JP2018145538A - 扁平アクリル繊維およびその製造方法 - Google Patents

扁平アクリル繊維およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、柔軟な風合いを有し、発色性に優れた扁平アクリル繊維およびその製造方法を提供する。【解決手段】 本発明の扁平アクリル繊維は、平均単繊維繊度が2.2〜4.4dtexであり、繊維横断面が扁平形状であって、その長辺の長さをAとし、短辺の長さをBとしたときの扁平率A/Bが4.0〜10.0であり、かつ、繊維中の欠陥率が15%以下である扁平アクリル繊維および紡糸原液を長辺の長さが0.100〜0.300mm、短辺の長さが0.015〜0.040mmで、孔の深さ/孔の開口面積が5〜23mm−1である長方形孔から紡糸して得られる請求項1記載の扁平アクリル繊維の製造方法である。【選択図】 なし

Description

本発明は、柔軟な風合いを有し、発色性に優れた扁平アクリル繊維に関するものである。
アクリル繊維は、他の合成繊維に比べて最も羊毛に類似した柔軟な風合い、保温性、嵩高性ならびに優れた染色性を有し、衣料用またはインテリア分野に多く利用されている。特に、断面が扁平形状のアクリル繊維は、獣毛調風合いが得られるため、ボアやハイパイル等の立毛製品に好適に用いられている。しかしながら近年、より柔軟な風合いを有する立毛製品の要望が益々高まってきており、アクリル繊維の改良が求められていた。
従来、立毛製品に用いられるアクリル繊維の改良については、種々の提案がなされている。例えば、特許文献1には、扁平率5〜25、繊度0.5〜40デニール(0.56〜44.4dtex)であり、扁平断面の長辺に所定の大きさの突条を有するアクリル繊維が提案されている。また、特許文献2には、アクリル繊維の繊維断面形状が、木の葉型、笹の葉型または扇形であって、扁平率が2以上10以下であり、かつ、繊維断面における外周の一部分に単一の鋭角部を有するとともに、鋭角部以外の外周の少なくとも一部分に曲線部を有し、鋭角部における内側の角度が10°以上60°以下であることを特徴とするアクリル繊維が提案されている。
特開平8−260234号公報 特開2006−111985号公報
上記特許文献1、2に開示された方法によって、実用的に望ましい柔軟な風合いを有する扁平アクリル繊維を得ることはできるものの、細繊度・高扁平比を両立した扁平アクリル繊維を製造する工程においての紡糸安定性および生産性はなお不十分であり、紡糸・延伸工程において繊維中にボイドやクラックといった欠陥が生じやすいため、染色時に欠陥部分に染料が偏在し、染料使用量の割には発色性が低い(発色効率が低い)という課題があった。
そこで本発明は、柔軟な風合いを有し、発色性に優れた扁平アクリル繊維およびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、上記の課題を解決せんとするものであって、本発明の扁平アクリル繊維は、平均単繊維繊度が2.2〜4.4dtexであり、繊維横断面が扁平形状であって、その長辺の長さをAとし、短辺の長さをBとしたときの扁平率A/Bが4.0〜10.0であり、かつ、繊維中の欠陥率が15%以下である扁平アクリル繊維である。
また、本発明の扁平アクリル繊維の製造方法は、紡糸原液を長辺の長さが0.100〜0.300mm、短辺の長さが0.015〜0.040mmで、孔の深さ/孔の開口面積が5〜23mm−1である長方形孔から紡糸して得られる請求項1記載の扁平アクリル繊維の製造方法である。
本発明によれば、柔軟な風合いを有し、発色性に優れた扁平アクリル繊維が得られる。本発明で得られる扁平アクリル繊維は、高い発色効率を示すため濃染に有利であるだけなく、染料が少なくても発色性に優れることから、染色加工におけるコスト削減が可能となる。
また、本発明で得られる扁平アクリル繊維は、ボアやハイパイル等の立毛製品において、単独あるいは他繊維と混紡した際、柔軟な風合いを有し、発色性に優れた立毛製品を提供することを可能にする。
また、本発明の製造方法によれば、細繊度・高扁平比・高発色効率を兼ね備えた扁平アクリル繊維を安定して製造することを可能とする。
図1は、本発明の扁平アクリル繊維を紡糸するための紡糸口金孔を例示説明するための孔の正面図である。 図2は、紡糸口金孔の断面図である。
次に、本発明の扁平アクリル繊維およびその製造方法について詳細に説明する。
本発明の扁平アクリル繊維は、平均単繊維繊度が2.2〜4.4dtexであり、繊維横断面が扁平形状であって、その長辺の長さをAとし、短辺の長さをBとしたときの扁平率A/Bが4.0〜10.0であり、かつ、繊維中の欠陥率が15%以下である扁平アクリル繊維である。
本発明の扁平アクリル繊維としては、少なくとも80質量%のアクリロニトリルと、20質量%までのアクリロニトリルと共重合可能なエチレン性ビニルモノマーとの共重合体からなる扁平アクリル繊維が挙げられる。前記のようにアクリロニトリルを80質量%以上とすることにより、物性や耐熱性に優れた繊維となる。上限としてはアクリロニトリルを95質量%以下とすることにより、延伸性に優れ、生産性に優れるので好ましい。
また、アクリロニトリルと共重合可能なエチレン性ビニルモノマーとしては、アクリル酸またはメタクリル酸およびそれらのエステル類、アクリルアミドまたはメタクリルアミドおよびそれらのモノアルキル置換体、スチレン、ビニルアセテート、ビニルクロライド、ビニリデンクロライド、ビニルピリジン、そしてスチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、およびこれらのスルホン酸の塩類等が挙げられる。
上記の共重合体の重合方法としては、懸濁重合法、乳化重合法および溶液重合法等のうちいずれの方法も用いることができる。また、使用する有機溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミドおよびジメチルホルムアミド等が挙げられる。
上記の共重合体は、その溶剤、例えばアセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ロダン塩濃厚溶液、塩化亜鉛濃厚溶液、および硝酸などに溶解させて紡糸原液とする。このとき、必要に応じ、防錆、着色防止、および耐候性に効果のある安定剤添加することができる。
また、白度や光沢の調整および機能付与のために、酸化チタン等の添加材を添加することもできるが、生産性を損なわないように添加量を調整する必要がある。紡糸原液は、湿式紡糸、乾式紡糸または乾・湿式紡糸等の方法によって繊維とすることができる。
本発明の扁平アクリル繊維の平均単繊維繊度は、2.2〜4.4dtexであり、好ましくは2.7〜3.8dtexである。平均単繊維繊度は細い方が柔軟性を発揮するが、本発明の扁平アクリル繊維のような異型度の高い繊維においては、平均単繊維繊度が2.2dtex未満の場合には、糸切れや糸割れが頻発するため、安定して繊維を得ることが困難となる。また、平均単繊維繊度が4.4dtexを超える場合には、剛性が強くなり、十分な柔軟性を得ることが困難となる。
本発明の扁平アクリル繊維は、繊維横断面が好ましくは単純な扁平形状である。単純な扁平形状とは、長方形、長円形および楕円等のような単純な形状を指し、突条や鋭角部をもたないもの指す。扁平形状が突条を有すると、嵩高性と毛さばき性は向上するが、剛性が増し柔軟性が損なわれる。また、扁平形状が鋭角部を有する場合は、立毛製品とする際に、繊維間の空隙にその鋭角部が入り込み、繊維が規則正しく配列されてしまうため、嵩高性や柔軟性が損なわれる。
また、本発明の扁平アクリル繊維は、その長辺の長さをAとし、短辺の長さをBとしたときの扁平率A/Bが4.0〜10.0であり、扁平率A/Bは好ましくは5.0〜8.0である。ここで長辺の長さAとは、繊維断面における長辺の最大値であり、また短辺の長さBとは、繊維断面における短辺の最大値である。
扁平率A/Bが4.0未満の場合には、剛性が強くなり、十分な柔軟性を得ることが困難となる。また、扁平率A/Bが10.0を超える場合には、柔軟性は良くなるものの、繊維同士との接触面積が増大し毛さばき性が悪化する。
本発明の扁平アクリル繊維は、繊維中の欠陥率が15%以下であり、好ましくは10%以下である。ここで繊維中の欠陥率は、実施例記載の手法により測定された値を指す。
欠陥率が15%を超えると、染料が欠陥部分に吸尽されやすいため、染料の吸尽率は向上するものの、染料が欠陥部分に偏在し、発色効率の低い繊維となる。
本発明の扁平アクリル繊維の製造方法は、紡糸原液を長辺の長さが0.100〜0.300mm、好ましくは0.150〜0.250mm、短辺の長さが0.015〜0.040mm、好ましくは0.020〜0.040mm、孔の深さ/孔の開口面積が5〜23mm−1、好ましくは10〜23mm−1である長方形孔から紡糸することを特徴とする。
長辺の長さが0.100mm未満であると孔製作が困難である上、孔詰まりによる紡糸安定性の低下を招く。また、長辺の長さが0.300mmを超えると、孔の開口面積が大きく高紡糸ドラフトとなるため、口金面での糸切れが発生し、本発明の扁平アクリル繊維を得ることが困難になる。
短辺の長さも同様に、0.015mm未満であると孔製作が困難である上、孔詰まりによる紡糸安定性の低下を招く。また、短辺の長さが0.040mmを超えると、孔の開口面積が大きく高紡糸ドラフトとなるため、口金面での糸切れが発生し、本発明の扁平アクリル繊維を得ることが困難になる。
孔の深さ/孔の開口面積が5mm−1未満であると、口金面での糸切れが発生して安定的に繊維が得られない上に、得られた繊維中の欠陥率が高くなる。孔の深さ/孔の開口面積が23mm−1を超えると、孔詰まりによる紡糸安定性の低下や、吐出圧力上昇による設備破損が問題となる。
ここで、本発明の長方形孔について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の扁平アクリル繊維を紡糸するための紡糸口金孔を例示説明するための孔の正面図であり、図2は、紡糸口金孔の断面図である。
図1および図2において、本発明の長方形孔は、長辺の長さaが0.100〜0.300mm、好ましくは0.150〜0.250mm、短辺の長さbが0.015〜0.040mm、好ましくは0.020〜0.040mm、孔の深さc/孔の面積(a×b)が5〜23mm−1、好ましくは10〜23mm−1である長方形孔である。アクリロニトリル系重合体は導入孔dから押し込まれ、長方形孔から紡糸されることにより扁平アクリル繊維となる。
本発明で得られる扁平アクリル繊維は、ボアやハイパイル等の立毛製品において、単独あるいは他繊維と混紡した際、柔軟な風合いを有し、発色性に優れた立毛製品を提供することを可能にする。
立毛製品を製造するために使用する紡績糸の製造方法としては、例えば、扁平アクリル繊維の平均単繊維繊度やカット長により、梳毛、長紡、短紡、綿毛および2インチ(5.08cm)紡など通常の加工方法から適宜選択することができる。また、紡績糸の番手やカット長については、帽子、襟、手袋等の衣料用途、クッション、およびマット等のインテリア用途に応じて適宜選択することができる。
立毛製品の製造方法としては、例えば、編ボア、織ボアおよびハイパイルなど通常の加工方法から適宜選択することができる。また、本発明の立毛製品の立毛長さについては、帽子、襟、手袋等の衣料用途、クッション、およびマット等のインテリア用途に応じて適宜選択することができる。
また、立毛製品には、本発明の扁平アクリル繊維の他に、好みの風合いに調整する目的で、細繊度や太繊度の繊維を添加したり、丸断面やドックボーン断面等の異型断面繊維を添加したり、あるいは抗菌性や制電性等を付与する目的で各目的機能を有する他の繊維を添加することができ、添加する繊維の種類は限定されない。
次に、実施例により本発明の扁平アクリル繊維とその製造方法について具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
(1)平均単繊維繊度の測定方法:
JIS L1015:2010 化学繊維ステープル試験方法によって測定した。
(2)扁平率の測定方法:
扁平アクリル繊維3gの10ヶ所以上からそれぞれ2〜3本の繊維を採り、引きそろえて繊維束を作り、これを金属板の小孔に通し、両面を直角に切断して、顕微鏡を用いて断面写真(倍率180倍)を撮った。断面写真から30個の繊維断面における各断面の長辺の最大値Aと、短辺の最大値Bを測り、扁平比A/Bを算出し、これを平均した。
(3)繊維中の欠陥率の測定方法:
扁平アクリル繊維3gの10ヶ所以上からそれぞれ1本ずつ繊維を採り、スライドガラス上に重ならないように平行に並べ、ツェーデル油に含浸させ、顕微鏡を用いて繊維の表面写真(倍率180倍)を撮った。ツェーデル油は扁平アクリル繊維と屈折率が同等であるため、繊維の輪郭が消えるように観察され、繊維中のボイドやクラックといった欠陥部分が黒く観察される。得られた写真を画像解析ソフトで解像度96dpi、32bitの画像ファイルに変換し、繊維1本の中から投影面積が6000μm以上となるように画像を取り出し、大津の手法(判別分析法)に基づいた閾値設定を用いて2値化処理を行い、黒く観察される部分の面積率を算出した。上記方法によって繊維中の異なる6箇所で測定し、面積率の平均を欠陥率とした。なお、面積率を算出するための領域を設定する際、繊維の単繊維繊度、断面形状を考慮し、繊維1本の投影面積として前記面積以上となるように縦横比を調整した長方形の領域を選択する。繊維が存在する位置は観察される空隙の位置で見分けることが可能である。また、明らかに背景のコントラストやノイズとわかる部分が2値化処理により欠陥部分の面積として算出されないように領域を適宜調整する。なお、表面写真中に空隙が観察されない場合は、空隙がないものと判断されるので、空隙率は0%となる。
(4)発色効率の測定方法:
扁平アクリル繊維3gを下記の組成の染色液に対し、浴比1:100で98℃、1時間染色により染色サンプルを作製した。
・Maxilon Blue GRL 0.5%owf
・“カチオーゲン”(登録商標) AN スーパー 2.0%owf
・酢酸ナトリウム 0.5%owf
染色サンプルから1.5gをとり、大きさ5cm×5cm×2.5cmの箱に均等につめた状態で、明度計を用いて明度Lを測定した。得られた明度Lから、以下の関係式を用いて、発色効率Kを算出した。Kは高いほど好ましいが、表中Kが0.45以上で合格(○)、0.45未満で不合格(×)とした。
(5)扁平アクリル繊維の風合いの評価方法:
実施例および比較例で得られた各扁平アクリル繊維をバリアブルカットで平均繊維長102mmにカットし、カードに通して開綿を得た。開綿10gを用いて官能検査を行い、柔軟性および毛さばき性を評価した。
柔軟性については、非常に柔らかいと感じる場合を◎、柔らかいと感じる場合を○、硬いと感じる場合を×とし、毛さばき性については、非常に毛さばきが良好である場合を◎、毛さばきが良好である場合を○、抵抗を感じ不良である場合を×とした。
[実施例1]
ジメチルスルホキシドを溶媒として溶液重合を行い、アクリロニトリルから生成する単位89質量%、アクリル酸メチルから生成する単位10質量%、およびメタリルスルホン酸ソーダから生成する単位1質量%からなるアクリロニトリル共重合体を得た。このようにして得られた共重合体を含んだ重合溶液をそのまま紡糸溶液として用い、これを長辺の長さが0.186mm、短辺の長さが0.031mm、孔の深さ/孔の開口面積が9mm−1の長方形孔から押し出して湿式紡糸し、単繊維繊度が2.2dtexであり、繊維横断面が単純な長方形状であって、扁平率A/Bが5.5である扁平アクリル繊維を得た。
これにより得られた扁平アクリル繊維の繊維中の欠陥率は2.8%であり、発色効率Kは0.56であった。また、得られた開綿の柔軟性は◎、毛さばき性は○であった。結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1と同じ紡糸原液および長方形孔を用いて湿式紡糸し、単繊維繊度が3.3dtexであり、繊維横断面が単純な長方形状であって、扁平率A/Bが5.3である扁平アクリル繊維を得た。
これにより得られた扁平アクリル繊維の繊維中の欠陥率は2.6%であり、発色効率Kは0.58であった。また、得られた開綿の柔軟性および毛さばき性は、ともに◎であった。結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1と同じ紡糸原液および長方形孔を用いて湿式紡糸し、単繊維繊度が4.4dtexであり、繊維横断面が単純な長方形状であって、扁平率A/Bが5.2である扁平アクリル繊維を得た。
これにより得られた扁平アクリル繊維の繊維中の欠陥率は2.1%であり、発色効率Kは0.60であった。また、得られた開綿の柔軟性および毛さばき性は、ともに○であった。結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1と同じ紡糸原液を用い、これを長辺の長さが0.240mm、短辺の長さが0.030mm、孔の深さ/孔の開口面積が8mm−1の長方形孔から押し出して湿式紡糸し、単繊維繊度が3.0dtexであり、繊維横断面が単純な長方形状であって、扁平率A/Bが7.0である扁平アクリル繊維を得た。
これにより得られた扁平アクリル繊維の繊維中の欠陥率は8.3%であり、発色効率Kは0.46であった。また、得られた開綿の柔軟性および毛さばき性は、ともに◎であった。結果を表1に示す。
[実施例5]
ジメチルスルホキシドを溶媒として溶液重合を行い、アクリロニトリル87質量%、アクリル酸メチル12質量%、およびメタリルスルホン酸ソーダ1質量%からなるアクリロニトリル共重合体を得た。このようにして得られた共重合体を含んだ重合溶液をそのまま紡糸溶液として用い、これを長辺の長さが0.240mm、短辺の長さが0.030mm、孔の深さ/孔の開口面積が8mm−1の長方形孔から押し出して湿式紡糸し、単繊維繊度が3.3dtexであり、繊維横断面が単純な長方形状であって、扁平率A/Bが5.9である扁平アクリル繊維を得た。
これにより得られた扁平アクリル繊維の繊維中の欠陥率は2.6%であり、発色効率Kは0.54であった。また、得られた開綿の柔軟性および毛さばき性は、ともに◎であった。結果を表1に示す。
[実施例6]
実施例1と同じ紡糸原液を用い、これを長辺の長さが0.225mm、短辺の長さが0.025mm、孔の深さ/孔の開口面積が9mm−1の長方形孔から押し出して湿式紡糸し、単繊維繊度が2.2dtexであり、繊維横断面が単純な長方形状であって、扁平率A/Bが8.2である扁平アクリル繊維を得た。
これにより得られた扁平アクリル繊維の繊維中の欠陥率は8.9%であり、発色効率Kは0.50であった。また、得られた開綿の柔軟性は◎、毛さばき性は○であった。結果を表1に示す。
[実施例7]
実施例1と同じ紡糸原液を用い、これを長辺の長さが0.225mm、短辺の長さが0.025mm、孔の深さ/孔の開口面積が9mm−1の長方形孔から押し出して湿式紡糸し、単繊維繊度が3.3dtexであり、繊維横断面が単純な長方形状であって、扁平率A/Bが7.9である扁平アクリル繊維を得た。
これにより得られた扁平アクリル繊維の繊維中の欠陥率は7.7%であり、発色効率Kは0.52であった。また、得られた開綿の柔軟性および毛さばき性は、ともに◎であった。結果を表1に示す。
[実施例8]
実施例1と同じ紡糸原液を用い、これを長辺の長さが0.225mm、短辺の長さが0.025mm、孔の深さ/孔の開口面積が9mm−1の長方形孔から押し出して湿式紡糸し、単繊維繊度が4.4dtexであり、繊維横断面が単純な長方形状であって、扁平率A/Bが7.7である扁平アクリル繊維を得た。
これにより得られた扁平アクリル繊維の繊維中の欠陥率は6.8%であり、発色効率Kは0.55であった。また、得られた開綿の柔軟性および毛さばき性は、ともに○であった。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1と同じ紡糸原液および長方形孔を用いて湿式紡糸し、単繊維繊度が1.7dtexの扁平アクリル繊維を得ようとしたが、紡糸時の糸切れが頻発したため、繊維を得ることができなかった。結果を表2に示す。
[比較例2]
実施例1と同じ紡糸原液を用い、これを長辺の長さが0.243mm、短辺の長さが0.027mm、孔の深さ/孔の開口面積が9mm−1の長方形孔から押し出して湿式紡糸し、単繊維繊度が5.0dtexであり、繊維横断面が単純な長方形状であって、扁平率A/Bが7.4である扁平アクリル繊維を得た。
これにより得られた扁平アクリル繊維の繊維中の欠陥率は6.4%であり、発色効率Kは0.56であった。しかし、得られた開綿の柔軟性および毛さばき性は、ともに×であった。結果を表2に示す。
[比較例3]
実施例1と同じ紡糸原液を用い、これを長辺の長さが0.160mm、短辺の長さが0.040mm、孔の深さ/孔の開口面積が13mm−1の長方形孔から押し出して湿式紡糸し、単繊維繊度が4.4dtexであり、繊維横断面が単純な長方形状であって、扁平率A/Bが3.5である扁平アクリル繊維を得た。
これにより得られた扁平アクリル繊維の繊維中の欠陥率は2.0%であり、発色効率Kは0.63であった。得られた開綿の毛さばき性は○であったものの、柔軟性が×であった。結果を表2に示す。
[比較例4]
実施例1と同じ紡糸原液を用い、これを長辺の長さが0.264mm、短辺の長さが0.022mm、孔の深さ/孔の開口面積が12mm−1の長方形孔から押し出して湿式紡糸し、単繊維繊度が4.4dtexであり、繊維横断面が単純な長方形状であって、扁平率A/Bが11.2である扁平アクリル繊維を得た。
これにより得られた扁平アクリル繊維の繊維中の欠陥率は5.9%であり、発色効率Kは0.53であった。得られた開綿の柔軟性は○であったものの、毛さばき性が×であった。結果を表2に示す。
[比較例5]
実施例1と同じ紡糸原液を用い、これを長辺の長さが0.240mm、短辺の長さが0.030mm、孔の深さ/孔の開口面積が4mm−1の長方形孔から押し出して湿式紡糸し、単繊維繊度が3.0dtexであり、繊維横断面が単純な長方形状であって、扁平率A/Bが6.9である扁平アクリル繊維を得た。
これにより得られた扁平アクリル繊維の繊維中の欠陥率は17.1%であり、発色効率Kは0.40であった。結果を表2に示す。
[比較例6]
実施例5と同じ紡糸原液を用い、これを長辺の長さが0.240mm、短辺の長さが0.030mm、孔の深さ/孔の開口面積が4mm−1の長方形孔から押し出して湿式紡糸し、単繊維繊度が3.3dtexであり、繊維横断面が単純な長方形状であって、扁平率A/Bが5.8である扁平アクリル繊維を得た。
これにより得られた扁平アクリル繊維の繊維中の欠陥率は17.3%であり、発色効率Kは0.44であった。結果を表2に示す。
a:長辺の長さ
b:短辺の長さ
c:孔の深さ
d:導入孔

Claims (2)

  1. 平均単繊維繊度が2.2〜4.4dtexであり、繊維横断面が扁平形状であって、その長辺の長さをAとし、短辺の長さをBとしたときの扁平率A/Bが4.0〜10.0であり、かつ、繊維中の欠陥率が15%以下である扁平アクリル繊維。
  2. 紡糸原液を長辺の長さが0.100〜0.300mm、短辺の長さが0.015〜0.040mmで、孔の深さ/孔の開口面積が5〜23mm−1である長方形孔から紡糸して得られる請求項1記載の扁平アクリル繊維の製造方法。
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