JP2018058358A - 積層体及び該積層体で構成される袋 - Google Patents

積層体及び該積層体で構成される袋 Download PDF

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Abstract

【課題】反りが生じることが抑制された積層体を提供する。【解決手段】積層体は、基材/第1接着剤層/金属箔/第2接着剤層/シーラント層、又は基材/印刷層/第1接着剤層/金属箔/第2接着剤層/シーラント層、をこの順で含む。基材は、51質量%以上のポリブチレンテレフタレートを含む。第2接着剤層は、ポリオール及び脂肪族系イソシアネート化合物の硬化物を含む。【選択図】図3

Description

本発明は、積層体及び該積層体で構成される袋に関する。
従来、調理済あるいは半調理済の液体、粘体あるいは液体と固体とが混在する内容物を、プラスチック製の積層体から構成された袋に充填密封したものが多く市場に出回っている。袋においては、積層体同士が接合されていない非シール部が、内容物が収容される収容部を構成している。また、積層体同士が接合されているシール部が、収容部を密封している。内容物は、例えば、カレー、シチュー、スープ等の調理済食品である。内容物は、袋に収容された状態で、湯煎などによって加熱される。
袋を構成する積層体には、加熱処理に耐える耐熱性、袋の落下時に受ける衝撃に耐える耐衝撃性などの種々の特性が求められる。これらの点を考慮し、例えば特許文献1は、積層体として、外面側から内面側へ順に積層された蒸着フィルム及びシーラントフィルムを備える積層体を用いることを提案している。蒸着フィルムとしては、ポリエステル樹脂とポリアミド樹脂を共押出しすることによって作製された共押出し延伸フィルム上に無機化合物の蒸着層を設けたものが例示されている。
袋を構成するための積層体には、先端が尖った鋭利な部材が袋に接触した場合にも袋が破けてしまうことを抑制する特性、いわゆる耐突き刺し性が求められる。特許文献1に記載の積層体においては、蒸着フィルムに含まれるナイロンなどのポリアミド樹脂によって、耐突き刺し性が確保されている。一方、ナイロンは、水分を吸収し易く、且つ耐熱性に乏しい。特許文献1に記載の積層体においては、ナイロンの外面側に存在するポリエステル樹脂が、積層体の耐熱性に寄与していると考えられる。
特開2012−223992号公報
樹脂材料の寸法は、大気中の水蒸気などの水分を吸収すること、すなわち吸湿によって変化することがある。また、吸湿の程度は、樹脂材料によって異なる。例えば、ポリアミド樹脂の寸法は、ポリエステル樹脂の寸法に比べて、吸湿によって変化し易い。このため、特許文献1のようにポリエステル樹脂及びポリアミド樹脂の共押出し延伸フィルムを用いる場合、吸湿性の相違に基づいて、ポリアミド樹脂の寸法が相対的に大きく変化し、この結果、共押出し延伸フィルムに反りが生じてしまうことがある。この場合、共押出し延伸フィルムを搬送する際や、共押出し延伸フィルムとその他のフィルムとを積層させるラミネート工程の際に、反りを抑制したり解消させたりするための追加の設備や工程が必要になり、積層体の製造コストが増加してしまう。
本発明は、このような課題を効果的に解決し得る積層体を提供することを目的とする。
本発明は、積層体であって、
基材/第1接着剤層/金属箔/第2接着剤層/シーラント層、又は
基材/印刷層/第1接着剤層/金属箔/第2接着剤層/シーラント層、をこの順で含み、
前記基材は、51質量%以上のポリブチレンテレフタレートを含み、前記第2接着剤層は、ポリオール及び脂肪族系イソシアネート化合物の硬化物を含む、積層体である。
本発明による積層体において、前記基材は、60質量%以上のポリブチレンテレフタレートを含んでいてもよい。
本発明による積層体において、前記積層体の突き刺し強度が好ましくは13N以上である。
本発明による積層体において、前記第1接着剤層は、ポリオール及び芳香族系イソシアネート化合物の硬化物を含んでいてもよい。
本発明による積層体において、前記基材は、10層以上を含む多層構造部を有していてもよい。若しくは、前記基材は、1.10dl/g以上且つ1.35dl/g以下のIV値を有する単層構造からなっていてもよい。
本発明による積層体において、前記シーラント層は、90質量%以上のポリプロピレンを含んでいてもよい。
本発明による積層体において、前記シーラント層が、100℃以上の融点を有するポリエチレンを含んでいてもよい。
本発明は、袋であって、外面及び内面を含む積層体と、前記積層体の内面同士を接合するシール部と、を備え、
前記積層体は、外面側から内面側へ順に
基材/第1接着剤層/金属箔/第2接着剤層/シーラント層、又は
基材/印刷層/第1接着剤層/金属箔/第2接着剤層/シーラント層、をこの順で含み、
前記基材は、51質量%以上のポリブチレンテレフタレートを含み、前記第2接着剤層は、ポリオール及び脂肪族系イソシアネート化合物の硬化物を含む、袋である。
本発明によれば、基材に反りが生じることを抑制することができる。このため、積層体を効率良く製造することができる。
本発明の実施の形態における袋を示す正面図である。 図1に示す袋を構成するフィルムを示す分解図である。 袋を構成する積層体の層構成の一例を示す断面図である。 積層体の第1フィルムの層構成の一例を示す断面図である。 上部が封止された状態の袋を示す正面図である。 本発明の実施の形態の一変形例における袋を示す正面図である。 突き刺し強度の測定方法の一例を示す図である。 実施例1,2,3及び比較例1,2,3の層構成及び評価結果を示す図である。
図1乃至図5を参照して、本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更し誇張してある。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
図1は、本実施の形態による袋10を示す正面図である。また、図2は、図1に示す袋10を構成するフィルムを示す分解図である。袋10は、内容物を収容する収容部17を備える。なお、図1においては、内容物が充填される前の状態(内容物が充填されていない状態)の袋10が示されている。本実施の形態による袋10は、レトルト処理を施すことができるよう構成されている。以下、袋10の構成について説明する。

本実施の形態において、袋10は、自立可能に構成されたガセット式の袋である。袋10は、上部11、下部12及び側部13を含み、正面図において略矩形状の輪郭を有する。なお、「上部」、「下部」及び「側部」などの名称、並びに、「上方」、「下方」などの用語は、ガセット部を下にして袋10が自立している状態を基準として袋10やその構成要素の位置や方向を相対的に表したものに過ぎない。袋10の輸送時や使用時の姿勢などは、本明細書における名称や用語によっては限定されない。
図1及び図2に示すように、袋10は、表面を構成する表面フィルム14、裏面を構成する裏面フィルム15、及び、下部12を構成する下部フィルム16を備える。下部フィルム16は、折り返し部16fで折り返された状態で、表面フィルム14と裏面フィルム15との間に配置されている。
なお、上述の「表面フィルム」、「裏面フィルム」及び「下部フィルム」という用語は、位置関係に応じて各フィルムを区画したものに過ぎず、袋10を製造する際のフィルムの提供方法が、上述の用語によって限定されることはない。例えば、袋10は、表面フィルム14と裏面フィルム15と下部フィルム16が連設された1枚のフィルムを用いて製造されてもよく、表面フィルム14と下部フィルム16が連設された1枚のフィルムと1枚の裏面フィルム15の計2枚のフィルムを用いて製造されてもよく、1枚の表面フィルム14と1枚の裏面フィルム15と1枚の下部フィルム16の計3枚のフィルムを用いて製造されてもよい。
表面フィルム14、裏面フィルム15及び下部フィルム16は、内面同士がシール部によって接合されている。図1などの袋10の平面図においは、シール部にハッチングが施されている。
図1に示すように、シール部は、袋10の外縁に沿って延びる外縁シール部を有する。外縁シール部は、下部12に広がる下部シール部12a、及び、一対の側部13に沿って延びる一対の側部シール部13aを含む。なお、内容物が充填される前の状態の袋10においては、図1に示すように、袋10の上部11は開口部11bになっている。袋10に内容物を収容した後、表面フィルム14の内面と裏面フィルム15の内面とを上部11において接合することにより、上部シール部が形成されて袋10が封止される。
側部シール部13a及び後述する上部シール部は、表面フィルム14の内面と裏面フィルム15の内面とを接合することによって構成されるシール部である。一方、下部シール部12aは、表面フィルム14の内面と下部フィルム16の内面とを接合することによって構成されるシール部、及び、裏面フィルム15の内面と下部フィルム16の内面とを接合することによって構成されるシール部を含む。
対向するフィルム同士を接合して袋10を封止することができる限りにおいて、シール部を形成するための方法が特に限られることはない。例えば、加熱などによってフィルムの内面を溶融させ、内面同士を溶着させることによって、すなわちヒートシールによって、シール部を形成することができる。
易開封性手段
表面フィルム14及び裏面フィルム15には、表面フィルム14及び裏面フィルム15を引き裂いて袋10を開封するための易開封性手段25が設けられていてもよい。例えば図1に示すように、易開封性手段25は、袋10の側部シール部13aに形成された、引き裂きの起点となるノッチ26を含んでいてもよい。また、袋10を引き裂く際の経路となる部分には、易開封性手段25として、レーザー加工やカッターなどで形成されたハーフカット線が設けられていてもよい。
また、図示はしないが、易開封性手段25は、表面フィルム14及び裏面フィルム15のうちシール部が形成されている領域に形成された切り込みや傷痕群を含んでいてもよい。傷痕群は例えば、表面フィルム14及び/又は裏面フィルム15を貫通するように形成された複数の貫通孔を含んでいてもよい。若しくは、傷痕群は、表面フィルム14及び/又は裏面フィルム15を貫通しないように表面フィルム14及び/又は裏面フィルム15の外面に形成された複数の孔を含んでいてもよい。
表面フィルム及び裏面フィルムの層構成
次に、表面フィルム14及び裏面フィルム15の層構成について説明する。図3は、表面フィルム14及び裏面フィルム15を構成する積層体30を示す断面図である。
図3に示すように、積層体30は、第1フィルム40と、第1接着剤層45を介して第1フィルム40に積層された金属箔50と、第2接着剤層55を介して金属箔50に積層された第2フィルム60と、を備える。第2フィルム60が積層体30の内面30xを構成し、第1フィルム40が積層体30の外面30yを構成する。内面30xは、積層体30によって構成された袋10において収容部17側を向く面であり、外面30yは、内面30xの反対側に位置する面である。
第1フィルム40は、基材41を少なくとも含む。また、第1フィルム40は、基材41の内面30x側に設けられた印刷層42を更に含んでいてもよい。また、第2フィルム60はシーラント層61を含む。従って、本実施の形態による積層体30は、外面側から内面側へ順に
基材/第1接着剤層/金属箔/第2接着剤層/シーラント層、又は、
基材/印刷層/第1接着剤層/金属箔/第2接着剤層/シーラント層、
を備えている、と言える。なお、「/」は層と層の境界を表している。
以下、第1フィルム40、第1接着剤層45、金属箔50、第2接着剤層55及び第2フィルム60についてそれぞれ詳細に説明する。
(第1フィルム)
第1フィルム40は、積層体30の外面30yを構成する基材41を少なくとも備える。図3に示すように、第1フィルム40は、基材41の内面30x側に設けられた印刷層42を更に備えていてもよい。印刷層42は、袋10に製品情報を示したり美感を付与したりするために基材41に印刷された層である。印刷層42は、文字、数字、記号、図形、絵柄などを表現する。印刷層42を構成する材料としては、グラビア印刷用のインキやフレキソ印刷用のインキを用いることができる。グラビア印刷用のインキの具体例としては、DICグラフィックス株式会社製のフィナートを挙げることができる。
基材41は、主成分としてポリブチレンテレフタレート(以下、PBTとも記す)を含む。例えば、基材41は、51質量%以上のPBTを含む。以下、基材41がPBTを含むことの利点について説明する。
PBTは、寸法安定性に優れており、従って印刷適性に優れる。このため、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETとも記す)の場合と同様に、PBTを含む基材41上に印刷層42を設けることができる。
また、PBTは、耐熱性に優れる。このため、袋10にボイル処理やレトルト処理を施す際に基材41が変形したり基材41の強度が低下したりすることを抑制することができる。レトルト処理とは、内容物を袋10に充填して袋10を密封した後、蒸気又は加熱温水を利用して袋10を加圧状態で加熱する処理である。レトルト処理の温度は、例えば120℃以上である。ボイル処理とは、内容物を袋10に充填して袋10を密封した後、袋10を大気圧下で湯煎する処理である。ボイル処理の温度は、例えば90℃以上且つ100℃以下である。
また、PBTは、高い強度を有する。このため、袋10を構成する積層体30がナイロンを含む場合と同様に、袋10に耐突き刺し性を持たせることができる。
また、PBTは、ナイロンに比べて水分を吸収しにくいという特性を有する。このため、基材41が水分を吸収して積層体30のラミネート強度が低下してしまうことを抑制することができる。
以下、PBTを含む基材41の構成について詳細に説明する。本実施の形態における、PBTを含む基材41の構成としては、下記の第1の構成又は第2の構成のいずれを採用してもよい。
〔基材の第1の構成〕
第1の構成に係る基材41におけるPBTの含有率は、51質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、さらには70質量%以上、特には75質量%以上が好ましく、最も好ましくは80質量%以上である。PBTの含有率を51質量%以上にすることにより、第1フィルム40に優れたインパクト強度および耐ピンホール性を持たせることができる。
主たる構成成分として用いるPBTは、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸が90モル%以上であることが好ましく、より好ましくは95モル%以上であり、さらに好ましくは98モル%以上であり、最も好ましくは100モル%である。グリコール成分として1,4−ブタンジオールが90モル%以上であることが好ましく、より好ましくは95モル%以上であり、さらに好ましくは97モル%以上であり、最も好ましくは、重合時に1,4−ブタンジオールのエーテル結合により生成する副生物以外は含まれないことである。
基材41は、PBT以外のポリエステル樹脂を含んでいてもよい。これにより、例えばフィルム状の基材41を二軸延伸させる場合の成膜性や基材41の力学特性を調整することができる。
PBT以外のポリエステル樹脂としては、PET、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)などのポリエステル樹脂のほか、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などのジカルボン酸が共重合されたPBT樹脂や、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリカーボネートジオール等のジオール成分が共重合されたPBT樹脂を挙げることができる。
これらPBT以外のポリエステル樹脂の添加量は、49質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。PBT以外のポリエステル樹脂の添加量が49質量%を超えると、PBTとしての力学特性が損なわれ、インパクト強度や耐ピンホール性、絞り成形性が不十分となることが考えられる。
基材41は、添加剤として、柔軟なポリエーテル成分、ポリカーボネート成分、ポリエステル成分の少なくともいずれかを共重合したポリエステル系およびポリアミド系エラストマーを含んでいてもよい。これにより、屈曲時の耐ピンホール性を改善することができる。添加剤の添加量は、例えば20質量%である。添加剤の添加量が20質量%を超えると、添加剤としての効果が飽和することや、基材41の透明性が低下することなどが起こり得る。
第1の構成に係るフィルム状の基材41を作製する方法の一例について説明する。ここでは、キャスト法によってフィルム状の基材41を作製する方法について説明する。より具体的には、キャスト時に同一の組成の樹脂を多層化してキャストする方法について説明する。
PBTは結晶化速度が速いため、キャスト時にも結晶化が進行する。このとき、多層化せずに単層でキャストした場合には、結晶の成長を抑制しうるような障壁が存在しないために、結晶が大きなサイズに成長してしまい、得られた未延伸原反の降伏応力が高くなる。このため、未延伸原反を二軸延伸する際に破断しやすくなる。また、得られた二軸延伸フィルムの降伏応力が高くなり、二軸延伸フィルムの成形性が不十分になってしまうことが考えられる。
これに対して、キャスト時に同一の樹脂を多層化すれば、未延伸シートの延伸応力を低減することができる。このため、安定した二軸延伸が可能となり、また、得られた二軸延伸フィルムの降伏応力が低くなる。このことにより、柔軟かつ破断強度の高いフィルムを得ることができる。
図4は、第1フィルムの層構成の一例を示す断面図である。樹脂を多層化してキャストすることによって基材41が作製される場合、図5に示すように、第1フィルム40の基材41は、複数の層41aを含む多層構造部からなる。複数の層41aはそれぞれ、主成分としてPBTを含む。例えば、複数の層41aはそれぞれ、好ましくは51質量%以上のPBTを含み、より好ましくは60質量%以上のPBTを含む。なお、複数の層41aにおいては、n番目の層41aの上にn+1番目の層41aが直接積層されている。すなわち、複数の層41aの間には、接着剤層や接着層が介在されていない。
多層化によりPBTフィルムの特性が改善される原因については、下記のように推測する。樹脂を積層する場合、樹脂の組成が同一の場合であっても層の界面が存在し、その界面により結晶化が加速される。一方、層の厚みを越えた大きな結晶の成長は抑制される。このため、結晶(球晶)のサイズが小さくなるものと考えられる。
多層化により球晶のサイズを小さくするための具体的な方法としては、一般的な多層化装置(多層フィードブロック、スタティックミキサー、多層マルチマニホールドなど)を用いることができる。例えば、二台以上の押出機を用いて異なる流路から送り出された熱可塑性樹脂を、フィードブロックやスタティックミキサー、マルチマニホールドダイ等を用いて多層に積層する方法等を使用することができる。なお、同一の組成の樹脂を多層化する場合、一台の押出機のみを用いて、押出機からダイまでのメルトラインに上述の多層化装置を導入することも可能である。
基材41は、少なくとも10層以上、好ましくは60層以上、より好ましくは250層以上、更に好ましくは1000層以上の層41aを含む多層構造部からなる。層数を多くすることにより、未延伸原反の状態のPBTにおける球晶のサイズを小さくすることができ、その後の二軸延伸を安定に実施することができる。また、二軸延伸フィルムの状態のPBTの降伏応力を小さくすることができる。好ましくは、未延伸原反のPBTにおける球晶の直径は、500nm以下である。
PBTの未延伸原反を二軸延伸して二軸延伸フィルムを作製する際の、縦延伸方向(以下、MD)における延伸温度(以下、MD延伸温度とも記す)は、好ましくは40℃以上であり、より好ましくは45℃以上である。MD延伸温度を40℃以上にすることにより、フィルムの破断が生じることを抑制することができる。また、MD延伸温度は、好ましくは100℃以下であり、より好ましくは95℃以下である。MD延伸温度を100℃以下にすることにより、二軸延伸フィルムの配向が生じないという現象を抑制することができる。
MDにおける延伸倍率(以下、MD延伸倍率とも記す)は、好ましくは2.5倍以上である。これにより、二軸延伸フィルムを配向させ、良好な力学特性や均一な厚みを実現することができる。MD延伸倍率は、例えば5倍以下である。
横延伸方向(以下、TDとも記す)における延伸温度(以下、TD延伸温度とも記す)は、好ましくは40℃以上である。TD延伸温度を40℃以上にすることにより、フィルムの破断が生じることを抑制することができる。また、TD延伸温度は、好ましくは100℃以下である。TD延伸温度を100℃以下にすることにより、二軸延伸フィルムの配向が生じないという現象を抑制することができる。
TDにおける延伸倍率(以下、TD延伸倍率とも記す)は、好ましくは2.5倍以上である。これにより、二軸延伸フィルムを配向させ、良好な力学特性や均一な厚みを実現することができる。MD延伸倍率は、例えば5倍以下である。
TDリラックス率は、好ましくは0.5%以上である。これにより、PBTの二軸延伸フィルムの熱固定時に破断が生じることを抑制することができる。また、TDリラックス率は、好ましくは10%以下である。これにより、PBTの二軸延伸フィルムにたるみなどが生じて厚みムラが発生することを抑制することができる。
図4に示す基材41の層41aの厚みは、好ましくは3nm以上であり、より好ましくは10nm以上である。また、層41aの厚みは、好ましくは200nm以下であり、より好ましくは100nm以下である。
また、基材41の厚みは、好ましくは9μm以上であり、より好ましくは12μm以上である。また、基材41の厚みは、好ましくは25μm以下であり、より好ましくは20μm以下である。基材41の厚みを9μm以上にすることにより、基材41が十分な強度を有するようになる。また、基材41の厚みを25μm以下にすることにより、基材41が優れた成形性を示すようになる。このため、基材41を含む積層体30を加工して袋10を製造する工程を効率的に実施することができる。
〔基材の第2の構成〕
第2の構成に係る基材41は、ブチレンテレフタレートを主たる繰返し単位とするポリエステルを含む単層フィルムからなる。例えば、基材41は、グリコール成分としての1,4−ブタンジオール、又はそのエステル形成性誘導体と、二塩基酸成分としてのテレフタル酸、又はそのエステル形成性誘導体を主成分とし、それらを縮合して得られるホモ、またはコポリマータイプのポリエステルを含む。第2の構成に係る基材41におけるPBTの含有率は、51質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましく、さらには80質量%以上が好ましく、最も好ましくは90質量%以上である。また、第2の構成に係る基材41は、ポリブチレンテレフタレートと添加剤のみで構成されていることが好ましい。
基材41に機械的強度を付与するためには、PBTのうち、融点が200℃以上且つ250℃以下、IV値(固有粘度)が1.10dl/g以上且つ1.35dl/g以下のものが好ましい。さらには、融点が215℃以上且つ225℃以下、IV値が1.15dl/g以上且つ1.30dl/g以下のものが特に好ましい。これらのIV値は、基材41を構成する材料全体によって満たされていてもよい。IV値は、JIS K 7367−5:2000に基づいて算出され得る。
第2の構成に係る基材41は、PETなどPBT以外のポリエステル樹脂を30質量%以下の範囲で含んでいてもよい。基材41がPBTに加えてPETを含むことにより、PBT結晶化を抑制することができ、PBTフィルムの延伸加工性を向上させることができる。基材41のPBTに配合するPETとしては、エチレンテレフタレートを主たる繰返し単位とするポリエステルを用いることができる。例えば、グリコール成分としてのエチレングリコール、二塩基酸成分としてのテレフタル酸を主成分としたホモタイプを好ましく用いることができる。良好な機械的強度特性を付与するためには、PETのうち、融点が240℃以上且つ265℃以下、IV値が0.55dl/g以上且つ0.90dl/g以下のものが好ましい。さらには、融点が245℃以上且つ260℃以下、IV値が0.60dl/g以上且つ0.80dl/g以下のものが特に好ましい。
PETの配合量を30質量%以下にすることにより、未延伸原反及び延伸フィルムの剛性が高くなり過ぎることを抑制することができる。これにより、延伸フィルムがもろくなり、延伸フィルムの耐圧強度、衝撃強度、突刺し強度などが低下してしまうことを抑制することができる。また、未延伸原反を延伸する際の延伸不調が発生することを抑制することができる。
基材41は、必要に応じて、滑剤、アンチブロッキング剤、無機増量剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、着色剤、結晶化抑制剤、結晶化促進剤等の添加剤を含んでいてもよい。また、基材41の原料として用いるポリエステル系樹脂ペレットは、加熱溶融時の加水分解による粘度低下を避けるため、加熱溶融前に水分率が0.05重量%以下、好ましくは0.01重量%以下になるように十分予備乾燥を行った上で使用するのが好ましい。
第2の構成に係るフィルム状の基材41を作製する方法の一例について説明する。
上述の構成の基材41のフィルムを安定的に作製するためには、未延伸原反の状態における結晶の成長を抑制することが重要になる。具体的には、押出されたPBT系溶融体を冷却して成膜する際、該ポリマーの結晶化温度領域をある速度以上で冷却する、すなわち原反冷却速度が重要な因子となる。原反冷却速度は、例えば200℃/秒以上、好ましくは250℃/秒以上、特に好ましくは350℃/秒以上である。高い冷却速度で成膜された未延伸原反は、低い結晶状態を保っているため、延伸時のバブルの安定性が向上する。さらには高速での成膜も可能になるので、フィルムの生産性も向上する。冷却速度が200℃/秒未満である場合、得られた未延伸原反の結晶性が高くなり延伸性が低下することが考えられる。また、極端な場合には、延伸バブルが破裂し、延伸が継続しないことも考えられる。
PBTを主成分として含む未延伸原反は、雰囲気温度を25℃以下、好ましくは20℃以下に保ちながら、二軸延伸を行う空間まで搬送されることが好ましい。これにより、滞留時間が長くなった場合であっても、成膜直後の未延伸原反の結晶性を維持することができる。
未延伸原反を延伸させて延伸フィルムを得るための二軸延伸法は、特には限定されない。例えば、チューブラー法又はテンター法により、縦方向及び横方向を同時に延伸してもよく、若しくは、縦方向及び横方向を逐次延伸してもよい。このうち、チューブラー法は、周方向の物性バランスが良好な延伸フィルムを得ることができ、特に好ましく採用される。
チューブラー法において、延伸空間に導かれた未延伸原反は、一対の低速ニップロール間に挿通された後、中に空気を圧入しながら延伸用ヒーターで加熱される。延伸終了後、延伸フィルムには、冷却ショルダーエアーリングによりエアーが吹き付けられる。延伸倍率は、延伸安定性や延伸フィルムの強度物性、透明性、および厚み均一性を考慮すると、MD、およびTDそれぞれ2.7倍以上且つ4.5倍以下であることが好ましい。延伸倍率を2.7倍以上にすることにより、延伸フィルムの引張弾性率や衝撃強度を十分に確保することができる。また、延伸倍率を4.5倍以下にすることにより、延伸により過度な分子鎖のひずみが発生することを抑制し、延伸加工時に破断やパンクが発生することを抑制できるので、延伸フィルムを安定に作製することができる。
延伸温度は、40℃以上且つ80℃以下が好ましく、特に好ましくは45℃以上且つ65℃以下である。上述の高い冷却速度で製造した未延伸原反は、結晶性が低いため、延伸温度が比較的に低温の場合であっても、安定して未延伸原反を延伸することができる。また、延伸温度を80℃以下にすることにより、延伸バブルの揺れを抑制し、厚み精度の良好な延伸フィルムを得ることができる。また、延伸温度を40℃以上にすることにより、低温延伸による過度な延伸配向結晶化が発生することを抑制して、フィルムの白化等を防ぐことができる。
上述のようにして作製される基材41は、例えば、ブチレンテレフタレートを主たる繰返し単位とするポリエステルを含む単一の層によって構成されている。上述の作製方法によれば、高い冷却速度で未延伸原反を成膜するので、未延伸原反が単一の層によって構成される場合であっても、低い結晶状態を保つことができ、このため、安定して未延伸原反を延伸することができる。
(第1接着剤層)
第1接着剤層45は、第1フィルム40と金属箔50とを接着するための第1接着剤を含む。第1接着剤の例としては、エーテル系の二液反応型接着剤、エステル系の二液反応型接着剤などを挙げることができる。
エーテル系の二液反応型接着剤としては、例えば、ポリエーテルポリウレタンなどを挙げることができる。ポリエーテルポリウレタンは、主剤としてのポリエーテルポリオールと、硬化剤としてのイソシアネート化合物とが反応することにより生成される硬化物である。イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)などの芳香族系イソシアネート化合物、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)などの脂肪族系イソシアネート化合物、あるいは、上記各種イソシアネート化合物の付加体または多量体を用いることができる。
エステル系の二液反応型接着剤としては、例えば、ポリエステルポリウレタンやポリエステルなどが挙げられる。ポリエステルポリウレタンは、主剤としてのポリエステルポリオールと、硬化剤としてのイソシアネート化合物とが反応することにより生成される硬化物である。イソシアネート化合物の例は、上述のエーテル系の接着剤の場合と同様である。
好ましくは、第1接着剤層45を構成する第1接着剤として、主剤としてのポリオールと、硬化剤としての芳香族系イソシアネート化合物とが反応することにより生成される硬化物を用いる。硬化剤として芳香族系イソシアネート化合物を用いることにより、第1フィルム40と金属箔50との間のラミネート強度をより高めることができる。なお、ポリオールとしては、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールを用いることができるが、ポリエステルポリオールを用いることが好ましい。
第1接着剤層45を構成する第1接着剤における、ポリオールのヒドロキシ基に対する芳香族系イソシアネート化合物のイソシアネート基のモル比は、例えば1〜5の範囲内である。
(金属箔)
金属箔50は、水蒸気や酸素に対するバリア性を高めるため、第1フィルム40と第2フィルム60との間に設けられている。金属箔50を構成する金属材料は、例えばアルミニウムなどである。金属箔50の厚みは、例えば5μm以上且つ15μm以下である。
(第2接着剤層)
第2接着剤層55は、金属箔50と第2フィルム60とを接着するための第2接着剤を含む。第2接着剤の例としては、エーテル系の二液反応型接着剤を挙げることができる。エーテル系の二液反応型接着剤としては、第1接着剤の場合と同様に、ポリウレタンなどを挙げることができる。ポリウレタンは、主剤としてのポリオールと、硬化剤としてのイソシアネート化合物とが反応することにより生成される硬化物である。なお、ポリオールとしては、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールを用いることができるが、ポリエステルポリオールを用いることが好ましい。
イソシアネート化合物としては、上述のように、芳香族系イソシアネート化合物及び脂肪族系イソシアネート化合物が存在する。このうち芳香族系イソシアネート化合物は、加熱殺菌などの高温環境下において、食品用途で使用できない成分が溶出する。ところで、第2接着剤層55は、図3に示すように、金属箔50よりも内面30x側に位置する。このため、第2接着剤層55が芳香族系イソシアネート化合物を含む場合、芳香族系イソシアネート化合物から溶出された成分が、積層体30によって構成された袋10の内容物に付着することがある。
このような課題を考慮し、第2接着剤層55を構成する第2接着剤として、主剤としてのポリオールと、硬化剤としての脂肪族系イソシアネート化合物とが反応することにより生成される硬化物を用いることを提案する。これにより、第2接着剤層55に起因する食品用途で使用できない成分が内容物に付着することを防止することができる。
第2接着剤層55を構成する第2接着剤における、ポリエーテルポリオールのヒドロキシ基に対する脂肪族系イソシアネート化合物のイソシアネート基のモル比は、例えば1〜5の範囲内である。
(第2フィルム)
第2フィルム60は、積層体30の内面30xを構成するシーラント層61を少なくとも含む。シーラント層61を構成する材料としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレンから選択される1種または2種以上の樹脂を用いることができる。シーラント層61は、単層であってもよく、多層であってもよい。また、シーラント層61は、好ましくは未延伸のフィルムからなる。なお「未延伸」とは、全く延伸されていないフィルムだけでなく、製膜の際に加えられる張力に起因してわずかに延伸されているフィルムも含む概念である。
上述のように、積層体30から構成された袋10には、ボイル処理やレトルト処理などの殺菌処理が高温で施される。従って、シーラント層61は、これらの高温での処理に耐える耐熱性を有するものが用いられる。
シーラント層61を構成する材料の融点は、150℃以上であることが好ましく、160℃以上であることがより好ましい。シーラント層61の融点を高くすることにより、袋10のレトルト処理を高温で実施することが可能になり、このため、レトルト処理に要する時間を短くすることができる。なお、シーラント層61を構成する材料の融点は、基材41を構成する樹脂の融点より低い。
レトルト処理の観点で考える場合、シーラント層61を構成する材料として、プロピレンを主成分とする材料を用いることができる。ここで、プロピレンを「主成分とする」材料とは、プロピレンの含有率が90質量%以上である材料を意味する。プロピレンを主成分とする材料としては、具体的には、プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体、ホモポリプロピレンなどのポリプロピレン、又はポリプロピレンとポリエチレンとを混合したものなどを挙げることができる。ここで、「プロピレン・エチレンブロック共重合体」とは、下記の式(I)に示される構造式を有する材料を意味する。また、「プロピレン・エチレンランダム共重合体」とは、下記の式(II)に示される構造式を有する材料を意味する。また、「ホモポリプロピレン」とは、下記の式(III)に示される構造式を有する材料を意味する。
プロピレンを主成分とする材料として、ポリプロピレンとポリエチレンとを混合したものを用いる場合には、材料は、海島構造を有していてもよい。ここで、「海島構造」とは、ポリプロピレンが連続する領域の内に、ポリエチレンが不連続に分散している構造をいう。
ボイル処理の観点で考える場合、シーラント層61を構成する材料の例として、ポリエチレン、ポリプロピレン又はこれらの組み合わせなどを挙げることができる。ポリエチレンとしては、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン又はこれらの組み合わせなどを挙げることができる。例えば、上述のレトルト処理の観点からシーラント層を構成する材料として挙げた材料を用いることも可能である。シーラント層を構成する材料は、例えば100℃以上、より好ましくは105℃以上、更に好ましくは110℃以上の融点を有する。シーラント層を構成する材料としてポリエチレンを用いる場合、100℃以上の融点は、例えば、ポリエチレンの密度が0.920g/cm以上である場合に実現され得る。また、100℃以上の融点を有するシーラント層を構成するためのシーラントフィルムの具体例としては、三井化学東セロ製TUX−HC、東洋紡製L6101、出光ユニテック製LS700C等を挙げることができる。105℃以上の融点を有するシーラント層を構成するためのシーラントフィルムの具体例としては、タマポリ製NB−1等を挙げることができる。110℃以上の融点を有するシーラント層を構成するためのシーラントフィルムの具体例としては、出光ユニテック製LS760C、三井化学東セロ製TUX−HZ等を挙げることができる。
好ましくは、シーラント層61は、プロピレン・エチレンブロック共重合体を含む。例えば、シーラント層61を含む第2フィルム60は、プロピレン・エチレンブロック共重合体を主成分とする未延伸フィルムである。プロピレン・エチレンブロック共重合体を用いることにより、第2フィルム60の耐衝撃性を高めることができ、これにより、落下時の衝撃により袋10が破袋してしまうことを抑制することができる。また、積層体30の耐突き刺し性を高めることができる。
また、シーラント層61は、熱可塑性エラストマーを更に含んでいてもよい。熱可塑性エラストマーを用いることにより、第2フィルム60の耐衝撃性や耐突き刺し性を更に高めることができる。
熱可塑性エラストマーは、例えば水添スチレン系熱可塑性エラストマーである。水添スチレン系熱可塑性エラストマーは、少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと少なくとも1個の水素添加された共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBからなる構造を有する。また、熱可塑性エラストマーは、エチレン・α−オレフィンエラストマーであってもよい。エチレン・α−オレフィンエラストマーは、低結晶性もしくは非晶性の共重合体エラストマーであり、主成分としての50〜90質量%のエチレンと共重合モノマーとしてのα−オレフィンとのランダム共重合体である。
シーラント層61におけるプロピレン・エチレンブロック共重合体の含有率は、例えば80質量%以上であり、好ましくは90質量%以上である。
プロピレン・エチレンブロック共重合体の製造方法としては、触媒を用いて原料であるプロピレンやエチレンなどを重合させる方法が挙げられる。触媒としては、チーグラー・ナッタ型やメタロセン触媒などを用いることができる。
シーラント層61の厚みは、好ましくは30μm以上であり、より好ましくは40μm以上である。また、シーラント層61の厚みは、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは80μm以下である。
下部フィルムの層構成
次に、下部フィルム16の層構成について説明する。
表面フィルム14の内面及び裏面フィルム15の内面と接合可能な内面を有する限りにおいて、下部フィルム16の層構成は任意である。例えば、表面フィルム14及び裏面フィルム15と同様に、下部フィルム16として上述の積層体30を用いてもよい。若しくは、内面がシーラント層によって構成され、且つ積層体30とは異なる構成のフィルムを、下部フィルム16として用いてもよい。
第1フィルムの製造方法
次に、第1フィルム40の製造方法の一例について説明する。
まず、主成分としてPBTを含む樹脂材料を準備する。続いて、キャスト法やチューブラー法などの溶融押出法で樹脂材料を押し出すことにより、フィルム状の基材41を作製する。続いて、基材41上に印刷層42を形成する。このようにして、基材41と、印刷層42とを備える第1フィルム40を得ることができる。
積層体の製造方法
次に、積層体30の製造方法の一例について説明する。
まず、上述の第1フィルム40、及び金属箔50を準備する。続いて、ドライラミネート法により、第1フィルム40と金属箔50とを、第1接着剤層45を介して積層する。その後、ドライラミネート法により、第1フィルム40及び金属箔50を含む積層体と、第2フィルム60とを、第2接着剤層55を介して積層する。これによって、第1フィルム40、金属箔50及び第2フィルム60を備える積層体30を得ることができる。
若しくは、まず金属箔50と第2フィルム60とを第2接着剤層55を介して積層し、その後、第1フィルム40と、金属箔50及び第2フィルム60を含む積層体とを第1接着剤層45を介して積層することにより、積層体30を製造してもよい。
本実施の形態によれば、第1フィルム40の基材41は、主成分としてPBTを含む。第1の構成に係る基材41において、各層41aの組成は同一であるため、基材41を含む第1フィルム40に反りが生じることを抑制することができる。また、第2の構成に係る基材41において、組成は同一であるため、例えば基材41はPBT及び添加剤のみで構成される単層のフィルムであるため、基材41を含む第1フィルム40に反りが生じることを抑制することができる。このことにより、積層体30を効率良く製造することができる。
袋の製造方法
上述の積層体30からなる表面フィルム14及び裏面フィルム15を準備する。また、表面フィルム14と裏面フィルム15との間に、折り返した状態の下部フィルム16を挿入する。続いて、各フィルムの内面同士をヒートシールして、下部シール部12a、側部シール部13aなどのシール部を形成する。また、ヒートシールによって互いに接合されたフィルムを適切な形状に切断して、図1に示す袋10を得る。続いて、上部11の開口部11bを介して内容物18を袋10に充填する。内容物18は、例えば、カレー、シチュー、スープ等の、水分を含む調理済食品である。また食品以外にも、湯煎等によって加熱され得るものを内容物として袋10に収容することができる。その後、上部11をヒートシールして上部シール部11aを形成する。このようにして、図5に示すように、内容物18が収容され封止された袋10を得ることができる。
以下、本実施の形態に係る袋10の利点について説明する。
本実施の形態においては、袋10の表面フィルム14及び裏面フィルム15を構成する積層体30が、PBTを主成分とする基材41を含むことにより、下記の効果を奏することができる。
まず、PBTは、印刷適性に優れる。このため、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETとも記す)の場合と同様に、PBTを含む基材41上に印刷層42を設けることができる。
また、PBTは、耐熱性に優れる。このため、袋10にボイル処理やレトルト処理を施す際に基材41が変形したり基材41の強度が低下したりすることを抑制することができる。
また、PBTは、高い強度を有する。このため、袋10を構成する積層体がナイロンを含む場合と同様に、積層体30及び袋10の突き刺し強度を高めることができる。積層体30の突き刺し強度は、13N以上であることが好ましく、15N以上であることがより好ましく、17N以上であることがさらに好ましい。突き刺し強度の測定方法については、後述する実施例1において説明する。
また、PBTは、ナイロンに比べて水分を吸収しにくいという特性を有する。このため、PBTを含む基材41を積層体30の外面30yに配置した場合であっても、基材41が水分を吸収して積層体30のラミネート強度が低下してしまうことを抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、袋10の表面フィルム14及び裏面フィルム15を構成する積層体30が、金属箔50を含む。このため、袋10の外部の水蒸気や酸素が袋10の内部に透過することを抑制することができるので、内容物が劣化することを抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、袋10の表面フィルム14及び裏面フィルム15を構成する積層体30のシーラント層61が、プロピレン・エチレンブロック共重合体を含む。このため、袋10の耐衝撃性や耐突き刺し性を高めることができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(袋の変形例)
上述の本実施の形態においては、袋10がガセット式の袋である例を示したが、袋10の具体的な構成が特に限定されることはない。例えば、図6に示すように、袋10は、積層体30からなる表面フィルム14及び裏面フィルム15の内面同士を上部11、下部12及び側部13で接合することによって形成された、いわゆる四方シール袋であってもよい。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(実施例1)
上述の第1の構成で説明した、複数の層41aを含み、キャスト法で作製された基材41からなる第1フィルム40を準備した。各層41aにおけるPBTの含有率は80%であり、層41aの層数は1024であり、基材41の厚みは15μmであった。また、シーラント層61を含むフィルム状の第2フィルム60を準備した。シーラント層61としては、東レフィルム加工株式会社製の未延伸ポリプロピレンフィルム ZK99Sを用いた。シーラント層61の厚みは70μmであった。また、金属箔50として、厚み7μmのアルミニウム箔を準備した。
基材41からなる第1フィルム40における反りを評価した。具体的には、まず、第1フィルム40を切り出して、一辺10cmの正方形状の試験片を作製した。続いて、正方形状の試験片の4隅においてそれぞれ、反りの高さを測定した。結果、4隅における反りの高さの最大値は、0mmであった。なお、第1フィルム40をその長手方向に沿って搬送する際に第1フィルム40の幅方向の端部に反りや折れなどが生じるのを抑制する上では、試験片の4隅における反りの高さの最大値が5mm以下であることが好ましく、3mm以下であることがより好ましい。
次に、第1接着剤層45を介して第1フィルム40と金属箔50とをドライラミネート法により積層する第1ラミネート工程を実施した。具体的には、まず、第1フィルム40に溶剤を含む接着剤を塗布した後、接着剤を乾燥させることにより溶剤を揮発させて、未硬化状態の第1接着剤層45を形成した。接着剤は、主剤として東洋モートン株式会社製のTM−556S、硬化剤として東洋モートン株式会社製のCAT−56を用いた。TM−556Sは、ポリエステルポリオールを含む。CAT−56は、芳香族系イソシアネート化合物を含む。また、ポリオールのヒドロキシ基に対する芳香族系イソシアネート化合物のイソシアネート基のモル比は3であった。続いて、第1接着剤層45が形成された第1フィルム40及び金属箔50を、両者を積層するためのラミロールに向けて搬送した。その後、ラミロールを用いて金属箔50を第1フィルム40に圧着させ、第1フィルム40及び金属箔50の積層体を作製した。金属箔50としては、厚みが7μmのアルミニウム箔を用いた。続いて、積層体を、40℃の環境下で96時間にわたって加熱した。これにより、接着剤を硬化させて、ポリオールと芳香族系イソシアネート化合物との硬化物を含む第1接着剤層45を得た。第1接着剤層45の厚みは、3μmであった。
第1ラミネート工程において第1フィルム40を搬送する際、第1フィルム40の端部に反りや折れなどは観察されなかった。このため、反りや折れなどを解消するために第1フィルム40に加える張力を調整する作業は不要であった。
続いて、金属箔50に溶剤を含む接着剤を塗布した後、接着剤を乾燥させることにより溶剤を揮発させて、未硬化状態の第2接着剤層55を形成した。接着剤は、主剤としてロックペイント株式会社製のRU−40、硬化剤としてロックペイント株式会社製のH−4を用いた。RU−40は、ポリエステルポリオールを含む。H−4は、脂肪族系イソシアネート化合物を含む。また、ポリオールのヒドロキシ基に対する脂肪族系イソシアネート化合物のイソシアネート基のモル比は3であった。その後、第2接着剤層55を介して第1フィルム40及び金属箔50の積層体と第2フィルム60とをドライラミネート法により積層する第2ラミネート工程を実施した。このようにして、外面30y側から内面30x側へ順に第1フィルム40、金属箔50及び第2フィルム60を備える積層体30を作製した。第2フィルム60としては、東レフィルム加工株式会社製の未延伸ポリプロピレンフィルム ZK99Sを用いた。続いて、積層体30を、40℃の環境下で96時間にわたって加熱した。これにより、接着剤を硬化させて、ポリオールと脂肪族系イソシアネート化合物との硬化物を含む第2接着剤層55を得た。第2接着剤層55の厚みは、3μmであった。積層体30の層構成は、下記のように表される。
PBT(多層)/第1接着剤層/アルミニウム箔/第2接着剤層/ポリプロピレン
続いて、積層体30の突き刺し強度を、JIS Z1707 7.4に準拠して測定した。測定器としては、A&D製のテンシロン万能材料試験機RTC−1310を用いた。具体的には、図7に示すように、固定されている状態の積層体30の試験片に対して、外面30y側から、直径1.0mm、先端形状半径0.5mmの半円形の針70を、50mm/分(1分あたり50mm)の速度で突き刺し、針70が積層体30を貫通するまでの応力の最大値を測定した。5個以上の試験片について、応力の最大値を測定し、その平均値を積層体30の突き刺し強度とした。測定時の環境は、温度23℃、相対湿度50%とした。結果、突き刺し強度は19Nであった。
(実施例2)
基材41として、PBTを含み、チューブラー法で作製されたフィルム状の基材41を用いたこと以外は、実施例1の場合と同様にして、積層体30を作製した。基材41はPBT及び添加剤のみで構成される単層のフィルムであり、基材41の厚みは15μmであった。また、実施例1の場合と同様にして、第1フィルム40における反りを評価した。結果、反りの高さの最大値は、0mmであった。また、第1フィルム40を搬送する際、第1フィルム40の端部に反りや折れなどは観察されなかった。
積層体30の層構成は、下記のように表される。
PBT(単層)/第1接着剤層/アルミニウム箔/第2接着剤層/ポリプロピレン
続いて、積層体30の突き刺し強度を測定した。結果、突き刺し強度は18Nであった。
(実施例3)
各層41aにおけるPBTの含有率が55%である基材41を用いたこと以外は、実施例1の場合と同様にして、基材41からなる第1フィルム40における反りを評価した。結果、反りの高さの最大値は、0mmであった。また、PBTの含有率が55%である基材41を用いて、実施例1の場合と同様に積層体30を作製した。積層体30を作製する工程において基材41からなる第1フィルム40を搬送する際、第1フィルム40の端部に反りや折れなどは観察されなかった。また、積層体30の突き刺し強度は13Nであった。
(比較例1)
基材41として、厚み15μmのヘプタックスHBN(グンゼ株式会社製)を用いたこと以外は、実施例1の場合と同様にして、積層体30を作製した。ヘプタックスHBNは、PETとナイロンとを共押出しすることによって作製された2層共押しフィルムである。また、実施例1の場合と同様にして、第1フィルム40における反りを評価した。結果、反りの程度が大きすぎて試験片の4隅が丸まってしまい、反りの高さを測定することができなかった。また、第1フィルム40を搬送する際、第1フィルム40の幅方向における端部に折れが生じていたので、折れを解消するために第1フィルム40に加える張力を調整した。
積層体30の層構成は、下記のように表される。
ヘプタックスHBN/第1接着剤層/アルミニウム箔/第2接着剤層/ポリプロピレン
続いて、積層体30の突き刺し強度を測定した。結果、突き刺し強度は12Nであった。
(比較例2)
基材として、厚み12μmのPETフィルムと厚み15μmのナイロンフィルムを準備した。また、実施例1の場合と同様にして、PETフィルムにおける反りを評価した。結果、反りの高さの最大値は、0mmであった。
続いて、PETフィルムに溶剤を含む接着剤を塗布した後、接着剤を乾燥させることにより溶剤を揮発させて、未硬化状態の第1接着剤層を形成した。接着剤は、主剤として東洋モートン株式会社製のTM−556S、硬化剤として東洋モートン株式会社製のCAT−56を用いた。また、ポリオールのヒドロキシ基に対する芳香族系イソシアネート化合物のイソシアネート基のモル比は3であった。PETフィルムを搬送する際、PETフィルムの端部に反りや折れなどは観察されなかった。続いて、PETフィルムにナイロンフィルムを圧着させ、PETフィルム及びナイロンフィルムの積層体を作製した。続いて、積層体を、40℃の環境下で96時間にわたって加熱した。これにより、接着剤を硬化させて、ポリオールと芳香族系イソシアネート化合物との硬化物を含む第1接着剤層を得た。第1接着剤層の厚みは、3μmであった。
続いて、ナイロンフィルムに溶剤を含む接着剤を塗布した後、接着剤を乾燥させることにより溶剤を揮発させて、未硬化状態の第2接着剤層を形成した。接着剤は、主剤として東洋モートン株式会社製のTM−556S、硬化剤として東洋モートン株式会社製のCAT−56を用いた。また、ポリオールのヒドロキシ基に対する芳香族系イソシアネート化合物のイソシアネート基のモル比は3であった。続いて、ナイロンフィルムに厚み7μmのアルミニウム箔を圧着させ、PETフィルムとナイロンフィルムとアルミニウム箔の積層体を作製した。続いて、積層体を、40℃の環境下で96時間にわたって加熱した。これにより、接着剤を硬化させて、ポリオールと芳香族系イソシアネート化合物との硬化物を含む第2接着剤層を得た。第2接着剤層の厚みは、3μmであった。
続いて、アルミニウム箔に溶剤を含む接着剤を塗布した後、接着剤を乾燥させることにより溶剤を揮発させて、未硬化状態の第3接着剤層を形成した。接着剤は、主剤としてロックペイント株式会社製のRU−40、硬化剤としてロックペイント株式会社製のH−4を用いた。また、ポリオールのヒドロキシ基に対する脂肪族系イソシアネート化合物のイソシアネート基のモル比は3であった。続いて、アルミニウム箔にポリプロピレンフィルムを圧着させ、積層体を作製した。ポリプロピレンフィルムとしては、東レフィルム加工株式会社製の未延伸ポリプロピレンフィルム ZK99Sを用いた。続いて、積層体を、40℃の環境下で96時間にわたって加熱した。これにより、接着剤を硬化させて、ポリオールと脂肪族系イソシアネート化合物との硬化物を含む第3接着剤層を得た。第3接着剤層の厚みは、3μmであった。
積層体の層構成は、下記のように表される。
PET/第1接着剤層/ナイロン/第2接着剤層/アルミニウム箔/第3接着剤層/ポリプロピレン
続いて、積層体の突き刺し強度を測定した。結果、突き刺し強度は19Nであった。
(比較例3)
基材41として、厚み12μmのPETフィルム(東洋紡製 E5100)を用いたこと以外は、実施例1の場合と同様にして、基材41からなる第1フィルム40における反りを評価した。結果、反りの高さの最大値は、0mmであった。
また、PETフィルムからなる基材41を用いて、実施例1の場合と同様に積層体30を作製した。積層体30を作製する工程において基材41からなる第1フィルム40を搬送する際、第1フィルム40の端部に反りや折れなどは観察されなかった。
積層体の層構成は、下記のように表される。
PET/第1接着剤層/アルミニウム箔/第2接着剤層/ポリプロピレン
続いて、積層体の突き刺し強度を測定した。結果、突き刺し強度は11Nであった。
実施例1,2,3及び比較例1,2,3の積層体の層構成及び評価結果を、図8にまとめて示す。図8において、「層構成」の欄には、接着剤層を除く積層体の構成要素を、外面側の層から順に上から記載している。また、「ラミネート工程」の欄に関して、実施例1,2,3及び比較例2,3においては、フィルムの端部に反りや折れなどが観察されなかったので、評価結果を「good」とした。一方、比較例1においては、フィルムの端部に折れが観察され、第1フィルム40と金属箔50をラミネートするときの張力を調整する作業が必要であったので、評価結果を「bad」とした。
図8からわかるように、実施例1,2,3によれば、PBTを用いて第1フィルム40の基材41を構成することにより、第1フィルム40に反りが生じることを抑制することができた。このため、積層体30を効率良く製造することができた。また、13N以上の突き刺し強度を実現することができた。
10 袋
11 上部
11a 上部シール部
12 下部
12a 下部シール部
13 側部
13a 側部シール部
14 表面フィルム
15 裏面フィルム
16 下部フィルム
17 収容部
18 内容物
25 易開封性手段
26 ノッチ
27 開封予定部
30 積層体
40 第1フィルム
41 基材
41a 層
42 印刷層
45 第1接着剤層
50 金属箔
55 第2接着剤層
60 第2フィルム
61 シーラント層

Claims (9)

  1. 積層体であって、
    基材/第1接着剤層/金属箔/第2接着剤層/シーラント層、又は
    基材/印刷層/第1接着剤層/金属箔/第2接着剤層/シーラント層、をこの順で含み、
    前記基材は、51質量%以上のポリブチレンテレフタレートを含み、
    前記第2接着剤層は、ポリオール及び脂肪族系イソシアネート化合物の硬化物を含む、積層体。
  2. 前記基材は、60質量%以上のポリブチレンテレフタレートを含む、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記積層体の突き刺し強度が13N以上である、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記第1接着剤層は、ポリオール及び芳香族系イソシアネート化合物の硬化物を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の積層体。
  5. 前記基材は、10層以上を含む多層構造部を有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の積層体。
  6. 前記基材は、1.10dl/g以上且つ1.35dl/g以下のIV値を有する単層構造からなる、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の積層体。
  7. 前記シーラント層は、90質量%以上のポリプロピレンを含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の積層体。
  8. 前記シーラント層は、100℃以上の融点を有するポリエチレンを含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の積層体。
  9. 袋であって、
    外面及び内面を含む積層体と、
    前記積層体の内面同士を接合するシール部と、を備え、
    前記積層体は、外面側から内面側へ順に
    基材/第1接着剤層/金属箔/第2接着剤層/シーラント層、又は
    基材/印刷層/第1接着剤層/金属箔/第2接着剤層/シーラント層、をこの順で含み、
    前記基材は、51質量%以上のポリブチレンテレフタレートを含み、
    前記第2接着剤層は、ポリオール及び脂肪族系イソシアネート化合物の硬化物を含む、袋。
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