JP2018051690A - リングケース - Google Patents

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Abstract

【課題】ピストンがシリンダボアに挿入される前に、リング溝に対するピストンリングの嵌込状態を判断できるリングケースを提供する。
【解決手段】
ピストン3のリング溝3a〜3cへのピストンリング4〜6の嵌め込みを補助するテーパーリング2と組み合わせて用いられ、リング溝3a〜3cに嵌め込まれたピストンリング4〜6を保持するリングケース1は、内周面11a及び外周面11bを有し、その内径R1がテーパーリング2の内径R3,R4及びピストンリング4の呼称径Rpと略同一である環状の本体部11を備えている。本体部11は、内周面11aによって囲まれた空間を外周面11b側から視認させる視認領域を有している。
【選択図】図6

Description

本発明は、リングケースに関し、特に、ピストンのリング溝へのピストンリングの嵌め込みを補助するテーパーリングと組み合わせて用いられ、リング溝に嵌め込まれたピストンリングを保持するリングケースに関する。
エンジンの組立工程には、ピストンリングが装着されたピストンをシリンダブロックのシリンダボアに挿入する工程がある。この工程では、ピストンリングがシリンダブロックに引っかかって破損することを防ぐ必要がある。このため、上記工程では、例えばテーパー状の内面を有する専用治具(テーパーコーン)を用いて、ピストンのリング溝へピストンリングを嵌め込みながら当該ピストンをシリンダボアに挿入している(下記特許文献1を参照)。
特開2009−107036号公報
従来の方法では、上記専用治具を用いてピストンをシリンダボアに挿入した後、ピストンリングがリング溝に正常に嵌め込まれているか否かを外部から確認することが困難となっている。このため、例えば、エンジンを組み立てた後、ピストンのクランキングトルク又は圧縮圧力を測定することによって、ピストンリングがリング溝に正常に嵌め込まれているか否かを判断している。
仮にリング溝にピストンリングが正常に嵌め込まれていないと判断された場合、これを是正するために、上記測定後にシリンダボアからピストンを取り出す等の煩雑な作業が必要となる。このため、エンジン組立工程の効率化等の観点から、ピストンがシリンダボアに挿入される前に、リング溝に対するピストンリングの嵌込状態を判断できる技術が望まれている。
本発明は、ピストンがシリンダボアに挿入される前に、リング溝に対するピストンリングの嵌込状態を判断できるリングケースを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るリングケースは、ピストンのリング溝へのピストンリングの嵌め込みを補助するテーパーリングと組み合わせて用いられ、リング溝に嵌め込まれたピストンリングを保持するリングケースであって、内周面及び外周面を有し、その内径がテーパーリングの最小内径及びピストンリングの呼称径と略同一である環状の本体部を備えており、本体部は、内周面によって囲まれた空間を外周面側から視認させる視認領域を有している。
このリングケースでは、本体部の内径は、テーパーリングの最小内径及びピストンリングの呼称径と略同一である。また、ピストンの径もピストンリングの呼称径と略同一であることから、リングケース及びテーパーリングを組み合わせて用いることによって、当該テーパーリングによりリング溝へ嵌め込まれたピストンリングの状態を保持しながら、リングケースをピストンに装着できる。ここで、本体部は、内周面によって囲まれた空間を外周面側から視認させる視認領域を有している。これにより、リングケースが装着されたピストンのリング溝にピストンリングが正常に嵌め込まれているか否かを、目視等にて容易に判断できる。したがって、上記リングケースを用いることによって、ピストンがシリンダボアに挿入される前に、リング溝に対するピストンリングの嵌込状態を判断でき、エンジン組立工程におけるピストンリングに起因した不良率を低減できる。
本体部の少なくとも一部が透明材料で形成されていることによって視認領域が構成されてもよい。この場合、ピストンがシリンダボアに挿入される前において、ピストンリングの嵌込状態を、透明材料を介して容易に判断できる。
本体部に一又は複数の開口部が設けられていることによって視認領域が構成されてもよい。この場合、ピストンがシリンダボアに挿入される前において、ピストンリングの嵌込状態を、開口部を介して容易に判断できる。
開口部には透明部材が埋め込まれてもよい。この場合、透明部材によって開口部内にピストンリングの合口端部が侵入することを良好に防止できる。
本体部は、合口部が設けられた割りリング形状を有しており、上記リングケースは、合口部が閉じる方向に本体部を付勢する付勢部材を更に備えてもよい。合口部による隙間を広げてリングケースをピストンに装着した場合であっても、ピストンリングの嵌込状態は、付勢部材にて閉じる方向に付勢されたリングケースによって良好に保持される。
本発明に係るリングケースによれば、ピストンがシリンダボアに挿入される前に、リング溝に対するピストンリングの嵌込状態を判断できる。
本発明の一態様に係るリングケースと、リングケースに組み合わせて用いられるテーパーリングとを示す斜視図である。 図2(a)は、リングケースがピストンに装着された状態を示す概略側面図であり、図2(b)は、図2(a)の概略断面図であり、図2(c)は、図2(a)において一点鎖線で囲った領域の概略拡大図である。 図3(a)は、自由状態におけるピストンリングの概略平面図であり、図3(b)は、合口部を閉じた状態のピストンリングの概略平面図である。 図4(a)は、リングケースの平面図であり、図4(b)は、図4(a)のIVb−IVb線に沿った断面図である。 図5(a)は、テーパーリングの平面図であり、図5(b)は、図5(a)のVb−Vb線に沿った断面図である。 実施形態に係るリングケース及びテーパーリングを用いたピストンのシリンダボアへの挿入方法を説明するための図である。 実施形態に係るリングケース及びテーパーリングを用いたピストンのシリンダボアへの挿入方法を説明するための図である。 図8(a)は、実施形態の第1変形例に係るリングケースがピストンに装着された状態を示す概略断面図であり、図8(b)は、図8(a)において一点鎖線で囲った領域の概略拡大図である。 図9(a)は、実施形態の第2変形例に係るリングケースを示す概略平面図であり、図9(b)は、第2変形例に係るリングケースを示す概略側面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一態様に係るリングケースの好適な実施形態について詳細に説明する。まず、本実施形態に係るリングケースの概要と、当該リングケースの使用例について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るリングケースと、リングケースに組み合わせて用いられるテーパーリングとを示す斜視図である。図2(a)は、リングケースがピストンに装着された状態を示す概略側面図であり、図2(b)は、図2(a)の概略断面図であり、図2(c)は、図2(a)において一点鎖線で囲った領域の概略拡大図である。
図1及び図2(a),(b)に示されるリングケース1は、ピストン3のリング溝3a〜3cへのピストンリング4〜6のそれぞれの嵌め込みを補助するテーパーリング2と組み合わせて用いられるリングケースである。リングケース1は、リング溝3a〜3cにピストンリング4〜6がそれぞれ嵌め込まれた状態(嵌込状態)を保持するように、ピストン3の側面の少なくとも一部を覆うカバーである。このため、リングケース1は、ピストン3に装着された際に、ピストン3においてリング溝3a〜3cが設けられるリング溝形成領域Aを覆う大きさを有している。また、リングケース1は、そのリング溝3a〜3cにピストンリング4〜6がそれぞれ嵌め込まれたピストン3を、シリンダボア7(図7(a),(b)を参照)に挿入するための挿入補助部材としても用いられる。このため、リングケース1は、ピストン組込用のリングケースとも呼称できる。なお、リングケース1がピストン3に装着される際、リングケース1は、ピストン3においてピストンピンが挿入されるピン穴3dを覆わないように設置される。これにより、ピストンピンのピン穴3dへの挿入は、リングケース1によって阻害されない。
加えて、リングケース1は、後述するように透明材料で形成されているので、リングケース1に覆われるピストン3及びピストンリング4〜6は、視認可能になっている。例えば、図2(c)に示されるように、リングケース1がピストン3に装着された場合であっても、リング溝3cに嵌め込まれたオイルリングであるピストンリング6の状態を、リングケース1を介して視認できる。同様に、リング溝3aに嵌め込まれたトップリングであるピストンリング4の状態、及びリング溝3bに嵌め込まれたセカンドリングであるピストンリング5の状態も、リングケース1を介して視認できる。
図3(a)は、自由状態におけるピストンリング4の概略平面図であり、図3(b)は、合口部を閉じた状態のピストンリング4の概略平面図である。図3(a)に示されるように、ピストンリング4は、合口部4aが設けられた割りリング形状を有している。以下では、図3(b)に示されるように、合口部4aが閉じた状態におけるピストンリング4の外径を、ピストンリング4の呼称径Rpとする。合口部4aが閉じた状態とは、ピストンリング4が所定の合口隙間s1を有する状態とする。ピストンリング4の呼称径Rpは、ピストンリング5,6の呼称径と同一である。また、呼称径Rpは、ピストン3の径R11(図2(a)を参照)と、シリンダボア7の内径R21(図7(a)を参照)とのそれぞれとも略同一である。本実施形態における「略」とは、下記にて特別に規定される場合を除き、最大数%の誤差を含む概念である。シリンダボア7へピストンリング4〜6が装着されたピストン3を容易に挿入する観点から、ピストン3の径R11は、呼称径Rpよりもわずかに小さい方が好ましく、シリンダボア7の内径R21は、呼称径Rpよりもわずかに大きい方が好ましい。
次に、リングケース1及びテーパーリング2の形状について、図1に加えて、図4及び図5を参照しながら説明する。図4(a)は、リングケースの平面図であり、図4(b)は、図4(a)のIVb−IVb線に沿った断面図である。図5(a)は、テーパーリングの平面図であり、図5(b)は、図5(a)のVb−Vb線に沿った断面図である。
図1及び図4(a),(b)に示されるリングケース1は、内周面11a及び外周面11bと、側面11c,11dとを有する環状の本体部11を備えている。内周面11aと外周面11bとは、互いに略平行に延在し、側面11cと側面11dとは、互いに略平行に延在している。また、内周面11aと側面11c,11dとは、互いに略直角をなしている。このため、外周面11bと側面11c,11dとも、互いに略直角をなしている。
本体部11の全体は、上述したように透明材料で形成されている。透明材料は、例えばアクリル樹脂等の透明性を有する樹脂、又はガラスである。このため、本体部11は、内周面11aによって囲まれた空間を外周面11b側から視認させる視認領域を有するように構成されている。
本体部11の内径R1は、ピストンリング4の呼称径Rpと略同一である。本実施形態では、内径R1が呼称径Rpと略同一とは、内径R1は、呼称径Rpと完全同一である、もしくは呼称径Rpに対してわずかに異なることとする。例えば、ピストンリング4の呼称径Rpが78mmである場合、内径R1は、77.9mm〜78.1mm(好ましくは、77.95mm〜78.05mm、より好ましくは77.98mm〜78.02mm)である。内径R1が呼称径Rpよりもわずかに大きいことにより、本体部11は、周方向において回転自在になるようにピストン3に装着されていることが好ましい。
本体部11の外径R2は、ピストン3が挿入されるシリンダボア7の内径R21(図7(a)を参照)よりも大きい。外径R2は、本体部11がシリンダブロック8(図7(a)を参照)に安定して載置できる大きさであることが好ましい。すなわち、「外径R2−内径R1」に相当する本体部11の厚さが、シリンダブロック8に安定して載置できる大きさであることが好ましい。また、外径R2は、例えば内径R1の1.05倍〜1.2倍程度であることが好ましい。
上述したように、リングケース1は、ピストン3に装着された際に、図2(a)に示されるリング溝形成領域Aを覆う大きさを有している。このため、本体部11の幅W1は、リング溝形成領域Aにおけるピストン3の運動方向に沿った長さL(図2(a)を参照)よりも長くなっている。また、外径R2は、上記運動方向において、トップランド3eからピン穴3dまでの最短距離よりも短いことが好ましい。
図1及び図5(a),(b)に示されるテーパーリング2は、リング溝3a〜3cのそれぞれへのピストンリング4〜6の嵌め込みを補助する樹脂製又は金属製のリングである。このため、テーパーリング2における環状の本体部21は、テーパー面22及びフラット面23からなる内周面21aを有している。テーパー面22は、本体部21の側面21c側に設けられており、フラット面23は、本体部21の側面21d側に設けられている。なお、側面21c,21dは互いに略平行に延在しており、本体部21の外周面21bと、側面21c,21dとは、互いに略直角をなしている。
本体部21においてテーパー面22が設けられる部分の内径は、側面21cから側面21d側にかけて狭くなっている。また、フラット面23が設けられる部分の内径は、一定であり、テーパー面22が設けられる部分において最も小さい内径と同一である。このため、テーパー面22とフラット面23とは、互いに連続して設けられている。フラット面23が設けられる部分の内径R3、及びテーパー面22が設けられる部分において最も小さい内径R4(最小内径)は、リングケース1の内径R1と略同一になっている。また、テーパー面22が設けられる部分において最も大きい内径R5は、内径R3,R4よりも大きくなっており、本体部21の外径R6は、リングケース1の外径R2と略同一である。内径R3〜R5は、外径R6よりも小さければよい。なお、本体部21の幅W2は、例えば本体部11の幅W1の1.5倍程度である。内径R5は、ピストンリング4の自由状態の最大外径よりも大きいことが好ましい。ピストンリング4〜6が装着されたピストン3を容易に挿入する観点から、内径R5は、上記最大外径よりも数mm程度大きいことがより好ましい。もしくは、内径R5は、内径R3,R4よりも10%程度大きいことが好ましい。
次に、本実施形態に係るリングケース1及びテーパーリング2を用いたピストン3のシリンダボア7への挿入方法について、図6及び図7を参照しながら説明する。
まず、図6(a)に示されるように、リング溝3a〜3cのそれぞれにピストンリング4〜6が装着されたピストン3を準備する。次に、図6(b)に示されるように、ピストンリング4〜6が装着されたピストン3を、テーパーリング2に挿入する。このとき、ピストン3のトップランド3eをテーパーリング2に向け、テーパーリング2の側面21c側からピストン3をテーパーリング2に挿入する。これにより、ピストン3がテーパーリング2の側面21d側に向かうにつれて、ピストンリング4〜6のそれぞれは、テーパー面22に当接することにより徐々に縮径していく。そして、ピストンリング4〜6のそれぞれは、フラット面23にて、呼称径Rpまで縮径し、対応するリング溝3a〜3cに嵌め込まれた状態になる。
次に、テーパーリング2に重ねられたリングケース1にピストン3を挿入する。このとき、リングケース1の側面11cと、テーパーリング2の側面21dとが互いに隙間なく連接しているので、ピストンリング4〜6が対応するリング溝3a〜3cに嵌め込まれたまま、ピストン3をリングケース1に挿入する。これにより、図2(a),(b)に示されるように、ピストンリング4〜6の嵌込状態を保持するように、リングケース1をピストン3に装着する。ピストン3のリングケース1への挿入が完了した後、テーパーリング2はピストン3から外される。
ここで、リングケース1が装着されたピストン3におけるピストンリング4〜6の嵌込状態を確認する。具体的には、本体部11を固定すると共にピストン3を回転させ、各ピストンリング4〜6が対応するリング溝3a〜3cに正常に収容されているか否かを確認する。この確認は、例えば目視または画像解析カメラ等を用いて実施される。また、ピストン3の回転時のトルクも測定することにより、ピストンリング4〜6の嵌込状態が正常か否かを判断する。なお、ピストンリング4〜6の嵌込状態が正常ではないと判断された場合、リングケース1からピストン3を取り外し、ピストンリング4〜6の調整又は交換を行う。この後に、ピストン3にリングケース1が装着された状態で、ピストンピンとコンロッド(連接棒)とをピストン3に装着する。ただし、ピストン3へのピストンピンとコンロッドとの装着は、リングケース1の装着前に行ってもよいし、ピストンリング4〜6の装着前に行ってもよい。
次に、図7(a)に示されるように、ピストン3におけるトップランド3eと反対側の部分(ピストンスカート)をシリンダボア7内に挿入すると共に、リングケース1をシリンダブロック8に載置する。そして、ピストン3のトップランド3eを押圧することにより、図7(b)に示されるように、ピストンリング4〜6の嵌込状態を保持しながら、ピストン3をシリンダボア7に挿入する。
以上説明した本実施形態に係るリングケース1では、本体部11の内径R1は、テーパーリング2の内径R3,R4、及びピストンリング4の呼称径Rpと略同一である。また、ピストン3の径R11もピストンリング4の呼称径Rpと略同一であることから、リングケース1の側面11cと、テーパーリング2における側面21dとを連接するように、リングケース1及びテーパーリング2を組み合わせることによって、テーパーリング2によりリング溝3a〜3cへそれぞれ嵌め込まれたピストンリング4〜6の状態を保持しながら、リングケース1をピストン3に装着できる。ここで、本体部11は、透明材料で形成されていることによって、内周面11aによって囲まれた空間を外周面11b側から視認させる視認領域を有している。このため、リングケース1が装着されたピストン3においてピストンリング4〜6が正常に嵌め込まれているか否かを、目視等にて容易に判断できる。したがって、リングケース1を用いることによって、ピストン3がシリンダボア7に挿入される前に、リング溝3a〜3cに対するピストンリング4〜6の嵌込状態を判断できる。
また、リングケース1が装着されたピストン3が輸送又は搬送された場合であっても、ピストンリング4〜6の嵌込状態は保持される。このため、ピストンリング4〜6がリング溝3a〜3c外へ飛び出すことを防止できる。これにより、ピストンリング4〜6が何らかの物体と衝突し、ピストンリング4〜6が破損することを好適に防止できる。また、ピストン3の輸送中等に、リング溝3a〜3c内に異物が混入することも防止できる。
加えて、リングケース1をピストン3の挿入補助部材として用い、ピストン3をシリンダボア7に挿入してもよい。この場合、リングケース1によってピストンリング4〜6の嵌込状態が保持されたピストン3を、そのままシリンダボア7へ挿入することができる。これにより、エンジンの組立工程におけるピストンリング4〜6に起因した不良率を低減できると共に、ピストン3のクランキングトルク又は圧縮圧力の測定工程を省略し、上記組立工程を効率化できる。
さらには、リングケース1を上記挿入補助部材として用いることによって、シリンダボア7の上端7aにおける面取り量を小さくできる。上端7aにおける面取り量を小さくすることによって、リング溝3aをよりトップランド3e側に設けることができる。これにより、ピストンリング4をトップランド3e側にさらに近づけ、当該ピストンリング4によるピストン3の放熱性を向上できる。
次に、上記実施形態の変形例に係るリングケースについて、図8及び図9を参照しながら説明する。
図8(a)は、上記実施形態の第1変形例に係るリングケースがピストンに装着された状態を示す概略断面図であり、図8(b)は、図8(a)において一点鎖線で囲った領域の概略拡大図である。図8(a),(b)に示されるように、リングケース1Aの本体部11Aには、複数の開口部31が設けられている。各開口部31は、本体部11Aの周方向に沿って所定の距離Dを空けて設けられており、本体部11Aの外周面11bと内周面11aとを貫通する貫通孔である。なお、本体部11Aは、例えば不透明性を有する樹脂、金属、又は合金等の不透明材料から構成されている。
各開口部31の周方向に沿った長さR31は、本体部11Aの内径R1の3%以上5%以下である。同様に、隣同士の開口部31の周方向に沿った所定の距離Dは、本体部11Aの内径R1の3%以上20%以下である。これにより、ピストンリング4〜6のいずれかの合口端部が開口部31内に侵入することを防止できる。なお、各開口部31におけるピストン3の運動方向に沿った長さは、リング溝形成領域Aの長さL(図2(a)を参照)よりも大きく、本体部11Aの幅よりも小さい。
このような第1変形例においては、本体部11Aが不透明材料から構成されている場合、本体部11Aにおける各開口部31は、内周面11aによって囲まれた空間を外周面11b側から視認させる視認領域として機能する。これにより、各開口部31を介して本体部11Aの外側からピストンリング4〜6の嵌込状態を視認できる。ここで、ピストン3に装着された本体部11Aを回転させることにより、ピストンリング4〜6の全体の嵌込状態を視認できる。したがって第1変形例においては、本体部11Aが不透明材料から構成されている場合であっても、上記実施形態と同様の作用効果が奏される。
上記第1変形例において、各開口部31には、例えば透明樹脂又はガラス等の透明部材が埋め込まれてもよい。これにより、本体部11Aの少なくとも一部が、透明材料で形成されていることによって視認領域が構成され、各ピストンリング4〜6の合口端部が開口部31内に侵入することを好適に防止できる。この場合、各開口部31の長さR31及び所定の距離Dは、上記範囲に限られなくてもよい。
図9(a)は、上記実施形態の第2変形例に係るリングケースを示す概略平面図であり、図9(b)は、第2変形例に係るリングケースを示す概略側面図である。図9(a),(b)に示されるように、リングケース1Bは、合口部41が設けられることによって割りリング形状を有する本体部11Bと、合口部41が閉じる方向に本体部11Bを付勢する付勢部材51とを備えている。合口部41は、本体部11Bの成形と同時に、もしくは本体部11Bの一部を除去することによって設けられる。本体部11Bの内径R1A及び外径R2Aは、合口部41を構成する突き合わせ端部42,43同士の隙間を広げることによって変化しうる。
付勢部材51は、本体部11Bの外周面11bに接して設けられている。付勢部材51は、例えば金属製又は樹脂製のバネ部材である。付勢部材51が設けられた場合であっても内周面11aに囲まれた空間を外周面11b側から視認させるため、すなわちリングケース1Bにおける視認領域を確保するため、付勢部材51の一部には隙間が設けられていることが好ましい。もしくは、付勢部材51は、透明材料からなることが好ましい。
このような第2変形例においても、上記実施形態と同様の作用効果が奏される。また、第2変形例においては、合口部41による隙間を広げてリングケース1Bをピストン3に装着した場合であっても、ピストンリング4〜6の嵌込状態は、付勢部材51にて閉じる方向に付勢されたリングケース1Bによって良好に保持される。なお、第2変形例においては、本体部11Bを変形させて合口部41の隙間を広げるため、本体部11Bは、靱性を有することが好ましい。
本発明は、上記実施形態及び上記変形例に限られるものではない。例えば、上記第1変形例及び上記第2変形例を組み合わせてもよい。
上記実施形態及び上記変形例において、ピストンにリングケースを装着するタイミングは、ピストンをシリンダボアへ挿入する前であれば特に限定されない。例えば、ピストンにリングケースを装着するタイミングは、ピストンをエンジンメーカに納入する前でもよい。この場合、エンジンの組立工程においては、予めピストンリングがリング溝に正常に嵌め込まれた状態に保持されたピストンを、そのままシリンダボア7へ挿入することができる。これにより、エンジンの組立工程をさらに効率化できる。また、ピストンをエンジンメーカに納入する際の輸送において、ピストンリングの破損をリングケースによって好適に防止できる。
上記実施形態及び上記変形例において、リングケースには、テーパーリングに対する位置合わせ部が設けられてもよい。これにより、テーパーリングによってピストンリングが縮径された状態のピストンを、リングケースに容易に挿入できる。また、リングケースには、シリンダボアに対する位置合わせ部が設けられてもよい。この場合、リングケースによってピストンリングの嵌込状態が保持されたピストンを、より容易にシリンダボアに挿入できる。
上記第1変形例において、リングケース1Aがピストン3に対して周方向に回転自在に装着されている場合、開口部31は、本体部11Aに1つだけ設けられてもよい。この場合であっても、リングケース1Aを回転させることによって、各ピストンリング4〜6の嵌込状態を、単一の開口部31を介して容易に判断できる。また、単一の開口部31に透明部材が埋め込まれる場合、当該開口部31は、環状になるように形成されてもよい。この場合、リングケース1Aがピストン3に対して回転自在でなくてもよい。
1、1A,1B…リングケース、2…テーパーリング、3…ピストン、3a〜3c…リング溝、3e…トップランド、4〜6…ピストンリング、7…シリンダボア、8…シリンダブロック、11,11A,11B…本体部、11a…内周面、11b…外周面、31…開口部、41…合口部、51…付勢部材、A…リング溝形成領域、D…所定の距離、R1,R1A…内径、R3…内径、R4…内径(最小内径)、R11…径、R21…内径、Rp…呼称径。

Claims (5)

  1. ピストンのリング溝へのピストンリングの嵌め込みを補助するテーパーリングと組み合わせて用いられ、前記リング溝に嵌め込まれた前記ピストンリングを保持するリングケースであって、
    内周面及び外周面を有し、その内径が前記テーパーリングの最小内径及び前記ピストンリングの呼称径と略同一である環状の本体部を備えており、
    前記本体部は、前記内周面によって囲まれた空間を前記外周面側から視認させる視認領域を有している、
    リングケース。
  2. 前記本体部の少なくとも一部が透明材料で形成されていることによって前記視認領域が構成されている、請求項1に記載のリングケース。
  3. 前記本体部に一又は複数の開口部が設けられていることによって前記視認領域が構成されている、請求項1に記載のリングケース。
  4. 前記開口部には透明材料が埋め込まれている、請求項3に記載のリングケース。
  5. 前記本体部は、合口部が設けられた割りリング形状を有しており、
    前記合口部が閉じる方向に前記本体部を付勢する付勢部材を更に備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載のリングケース。
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