族窒化物が結晶成長しており、c面を有する13族窒化物結晶3が形成されている。また、13族窒化物結晶3のc面を成長面として、13族窒化物が結晶成長しており、13族窒化物結晶4が形成されている。
13族窒化物結晶2は、c面が形成されておらず、高さが揃っている。そして、13族窒化物結晶2から成長した13族窒化物結晶3と、13族窒化物結晶3上に成長した13族窒化物結晶4は、平坦なc面を有する。また、基体1との界面近傍から伝播する転位Dは、13族窒化物結晶2の斜面で曲げられ、頂点を通った転位Dのみが曲げられずにそのまま13族窒化物結晶4のc面へ伝播する。
図2に、本実施形態とは異なる13族窒化物結晶の製造方法により基体上に形成される13族窒化物結晶の一例を示す。
13族窒化物結晶は、基体1上に、所定の間隔を隔てて複数形成された複数の角錐台状又は円錐台状の13族窒化物結晶5を種結晶として、13族窒化物が結晶成長しており、c面を有する13族窒化物結晶6が形成されている。また、13族窒化物結晶6のc面を成長面として、13族窒化物が結晶成長しており、13族窒化物結晶7が形成されている。
13族窒化物結晶5は、c面が形成されており、高さが揃っていない。そして、13族窒化物結晶5から成長した13族窒化物結晶6と、13族窒化物結晶6上に成長した13族窒化物結晶7は、平坦ではないc面を有する。また、基体1との界面近傍から伝播する転位Dは、13族窒化物結晶5の斜面で曲げられるが、13族窒化物結晶5のc面では、曲げられずにそのまま13族窒化物結晶7のc面へ伝播する。
本実施形態の第1の工程では、基体1上に、高さが揃っている角錐状又は円錐状の13族窒化物結晶2を所定の間隔を隔てて複数形成する。
13族窒化物結晶2の底面の形状は、多角形であってもよいし、円であってもよい。ここで、13族窒化物結晶2の頂点には、c面が形成されていない。また、13族窒化物結晶2は、底面の形状及び最大寸法と、高さが揃っている。
13族窒化物結晶2の底面の最大寸法と高さのばらつきは、±10%以内であることが好ましく、±5%以内であることがさらに好ましく、±2%以内であることが特に好ましい。
13族窒化物結晶2は等間隔で配置されている。これにより、13族窒化物結晶2から成長した13族窒化物が合体する際に、ボイドが形成されたり、表面に凹凸が形成されたりすることを抑制することができる。
隣接する13族窒化物結晶2を隔てる間隔のばらつきは、±10%以内であることが好ましく、±5%以内であることがさらに好ましく、±2%以内であることが特に好ましい。
従って、13族窒化物結晶2は、正方格子や正三角形格子の格子点上に配置することが好適であり、正三角形格子を形成する各辺が、13族窒化物結晶2のm軸又はa軸と平行な正三角形格子の格子点上に配置することがさらに好適である。
図3に、13族窒化物結晶2が配置されている基体1の一例を示す。
基体1の主面に、正三角形格子を形成する各辺を13族窒化物結晶2のm軸と平行にして、13族窒化物結晶2が正三角形格子点上に配置されている。これにより、隣接する13族窒化物結晶2から結晶成長した13族窒化物が合体する際に、m軸会合する(図4参照)。m軸会合では、結晶同士がスムーズに合体し、ボイド等の欠陥が形成されることが抑制される。また、13族窒化物結晶2は、高さが揃っており、等間隔に配置されているので、成長した13族窒化物結晶3には平坦なc面が形成される。その結果、ボイド等の欠陥が無く、平坦なc面を有する13族窒化物結晶3を製造することができる。
図5に、13族窒化物結晶2が配置されている基体1の他の例を示す。
基体1の主面に、正三角形格子を形成する各辺を13族窒化物結晶2のa軸と平行にして、13族窒化物結晶2が正三角形格子点上に配置されている。これにより、隣接する13族窒化物結晶2から結晶成長した13族窒化物が合体する際にa軸会合する(図6参照)。a軸会合では、会合部分にボイドが形成される場合があるが、種結晶となる13族窒化物結晶2は、高さが揃っており、等間隔に配置されているので、13族窒化物同士がスムーズに合体し、ボイド等の欠陥が形成されることが抑制される。また、成長した13族窒化物結晶3には、平坦なc面が形成される。その結果、ボイド等の欠陥が無く、平坦なc面を有する13族窒化物結晶を製造することができる。
13族窒化物結晶2の形成方法としては、特に限定されないが、気相成長の選択成長で結晶成長させることによって13族窒化物結晶2を形成する方法、均一な厚さの13族窒化物結晶層を微細加工することによって13族窒化物結晶2を形成する方法等が挙げられる。これらの中でも、ばらつきが少ないことから、均一な厚さの13族窒化物結晶層を微細加工することによって13族窒化物結晶2を形成する方法が好適である。その結果、第2の工程で、平坦なc面を有する13族窒化物結晶3を製造することができる。
微細加工としては、特に限定されないが、ウェットエッチング、ドライエッチング等が挙げられる。これらの中でも、寸法精度が高く、ばらつきが少ないことから、ドライエッチングが好適である。
ドライエッチングでは、マスク材料と13族窒化物結晶層のエッチング速度が同じになる条件(選択比1の条件)でエッチングし、マスクの形状を三次元的に13族窒化物結晶に転写する方法が採用できる。
例えば、MOCVD法やHVPE法により、サファイア基板上に均一な厚さの窒化ガリウム結晶層を成膜したテンプレート基板を使用して、窒化ガリウム結晶層をドライエッチングすることにより、底面の形状及び最大寸法と、高さが揃っている角錐状又は円錐状の13族窒化物結晶2を形成することができる。
なお、隣接する13族窒化物結晶2を隔てる間隔は、特に限定されるものではなく適宜選択することができるが、250μm以上であることが好ましく、500μm以上であることがさらに好ましく、1mm以上であることが特に好ましい。
また、13族窒化物結晶2の底面の最大寸法と高さは、特に限定するものではなく、13族窒化物結晶2の形成方法によって適宜選択することができるが、それぞれ、数μm〜1mm程度である。
基体1としては、13族窒化物結晶2を形成できるものであれば、その材質は特に限定されないが、13族窒化物の単結晶基板、サファイア、ZnO等の酸化物の単結晶基板、SiC基板、Si基板等が挙げられる。また、基体1の代わりに、サファイア基板上に13族窒化物単結晶層が成膜されているテンプレート基板を使用することもできる。
13族窒化物結晶2が形成されている領域以外の基体1の表面は、13族窒化物が結晶成長せず、13族窒化物の結晶成長に悪影響を及ぼさない物質で構成される。
13族窒化物が結晶成長せず、13族窒化物の結晶成長に悪影響を及ぼさない物質としては、サファイア、SiO等の酸化物、窒化シリコン等の窒化物が好適である。
13族窒化物結晶2が形成されている領域以外の基体1の表面は、例えば、サファイア基板の表面であっても良いし、13族窒化物の単結晶基板やSiC基板の表面に、サファイア、SiO等の酸化物、窒化シリコン等の窒化物が堆積して覆われている表面であっても良い。
第2の工程では、反応容器内に保持されたアルカリ金属と13族元素を含む混合融液中に、気相から窒素を溶解させて、13族元素と窒素とから、13族窒化物結晶2を種結晶にして13族窒化物を結晶成長させ、隣接する13族窒化物結晶2を連結する。このため、成長した13族窒化物結晶3には平坦なc面が形成される。
13族窒化物結晶2の表面に貫通している転位Dは、13族窒化物結晶2の斜面で横方向に曲げられることに加え、結晶成長は主に斜面を形成しながら横方向に進むので、c面に貫通する転位は減少する(図1参照)。
さらに、13族窒化物結晶2の高さが揃っているので、形成されるc面は、凹凸が少なく平坦な面となる。
第3の工程では、13族窒化物結晶3のc面を成長面として、13族窒化物を結晶成長させ、13族窒化物結晶4を形成する。
13族窒化物結晶3は、平坦なc面が形成されているので、13族窒化物結晶3も平坦に成長することができる。
13族窒化物結晶4を形成する際の結晶成長の条件は、c面が成長面となる条件であれば、適宜選択することができ、高温で窒素分圧の高い条件が好適である。また、13族窒化物結晶4を形成する際に、リチウム等のc面の形成を促進する物質を添加することもできる。
また、13族窒化物結晶4を形成する際に、c面を成長面として、13族窒化物が結晶成長するので、斜面に取り込まれやすい酸素等の不純物の取り込み量が少ない。
第3の工程は、第2の工程に連続して実施することもできる。また、第2の工程と第3の工程の間に成長中断を実施しても良い。成長中断を実施することで、第2の工程で結晶成長した13族窒化物結晶3のc面をわずかにメルトバックすることにより、平坦化させたり、深さ方向の寸法が1〜10μm程度のボイドを形成して、転位の伝播を抑制させたりすることができる。その結果、不純物濃度が少なく、貫通転位密度が小さく、平坦なc面を有する13族窒化物結晶を製造することができる。以上のように、目的に合わせて、第3の工程を実施するタイミングを決めることができる。
[結晶成長装置]
図7に、本実施形態の13族窒化物結晶の製造方法に用いられる結晶成長装置の一例を示す。
結晶成長装置は、ステンレス鋼製の外部耐圧容器11内に、反応容器35が収容された内部耐圧容器12が設置された二重構造を成す。内部耐圧容器12は、外部耐圧容器11から着脱することができる。内部耐圧容器12内の設置台13上には、反応容器35が設置される。尚、反応容器35は、設置台13から脱着可能となっている。
反応容器35は、アルカリ金属と13族元素を含む混合融液37を保持して、結晶成長させるための容器である。
反応容器35に原料を投入する作業は、内部耐圧容器12を、例えば、アルゴンガスのような不活性ガスの雰囲気とされたグローブボックスに入れて実施する。
アルカリ金属としては、金属ナトリウム、ナトリウム化合物(例えば、アジ化ナトリウム)等が用いられる。
混合融液37には、ナトリウムに加え、リチウム、カリウム等のアルカリ金属、アルカリ金属の化合物、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、アルカリ土類金属の化合物を結晶成長を促進させるために助剤として添加してもよい。
13族元素としては、例えば、金属ガリウムが用いられる。
なお、金属ガリウムの代わりに、ガリウム化合物を用いてもよい。
また、ガリウムと、アルミニウム又はインジウムとの混合物を13族元素として用いることもできる。
また、混合融液37には、準安定領域を拡大する効果のあるカーボンや、n型ドーパント原料となるゲルマニウムを適宜添加することもできる。
外部耐圧容器11及び内部耐圧容器12には、それぞれ外部耐圧容器11の内部空間41及び内部耐圧容器12の内部空間42に、13族窒化物の原料である窒素(N)ガスおよび全圧調整用ガスを供給するガス供給管22、21が接続されている。
ガス供給管21、22は、バルブ25を介して、ガス供給管14に接続されており、バルブ26を介して、真空ポンプと接続されている。
ガス供給管14は、窒素供給管17と全圧調整用ガス供給管20に分岐しており、それぞれバルブ15、18で分離することが可能となっている。
全圧調整用ガスとしては、不活性ガスのアルゴン(Ar)ガスを用いるが、これに限定されず、その他の不活性ガスを全圧調整用ガスとして用いてもよい。
窒素ガスは、窒素ガスのガスボンベ等に接続された窒素供給管17から供給されて、圧力制御装置16で圧力を調整された後、バルブ15を介してガス供給管14に供給される
一方、全圧調整用ガス(アルゴンガス)は、全圧調整用ガスのガスボンベ等と接続された全圧調整用ガス供給管20から供給されて、圧力制御装置19で圧力を調整された後、バルブ18を介してガス供給管14に供給される。
このようにして圧力を調整された窒素ガスと全圧調整用ガスは、ガス供給管14にそれぞれ供給されて混合される。そして、窒素および全圧調整用ガスの混合ガスは、ガス供給管14からガス供給管22、21を経て、外部耐圧容器11と内部耐圧容器12内に供給される。
内部耐圧容器12は、バルブ24の部分で結晶成長装置の本体から取り外すことが可能となっている。
また、ガス供給管14には、圧力計23が設けられており、圧力計23によって外部耐圧容器11と内部耐圧容器12内の全圧をモニターしながら外部耐圧容器11と内部耐圧容器12内の圧力を調整できるようになっている。
窒素ガスおよび全圧調整用ガスの圧力をバルブ15、18と圧力制御装置16、19とによって調整することにより、窒素分圧を調整することができる。また、外部耐圧容器11と内部耐圧容器12の全圧を調整することができるので、内部耐圧容器12内の全圧を高くして、反応容器35内のナトリウムの蒸発を抑制することができる。
本実施形態の13族窒化物結晶の製造方法における内部耐圧容器12内の窒素分圧は、0.1MPa〜8MPaの範囲内とすることが好ましい。
また、外部耐圧容器11内の内部耐圧容器12の外周には、側部ヒーター31が配置され温度を制御することが可能となっている。
内部耐圧容器12内の反応容器35を設置する設置台13内には、底部ヒーター32が配置されている。
側部ヒーター31及び底部ヒーター32は、それぞれ内部耐圧容器12及び反応容器35を加熱して、混合融液37の温度を調整し、混合融液に所望の温度分布を形成することができる。
反応容器35の材質としては、特に限定するものではなく、BN焼結体、P−BN等の窒化物、アルミナ、YAG等の酸化物、SiC等の炭素化合物等を使用することができる。
少なくとも反応容器35の内壁面、すなわち、反応容器35が混合融液37と接する部位は、混合融液37と反応し難い材質で構成されていることが望ましい。
窒化ガリウムを結晶成長させることができる材質の例としては、窒化ホウ素(BN)、パイロリティックBN(P−BN)、窒化アルミニウム等の窒化物、サファイア、アルミナ、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)等の酸化物、SiC等の炭素化合物等が挙げられる。
反応容器35内には、複数の角錐状又は円錐状の13族窒化物結晶2が所定の間隔を隔てて形成されている基体1が設置される。
そして、反応容器35には、13族元素(例えば、ガリウム)及びアルカリ金属(例えば、ナトリウム)を投入する。
13族元素とアルカリ金属とのモル比は、特に限定されるものではないが、13族元素とアルカリ金属との総モル数に対するアルカリ金属のモル比を40〜95%とすることが好ましく、75〜90%とすることがさらに好ましい。
内部耐圧容器12の内部空間42と外部耐圧容器11の内部空間41には、窒素ガス及び全圧調整用ガスが所定のガス分圧で充填される。
また、反応容器35は蓋36が載せられているが、反応容器35と蓋36の隙間から反応容器35の内部空間38にもガスが充填され、気液界面39が形成される。
気体中の窒素ガス分圧は、特に限定されるものではないが、0.1MPa以上とすることが好ましい。
混合融液37の温度は、特に限定されるものではないが、750℃以上とすることが好ましい。
成長温度と窒素分圧は、13族窒化物の結晶成長に合わせて、適宜選択することができるが、温度860℃〜900℃、窒素分圧2.0〜4MPaの範囲で組み合わせることが好適である。
[窒化ガリウム結晶]
図8に、本実施形態の窒化ガリウム結晶の一例を示す。
窒化ガリウム結晶は、c面を主面とし、所定の間隔を隔てて形成されている高さが揃っている角錐状又は円錐状の窒化ガリウム結晶8aを内包している窒化ガリウム結晶層8上に、窒化ガリウム結晶8aを内包していない窒化ガリウム結晶層9が積層されており、窒化ガリウム結晶8aは、c面と平行な面に正三角形格子点上に配置されている。
窒化ガリウム結晶層8のうち、窒化ガリウム結晶8a以外の結晶の蛍光色は、窒化ガリウム結晶8aの蛍光色及び窒化ガリウム結晶層9の蛍光色とは異なる。このとき、窒化ガリウム結晶8aの蛍光色及び窒化ガリウム結晶層9の蛍光色は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
例えば、窒化ガリウム結晶8aは、黄色く発光し、窒化ガリウム結晶層8のうち、窒化ガリウム結晶8a以外の結晶は、薄い青色に発光し、窒化ガリウム結晶層9は、薄い黄色に発光する。このような窒化ガリウム結晶は、不純物濃度が少なく、貫通転位密度が小さく、平坦なc面を有する。
窒化ガリウム結晶は、正三角形格子の辺が窒化ガリウム結晶8aのm軸又はa軸に平行であることが好ましい。
窒化ガリウム結晶は、窒化ガリウム結晶層8のうち、窒化ガリウム結晶8a以外の結晶と、窒化ガリウム結晶8a及び窒化ガリウム結晶層9の酸素含有量が異なる。例えば、窒化ガリウム結晶層8のうち、窒化ガリウム結晶8a以外の結晶の酸素含有量が1018〜1019cm−3程度であり、窒化ガリウム結晶8aと窒化ガリウム結晶層9の酸素含有量がSIMS分析装置のバックグランド(1017cm−3)以下である。このような窒化ガリウム結晶は、不純物濃度が少なく、貫通転位密度が小さく、平坦なc面を有する。
窒化ガリウム結晶は、窒化ガリウム結晶層8と窒化ガリウム結晶層9の間にボイドが形成されている。このような窒化ガリウム結晶は、不純物濃度が少なく、貫通転位密度が小さく、平坦なc面を有する。
ボイドの大きさは、例えば、深さ方向の寸法が1〜10μm程度である。
[窒化ガリウム結晶の用途]
本実施形態の窒化ガリウム結晶は、例えば、発光素子、受光素子、電子デバイス、パワーデバイス用の基板として、使用することができる。
本実施形態の窒化ガリウム結晶を13族窒化物半導体発光素子用の基板として使用する場合は、窒化ガリウム結晶の貫通転位密度が小さいので、発光効率が高い発光素子を製造することができる。
本実施形態の窒化ガリウム結晶は、Inを含まないGaN、AlGaN、あるいは、Inの含有率が小さいInGaN、AlInGaNを活性層に用いた紫外波長領域の発光ダイオード、半導体レーザー用の基板として特に有効に使用することができる。
また、本実施形態の窒化ガリウム結晶は、貫通転位の位置を容易に特定することができるので、貫通転位の位置を避けて発光素子を形成することができる。そのため、本実施形態の窒化ガリウム結晶は、発光素子を複数並べて形成するアレイ素子に有効であり、例えば、面発光レーザアレイ(VCSELアレイ)光源用の基板として、有効に使用することができる。
本実施形態の窒化ガリウム結晶は、貫通転位密度が小さいので、パワーデバイス用の基板として使用する場合に、耐圧性が大きい縦型パワーデバイス用の基板として有効である。
本実施形態の窒化ガリウム結晶を受光素子用の基板として使用する場合は、窒化ガリウム結晶の貫通転位密度が小さいので、ノイズが少なく、S/N比が大きい受光素子を製造することができる。本実施形態の窒化ガリウム結晶は、火炎センサー用の基板として、特に有効に使用することができる。
[実施例1]
本実施例では、アルカリ金属及び13族元素として、それぞれナトリウム及びガリウムを用いた。また、(0001)面を主面とする直径2インチのサファイア基板100上に、MOCVDにより厚さ15μmの窒化ガリウム結晶層101が成膜されたテンプレート基板1000(図9(a)参照)を使用して、窒化ガリウムを結晶成長させ、窒化ガリウム結晶を製造した。
まず、第1の工程で、サファイア基板100上に、円錐状の窒化ガリウム結晶103を形成した。
具体的には、テンプレート基板1000の主面に、円錐状のレジストマスク102を形成した後(図9(b)参照)、ICP−RIE装置を使用して、塩素系ガスでドライエッチングし、レジストマスク102の形状をテンプレート基板1000の窒化ガリウム結晶層101に転写し、円錐状の窒化ガリウム結晶103を形成した(図9(c)参照)。
このとき、円錐状のレジストマスク102は、正三角形格子点上に配置されるように形成し(図3参照)、円錐状のレジストマスク102の並びと円錐状の窒化ガリウム結晶103の結晶方位の関係を、正三角形格子の各辺が円錐状の窒化ガリウム結晶103のm軸と平行になるようにした。
このように配置することで、隣接する円錐状の窒化ガリウム結晶103から結晶成長した窒化ガリウム104が合体する際に、m軸会合する。このため、隣接する円錐状の窒化ガリウム結晶103から結晶成長した窒化ガリウム104がスムーズに合体することができる(図4参照)。
本実施例では、500μmピッチの正三角形格子点上に配置されるように、底面の直径16μm、高さ13.8μmの円錐状のレジストマスク102をフォトリソグラフィーで形成した。
ドライエッチングでは、レジストマスク102と窒化ガリウム結晶層101のエッチング速度が同じになる条件でエッチングし、レジストマスク102の形状を窒化ガリウム結晶層101に転写した。このとき、レジストマスク102が形成されていない領域がサファイア基板100に到達するまでエッチングした。そのため、エッチングが終了した時には、レジストマスク102は、全てエッチングされて無くなっている。
このようにして、サファイア基板100の500μmピッチの正三角形格子点上に、底面の直径16μm、高さ13.8μmの円錐状の窒化ガリウム結晶103が形成される。
次いで、第2の工程と第3の工程で、円錐状の窒化ガリウム結晶103が形成されたサファイア基板100を結晶成長装置(図7参照)に入れ、窒化ガリウム104、105を結晶成長させた。
本実施例では、反応容器35として、内径92mm、深さ120mmのアルミナ製の容器を使用した。
先ず、内部耐圧容器12をバルブ24の部分で外して結晶成長装置から分離し、酸素濃度1ppm未満、露点−80℃以下の高純度Ar雰囲気のグローブボックスに入れた。
次に、反応容器35の底部に、円錐状の窒化ガリウム結晶103が形成されたサファイア基板100を設置した。
次に、金属ナトリウム(Na)を加熱して液体にして反応容器35内に入れ、ナトリウムが固化した後、金属ガリウムを入れた。本実施例では、ガリウムとナトリウムの総モル数に対するナトリウムのモル数の割合を80%とした。
次に、カーボンを混合融液の総モル数に対して0.5mol%入れ、反応容器35の上部に蓋36を載せた。
その後、グローブボックス内で、高純度のArガス雰囲気下、反応容器35を内部耐圧容器12内に設置した。そして、バルブ24を閉じて内部耐圧容器12を密閉し、内部耐圧容器12の内部を外部雰囲気と遮断した。なお、内部耐圧容器12の内部には、グローブボックス内の高純度のArガスが充填されている。
次に、内部耐圧容器12をグローブボックスから出して、結晶成長装置に組み込んだ。すなわち、内部耐圧容器12を外部耐圧容器11の所定の位置に設置し、バルブ24の部分でガス供給管14に接続した。
内部耐圧容器12を外部耐圧容器11に取り付けることによって、外部耐圧容器11の内部は、外部雰囲気と遮断される。
次いで、バルブ24とバルブ25の間の配管の内部及び外部耐圧容器11の内部を真空引きした後、窒素を導入する操作を、バルブ25、26を介して10回繰り返した。なお、バルブ25は、あらかじめ閉じてある。
その後、バルブ26を閉じ、バルブ24とバルブ25とバルブ15を開け、窒素供給管17から窒素ガスを入れ、圧力制御装置16で圧力を調整して外部耐圧容器11と内部耐圧容器12の内部の全圧を1.17MPaにして、バルブ15を閉じた。そして、圧力制御装置16の圧力を8MPaに設定した。
そして、全圧調整用ガス供給管20からArガスを入れ、圧力制御装置19で圧力を調整してバルブ18を開け、外部耐圧容器11と内部耐圧容器12の内部の全圧を3.6MPaにした。その後、バルブ18を閉じ、圧力制御装置19の圧力を8MPaに設定した。
次に、側部ヒーター31と底部ヒーター32に通電し、反応容器35の温度を870℃まで昇温した。このとき、側部ヒーター31及び底部ヒーター32を、ともに870℃に設定した。これにより、反応容器35内の混合融液37と円錐状の窒化ガリウム結晶103が形成されたサファイア基板100は、870℃に加熱される。
温度870℃の条件では、外部耐圧容器11と内部耐圧容器12の内部の全圧は、圧力計23により8MPaと測定されたので、870℃における外部耐圧容器11と内部耐圧容器12の内部の窒素分圧は2.6MPaとなる。
そして、バルブ15を開け、窒素ガスの圧力を8MPaとした。窒素ガスの圧力を8MPaとしておくことにより、結晶成長によって消費された窒素が供給され、常に窒素分圧を一定に保持しておくことができる。
この条件で、窒化ガリウム104を35時間結晶成長させた。これによって、円錐状の窒化ガリウム結晶103を種結晶として、窒化ガリウム104が結晶成長し、横方向に結晶成長が進んで隣接する円錐状の窒化ガリウム結晶103同士が連結する。そして、平坦化が進み、サファイア基板100の主面全体にc面が形成される(図9(d)、(e)参照)。
次に、反応容器35の温度を880℃にして、窒素分圧を2.8MPaになるように調整して窒化ガリウム105を結晶成長させた。この条件では、c面を成長面として、窒化ガリウム105が結晶成長し、c軸方向の厚さが厚くなる。この条件で200時間結晶成長させ、窒化ガリウム結晶106を形成した(図9(f)参照)。
結晶成長が終了した後、ヒーター31、32の通電を止め、室温まで冷却した。ガスを抜いた後、内部耐圧容器12を取り外して、グローブボックス内で、内部耐圧容器12から反応容器35を取り出した。
反応容器35から、窒化ガリウム結晶106が形成されたサファイア基板100を以下のように取り出した。
まず、反応容器35を加熱してナトリウムを液体状態にして流し出した。
その後、反応容器35をグローブボックスから取り出して、反応容器35内に残っているナトリウムをアルコールにより溶解させた後、アルコールを蒸発させた。次に、酸でナトリウムとガリウムの金属間化合物を溶解させた後、水で洗浄して、窒化ガリウム結晶106が形成されたサファイア基板100を取り出した。
窒化ガリウム結晶106が形成されたサファイア基板100を取り出した段階で、サファイア基板100と、窒化ガリウム結晶106は、界面近傍で分離していた(図9(g)参照)。窒化ガリウム結晶106は、サファイア基板100に近い領域が薄い褐色に着色していたが、その他の大部分が無色透明であった。窒化ガリウム結晶106の厚さは3mmであった。
窒化ガリウム結晶106の断面を蛍光顕微鏡で観察したところ、円錐状の窒化ガリウム結晶103の断面が黄色に発光し、三角形として観察された。また、円錐状の窒化ガリウム結晶103から成長した窒化ガリウム104は、薄い青色に発光し、斜めファセットを形成して横方向に成長し、隣接する円錐状の窒化ガリウム結晶103から成長した窒化ガリウム104同士が合体した痕跡が観察された。さらに、c面を成長面として、結晶成長した窒化ガリウム105は、c面に平行な縞が観察され、薄い黄色に発光した。
円錐状の窒化ガリウム結晶103と、窒化ガリウム104と、窒化ガリウム105の蛍光色が異なるのは、結晶成長方法と結晶成長した面方位によって、取り込まれる不純物とその濃度が異なるためであると考えられる。SIMS分析の結果、窒化ガリウム104は、酸素含有量が1019cm−3であった。一方、円錐状の窒化ガリウム結晶103と窒化ガリウム105は、酸素含有量がSIMS分析装置のバックグランド(1017cm−3)以下であった。
窒化ガリウム結晶106の窒化ガリウム105に、クラックは発生していなかった。このことから、窒化ガリウム結晶106には、ボイド、インクルージョン等の欠陥が少ないことがわかる。
窒化ガリウム結晶106の窒化ガリウム105をスライスした後、研磨して、c面基板を7枚作製した。
作製したc面基板のc面を酸でエッチングし、エッチピットを計測したところ、エッチピットの密度は、10cm−2の後半から10cm−2の前半であった。このことから、窒化ガリウム結晶106は、貫通転位密度が小さいことがわかる。
[実施例2]
本実施例では、アルカリ金属及び13族元素として、それぞれナトリウム及びガリウムを用いた。また、(0001)面を主面とする直径2インチのサファイア基板200上に、MOCVDにより厚さ15μmの窒化ガリウム結晶層201が成膜されたテンプレート基板2000(図10(a)参照)を使用して、窒化ガリウムを結晶成長させ、窒化ガリウム結晶を製造した。
本実施例では、正三角形格子の各辺が円錐状の窒化ガリウム結晶203のa軸と平行になるようにした以外は、実施例1と同様である。従って、実施例1と異なる点のみを記載する。
まず、第1の工程で、サファイア基板200上に円錐状の窒化ガリウム結晶を形成した。
このとき、円錐状のレジストマスク202は、正三角形格子点上に配置されるように形成し(図5参照)、円錐状のレジストマスク202の並びと円錐状の窒化ガリウム結晶203の結晶方位の関係を、正三角形格子の各辺が円錐状の窒化ガリウム結晶203のa軸と平行になるようにした。
このように配置することで、隣接する円錐状の窒化ガリウム結晶203から結晶成長した窒化ガリウム204が合体する際に、a軸会合する。a軸会合では、会合部分にボイドが形成される場合がある。しかしながら、種結晶となる円錐状の窒化ガリウム結晶203の形状、サイズ、配置を揃えることで、ボイドを形成することなく、隣接する円錐状の窒化ガリウム結晶203から結晶成長した窒化ガリウム204をスムーズに合体させることができる(図6参照)。
本実施例では、500μmピッチの正三角形格子点上に配置されるように、底面の直径16μm、高さ13.8μmの円錐状のレジストマスク202をフォトリソグラフィーで形成した(図10(b)参照)。
その後、実施例1と同様に、ドライエッチングし、サファイア基板200の500μmピッチの正三角形格子点上に、底面の直径16μm、高さ13.8μmの円錐状の窒化ガリウム結晶203が形成される(図10(c)参照)。
第2の工程と第3の工程で、円錐状の窒化ガリウム結晶203が形成されたサファイア基板200を結晶成長装置(図7参照)に入れ、実施例1と同様にして、窒化ガリウム204、205を結晶成長させ(図10(d)、(e)、(f)参照)、窒化ガリウム結晶206が形成されたサファイア基板200を取り出した。
窒化ガリウム結晶206が形成されたサファイア基板200を取り出した段階で、サファイア基板200と、窒化ガリウム結晶206は、実施例1と同様に、界面近傍で分離していた(図10(g)参照)。窒化ガリウム結晶206は、サファイア基板200に近い領域が薄い褐色に着色していたが、その他の大部分が無色透明であった。窒化ガリウム結晶106の厚さは3mmであった。
窒化ガリウム結晶206の断面を蛍光顕微鏡で観察したところ、円錐状の窒化ガリウム結晶203の断面が黄色に発光し、三角形として観察された。また、円錐状の窒化ガリウム結晶203から成長した窒化ガリウム204は、薄い青色に発光し、斜めファセットを形成して横方向に成長し、隣接する円錐状の窒化ガリウム結晶203から成長した窒化ガリウム204同士が合体した痕跡が観察された。隣接する円錐状の窒化ガリウム結晶203から成長した窒化ガリウム204の会合部分には、ボイドは観察されず、隣接する円錐状の窒化ガリウム結晶203から成長した窒化ガリウム204がスムーズに合体していた。さらに、c面を成長面として、結晶成長した窒化ガリウム205は、c面に平行な縞が観察され、薄い黄色に発光した。
円錐状の窒化ガリウム結晶203と、窒化ガリウム204と、窒化ガリウム205の蛍光色が異なるのは、結晶成長方法と結晶成長した面方位によって、取り込まれる不純物とその濃度が異なるためであると考えられる。SIMS分析の結果、窒化ガリウム204は、酸素含有量が1019cm−3であった。一方、円錐状の窒化ガリウム結晶203と窒化ガリウム205は、酸素含有量がSIMS分析装置のバックグランド(1017cm−3)以下であった。
窒化ガリウム結晶206の窒化ガリウム205に、クラックは発生していなかった。このことから、窒化ガリウム結晶206には、ボイド、インクルージョン等の欠陥が少ないことがわかる。
窒化ガリウム結晶206の窒化ガリウム205をスライスした後、研磨して、c面基板を7枚作製した。
作製したc面基板のc面を酸でエッチングし、エッチピットを計測したところ、エッチピットの密度は、10cm−2の後半から10cm−2の前半であった。このことから、窒化ガリウム結晶206は、貫通転位密度が小さいことがわかる。
[実施例3]
本実施例では、アルカリ金属及び13族元素として、それぞれナトリウム及びガリウムを用いた。また、(0001)面を主面とする直径2インチのサファイア基板300上に、MOCVDにより厚さ15μmの窒化ガリウム結晶層301が成膜されたテンプレート基板3000(図11(a)参照)を使用して、窒化ガリウムを結晶成長させ、窒化ガリウム結晶を製造した。
本実施例では、第2の工程と第3の工程の間に成長中断を入れた以外は、実施例1と同様である。従って、実施例1と異なる点のみを記載する。
まず、第1の工程で、実施例1と同様にして、テンプレート基板3000の主面に、円錐状のレジストマスク302を形成した後、ドライエッチングすることにより、サファイア基板300上に円錐状の窒化ガリウム結晶303を形成した(図11(b)、(c)参照)。
次に、第2の工程と第3の工程で、円錐状の窒化ガリウム結晶303が形成されたサファイア基板300を結晶成長装置(図7参照)に入れ、窒化ガリウム304、305を結晶成長させる。
ここで、窒化ガリウム304を結晶成長させた後に(図11(d)、(e)参照)、15分間成長中断を入れ、窒化ガリウム305を結晶成長させた(図11(f)参照)。
具体的には、温度870℃、窒素分圧2.6MPaの条件で、窒化ガリウム304を35時間結晶成長させた後、温度880℃、窒素分圧2.2MPaの条件で、15分間保持し、成長中断を入れた。温度880℃、窒素分圧2.2MPaの条件では、混合融液37は未飽和になるため、窒化ガリウム304の表面がわずかにメルトバックする。その後、窒素分圧が2.8MPaになるように調整して、窒化ガリウム305を結晶成長させた。このとき、窒化ガリウム304の表面のわずかにメルトバックした箇所は取り残され、窒化ガリウム304と窒化ガリウム305の間に、微小なボイドVが形成される。この条件で、窒化ガリウム305を200時間結晶成長させ、窒化ガリウム結晶306が形成されたサファイア基板300を取り出した。
窒化ガリウム結晶306が形成されたサファイア基板300を取り出した段階で、サファイア基板300と、窒化ガリウム結晶306は、実施例1と同様に、界面近傍で分離していた(図11(g)参照)。窒化ガリウム結晶306は、サファイア基板300に近い領域が薄い褐色に着色していたが、その他の大部分が無色透明であった。窒化ガリウム結晶306の厚さは3mmであった。
窒化ガリウム結晶306の断面を蛍光顕微鏡で観察したところ、円錐状の窒化ガリウム結晶303の断面が黄色に発光し、三角形として観察された。また、円錐状の窒化ガリウム結晶303から成長した窒化ガリウム304は、薄い青色に発光し、斜めファセットを形成して横方向に成長し、隣接する円錐状の窒化ガリウム結晶303から成長した窒化ガリウム304同士が合体した痕跡が観察された。さらに、c面を成長面として、結晶成長した窒化ガリウム305は、c面に平行な縞が観察され、薄い黄色に発光した。
円錐状の窒化ガリウム結晶303と、窒化ガリウム304と、窒化ガリウム305の蛍光色が異なるのは、結晶成長方法と結晶成長した面方位によって取り込まれる不純物とその濃度が異なるためであると考えられる。SIMS分析の結果、窒化ガリウム304は、酸素含有量が1019cm−3であった。一方、円錐状の窒化ガリウム結晶303と窒化ガリウム305は、酸素含有量がSIMS分析装置のバックグランド(1017cm−3)以下であった。
窒化ガリウム結晶306の窒化ガリウム305に、クラックは発生していなかった。このことから、窒化ガリウム結晶306には、ボイド、インクルージョン等の欠陥が少ないことがわかる。
窒化ガリウム結晶306の窒化ガリウム305をスライスした後、研磨して、c面基板を7枚作製した。
作製したc面基板のc面を酸でエッチングし、エッチピットを計測したところ、エッチピットの密度は、10cm−2以下であった。このことから、窒化ガリウム結晶306は、貫通転位密度が小さいことがわかる。
窒化ガリウム結晶306の窒化ガリウム304と窒化ガリウム305の間には、深さ方向に1〜5μm程度のボイドVが形成されていた。
1 基体
2、3、4、5、6、7 13族窒化物結晶
8、9 窒化ガリウム結晶層
8a 角錐状又は円錐状の窒化ガリウム結晶
D 転位
100、200、300 サファイア基板
101、201、301 窒化ガリウム結晶層
102、202、302 レジストマスク
103、203、303 円錐状の窒化ガリウム結晶
104、204、304 窒化ガリウム
105、205、305 窒化ガリウム
106、206、306 窒化ガリウム結晶
V ボイド
特開2014−218392号公報 特開2012−197194号公報 特開2005−12171号公報

Claims (9)

  1. 基体上に、高さが揃っている角錐状又は円錐状の13族窒化物結晶を所定の間隔を隔てて形成する第1の工程と、
    アルカリ金属と13族元素を含み、窒素が溶解している混合融液中で、前記13族窒化物結晶を種結晶として、13族窒化物を結晶成長させ、c面を形成する第2の工程を含むことを特徴とする13族窒化物結晶の製造方法。
  2. 13族窒化物結晶層が形成されている前記基体を微細加工して前記13族窒化物結晶を形成することを特徴とする請求項1に記載の13族窒化物結晶の製造方法。
  3. 前記基体上に、前記13族窒化物結晶を、正三角形格子点上に配置されるように形成し、
    該正三角形格子の辺が前記13族窒化物結晶のm軸に平行であることを特徴とする請求項1又は2に記載の13族窒化物結晶の製造方法。
  4. 前記基体上に、前記13族窒化物結晶を、正三角形格子点上に配置されるように形成し、
    該正三角形格子の辺が前記13族窒化物結晶のa軸に平行であることを特徴とする請求項1又は2に記載の13族窒化物結晶の製造方法。
  5. 前記混合融液中で、前記c面を成長面として、13族窒化物を結晶成長させる第3の工程をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の13族窒化物結晶の製造方法。
  6. 前記アルカリ金属は、ナトリウムであり、
    前記13族元素は、ガリウムであり、
    前記13族窒化物は、窒化ガリウムであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の13族窒化物結晶の製造方法。
  7. c面を主面とし、
    所定の間隔を隔てて形成されている高さが揃っている角錐状又は円錐状の窒化ガリウム結晶を内包している第1の窒化ガリウム結晶層上に前記角錐状又は円錐状の窒化ガリウム結晶を内包していない第2の窒化ガリウム結晶層が形成されており、
    前記角錐状又は円錐状の窒化ガリウム結晶は、前記c面と平行な面に正三角形格子点上に配置されており、
    前記第1の窒化ガリウム結晶層内の前記角錐状又は円錐状の窒化ガリウム結晶以外の結晶の蛍光色は、前記角錐状又は円錐状の窒化ガリウム結晶の蛍光色及び前記第2の窒化ガリウム結晶層の蛍光色とは異なることを特徴とする窒化ガリウム結晶。
  8. 前記第1の窒化ガリウム結晶層のうち、前記角錐状又は円錐状の窒化ガリウム結晶以外の結晶と、前記角錐状又は円錐状の窒化ガリウム結晶及び前記第2の窒化ガリウム結晶層の酸素含有量が異なることを特徴とする請求項7に記載の窒化ガリウム結晶。
  9. 前記第1の窒化ガリウム結晶層と前記第2の窒化ガリウム結晶層の間にボイドが形成されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の窒化ガリウム結晶。
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