JP2018056459A - ウエーハの加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】積層コストを抑制しながら積層デバイスの厚みを薄くすると共に、ゲッタリング効果を有する積層デバイスを形成するウエーハの加工方法を提供する。【解決手段】マザーウエーハ10の表面に第1のSiウエーハ12の表面をフュージョンボンディングFによって接合する第1の接合工程と、接合された第1のSiウエーハ12の裏面12bを研削して薄化する薄化工程と、薄化された第1のSiウエーハの裏面に金属イオンを捕獲するゲッタリング層を形成するゲッタリング層形成工程と、ゲッタリング層にSiO2層を被覆するSiO2層被覆工程と、SiO2層に鏡面加工を施す鏡面加工工程と、鏡面加工されたSiO2層に第2のSiウエーハ14の表面14aをフュージョンボンディングFによって接合する第2の接合工程と、を少なくとも含み構成される。【選択図】図6
Description
本発明は、表面にデバイスが形成された複数のウエーハを積層して、上下に積層された積層デバイスを形成するためのウエーハの加工方法に関する。
IC、LSI等の複数のデバイスが分割予定ラインによって区画され表面に形成されたウエーハは裏面が研削されて薄化された後、ダイシング装置によって個々のデバイスに分割されて、携帯電話、パソコン等の電気機器に利用される。
近年、装置の小型化、高機能化を図るべく、複数の半導体チップを積層した積層デバイスが実用化されている。この積層デバイスを形成する方法としては、表面に複数のデバイスが形成された半導体ウエーハを複数枚積層して積層ウエーハを構成し、上下に積層されたデバイスの電極を連通させて、該積層ウエーハをストリートに沿って切断して個々の積層デバイスを得る方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
上記した特許文献1に記載された加工方法によれば、マザーウエーハ(ベースウエーハということもある。)となる半導体ウエーハの表面と、他の半導体ウエーハの表面とを異方性導電接着剤(アンダーフィル)を介在させて接合する。この場合、該アンダーフィルを介在させることにより接合は良好になされるものの、積層するためのコストが高くなると共に、厚みが厚くなり、積層デバイスの小型化、軽量化を阻害するという問題がある。
また、積層デバイスを薄くするためにウエーハの裏面を研削して個々のデバイスを薄くしようとすると、ウエーハの裏面側で金属イオンを捕獲し、該金属イオンの動きを抑制する所謂ゲッタリング効果が減少し、ウエーハの内部に含有した銅等の金属イオンが、デバイスが形成された表面側に浮遊することで電流リークが発生し、積層デバイスの品質を低下させるという問題がある。
本発明は、上記事実に鑑みなされたものであり、その主たる技術課題は、積層デバイスを形成する際に、積層コストを抑制しながら積層デバイスの厚みを薄くすると共に、ゲッタリング効果を有する積層デバイスを形成するウエーハの加工方法を提供することにある。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、交差する複数の分割予定ラインによって区画された領域に複数のデバイスが形成された表面を備えたSiウエーハをマザーウエーハに積層させるウエーハの加工方法であって、マザーウエーハの表面に第1のSiウエーハの表面をフュージョンボンディングによって接合する第1の接合工程と、接合された該第1のSiウエーハの裏面を研削して薄化する薄化工程と、薄化された該第1のSiウエーハの裏面に金属イオンを捕獲するゲッタリング層を形成するゲッタリング層形成工程と、該ゲッタリング層にSiO2層を被覆するSiO2層被覆工程と、該SiO2層に鏡面加工を施す鏡面加工工程と、鏡面加工された該SiO2層に第2のSiウエーハの表面をフュージョンボンディングによって接合する第2の接合工程と、を少なくとも含み構成されるウエーハの加工方法が提供される。
該ゲッタリング層形成工程は、該薄化工程において研削された裏面に研削痕を残存させることで形成することができる。あるいは、該ゲッタリング層形成工程は、該薄化工程において研削された裏面に純水を供給しながら砥粒が混入した研磨パッドで研磨することによりゲッタリング層を形成することができる。
本発明のウエーハの加工方法は、マザーウエーハの表面に第1のSiウエーハの表面をフュージョンボンディングによって接合する第1の接合工程と、接合された該第1のSiウエーハの裏面を研削して薄化する薄化工程と、薄化された該第1のSiウエーハの裏面に金属イオンを捕獲するゲッタリング層を形成するゲッタリング層形成工程と、該ゲッタリング層にSiO2層を被覆するSiO2層被覆工程と、該SiO2層に鏡面加工を施す鏡面加工工程と、鏡面加工された該SiO2層に第2のSiウエーハの表面をフュージョンボンディングによって接合する第2の接合工程と、を少なくとも含み構成されることから、アンダーフィルなどの接着剤を用いずにウエーハの積層を行うので、積層コストを抑制できると共に、積層デバイスを薄くすることができる。また、積層デバイスを構成するデバイスの裏面に対してゲッタリング層を形成するので積層デバイスの品質を低下させることがない。
以下、本発明によるウエーハの加工方法について添付図面を参照して、詳細に説明する。
図1には、Si基板からなるマザーウエーハ10に第1のSiウエーハ12を接合する様子を示している。マザーウエーハ10、第1のSiウエーハ12はいずれも600μmの厚さで形成されている。マザーウエーハ10の表面10a側には、分割予定ラインによって区画された複数の領域にデバイスd1が配設されている。また、マザーウエーハ10の外周には、デバイスd1の配列方向を識別するためのノッチn1が形成されている。
図1には、Si基板からなるマザーウエーハ10に第1のSiウエーハ12を接合する様子を示している。マザーウエーハ10、第1のSiウエーハ12はいずれも600μmの厚さで形成されている。マザーウエーハ10の表面10a側には、分割予定ラインによって区画された複数の領域にデバイスd1が配設されている。また、マザーウエーハ10の外周には、デバイスd1の配列方向を識別するためのノッチn1が形成されている。
また、マザーウエーハ10の表面10a側に接合される第1のSiウエーハ12は、概ねマザーウエーハ10と同様の構成を有しており、表面12a側に分割予定ラインによって区画された複数の領域にデバイスd2が配設されている。第1のSiウエーハ12の外周には、デバイスd2の配列方向を識別するためのノッチn2が形成されている。マザーウエーハ10に対し、第1のSiウエーハ12を接合する際には、マザーウエーハ10の表面10a側に第1のSiウエーハの表面12aを向けて、マザーウエーハ10と第1のSiウエーハ12の外縁を一致させると共に、第1のSiウエーハ12のノッチn2を、マザーウエーハ10のノッチn1に一致させて、フュージョンボンディングFにより接合し積層ウエーハW1を形成する。フュージョンボンディングFは、双方の貼合わせ面を洗浄し、張り合わせた上で加圧加熱して接合することをいう。このフュージョンボンディングFの結果、マザーウエーハ10と、第1のSiウエーハ12の貼合わせ面には、絶縁層が形成され、マザーウエーハ10に形成されたデバイスd1と、第1のSiウエーハ12に形成されたデバイスd2は、該絶縁層を介して上下に積層され、第1の接合工程が完了する。
上記第1の接合工程が完了したならば、図2(a)に示すように、積層ウエーハW1のマザーウエーハ10の裏面10b側に保護テープTを貼着する。そして、積層ウエーハW1に保護テープTを貼着したならば、図2(b)に示すように全体図は省略する研削装置2のチャックテーブル21の吸着チャック22上に保護テープT側を向けて積層ウエーハW1が載置される。チャックテーブル21は、図示しない回転駆動機構により回転可能に構成され、吸着チャック22は多孔性材料からなり、図示しない吸引手段に接続され、後述する薄化工程を実現する研削時に、積層ウエーハW1を吸着チャック22上で位置ずれしないように強固に吸引保持する。
図3(a)に示すように、研削装置2は、チャックテーブル21上に載置された積層ウエーハW1を研削して薄化するための研削手段20を備えている。研削手段20は、図示しない回転駆動機構により回転させられる回転スピンドル23と、該回転スピンドル23の下端に装着されたマウンター24と、該マウンター24の下面に取り付けられた研削ホイール25とを備え、研削ホイール25の下面には複数の研削砥石26が環状に配設されている。
チャックテーブル21上に保持された積層ウエーハW1をチャックテーブル21上に吸引保持したならば、チャックテーブル21を研削ホイール25の下方に搬送する。チャックテーブル21を研削ホイール25の下方の所定の位置に位置付けたならば、矢印21aで示す方向に例えば300rpmで回転させつつ、研削手段20の回転スピンドル23を矢印23aで示す方向に、例えば6000rpmで回転させる。そして、研削砥石26を第1のSiウエーハ12の裏面12bに接触させ、研削ホイール25を、例えば1μm/秒の研削送り速度で下方、すなわち、チャックテーブル21対し垂直な方向に所定量研削送りする。この際、図示しない接触式の測定ゲージにより積層ウエーハW1の厚みを測定しながら研削を進めることができ、第1のSiウエーハ12の裏面12bが研削されて第1のSiウエーハ12を所定の厚さ、例えば20μmとして、薄化工程が完了する。
上記した薄化工程における研削は、第1のSiウエーハ12の裏面12b側に、図3(b)に示すような、視認できる研削痕Pが残存する程度の面粗さとなるように実行される。より具体的には、第1のSiウエーハ12の裏面12bにゲッタリング効果を奏する例えば0.2μm程度の厚さのマイクロクラックからなる研削歪層を残存させることにより、ゲッタリング層が形成される。つまり、本実施形態では、薄化工程を実行することにより、同時に第1のSiウエーハ12の裏面12b側にゲッタリング層が形成されるゲッタリング層形成工程が完了する。
該ゲッタリング層形成工程が完了したならば、第1のSiウエーハ12の裏面12b側にSiO2層を被覆するSiO2層被覆工程を実施する。より具体的には、第1のSiウエーハ12の裏面12b側でゲッタリング層が形成された積層ウエーハW1を、一般的に知られたプラズマCVD法によって、SiO2からなる絶縁膜Sを形成する(図4を参照。)。なお、プラズマCVD法によりSiO2層を形成する方法は、一般的に知られた方法を用いることができるため、本実施形態では、その詳細については省略する。
上述したSiO2層被覆工程を実施したならば、該SiO2層の表面を鏡面化する鏡面加工工程を実施する。該鏡面加工工程は、例えば図5に示すような研磨装置3を使用することができる。研磨装置3は、概ね図3に示す研削装置2と同様の構成を有しており、研磨装置3は、チャックテーブル31上に載置された積層ウエーハW1を研磨するための研磨手段30を備えている。該研磨手段30は、図示しない回転駆動機構により回転させられる回転スピンドル32と、該回転スピンドル32の下端に装着されたマウンター33と、該マウンター33の下面に取り付けられた研磨ホイール34とを備え、研磨ホイール34の下面全体に研磨パッド35が配設されている。
該鏡面加工工程を実施する際には、チャックテーブル31上に吸引保持された積層ウエーハW1の第1のSiウエーハ12の裏面12b上に遊離砥粒を懸濁させた反応性の溶媒を供給し、図5に示す研磨手段30による機械的な研磨と化学的な処理を同時に行う研磨加工(CMP)を実行する。なお、回転スピンドル32の回転速度、チャックテーブル31の回転速度は、上述した研削装置2と同等の速度で実行することができ、予め実験等により得ている最適な加工時間で研磨することにより、鏡面加工工程が完了する。
該鏡面加工工程が完了したならば、図6(a)に示すように新たに積層する第2のSiウエーハ14を用意する。この第2のSiウエーハ14は、概ね第1のSiウエーハ12と同様の構成を備えており、第1のSiウエーハ12に形成されたデバイスd2と異なるデバイスd3が形成されている点のみが異なっている。そして、マザーウエーハ10のノッチn1と、第1のSiウエーハ12のノッチn2と、第2のSiウエーハ14のノッチn3とを一致させると共に外縁を一致させて(図6(b)を参照。)、第2のSiウエーハ14の表面14aに対して、鏡面加工が施された第1のウエーハ12の裏面12b側のSiO2層をフュージョンボンディングFにより接合する第2の接合工程を実施し、新たな積層ウエーハW2を形成する。このフュージョンボンディングFによる接合は、マザーウエーハ10に対して第1のSiウエーハ12を接合したのと同様の方法により接合することができ、この結果、各ウエーハのデバイスd1、d2、d3が上下に積層された積層デバイスが形成される。また、各デバイスに形成された電極を貫通電極により接続しデバイスd1、d2、d3を電気的に導通させる。
なお、上述したように、第2のSiウエーハ14の表面14aに対して、第1のウエーハ12の裏面12bをフュージョンボンディングFにより接合するが、第1のウエーハ12の裏面12bには、研削痕Pが残存した状態でSiO2層が形成され、さらに鏡面加工が施されている。これにより、第1のSiウエーハ12の裏面12bはゲッタリング効果を奏するゲッタリング層を保持したまま、フュージョンボンディングFに適した面になっており、両者は良好に接合される。
本発明に基づくウエーハの加工方法は、少なくとも以上の加工工程を実施することにより実現される。そして、上記加工工程が実施されたならば、適宜必要に応じて、第2のSiウエーハ14の裏面14b側、マザーウエーハ10の裏面10b側を薄化加工し、マザーウエーハ10、第1のSiウエーハ12、及び第2のSiウエーハ14それぞれの厚みが20μmとなる3枚のウエーハが積層された積層ウエーハW2を得ることができる。このようにすることで、各ウエーハ間には、酸化膜から形成される絶縁層、あるいは、鏡面加工が施されたSiO2層しか存在せず、アンダーフィル等の接着剤を用いた積層よりも厚みの増加を抑制することができる。
また、積層されるウエーハの数は上記積層ウエーハW2の3枚に留まらず、4枚以上の積層ウエーハを構成することもできる。図は省略するが、上記した第2のSiウエーハ14の裏面14b側を研削により薄化加工した後、薄化加工された第2のSiウエーハ14の裏面14bに対して上述したSiO2層形成工程、鏡面加工工程を実施し、第3のSiウエーハをフュージョンボンディングにより接合し4枚のウエーハによる積層ウエーハを構成してもよく、同様の手順を繰り返すことにより、4枚以上の積層ウエーハを構成することも可能である。
本発明は、上述した実施形態に限定されず、種々の変形例を想定することができる。例えば、ゲッタリング層を形成するゲッタリング形成工程を、薄化工程でウエーハの裏面側研削する際に形成された研削痕(研削歪層)を残存させることで実現したが、これに限定されず、例えば、薄化工程で研削された裏面に対し、純水を供給しながら砥粒を混入させた研磨パッドで研磨することにより金属イオンを捕獲しやすい層を形成し、ゲッタリング層を構成することができる。また、その他のゲッタリング層形成工程を実現する手段としては、Arガスをプラズマ化してゲッタリング層を形成するウエーハの裏面側をエッチングすることにより粗面化してゲッタリング層とすることができる。さらに、SiN膜等を形成する工程を実施することによりゲッタリング層としてもよい。
2:研削装置
3:研磨装置
10:マザーウエーハ
12:第1のSiウエーハ
14:第2のSiウエーハ
20:研削手段
21:チャックテーブル
22:吸着チャック
23:回転スピンドル
24:マウンター
25:研削ホイール
26:研削砥石
30:研磨手段
31:チャックテーブル
32:回転スピンドル
33:マウンター
34:研磨ホイール
35:研磨パッド
W1、W2:積層ウエーハ
n1、n2、n3:ノッチ
d1、d2、d3:デバイス
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Claims (3)
- 交差する複数の分割予定ラインによって区画された領域に複数のデバイスが形成された表面を備えたSiウエーハをマザーウエーハに積層させるウエーハの加工方法であって、
マザーウエーハの表面に第1のSiウエーハの表面をフュージョンボンディングによって接合する第1の接合工程と、
接合された該第1のSiウエーハの裏面を研削して薄化する薄化工程と、
薄化された該第1のSiウエーハの裏面に金属イオンを捕獲するゲッタリング層を形成するゲッタリング層形成工程と、
該ゲッタリング層にSiO2層を被覆するSiO2層被覆工程と、
該SiO2層に鏡面加工を施す鏡面加工工程と、
鏡面加工された該SiO2層に第2のSiウエーハの表面をフュージョンボンディングによって接合する第2の接合工程と、
を少なくとも含み構成されるウエーハの加工方法。 - 該ゲッタリング層形成工程は、該薄化工程において研削された裏面に研削痕を残存させることで形成する請求項1に記載のウエーハの加工方法。
- 該ゲッタリング層形成工程は、該薄化工程において研削された裏面に純水を供給しながら砥粒が混入した研磨パッドで研磨することによりゲッタリング層を形成する請求項1に記載のウエーハの加工方法。
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2016
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