JP2018056216A - 配線基板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】配線導体と貫通導体とが電気的に良好に接続された配線基板を提供すること。【解決手段】主面に銅箔から成る配線導体2が転写埋入された絶縁層1が複数積層されて成るとともに、上下の配線導体2同士が各絶縁層1に形成された貫通孔1a内に充填された貫通導体3により電気的に接続されて成る配線基板において、内層の配線導体2は、マット面Mと化学的エッチングにより粗化されたシャイニー面Sとを有する電解銅箔から成り、貫通導体3は、樹脂と半田粒子3aおよび銀コート銅粒子3bとから成るとともに半田粒子3aが絶縁層1の一方の主面側に偏在しており、マット面Mが一方の主面側に偏在する半田粒子3aと接触している。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体素子等を搭載するため等に用いられる配線基板およびその製造方法に関するものである。
図11に示すように、半導体素子Sを搭載するために用いられる配線基板として、表面に銅箔から成る配線導体22が転写埋入された樹脂系の電気絶縁材料から成る絶縁層21が複数積層されて成るとともに、各絶縁層21を挟んで上下に位置する配線導体22同士が各絶縁層21に形成された貫通孔21a内に充填された導体ペーストの硬化物から成る貫通導体23により電気的に接続されて成る配線基板が知られている。なお、配線基板の上下面には、ソルダーレジスト層24が配線導体22の一部を露出させるようにして被着されている。
絶縁層21は、ガラスクロス入りの熱硬化性樹脂から成る。熱硬化性樹脂としては、例えばアリル変性ポリフェニレンエーテル樹脂が用いられる。貫通孔21aは、絶縁層21の一方の主面側から他方の主面側に向けてレーザ加工を行うことにより形成されている。貫通孔21aは、その径がレーザの入射側で大きく、出射側で小さい形状となる。貫通孔21aの直径は、レーザの入射側で100〜150μm、レーザの出射側で80〜130μm程度である。
配線導体22は、電解銅箔から成る。配線導体22は、マット面Mと化学的エッチングにより粗化されたシャイニー面Sとを有している。マット面Mは、電解銅箔の成長が終了する側の面である。マット面Mは、銅の結晶塊が突起状に成長した微細な凸部が疎に形成された凹凸面である。シャイニーS面は、電解銅箔の成長が開始する側の面である。このシャイニー面Sに化学的エッチングを施すことにより、銅の結晶粒界に沿って厚み方向にエッチングが進み、微細な凸部が密に形成された凹凸面となっている。配線導体22は、例えばマット面Mが絶縁層21の他方の主面と略同一の高さになるようにシャイニー面S側が絶縁層21の他方の主面に埋入されている。
貫通導体23は、半田粒子23aと銀コート銅粒子23bとを含んでいる。半田粒子23aおよび銀コート銅粒子23bの粒度分布は、0.5〜30μm程度である。半田粒子23aは、粒径が10μm以上の半田粗粒子23aLと粒径が5μm以下の半田微粒子23aSとを含んでいる。銀コート銅粒子23bは、粒径が10μm以上の銀コート銅粗粒子23bLと粒径が5μm以下の銀コート銅微粒子23bSとを含んでいる。
貫通導体23は、貫通孔21aにおけるレーザの入射側から貫通孔21a内に充填されている。そして、半田粒子23aおよび銀コート銅粒子23bのうち、粒径が5μm以下の半田微粒子23aSおよび粒径が5μm以下の銀コート銅微粒子23bSが貫通孔21aにおける貫通導体23の埋め込み開始側であるレーザの入射側に偏在している。また、貫通孔21aにおける貫通導体23の埋め込み終了側であるレーザの出射側には、半田粒子23aおよび銀コート銅粒子23bのうち、粒径が10μm以上の半田粗粒子23aLおよび粒径が10μm以上の銀コート銅粗粒子23bLが複数存在している。
そして、例えば電解銅箔から成る配線導体22のマット面Mが、貫通導体23の埋め込み開始側に偏在する半田微粒子23aSおよび銀コート銅微粒子23bSと接触しており、化学的に粗化されたシャイニー面Sが貫通導体23の埋め込み終了側に複数存在する半田粗粒子23aLおよび銀コート銅粗粒子23bLと接触している。
この従来の配線基板によれば、貫通導体23に含有される半田粒子23aおよび銀コート銅粒子23bと配線導体22との接触により、貫通導体23と配線導体22との電気的接続が形成される。また、配線導体22における貫通導体23との接触面には、半田粒子23aを構成する金属の一部が配線導体22に拡散した拡散層が形成され、この拡散層により配線導体22と貫通導体23との電気的接続が強化される。さらに半田粒子23aと銀コート銅粒子23bとが濡れて結合することにより貫通導体23の導電性が強化される。
しかしながら、この従来の配線基板においては、上述したように、内層の配線導体22のマット面Mには、半田粒子23aおよび銀コート銅粒子23bのうち、粒径が5μm以下の半田微粒子23aS,銀コード銅微粒子23bSが接触している。マット面Mは、銅の結晶塊が突起状に成長した微細な凸部が疎に形成された凹凸面であることから、このマット面M側に半田微粒子23aSおよび銀コート銅微粒子23bSが偏在していたとしても、これらの微粒子23aS,23bSとの接触点は、さほど多くはならない。さらに、内層の配線導体22におけるマット面Mは、化学的エッチングされていないことから、表面の酸化膜等が除去されておらず、これにより半田微粒子23aSからの金属の良好な拡散が阻害されるとともに、マット面Mに接触する半田微粒子23aS自体の体積が小さく、拡散できる金属の絶対量が少ないことから、マット面Mに形成される拡散層が少なく、そのため、配線導体22と貫通導体23との電気的な接続が不十分なものとなりやすいという問題があった。
特開2011−254098号公報 特許第4846248号
本発明は、表面に銅箔から成る配線導体が転写埋入された樹脂系の電気絶縁材料から成る絶縁層が複数積層されて成るとともに、各絶縁層を挟んで上下に位置する配線導体同士が各絶縁層に形成された貫通孔内に充填された導体ペーストの硬化物から成る貫通導体により電気的に接続されて成る配線基板において、配線導体と貫通導体とが電気的に良好に接続された配線基板を提供することを課題とするものである。
本発明の配線基板は、主面に銅箔から成る配線導体が転写埋入された樹脂系の電気絶縁材料から成る絶縁層が複数積層されて成るとともに、前記各絶縁層を挟んで上下に位置する前記配線導体同士が前記各絶縁層に形成された貫通孔内に充填された導体ペーストの硬化物から成る貫通導体により電気的に接続されて成る配線基板において、内層の前記配線導体は、マット面と化学的エッチングにより粗化されたシャイニー面とを有する電解銅箔から成り、前記貫通導体は、樹脂と銀コート銅粒子および半田粒子とから成るとともに該銀コート銅粒子および半田粒子が粒径5μm以下の微粒子と粒径10μm以上の粗粒子とを含み、前記半田粒子が前記絶縁層の一方の主面側に偏在しているとともに前記粗粒子が前記絶縁層の他方の主面側に複数存在しており、前記シャイニー面が前記一方の主面側の前記半田粒子または前記他方の主面側の前記粗粒子と接触しているとともに、前記マット面が前記一方の主面側の前記半田粒子と接触していることを特徴とするものである。
本発明の配線基板の製造方法は、熱硬化性樹脂前駆体を含有するシート状の未硬化の絶縁層を複数枚準備する工程と、前記各絶縁層に貫通孔を形成する工程と、前記貫通孔内に、熱硬化性樹脂前駆体と半田粒子および銀コート銅粒子とから成るとともに、該半田粒子および銀コート銅粒子が粒径5μm以下の微粒子と粒径10μm以上の粗粒子とを含む導体ペーストを、前記絶縁層の一方の主面側からスクリーン印刷により注入し、前記貫通孔の前記一方の主面側に前記微粒子が偏在するとともに他方の主面側に前記粗粒子が複数存在するように充填する工程と、前記貫通孔の前記一方の主面側の開口部近傍に充填された前記導体ペーストの前記微粒子の一部を除去する工程と、前記微粒子の一部が除去された前記開口部近傍の前記導体ペーストに半田粒子を補充する工程と、マット面と化学的エッチングにより粗化されたシャイニー面とを有する電解銅箔から成る内層用の配線導体を準備するとともに、該配線導体の前記シャイニー面を前記貫通孔内の前記導体ペーストに接続するように内層用の前記絶縁層の前記他方の主面または両主面に埋入するとともに前記マット面を前記他方の主面または両主面に露出させる工程と、複数の前記絶縁層を、内層用の一つの前記絶縁層の前記他方の主面または両主面から露出する前記マット面と別の前記絶縁層の前記貫通孔内の前記導体ペーストにおける前記一方の主面側に補充された前記半田粒子とが接触するように積層して配線基板用の積層体を形成する工程と、前記積層体における前記絶縁層および前記導体ペースト中の前記熱硬化性樹脂前駆体を熱硬化させる工程と、を行うことを特徴とするものである。
本発明の配線基板によれば、内層の配線導体は、そのシャイニー面が絶縁層の一方の主面側に偏在する半田粒子または他方の主面側に複数存在する粗粒子と接触している。シャイニー面は、化学的エッチングにより粗化されているので、微細な凸部が密に形成されている。そのため、半田粒子との接触点が多いものとなる。さらにシャイニー面は、化学的エッチングにより表面の酸化膜等が除去されているので、半田粒子からの金属の拡散が良好に行われる。したがって、十分な量の金属の拡散層が形成される。他方、内層の配線導体のマット面は、絶縁層の一方の主面側に偏在する半田粒子と接触している。マット面は、酸化膜等が除去されておらず、半田粒子からの拡散が良好でないものの、マット面と接触する半田粒子の数が多く、拡散できる金属の絶対量が多いことから、マット面に十分な量の金属の拡散層が形成される。したがって、これらのシャイニー面およびマット面に形成された金属の拡散層により配線導体と貫通導体とが電気的に良好に接続される。
また、本発明の配線基板の製造方法によれば、絶縁層に設けた貫通孔内に導体ペーストを充填する際に、導体ペーストに含まれる半田粒子および銀コート銅粒子のうち、粒径が5μm以下の微粒子が絶縁層の一方の主面側に偏在するとともに粒径が10μm以上の粗粒子が他方の主面側に複数存在するように充填し、次に貫通孔の一方の主面側の開口部近傍に充填された導体ペーストの微粒子の一部を除去した後、微粒子が除去された部分に半田粒子を補充し、内層用の配線導体を内層用の絶縁層に埋入する際に、配線導体の化学的エッチングにより粗化されたシャイニー面が貫通孔に充填した導体ペーストに接続するように内層用の絶縁層の他方の主面または両主面に埋入するとともに、その配線導体のマット面を内層用の絶縁層の他方の主面または両主面から露出させ、次に、内層用の一つの絶縁層の他方の主面または両主面から露出するマット面と別の絶縁層の貫通孔内の導体ペーストにおける一方の主面側に補充された半田粒子とが接触するように積層し、最後に、積層体における絶縁層および導体ペースト中の熱硬化性樹脂前駆体を熱硬化させることから、シャイニー面は、化学的エッチングにより密に形成された微細な凸部と半田粒子との接触点が多いものとなるとともに、化学的エッチングにより表面の酸化膜等が除去されており、半田粒子からの金属の拡散が良好に行われるので、十分な量の金属の拡散層が形成される。また、マット面は、酸化膜等が除去されておらず、半田粒子からの拡散が良好でないものの、マット面と接触する半田粒子の数が多く、拡散できる金属の絶対量が多いことから、マット面に十分な量の金属の拡散層が形成される。したがって、これらのシャイニー面およびマット面に形成された金属の拡散層により配線導体と貫通導体とが電気的に良好に接続された配線基板を提供することができる。
図1は、本発明の配線基板の実施形態例を示す概略断面図である。 図2は、図1に示す配線基板の製造方法の工程の一つを説明するための概略断面図である。 図3は、図1に示す配線基板の製造方法の工程の一つを説明するための概略断面図である。 図4は、図1に示す配線基板の製造方法の工程の一つを説明するための概略断面図である。 図5は、図1に示す配線基板の製造方法の工程の一つを説明するための概略断面図である。 図6は、図1に示す配線基板の製造方法の工程の一つを説明するための概略断面図である。 図7は、図1に示す配線基板の製造方法の工程の一つを説明するための概略断面図である。 図8は、図1に示す配線基板の製造方法の工程の一つを説明するための概略断面図である。 図9は、図1に示す配線基板の製造方法の工程の一つを説明するための概略断面図である。 図10(a)〜(c)は、図4〜6に示す配線基板の製造方法の工程を説明するための要部拡大断面図である。 図11は、従来の配線基板を示す概略断面図である。
次に、本発明の配線基板の実施形態例を添付の図面を参照して説明する。
図1に、本発明の配線基板の実施形態例の概略断面図を示す。本例の配線基板は、絶縁層1と、配線導体2と、貫通導体3と、ソルダーレジスト層4とから成る。この配線基板は、表面に銅箔から成る配線導体2が転写埋入された樹脂系の電気絶縁材料から成る絶縁層1が複数積層されて成るとともに、各絶縁層1を挟んで上下に位置する配線導体2同士が各絶縁層1に形成された貫通導体3により電気的に接続されている。また、その上下面には、ソルダーレジスト層4が配線導体2の一部を露出させるようにして被着されている。
絶縁層1は、例えばガラス繊維の束を縦横に織ってシート状にした耐熱性繊維基材にアリル変性ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させた樹脂系の電気絶縁材料から成る。絶縁層1は、複数層が上下に積層されている。各絶縁層1の厚みは、100〜200μmである。なお、この例では、5層の絶縁層1が積層された場合を示しているが、絶縁層1は、4層以下または6層以上の複数層が積層されていてもよい。
貫通孔1aは、絶縁層1の一方の主面側から他方の主面側に向けてレーザ加工を行うことにより形成されている。貫通孔1aは、その径がレーザの入射側で大きく、出射側で小さい形状となる。貫通孔1aの直径は、レーザの入射側で80〜150μm、レーザの出射側で60〜130μm程度である。
配線導体2は、各絶縁層1の表面に埋入されている。配線導体2は、電解銅箔から成り、マット面Mと化学的エッチングにより粗化されたシャイニー面Sとを有している。マット面Mは、電解銅箔の成長が終了する側の面であり、銅の結晶塊が突起状に成長した微細な凸部が疎に形成された凹凸面である。化学的エッチングにより粗化されたシャイニー面Sは、電解銅箔の成長が開始する側の面の銅の結晶粒界に沿って厚み方向にエッチングが進んだ面であり、微細な凸部が密に形成された凹凸面である。配線導体2は、例えばマット面Mが絶縁層1の他方の主面と略同一の高さになるようにシャイニー面S側が絶縁層1の他方の主面に埋入されている。配線導体2の厚みは、10〜20μm程度である。
貫通導体3は、熱硬化性樹脂と半田粒子3aおよび銀コート銅粒子3bから成る。熱硬化性樹脂としては、トリアジン系の熱硬化性樹脂が用いられる。半田粒子3aとしては、錫−銀−ビスマス−銅合金から成る低融点半田が用いられる。半田粒子3aは、貫通導体3に含有される熱硬化性樹脂の硬化温度で溶融する。銀コート銅粒子3bは、貫通導体3に含有される熱硬化性樹脂の硬化温度では溶融しない。貫通導体3における熱硬化性樹脂の含有量は5〜20重量%程度である。
貫通導体3に含有される半田粒子3aは、粒径が5μm以下の半田微粒子3aSと粒径が10μm以上の半田粗粒子3aLとを含んでいる。銀コート銅粒子3bは、粒径が5μm以下の半田微粒子3bSと粒径が10μm以上の銀コート銅粗粒子3bLを含んでいる。
貫通導体3は、貫通孔1aにおけるレーザの入射側から貫通孔1a内に充填されている。
そして、半田粒子3aおよび銀コート銅粒子3bのうち、半田粒子3aが貫通孔1aにおける貫通導体3の埋め込み開始側の開口部近傍に偏在している。また、貫通孔1aにおける貫通導体3の埋め込み終了側には、半田粒子3aおよび銀コート銅粒子3bのうち、粒径が10μm以上の半田粗粒子3aLおよび粒径が10μm以上の銀コート銅粗粒子13bLが複数存在している。
そして、例えば電解銅箔から成る配線導体2のマット面Mが、貫通導体3の埋め込み開始側に偏在する多数の半田粒子3aと接触しており、化学的に粗化されたシャイニー面Sが貫通導体3の埋め込み終了側に多数存在する半田粗粒子3aLおよび銀コート銅粗粒子3bLと接触している。
このように、配線導体2のマット面Mは、貫通導体3の埋め込み開始面側に偏在する多数の半田粒子3aと接触していることから、これらの半田粒子3aから拡散できる金属の絶対量が多くなり、その結果、貫通導体3との接続面に十分な量の金属の拡散層が形成される。また、配線導体2の化学的に粗化されたシャイニー面Sは、化学的エッチングにより表面の酸化膜等が除去されているので、半田粒子3aからの金属の拡散が良好に行われる。
ソルダーレジスト層4は、最表層の絶縁層1および配線導体2の表面に、配線導体2の一部を露出させるようにして被着されている。ソルダーレジスト層4は、絶縁層1および配線導体2の保護層であり、アクリル変性エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂から成る。
そして、本例の配線基板によれば、内層の配線導体2は、そのシャイニー面Sが絶縁層1の一方の主面側に偏在する半田粒子3aまたは他方の主面側に複数存在する粗粒子3aL,3bLと接触している。シャイニー面Sは、化学的エッチングにより粗化されているので、微細な凸部が密に形成されている。そのため、半田粒子3aとの接触点が多いものとなる。さらにシャイニー面Sは、化学的エッチングにより表面の酸化膜等が除去されているので、半田粒子3Sからの金属の拡散が良好に行われる。したがって、十分な量の金属の拡散層が形成される。他方、内層の配線導体2のマット面Mは、絶縁層1の一方の主面側に偏在する半田粒子3aと接触している。マット面Mは、酸化膜等が除去されておらず、半田粒子3aからの拡散が良好でないものの、マット面Mと接触する半田粒子3aの数が多く、拡散できる金属の絶対量が多いことから、マット面Mに十分な量の金属の拡散層が形成される。したがって、これらのシャイニー面Sおよびマット面Mに形成された金属の拡散層により配線導体2と貫通導体3とが電気的に良好に接続される。したがって、配線導体2と貫通導体3とが電気的に良好に接続された配線基板を提供することができる。
次に、本発明の配線基板の製造方法の実施形態例を上述の配線基板を製造する場合を例に添付の図面を参照して説明する。
まず、図2に示すように、シート状の未硬化の絶縁層1Pを複数枚準備する。絶縁層1Pは、ガラスクロスに熱硬化性樹脂前駆体を含浸させて成る。各絶縁層1Pの厚みは、100〜200μm程度である。絶縁層1Pの上下面には、保護用の樹脂フィルム11を貼着しておく。樹脂フィルム11は、例えばポリエチレンテレフタレートから成る。樹脂フィルム11の厚みは、10〜50μm程度である。
次に、図3に示すように、樹脂フィルム11を含む各絶縁層1Pにレーザ加工により貫通孔1aを形成する。レーザは各絶縁層1Pの一方の主面側から入射し、他方の主面側に出射する。このとき、貫通孔1aは、その径がレーザの入射側で大きく、出射側で小さい形状となる。貫通孔1aの直径は、レーザの入射側で80〜150μm、レーザの出射側で60〜130μm程度である。
次に、図4に示すように、各絶縁層1Pに形成した貫通孔1a内に導体ペースト3Pを充填する。導体ペースト3Pの充填は、貫通孔1aの開口径が大きなレーザ入射側から行う。導体ペースト3Pの充填は、図10(a)に示すように、スクリーン印刷を採用する。導体ペースト3Pは、熱硬化性樹脂前駆体ならびに低融点半田粒子3aおよび銀コート銅粒子3bから成る。半田粒子3aは、粒径が5μm以下の半田微粒子3aSと粒径が10μm以上の半田粗粒子3aLとを含んでいる。銀コート銅粒子3bは、粒径が5μm以下の銀コート銅微粒子3bSと粒径が10μm以上の銀コート銅粗粒子3bLとを含んでいる。
スクリーン印刷においては、レーザ入射側の保護フィルム11を印刷マスクとして用いる。スクリーン印刷は、印刷マスクとして用いる保護フィルム11上に導体ペースト3Pを配置するとともに、その上にスキージー12を摺動させることにより行う。なお、スキージー12の摺動は、複数回行う。それにより、貫通孔1a内への導体ペースト3Pの充填率が向上する。また、貫通孔1a内の充填開始側においては、導体ペースト3Pに含有される半田粗粒子3aLおよび銀コート銅粗粒子3bLが掻き取られて減少するとともに、粒径が5μm以下の半田微粒子3aSおよび銀コート銅微粒子3bSが残留して偏在することになる。なお、貫通孔1a内の充填終了側(レーザ出射側)には、粒径が10μm以上の半田粗粒子3aLおよび銀コート銅粗粒子3bLが掻き取られることなく多く含まれる。
次に、図5に示すように、貫通孔1aの充填開始側の開口部近傍に充填された導体ペースト3Pの一部を拭き取る。導体ペースト3Pの拭き取りは、図10(b)に示すように、無塵布13を用いる。拭き取りにより、貫通孔1aの充填開始側の開口部近傍に偏在する半田微粒子3aSの一部および銀コート銅微粒子3bSの一部が除去される。
次に、図6に示すように、半田微粒子3aSおよび銀コート銅微粒子3bSの一部が除去された貫通孔1aの充填開始側の開口部近傍に半田ペースト3aPを印刷する。半田ペースト3aPの印刷は、図10(c)に示すように、スクリーン印刷を採用する。半田ペースト3aPは、熱硬化性樹脂前駆体ならびに半田粒子3aから成る。半田粒子3aは、粒径が5μm以下の半田微粒子3aSと粒径が10μm以上の半田粗粒子3aLとを含んでいる。これにより、貫通孔1a内に充填された導体ペースト3Pの充填開始側の開口部近傍に多数の半田粒子3aが補充される。
次に、図7に示すように、耐熱性樹脂から成る支持フィルム14の表面に電解銅箔から成る配線導体2が剥離可能に支持された転写シート15を準備するとともに、絶縁層1Pの上下面から保護フィルム11を除去する。電解銅箔は、一方の主面がシャイニー面であり、他方の主面がマット面である。シャイニー面は、電解銅箔が成長を開始する側の面であり、光沢を有する平滑面である。マット面は、電解銅箔が成長を終了する側の面であり、突起状に成長した銅の結晶塊が複数林立する凹凸面である。転写シート15は、表層の配線導体2用と内層の配線導体2用とで、電解銅箔の結晶粒径が異なっているとともに支持フィルム14に支持される面が異なっている。表層の配線導体2用の電解銅箔の結晶粒径は、0.2〜1.0μm程度である。これに対して、内層の配線導体2用の電解銅箔の結晶粒径は、0.6〜1.8μm程度である。表層の配線導体2用の電解銅箔の結晶粒径を小さなものとすることによって、表層の配線導体2を微細配線に加工しやすいものとしている。また、表層の配線導体2用の転写シート15は、電解銅箔のシャイニー面が支持フィルム14に支持されており、露出するマット面および側面が化学的エッチングにより粗化されている。他方、内層の配線導体2用の転写シートは、電解銅箔のマット面が支持フィルム14に支持されており、露出するシャイニー面および側面が化学的に粗化されている。
次に、図8に示すように、貫通孔1a内に導体ペースト3Pが充填された絶縁層1Pの表面に、転写シート15の配線導体2側をプレスにて圧接し、配線導体2を絶縁層1Pに埋入するとともに配線導体2と貫通孔1a内の導体ペースト3Pとを接続させる。ここで、内層の絶縁層1Pの一つには、その両面に配線導体2を埋入する。その他の絶縁層1Pには、レーザ出射側の面に配線導体2を埋入する。これにより、各配線導体2の化学的エッチングにより粗化された面と導体ペースト3Pとが接続することとなる。
次に、各絶縁層1Pから支持フィルム14を剥離した後、図9に示すように、配線導体2が埋入された各絶縁層1Pを積層して配線基板用の積層体を形成する。これにより、各配線導体2のマット面と貫通孔1a内の導体ペースト3Pとが接触することとなる。なお、この場合、貫通孔1a内の導体ペースト3Pにおける埋め込み開始側の開口部近傍に補充された半田粒子3aとマット面とが接触することとなる。
最後に、配線基板用の積層体を180〜240℃の温度で数分〜数時間、熱プレスを用いて加熱および加圧し、絶縁層および導体ペースト中の熱硬化性樹脂前駆体を硬化一体化させた後、上下面にソルダーレジスト層4を被着することにより、配線導体2と貫通導体3とが電気的に良好に接続された配線基板を得る。
かくして、本例の配線基板の製造方法によれば、絶縁層1Pに設けた貫通孔1a内に導体ペースト3Pを充填する際に、導体ペースト3Pに含まれる半田粒子3aおよび銀コート銅粒子3bのうち、粒径が5μm以下の微粒子3aS,3bSが絶縁層1Pの一方の主面側に偏在するとともに粒径が10μm以上の粗粒子3aL,3bLが他方の主面側に複数存在するように充填し、次に貫通孔1aの一方の主面側の開口部近傍に充填された導体ペースト3Pの微粒子3aS,3bSの一部を除去した後、微粒子3aS,3bSが除去された部分に半田粒子3aを補充し、内層用の配線導体2を内層用の絶縁層1Pに埋入する際に、配線導体2の化学的エッチングにより粗化されたシャイニー面Sが貫通孔1aに充填した導体ペースト3Pに接続するように内層用の絶縁層1Pの他方の主面または両主面に埋入するとともに、その配線導体2のマット面Mを内層用の絶縁層1Pの他方の主面または両主面から露出させ、次に、内層用の一つの絶縁層1Pの他方の主面または両主面から露出するマット面Mと別の絶縁層1Pの貫通孔1a内の導体ペースト3Pにおける一方の主面側に補充された半田粒子3aとが接触するように積層し、最後に、積層体における絶縁層1Pおよび導体ペースト3P中の熱硬化性樹脂前駆体を熱硬化させることから、シャイニー面Sは、化学的エッチングにより密に形成された微細な凸部と半田粒子3aとの接触点が多いものとなるとともに、化学的エッチングにより表面の酸化膜等が除去されており、半田粒子3aからの金属の拡散が良好に行われるので、十分な量の金属の拡散層が形成される。また、マット面Mは、酸化膜等が除去されておらず、半田粒子3aからの拡散が良好でないものの、マット面Mと接触する半田粒子3aの数が多く、拡散できる金属の絶対量が多いことから、マット面Mに十分な量の金属の拡散層が形成される。したがって、これらのシャイニー面Sおよびマット面Mに形成された金属の拡散層により配線導体2と貫通導体3とが電気的に良好に接続された配線基板を提供することができる。
1・・・・・絶縁層
1P・・・・未硬化の絶縁層
1a・・・・貫通孔
2・・・・・配線導体
3・・・・・貫通導体
3a・・・・半田粒子
3aL・・・半田粗粒子
3aS・・・半田微粒子
3b・・・・銀コート銅粒子
3bL・・・銀コート銅粗粒子
3P・・・・導体ペースト
M・・・・・マット面
S・・・・・シャイニー面

Claims (2)

  1. 主面に銅箔から成る配線導体が転写埋入された樹脂系の電気絶縁材料から成る絶縁層が複数積層されて成るとともに、前記各絶縁層を挟んで上下に位置する前記配線導体同士が前記各絶縁層に形成された貫通孔内に充填された導体ペーストの硬化物から成る貫通導体により電気的に接続されて成る配線基板において、内層の前記配線導体は、マット面と化学的エッチングにより粗化されたシャイニー面とを有する電解銅箔から成り、前記貫通導体は、樹脂と半田粒子および銀コート銅粒子とから成るとともに該半田粒子および銀コート銅粒子が粒径5μm以下の微粒子と粒径10μm以上の粗粒子とを含み、前記半田粒子が前記絶縁層の一方の主面側に偏在しているとともに前記粗粒子が前記絶縁層の他方の主面側に複数存在しており、前記シャイニー面が前記一方の主面側の前記半田粒子または前記他方の主面側の前記粗粒子と接触しているとともに、前記マット面が前記一方の主面側の前記半田粒子と接触していることを特徴とする配線基板。
  2. 熱硬化性樹脂前駆体を含有するシート状の未硬化の絶縁層を複数枚準備する工程と、前記各絶縁層に貫通孔を形成する工程と、前記貫通孔内に、熱硬化性樹脂前駆体と半田粒子および銀コート銅粒子とから成るとともに、該半田粒子および銀コート銅粒子が粒径5μm以下の微粒子と粒径10μm以上の粗粒子とを含む導体ペーストを、前記絶縁層の一方の主面側からスクリーン印刷により注入し、前記貫通孔の前記一方の主面側に前記微粒子が偏在するとともに他方の主面側に前記粗粒子が複数存在するように充填する工程と、前記貫通孔の前記一方の主面側の開口部近傍に充填された前記導体ペーストの前記微粒子の一部を除去する工程と、前記微粒子の一部が除去された前記開口部近傍の前記導体ペーストに半田粒子を補充する工程と、マット面と化学的エッチングにより粗化されたシャイニー面とを有する電解銅箔から成る内層用の配線導体を準備するとともに、該配線導体の前記シャイニー面を前記貫通孔内の前記導体ペーストに接続するように内層用の前記絶縁層の前記他方の主面または両主面に埋入するとともに前記マット面を前記他方の主面または両主面に露出させる工程と、複数の前記絶縁層を、内層用の一つの前記絶縁層の前記他方の主面または両主面から露出する前記マット面と別の前記絶縁層の前記貫通孔内の前記導体ペーストにおける前記一方の主面側に補充された前記半田粒子とが接触するように積層して配線基板用の積層体を形成する工程と、前記積層体における前記絶縁層および前記第1および第2の導体ペースト中の前記熱硬化性樹脂前駆体を熱硬化させる工程と、を行うことを特徴とする配線基板の製造方法。
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