JP2018049865A - 被覆層付光半導体素子および蛍光体層−被覆層付光半導体素子の製造方法 - Google Patents

被覆層付光半導体素子および蛍光体層−被覆層付光半導体素子の製造方法 Download PDF

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亮太 三田
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【課題】 光の取出効率に優れる被覆層付光半導体素子の製造方法、および、蛍光体層−被覆層付光半導体素子の製造方法を提供すること。【解決手段】この方法は、電極が設けられる第1下面11、第1下面11に対向する第1上面12、および、第1下面11と第1上面12との周端縁を連結する第1側面13を有する光半導体素子1と、光半導体素子1の第1側面13に接触する光反射層2とを備える光反射層付光半導体素子10の製造方法である。この方法は、光半導体素子1を用意する第1工程と、光反射層2を、光半導体素子1の第1側面13に形成する第2工程と、第2工程において第1上面12に付着する付着部分5を除去する第3工程とを備える。第2工程において第1上面12に付着する付着部分5の厚みTが、50μm以下である。光反射層2の、JIS B 0601(2009)に従って測定される算術平均粗さRaが、10μm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、被覆層付光半導体素子および蛍光体層−被覆層付光半導体素子の製造方法、詳しくは、被覆層付光半導体素子の製造方法、および、それにより得られる被覆層付光半導体素子を用いて蛍光体層−被覆層付光半導体素子を製造する蛍光体層−被覆層付光半導体素子の製造方法に関する。
従来、発光素子の側面に、光反射性粒子および透光性樹脂を含有する被覆部材を配置する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、まず、複数の発光素子を基板に対してフリップチップ実装し、その後、ディスペンサ(液体定量吐出装置)により、光反射性粒子を含有する液状の樹脂を複数の発光素子の間にポッティング(滴下)することにより、被覆部材を各発光素子の側面に配置している。
特開2010−238846号公報
しかし、特許文献1の方法では、液状の樹脂の性状および量によって、被覆部材が、発光素子の上面に付着する場合がある。その場合には、発光素子から上側に向かって発光された光は、上面に付着した被覆部材により吸収されるため、効率的に外部に取り出されないという不具合がある。
本発明の目的は、光の取出効率に優れる被覆層付光半導体素子の製造方法、および、蛍光体層−被覆層付光半導体素子の製造方法を提供することにある。
本発明(1)は、電極が設けられる第1下面、前記第1下面に対向する第1上面、および、前記第1下面と前記第1上面との周端縁を連結する第1側面を有する光半導体素子と、前記光半導体素子の第1側面に接触する被覆層とを備える被覆層付光半導体素子の製造方法であり、前記光半導体素子を用意する第1工程と、前記被覆層を、前記光半導体素子の前記第1側面に形成する第2工程と、前記第2工程において前記第1上面に付着する前記被覆層を除去する第3工程とを備え、前記第2工程において前記第1上面に付着する前記被覆層の厚みTが、50μm以下であり、前記第2工程における前記被覆層の上面の、JIS B 0601(2009)に従って測定される算術平均粗さRaが、10μm以下である、被覆層付光半導体素子の製造方法を含む。
この製造方法によれば、第3工程では、第2工程において第1上面に付着する被覆層を除去するので、光半導体素子から発光された光を効率的に取り出すことができる。
また、第2工程において第1上面に付着する被覆層の厚みTが、50μm以下であるので、第2工程において第1上面に付着する被覆層を確実に除去することができる。
また、第2工程における前記被覆層の上面の、JIS B 0601(2009)に従って測定される算術平均粗さRaが、10μm以下であるので、第2工程において第1上面に付着する被覆層を確実に除去することができる。
本発明(2)は、前記第3工程では、前記第2工程において前記第1上面に付着する前記被覆層を、感圧接着シートを用いて、前記第1上面から引き剥がす、(1)に記載の被覆層付光半導体素子の製造方法を含む。
この製造方法によれば、第3工程で、第2工程において第1上面に付着する被覆層を、感圧接着シートを用いて、第1上面から引き剥がすので、上記した第1上面に付着する被覆層を簡易かつ確実に除去することができる。
本発明(3)は、前記被覆層は、熱硬化性樹脂を含有し、前記第3工程における前記被覆層が、完全硬化前である、(1)または(2)に記載の被覆層付光半導体素子の製造方法を含む。
この製造方法によれば、被覆層は、熱硬化性樹脂を含有し、第3工程における被覆層が、完全硬化前であるため、所望の弾性率を有する被覆層を確実に除去することができる。
本発明(4)は、前記第2工程において前記第1上面に付着する前記被覆層の厚みTが、3μm以上である、(1)〜(3)のいずれか一項に記載の被覆層付光半導体素子の製造方法を含む。
この製造方法によれば、第2工程において第1上面に付着する被覆層の厚みTが、3μm以上であるので、第2工程において第1上面に付着する被覆層をより確実に除去することができる。
本発明(5)は、前記第2工程における前記被覆層の上面の前記算術平均粗さRaが、1μm以上である、(1)〜(4)のいずれか一項に記載の被覆層付光半導体素子の製造方法を含む。
この製造方法によれば、第2工程における被覆層の上面の、JIS B 0601(2009)に従って測定される算術平均粗さRaが、1μm以上であるので、第2工程において第1上面に付着する被覆層を確実に除去することができる。
本発明(6)は、前記被覆層および前記光半導体素子間の剥離強度が、1(N/20mm)以下である、(1)〜(5)のいずれか一項に記載の被覆層付光半導体素子の製造方法を含む。
この製造方法によれば、被覆層および光半導体素子間の剥離強度が、1(N/20mm)以下であるので、第2工程において第1上面に付着する被覆層をより確実に除去することができる。
本発明(7)は、前記第3工程では、除去後の前記被覆層の上面が、前記光半導体素子の前記第1上面より、上側に配置されている、(1)〜(6)のいずれか一項に記載の被覆層付光半導体素子の製造方法を含む。
この製造方法によれば、第3工程において、除去後の被覆層の上面が、光半導体素子の第1上面より、上側に配置されているので、光半導体素子から上方斜め側方に発光された光を、被覆層を機能させて効率的に取り出すことができる。
本発明(8)は、前記第2工程では、前記被覆層を形成するための被覆材料からシート状に形成される被覆シートにより、前記光半導体素子を埋設する、(1)〜(7)のいずれか一項に記載の被覆層付光半導体素子の製造方法を含む。
第2工程では、被覆層を形成するための被覆材料からシート状に形成される被覆シートにより光半導体素子を埋設すると、被覆材料が光半導体素子の第1上面に不可避的に付着する。
しかし、この方法では、第2工程において第1上面に付着する被覆層の厚みTが、50μm以下であり、第2工程における被覆層の上面の、JIS B 0601(2009)に従って測定される算術平均粗さRaが、10μm以下であるので、第2工程において第1上面に付着する被覆層を確実に除去できる。
また、第2工程では、被覆層を形成するための被覆材料からシート状に形成される被覆シートにより光半導体素子を埋設するので、被覆層を、光半導体素子の第1側面に簡単に形成できる。
本発明(9)は、前記第1工程では、前記光半導体素子を、互いに間隔を隔てて複数配置し、前記第2工程では、前記被覆層を形成するための被覆材料からシート状に形成される被覆シートを前記第1上面に配置するとともに、前記被覆シートを、互いに隣接する前記光半導体素子の隙間に充填し、前記第3工程では、前記第2工程において複数の前記光半導体素子の前記第1上面に付着する前記被覆層を除去する、(1)〜(8)のいずれか一項に記載の被覆層付光半導体素子の製造方法を含む。
この製造方法によれば、第2工程において複数の第1上面に付着する被覆層を効率的に除去することができる。
本発明(10)は、前記第2工程の除去後の前記被覆層は、前記光半導体素子の第1側面に接触する第2側面、および、前記第2側面の上端縁から、前記第1側面と離れる方向に延びる第2上面を有し、(1)〜(9)のいずれか一項に記載の被覆層付光半導体素子の製造方法により被覆層付光半導体素子を製造する工程と、蛍光体層を、前記第1上面と前記第2上面とに形成する工程とを備える、蛍光体層−被覆層付光半導体素子の製造方法を含む。
この製造方法によれば、蛍光体層を、第1上面と第2上面とに形成するため、光半導体素子から発光され、蛍光体層によって波長変換された光を効率的に放出することができる。
本発明の被覆層付光半導体素子の製造方法によれば、光の取出効率に優れる被覆層付光半導体素子を製造することができる。
本発明の蛍光体層−被覆層付光半導体素子の製造方法によれば、蛍光体層によって波長変換された光を効率よく放出することができる蛍光体層−被覆層付光半導体素子を製造することができる。
図1A〜図1Dは、本発明の被覆層付光半導体素子の製造方法の一実施形態である光反射層付光半導体素子の製造方法の工程図であり、図1Aが、光半導体素子を用意する第1工程、図1Bが、光反射層を形成する第2工程、図1Cが、付着部分を除去する第3工程、図1Dが、光反射層付光半導体素子を個片化する第4工程を示す。 図2Aおよび図2Bは、複数の光半導体素子および複数の光反射層付光半導体素子の平面図であって、図2Aが、図1Aに対応する複数の光半導体素子の平面図、図2Bが、図1Dに対応する複数の光反射層付光半導体素子の平面図を示す。 図3は、図1Dに示す光反射層付光半導体素子を基板に実装する工程を示す。 図4は、図4Aおよび図4Bは、本発明の蛍光体層−被覆層付光半導体素子の製造方法の一実施形態である蛍光体層−光反射層付光半導体素子の製造方法の工程図であり、図4Aが、蛍光体層を形成する工程、図4Bが、蛍光体層−光反射層付光半導体素子を個片化する工程を示す。 図5は、図4Bに示す蛍光体層−光反射層付光半導体素子を基板に実装する工程を示す。 図6は、光反射層付光半導体素子の製造方法の変形例(光半導体素子が1つである態様)の工程図であり、図6Aが、光半導体素子を用意する第1工程、図6Bが、光反射層を形成する第2工程、図6Cが、付着部分を除去する第3工程、図6Dが、蛍光体層を形成する工程を示す。 図7は、光反射層付光半導体素子の製造方法の変形例(付着部分を除去した後の、光反射層の上面と、光半導体素子の上面とが、厚み方向において同一位置である態様)によって製造される光反射層付光半導体素子の概略図である。 図8A〜図8Dは、光反射層付光半導体素子の製造方法の変形例(付着部分を除去した後の、光反射層の上面を、光半導体素子の上面に対して、下側に配置する態様)である光反射層付光半導体素子の製造方法の部分工程図であり、図8Aおよび図8Bが、光反射層を形成する第2工程、図8Cが、付着部分を除去する第3工程、図8Dが、光反射層付光半導体素子を個片化する第4工程を示す。 図9は、光蛍光体層−光反射層付光半導体素子の製造方法の変形例(蛍光体層の上面に、光拡散層または透明層を配置する態様)によって製造される蛍光体層−光反射層付光半導体素子の概略図である。
<一実施形態>
本発明の被覆層付光半導体素子の製造方法の一実施形態を、図1A〜図1Dを用いて説明する。
この被覆層付光半導体素子の製造方法は、図1Dに示すように、光半導体素子1と、光半導体素子1の一部を被覆する被覆層の一例としての光反射層2とを備える光反射層付光半導体素子10を製造するための方法である。
1.光反射層付光半導体素子
光半導体素子1は、例えば、電気エネルギーを光エネルギーに変換するLEDやLDである。光半導体素子1は、例えば、サファイアなどの半導体材料からなる。好ましくは、光半導体素子1は、青色光を発光する青色LED(発光ダイオード素子)である。一方、光半導体素子1は、光半導体素子1とは技術分野が異なるトランジスタなどの整流器(半導体素子)を含まない。
光半導体素子1は、上下方向に直交する面方向(前後方向および左右方向)に延びる平面視略矩形板(シート)形状を有している。
光半導体素子1は、第1下面11、第1上面12、および、第1側面13を有している。
第1下面11は、図示しない電極が設けられる電極面である。
第1上面12は、第1下面11に対して上側に間隔を隔てて対向配置されている。第1上面12は、第1下面11と同じサイズを有し、面方向に平坦な形状を有する。
第1側面13は、第1下面11の周端縁と第1上面12との周端縁を上下方向に連結している。
光半導体素子1の寸法は、適宜設定されており、具体的には、厚み(上下方向長さ)が、例えば、10μm以上、好ましくは、50μm以上であり、また、例えば、1000μm以下、好ましくは、700μm以下である。光半導体素子1の面方向における一辺の長さは、例えば、0.2mm以上、好ましくは、0.5mm以上であり、また、例えば、3.00mm以下、好ましくは、2.00mm以下である。
光反射層2は、光半導体素子1から発光された光を反射する層である。光反射層2は、後述する光反射樹脂組成物から調製されている。
光反射層2は、光半導体素子1の第1側面13を被覆する。光反射層2は、上下方向に延びる略角筒形状を有する。光反射層2は、光半導体素子1の第1側面13に接触する第2側面の一例としての内周面21、内周面21の下端縁から、第1側面13と離れるように水平方向に延びる第2下面22、内周面21の上端縁から、第1側面13と離れるように水平方向に延びる第2上面23、および、内周面21に対して、第1側面13と離れる方向に間隔を隔てて対向配置される外周面24を有する。
光反射層2の内周面21は、上下方向に沿う平坦面を有する。内周面21の上端部以外の部分は、光半導体素子1の第1側面13に接触する。一方、内周面21の上端部は、光半導体素子1から露出している。
光反射層2の第2下面22は、光半導体素子1の第1下面11に連続する。第2下面22は、光半導体素子1の第1下面11の周端縁から外側(光半導体素子1から離れるように水平方向)に延びる底面視略矩形枠形状を有する。
光反射層2の第2上面23は、平面視略矩形枠形状を有する。第2上面23は、光半導体素子1の第1上面12より上側に位置する。具体的には、第2上面23は、光半導体素子1の第1上面12に連続せず、光半導体素子1の第1上面12の周端縁(外端縁)より上側に位置する。
光反射層2の外周面24は、第2下面22の外周端縁と、第2上面23の外周端縁とを上下方向に連続している。外周面24は外側に露出している。
2.光反射層付光半導体素子の製造方法
この光反射層付光半導体素子10の製造方法は、光半導体素子1を用意する第1工程(図1A参照)と、光反射層2を、光半導体素子1の第1側面13に形成する第2工程(図1B参照)と、第2工程において第1上面12に付着する光反射層2(後述する付着部分5)を除去する第3工程(図1C参照)と、隣接する光半導体素子1間の光反射層2を切断して、光反射層付光半導体素子10を個片化する第4工程(図1D参照)とを備える。
(1)第1工程
図1Aおよび図2Aに示すように、第1工程では、光半導体素子1を用意する。
光半導体素子1は、剥離シート3の上面に互いに面方向に間隔を隔てて複数整列配置されて、用意される。
剥離シート3としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム(PETなど)などのポリマーフィルム、例えば、セラミックスシート、例えば、金属箔などが挙げられる。また、剥離シート3の上面は、例えば、剥離処理が施されていてもよい。剥離シート3の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、2,000μm以下、好ましくは、1,000μm以下である。
第1工程において、光半導体素子1を用意するには、まず、複数の光半導体素子1および剥離シート3のそれぞれを用意する。次いで、複数の光半導体素子1を剥離シート3に載置する。具体的には、光半導体素子1の第1下面11を剥離シート3の上面に接触させる。
図2が参照されるように、平面視において、複数の光半導体素子1の総面積の、最外側に配置される光半導体素子1の第1側面13に沿う仮想線Lによって囲まれる素子領域(複数の光半導体素子1全てを包含する領域)の面積に対する割合は、例えば、10%以上、好ましくは、20%以上であり、また、例えば、95%以下、好ましくは、90%以下、より好ましくは、80%以下である。
(2)第2工程
第2工程では、図1Bに示すように、光反射層2を、光半導体素子1の第1側面13に形成する。
例えば、光反射層2を形成するための被覆材料からシート状に形成される被覆シートにより、光半導体素子1を埋設する。
具体的には、まず、図1Aの上側図に示すように、被覆シートの一例としての光反射シート4を用意する。
光反射シート4は、光反射層2を形成するための被覆材料の一例としての光反射樹脂組成物から、面方向に延びる略平板(シート)形状に形成される。光反射樹脂組成物は、例えば、光反射成分、粒子および樹脂を含有する。
光反射成分は、光半導体素子1から側方に向かって発光された光を上方に反射するための成分である。
光反射成分としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムなどの酸化物、例えば、鉛白(塩基性炭酸鉛)、炭酸カルシウムなどの炭酸塩、例えば、カオリンなどの粘土鉱物などの、無機物粒子が挙げられる。好ましくは、酸化チタンが挙げられる。光反射性粒子の平均粒子径は、例えば、0.25μm以上、好ましくは、1μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下でもある。
光反射成分の屈折率は、例えば、2.0以上、好ましくは、2.5以上であり、また、例えば、5.0以下である。また、光反射成分の屈折率は、次に説明する樹脂との屈折率差が、例えば、0.5以上、好ましくは、0.75以上、より好ましくは、1以上、また、例えば、5以下となるように、調整される。
光反射成分の配合割合は、光反射樹脂組成物に対して、例えば、1質量%以上、好ましくは、5質量%以上であり、また、例えば、70質量%以下、好ましくは、50質量%以下である。
粒子は、後述する第2工程における光反射層2の上面23の算術平均粗さRaが比較的高い所望範囲となるように、光反射樹脂組成物に配合される微小凹凸付与成分である。また、粒子は、光反射層2の強化や、光反射樹脂組成物を増量させるために、光反射樹脂組成物に任意的に配合されるフィラーでもある。
そのような粒子として、例えば、無機粒子、有機粒子などから選択される。
無機粒子としては、例えば、シリカ(SiO)、タルク(Mg(Si10)(HO))、アルミナ(Al)、酸化ホウ素(B)、酸化カルシウム(CaO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化バリウム(BaO)、酸化アンチモン(Sb)などの酸化物、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si)などの窒化物などの無機物粒子(無機物)が挙げられる。また、無機粒子として、例えば、上記例示の無機物から調製される複合無機物粒子が挙げられ、具体的には、酸化物から調製される複合無機酸化物粒子(具体的には、ガラス粒子など)が挙げられる。
有機粒子としては、例えば、アクリル系樹脂粒子、スチレン系樹脂粒子、アクリル−スチレン系樹脂粒子、シリコーン系樹脂粒子、ポリカーボネート系樹脂粒子、ベンゾグアナミン系樹脂粒子、ポリオレフィン系樹脂粒子、ポリエステル系樹脂粒子、ポリアミド系樹脂粒子、ポリイミド系樹脂粒子などが挙げられる。
粒子は、単独使用または併用することができる。
好ましくは、無機粒子、より好ましくは、無機物粒子、複合無機酸化物粒子、さらに好ましくは、シリカ、ガラス粒子が挙げられる。
粒子の形状は、特に限定されず、例えば、球状、板状、針状などが挙げられる。好ましくは、球状である。
粒子の平均粒子径は、例えば、0.25μm以上、好ましくは、0.3μm以上、より好ましくは、0.5μm以上、さらに好ましくは、1μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下、より好ましくは、50μm以下である。
粒子の屈折率は、例えば、1.4以上、1.7以下である。粒子は、次に説明する樹脂との屈折率が近似する屈折率を有する。詳しくは、粒子と樹脂との屈折率差が、例えば、0.20以下、さらには、0.15以下である。
粒子の配合割合は、光反射樹脂組成物に対して、例えば、5質量%以上、好ましくは、10質量%以上であり、また、例えば、70質量%以下、好ましくは、60質量%以下である。
樹脂としては、光反射成分および粒子を分散できるマトリクスを構成できる透明樹脂が挙げられる。そのような樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が挙げられ、好ましくは、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂、より好ましくは、熱硬化性樹脂が挙げられる。また、熱硬化性樹脂および活性エネルギー線硬化性樹脂としては、Bステージとなることができる樹脂が挙げられる。なお、Bステージは、熱硬化性樹脂および活性エネルギー線硬化性樹脂が、液状または溶剤に可溶であるAステージ状態と、完全硬化したCステージとの間の状態であって、硬化およびゲル化がわずかに進行し、溶剤に膨潤するが完全に溶解せず、加熱によって軟化または溶融する状態である。
熱硬化性樹脂として、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。耐久性の観点から、好ましくは、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられ、透明性の観点から、より好ましくは、シリコーン樹脂が挙げられる。
シリコーン樹脂としては、例えば、フェニル系シリコーン樹脂、メチル系シリコーン樹脂が挙げられる。好ましくは、フェニル系シリコーン樹脂が挙げられる。
フェニル系シリコーン樹脂は、完全硬化時(Cステージ時)において、例えば、シロキサン結合である主骨格に結合するフェニル基を少なくとも有しており、具体的には、主骨格に結合するメチル基およびフェニル基を有し、あるいは、例えば、主骨格に結合するフェニル基のみを有する。好ましくは、フェニル系シリコーン樹脂硬化体は、主骨格に結合するメチル基およびフェニル基を有する。そのようなフェニル系シリコーン樹脂は、例えば、特開2016−037562号公報などに記載される。なお、Bステージのフェニル系シリコーン樹脂は、さらなる加熱において、一旦軟化した後、硬化する(Cステージとなる)。フェニル系シリコーン樹脂の完全硬化時における屈折率は、例えば、1.45以上、好ましくは、1.50以上、より好ましくは、1.53以上、さらに好ましくは、1.55以上であり、また、例えば、1.75以下、好ましくは、1.65以下である。
メチル系シリコーン樹脂は、完全硬化時(Cステージ)において、主骨格に結合するメチル基を有する。メチル系シリコーン樹脂の屈折率は、完全硬化時において、例えば、1.50未満、好ましくは、1.45以下であり、また、例えば、1.3以上、好ましくは、1.35以上である。
具体的には、樹脂の屈折率は、上記した光反射成分との屈折率差が、上記した範囲(例えば、0.5以上、5以下)となり、かつ、上記した粒子との屈折率が近似する。
樹脂の含有割合は、光反射樹脂組成物に対して、例えば、10質量%以上、好ましくは、25質量%以上であり、また、例えば、99質量%以下、好ましくは、97質量%以下である。
さらに、光反射樹脂組成物には、必要により、チクソ付与粒子を添加することができる。
チクソ付与粒子は、光反射樹脂組成物に揺変性(thixotropy、チクソ性)を付与または向上させる揺変剤である。揺変性は、せん断応力を受け続けると粘度が次第に低下し、静止すると粘度が次第に上昇する性質である。
チクソ付与粒子としては、例えば、ヒュームドシリカ(煙霧シリカ)などのナノシリカなどが挙げられる。ヒュームドシリカとしては、例えば、ジメチルジクロロシラン、シリコーンオイルなどの表面処理剤により表面が疎水化された疎水性煙霧シリカ、および、表面処理されていない親水性煙霧シリカのいずれであってもよい。
チクソ付与粒子の平均粒子径は、光反射成分および粒子の平均粒子径より小さく、具体的には、例えば、200nm以下、好ましくは、50nm以下であり、また、例えば、1nm以上、好ましくは、5nm以上である。
チクソ付与粒子は、単独使用または併用することができる。
チクソ付与粒子の光反射樹脂組成物における含有割合は、例えば、0.1質量%以上、好ましくは、0.2質量%以上であり、また、例えば、10質量%以下、好ましくは、5質量%以下である。
そして、まず、上記した光反射成分と、粒子と、樹脂(Aステージ)と、必要により添加されるチクソ付与粒子とを配合して、それらを混合して、液状の光反射樹脂組成物を調製する。
次いで、液状の光反射樹脂組成物を図示しない剥離シートの表面に塗布して、剥離シートの表面に、光反射樹脂組成物をシート状に形成する。
その後、光反射樹脂組成物がBステージとなることができる熱硬化性樹脂を含有する場合には、光反射樹脂組成物を加熱によりBステージ化する。加熱温度は、例えば、50℃以上、好ましくは、70℃以上であり、また、例えば、150℃以下、好ましくは、100℃以下である。加熱時間は、例えば、2.5分以上、好ましくは、5.5分以上であり、また、例えば、1時間以下、好ましくは、30分以下である。
これによって、図示しない剥離シートの表面に、シート状に形成された光反射シート4(好ましくは、Bステージの光反射シート4)を用意する。
次いで、光反射シート4を、複数の光半導体素子1の上面に配置する。具体的には、光反射シート4の下面を、複数の光半導体素子1のそれぞれの第1上面12に配置する。
続いて、光反射シート4を、複数の光半導体素子1に対して熱プレスする。
熱プレスは、光反射シート4を変形させるが、光反射シート4をCステージ化(完全硬化)させない条件で実施され、具体的には、熱プレス温度は、例えば、50℃以上、好ましくは、70℃以上であり、また、例えば、180℃以下である。また、加熱時間は、例えば、3分以上、好ましくは、5分以上であり、また、例えば、30分以下、好ましくは、20分以下である。
また、熱プレスの際には、複数の光半導体素子1の外側にスペーサを配置し、プレス厚みを調整する。プレス厚みは、比較的広く(厚く)設定されている。
そうすると、光反射シート4は、熱プレスによって、変形(溶融)して、複数の光半導体素子1のそれぞれを埋設する。具体的には、光反射シート4が、互いに隣接する光半導体素子1の隙間に充填されるとともに、最外側に配置される光半導体素子1の外周側の第1側面13を被覆する。これによって、複数の光半導体素子1のすべての第1側面13が光反射シート4によって被覆される。なお、光半導体素子1の第1側面13を被覆する光反射シート4の下端部は、剥離シート3の上面に接触する。
なお、Bステージの光反射シート4が熱プレスによって溶融する際の溶融粘度、具体的には、光反射シート4の60℃における溶融粘度は、例えば、10Pa・s以上、より好ましくは、50Pa・s以上であり、さらに好ましくは、100Pa・s以上、とりわけ好ましくは、200Pa・s以上であり、また、例えば、2000Pa・s以下、好ましくは、1000Pa・s以下、より好ましくは、500Pa・s以下である。
これとともに、光半導体素子1の第1上面12も、光反射シート4によって被覆され、付着部分5が形成される。
付着部分5は、光反射層付光半導体素子10に本来不要な部分であって、第2工程によって不可避的に生じる部分である。
これによって、第2工程において、複数の光半導体素子1の第1側面13を被覆する部分と、付着部分5とを有する光反射層2(好ましくは、完全硬化前の光反射層2)が形成される。
光反射層2は、平面視において、複数の光半導体素子1のそれぞれの第1上面12を含む第2上面23を有する。光反射層2の第2上面23は、光半導体素子1の第1上面12に対して、上側に配置されている。
光反射層2の第2上面23は、図1Bでは、平坦状に描画されているが、実際には、光反射樹脂組成物に含有される粒子の形状に基づく、極めて微小な凹凸形状を有する。
具体的には、第2工程における光反射層2の第2上面23の算術平均粗さRaは、10μm以下、好ましくは、7μm以下である。第2工程における光反射層2の第2上面23の算術平均粗さRaが上記した上限を超過すれば、感圧接着シート6(後述)の感圧接着剤が、付着部分5の第2上面23に十分に広がらず(行き渡らず)、そのため、感圧接着シート6の付着部分5に対する被着面積が低下する。その結果、次に説明する第3工程(図1C参照)において付着部分5を確実に除去することができない。また、第2工程における光反射層2の第2上面23の算術平均粗さRaが上記した上限以下であれば、感圧接着シート6の付着部分5に対する被着面積が低下することを抑制できるので、次に説明する第3工程(図1C参照)において付着部分5を確実に除去することができる。
また、第2工程における光反射層2の第2上面23の算術平均粗さRaは、例えば、1μm以上、好ましくは、2μm以上である。第2工程における光反射層2の第2上面23の算術平均粗さRaが上記した下限以上であれば、感圧接着シート6の付着部分5に対する被着面積が低下することを抑制できるので、次に説明する第3工程(図1C参照)において付着部分5を確実に除去することができる。
第2工程における光反射層2の第2上面23の算術平均粗さRaは、JIS B 0601(2009)に従って測定される。
光反射層2の25℃における弾性率(ヤング率)は、例えば、10N/mm以上、好ましくは、20N/mm以上であり、また、例えば、100N/mm以下、好ましくは、50N/mm以下、より好ましくは、30N/mm以下である。光反射層2の弾性率が上記した上限以下、または、下限以上であれば、付着部分5をより確実に除去することができる。
また、光反射層2の弾性率が上記した上限以下、または、下限以上であれば、付着部分5を除去する前に、光反射層2をCステージ化(完全硬化)した場合であっても、Cステージの付着部分5を確実に除去することができる。
さらに、光反射層2の弾性率が低ければ(100N/mm以下、さらには、50N/mm以下)、付着部分5をより小さい力で剥離可能となるから好適である。
付着部分5の厚みTは、50μm以下、好ましくは、40μm以下である。付着部分5の厚みTが上記した上限を超過すれば、剥離方向への付着部分5の屈折(折り返し)が妨げられるので、次に説明する第3工程(図1C参照)において付着部分5を確実に除去することができない。また、付着部分5の厚みTが上記した上限以下であれば、剥離時の屈折(折り返し)変形に付着部分5が追従できるので、次に説明する第3工程(図1C参照)において付着部分5を確実に除去することができる。
付着部分5の厚みTは、例えば、3μm以上、好ましくは、5μm以上である。付着部分5の厚みTが上記した上限以上であれば、剥離時の屈折(折り返し)変形に付着部分5が追従できるので、次に説明する第3工程(図1C参照)において付着部分5を確実に除去することができる。
付着部分5の厚みTは、光反射層2の第2上面23と、光半導体素子1の第1上面12との最短距離である。
厚みTは、ダイヤルゲージによって測定される。
また、付着部分5の、光半導体素子1の第1上面12に対する剥離強度(光反射層2および光半導体素子1間の剥離強度)は、例えば、1.5(N/20mm)以下、好ましくは、1(N/20mm)以下、より好ましくは、1(N/20mm)未満であり、また、例えば、0.01(N/20mm)以上、好ましくは、0.05(N/20mm)以上である。剥離強度が上記した上限以下であれば、あるいは、上記した下限以上であれば、次に説明する第3工程(図1C参照)において付着部分5を確実に除去することができる。
上記した剥離強度の測定方法は、後の実施例で詳述される。
(3)第3工程
第3工程では、上記した付着部分5を除去する。
付着部分5を除去するには、例えば、図1Bの仮想線が参照されるように、感圧接着シート6を用いる。
感圧接着シート6は、感圧接着剤から調製されており、面方向に連続するシート形状を有している。感圧接着シート6の大きさは、例えば、感圧接着シート6を、平面視において、光反射層2を含むことができる大きさに設定されている。感圧接着剤としては、例えば、アクリル系感圧接着剤、ゴム系感圧接着剤、シリコーン系感圧接着剤、ウレタン系感圧接着剤、ポリアクリルアミド系感圧接着剤などが挙げられる。また、感圧接着シート6は、支持材などで支持されていてもよい。感圧接着シート6の25℃における剥離強度(180℃剥離接着力)は、例えば、2.0(N/20mm)以上、好ましくは、4.0(N/20mm)以上であり、また、例えば、100(N/20mm)以下、好ましくは、20.0(N/20mm)以下である。剥離強度は、感圧接着シート6を20mm幅に切り出し、これを、シリコーンウェハーに感圧接着し、その後、感圧接着シート6を、剥離速度100mm/分、剥離角度180℃で剥離試験したときの接着力として測定される。
この方法では、感圧接着シート6の感圧接着面(感圧接着シート6が支持材が支持されている場合には、支持材によって支持される面に対する反対側の面)を、付着部分5を含む光反射層2の第2上面23に対向配置し、付着部分5に感圧接着し、続いて、付着部分5を、光半導体素子1の第1上面12から引き剥がす。
具体的には、まず、感圧接着シート6を下降させ、続いて、図1Bの仮想線で示すように、感圧接着シート6を付着部分5に対して十分に感圧接着する。その後、図1Cの仮想線で示すように、感圧接着シート6の面方向一端部(例えば、左端部)(一辺、具体的には、左辺)を把持し、感圧接着シート6の一端部(例えば、左端部)(一辺、具体的には、左辺)を面方向他方側(例えば、右方)に向けて引っ張りながら、付着部分5を蛍光半導体素子1の第1上面12から引き剥がす。
好ましくは、感圧接着シート6の隅部(例えば、左端前端部)を把持し、感圧接着シート6の隅部(例えば、左端前端部)を右方斜め後側に向けて引っ張る。つまり、感圧接着シート6の剥離方向を、面方向(前後方向および左右方向)に対して傾斜する方向にする。感圧接着シート6の隅部を把持すれば、感圧接着シート6の一辺を把持する場合に比べて、把持した部分を剥離のきっかけによりし易く、かかるきっかけ(隅部)を容易かつ確実に把持できる。そのため、付着部分5をより確実に除去することができる。
この際、上記したように、付着部分5に上方への引き剥がし力が付与されないように、感圧接着シート6を、例えば、120度以上、好ましくは、150度以上、より好ましくは、165度以上、さらに好ましくは、170度以上、とりわけ好ましくは、180度で、剥離する。具体的には、感圧接着シート6を折り返すように、感圧接着シート6を剥離する。
すると、付着部分5は、光半導体素子1の第1上面12から剥離され、感圧接着シート6に追従する。また、付着部分5の剥離が一回で完了しない時には、上記動作を複数回繰り返し、これによって付着部分5の剥離を完了させる。
一方、この際、図1Cに示すように、平面視において光半導体素子1と重ならない光反射層2は、かかる光反射層2の厚みが付着部分5の厚みに対して十分に厚いため、感圧接着シート6によって引き剥がされず(感圧接着シート6に追従せず)、残存する。
そのため、付着部分5を除去した光反射層2における第2上面23は、光半導体素子1の第1上面12より上側に位置する。光反射層2は、面方向に投影したときに、光半導体素子1と重ならない上端部25を有する。光反射層2の上端部25は、光半導体素子1の第1上面12より上側に位置し、光半導体素子1の第1上面12に対して上側に突出する突出部分である。
光反射層2において、付着部分5が除去され、上端部25が残存することから、第2上面23から光半導体素子1の第1上面12に向かって凹む凹部26が、後述する被覆層付光半導体素子集合体14に形成される。凹部26は、光反射層2の上端部25の内周面21と、光半導体素子1の第1上面12とからなる。
光反射層2の厚み(平面視において、光半導体素子1と重ならない光反射層2における第2上面23および剥離シート3の上面の間の距離)は、光半導体素子1の厚みより厚く、例えば、10μm以上、好ましくは、50μm以上であり、また、例えば、1000μm以下、好ましくは、700μm以下である。
上端部25の厚み(上下方向長さ、突出長さ、または、凹部26の深さ)は、例えば、100μm以下、好ましくは、50μm以下である。
これにより、複数の光半導体素子1と、それらの第1側面13を被覆する光反射層2(好ましくは、完全硬化前の光反射層2)とを備える光反射層付光半導体素子集合体14を、剥離シート3に支持された状態で得る。
その後、光反射層2が、完全硬化前である場合には、第3工程の後に、付着部分5が除去された光反射層2を加熱し、Cステージ化(完全硬化)する。
具体的には、加熱温度は、例えば、100℃以上、好ましくは、120℃以上であり、また、例えば、150℃以下である。また、加熱時間は、例えば、10分以上、好ましくは、30分以上であり、また、例えば、180分以下、好ましくは、120分以下である。
(4)第4工程
図1Dおよび図2Bに示すように、第4工程では、隣接する光半導体素子1間の光反射層2を切断する。
具体的には、光反射層付光半導体素子集合体14において、複数の光半導体素子1を個片化するように、光反射層2を切断する。
光反射層2を切断するには、例えば、円盤状のダイシングソー(ダイシングブレード)を用いるダイシング装置、例えば、カッターを用いるカッティング装置、例えば、レーザー照射装置などの切断装置が用いられる。好ましくは、ダイシング装置が用いられる。ダイシングソーの刃厚は、例えば、10μm以上、好ましくは、20μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下である。
光反射層2の切断によって、光反射層2には、互いに隣接する光半導体素子1の間において、面方向(前後方向および左右方向)に沿って整列する切断溝27が形成される。切断溝27は、光反射層2を厚み方向に貫通する。切断溝27は、図3Bに示すように、平面視において、略碁盤目形状を有している。切断溝27の幅は、切断装置(好ましくは、ダイシングソーの刃厚)に対応しており、具体的には、例えば、10μm以上、好ましくは、20μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下である。
切断溝27の形成によって、光反射層2には、切断溝27に面する外周面24が形成される。切断溝27は、光反射層2を複数に仕切って(分割して)いる。
第4工程によって、1つの光半導体素子1と、光半導体素子1の第1側面13を被覆し、光半導体素子1の第1上面12を露出し、切断溝27によって仕切られた光反射層2とを備える複数の光反射層付光半導体素子10を、剥離シート3に支持された状態で得る。
この光反射層付光半導体素子10は、次に説明する光半導体装置41(図3参照)ではなく、つまり、光半導体装置41に備えられる基板40を含まない。つまり、光反射層付光半導体素子10は、光半導体装置41の一部品、すなわち、光半導体装置41を作製するための部品であり、部品単独で流通し、産業上利用可能なデバイスである。
(5)光反射層付光半導体素子の基板への実装
その後、図3に示すように、光反射層付光半導体素子10を基板40に実装する。具体的には、光半導体素子1を基板40にフリップチップ実装する。
これによって、基板40と、光反射層付光半導体素子10とを備える光半導体装置41を得る。
光半導体装置41において、光反射層2の第2下面22は、基板40の上面と接触している。
3.一実施形態の作用効果
この製造方法によれば、図1Cに示す第3工程では、第2工程において光半導体素子1の第1上面12に付着する付着部分5を除去するので、光半導体素子1から発光された光を効率的に取り出すことができる。
また、第2工程において第1上面12に付着する付着部分5の厚みTが、50μm以下であり、剥離時の屈折(折り返し)変形に付着部分5が追従できるので、図1Cに示す第3工程では、第2工程において第1上面12に付着する付着部分5を確実に除去することができる。
また、第2工程における光反射層2の第2上面23の、JIS B 0601(2009)に従って測定される算術平均粗さRaが、10μm以下であるので、感圧接着シート6の感圧接着剤が、付着部分5の第2上面23に十分に広がる(行き渡る)。そのため、感圧接着シート6の付着部分5に対する被着面積が低下することを抑制できる。その結果、図1Cに示す第3工程では、第2工程において第1上面12に付着する付着部分5を確実に除去することができる。具体的には、付着部分5の第1上面12に対する剥離強度が、付着部分5の感圧接着シート6に対する剥離強度に対して、小さくなるので、付着部分5を確実に除去することができる。
この製造方法によれば、第3工程で、第2工程において第1上面12に付着する付着部分5を、感圧接着シート6を用いて、第1上面12から引き剥がすので、上記した第1上面12に付着する付着部分5を簡易かつ確実に除去することができる。
この製造方法によれば、光反射層2は、熱硬化性樹脂を含有し、第3工程における光反射層2が、完全硬化前であれば、図1Cに示す第3工程では、第2工程において第1上面12に付着し、所望の弾性率を有する付着部分5を確実に除去することができる。
この製造方法によれば、第2工程において第1上面12に付着する付着部分5の厚みTが、3μm以上であれば、剥離時の屈折(折り返し)変形に付着部分5が追従できるので、図1Cに示す第3工程では、第2工程において第1上面12に付着する付着部分5をより確実に除去することができる。
この製造方法によれば、第2工程における光反射層2の第2上面23の、JIS B 0601(2009)に従って測定される算術平均粗さRaが、1μm以上であれば、感圧接着シート6の付着部分5に対する被着面積が低下することを抑制できるため、図1Cに示す第3工程では、第2工程において第1上面12に付着する付着部分5を確実に除去することができる。
この製造方法によれば、光反射層2および光半導体素子1間の剥離強度が、1(N/20mm)以下であれば、図1Cに示す第3工程では、第2工程において第1上面12に付着する付着部分5をより確実に除去することができる。
この製造方法によれば、第3工程において、付着部分5を除去後の光反射層2の第2上面23が、光半導体素子1の第1上面12より、上側に配置されるので、光半導体素子1から側方斜め上方に発光された光を、光反射層2の上端部25がより一層有効に反射することができる。そのため、光半導体素子1から発光された光を効率的に取り出すことができる。
この製造方法によれば、第2工程では、光反射層2を形成するための被覆材料からシート状に形成される光反射シート4により、光半導体素子1を埋設する。
第2工程では、光反射層2を形成するための光反射樹脂組成物からシート状に形成される光反射シート4により光半導体素子1を埋設すると、光反射樹脂組成物が光半導体素子1の第1上面12に不可避的に付着する。
しかし、この方法では、第2工程において第1上面12に付着する付着部分5の厚みTが、50μm以下であり、第2工程における光反射層2の第2上面23の、JIS B 0601(2009)に従って測定される算術平均粗さRaが、10μm以下であるので、第2工程において第1上面12に付着する付着部分5を確実に除去できる。
また、第2工程では、光反射層2を形成するための光反射樹脂組成物からシート状に形成される光反射シート4により光半導体素子1を埋設するので、光反射層2を、光半導体素子1の第1側面13に簡単に形成できる。
この製造方法によれば、図1Cに示す第3工程では、第2工程において複数の第1上面に付着する付着部分5を効率的に除去することができる。
4.蛍光体層−被覆層付光半導体素子の製造方法
本発明の蛍光体層−被覆層付光半導体素子の製造方法の一実施形態である蛍光体層−光反射層付光半導体素子15の製造方法を、図4Aおよび図4Bを用いて説明する。
この蛍光体層−光反射層付光半導体素子15の製造方法は、上記した光反射層付光半導体素子集合体14を用いて、蛍光体層−光反射層付光半導体素子15を製造する。
具体的には、この方法では、図1Cに示す光反射層付光半導体素子集合体14を用意し、次いで、蛍光体層7を、光半導体素子1の第1上面12、および、光反射層2の第2上面23に形成する(図4A参照)。
図1Cに示すように、光反射層付光半導体素子集合体14は、切断溝27が光反射層2にまだ形成されず、光半導体素子1が個片化されていない。つまり、光反射層付光半導体素子集合体14は、1つの光反射層2と、それによって被覆された複数の光半導体素子1とを備える。
図4Aに示すように、蛍光体層7を、光反射層付光半導体素子集合体14の第1上面12および第2上面23に形成するには、まず、図1Cの上側図(仮想線)に示すように、蛍光体シート8を用意する。
蛍光体シート8は、例えば、蛍光体と、樹脂とを含有する蛍光体樹脂組成物から、面方向に延びる略矩形平板(シート)に形成される。
蛍光体は、波長変換機能を有しており、例えば、青色光を黄色光に変換することのできる黄色蛍光体、青色光を赤色光に変換することのできる赤色蛍光体などが挙げられる。
黄色蛍光体としては、例えば、(Ba,Sr,Ca)SiO:Eu、(Sr,Ba)SiO:Eu(バリウムオルソシリケート(BOS))などのシリケート蛍光体、例えば、YAl12:Ce(YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット):Ce)、TbAl12:Ce(TAG(テルビウム・アルミニウム・ガーネット):Ce)などのガーネット型結晶構造を有するガーネット型蛍光体、例えば、Ca−α−SiAlONなどの酸窒化物蛍光体などが挙げられる。
赤色蛍光体としては、例えば、CaAlSiN:Eu、CaSiN:Euなどの窒化物蛍光体などが挙げられる。
蛍光体としては、好ましくは、黄色蛍光体、より好ましくは、YAGが挙げられる。
樹脂としては、上記した樹脂が挙げられる。
上記した各成分の配合割合は、用途および目的に応じて適宜設定されている。
好ましくは、加熱によって変形することができるBステージの蛍光体シート8を用意する。次に、1つの蛍光体シート8を、光反射層付光半導体素子集合体14における複数の光半導体素子1の第1上面12、および、光反射層2の第2上面23を被覆するように、光反射層付光半導体素子10に熱プレスする。
具体的には、まず、蛍光体シート8を、複数の光半導体素子1の第1上面12に、複数の凹部26を被覆(閉塞)するように配置し、蛍光体シート8を上側から熱プレスする。
熱プレスの条件として、具体的には、加熱温度は、例えば、50℃以上、好ましくは、70℃以上であり、また、例えば、180℃以下である。また、加熱時間は、例えば、3分以上、好ましくは、5分以上であり、また、例えば、30分以下、好ましくは、20分以下である。
これにより、蛍光体シート8が変形して、蛍光体樹脂組成物が凹部26に充填され、蛍光体樹脂組成物が、上端部25の内周面21と、光半導体素子1の第1上面12とに接触する。
これによって、光反射層2の第2上面23および凹部26に対応する形状を有する下面と、その上方に対向配置される平坦状の上面と、それらの周端縁を連続する外周面とを連続して有する蛍光体層7が形成される。
その後、蛍光体層7が、Bステージである場合には、蛍光体層7を加熱し、Cステージ化する。
具体的には、加熱温度は、例えば、100℃以上、好ましくは、120℃以上であり、また、例えば、180℃以下である。また、加熱時間は、例えば、10分以上、好ましくは、30分以上であり、また、例えば、300分以下、好ましくは、240分以下である。
上記した熱プレスにより、蛍光体層7をCステージ化(完全硬化)する。
蛍光体層7の厚み(蛍光体層7の上面および光反射層2における第2上面23の間の距離)は、例えば、10μm以上、好ましくは、30μm以上であり、また、例えば、500μm以下、好ましくは、300μm以下である。
これによって、複数の光反射層付光半導体素子10と、1つの蛍光体層7とを備える蛍光体層−光反射層付光半導体素子集合体16を、剥離シート3に支持された状態で用意する。
図4Bに示すように、隣接する光反射層付光半導体素子10間の光反射層2および蛍光体層7を切断する。
具体的には、蛍光体層−光反射層付光半導体素子集合体16において、複数の光反射層付光半導体素子10を個片化するように、光反射層2および蛍光体層7を切断する。
切断方法は、上記した第4工程における切断方法と同じである。
これによって、1つの光反射層付光半導体素子10と、1つの蛍光体層7とを備える複数の蛍光体層−光反射層付光半導体素子15を、剥離シート3に支持された状態で得る。
蛍光体層−光反射層付光半導体素子15において、蛍光体層7の上面は、上方に露出している。
その後、図5に示すように、蛍光体層−光反射層付光半導体素子15を基板50に実装する。具体的には、光半導体素子1を基板50にフリップチップ実装する。
これによって、基板50と、蛍光体層−光反射層付光半導体素子15とを備える光半導体装置51を得る。
この製造方法によれば、蛍光体層7を、光半導体素子1の第1上面12と、光反射層2の第2上面23と、光反射層2の凹部26の内周面21とに形成するため、光半導体素子1から側方に発光され、蛍光体層7によって波長変換された光を効率的に取り出すことができる。
<変形例>
変形例において、上記した一実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図1Aおよび図1Bに示すように、第2工程において、光反射シート4から光反射層2を形成したが、これに限定されない。例えば、光反射樹脂組成物をポッティングすることにより、光反射層2を形成することもできる。好ましくは、光反射シート4から光反射層2を形成する。光反射シート4から光反射層2を形成すれば、光反射層2を光半導体素子1の第1側面13に簡単に形成できる。
一実施形態の第3工程では、感圧接着シート6を用いて付着部分5を除去している。しかし、付着部分5の除去は、上記に限定されない。例えば、溶媒を用いる方法、例えば、図示しないが、研磨部材を用いる方法を用いることもできる。
溶媒としては、例えば、光反射樹脂組成物を完全または部分的に溶解または分散させることができる溶媒が選択される。具体的には、溶媒としては、有機溶媒、水系溶媒が挙げられる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン、例えば、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、例えば、トルエンなどの芳香族炭化水素、例えば、テトラヒドロフランなどのエーテルなどが挙げられる。好ましくは、アルコール、芳香族炭化水素が挙げられる。
この方法では、次いで、上記した溶媒を布に吸収させ、その布によって、付着部分5を含む光反射層2の第2上面23を拭く。
研磨部材としては、バフなどの布、ブラシ、ウォーターブラストなどが挙げられる。
研磨部材によって、付着部分5を含む光反射層2の第2上面23を研磨する。
また、上記した各方法は、適宜併用することができる。例えば、まず、溶媒によって、付着部分5を含む光反射層2の第2上面23を拭き、その後、感圧接着シート6で付着部分5を引き剥がす。
また、一実施形態では、光反射樹脂組成物がBステージとなることができる樹脂を含有する場合において、まず、光反射層2を形成し、付着部分5を含む光反射層2を完全硬化(Cステージ化)する前に、付着部分5を除去し、その後、付着部分5が除去された光反射層2を完全硬化(Cステージ化)している。
しかし、例えば、まず、光反射層2を完全硬化(Cステージ化)した後、付着部分5を除去することもできる。その際には、完全硬化(Cステージ化)した光反射層2は、上記した弾性率を有する。
好ましくは、光反射層2を完全硬化(Cステージ化)する前に、付着部分5を除去する。これによれば、所望の弾性率を有する付着部分5を簡易かつ確実に除去することができる。
また、一実施形態では、第2工程において、粒子を、光反射樹脂組成物に配合しているが、これに限定されない。例えば、粒子を光反射樹脂組成物に配合しなくてもよい。その場合には、光反射層2の第2上面23を、硬質かつ微小な凸部を複数有する切削部材で摺擦することにより、光反射層2の第2上面23に微小な凹凸を付与することができる。切削部材としては、例えば、やすりなどが挙げられる。
また、一実施形態では、図1Bおよび図1Cに示すように、複数の光半導体素子1のそれぞれの第1上面12に付着する付着部分5をまとめて除去している。
しかし、図6Bおよび図6Cに示すように、1つの光半導体素子1の第1上面12に付着する付着部分5を除去することもできる。
図6Aに示す第1工程では、剥離シート3の上面に1つの光半導体素子1を用意する。
図6Bに示す第2工程では、1つの光半導体素子1の第1上面12および第1側面13を、光反射層2によって被覆する。これにより、1つの光半導体素子1、および、1つの光反射層2を備える1つの光反射層付光半導体素子10を得る。
図6Cに示す第3工程において、付着部分5を除去する。これにより、1つの光半導体素子1と、光半導体素子1の第1側面13を被覆する1つの光反射層2とを備える光反射層付光半導体素子10を得る。
その後、図6Dに示すように、蛍光体層7を、光半導体素子1の第1上面12に、凹部26を被覆(閉塞)するように配置する。
これによって、1つの光反射層付光半導体素子10と、1つの蛍光体層7とを備える蛍光体層−光反射層付光半導体素子15を、剥離シート3に支持された状態で得る。
この方法によっても、一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、この方法によれば、光反射層2を切断して、光半導体素子1を個片化する第4工程を実施しない。そのため、工程を簡略化することができる。
一実施形態では、図1Dに示すように、光反射層付光半導体素子10において、光反射層2の第2上面23は、光半導体素子1の第1上面12に対して、上側に配置されている。しかし、図7に示すように、光反射層2の第2上面23を、光半導体素子1の第1上面12に対して、厚み方向において同一位置に配置することもできる。つまり、光反射層2の第2上面23は、光半導体素子1の第1上面12に連続している。つまり、光反射層付光半導体素子10は、上端部25および凹部26を有しない。
さらには、図8Dに示すように、光反射層2の第2上面23が、光半導体素子1の第1上面12に対して、下側に配置されてもよい。
図8Dに示す光反射層付光半導体素子10を得るには、図8Aに示す第2工程の熱プレスおいて、比較的薄いスペーサを用いて、プレス厚みを比較的狭く(薄く)設定する。
そうすると、熱プレスにおいて、付着部分5は、比較的硬い光半導体素子1の第1上面12に位置するから、光半導体素子1の外周面24を被覆する側部28に比べて、高い圧力で下側に圧縮される。そのため、図8Aに示すように、付着部分5の下側に位置する光半導体素子1は、剥離シート3に向かってわずかに沈み込む。
続いて、上記した光半導体素子1へのプレスが解放されると、図8Bに示すように、光半導体素子1は、復元し、つまり、光半導体素子1の下面が、周囲の剥離シート3の上面と同一位置に配置される。光半導体素子1の復元に伴って、付着部分5の上面29は、側部28の第2上面23に対して、上側に位置する。
その後、図8Bの仮想線で示すように、感圧接着シート6を付着部分5に対して十分に感圧接着する。その際、図8Bに示すように、感圧接着シート6は、側部28の第2上面23に対して、間隔が隔てられてもよい。そして、図8Cの仮想線で示すように、付着部分5を蛍光半導体素子1の第1上面12から引き剥がす。
その後、光反射層2が完全硬化前である場合には、光反射層2を加熱によりCステージ化する(完全硬化させる)。
光反射層2の加熱によって、光反射層2は熱収縮する。そのため、図8Dに示すように、側部28の第2上面23は、光半導体素子1の第1上面12に対して、下側に位置する。
好ましくは、図1Dに示すように、光反射層付光半導体素子10において、光反射層2の第2上面23を、光半導体素子1の第1上面12に対して、上側に配置する。
光反射層2の第2上面23が、光半導体素子1の第1上面12より、上側に配置されると、光半導体素子1から側方斜め上方に発光された光を、光反射層2の上端部25がより一層有効に反射することができる。そのため、光半導体素子1から発光された光を効率的に取り出すことができる。
また、図8Dに示すように、光反射層付光半導体素子10において、光反射層2の第2上面23を、光半導体素子1の第1上面12に対して、下側に配置するには、図8Aに示す第2工程におけるプレス厚みを比較的狭く(薄く)設定する。さらに、光半導体素子1は硬質な半導体材料からなることから、図8Aに示す第2工程における熱プレスの押し込み量およびプレス圧を精密に調整する必要がある。
一方、図1Dに示すように、光反射層2の第2上面23を、光半導体素子1の第1上面12より、上側に配置する場合には、図1Bに示す第2工程におけるプレス厚みを比較的広く(厚く)設定する。そのため、図1Bに示す第2工程における熱プレスの押し込み量およびプレス圧を調整する必要がなく、作業効率に優れる。
一実施形態では、図4Aおよび図4Bに示すように、蛍光体層7の上面を上方に露出させている。
しかし、図9に示すように、蛍光体層7の上面に、光拡散層30を配置(光拡散層30を被覆)することもできる。
光拡散層30は、面方向に延びる略矩形平板形状(シート)を有している。光拡散層30は、蛍光体層7の上面に配置される。光拡散層30は、蛍光体層7の上面を被覆する下面と、光拡散層30の下面に対して上側に間隔を隔てて対向配置される上面と、光拡散層30の下面の周端縁と光拡散層30の上面との周端縁を上下方向に連結する側面とを有する。光拡散層30の上面は、光拡散層30の下面と同じサイズを有し、面方向に平坦な形状を有する。
光拡散層30は、上記した樹脂と、特開2016−048764号公報などに記載される光拡散性粒子とを適宜の割合で含有する光拡散組成物から形成される。
これにより、光半導体素子1と、光反射層2と、蛍光体層7と、光拡散層30とを備える光拡散層−蛍光体層−被覆層付光半導体素子60を得る。
また、図9の括弧書きで示すように、光拡散層30に代えて、透明層31を用いることもできる。
透明層31は、蛍光体層7の上面に配置される。透明層31は、上記した光拡散層30と同一形状を有する。透明層31は、上記した樹脂と、充填材とを適宜の割合で含有した透明樹脂組成物から形成される。充填材としては、例えば、上記した粒子が挙げられ、上記した樹脂との屈折率が実質的に同一の屈折率を有する。
透明層31は、透明層−蛍光体層−被覆層付光半導体素子61に備えられる。
透明層−蛍光体層−被覆層付光半導体素子61は、光半導体素子1と、光反射層2と、蛍光体層7と、透明層31とを備える。
図4Aの括弧書きおよび図4B書きの括弧に示すように、蛍光体層7に代えて、透明層31を用いることもできる。
なお、透明層31は、蛍光体層7と同一の形状であり、上記した透明層31の組成と同一の組成を有する。
透明層31は、透明層−被覆層付光半導体素子62に備えられる。
透明層−被覆層付光半導体素子62は、光半導体素子1と、光反射層2と、透明層31とを備える。
上記した各変形例は、上記した一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されない。以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
実施例1
(1)第1工程
図1Aに示すように、複数の光半導体素子1を剥離シート3の上面に用意した。
光半導体素子1の寸法は、1.14mm×1.14mm、厚み150μmであった。
また、複数の光半導体素子1間の間隔は、0.5mmであった。
(2)第2工程
特開2016−037562号公報の実施例に記載の調製例1に準拠したAステージのフェニル系シリコーン樹脂(Bステージとなることができる1段反応硬化性樹脂、Cステージにおける屈折率1.56)100質量部に、光反射性粒子として酸化チタン粒子(屈折率2.7、平均粒子径0.36μm、R706、デュポン社製)40質量部、粒子としてのシリカ(屈折率1.44、平均粒子径3μm)40質量部、および、チクソ付与粒子としての煙霧シリカ(R976s(日本アエロジル社製)2質量部を、配合して混合することにより、Aステージの光反射性樹脂組成物を調製した。
別途、図示しない剥離シート(PETフィルム、品名「SE−1」、厚み50μm、フジコー社製)の表面に、加熱後の厚みが100μmとなるように、光反射性樹脂組成物を、コンマコーターで塗布し、続いて、80℃、11.5分加熱(ベイク)した。
これにより、Bステージの光反射シート4を作製した。
続いて、1枚のBステージの光反射シート4を、複数の光半導体素子1の第1上面12に配置し、続いて、Bステージの光反射シート4を複数の光半導体素子1に対して熱プレス(加熱温度90℃、加熱時間10分)し、光反射シート4を変形させた。これにより、図1Bに示すように、光反射シート4を、複数の光半導体素子1間に充填するとともに、光反射層2で、光半導体素子1の第1側面13を被覆した。
一方、光半導体素子1の第1上面12には、光反射層2の一部である付着部分5が付着した。
なお、熱プレス中、光反射層2は、軟化および溶融し、その際、第2上面23がプレス板に対応する平坦面を有していた。
また、第2工程の後の光反射層2は、完全硬化前であった。
(3)第3工程
図1Cに示すように、感圧接着シート6(商品名5615、日東電工社製)を用いて、光反射層2の第2上面23に対して180度剥離することにより、付着部分5を光反射層2の第2上面23から剥離した。
これによって、複数の光半導体素子1と、光反射層2とを備える光反射層付光半導体素子集合体14を、剥離シート3で支持した状態で、得た。
(4)第4工程
まず、光反射層2を、150℃、180分加熱して、Cステージ化した(完全硬化させた)。
次いで、ダイシングソーによって、光反射層2を切断して、光半導体素子1を個片化した。
これによって、光半導体素子1と、光反射層2とを備える複数の光反射層付光半導体素子10を得た。
実施例2〜5および比較例1および2
表1に従って処方を変更した以外は、実施例1と同様に処理して、光反射層付光半導体素子10を得た。
実施例2〜4については、粒子として、シリカに代えて、ガラス粒子(屈折率1.55、平均粒子径20μm、組成および組成比率(質量%):SiO/Al/CaO/MgO=60/20/15/5の無機粒子)を用いた。
実施例5については、第2工程において、光半導体素子1に対して、90℃で、10分、熱プレスし、光反射シート4を変形させ、光反射層2で、光半導体素子1の第1側面13を被覆した。その後、150℃で180分加熱することにより、光反射シート4をCステージ化した(完全硬化させた)。
評価
各実施例および各比較例について、以下の項目を評価した。その結果を表1に示す。
1.付着部分の厚みT
ダイヤルゲージによって、付着部分5の厚みTを測定した。
2.光反射層および光半導体素子間の剥離強度
光反射層2および光半導体素子1間の剥離強度を、オートグラフAGシリーズ(島津製作所社製)によって、測定した。
3.光反射層の上面の算術平均粗さRa
第2工程における光反射層2の第2上面23の算術平均粗さRaを、JIS B0601(2009)に従って測定した。
4.光反射層の弾性率
付着部分5を剥離する直前の光反射層2の弾性率として、加熱(加熱温度90℃、加熱時間10分))した光反射シート4(300μm×10mm×10mm)の25℃におけるヤング率(JIS K7161−1994)を求めた。
5.付着部分の除去性
付着部分5の除去性を、下の基準で評価した。
○:付着部分5の残存が全く観察されなかった。
△:付着部分5の残存がほとんど観察されなかった。
×:付着部分5の残存が観察された。
Figure 2018049865
1 光半導体素子
2 光反射層
4 光反射シート
5 付着部分
6 感圧接着シート
7 蛍光体層
10 被覆層付光半導体素子
11 第1下面
12 第1上面
13 第1側面
15 蛍光体層−被覆層付光半導体素子
21 内周面
23 第2上面
T 付着部分の厚み
Ra 算術表面粗さ(光反射層の第2上面)

Claims (10)

  1. 電極が設けられる第1下面、前記第1下面に対向する第1上面、および、前記第1下面と前記第1上面との周端縁を連結する第1側面を有する光半導体素子と、
    前記光半導体素子の第1側面に接触する被覆層とを備える被覆層付光半導体素子の製造方法であり、
    前記光半導体素子を用意する第1工程と、
    前記被覆層を、前記光半導体素子の前記第1側面に形成する第2工程と、
    前記第2工程において前記第1上面に付着する前記被覆層を除去する第3工程とを備え、
    前記第2工程において前記第1上面に付着する前記被覆層の厚みTが、50μm以下であり、
    前記第2工程における前記被覆層の上面の、JIS B 0601(2009)に従って測定される算術平均粗さRaが、10μm以下であることを特徴とする、被覆層付光半導体素子の製造方法。
  2. 前記第3工程では、前記第2工程において前記第1上面に付着する前記被覆層を、感圧接着シートを用いて、前記第1上面から引き剥がすことを特徴とする、請求項1に記載の被覆層付光半導体素子の製造方法。
  3. 前記被覆層は、熱硬化性樹脂を含有し、
    前記第3工程における前記被覆層が、完全硬化前であることを特徴とする、請求項1または2に記載の被覆層付光半導体素子の製造方法。
  4. 前記第2工程において前記第1上面に付着する前記被覆層の厚みTが、3μm以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の被覆層付光半導体素子の製造方法。
  5. 前記第2工程における前記被覆層の上面の前記算術平均粗さRaが、1μm以上であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の被覆層付光半導体素子の製造方法。
  6. 前記被覆層および前記光半導体素子間の剥離強度が、1(N/20mm)以下であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の被覆層付光半導体素子の製造方法。
  7. 前記第3工程では、除去後の前記被覆層の上面が、前記光半導体素子の前記第1上面より、上側に配置されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の被覆層付光半導体素子の製造方法。
  8. 前記第2工程では、前記被覆層を形成するための被覆材料からシート状に形成される被覆シートにより、前記光半導体素子を埋設することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の被覆層付光半導体素子の製造方法。
  9. 前記第1工程では、前記光半導体素子を、互いに間隔を隔てて複数配置し、
    前記第2工程では、前記被覆層を形成するための被覆材料からシート状に形成される被覆シートを前記第1上面に配置するとともに、前記被覆シートを、互いに隣接する前記光半導体素子の隙間に充填し、
    前記第3工程では、前記第2工程において複数の前記光半導体素子の前記第1上面に付着する前記被覆層を除去することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の被覆層付光半導体素子の製造方法。
  10. 前記第2工程の除去後の前記被覆層は、前記光半導体素子の第1側面に接触する第2側面、および、前記第2側面の上端縁から、前記第1側面と離れる方向に延びる第2上面を有し、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の被覆層付光半導体素子の製造方法により被覆層付光半導体素子を製造する工程と、
    蛍光体層を、前記第1上面と前記第2上面とに形成する工程とを備えることを特徴とする、蛍光体層−被覆層付光半導体素子の製造方法。
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