JP2018053378A - 紫外線遮蔽性に優れたアクリル繊維 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明の目的は、適切な酸化チタンの二次粒子径を選択することで優れた紫外線遮蔽性を有し、製糸性・紡績性に優れたアクリル繊維を提供することにある。
【解決手段】
上記課題を達成する本発明のアクリル繊維は、平均二次粒子径が100nm以上180nm以下である酸化チタンを2〜7質量%含むことを特徴とするものである。上記本発明のアクリル繊維は、単繊維繊度が0.5〜2.2dtex、引張り強度が2.0cN/dtex以上であることが好ましい。

【選択図】 なし

Description

本発明は、紫外線遮蔽性に優れたアクリル繊維に関するものである。
従来、アクリル系繊維は羊毛に似た風合いを持つことから、セーターや靴下などの衣料製品、あるいは獣毛調の風合いや光沢を生かし、獣毛調立毛製品のパイル素材に用いられてきた。
一方、カーディガン、カットソーなど、特に春夏用の外衣として用いられる薄手の衣料製品においては、日焼け予防としての紫外線遮蔽性や防透け性が求められる。繊維に紫外線遮蔽性や防透け性を付与する手段の1つとして、無機粒子を練り込む手段が提案されている。練り込む無機粒子の粒子径を選択することによって付与できる機能を変えることができる。
例えば、特許文献1では平均粒子径が80nm以下であるルチル型酸化チタンを1〜3質量%含有させることで紫外線遮蔽性を付与している。
また、特許文献2では、平均粒子径が0.5μm以下である無機微粒子をポリエステルマルチフィラメントに代表される合成繊維に含有させることで防透け性を付与している。
特開2005−120512号公報 国際公開第2003/072862号
しかしながら、特許文献1記載の発明では、平均粒子径が80nm以下と小さく地表で最も人体への影響が強い波長280nm〜320nmの中波長紫外線を効率良く遮蔽できておらず、また酸化チタン粒子が凝集することにより、製糸工程や紡績工程における糸切れが多発するという問題点があった。
特許文献2記載の発明では、平均粒子径が300nmと大きく、繊維の光沢感を解消するには適していたが、中波長紫外線を効率良く遮蔽できていなという問題点があった。
本発明は、優れた紫外線遮蔽性を有し、製糸性・紡績性に優れたアクリル繊維を提供することを課題とする。
上記課題を達成する本発明のアクリル繊維は、平均二次粒子径が100nm以上180nm以下である酸化チタンを2〜7質量%含み、単繊維繊度0.5〜2.2dtex、引張り強度2.0cN/dtex以上を特徴とするものである。
本発明のアクリル繊維は、平均二次粒子径が100nm以上180nm以下である酸化チタンを規定量含有するため、地表で最も人体への影響が強い波長280nm〜320nmの中波長紫外線を効率良く遮蔽し、製糸性・紡績性の問題をも解決しうるアクリル繊維を提供することができる。
本発明のアクリル繊維の素材は、アクリロニトリルの重合体または共重合体(以下これらを総合してアクリロニトリル系(共)重合体と略称する)であればよく、特に限定されないが、好ましくはアクリロニトリル単位を50質量%以上含有していることが好ましく、85質量%以上とすることがより好ましい。アクリロニトリルの共重合比率を85質量%以上とすることで、良好な強度を有し、紡績工程での工程通過性も良好で、品質に優れた紡績糸が得られる。上限としてはアクリロニトリル100質量%、すなわち、単独重合体でもよいが、紡糸工程での延伸性の点からは共重合体とすることが好ましい。
アクリロニトリル共重合体とするときのアクリロニトリル以外の共重合成分としては、アクリロニトリルと共重合可能なアクリロニトリル以外のビニル系モノマー、例えばアクリル酸、メタクリル酸、あるいはアルキルエステル類、酢酸ビニル、塩化ビニル、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、スチレン、塩化ビニリデン、アリルスルホン酸ソーダ、メタリルスルホン酸ソーダ、ビニルスルホン酸ソーダ等のスルホン酸基を有するビニルモノマーなどが好ましく挙げられ、これらは1種又は2種以上で用いられる。なかでもスルホン酸基を有するビニルモノマーとその他のビニルモノマーを併用して共重合することが好ましい。
これらアクリロニトリル共重合体とするときのアクリロニトリル以外の共重合成分は、50質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。
紡糸工程での延伸性の点から3質量%以上であることが好ましい。
なかでもアクリロニトリルと共重合可能な共重合成分として、スルホン酸基を有するビニルモノマーおよびその他のビニルモノマーを併用する場合は、スルホン酸基を有するビニルモノマーを0.5〜5質量%、その他のビニルモノマーを2〜15質量%共重合することが好ましく、さらにはスルホン酸基を有するビニルモノマーを1〜3質量%、その他のビニルモノマーを3〜7質量%共重合することがさらに好ましい。なお、本発明において、共重合比率とは、アクリロニトリル系共重合体全体の質量を100質量%としたときの各共重合成分の質量比率である。
本発明に用いられるアクリロニトリル系(共)重合体は、通常溶液中で重合されるが、その際の重合反応溶液には、必要に応じて、重合開始剤、pH調整剤および分子量調整剤等を添加することができる。
本発明における紫外線遮蔽物質として、平均二次粒子径が100nm以上180nm以下である酸化チタンを用いる。好ましくは、平均二次粒子径が140nm以上160nm以下である酸化チタンを用いる。平均二次粒子径が100nm未満の場合は、中波長紫外線を効率良く遮蔽できず、また酸化チタン粒子が凝集することにより、製糸工程や紡績工程における糸切れが多発するという問題点が生じる。平均二次粒子径が180nmより大きい場合は、中波長紫外線を効率良く遮蔽できない。
本発明における繊維中の酸化チタンの含有率は、2〜7質量%であることが中波長紫外線を効率良く遮蔽するのに必要である。好ましくは、2.5〜5質量%である。2質量%未満の場合、中波長紫外線遮蔽性が十分なものとはならない。7質量%より大きくなると分散液中で凝集が発生し、紡糸時の糸切れが増加する。発明において、酸化チタンの含有率とは、アクリル繊維全体の質量を100質量%としたときの酸化チタンの質量比率である。酸化チタンのアクリル繊維への添加方法は特に限定されないが、紡糸原液に用いる有機溶媒、または紡糸原液に用いるものと同一のアクリロニトリル系共重合体を5〜15質量%の濃度で溶解させた溶液に、酸化チタンの粒子を加えて分散処理し、分散液とした後、紡糸原液ラインの途中で紡糸原液と混合する方法などが好ましく挙げられる。
本発明のアクリル繊維の形状は、特に限定されるものではなく、断面については丸型、β型、C型、三角、扁平、ドックボーン型、多葉型等、いずれの形状であってもよい。
本発明のアクリル繊維の繊度は、単繊維繊度で0.5〜2.2dtexである。前記単繊維繊度が、0.5dtex未満だと、紡績加工時にカード工程でシリンダーへの沈み綿の増加や、ドッファへの移行不良が発生し、紡績性が著しく低下する。また、2.2dtexを超えると、衣料製品としたときに風合いが硬くなり、衣料製品に適さない。
本発明のアクリル繊維は、引っ張り強度が2.0cN/dtex以上である。引っ張り強度が2.0cN/dtexより低いと紡績糸に加工する際、カード工程でのフライ、ネップの発生や、ローラー巻付きなどのトラブルを引き起こし、生産性が著しく低下する。前記引っ張り強度は、例えば、アクリロニトリルの共重合比率を高めることや、酸化チタンの含有率を低減すること、延伸倍率を高くすること、乾燥緻密化条件をより高温、長時間とすることなどにより、高くすることができる。
<重合>
本発明で用いられるアクリロニトリル系(共)重合体の重合方法は、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法など、いずれの重合方法を用いてもよい。また、重合に使用する有機溶媒の例として、ジメチルスルホキシド(以下、DMSOということがある。)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等の有機溶媒が挙げられる。中でも、本発明に用いられるアクリル系(共)重合体が、DMSO系湿式紡糸において製糸性に優れることから、重合方法および重合溶媒は、DMSOを用いた溶液重合法が好ましい。
<紡糸>
紡糸原液全体に対するアクリロニトリル系(共)重合体の割合は、20〜25質量%が好ましく、その際、有機溶媒の割合を75〜80質量%とすることが好ましい。紡糸原液全体に対するアクリロニトリル系(共)重合体の割合は、より好ましくは21〜24質量%であり、有機溶媒の割合は、より好ましくは76〜79質量%である。
紡糸原液において、アクリロニトリル系(共)重合体の割合が20質量%以上であると、得られる繊維が失透しにくく光沢が失われにくくなるとともに染色斑、発色性が向上しやすくなる。一方、アクリロニトリル系(共)重合体の割合が25質量%以下であると製糸性が向上しやすくなる。
このようにして作製された紡糸原液は、通常の紡糸装置を使用して紡糸することができる。湿式紡糸の場合に凝固浴として使用する有機溶媒としては、DMSO、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が挙げられる。中でも、溶媒の拡散係数が高く、アクリロニトリル系(共)重合体を湿式紡糸した際の製糸性に優れるDMSO水溶液が好ましく用いられる。
なお、本発明のアクリル繊維は、酸化チタンを含むアクリロニトリル系(共)重合体とその他のアクリロニトリル系(共)重合体との複合構造を有するものであってよい。複合構造の態様としては、芯鞘構造やサイドバイサイド構造、多層構造などが挙げられる。この場合は、当該複合構造を有数アクリル繊維を評価し、本発明で規定する範囲を満たせばよい。また、本発明のアクリル繊維は、長さ方向に均一なものでも太細のあるものでもよい。
本発明のアクリル繊維は、例えば、以下の方法により製造することができる。本発明のアクリル繊維を得るための紡糸法として、酸化チタンを含むアクリロニトリル系共重合体を紡糸口金孔から空気または不活性雰囲気中に吐出した後、熱で溶媒を気化し凝固する乾式紡糸や、紡糸口金孔から吐出された重合体を凝固浴中に直接吐出する湿式紡糸、紡糸口金孔から吐出された重合体を一旦空気または不活性雰囲気中に吐出した後、凝固浴に導入する乾湿式紡糸などの各種紡糸法を採用することができる。各種紡糸法により紡糸を行った後、熱延伸、水洗、乾燥緻密化させ、油剤を付与し、捲縮および熱緩和処理を施すことにより、本発明のアクリル繊維を得ることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例における酸化チタンの平均二次粒子径、引っ張り強度、製糸性、紡績性、紫外線遮蔽率、編地風合いの評価は下記方法により求めたものである。
(1)酸化チタンの平均二次粒子径
酸化チタンの平均粒径については、添加する酸化チタン10mgをDMSO150mL中に分散させ、HORIBA社のレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−920装置を用いて湿式法、フロー方式にて測定した。
繊維中の酸化チタンの平均粒径については、KEYENCE社の走査型電子顕微鏡VE−9800装置を用いて任意の単繊維10本の断面観察を10000倍率で行い、二次粒子径の平均を算出した。繊維1本あたりに5個の二次粒子を観察し、二次粒子の輪郭線を平行線と見なし、平行線間距離を測定した。なお、観察した二次粒子は円形である。円形ではない場合は、二次粒子の輪郭線に外接する最も小さい長方形または正方形を仮定し、長辺の長さと短辺の長さの平均値(正方形の場合は1辺の長さに相当)を二次粒子径とする。
(2)単繊維繊度、引っ張り強度
JIS L1015:2010化学繊維ステープル試験方法に準拠して測定した。
(3)製糸性の評価
製糸性については、口金面での糸切れ、延伸ローラーへの巻き付きがないものを「A」とし製糸性としての合格とした。また、口金面での糸切れ、ローラーへの単繊維巻き付きが若干あるものを「B」、頻繁にあるものを「C」とし製糸性不合格とした。
(4)紡績性の評価
紡績性については、カードでのシリンダー巻き付きがなく、各工程での酸化チタンの脱落が少ないものを「A」とし紡績性としての合格とした。また、カードでのシリンダー巻き付きや酸化チタンの脱落が若干あるものを「B」、頻繁にあるものを「C」として紡績性不合格とした。
(5)紫外線遮蔽率(UPF)の評価
衣料品による紫外線防止効果を客観的に評価するために定めたれている指標UPF(紫外線防止指数)のAS/NZS4399に準拠して編地を測定した。また、波長280〜320nmの紫外線遮蔽率は、紫外線遮蔽率(%)=100−[波長280〜320nmの平均透過率(%)]の式を用いて算出した。紫外線遮蔽率95%以上をAA、90%以上95%未満を「A」、90%未満を「C」とし、「AA、A」を合格、「C」を不合格とした。上記両測定に用いた編地は下記の通りに作製した。実施例、比較例で得られたアクリル繊維をそれぞれ38mmにカットし、短繊維紡績方式によりAc100、2/53番手の紡績糸とした。その紡績糸をスムース編、18ゲージで編成した。得られた編地を1.0%owfの繁成化学社製アクリックホワイトTK染料溶液で浴比1:15、温度97℃、時間30分間の条件で染色を行い編地を作製した。
(6)編地風合いの評価
編地風合いの評価方法は、5人の判定員が、その風合い評価用の編地を触感判定し、十分なソフト性を有していると判断されるものに「A」、ソフト性に欠ける、あるいはシャリ感が出ていると判断されるものに「C」をつけた。5人全員がAをつけた場合の判定結果をAAとし、Aが3人以上いた場合の判定結果をAとし「AA、A」は風合いの合格とし、また、Cが3人以上いた場合の判定結果をCとして「C」を風合いの不合格と評価した。
[実施例1]
DMSOを溶媒とする溶液重合により、アクリロニトリル由来の単位91.4質量%、アクリル酸メチル由来の単位7.2質量%、メタリルスルホン酸ナトリウム由来の単位1.4質量%を含むアクリロニトリル系共重合体溶液(アクリロニトリル系共重合体濃度22.4質量%)を得た。このアクリロニトリル系共重合体溶液を用いて、平均二次粒子径が150nmである酸化チタンを、アクリル繊維質量に対して酸化チタンの含有率が5.0質量%となるように加えて混合した酸化チタン分散紡糸原液を調製した。多層化エレメントを用いて前記2種類の紡糸原液を層分割した後、孔径0.050mmの丸孔口金より60質量%のDMSO水溶液に湿式紡糸した。さらに95℃の熱水中で6倍に延伸し、水による洗浄、160℃の熱風による1分間の乾燥緻密化を行い、捲縮を付与して単繊維繊度1.0dtex、引っ張り強度2.5cN/dtexのアクリル繊維を得た。
[実施例2]
DMSOを溶媒とする溶液重合により、アクリロニトリル由来の単位90.2質量%、アクリル酸メチル由来の単位8.0質量%、メタリルスルホン酸ナトリウム由来の単位1.8質量%を含むアクリロニトリル系共重合体溶液(アクリロニトリル系共重合体濃度22.4質量%)を得た。このアクリロニトリル系共重合体溶液を用いて、平均二次粒子径が150nmである酸化チタンを、アクリル繊維質量に対して酸化チタンの含有率が7.0質量%となるように加えて混合した酸化チタン分散紡糸原液を調製した。多層化エレメントを用いて前記2種類の紡糸原液を層分割した後、孔径0.050mmの丸孔口金より60質量%のDMSO水溶液に湿式紡糸した。さらに95℃の熱水中で6倍に延伸し、水による洗浄、160℃の熱風による1分間の乾燥緻密化を行い、捲縮を付与して単繊維繊度1.0dtex、引っ張り強度2.4cN/dtexのアクリル繊維を得た。
[実施例3]
DMSOを溶媒とする溶液重合により、アクリロニトリル由来の単位92.4質量%、アクリル酸メチル由来の単位7.5質量%、メタリルスルホン酸ナトリウム由来の単位2.1質量%を含むアクリロニトリル系共重合体溶液(アクリロニトリル系共重合体濃度22.4質量%)を得た。このアクリロニトリル系共重合体溶液を用いて、平均二次粒子径が150nmである酸化チタンを、アクリル繊維質量に対して酸化チタンの含有率が5.0質量%となるように加えて混合した酸化チタン分散紡糸原液を調製した。多層化エレメントを用いて前記2種類の紡糸原液を層分割した後、孔径0.050mmの丸孔口金より60質量%のDMSO水溶液に湿式紡糸した。さらに95℃の熱水中で6倍に延伸し、水による洗浄、160℃の熱風による1分間の乾燥緻密化を行い、捲縮を付与して単繊維繊度1.7dtex、引っ張り強度2.6cN/dtexのアクリル繊維を得た。
[実施例4]
DMSOを溶媒とする溶液重合により、アクリロニトリル由来の単位92.4質量%、アクリル酸メチル由来の単位7.5質量%、メタリルスルホン酸ナトリウム由来の単位2.1質量%を含むアクリロニトリル系共重合体溶液(アクリロニトリル系共重合体濃度22.4質量%)を得た。このアクリロニトリル系共重合体溶液を用いて、平均二次粒子径が100nmである酸化チタンを、アクリル繊維質量に対して酸化チタンの含有率が7.0質量%となるように加えて混合した酸化チタン分散紡糸原液を調製した。多層化エレメントを用いて前記2種類の紡糸原液を層分割した後、孔径0.050mmの丸孔口金より60質量%のDMSO水溶液に湿式紡糸した。さらに95℃の熱水中で6倍に延伸し、水による洗浄、160℃の熱風による1分間の乾燥緻密化を行い、捲縮を付与して単繊維繊度1.0dtex、引っ張り強度2.5cN/dtexのアクリル繊維を得た。
[実施例5]
DMSOを溶媒とする溶液重合により、アクリロニトリル由来の単位91.4質量%、アクリル酸メチル由来の単位7.2質量%、メタリルスルホン酸ナトリウム由来の単位1.4質量%を含むアクリロニトリル系共重合体溶液(アクリロニトリル系共重合体濃度22.4質量%)を得た。このアクリロニトリル系共重合体溶液を用いて、平均二次粒子径が100nmである酸化チタンを、アクリル繊維質量に対して酸化チタンの含有率が2.0質量%となるように加えて混合した酸化チタン分散紡糸原液を調製した。多層化エレメントを用いて前記2種類の紡糸原液を層分割した後、孔径0.050mmの丸孔口金より60質量%のDMSO水溶液に湿式紡糸した。さらに95℃の熱水中で6倍に延伸し、水による洗浄、160℃の熱風による1分間の乾燥緻密化を行い、捲縮を付与して単繊維繊度1.0dtex、引っ張り強度2.7cN/dtexのアクリル繊維を得た。
[実施例6]
DMSOを溶媒とする溶液重合により、アクリロニトリル由来の単位91.4質量%、アクリル酸メチル由来の単位7.2質量%、メタリルスルホン酸ナトリウム由来の単位1.4質量%を含むアクリロニトリル系共重合体溶液(アクリロニトリル系共重合体濃度22.4質量%)を得た。このアクリロニトリル系共重合体溶液を用いて、平均二次粒子径が150nmである酸化チタンを、アクリル繊維質量に対して酸化チタンの含有率が2.5質量%となるように加えて混合した酸化チタン分散紡糸原液を調製した。多層化エレメントを用いて前記2種類の紡糸原液を層分割した後、孔径0.050mmの丸孔口金より60質量%のDMSO水溶液に湿式紡糸した。さらに95℃の熱水中で6倍に延伸し、水による洗浄、160℃の熱風による1分間の乾燥緻密化を行い、捲縮を付与して単繊維繊度1.7dtex、引っ張り強度2.6cN/dtexのアクリル繊維を得た。
[実施例7]
DMSOを溶媒とする溶液重合により、アクリロニトリル由来の単位91.4質量%、アクリル酸メチル由来の単位7.2質量%、メタリルスルホン酸ナトリウム由来の単位1.4質量%を含むアクリロニトリル系共重合体溶液(アクリロニトリル系共重合体濃度22.4質量%)を得た。このアクリロニトリル系共重合体溶液を用いて、平均二次粒子径が180nmである酸化チタンを、アクリル繊維質量に対して酸化チタンの含有率が5.0質量%となるように加えて混合した酸化チタン分散紡糸原液を調製した。多層化エレメントを用いて前記2種類の紡糸原液を層分割した後、孔径0.050mmの丸孔口金より60質量%のDMSO水溶液に湿式紡糸した。さらに95℃の熱水中で6倍に延伸し、水による洗浄、160℃の熱風による1分間の乾燥緻密化を行い、捲縮を付与して単繊維繊度1.0dtex、引っ張り強度2.3cN/dtexのアクリル繊維を得た。
[比較例1]
DMSOを溶媒とする溶液重合により、アクリロニトリル由来の単位91.4質量%、アクリル酸メチル由来の単位7.2質量%、メタリルスルホン酸ナトリウム由来の単位1.4質量%を含むアクリロニトリル系共重合体溶液(アクリロニトリル系共重合体濃度22.4質量%)を得た。このアクリロニトリル系共重合体溶液を用いて、平均二次粒子径が50nmである酸化チタンを、アクリル繊維質量に対して酸化チタンの含有率が5.0質量%となるように加えて混合した酸化チタン分散紡糸原液を調製した。多層化エレメントを用いて前記2種類の紡糸原液を層分割した後、孔径0.050mmの丸孔口金より60質量%のDMSO水溶液に湿式紡糸した。さらに95℃の熱水中で6倍に延伸し、水による洗浄、160℃の熱風による1分間の乾燥緻密化を行い、捲縮を付与して単繊維繊度1.0dtex、引っ張り強度1.8cN/dtexのアクリル繊維を得た。
[比較例2]
DMSOを溶媒とする溶液重合により、アクリロニトリル由来の単位91.4質量%、アクリル酸メチル由来の単位7.2質量%、メタリルスルホン酸ナトリウム由来の単位1.4質量%を含むアクリロニトリル系共重合体溶液(アクリロニトリル系共重合体濃度22.4質量%)を得た。このアクリロニトリル系共重合体溶液を用いて、平均二次粒子径が200nmである酸化チタンを、アクリル繊維質量に対して酸化チタンの含有率が5.0質量%となるように加えて混合した酸化チタン分散紡糸原液を調製した。多層化エレメントを用いて前記2種類の紡糸原液を層分割した後、孔径0.050mmの丸孔口金より60質量%のDMSO水溶液に湿式紡糸した。さらに95℃の熱水中で6倍に延伸し、水による洗浄、160℃の熱風による1分間の乾燥緻密化を行い、捲縮を付与して単繊維繊度1.0dtex、引っ張り強度2.3cN/dtexのアクリル繊維を得た。
[比較例3]
DMSOを溶媒とする溶液重合により、アクリロニトリル由来の単位90.2質量%、アクリル酸メチル由来の単位8.0質量%、メタリルスルホン酸ナトリウム由来の単位1.8質量%を含むアクリロニトリル系共重合体溶液(アクリロニトリル系共重合体濃度22.4質量%)を得た。このアクリロニトリル系共重合体溶液を用いて、平均二次粒子径が150nmである酸化チタンを、アクリル繊維質量に対して酸化チタンの含有率が1.0質量%となるように加えて混合した酸化チタン分散紡糸原液を調製した。多層化エレメントを用いて前記2種類の紡糸原液を層分割した後、孔径0.050mmの丸孔口金より60質量%のDMSO水溶液に湿式紡糸した。さらに95℃の熱水中で6倍に延伸し、水による洗浄、160℃の熱風による1分間の乾燥緻密化を行い、捲縮を付与して単繊維繊度1.0dtex、引っ張り強度2.5cN/dtexのアクリル繊維を得た。
[比較例4]
DMSOを溶媒とする溶液重合により、アクリロニトリル由来の単位92.4質量%、アクリル酸メチル由来の単位7.5質量%、メタリルスルホン酸ナトリウム由来の単位2.1質量%を含むアクリロニトリル系共重合体溶液(アクリロニトリル系共重合体濃度22.4質量%)を得た。このアクリロニトリル系共重合体溶液を用いて、平均二次粒子径が150nmである酸化チタンを、アクリル繊維質量に対して酸化チタンの含有率が10.0質量%となるように加えて混合した酸化チタン分散紡糸原液を調製した。多層化エレメントを用いて前記2種類の紡糸原液を層分割した後、孔径0.050mmの丸孔口金より60質量%のDMSO水溶液に湿式紡糸した。さらに95℃の熱水中で6倍に延伸し、水による洗浄、160℃の熱風による1分間の乾燥緻密化を行い、捲縮を付与して単繊維繊度1.0dtex、引っ張り強度1.7cN/dtexのアクリル繊維を得た。
[比較例5]
DMSOを溶媒とする溶液重合により、アクリロニトリル由来の単位91.4質量%、アクリル酸メチル由来の単位7.2質量%、メタリルスルホン酸ナトリウム由来の単位1.4質量%を含むアクリロニトリル系共重合体溶液(アクリロニトリル系共重合体濃度22.4質量%)を得た。このアクリロニトリル系共重合体溶液を用いて、平均二次粒子径が150nmである酸化チタンを、アクリル繊維質量に対して酸化チタンの含有率が5.0質量%となるように加えて混合した酸化チタン分散紡糸原液を調製した。多層化エレメントを用いて前記2種類の紡糸原液を層分割した後、孔径0.050mmの丸孔口金より60質量%のDMSO水溶液に湿式紡糸した。さらに95℃の熱水中で6倍に延伸し、水による洗浄、160℃の熱風による1分間の乾燥緻密化を行い、捲縮を付与して単繊維繊度0.3dtex、引っ張り強度1.9cN/dtexのアクリル繊維を得た。
[比較例6]
DMSOを溶媒とする溶液重合により、アクリロニトリル由来の単位91.4質量%、アクリル酸メチル由来の単位7.2質量%、メタリルスルホン酸ナトリウム由来の単位1.4質量%を含むアクリロニトリル系共重合体溶液(アクリロニトリル系共重合体濃度22.4質量%)を得た。このアクリロニトリル系共重合体溶液を用いて、平均二次粒子径が150nmである酸化チタンを、アクリル繊維質量に対して酸化チタンの含有率が5.0質量%となるように加えて混合した酸化チタン分散紡糸原液を調製した。多層化エレメントを用いて前記2種類の紡糸原液を層分割した後、孔径0.050mmの丸孔口金より60質量%のDMSO水溶液に湿式紡糸した。さらに95℃の熱水中で6倍に延伸し、水による洗浄、160℃の熱風による1分間の乾燥緻密化を行い、捲縮を付与して単繊維繊度3.0dtex、引っ張り強度2.4cN/dtexのアクリル繊維を得た。
実施例1〜4、および比較例1〜6で作製したアクリル繊維については、上述の(3)製糸性の評価、(4)紡績性の評価、(5)紫外線遮蔽率の評価、(6)編地風合いの評価を行い、結果を表1、表2に示した。その結果、本発明における
アクリル繊維は、編地風合いと紫外線遮蔽性に優れ、かつ製糸性と紡績性にも優れていることが明確であった。
Figure 2018053378
Figure 2018053378

Claims (2)

  1. 平均二次粒子径が100nm以上180nm以下である酸化チタンを2〜7質量%含むアクリル繊維。
  2. 単繊維繊度が0.5〜2.2dtex、引張り強度が2.0cN/dtex以上である、請求項1記載のアクリル繊維。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022176705A1 (ja) * 2021-02-19 2022-08-25 株式会社カネカ 紫外線遮蔽性アクリル系繊維、それを含む紫外線遮蔽性布帛及び繊維製品、並びにその製造方法

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WO2022176705A1 (ja) * 2021-02-19 2022-08-25 株式会社カネカ 紫外線遮蔽性アクリル系繊維、それを含む紫外線遮蔽性布帛及び繊維製品、並びにその製造方法

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