JPH073530A - 抗ピリング性アクリル系繊維及びその製造方法 - Google Patents
抗ピリング性アクリル系繊維及びその製造方法Info
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- JPH073530A JPH073530A JP13759293A JP13759293A JPH073530A JP H073530 A JPH073530 A JP H073530A JP 13759293 A JP13759293 A JP 13759293A JP 13759293 A JP13759293 A JP 13759293A JP H073530 A JPH073530 A JP H073530A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 乾式アクリル系繊維において、優れた光沢、
風合いを損なうことなく、高度の抗ピリング性および優
れた染色性を兼備する抗ピリング性アクリル系繊維及び
その製造方法を提供する。 【構成】 95重量%以上のアクリロニトリルと0.3
〜5重量%の強酸基含有単量体及び0〜4重量%のアク
リロニトリルと共重合性を有するモノエチレン性ビニル
系単量体よりなるアクリロニトリル系重合体(I)を鞘
部、85重量%以上のアクリロニトリル及び4〜15重
量%のアクリロニトリルと共重合性を有するモノエチレ
ン性ビニル系単量体よりなるアクリロニトリル系重合体
(II)を芯部とし、鞘部の重合体(I)の比率が10〜
60重量%であり、且つ強力1.8〜4グラム/デニ−
ル、結節強力(グラム/デニ−ル)と結節伸度(%)の
積が30以下、沸水収縮率が5%以下なる条件を満足す
る乾式紡糸法により得られることを特徴とする抗ピリン
グ性アクリル系繊維およびその製造方法。
風合いを損なうことなく、高度の抗ピリング性および優
れた染色性を兼備する抗ピリング性アクリル系繊維及び
その製造方法を提供する。 【構成】 95重量%以上のアクリロニトリルと0.3
〜5重量%の強酸基含有単量体及び0〜4重量%のアク
リロニトリルと共重合性を有するモノエチレン性ビニル
系単量体よりなるアクリロニトリル系重合体(I)を鞘
部、85重量%以上のアクリロニトリル及び4〜15重
量%のアクリロニトリルと共重合性を有するモノエチレ
ン性ビニル系単量体よりなるアクリロニトリル系重合体
(II)を芯部とし、鞘部の重合体(I)の比率が10〜
60重量%であり、且つ強力1.8〜4グラム/デニ−
ル、結節強力(グラム/デニ−ル)と結節伸度(%)の
積が30以下、沸水収縮率が5%以下なる条件を満足す
る乾式紡糸法により得られることを特徴とする抗ピリン
グ性アクリル系繊維およびその製造方法。
Description
【産業上の利用分野】本発明は優れた抗ピリング性を有
するアクリル系繊維及びその製造方法に関する。更に詳
しくは乾式紡糸法によって得られ、優れた風合いおよび
染色性の良好な抗ピリング性アクリル系繊維及び該繊維
の製造方法に関する。
するアクリル系繊維及びその製造方法に関する。更に詳
しくは乾式紡糸法によって得られ、優れた風合いおよび
染色性の良好な抗ピリング性アクリル系繊維及び該繊維
の製造方法に関する。
【従来の技術】衣料の着用時に発生するピルは、その美
観ないしは風合いを著しく損ねることはよく知られてい
る。特にアクリル系繊維は、従来よりその主なる用途が
スパンニット分野であることからピルの発生が顕著であ
り、その対策が強く望まれている。このため、これまで
にもピルの発生を防止する方法として種々の提案がなさ
れている。それらを大別するとピルの発生の主因となる
毛羽を生ぜしめない方法と毛羽が発生してもそれがピル
を形成する以前に脱落せしめる方法とに分けられる。前
者は一般に抗ピリング性において恒久的に乏しく、且つ
その方法上から編織物の構造面もしくは組織の形態面の
制約に依存し、実用上広範な製品展開が期待出来ない等
の欠点がある。実用上有利な抗ピリング性を与えるため
には、後者すなわち毛羽が絡みピルを形成する前に毛羽
を脱落させる方法が効果的である。その具体的な方法と
しては、特開昭57−121610号公報等に示された
繊維製造工程において低い延伸倍率を採用したり、特開
昭56−128324号公報に示された繊維に局所的な
欠陥を付与することによって繊維の強度を低下させるこ
とが試みられている。これらの方法により実用的に望ま
しい抗ピリング性が得られた例は必ずしも少なくない
が、反面、繊維の強度低下に起因する後加工性の低下、
すなわち紡績通過性が劣り、とりわけアクリル系繊維1
00%使いの商品展開を図る場合など、フライの発生、
糸斑の増大および紡績糸の強力低下を招き製品の品質低
下や高次加工性を損なうという大きな欠陥がある。一
方、単繊維強度の低下をきたすことなく充分な引っ張り
強力を有し、後加工性の良好な抗ピリング性を有する繊
維を得る方法としては、特開昭51−102120号公
報に示された技術がある。当該技術は繊維形成用アクリ
ロニトリル系重合体としてアクリロニトリル94重量%
以上、強酸基含有単量体0.5〜3.5重量%および他
の単量体2.5〜5.5重量%なる組成のものを用い、
このアクリロニトリル系重合体を湿式紡糸後4〜7倍熱
延伸、乾燥後さらに90〜180℃で1.1〜2.4倍
延伸し、該延伸温度寄りも高い温度で定長セットするこ
とをその内容としている。この技術は湿式紡糸法を採用
した際にはかなり有効な方法であるが、紡糸法として乾
式紡糸を採用することにより、得られた繊維は糸加工時
におけるフライの発生が多いこと、繊維の沸水収縮率が
高いため染色しにくいこと、また染色処理後の抗ピリン
グ性が原糸に比べ低下することなどの改良すべき点があ
った。本発明者らはポリマ−組成および糸物性を規定す
ることにより、その緻密な構造により、従来、抗ピリン
グ性の得難かった乾式紡糸法において、高度な抗ピリン
グ性を有するアクリル系繊維を提供する方法を提案(特
開平4−272213号公報)している。しかしなが
ら、この乾式紡糸法による抗ピリング性アクリル系繊維
もその緻密な構造に加え、染色処理時の形態変化を抑制
するため、一部染色条件により濃色に染めにくい、また
は繊維内部への染料の拡散が十分でなく、いわゆるリン
グ染色が発生し易い等、染色面で改良すべき課題があっ
た。
観ないしは風合いを著しく損ねることはよく知られてい
る。特にアクリル系繊維は、従来よりその主なる用途が
スパンニット分野であることからピルの発生が顕著であ
り、その対策が強く望まれている。このため、これまで
にもピルの発生を防止する方法として種々の提案がなさ
れている。それらを大別するとピルの発生の主因となる
毛羽を生ぜしめない方法と毛羽が発生してもそれがピル
を形成する以前に脱落せしめる方法とに分けられる。前
者は一般に抗ピリング性において恒久的に乏しく、且つ
その方法上から編織物の構造面もしくは組織の形態面の
制約に依存し、実用上広範な製品展開が期待出来ない等
の欠点がある。実用上有利な抗ピリング性を与えるため
には、後者すなわち毛羽が絡みピルを形成する前に毛羽
を脱落させる方法が効果的である。その具体的な方法と
しては、特開昭57−121610号公報等に示された
繊維製造工程において低い延伸倍率を採用したり、特開
昭56−128324号公報に示された繊維に局所的な
欠陥を付与することによって繊維の強度を低下させるこ
とが試みられている。これらの方法により実用的に望ま
しい抗ピリング性が得られた例は必ずしも少なくない
が、反面、繊維の強度低下に起因する後加工性の低下、
すなわち紡績通過性が劣り、とりわけアクリル系繊維1
00%使いの商品展開を図る場合など、フライの発生、
糸斑の増大および紡績糸の強力低下を招き製品の品質低
下や高次加工性を損なうという大きな欠陥がある。一
方、単繊維強度の低下をきたすことなく充分な引っ張り
強力を有し、後加工性の良好な抗ピリング性を有する繊
維を得る方法としては、特開昭51−102120号公
報に示された技術がある。当該技術は繊維形成用アクリ
ロニトリル系重合体としてアクリロニトリル94重量%
以上、強酸基含有単量体0.5〜3.5重量%および他
の単量体2.5〜5.5重量%なる組成のものを用い、
このアクリロニトリル系重合体を湿式紡糸後4〜7倍熱
延伸、乾燥後さらに90〜180℃で1.1〜2.4倍
延伸し、該延伸温度寄りも高い温度で定長セットするこ
とをその内容としている。この技術は湿式紡糸法を採用
した際にはかなり有効な方法であるが、紡糸法として乾
式紡糸を採用することにより、得られた繊維は糸加工時
におけるフライの発生が多いこと、繊維の沸水収縮率が
高いため染色しにくいこと、また染色処理後の抗ピリン
グ性が原糸に比べ低下することなどの改良すべき点があ
った。本発明者らはポリマ−組成および糸物性を規定す
ることにより、その緻密な構造により、従来、抗ピリン
グ性の得難かった乾式紡糸法において、高度な抗ピリン
グ性を有するアクリル系繊維を提供する方法を提案(特
開平4−272213号公報)している。しかしなが
ら、この乾式紡糸法による抗ピリング性アクリル系繊維
もその緻密な構造に加え、染色処理時の形態変化を抑制
するため、一部染色条件により濃色に染めにくい、また
は繊維内部への染料の拡散が十分でなく、いわゆるリン
グ染色が発生し易い等、染色面で改良すべき課題があっ
た。
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的とする
ところは、高級衣料用繊維として広く消費者に好まれて
いる乾式アクリル系繊維において、優れた光沢、風合い
を損なうことなく、高度の抗ピリング性および優れた染
色性を兼備する抗ピリング性アクリル系繊維及びその製
造方法を提供することにある。
ところは、高級衣料用繊維として広く消費者に好まれて
いる乾式アクリル系繊維において、優れた光沢、風合い
を損なうことなく、高度の抗ピリング性および優れた染
色性を兼備する抗ピリング性アクリル系繊維及びその製
造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、95重量%以上のアクリロニトリルと0.3〜5
重量%の強酸基含有単量体及び0〜4重量%のアクリロ
ニトリルと共重合性を有するモノエチレン性ビニル系単
量体よりなるアクリロニトリル系重合体(I)を鞘部、
85重量%以上のアクリロニトリル及び4〜15重量%
のアクリロニトリルと共重合性を有するモノエチレン性
ビニル系単量体よりなるアクリロニトリル系重合体(I
I)を芯部とし、鞘部の重合体(I)の比率が10〜60
重量%であり、且つ強力1.8〜4グラム/デニ−ル、
結節強力(グラム/デニ−ル)と結節伸度(%)の積が
30以下、沸水収縮率が5%以下なる条件を満足する乾
式紡糸法により得られることを特徴とする抗ピリング性
アクリル系繊維を第1の発明とし、上記アクリロニトリ
ル系重合体(I)を鞘部、上記アクリロニトリル系重合
体(II)を芯部とし、芯鞘型複合ノズルを用い、重合体
(I)の比率が10〜60%になるよう乾式紡糸し、該
繊維を70℃〜熱水中で1.2〜5倍の範囲で一次延伸
し、ついで乾燥及び緩和熱処理を施して10〜50%の
収縮を与え、さらに温度160〜200℃で1.2〜
2.5倍、且つ一次延伸倍率との積が3〜8の範囲で二
次延伸した後、該延伸温度以上の温度で定長熱処理する
ことを特徴とする前記特性を有する抗ピリング性アクリ
ル系繊維の製造方法を第2の発明とするものである。本
発明によって得られるアクリル系繊維は、充分な引っ張
り強力と伸度を有し、紡績等の後工程においてもフライ
の発生などはなく、染色性を含め後加工性に極めて優れ
ている。本発明によって得られる繊維は、その結節強力
(以下DKSと称す)と結節伸度(以下DKEと称す)
の積(DKS×DKE)が極めて低い値を示す。通常の
乾式紡糸法によって作成した繊維のDKS×DKE値は
40〜80の値となるが、本発明によって製造した繊維
のDKS×DKE値は30以下である。また、通常のア
クリロニトリル系重合体からなる繊維は、沸水収縮率が
高い場合、または、たとえ沸水収縮率が低くても高い引
っ張り強力を付与した場合、原綿段階では抗ピリング性
が良好であっても、後加工で染色処理した後では抗ピリ
ング性の低下が認められ、高い引っ張り強力と高度な抗
ピリング性を兼備することは不可能であった。本発明に
よって得られる繊維は芯鞘構造を有し、鞘部が特定の共
重合組成のアクリロニトリル系重合体よりなり、且つ特
定のDKS×DKE値及び沸水収縮率を満足することに
より芯部のアクリロニトリル系重合体の共重合組成に関
係なく、高度な抗ピリング性が高い引っ張り強力と共に
得られることが特徴の一つである。本発明によって得ら
れる繊維のもう一つの特徴としては、芯部に染色性の良
好なアクリロニトリル系重合体を用いることにより、容
易に濃色に染色でき、またリング染色が発生しにくい等
優れた染色性をも兼備していることが挙げられる。以下
本発明を作用と共に更に詳しく説明する。本発明におい
て、鞘部として用いる重合体(I)は、95重量%以上
のアクリロニトリルと0.3〜5重量%の強酸基含有単
量体、及び0〜4重量%、好ましくは0〜2重量%のア
クリロニトリルと共重合性を有するモノエチレン性ビニ
ル系単量体からなることが必要である。強酸基含有単量
体が0.3重量%未満の場合は染色性が不足し、5重量
%を超えた場合は、過度の染色性によるリ染色斑等が発
生し、双方とも衣料用として不適当である。アクリロニ
トリルと共重合性を有するモノエチレン性ビニル系単量
体が4重量%を超えた場合は、染色処理前後の抗ピリン
グ性の低下が著しく、目的とする高度の抗ピリング性を
有する繊維は得られない。芯部として用いる重合体(I
I)は、85重量%以上のアクリロニトリル、及び4〜
15重量%、好ましくは4〜8重量%のアクリロニトリ
ルと共重合性を有するモノエチレン性ビニル系単量体を
含有することが必要である。アクリロニトリルと共重合
性を有するモノエチレン性ビニル系単量体が4重量未満
の場合は、染色処理時のポリマ−の構造的な緩和が十分
でなく、染料の拡散が妨げられ良好な染色性は得られな
い。更に染色性改良を目的として強酸基含有単量体を共
重合させてもよい。重合体(I)及び(II)に使用可能
な強酸基含有単量体としては、具体的には(メタ)アク
リル酸、(メタ)アリルスルホン酸やビニルベンゼンス
ルホン酸とそれらの塩類が挙げられる。また、アクリロ
ニトリルと共重合性を有するモノエチレン性ビニル系単
量体としては、具体的にはアクリル酸メチル、メタアク
リル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、酢酸
ビニル、スチレン、アクリルアミド類が挙げられる。重
合体(I)及び(II)は、通常の懸濁重合、溶液重合、
乳化重合などのいかなる方法によっても製造できる。該
重合体の重合度は、その比粘度で表して0.1〜0.2
の範囲が好ましい。重合体紡糸原液は、重合体(I)及
び(II)を通常のアクリロニトリル系重合体の溶剤、例
えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジ
メチルスルホキシド等に重合体濃度20〜40重量%に
なるよう溶解してつくられるが、ポリマ−の溶解性及び
溶剤回収面から特にジメチルホルムアミドが好ましい。
上記のごとくして調整された二種の紡糸原液は100〜
150℃に過熱された後、通常の円形孔形状を有する芯
鞘型複合ノズルを介して160〜280℃の不活性ガス
中に吐出し溶剤を適度に蒸発させ未延伸を得る。鞘部の
重合体の比率は10〜60重量%、好ましくは20〜5
0重量%である。鞘部の比率が10重量%未満の場合、
鞘部の重合体による抗ピリング性の効果が小さく、抗ピ
リング性が低下する。鞘部の比率が60重量%を越える
と芯部の重合体による染色性改良の効果が小さい。未延
伸糸は70℃〜熱水中で1.2〜5倍の範囲で一次延伸
する。延伸温度が70℃未満の場合は、十分な延伸性及
び洗浄性が得られない。延伸倍率が1.2倍未満の場
合、たとえ二次延伸倍率を高めても最終的に得られる繊
維に十分な強力が付与されず、一方、5倍を超えると延
伸中に糸切れが生じ易く、また二次延伸時の延伸がかか
りにくく、その結果DKS、DKEが高くなり、抗ピリ
ング性が不良となる。未延伸糸は、上記延伸処理と同時
またはその前後を通じて熱水中で洗浄される。熱水の温
度は80〜100℃が好ましい。洗浄後の残存溶剤量は
普通2%以下となる。延伸洗浄処理された繊維束は、つ
いで乾燥および緩和処理を施す。乾燥は、通常、表面温
度約115〜150℃の熱ロ−ル上を糸条緊張下で通過
させるのが代表的な方法である。この場合は繊維の緻密
化も同時に達成される。一方、乾燥と同時に緩和熱処理
をすることも可能であり、熱水延伸後の糸条を無緊張下
に、湿潤状態のまま、相対湿度約10〜40%、温度1
10〜160℃の範囲の加熱空気中で処理することも好
ましい方法である。また、別の緩和熱処理の方法とし
て、上記一旦乾燥された糸条を温度約100〜140℃
の加圧スチ−ム中で熱処理する方法もまた簡便で有効で
ある。かかる緩和熱処理により繊維に10〜50%の収
縮を与える。この緩和収縮処理により衣料用繊維として
必要な染色性、形態安定性等の基本性能が付与される。
収縮率が10%より小さい場合十分な染色性が得られな
いし、50%を超える収縮率を与えると、本発明におけ
るその後のプロセスを通しても、最終的にDKS×DK
E値が抗ピリング性の低下を招来する値となる。乾燥お
よび緩和処理を施した繊維束は、温度160〜200℃
の範囲で1.2〜2.5倍に二次延伸する。これにより
繊維の強力が一層向上し、良好な紡績等の後工程通過性
が確保されると同時にDKS×DKE値が低下し、抗ピ
リング性も向上する。二次延伸は、加熱された熱ロール
間、熱板上あるいは加熱スチ−ム中で行なう。延伸温度
が160℃より低い場合、二次延伸性が低く、毛羽発生
の原因になったり、200℃を超えると、再び延伸性が
低下し、繊維の着色傾向が大きくなり、単繊維間の融着
が生じ、製品価値を低下する。二次延伸倍率は、1.2
以上を採用することにより目的とする効果が得られる
が、その倍率が2.5を超えると、一般に糸切れが頻発
し、安定な操業が成しえない。また、一次延伸倍率と二
次延伸倍率の積が3未満の場合、最終的に得られる繊維
の引張り強力が不足し、安定な後工程通過性は確保でき
ず、8を越えると糸切れが発生する。安定な後工程通過
性を確保するため、繊維に求められる引張り強力は1.
8g/d以上好ましくは2.0g/d以上である。二次
延伸された糸条は、直ちにその延伸温度以上で数秒〜数
分間定長処理される。この定長熱処理を行なわない場合
や、該延伸温度より低い温度での処理では、得られる原
糸または紡績糸の沸水収縮率が大きくなり、染色後の繊
維のDKS×DKE値が再び増大し、目的とする抗ピリ
ング性が消失する。DKS×DKE値が30を超える
と、十分な抗ピリング性は得られず、またDKS×DK
E値が30以下の場合でも、沸水収縮率が5%を超える
と上記理由により目的とする抗ピル性は得られない。か
くして得られた繊維は、そのままあるいは適当に機械捲
縮を付与され、トウの状態で、または切断されてステ−
プルとして次の紡績等の工程へ導かれる。本発明の繊維
は、単独にあるいは他の合成繊維または天然繊維と混合
して広範な用途に使用し得る。以上、本発明の基本条件
を説明したが、それ以外に種々の公知の付加的条件を採
用することもあり得る。例えば紡糸原液に、酸化チタン
や水酸化アルミニウムの如き無機化合物や、水またはエ
チレングリコ−ル等のアクリロニトリル系重合体の非溶
剤を添加したり、複合紡糸やブレンド紡糸の手法を応用
することも差し支えない。
ろは、95重量%以上のアクリロニトリルと0.3〜5
重量%の強酸基含有単量体及び0〜4重量%のアクリロ
ニトリルと共重合性を有するモノエチレン性ビニル系単
量体よりなるアクリロニトリル系重合体(I)を鞘部、
85重量%以上のアクリロニトリル及び4〜15重量%
のアクリロニトリルと共重合性を有するモノエチレン性
ビニル系単量体よりなるアクリロニトリル系重合体(I
I)を芯部とし、鞘部の重合体(I)の比率が10〜60
重量%であり、且つ強力1.8〜4グラム/デニ−ル、
結節強力(グラム/デニ−ル)と結節伸度(%)の積が
30以下、沸水収縮率が5%以下なる条件を満足する乾
式紡糸法により得られることを特徴とする抗ピリング性
アクリル系繊維を第1の発明とし、上記アクリロニトリ
ル系重合体(I)を鞘部、上記アクリロニトリル系重合
体(II)を芯部とし、芯鞘型複合ノズルを用い、重合体
(I)の比率が10〜60%になるよう乾式紡糸し、該
繊維を70℃〜熱水中で1.2〜5倍の範囲で一次延伸
し、ついで乾燥及び緩和熱処理を施して10〜50%の
収縮を与え、さらに温度160〜200℃で1.2〜
2.5倍、且つ一次延伸倍率との積が3〜8の範囲で二
次延伸した後、該延伸温度以上の温度で定長熱処理する
ことを特徴とする前記特性を有する抗ピリング性アクリ
ル系繊維の製造方法を第2の発明とするものである。本
発明によって得られるアクリル系繊維は、充分な引っ張
り強力と伸度を有し、紡績等の後工程においてもフライ
の発生などはなく、染色性を含め後加工性に極めて優れ
ている。本発明によって得られる繊維は、その結節強力
(以下DKSと称す)と結節伸度(以下DKEと称す)
の積(DKS×DKE)が極めて低い値を示す。通常の
乾式紡糸法によって作成した繊維のDKS×DKE値は
40〜80の値となるが、本発明によって製造した繊維
のDKS×DKE値は30以下である。また、通常のア
クリロニトリル系重合体からなる繊維は、沸水収縮率が
高い場合、または、たとえ沸水収縮率が低くても高い引
っ張り強力を付与した場合、原綿段階では抗ピリング性
が良好であっても、後加工で染色処理した後では抗ピリ
ング性の低下が認められ、高い引っ張り強力と高度な抗
ピリング性を兼備することは不可能であった。本発明に
よって得られる繊維は芯鞘構造を有し、鞘部が特定の共
重合組成のアクリロニトリル系重合体よりなり、且つ特
定のDKS×DKE値及び沸水収縮率を満足することに
より芯部のアクリロニトリル系重合体の共重合組成に関
係なく、高度な抗ピリング性が高い引っ張り強力と共に
得られることが特徴の一つである。本発明によって得ら
れる繊維のもう一つの特徴としては、芯部に染色性の良
好なアクリロニトリル系重合体を用いることにより、容
易に濃色に染色でき、またリング染色が発生しにくい等
優れた染色性をも兼備していることが挙げられる。以下
本発明を作用と共に更に詳しく説明する。本発明におい
て、鞘部として用いる重合体(I)は、95重量%以上
のアクリロニトリルと0.3〜5重量%の強酸基含有単
量体、及び0〜4重量%、好ましくは0〜2重量%のア
クリロニトリルと共重合性を有するモノエチレン性ビニ
ル系単量体からなることが必要である。強酸基含有単量
体が0.3重量%未満の場合は染色性が不足し、5重量
%を超えた場合は、過度の染色性によるリ染色斑等が発
生し、双方とも衣料用として不適当である。アクリロニ
トリルと共重合性を有するモノエチレン性ビニル系単量
体が4重量%を超えた場合は、染色処理前後の抗ピリン
グ性の低下が著しく、目的とする高度の抗ピリング性を
有する繊維は得られない。芯部として用いる重合体(I
I)は、85重量%以上のアクリロニトリル、及び4〜
15重量%、好ましくは4〜8重量%のアクリロニトリ
ルと共重合性を有するモノエチレン性ビニル系単量体を
含有することが必要である。アクリロニトリルと共重合
性を有するモノエチレン性ビニル系単量体が4重量未満
の場合は、染色処理時のポリマ−の構造的な緩和が十分
でなく、染料の拡散が妨げられ良好な染色性は得られな
い。更に染色性改良を目的として強酸基含有単量体を共
重合させてもよい。重合体(I)及び(II)に使用可能
な強酸基含有単量体としては、具体的には(メタ)アク
リル酸、(メタ)アリルスルホン酸やビニルベンゼンス
ルホン酸とそれらの塩類が挙げられる。また、アクリロ
ニトリルと共重合性を有するモノエチレン性ビニル系単
量体としては、具体的にはアクリル酸メチル、メタアク
リル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、酢酸
ビニル、スチレン、アクリルアミド類が挙げられる。重
合体(I)及び(II)は、通常の懸濁重合、溶液重合、
乳化重合などのいかなる方法によっても製造できる。該
重合体の重合度は、その比粘度で表して0.1〜0.2
の範囲が好ましい。重合体紡糸原液は、重合体(I)及
び(II)を通常のアクリロニトリル系重合体の溶剤、例
えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジ
メチルスルホキシド等に重合体濃度20〜40重量%に
なるよう溶解してつくられるが、ポリマ−の溶解性及び
溶剤回収面から特にジメチルホルムアミドが好ましい。
上記のごとくして調整された二種の紡糸原液は100〜
150℃に過熱された後、通常の円形孔形状を有する芯
鞘型複合ノズルを介して160〜280℃の不活性ガス
中に吐出し溶剤を適度に蒸発させ未延伸を得る。鞘部の
重合体の比率は10〜60重量%、好ましくは20〜5
0重量%である。鞘部の比率が10重量%未満の場合、
鞘部の重合体による抗ピリング性の効果が小さく、抗ピ
リング性が低下する。鞘部の比率が60重量%を越える
と芯部の重合体による染色性改良の効果が小さい。未延
伸糸は70℃〜熱水中で1.2〜5倍の範囲で一次延伸
する。延伸温度が70℃未満の場合は、十分な延伸性及
び洗浄性が得られない。延伸倍率が1.2倍未満の場
合、たとえ二次延伸倍率を高めても最終的に得られる繊
維に十分な強力が付与されず、一方、5倍を超えると延
伸中に糸切れが生じ易く、また二次延伸時の延伸がかか
りにくく、その結果DKS、DKEが高くなり、抗ピリ
ング性が不良となる。未延伸糸は、上記延伸処理と同時
またはその前後を通じて熱水中で洗浄される。熱水の温
度は80〜100℃が好ましい。洗浄後の残存溶剤量は
普通2%以下となる。延伸洗浄処理された繊維束は、つ
いで乾燥および緩和処理を施す。乾燥は、通常、表面温
度約115〜150℃の熱ロ−ル上を糸条緊張下で通過
させるのが代表的な方法である。この場合は繊維の緻密
化も同時に達成される。一方、乾燥と同時に緩和熱処理
をすることも可能であり、熱水延伸後の糸条を無緊張下
に、湿潤状態のまま、相対湿度約10〜40%、温度1
10〜160℃の範囲の加熱空気中で処理することも好
ましい方法である。また、別の緩和熱処理の方法とし
て、上記一旦乾燥された糸条を温度約100〜140℃
の加圧スチ−ム中で熱処理する方法もまた簡便で有効で
ある。かかる緩和熱処理により繊維に10〜50%の収
縮を与える。この緩和収縮処理により衣料用繊維として
必要な染色性、形態安定性等の基本性能が付与される。
収縮率が10%より小さい場合十分な染色性が得られな
いし、50%を超える収縮率を与えると、本発明におけ
るその後のプロセスを通しても、最終的にDKS×DK
E値が抗ピリング性の低下を招来する値となる。乾燥お
よび緩和処理を施した繊維束は、温度160〜200℃
の範囲で1.2〜2.5倍に二次延伸する。これにより
繊維の強力が一層向上し、良好な紡績等の後工程通過性
が確保されると同時にDKS×DKE値が低下し、抗ピ
リング性も向上する。二次延伸は、加熱された熱ロール
間、熱板上あるいは加熱スチ−ム中で行なう。延伸温度
が160℃より低い場合、二次延伸性が低く、毛羽発生
の原因になったり、200℃を超えると、再び延伸性が
低下し、繊維の着色傾向が大きくなり、単繊維間の融着
が生じ、製品価値を低下する。二次延伸倍率は、1.2
以上を採用することにより目的とする効果が得られる
が、その倍率が2.5を超えると、一般に糸切れが頻発
し、安定な操業が成しえない。また、一次延伸倍率と二
次延伸倍率の積が3未満の場合、最終的に得られる繊維
の引張り強力が不足し、安定な後工程通過性は確保でき
ず、8を越えると糸切れが発生する。安定な後工程通過
性を確保するため、繊維に求められる引張り強力は1.
8g/d以上好ましくは2.0g/d以上である。二次
延伸された糸条は、直ちにその延伸温度以上で数秒〜数
分間定長処理される。この定長熱処理を行なわない場合
や、該延伸温度より低い温度での処理では、得られる原
糸または紡績糸の沸水収縮率が大きくなり、染色後の繊
維のDKS×DKE値が再び増大し、目的とする抗ピリ
ング性が消失する。DKS×DKE値が30を超える
と、十分な抗ピリング性は得られず、またDKS×DK
E値が30以下の場合でも、沸水収縮率が5%を超える
と上記理由により目的とする抗ピル性は得られない。か
くして得られた繊維は、そのままあるいは適当に機械捲
縮を付与され、トウの状態で、または切断されてステ−
プルとして次の紡績等の工程へ導かれる。本発明の繊維
は、単独にあるいは他の合成繊維または天然繊維と混合
して広範な用途に使用し得る。以上、本発明の基本条件
を説明したが、それ以外に種々の公知の付加的条件を採
用することもあり得る。例えば紡糸原液に、酸化チタン
や水酸化アルミニウムの如き無機化合物や、水またはエ
チレングリコ−ル等のアクリロニトリル系重合体の非溶
剤を添加したり、複合紡糸やブレンド紡糸の手法を応用
することも差し支えない。
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。実施例中、「%」は重量%を示す。「抗ピル性」の
測定方法は以下の方法によった。JIS I−1076
にて規定されたICI型試験法A法(60rpm,5時
間)により実施し、編み地の外観変化により1〜5級に
区別した。(以下「ICI抗ピルテスト」と称す。)抗
ピル性良好な原綿とは、ICI抗ピルテストで3級以上
のものを意味する。またテストに用いた編み地試料は、
原綿をスフ紡績して48番単糸とし、染料カチロンブル
−CD.RLH(保土ケ谷化学製)の2%owfを用い
て、100℃にて60分間ボイル染色した染糸で編成し
た180g/m2 の編み地を用いた。「Y値」の測定方
法は以下の方法によった。染色は、ウインス染色機を用
い、浴比1:200、染料カチロンブル−3RLH(保
土ケ谷化学製)の2%owfを用いて、95℃にて60
分間ボイル染色した。Y値は、測色色差計(日本電色
(株)製)を用い、JIS Z−8722に準拠して測
定した。「リング染色の有無」の判定方法は以下の方法
によった。染色は、ウインス染色機を用い、浴比1:2
00、染料カチロンブリリアントレッド3BPH(保土
ケ谷化学製)の2%owfを用いて、80℃にて60分
間ボイル染色した。染色後の原綿をカットし、光学顕微
鏡にて繊維断面方向のリング染色の発生の有無につき肉
眼判定した。 [実施例1]アクリロニトリル98.8%、メタリルス
ルホン酸ソ−ダ1.2%からなる比粘度0.194のア
クリロニトリル系重合体をジメチルホルムアミドに溶解
し、固形分濃度25%の原液(A)を調整した。また、
アクリロニトリル91.4%、アクリル酸メチル7.0
%、メタリルスルホン酸ソ−ダ1.6%からなる比粘度
0.165のアクリロニトリル系重合体をジメチルホル
ムアミドに溶解し、固形分濃度30%の原液(B)を調
整した。上記原液(A)および原液(B)を130℃に
加熱した後、孔数600、オリフィス孔径0.20mm
φの芯鞘型複合ノズルを通して、原液(A)及び原液
(B)を、芯部あるいは鞘部より、それぞれの比率を変
更しながら200℃の不活性ガス中に吐出し、芯鞘構造
の未延伸糸を得た。この未延伸糸を収束し、48万デニ
−ルの繊維束とし、熱水中で1.8倍に延伸し、更に熱
水中で洗浄、油剤付与を施した後、得られた繊維束を、
無緊張下に相対湿度40%、温度150℃で乾燥、緩和
処理を行なった。更に、200℃の熱ロ−ラ−により、
1.8倍に二次延伸した後、定長熱セットしたトウに適
当な機械捲縮を付与し、51mmにカットした。得られ
た各繊維の抗ピル性、Y値及びリング染色の有無の結果
を表1に示した。尚、単繊維繊度はいずれも約3デニ−
ルであった。表1に示す通り、本発明による繊維(No
3、No4)は、抗ピル性4級であると共に、リング染
色の発生がなく、優れた染色性を示した。
る。実施例中、「%」は重量%を示す。「抗ピル性」の
測定方法は以下の方法によった。JIS I−1076
にて規定されたICI型試験法A法(60rpm,5時
間)により実施し、編み地の外観変化により1〜5級に
区別した。(以下「ICI抗ピルテスト」と称す。)抗
ピル性良好な原綿とは、ICI抗ピルテストで3級以上
のものを意味する。またテストに用いた編み地試料は、
原綿をスフ紡績して48番単糸とし、染料カチロンブル
−CD.RLH(保土ケ谷化学製)の2%owfを用い
て、100℃にて60分間ボイル染色した染糸で編成し
た180g/m2 の編み地を用いた。「Y値」の測定方
法は以下の方法によった。染色は、ウインス染色機を用
い、浴比1:200、染料カチロンブル−3RLH(保
土ケ谷化学製)の2%owfを用いて、95℃にて60
分間ボイル染色した。Y値は、測色色差計(日本電色
(株)製)を用い、JIS Z−8722に準拠して測
定した。「リング染色の有無」の判定方法は以下の方法
によった。染色は、ウインス染色機を用い、浴比1:2
00、染料カチロンブリリアントレッド3BPH(保土
ケ谷化学製)の2%owfを用いて、80℃にて60分
間ボイル染色した。染色後の原綿をカットし、光学顕微
鏡にて繊維断面方向のリング染色の発生の有無につき肉
眼判定した。 [実施例1]アクリロニトリル98.8%、メタリルス
ルホン酸ソ−ダ1.2%からなる比粘度0.194のア
クリロニトリル系重合体をジメチルホルムアミドに溶解
し、固形分濃度25%の原液(A)を調整した。また、
アクリロニトリル91.4%、アクリル酸メチル7.0
%、メタリルスルホン酸ソ−ダ1.6%からなる比粘度
0.165のアクリロニトリル系重合体をジメチルホル
ムアミドに溶解し、固形分濃度30%の原液(B)を調
整した。上記原液(A)および原液(B)を130℃に
加熱した後、孔数600、オリフィス孔径0.20mm
φの芯鞘型複合ノズルを通して、原液(A)及び原液
(B)を、芯部あるいは鞘部より、それぞれの比率を変
更しながら200℃の不活性ガス中に吐出し、芯鞘構造
の未延伸糸を得た。この未延伸糸を収束し、48万デニ
−ルの繊維束とし、熱水中で1.8倍に延伸し、更に熱
水中で洗浄、油剤付与を施した後、得られた繊維束を、
無緊張下に相対湿度40%、温度150℃で乾燥、緩和
処理を行なった。更に、200℃の熱ロ−ラ−により、
1.8倍に二次延伸した後、定長熱セットしたトウに適
当な機械捲縮を付与し、51mmにカットした。得られ
た各繊維の抗ピル性、Y値及びリング染色の有無の結果
を表1に示した。尚、単繊維繊度はいずれも約3デニ−
ルであった。表1に示す通り、本発明による繊維(No
3、No4)は、抗ピル性4級であると共に、リング染
色の発生がなく、優れた染色性を示した。
【表1】
【発明の効果】本発明は、従来のアクリル繊維では得ら
れなかった乾式アクリル独特の優れた風合いに加え、染
色性及び抗ピリング性をも兼備するアクリル系繊維を提
供するもので、セ−タ−等衣料分野への幅広い展開が期
待でき、その産業上の意義は大きい。
れなかった乾式アクリル独特の優れた風合いに加え、染
色性及び抗ピリング性をも兼備するアクリル系繊維を提
供するもので、セ−タ−等衣料分野への幅広い展開が期
待でき、その産業上の意義は大きい。
Claims (2)
- 【請求項1】 95重量%以上のアクリロニトリルと
0.3〜5重量%の強酸基含有単量体及び0〜4重量%
のアクリロニトリルと共重合性を有するモノエチレン性
ビニル系単量体よりなるアクリロニトリル系重合体
(I)を鞘部、85重量%以上のアクリロニトリル及び
4〜15重量%のアクリロニトリルと共重合性を有する
モノエチレン性ビニル系単量体よりなるアクリロニトリ
ル系重合体(II)を芯部とし、鞘部の重合体(I)の比
率が10〜60重量%であり、且つ強力1.8〜4グラ
ム/デニ−ル、結節強力(グラム/デニ−ル)と結節伸
度(%)の積が30以下、沸水収縮率が5%以下なる条
件を満足する乾式紡糸法により得られることを特徴とす
る抗ピリング性アクリル系繊維。 - 【請求項2】95重量%以上のアクリロニトリルと0.
3〜5重量%の強酸基含有単量体及び0〜4重量%のア
クリロニトリルと共重合性を有するモノエチレン性ビニ
ル系単量体よりなるアクリロニトリル系重合体(I)を
鞘部、85重量%以上のアクリロニトリル及び4〜15
重量%のアクリロニトリルと共重合性を有するモノエチ
レン性ビニル系単量体よりなるアクリロニトリル系重合
体(II)を芯部とし、芯鞘型複合ノズルを用い、重合体
(I)の比率が10〜60%になるよう乾式紡糸し、該
繊維を70℃〜熱水中で1.2〜5倍の範囲で一次延伸
し、ついで乾燥及び緩和熱処理を施して10〜50%の
収縮を与え、さらに温度160〜200℃で1.2〜
2.5倍、且つ一次延伸倍率との積が3〜8の範囲で二
次延伸した後、該延伸温度以上の温度で定長熱処理する
ことを特徴とする請求項1記載の抗ピリング性アクリル
系繊維の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13759293A JPH073530A (ja) | 1993-06-08 | 1993-06-08 | 抗ピリング性アクリル系繊維及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13759293A JPH073530A (ja) | 1993-06-08 | 1993-06-08 | 抗ピリング性アクリル系繊維及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH073530A true JPH073530A (ja) | 1995-01-06 |
Family
ID=15202310
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13759293A Pending JPH073530A (ja) | 1993-06-08 | 1993-06-08 | 抗ピリング性アクリル系繊維及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH073530A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008150752A (ja) * | 2006-12-20 | 2008-07-03 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 抗ピル性能を有するアクリル系繊維 |
CN100429337C (zh) * | 2006-04-21 | 2008-10-29 | 中国石油天然气股份有限公司 | 抗起球腈纶生产方法 |
-
1993
- 1993-06-08 JP JP13759293A patent/JPH073530A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100429337C (zh) * | 2006-04-21 | 2008-10-29 | 中国石油天然气股份有限公司 | 抗起球腈纶生产方法 |
JP2008150752A (ja) * | 2006-12-20 | 2008-07-03 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 抗ピル性能を有するアクリル系繊維 |
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