JP2018057285A - チキンシーズニングオイルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】畜肉エキス業界におけるチキンオイル不足の問題を解決し、チキンシーズニングオイルを効率的に製造する方法を開発することを課題とする。【解決手段】チキンエキスと植物油脂を混合し、加圧・加熱することによってチキンシーズニングオイルを製造する。また、当該植物油脂はパーム油であることが好ましい。次に、加圧・加熱の温度が105℃〜125℃であることが好ましい。さらに、加圧・加熱する際の原料として鶏ガラを含むことが好ましい。また、鶏ガラとして、もみじを含むことが好ましい。【選択図】図1
Description
本発明は、チキンシーズニングオイルを効率的に製造することが可能な製造方法に関するものである。
鶏肉系のシーズニングオイル(チキンシーズニングオイル)は、即席麺や即席スープ等の各種即席食品を始め、各種の食品に広く使用されている。
ここで、鶏肉系のシーズニングオイルを製造するための方法として、例えば、直接に鶏肉原料から、鶏脂(チキンオイル)を抽出し、これを利用する方法がある。
ここで、鶏肉系のシーズニングオイルを製造するための方法として、例えば、直接に鶏肉原料から、鶏脂(チキンオイル)を抽出し、これを利用する方法がある。
具体的な鶏脂(チキンオイル)の製造方法として、鶏ガラ等を加熱することによりチキンエキスを抽出する際に発生する浮き油の鶏脂として回収してシーズニングオイルとして利用する方法がある。しかし、当該方法は、チキンエキスを抽出する際の副産物扱いの為、収量が少なく常に品薄の状況にある。
また、鶏脂自体を炊き出して鶏脂を抽出する製法もあるが、原料となる鶏脂の供給量が減っており、エキスメーカーにおいて製造可能な数量が減少している状況にある。
このように、畜産エキス業界におけるチキンオイル不足の問題がある。
ここで、当該鶏肉系のシーズニングオイルについては、上記のように当該鶏肉の脂身を用いる方法の他、当該鶏肉又は鶏ガラ類に食用油に浸漬して、鶏肉系の成分を食用油に移行させ、シーズニングオイルとする方法も考えられる。当該方法に関連する先行技術として、以下の先行技術が挙げられる。
このように、畜産エキス業界におけるチキンオイル不足の問題がある。
ここで、当該鶏肉系のシーズニングオイルについては、上記のように当該鶏肉の脂身を用いる方法の他、当該鶏肉又は鶏ガラ類に食用油に浸漬して、鶏肉系の成分を食用油に移行させ、シーズニングオイルとする方法も考えられる。当該方法に関連する先行技術として、以下の先行技術が挙げられる。
そこで、本発明者らは、畜肉エキス業界におけるチキンオイル不足の問題を解決し、チキンシーズニングオイルを効率的に製造する方法を開発することを課題とした。
本発明者らの鋭意研究の結果、チキンエキスと植物油脂を混合した状態で加圧・加熱することで、チキン風味を植物油脂に移行させて効率的にチキンシーズニングオイルを製造できることを見出した。
すなわち、本願請求項1に記載の発明は、
「チキンエキスと植物油脂を混合した状態で加圧・加熱するチキンシーズニングオイルの製造方法」、である。
すなわち、本願請求項1に記載の発明は、
「チキンエキスと植物油脂を混合した状態で加圧・加熱するチキンシーズニングオイルの製造方法」、である。
また、前記植物油脂のうち、パーム油を利用することでより、チキンの香り等及び舌触りにおいて好ましいチキンシーズニングオイルとすることができることを見出した。
すなわち、本願第二の発明は、
「前記植物油脂がパーム油である請求項1に記載のチキンシーズニングオイルの製造方法」、である。
すなわち、本願第二の発明は、
「前記植物油脂がパーム油である請求項1に記載のチキンシーズニングオイルの製造方法」、である。
さらに、前記チキンエキスの加圧・加熱温度は、105℃〜125℃であることが好ましいことを見出した。
すなわち、本願第三の発明は
「前記加圧・加熱の温度が105℃〜125℃である請求項1又は2に記載のチキンシーズニングオイルの製造方法。」、である。
すなわち、本願第三の発明は
「前記加圧・加熱の温度が105℃〜125℃である請求項1又は2に記載のチキンシーズニングオイルの製造方法。」、である。
次に、加圧・加熱する対象として、畜肉系のエキスに加えて鶏ガラを追加することが好ましい。
すなわち、本願第四の発明は、
「前記鶏肉系の原料にさらに、鶏ガラを含む請求項3に記載のチキンシーズニングオイルの製造方法。」、である。
すなわち、本願第四の発明は、
「前記鶏肉系の原料にさらに、鶏ガラを含む請求項3に記載のチキンシーズニングオイルの製造方法。」、である。
次に、前記鶏ガラについては、鶏ガラのうち、もみじであることが好ましい。
すなわち、本願第五の発明は、
「前記鶏ガラが、もみじを含む請求項4に記載の畜肉系シーズニングオイルの製造方法。」、である。
すなわち、本願第五の発明は、
「前記鶏ガラが、もみじを含む請求項4に記載の畜肉系シーズニングオイルの製造方法。」、である。
本発明を利用することによりチキンシーズニングオイルを効率的に製造することができる。
以下に、本発明の実施態様について説明する。但し、本発明はこれらの実施態様に限定されるものではない。
尚、本発明にいうチキンシーズニングオイルとは、チキン風味を有するオイルをいう。ここでいうオイルとは鶏脂そのものの(チキンオイル)に限られず、植物油脂も含む概念である。また、チキン風味のみではなく、例えば、他のジンジャー、ガーリック、野菜等の他の風味成分を含有してもよいことは勿論である。
尚、本発明にいうチキンシーズニングオイルとは、チキン風味を有するオイルをいう。ここでいうオイルとは鶏脂そのものの(チキンオイル)に限られず、植物油脂も含む概念である。また、チキン風味のみではなく、例えば、他のジンジャー、ガーリック、野菜等の他の風味成分を含有してもよいことは勿論である。
1)チキンエキス
本発明にいう原料としてのチキンエキスとしては、鶏肉自体又は当該鶏肉の骨等を長時間、加熱又は加圧・加熱等して抽出したエキス部分を用いることができる。
すなわち、具体的には、鶏肉自体又は鶏から鶏肉を取り出したその残渣(鶏ガラ)(骨肢、脂肪等)を煮出すことでエキスを抽出することができる。
本発明にいう原料としてのチキンエキスとしては、鶏肉自体又は当該鶏肉の骨等を長時間、加熱又は加圧・加熱等して抽出したエキス部分を用いることができる。
すなわち、具体的には、鶏肉自体又は鶏から鶏肉を取り出したその残渣(鶏ガラ)(骨肢、脂肪等)を煮出すことでエキスを抽出することができる。
具体的な煮出しの時間等は特に限定されないが、例えば、常圧下であれば95℃程度で、16〜48時間程度煮出す方法がある。さらに、加圧下であると、さらに短時間でチキンエキスを調製することができる。
通常、鶏から鶏肉を取り出すと、骨肢、脂肪等の残滓が発生するが、これらを煮出すことによってエキス分を抽出して、これを本発明におけるチキンエキスとして利用することができる。
通常、鶏から鶏肉を取り出すと、骨肢、脂肪等の残滓が発生するが、これらを煮出すことによってエキス分を抽出して、これを本発明におけるチキンエキスとして利用することができる。
2)植物油脂
本発明にいう植物油脂とは、植物の種子や果実から採った油をいう。植物油脂については特に限定されないが、例えば、具体例として、大豆油、米油、菜種油(キャノーラ油)、パーム油、コーン油、ピーナッツ油、ひまわり油、オリーブオイル、サフラワー油(紅花油)、ごま油等が挙げられる。また、これらのうち、特にパーム油やキャノーラ油が好ましい。
本発明にいう植物油脂とは、植物の種子や果実から採った油をいう。植物油脂については特に限定されないが、例えば、具体例として、大豆油、米油、菜種油(キャノーラ油)、パーム油、コーン油、ピーナッツ油、ひまわり油、オリーブオイル、サフラワー油(紅花油)、ごま油等が挙げられる。また、これらのうち、特にパーム油やキャノーラ油が好ましい。
さらに、パーム油については、パーム核油やパームオレイン、パームステアリン等の分別油を使用することができる。また、これらの植物油脂は複数を混合したものであってもよいことは勿論である。
本発明においてはこれらの植物油脂と畜肉系のエキスを混合して加圧・加熱することを特徴とする。
本発明においてはこれらの植物油脂と畜肉系のエキスを混合して加圧・加熱することを特徴とする。
3)チキンエキスと植物油脂を混合
本発明においては、前記チキンエキスと植物油脂を混合した状態で加圧・加熱抽出を行う。ここで、チキンエキスと植物油脂の原料配合としては、特に限定されないが、概ね、チキンエキス:植物油脂が1:10〜1:2程度とすれば十分である。
また、当該混合物に対して水分を、20重量%〜100重量%程度加えることも好ましい。
また、チキンエキスと植物油脂の仕込み方法について、釜にチキンエキスを投入後、植物油脂を投入するだけでも充分である。また、好ましくは、軽く混合する方が良い。その後、両者は二層に分離する。
本発明においては、前記チキンエキスと植物油脂を混合した状態で加圧・加熱抽出を行う。ここで、チキンエキスと植物油脂の原料配合としては、特に限定されないが、概ね、チキンエキス:植物油脂が1:10〜1:2程度とすれば十分である。
また、当該混合物に対して水分を、20重量%〜100重量%程度加えることも好ましい。
また、チキンエキスと植物油脂の仕込み方法について、釜にチキンエキスを投入後、植物油脂を投入するだけでも充分である。また、好ましくは、軽く混合する方が良い。その後、両者は二層に分離する。
4)加圧・加熱
本発明において、100℃以上で処理する場合において、加圧した状態で加熱することが好ましい。大気圧下で120℃〜130℃程度で、加熱するとエキス部分が沸騰して乳化状態となるため、オイルのシーズニング化は困難となる。また、原料としてもみじを入れた場合、低温でフライしたような状態となってしまう場合がある。
そこで、100℃以上の場合には、加圧が必要となる。尚、加圧・加熱抽出においては、一般のオートクレープ等の加圧・加熱抽出器であれば、使用可能である。
本発明において、100℃以上で処理する場合において、加圧した状態で加熱することが好ましい。大気圧下で120℃〜130℃程度で、加熱するとエキス部分が沸騰して乳化状態となるため、オイルのシーズニング化は困難となる。また、原料としてもみじを入れた場合、低温でフライしたような状態となってしまう場合がある。
そこで、100℃以上の場合には、加圧が必要となる。尚、加圧・加熱抽出においては、一般のオートクレープ等の加圧・加熱抽出器であれば、使用可能である。
また、本加圧・加熱の過程を通じて、チキンエキスの成分が植物油脂側に移行する。
尚、本加圧・加熱の状態では、沸騰がないため、液面は静止した状態となる。
前記加圧・加熱の温度については、100℃〜125℃、好ましくは、105℃〜120℃である。
また、加熱する時間は、概ね60分〜180分程度である。また、好ましくは100分〜150分程度である。
尚、本加圧・加熱の状態では、沸騰がないため、液面は静止した状態となる。
前記加圧・加熱の温度については、100℃〜125℃、好ましくは、105℃〜120℃である。
また、加熱する時間は、概ね60分〜180分程度である。また、好ましくは100分〜150分程度である。
5)鶏ガラ
本発明においては、前記チキンエキスと植物油脂に加えて、さらに、鶏ガラを追加で同時に入れて加圧・加熱する方法が好ましい。このように鶏ガラを加えることで得られるチキンシーズニングオイルの風味を一層、向上させることができる。
本発明にいう鶏ガラの種類としては、胴ガラ、もも肉、もみじ等が挙げられる。ここで、胴ガラとは、鶏の胴体部分から肉(むね肉、もも肉、ささみ等)や内臓を除いた、骨を主要とする部分をいう。完全に肉を除去するのは困難であり、通常、肉が残存している場合が多い。また、もも骨とは、鶏のもも部位より、もも肉を取り除いた骨を主要とする部分をいう。さらに、もみじとは鶏の足の部分をいう。
本発明においては、前記チキンエキスと植物油脂に加えて、さらに、鶏ガラを追加で同時に入れて加圧・加熱する方法が好ましい。このように鶏ガラを加えることで得られるチキンシーズニングオイルの風味を一層、向上させることができる。
本発明にいう鶏ガラの種類としては、胴ガラ、もも肉、もみじ等が挙げられる。ここで、胴ガラとは、鶏の胴体部分から肉(むね肉、もも肉、ささみ等)や内臓を除いた、骨を主要とする部分をいう。完全に肉を除去するのは困難であり、通常、肉が残存している場合が多い。また、もも骨とは、鶏のもも部位より、もも肉を取り除いた骨を主要とする部分をいう。さらに、もみじとは鶏の足の部分をいう。
これらの各部分は、前述のチキンエキスの原料になるとともに、鶏ガラスープを抽出する際に用いられる部分でもある。本発明においては、いずれの部位も用いることができるが、特にもみじを利用することが好ましい。また、これらの混合であってもよいことは勿論である。
さらに、これらの部位以外にも、風味づけの目的でジンジャー、ネギ、玉ねぎ、ハーブ等の野菜類や果実類を加えてもよいことは勿論である。これらを加えることで用途に応じたチキンシーズニングオイルとすることができる。
6)加圧・加熱後の回収
本発明においては、加圧・加熱処理した後、チキンシーズニングオイルを回収するが、当該回収方法については、公知の方法を用いることができる。
すなわち、加圧・加熱後、減圧し、当該処理物を遠心分離して、上層のシーズニングオイル部分を回収してもよい。これによってチキン風味を付与したシーズニングオイルを得ることができる。
また、必要に応じて得られたシーズニングオイルについて加熱殺菌(80℃〜95℃程度)及び抗酸化剤(ビタミンE等)の添加を行ってもよいことは勿論である。
本発明においては、加圧・加熱処理した後、チキンシーズニングオイルを回収するが、当該回収方法については、公知の方法を用いることができる。
すなわち、加圧・加熱後、減圧し、当該処理物を遠心分離して、上層のシーズニングオイル部分を回収してもよい。これによってチキン風味を付与したシーズニングオイルを得ることができる。
また、必要に応じて得られたシーズニングオイルについて加熱殺菌(80℃〜95℃程度)及び抗酸化剤(ビタミンE等)の添加を行ってもよいことは勿論である。
7) 本発明のシーズニングオイルの利用方法
本発明で得られるチキン系のシーズニングオイルは、液体スープの添付オイルとして利用することができる。例えば、スープの浮き油として用いることができる。これらを即席麺や即席スープの構成原料として利用することができる。
本発明で得られたチキンシーズニングオイルの利用方法については、特に限定されず、例えば、これに香辛料や醤油や味噌のフレーバを加えたもの調味油として用いる方法が挙げられる。
また、肉まんやシュウマイ、餃子等の惣菜系統に練り込んで風味付与に用いることもできる。これらの用途は適宜設定することができる。
本発明で得られるチキン系のシーズニングオイルは、液体スープの添付オイルとして利用することができる。例えば、スープの浮き油として用いることができる。これらを即席麺や即席スープの構成原料として利用することができる。
本発明で得られたチキンシーズニングオイルの利用方法については、特に限定されず、例えば、これに香辛料や醤油や味噌のフレーバを加えたもの調味油として用いる方法が挙げられる。
また、肉まんやシュウマイ、餃子等の惣菜系統に練り込んで風味付与に用いることもできる。これらの用途は適宜設定することができる。
以下に本発明の実施例を示す。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実験例1]植物油脂の種類を変更した場合
種々の植物油脂を用いて、チキンシーズニングオイルの製造を行い、植物油脂の種類による差異を評価した。
チキンエキスとしては、原料の鶏ガラとして、もも骨1:水2の割合で98℃で沸騰させずに、48時間加熱抽出を行ったもの。Brix.3-4を濃縮して、Brix.40程度にし、これに食塩を14%加えたもの(濃縮後のチキンエキスが86%)を調製した。
植物油脂としては、市販の大豆油、米油、菜種油、キャノーラ油、パーム油、コーン油を用いた。また、配合は以下の表1の通りとした。
種々の植物油脂を用いて、チキンシーズニングオイルの製造を行い、植物油脂の種類による差異を評価した。
チキンエキスとしては、原料の鶏ガラとして、もも骨1:水2の割合で98℃で沸騰させずに、48時間加熱抽出を行ったもの。Brix.3-4を濃縮して、Brix.40程度にし、これに食塩を14%加えたもの(濃縮後のチキンエキスが86%)を調製した。
植物油脂としては、市販の大豆油、米油、菜種油、キャノーラ油、パーム油、コーン油を用いた。また、配合は以下の表1の通りとした。
加圧・加熱条件としては、市販のオートクレープ装置を用いて、温度:115℃、時間:120分の加圧・加熱抽出を行った。その後、→ 減圧 → 遠心分離(15.000rpm 1分) → 殺菌(90℃、10分) → ビタミンEを0.03%となるように添加 → 充填して、チキンシーズニングオイルを調製した。
─官能評価の基準─
官能評価は以下の基準で行った。
〇評価基準
一般のチキンオイルを基準として、チキンの香りと強さ・質、に加えて舌触りを加えて総合的な評価とした。また、チキンオイル本来の風味に加えて新たな好ましい風味が得られた場合にはそれも考慮した。
〇評価者
評価は熟練のパネラー3人により行い、その平均値とした。評価段階 1(悪)⇔8(良)⇔15(最良)の15段階とした。結果を表2に示す。
官能評価は以下の基準で行った。
〇評価基準
一般のチキンオイルを基準として、チキンの香りと強さ・質、に加えて舌触りを加えて総合的な評価とした。また、チキンオイル本来の風味に加えて新たな好ましい風味が得られた場合にはそれも考慮した。
〇評価者
評価は熟練のパネラー3人により行い、その平均値とした。評価段階 1(悪)⇔8(良)⇔15(最良)の15段階とした。結果を表2に示す。
ベースの植物油脂の種類を変えた結果、パーム油がもっとも力価(臭いの感じ方、チキンの香りが持続する度合い)が高く、質感もチキンオイルに類似していることがわかった。
[実験例2]抽出温度を変更した場合
加圧・加熱温度を変更することによる影響を調べた。
実験例1において、植物油脂として、パーム油を用い(試験例4)、表1の配合として、加圧・加熱温度について60℃〜140℃において10℃又は5℃刻みとして、得られたチキンシーズニングオイルについて官能評価を行った。
その他の条件は実験例1に示したものと同様である。結果を表3に示す。
加圧・加熱温度を変更することによる影響を調べた。
実験例1において、植物油脂として、パーム油を用い(試験例4)、表1の配合として、加圧・加熱温度について60℃〜140℃において10℃又は5℃刻みとして、得られたチキンシーズニングオイルについて官能評価を行った。
その他の条件は実験例1に示したものと同様である。結果を表3に示す。
加圧・加熱条件としては、100℃〜130℃が良好、特に105℃〜120℃が好ましいことが判明した。
[実験例3]追加する鶏ガラ原料の種類
チキンエキス及び植物油脂を加圧・加熱する際に、同時に鶏ガラ原料を追加で使用してその効果を調べた。
試験例4の条件のうち、表1の原料配合の代わりに以下の表4の配合とすることとして、追加する鶏ガラの種類を変えて試験を実施した。追加する鶏ガラとしては、もみじ又はもも骨又は胴ガラ又は丸鶏のいずれかを添加した。
チキンエキス及び植物油脂を加圧・加熱する際に、同時に鶏ガラ原料を追加で使用してその効果を調べた。
試験例4の条件のうち、表1の原料配合の代わりに以下の表4の配合とすることとして、追加する鶏ガラの種類を変えて試験を実施した。追加する鶏ガラとしては、もみじ又はもも骨又は胴ガラ又は丸鶏のいずれかを添加した。
[実験例4]パーム油の割合
原料の植物油脂として、パーム油を利用する場合において、融点分別したパームオレインを一部に混合してその官能評価に対する効果を調べた。
試験例17(追加原料の鶏ガラとしてもみじを使用)において、当該パーム油の配合を以下の表6に示すように変えて、試験した
原料の植物油脂として、パーム油を利用する場合において、融点分別したパームオレインを一部に混合してその官能評価に対する効果を調べた。
試験例17(追加原料の鶏ガラとしてもみじを使用)において、当該パーム油の配合を以下の表6に示すように変えて、試験した
─結果─
パーム油の融点を下げることでより食感が良くなった。尚、パーム油の一部を置換する植物油は、パームオレインを用いなくても、他の植物油でもよいと考えられる。融点としては、26.4℃〜31.5℃位にするように植物油を入れることが有効であると考える。
パーム油の融点を下げることでより食感が良くなった。尚、パーム油の一部を置換する植物油は、パームオレインを用いなくても、他の植物油でもよいと考えられる。融点としては、26.4℃〜31.5℃位にするように植物油を入れることが有効であると考える。
[実験例5]使用するチキンエキス
本発明で使用する、原料のチキンエキスの種類及び加熱時間を検討することで、その効果を調べた。
試験例23(追加原料の鶏ガラとしてもみじを使用、植物油脂としてパーム油50%及びパームオレイン50%)の場合において、加圧・加熱する際に使用したチキンエキスの調製を以下の表7に示すように、もも骨と胴ガラの二種類を用い、かつ、加熱時間を変えて試験した。
本発明で使用する、原料のチキンエキスの種類及び加熱時間を検討することで、その効果を調べた。
試験例23(追加原料の鶏ガラとしてもみじを使用、植物油脂としてパーム油50%及びパームオレイン50%)の場合において、加圧・加熱する際に使用したチキンエキスの調製を以下の表7に示すように、もも骨と胴ガラの二種類を用い、かつ、加熱時間を変えて試験した。
尚、チキンエキスの製造条件としては、もも骨又は胴ガラ1:水2の割合で98℃で沸騰させずに16又は48時間加熱抽出を行ったものとした。当該加熱抽出後の溶液をBrix.3-4を濃縮して、Brix.40程度にし、これに食塩を14%加えたもの(濃縮後のチキンエキスが86%)を調製した。結果を表7に示す。
本発明で使用するチキンエキスの原料としては、もも骨、胴ガラのいずれでもそれほど差異はなかった。また、抽出時間は16時間程度でも可能であるが、好ましくは48時間程度である。
[試験例6]実際のチキンオイルとの成分比較
実際の鶏の脂部分を利用して製造したチキンオイルと本発明のチキンシーズニングオイルの成分を比較した。
チキンオイルの製法としては、チキンの脂身部分をまとめて、加熱抽出してチキンオイルを得た。当該オイルを殺菌(90℃、10分)し、ビタミンEを0.03%となるように添加 したものを調製した。
本発明のシーズニングオイルは試験例23のチキンシーズニングオイルを利用した。
各サンプルを以下のGC/MS条件により分析した。
実際の鶏の脂部分を利用して製造したチキンオイルと本発明のチキンシーズニングオイルの成分を比較した。
チキンオイルの製法としては、チキンの脂身部分をまとめて、加熱抽出してチキンオイルを得た。当該オイルを殺菌(90℃、10分)し、ビタミンEを0.03%となるように添加 したものを調製した。
本発明のシーズニングオイルは試験例23のチキンシーズニングオイルを利用した。
各サンプルを以下のGC/MS条件により分析した。
<GC/MS分析条件>
GC装置 :Agilent Technologies 7890B
MS装置 :Agilent Technologies 5977A
カラム :HP-INNOWAX(60m×0.25mm, Film0.25μm)
昇温条件:40℃(6min)→230℃(3℃/min)→230℃(15min)
GC装置 :Agilent Technologies 7890B
MS装置 :Agilent Technologies 5977A
カラム :HP-INNOWAX(60m×0.25mm, Film0.25μm)
昇温条件:40℃(6min)→230℃(3℃/min)→230℃(15min)
<サンプル前処理方法>
サンプル各5gをバイアル瓶に入れ、ツイスター(Twister、Gestel社製)による
ヘッドスペース吸着抽出法(Headspace Sorptive Extraction法、80℃、30分間)を行い香気を吸着した後、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)に供した。
主要香気成分についてトータルイオンクロマトグラムのエリア面積を求めた。
結果を表8に示す。
サンプル各5gをバイアル瓶に入れ、ツイスター(Twister、Gestel社製)による
ヘッドスペース吸着抽出法(Headspace Sorptive Extraction法、80℃、30分間)を行い香気を吸着した後、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)に供した。
主要香気成分についてトータルイオンクロマトグラムのエリア面積を求めた。
結果を表8に示す。
─結果─
本発明のチキンシーズニングオイルは、一般的なチキンオイルの特徴香りに加えて、成分3及び成分4の特徴香を含むことで、一般的なチキンオイルよりも力価の強いチキン風味を発現していることが判明した。
本発明のチキンシーズニングオイルは、一般的なチキンオイルの特徴香りに加えて、成分3及び成分4の特徴香を含むことで、一般的なチキンオイルよりも力価の強いチキン風味を発現していることが判明した。
Claims (5)
- チキンエキスと植物油脂を混合し、加圧・加熱するチキンシーズニングオイルの製造方法。
- 前記植物油脂がパーム油である請求項1に記載のチキンシーズニングオイルの製造方法。
- 前記加圧・加熱の温度が105℃〜125℃である請求項1又は2に記載のチキンシーズニングオイルの製造方法。
- 前記鶏肉系の原料にさらに、鶏ガラを含む請求項3に記載のチキンシーズニングオイルの製造方法。
- 前記鶏ガラが、もみじを含む請求項4に記載のチキンシーズニングオイルの製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112155062A (zh) * | 2020-09-29 | 2021-01-01 | 湖南省嘉品嘉味生物科技有限公司 | 一种调味油的智能生产方法 |
CN113973927A (zh) * | 2021-11-05 | 2022-01-28 | 安徽天祥粮油食品有限公司 | 浓香型火锅用牛油及加工工艺 |
WO2024058190A1 (ja) * | 2022-09-13 | 2024-03-21 | サントリーホールディングス株式会社 | チキンエキス含有飲料 |
-
2016
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