JP2018050565A - 経口組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、タバコ臭を効果的に消臭できるタバコ臭消臭用経口組成物を提供することである。【解決手段】中鎖脂肪酸トリグリセリドにはタバコ臭に対する消臭作用が高く、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含む経口組成物は、タバコ臭の消臭用途に使用できる。【選択図】なし

Description

本発明は、経口組成物に関する。より具体的には、本発明は、タバコ臭を効果的に消臭できるタバコ臭消臭用経口組成物に関する。
近年、口腔ケア、特に口臭ケアに対する需要の拡大を背景に、消臭成分を配合した口腔ケア用の経口組成物が種々開発され、市販されている。また、口臭には、臭いの原因によって、タバコ臭、にんにく臭、アルコール臭等があり、臭いの原因によって有効になる消臭成分が変わるので、口臭対策を施した経口組成物には、消臭対象となる臭いの原因に応じて消臭成分が選択され配合されている。
また、喫煙者では、特にタバコ臭に対するケア意識が高まっており、タバコ臭に対して消臭効果が高い経口組成物の開発が望まれている。従来、タバコ臭に対する口腔ケア製品について、種々検討がなされている。例えば、特許文献1には、乳香、マザーワート、アカメガシワ、アンゼリカ、及びマートルからなる群より選択される1種又は2種以上の植物の抽出物を有効成分として含む飲食品は、タバコ臭を低減させ得ることが開示されている。また、特許文献2には、マンダリンオレンジ精油、又はテルペン炭化水素を実質的に除去したマンダリンオレンジ精油画分を含むタバコ臭気消臭組成物と該組成物を担持する担体とからなるタバコ臭気消臭剤を、飲食品や口腔用組成物に配合することによって、タバコ臭をマスキングできることが開示されている。
しかしながら、特許文献1及び2の技術では、処方に制約があるため、近年の多様化する経口組成物の処方に対応できないケースがある。そこで、タバコ臭を消臭できる経口組成物については新たな処方の開発が望まれている。
特開2006−55055号公報 特開2002−143285号公報
本発明の目的は、タバコ臭を効果的に消臭できるタバコ臭消臭用経口組成物を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、中鎖脂肪酸トリグリセリドにはタバコ臭に対する消臭作用が高く、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含む経口組成物は、タバコ臭の消臭用途に使用できることを見出した。更に、本発明者は、中鎖脂肪酸トリグリセリド及びジペプチド甘味料含む経口組成物、並びに中鎖脂肪酸トリグリセリド、ジペプチド甘味料、及びメントール含む経口組成物は、タバコ臭に対する消臭作用が格段に向上することをも見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 中鎖脂肪酸トリグリセリドを含有する、タバコ臭消臭用の経口組成物。
項2. 更に、長鎖脂肪酸トリグリセリドを含有する、項1に記載のタバコ臭消臭用の経口組成物。
項3. 更に、ジペプチド甘味料を含有する、項2に記載のタバコ臭消臭用の経口組成物。
項4. 更に、メントールを含有する、項2又は3に記載のタバコ臭消臭用の経口組成物。
項5. 中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量が50〜99.85重量%である、項1〜4のいずれかに記載のタバコ臭消臭用の経口組成物。
項6. 項1〜5のいずれかに記載の経口組成物が充填されてなる、ソフトカプセル剤。
本発明の経口組成物は、タバコ臭に対する消臭効果が優れており、タバコ臭の消臭用として使用できるので、喫煙者用の口腔ケア製品として有効である。
本発明の経口組成物は、タバコ臭の消臭用途に使用されるものであって、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含むことを特徴とする。以下、本発明の経口組成物について詳述する。
[含有成分]
・中鎖脂肪酸トリグリセリド
本発明の経口組成物は、タバコ臭を消臭させるために中鎖脂肪酸トリグリセリドを含有する。
中鎖脂肪酸トリグリセリドとは、3つの中鎖脂肪酸がグリセロールにエステル結合した構造を有する化合物である。本発明において、中鎖脂肪酸トリグリセリドを構成する中鎖脂肪酸は、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のいずれであってもよいが、好ましくは飽和脂肪酸が挙げられる。また、中鎖脂肪酸トリグリセリドを構成する中鎖脂肪酸については、炭素数が6〜12であればよく、具体的には、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸等が挙げられる。タバコ臭の消臭効果をより一層向上させるという観点から、前記炭素数は8〜12がより好ましく、8〜10が更に好ましい。
本発明に使用される中鎖脂肪酸トリグリセリドにおいて、1分子中に含まれる3つの中鎖脂肪酸は、それぞれ同一の中鎖脂肪酸であってもよく、2種又は3種の中鎖脂肪酸の組み合わせであってもよい。
中鎖脂肪酸トリグリセリドの中でも、タバコ臭の消臭効果をより一層向上させるという観点から、カプリル酸、カプリン酸及びラウリン酸の少なくともいずれかを有している中鎖脂肪酸トリグリセリドが好ましく、カプリル酸又はカプリン酸の少なくとも一方を有している中鎖脂肪酸トリグリセリドがより好ましく、カプリル酸及びカプリン酸を有している中鎖脂肪酸トリグリセリドが更に好ましい。
カプリル酸及びカプリン酸を有している中鎖脂肪酸トリグリセリドとは、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルとも称されるトリグリセリドであり、カプリル酸及びカプリン酸の混合脂肪酸とグリセリンとのトリエステル、又はカプリル酸とグリセリンとのトリエステル及びカプリン酸とグリセリンとのトリエステルの混合トリグリセリドである。カプリル酸及びカプリン酸を有している中鎖脂肪酸トリグリセリドにおいて、構成中鎖脂肪酸の総重量に対するカプリル酸及びカプリン酸の各割合については、特に制限されないが、例えば、カプリル酸が30〜98重量%、好ましくは80〜98重量%であり、カプリン酸が1〜35重量%、好ましくは1〜20重量%が挙げられる。また、カプリル酸及びカプリン酸を有している中鎖脂肪酸トリグリセリドには、構成中鎖脂肪酸としてラウリン酸が含まれていてもよい。カプリル酸及びカプリン酸を有している中鎖脂肪酸トリグリセリドにおいて、構成中鎖脂肪酸としてラウリン酸が含まれる場合、構成中鎖脂肪酸の総重量に対するラウリン酸の割合については、特に制限されないが、例えば0.1〜21重量%、好ましくは0.1〜1重量%が挙げられるが、ラウリン酸の割合が少ない方が望ましい。もちろん、構成中鎖脂肪酸としてラウリン酸が含まれていなくてもよい。
本発明の経口組成物における中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量については、経口組成物に配合される他の成分の含有量、経口組成物の形態、1回当たりの摂取量等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、50重量%以上が挙げられる。本発明の経口組成物における中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量として、より具体的には、50〜100重量%、好ましくは50〜99.85重量%、より好ましくは50〜99重量%、更に好ましくは50〜95重量%、特に好ましくは50〜85重量%が挙げられる。
・長鎖脂肪酸トリグリセリド
本発明の経口組成物は、タバコ臭の消臭効果を一層向上させるために、長鎖脂肪酸トリグリセリドを含有してもよい。長鎖脂肪酸トリグリセリドは単独では、有効なタバコ臭の消臭効果を示さないが、中鎖脂肪酸トリグリセリドと長鎖脂肪酸トリグリセリドを併用することによってタバコ臭の消臭効果を飛躍的に向上させることができる。
長鎖脂肪酸トリグリセリドとは、3つの長鎖脂肪酸がグリセロールにエステル結合した構造を有する化合物である。本発明において、長鎖脂肪酸トリグリセリドを構成する長鎖脂肪酸は、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。また、長鎖脂肪酸トリグリセリドを構成する長鎖脂肪酸については、炭素数が14以上、好ましくは炭素数が14〜24、より好ましくは16〜22であればよく、更に好ましくは16〜18であればよく、具体的には、ミスチリン酸、パルミチン酸、パルミトイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等が挙げられる。
本発明に使用される長鎖脂肪酸トリグリセリドにおいて、1分子中に含まれる3つの長鎖脂肪酸は、それぞれ同一の長鎖脂肪酸であってもよく、2種又は3種の長鎖脂肪酸の組み合わせであってもよい。
長鎖脂肪酸トリグリセリドの中でも、タバコ臭の消臭効果をより一層向上させるという観点から、パルミチン酸、オレイン酸、及びリノール酸の内、少なくとも1種を有している長鎖脂肪酸トリグリセリドが好ましく、パルミチン酸、オレイン酸、及びリノール酸を有している長鎖脂肪酸トリグリセリドがより好ましい。
パルミチン酸、オレイン酸、及びリノール酸を有している長鎖脂肪酸トリグリセリドとは、(i)パルミチン酸、オレイン酸、及びリノール酸の3種の混合脂肪酸とグリセリンとのトリエステル、(ii)パルミチン酸、オレイン酸、及びリノール酸の中から選ばれる2種の混合脂肪酸とグリセリンとのトリエステル、並びにパルミチン酸、オレイン酸、及びリノール酸の内、前記混合脂肪酸に含まれていない脂肪酸とグリセリンとのトリエステルの混合トリグリセリド、或は(iii)パルミチン酸とグリセリンとのトリエステル、オレイン酸とグリセリンとのトリエステル、及びリノール酸とグリセリンとのトリエステルの混合トリグリセリドである。
本発明の経口組成物において、長鎖脂肪酸トリグリセリドを含有させる場合、その含有量については、経口組成物の形態、1回当たりの摂取量等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.05〜50重量%、好ましくは0.1〜40重量%、より好ましくは0.1〜30重量%が挙げられる。
また、本発明の経口組成物において、長鎖脂肪酸トリグリセリドを含有させる場合、中鎖脂肪酸トリグリセリドに対する長鎖脂肪酸トリグリセリドの比率については、特に制限されないが、例えば、中鎖脂肪酸トリグリセリド100重量部当たり、長鎖脂肪酸トリグリセリドが0.05〜100重量部、好ましくは0.1〜100重量部が挙げられる。
・ジペプチド甘味料
本発明の経口組成物は、タバコ臭の消臭効果をより一層向上させるために、長鎖脂肪酸トリグリセリドと共にジペプチド甘味料を含有してもよい。ジペプチド甘味料は単独では、有効なタバコ臭の消臭効果を示さないが、中鎖脂肪酸トリグリセリド、長鎖脂肪酸トリグリセリド、及びジペプチド甘味料を組み合わせることによってタバコ臭の消臭効果をより一層向上させることができる。
ジペプチド甘味料とは、2つのアミノ酸がペプチド結合によって結合しており、甘味を呈する化合物である。
本発明で使用されるジペプチド甘味料の種類については、特に制限されないが、例えば、アスパルテーム、アドバンテーム等が挙げられる。本発明において、ジペプチド甘味料は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらのジペプチド甘味料の中でも、タバコ臭の消臭効果をより一層向上させるという観点から、好ましくはアスパルテームが挙げられる。
本発明の経口組成物において、ジペプチド甘味料を含有させる場合、その含有量については、経口組成物の形態、1回当たりの摂取量等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.15〜5重量%、好ましくは0.5〜5重量%、より好ましくは1〜3重量%が挙げられる。
また、本発明の経口組成物において、ジペプチド甘味料を含有させる場合、中鎖脂肪酸トリグリセリドに対するジペプチド甘味料の比率については、特に制限されないが、例えば、中鎖脂肪酸トリグリセリド100重量部当たり、ジペプチド甘味料が5〜60重量部、好ましくは11〜43重量部が挙げられる。
・メントール
本発明の経口組成物は、タバコ臭の消臭効果をより一層向上させるために、長鎖脂肪酸トリグリセリドと共にメントールを含有してもよい。メントールは単独では、有効なタバコ臭の消臭効果を示さないが、中鎖脂肪酸トリグリセリド、長鎖脂肪酸トリグリセリド、及びメントールを組み合わせることによってタバコ臭の消臭効果をより一層向上させることができる。特に、中鎖脂肪酸トリグリセリド、長鎖脂肪酸トリグリセリド、ジペプチド甘味料、及びメントールを含有する場合には、卓越したタバコ臭の消臭効果を奏することが可能になる。
本発明で使用されるメントールについては、d体、dl体、l体のいずれであってもよいが、好ましくはd体及びdl体が挙げられる。また、本発明では、メントールは、メントールを含む精油の状態で使用してもよい。メントールを含む精油は、公知のものから適宜選択して使用することができるが、例えば、ハッカ油、ペパーミント油等が挙げられる。なお、本明細書におけるメントール成分の含有量や比率に関する記載は、メントールを含む精油を使用する場合は、当該精油に含まれるメントール量に換算した値である。
本発明の経口組成物において、メントールを含有させる場合、その含有量については、経口組成物の形態、1回当たりの摂取量等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、1〜30重量%、好ましくは5〜20重量%、より好ましくは10〜20重量%が挙げられる。
・その他の添加成分
本発明の経口組成物には、前述する成分の他に、必要に応じて、他の栄養成分や薬理成分を含有していてもよい。このような栄養成分や薬理成分としては、飲食品や医薬品に使用可能なものであれば特に制限されないが、例えば、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、リコペン等のビタミン類;塩酸ベタイン、塩化カルニチン、塩化ベタネコール等の健胃剤;カルシウム、イオウ、マグネシウム、亜鉛、セレン、鉄等のミネラル類;大豆タンパク、卵白粉末、乳清タンパク等のタンパク質;グリシン、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、シスチン、フェニルアラニン、タウリン、トリプトファン等のアミノ酸;リノール酸、γ−リノレン酸、α−リノレン酸等の脂肪酸類;カラメル色素、クチナシ色素、アントシアニン色素、アナトー色素、パプリカ色素、紅花色素、紅麹色素、フラボノイド色素、コチニール色素、アマランス、エリスロシン、アルラレッドAC、ニューコクシン、フロキシン、ローズベンガル、アシッドレッド、タートラジン、サンセットイエローFCF、ファストグリーンFCF、ブリリアントブルーFCF、インジゴカルミン等の色素;各種フルーツのフレーバーやエッセンス等の香料;クエン酸及びその塩、リンゴ酸及びその塩、酒石酸及びその塩、酢酸及びその塩、乳酸及びその塩、食塩、グルタミン酸及びその塩、みりん、食酢、天然果汁、植物抽出エキス、果実・海産物等の裁断物又は粉末化物等の調味剤;アガリクス、シイタケエキス、レイシ、ヤマブシタケ等のキノコ類又はそのエキス;食物繊維、ローヤルゼリー、プロポリス、ハチミツ、コンドロイチン硫酸、グルコサミン、セラミド、ヒアルロン酸等のその他機能性素材等が挙げられる。これらの添加成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらの添加成分の含有量については、使用する添加成分の種類や経口組成物の形態等に応じて適宜設定される。
更に、本発明の経口組成物は、所望の製剤形態に調製するために、必要に応じて、基剤や添加剤等が含まれていてもよい。このような基剤及び添加剤としては、食品や医薬品に使用可能なものであれば特に制限されないが、例えば、水、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、高級アルコール類、エステル類、水溶性高分子、界面活性剤、金属石鹸、低級アルコール類、多価アルコール、pH調整剤、緩衝剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、防腐剤、香料、粉体、増粘剤、色素、キレート剤等が挙げられる。これらの添加成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらの基剤や添加剤の含有量については、使用する添加成分の種類や経口組成物の形態等に応じて適宜設定される。
[製造方法]
本発明の経口組成物は、中鎖脂肪酸トリグリセリド、及び必要に応じて含まれる他の成分を混合し、製剤形態に応じた公知の製剤化方法によって製造することができる。
また、本発明の経口組成物に、ジペプチド甘味料を含有させる場合には、ジペプチド甘味料は長鎖脂肪酸トリグリセリドに対する相溶性が低いため、ジペプチド甘味料は懸濁状態にして製剤化することが望ましい。
ジペプチド甘味料を懸濁状態にする方法としては、特に制限されず、加熱条件下で、機械的撹拌や超音波撹拌等の撹拌処理を行う方法が挙げられる。当該撹拌処理時の条件については、特に制限されないが、例えば、40〜100℃、好ましくは45〜90℃、より好ましくは60〜90℃、更に好ましくは70〜90℃、特に好ましくは80〜90℃の温度条件で、30〜300分間、好ましくは40〜300分間、より好ましくは60〜270分間が挙げられる。
[形態]
本発明の経口組成物の形態については、前述する成分を含み、且つ経口摂取可能であることを限度として、特に制限されず、例えば、ソフトカプセル剤、液剤、ゲル剤等に製剤化すればよい。これらの形態の中でも、好ましくはソフトカプセル剤が挙げられる。
本発明の経口組成物をソフトカプセル剤として製剤化する場合、ソフトカプセル剤において一般的に使用されているソフトカプセル皮膜で、本発明の経口組成物を被包すればよい。
ソフトカプセル皮膜は、皮膜を形成でき、且つ可食性の水溶性高分子を基剤として含むものであればよい。ソフトカプセル皮膜の基剤として、具体的には、ゼラチン、寒天、キサンタンガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビアガム、プルラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの基剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの基剤の中でも、好ましくはゼラチンが挙げられる。
ソフトカプセル皮膜における前記基剤の含有量については、特に制限されないが、例えば、40〜90重量%、好ましくは50〜80重量%、より好ましくは55〜75重量%が挙げられる。
また、ソフトカプセル皮膜には、前記基剤の他に、前記基剤の可塑化を促すために、必要に応じて、可塑剤が含まれていてもよい。可塑剤としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール等が挙げられる。これらの可塑剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ソフトカプセル皮膜に可塑剤を含有させる場合、その含有量については、使用する可塑剤の種類等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、より好ましくは20〜30重量%が挙げられる。
更に、ソフトカプセル皮膜には、必要に応じて、皮膜の安定性向上、調味、溶解性調整等の目的で、水、乳化剤、低級アルコール類、pH調整剤、緩衝剤、酸化防止剤、防腐剤、酸味料、苦味料、香料、粉体、増粘剤、キレート剤等の添加剤が含まれていてもよい。これらの添加剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の経口組成物をソフトカプセル皮膜によって被包する方法については、公知のソフトカプセル剤の製造方法であればよく、例えば、ロータリー式ソフトカプセル化法、シームレスカプセル化法等が挙げられる。
[用途・摂取量]
本発明の経口組成物は、タバコ臭の消臭用途に使用される。本発明の経口組成物の摂取タイミングについては、特に制限されず、喫煙前又は後のいずれであってもよいが、好ましくは喫煙後が挙げられる。
また、本発明の経口組成物の摂取量については、特に制限されないが、例えば、1回当たり、中鎖脂肪酸トリグリセリドの摂取量が80〜160mg程度となる量であればよい。
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
試験例
表1に示す組成の経口組成物(参考例2以外は全て液状)を調製した。具体的には、実施例1〜8については、表1に示す各成分を所定量混合することによって経口組成物を調製した。また、実施例9及び10の経口組成物については、アスパルテーム以外の成分を所定量混合した後に、更に所定量のアスパルテームを入れて、85℃で1時間、トルネード攪拌機(「トルネード PM−202」、アズワン株式会社製、回転数500rpm)によって機械的な撹拌を行って懸濁状態を形成させて、経口組成物を得た。
得られた経口組成物のタバコ臭に対する消臭効果を以下の方法で評価した。2−メトキシフェノール180μlに各経口組成物20μlを加えて混合し、混合液を得た。この混合液に、長さ5cmにカットしたニオイ紙(第一薬品産業株式会社製)を浸し、30分間浸透させた。その後、前記混合液を含浸させたニオイ紙を用いて、ヘッドスペースGC/MS法によって2−メトキシフェノールの揮発量の測定を行った。この測定系では、各経口組成物を加えることにより、当該経口組成物を加えない場合に比べて、2−メトキシフェノールの揮発量が減少していた場合、タバコ臭の消臭効果を有することとなり、当該2−メトキシフェノールの揮発量が小さいほど、消臭効果が高いことになる。そして、測定された2−メトキシフェノールの揮発量から、下記算出式に従って、消臭効果の向上率(%)を算出した。なお、2−メトキシフェノールは、タバコ臭の主要な発臭源であることが知られている成分である。
Figure 2018050565
得られた結果を表1に示す。この結果、中鎖脂肪酸トリグリセリドは、タバコ臭の消臭効果が優れていることが確認された(実施例1〜10)。また、中鎖脂肪酸トリグリセリドと長鎖脂肪酸トリグリセリドを併用した場合には、タバコ臭の消臭効果が更に向上し(実施例2〜7、9、10)、これらの成分と共にアスパルテーム又はメントールを併用した場合には、タバコ臭の消臭効果がより一層向上することが確認された(実施例9、10)。特に、中鎖脂肪酸トリグリセリド、長鎖脂肪酸トリグリセリド、アスパルテーム、及びメントールを含有する場合には、タバコ臭の消臭効果が飛躍的に向上することも確認された(実施例10)。なお、表への記載は省略するが、アスパルテーム及びメントールをそれぞれ単独で使用した場合、これらを使用しない場合と同等の2−メトキシフェノールの揮発量となったことから、アスパルテーム及びメントール単独では、タバコ臭の消臭効果を示さないこと確認された。
Figure 2018050565
製剤例
表2及び3に示す組成の経口組成物(液状)を前記試験例と同様の方法により調製した。得られた経口組成物について、前記試験例と同様の方法でタバコ臭に対する消臭効果の評価を行ったところ、いずれも、タバコ臭の消臭効果が優れていることが確認された。
また、得られた各経口組成物について、表4に記載の組成のソフトカプセル皮膜A〜Gを用いて、シームレスカプセル化法により被包することにより、半透明なソフトカプセル剤(1カプセル当たり、経口組成物100mgを充填)を得た。
Figure 2018050565
Figure 2018050565
Figure 2018050565

Claims (6)

  1. 中鎖脂肪酸トリグリセリドを含有する、タバコ臭消臭用の経口組成物。
  2. 更に、長鎖脂肪酸トリグリセリドを含有する、請求項1に記載のタバコ臭消臭用の経口組成物。
  3. 更に、ジペプチド甘味料を含有する、請求項2に記載のタバコ臭消臭用の経口組成物。
  4. 更に、メントールを含有する、請求項2又は3に記載のタバコ臭消臭用の経口組成物。
  5. 中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量が50〜99.85重量%である、請求項1〜4のいずれかに記載のタバコ臭消臭用の経口組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の経口組成物が充填されてなる、ソフトカプセル剤。
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