JP2018062794A - 基礎通気防水構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 必要十分な防水性能をシーリング施工なしに実現することができる基礎通気防水構造を提供する。【解決手段】基礎通気防水構造1は、基礎の天端面2との間に床下換気経路5aを開けて立設された壁フレーム3と、前記壁フレーム3に支持され、当該壁フレーム3と間に壁体内通気経路5bを形成する外壁パネル4と、前記壁フレーム3に固定される取付金具10と、前記取付金具10に連結され、前記壁フレーム3から間隔を開けて屋外側に配置され、下端に通気孔93を有する基礎水切材9と、前記壁フレーム3の屋外側面に、当該壁フレーム3の下端から所定の高さまで設けられる捨て水切7と、前記捨て水切7の上端から上方に伸びる防水シート体16と、を備え、前記防水シート体16は、前記外壁パネル4の下端よりも上方に伸びる。【選択図】図1

Description

本発明は、基礎と外壁パネルの間に基礎水切材が設けられる基礎通気防水構造に関する。
従来より、基礎に換気口を形成して、床下空間に空気を流通させて床下空間の湿気を外部に排出する技術が知られている。しかし、基礎に換気口を形成する場合には、基礎の強度低下を補うために換気口の周縁に特別な配筋が必要になり、又、コンクリート打設時に特別な型枠が必要になるなど施工が煩雑になる問題があった。
そこで近年では、基礎の天端面と外壁パネルの下端面との間に隙間を形成し、この隙間を床下換気経路として利用して床下空間の換気を図ることが行われている。また、外壁パネルの屋内側には、防湿などの目的で壁体内通気経路が設けられており、この壁体内通気経路は、基礎の天端面と外壁パネルの下端面との間から外壁パネルの屋内側に鉛直方向に設けられている。このような構造において、基礎の天端面と外壁パネルの下端面との間には、外壁パネルの屋外側を伝って流れる雨水や外気に含まれる雨水が、基礎の天端面と外壁パネルの下端面との間から屋内に浸入することを抑制するために基礎水切材が設けられている。
例えば特許文献1の基礎水切材は、その下端に通風用開口部が設けられて床下換気口に連通しているとともに、外壁パネルの下端面と基礎水切材との間隙が壁体内通気経路と連通している。外壁パネルの下端面と基礎水切材との間隙には立体網状材が配置されている。また、特許文献2の基礎水切材は、基礎水切材の下端に設けられた外気取入口が床下の通気路と壁体内の通気路とに連通している。さらに、特許文献3の床下換気構造は、基礎水切材の下端に設けられた換気口が床下換気経路に連通しており、基礎天端面の屋外端に基礎水切材の下端に装着されたシール部材のリップ部が密着する構成が記載されている。
特開2008−63839号公報 特開2014−139375号公報 特開2010−133174号公報
しかし、特許文献1の構成は、外壁パネルの下端面と基礎水切材との間隙が壁体内通気経路の入り口となっており、立体網状材が配置されているだけであるので、外壁パネルの屋外側を伝って流れる雨水等が外壁パネルの下端で回りこんで、壁体内通気経路に侵入する外気とともに壁体内通気経路に侵入する場合に立体網状材のみでは侵入する雨水を捕捉しきれないおそれがある。
また、特許文献2の構成は、基礎水切材の屋外側の上端が外壁パネルの屋内側の面に当接しているが、外壁パネルの厚さには多少の精度誤差があるので、外壁パネルの寸法精度の誤差によって基礎水切材の上端が外壁パネルの屋内側に当接しない場合や外壁パネルと基礎水切材とが干渉して設置が基礎水切材の設置が困難となる場合があり、外気中に含まれる雨水が外気とともに壁体内通気経路に浸入するおそれがある。
そして、特許文献3は、上述のような問題がないように、外壁パネルと基礎水切材の上端との間を湿式のシーリング材及びコーキング材で処理している。しかし、シーリング等の処理を行う場合、シーリングの専門職による施工が必要であり、必要以上の防水性能にコストを掛けることとなり問題がある。
そこで本発明は、必要十分な防水性能をシーリング施工なしに実現することができる基礎通気防水構造を提供することを目的とする。
本発明の基礎通気防水構造は、基礎の天端面との間に床下換気経路を開けて立設された壁フレームと、前記壁フレームに支持され、当該壁フレームと間に壁体内通気経路を形成する外壁パネルと、前記壁フレームに固定される取付金具と、前記取付金具に連結され、前記壁フレームから間隔を開けて屋外側に配置され、下端に通気孔を有する基礎水切材と、前記壁フレームの屋外側面に、当該壁フレームの下端から所定の高さまで設けられる捨て水切と、前記捨て水切の上端から上方に伸びる防水シート体と、を備え、前記防水シート体は、前記外壁パネルの下端よりも上方に伸びることを特徴としている。
本発明の基礎通気防水構造は、前記外壁パネルの下端よりも上方で前記壁フレームから突出して、前記外壁パネルの荷重を支える外壁受け部を前記壁フレームに連結する連結部を備え、前記防水シート体は前記連結部に近接する位置まで上方に伸びるとともに、前記防水シート体の上端は複数の櫛状の切れ目が設けられることを特徴としている。
本発明の基礎通気防水構造は、前記基礎水切材は、屋外側に下り勾配で外壁下端に対面する上面部と、前記上面部の屋外側端縁から垂れ下がり屋外側に露出する屋外面部と、前記上面部の屋内側端縁から立ち上がる立ち上がり部とを有しており、当該立ち上がり部の上端は、前記外壁パネルの下端よりも上方に配置され、屋外側に突出する突出部を有することを特徴としている。
本発明の基礎通気防水構造は、前記突出部は、軟質樹脂により形成されることを特徴としている。
本発明の基礎通気防水構造は、前記突出部は弾性を有し、先端に向かって先細っており、前記外壁パネルの屋内側の面に接触することを特徴としている。
本発明の基礎通気防水構造は、前記外壁パネルは、その下端に下方に垂下する垂れ部を有し、前記突出部は弾性を有し、先端に向かって先細っており、前記垂れ部に接触することを特徴としている。
本発明の基礎通気防水構造は、前記外壁パネルの屋内側の面は、前記突出部の上方に突き出す段差部を有しており、前記突出部の上に弾性を有する乾式の弾性部材が接着されることを特徴としている。
本発明の基礎通気防水構造は、前記基礎水切材は、前記立ち上がり部の下方に前記通気孔に向かって下り勾配の水受け部を有することを特徴としている。
本発明の基礎通気防水構造は、前記壁体内通気経路にメッシュ材が配置されることを特徴としている。
本発明の基礎通気防水構造によると、捨て水切の上端から上方に伸びる防水シート体が、外壁パネルの下端よりも上方に伸びているので、外壁パネルの下端と基礎水切材との間を通過した外気に含まれる雨水が当該防水シート体に当ることで、外気は壁体内通気経路に導入されるとともに、雨水はこの防水シート体に付着して流下して排出されることで、壁体内通気経路への雨水の浸入を抑制できる。
本発明の基礎通気防水構造によると、外壁パネルの下端よりも上方で壁フレームから突出して外壁パネルの荷重を支える外壁受け部を壁フレームに固定する連結部に当接する位置まで防水シート体が上方に伸びているので、外気とともに浸入した雨水を防水シート体に付着させて流下させ排出することで、壁体内通気経路への雨水の浸入をよりいっそう抑制できる。そして、防水シート体の上端に複数の櫛状の切れ目が設けられていることにより、防水シート体の上端の連結部に当接する部分のみが連結部との干渉を避けるように変形しつつ、連結部に当接しない部分は変形せずに雨水を付着させるので、いっそう雨水の浸入を抑制できる。
本発明の基礎通気防水構造によると、基礎水切材は、屋外側に下り勾配で外壁下端に対面する上面部と、上面部の屋外側端縁から垂れ下がり屋外側に露出する屋外面部と、上面部の屋内側端縁から立ち上がる立ち上がり部とを有しており、当該立ち上がり部の上端は、外壁パネルの下端よりも上方に配置され、屋外側に突出する突出部を有しているので、外壁パネルの下端と基礎水切材との間を通過して外気とともに侵入する雨水を立ち上がり部及び突出部に衝突させて、屋内側への浸入を抑制することができる。また、外壁パネルの下端よりも上方に配置されているので突出部と外壁パネルの屋内面との隙間を小さくすることができ屋外側からの雨水の浸入をより抑制することができる。
本発明の基礎通気防水構造によると、基礎水切材の突出部は、軟質樹脂により形成されているので、外壁パネルの寸法誤差で、突出部が外壁パネルの屋内面と干渉する位置に配置された場合でも、突出部が変形して基礎水切材を適切な位置に収めることができる。
本発明の基礎通気防水構造によると、突出部は弾性を有し、先端に向かって先細っており、外壁パネルの屋内側の面に接触するので、基礎水切材の上端と外壁パネルの屋内側との間が閉じられることとなり、外壁パネルと基礎水切材の間からの雨水の浸入をより抑制することができる。そして、突出部は軟質樹脂で先端が先細り形状であるので、外壁パネルの寸法誤差がある場合でも、突出部が容易に変形して外壁パネルの屋内側の面に当接できるので、基礎水切材を適切な位置に収めることができる。
本発明の基礎通気防水構造によると、外壁パネルの屋内側の面は、突出部の上方に突き出す段差部を有しており、突出部の上に弾性を有する乾式の弾性材料が接着されるので、外壁パネルの下端から屋内側の面と立ち上がり部との間を通過する外気に含まれる雨水は、この弾性材料と段差部との間の隙間を通過することになるので、通過する経路がより狭くなり、雨水の浸入を抑制できる。また、弾性を有する弾性材料であるので、外壁パネルの寸法誤差で外壁パネルの段差部と弾性材料とが互いに干渉する位置に配置された場合でも、弾性材料が変形することで、基礎水切材を適切な位置に収めることができる。
本発明の基礎通気防水構造によると、基礎水切材は、立ち上がり部の下方に通気孔に向かって下り勾配の水受け部を有するので、立ち上がり部を越えて浸入した雨水が立ち上がり部の屋内面を伝って流下した場合に、水受け部が当該流下した雨水を受けて通気孔に向かって流して屋外に排出することができる。
本発明の基礎通気防水構造によると、壁体内通気経路にメッシュ材が配置されるので、外気に含まれる雨水が当該外気の侵入に伴って外壁パネルの屋内側の面と立ち上がり部との間の間隙を通過したとしても、基礎水切材の上端の高さで外気は通過するとともに、雨水がメッシュ材に当って壁体内通気経路に浸入することを抑制できる。
第一実施形態の基礎通気防水構造の全体構成を示し、壁フレームと外壁パネルとの固定を説明する一部省略断面図。 第一実施形態の基礎通気防水構造の全体構成を示し、壁フレームと基礎水切材との固定を説明する一部省略断面図。 第一実施形態における防水シート体の外観構成を示す省略斜視図。 外壁パネルの寸法精度に誤差があって、突出部の先端が外壁パネルの屋内面と干渉する場合の第一実施形態の基礎通気防水構造の全体構成を示す一部省略断面図。 第二実施形態の基礎通気防水構造の全体構成を示す一部省略断面図。 第三実施形態の基礎通気防水構造の全体構成を示す一部省略断面図。 第四実施形態の基礎通気防水構造の全体構成を示す一部省略断面図。 第五実施形態の基礎通気防水構造の全体構成を示す一部省略断面図。 第六実施形態の基礎通気防水構造の全体構成を示す一部省略断面図。 第七実施形態の基礎通気防水構造の全体構成を示す一部省略断面図。
〔第一実施形態〕
以下、本発明に係る基礎通気防水構造1の第一実施形態について図1から図4を参照しつつ説明する。本実施形態の基礎通気防水構造1は、基礎の外周の立ち上がり部の天端面2の上に間隔をあけて壁フレーム3が立設されており、この壁フレーム3に外壁パネル4が固定される建物に用いられる基礎通気防水構造1である。壁フレーム3は内側に向かって開口するC形鋼を組み合わせて矩形に形成されており、上弦材、左右柱材3a、及び下弦材3bで形成されている。壁フレーム3は、図示しないが、例えば基礎の立ち上がり部に下部が埋設されたアンカーにスペーサーとなる柱脚金物を介して固定されて立設されており、基礎の天端面2と壁フレーム3の下弦材3bとの間に建物の床下に連通する床下換気経路5aが形成されている。
壁フレーム3と外壁パネル4との固定は、図1に示すように、壁フレーム3の下弦材3bの内側に支持される支持部60、外壁の下端を受ける外壁受け部61、及び、支持部60と外壁受け部61とを連結する連結部62とにより構成される外壁荷重受け材6により外壁パネル4の鉛直荷重を受けている。支持部60は、壁フレーム3の下弦材3bに受けられているボルト体63と、ボルト体63に固定されて側面視L字状に立ち上がるL状体64とからなる。外壁受け部61は、側面視L字状で底面部が外壁パネル4の下端に当接して外壁パネル4の荷重を受け、背面部65が外壁パネル4の屋内側面に沿って立ち上がっている。連結部62は例えば円柱形状で支持部60のL状体63と外壁受け部61の背面部65とを連結している。
なお、外壁パネル4は、図示しないが、外壁パネル4の高さ方向の中間部において壁フレーム3に固定された外壁支持金物によって外壁パネル4の屋外方向への移動を規制している。
壁フレーム3には、下弦材3bから所定の高さまでの屋外側を覆うように捨て水切7が、設けられる。捨て水切7は、下部が下弦材3bを挟み込んで固定されており、上部が壁フレーム3の屋外側に立ち上がる平板状に形成されている。捨て水切7の上部には、上方に伸びる防水シート体16が貼付されている。防水シート体16は、図3に示すように、帯状に形成されており、上部に複数の櫛状の切れ目17が設けられている。防水シート体16は可撓性を有する樹脂製で、上端が外壁荷重受け材6の連結部62に近接している。防水シート体16の上端は、複数の櫛状の切れ目17が設けられており、防水シート体16の一部の上端が、例えば施工の際に外壁受け61の連結部62に当接した場合にも、当該外壁受け61の連結部62との干渉を避けるように変形することができ、一方、外壁受け61の連結部62に当接しない部分は変形せずに上方に延びるので、壁体内通気経路5bに向かって上昇する空気に含まれる雨水が防水シート体16によって捕捉され、これ以上浸入することを抑制できる。
外壁パネル4は、矩形の平板であり、屋外側に凹凸で模様が形成されている。外壁パネル4の下端には屋内側が凹むように段差部40が形成されている。
基礎通気防水構造1は、基礎の立ち上がり部と外壁パネル4との間に基礎水切材9が設けられている。基礎水切材9は、壁フレーム3に固定される取付金具10によって固定されている。取付金具10は、図2に示すように、壁フレーム3の下弦材3bを挟んで固定されるクリップ部11と、クリップ部11の屋内側に設けられる固定部12と、固定部12にねじ13で固定されるとともに屋外方向に突出して基礎水切材9を支持する基礎水切保持部14とからなる。なお、図2においては、図示の都合で捨て水切7の記載を省略している。また、捨て水切7の下弦材3bを挟み込む下部と取付金具10のクリップ部11とは、下弦材3bの長さ方向で互いに干渉しない異なる位置に配置されている。
基礎水切材9は、建物の基礎の外周の立ち上がりの全面に亘って設けられる長手材である。基礎水切材9の上面は、屋外方向に下り勾配の勾配部90が形成されており、屋内側の端部が鉛直方向に立ち上がる立ち上がり部91を形成している。立ち上がり部91の上端には屋外方向に突出する突出部92が形成されている。突出部92は例えば軟質樹脂で形成されている。基礎水切材9の屋外側の面は、上部及び下部が屋外方向に突出し、中間部が屋内方向に凹んだ形状となっている。また基礎水切材9の下端面に通気孔93が形成されており、基礎水切材9の下端の屋内側には基礎天端の縁と当接するひれ部94が形成されている。なお、基礎水切材9の通気孔93は外気を通過させることができればよく、例えば虫除けの網が張られていてもよい。
基礎水切材9は下端の屋内側のひれ部94の上には、上方に立ち上がる屋内壁部95を形成している。通気孔93から流入する外気は基礎水切材9の屋外側の面と屋内壁部95との間を上方に向かって通過し、基礎水切材9の上面の勾配部90に当って床下換気経路5a及び壁体内通気経路5bに導入される。屋内壁部95の上端は、屋外側に折り返される折り返し部96が形成されており、基礎水切材9の下端面の通気孔93から侵入する外気に含まれる雨水の一部をこの折り返し部96で捕捉して、雨水の浸入を抑制している。
本実施形態の基礎通気防水構造1によると、捨て水切7の上端から上方に伸びる防水シート体16が、外壁パネル4の下端よりも上方に伸びているので、外壁パネル4の下端と基礎水切材9との間を通過した外気に含まれる雨水が当該防水シート体16に当ることで、外気は壁体内通気経路5bに導入されるとともに、雨水はこの防水シート体16に付着して流下して排出されることで、壁体内通気経路5bへの雨水の浸入を抑制できる。そして、外壁受け部61を壁フレーム3に固定する連結部62に近接する位置まで防水シート体16が上方に伸びているので、防水シート体16の上端に複数の櫛状の切れ目によって、防水シート体16の上端の外壁受け部61の連結部62に当接する部分のみが外壁受け部61の連結部62との干渉を避けるように変形しつつ、外壁受け部61の連結部62に当接しない部分は変形せずに雨水を付着させるので、いっそう雨水の浸入を抑制できる。
また、本実施形態の基礎通気防水構造1によると、突出部92が軟質樹脂で形成されていることにより、図4に示すように、外壁パネル4が形成工程や養生工程などの製造工程において、厚さや高さに多少の誤差があった場合に、突出部92の先端が外壁パネル4の屋内側の面に干渉するような場合であっても、突出部92が変形することで、基礎水切材9を適切な位置に配置することができる。
〔第二実施形態〕
次に、本発明に係る基礎通気防水構造1の第二実施形態について図5を参照しつつ説明する。なお、第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。第二実施形態の基礎通気防水構造1は、基礎の外周の立ち上がり部の天端面2の上に間隔をあけて壁フレーム3が立設されており、この壁フレーム3に外壁パネル4が固定される建物に用いられている。基礎の外周の立ち上がり部、壁フレーム3、及び外壁パネル4の構成は第一実施形態と同様であるので説明を省略する。また、壁フレーム3への基礎水切材9の固定構造は第一実施形態と同様であるので説明を省略する。
壁フレーム3と外壁パネル4との固定は、図5に示すように、壁フレーム3の下弦材3bの内側に支持される支持部60、外壁の下端を受ける外壁受け部61、支持部60と外壁受け部61との間の距離を保つスペーサ19、及び支持部60と外壁受け部61とを連結する連結部62とにより構成される外壁荷重受け材6により外壁パネル4の鉛直荷重を受けている。支持部60は、壁フレーム3の下弦材3bに受けられているボルト体63と、ボルト体63に固定されて側面視L字状に立ち上がるL状体63とからなる。外壁受け部61は、側面視L字状で底面部が外壁パネル4の下端に当接して外壁パネル4の荷重を受け、背面部65が外壁パネル4の屋内側面に沿って立ち上がっている。支持部60のL状体63及び外壁受け部61の背面部65は高さ方向の長さが第一実施形態よりも長く形成されている。そして、支持部60のL状体63及び外壁受け部61の背面部65はスペーサ19を挟んで配置されており、連結部62によって連結されている。連結部62の高さ方向の位置は、支持部60のL状体63及び外壁受け部61の背面部65は高さ方向の長さが伸びたことにより、第一実施形態よりも高い位置に配置されている。
壁フレーム3には、下弦材3bから所定の高さまでの屋外側を覆うように捨て水切7が、設けられる。捨て水切7は、下部が下弦材3bを挟み込んで固定されており、上部が壁フレーム3の屋外側に立ち上がる平板状に形成されている。捨て水切7の上部には、例えば防水シート体16が貼付されていてもよいが、上述の通り、壁フレーム3と外壁パネル4とを固定する外壁加重受け材のL状体63及び外壁受け部61がそれぞれ高さ方向に延長し連結部62の位置を高くしており、スペーサ19によってL状体63及び外壁受け部61の背面部65が互いに距離を開けているので、樹脂製の防水シート体16に替えて、金属製の捨て水切7そのものを上方に延長してもよい。すなわち、連結部62の位置が高くなっており、且つ、スペーサ19によってL状体63及び外壁受け部61の背面部65が互いに距離を開けているので、軟質樹脂からなる防水シートでなくても、金属製の捨て水切7を上方に延長することで連結部62と干渉することなく壁体内通気経路5bの防水性を高めることができる。捨て水切7には、中間部に屋外方向に突出する突出ひれ20が設けられている。この突出ひれ20によって、壁体内通気経路5bの一部を狭くして、床下換気経路5aとへ壁体内通気経路5bとの通気抵抗のバランスを取っている。
なお、基礎の立ち上がり部と外壁パネル4との間に設けられる基礎水切材9は、壁フレーム3に固定される取付金具10によって固定されている。取付金具10の構成は第一実施形態と同様であるので説明を省略する。また、基礎水切材9の構成は第一実施形態と同様であるので説明を省略する。
〔第三実施形態〕
次に、本発明に係る基礎通気防水構造1の第三実施形態について図6を参照しつつ説明する。この第三実施形態は、基礎水切材9の立ち上がり部の上端に形成された突出部92の構成及び配置が第一実施形態と異なる他は、第一実施形態と同様の構成であるので、第一実施形態と同様の構成は同一の符号を付して説明を省略する。
第三実施形態の突出部92は、軟質樹脂により形成されており、先端に向かって先細っており、外壁パネル4の段差部40の屋内側の面に接触するように構成されている。したがって、突出部92は容易に変形することができ、外壁パネル4の寸法誤差で外壁パネル4の位置が多少設計位置からずれている場合でも、突出部92が容易に変形して外壁パネル4の段差部40に当接できるので、基礎水切材9を適切な位置に収めることができる。そして、突出部92は先端が外壁パネル4の屋内側の面に接触することで、立ち上がり部91と外壁パネル4との間の間隙が閉じられることとなり、外壁パネル4の下端と基礎水切材9の上端の間からの雨水の浸入をより抑制することができる。
本実施形態においても捨て水切7の上端には第一実施形態と同様の防水シート体16が設けられており、外気は壁体内通気経路5bに導入されるとともに、雨水はこの防水シート体16に付着して排出でき、雨水の浸入を抑制できる。
〔第四実施形態〕
次に、本発明に係る基礎通気防水構造1の第四実施形態について図7を参照しつつ説明する。この第四実施形態は、基礎水切材9の立ち上がり部91の上端に形成された突出部92の配置及び外壁パネル4の下端の構成が第三実施形態と異なる他は、第三実施形態と同様の構成であるので、第三実施形態と同様の構成は同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の外壁パネル4の下端には、下方に垂下する垂れ部8が設けられている。そして、本実施形態の突出部92は、軟質樹脂により形成されており、先端に向かって先細っており、垂れ部8の屋内側の面に接触するように構成されている。したがって、突出部92は容易に変形することができ、外壁パネル4の寸法誤差で外壁パネル4の位置が多少設計位置からずれている場合でも、突出部92が容易に変形して垂れ部8に当接できるので、基礎水切材9を適切な位置に収めることができる。そして、突出部92は先端が垂れ部8の屋内側の面に接触することで、立ち上がり部91と外壁パネル4との間の間隙が閉じられることとなり、外壁パネル4の下端と基礎水切材9の上端の間からの雨水の浸入をより抑制することができる。
本実施形態においても捨て水切7の上端には第三実施形態と同様の防水シート体16が設けられており、外気は壁体内通気経路5bに導入されるとともに、雨水はこの防水シート体16に付着して排出でき、雨水の浸入を抑制できる。
〔第五実施形態〕
次に、本発明に係る基礎通気防水構造1の第五実施形態について図8を参照しつつ説明する。この第五実施形態は、第一実施形態と屋内壁部95の構成以外は、同様の構成であるので、第一実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、第一実施形態と同様に、基礎水切材9の下端の屋内側には基礎天端の縁と当接するひれ部94が形成されている。そして、基礎水切材9は下端の屋内側のひれ部94の上には、上方に立ち上がる屋内壁部95を形成している。この屋内壁部95の上端には、通気孔93に向かって下り勾配の水受け部97が形成されている。
水受け部97は、その上方に基礎水切材9の立ち上がり部91が配置されており、外壁パネル4と基礎水切材9の間を通過して屋内側に入り込んだ雨水のうち、立ち上がり部91の屋内面に水滴状に付着した雨水が、当該立ち上がり部91の屋内面を伝って流下する場合に、立ち上がり部91の下方で、水受け部97が当該流下した雨水を受けて通気孔93に向かって流し屋外に排出することができる。なお、水受け部97は例えば床下換気経路5aの流路が確保できるのであれば、防水シート体16の下方にまで伸びていることが好ましい。このような構成の場合には防水シート体16から流下する雨水も屋外に排出することができる。
〔第六実施形態〕
次に、第六実施形態について図9を参照しつつ説明する。第六実施形態は、外壁パネル4と捨て水切7との間にメッシュ材15が配置される他は、第五実施形態と同様の構成であるので、同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態の基礎通気防水構造1は、外壁パネル4と捨て水切7との間にメッシュ材15が挟まれるように配置されている。メッシュ材15は、空気を通過させることができる多数の孔が設けられるシート状であり、網状に限定されるものではない。なお、捨て水切7の中間部には屋外側に突出する突出ひれ20が形成されているので、メッシュ材15が落下することを防止することができる。
外壁パネル4と壁フレーム3との間は壁体内通気経路5bの入り口となっており、この位置にメッシュ材15が設けられることで、外壁パネル4と基礎水切材9の間、及び基礎水切材9の通気孔93から侵入する外気はメッシュ材15の多数の孔から壁体内通気経路5b内に侵入することができるが、強風時にはメッシュ材15によって侵入する風の勢いを弱めることで、侵入した外気に含まれる雨水を捕捉して、壁体内通気経路5bへの雨水の浸入を抑制できる。
〔第七実施形態〕
次に、第七実施形態について図10を参照しつつ説明する。第七実施形態は、基礎水切材9の上端の構成の他は、第五実施形態と同様の構成であるので、同一の符号を付して説明を省略する。基礎水切材9の上面は、屋外方向に下り勾配の勾配部90が形成されており、屋内側の端部が鉛直方向に立ち上がる立ち上がり部91を形成している。立ち上がり部91の上端には屋外方向に突出する突出部92が形成されている。そして、突出部92の上面には弾性を有する乾式の弾性材料18が接着されている。弾性材料18は例えばエチレンプロピレンゴムの長尺材であり、例えば断面矩形に形成されている。
外壁パネル4の屋内面の下端には屋内方向に突き出して、突出部92の上方に配置される段差部40が形成されており、段差部40の下に間隔を開けて突出部92の上面に接着された弾性材料18が配置されている。このように構成されることで、外壁パネル4の下端から屋内側の面と立ち上がり部91との間を通過する外気に含まれる雨水は、この弾性材料18と段差部40との間の隙間を通過することになるので、通過する経路がより狭くなり、雨水の浸入を抑制できる。また、弾性を有する弾性材料18であるので、外壁パネル4の寸法誤差で外壁パネル4の段差部40と弾性材料18とが互いに干渉する位置に配置された場合でも、弾性材料18が変形することで、基礎水切材9を適切な位置に収めることができる。
なお、本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは云うまでもない。
本発明に係る基礎水切構造は、例えば住宅の基礎の外周の立ち上がり部91と外壁パネル4との間に設けられる構造として好適に用いることができる。
1 基礎通気防水構造
2 天端面
3 壁フレーム
4 外壁パネル
5a 床下換気経路
5b 壁体内通気経路
6 外壁荷重受け材
7 捨て水切
8 垂れ部
9 基礎水切
15 メッシュ材
16 防水シート体
18 弾性材料
61 外壁受け部
62 連結部
91 立ち上がり部
92 突出部
97 水受け部
本発明の基礎通気防水構造は、前記外壁パネルの下端よりも上方で前記壁フレームから突出して、前記外壁パネルの荷重を支える外壁受け部を前記壁フレームに連結する連結部を備え、前記防水シート体は前記連結部に当接する位置まで上方に伸びるとともに、前記防水シート体の上端は複数の櫛状の切れ目が設けられることを特徴としている。

Claims (9)

  1. 基礎の天端面との間に床下換気経路を開けて立設された壁フレームと、
    前記壁フレームに支持され、当該壁フレームと間に壁体内通気経路を形成する外壁本体と、
    前記壁フレームに固定される取付金具と、
    前記取付金具に連結され、前記壁フレームから間隔を開けて屋外側に配置され、下端に通気孔を有する基礎水切材と、
    前記壁フレームの屋外側面に、当該壁フレームの下端から所定の高さまで設けられる捨て水切と、
    前記捨て水切の上端から上方に伸びる防水シート体と、を備え、
    前記防水シート体は、前記外壁本体の下端よりも上方に伸びることを特徴とする基礎通気防水構造。
  2. 前記外壁本体の下端よりも上方で前記壁フレームから突出して、前記外壁本体の荷重を支える外壁受け部を前記壁フレームに連結する連結部を備え、
    前記防水シート体は前記連結部に近接する位置まで上方に伸びるとともに、前記防水シート体の上端は複数の櫛状の切れ目が設けられることを特徴とする請求項1に記載の基礎通気防水構造。
  3. 前記基礎水切材は、屋外側に下り勾配で外壁下端に対面する上面部と、前記上面部の屋外側端縁から垂れ下がり屋外側に露出する屋外面部と、前記上面部の屋内側端縁から立ち上がる立ち上がり部とを有しており、当該立ち上がり部の上端は、前記外壁本体の下端よりも上方に配置され、屋外側に突出する突出部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の基礎通気防水構造。
  4. 前記突出部は、軟質樹脂により形成されることを特徴とする請求項3に記載の基礎通気防水構造。
  5. 前記突出部は弾性を有し、先端に向かって先細っており、前記外壁本体の屋内側の面に接触することを特徴とする請求項3に記載の基礎通気防水構造。
  6. 前記外壁本体は、その下端に下方に垂下する垂れ部を有し、
    前記突出部は弾性を有し、先端に向かって先細っており、前記垂れ部に接触することを特徴とする請求項3に記載の基礎通気防水構造。
  7. 前記外壁本体の屋内側の面は、屋内方向に突き出して、前記突出部の上方に配置される段差部を有しており、
    前記突出部の上に弾性を有する乾式の弾性材料が接着されることを特徴とする請求項3に記載の基礎通気防水構造。
  8. 前記基礎水切材は、前記立ち上がり部の下方に前記通気孔に向かって下り勾配の水受け部を有することを特徴とする請求項3から請求項7のいずれかに記載の基礎通気防水構造。
  9. 前記壁体内通気経路にメッシュ材が配置されることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の基礎通気防水構造。
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