JP2018061016A - 太陽電池モジュール用シート、及び太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池モジュール用シート、及び太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】拡散性、反射性、及び経済性に優れた太陽電池モジュール用シート、及び発電効率に優れた、太陽電池モジュールを提供する。【解決手段】拡散層11及び反射層12を有する太陽電池モジュール用シートであって、拡散層が、反射層よりも、ガラス、ミルドファイバー、架橋ポリスチレン、架橋ポリメタクリル酸メチル、及び架橋シリコーン樹脂のいずれかからなり、かつ平均粒子径が1.0μm以上20μm以下である粒子(粒子X)を多く含み、反射層が、拡散層よりも白色無機粒子を多く含み、かつ、反射層における白色無機粒子の含有量が、層を構成する全成分を100質量%としたときに、1.0質量%以上10質量%以下であることを特徴とする、太陽電池モジュール用シート。【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池モジュール用シート、及び太陽電池モジュールに関するものである。
近年、二酸化炭素の増加による温室効果で地球の温暖化が進行することが予測されており、二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーが求められている。このような状況下で、太陽電池モジュールを利用した太陽光発電は、安全性と汎用性の高さから非常に注目されている。一般に、太陽電池モジュールは、受光面側から順にカバー材、受光面側封止材、光電変換を行う太陽電池セル、裏面側封止材、及び太陽電池モジュール用バックシートが積層された構成を有している。
このような太陽電池モジュールにおいては、入射した光を効率よく利用し、太陽電池モジュールの発電効率を向上させることが強く望まれている。太陽電池モジュールの発電効率の向上に寄与する方法として、特許文献1に示されるような、裏面側封止膜として透明フィラーを含む透明軟質樹脂組成物を用いる方法や、特許文献2に示されるような金属蒸着層上に光拡散層を積層させた太陽電池モジュール用バックシートを用いる方法が開示されている。
特開2000−183381号公報 特開2006−319250号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では裏面側封止膜による光の拡散効果は得られるが、反射効果を得ることができないため、太陽電池モジュールの発電効率の向上は十分ではない。また、特許文献2に記載の方法では、金属蒸着層の存在により反射性は向上するが、製造コストの増加が問題となる。本発明は、係る従来技術の問題点を改良し、拡散性、反射性、及び経済性に優れた太陽電池モジュール用シート、及び発電効率に優れた太陽電池モジュールを提供することをその課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、下記の構成からなる。
(1) 拡散層及び反射層を有する太陽電池モジュール用シートであって、前記拡散層が、前記反射層よりも、ガラス、ミルドファイバー、架橋ポリスチレン、架橋ポリメタクリル酸メチル、及び架橋シリコーン樹脂のいずれかからなり、かつ平均粒子径が1.0μm以上20μm以下である粒子(粒子X)を多く含み、前記反射層が、前記拡散層よりも白色無機粒子を多く含み、かつ、前記反射層における白色無機粒子の含有量が、層を構成する全成分を100質量%としたときに、1.0質量%以上10質量%以下であることを特徴とする、太陽電池モジュール用シート。
(2) 前記拡散層がオレフィン系樹脂を主成分とすることを特徴とする、(1)に記載の太陽電池モジュール用シート。
(3) 前記拡散層が、層を構成する全成分を100質量%としたときに、前記粒子Xを0.1質量%以上10質量%以下含有することを特徴とする、(1)又は(2)に記載の太陽電池モジュール用シート。
(4) 前記白色無機粒子が炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、及び二酸化チタンからなる群より選択される少なくとも一つの粒子を含むことを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の太陽電池モジュール用シート。
(5) 前記反射層がオレフィン系樹脂、又はポリエステル系樹脂を主成分とすることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載の太陽電池モジュール用シート。
(6) 前記反射層の厚みが、総厚みの10%以上50%以下であることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載の太陽電池モジュール用シート。
(7) 基材層、反射層、及び拡散層がこの順に位置することを特徴とする、(1)〜(6)のいずれかに記載の太陽電池モジュール用シート。
(8) (1)〜(7)のいずれかに記載の太陽電池モジュール用シートを有することを特徴とする、太陽電池モジュール。
本発明によれば、拡散性、反射性、及び経済性に優れた太陽電池モジュール用シートを提供することができる。そして、本発明の太陽電池モジュール用シートを用いることにより、発電効率に優れた太陽電池モジュールを得ることができる。
本発明の一実施態様に係る太陽電池モジュール用シートの模式図(側面図)を示す。 本発明の一実施態様に係る太陽電池モジュール用シートの模式図(側面図)を示す。 本発明の一実施態様に係る太陽電池モジュールを、受光面と垂直かつ太陽電池セルを含む面で切断したときの概略断面図を示す。 本発明の一実施態様に係る太陽電池モジュールを、受光面と垂直かつ太陽電池セルを含む面で切断したときの概略断面図を示す。
(太陽電池モジュール用シート)
拡散層及び反射層を有する太陽電池モジュール用シートであって、前記拡散層が、前記反射層よりも、ガラス、ミルドファイバー、架橋ポリスチレン、架橋ポリメタクリル酸メチル、及び架橋シリコーン樹脂のいずれかからなり、かつ平均粒子径が1.0μm以上20μm以下である粒子(粒子X)を多く含み、前記反射層が、前記拡散層よりも白色無機粒子を多く含み、かつ、前記反射層における白色無機粒子の含有量が、層を構成する全成分を100質量%としたときに、1.0質量%以上10質量%以下であることを特徴とする。以下、本発明の太陽電池モジュール用シートについて具体的に説明する。
図1及び2に、本発明の一実施態様に係る太陽電池モジュール用シートの模式図(側面図)を示す。本発明の太陽電池モジュール用シートとしては、例えば、拡散層11と反射層12が積層されたもの(図1)、拡散層11、反射層12、及び基材層13がこの順に積層されたもの(図2)がある。
本発明の太陽電池モジュール用シートは、拡散層及び反射層を有することが重要である。このような態様とすることにより、太陽電池モジュール用シートは拡散性と反射性に優れたものとなる。拡散層及び反射層の詳細、及び両者の関係は後述する。
図1に示す太陽電池モジュール用シートにおいては、太陽電池モジュール用シートを構成する層のうち、拡散層11が粒子Xを最も多く含有し、反射層12が白色無機粒子を最も多く含有する。通常、図2に示す太陽電池モジュール用シートにおいても同様である。このような太陽電池モジュール用シートを、例えば太陽電池モジュール用バックシートとして使用する場合、通常、拡散層11が太陽電池セル側に位置するように配置する。
(拡散層)
本発明の太陽電池モジュール用シートは、拡散層が、反射層よりも、ガラス、ミルドファイバー、架橋ポリスチレン、架橋ポリメタクリル酸メチル、及び架橋シリコーン樹脂のいずれかからなり、かつ平均粒子径が1.0μm以上20μm以下である粒子(粒子X)を多く含み、反射層が、拡散層よりも白色無機粒子を多く含むことが重要である。ここで、「ガラスからなる」とは、粒子全体100質量%中にガラスが90質量%以上含まれることをいう。このとき、粒子全体100質量%中にガラスが99質量%以上含まれることがより好ましい。ミルドファイバー、架橋ポリスチレン、架橋ポリメタクリル酸メチル、及び架橋シリコーン樹脂についても同様に解釈することができる。また、架橋ポリスチレンとは、直鎖状のポリスチレンが架橋した構造を有する樹脂である。ポリスチレンが架橋した構造の例としては、ポリスチレン鎖中の二重結合が単結合となり、別のポリスチレン鎖と結合した構造が挙げられる。これらの粒子Xは、本発明の効果を損なわない限り、単独で用いても複数種類を組み合わせて用いてもよい。なお、粒子Xが樹脂である場合、層を構成する全成分を100質量%としたときに、層中におけるその樹脂の含有量は50質量%未満でなくてはならない。層中におけるその樹脂の含有量が50質量%以上であると、その樹脂が層の主成分となり、層中に光の乱反射のため界面を形成することができなくなるためである。
層中に粒子Xが存在することにより、層を構成する粒子X以外の樹脂と粒子Xとの間に界面が形成され、照射された光がこの界面の存在により拡散する。また、層中に白色無機粒子が存在することにより、照射された光が反射する。上記メカニズムにより、拡散層で光の拡散が、反射層で光の反射が生じるため、このような態様とすることにより太陽電池モジュール用シートは拡散性と反射性を兼ね備えたものとなる。
また、ガラス、ミルドファイバー、架橋ポリスチレン、架橋ポリメタクリル酸メチル、及び架橋シリコーン樹脂はいずれも透明性(光線透過率)の高い材料であり、太陽電池モジュールとしたときに発電に寄与する光が吸収されにくい。そのため、拡散層中の粒子が粒子Xであることにより、光の吸収を低く抑えつつ層中に前述の界面を容易に形成させることができる。
粒子Xの成分を特定する方法としては、例えば、有機溶媒を用いて太陽電池モジュール用シートから粒子Xを取り出し、エネルギー分散型X線分光器を備えた走査型電子顕微鏡(SEM−EDX)を用いた顕微鏡観察及び無機成分分析や、核磁気共鳴分光法による有機成分分析等を用いることができる。
本発明における粒子Xは、平均粒子径が1.0μm以上20μm以下であれば本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、先に列挙したものを単独で又は組み合わせて用いることができる。但し、光の拡散性の観点から、粒子Xがガラスからなる粒子(以下、ガラス粒子ということがある。)を含むことが好ましく、中空構造を有するガラス粒子を含むことがより好ましい。中空構造を有するガラス粒子としては、例えば、ポッターズ・バロティーニ(株)製中空硼珪酸ガラス“Sphericel”(登録商標)110P8、60P18等が挙げられる。
なお、粒子の平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置、例えばLA950(堀場製作所社(株)製)を用いて測定した体積基準の粒径分布から求めたメディアン径をいう。後述する白色無機粒子の平均粒子径も同様である。白色無機粒子とは、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、シリカ、二酸化チタン(アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン)、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化亜鉛、リトポン、アンチモンホワイト、鉛白、塩基性硫酸鉛、塩基性ケイ酸鉛、炭酸鉛、塩基性炭酸鉛、塩基性硫酸鉛、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、カオリン、タルク、三酸化モリブデンからなる群より選択される少なくとも一つ以上の粒子のことをいう。
白色無機粒子の成分を特定する方法として、例えば、有機溶媒を用いてシートから白色無機粒子を抽出し、エネルギー分散型X線分光器を備えた走査型電子顕微鏡(SEM−EDX)を用いた顕微鏡観察及び無機成分分析により行うことができる。
「拡散層が、反射層よりも粒子Xを多く含む」とは、拡散層が粒子Xを含み、反射層が粒子Xを含まないこと、又は、拡散層の全成分を100質量%としたときの拡散層における粒子Xの含有量(質量%)が、反射層の全成分を100質量%としたときの反射層における粒子Xの含有量(質量%)よりも高いことをいう。「反射層が、拡散層よりも白色無機粒子を多く含む」とは、反射層が白色無機粒子を含み、拡散層が白色無機粒子を含まないこと、又は、反射層の全成分を100質量%としたときの反射層における白色無機粒子の含有量(質量%)が、拡散層の全成分を100質量%としたときの拡散層における白色無機粒子の含有量(質量%)よりも高いことをいう。
拡散層における粒子Xの含有量は本発明の効果を損なわないのであれば、拡散層が反射層よりも粒子Xを多く含む限り特に制限されない。但し、光の拡散性と製膜性を両立させる観点から、拡散層が、層を構成する全成分を100質量%としたときに、粒子Xを0.1質量%以上10質量%以下含有することが好ましく、1.0質量%以上10質量%以下含有することがより好ましい。拡散層における粒子Xが、層を構成する全成分100質量%に対して0.1質量%未満であると、光の拡散性が不十分となり、太陽電池モジュールとしたときの発電効率向上効果が低くなることがある。一方、拡散層における粒子Xが、層を構成する全成分100質量%に対して10質量%を超えると、層が脆くなって製膜性が低下することがある。なお、粒子Xが複数種類を混合したものである場合、その含有量は全ての粒子Xを合算して算出するものとする。
本発明の太陽電池モジュール用シートにおいては、拡散層が粒子Xと共に白色無機粒子を含有することが好ましい。上記態様とすることにより、粒子Xによる光の拡散性に加え、白色無機粒子による紫外線吸収及び/又は紫外線カット効果により、拡散層の耐候性を向上させることができる。同様の観点から、白色無機粒子が二酸化チタンであることがより好ましい。
層を構成する全成分を100質量%としたときの、拡散層における粒子Xの含有量をa質量%、白色無機粒子の含有量をb質量%としたときに、b/aが0.1以上2.0以下であることが好ましい。b/aが0.1以上であることにより、紫外線吸収及び紫外線カット効果による拡散層の耐候性をさらに向上させることができる。同様の観点からb/aが0.2以上であることがより好ましい。また、b/aが2.0以下であることにより、白色無機粒子が粒子Xに対して過剰となることによって発生する、拡散層表面での光反射や粒子Xの割れ及び変形等による光拡散性の低下を軽減することができる。拡散層表面で白色無機粒子により光反射が起こると、広角方向へ光が反射されにくくなり、太陽電池モジュールとした際に太陽電池セルへと入る光の量が減ることがある。同様の観点からb/aが0.8以下であることがより好ましい。
反射層や後述する拡散層中に含まれる粒子Xや白色無機粒子の含有量は、例えば、各層を剥離または研磨にて単離し、有機溶媒を用いて各層から粒子Xや白色無機粒子を取り出した後、強酸や過熱水蒸気など公知の方法で粒子を溶解及び/又は分解させ、イオンクロマトグラフィーなどでそれぞれの無機成分量を測定することにより求めることができる。
粒子Xの平均粒子径が1.0μm以上20μm以下であることにより、光の拡散性と製膜性を両立することができる。粒子Xの平均粒子径が1.0μm未満であると、光の拡散性が不十分となり、太陽電池モジュールとしたときの発電効率向上効果が低くなることがある。一方、粒子Xの平均粒子径が20μmを超えると太陽電池モジュール用シートの製膜性が低下することがある。上記観点から、粒子Xの平均粒子径は、1.0μm以上10μm以下であることがより好ましく、3.0μm以上8.0μm以下であることがさらに好ましい。但し、前述の中空構造を有する場合は、中空部分を確保する観点から、10μm以上20μm以下が好ましい。
(反射層)
本発明の太陽電池モジュール用シートは、太陽電池モジュールとしたときの発電効率と製膜性を両立させる観点から、反射層における白色無機粒子の含有量が、層を構成する全成分を100質量%としたときに、1.0質量%以上10質量%以下であることが重要である。反射層における白色無機粒子の含有量が、反射層を構成する全成分100質量%に対して1.0質量%未満であると、太陽電池モジュール用シートの反射性が低くなり、太陽電池モジュールとしたときの発電効率向上効果も低くなる。一方、反射層における白色無機粒子の含有量が、反射層を構成する全成分100質量%に対して10質量%を超えると、白色無機粒子の脱離が起こりやすくなり、製膜性が低下することがある。上記観点から、反射層における白色無機粒子の含有量は、反射層を構成する全成分100質量%に対して、3.0質量%以上8.0質量%以下であることがより好ましい。
反射層における白色無機粒子は、前述の白色無機粒子を使用することができる。但し、幅広い波長域の光を反射する観点から、白色無機粒子が炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、及び二酸化チタンからなる群より選択される少なくとも一つの粒子を含むことが好ましく、二酸化チタンを含むことがより好ましい。なお、白色無機粒子が複数種類を混合したものである場合、その含有量は全ての白色無機粒子を合算して算出するものとする。
白色無機粒子の平均粒子径は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、分散性と反射性向上効果を両立させる観点から、0.1μm以上50μm以下が好ましい。平均粒子径が0.1μm未満であると、粒子が凝集して分散性が低下することがある。また、平均粒子径が50μmを超えると、太陽電池モジュール用シートとしたときに十分な反射性が得られないことがある。上記観点から、白色無機粒子の平均粒子径は0.1μm以上20μm以下がより好ましく、0.15μm以上10μm以下がさらに好ましい。
(樹脂)
本発明の太陽電池モジュール用シートは、太陽電池モジュールとしたときの耐熱性、他部材との接着性、及び製造コストの観点から、拡散層がオレフィン系樹脂を主成分とすることが好ましい。オレフィン系樹脂は低コストであり、耐熱性に優れる。そのため、拡散層がオレフィン系樹脂を主成分とすることにより、太陽電池モジュール用シートの製造コストが軽減され、太陽電池モジュールとしたときの耐熱性が向上する。「オレフィン系樹脂を主成分とする」とは、「層の全成分100質量%中に、オレフィン系樹脂を50質量%より多く100質量%以下含むこと」をいう。以下、「主成分とする」に関して同様の言い換えができる。
本発明の太陽電池モジュール用シートにおけるオレフィン系樹脂は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等を好適に用いることができる。そして、太陽電池モジュールとしたときの耐熱性と製造コストを両立させる観点からは、ポリエチレン系樹脂を用いることが好ましく、その中でもエチレンの単独重合体あるいはエチレンとα−オレフィンとの共重合体を用いることがより好ましい。
α−オレフィンとは、炭素数2〜25のアルケンのうちα位に二重結合を持つもののことをいい、本発明の太陽電池モジュール用シートにおいては、太陽電池モジュール用シートの柔軟性を高め、太陽電池モジュールに荷重が掛かった際の太陽電池セルの破損を抑える観点から、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等を用いることが好ましく、1−ブテン及び/または1−ヘキセンを用いることがより好ましい。
ポリエチレン系樹脂を密度などの観点から分類した場合、原料樹脂の製造コストの観点から、高密度ポリエチレン(HDPE:密度が945kg/mより大きいポリエチレン)、低密度ポリエチレン(LDPE:高圧法により製造される密度900〜945kg/mのポリエチレン)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE:シングルサイト又はマルチサイト触媒を用い、低圧法により製造される密度900〜945kg/mのポリエチレン)、超低密度ポリエチレン(VLDPE:密度900kg/m未満のポリエチレン)等を好ましく用いることができ、直鎖状低密度ポリエチレンをより好ましく用いることができる。
本発明の太陽電池モジュール用シートにおけるオレフィン系樹脂は、本発明の効果を損なわない限り、一種類のオレフィン系樹脂のみからなるものであっても複数種類のオレフィン系樹脂を混合したものであってもよい。オレフィン系樹脂が複数種類のオレフィン系樹脂を混合したものである場合、その含有量は、全てのオレフィン系樹脂を合算して算出するものとする。
本発明の太陽電池モジュール用シートは、太陽電池モジュールとしたときの耐熱性、及び製造コストの観点から、反射層がオレフィン系樹脂、又はポリエステル系樹脂を主成分とすることが好ましく、オレフィン系樹脂を主成分とすることがさらに好ましい。
ポリエステル系樹脂とは、主鎖に連続してエステル結合を有する高分子化合物の総称であり、ジカルボン酸若しくはそのエステル形成性誘導体(以下、これらを総称してジカルボン酸等ということがある。)とジオール又はその誘導体(以下、これらを総称してジオール等ということがある。)を縮重合すること、一分子内にカルボキシル基と水酸基を有する化合物を縮重合すること、及びこれらの2つの縮重合の組み合わせ等により得ることができる。
ジカルボン酸等としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、エイコサンジオン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸等の脂肪族ジカルボン酸類、アダマンタンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フェニルエンダンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、9,9’−ビス(4−カルボキシフェニル)フルオレン酸などの芳香族ジカルボン酸、及びそのエステル誘導体等を単独で又は複数種類を組み合わせて用いることができる。また、上述のジカルボン酸等の少なくとも一方のカルボキシ末端に、l−ラクチド、d−ラクチド、ヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸類、及びその誘導体や該オキシ酸類が複数個連なったもの等を縮合させたジカルボキシ化合物を用いてもよい。
ジオール等としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオールなどの脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、イソソルビドなどの脂環式ジオール、ビスフェノールA、1,3−ベンゼンジメタノール,1,4−ベンセンジメタノール、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどの芳香族ジオール等を単独で又は複数種類を組み合わせて用いることができる。また、上述のジオール等の少なくとも一方のヒドロキシ末端に上記以外の水酸基を有する化合物を縮合させて形成されるジヒドロキシ化合物も用いてもよい。
一分子内にカルボキシル基と水酸基を有する化合物の例としては、l−ラクチド、d−ラクチド、ヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸類、及びその誘導体、オキシ酸類のオリゴマー、ジカルボン酸の一方のカルボキシル基にオキシ酸が縮合したもの等が挙げられる。
ポリエステル系樹脂は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、例えば、PET、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、及びポリ−1,4−シクロへキシレンジメチレンテレフタレート等を用いることができる。中でも製膜性の観点から、PET、及びポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを用いることが好ましく、PETを用いることがより好ましい。
ここでPETとは、ジオール等成分全100モル%中にエチレングリコール成分を55モル%以上100モル%以下含み、かつ、ジカルボン等酸成分全100モル%中にテレフタル酸成分を55モル%以上100モル%以下含むホモポリエステル樹脂又はコポリエステル樹脂をいう。また、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートとは、ジオール等成分全100モル%中にエチレングリコール成分を55モル%以上100モル%以下含み、かつ、ジカルボン等酸成分全100モル%中に2,6−ナフタレンジカルボン酸成分を55モル%以上100モル%以下含むホモポリエステル樹脂又はコポリエステル樹脂をいう。なお、ジオール等成分とは、縮重合によりポリマー鎖中に組み込まれた成分のうちジオール等に由来するものをいい、ジカルボン酸等成分とは、縮重合によりポリマー鎖中に組み込まれた成分のうちジカルボン酸等に由来するものをいう。
(厚み、層構成)
本発明の太陽電池モジュール用シートにおいて、拡散層の厚みが20μmを超え650μm以下であることが好ましい。厚みが20μmを超えることにより、太陽電池モジュール用シートを製膜する際の破れや顔料分散不良を抑えることができ、さらに太陽電池モジュール用シートのハンドリング性を向上させることができるため、太陽電池モジュール用シートの生産性や品位を向上させることができる。同様の観点から、厚みは55μm以上がより好ましく、90μm以上がさらに好ましい。厚みが650μm以下であることにより、太陽電池モジュール用シートや太陽電池モジュールの過度な重量増加や不必要な製造コストアップを軽減することができる。同様の観点から、厚みは300μm以下がより好ましい。すなわち、生産性や品位の向上と、重量や製造コストの軽減を両立する観点から、太陽電池モジュール用シートの厚みは55μm以上300μm以下がより好ましく、90μm以上300μm以下がより好ましい。
本発明の太陽電池モジュール用シート及びそれを構成する各層の厚みは、例えば、以下の方法で測定することができる。先ず、ミクロトームにより太陽電池モジュール用シートを厚み方向と平行に切断し、切片サンプルを得る。得られた切片サンプルの断面を、電界放射型走査電子顕微鏡を用いて、200倍の倍率で3点撮像し、3点の撮像から各層の厚みの平均値を算出して各層の厚みとする。さらに、各層の厚みの平均値を合計して総厚みを算出する。
本発明の太陽電池モジュール用シートは、光の反射性と拡散性を両立する観点から、反射層の厚みが、総厚みの10%以上50%以下であることが好ましい。反射層の厚みが総厚みの10%未満であると、光の反射性が不十分となることがある。一方、反射層の厚みが総厚みの50%を超えると光の拡散性が不十分となることがある。上記観点から、反射層の厚みが、20%以上40%以下であることがより好ましい。
本発明の太陽電池モジュール用シートの総厚みは、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、太陽電池セルの保護の観点から総厚みは50μm以上が好ましく、製造コストの観点から総厚みは1mm以下が好ましい。
本発明の太陽電池モジュール用シートにおいては、機械的強度や耐熱性の観点から、基材層、反射層、及び拡散層がこの順に位置することが好ましい。このような態様とすることにより、太陽電池モジュール用シートの機械的強度や耐熱性をさらに向上させることができる。
なお、基材層とは、太陽電池モジュール用シートを構成する層のうち、前記拡散層や前記反射層に該当せず、厚み30μm以上であり、ポリエステル系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、及びポリアミド系樹脂、金属、及びガラスから選ばれる成分を主成分とする層をいう。
通常、基材層は太陽電池モジュールとしたときに反射層や拡散層よりも外側に位置し、太陽電池セル等を保護する機能を担うため、機械的強度が要求されることから上記態様であることが好ましい。さらに耐熱性、耐候性、及び経済性も考慮すると、基材層は、ポリエステル系樹脂を主成分とすることがより好ましい。
(太陽電池モジュール用シートの製造方法)
以下、本発明の太陽電池モジュール用シートの製造方法について説明するが、本発明の太陽電池モジュール用シートの製造方法は、本態様に限定されるものではない。
本発明の太陽電池モジュール用シートの拡散層を得るための樹脂組成物及び反射層を得るための樹脂組成物は、公知のブレンダーで原料樹脂ペレットをドライブレンドし、単軸又は二軸押出機を用い、200℃前後の押出機温度で押し出すことができる。製膜方法はTダイ法、カレンダー法のどちらでも良いが、多層製膜ができる点からTダイ法が好ましい。Tダイ法を用いる場合、積層装置としてはフィードブロックやマルチマニホールドダイのどちらを用いても良い。
拡散層と反射層、及び/又は反射層と基材層を共押出法により一体製膜しても良いし、押出ラミネートしても良い。また、公知の接着剤を用いて一体化しても良い。
(太陽電池モジュール及びその製造方法)
本発明の太陽電池モジュールは、本発明の太陽電池モジュール用シートを有することが重要である。このような態様とすることで、拡散性と反射性を兼ね備えた本発明の太陽電池モジュール用シートにより、太陽電池モジュールの発電効率が向上する。本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、本発明の太陽電池モジュール用シートを含む積層体を、減圧下で加熱圧着する工程を有する。このような態様の具体例としては、受光面保護基材、受光面側封止材、太陽電池セル、本発明の太陽電池モジュール用シート、太陽電池モジュール用バックシートを、この順に重ねて減圧下で加熱圧着する工程を有する態様が挙げられる。
こうして得られた太陽電池モジュールの概略図を図3に示す。図3に示す太陽電池モジュールは、受光面側から順に、受光面保護基材21、受光面側封止材22、太陽電池セル23、太陽電池モジュール用シート、太陽電池モジュール用バックシート24を有する構成となる。
別の具体例としては、受光面保護基材、受光面側封止材、太陽電池セル、裏面側封止材、本発明の太陽電池モジュール用シートをこの順に重ねて減圧下で加熱圧着する工程を有する態様が挙げられる。
こうして得られた太陽電池モジュールの概略図を図4に示す。図4に示す太陽電池モジュールは、受光面側から順に、受光面保護基材21、受光面側封止材22、太陽電池セル23、裏面側封止材25、太陽電池モジュール用シートを有する構成となる。
また、各部材を重ねて減圧下で加熱圧着する工程において用いるラミネーターは、公知のラミネーターを使用することができ、受光面保護基材側から加熱することができるラミネーターや、受光面保護基材側と、太陽電池モジュール用バックシート側の両側から加熱することのできるラミネーターを好適に使用することができる。また、ラミネートの後に公知のキュア炉にて加熱することで、受光面側封止材の架橋率を調整することも好ましく行うことができる。
以下、本発明を実施例にて具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[特性の評価方法]
(1)太陽電池モジュール用シートの厚みと各層の厚み:
太陽電池モジュール用シートの厚みは、以下方法で測定した。太陽電池モジュール用シートを、ミクロトームを用いて厚み方向に切断し、切片サンプルを得た。その切片サンプルの断面を、電界放射型走査電子顕微鏡S−800(日立製作所(株)製)を用いて、200倍の倍率で3点撮像し、3点の撮像から各層の厚みの平均値を算出して各層の厚みとした。さらに、各層の厚みの平均値を合計して総厚みを算出した。
(2)光線反射率
分光光度計U−3410(日立製作所(株)製)に直径60mmの積分球(型番130−0632)を取り付け、酸化アルミニウム白色板(型番210−0740)の波長400〜1,200nmに於ける反射率が100%となるようにベースラインを補正した。太陽電池モジュール用シートを設置し、波長400〜1,200nmに於ける10nm毎の酸化アルミニウム白色板に対する相対反射率を測定し、その平均値を光線反射率とした。
(3)太陽電池モジュールの発電量
ソーラーシュミレータ((株)エヌ・ピー・シー製)を使用し、JIS C8914:2005の基準状態に準じて最大発電量の測定を実施し、太陽電池モジュールの発電量とした。
[使用部材]
受光面保護基材:
AGC(株)製白板強化ガラス、厚み3.2mm
受光面側封止材:
サンビック(株)製 “ウルトラパール”(登録商標)、厚み450μm
裏面側封止材:
サンビック(株)製 “ウルトラパール”(登録商標)、厚み450μm
太陽電池セル:
SOLARTECH ENERGY CORPORATION製太陽電池セルM−156−3、厚み200μm、3本バスバータイプ、バスバー電極厚み180μm
樹脂1:
住友化学(株)製LLDPE樹脂 “スミカセン”(登録商標)−L GA401 (密度0.935g/cm、融点127℃、メルトフローレート(190℃)3g/10分)
樹脂2:
チップ状のポリエチレンテレフタレート
粒子1:
ポッターズ・バロティーニ(株)製ガラスビーズ(平均粒子径5.0μm)
粒子2:
ポッターズ・バロティーニ(株)製ガラスビーズ(平均粒子径1.0μm)
粒子3:
ポッターズ・バロティーニ(株)製ガラスビーズ(平均粒子径10μm)
粒子4:
ポッターズ・バロティーニ(株)製ガラスビーズ(平均粒子径0.5μm)
粒子5:
安達新産業(株)製架橋ポリスチレン(平均粒子径6.0μm)
粒子6:
ポッターズ・バロティーニ(株)製中空ガラスビーズ(平均粒子径12μm)
粒子7:
ポッターズ・バロティーニ(株)製ガラスビーズ(平均粒子径25μm)
なお、粒子1〜7のうち、中空構造を有するものは粒子6のみである。
白色無機粒子1:
テイカ(株)製 二酸化チタン“チタニックス”(登録商標)JR−709(明度9.0)
太陽電池モジュール用バックシート:
東レフィルム加工(株)製太陽電池モジュール用バックシート “ルミソーラー”(登録商標)LTW−09ST2
PETフィルム1:
東レ(株)製透明PETフィルム“ルミラー”(登録商標)X10S(厚み75μm)
PETフィルム2:
以下の方法により製造した。
樹脂2(95質量%)と、白色無機粒子1(5質量%)とをドライブレンドした混合物を180℃の温度で3時間減圧乾燥した後、300℃の温度に加熱された二軸押出機1及び2へ投入し溶融したこれらの混合物をマルチマニホールドダイにより押し出し、表面温度が25℃の冷却ドラムで冷却固化して無配向フィルムを得た。得られた無配向フィルムを85〜98℃に加熱されたロール群にて長手方向に3.4倍に縦延伸し、21℃のロール群で冷却して一軸配向フィルムを得た。続いて、一軸配向フィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、120℃の温度に加熱された雰囲気中で幅方向に3.6倍に横延伸した。その後、テンター内において温度200℃で熱固定を行い、均一に徐冷した後に25℃まで冷却して、厚み20μmのフィルムとした。
[実施例1]
樹脂1(95質量%)と粒子1(5質量%)とをドライブレンドした混合物を二軸押出機1へ投入し、樹脂1(95質量%)と白色無機粒子1(5質量%)とをドライブレンドした混合物を二軸押出機2へ投入し、溶融したこれらの混合物をマルチマニホールドダイにより押し出し、温度を20℃に設定したキャストロールにて冷却固化して、幅300mm、拡散層厚み300μm、反射層厚み100μm、総厚み400μmの太陽電池モジュール用シートを得た。得られた太陽電池モジュール用シート及び、受光面側封止材、太陽電池モジュール用バックシートをそれぞれ190mm角にカットし、図3に示すように、受光面保護基材(190mm角)、受光面側封止材、太陽電池セル、太陽電池モジュール用シート(拡散層が太陽電池セル側)、太陽電池モジュール用バックシートの順に積層した。積層したものを、(株)エヌ・ピー・シー製真空加熱ラミネーター(受光面保護基材側のみの片面加熱方式)により、熱板設定温度145℃、真空脱気4分、大気圧プレス1分、圧力保持10分の条件にてラミネートした。ラミネート後、積層体をラミネーターより取り出して、室温まで放冷した後、受光面保護基材よりはみ出した部分をカッターナイフで切り落とし、太陽電池モジュールを得た。得られた太陽電池モジュール用シートの光線反射率及び太陽電池モジュールの発電量を表1に示す。
[実施例2〜17]
表1、2に示すとおり、拡散層及び反射層の配合や厚みを変えた以外は実施例1と同様の方法で太陽電池モジュール用シート及び太陽電池モジュールを得て、実施例1と同様に各項目を評価した。評価結果を表1、2に示す。
[実施例18]
表2に示すとおり、拡散層の配合を変えた以外は実施例1と同様の方法で太陽電池モジュール用シート及び太陽電池モジュールを得て、実施例1と同様に各項目を評価した。評価結果を表2に示す。なお、得られた太陽電池モジュール用シートは脆く、キャストロールにて冷却固化する際にシートに多数の傷がついていることが確認され、品位はあまり良好ではなかった。
[比較例1〜5]
表1、2に示すとおり、拡散層及び反射層の配合を変えた以外は実施例1と同様の方法で太陽電池モジュール用シート及び太陽電池モジュールを得て、実施例1と同様に各項目を評価した。評価結果を表1、2に示す。但し、比較例5については、太陽電池モジュール用シートの製膜を試みたが、シートからの白色無機粒子1の脱離が頻発し、製膜工程を汚染したため製膜を中止した。
[実施例19]
樹脂1(90質量%)と粒子6(8質量%)と、白色無機粒子1(2質量%)とをドライブレンドした混合物を二軸押出機1及び二軸押出機2へ投入し、溶融したこれらの混合物をマルチマニホールドダイにより押し出し、温度を20℃に設定したキャストロールにて冷却固化して、幅300mm、拡散層厚み55μmの樹脂シートを得た。さらに、濡れ性が50mN/mとなるように、樹脂シートの両面にコロナ処理を行った。次いで、乾燥後の接着剤塗布量が5g/mとなるように、PETフィルム2に接着剤(“タケラック”(登録商標)A310(三井武田ケミカル株式会社製)90質量部、“タケネート”(登録商標)A3(三井武田ケミカル株式会社製)10質量部を混合したもの)を塗布し、コロナ処理後の樹脂シートと貼り合わせた後、40℃に温度調整した恒温槽で48時間エージングを行った。得られた樹脂シートとPETフィルムの積層体のPETフィルム2側の面に、前記接着剤を同様に塗布してPETフィルム1を貼り合わせた後、40℃に温度調整した恒温槽で48時間エージングを行い、太陽電池モジュール用シートを得た。得られた太陽電池モジュール用シートは、PETフィルム1、PETフィルム2、及び樹脂シート(拡散層に相当)がこの順に積層された構成を有する。
得られた太陽電池モジュール用シート及び、受光面側封止材、裏面側封止材をそれぞれ190mm角にカットした。その後、受光面保護基材(190mm角)、受光面側封止材、太陽電池セル、裏面側封止材、及び太陽電池モジュール用シート(拡散層が太陽電池セル側)の順に積層し、これを(株)エヌ・ピー・シー製真空加熱ラミネーター(受光面保護基材側のみの片面加熱方式)により、熱板設定温度145℃、真空脱気4分、大気圧プレス1分、圧力保持10分の条件にてラミネートした。ラミネート後、積層体をラミネーターより取り出して、室温まで放冷した後、受光面保護基材よりはみ出した部分をカッターナイフで切り落とし、太陽電池モジュールとした。得られた太陽電池モジュール用シート及び太陽電池モジュールについて、実施例1と同様に各項目を評価した。評価結果を表2に示す。
[実施例20、比較例6]
表2に示すとおり、拡散層の厚みや配合を変えた以外は実施例19と同様の方法で太陽電池モジュール用シート及び太陽電池モジュールを得て、実施例1と同様に各項目を評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 2018061016
拡散層、反射層における各成分の含有量は、各層を構成する全成分を100質量%として算出した。表2においても同様である。
Figure 2018061016
製膜を中止したため、比較例5の光線反射率と太陽電池モジュール発電量は評価不可であった。
本発明によれば、本発明は、拡散性、反射性、及び経済性に優れた太陽電池モジュール用シート、及び発電効率に優れた、太陽電池モジュールを得ることができる。
11 拡散層
12 反射層
13 基材層
21 受光面保護基材
22 受光面側封止材
23 太陽電池セル
24 太陽電池モジュール用バックシート
25 裏面側封止材

Claims (8)

  1. 拡散層及び反射層を有する太陽電池モジュール用シートであって、前記拡散層が、前記反射層よりも、ガラス、ミルドファイバー、架橋ポリスチレン、架橋ポリメタクリル酸メチル、及び架橋シリコーン樹脂のいずれかからなり、かつ平均粒子径が1.0μm以上20μm以下である粒子(粒子X)を多く含み、前記反射層が、前記拡散層よりも白色無機粒子を多く含み、かつ、前記反射層における白色無機粒子の含有量が、層を構成する全成分を100質量%としたときに、1.0質量%以上10質量%以下であることを特徴とする、太陽電池モジュール用シート。
  2. 前記拡散層がオレフィン系樹脂を主成分とすることを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池モジュール用シート。
  3. 前記拡散層が、層を構成する全成分を100質量%としたときに、前記粒子Xを0.1質量%以上10質量%以下含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール用シート。
  4. 前記白色無機粒子が炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、及び二酸化チタンからなる群より選択される少なくとも一つの粒子を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池モジュール用シート。
  5. 前記反射層がオレフィン系樹脂、又はポリエステル系樹脂を主成分とすることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池モジュール用シート。
  6. 前記反射層の厚みが、総厚みの10%以上50%以下であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池モジュール用シート。
  7. 基材層、反射層、及び拡散層がこの順に位置することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の太陽電池モジュール用シート。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の太陽電池モジュール用シートを有することを特徴とする、太陽電池モジュール。
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