以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
[第1実施形態]
まず、図1を参照して、本実施形態の画像形成装置について説明する。図1は、本実施形態の画像形成装置10の全体構成の一例を示す破断正面図である。
画像形成装置10は、一例として、記録媒体収容部12と、記録媒体PにトナーTを用いて画像形成を行う本体部14と、原稿PGの画像を読み取る画像読取部16と、を備えている。
図1に示すように、本実施形態の記録媒体収容部12には、用紙等の記録媒体の一例である記録媒体Pを収容する2つの収容部13が設けられている。収容部13の一端側の上方には、収容された記録媒体Pを一枚ずつ送り出す送り出しロール43と、送り出された記録媒体Pを搬送路40に搬送する搬送ロール44と、が設けられている。記録媒体Pは、後述する搬送路40に設けられた複数のロール45により搬送される。
本体部14は、筐体15内に、画像形成装置10の全体を制御する制御部100と、画像形成部20と、ファン50と、センサ54と、を備えている。また、筐体15内には、画像形成装置10の高さ方向に沿って延びる搬送路40及び反転搬送路42が設けられている。搬送路40は、記録媒体収容部12から送り出された記録媒体Pが複数のロール45により搬送されると共にガイド部材(図示省略)により案内される経路である。反転搬送路42は、記録媒体Pの裏面に画像を形成する場合に搬送路40から記録媒体Pが送り込まれる搬送路である。
画像形成部20は、画像形成ユニット22と、定着ユニット34と、を有している。
図1及び図2に示すように、本実施形態の画像形成ユニット22は、矢印A方向に回転可能とされた円柱状の像保持体24の周囲に、帯電器26と、光ビームLを出射する露光器28と、現像器30と、矢印B方向に回転可能とされた円柱状の転写ロール32と、が設けられている。なお、図2では、図示の便宜上、露光器28の記載を省略している。
帯電器26は、像保持体24を帯電する。露光器28は、例えば、LED(Light Emitting Diode)プリントヘッドを含み、帯電器26により帯電された像保持体24の表面を光ビームLによって露光することにより、像保持体24の表面に潜像を形成する。
現像器30は、像保持体24の表面に形成された潜像をトナーTにより現像することにより、トナー像TGを形成する。
現像器30は、一例として、磁性体からなるキャリア粒子とマイナスに帯電したトナーが混合された二成分現像剤G(以下単に「現像剤G」という)を貯留しており、像保持体24と対向する現像ロール60を備えている。現像ロール60によって搬送されたトナーによって像保持体24に形成された潜像がトナー像として可視化される。
図2に示すように、現像器30は、筐体66内に、現像ロール60と、現像ロール60の下方に配置され、現像ロール60に供給される(汲み上げられる)現像剤Gを撹拌及び搬送する第1撹拌オーガ62と、第1撹拌オーガ62の隣り(図中右隣り)に配置された第2撹拌オーガ64と、が設けられている。
第1撹拌オーガ62及び第2撹拌オーガ64は、それぞれ、筐体66の周壁に回転可能に支持された回転軸62A及び回転軸64Aを備えている。第1撹拌オーガ62、第2撹拌オーガ64の回転軸62A、64Aには、螺旋状の螺旋羽根(図示省略)がそれぞれ形成されている。
さらに、回転軸62A及び回転軸64Aは、後述する画像形成部駆動部120(図3参照)のモータ(図示省略)に連結されており、当該モータの駆動に応じて介して第1撹拌オーガ62及び第2撹拌オーガ64がそれぞれ回転する。
また、本実施形態の第1撹拌オーガ62と第2撹拌オーガ64との間には、図2に示すように、筐体66の底部から上方に向って立ち上がった仕切壁68が形成されており、この仕切壁68によって、第1撹拌オーガ62が配置される第1撹拌路70と、第2撹拌オーガ64が配置される第2撹拌路72とが形成されている。仕切壁68の長手方向の両端部は開放されており、第1撹拌路70と第2撹拌路72とが繋がっている。
現像剤Gは、第1撹拌オーガ62、第2撹拌オーガ64の回転によって第1撹拌路70、第2撹拌路72内を撹拌されながら搬送されて、第1撹拌路70と第2撹拌路72との間を循環する。
現像ロール60は、図示を省略した電源部からマイナスの現像バイアス電圧が印加される。現像ロール60は、円筒状とされて周方向に回転する円筒スリーブ74と、円筒スリーブ74の内部に挿入される円柱状のマグネットロール76と、を備えている。円筒スリーブ74は、画像形成部駆動部120(図3参照)からの回転力が伝達されて、図2に示す矢印C方向に回転する。現像ロール60は、マグネットロール76により発生した磁力を利用して、現像剤G(トナーT)を像保持体24に受け渡す。
一方、図1に示すように、定着ユニット34は、画像形成ユニット22に対して搬送路40における搬送方向の下流側に配置されている。また、定着ユニット34は、一例として、ユニット本体35と、図示を省略したヒータを用いてトナーT(トナー像TG)を加熱する加熱ロール36と、加熱ロール36と共に記録媒体Pを挟んで加圧する加圧ロール38と、を備えている。加熱ロール36及び加圧ロール38の軸方向は、一例として、図1紙面の奥行き方向に沿っている。そして、定着ユニット34は、搬送されてきた記録媒体PのトナーT(トナー像TG)を加熱して記録媒体Pに定着する。
また、転写ロール32は、搬送路40を挟んでそれぞれの像保持体24と対向している。転写ロール32は、給電ユニット(図示省略)によって、トナーの極性とは逆極性の転写バイアスが印加される。
また、センサ54は、像保持体24の温度を検知するためのセンサである。なお、本実施形態では、像保持体24の温度を直接検知するのに代えて、像保持体24の周囲の雰囲気温度を検知している。センサ54は、検知結果を表す情報を制御部100に出力する。本実施形態のセンサ54が、本発明の検知部の一例である。
ファン50は、一例として、筐体15内に、図1紙面の奥行き方向を回転軸方向として、画像形成装置10内の雰囲気を排出する排気口52を覆って取り付けられている。ファン50は、詳細を後述する制御部100の制御に応じてファン駆動部122(図3参照)によって回転させることにより、像保持体24を冷却する。本実施形態の画像形成装置10では、ファン50が回転することにより、筐体15内部の気体が排気口52から外部へ排気される。ファン50を設ける位置は、像保持体24を冷却する観点からは、像保持体24の近傍が好ましいが、ファン50の回転により生じた風が像保持体24の表面に形成されたトナー像TGに影響を与えない位置に設けることが好ましい。なお、本実施形態のファン50が、本発明の冷却部の一例である。
次に、図3を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置10の電気系の構成について説明する。図3に示す制御部100は、上述したように、画像形成装置10の各部を制御する機能を有し、CPU(Central Processing Unit)102、ROM(Read Only Memory)104、及びRAM(Random Access Memory)106を含む。ROM104には、詳細を後述する像保持体回転制御プログラム105A及びファン回転制御プログラム105Bを含む各種プログラムや各種パラメータ等が予め記憶される。RAM106は、CPU102による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる。
記憶部108は、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部である。ユーザI/F110は、ユーザの操作に応じた指示の受け付けを実現する表示ボタンや各種情報が表示されるタッチパネル式のディスプレイ(図示省略)、及びテンキーやスタートボタン等のハードウェアキー(図示省略)等を含んでいる。通信I/F112は、外部装置と通信データの送受信を行う。
CPU102、ROM104、RAM106、記憶部108、ユーザI/F110、通信I/F112、画像形成部駆動部120、ファン駆動部122、記録媒体収容部12、画像読取部16、及びセンサ54の各部がアドレスバス、データバス、及び制御バス等のバス113を介して互いに接続されている。
図3に示した構成により、本実施形態の制御部100は、画像形成部駆動部120により、画像形成部20の像保持体24及び現像器30を含む各部の駆動を制御する。なお、本実施形態の画像形成部駆動部120は、像保持体24を回転させるモータや、現像ロール60、第1撹拌オーガ62、及び第2撹拌オーガ64の各々を回転させるモータ等を含み、これらモータの駆動を制御することにより、像保持体24、現像ロール60、第1撹拌オーガ62、及び第2撹拌オーガ64各々の回転を制御する。本実施形態の第1撹拌オーガ62及び第2撹拌オーガ64が、本発明のトナーを撹拌する機構の一例である。
また、本実施形態の制御部100は、ファン50を回転させるモータ等を含むファン駆動部122により、ファン50の回転を制御する。
さらに、本実施形態の制御部100は、センサ54から出力された検知信号を取得することにより、像保持体24の温度を検知する。
次に、画像形成装置10による画像形成工程について説明する。
コンピュータ等の外部装置から供給される画像データや画像読取部16が原稿PGを読み取ることにより得られた画像データに対して、制御部100が画像処理を行った画像データが、露光器28に送られる。露光器28は、画像データに応じて光ビームLを出射して、帯電器26によって帯電した像保持体24を露光して、静電潜像を形成する。
像保持体24に形成された静電潜像は、現像器30によって現像され、トナー像TGが形成される。
像保持体24の表面に形成されたトナー像TGは、転写ロール32によって、記録媒体収容部12から搬送されてきた記録媒体P上に転写される。トナー像TGが転写された記録媒体Pは、搬送路40によって定着ユニット34に向けて搬送される。
記録媒体P上のトナー像TGは、定着ユニット34により加熱及び加圧されることで記録媒体Pに定着する。画像が定着された記録媒体Pは、排出ロール(図示省略)によって画像形成装置10の外部に排出される。
画像形成装置10では、このように記録媒体Pに画像を形成すると、主に、定着ユニット34から発生する熱で画像形成装置10(筐体15)内の温度が上昇する。一般的に、画像形成部20による画像の形成を終了した際に、余熱によって、画像形成装置10内の温度がさらに上昇する、いわゆるオーバーシュート(図14参照、詳細後述)と呼ばれる現象が知られている。画像形成装置10内の温度、特に、像保持体24の温度が上昇した場合、トナーTが溶融する等の問題が発生する場合がある。
そこで、本実施形態の画像形成装置10では、制御部100が、画像形成部20による画像形成の終了後に、像保持体24を回転させる制御、及びファン50を回転させる制御を行うことにより、像保持体24の放熱効果を向上させる。
図4〜図6は、本実施形態の画像形成装置10の制御部100における、像保持体24の回転速度及びファン50の回転速度の制御の一例を表すタイムチャートである。図4は、画像形成装置10内の温度が第1温度T1未満、かつ第2温度T2未満の場合のタイムチャートである。図5は、画像形成装置10内の温度が第1温度T1以上、かつ第3温度T3以上の場合のタイムチャートである。図6は、画像形成装置10内の温度が第1温度T1以上、かつ第2温度T2以上、かつ第3温度T3未満の場合のタイムチャートである。
タイミングt1は、画像形成装置10に電源が投入されたタイミング、または、画像形成部20等への電力の供給が抑制されることにより消費電力が抑制された、いわゆるスリープ状態に移行したタイミングである。タイミングt1では、制御部100は、像保持体24及びファン50を回転させない。
タイミングt2は、ユーザI/F110や通信I/F112を介して入力された指示により、スリープ状態からスタンバイ状態に切り替わるタイミングである。スタンバイ状態において制御部100は、例えば、定着ユニット34の加熱ロール36に対して温度の上昇を開始させる等、画像形成部20の各部に対して、予め定められた制御を行う。なお、タイミングt2では、制御部100は、像保持体24及びファン50を回転させない。
タイミングt3は、ユーザI/F110や通信I/F112を介して入力された画像形成の開始の指示に応じて、画像形成のためのサイクルアップを開始するタイミングである。サイクルアップでは、スタンバイ状態から像保持体24の電位や各部のバイアス電圧を段階的に上げ、像保持体24を回転させるモータ及び現像器30の各部(現像ロール60、及び第1撹拌オーガ62、第2撹拌オーガ64)を回転させるモータの回転速度を予め定められた回転速度まで上昇させる等、画像形成のための準備を行う。なお、サイクルアップの期間は、画像形成部20による画像の形成を開始する前の予め定められた一定の期間であり、本実施形態では、タイミングt3からt4までの期間である。
図4〜図6に示すように、本実施形態の制御部100は、サイクルアップにおいて像保持体24を第2速度で回転させる制御を行う。なお、第2速度は、一般的に画像形成部20により画像を形成する速度であり、特に限定されるものはない。また、制御部100は、ファン50を第4速度よりも低速度である第3速度で回転させる制御を行う。
タイミングt4は、上記サイクルアップが終了し、画像形成部20により画像の形成が開始されるタイミングである。図4〜図6に示すように、本実施形態の制御部100は、像保持体24を第2速度で回転させる制御、及びファン50を第3速度で回転させる制御を継続して行う。
タイミングt5は、画像形成部20による画像の形成を終了し、サイクルダウンを開始するタイミングである。サイクルダウンは、上記サイクルアップと逆の動作であり、像保持体24の電位や各部のバイアス電圧を段階的に下げる。なお、サイクルダウンの期間は、画像形成部20による画像の形成が終了した後の予め定められた一定の期間であり、本実施形態では、タイミングt5からt6までの期間である。
また、本実施形態の画像形成装置10では、上述したオーバーシュート現象の発生を考慮し、画像の形成が終了する前、すなわちタイミングt5の前に、制御部100が、ファン50の回転速度を第3速度よりも高速である第4速度に切り替える。ファン50の回転速度が高速になることにより、像保持体24を冷却する冷却効果が高まる。
一方、本実施形態の制御部100は、画像形成部20による画像の形成が終了すると、像保持体24の回転を停止させる。
さらに、本実施形態の制御部100は、CPU102が、ROM104に記憶されている像保持体回転制御プログラム105Aを実行することにより、図7に示した像保持体回転制御処理を実行する。本実施形態の像保持体回転制御プログラム105Aが、本発明の制御プログラムの一例である。
ステップS100で制御部100は、センサ54から検知結果である、画像形成装置10内の温度の取得を開始する。
次のステップS102で制御部100は、センサ54から取得した温度が、第1温度T1以上であるか否か(T1≦取得温度)を判定する。取得した温度が第1温度T1以上の場合、ステップS102の判定が肯定判定となり、ステップS104へ移行する。本実施形態の第1温度T1は、例えば、トナーTの凝集温度や、上記オーバーシュートを考慮して実験的に得られた温度であり、特に限定されるものではない。
ステップS104で制御部100は、図5及び図6のタイミングt5に示すように、像保持体24を、第2速度よりも低速度である第1速度で回転させる制御を行う。なお、上述したようにタイミングt5において、像保持体24の回転が一旦、停止するが、像保持体回転制御処理により、速やかに像保持体24の回転が開始されるため、図5及び図6には、像保持体24の回転速度が第2速度から第1速度に切り替わった状態として示されている。本実施形態の第1速度は、例えば、像保持体24の温度を考慮して実験的に得られた速度であり、本実施形態では、第2速度よりも低速度であれば特に限定されるものではない。また、本実施形態では、上記各バイアスを印加した状態で像保持体24を回転させている。
次のステップS106で制御部100は、再び、センサ54から取得した温度が、第1温度T1以上であるか否か(T1≦取得温度)を判定する。取得した温度が第1温度T1以上の場合、ステップS106の判定が肯定判定となり、ステップS104に戻り、第1速度による像保持体24の回転を継続する。一方、センサ54から取得した温度が、第1温度T1未満の場合、ステップS106の判定が否定判定となり、ステップS108へ移行する。
ステップS108で制御部100は、図5及び図6のタイミングt7に示すように、像保持体24の回転を停止させた後、ステップS110へ移行する。なお、本実施形態の画像形成装置10では、一例として、タイミングt7において、上述したスタンバイ状態となる。
一方、上記ステップS102において、センサ54から取得した温度が、第1温度T1未満の場合、判定が否定判定となり、ステップS110へ移行する。そのため、図4に示したタイミングt5以降のように、画像形成の終了後、像保持体24の回転は停止したままとなる。
ステップS110で制御部100は、上記ステップS100で開始した温度の取得を終了した後、本像保持体回転制御処理を終了する。
一方、上述したようにサイクルダウンが終了するタイミングt6では、本実施形態の画像形成装置10の制御部100は、CPU102が、ROM104に記憶されているファン回転制御プログラム105Bを実行することにより、図8に示したファン回転制御処理を実行する。
ステップS200で制御部100は、センサ54から検知結果である、画像形成装置10内の温度の取得を開始する。なお、本実施形態の画像形成装置10では、上述したように、上記像保持体回転制御処理(図7参照)のステップS100においてセンサ54から、画像形成装置10内の温度の取得を開始した後に本ステップが実行されるため、当該ステップを省略してもよい。
次のステップS202で制御部100は、センサ54から取得した温度が、第2温度T2以上であるか否か(T2≦取得温度)を判定する。取得した温度が第2温度T2以上の場合、ステップS202の判定が肯定判定となり、ステップS204へ移行する。本実施形態の第2温度T2は、例えば、トナーTの凝集温度や、上記オーバーシュートを考慮して実験的に得られた温度であり、特に限定されるものではない。また、第2温度T2は、第1温度T1と同一の温度であってもよいし、異なる温度であっていてもよい。
ステップS204で制御部100は、センサ54から取得した温度が、第3温度T3以上であるか否か(T3≦取得温度)を判定する。取得した温度が第3温度T3以上の場合、ステップS204の判定が肯定判定となり、ステップS208へ移行する。本実施形態の第2温度T2は、例えば、上記オーバーシュートを考慮して実験的に得られた温度であり、第2温度T2よりも高い温度であれば特に限定されるものではない。また、第3温度T3は、第1温度T1と同一の温度であってもよいし、異なる温度であっていてもよい。
ステップS208で制御部100は、図5のタイミングt6に示すように、ファン50を、第4速度で回転させる制御を行った後、ステップS202に戻る。なお、図5に示すように、タイミングt6の前に、既にファン50が第4速度で回転しているため、制御部100は、当該回転を維持する制御を行う。
一方、上記ステップS204において、センサ54から取得した温度が、第3温度T3未満の場合、判定が否定判定となり、ステップS206へ移行する。
ステップS206で制御部100は、図6のタイミングt6に示すように、ファン50を、第3速度で回転させる制御を行った後、ステップS202に戻る。なお、図6に示すように、制御部100は、タイミングt6では、ファン50の回転速度を、第4速度から第3速度に切り替える制御を行う。
一方、上記、ステップS202において、センサ54から取得した温度が、第2温度T2未満の場合、判定が否定判定となり、ステップS210へ移行する。
ステップS210で制御部100は、図4のタイミングt6、図5のタイミングt7、及び図6のタイミングt7に示すように、ファン50の回転を停止させる。そして次のステップS212で制御部100は、上記ステップS200で開始した温度の取得を終了した後、本ファン回転制御処理を終了する。
[第2実施形態]
第1実施形態では、制御部100が、画像形成部20による画像形成を終了するとセンサ54から取得した温度に応じて、像保持体24の回転及びファン50の回転を制御する場合について説明した。本実施形態では、制御部100が、さらに、画像形成部20による画像形成を終了するとセンサ54から取得した温度に応じて、現像器30に貯留するトナーTを撹拌する制御を行う場合について説明する。
本実施形態の画像形成装置10の構成は、第1実施形態の画像形成装置10の構成(図1〜図3参照)と同様のため、説明を省略する。
本実施形態の画像形成装置10では、制御部100が実行する像保持体回転制御処理及びファン回転制御処理のうち、像保持体回転制御処理が第1実施形態の像保持体回転制御処理(図7参照)と異なるため、本実施形態の像保持体回転制御処理について説明する。
本実施形態では、上述したタイミングt5において、制御部100は、CPU102が、ROM104に記憶されている像保持体回転制御プログラム105Aを実行することにより、図9に示した像保持体回転制御処理を実行する。
図9に示すように、本実施形態の像保持体回転制御処理は、ステップS104の処理とステップS106の処理との間にステップS105の処理を含み、ステップS108の処理とステップS110の処理との間にステップS109の処理を含む点で、第1実施形態の像保持体回転制御処理(図7参照)と異なっている。
ステップS105で制御部100は、現像器30の第1撹拌オーガ62及び第2撹拌オーガ64を回転させる制御を行い、駐留するトナーTを撹拌させる。第1撹拌オーガ62及び第2撹拌オーガ64を回転させる回転速度は特に限定されるものではなく、例えば、画像形成部20により画像を形成する場合と同様の速度であってもよい。なお、本処理では、現像器30内に貯留しているトナーT(現像剤G)を撹拌することにより、トナーTの熱を均一化し、また熱がこもるのを抑制するためにトナーTを撹拌すればよいため、制御部100は、現像器30の現像ロール60は回転させない。
一方、ステップS109で制御部100は、上記ステップS105で回転させた第1撹拌オーガ62及び第2撹拌オーガ64の回転を停止させた後、ステップS110へ移行する。
このように本実施形態の制御部100は、センサ54から取得した温度が第1温度以上の場合、像保持体24を第1速度で回転させ、さらに、現像器30の第1撹拌オーガ62及び第2撹拌オーガ64を回転させる制御を行う。また、制御部100は、センサ54から取得した温度が第1温度未満となった場合、像保持体24の回転を停止させ、さらに、第1撹拌オーガ62及び第2撹拌オーガ64の回転を停止させる制御を行う。これにより、本実施形態の画像形成装置10によれば、トナーTの放熱効果が高められる。
[第3実施形態]
上記各実施形態では、制御部100が、像保持体24の温度として、センサ54から取得した温度を用いる場合について説明した。本実施形態では、制御部100が、像保持体24の温度を、画像形成部20により画像を形成した数に基づいて推定する場合について説明する。
図10に示すように、本実施形態の画像形成装置10の構成は、センサ54を備えていない点で、第1実施形態の画像形成装置10の構成(図3参照)と異なっている。また、本実施形態の画像形成装置10は、記憶部108に対応関係情報109が予め記憶されている点で第1実施形態の画像形成装置10の構成(図3参照)と異なっている。
対応関係情報109は、画像形成部20により連続して記録媒体Pに画像を形成した数と画像形成装置10内の温度(画像形成後の温度)との対応関係を表す情報である。一例として、図11に示すように、本実施形態の対応関係情報109は、画像形成部20が連続して記録媒体Pに両面印刷を行った数と、片面印刷を行った数と、画像形成装置10内の温度と、の対応関係を表す情報を用いている。これらの対応関係は、実験的に得ておけばよく、特に限定されるものではない。
なお、本実施形態の画像形成装置10では、両面印刷を行う場合、画像形成部20により一方の面に画像が形成された後、定着ユニット34で加熱された記録媒体Pの他方の面に画像形成部20により画像を形成する。そのため、他方の面に画像を形成する際に記録媒体Pから像保持体24に熱が伝わり、像保持体24の周囲の温度が上昇しやすくなる傾向がある。従って、本実施形態の画像形成装置10では、連続して記録媒体Pに両面印刷を行った数と、片面印刷を行った数とが同一の場合、両面印刷を行った場合の方が、画像形成装置10内の温度は高くなる。
本実施形態の画像形成装置10では、制御部100が実行する像保持体回転制御処理及びファン回転制御処理が、第1実施形態の像保持体回転制御処理(図7参照)及びファン回転制御処理(図8参照)と異なるため、本実施形態の像保持体回転制御処理及びファン回転制御処理について説明する。
まず、本実施形態の像保持体回転制御処理について図12を参照して説明する。本実施形態では、上述したタイミングt5において、制御部100は、CPU102が、ROM104に記憶されている像保持体回転制御プログラム105Aを実行することにより、図12に示した像保持体回転制御処理を実行する。
図12に示すように、本実施形態の像保持体回転制御処理は、ステップS100の処理の代わりにステップS101A及びS102Bの処理を含み、ステップS106の処理の代わりにステップS107の処理を含む点で、第1実施形態の像保持体回転制御処理(図7参照)と異なっている。
ステップS101Aで制御部100は、画像形成部20により連続して記録媒体Pに画像を形成した数(以下、「印刷数」という)を取得する。なお、制御部100が、印刷数を取得する方法は特に限定されない。例えば、画像を形成するのに用いた画像データ等に基づいて印刷数を取得してもよい。また例えば、像保持体24と転写ロール32との間を通過した記録媒体Pの数を計数するカウンタ等を設けておき、当該カウンタの計測数に基づいて印刷数を取得してもよい。
次のステップS101Bで制御部100は、記憶部108に記憶されている対応関係情報109を参照し、上記ステップS101Aで取得した印刷数に応じた画像形成装置10内の温度を取得する。
一方、ステップS107で制御部100は、像保持体24の回転を開始させてから予め定められた時間が経過したか否かを判定する。本ステップにおける予め定められた時間とは、実験的に得られた、画像形成装置10内の温度が充分に低下するのに必要な時間であり、特に限定されるものではない。予め定められた時間が経過していない場合、ステップS107の判定が否定判定となり、待機状態となる。一方、予め定められた時間が経過した場合、ステップS107の判定が肯定判定となり、ステップS108へ移行する。
また、図12に示すように、本実施形態の像保持体回転制御処理は、ステップS110の処理を含まない点で、第1実施形態の像保持体回転制御処理(図7参照)と異なっている。そのため、ステップS102で否定判定となった場合、及びステップS108の処理の実行後は、本像保持体回転制御処理を終了する。
次に、本実施形態のファン回転制御処理について図13を参照して説明する。本実施形態では、上述したタイミングt6において、制御部100は、CPU102が、ROM104に記憶されている像保持体回転制御プログラム105Aを実行することにより、図13に示したファン回転制御処理を実行する。
図13に示すように、本実施形態の像保持体回転制御処理は、ステップS200の処理の代わりにステップS201A及びS202Bの処理を含み、ステップS206の処理及びステップS208の処理とステップS210の処理との間にステップS209の処理を含む点で、第1実施形態のファン回転制御処理(図8参照)と異なっている。
ステップS201A及びS201Bの処理の各々は、上述したステップS101A及びS101Bの処理の各々と同様であるため、説明を省略する。
実施形態のファン回転制御処理では、ステップS206の処理の実行後、またはステップS208の処理の実行後、ステップS209へ移行する。ステップS209で制御部100は、上述したステップS107の処理と同様に、像保持体24の回転を開始させてから予め定められた時間が経過したか否かを判定する。なお、本ステップにおける「予め定められた時間」と、上述した像保持体回転制御処理(図12参照)のステップS107における「予め定められた時間」とは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
予め定められた時間が経過していない場合、ステップS209の判定が否定判定となり、待機状態となる。一方、予め定められた時間が経過した場合、ステップS209の判定が肯定判定となり、ステップS210へ移行する。
また、図13に示すように、本実施形態のファン回転制御処理は、ステップS212の処理を含まない点で、第1実施形態のファン回転制御処理(図8参照)と異なっている。そのため、ステップS210の処理の実行後は、本ファン回転制御処理を終了する。
このように本実施形態では、制御部100は、画像形成部20が連続して記録媒体Pに画像を形成した数に対応する画像形成装置10内の温度を、対応関係情報109を参照して取得することにより、画像形成装置10内の温度を推定している。
そのため、上記各実施形態の画像形成装置10のようにセンサ54を備えずとも、制御部100が、画像形成装置10内の温度を推定するため、画像形成装置10の構成が簡易化される。
なお、本実施形態では、記憶部108に対応関係情報109が予め記憶されている形態について説明したが、当該形態に限定されず、通信I/F112を介して外部から対応関係情報109を取得してもよい。なお、本実施形態のように対応関係情報109を予め記憶部108に記憶しておくことにより、上記外部との通信状態等にかかわらず、対応関係情報109が利用可能となる。
また、本実施形態に限定されず、像保持体24を回転させる時間(上記ステップS107の予め定められた時間)及びファン50を回転させる時間(上記ステップS209の予め定められた時間)を、印刷数に応じて異ならせてもよい。
また、本実施形態では、印刷数に基づいて像保持体24(画像形成装置10内)の温度を推定する形態として、対応関係情報109を用いる形態について説明したが、当該形態に限定されない。例えば、第1温度T1、第2温度T2、及び第3温度T3の各々に対応する、画像形成部20が連続して記憶媒体Pに画像を印刷(両面印刷または片面印刷)した数を予め定めておき、第1温度T1、第2温度T2、及び第3温度T3の代わりに用いる形態としてもよい。
以上説明したように、上記各実施形態の画像形成装置10は、回転する像保持体24の表面にトナー像TGを形成し、トナー像TGを像保持体24から記録媒体Pに転写することにより画像を形成する画像形成部20と、画像形成部20による画像形成が終了し、かつ、画像形成装置10内の温度が第1温度T1以上の場合、像保持体24を回転させる制御を行う制御部100と、を備える。
図14には、画像形成部20による画像形成の経過時間と、画像形成装置10内の温度との対応関係の一例を表すグラフを示す。なお、図14に示した比較例は、上記各実施形態と異なり、制御部100が、画像形成の終了後に像保持体24を回転させる制御及びファン50を回転させる制御を行わなかった場合の温度変化を示している。また、図14には、上記各実施形態と異なり、制御部100が、画像形成の終了後に像保持体24を回転させる制御を行わず、ファン50を回転させる制御のみを行った場合の温度変化を示している。さらに、図14には、実施形態として、第1実施形態における画像形成装置10内の温度変化を示している。
図14に示した一例によれば、制御部100が、画像形成後に像保持体24を回転させる制御を行うことにより、オーバーシュートが大きく低減されることがわかる。
このように、上記各実施形態の画像形成装置によれば、画像形成が終了し、かつ、画像形成装置10内の温度が高い場合に何ら対策を行わない場合に比べて、像保持体24の放熱効果が向上される。
なお、上記各実施形態では、像保持体24を回転させる第1速度が第2速度よりも遅い形態について説明したが、第1速度は当該形態に限定されないことはいうまでもない。第1速度を第2速度と同様とする形態や第1速度を第2速度よりも早くする形態としてもよい。なお、像保持体24の回転速度が速くなると、像保持体24の摩耗が激しくなり、電力の消費も大きくなる。
また、上記各実施形態では、画像形成装置10が、冷却部の一例として、排気口52に取り付けられたファン50を1つ設けた形態について説明したが当該形態に限定されないことはいうまでもない。例えば、複数の排気口52及びファン50を設けてもよい。また例えば、像保持体24を冷却する機能を有する機構として、像保持体24内部を水冷する機構を設けてもよい。
また、上記各実施形態では、画像形成部20による画像の形成が終了すると、一旦、像保持体24の回転を停止する形態について説明したが当該形態に限定されないことはいうまでもない。この場合、像保持体24の回転を継続したまま、制御部100が像保持体回転制御処理を実行すればよい。
また、上記各実施形態は、本発明の一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能であることはいうまでもない。