JP2018063797A - コネクタ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】大きな構造変更を行うことなく、STPケーブルとUTPケーブルとを置き換えることができるコネクタ構造を提供する。
【解決手段】UTP接続端子21Aは、UTP誘電体22Aの幅方向に近接した対をなす収容部26に、弾性接触片32が幅方向に互いに近接する内側に位置し且つ受部31が幅方向に互いに離間する外側に位置するように収容される。STP接続端子21Bは、UTP誘電体22Aよりも幅方向に離間した、STP誘電体22Bの対をなす収容部26に、弾性接触片32が幅方向に互いに離間する外側に位置し且つ受部31が幅方向に互いに接近する内側に位置するように収容される。
【選択図】図26

Description

本発明は、コネクタ構造に関する。
従来より、複数本の電線を撚り合わせたツイストペアケーブルは、単なる平行線よりもノイズの影響を受けにくく、ノイズ輻射も少ないことから、車載ネットワーク等に好適に用いられている。ツイストペアケーブルには、STP(シールドツイストペア)ケーブルと、UTP(アンシールドツイストペア)ケーブルとが知られている。このうち、STPケーブルは電線の周囲がシールド導体で包囲されており、ノイズに対してより強い耐性を有している。
例えば、特許文献1には、STPケーブルの端部に接続される内導体端子と、内導体端子を収容するインナーハウジング(誘電体)と、STPケーブルのシールド導体に接続され、インナーハウジングを包囲するシールドシェルと、シールドシェルを収容するアウターハウジングとを備えたコネクタが開示されている。
一方、特許文献2には、UTPケーブルの端部に接続される接続端子と、接続端子を収容する端子収容部を有するコネクタ本体(誘電体)とを備えたコネクタが開示されている。
特許5333632号公報 特許5087487号公報
特許文献1、2のコネクタは、UTPケーブルとSTPケーブルの各電線がいずれも端子に接続され、各端子が誘電体に収容されるという共通の構成を含んでいる。この場合に、それぞれのコネクタにおける共通の構造部分を利用して、STPケーブルからUTPケーブルへと置き換えられ、あるいは、UTPケーブルからSTPケーブルへと置き換えられるようになれば、金型設計が容易になり、コストを低減することができる。しかし、UTPケーブルとSTPケーブルとの間には原則として互換性がなく、それぞれのインピーダンスが異なるという事情がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、大きな構造変更を行うことなく、STPケーブルとUTPケーブルとを置き換えることができるコネクタ構造を提供することを目的とする。
本発明のコネクタ構造は、雄端子が挿入接続される箱部を有する端子と、前記端子が収容される収容部を有する誘電体とを備え、前記箱部内には受部と前記受部に対向する弾性接触片とが配置され、前記弾性接触片が前記受部よりも大きい突出量をもって前記箱部内に突出し、前記雄端子が前記受部と前記弾性接触片との間に挟持されるものであり、前記収容部が前記雄端子の挿入方向と直交する幅方向に対をなして配置されており、前記端子が、UTPケーブルの各電線に接続されるUTP接続端子とSTPケーブルの各電線に接続されるSTP接続端子とからなり、前記誘電体が、前記UTP接続端子が収容されるUTP誘電体と前記STP接続端子が収容されるSTP誘電体とからなり、前記対をなす収容部の幅方向の離間距離は、前記UTP誘電体のほうが前記STP誘電体よりも短くなっており、前記UTP接続端子は、前記UTP誘電体の前記対をなす収容部に、前記弾性接触片が前記幅方向に互いに近接する内側に位置し且つ前記受部が前記幅方向に互いに離間する外側に位置するように収容され、前記STP接続端子は、前記STP誘電体の前記対をなす収容部に、前記弾性接触片が前記幅方向に互いに離間する外側に位置し且つ前記受部が前記幅方向に互いに接近する内側に位置するように収容されるところに特徴を有する。
UTP誘電体の対をなす収容部はSTP誘電体のものよりも幅方向で互いに近接しているため、UTP誘電体の対をなす収容部にそれぞれUTPケーブルの各電線に接続されたUTP接続端子が収容されると、インピーダンスを小さくすることができる。一方、STP誘電体の対をなす収容部はUTP誘電体のものよりも幅方向で互いに離間しているため、STP誘電体の対をなす収容部にそれぞれSTPケーブルの各電線に接続されたSTP接続端子が収容されると、インピーダンスを大きくすることができる。これにより、UTPケーブル側とSTPケーブル側との間でインピーダンスを適切に調整することができる。このインピーダンスの調整に際し、UTP接続端子及びSTP接続端子の基本的構造を変更する必要はなく、しかも、弾性接触片と受部の位置関係をUTP接続端子の場合とSTP接続端子の場合とで逆にすることで、UTP接続端子の接続相手となる雄端子とSTP接続端子の接続相手となる雄端子のそれぞれの幅方向の離間距離(ピッチ幅)を、同一のピッチ幅に揃えることができる。したがって、全体として大きな構造変更を行う必要がなく、UTPケーブルとSTPケーブルとを容易に置き換えることができる。
本発明の実施例1のUTPコネクタの分解斜視図である。 UTP接続端子と下側誘電体とを示す分解斜視図である。 UTP接続端子が下側誘電体の収容部に収容された状態を示す斜視図である。 UTP接続端子が収容された下側誘電体と上側誘電体とを示す分解斜視図である。 下側誘電体と上側誘電体とが合体状態に保持されたUTP誘電体の斜視図である。 UTP誘電体とUTPハウジングとを示す分解斜視図である。 UTPコネクタの斜視図である。 UTPコネクタの側面視方向の断面図である。 UTPコネクタの平面視方向の断面図である。 嵌合状態にあるUTPコネクタと相手側UTPコネクタとを示す平面視方向の断面図である。 接続状態にあるUTP接続端子と雄端子とを示す正面視方向の断面図である。 相手側UTPコネクタの正面図である。 STPコネクタの分解斜視図である。 STP接続端子と下側誘電体とを示す分解斜視図である。 STP接続端子が収容された下側誘電体と上側誘電体とを示す分解斜視図である。 下側誘電体と上側誘電体とが合体状態に保持されたSTP誘電体の斜視図である。 STP誘電体と下側外導体とを示す分解斜視図である。 STP誘電体が下側外導体に支持された状態を示す斜視図である。 STP誘電体が支持された下側外導体と上側外導体とを示す分解斜視図である。 下側外導体と上側外導体とが合体状態に保持され、且つ、STPケーブルのシールド導体に接続された外導体の斜視図である。 STP誘電体が内包された外導体とSTPハウジングとを示す分解斜視図である。 STPコネクタの斜視図である。 STPコネクタの側面視方向の断面図である。 STPコネクタの平面視方向の断面図である。 嵌合状態にあるSTPコネクタと相手側STPコネクタとを示す平面視方向の断面図である。 接続状態にあるSTP接続端子と雄端子とを示す正面視方向の断面図である。 相手側STPコネクタの正面図である。
本発明の好ましい形態を以下に示す。
前記UTP接続端子及び前記STP接続端子のそれぞれの箱部が同一の形状とされている。これによれば、各端子の箱部を同じ金型で製造することができ、製造コストを低減させることができる。
<実施例1>
本発明の実施例1を図面に基づいて説明する。本実施例1のコネクタ構造は、車載通信ネットワークシステムに用いられるものであって、UTPケーブル10Aの端部に設けられるUTPコネクタ20Aと、STPケーブル10Bの端部に設けられるSTPコネクタ20Bとからなり、両コネクタ20A、20Bのいずれかを選択使用可能とされている。UTPコネクタ20AとSTPコネクタ20Bとは互いに共通もしくは近似する構造部分を有しており、インピーダンスを調整しつつUTPケーブル10AとSTPケーブル10Bとを置き換えることが可能となっている。
UTPコネクタ20Aは、相手側UTPコネクタ90Aに嵌合され、図1に示すように、UTP接続端子21A、UTP誘電体22A及びUTPハウジング23Aを備える。STPコネクタ20Bは、相手側STPコネクタ90Bに嵌合され、図13に示すように、STP接続端子21B、STP誘電体22B、外導体24B及びSTPハウジング23Bを備える。
[UTPケーブル]
図2に示すように、UTPケーブル10Aは、撚られた一対の電線11と、各電線11を包囲するシース12とからなる。電線11は、導体部分と導体部分を包囲する被覆部分とで構成されている。各電線11の端部はシース12から露出し、それぞれUTP接続端子21Aに接続される。
[UTP接続端子]
UTPケーブル10Aの各電線11に接続されるUTP接続端子21Aは、互いに同一の形状で構成されている。このUTP接続端子21Aは、UTPコネクタ20Aと相手側UTPコネクタ90Aとの嵌合時に、相手側UTPコネクタ90Aに設けられた雄端子91に電気的に接続される。UTP接続端子21Aは、導電性の金属板材を曲げ加工等して一体に形成され、全体として前後方向(図9の左右方向)に細長い形状になっている。
図9に示すように、UTP接続端子21Aは、前後方向に沿った帯板状の基板部25を有している。基板部25の前端部には略角筒状の箱部27が設けられ、基板部25の後端部にはオープンバレル状のバレル部28が設けられている。バレル部28は、電線11の導体部分及び被覆部分にそれぞれ電気的及び機械的に接続される。なお、UTPケーブル10Aのシース12の端部には、UTP接続端子21Aとは別体の加締めリング29が圧着して接続されている。
箱部27の内部には、受部31と弾性接触片32とが幅方向に互いに向き合うようにして突出している。
UTP接続端子21Aは、基板部25側に、断面台形状の受部31が固定して設けられ、基板部25と反対側の天板部33側に、帯板状の弾性接触片32が突出して設けられている。弾性接触片32は、天板部33の後端側から前方へ片持ち状に延出する形態とされ、天板部33の後端側を支点として撓み変形可能とされている。
箱部27内への突出量(図9の上下方向の寸法)は、弾性接触片32のほうが受部31よりも大きくされている。このため、弾性接触片32の頂部は受部31の端面よりも箱部27の中心寄りに位置している。UTP接続端子21Aが雄端子91に接続されると、箱部27内に雄端子91の後述するタブ部92が挿入され、挿入されたタブ部92が受部31と弾性接触片32との間に弾性的に挟まれて導通接続される。図11に示すように、箱部27内には、受部31と弾性接触片32との間に雄端子91の挿入領域53を有している。また、UTP接続端子21Aは、天板部33の一端側から天板部33の平面方向と直交する方向へ突出する突部34を有している。
[UTP誘電体]
UTP誘電体22Aは合成樹脂製であって、上下に分割可能な上側誘電体35と下側誘電体36とからなる。図4に示すように、上側誘電体35は、平面視略矩形の板状をなし、上面の幅方向中央部に、UTPハウジング23Aに係止可能なロック突起37を有している。上側誘電体35の下面には、各UTP接続端子21Aの上部を並列状態で位置決めし、且つ、加締めリング29の上部を位置決めする凹所38(図8を参照)が設けられている。上側誘電体35の幅方向両端部には、前後一対ずつの取付片39が下向きに突出して設けられている。
図2に示すように、下側誘電体36は、平面視略矩形の板状をなし、幅方向両端部に、前後一対ずつの角凹状の取付受部41を有し、取付受部41の奥面に、取付突起42を有している。各取付受部41には取付片39が嵌合され、取付片39の先端部分が取付突起42を引っ掛け係止することにより、下側誘電体36と上側誘電体35とがUTP接続端子21Aを挟んで合体状態に保持される。
下側誘電体36の上面には、各UTP接続端子21Aの下部を並列状態で収容する収容部26を有している。収容部26は、UTP接続端子21Aの外形形状と対応する断面形状を有し、隔壁43を挟んだ幅方向両側に対をなして設けられている。また、図5に示すように、下側誘電体36と上側誘電体35とが合体状態にあるときに、UTP誘電体22Aの前面には、収容部26に連通してタブ部92を挿入可能なタブ挿入孔69が開口して設けられる。
各収容部26のうち、一方(図2の上側)の収容部26は、隔壁43の側縁から上方に突出する板片状の突片部45を有し、他方(図2の下側)の収容部26は、隔壁43を断面矩形に凹ませてなる凹部44を有している。また、隔壁43は、突片部45及び凹部44と隣接する位置に段付き状の段部52を有している。
図9に示すように、UTP接続端子21Aは、基板部25を収容部26の幅方向外側面(隔壁43と対向する外側壁の内面)に沿わせて配置され、箱部27の天板部33側の後端を段部52に沿わせて腹合わせ状態に配置される。突片部45には、一方の収容部26に収容されたUTP接続端子21Aの突部34が載置して支持され、凹部44には、他方の収容部26に収容されたUTP接続端子21Aの突部34が挿入される。また、下側誘電体36の下面には、収容部26の後方に連続する形態で加締めリング29の下部を位置決め保持する凹陥部46が設けられている。
[UTPハウジング]
UTPハウジング23Aは合成樹脂製であって、図6に示すように、略角筒状のハウジング本体47を有している。ハウジング本体47の上面の幅方向中央部には、ロックアーム48が突出して設けられている。ロックアーム48は、ハウジング本体47の上面前端部から後方へ片持ち状に延出する形態とされ、相手側UTPコネクタ90Aのロック受部93を弾性的に係止して、UTPコネクタ20Aと相手側UTPコネクタ90Aとを嵌合状態に保持する。ハウジング本体47の内部には、挿入部49が前後方向に開放して設けられている。図8に示すように、挿入部49の内部には、UTP誘電体22Aが嵌合可能とされている。挿入部49の内壁の上面には、前方へ片持ち状に突出するランス51が設けられている。UTP誘電体22Aは、挿入部49に後方から挿入され、ロック突起37がランス51を撓み変形させた後、ランス51が復帰してロック突起37を弾性的に係止することにより、UTPハウジング23Aに保持される。
[相手側UTPコネクタ]
図12に示すように、相手側UTPコネクタ90Aは、合成樹脂製のフード部94を有している。フード部94は、内部に、UTPハウジング23Aが嵌合可能とされ、図示しないプリント回路基板に支持される。フード部94の上壁の内面には、ロックアーム48に係止されるロック受部93が突設されている。
図25に示すように、フード部94の両側壁の外面には、金属製の板材からなるペグ95が装着される。ペグ95が回路基板の表面に半田付けされることで、相手側UTPコネクタ90Aがペグ95を介して回路基板に固定される。
フード部94には、幅方向に一対の雄端子91が装着されている。各雄端子91は、全体として角線状(角ピン状)をなし、長さ方向途中で略直角に屈曲された形状になっている。各雄端子91は、フード部94内に突出するタブ部92を有している。各雄端子91のタブ部92は、各収容部26に収容されたUTP接続端子21Aの挿入領域53の幅方向離間距離(以下、ピッチ幅という)と対応するピッチ幅で並列に配置されている。また、雄端子91は、フード部94の外側に突出する部分を有し、この部分が図示しない回路基板の表面に実装されて半田付けして接続される。
[STPケーブル]
図14に示すように、STPケーブル10Bは、撚られた一対の電線11と、各電線11を包囲してシールドする編組線等のシールド導体13と、シールド導体13を包囲するシース12とからなる。各電線11の端部及びシールド導体13の端部は、シース12から露出しており、このうち、シールド導体13の端部は、折り返されてシース12の外周側に被着される。そして、各電線11の端部は、それぞれSTP接続端子21Bに接続されるようになっている。
[STP接続端子]
STPケーブル10Bの各電線11に接続されるSTP接続端子21Bは、互いに同一の形状で構成される。STP接続端子21Bは、STPコネクタ20Bと相手側STPコネクタ90Bとの嵌合時に、相手側STPコネクタ90Bに設けられた雄端子91に接続される。また、STP接続端子21Bは、UTP接続端子21Aと実質的に同一の形状であって、箱部27及びバレル部28を有し、箱部27に、受部31、弾性接触片32及び突部34を有している。
[STP誘電体]
STP誘電体22Bは合成樹脂製であって、上下に分割可能な上側誘電体35と下側誘電体36とからなる。図15に示すように、上側誘電体35は、平面視略矩形の板状をなし、上面と両側面とに、外導体24Bに対する位置決め突部54を有している。上側誘電体35の幅方向両端部には、UTP誘電体22Aの上側誘電体35と同様に、取付片39が設けられている。下側誘電体36にも、UTP誘電体22Aの下側誘電体36と同様に、取付受部41及び取付突起42が設けられており、取付片39と取付突起42との係止によって、下側誘電体36と上側誘電体35とがSTP接続端子21Bを挟んで合体状態に保持される。
ところで、STPコネクタ20Bには加締めリング29が設けられず、上側誘電体35及び下側誘電体36のそれぞれの後部に、加締めリング29を受ける部分(凹所38及び凹陥部46に相当する部分)を有していない。このため、STP誘電体22Bの上側誘電体35及び下側誘電体36の前後寸法はUTP誘電体22Aのものよりも短くなっている。
図14に示すように、下側誘電体36の上面には、各STP接続端子21Bの下部を並列状態で位置決め保持する収容部26が設けられている。収容部26は、STP接続端子21Bの外形形状と対応する断面形状を有し、各STP接続端子21Bと対応するように、隔壁43を挟んだ幅方向両側に対をなして設けられている。また、図16に示すように、下側誘電体36と上側誘電体35とが合体状態にあるときに、STP誘電体22Bの前面には、収容部26に連通してタブ部92を挿入可能なタブ挿入孔69が開口して設けられる。
STP誘電体22Bの隔壁43の厚み(幅方向の寸法)は、UTP誘電体22Aの隔壁43の厚みよりも少し大きくされている。このため、STP誘電体22Bの各収容部26のピッチ幅は、UTP誘電体22Aの各収容部26のピッチ幅よりも大きくなっている。
各収容部26のうち、一方(図14の上側)の収容部26は、隔壁43と対向する外側壁の内面を断面矩形に凹ませてなる凹部44を有し、他方(図14の下側)の収容部26は、外側壁の側縁から上方に突出する板片状の突片部45を有している。また、隔壁43は、凹部44及び突片部45と隣接する位置に段付き状の段部52を有している。
図24に示すように、STP接続端子21Bは、基板部25を隔壁43の内面に沿わせて配置され、箱部27の天板部33側の後端を段部52に沿わせて背合わせ状態に配置される。凹部44には、一方の収容部26に収容されたSTP接続端子21Bの突部34が挿入され、突片部45には、他方の収容部26に収容されたSTP接続端子21Bの突部34が載置して支持される。
[外導体]
外導体24Bは、導電金属製であって、上下に分割可能な上側外導体56と下側外導体57とからなる。図19に示すように、上側外導体56は、平面視略矩形の上側シェル部58と、上側シェル部58の後方に連なるオープンバレル状の上側バレル部59とを有している。上側シェル部58は、上側誘電体35を上方から被覆するように配置される。上側シェル部58の平板部分は、上面の幅方向中央部にロック突起37を有し、ロック突起37の前方に上側位置決め孔61を有している。また、上側シェル部58は、平板部分の幅方向両端から垂下する側板部分を有し、側板部分の内面に、図24に示すように、前後一対ずつの保持突起62を有している。上側バレル部59は、幅方向両側縁から前後方向に位置ずれして下向きに突出する突片部分を有している。
図17に示すように、下側外導体57は、平面視略矩形の下側シェル部63と、下側シェル部63の後方に連なるオープンバレル状の下側バレル部64とを有している。下側シェル部63は、下側誘電体36を下方から被覆するように配置される。そして、下側シェル部63は、平板部分の幅方向両端から起立する側板部分を有し、側板部分に、前後一対ずつの保持孔65を有している。また、下側シェル部63の側板部分の前後中央部には、下側位置決め孔66が上端に開口して設けられている。下側バレル部64は、幅方向両端縁から前後方向で位置ずれして上向きに突出する突片部分を有している。
上側外導体56と下側外導体57とがSTP誘電体22Bを内包して合体されると、上側シェル部58の側板部分が下側シェル部63の側板部分を外側から被覆し、各保持突起62が保持孔65に挿入係止される(図24を参照)。
[STPハウジング]
STPハウジング23Bは合成樹脂製であって、図21に示すように、略角筒状のハウジング本体47を有している。STPハウジング23Bは、UTPハウジング23Aと実質的に同一の形状とされ、ロックアーム48、挿入部49及びランス51を有している。もっとも、図23に示すように、ランス51の係止相手は、上側外導体56のロック突起37である。
[相手側STPコネクタ]
図27に示すように、相手側STPコネクタ90Bは、合成樹脂製のフード部94を有している。相手側STPコネクタ90Bは、相手側UTPコネクタ90Aと同様の形態であって、フード部94、ロック受部93、ペグ95及び一対の雄端子91を有している。相手側STPコネクタ90Bの各雄端子91のピッチ幅も、相手側UTPコネクタ90Aの各雄端子91のピッチ幅と同一である。
[UTPコネクタの組み立て]
UTPコネクタ20Aの組み立てに際し、まずUTP接続端子21Aのバレル部28がUTPケーブル10Aの各電線11の端部に圧着により接続される。続いて、各UTP接続端子21Aが下側誘電体36の収容部26に上方から位置決めして挿入されるとともに、UTPケーブル10Aに嵌着された加締めリング29が下側誘電体36の凹陥部46に位置決めして挿入される(図2及び図3を参照)。このとき、一方の収容部26に収容されるUTP接続端子21Aは、突部34を上側にして挿入され、他方の収容部26に収容されるUTP接続端子21Aは、突部34を下側にして挿入される。次いで、上側誘電体35が下側誘電体36に上方から被せられ、取付片39が取付突起42を弾性的に係止することにより、上側誘電体35及び下側誘電体36が互いに合体状態に保持される(図4及び図5を参照)。
続いて、UTP誘電体22AがUTPハウジング23Aの挿入部49に後方から挿入される(図6及び図7を参照)。UTP誘電体22Aが挿入部49に正規挿入されると、ランス51がUTP誘電体22Aのロック突起37を弾性的に係止し、UTP誘電体22AがUTPハウジング23Aに抜け止め状態に保持される(図8を参照)。
[STPコネクタの組み立て]
STPコネクタ20Bを組み立てる場合も、まずSTP接続端子21Bのバレル部28がSTPケーブル10Bの各電線11の端部に圧着により接続される。次いで、各STP接続端子21Bが下側誘電体36の収容部26に上方から位置決めして挿入される(図14及び図15を参照)。このとき、一方の収容部26に収容されるSTP接続端子21Bは、突部34を下側にして挿入され、他方の収容部26に収容されるSTP接続端子21Bは、突部34を上側にして挿入される。そして、上側誘電体35が下側誘電体36に上方から被せ付けられ、取付片39と取付突起42との係止によって、上側誘電体35及び下側誘電体36が合体状態に保持される(図15及び図16を参照)。ここで、STP誘電体22B内における各STP接続端子21Bの幅方向内端間のピッチ幅は、隔壁43が厚い分、UTP誘電体22A内における各UTP接続端子21Aの幅方向内端間のピッチ幅よりも大きくされている(図11及び図26を参照)。
続いて、STP誘電体22Bが下側外導体57の下側シェル部63に支持される(図17及び図18を参照)。上側誘導体の両側面に設置された位置決め突部54が下側シェル部63の下側位置決め孔66に適合して嵌合されることにより、下側外導体57がSTP誘電体22Bに対して位置決めされる。このとき、下側バレル部64がSTPケーブル10Bの外周側に露出するシールド導体13に下方から対向して配置される。その状態で、下側バレル部64がSTPケーブル10Bのシールド導体13に圧着により接続される。
次いで、上側外導体56がSTP誘電体22Bを上方から覆うようにして下側外導体57に被せられる(図19及び図20を参照)。このとき、保持突起62と保持孔65との係止によって、上側外導体56及び下側外導体57が一体に保持される。また、上側誘電体35の上面に設置された位置決め突部54が上側シェル部58の上側位置決め孔61に適合して嵌合されることにより、上側外導体56がSTP誘電体22Bに対して位置決めされる。そして、上側バレル部59がSTPケーブル10Bのシールド導体13に上方から対向して配置される。その状態で、上側バレル部59がSTPケーブル10Bのシールド導体13に圧着により接続される。これにより、シールド導体13が外導体24Bに接続されるとともに、STP接続端子21Bの周囲がSTP誘電体22Bを介して外導体24Bに包囲される。
その後、STP誘電体22Bを内包して合体状態にある外導体24BがSTPハウジング23Bの挿入部49に後方から挿入される(図21及び図22を参照)。外導体24Bが挿入部49に正規挿入されると、ランス51が外導体24Bのロック突起37を弾性的に係止し、外導体24BがSTPハウジング23Bに抜け止め状態に保持される(図23を参照)。
[コネクタ嵌合]
UTPコネクタ20Aが相手側UTPコネクタ90Aに正規嵌合されると、ロックアーム48がロック受部93を弾性的に係止し、両コネクタが離脱規制状態に保持される。このとき、各雄端子91のタブ部92が各UTP接続端子21Aの箱部27に挿入接続される(図10を参照)。
同様に、STPコネクタ20Bが相手側STPコネクタ90Bに正規嵌合されると、ロックアーム48がロック受部93を弾性的に係止し、両コネクタが離脱規制状態に保持され、各雄端子91のタブ部92が各STP接続端子21Bの箱部27に挿入接続される(図25を参照)。また、外導体24Bがフード部94に設置されたアース板68に接続される。
[作用効果]
本実施例1の場合、UTP誘電体22Aの対をなす収容部26のピッチ幅がSTP誘電体22Bの対をなす収容部26のピッチ幅よりも小さくされ、UTP誘電体22Aの対をなす収容部26に収容されたUTP接続端子21Aの箱部27の対向面間距離がSTP誘電体22Bの対をなす収容部26に収容されたSTP接続端子21Bの箱部27の対向面間距離よりも短くされている。このため、UTPケーブル10A側のインピーダンスを小さく、STPケーブル10B側のインピーダンスを大きくすることができ、UTPケーブル10A側とSTPケーブル10B側との間でインピーダンスを適切に調整することができる。その結果、UTPコネクタ20AとSTPコネクタ20Bとの間の仕様変更を容易に行うことが可能となる。
また、UTP誘電体22Aの各収容部26に、UTP接続端子21Aが弾性接触片32を幅方向内側にして腹合わせ状態で配置され、STP誘電体22Bの各収容部26に、STP接続端子21Bが弾性接触片32を外側にして背合わせ状態で配置されることにより、UTP接続端子21Aの挿入領域53が収容部26の幅方向外側に偏心し、STP接続端子21Bの挿入領域53が収容部26の幅方向内側に偏心して配置される。UTP接続端子21Aの挿入領域53が幅方向外側に偏心する偏心量は、STP誘電体22Bの挿入領域53が幅方向内側に偏心する偏心量に等しく、STP誘電体22Bの対をなす収容部26のピッチ幅からUTP誘電体22Aの対をなす収容部26のピッチ幅を引いた値にほぼ等しい。
このため、UTP接続端子21AとSTP接続端子21Bとの間で弾性接触片32と受部31との位置関係を変更するだけで、収容部26間のピッチ幅の差が相殺され、雄端子91のタブ部92間のピッチ幅を、相手側UTPコネクタ90Aと相手側STPコネクタ90Bとの間で同一のピッチ幅に揃えることができ、相手側UTPコネクタ90Aと相手側STPコネクタ90Bとを同様の構造にすることができる。相手側UTPコネクタ90Aと相手側STPコネクタ90Bとは、具体的には、フード部94が、ペグ95が取り付けられる外側の筒状部分と、雄端子91が取り付けられる内側の奥壁部分とからなり、このうち、外側の筒状部分が、相手側UTPコネクタ90Aと相手側STPコネクタ90Bとの間で共通の構造となることから、内側の奥壁部分を置き換えることで相手側UTPコネクタ90Aと相手側STPコネクタ90Bのそれぞれの仕様に対応することができる。その結果、全体として汎用性に優れたコネクタ構造を実現することができる。
また、各UTP接続端子21A及び各STP接続端子21Bのそれぞれの箱部27が同一の形状とされ、UTPハウジング23A及びSTPハウジング23Bも互いに同様の形状とされ、さらにUTP誘電体22A及びSTP誘電体22Bも近似していることから、全体として大きな構造変更を行うことなく、STPケーブル10BとUTPケーブル10Aとを置き換えることができ、コストの低減を図ることができる。
<他の実施例>
他の実施例を簡単に説明する。
(1)実施例1では、UTP誘電体及びSTP誘電体がいずれも上下に分割可能とされていたが、本発明によれば、UTP誘電体及びSTP誘電体の少なくとも一方が分割不能に一体に設けられていてもよい。
(2)実施例1では、STPコネクタの外導体が上下に分割可能とされていたが、本発明によれば、外導体が分割不能に一体に設けられていてもよい。
(3)箱部には、2つ以上の突部が設けられていてもよい。また、突部の突出方向は任意である。
(4)UTP接続端子及びSTP接続端子は完全に同一構造である必要はなく、バレル部の部分など許容範囲で異なる形状部分を有していてもよい。
10A…UTPケーブル
10B…STPケーブル
11…電線
20A…UTPコネクタ
20B…STPコネクタ
21A…UTP接続端子
21B…STP接続端子
22A…UTP誘電体
22B…STP誘電体
24B…外導体
26…収容部
27…箱部
31…受部
32…弾性接触片
34…突部
43…隔壁
44…凹部
45…突片部
90A…相手側UTPコネクタ
90B…相手側STPコネクタ
91…雄端子
92…タブ部

Claims (2)

  1. 雄端子が挿入接続される箱部を有する端子と、
    前記端子が収容される収容部を有する誘電体とを備え、
    前記箱部内には受部と前記受部に対向する弾性接触片とが配置され、前記弾性接触片が前記受部よりも大きい突出量をもって前記箱部内に突出し、前記雄端子が前記受部と前記弾性接触片との間に挟持されるものであり、
    前記収容部が前記雄端子の挿入方向と直交する幅方向に対をなして配置されており、
    前記端子が、UTPケーブルの各電線に接続されるUTP接続端子とSTPケーブルの各電線に接続されるSTP接続端子とからなり、前記誘電体が、前記UTP接続端子が収容されるUTP誘電体と前記STP接続端子が収容されるSTP誘電体とからなり、
    前記対をなす収容部の幅方向の離間距離は、前記UTP誘電体のほうが前記STP誘電体よりも短くなっており、
    前記UTP接続端子は、前記UTP誘電体の前記対をなす収容部に、前記弾性接触片が前記幅方向に互いに近接する内側に位置し且つ前記受部が前記幅方向に互いに離間する外側に位置するように収容され、
    前記STP接続端子は、前記STP誘電体の前記対をなす収容部に、前記弾性接触片が前記幅方向に互いに離間する外側に位置し且つ前記受部が前記幅方向に互いに接近する内側に位置するように収容されることを特徴とするコネクタ構造。
  2. 前記UTP接続端子及び前記STP接続端子のそれぞれの箱部が同一の形状とされている請求項1記載のコネクタ構造。
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