JP2018050005A - シリコン基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】所望する程度に低いコンタクト抵抗と所望する程度に高い開放電圧を示すセルを形成可能なシリコン基板を製造できる、シリコン基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】酸化剤とフッ化水素酸とを含む第1液を、シリコン基板の被エッチング面に接触させることと、第2液を、第1液が付着した状態の被エッチング面に接触させた後に、シリコン基板を得ることと、を含むシリコン基板の製造方法において、第2液として、酸化剤とフッ化水素酸とを含み、フッ化水素酸の濃度が0.4質量%以下であり、酸化剤濃度(COxi(質量%))/フッ化水素酸濃度(CHF(質量%))の値が第1液よりも大きい液であるか、酸化剤及び塩酸の少なくとも一方を含み、それぞれの濃度が20質量%以下であり、フッ化水素酸を含まない液を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、特に太陽電池の製造に好適使用されるシリコン基板の製造方法に関する。
従来、最も多く製造・販売されている太陽電池は結晶シリコン系太陽電池である。結晶シリコン系太陽電池では、電流の取出し効率の点から通常金属電極が設けられる。しかし、結晶シリコン電池の受光面に金属電極を設ける場合、不透明な金属電極により受光面での受光が一部遮られるため、受光面の面積に相応する発電効率を得ることが困難である。
かかる課題を解消するために、結晶シリコン基板の受光面の反対に位置する裏面側に、p型及びn型の半導体層を形成し、これらの上に電極が形成されたバックコンタクト(裏面電極)型の太陽電池の開発が進められている
バックコンタクト型の太陽電池では受光面側に電極が形成されない。このため、電極による太陽光の遮蔽がなく、高い受光効率による高い発電効率が実現される。
ところが、バックコンタクト型の太陽電池では、裏面側にp型及びn型の半導体層を形成する必要が有るため、どのように太陽電池を形成するかが問題となる。
特開2012−028718号公報
バックコンタクト型太陽電池は、一般的には、例えば、特許文献1に示されるような方法で製造可能である。
しかしながら、本発明者らが、特許文献1に記載される方法に従って、バックコンタクト型太陽電池を製造したところ、必ずしも、所望する程度に低いコンタクト抵抗と所望する程度に高い開放電圧を示すセルを形成できないことが明らかになった。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであって、所望する程度に低いコンタクト抵抗と所望する程度に高い開放電圧を示すセルを形成可能なシリコン基板を製造できる、エッチング処理されたシリコン基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、酸化剤とフッ化水素酸とを含む第1液を、シリコン基板の被エッチング面に接触させることと、第2液を、第1液が付着した状態の被エッチング面に接触させた後に、シリコン基板を得ることと、を含むシリコン基板の製造方法において、第2液として、酸化剤とフッ化水素酸とを含み、フッ化水素酸の濃度が0.4質量%以下であり、酸化剤濃度(COxi(質量%))/フッ化水素酸濃度(CHF(質量%))の値が第1液よりも大きい液であるか、酸化剤及び塩酸の少なくとも一方を含み、それぞれの濃度が20質量%以下であり、フッ化水素酸を含まない液を用いることにより上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(i)酸化剤とフッ化水素酸とを含む第1液を、シリコン基板の被エッチング面に接触させることと、
第2液を、第1液が付着した状態の被エッチング面に接触させた後に、シリコン基板を得ることと、を含み、
第2液が、酸化剤とフッ化水素酸とを含み、フッ化水素酸の濃度が0.4質量%以下であり、酸化剤濃度(COxi(質量%))/フッ化水素酸濃度(CHF(質量%))の値が第1液よりも大きい液、又は、
酸化剤及び塩酸の少なくとも一方を含み、それぞれの濃度が20質量%以下であり、フッ化水素酸を含まない液である、エッチング処理されたシリコン基板の製造方法、
を提供する。
本発明によれば、所望する程度に低いコンタクト抵抗と所望する程度に高い開放電圧を示すセルを形成可能なシリコン基板を製造できる、エッチング処理されたシリコン基板の製造方法を提供することができる。
バックコンタクト型太陽電池セルを製造する際にエッチング対象として好ましく用いられるシリコン基板の一例の断面を模式的に示す図である。 図1に示されるシリコン基板において、絶縁層の一部が除去された状態を模式的に示す図である。 バックコンタクト型太陽電池セルを従来の方法により製造する過程で形成される積層体の断面を模式的に示す図である。 バックコンタクト型太陽電池セルを従来の方法により製造する過程で形成される積層体の断面を模式的に示す図である。 バックコンタクト型太陽電池セルの断面を模式的に示す図である。 従来の方法によりシリコン基板をエッチングする場合の、基板表面と、エッチングにより生じるパーティクルとの関係を模式的に示す図である。 本発明の方法によりシリコン基板をエッチングする場合の、基板表面と、エッチングにより生じるパーティクルとの関係を模式的に示す図である。
以下、エッチング処理されたシリコン基板の製造方法について説明する。
エッチング処理されたシリコン基板の製造方法は、
酸化剤とフッ化水素酸とを含む第1液を、シリコン基板の被エッチング面に接触させることと、
第2液を、第1液が付着した状態の被エッチング面に接触させた後に、シリコン基板を得ることと、を含む。
第2液は、酸化剤とフッ化水素酸とを含み、フッ化水素酸の濃度が0.4質量%以下であり、酸化剤及び塩酸の少なくとも一方の濃度(COxi(質量%))/フッ化水素酸濃度(CHF(質量%))の値が第1液よりも大きい液、又は、酸化剤及び塩酸の少なくとも一方を含み、それぞれの濃度が20質量%以下であり、フッ化水素酸を含まない液である。
第2液を、第1液が付着した状態の被エッチング面に接触させた後に、シリコン基板を得ることを、第1液と被エッチング面との接触の後に、被エッチング面に酸化ケイ素被膜を形成させた後に、シリコン基板を得ることに変えてもよい。
また、上記のエッチング処理されたシリコン基板の製造方法において、第2液を用いる接触処理後に、シリコン基板を、さらに、脱酸素水により洗浄するか、脱酸素雰囲気下で水により洗浄するのが好ましい。
以下、上記の、第1液をシリコン基板の被エッチング面に接触させる工程を「第1工程」と記す。上記の、第2液を、第1液が付着した状態の被エッチング面に接触させた後に、シリコン基板を得る工程を、「第2工程」と記す。第2工程で得られたシリコン基板を、脱酸素水により洗浄するか、脱酸素雰囲気下で水により洗浄する工程を「第3工程」と記す。
また、本出願の明細書及び特許請求の範囲において、「被エッチング面」は、第1工程におけるエッチング対象の面であるエッチング加工が施されていない面と、第1工程でのエッチング加工により生成した面との双方を意味する。
<第1工程>
第1工程として、まず、第1液を用いるシリコン基板の被エッチング面のエッチングが行われる。
第1液は、酸化剤とフッ化水素酸とを含む。第1液におけるフッ化水素酸の濃度は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。第1液におけるフッ化水素酸の濃度は、4質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下が特に好ましい。また、第1液におけるフッ化水素酸の濃度の下限は、良好にエッチングが進行する限り特に限定されない。第1液におけるフッ化水素酸の濃度の下限は、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましい。
また、第1液における、酸化剤濃度(COxi(質量%))と、フッ化水素酸の濃度(CHF(質量%))との比率は、酸化剤濃度/フッ化水素酸濃度の比率として、50〜300が好ましく、60〜280がより好ましく、70〜260が特に好ましい。
かかる第1液を用いることにより、被エッチング面のエッチングが、適切なエッチングレートで良好に進行する。
第1液に含まれる酸化剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲において特に限定されない。好適な酸化剤の具体例としては、硝酸、硫酸、オゾン、及び過酸化水素等が挙げられる。
第1液に含まれる溶媒は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、通常、水である。第1液は、本発明の目的を阻害しない範囲の量で、水溶性有機溶媒を含んでいてもよい。第1液に含まれる水としては、通常、半導体製品の製造に使用される純度の水が使用される。
第1液は、本発明の目的を阻害しない範囲で、通常、エッチング液に配合され得る、酸化剤及びフッ化水素酸以外の種々の成分を含んでいてもよい。
以上説明した第1液を、シリコン基板の被エッチング面に接触させる方法は特に限定されない。かかる方法としては、シリコン基板を、第1液に浸漬させる方法。被エッチング面上に、第1液を盛る液盛り法、被エッチング面に第1液をスプレーするスプレー法等が挙げられる。
以上説明した第1液を用いるエッチングにより、シリコン基板の被エッチング面が所望する深さまで掘り込まれて除去される。
<第2工程>
第1工程に次いで、第2工程において、第2液と、第1液が付着した状態の被エッチング面とを接触させた後に、シリコン基板を得る。
第1工程を含む方法により製造されるシリコン基板をバックコンタクト型太陽電池に適用する場合、所望する程度に低いコンタクト抵抗と所望する程度に高い開放電圧を示すセルを形成しにくい。
これは、エッチング及び洗浄時のパーティクルの発生と、パーティクルのシリコン基板表面(結晶シリコン基板表面)への付着によって、結晶シリコン基板上に、真性半導体層及び導電型半導体層とを設ける際に、真性半導体層が望ましい状態に製膜されにくくなり、それにともない、真性半導体層と結晶シリコン基板との間でのキャリアの再結合が増加してしまうためと考えられる。
しかし、第1工程と、第2工程とを組み合わせて実施することにより、シリコン基板のエッチング及び洗浄工程における、ケイフッ酸や、微細なSiO等のパーティクルの発生とパーティクルのシリコン基板への付着が抑制され、その結果、所望する程度に低いコンタクト抵抗と所望する程度に高い開放電圧を示すセルを形成可能なシリコン基板を製造できる。
第2液としては、酸化剤とフッ化水素酸とを含む液か、酸化剤及び塩酸の少なくとも一方を含み、フッ化水素酸を含まない液が使用される。
酸化剤とフッ化水素酸とを含む第2液におけるフッ化水素酸の濃度は、0.4質量%以下であり、0.2質量%以下がより好ましい。酸化剤とフッ化水素酸とを含む第2液におけるフッ化水素酸の濃度の下限は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、0.01質量%以上が好ましく、0.02質量%以上がより好ましい。
また、酸化剤とフッ化水素酸とを含む第2液における、酸化剤濃度(COxi(質量%))/フッ化水素酸濃度(CHF(質量%))の値が第1液よりも大きい。
酸化剤とフッ化水素酸とを含む第2液における、酸化剤濃度(COxi(質量%))/フッ化水素酸濃度(CHF(質量%))の値は、300以上が好ましく、320以上がより好ましく、340以上がより好ましい。
また、酸化剤濃度(COxi(質量%))/フッ化水素酸濃度(CHF(質量%))の値は、1000以下が好ましく、500以下がより好ましい。
酸化剤及び塩酸の少なくとも一方を含み、フッ化水素酸を含まない液も、第2液として好ましく使用される。
この場合、第2液中の酸化剤及び塩酸の濃度は、それぞれ20質量%以下である。
かかる第2液は、酸化剤又は塩酸の一方のみを含むのが好ましい。
フッ化水素酸を含まない第2液中の、酸化剤の濃度、又は塩酸の濃度は、上記の範囲内で適宜調整される。特に酸化剤の濃度は、酸化剤の種類を勘案したうえで、適宜調整される。
例えば、第2液が酸化剤として硝酸を含み、フッ化水素酸を含まない液である場合、第2液中の硝酸の濃度は、0.1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましく、2〜8質量%が特に好ましい。
第2液がオゾンを含み、フッ化水素酸を含まない液である場合、第2液中のオゾンの濃度は、0.1〜50質量ppmが好ましく、1〜30質量ppmがより好ましく、3〜15質量ppmが特に好ましい。
第2液が塩酸を含み、フッ化水素酸を含まない液である場合、第2液中の塩酸の濃度は、0.1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましく、2〜8質量%が特に好ましい。
第2液に含まれる酸化剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲において特に限定されない。好適な酸化剤の具体例としては、硝酸、硫酸、オゾン、及び過酸化水素等が挙げられる。
第2液は、本発明の目的を阻害しない範囲で、通常、エッチング液や、半導体加工に使用される洗浄液等に配合され得る、酸化剤、塩酸、及びフッ化水素酸以外の種々の成分を含んでいてもよい。
例えば、第2液は、酸化剤である過酸化水素に加えてアンモニアを含む、SC−1と通称される液であってもよい。
第2液に含まれる溶媒は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、通常、水である。第2液は、本発明の目的を阻害しない範囲の量で、水溶性有機溶媒を含んでいてもよい。第2液に含まれる水としては、通常、半導体製品の製造に使用される純度の水が使用される。
以上説明した第2液は、第1液に対して酸化剤及び塩酸の少なくとも一方を加えて調製されるのが好ましい。また、第1工程で使用された第1液に対して酸化剤及び塩酸の少なくとも一方を加えて、第2液が調製されてもよい。
第1液に対して酸化剤及び塩酸の少なくとも一方を加えて第2液を調整する場合、それぞれ全く組成の異なる第1液と、第2液とを別個に調整するよりも、第1液と、第2液との調製が容易である。
第1液で触れた状態のシリコン基板中の被エッチング面に、以上説明した第2液を接触させることにより、シリコン基板表面での微小なパーティクルの生成や、シリコン基板表面へのパーティクルの付着が抑制される。
第2液が酸化剤を含む場合、前述の通り、第2液は、第1液よりも、酸化剤濃度(COxi(質量%))/フッ化水素酸濃度(CHF(質量%))の値が大きい液であるか、酸化剤を含む酸化性の液体である。
このため、酸化剤を含む第2液が、第1液で濡れた状態のシリコン基板中の被エッチング面と接触すると、酸化剤による被エッチング面の酸化が進行し、酸化ケイ素の被膜が形成される。
また、第2液が塩酸を含む場合、塩酸にシリコン基板中の被エッチング面を直接酸化させる作用はないものの、塩酸が被エッチング面の酸化を促進させ、その結果、被エッチング面に酸化ケイ素の被膜が形成されると考えられる。
エッチングや洗浄により生じるパーティクルは、酸化ケイ素からなる表面には付着しにくい。このため、第1工程及び第2工程を含む方法によりシリコン基板のエッチング加工を行うことにより、エッチング加工後の被エッチング面へのパーティクル付着が抑制される。その結果、得られたシリコン基板をバックコンタクト型太陽電池の製造に適用すると、所望する程度に低いコンタクト抵抗と所望する程度に高い開放電圧を示すセルを形成可能である。
第1液で濡れた状態のシリコン基板中の被エッチング面を、第2液と接触させる方法は特に限定されない。かかる方法は、第1液と、シリコン基板中の被エッチング面とを接触させる方法と同様である。
なお、酸化ケイ素被膜を形成させる方法は特に限定されない。かかる方法としては、例えば、熱酸化、酸素プラズマによる処理等が挙げられる。すなわち、第1液とシリコン基板の被エッチング面とを接触の後に、この被エッチング面に、熱酸化、酸素プラズマによる処理等で酸化ケイ素被膜を形成させて、エッチング処理されたシリコン基板を得てもよい。
エッチングや洗浄により生じるパーティクルは、酸化ケイ素からなる表面には付着しにくい。このため、第1工程及び第2工程を含む方法によりシリコン基板のエッチング加工を行うことにより、エッチング加工後の被エッチング面へのパーティクル付着が抑制され、その結果、得られたシリコン基板をバックコンタクト型太陽電池の製造に適用すると、所望する程度に低いコンタクト抵抗と所望する程度に高い開放電圧を示すセルを形成可能である。
以上説明した、第1工程と、第2工程とを経て、エッチング処理を施されたシリコン基板が得られる。
なお、通常は、第2工程で得たシリコン基板を、洗浄し、次いで乾燥させた後、バックコンタクト型太陽電池等の種々の装置の製造に用いる。
エッチング処理を施されたシリコン基板の洗浄方法としては、純水による洗浄や、フッ化水素酸を含む水溶液による洗浄が好ましい。
フッ化水素酸を含む水溶液による洗浄は、水素パッシベーションされた清浄なシリコン基板表面を露出させることができる点で好ましい。
以下、第2工程で得たシリコン基板の好適な洗浄方法について、第3工程として説明する。
<第3工程>
第3工程では、第1工程と、第2工程とを経て得られたエッチング処理を施されたシリコン基板を、脱酸素水により洗浄するか、脱酸素雰囲気下で水により洗浄する。
脱酸素水による洗浄か、脱酸素雰囲気下での水による洗浄によれば、従来の洗浄方法と比較して、洗浄後のシリコン基板へのパーティクルの付着が軽減される。
また、脱酸素水により洗浄するか、脱酸素雰囲気下で水により洗浄した後、さらに、シリコン基板を、以下の1)又は2)の方法で洗浄するのが好ましい。
1)オゾン水で洗浄した後にフッ化水素酸を含む洗浄液で洗浄。
2)硝酸とフッ化水素酸とを含む洗浄液で洗浄
さらに、上記1)又は2)の方法による洗浄の前に、フッ化水素酸を含む洗浄液によりエッチング処理されたシリコン基板を洗浄するのも好ましい。
1)の洗浄によれば、オゾン水による酸化ケイ素被膜の形成と、フッ化水素酸を含む洗浄液による酸化ケイ素被膜の溶解とが生じ、エッチング処理を施されたシリコン基板における被エッチング面をより清浄にできる。
また、2)の洗浄によれば、シリコン基板の被エッチング面を硝酸により酸化して酸化ケイ素を生成させつつ、フッ化水素酸で酸化ケイ素を溶解させることができ、被エッチング面をより清浄にできる。
さらに、1)又は2)の洗浄の前に、フッ化水素酸を含む洗浄液によりエッチング処理を施されたシリコン基板を洗浄する場合、被エッチング面の酸化ケイ素被膜が溶解するため、清浄なシリコンが露出した表面を、1)又は2)の方法で洗浄することができる。
脱酸素水により洗浄されるか、脱酸素雰囲気下で水により洗浄されたシリコン基板を、上記方法により洗浄することにより、水素パッシベーションされた清浄なシリコン基板表面を露出させることができる。
以上説明した、第1工程と、第2工程とを経て得られたシリコン基板、又は第1工程と、第2工程と、第3工程とを経て得られたエッチング処理されたシリコン基板は、種々の用途に使用される。
特に、エッチング処理されたシリコン基板が、図3に示される構造を有する場合、当該シリコン基板はバックコンタクト型太陽電池の製造に好適に使用される。以下、第1の製造方法を含む、バックコンタクト型太陽電池の製造方法について説明する。
<バックコンタクト型太陽電池の製造方法>
図3に示される構造を有するエッチング処理されたシリコン基板103を用いて、バックコンタクト型太陽電池を製造する一般的な方法については、例えば、特許文献1に記載される。以下、図1〜図5を参照しつつ、図3に示される構造を有するシリコン基板103を用いてバックコンタクト型太陽電池を製造する方法について説明する。
バックコンタクト型太陽電池を製造する一般的な方法において、エッチング対象として用いられるシリコン基板101について、当該シリコン基板の面方向に対して垂直な断面を、図1に模式的に示す。
図1に示されるシリコン基板101では、結晶シリコン基板1において、一方の面(受光面側)に、真性半導体層2と、保護層4とがこの順で積層され、他方の面(裏面側)に、真性半導体層5aと、第1導電型半導体層6と、絶縁層8とがこの順で積層されている。
かかるシリコン基板101では、絶縁層8側の面である裏面が、被エッチング面である。
なお、本出願の明細書及び特許請求の範囲において、結晶シリコン基板上に、シリコンを主体とする半導体層が積層された積層体についても「シリコン基板」と称する。
シリコン基板101は、保護層4や、絶縁層8等のシリコンを主体としない層を備えていてもよい。
図1に示されるシリコン基板101を用いて、第1の製造方法により、図3に示される構造を有するバックコンタクト型太陽電池用のシリコン基板103を製造する場合、まず、被エッチング面のエッチング対象箇所に該当する箇所における絶縁層8が、常法に従って除去される。
典型的には、絶縁層8中の除去しない箇所をフォトレジストパターンでマスクした後、絶縁層8と、絶縁層8用の除去液とを接触させて、絶縁層8の除去が行われる。絶縁層8の一部が除去されたシリコン基板102の、当該シリコン基板102の面方向に対して垂直な断面を、図2に模式的に示す。
次いで、図2に示されるシリコン基板102において、第1導電型半導体層6及び真性半導体層5aの一部を、上述の第1の製造方法に従ってエッチングを行って除去して、結晶シリコン基板1の裏面の一部を露出させる。
つまり、絶縁層8の除去後、真性半導体層5a及び第1導電型半導体層6が、前述の第1液をエッチング液として用いるエッチングにより除去される。
ここで、被エッチング面は、第1導電型半導体層6が露出した面である。
かかるエッチングでは、ボロン等のドーパントを高濃度に含む、シリコンを主体とする半導体層のエッチングが行われる。かかる半導体層のエッチングには、酸化剤とフッ化水素酸とを含む第1液が使用される。
第1液を用いる、上記のエッチングプロセスは通常、等方性エッチングプロセスである。
かかる操作を経て、図3に示される、エッチング処理を施されたシリコン基板103が形成される。
図3に示されるシリコン基板103において、第1導電型半導体層6及び絶縁層8を含む裏面側の略全面に真性半導体層5b及び第二導電型半導体層7を形成する。次いで、第2導電型半導体層7及び真性半導体層5b及び絶縁層8の一部をエッチングによって除去し、第1導電型半導体層6を露出させる。
第2導電型半導体層7及び真性半導体層5bの一部は、第1の製造方法に従ってエッチングを行うことにより除去されるのが好ましい。
かかる操作を経て、図4に示されるシリコン基板104が形成される。
図4に示されるシリコン基板104において、第1導電型半導体層6及び第2導電型半導体層7上に、第1電極9を製膜した後、フォトリソグラフィ法により第1電極9を第1電極9aと第1電極9bとに分断する。分断された第1電極9aと第1電極9b上に、それぞれ第2電極10aと第2電極10bとが形成されることで、図5に示される構造を含むバックコンタクト型太陽電池105が製造される。
≪効果の説明≫
以下、以上説明した本発明にかかる方法によりもたらされる効果を、図6及び図7を参照しながら説明する。
図6及び図7では、単結晶シリコン層11と、アモルファスシリコン層12とが積層されたシリコン基板のエッチングを例に、効果を説明する。
(従来の方法)
図6では、従来の方法について説明する。図6では、図6(a)に示されるシリコン基板が、フッ化水素酸と硝酸等の酸化剤とを含むエッチング液を用いてエッチングされることでアモルファスシリコン層12が除去され、図6(b)に示されるように単結晶シリコン層11の表面が露出する。
しかし、図6(b)に示されるように。エッチング時、及びエッチング後の水洗時には、通常、シリコンの微小なパーティクル13が生成する。かかるパーティクル13は、図6(c)に示されるように、シリコンの表面(単結晶シリコン層11の表面)に非常に付着しやすい。
図6(c)に示されるようなパーティクル13が付着した基板(単結晶シリコン層12)は、酸化剤を含む洗浄液で洗浄されるが、図6(d)に示されるように、洗浄後もかなりの量のパーティクルが残存してしまう。
このようにパーティクルが表面に付着した状態の単結晶シリコン基板を太陽電池の製造に用いると、単結晶シリコン基板上に真性半導体層及び導電型半導体層とを設ける際に、真性半導体層と単結晶シリコン基板と間の再結合が増加すると共に、真性半導体層を望ましい状態に製膜しにくい。
その結果、所望する程度に低いコンタクト抵抗と所望する程度に高い開放電圧を示す太陽電池セルを得にくい。
(本願発明にかかる方法)
図7では、本願発明にかかる方法について説明する。図7では、図7(a)に示されるシリコン基板が、前述の第1液をエッチング液として用いてエッチングされることでアモルファスシリコン層12が除去される。
第1の方法では、エッチングによりパーティクル13が生成する一方で、エッチング後に、第2液を基板(単結晶シリコン層12)に接触させることで、図7(b)に示されるように、基板表面に酸化ケイ素被膜14が形成される。
ここで、第1液へ基板を浸漬してエッチングを行う場合、エッチングの進行後、基板が第1液に浸漬された状態で第1液の組成を調整して、第1液から第2液を調製することで、基板表面により清浄な酸化ケイ素被膜14を形成することができる。
ここで、酸化ケイ素被膜14には、パーティクル13が付着しにくい。
その結果、図7(b)に示される状態の基板を水等で洗浄することにより、図7(c)に示されるように、パーティクル13の大部分が除去される。
なお、図7(b)に示される状態の基板の洗浄を、脱酸素水により行うか、脱酸素雰囲気下で水により行う場合、よりパーティクルを除去しやすい。
図7(c)に示される洗浄後の基板を、酸化剤を含む洗浄液により洗浄することにより、酸化ケイ素被膜14が除去され、パーティクル付着が抑制された清浄な表面を有するエッチングされたシリコン基板が得られる。
かかる洗浄は、前述の通り、フッ化水素酸を含む第1洗浄液を用いる洗浄と、第1洗浄後のオゾン水であるか、硝酸とフッ化水素酸とを含む液である、酸化剤を含む第2洗浄液を用いる洗浄とを含む方法で行われるのが好ましい。
かかる方法により、図7(c)に示される基板を洗浄することにより、図7(d)に示される基板として、パーティクル付着がより抑制されており、且つ、水素パッシベーションされた清浄の表面を備える基板が得られる。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
以下の方法に従って、図5に示される構造を有するバックコンタクト型太陽電池を作製した。
結晶シリコン基板1として厚みが200μmの表面テクスチャ形成済みのn型単結晶シリコン基板を用いた。原子間力顕微鏡(AFM、パシフィックナノテクノロジー社製)により、この結晶シリコン基板1の表面観察を行ったところ、(111)面が露出したピラミッド型のテクスチャが形成されていた。
上記の結晶シリコン基板1がCVD装置へ導入され、受光面(第二主面)側に真性半導体層2として真性非晶質シリコン層が10nmの膜厚で製膜された。次いで、真性半導体層2の上に受光面側保護層4として窒化シリコン層が60nmの膜厚で製膜された。
同様に、裏面(第1主面)側に真性半導体層5aとして真性非晶質シリコン層が10nmの膜厚で製膜された。次いで、真性半導体層5aの上に第1導電型半導体層6としてp型シリコン層が10nmの膜厚で製膜された。さらに第1導電型半導体層6上に、絶縁層8として酸化ケイ素層が60nmの膜厚で製膜された。このようにして、図1に示される層構造のシリコン基板101を得た。
<第1工程>
次に、図1に示されるシリコン基板101において、絶縁層8上にフォトレジストを用いてフォトリソグラフィ法によりエッチングマスクを形成した後、絶縁層8の一部をHF水溶液を用いて除去した。
絶縁層8の一部の除去後、常法に従い、エッチングマスクを剥離、除去した。このようにして、図2に示される層構造のシリコン基板102を得た。
さらに、シリコン基板102を、第1液(HF及びHNOの混酸、HF濃度1質量%、濃度(質量%)比率:HNO/HF=70)に浸漬させて、第1導電型半導体層6及び真性半導体層5aの一部(絶縁層8が除去された面)に対する等方性エッチングを行い、結晶シリコン基板1の第1主面を露出させた。エッチング処理を経て得られたシリコン基板103は、図3に示される構造を有する。
<第2工程>
等方性エッチングを行った後、エッチングされたシリコン基板103を、第1液に濡れた状態で、水洗等の洗浄処理を行うことなく、第2液(HF及びHNOの混酸、HF濃度0.2質量%、濃度(質量%)比率:HNO/HF=340)に速やかに浸漬した。
<第3工程>
続いて、脱酸素雰囲気下で純水にてシリコン基板103の洗浄を行った後、エアブローによりシリコン基板103を乾燥させた。
その後、シリコン基板103を濃度5質量ppmのオゾン水、濃度1質量%のHF水溶液で順に洗浄した。
洗浄後、シリコン基板103をCVD装置へ導入して、絶縁層8を含む第1主面側に、真性半導体層5bとして真性非晶質シリコン層が8nmの膜厚で製膜された。
真性半導体層5b上に第2導電型半導体層7としてn型非晶質シリコン層が12nmの膜厚で製膜された。
このようにして形成された第2導電型半導体層7上に、フォトレジストを用いてフォトリソグラフィ法によりエッチングマスクを形成した後、第2導電型半導体層7及び真性半導体層5bの一部をエッチングにより除去した。
続けて、第2導電型半導体層7及び真性半導体層5bの除去により露出した箇所の絶縁層8を、HF水溶液によって除去し、第1導電型半導体層6の表面の一部を露出させた。
絶縁層8の一部の除去後、常法に従い、エッチングマスクを剥離、除去した。
エッチング処理を経て得られたシリコン基板104は、図4に示される構造を有する。
次に、第1導電型半導体層6及び第2導電型半導体層7が形成された第1主面の略全面に、第1電極として、酸化インジウム錫(ITO、屈折率:1.9)層が80nmの膜厚で製膜された。
このようにして形成された第1電極上に、フォトレジストを用いてフォトリソグラフィ法により、絶縁層8が第1電極と接する位置と、絶縁層8が真性半導体層5bと接触する位置との略中間の位置に開口が形成されるように、エッチングマスクを形成した後、第1電極の一部を塩酸を用いるエッチングにより除去し、第1電極を、第1電極9aと、第1電極9bとに分離した。
第1電極の分離後、第1電極の除去により露出した個所の、第2導電型半導体層7と真性半導体層5bとをHF水溶液によって除去し、第1電極の分離により生じた空間に絶縁層8を露出させた。
第2導電型半導体層7と真性半導体層5bとの除去後、常法に従い、エッチングマスクを剥離、除去した。
最後に、第1電極9a及び第1電極9b上に、Agペーストのスクリーン印刷によって、第2電極10a及び第2電極10bを形成した。以上のようにして、図5に示される構造を有するバックコンタクト型太陽電池105を製造した。
得られた太陽電池について、短絡電流Isc、開放電圧Voc、曲率因子FF、及び変換効率Effを求めた。
後述する、比較例1の太陽電池の短絡電流Isc、開放電圧Voc、曲率因子FF、及び変換効率Effの値を1.000とした場合の、実施例1の太陽電池の短絡電流Isc、開放電圧Voc、曲率因子FF、及び変換効率Effの値を表1に記す。
〔比較例1〕
第2工程を行わなかったことの他は、実施例1と同様にして、バックコンタクト型太陽電池105を得た。
〔実施例2〕
シリコン基板103が第1液に浸漬されており第1液が張り込まれた槽に硝酸を加えて、槽中の第1液から第2液(HF及びHNOの混酸、HF濃度0.2質量%、濃度(質量%)比率:HNO/HF=340)を調製して、第2工程を行うことの他は、実施例1と同様にして、バックコンタクト型太陽電池105を得た。
得られた太陽電池について、短絡電流Isc、開放電圧Voc、曲率因子FF、及び変換効率Effを求めた。
後述する、比較例1の太陽電池の短絡電流Isc、開放電圧Voc、曲率因子FF、及び変換効率Effの値を1.000とした場合の、実施例2の太陽電池の短絡電流Isc、開放電圧Voc、曲率因子FF、及び変換効率Effの値を表1に記す。
〔実施例3〕
濃度5ppmのオゾン水での洗浄の直前に、シリコン基板103を濃度1質量%のHF水溶液に浸漬して洗浄することの他は、実施例1と同様にして、バックコンタクト型太陽電池105を得た。
得られた太陽電池について、短絡電流Isc、開放電圧Voc、曲率因子FF、及び変換効率Effを求めた。
後述する、比較例1の太陽電池の短絡電流Isc、開放電圧Voc、曲率因子FF、及び変換効率Effの値を1.000とした場合の、実施例3の太陽電池の短絡電流Isc、開放電圧Voc、曲率因子FF、及び変換効率Effの値を表1に記す。
〔実施例4〕
第2液を、HF及びHNOの混酸(HF濃度0.2質量%、濃度(質量%)比率:HNO/HF=340)から、HCl水溶液(濃度5質量%)に変えることの他は、実施例1と同様にして、バックコンタクト型太陽電池105を得た。
得られた太陽電池について、短絡電流Isc、開放電圧Voc、曲率因子FF、及び変換効率Effを求めた。
後述する、比較例1の太陽電池の短絡電流Isc、開放電圧Voc、曲率因子FF、及び変換効率Effの値を1.000とした場合の、実施例4の太陽電池の短絡電流Isc、開放電圧Voc、曲率因子FF、及び変換効率Effの値を表1に記す。
〔実施例5〕
第2液を、HF及びHNOの混酸(HF濃度0.2質量%、濃度(質量%)比率:HNO/HF=340)から、HNO水溶液(濃度5質量%)に変えることの他は、実施例1と同様にして、バックコンタクト型太陽電池105を得た。
得られた太陽電池について、短絡電流Isc、開放電圧Voc、曲率因子FF、及び変換効率Effを求めた。
後述する、比較例1の太陽電池の短絡電流Isc、開放電圧Voc、曲率因子FF、及び変換効率Effの値を1.000とした場合の、実施例5の太陽電池の短絡電流Isc、開放電圧Voc、曲率因子FF、及び変換効率Effの値を表1に記す。
Figure 2018050005
第2工程を行うことなく製造された比較例1のバックコンタクト型太陽電池と比較して、第2工程を含む工程により製造された実施例で得たバックコンタクト型太陽電池は、Isc、Voc、FF、及びEffのいずれも良好であり、特にFFが顕著に優れることが分かる。
具体的には、結晶シリコン基板1の表面にパーティクルが付着する場合、パーティクル付近でのデガスにより、真性半導体層5bにC、O、N等の不純物が入り込み再結合が生じやすい。
また、真性半導体層5bが結晶シリコン基板1と密着して製造されない場合、パッシベーション不良等が生じ、再結合増加による電流、電圧の低下、ひいてはFFの低下が生じてしまう。
以上の理由から、実施例では、第1工程でのエッチングに次いで、通常の洗浄工程を行うことなく第2工程を行うことにより、パーティクルの発生と、パーティクルのシリコン基板への付着が低減され、これにより、真性半導体層5bと第2導電型半導体層7(n型非晶質シリコン層)との製膜時に、真性半導体層5bと結晶シリコン基板1との間の再結合が減少し、真性半導体層5bの製膜が良好に行われたと考えられる。
結果的に再結合電流とシリーズ抵抗どちらの面でも効果があったと考えられる。
実施例2ではシリコン基板を第1液(エッチング液)に浸漬させた状態のまま、第1液に硝酸を加えて第2液バッファプロセス液を調製した。実施例2で得たバックコンタクト型太陽電池のFFは、実施例1で得たバックコンタクト型太陽電池のFFよりも良好であることから、実施例2に記載の方法に従った第2工程によれば、よりパーティクル付着が少ない清浄なシリコン基板を製造できることが分かる。
実施例3では、第1液及び第2液で処理されたシリコン基板を、オゾン水で洗浄する直前にHF水溶液に浸漬した。実施例3で得たバックコンタクト型太陽電池のFFは、実施例1で得たバックコンタクト型太陽電池のFFよりもやや良好であることから、実施例3の洗浄方法は、実施例1での洗浄方法よりも若干洗浄効果が高いと思われる。
実施例4では酸化剤の代替として塩酸を用いたが、実施例1で得たバックコンタクト型太陽電池には劣るものの、比較例1で得たバックコンタクト型太陽電池のFFよりも、実施例4で得たバックコンタクト型太陽電池のFFのほうが良好であった。
実施例5ではHFを含まず酸化剤のみを含む第2液を用いたが、実施例1で得たバックコンタクト型太陽電池には劣るものの、比較例1で得たバックコンタクト型太陽電池のFFよりも、実施例5で得たバックコンタクト型太陽電池のFFのほうが良好であった。
1 結晶シリコン基板
2 真性半導体層
4 受光面側保護層
5a,5b 真性半導体層
6 第1導電型半導体層
7 第2導電型半導体層
8 絶縁層
9 第1電極
10a,10b 第2電極
11 単結晶シリコン層
12 アモルファスシリコン層
13 パーティクル
14 酸化ケイ素被膜

Claims (6)

  1. 酸化剤とフッ化水素酸とを含む第1液を、シリコン基板の被エッチング面に接触させることと、
    第2液を、前記第1液が付着した状態の前記被エッチング面に接触させた後に、前記シリコン基板を得ることと、を含み、
    前記第2液が、酸化剤とフッ化水素酸とを含み、フッ化水素酸の濃度が0.4質量%以下であり、酸化剤濃度(COxi(質量%))/フッ化水素酸濃度(CHF(質量%))の値が前記第1液よりも大きい液、又は、
    酸化剤及び塩酸の少なくとも一方を含み、それぞれの濃度が20質量%以下であり、フッ化水素酸を含まない液である、エッチング処理されたシリコン基板の製造方法。
  2. 前記第2液が、前記第1液に前記酸化剤及び前記塩酸の少なくとも一方を加えて調製される、請求項1に記載のエッチング処理されたシリコン基板の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法によりエッチング処理された前記シリコン基板を製造し、次いで、脱酸素水により前記シリコン基板を洗浄することを含む、請求項1又は2に記載のエッチング処理されたシリコン基板の製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載の製造方法によりエッチング処理された前記シリコン基板を製造し、次いで、脱酸素雰囲気下で水により前記シリコン基板を洗浄することを含む、請求項1又は2に記載のエッチング処理されたシリコン基板の製造方法。
  5. 前記脱酸素水で洗浄されるか、前記脱酸素雰囲気下で前記水により洗浄された前記シリコン基板を、さらに、以下1)又は2):
    1)オゾン水で洗浄した後にフッ化水素酸を含む洗浄液で洗浄、
    2)硝酸とフッ化水素酸とを含む洗浄液で洗浄
    の方法により洗浄することを含む、請求項4に記載のエッチング処理されたシリコン基板の製造方法。
  6. 前記脱酸素水で洗浄されるか、前記脱酸素雰囲気下で前記水により洗浄された前記シリコン基板を、前記1)又は2)の方法で洗浄する前に、フッ化水素酸を含む洗浄液により洗浄することを含む、請求項5に記載のエッチング処理されたシリコン基板の製造方法。
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