JP2018053109A - 水分散体 - Google Patents

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Abstract

【課題】
環境適合性、乳化安定性に優れる水分散体、また、得られる皮膜の皮膜特性、すなわち外観、耐水性、耐溶剤性、硬度、耐傷つき性、耐熱性が良好である水分散体を提供することを課題とする。
【解決手段】
活性水素基含有カチオン性塩形成基含有化合物(A)、ポリオール成分(B)、およびポリイソシアネート成分(C)を反応させて得られる、NCO末端ウレタンプレポリマー(D)を、式(1)で記載されるシランカップリング剤(E)との反応物を含有する水分散体であって、NCO末端ウレタンプレポリマー(D)のNCO基1モルに対してシランカップリング剤が1/2モル以下である、水分散体(X)。
(RO)Si(R3−nNHCNH (1)
(式中、Rは炭素数1〜2の炭化水素基、は2または3、Rはメチル基である)
【選択図】 なし

Description

本発明は、水分散体に関する。
水系ポリウレタン樹脂は、従来から、接着剤、コーティング剤、塗料、改質剤、バインダー等として有用な材料であり、広範な用途で使用されている。このような水系ポリウレタン樹脂としては、ウレタン樹脂骨格中にアニオン性、カチオン性、非イオン性等の親水性基を含有させて自己乳化分散させる方法が、粒子径を微細にでき、しかも性能的に優れていることが知られているが、種々用途でのさらなる特性向上が求められている。その解決策として、オルガノシランやその部分加水分解縮合物との有機無機複合樹脂、アルコキシシラン基を含有するポリウレタン/尿素およびコロイダルシリカの水性分散液が開示されている(特許文献1、2)。
特開2007−176682号公報 特開平11−263908号公報
しかし、特許文献1の方法ではウレタン樹脂中に加水分解性シリル基が導入されていない為、オルガノシランやその部分加水分解縮合物との分散安定性が悪く、オルガノシランやその部分加水分解縮合物の配合割合を増加するとゲル化や粗粒子化による沈降をきたす。また、配合割合を少なくしても、その形成皮膜は白濁不透明となる事から改善が望まれていた。特許文献2の方法でも、モノアミノ基含有シラン化合物やシランアスパレテートを使用する事によりウレタン樹脂の末端に加水分解性シリル基を導入した樹脂の為、ウレタン樹脂部位の分子量は小さく、その屈曲性や成膜性は劣るものである。また、ウレタン樹脂部位の分子量を大きくすると加水分解性シリル基の導入量が少なくなり安定な分散体が得られないものであり、改善が望まれていた。本発明ではこれらの課題を解決すること、すなわち、環境適合性が高く、使用設備を防爆構造等にする必要がなく、乳化安定性にも優れる水分散体。また、得られる皮膜の皮膜特性、すなわち外観、耐水性、耐溶剤性、硬度、耐傷つき性、耐熱性が良好である水分散体を提供するものである。
本発明の発明者らは、上記課題を解決すべく検討を行った。特定構造のNCO末端ウレタンプレポリマーを、特定構造のシランカップリング剤(E)との特定量の反応物により、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は下記に掲げるに発明に関する。
(1) 活性水素基含有カチオン性塩形成基含有化合物(A)、ポリオール成分(B)、およびポリイソシアネート成分(C)を反応させて得られる、NCO末端ウレタンプレポリマー(D)と、式(1)で記載されるシランカップリング剤(E)との反応物を含有する水分散体であって、NCO末端ウレタンプレポリマー(D)のNCO基1モルに対してシランカップリング剤が1/2モル以下である、水分散体(X)。
(RO)Si(R3−nNHCNH (1)
(式中、Rは炭素数1〜2の炭化水素基、は2または3、Rはメチル基である)
(2) さらに、式(2)で示される化合物(F)および/または(F)の縮合物(F’)を縮合して得られる縮合物を含む、請求項1記載の水分散体(Y)。
Si(OR (2)
(式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基、は0〜2、は2〜4、Rはメチル基またはエチル基である)
(3) 前記NCO末端ウレタンプレポリマー(D)のアミン価が7〜60mmKOH/gである、請求項1または2記載の水分散体。
(4) (i)活性水素基含有カチオン性塩形成基含有化合物(A)、ポリオール成分(B)、およびポリイソシアネート成分(C)を反応させて得られる、NCO末端ウレタンプレポリマー(D)を得る工程、
(ii)NCO末端ウレタンプレポリマー(D)と式(1)で記載されるシランカップリング剤(E)とを、NCO末端ウレタンプレポリマー(D)のNCO基1モルに対してシランカップリング剤が1/2モル以下となるように反応させて樹脂(X´)を得る工程、
(iii)得られた樹脂(DまたはX´)を乳化する工程、
を含む水分散体の製造方法。
(RO)Si(R3−nNHCNH (1)
(式中、Rは炭素数1〜2の炭化水素基、は2または3、Rはメチル基である)
本発明の水分散体は水分散体であることから環境適合性が高く、使用設備を防爆構造等にする必要もない。乳化安定性にも優れる。また、得られる皮膜の皮膜特性、すなわち外観、耐水性、耐溶剤性、硬度、耐傷つき性、耐熱性が良好である。
<水分散体(X)>
まず、本発明の水分散体(X)について説明する。
本発明の水分散体(X)は、活性水素基含有カチオン性塩形成基含有化合物(A)、ポリオール成分(B)、およびポリイソシアネート成分(C)を反応させて得られる、NCO末端ウレタンプレポリマー(D)と、式(1)で記載されるシランカップリング剤(E)との反応物を含有する水分散体であって、NCO末端ウレタンプレポリマー(D)のNCO基1モルに対してシランカップリング剤が1/2モル以下である、水分散体(X)である。
(RO)Si(R3−nNHCNH (1)
(式中、Rは炭素数1〜2の炭化水素基、は2または3、Rはメチル基である)
<活性水素基含有カチオン性塩形成基含有化合物(A)>
本発明において、活性水素基含有カチオン性塩形成基含有化合物(A)としては、活性水素基およびカチオン性塩形成基含有化合物であれば、特に限定されない。活性水素基とは、イソシアネート基と反応性を有する水素原子を含む官能基をいい、例えば水酸基、アミノ基、チオール基などが挙げられる。カチオン性塩形成基としては、例えば、酸で中和可能な第3級基又は第4級基になり得る基を有する化合物などが挙げられる。例えば、N−アルキルジアルカノールアミン、N,N−ジアルキルモノアルカノールアミン、トリアルカノールアミン類、これらの炭素数2〜4のアルキレンオキシド付加物、アミノアルコール、アミン類などがあげられる。前記N−アルキルジアルカノールアミンとしては、特に限定されないが、例えば、N−メチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミンなどがあげられる。前記N,N−ジアルキルモノアルカノールアミンとしては、特に限定されないが、例えば、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミンなどがあげられる。前記トリアルカノールアミン類としては、特に限定されないが、例えば、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミンなどがあげられる。前記炭素数2〜4のアルキレンオキシドとしては、特に限定されないが、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシドなどがあげられる。前記アミノアルコールとしては、特に限定されないが、例えば、N−メチル−N−(3−アミノプロピル)−エタノールアミン、N,N−ジメチルヒドラジンなどがあげられる。これらのうち、N−アルキルジアルカノールアミンが好ましく、N−メチルジエタノールアミンがより好ましい。これらは一種または二種以上を使用することができる。
活性水素基含有カチオン性塩形成基含有化合物(A)に対応する塩形成剤としては特に限定されないが、例えば、有機酸及び無機酸、反応性ハロゲン原子を有する化合物などがあげられる。前記有機酸としては、特に限定されないが、例えば、塩酸、硝酸、蟻酸、酢酸、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、メチルクロライド、ベンジルクロライドなどがあげられる。これらのうち、作業性の観点から、N−メチルジエタノールアミンの蟻酸中和やジメチル硫酸による第4級化3級アミン化合物が好ましい。これらは一種または二種以上を使用することができる。
<ポリオール成分(B)>
本発明において、ポリオール成分としては、少なくとも2個以上のヒドロキシル基を有する化合物であれば特に限定されない(ただし(A)に該当する化合物を除く)。例えば、多価アルコール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリアクリルポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリシロキサンポリオール、フッ素ポリオール等の分子末端または分子内に2個以上のヒドロキシル基を有する化合物などがあげられる。多価アルコールとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、プロピレングリール、ヘキサンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールS、水素添加ビスフェノールA,ジブロムビスフェノールA,1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジヒドロキシエチルテレフタレート、ハイドロキノンジヒドロキシエチルエーテル、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどがあげられる。ポリエーテルポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、多価アルコールのアルキレンオキシド誘導体、ポリテトラメチレングリコール、ポリチオエーテルポリオールなどがあげられる。ポリエステルポリオールとしては特に限定されないが、例えば、多価アルコール、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、ポリエーテルポリオール、多価カルボン酸エステルからのエステル化物、ヒマシ油ポリオール、ポリカプロラクトンポリオールなどがあげられる。ポリオレフィンポリオールとしては特に限定されないが、例えば、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールやこれらの水素添加ポリオールなどがあげられる。これらのうち、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールが好ましい。これらは一種または二種以上を使用することができる。本発明において、前記ポリオール成分の数平均分子量としては、特に限定されないが、乳化性や乳化安定性の観点から50〜10000が好ましく、500〜5,000がより好ましい。
本発明において、ポリオール成分として、多価アルコールのエチレンオキサイド付加物を含有することが好ましい実施形態である。多価アルコールとしては、2価以上のアルコールであれば特に限定されないが、プレポリマー粘度の上昇を抑え、また乳化物粘度も低く抑える観点から、2価のアルコールが好ましい。多価アルコールのエチレンオキサイド付加物としては、エチレンオキサイドを含むものであれば、他のアルキレンオキサイド付加物を含んでもよい。他のアルキレンオキサイド付加物としては、例えばプロピレンオキシド、ブチレンオキシド等があげられる。付加形態としては、ランダム付加、ブロック付加いずれであっても良い。配合部数を少なくし耐水性の観点から、他のアルキレンオキサイド付加物は含まないことが好ましい。
本発明において、多価アルコールのエチレンオキサイド付加物は、NCO末端ウレタンプレポリマー(D)100重量部に対して、20重量部以下含有する事が好ましく、3〜10重量部含有する事がより好ましい。これらの範囲であれば、皮膜の透明性や強度、屈曲性向上、耐水性の観点から、好ましい。なお、当該重量部は、エチレンオキサイド付加物セグメントのみの重量部をいい、他のアルキレンオキサイドを含む場合、当該他のアルキレンオキサイドの重量部は含まない。
<ポリイソシアネート成分(C)>
本発明において、ポリイソシアネート成分(C)としては、特に限定されないが、例えば芳香族、脂肪族、脂環族、芳香脂肪等の有機ポリイソシアネートがあげられる。これらのうち、乳化水との反応を容易に制御でき、また多価アミン化合物との反応時に凝集物が発生しないことから、脂肪族、脂環族、芳香脂肪等の有機ポリイソシアネート、およびこれらの多量変性体(二量体、三量体等)や、あるいは上記した有機ポリイソシアネートと水との反応により生成するビウレット変性体等が好ましい。4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート〔ビス(イソシアネナトメチル)シクロヘキサン〕、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の有機ポリイソシアネート、これらの変性体がより好ましい。また4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートがより好ましい。これらは一種または二種以上を使用することができる。
<NCO末端ウレタンプレポリマー(D)>
本発明のNCO末端ウレタンプレポリマー(D)は、活性水素基含有カチオン性塩形成基含有化合物(A)、ポリオール成分(B)、およびポリイソシアネート成分(C)を反応させて得られる。特に限定されないが、NCO末端ウレタンプレポリマーを得るために用いるイソシアネート基と水酸基の割合(モル当量比)は、イソシアネート基:水酸基=1.1以上:1であれば特に限定されないが、NCO末端ウレタンプレポリマーを低粘度とし、また安定な乳化物を得ることができることから1.2〜3.0:1が好ましく、1.3〜2.0:1がより好ましい。
本発明のNCO末端ウレタンプレポリマー(D)固形分あたりのイソシアネート基含量は、0.1%以上であれば特に限定されないが、NCO末端ウレタンプレポリマーを低粘度とし、また安定な乳化物を得ることができることから0.5〜10.0%が好ましい。
本発明のNCO末端ウレタンプレポリマー(D)の平均分子量としては、乳化性や乳化安定性の観点から、5000以下が好ましく、4000以下がより好ましい。ここでいう平均分子量とは、仕込み原料の数平均分子量から算出される理論値をいう。
本発明のNCO末端ウレタンプレポリマー(D)のアミン価としては、特に限定されないが、7〜60mgKOH/gであることが好ましく、15〜35mgKOH/gであることが、より好ましい。これらの範囲であれば、水分散体の安定性が良好であり、しかもシリカ複合樹脂の透明性が高く、皮膜の成膜性、耐水性、屈曲性の観点から好ましい。
<シランカップリング剤(E)>
本発明において、シランカップリング剤(E)としては、式(1)で記載される化合物である。
(RO)Si(R3−nNHCNH (1)
式中、Rは炭素数1〜2の炭化水素基であり、加水分解性及び入手性の観点から1であることが好ましい。は2または3である。また、Rはメチル基である。具体的には、N-β(アミノエチル)γ―アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ―アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。 これらは一種または二種以上を使用することができる。
本発明において、NCO末端ウレタンプレポリマー(D)のNCO基1モルに対してシランカップリング剤(E)が1/2モル以下である。より好ましくは、1/4〜1/2モルである。これらの範囲であれば、樹脂の高分子量化が可能であり、樹脂の特性が得られる。また、シランカップリング剤(E)中の残存アミノ基由来の熱着色の抑制できる。
本発明においては、前記シランカップリング剤(E)に加え、アミノ基を一つ有するシランカップリング剤(E´)を併用してもよいが、NCO末端ウレタンプレポリマー(D)のNCO基1モルに対してシランカップリング剤(E´)は0.3モル以下が好ましい。より好ましくは、0.2モル以下が好ましく0モルがさらに好ましい。これらの範囲であれば、樹脂の高分子量化が可能であり、樹脂の特性が得られる。なお、アミノ基由来の熱着色の抑制の為、前記シランカップリング剤(E)、アミノ基を一つ有するシランカップリング剤(E´)のアミノ基の合計が、NCO末端ウレタンプレポリマー(D)のNCO基当量以下とする必要がある。アミノ基を一つ有するシランカップリング剤(E´)としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。 これらは一種または二種以上を使用することができる。
本発明において、NCO末端ウレタンプレポリマー(D)のNCO基量は、ポリイソシアネート成分(C)のNCO基数と活性水素基含有カチオン性塩形成基含有化合物(A)、ポリオール成分(B)の合計活性水素基数との差異から算出される。
NCO末端ウレタンプレポリマー(D)100質量部に対して、シランカップリング剤(E)は0.01〜0.12molであることが好ましく、0.02〜0.08molであることがより好ましい。これらの範囲であれば、安定性、樹脂の特性が得られる。
<水分散体(Y)>
本発明においては、水分散体(X)にさらに、式(2)で示される化合物(F)および/または(F)の縮合物(F’)を縮合して得られる縮合物を含む、水分散体(Y)も好ましい実施態様である。
Si(OR (2)
(式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基、は0〜2、は2〜4、Rはメチル基またはエチル基である)
<化合物(F)、(F)の縮合物(F’)>
本発明において、化合物(F)としては、式(2)で記載される化合物である。
Si(OR (2)
式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、シリカ複合樹脂の透明性や成膜性、屈曲性の観点から1〜2、またはフェニル基であることが好ましい。は2〜4である。Rはメチル基またはエチル基であり、縮合性の観点からメチル基がより好ましい。具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどが挙げられる。これらは一種または二種以上を使用することができる。
また、本発明において、(F)の縮合物(F’)としては、特に限定されないが、(F)の加水分解物の縮合物をいう。これらは一種または二種以上を使用することができる。
NCO末端ウレタンプレポリマー(D)100質量部に対して、化合物(F)および/または(F)の縮合物(F’)の合計量は0〜300質量部である事が好ましく、50〜200質量部である事がより好ましい。これらの範囲であれば、安定性、皮膜の成膜性が良好である。
本発明において、前記NCO末端ウレタンプレポリマー(D)のアミン価は7〜60mmKOH/gであることが好ましく、より好ましくは15〜35mmKOH/gである。これらの範囲であれば、水分散体の乳化粒子径が細かく、安定した有機無機複合樹脂の分散体が得られる。また、皮膜の性能、耐水性、耐アルカリ性、成膜性が良好となる。
NCO末端ウレタンプレポリマー(D)を乳化する工程前後のいずれかにおいて、鎖伸張剤を用いて高分子量化することも好ましい。鎖伸張剤としては特に限定されないが、多価アミン化合物を使用することができる。多価アミン化合物としては、特に限定されないが、例えば、ヒドラジド類、ポリアミン類などがあげられる。前記ヒドラジド類としては、特に限定されないが、例えば、ヒドラジン、アジピン酸ヒドラジドなどがあげられる。前記ポリアミン類としては、特に限定されないが、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキシレンジアミン、イソホロンジアミン、キシリレンジアミン、ピペラジン、ジフェニルメタンジアミン、エチルトリレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなどがあげられる。これらは一種または二種以上を使用することができる。なお、アミノ基由来の熱着色の抑制の為、前記シランカップリング剤(E)、アミノ基を一つ有するシランカップリング剤(E´)、多価アミン化合物のアミノ基の合計が、NCO末端ウレタンプレポリマー(D)のNCO基当量以下とする必要がある。
(i)活性水素基含有カチオン性塩形成基含有化合物(A)、ポリオール成分(B)、およびポリイソシアネート成分(C)を反応させて得られる、NCO末端ウレタンプレポリマー(D)を得る工程。(ii)NCO末端ウレタンプレポリマー(D)とシランカップリング剤(E)とを、NCO末端ウレタンプレポリマー(D)のNCO基1モルに対してシランカップリング剤が1/2モル以下となるように反応させて樹脂(X´)を得る工程。(iii)得られた樹脂(DまたはX´)を乳化する工程を含む。
前記工程(i)においては、特に限定されないが、例えば、無溶剤下または有機溶剤の存在下で50〜130℃で、30分〜3時間反応させる方法が挙げられる。触媒としてウレタンの合成において通常用いられる触媒を使用しても良い。当該触媒としては特に限定されないが、オクチル酸錫、ビスマスオクチル酸塩などが挙げられる。
前記工程(ii)においては、特に限定されないが、例えば、無溶剤下または有機溶剤の存在下で10〜40℃で、10〜45分間反応させる方法が挙げられる。有機溶剤の存在下であることが好ましい。
前記工程(iii)は、特に限定されないが、例えば、中和剤および水を加え、10〜40℃で、15〜60分間乳化させた後に有機溶剤を除去する方法が挙げられる。工程(i)の後、または工程(ii)の後いずれにおいても実施することができる。工程(i)の後、乳化した水分散体中でシランカップリング剤(E)を反応させても良い。さらに加えて、鎖伸長剤を使用して鎖伸長工程を行っても良い。
本発明の水分散体(Y)の製法としては、上記特に限定されないが、水分散体(X)の製法、工程(i)、工程(ii)、工程(iii)に加えて、(iv)化合物(F)および/または(F)の縮合物(F’)を縮合する工程を含有する。工程(iv)は、工程(i)または工程(ii)と同時に行うこともできるが、乳化安定性、皮膜の透明性、屈曲性等の観点から、工程(iii)後に縮合を行う事が好ましい。
本発明の水分散体の粘度としては特に限定されないが、作業性の観点から、実施例に記載の方法において、2000以下(20℃、Pa・s)であることが好ましく、1500以下(20℃、Pa・s)であることがより好ましい。
本発明の水分散体の粒子径としては特に限定されないが、乳化安定性の観点から、実施例に記載の方法において、沈殿がないことが好ましく、1μm以下であることがより好ましいく、0.5μm以下であることがさらに好ましい。
本発明の水分散体の乳化安定性としては特に限定されないが、実施例に記載の方法において、沈殿がないことが好ましく、○であることがより好ましい。
本発明の水分散体の皮膜外観としては特に限定されないが、実施例に記載の方法において、透明であることが好ましく、粗粒子が見られないことがより好ましい。
本発明の水分散体から得られる皮膜の耐水性、耐MEKとしては、特に限定されないが、実施例に記載の方法において、それぞれ、30%以下、膨潤等がなく測定可能であることが好ましく、10%以下、100%以下であることがより好ましい。
本発明の水分散体から得られる皮膜の鉛筆硬度としては、特に限定されないが、実施例に記載の方法において、B以上であることが好ましく、F以上であることがより好ましい。
本発明の水分散体から得られる皮膜の耐傷付性としては、特に限定されないが、実施例に記載の方法において、○であることが好ましい。
本発明の水分散体から得られる皮膜の耐熱性としては、特に限定されないが、実施例に記載の方法において、○、○△、または△であることが好ましく、○または○△であることがより好ましく、○であることがさらに好ましい。
本発明の水分散体には、本発明の効果を阻害しない範囲内で、乳化剤、充填剤、難燃剤、消泡剤、防菌剤、防錆剤、安定剤、可塑剤、増粘剤等の樹脂の水分散体に通常用いられる添加剤を含むことができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明の水分散体について詳細に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、本明細書中に於ける「部」、「%」は、特に明示した場合を除き、「質量部」、「質量%」をそれぞれ表している。
(実施例1)
2官能の1,6HDを原料として製造されたポリカーボネートジオール(数平均分子量1000)552部、N−メチルジエタノールアミン60部、ポリエチレングリコール(数平均分子量600)30部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート358部、ジブチルチンジラウレート0.01部、MEK300部を仕込み、温度75℃にて90分反応させて、イソシアネート基含量2.2%、アミン価=28.5mgKOH/gのウレタンプレポリマーを得た。得られたウレタンプレポリマーにMEK700部を混合稀釈した。次に、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン49部とMEK500部の混合稀釈液を攪拌下に添加し反応させて、イソシアネート基含量0.2%(固形分あたり)のウレタンプレポリマーを得た。その後、硫酸ジメチル64部を混合し50℃で15分反応後、蒸留水3500部を加え混合乳化した。その後40℃で3時間攪拌後、MEKを減圧留去し乳白色半透明液状の水分散体を得た。
(実施例2)
2官能の1,6HDを原料として製造されたポリカーボネートジオール(数平均分子量1000)552部、N−メチルジエタノールアミン60部、ポリエチレングリコール(数平均分子量600)30部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート358部、ジブチルチンジラウレート0.01部、MEK300部を仕込み、温度75℃にて90分反応させて、イソシアネート基含量2.2%、アミン価=28.5mgKOH/gのウレタンプレポリマーを得た。得られたウレタンプレポリマーにMEK1200部を混合稀釈した。次に、硫酸ジメチル45部を混合し50℃で15分反応後、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン37部を溶解した蒸留水3500部を加え混合乳化した後、ギ酸25部を加え攪拌した。次に、テトラエトキシシラン500部を混合し、40℃で3時間攪拌後、MEKを減圧留去し乳白色半透明液状の水分散体を得た。
(実施例3)
テトラエトキシシランをテトラメトキシシラン500部に変更した以外は実施例2と同様に操作し、乳白色半透明液状の水分散体を得た。
(実施例4)
テトラエトキシシランをメチルトリメトキシシラン1000部に変更した以外は実施例2と同様に操作し、乳白色半透明液状の水分散体を得た。
(実施例5)
テトラエトキシシランをフェニルトリメトキシシラン1000部に変更した以外は実施例2と同様に操作し、乳白色半透明液状の水分散体を得た。
(実施例6)
2官能のビスフェノールAのエチレンオキサイド誘導体(数平均分子量400)353部、N−メチルジエタノールアミン58部、ポリエチレングリコール(数平均分子量600)49部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート539部、N−メチル-2-ピロリドン300部を仕込み、温度100℃にて90分反応させて、イソシアネート基含量5.1%、アミン価=27.5mgKOH/gのウレタンプレポリマーを得た。得られたウレタンプレポリマーにMEK200部を混合稀釈し、硫酸ジメチル62部を混合し50℃で15分反応させた。次に、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン105部とMEK500部の混合稀釈液を攪拌下に添加し反応させて、イソシアネート基含量0.8%(固形分あたり)のウレタンプレポリマーを得た。次にギ酸46部を含む蒸留水4000部を加え混合乳化した。その後、40℃で3時間攪拌後、MEKを減圧留去し透明液状の水分散体を得た。
(実施例7)
実施例6と同様の操作にて、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン105部とMEK500部の混合稀釈液を攪拌下に添加し反応させて、イソシアネート基含量0.8%(固形分あたり)のウレタンプレポリマーを得た後、テトラメトキシシラン500部を混合し、次にギ酸46部を含む蒸留水4000部を加え混合乳化した。その後、40℃で3時間攪拌後、MEKを減圧留去し透明液状の水分散体を得た。
(実施例8)
テトラメトキシシランに変更しテトラエトキシシラン500部を混合した以外は実施例7と同様に操作し半透明液状の水分散体を得た。
(実施例9)
2官能の1,6HDを原料として製造されたポリカーボネートジオール(数平均分子量1000)552部、N−メチルジエタノールアミン60部、ポリエチレングリコール(数平均分子量600)30部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート358部、ジブチルチンジラウレート0.01部、MEK300部を仕込み、温度75℃にて90分反応させて、イソシアネート基含量2.4%、アミン価=28.5mgKOH/gのウレタンプレポリマーを得た。得られたウレタンプレポリマーにMEK1200部を混合稀釈した。次に、硫酸ジメチル45部を混合し50℃で15分反応後、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン49部を溶解した蒸留水3500部を加え混合乳化した後、ギ酸25部を加え攪拌した。次に、テトラエトキシシラン500部を混合し、40℃で3時間攪拌後、MEKを減圧留去し乳白色液状の水分散体を得た。
<比較例1〜5>
(比較例1)
2官能の1,6HDを原料として製造されたポリカーボネートジオール(数平均分子量1000)552部、N−メチルジエタノールアミン60部、ポリエチレングリコール(数平均分子量600)30部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート358部、ジブチルチンジラウレート0.01部、MEK300部を仕込み、温度75℃にて90分反応させて、イソシアネート基含量2.2%、アミン価=28.5mgKOH/gのウレタンプレポリマーを得た。得られたウレタンプレポリマーにMEK1000部を混合稀釈した。次に、硫酸ジメチル64部を混合し50℃で15分反応後、蒸留水4400部を加え混合乳化した後、エチレンジアミン11部を溶解した蒸留水200部を攪拌下に混合した。その後40℃で3時間攪拌後、MEKを減圧留去し乳白色半透明液状の水分散体を得た。
(比較例2)
2官能の1,6HDを原料として製造されたポリカーボネートジオール(数平均分子量1000)552部、N−メチルジエタノールアミン60部、ポリエチレングリコール(数平均分子量600)30部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート358部、ジブチルチンジラウレート0.01部、MEK300部を仕込み、温度75℃にて90分反応させて、イソシアネート基含量2.2%、アミン価=28.5mgKOH/gのウレタンプレポリマーを得た。得られたウレタンプレポリマーにMEK1000部を混合稀釈した。次に、硫酸ジメチル45部を混合し50℃で15分反応後、エチレンジアミン11部を溶解した蒸留水3400部を加え混合乳化した。その後、テトラメトキシシラン1000部を攪拌下に混合し、さらにギ酸33部を混合した。
(比較例3)
2官能のビスフェノールAのエチレンオキサイド誘導体(数平均分子量400)353部、N−メチルジエタノールアミン58部、ポリエチレングリコール(数平均分子量600)49部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート539部、N−メチル−2−ピロリドン300部を仕込み、温度100℃にて90分反応させて、イソシアネート基含量5.1%(固形分あたり)、アミン価=27.5mgKOH/gのウレタンプレポリマーを得た。得られたウレタンプレポリマーにMEK200部を混合稀釈し、硫酸ジメチル62部を混合し50℃で15分反応させた後、MEK500部を混合稀釈し。次に、エチレンジアミン31部とMEK500部の混合稀釈液を攪拌下に添加し反応させて、イソシアネート基含量0.8%(固形分あたり)のウレタンプレポリマーを得た。次にギ酸23部を含む蒸留水3500部を加え混合乳化した。その後、40℃で3時間攪拌後、MEKを減圧留去し透明液状の水分散体を得た。
(比較例4)
比較例3と同様の操作で、ギ酸23部を含む蒸留水3500部を加え混合乳化した後、メチルトリメトキシシラン1000部を混合し、その後、40℃で3時間攪拌後、MEKを減圧留去し白色液状の水分散体を得た。
(比較例5)
2官能の1,6HDを原料として製造されたポリカーボネートジオール(数平均分子量1000)552部、N−メチルジエタノールアミン60部、ポリエチレングリコール(数平均分子量600)30部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート358部、ジブチルチンジラウレート0.01部、MEK300部を仕込み、温度75℃にて90分反応させて、イソシアネート基含量2.2%、アミン価=28.5mgKOH/gのウレタンプレポリマーを得た。得られたウレタンプレポリマーにMEK700部を混合稀釈した。次に、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン153部とMEK500部の混合稀釈液を攪拌下に添加し反応させて、イソシアネート基含量0%(固形分あたり)のウレタンプレポリマーを得た。その後、硫酸ジメチル64部を混合し50℃で15分反応後、蒸留水3500部を加え混合乳化した。その後40℃で3時間攪拌後、MEKを減圧留去し乳白色液状の水分散体を得た。
(試験片の作成方法)
得られた水分散体を、膜厚30μmとなるようにポリプロピレンフィルム上に塗布し、80℃で60分間乾燥し、はがした後、テフロン(登録商標)シャーレー上にて120℃で30分間乾燥したものを試験片とした。
(評価方法)
不揮発分の重量:JIS K 6828に準じて測定した。
pH:JIS Z8802に準じて測定した。
粘度:JIS Z8803に準じて、B8M型粘度計(東京計器社製)を用いて20℃にて測定した。
粒子径:MicrotracUPA−UZ152(日機装社製)にて測定し、50%平均値を粒子径として算出した。
乳化安定性:40℃恒温器中に30日間保存し、目視により乳化安定性を確認した。乳化安定性良好なものを○、何らかの問題があるものにはコメントを記載した。
皮膜外観:上記試験皮膜の外観を目視により観察した。
(耐水性、耐MEK性)
上記試験皮膜を所定の大きさ(2cm×2cm)に切断することにより評価サンプルを作製した。試験液として、それぞれ水道水、MEKを使用した。試験片を20℃の試験液に4時間浸漬し、初期重量に対する重量増加率を下記式により求めた。
重量増加率=(浸漬後重量―初期重量)/初期重量×100
(鉛筆硬度)
膜厚10μmとなるようにガラス板上に塗布し、80℃で30分間乾燥した後、120℃で30分間乾燥した後、JIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度を測定した。
(耐傷付性)
上記試験皮膜をスチールウール#0000 加重300gで、100回こすり、表面の耐傷付性を目視で観察した。
<評価基準>
○:目だった傷が観察されない
×:傷が目立つ
(耐熱性)
上記試験皮膜をテフロン(登録商標)シャーレー上にて200℃で10分間加熱し、熱やけ、メルト状況を目視で観察した。
<評価基準>
○:熱やけ、メルトが、いずれも全く見られない
○△:かすかに熱着色が認められる
△:若干の熱着色
×:熱やけ、メルト
Figure 2018053109
Figure 2018053109
比較例1の耐MEK性では、白化し大きな膨潤が見られた。比較例2は得られた水分散体がゲル状となり、評価できなかった。比較例3の耐MEK性では、白化し半分程度メルトが見られた。
<評価結果>
実施例1〜9から分かるように、本発明の水分散体は、乳化安定性、皮膜外観、耐水性、耐MEK性、鉛筆硬度、耐傷付性、耐熱性いずれも良好であることが分かる。
一方、比較例1のようにシランカップリング剤(E)を使用しない系では、耐MEK性、鉛筆硬度、耐傷付性、耐熱性が劣る。比較例2のように、化合物(F)のみを使用し、シランカップリング剤(E)を使用しない系では、目的物がゲル化し評価をすることができなかった。比較例3のようにポリオール成分を変えてもシランカップリング剤(E)を使用しない系では、耐MEK性、耐傷付性、耐熱性が劣る。比較例4のようにポリオール成分を変えても化合物(F)のみを使用し、シランカップリング剤(E)を使用しない系では、耐傷付性、耐熱性が劣る。比較例5のように、NCO末端ウレタンプレポリマー(D)のNCO基1モルに対してシランカップリング剤(E)が1/2モル以上使用した場合、粗粒子物の発生が多く沈降するものであった。また形成皮膜も白化し、耐傷付性、耐熱製に劣る。
本発明の水分散体は、水分散体であることから環境適合性が高く、使用設備を防爆構造等にする必要もない。また、得られる皮膜物性も良好であり、水系樹脂への配合することも可能である。このような特性から、各種バインダー、塗料、水系コーティング剤の補強・改質剤として好適に使用できる。

Claims (4)

  1. 活性水素基含有カチオン性塩形成基含有化合物(A)、ポリオール成分(B)、およびポリイソシアネート成分(C)を反応させて得られる、NCO末端ウレタンプレポリマー(D)と、
    式(1)で記載されるシランカップリング剤(E)との反応物を含有する水分散体であって、NCO末端ウレタンプレポリマー(D)のNCO基1モルに対してシランカップリング剤が1/2モル以下である、水分散体(X)。
    (RO)Si(R3−nNHCNH (1)
    (式中、Rは炭素数1〜2の炭化水素基、は2または3、Rはメチル基である)
  2. さらに、式(2)で示される化合物(F)および/または(F)の縮合物を縮合して得られる縮合物を含む、請求項1記載の水分散体(Y)。
    Si(OR (2)
    (式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基、は0〜2、は2〜4、Rはメチル基またはエチル基である)
  3. 前記NCO末端ウレタンプレポリマー(D)のアミン価が7〜60mmKOH/gである、請求項1または2記載の水分散体。
  4. (i)活性水素基含有カチオン性塩形成基含有化合物(A)、ポリオール成分(B)、およびポリイソシアネート成分(C)を反応させて得られる、NCO末端ウレタンプレポリマー(D)を得る工程、
    (ii)NCO末端ウレタンプレポリマー(D)と式(1)で記載されるシランカップリング剤(E)とを、NCO末端ウレタンプレポリマー(D)のNCO基1モルに対してシランカップリング剤が1/2モル以下となるように反応させて樹脂(X´)を得る工程、
    (iii)得られた樹脂(DまたはX´)を乳化する工程、
    を含む水分散体の製造方法。
    (RO)Si(R3−nNHCNH (1)
    (式中、Rは炭素数1〜2の炭化水素基、は2または3、Rはメチル基である)
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