JP2018054043A - ディファレンシャル装置の組立方法及びディファレンシャル装置 - Google Patents

ディファレンシャル装置の組立方法及びディファレンシャル装置 Download PDF

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Shigeharu Wakui
茂晴 和久井
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Abstract

【課題】ピニオンシャフトの軸方向への仮想延長部がファイナルドリブンギヤの歯幅領域と干渉する程度まで歯幅が広く且つ当初から一体型のファイナルドリブンギヤを適用でき、組立順序に制約を生じないディファレンシャル装置の組立方法を提供すること。
【解決手段】ディファレンシャル装置1の各部を正規位置に組付けるに至る複数の工程のうち、ピニオンシャフト20を正規位置に組付けるピニオンシャフト組付け工程は、ピニオンシャフト20をその正規位置の方向から傾斜した方向で挿通可能な内径を持つようにディファレンシャルケース10の外殻に形成した大径挿通孔61から、ファイナルドリブンギヤの歯幅領域GWと干渉しない傾斜姿勢を維持しながら挿入する傾斜挿入工程(P11)と、その後、ピニオンシャフト20の軸方向を正規位置の方向に合わせる方向調整工程(P12)と、を含むディファレンシャル装置の組立方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディファレンシャル装置の組立方法及びディファレンシャル装置に関する。
車両に適用される一般的なディファレンシャル装置は、ディファレンシャルケース内に、同軸心状に相対向して対をなす2つのサイドギヤと、ディファレンシャルケース内に2つのサイドギヤの軸心と直交する方向に延出したピニオンシャフトにより回転可能に支持されて2つのサイドギヤと噛み合うピニオンギヤと、を備える。更に、ディファレンシャルケースは、自己と一体のファイナルドリブンギヤに対する駆動力で2つのサイドギヤの軸心周りに回転駆動されるように構成される。
図16は、一般的なディファレンシャル装置を示す図である。
図16において、ディファレンシャル装置100は、例えば変速機と共通のハウジング(不図示)内に配設されている。
ディファレンシャル装置100において、ディファレンシャルケース110は、上述のハウジングに軸心A1の周りに回転可能に支持される。このディファレンシャルケース110内に、軸心A1を共通にして相対向して対をなす2つのサイドギヤ111,112が設けられる。また、ディファレンシャルケース110内に、2つのサイドギヤ111,112の軸心A1に直交するようにピニオンシャフト120が設けられる。このピニオンシャフト120に回転可能に支持されて、2つのサイドギヤ111,112と噛み合うようにピニオンギヤ121,122が配される。
また、ディファレンシャルケース110の外周部には、ファイナルドリブンギヤ150が一体に設けられる。ファイナルドリブンギヤ150は、変速機や終減速機からの駆動力が伝達されて軸心A1の周りに回転し、従って、ディファレンシャルケース110が軸心A1の周りに回転する。
ディファレンシャルケース110内の一対のサイドギヤ111,112には、これらにそれぞれスプライン嵌合されて軸心A1の周りに回転可能な一対のアウトプットシャフト131,132が結合される。
図16において、ピニオンシャフト120は稼働するときの正規位置にあるときの状態が描かれている。この正規位置にあるピニオンシャフト120の軸方向への二点鎖線図示の仮想延長部120eはファイナルドリブンギヤ150の歯幅領域GWと干渉する。図16では、この干渉を生じる領域が二点鎖線の領域Ziとして示されている。
ディファレンシャル装置100は、上述のような構成を採るため、ピニオンシャフト120を図示の正規位置に組付けるに際して、ファイナルドリブンギヤ150の歯幅領域GWとの干渉を回避するための方法が必要とされる。
このため、ファイナルドリブンギヤ150を最外周に歯を有する外周部と、ディファレンシャルケース110の外周部151と一体に形成された内周部152とに分割して構成し、内周部152に外周部151を接合する以前の工程でピニオンシャフト120を正規位置に組付け、この後、ファイナルドリブンギヤ150の外周部151を内周部152に溶接或いはボルト結合等によって接合する方法が採られてきた。
ボルト結合は、軽量化やコスト低減等の点では不利である。一方、溶接による場合は、施工中にゴミの発生や微小な変形が生じるため、溶接工程の後に洗浄や寸法検査を要するといった問題がある。
従って、ファイナルドリブンギヤ150は、内周部152に後から外周部151を接合するのではなく、当所から一体化されたものを用いたい。この場合、上述のようにファイナルドリブンギヤ150の歯幅領域GWとピニオンシャフト120との組付け時の干渉を避けなくてはならないが、高トルクの伝達を優れた耐久性を維持しながら安定的に行うためには歯幅領域GWを極力広くとりたいという要請もある。
尚、ディファレンシャル装置の稼働時における騒音発生を抑制するために、ピニオンシャフトをその組付部において弾性部材を介在させてガタを吸収させるといった手法の提案がなされているが(例えば、特許文献1参照)、この提案によるピニオンシャフトの固定方法の技術では、図16を参照して説明したような課題には応え得ない。
実開平1−176246号公報
本発明は、上述のような状況に鑑みてなされたものであり、正規位置にあるピニオンシャフト20の軸方向への仮想延長部がファイナルドリブンギヤの歯幅領域と干渉する程度まで歯幅が広く且つ当初から一体型のファイナルドリブンギヤを適用でき、組立順序に制約を生じないディファレンシャル装置の組立方法を提供することを目的とする。
(1)ディファレンシャルケース(例えば、後述するディファレンシャルケース10)内に、同軸心状(例えば、後述する軸心A1を共通)に相対向して対をなす両サイドギヤ(例えば、後述するサイドギヤ11,12)と、前記ディファレンシャルケース内に前記両サイドギヤの軸心と直交する方向に延出したピニオンシャフト(例えば、後述するピニオンシャフト20)により回転可能に支持され前記両サイドギヤと噛み合うピニオンギヤ(例えば、後述するピニオンギヤ21,22)と、を備え、前記ディファレンシャルケースは、自己と一体のファイナルドリブンギヤ(例えば、後述するファイナルドリブンギヤ50)に対する駆動力で前記軸心周りに回転駆動されるようになされ、前記ピニオンシャフトがその正規位置に組付けられた状態でこのピニオンシャフトの軸方向への仮想延長部(例えば、後述する仮想延長部20e)が前記ファイナルドリブンギヤの歯幅領域(例えば、後述する歯幅領域GW)と干渉(例えば、後述する干渉領域Zi)する形式のディファレンシャル装置の組立方法であって、
前記ディファレンシャル装置の各部を正規位置に組付けるに至る複数の工程のうち、前記ピニオンシャフトを前記正規位置に組付けるピニオンシャフト組付け工程は、
前記ピニオンシャフトを、前記正規位置の方向から傾斜した方向で挿通可能な内径を持つように前記ディファレンシャルケースの外殻に形成した大径挿通孔(例えば、後述する大径挿通孔61)から、前記ファイナルドリブンギヤの歯幅領域と干渉しない傾斜姿勢を維持しながら挿入する傾斜挿入工程と(図1、図2参照)、
前記傾斜挿入工程で前記ピニオンシャフトを前記傾斜姿勢を解除しても当該干渉が生じない位置まで挿入した後に、前記ピニオンシャフトの軸方向を前記正規位置の方向に合わせる方向調整工程と(図3参照)、を含む
ディファレンシャル装置の組立方法。
上記(1)のディファレンシャル装置の組立方法では、ピニオンシャフト組付け工程において、ディファレンシャルケースの外殻に形成した大径挿通孔を利用して、ピニオンシャフトを、この大径挿通孔から、ファイナルドリブンギヤの歯幅領域と干渉しない傾斜姿勢を維持しながら挿入する傾斜挿入工程を実行する。この後、ピニオンシャフトを正規位置の方向(姿勢)に合わせる方向調整工程を実行する。このため、正規位置にあるピニオンシャフトの軸方向への仮想延長部がファイナルドリブンギヤの歯幅領域と干渉する程度まで歯幅が広く且つ当初から一体型のファイナルドリブンギヤを適用でき、組立順序に制約を生じない。
(2)前記傾斜挿入工程は、前記ピニオンシャフトの前記傾斜姿勢に合わせて、前記ピニオンギヤを、前記ディファレンシャルケース内における正規位置よりも偏寄して位置させた状態でその挿入孔に前記ピニオンシャフトを挿入するピニオンギヤ偏寄工程を含み、
前記方向調整工程は、その終盤で、前記ピニオンギヤを前記ディファレンシャルケース内における正規位置に合わせる、ピニオンギヤ位置調整工程を含む、上記(1)のディファレンシャル装置の組立方法。
上記(2)のディファレンシャル装置の組立方法では、上記(1)のディファレンシャル装置の組立方法において特に、ピニオンギヤ偏寄工程においてピニオンシャフトを傾斜姿勢で挿入しつつピニオンギヤをピニオンシャフトに仮挿入することができるため作業効率が高い。また、ピニオンギヤ偏寄工程に次ぐピニオンギヤ位置調整工程で、ピニオンシャフトに仮挿入されているピニオンギヤを正規位置にスライドさせればよいため、ピニオンギヤの位置調整が容易である。
(3)前記ピニオンギヤ位置調整工程では、2つのピニオンギヤを、その一方を前記ピニオンシャフトの前端側に寄せ、その他方を前記ピニオンシャフトの後端側に寄せて、位置調整する、上記(2)のディファレンシャル装置の組立方法。
上記(3)のディファレンシャル装置の組立方法では、上記(2)のディファレンシャル装置の組立方法において特に、2つのピニオンギヤで両サイドギヤに駆動力を伝達する形式のディファレンシャル装置について合理的な組立が行われ得る。
(4)前記ピニオンギヤ位置調整工程では、1つのピニオンギヤを、前記ピニオンシャフトの後端側に寄せて、位置調整する、上記(2)のディファレンシャル装置の組立方法。
上記(4)のディファレンシャル装置の組立方法では、上記(2)のディファレンシャル装置の組立方法において特に、単一のピニオンギヤで両サイドギヤに駆動力を伝達する形式のディファレンシャル装置について合理的な組立が行われ得る。
(5)前記ピニオンシャフト組付け工程は、更に、前記方向調整工程の後に、前記両サイドギヤを組付けるサイドギヤ組付け工程を含み、
前記サイドギヤ組付け工程では、
前記両サイドギヤのうちの他方のサイドギヤの収容空間に向けて前記ピニオンシャフト及び前記ピニオンギヤを前記大径挿通孔の径の限度内で偏寄させた状態を維持しながら前記両サイドギヤのうちの一方のサイドギヤをその収容空間に収め、次いで、前記両サイドギヤのうちの一方のサイドギヤの収容空間に向けて前記ピニオンシャフト及び前記ピニオンギヤを前記大径挿通孔の径の限度内で偏寄させた状態を維持しながら前記両サイドギヤのうちの他方のサイドギヤをその収容空間に収める、上記(1)から(4)の何れか一のディファレンシャル装置の組立方法。
上記(5)のディファレンシャル装置の組立方法では、上記(1)から(4)の何れか一のディファレンシャル装置の組立方法において特に、両サイドギヤをそれぞれの収容空間に収容するに際して、ピニオンシャフト及びピニオンギヤが正規位置よりも偏寄した位置にあるため当該収容する作業が容易であり、作業能率が高まる。またピニオンシャフトの傾斜挿入を可能にするために設けられている大径挿通孔をそのまま利用してピニオンシャフト及びピニオンギヤの位置を一時的に偏寄させておくことを可能にしているため、当該一時的に偏寄させておくための別段の機構等を要さず、この作業を可能にするための構成もこの作業自体も簡素化がはかられる。
(6)前記ピニオンシャフト組付け工程は、更に、前記サイドギヤ組付け工程の後に、前記ピニオンシャフトを前記正規位置に固定する位置固定工程を含む、上記(5)のディファレンシャル装置の組立方法。
上記(6)のディファレンシャル装置の組立方法では、上記(5)のディファレンシャル装置の組立方法において特に、サイドギヤ組付け工程の完了時には自ずから正規位置に持ち来されるピニオンシャフトを、その正規位置で位置固定するため、作業に無駄が無く速やかで精度のよい組立が行われる。
(7)前記位置固定工程では、前記ピニオンシャフトを、その前端部を前記ディファレンシャルケースの前記大径挿通孔の対向部に設けられた第2孔(例えば、後述する前端部嵌入孔62)に嵌入させると共に、その後端部を前記大径挿通孔内で固定具(例えば、後述するキャップ71、ピン81)により固定する、上記(6)のディファレンシャル装置の組立方法。
上記(7)のディファレンシャル装置の組立方法では、上記(6)のディファレンシャル装置の組立方法において特に、ピニオンシャフトの前端を第2孔に嵌入させて、軸に交差する方向への変位を規制した状態で、ピニオンシャフトの後端部を大径挿通孔内で固定具により固定するため、作業数も部品点数も節約しながら所要の精度でピニオンシャフトの位置固定を行うことができる。
(8)ディファレンシャルケース内に、同軸心状に相対向して対をなす両サイドギヤと、前記ディファレンシャルケース内に前記両サイドギヤの軸心と直交する方向に延出したピニオンシャフトにより回転可能に支持され前記両サイドギヤと噛み合うピニオンギヤと、を備え、前記ディファレンシャルケースは、自己と一体回転可能に設けられたドリブンギヤに対する駆動力で前記軸心周りに回転駆動されるようになされたディファレンシャル装置であって、前記ドリブンギヤは、前記ピニオンシャフトがその正規位置に組付けられた状態でこのピニオンシャフトの軸方向への仮想延長部が干渉するような歯幅領域を有し、
前記ディファレンシャルケースは、自己の外殻に前記ピニオンシャフトを挿通する第1孔を有し、且つ、前記第1孔の内径は、前記ピニオンシャフトを、前記正規位置の方向から傾斜した方向で挿通可能な大きさである、ディファレンシャル装置。
上記(8)のディファレンシャル装置では、ピニオンシャフトを組付けるに際して、ディファレンシャルケースの外殻に形成した第1孔を利用して、ピニオンシャフトを、この第1孔から、ドリブンギヤの歯幅領域と干渉しない傾斜姿勢を維持しながら挿入する。この後、ピニオンシャフトを正規位置の方向(姿勢)に合わせる方向調整を実行する。このため、正規位置にあるピニオンシャフトの軸方向への仮想延長部がドリブンギヤの歯幅領域と干渉する程度まで歯幅が広いドリブンギヤを適用して高トルクの伝達に適合しながら組立順序に制約を生じない。
(9)前記ディファレンシャルケースは、前記ピニオンシャフトを、前記正規位置の方向から傾斜した方向で、前記第1孔から挿通させるときに、前記ピニオンギヤの挿通孔に前記ピニオンシャフトが挿入される位置まで当該ピニオンギヤの位置を偏寄させて位置させ得る偏寄許容形状部を有する、上記(8)のディファレンシャル装置。
上記(9)のディファレンシャル装置では上記(8)のディファレンシャル装置において特に、ディファレンシャルケースが偏寄許容形状部を有するため、ピニオンシャフトを傾斜姿勢で挿入しつつピニオンギヤをピニオンシャフトに仮挿入することができるため作業効率が高い。
(10)前記偏寄許容形状部は、その内部で、2つの前記ピニオンギヤを、その一方を前記ピニオンシャフトの前端側に寄せ、その他方を前記ピニオンシャフトの後端側に寄せて、位置調整することが許容される形状である、上記(9)のディファレンシャル装置。
上記(10)のディファレンシャル装置では、上記(9)のディファレンシャル装置において特に、2つのピニオンギヤで両サイドギヤに駆動力を伝達する形式のディファレンシャル装置について合理的な組立が行われ得る。
(11)前記偏寄許容形状部は、その内部で、1つの前記ピニオンギヤを、前記ピニオンシャフトの後端側に寄せて、位置調整することが許容される形状である、上記(9)のディファレンシャル装置。
上記(11)のディファレンシャル装置では、上記(9)のディファレンシャル装置において特に、単一のピニオンギヤで両サイドギヤに駆動力を伝達する形式のディファレンシャル装置について合理的な組立が行われ得る。
(12)前記第1孔は、そのサイズが、前記両サイドギヤのうちの他方のサイドギヤの収容空間に向けて前記ピニオンシャフト及び前記ピニオンギヤを前記第1孔の径の限度内で偏寄させた状態を維持しながら前記両サイドギヤのうちの一方のサイドギヤをその収容空間に収め、次いで、前記両サイドギヤのうちの一方のサイドギヤの収容空間に向けて前記ピニオンシャフト及び前記ピニオンギヤを前記第1孔の径の限度内で偏寄させた状態を維持しながら前記両サイドギヤのうちの他方のサイドギヤをその収容空間に収める、に適合したサイズである、上記(8)から(11)の何れか一のディファレンシャル装置。
上記(12)のディファレンシャル装置では、上記(8)から(11)の何れか一のディファレンシャル装置において特に、ピニオンシャフトの傾斜挿入を可能にするために設けられている第1孔をそのまま利用してピニオンシャフト及びピニオンギヤの位置を一時的に偏寄させておくことを可能にしているため、当該一時的に偏寄させておくための別段の機構等を要さず、この作業を可能にするための構成もこの作業自体も簡素化がはかられる。
(13)前記ピニオンシャフトを前記正規位置に固定する固定具を更に有する、上記(12)のディファレンシャル装置。
上記(13)のディファレンシャル装置では、上記(12)のディファレンシャル装置において特に、サイドギヤ組付け工程の完了時には自ずから正規位置に持ち来されるピニオンシャフトを、その正規位置で位置固定できるため、作業に無駄が無く速やかで精度のよい組立が行われる。
(14)ディファレンシャルケースは、前記第1孔の対向部に前記ピニオンシャフトの前端部を嵌入させる第2孔を更に有する、上記(13)のディファレンシャル装置。
上記(14)のディファレンシャル装置では、上記(13)のディファレンシャル装置において特に、ピニオンシャフトの前端を第2孔に嵌入させて、軸に交差する方向への変位を規制した状態で、ピニオンシャフトの後端部を大径挿通孔内で固定具により固定するため、作業数も部品点数も節約しながら所要の精度でピニオンシャフトの位置固定を行うことができる。
本発明によれば、正規位置にあるピニオンシャフト20の軸方向への仮想延長部がファイナルドリブンギヤの歯幅領域と干渉する程度まで歯幅が広く且つ当初から一体型のファイナルドリブンギヤを適用でき、組立順序に制約を生じないディファレンシャル装置の組立方法を提供することができる。
本発明の一実施形態としてのディファレンシャル装置の組立方法におけるピニオンシャフト組付け工程中の傾斜挿入工程でのピニオンギヤ偏寄工程の前段状態を示す図である。 図1のピニオンギヤ偏寄工程の後段状態を示す図である。 図2のピニオンギヤ偏寄工程後のピニオンギヤ位置調整工程を示す図である。 図3のピニオンギヤ位置調整工程後のサイドギヤ組付け工程の第1の小工程を示す図である。 図4の第1の小工程後の第2の小工程を示す図である。 図5の第2の小工程後の第3の小工程を示す図である。 本発明の一実施形態としてのディファレンシャル装置の組立方法におけるピニオンシャフト組付け工程中のピニオンシャフトに係る位置固定工程を示す図である。 本発明の一実施形態としてのディファレンシャル装置の組立方法に適合するディファレンシャル装置の各部の寸法関係を示す図である。 本発明のディファレンシャル装置の組立方法に適合するピニオンシャフトの他の例を示す図である。 本発明の一実施形態としてのディファレンシャル装置の組立方法に適合するディファレンシャル装置のうち図1から図7のものとは異なるディファレンシャル装置を示す図である。 図10のディファレンシャル装置の組立方法におけるピニオンシャフト組付け工程中のピニオンシャフトに係る位置固定工程を示す図である。 図11の位置固定工程に適合するピニオンシャフトの固定具を示す図である。 図12のピニオンシャフトの固定具に適合するピニオンシャフトを例示する図である。 本発明の一実施形態としてのディファレンシャル装置の組立方法に適合するディファレンシャル装置のうち図1から図7、並びに、図10及び図11のものとは異なるディファレンシャル装置を示す図である。 本発明の一実施形態としてのディファレンシャル装置の組立方法におけるピニオンシャフト組付け工程中に含まれる複数の下位工程の関係を示す説明図である。 一般的なディファレンシャル装置を示す図である。
本発明の実施形態としての組立方法を適用するディファレンシャル装置は、例えば、一般的な例として図16を参照して既述のディファレンシャル装置100と、サイドギヤ及びピニオンギヤ並びにファイナルドリブンギヤの配置等多くの点で共通している。
従って、本発明の一実施形態としてのディファレンシャル装置の組立方法によって各部の構成要素がそれぞれの正規位置に組付けられて出来上がったディファレンシャル装置の姿は、多くの点で図16のディファレンシャル装置100におけるものと相似的である。
しかしながら、ピニオンシャフトの挿入に関する部分の構成等、いくつかの点においては、本発明の実施形態としてのディファレンシャル装置の組立方法に適合する構成上の特徴を有している。これらの点については、順次図面を参照して詳細に説明する。
ディファレンシャル装置の各部を正規位置に組付けるに至るには、ディファレンシャルケースに設けられている窓部からその内部にピニオンギヤを配置する工程や、ピニオンシャフト組付け工程、更には、組み上がったディファレンシャル装置に左右のアウトプットシャフトを接続する工程等々、複数の工程が含まれる。本発明のディファレンシャル装置の組立方法は、これら複数の工程のうち、ピニオンシャフトをその正規位置に組付けるピニオンシャフト組付け工程に特徴を有する。
このピニオンシャフト組付け工程は、更に、複数の工程を含み、更にそれらの工程が一又は複数の下位工程を含んでいる(図15参照)。
以下に図面を参照して、ピニオンシャフト組付け工程について詳細に説明する。
図1から図6は、本発明の一実施形態としてのディファレンシャル装置の組立方法におけるピニオンシャフト組付け工程中の下位工程を示す図である。
図1は、ピニオンシャフト組付け工程中の一つの下位工程である傾斜挿入工程での小工程であるピニオンギヤ偏寄工程の前段状態を示す図である。
図2は、上記ピニオンギヤ偏寄工程の後段状態を示す図である。
図3は、図2のピニオンギヤ偏寄工程後のピニオンギヤ位置調整工程を示す図である。
図4は、図3のピニオンギヤ位置調整工程後のサイドギヤ組付け工程の第1の小工程を示す図である。
図5は、図4の第1の小工程後の第2の小工程を示す図である。
図6は、図5の第2の小工程後の第3の小工程を示す図である。
図1から図6において、対応部には同一の符号を附してある。
図1から図6の各図のうち、相対的には、図6が最も完成状態に近い状態にあり、各該当する部材がそれらの正規位置に配置されている。
このため、先ず図6を参照して、本発明の一実施形態としてのディファレンシャル装置の組立方法により組立てられるディファレンシャル装置について説明する。
ディファレンシャル装置1は、ディファレンシャルケース10内に、軸心A1を共通にして同軸心状に相対向して対をなすサイドギヤ11,12を備える。ディファレンシャル装置1は、更に、ディファレンシャルケース10内にサイドギヤ11,12の軸心A1と直交する方向に延出したピニオンシャフト20により回転可能に支持されサイドギヤ11,12と噛み合うピニオンギヤ21,22を備える。また、ディファレンシャルケース10は、自己と一体のドリブンギヤであるファイナルドリブンギヤ50に対する駆動力で軸心A1周りに回転駆動される。
図6の形式のディファレンシャル装置1では、ピニオンシャフト20がその正規位置に組付けられた状態でこのピニオンシャフト20の軸方向への仮想延長部20eがファイナルドリブンギヤ50の歯幅領域GWと干渉領域Ziで干渉する。
ピニオンギヤ21,22は、ディファレンシャルケース10内においてピニオンシャフト20に回転可能に支持されているべベルギヤである。また、ピニオンギヤ21,22は、ピニオンシャフト20に回転可能に支持されつつ、ディファレンシャルケース10およびピニオンシャフト20が軸心A1周りに回転させられることによってそれらと共に軸心A1周りに公転する。
一対のサイドギヤ11,12は、軸心A1上において相対向する一対のべベルギヤ部11a,12aと、それらべベルギヤ部11a,12aの中心軸である軸心A1と同軸心状に延設された円筒状の筒部11b,12bとを備える。
これらの筒部11b,12bの内周面には、それぞれスプライン歯が形成されており、アウトプットシャフト(不図示)の外周面にそれぞれ形成されているスプライン歯と互いにスプライン嵌合される。
一対のサイドギヤ11,12は、ディファレンシャルケース10、ピニオンシャフト20、およびピニオンギヤ21,22が軸心A1周りに回転させられることによって軸心A1周りに回転する。一対のサイドギヤ11,12は、一対のピニオンギヤ21,22がピニオンシャフト20の周りに回転しない場合には、それぞれ軸心A1周りの同じ回転速度で回転する。一方、一対のピニオンギヤ21,22がピニオンシャフト20に対してそれぞれ相対回転する場合には、サイドギヤ11,12は、回転速度差を有して回転する。これにより、一対のサイドギヤ11,12の回転速度差が許容されつつ一対のピニオンギヤ21,22および一対のサイドギヤ11,12をそれぞれ介して、一対のアウトプットシャフトが回転駆動される。
ピニオンシャフト20は、ディファレンシャルケース10に軸心A1に直交する方向の2箇所に貫通して形成された一対の貫通孔である大径挿通孔61及び挿通孔62に両端部がそれぞれ支持される。即ち、ピニオンシャフト20は、その挿入操作に係る移動方向における前端部201側が挿通孔62に嵌入して支持され、且つ、該移動方向における後端部202側が大径挿通孔61内で支持(詳細には、後述する固定具で固定)される。
ピニオンシャフト20の後端部202寄りにピン81(図7)を挿通する挿通孔203が設けられ、ディファレンシャルケース10の対応部には、この挿通孔203と同軸状に挿通孔17が設けられる。
次に、図1から図6を順次参照して、本発明の実施形態としてのディファレンシャル装置の組立方法について説明する。
図1は、ピニオンシャフト20を、その組付け後の正規位置とは軸方向が一致せずに傾斜した姿勢で、ディファレンシャルケース10内に第1孔としての大径挿通孔61を通して挿入する傾斜挿入工程における該当各部の様子を示している。図示の通り、ピニオンシャフト20をこのように傾斜させることによって、ファイナルドリブンギヤ50の歯幅領域GWとの干渉が回避される。即ち、傾斜挿入工程では、ピニオンシャフト20を、その正規位置の方向から傾斜した方向で挿通可能な内径を有する大径挿通孔61から、ファイナルドリブンギヤ50の歯幅領域GWと干渉しない傾斜姿勢を維持しながら挿入する。
当然ながら、ディファレンシャルケース10の外殻にピニオンシャフト20を挿通するために設けられた第1孔としての大径挿通孔61の内径は、ピニオンシャフト20を、正規位置の方向から傾斜した方向で挿通可能な大きさである。
図1におけるようにピニオンシャフト20を大径挿通孔61から挿入するに際して、予め窓部(不図示)からディファレンシャルケース10内に入れてあった一対のピニオンギヤ21,22を、それらのディファレンシャルケース10内における正規位置からピニオンシャフト20の傾斜姿勢に合わせて偏寄して位置させた状態で、当該各ピニオンギヤ21,22の挿入孔にピニオンシャフト20を挿入する。
視点を転じてみると、ディファレンシャルケース10は、ピニオンシャフト20を、正規位置の方向から傾斜した方向で、第1孔としての大径挿通孔61から挿通させるときに、ピニオンギヤ21,22の挿通孔にピニオンシャフト20が挿入される位置まで当該ピニオンギヤの位置を偏寄させて位置させ得る偏寄許容形状部10aを有する。
このように、ディファレンシャルケース10内でピニオンギヤ21,22をそれらの正規位置から偏寄して位置させた状態で行う作業工程を、ここではピニオンギヤ偏寄工程と称呼する。
ピニオンギヤ偏寄工程では、図1及び図2におけるように2つのピニオンギヤ21,22は、両者の対向面間で近接し乃至は当接した状態で、ピニオンシャフト20が当該各ピニオンギヤ21,22の挿通孔に挿通される。
尚、ファイナルドリブンギヤ50は、最外周に歯を有する外周部51と、ディファレンシャルケース10の外殻と一体の内周部52とが接合されて一体になされている。ピニオンシャフト20は既述の傾斜挿入工程において、歯幅領域GWとの干渉が回避されるため、ファイナルドリブンギヤ50は、外周部51が内周部52と元より一体のものを適用可能である。従って、ピニオンシャフト20の挿入完了を待って、外周部51を内周部52に接合してファイナルドリブンギヤ50を形成するといったような工程順序に拘束されることが原理的に生じない。
図1は、ピニオンギヤ偏寄工程の前段状態を示している。この段階では、ピニオンシャフト20は未だディファレンシャルケース10内への進入程度が浅いため、傾斜姿勢から正規位置の方向へと姿勢を起こすと、二点鎖線図示の部位で歯幅領域GWとの干渉が生じる。
図2は、ピニオンギヤ偏寄工程の後段状態を示している。この段階では、ピニオンシャフト20はディファレンシャルケース10内に深く進入しており、傾斜姿勢から正規位置の方向へと姿勢を起こしても、二点鎖線図示の部位で歯幅領域GWとの干渉が生じるおそれがなくなる。このとき、ピニオンシャフト20の前端部201はディファレンシャルケース10の内周面に当接乃至近接するが、この段階では、両ピニオンギヤ21,22は未だ当接乃至近接した状態を維持している。
次いで、図3にて矢線図示の如く、ピニオンシャフト20の姿勢をその正規位置の姿勢に向けて起こす。また、これに伴い、両ピニオンギヤ21,22の位置を、ピニオンシャフト20の後端部202寄りの位置と前端部201寄りの位置とに分離して、それらの正規位置に近付けるように位置調整する。
当然ながら、偏寄許容形状部10aは、その内部で、2つのピニオンギヤ21,22を、その一方をピニオンシャフト20の前端側に寄せ、その他方をピニオンシャフト20の後端側に寄せて、位置調整することが許容される形状である。
このようにピニオンギヤ21,22を、その一方をピニオンシャフト20の前端部201側に寄せ、その他方をピニオンシャフト20の後端部202側に寄せて、位置調整する作業工程を、ここではピニオンギヤ位置調整工程と称する。
尚、このピニオンギヤ位置調整工程では、ピニオンギヤ21,22は一旦それらの略正規位置に配置されるが、次のサイドギヤ組付け工程を控えて、ピニオンシャフト20の前端部201は未だ挿通孔62に嵌入させない状態を維持する。
次に、図4から図6を参照して、図3のピニオンギヤ位置調整工程後のサイドギヤ組付け工程について説明する。
サイドギヤ組付け工程では、図4に示す第1の小工程として、両サイドギヤ11,12のうちの他方のサイドギヤ12の収容空間に向けて、ピニオンシャフト20及びピニオンギヤ21,22を大径挿通孔61の径の限度内で偏寄させた状態を維持しながら、両サイドギヤ11,12のうちの一方のサイドギヤ11をその収容空間に収める。
図4に示す第1の小工程に次いで、図5に示す第2の小工程では、両サイドギヤ11,12のうちの一方のサイドギヤ11の収容空間に向けて、ピニオンシャフト20及びピニオンギヤ21,22を大径挿通孔61の径の限度内で偏寄させた状態を維持しながら、両サイドギヤ11,12のうちの他方のサイドギヤ12をその収容空間に収める。
図5に示す第2の小工程で両サイドギヤ11,12がそれらの収容空間に配置された後、図6に示す第3の小工程で、ピニオンシャフト20を、その前端部201が挿通孔62に嵌入するまでディファレンシャルケース10内に押し込む。このように押し込まれた状態で、ピニオンシャフト20の後端部202側は大径挿通孔61の内周面との間に隙間を残す状態である。
サイドギヤ組付け工程について上述したところから容易に理解される通り、第1孔としての大径挿通孔61は、そのサイズが、両サイドギヤ11,12のうちの他方のサイドギヤ12の収容空間に向けてピニオンシャフト20及びピニオンギヤ21,22を大径挿通孔61の径の限度内で偏寄させた状態を維持しながら両サイドギヤ11,12のうちの一方のサイドギヤ11をその収容空間に収め、次いで、両サイドギヤ11,12のうちの一方のサイドギヤ11の収容空間に向けてピニオンシャフト20及びピニオンギヤ21,22を大径挿通孔61の径の限度内で偏寄させた状態を維持しながら両サイドギヤ11,12のうちの他方のサイドギヤ12をその収容空間に収める、に適合したサイズである。
図3から図6を参照して説明したようにして、ディファレンシャルケース10内に両ピニオンギヤ21,22及び両サイドギヤ11,12が収まった状態で、図7に示すように、ピニオンシャフト20を正規位置に固定すべく、その後端部202側を大径挿通孔61内で固定具で固定する。
図7は、本発明の一実施形態としてのディファレンシャル装置の組立方法におけるピニオンシャフト組付け工程中のピニオンシャフトに係る位置固定工程を示す図である。
図7において、既述の図1から図6との対応部には同一の符号を附してある。
図7より容易に理解されるとおり、ピニオンシャフト20を、その前端部201側をディファレンシャルケース10の大径挿通孔61の対向部に設けられた第2孔としての前端部嵌入孔である挿通孔62に嵌入させて軸に交差する方向への変位を規制した状態で、ピニオンシャフト20の後端部202外周面と大径挿通孔61の内周面との間に隙間なく嵌まり込むキャップ71を嵌装する。これによりピニオンシャフト20はその軸に交差する方向の変位が規制され、所謂ガタ止めが強固になされる。更に、このキャップ71には、当該嵌装された状態において、ディファレンシャルケース10に設けられた既述の挿通孔17及びピニオンシャフト20の後端部202に設けられた既述の挿通孔203と連通する位置に挿通孔711及び712が穿設されている。従って、この連通した孔にピン81を圧入することによって、ピニオンシャフト20の抜け止めがなされる。
即ち、キャップ71及びピン81はピニオンシャフト20に対する固定具を構成している。
ディファレンシャルケース10内の一対のサイドギヤ11,12には、これらにそれぞれスプライン嵌合されて軸心A1の周りに回転可能な一対のアウトプットシャフトが結合される。
図8は、本発明の一実施形態としてのディファレンシャル装置の組立方法に適合するディファレンシャル装置の各部の寸法関係を示す図である。
図8において、既述の図1から図7との対応部には同一の符号を附してある。
図中、Dは大径挿通孔内径、d1はピニオンシャフト20の外径、d2はピニオンギヤ21の背面受圧部の外径である。
ディファレンシャル装置1において、上述の各部寸法は次の関係にある:
d2>D>d1…………(1)
これにより、ピニオンシャフト20は、既述のように、大径挿通孔61からディファレンシャルケース10内に挿入するに際して、ファイナルドリブンギヤ50の歯幅領域GWと干渉しない傾斜姿勢を維持しながら挿入するという傾斜挿入工程を実施することができる。
図9は、本発明のディファレンシャル装置の組立方法に適合するピニオンシャフトの他の例を示す図である。
図9のピニオンシャフト20aは、前端部201側は既述のピニオンシャフト20と同様であるが、後端部202側が異なる。即ち、後端部202側の外径が大径挿通孔61に隙間なく嵌合する大径部をなしている。この大径部にピン81を挿通するための挿通孔203が設けられている。このような大径の後端部202を大径挿通孔61に圧入してガタ止めすると共に、挿通孔203に図7の場合と略同様にピン81を圧入して抜け止めを施す。
図10は、本発明の一実施形態としてのディファレンシャル装置の組立方法に適合するディファレンシャル装置のうち図1から図7のものとは異なるディファレンシャル装置を示す図である。
また、図11は、図10のディファレンシャル装置の組立方法におけるピニオンシャフト組付け工程中のピニオンシャフトに係る位置固定工程を示す図である。
図10及び図11において、既述の図1から図7との対応部には同一の符号を附してある。
尚、図10では、説明の便宜上、ピニオンシャフト20を描かず、これが挿入される空所が露呈した状態で描かれている。
図10及び図11のディファレンシャル装置1aの、既述のディファレンシャル装置1(図1から図7)との相違点は、ディファレンシャル装置1におけるピニオンシャフト20の前端部201側挿通孔が、ディファレンシャルケース10の外殻を貫通するものであったのに対し、ディファレンシャル装置1aでは、ピニオンシャフト20の前端部201側に対応する挿通孔がディファレンシャルケース10の外殻を貫通せず、端部側が閉塞されたものである点である。
ディファレンシャル装置1aの場合も、大径挿通孔61については、既述のディファレンシャル装置1におけると同様である。
従って、傾斜挿入工程を実施して、ピニオンシャフト20をファイナルドリブンギヤ50との干渉を避けてディファレンシャルケース10内に挿入することができる。
図11におけるように、ディファレンシャル装置1aでは、ピニオンシャフト20の後端部202側に固定具としてのキャップ64を嵌装する。
図12は、図11の位置固定工程に適合するピニオンシャフトの固定具としてのキャップ64を示す図であり、図12(a)はキャップ64の平面図、図12(b)はキャップ64の側断面図である。
また、図13は、図12のピニオンシャフトの固定具に適合するピニオンシャフトを例示する図である。
図12より容易に理解される通り、キャップ64はその頭頂部641直下の内周面642における一つの直径の両端に対応する位置に一対の凸部643,644が形成されている。
図12のようなキャップ64はこれが適合する図13のようなピニオンシャフト20に嵌装される。
図13(a)はピニオンシャフト20の平面図、図13(b)はピニオンシャフト20の側面図である。
図13(a)及び図13(b)の通り、ピニオンシャフト20の後端部202側に一対の切欠き部205,206が、既述のキャップ64における内周面642の凸部643,644に対応するように形成されている。従って、キャップ64とピニオンシャフト20とは、キャップ64側の凸部643,644とピニオンシャフト20側の切欠き部205,206とが各対応して当接する状態で相対回転が規制される。
ピニオンシャフト20との関係において上述のように相対回転が規制されるキャップ64を、図11の如く、大径挿通孔61の内周とピニオンシャフト20との間に隙間を生じないように圧入する。この圧入により、ピニオンシャフト20は、図7を参照して既述のピン81等を用いることなく強固に固定される。
図14は、本発明の一実施形態としてのディファレンシャル装置の組立方法に適合するディファレンシャル装置のうち図1から図7、並びに、図10及び図11のものとは異なるディファレンシャル装置を示す図である。
図14において、既述の図1から図7、並びに、図10及び図11との対応部には同一の符号を附してある。
図14のディファレンシャル装置1bは、所謂シングルピニオン型のものである。
ディファレンシャル装置1bでは、ピニオンシャフト20bが、既述のディファレンシャル装置1におけるものよりも短かく、その正規位置において、前端側が既述の軸心A1を僅かに横断する程度の長さである。このように短いピニオンシャフト20bにより単一のピニオンギヤ21が軸支される。
図14のディファレンシャル装置1bにおいても、傾斜挿入工程で、ピニオンシャフト20bが、既述のものと同様の大径挿通孔61を通して傾斜姿勢で挿入される。このため、ピニオンシャフト20bをディファレンシャルケース10に挿入するに際して、ファイナルドリブンギヤ50との干渉を生じない。
尚、ディファレンシャルケース10の大径挿通孔61に対向する外殻の部分は、挿通孔が設けられず、閉じた壁面をなしている。
図15は、本発明の一実施形態としてのディファレンシャル装置の組立方法におけるピニオンシャフト組付け工程中に含まれる複数の下位工程の関係を示す説明図である。
図15を参照して容易に理解される通り、本発明の一実施形態としてのディファレンシャル装置の組立方法には、複数の工程が含まれるが、そのうちの一つが、各図面を参照して上述したピニオンシャフト組付け工程P1である。
ピニオンシャフト組付け工程P1にはピニオンシャフト20を傾斜姿勢でディファレンシャルケース10に挿入する傾斜挿入工程P11(図1、図2参照)、次いでピニオンシャフト20の姿勢(方向)を傾斜姿勢から正規位置における姿勢(方向)に合わせる方向調整工程P12(図3参照)、次いでサイドギヤ11,12を組み付けるサイドギヤ組付け工程P13(図4、図5、図6参照)、及び、ピニオンシャフト20の位置を固定する位置固定工程P14(図7、図11等参照)が含まれる。
傾斜挿入工程P11では、ピニオンシャフト20を傾斜姿勢でディファレンシャルケース10に挿入するためファイナルドリブンギヤ50との干渉が回避されるが、一実施形態では、傾斜挿入工程P11において、ピニオンギヤ21,22を正規位置から偏寄した偏寄位置においてそれらの挿通孔にピニオンシャフト20を通すピニオンギヤ偏寄工程P111を含む。
また、方向調整工程P12では、ピニオンシャフト20の方向をその正規位置の方向に合わせるが、一実施形態では、2つのピニオンギヤ21,22を、その一方をピニオンシャフト20前端部201側に寄せ、その他方をピニオンシャフト20の後端部202側に寄せて、位置調整するピニオンギヤ位置調整工程P121を含む。
更に、サイドギヤ組付け工程P13では、ディファレンシャルケース10内の正規位置にサイドギヤ11,12を組付けるが、一実施形態では、第1の小工程P131、第2の小工程P132、及び、第3の小工程133を含む。
第1の小工程P131では、他方のサイドギヤ12の収容空間に向けてピニオンシャフト20及びピニオンギヤ21,22を大径挿通孔61の径の限度内で偏寄させた状態を維持しながら一方のサイドギヤ11をその収容空間に収める。
第2の小工程P132では、一方のサイドギヤ11の収容空間に向けてピニオンシャフト20及びピニオンギヤ21,22を大径挿通孔61の径の限度内で偏寄させた状態を維持しながら他方のサイドギヤ12をその収容空間に収める。
第3の小工程では、第1及び第2の小工程の後、ピニオンシャフト20を正規位置に位置させる。
P14の位置固定工程におけるピニオンシャフト20の位置固定方法については、図7、図9、図11〜図13を参照して既述のような種々の方法がある。
以上述べた本実施形態のディファレンシャル装置の組立方法及びディファレンシャル装置の作用効果を要約する。
(1)本実施形態のディファレンシャル装置の組立方法では、ピニオンシャフト組付け工程P1において、ディファレンシャルケース10の外殻に形成した大径挿通孔61を利用して、ピニオンシャフト20を、この大径挿通孔61から、ファイナルドリブンギヤ50の歯幅領域GWと干渉しない傾斜姿勢を維持しながら挿入する傾斜挿入工程P11を実行する。この後、ピニオンシャフト20を正規位置の方向(姿勢)に合わせる方向調整工程P12を実行する。このため、正規位置にあるピニオンシャフト20の軸方向への仮想延長部20eがファイナルドリブンギヤ50の歯幅領域GWと干渉する程度(Zi)まで歯幅が広く且つ当初から一体型のファイナルドリブンギヤ50を適用でき、組立順序に制約を生じない。
(2)本実施形態のディファレンシャル装置の組立方法では、特に、ピニオンギヤ偏寄工程P111においてピニオンシャフト20を傾斜姿勢で挿入しつつピニオンギヤ21,22をピニオンシャフト20に仮挿入することができるため作業効率が高い。また、ピニオンギヤ偏寄工程P111に次ぐピニオンギヤ位置調整工程P121で、ピニオンシャフト20に仮挿入されているピニオンギヤ21,22を正規位置にスライドさせればよいため、ピニオンギヤ21,22の位置調整が容易である。
(3)本実施形態のディファレンシャル装置の組立方法では特に、ピニオンギヤ位置調整工程P121で、一方のピニオンギヤ22をピニオンシャフト20の前端側に寄せ、他方のピニオンギヤ21をピニオンシャフト20の後端側に寄せて、位置調整するため、2つのピニオンギヤで両サイドギヤに駆動力を伝達する形式のディファレンシャル装置について合理的な組立が行われ得る。
(4)他の実施形態のディファレンシャル装置の組立方法では特に、1つのピニオンギヤ21を、ピニオンシャフト20bの後端側に寄せて、位置調整するため、単一のピニオンギヤ21で両サイドギヤ11,12に駆動力を伝達する形式のディファレンシャル装置について合理的な組立が行われ得る。
(5)本実施形態のディファレンシャル装置の組立方法では特に、サイドギヤ組付け工程P13は、第1の小工程P131(図4参照)、第2の小工程P132(図5参照)、第3の小工程P133(図6参照)を含む。このため、両サイドギヤ11,12をそれぞれの収容空間に収容するに際して、ピニオンシャフト20及びピニオンギヤ21,22が正規位置よりも偏寄した位置にあるため当該収容する作業が容易であり、作業能率が高まる。またピニオンシャフト20の傾斜挿入を可能にするために設けられている大径挿通孔61をそのまま利用してピニオンシャフト20及びピニオンギヤ21,22の位置を一時的に偏寄させておくことを可能にしているため、当該一時的に偏寄させておくための別段の機構等を要さず、この作業を可能にするための構成もこの作業自体も簡素化がはかられる。
(6)本実施形態のディファレンシャル装置の組立方法では特に、サイドギヤ組付け工程P13の後に、ピニオンシャフト20をその正規位置に固定する位置固定工程P14(図7、図9、図11〜図13参照)を含む。このため、サイドギヤ組付け工程P13の完了時には自ずから正規位置に持ち来されるピニオンシャフト20を、その正規位置で位置固定するため、作業に無駄が無く速やかで精度のよい組立が行われる。
(7)本実施形態のディファレンシャル装置の組立方法では特に、位置固定工程P14において、ピニオンシャフト20を、その前端部をディファレンシャルケース10の大径挿通孔61の対向部に設けられた前端部嵌入孔62に嵌入させると共に、その後端部を大径挿通孔61内で固定具により固定するため、ピニオンシャフト20の前端を前端部嵌入孔62に嵌入させて、軸に交差する方向への変位を規制した状態で、ピニオンシャフト20の後端部を大径挿通孔61内で固定具により固定するため、作業数も部品点数も節約しながら所要の精度でピニオンシャフトの位置固定を行うことができる。
(8)本実施形態のディファレンシャル装置では、ピニオンシャフト20を組付けるに際して、ディファレンシャルケース10の外殻に形成した第1孔としての大径挿通孔61を利用して、ピニオンシャフト20を、この大径挿通孔61から、ドリブンギヤ50の歯幅領域GWと干渉しない傾斜姿勢を維持しながら挿入する。この後、ピニオンシャフト20を正規位置の方向(姿勢)に合わせる方向調整を実行する。このため、正規位置にあるピニオンシャフト20の軸方向への仮想延長部がドリブンギヤ50の歯幅領域GWと干渉する程度まで歯幅が広いドリブンギヤ50を適用して高トルクの伝達に適合しながら組立順序に制約を生じない。
(9)ディファレンシャルケース10が偏寄許容形状部10aを有するため、ピニオンシャフト20を傾斜姿勢で挿入しつつピニオンギヤ21,22をピニオンシャフト20に仮挿入することができるため作業効率が高い。
(10)2つのピニオンギヤ21,22で両サイドギヤ11,12に駆動力を伝達する形式のディファレンシャル装置について合理的な組立が行われ得る。
(11)図14の態様では、単一のピニオンギヤ22で両サイドギヤ11,12に駆動力を伝達する形式のディファレンシャル装置について合理的な組立が行われ得る。
(12)ピニオンシャフト20の傾斜挿入を可能にするために設けられている第1孔としての大径挿通孔61をそのまま利用してピニオンシャフト20及びピニオンギヤ21,22の位置を一時的に偏寄させておくことを可能にしているため、当該一時的に偏寄させておくための別段の機構等を要さず、この作業を可能にするための構成もこの作業自体も簡素化がはかられる。
(13)サイドギヤ組付け工程の完了時には自ずから正規位置に持ち来されるピニオンシャフト20を、その正規位置で固定部により位置固定できるため、作業に無駄が無く速やかで精度のよい組立が行われる。
(14)ピニオンシャフト20の前端を第2孔として前端部嵌入孔(挿通孔)62のに嵌入させて、軸に交差する方向への変位を規制した状態で、ピニオンシャフト20の後端部を大径挿通孔61内で固定具により固定するため、作業数も部品点数も節約しながら所要の精度でピニオンシャフトの位置固定を行うことができる。
なお、本発明は、上述の態様の他にも種々変形変更して実施することができる。従って、これら変形変更して実施されるディファレンシャル装置の組立方法も本発明に包摂される。
1,100…ディファレンシャル装置
10,110…ディファレンシャルケース
11,12,111,112…サイドギヤ
20,120…ピニオンシャフト
20e,120e…仮想延長部
21,22,121,122…ピニオンギヤ
50,150…ファイナルドリブンギヤ
61…大径挿通孔(第1孔)
62…挿通孔(前端部嵌入孔;第2孔)

Claims (14)

  1. ディファレンシャルケース内に、同軸心状に相対向して対をなす両サイドギヤと、前記ディファレンシャルケース内に前記両サイドギヤの軸心と直交する方向に延出したピニオンシャフトにより回転可能に支持され前記両サイドギヤと噛み合うピニオンギヤと、を備え、前記ディファレンシャルケースは、自己と一体のドリブンギヤに対する駆動力で前記軸心周りに回転駆動されるようになされ、前記ピニオンシャフトがその正規位置に組付けられた状態で該ピニオンシャフトの軸方向への仮想延長部が前記ファイナルドリブンギヤの歯幅領域と干渉する形式のディファレンシャル装置の組立方法であって、
    前記ディファレンシャル装置の各部を正規位置に組付けるに至る複数の工程のうち、前記ピニオンシャフトを前記正規位置に組付けるピニオンシャフト組付け工程は、
    前記ピニオンシャフトを、前記正規位置の方向から傾斜した方向で挿通可能な内径を持つように前記ディファレンシャルケースの外殻に形成した第1孔から、前記ドリブンギヤの歯幅領域と干渉しない傾斜姿勢を維持しながら挿入する傾斜挿入工程と、
    前記傾斜挿入工程で前記ピニオンシャフトを前記傾斜姿勢を解除しても前記干渉が生じない位置まで挿入した後に、前記ピニオンシャフトの軸方向を前記正規位置の方向に合わせる方向調整工程と、を含む
    ディファレンシャル装置の組立方法。
  2. 前記傾斜挿入工程は、前記ピニオンシャフトの前記傾斜姿勢に合わせて、前記ピニオンギヤを、前記ディファレンシャルケース内における正規位置よりも偏寄して位置させた状態で当該ピニオンギヤの挿入孔に前記ピニオンシャフトを挿入するピニオンギヤ偏寄工程を含み、
    前記方向調整工程は、その終盤で、前記ピニオンギヤを前記ディファレンシャルケース内における正規位置に合わせる、ピニオンギヤ位置調整工程を含む、
    請求項1に記載のディファレンシャル装置の組立方法。
  3. 前記ピニオンギヤ位置調整工程では、2つのピニオンギヤを、その一方を前記ピニオンシャフトの前端側に寄せ、その他方を前記ピニオンシャフトの後端側に寄せて、位置調整する、
    請求項2に記載のディファレンシャル装置の組立方法。
  4. 前記ピニオンギヤ位置調整工程では、1つのピニオンギヤを、前記ピニオンシャフトの後端側に寄せて、位置調整する、
    請求項2に記載のディファレンシャル装置の組立方法。
  5. 前記ピニオンシャフト組付け工程は、更に、前記方向調整工程の後に、前記両サイドギヤを組付けるサイドギヤ組付け工程を含み、
    前記サイドギヤ組付け工程では、
    前記両サイドギヤのうちの他方のサイドギヤの収容空間に向けて前記ピニオンシャフト及び前記ピニオンギヤを前記第1孔の径の限度内で偏寄させた状態を維持しながら前記両サイドギヤのうちの一方のサイドギヤをその収容空間に収め、次いで、前記両サイドギヤのうちの一方のサイドギヤの収容空間に向けて前記ピニオンシャフト及び前記ピニオンギヤを前記第1孔の径の限度内で偏寄させた状態を維持しながら前記両サイドギヤのうちの他方のサイドギヤをその収容空間に収める、
    請求項1から4の何れか一項に記載のディファレンシャル装置の組立方法。
  6. 前記ピニオンシャフト組付け工程は、更に、前記サイドギヤ組付け工程の後に、前記ピニオンシャフトを前記正規位置に固定する位置固定工程を含む、
    請求項5に記載のディファレンシャル装置の組立方法。
  7. 前記位置固定工程では、前記ピニオンシャフトを、その前端部を前記ディファレンシャルケースの前記第1孔の対向部に設けられた第2孔に嵌入させると共に、その後端部を前記第1孔内で固定具により固定する、
    請求項6に記載のディファレンシャル装置の組立方法。
  8. ディファレンシャルケース内に、同軸心状に相対向して対をなす両サイドギヤと、前記ディファレンシャルケース内に前記両サイドギヤの軸心と直交する方向に延出したピニオンシャフトにより回転可能に支持され前記両サイドギヤと噛み合うピニオンギヤと、を備え、前記ディファレンシャルケースは、自己と一体回転可能に設けられたドリブンギヤに対する駆動力で前記軸心周りに回転駆動されるようになされたディファレンシャル装置であって、
    前記ドリブンギヤは、前記ピニオンシャフトがその正規位置に組付けられた状態でこのピニオンシャフトの軸方向への仮想延長部が干渉するような歯幅領域を有し、
    前記ディファレンシャルケースは、自己の外殻に前記ピニオンシャフトを挿通する第1孔を有し、且つ、前記第1孔の内径は、前記ピニオンシャフトを、前記正規位置の方向から傾斜した方向で挿通可能な大きさである、
    ディファレンシャル装置。
  9. 前記ディファレンシャルケースは、前記ピニオンシャフトを、前記正規位置の方向から傾斜した方向で、前記第1孔から挿通させるときに、前記ピニオンギヤの挿通孔に前記ピニオンシャフトが挿入される位置まで当該ピニオンギヤの位置を偏寄させて位置させ得る偏寄許容形状部を有する、
    請求項8に記載のディファレンシャル装置。
  10. 前記偏寄許容形状部は、その内部で、2つの前記ピニオンギヤを、その一方を前記ピニオンシャフトの前端側に寄せ、その他方を前記ピニオンシャフトの後端側に寄せて、位置調整することが許容される形状である、
    請求項9に記載のディファレンシャル装置。
  11. 前記偏寄許容形状部は、その内部で、1つの前記ピニオンギヤを、前記ピニオンシャフトの後端側に寄せて、位置調整することが許容される形状である、
    請求項9に記載のディファレンシャル装置。
  12. 前記第1孔は、そのサイズが、前記両サイドギヤのうちの他方のサイドギヤの収容空間に向けて前記ピニオンシャフト及び前記ピニオンギヤを前記第1孔の径の限度内で偏寄させた状態を維持しながら前記両サイドギヤのうちの一方のサイドギヤをその収容空間に収め、次いで、前記両サイドギヤのうちの一方のサイドギヤの収容空間に向けて前記ピニオンシャフト及び前記ピニオンギヤを前記第1孔の径の限度内で偏寄させた状態を維持しながら前記両サイドギヤのうちの他方のサイドギヤをその収容空間に収める、に適合したサイズである、
    請求項8から11の何れか一項に記載のディファレンシャル装置。
  13. 前記ピニオンシャフトを前記正規位置に固定する固定具を更に有する、
    請求項12に記載のディファレンシャル装置。
  14. ディファレンシャルケースは、前記第1孔の対向部に前記ピニオンシャフトの前端部を嵌入させる第2孔を更に有する、
    請求項13に記載のディファレンシャル装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020184428A1 (ja) * 2019-03-08 2020-09-17 武蔵精密工業株式会社 差動装置
WO2020196286A1 (ja) * 2019-03-22 2020-10-01 武蔵精密工業株式会社 差動装置及びその組立方法

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