JP2018059089A - 帯電防止性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一般式(1)で示される環状ポリエーテルエステル(A)と熱可塑性樹脂とを含む耐電防止性樹脂組成物である。一般式(1)中、R1は水素原子の少なくとも1つがハロゲノ基、アセチル基、アルコキシ基又はフェノキシ基で置換されていてもよい炭素数2〜21の2価の炭化水素基であり、R2は炭素数2〜8の2価の炭化水素基であり、mは1〜3の整数であり、nは1〜2000の整数であり、m個あるR1は同じであっても異なっていてもよく、m×n個あるR2は同じであっても、異なっていてもよい。
【選択図】 なし
Description
しかしながら、特許文献1等に記載の樹脂組成物も、帯電防止性とその持続性が十分ではなく、更に優れた帯電防止性とその持続性を有する樹脂組成物が望まれている。
なお、mが2又は3である場合、m個あるR1は同じであっても異なっていてもよく、同じであることが好ましい。また、mが2若しくは3、及び/又はnが2以上の整数である場合、m×n個あるR2は同じであっても異なっていてもよい。
一般式(1)においてnで表されるオキシアルキレン基の付加モル数の値(n)が異なる複数の環状ポリエーテルエステル(A)を併用する場合、使用する環状ポリエーテルエステル(A)のオキシアルキレン基の付加モル数の値と比率は、熱可塑性樹脂の種類等に応じて調整することができる。
なお、環状ポリエーテルエステル(A)のmの値、及びnの値は、Polym.Chem.,2014,5,6905.に記載のMALDI−TOF MSにより分析し、確認することが出来る。
環状ポリエーテルエステル(A)のMnはオキシアルキレン基の付加モル数を調整すること等によって好ましい範囲にすることができる。
・装置:「Waters Alliance 2695」[Waters社製]
・カラム:「Guardcolumn Super H−L」(1本)、「TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000を各1本連結したもの」[いずれも東ソー(株)製]
・試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
・溶液注入量:10μL
・流量:0.6mL/分
・測定温度:40℃
・検出装置:屈折率検出器
・基準物質:標準ポリエチレングリコール
なお、前記活性水素含有基はアルキレンオキサイドが開環付加し得る官能基を意味し、水酸基、カルボキシル基、メルカプト基及びアミノ基等が挙げられる。
そのため、前記のアルコキシル化反応で得られる環状ポリエーテルエステル(A)は、一般式(1)においてm=1である環状ポリエーテルエステルの他に、一般式(1)における[R1CO(OR2)nO]で表される単位を一分子中に2個有する環状ポリエーテルエステル(すなわちm=2)及び/又は3個有する環状ポリエーテルエステル(すなわちm=3)を含み、反応生成物は、一般式(1)において[R1CO(OR2)nO]で表される単位を1〜3個有する環状ポリエーテルエステルを主成分とする組成物である。
なお、反応生成物に含まれる環状ポリエーテルの組成は、Polym.Chem.,2014,5,6905.に記載のMALDI−TOF MSにより分析し、確認することが出来る。
前記の炭素数4〜22のモノヒドロキシカルボン酸のうち、炭素原子に結合した水素原子の少なくとも1つがハロゲノ基で置換されたヒドロキシカルボン酸としては、2−ブロモ−4−ヒドロキシ酪酸等が挙げられ、アセチル基で置換されたヒドロキシカルボン酸としては、2−アセチル−4−ヒドロキシブタン酸等が挙げられ、アルコキシ基で置換されたヒドロキシカルボン酸としては、2−メトキシ−4−ヒドロキシ酪酸等が挙げられ、フェノキシ基で置換されたヒドロキシカルボン酸としては、2−フェニル−4−ヒドロキシ酪酸等が挙げられる。
アルキレンオキサイドは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、その結合形式はランダムであっても、ブロックであっても、その両方であってもよいが、帯電防止向上剤を効率的に補足し、洗浄による機能低下を抑制するために単独または、ブロックが好ましい。
アルキレンオキサイドとして2種以上を併用する場合、得られる環状ポリエーテルエステル(A)は、一般式(1)においてn個あるR2として、使用したアルキレンオキサイドの種類に対応した異なる種類のR2を有する環状ポリエーテルエステルである。
〔aMgO・Al2O3 ・bH2O〕 (2)
〔MgsAltOu〕 (3)
複合酸化物(M1)としては、2.5MgO・Al2O3 ・bH2O及びMg0.7Al0.3O1.15等が挙げられ、それぞれキョーワード300[協和化学工業(株)製]及びキョーワード2000[協和化学工業(株)製]等として市場から入手することができる。
〔Mg1−cAlc(OH)2〕c+ 〔CO3c/2 ・dH2 O〕c− (4)
これらの内、反応性の観点から好ましいのは複合酸化物(M1)であり、更に好ましいのは2.5MgO・Al2O3 ・nH2O(nは正数)及びMg0.7Al0.3O1.15である。
溶剤としては、トルエン、キシレン、ベンゼン、ジメチルスルホキシド、ジグリム、トリグリム、1,4−ジオキサン、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、四塩化炭素、N−メチルピロリドン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジクロロエタン及びクロロホルム等が挙げられる。
溶剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの内、ラクトン及びアルキレンオキサイド等との混和性の観点から、トルエン及びキシレンが好ましい。
アルコキシル化反応に用いる溶剤の重量は、反応速度等の観点から、環状化合物と環状エーテルと触媒との合計重量に対して、0〜99重量%が好ましく、更に好ましくは0〜90重量%である。
また、上記の温度とする時間は、1〜200時間が好ましい。
反応装置としては撹拌装置及び加熱装置の付属した混合容器(スターラー付きフラスコ及びオートクレーブ等)等の公知の反応装置を用いることができる。
また、ろ過速度を向上させる観点から、珪藻土を使用することが好ましく、触媒の除去効率を向上させるために、ケイ酸マグネシウムを用いることが好ましい。
ろ過操作は公知の方法で行うことができるが、珪藻土とケイ酸マグネシウムを層状に積層させた濾層に環状ポリエステル組成物またはその溶液を通過させる方法が挙げられる。ろ過に用いる溶剤は環状ポリエステルを溶解させるものであれば限定されないが、溶解効率の観点から、THF,DMF、酢酸エチル、トルエン等が好ましい。
本発明の帯電防止性樹脂組成物がブロックポリマー(C)を含む場合、熱可塑性樹脂中でブロックポリマー(C)が相分離し、親水性ポリマー(b)のブロックによる導電経路を形成することによって帯電防止性が良好となり好ましい。
疎水性ポリマー(a)とは、1×1011Ω・cmを超える体積固有抵抗値を有するポリマーのことを意味し、親水性ポリマー(b)とは、1×105〜1×1011Ω・cmの体積固有抵抗値を有するポリマーのことを意味する。親水性ポリマー(b)の体積固有抵抗値は、好ましくは1×106〜1×109Ω・cmであり、更に好ましくは1×106〜1×108Ω・cmである。この範囲であると、帯電防止性と帯電防止性樹脂組成物をフィルム成形した場合にフィルムの透湿性が両立し易い等の観点から好ましい。
なお、本発明における体積固有抵抗値は、ASTM D257(1984年)に準拠し、23℃、50%RHの雰囲気下で測定して得られた数値のことである。
ブロックポリマー(C)の有する疎水性ポリマー(a)は、ポリアミド(a1)、ポリアミド(a1)の構成単量体の共重合体、ポリオレフィン(a2)及びポリアミドイミド(a3)などが挙げられ、これらは2種以上を併用してもよい。これらの疎水性ポリマー(a)のうち、透湿性及び機械物性の観点から好ましいのは、ポリアミド(a1)及びポリオレフィン(a2)である。
アミノカルボン酸(α1−2)として好ましいものとしては、炭素数2〜20のアミノカルボン酸(ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペラルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸及びこれらの混合物等)等が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、末端にカルボキシル基を有するポリオレフィン(a2−1)及びカルボキシル基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a2−5)である。
なお、本発明における末端とは、ポリマーを構成するモノマー単位の繰り返し構造が途切れる終端部を意味する。また、両末端とは、ポリマーの主鎖における両方の末端を意味し、片末端とは、ポリマーの主鎖におけるいずれか一方の末端を意味する。
これらのうち、カルボキシル基、水酸基、アミノ基又はイソシアネート基を導入する際の変性のし易さ及び入手のし易さの観点から好ましいのは、減成されたポリオレフィンであり、更に好ましいのは熱減成されたポリオレフィンである。前記熱減成によれば、後述のとおり1分子当たりの平均末端二重結合数が1.5〜2個の低分子量ポリオレフィンが容易に得られ、前記低分子量ポリオレフィンはカルボキシル基、水酸基、アミノ基又はイソシアネート基等を導入して変性することが容易である。
装置(一例):「HLC−8120」[東ソー(株)製]
カラム(一例):「TSKgelGMHXL」(2本)
「TSKgelMultiporeHXL−M」(1本)
試料溶液:0.3重量%のオルトジクロロベンゼン溶液
溶液注入量:100μl
流量:1ml/分
測定温度:135℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、9,100、18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、1,090,000、2,890,000)[東ソー(株)製]
炭素数2〜30のオレフィンとしては、炭素数2〜30のα−オレフィン及び炭素数4〜30のジエンが挙げられる。
炭素数2〜30のα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−イコセン及び1−テトラコセン等が挙げられる。
炭素数4〜30のジエンとしては、ブタジエン、イソプレン、シクロペンタジエン及び1,11−ドデカジエン等が挙げられる。
炭素数2〜30のオレフィンのうち、分子量制御の観点から好ましいのは、エチレン、プロピレン、炭素数4〜12のα−オレフィン、ブタジエン、イソプレン及びこれらの混合物であり、更に好ましいのは、エチレン、プロピレン、炭素数4〜10のα−オレフィン、ブタジエン及びこれらの混合物、特に好ましいのはエチレン、プロピレン、ブタジエン及びこれらの混合物である。
ポリオレフィン(a2−01)中の末端二重結合の数は、透湿性及び機械物性の観点から好ましくは炭素数1,000個当たり1〜40個であり、更に好ましくは2〜30個、特に好ましくは4〜20個である。
ポリオレフィン(a2−02)の炭素数1,000個当たりの二重結合数は、ブロックポリマー(C)の分子量制御の観点から、好ましくは0.3〜20個であり、更に好ましくは0.5〜15個、特に好ましくは0.7〜10個である。
ポリオレフィン(a2−02)のうち、変性のしやすさの観点から好ましいのは、熱減成により得られた低分子量ポリオレフィンであり、更に好ましいのは、熱減成により得られたMnが3,000〜20,000のポリエチレン及び/又はポリプロピレンである。
熱減成により低分子量ポリオレフィンを得る方法を用いると、Mnが6,000〜30,000の範囲で、1分子当たりの末端二重結合の平均数が1〜1.5個であるポリオレフィンが得られる。
熱減成で得られた低分子量ポリオレフィンは、前記末端二重結合の平均数を有することから、カルボキシル基、水酸基、アミノ基又はイソシアネート基等を導入して変性することが容易である。
これらのうち、変性の容易さの観点から好ましいのは、ジカルボン酸、モノ又はジカルボン酸のアルキルエステル及びモノ又はジカルボン酸の無水物であり、更に好ましいのは、マレイン酸(無水物)及びフマル酸、特に好ましいのはマレイン酸(無水物)である。
α,β−不飽和カルボン酸(無水物)による変性は、例えば、(a2−01)の末端二重結合に、溶液法又は溶融法のいずれかの方法で、α,β−不飽和カルボン酸(無水物)を付加反応(エン反応)させることにより行うことができ、反応温度は、好ましくは170〜230℃である。
二次変性に用いるラクタム及びアミノカルボン酸としては、前記のポリアミドで例示したものと同じものを用いることができ、好ましいものも同じである。
酸化法によるカルボニル基の導入は、公知の方法、例えば米国特許第3,692,877号明細書記載の方法で行うことができる。ヒドロホルミル化によるカルボニル基の導入は、公知を含む種々の方法、例えば、Macromolecules、VOl.31、5943頁記載の方法で行うことができる。
ポリオレフィン(a2−4)は、(a2−3)をラクタム又はアミノカルボン酸で二次変性することにより得ることができる。
ラクタム及びアミノカルボン酸としては、ポリオレフィン(a2−1)の二次変性に用いられるラクタム及びアミノカルボン酸として例示されたものと同様のものが挙げられ、好ましい範囲、使用量も同様である。
また、ポリオレフィン(a2−1)の酸価は、親水性ポリマー(b)との反応性及びブロックポリマー(C)の熱可塑性の観点から、好ましくは4〜280mgKOH/g、更に好ましくは4〜100mgKOH/g、特に好ましくは5〜50mgKOH/gである。
ポリオレフィン(a2−2)のMnは、耐熱性及び後述する親水性ポリマー(b)との反応性の観点から、好ましくは800〜25,000であり、更に好ましくは1,000〜20,000、特に好ましくは2,500〜10,000である。
ポリオレフィン(a2−2)の水酸基価は、親水性ポリマー(b)との反応性及びブロックポリマー(C)の熱可塑性の観点から、好ましくは4〜280mgKOH/gであり、更に好ましくは4〜100mgKOH/g、特に好ましくは5〜50mgKOH/gである。
ジアミン(q1)としては、炭素数2〜12のジアミン等が使用でき、具体的には、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン及びデカメチレンジアミン等が挙げられる。
これらのうち、変性の容易さの観点から好ましいのは、炭素数2〜8のジアミン(エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン及びオクタメチレンジアミン等)であり、更に好ましいのはエチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン、特に好ましいのはエチレンジアミンである。
ポリオレフィン(a2−3)のアミン価は、親水性ポリマー(b)との反応性及びブロックポリマー(C)の熱可塑性の観点から、好ましくは4〜280mgKOH/gであり、更に好ましくは4〜100mgKOH/g、特に好ましくは5〜50mgKOH/gである。
ポリイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素原子を除く、以下同様。)6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートの変性体及びこれらの2種以上の混合物が含まれる。
ポリイソシアネートのうち好ましいのは、TDI、MDI及びHDIであり、更に好ましいのはHDIである。
ポリイソシアネートとポリオレフィン(a2−2)とのモル当量比(NCO/OH)は、好ましくは1.8/1〜3/1であり、更に好ましくは2/1である。
ウレタン化反応を促進するために、必要によりウレタン化反応に用いられる公知の触媒を使用してもよい。触媒としては、金属触媒{錫触媒[ジブチルチンジラウレート及びスタナスオクトエート等]、鉛触媒[2−エチルヘキサン酸鉛及びオクテン酸鉛等]、その他の金属触媒[ナフテン酸金属塩(ナフテン酸コバルト等)及びフェニル水銀プロピオン酸塩等]};アミン触媒{トリエチレンジアミン、ジアザビシクロアルケン〔1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7等〕、ジアルキルアミノアルキルアミン(ジメチルアミノエチルアミン及びジメチルアミノオクチルアミン等)、複素環式アミノアルキルアミン[2−(1−アジリジニル)エチルアミン及び4−(1−ピペリジニル)−2−ヘキシルアミン等]の炭酸塩又は有機酸(ギ酸等)塩、N−メチル又はエチルモルホリン、トリエチルアミン及びジエチル−又はジメチルエタノールアミン等};及びこれらの2種以上の併用系が挙げられる。
触媒の使用量は、ポリイソシアネート及びポリオレフィン(a2−2)の合計重量に基づいて、好ましくは3重量%以下であり、好ましくは0.001〜2重量%である。
分子量調整剤の使用量は、アミドイミド形成性モノマー及び分子量調整剤の合計重量に基づいて、透湿性及びフィルムの機械物性の観点から、好ましくは2〜80重量%であり、更に好ましくは4〜75重量%である。
親水性ポリマー(b)としては、特許第3488163号に記載の親水性ポリマーが挙げられ、具体的には、ポリエーテル(b1)、ポリエーテル含有親水性ポリマー(b2)、カチオン性ポリマー(b3)及びアニオン性ポリマー(b4)等が挙げられる。
炭素数2〜12の脂肪族2価アルコールとしては、エチレングリコール(以下EGと略記する。)、1,2−プロピレングリコール(以下PGと略記する。)、1,4−ブタンジオール(以下1,4−BDと略記する。)、1,6−ヘキサンジオール(以下1,6−HDと略記する。)、ネオペンチルグリコール(以下NPGと略記する。)及び1,12−ドデカンジオールが挙げられる。
炭素数5〜12の脂環式2価アルコールとしては、1,4−ジ(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び1,5−ジ(ヒドロキシメチル)シクロヘプタン等が挙げられる。
炭素数6〜18の芳香族2価アルコールとしては、単環芳香族2価アルコール(キシリレンジオール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、ウルシオール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン及びジヒドロキシビフェニル等)及び多環芳香族2価アルコール(ジヒドロキシナフタレン及びビナフトール等)等が挙げられる。
3級アミノ基含有ジオールとしては、炭素数1〜12の脂肪族又は脂環式1級アミン(メチルアミン、エチルアミン、シクロプロピルアミン、1−プロピルアミン、2−プロピルアミン、ペンチルアミン、イソペンチルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン及びドデシルアミン等)のビスヒドロキシアルキル化物及び炭素数6〜12の芳香族1級アミン(アニリン及びベンジルアミン等)のビスヒドロキシアルキル化物が挙げられる。
これらのうち、ビスヒドロキシアルキル化物との反応性の観点から好ましいのは、炭素数2〜12の脂肪族2価アルコール及び炭素数6〜18の芳香族2価アルコールであり、更に好ましいのはEG及びビスフェノールAである。
なお、必要により他のAO[炭素数5〜12のα−オレフィンオキサイド、スチレンオキサイド及びエピハロヒドリン(エピクロルヒドリン等)等]を少しの割合(AOの全重量に基づいて30重量%以下)で併用することもできる。
2種以上のAOを併用するときの結合形式は、ランダム結合、ブロック結合のいずれでもよい。AOとして好ましいのは、EO単独及びEOと他のAOとの併用である。
ポリエーテルジオール(b1−1)の重量に基づく、AOの含有率は、好ましくは5〜99.8重量%であり、更に好ましくは8〜99.6重量%、特に好ましくは10〜98重量%である。
AOとしてエチレンオキサイドを含む場合、ポリエーテルジオール(b1−1)に含まれるAOの合計重量に基づくオキシエチレン基の含有率は、好ましくは5〜100重量%であり、更に好ましくは10〜100重量%、特に好ましくは50〜100重量%、最も好ましくは60〜100重量%である。
アミノカルボン酸変性物は、ポリエーテルジオール(b1−1)又はポリエーテルジアミン(b1−2)と、アミノカルボン酸又はラクタムとを反応させることにより得ることができる。
イソシアネート変性物は、ポリエーテルジオール(b1−1)又はポリエーテルジアミン(b1−2)と、ポリイソシアネートとを反応させるか、ポリエーテルジアミン(b1−2)とホスゲンとを反応させることにより得ることができる。
エポキシ変性物は、ポリエーテルジオール(b1−1)又はポリエーテルジアミン(b1−2)と、ジエポキシド(ジグリシジルエーテル、ジグリシジルエステル及び脂環式ジエポキシド等のエポキシ樹脂:エポキシ当量85〜600)とを反応させるか、ポリエーテルジオール(b1−1)とエピハロヒドリン(エピクロロヒドリン等)とを反応させることにより得ることができる。
両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(a1’)としては、前記ラクタム(α1−1)の開環重合体、前記アミノカルボン酸(α1−2)の重縮合体、及び前記ジアミン(β)とジカルボン酸(γ)とのポリアミド等が挙げられる。
両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(a1’)のうち、透湿性及びフィルムの機械物性の観点から好ましいのは、カプロラクタムの開環重合体、12−アミノドデカン酸の重縮合体、及びアジピン酸とヘキサメチレンジアミンとのポリアミドであり、更に好ましいのはカプロラクタムの開環重合体である。
少なくとも1個のイミド環を有するポリアミドイミド(a3)としては、ラクタム(α1−1)と、前記ポリカルボン酸(無水物)(δ)とからなる重合体、アミノカルボン酸(α1−2)と前記ポリカルボン酸(無水物)(δ)とからなる重合体、ポリアミド(a1’)と前記ポリカルボン酸(無水物)(δ)とからなる重合体、及びこれらの混合物が挙げられる。
ポリエステル(Q)としては、ジカルボン酸(γ)とジオール(b0)とのポリエステルが挙げられる。
ポリエーテルアミド(b2−4)としては、ポリアミド(a1)とポリエーテルジアミン(a212)とから構成されるものが挙げられる。
ポリエーテルウレタン(b2−5)としては、前記ポリイソシアネートのうちのジイソシアネートと、ポリエーテルジオール(b1−1)又はポリエーテルジアミン(b1−2)及び必要により鎖伸長剤[前記ジオール(b0)及びジアミン(β)等]とから構成される。
ポリエーテル含有親水性ポリマー(b2)におけるオキシエチレン基の含有率は、透湿性及び成形性の観点から、ポリエーテル含有親水性ポリマー(b2)の重量に基づいて好ましくは30〜80重量%であり、更に好ましくは40〜70重量%である。
ポリエーテル含有親水性ポリマー(b2)のMnの下限は、耐熱性の観点から好ましくは800であり、更に好ましくは1,000である。ポリエーテル含有親水性ポリマー(b2)のMnの上限は、疎水性ポリマー(a)との反応性の観点から、好ましくは50,000であり、更に好ましくは30,000である。
非イオン性分子鎖としては、2価の炭化水素基、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、エステル結合、イミノ結合、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合及びシロキシ結合からなる群から選ばれる1種以上の基を有する2価の炭化水素基、並びに窒素原子又は酸素原子を有する複素環構造を有する炭化水素基等が挙げられる。非イオン性分子鎖のうち好ましいのは、2価の炭化水素基及びエーテル結合を有する2価の炭化水素基である。カチオン性基としては、4級アンモニウム塩又はホスホニウム塩を有する基が挙げられる。4級アンモニウム塩又はホスホニウム塩を形成する対アニオンとしては、超強酸アニオン及びその他のアニオン等が挙げられる。超強酸アニオンとしては、プロトン酸とルイス酸との組み合わせから誘導される超強酸(四フッ化ホウ酸及び六フッ化リン酸等)のアニオン及びトリフルオロメタンスルホン酸等のアニオンが挙げられる。その他のアニオンとしては、ハロゲンイオン(F−、Cl−、Br−及びI−等)、OH−、PO4 −、CH3OSO4 −、C2H5OSO4 −、及びClO4 −等が挙げられる。ルイス酸としては、三フッ化ホウ素、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化ヒ素及び五フッ化タンタル等が挙げられる。カチオン性ポリマー(b3)1分子中のカチオン性基の数は、好ましくは2〜80個であり、更に好ましくは3〜60個である。
スルホニル基を有するジカルボン酸(γ’)としては、前記ジカルボン酸(γ)にスルホニル基を導入したものが挙げられ、スルホニル基を有する芳香族ジカルボン酸、スルホニル基を有する脂肪族ジカルボン酸、及びスルホニル基のみが塩となったスルホニル基を有する芳香族ジカルボン酸又は脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。
スルホニル基を有する脂肪族ジカルボン酸としては、スルホコハク酸、及びそのエステル形成性誘導体[アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル及びエチルエステル等)及び酸無水物等]が挙げられる。
スルホニル基のみが塩となったスルホニル基を有する芳香族ジカルボン酸又は脂肪族ジカルボン酸を形成する塩としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)塩、アルカリ土類金属(マグネシウム及びカルシウム等)塩、アンモニウム塩、ヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)基を有するモノ、ジ又はトリアミン(モノ、ジ又はトリエチルアミン、モノ、ジ又はトリエタノールアミン及びジエチルエタノールアミン等)等のアミン塩及び前記アミンの4級アンモニウム塩等が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、スルホニル基を有する芳香族ジカルボン酸であり、更に好ましいのは5−スルホイソフタル酸塩、特に好ましいのは5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩及び5−スルホイソフタル酸カリウム塩である。
アニオン性ポリマー(b4)の製法としては、公知のポリエステルの製法がそのまま適用できる。ポリエステル化反応は、減圧下150〜240℃の温度範囲で行われ、反応時間は好ましくは0.5〜20時間である。また、必要によりエステル化反応に用いられる公知の触媒を用いてもよい。エステル化触媒としては、アンチモン触媒(三酸化アンチモン等)、錫触媒(モノブチル錫オキサイド及びジブチル錫オキサイド等)、チタン触媒(テトラブチルチタネート等)、ジルコニウム触媒(テトラブチルジルコネート等)及び酢酸金属塩触媒(酢酸亜鉛等)等が挙げられる。
親水性ポリマー(b)のブロックが有するポリアミド(a1)は、炭素数4〜20のラクタムが構成単量体であるポリアミド、炭素数2〜20のアミノカルボン酸が構成単量体であるポリアミド、炭素数2〜20のジアミン(β)と炭素数2〜20のジカルボン酸(γ)とが構成単量体であるポリアミド、若しくはこれらの構成単量体の共重合体であることが好ましい。
ブロックポリマー(C)の構造としては、成型物の透湿性及び機械物性の観点から、疎水性ポリマー(a)のブロックと、親水性ポリマー(b)のブロックとが繰り返し交互に結合した[(a)−(b)]n型のものが好ましい。
[(a)−(b)]n型の構造におけるnは、成型物の透湿性及び機械物性の観点から、好ましくは2〜50であり、更に好ましくは2.3〜30、特に好ましくは2.7〜20、最も好ましくは3〜10である。nは、ブロックポリマー(C)のMn及び1H−NMR分析により求めることができる。
疎水性ポリマー(a)のブロックと、親水性ポリマー(b)を反応容器に投入し、撹拌下、反応温度100〜250℃、圧力0.003〜0.1MPaで、アミド化反応、エステル化反応又はイミド化反応で生成する水(以下生成水と略記する。)を反応系外に除去しながら、1〜50時間反応させる方法が挙げられる。疎水性ポリマー(a)のブロックと、親水性ポリマー(b)の重量比は、透水性及びフィルムの機械物性観点から、10/90〜80/20であり、更に好ましくは20/80〜75/25である。
(1)水と相溶しない有機溶媒(例えばトルエン、キシレン及びシクロヘキサン等)を使用して、還流下、有機溶媒と生成水とを共沸させて、生成水のみを反応系外に除去する方法。
(2)反応系内にキャリアガス(例えば空気、窒素、ヘリウム、アルゴン及び二酸化炭素等)を吹き込み、キャリアガスと共に生成水を反応系外に除去する方法。
(3)反応系内を減圧にして生成水を反応系外に除去する方法。
疎水性ポリマー(a)を反応容器に投入し、撹拌下30〜100℃に加温した後、親水性ポリマー(b)を投入し、同温度で1〜20時間反応させる方法が挙げられる。疎水性ポリマー(a)のブロックと親水性ポリマー(b)のブロックとの重量比は、透湿性及びフィルムの機械物性の観点から、10/90〜80/20であり、更に好ましくは20/80〜75/25である。
反応を促進させるために、疎水性ポリマー(a)のブロック及び親水性ポリマー(b)のブロックの合計重量に基づいて、0.001〜5重量%の有機金属化合物(ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、オクタン酸鉛及びオクタン酸ビスマス等)、3級アミン{トリエチレンジアミン、炭素数1〜8のアルキル基を有するトリアルキルアミン(トリメチルアミン、トリブチルアミン、及びトリオクチルアミン等)及びジアザビシクロアルケン類〔1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7〕等}等の触媒を用いることが好ましい。
帯電防止性向上剤(D)としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩(D1)、4級アンモニウム塩(D2)、界面活性剤(D3)及びイオン性液体(D4)等が挙げられる。
なかでも、帯電防止性樹脂組成物の合計重量に基づく着色剤(E1)の含有率は、成形品の機械物性の観点から、好ましくは0.1〜3重量%であり、更に好ましくは0.2〜2重量%であり、帯電防止性樹脂組成物の合計重量に基づく離型剤(E2)、酸化防止剤(E3)及び紫外線吸収剤(E5)の含有率は、それぞれ成形品の機械物性の観点から、好ましくは0.01〜3重量%であり、更に好ましくは0.05〜1重量%であり、帯電防止性樹脂組成物の合計重量に基づく難燃剤(E4)及び抗菌剤(E6)の含有率は、成形品の機械物性の観点から、それぞれ好ましくは0.5〜20重量%であり、更に好ましくは1〜10重量%であり、帯電防止性樹脂組成物の合計重量に基づく相溶化剤(E7)及び充填剤(E8)の含有率は、成形品の機械物性の観点から、それぞれ好ましくは0.5〜10重量%であり、更に好ましくは1〜5重量%である。
[1]熱可塑性樹脂(B)を溶融した後、環状ポリエーテルエステル(A)及び必要により帯電防止性向上剤(D)及び添加剤(E)を一括投入して溶融混合する方法。
[2]熱可塑性樹脂(B)と環状ポリエーテルエステル(A)の一部をあらかじめ溶融混合して高濃度組成物(マスターバッチ)を作製した後、残りの熱可塑性樹脂並びに必要に応じて帯電防止性向上剤(D)及び添加剤(E)を溶融混合する方法(マスターバッチ法又はマスターペレット法)。
[2]の方法を用いる場合、マスターバッチ中の環状ポリエーテルエステル(A)の濃度は、好ましくは40〜80重量%であり、更に好ましくは50〜70重量%である。
[1]及び[2]の方法のうち、環状ポリエーテルエステル(A)を熱可塑性樹脂に効率的に分散しやすいという観点から、[2]の方法が好ましい。
成形品を塗装する方法としては、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電スプレー塗装、浸漬塗装、ローラー塗装及び刷毛塗り等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
塗料としては、プラスチックの塗装に一般に用いられる塗料が使用でき、具体的にはポリエステルメラミン樹脂塗料、エポキシメラミン樹脂塗料、アクリルメラミン樹脂塗料及びアクリルウレタン樹脂塗料等が挙げられる。
塗装膜厚(乾燥膜厚)は、目的に応じて適宜選択することができるが10〜50μmであることが好ましい。
印刷インキとしては、プラスチックの印刷に用いられる公知の印刷インキが使用でき、グラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ、パッドインキ、ドライオフセットインキ及びオフセットインキ等が挙げられる。
撹拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、15−ペンタデカノラクトン240部(1モル)、「キョーワード500」[協和化学工業(株)製:Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O]24.2部及び過塩素酸アルミニウム九水和物1部を入れて密閉した後、減圧下で160℃にて3時間加熱し、脱水処理した。次いで180℃まで昇温し、180℃でゲージ圧が0.1〜0.5MPaの範囲に入るように調整しながらエチレンオキサイド(以下、EOと略記する)88部をオートクレーブ内に導入した。EO全量を導入した後、圧力が0.01MPaなるまで撹拌を継続した。その後、水酸化カリウム0.3部を追加して、更にEO176部を180℃でゲージ圧が0.1〜0.5MPaとなるように導入した。EO全量を導入した後、圧力が0.01MPaになるまで撹拌を継続して15−ペンタデカノラクトンとEOとの反応を行った。EOの付加反応に要した合計時間は8時間であった。その後、EOの付加反応で得られた反応混合物から触媒をろ別して、環状ポリエーテルエステル組成物(A1)を得た。
得られた環状ポリエーテルエステル組成物(A1)についてMALDI−TOF MSによる分析を行った。
環状ポリエーテルエステル組成物(A1)は、mが1〜3であり、nが1〜30である一般式(1)で表される環状ポリエーテルエステル(A1)を合計して90重量%含む環状ポリエーテルエステルの混合物であり、環状ポリエーテルエステル(A1)のnの平均値(すなわちEOの平均付加モル数)は6であり、環状ポリエーテルエステル(A1)のうち、nが5〜10である環状ポリエーテルエステルの合計重量が、環状ポリエーテルエステル(A1)の合計重量に対して85重量%であった。
撹拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、15−ペンタデカノラクトン240部、「キョーワード500」24.2部、及び過塩素酸アルミニウム九水和物1部を入れて密閉した後、減圧下で160℃にて3時間加熱し、脱水処理した。次いで150℃に温調し、150℃でゲージ圧が0.1〜0.3MPaなるように調整しながらプロピレンオキサイド(以下、POと略記する)61部をオートクレーブ内に導入した。PO全量を導入した後、圧力が0.01MPaになるまで撹拌を継続して15−ペンタデカノラクトンとPOとの反応を行った。POの付加反応に要した時間は12時間であった。次いで180℃に温調し、180℃でゲージ圧が1〜3kgf/cm2となるように調整しながらEO220部をオートクレーブ内に導入した。EO全量を導入した後、更に圧力が0.01MPaになるまで撹拌を継続してEOの反応を行った。EOの付加反応に要した時間は7時間であった。EOの付加反応を終えて得られた反応混合物から触媒をろ別し、環状ポリエーテルエステル組成物(A2)を得た。
得られた環状ポリエーテルエステル組成物(A1)についてMALDI−TOF MSによる分析を行った。
撹拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、15−ペンタデカノラクトン240部、及び「キョーワード500」〔協和化学工業(株)製:Mg6 Al2 (OH)16 CO3 ・4H2 O〕24.2部を入れて密閉した後、減圧下で160℃にて3時間加熱し、脱水処理した。次いで180℃に温調し、180℃でゲージ圧が0.1〜0.5MPaの範囲に入るように調整しながらEO264部をオートクレーブ内に導入した。EO全量を投入した後、圧力が0.01MPaになるまで撹拌を継続して15−ペンタデカノラクトンとEOとの反応を行った。EOの付加反応に要した時間は10時間であった。その後、EOの付加反応で得られた反応混合物から触媒をろ別して、環状ポリエーテルエステル組成物(A3)を得た。
得られた環状ポリエーテルエステル組成物(A3)についてMALDI−TOF MSによる分析を行った。
環状ポリエーテルエステル組成物(A3)は、mが1〜3であり、nがそれぞれ1〜30である前記の一般式(1)で表される環状ポリエーテルエステル(A3)を合計して85重量%含む混合物であり、環状ポリエーテルエステル(A3)のnの平均値(すなわちEOの平均付加モル数)は6であり、環状ポリエーテルエステル(A3)のうち、nが5〜10である環状ポリエーテルエステルの合計重量は環状ポリエーテルエステル(A3)の合計重量に対して28重量%であった。
撹拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、15−ペンタデカノラクトン240部、「キョーワード500」[協和化学工業(株)製:Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O]24.2部及び過塩素酸アルミニウム九水和物1部を入れて密閉した後、減圧下で160℃にて3時間加熱し、脱水処理した。次いで180℃まで昇温し、180℃でゲージ圧が0.1〜0.5MPaの範囲に入るように調整しながらエチレンオキサイド(以下、EOと略記する)88部(2モル)をオートクレーブ内に導入した。EO全量を導入した後、圧力が0.01MPaになるまで撹拌を継続した。その後、水酸化カリウム0.3部を追加して、更にEO352部を180℃でゲージ圧が0.1〜0.5MPaとなるように導入した。EO全量を導入した後、圧力が0.01MPaになるまで撹拌を継続して15−ペンタデカノラクトンとEOとの反応を行った。EOの付加反応に要した合計時間は8時間であった。その後、EOの付加反応で得られた反応混合物から触媒をろ別して、環状ポリエーテルエステル組成物(A4)を得た。得られた環状ポリエーテルエステル組成物(A4)についてMALDI−TOF MSによる分析を行った。
環状ポリエーテルエステル組成物(A4)は、mが1〜3であり、nが1〜30である一般式(1)で表される環状ポリエーテルエステル(A4)を合計して90重量%含む環状ポリエーテルエステルの混合物であり、環状ポリエーテルエステル(A4)のnの平均値(すなわちEOの平均付加モル数)は10であり、環状ポリエーテルエステル(A4)のうち、nが8〜13である環状ポリエーテルエステルの合計重量が、環状ポリエーテルエステル(A4)の合計重量に対して85重量%であった。
撹拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、15−ペンタデカノラクトン240部、「キョーワード500」[協和化学工業(株)製:Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O]24.2部及び過塩素酸アルミニウム九水和物1部を入れて密閉した後、減圧下で160℃にて3時間加熱し、脱水処理した。次いで180℃まで昇温し、180℃でゲージ圧が0.1〜0.5MPaの範囲に入るように調整しながらエチレンオキサイド(以下、EOと略記する)88部をオートクレーブ内に導入した。EO全量を導入した後、圧力が0.1〜0.5MPaになるまで撹拌を継続した。その後、水酸化カリウム0.3部を追加して、更にEO1232部を180℃でゲージ圧が0.1〜0.5MPaとなるように導入した。EO全量を導入した後、圧力が0.01MPaになるまで撹拌を継続して15−ペンタデカノラクトンとEOとの反応を行った。EOの付加反応に要した合計時間は8時間であった。その後、EOの付加反応で得られた反応混合物から触媒をろ別して、環状ポリエーテルエステル組成物(A5)を得た。
得られた環状ポリエーテルエステル組成物(A5)についてMALDI−TOF MSによる分析を行った。
環状ポリエーテルエステル組成物(A5)は、mが1〜3であり、nが1〜30である一般式(1)で表される環状ポリエーテルエステル(A5)を合計して90重量%含む環状ポリエーテルエステルの混合物であり、環状ポリエーテルエステル(A5)のnの平均値(すなわちEOの平均付加モル数)は30であり、環状ポリエーテルエステル(A5)のうち、nが28〜33である環状ポリエーテルエステルの合計重量が、環状ポリエーテルエステル(A5)の合計重量に対して85重量%であった。
「キョーワード300」〔化学式:2.5MgO・Al2O3・nH2O(nは正数)、協和化学工業(株)製〕を電気炉にて窒素気流下900℃で24時間加熱処理し、焼成物を調整した。
攪拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、15−ペンタデカノラクトン30部[東京化成工業(株)製]と製造例1で得られた焼成物1部を投入した。窒素通気を1時間行った後、減圧(ゲージ圧−0.1 MPa)した。次いで150℃に昇温し、エチレンオキサイド27.5部を150℃にて、10時間かけて圧入した。その後、10時間熟成し、環状ポリエーテルエステル化合物(A)を含有する混合物(PA6)を得た。
得られた混合物(PA6)を50℃まで冷却し、エタノール100部を加えて50℃に温調した後、濾過助剤であるラヂオライト#700[昭和化学工業(株)製]5部及びキョーワード600[協和化学工業(株)製]5部を層状に充填した吸引漏斗で濾過して触媒を濾別した。次いで、エタノールを減圧留去し、環状ポリエーテルエステル化合物(A6)を得た。
得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A6)について、MALDI−TOF MS[MALDI質量分析装置AXIMA−Performance、(株)島津製作所製、以下同様]による分析を行った結果、環状ポリエーテルエステル化合物(A6)は、一般式(1)において、R1がテトラデカメチレン基であり、R2がエチレン基であり、n=5である本発明の環状ポリエーテルエステル化合物と、更に[R1CO(OR2)nO]で表される繰り返し単位を2個有する環状ポリエーテルエステル化合物と3個有する環状ポリエーテルエステル化合物とを含有する混合物であった。
攪拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、製造例7で得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A6)5部と製造例1で得られた焼成物2部、及びキシレン25部を投入した。窒素通気を1時間行った後、減圧(ゲージ圧−0.1MPa)した。次いで150℃に昇温し、エチレンオキサイド45.4部を150℃にて、10時間かけて圧入した。その後、10時間熟成し、環状ポリエーテルエステル化合物(A6)(A)を含有する混合物(PA7−1)を得た。
得られた混合物(PA7−1)を50℃まで冷却し、エタノール100部を加えて50℃に温調した後、濾過助剤であるラヂオライト#700[昭和化学工業(株)製]5部及びキョーワード600[協和化学工業(株)製]5部を層状に充填した吸引漏斗で濾過して触媒を濾別した。次いで、エタノールを減圧留去し、環状ポリエーテルエステル化合物(A7)を得た。
得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A7)について、MALDI−TOF MS[MALDI質量分析装置AXIMA−Performance、(株)島津製作所製、以下同様]による分析を行った結果、環状ポリエーテルエステル化合物(A7)は、一般式(1)において、R1がテトラデカメチレン基であり、R2がエチレン基であり、n=100である本発明の環状化合物と、更に[R1CO(OR2)nO]で表される繰り返し単位を2個有する環状化合物と3個有する環状ポリエーテルエステル化合物(A6)とを含有する混合物であった。
攪拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、製造例8で得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A7)10部と製造例1で得られた焼成物2部、及びキシレン20部を投入した。窒素通気を1時間行った後、減圧(ゲージ圧−0.1MPa)した。次いで150℃に昇温し、エチレンオキサイド14.2部を150℃にて、3時間かけて圧入した。その後、10時間熟成し、環状ポリエーテルエステル化合物を含有する混合物(PA8−1)を得た。
次いで、プロピレンオキサイド31.2部を10時間かけて圧入し、さらに10時間熟成させて環状ポリエーテルエステル化合物を含有する混合物(PA8−2)を得た。
得られた混合物(PA8−2)を50℃まで冷却し、エタノール100部を加えて50℃に温調した後、濾過助剤であるラヂオライト#700[昭和化学工業(株)製]5部及びキョーワード600[協和化学工業(株)製]5部を層状に充填した吸引漏斗で濾過して触媒を濾別した。次いで、エタノールを減圧留去し、環状ポリエーテルエステル化合物(A8)を得た。
得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A8)について、MALDI−TOF MS[MALDI質量分析装置AXIMA−Performance、(株)島津製作所製、以下同様]による分析を行った結果、環状ポリエーテルエステル化合物(A8)は、一般式(1)において、R1がテトラデカメチレン基であり、R2がエチレン基及びメチルエチレン基であり、n=500(EO:PO=250:250)である本発明の環状ポリエーテルエステル化合物と、更に[R1CO(OR2)nO]で表される繰り返し単位を2個有する環状ポリエーテルエステル化合物と3個有する環状化合物を含有する混合物であった。
攪拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、15−ペンタデカノラクトン[東京化成工業(株)製]20部と製造例1で得られた焼成物2部を投入した。窒素通気を1時間行った後、減圧(ゲージ圧−0.1 MPa)した。次いで150℃に昇温し、プロピレンオキサイド48.3部を150℃にて、10時間かけて圧入後、5時間熟成し環状ポリエーテルエステル化合物を含有する混合物(PA9−1)た。得られた混合物(PA9−1)を50℃まで冷却し、エタノール100部を加えて50℃に温調した後、濾過助剤であるラヂオライト#700[昭和化学工業(株)製]5部及びキョーワード600[協和化学工業(株)製]5部を層状に充填した吸引漏斗で濾過して触媒を濾別した。次いで、エタノールを減圧留去し、環状ポリエーテルエステル化合物(PA9−2)を得た。
攪拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、環状ポリエーテルエステル化合物(PA9−2)20部と製造例1で得られた焼成物2部を投入した。窒素通気を1時間行った後、減圧(ゲージ圧−0.1 MPa)した。次いで150℃に昇温し、エチレンオキサイド42.9部を150℃にて、10時間かけて圧入後、5時間熟成し環状ポリエーテルエステル化合物を含有する混合物(PA9−2)た。得られた混合物(PA9−1)を50℃まで冷却し、エタノール100部を加えて50℃に温調した後、濾過助剤であるラヂオライト#700[昭和化学工業(株)製]5部及びキョーワード600[協和化学工業(株)製]5部を層状に充填した吸引漏斗で濾過して触媒を濾別した。次いで、エタノールを減圧留去し、環状ポリエーテルエステル化合物(A9)を得た。
得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A9)について、MALDI−TOF MS[MALDI質量分析装置AXIMA−Performance、(株)島津製作所製、以下同様]による分析を行った結果、環状ポリエーテルエステル化合物(A9)は、一般式(1)において、R1がテトラデカメチレン基であり、R2がエチレン基及びメチルエチレン基であり、n=50(EO40モル,PO10モル)である本発明の環状ポリエーテルエステル化合物と、更に[R1CO(OR2)nO]で表される繰り返し単位を2個有する環状ポリエーテルエステル化合物と3個有する環状ポリエーテルエステル化合物とを含有する混合物であった。
攪拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、15−ペンタデカノラクトン20部[東京化成工業(株)製]と製造例1で得られた焼成物3部を投入した。窒素通気を1時間行った後、減圧(ゲージ圧−0.1 MPa)した。次いで150℃に昇温し、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド(モル比4/1)混合物39部を150℃にて、10時間かけて圧入後、10時間熟成した。次いでオートクレーブから反応混合物41.0部を抜き取り、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド(モル比4/1)混合物52.9部を10時間かけて圧入後、10時間熟成することで環状ポリエーテルエステル化合物を含有する混合物(PA10−1)を得た。
得られた混合物(PA10−1)を50℃まで冷却し、エタノール100部を加えて50℃に温調した後、濾過助剤であるラヂオライト#700[昭和化学工業(株)製]5部及びキョーワード600[協和化学工業(株)製]5部を層状に充填した吸引漏斗で濾過して触媒を濾別した。次いで、エタノールを減圧留去し、環状ポリエーテルエステル化合物(A10)を得た。
得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A10)について、MALDI−TOF MS[MALDI質量分析装置AXIMA−Performance、(株)島津製作所製、以下同様]による分析を行った結果、環状ポリエーテルエステル化合物(A10)は、一般式(1)において、R1がテトラデカメチレン基であり、R2がエチレン基及びメチルエチレン基であり、n=50(EO40モル,PO10モル)である本発明の環状ポリエーテルエステル化合物と、更に[R1CO(OR2)nO]で表される繰り返し単位を2個有する環状ポリエーテルエステル化合物と3個有する環状ポリエーテルエステル化合物とを含有する混合物であった。
攪拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、製造例8で得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A7)20部と製造例1で得られた焼成物2部、及びキシレン30部を投入した。窒素通気を1時間行った後、減圧(ゲージ圧−0.1 MPa)した。次いで150℃に昇温し、エチレンオキサイド20.0部を150℃にて、5時間かけて圧入した。その後、10時間熟成し、環状ポリエーテルエステル化合物を含有する混合物(PA11−1)を得た。オートクレーブから混合物(PA11−1)54部を抜き取った後、製造例1で得られた焼成物2部、及びキシレン30部を投入した。窒素通気を1時間行った後、減圧(ゲージ圧−0.1 MPa)した。次いで150℃に昇温し、エチレンオキサイド37.7部を150℃にて、6時間かけて圧入した。その後、10時間熟成し、環状ポリエーテルエステル化合物を含有する混合物(PA11−2)を得た。得られた混合物(PA11−2)からキシレンを減圧留去し、60℃まで冷却し、エタノール200部を加えて60℃に温調した後、濾過助剤であるラヂオライト#700[昭和化学工業(株)製]5部及びキョーワード600[協和化学工業(株)製]5部を層状に充填した吸引漏斗で濾過して触媒を濾別した。次いで、エタノールを減圧留去し、環状ポリエーテルエステル化合物(A11)を得た。
得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A11)について、MALDI−TOF MS[MALDI質量分析装置AXIMA−Performance、(株)島津製作所製、以下同様]による分析を行った結果、環状ポリエーテルエステル化合物(A11)は、一般式(1)において、R1がテトラデカメチレン基であり、R2がエチレン基であり、n=1000である本発明の環状ポリエーテルエステル化合物と、更に[R1CO(OR2)nO]で表される繰り返し単位を2個有する環状ポリエーテルエステル化合物と3個有する環状ポリエーテルエステル化合物とを含有する混合物であった。
攪拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、製造例12で得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A11)20部と製造例1で得られた焼成物2部、及びキシレン40部を投入した。窒素通気を1時間行った後、減圧(ゲージ圧−0.1 MPa)した。次いで150℃に昇温し、エチレンオキサイド19.9部を150℃にて、3時間かけて圧入した。その後、5時間熟成し、環状ポリエーテルエステル化合物を含有する混合物(PA12−1)を得た。得られた混合物(PA12−1)からキシレンを減圧留去し、60℃まで冷却し、エタノール200部を加えて60℃に温調した後、濾過助剤であるラヂオライト#700[昭和化学工業(株)製]5部及びキョーワード600[協和化学工業(株)製]5部を層状に充填した吸引漏斗で濾過して触媒を濾別した。次いで、エタノールを減圧留去し、環状ポリエーテルエステル化合物(A12)を得た。
得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A12)について、MALDI−TOF MS[MALDI質量分析装置AXIMA−Performance、(株)島津製作所製、以下同様]による分析を行った結果、環状ポリエーテルエステル化合物(A12)は、一般式(1)において、R1がテトラデカメチレン基であり、R2がエチレン基であり、n=1500である本発明の環状ポリエーテルエステル化合物と、更に[R1CO(OR2)nO]で表される繰り返し単位を2個有する環状ポリエーテルエステル化合物と3個有する環状ポリエーテルエステル化合物とを含有する混合物であった。
攪拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、製造例13で得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A12)20部と製造例1で得られた焼成物2部、及びキシレン40部を投入した。窒素通気を1時間行った後、減圧(ゲージ圧−0.1 MPa)した。次いで150℃に昇温し、エチレンオキサイド6.6部を150℃にて、1時間かけて圧入した。その後、5時間熟成し、環状ポリエーテルエステル化合物を含有する混合物(PA13−1)を得た。得られた混合物(PA13−1)からキシレンを減圧留去し、60℃まで冷却し、エタノール200部を加えて60℃に温調した後、濾過助剤であるラヂオライト#700[昭和化学工業(株)製]5部及びキョーワード600[協和化学工業(株)製]5部を層状に充填した吸引漏斗で濾過して触媒を濾別した。次いで、エタノールを減圧留去し、環状ポリエーテルエステル化合物(A13)を得た。
得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A13)について、MALDI−TOF MS[MALDI質量分析装置AXIMA−Performance、(株)島津製作所製、以下同様]による分析を行った結果、環状ポリエーテルエステル化合物(A13)は、一般式(1)において、R1がテトラデカメチレン基であり、R2がエチレン基であり、n=2000である本発明の環状ポリエーテルエステル化合物と、更に[R1CO(OR2)nO]で表される繰り返し単位を2個有する環状ポリエーテルエステル化合物と3個有する環状ポリエーテルエステル化合物とを含有する混合物であった。
製造例7で得られたポリエーテルエステル化合物(A6)5部をメタノール100部に溶解させ、ナトリウムメトキシド0.1部[和光純薬工業(株)製]を加え、50℃にてマグネチックスターラーで5時間撹拌した。次いで、DOWEXTM 50WX8(100−200メッシュ)[ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー社製]を充填したクロマト管に通液した後、減圧乾燥させて鎖状ポリエーテルエステル化合物(A′6)を得た。
比較製造例1において、製造例8で得られたポリエーテルエステル化合物(A7)を製造例8で得られたポリエーテルエステル化合物(A7)に変更した以外は比較製造例1と同様にして、鎖状ポリエーテルエステル化合物(A′7)を得た。
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、ε−カプロラクタム173部、テレフタル酸33.2部、酸化防止剤[「イルガノックス1010」、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製]0.4部及び水10部を投入し、窒素置換後、密閉下、撹拌しながら220℃まで昇温し、同温度(圧力:0.2〜0.3MPa)で4時間撹拌し、両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(a1−1)を得た。ポリアミド(a1−1)の酸価は111、Mnは1,000であった。
[カルボキシル基を両末端に有するポリオレフィン(a2−1−1α)の製造]
製造例15と同様の耐圧反応容器に、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン[ポリプロピレン(MFR:10g/10min)を410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)に16分間熱減成して得られたもの。Mn:3,400、炭素数1,000個当たりの二重結合数:7.0、1分子当たりの二重結合の平均数:1.8、両末端変性可能なポリオレフィンの含有率:90重量%]90部、無水マレイン酸10部及びキシレン30部を投入し、均一に混合した後、窒素置換し、密閉下、撹拌しながら200℃まで昇温して溶融させ、同温度で10時間反応させた。次いで、過剰の無水マレイン酸とキシレンを、減圧下(0.013MPa以下)、200℃で3時間かけて留去して、カルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2−1−1α)95部を得た。(a2−1−1α)の酸価は27.5、Mnは3,600であった。
[ポリオレフィン(a2−1−1α)を二次変性して得られたポリオレフィン(a2−1−2)の製造]
製造例15と同様の耐圧反応容器に、製造例16で得られたポリオレフィン(a2−1−1α)88部及び12−アミノドデカン酸12部を投入し、均一に混合後、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながら200℃まで昇温し、同温度で減圧下(0.013MPa以下)3時間反応させてポリオレフィン(a2−1−1α)を二次変性し、12−アミノドデカン酸で二次変性して得られるポリオレフィン(a2−1−2)96部を得た。ポリオレフィン(a2−1−2)の酸価は24.8、Mnは4,000であった。
[水酸基を両末端に有するポリオレフィン(a2−2)の製造]
製造例16において、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン90部及び無水マレイン酸10部を、熱減成法で得られた低分子量エチレン/プロピレンランダム共重合体94部及び無水マレイン酸6部に変更した以外は製造例7と同様にして、カルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2−1−1β)98部を得た。
ポリオレフィン(a2−1−1β)の酸価は9.9、Mnは10,200であった。
なお、前記の熱減成法で得られた低分子量エチレン/プロピレンランダム共重合体(Mn:10,000、炭素数1,000個当たりの二重結合数:2.5、1分子当たりの二重結合の平均数:1.8、両末端変性可能なポリオレフィンの含有率:90重量%)は、エチレン/プロピレンランダム共重合体(エチレン含有率:2重量%、MFR:10g/10min)を410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)、14分間熱減成して得られたものである。
次いで、製造例6と同様の耐圧反応容器に、ポリオレフィン(a2−1−1β)97部及びエタノールアミン5部を投入し、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながら180℃に昇温し、同温度で2時間反応させた。更に過剰のエタノールアミンを減圧下(0.013MPa以下)、180℃で2時間かけて留去し、水酸基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2−2)を得た。ポリオレフィン(a2−2)の水酸基価は9.9、アミン価は0.01、Mnは10,200であった。
[アミノ基を両末端に有する変性ポリオレフィン(a2−4)の製造]
製造例16において、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン90部及び無水マレイン酸10部を、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン80部及び無水マレイン酸20部に変更した以外は製造例7と同様にして、カルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2−1−1γ)92部を得た。ポリオレフィン(a2−1−1γ)の酸価は64.0、Mnは1,700であった。
なお、前記の熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン(Mn:1,500、炭素数1,000個当たりの二重結合数:17.8、1分子当たりの二重結合の平均数:1.94、両末端変性可能なポリオレフィンの含有率:98重量%)は、エチレン/プロピレンランダム共重合体(エチレン含有率:3重量%、MFR:7g/10min)を410±0.1℃、18分間熱減成して得られたものである。
次いで、製造例15と同様の耐圧反応容器に、ポリオレフィン(a2−1−1γ)90部及びビス(2−アミノエチル)エーテル10部を投入し、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながら200℃に昇温し、同温度で2時間反応させた。更に過剰のビス(2−アミノエチル)エーテルを減圧下(0.013MPa以下)、200℃で2時間かけて留去し、アミノ基を両末端に有する変性ポリオレフィン(a2−4)を得た。変性ポリオレフィン(a2−4)のアミン価は64.0、Mnは1,700であった。
[カチオン性ポリマー(b3α)の製造]
製造例15と同様の耐圧反応容器に、N−メチルジエタノールアミン41部、アジピン酸49部及び酢酸ジルコニル0.3部を投入し、窒素置換後、2時間かけて220℃まで昇温し、1時間かけて0.013MPaまで減圧してポリエステル化反応を行った。反応終了後、50℃まで冷却し、メタノール100部を加えて溶解した。続いて、撹拌しながら反応容器中の温度を120℃に保ち、炭酸ジメチル31部を3時間かけて滴下し、同温度で6時間撹拌を継続して反応熟成を行った。その後、室温まで冷却し、60重量%ヘキサフルオロリン酸水溶液100部を加え、室温で1時間撹拌した。次いでメタノールを減圧留去し、4級アンモニウム基を平均12個有するカチオン性ポリマー(b3α)(水酸基価:30.1、酸価:0.5、体積固有抵抗値:1×105Ω・cm)を得た。
[アニオン性ポリマー(b4α)の製造]
製造例15と同様の耐圧反応容器に、ジエチレングリコール114部、5−スルホイソフタル酸ジメチルエステルのナトリウム塩268部及びジブチル錫オキサイド0.2部を投入し、0.067MPaの減圧下で190℃まで昇温し、メタノールを留去しながら同温度で6時間撹拌を行うことでエステル交換反応を行い、1分子内にスルホン酸ナトリウム塩基を平均6個有するアニオン性ポリマー(b4α)(水酸基価は49、酸価は0.6、体積固有抵抗値は3×108Ω・cm)を得た。
[アニオン性ポリマー(b4β)の製造]
製造例15と同様の耐圧反応容器に、PEG(Mn:300)67部、5−スルホイソフタル酸ジメチルエステルのナトリウム塩49部及びジブチルスズオキシド0.2部を投入し、0.067MPaの減圧下で190℃まで昇温し、メタノールを留去しながら同温度で6時間撹拌を行うことでエステル交換反応を行い、1分子内にスルホン酸ナトリウム塩基を平均5個有するアニオン性ポリマー(b4β)(水酸基価:29.6、酸価:0.4、体積固有抵抗値:2×106Ω・cm)を得た。
[ブロックポリマー(C1−1)の製造]
撹拌機、温度計及び加熱冷却装置を備えた反応容器に、ポリアミド(a1−1)199部及びビスフェノールAのEO付加物(Mn:4,000、体積固有抵抗値:2×107Ω・cm)780部及び酢酸ジルコニル0.6部を投入し、撹拌しながら240℃に昇温し、減圧下(0.013MPa以下)同温度で6時間撹拌して縮合反応を行い、粘稠なブロックポリマー(C1−1)を得た。ブロックポリマー(C1−1)のMnは24,000であった。
[ブロックポリマー(C1−2)の製造]
製造例15と同様の耐圧反応容器に、ポリアミド(a1−1)143部、製造例21で得られたアニオン性ポリマー(b4α)320部及び酸化防止剤「イルガノックス1010」0.3部を投入し、撹拌しながら240℃に昇温し、減圧下(0.013MPa以下)同温度で5時間反応して、粘稠なブロックポリマー(C1−2)を得た。ブロックポリマー(C1−2)のMnは21,000であった。
[ブロックポリマー(C2−1)の製造]
製造例15と同様の耐圧反応容器に、ポリオレフィン(a2−1−1α)67.1部、ポリエーテルジアミン(b1−2)[α,ω−ジアミノPEG(Mn:2,000、体積固有抵抗値:1×107Ω・cm)]32.9部、酸化防止剤「イルガノックス1010」0.3部及び酢酸ジルコニル0.5部を投入し、撹拌しながら220℃に昇温し、減圧下(0.013MPa以下)同温度で3時間反応して、粘稠なブロックポリマー(C2−1)を得た。ブロックポリマー(C2−1)のMnは50,000であった。
[ブロックポリマー(C2−2)の製造]
製造例16で得られたポリオレフィン(a2−1−1α)67.1部及びポリエーテルジアミン(b1−2)32.9部を、製造例8で得られたポリオレフィン(a2−1−2)60.1部及びポリエーテルジオール(b1−1α)[PEG(Mn:3,000、体積固有抵抗値:1×107Ω・cm)]39.9部に変更した以外は、製造例25と同様にして、ブロックポリマー(B2−2)を得た。ブロックポリマー(B2−2)のMnは30,000であった。
[ブロックポリマー(C2−3)の製造]
製造例16で得られたポリオレフィン(a2−1−1α)67.1部及びポリエーテルジアミン(b1−2)32.9部を、製造例9で得られたポリオレフィン(a2−2)48.0部、製造例11で得られたカチオン性ポリマー(b3α)48.0部及びドデカン二酸4部に変更した以外は製造例25と同様にして、ブロックポリマー(C2−3)を得た。ブロックポリマー(C2−3)のMnは100,000であった。
[ブロックポリマー(C2−4)の製造]
製造例16で得られたポリオレフィン(a2−1−1α)67.1部及びポリエーテルジアミン(b1−2)32.9部を、製造例10で得られたポリオレフィン(a2−4)31.6部、アニオン性ポリマー(b4β)68.4部及びドデカン二酸8部に変更した以外は製造例25と同様にして、ブロックポリマー(C2−4)を得た。ブロックポリマー(C2−4)のMnは10,000であった。
[ブロックポリマー(C2−5)の製造]
製造例16で得られたポリオレフィン(a2−1−1α)67.1部及びポリエーテルジアミン(b1−2)32.9部を、ポリオレフィン(a2−1−2)71.5部及びポリエーテルジオール(b1−1β)[ポリテトラメチレングリコール(Mn:1,800、体積固有抵抗値:1×1011Ω・cm)28.5部に変更した以外は製造例25と同様にして、ブロックポリマー(C2−5)を得た。ブロックポリマー(C2−5)のMnは40,000であった。
[ブロックポリマー(C2−6)の製造]
製造例16で得られたポリオレフィン(a2−1−1α)67.1部及びポリエーテルジアミン(b1−2)32.9部を、ポリオレフィン(a2−2)48.0部、カチオン性ポリマー(b3α)48.0部及びヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)3部に変更した以外は製造例25と同様にして、ブロックポリマー(C2−6)を得た。ブロックポリマー(C2−6)のMnは100,000であった。
[ブロックポリマー(C’−1)の製造]
特開2012−97239号公報記載の化合物2と同様に作成し、ブロックポリマー(C’−1)を得た。
帯電防止性樹脂組成物を構成する原料を、表1に記載した量でドライブレンドした混合物を、表1及び表2に記載の温度に加熱した二軸押出機を用いて混合し、帯電防止性樹脂組成物を得た。
なお、表1及び表2に記載の熱可塑性樹脂(B−1)としては、ポリプロピレン樹脂であるサンアロマー株式会社製の「PM771M」を使用し、(B−2)としては、ポリスチレン樹脂としてはPSジャパン株式会社製の耐衝撃性ポリスチレン樹脂「HIPS433」を使用し、帯電防止性向上剤(D1)としては、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム塩を用いた。また、比較例1で用いたブロックポリマー(B’−1)には、特開2012−97239号公報の実施例に記載されている化合物2[メトキシ(ポリエチレンオキシ)鎖とヒドロキシ(ポリヘキサデシルエチレンオキシ)鎖とからなるブロックポリマー]を特開2012−97239号公報に記載の方法で準備して使用した。比較例の環状エステル(A′1)は東京化成工業株式会社製の15−ペンタデカノラクトンを使用した。
(1)水洗前の表面固有抵抗値
ASTM D257に準拠し、試験片(100×100×2mm)について、超絶縁計「DSM−8103」[東亜電波(株)製]を用いて23℃、湿度50%RHの雰囲気下で測定した。
(2)水洗後の表面固有抵抗値
試験片(100×100×2mm)をななめに立てかけ、23℃、流量100ml/分のイオン交換水100mlの流水で水洗し、その後循風乾燥機(80℃)で3時間乾燥させた。この水洗・乾燥の操作を10回繰り返し、得られた試験片について、(1)と同様の条件で測定した。
(3)アイゾット衝撃強度
ASTM D256 Method A(ノッチ付き、3.2mm厚)に準拠して測定した。
Claims (6)
- 一般式(1)におけるR1が炭素数3〜16の直鎖又は分岐アルキレン基であり、R2が炭素数2〜4のアルキレン基である請求項1に記載の帯電防止性樹脂組成物。
- 環状ポリエーテルエステル(A)を帯電防止性樹脂組成物の合計重量に基づいて0.1〜20重量%含む請求項1又は2に記載の帯電防止性樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂(B)が、疎水性ポリマー(a)のブロックと、親水性ポリマー(b)のブロックとを有するブロックポリマー(C)を含む請求項1〜3のいずれかに記載の帯電防止性樹脂組成物。
- ブロックポリマー(C)の有する疎水性ポリマー(a)のブロックが、アミド形成性モノマー(α)を開環重合又は重縮合して得られる炭素数4〜20のラクタムが構成単量体であるポリアミド、炭素数2〜20のアミノカルボン酸が構成単位であるポリアミド、炭素数2〜20のジアミン(β)と炭素数2〜20のジカルボン酸(γ)とを重縮合して得られるポリアミド、これらポリアミドの構成単量体の共重合体、およびポリオレフィンからなる群より選ばれたブロックのうち少なくとも1種類以上のブロックであり、ブロックポリマー(C)の有する親水性ポリマー(b)のブロックが、ポリエーテルからなるブロックであり、疎水性ポリマー(a)のブロックと親水性ポリマー(b)のブロックとがエステル結合、アミド結合、エーテル結合、イミド結合及びウレタン結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を介して結合したブロックポリマーである請求項4に記載の帯電防止性樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂(B)に含まれるブロックポリマー(C)の重量割合が、熱可塑性樹脂(B)の合計重量に基づいて、5〜100重量%である請求項4又は5に記載の帯電防止性樹脂組成物。
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