JP2018047964A - シート処理装置およびこれを備える画像形成装置ならびにシート排出方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このため、後続シートnp1、np2を戴置トレイ上のシート束TB2を排出してから集積トレイTEに排出後に、排出すればよいが、単に後続シートnp1、np2の排出を遅らせたのみならば、排出時間がかかってしまう。
戴置トレイに戴置されたシートを処理するシート処理部と、
上記戴置トレイで処理されたシートを積載トレイに排出する揺動可能な排出ローラと、
上記戴置トレイにシートを排紙するか、上記排出ローラの上流から下流に後続シートを搬送し再び上流にスイッチバック搬送する搬送ローラと、
上記搬送ローラでスイッチバックされたシートを待機させる待機経路とを備え、
尚、添付図面において、本明細書全体を通して類似の構成要素には、同様の参照符号を付して表すこととする。
図1に示す画像形成システムは、画像形成装置Aとシート処理装置Bとから構成されている。そして画像形成装置Aの本体排出口3にシート処理装置Bの搬入口30が連結され、画像形成装置Aで画像形成されたシートをシート処理装置Bでステープル綴じして第1集積トレイ24または第2集積トレイ26に収納するように構成されている。また、第1集積トレイ24の上方には綴じ処理を行わず直接シート収納するエスケープトレイ22が配設されている。
画像形成装置Aについて図1に従って説明する。この画像形成装置Aは、給紙部1からシートを画像形成部2に送り、画像形成部2でシートに印刷した後、本体排出口3から排出するように構成されている。給紙部1は複数サイズのシートが給紙カセット1a、1bに収納してあり、指定されたシートを1枚ずつ分離して画像形成部2に給送する。
シート処理装置Bは図1及び図2に示す様に、装置フレーム20の一方に設けられたシートの搬入口30と、これと反対の外側に設けられた1枚シートや比較的厚いシートを集積するエスケープトレイ22が配置されている。このエスケープトレイ22の下方には、端面綴じ処理したシートや比較的量が多いシートを集積する昇降可能な第1集積トレイ24が位置している。さらにこの第1集積トレイ24の下方には、中綴じあるいは折り処理されたシートを集積する第2集積トレイ26が設けられている。なお、この発明で端面とは、シートの端部周辺の面、すなわちシート縁部の表裏面を示している。
このシート処理装置Bの上記搬入口30からは搬入経路32から戴置トレイ出口50に向かって略直線的に延びる搬送経路42が配置されている。搬入経路32にはパンチユニット31が設けられ、シートの端面や必要に応じて搬送方向の中程にパンチ処理する。このパンチユニット31の搬入経路32を挟んだ下方にはパンチ処理時に発生するパンチ屑を集積するパンチ屑ボックス31bが装置フレーム20に着脱自在に設けられている。
また、搬送経路42は、シートをエスケープトレイ22に案内するエスケープ経路38と、比較的長いシートを中綴じ処理や折り処理するために第2処理トレイとなるスタッカ84に案内する分岐経路70とに、分岐位置36で分岐されている。この分岐位置36には、シートを搬送経路42にそのまま搬送するか、エスケープ経路38に搬送するか、搬送経路42上でスイッチバックさせて分岐経路70に案内するかを選択するための経路の切り替えゲート37が設けられている。
ところで、搬送経路42の搬送経路出口46の下方には戴置トレイ54が設けられその下端側には、この戴置トレイ54上に一時集積したシートの端面を綴じる端面綴じ部60が位置している。この端面綴じ部60については、追って図3と図5により説明する。
一方、比較的長いシートを上記の搬送経路42を戴置トレイ54方向に一旦搬送し、切り替えゲート37の下流側に搬送後、今度はスイッチバック搬送して分岐経路70に搬送して分岐出口76からスタッカ84(第2処理トレイ)に集積する。このスタッカ84に集積したシートの中ほどを綴じる中綴じ部80が配置されている。図2に示す様に分岐出口76には、分岐排出ローラ74からスタッカ84にシートが搬入される毎にシートを図示左側に付勢して先行シート後端と次シート先端の衝突を防止する変更フラッパ78が設けられている。
スタッカ84にはシートの搬入位置を規定するストッパ85が位置している。このストッパ85は、スタッカ84の側方で上プーリ86と下プーリ87に張設された移動ベルト88をストッパ移動モータ85Mで駆動することにより図示矢印方向に移動する。ストッパ85の位置は、シートがスタッカ84に搬入の際にシートの後端が上記の変更フラッパ78で変更できる位置、シートの搬送方向の略中央を中綴じユニット82で中綴じを行う位置、及び中綴じされた位置を折りローラ92対に往復動する折りブレード94で押し込んでシートの束を二つ折りする位置に夫々停止する。また、折りローラ92の上下には、シートのスタッカ84の搬入の都度シート幅方向からシートの両側縁を押圧して揃え動作を行う中綴じ整合板81が設けられている。
中綴じ部80には、シートの束を、例えばステープル針を中綴じユニット82内のドライバによって打ち込み、これに対向する位置に設けられステープル針の脚部を折り曲げるアンビル83が設けられている。この中綴じユニット82は既に広く知られているので、ここでの説明を省略するが、綴じ手段としてはステープル針をシート束に貫通して綴じるのみではなく、シートの搬送方向中央に接着剤を塗布して、シートを貼り合せて束とする機構であってもよい。
上記の中綴じユニット82で綴じられたシート束は、折りローラ92とこれにシート束を押し込む折りブレード94によって、二つ折りにされながらのこの折りローラ92とその下流側に位置する束排出ローラ96によって、第2集積トレイ26に排出される。この第2集積トレイ26には、折り処理されその背側を先端側として排出される折りシート束を第2集積トレイ26に落下させる先端に回転自在のコロを設け揺動自在の押えローラ102と、集積した折りシート束が広がらないように上から押える押えレバー104が取り付けられている。この押えローラ102と押えレバー104により折りシート束が開いてしまい集積性の低下を低減している。
ここで、図3により分岐位置36や端面綴じ部60について、さらに説明を続ける。既に説明したようにここでは、搬入口30から搬入ローラ34が配置された搬入経路32、これから戴置トレイ54方向に直線的に延びる搬送経路42、この搬送経路42から図示上方に延びるエスケープ経路38と下方に湾曲してシートをスタッカ84に案内する分岐経路70が示されている。分岐位置36には搬入経路32のシートをエスケープ経路38か搬送経路42か、または搬送経路42をスイッチバック搬送してくるシートを分岐経路70に選択的に位置して案内する切り替えゲート37が配置されている。
このスイッチバック搬送は、搬送経路42の切り替えゲート37の直後に配置されたシートセンサ42Sがシート後端の通過を検出した後、搬送ローラ44を他方回転させることよっておこなわれる。この他方回転のときは、切り替えゲート37が搬入経路32を塞ぐ位置(図3破線位置)に移動しており、これによりシートは分岐経路70に搬送され、分岐ローラ72によって引き継ぎ搬送される、シート後端が所定位置に到達するとこの分岐ローラ72を停止して、分岐経路70でシートを待機状態とする。
ここで、戴置トレイ54へのシートの搬入について説明する。この戴置トレイ54への搬入は、搬送ローラ44から放出したシートを下流側に位置する排出ローラ48の他方回転で戴置トレイ54の傾斜面を図3右側に搬送する。この搬送されたシートを、かき込みコロ56を図示反時計方向に回転して移送する。この移送によりシートの搬送方向先端は端面の綴じ基準となる基準面57に当接して停止する。このときかき込みコロ56はシート上を滑り、シート先端が基準面に当接後に座屈することを防いでいる。このように、排出ローラ48は搬送ローラ44から排出されたシートをスイッチバック搬送して戴置トレイ54の基準面57に送る機能を有している。
シートが搬送ローラ44から放出される度に、排出ローラ48とかき込みコロの回転によりシートを基準面57に送り戴置トレイ54上に積み重ねていく。また、この積み重ね動作に合わせて、整合板58をシート幅方向の両側から当接させてシートを戴置トレイ54の幅方向中央に整合する。このような積み重ねと整合を、束とする指定の枚数になるまで繰り返す。指定枚数になると、今度は移動台63の上をシートの端面をシート幅方向に移動する端面綴じユニット62を所望の綴じ位置に移動する。この移動は、移動台63にシート幅方向に設けられた図示の溝レールに端面綴じユニット62の移動ピン62bが嵌合して案内されてなされる。
端面綴じユニット62で綴じ処理されたシート束は、戴置トレイ54下の右プーリ65と左プーリ66に架け渡された基準面移動ベルト64の図示反時計方向の移動により、この基準面移動ベルト64に連結された基準面57が図示左方向に移動することにより、移動部材としてシート束の綴じ端面側を第1集積トレイ24に向けて移動するように押し出す。この押し出しとともに戴置トレイ54の出口に配置された排出ローラ48で綴じられたシート束を表裏から押圧し、時計方向の回転により第1集積トレイ24に綴じられたシート束を排出する。
シート束を集積する第1集積トレイ24について説明する。図3に示す様にこの第1集積トレイ24は戴置トレイ54と傾斜角度を略同様にして配置され、戴置トレイ54から排出される綴じシート束や搬送経路42から搬送ローラ44、排出ローラ48によって排出される1枚毎のシートも集積する。
次に、図4により搬送ローラ44と排出ローラ48の回転駆動及び離接の構成について説明する。
まず、搬送上ローラ44aと搬送下ローラ44bからなる搬送ローラ44の駆動は、搬送ローラモータ44Mで行われる。この搬送ローラモータ44Mはハイブリッド型のステッピングモータから構成され、モータ軸の回転速度を検出する速度検出センサ44Sが配置されている。この搬送ローラモータ44Mの駆動は、伝達ギア120、122、伝達ベルト124を介してアームギア126に伝達される。このアームギア126から駆動は、搬送ローラ支持アーム136に支持された搬送上ローラ44aの上ローラ軸44ujに伝達ベルト128で伝達される。
また、搬送上ローラ44aは固定された搬送下ローラ44bに対して離接するためアームギア126の軸を中心に回動されるように取り付けられている。この離接は、アームギア126の軸に取り付けられた後方扇形ギアを有し、先端側の移動アーム先に搬送上ローラ44aを付勢するバネ134が取り付けられた搬送ローラ移動アーム130によって行われる。すなわち、上記の後方扇形ギアに係合する搬送ローラ移動アームモータ130Mを正逆転駆動することにより、一方向回転により矢印Oの解放方向に、他方回転により矢印Cの搬送下ローラ44bに圧接する矢印Cの圧接方向に移動する。なお、搬送ローラ移動アームモータ130Mもステッピングモータで構成されるとともに、搬送ローラ移動アーム130の位置を搬送ローラ移動アームセンサ130Sで検出するようになっている。
搬送下ローラ44bの回転駆動は、搬送ローラモータ44Mの駆動を、伝達ギア120、伝達ベルト138を介して搬送下ローラ軸44sjに個設された受けギア142に伝達して行われる。
排出上ローラ48aと排出下ローラ48bからなる排出ローラ48の駆動は、排出ローラモータ48Mで行われる。この排出ローラモータ48Mもハイブリッド型のステッピングモータから構成され、モータ軸の回転速度を検出する速度検出センサ48Sも同様に配置されている。この排出ローラモータ48Mの駆動は、伝達ギア150、152、伝達ベルト154を介してアームギア156に伝達される。アームギア156から駆動は、排出ローラ支持アーム166に支持された排出上ローラ48aの排出上ローラ軸48ujに伝達ベルト158で伝達される。
排出上ローラ48aは、固定された排出下ローラ48bに対して離接するためアームギア156の軸を中心に回動されるように取り付けられている。この離接は、アームギア156の軸に取り付けられた後方扇形ギアを有し、先端側の移動アーム先に排出上ローラ48aを付勢するバネ164が取り付けられた排出ローラ移動アーム160によって行われる。上記の後方扇形ギアに係合する排出ローラ移動アームモータ160Mを正逆転駆動することにより、一方向回転により矢印Oの解放方向に、他方回転により矢印Cの排出下ローラ48bに圧接する矢印Cの圧接方向に移動する。なお、排出ローラ移動アームモータ160Mもステッピングモータで構成されるとともに、排出ローラ移動アーム160の位置を排出ローラ移動アームセンサ160Sで検出するようになっている。
以上の構成により、排出ローラモータ48Mの正逆回転に従い、排出ローラ48は図示実線矢印方向の一方向と破線矢印方向の他方向(シートが搬送ローラ44から放出されてから戴置トレイ54上で基準面57側へのスイッチバック方向)に回転する。また、この排出ローラモータ48Mは、搬送ローラ44を所定の速度で駆動するように速度設定が変更可能としている。
ここで、図3に戻って、上述した端面綴じのためスイッチバック搬送して分岐経路70に待機する待機搬送について述べる。戴置トレイ54の端面綴じユニット62で綴じ処理する場合に、画像形成装置Aの画像形成したシートの搬入する速度が速く、またシート間隔が短いために、先行するシート束の端面綴じ処理が完了しないのに次のシートが搬入されることを防ぐ必要がある。この為、搬入経路32を経て搬送経路42に搬送されたシートの1枚目または2枚目までを一旦搬送経路42上でスイッチバック搬送し、このスイッチバック搬送したシートを分岐経路70に留め置いて待機させることが行われている。そして次の2枚目あるいは3枚目のシートと重ね合わせて送るように分岐経路70に待機したシートを繰り出す様にしてシート束間の間隔時間を確保する。(このことはたとえば、特許5248785号の図10に開示されている。)
なお、この実施の形態においては、搬送ローラ44によりシートは「待機搬送」を行う場合には、シート後端が搬送経路42と分岐経路70との分岐位置に配置されたシートセンサ42Sに検知されるとシートを分岐経路70にスイッチバック搬送して分岐経路70に位置する分岐ローラ72にニップさせてその後この分岐ローラ72の回転を停止する。また、分岐経路70の下流側に位置するスタッカ84に集積して中綴じ処理を行う「第2トレイ搬送」を行う場合、同様に搬送ローラ44によりスイッチバック搬送されたシートを分岐経路70の分岐ローラ72に送り停止させることなくスタッカ84に送る。
また、排出ローラ48は、先に説明したように排出上ローラ48aが揺動可能となっていて、下降して排出下ローラ48bに圧接する圧接位置(図4の破線位置)と、排出下ローラ48bから上昇した離間位置(図4の実線位置)に位置する。そして、戴置トレイ54でシート束にシート処理がされた後に、このシート束を第1集積トレイ24に排出するために、まず基準面57を基準面移動ベルト64により、戴置トレイ出口50側に移動して押し上げる。引き続き排出上ローラ48aを圧接位置に下降して、シート束を排出下ローラ48bと共にニップして戴置トレイ出口50側にシート束を移送して、第1集積トレイ24に束排出する。
排出ローラ48によって、排出されるシート束は、戴置トレイのシート処理部で処理される。本実施の態様のシート処理は、端縁面綴じユニット62で綴じる綴じ処理と、整合板58で戴置トレイ54での位置を異ならせて排出して第1集積トレイ24で綴じられることなく区分けする、いわゆるジョグ処理が行われる。なお、このほかにも、糊付けによる貼り合わせやシートに穿孔するパンチ処理などもこのシート処理に含まれる。
すでに、この発明のシート処理部として、シート束を針綴じ処理する端面綴じユニット62について触れているが、ここでこの端面綴じユニット62のシート束の幅方向の移動について、図5により説明する。この図はシート束の針綴じを行う端面綴じユニット62が、移動台63上で移動することを示している。この移動台63はシート処理装置Bの装置フレーム20に、図示上部をフロント側として、下部をリア側としている。図3も参照すると、移動台63には端面綴じユニット62側から突出する移動ピン62bを案内する移動溝63bが略直線状に設けられている。この端面綴じユニット62の先端側にガイドピン62cが、移動台63に設けられた姿勢ガイド63eに係合されてある。
次に、図6により、戴置トレイ54へのシート搬入の都度シート側縁に当接して、シートを整合したり、シートの戴置位置を変更したりする整合板58について説明する。図6は、戴置トレイ54を上面から見た図で、整合板58は、フロント側のフロント整合板58aとリア側のリア整合板58bとからなる。これらは夫々、シートの側縁に離接するフロント整合面58afとリア整合面58bfを有する。このシート側縁への離接は、フロント整合板58aの底部に設けられ、フロントラックガイド58aRGに案内されるフロント整合板ラック59aRがフロント整合モータ59aMによってギア59aGを介して移動される。同様に、リア整合板58bの底部に設けられ、リアラックガイド58bRGに案内されるリア整合板ラック58bRがリア整合モータ59bMによってギア59bGを介して移動される。
本願の第2の処理である区分け処理を行う場合は、たとえば図6に示す最大シートを戴置トレイ54に搬入後、このシート幅方向外側に位置していたフロント整合板58aを図示Sf1移動する。これによってシートはリア側でSf2移動し、予め退避していたリア整合板58bにシートの側縁が当接して、リア側に寄せられて戴置トレイ54に位置することになる。これとは逆にリア側整合板58bでフロント側に寄せれば、フロント側に位置することになる。これによりシートを区分けすることができる。
ここで、再び図6に戻り、続く図7により戴置トレイ54にシートを搬送する際のシート腰付け機構を説明する。これは、搬送ローラ44による搬送経路42から搬送ローラ44によって、戴置トレイ54にシートを搬入するか、あるいはシート先端を、排出ローラ48を通過させ再び上流側にスイッチバック搬送する際にシートの腰が弱く戴置トレイ54出口付近で、シート束が前転するのを防ぐため機構である。
この腰付けコロ45を使用して、シート搬送することを実験した図が図30に示してある。これは、シートをスイッチバック搬送する排出ローラERの位置も示しているが、搬送ローラHRによって搬送するシート束の枚数を変えて行ったものである。まず、図30(a)は、2枚のシートの搬送状態の説明図である。この図に示すように、搬送ローラHRで送られるシートが2枚(後続シートnp1、np2)である場合には、搬送ローラHRにある程度腰付けされるため、搬送ローラHRと排出ローラERとの間で下方側にガイドGAで案内されても、比較的スムーズに排出ローラERに搬送された。
次に、図12(b)は、排出ローラ48により戴置トレイ54上のシート束BP1と2枚の後続シートP3、P4を合わせてニップし、第1集積トレイ24に搬送する、これまでに説明した同時束出しに関わる図である。この図にあるように、排出上ローラ48aが排出下ローラ48bに圧接する位置に下降して、戴置トレイ54上のシート束BP1と後続シートP3、P4を同時にニップし、束出し、後続シートの排出方向への移送を行う。ここでのシート束BP1と後続シートP3、P4の夫々搬送速度は、600mm/secに減速され、さらに、同時束出しの速度は480mm/secで行われる。この状態は、図27では、戴置トレイ54のシート束と待機シートを同時束出しS16の束排出ステップとして示されている。
続いて、図15(b)に示すように、引き続きシート3枚目P3(待機シート1枚目wp1)のその先端が搬送ローラ44により、排出ローラ48を超えて搬送される。この後続シートP3はスイッチバック搬送されるので、搬送経路42と分岐経路70の分岐位置に位置する切り替えゲート37は、シートを分岐経路70に案内する図示の位置に移動する。また、このシートのスイッチバック搬送が開始されると、基準面移動モータ64Mを起動し、基準面57でシート束BP1を戴置トレイ出口50に押し出す。この押し出しタイミングは、戴置トレイ54のシート束BP1の整合板58の片寄せシフト部材が終了した時点で直ちに押し出しを開始してもよいが、本願のように後続シートP3のスイッチバック搬送を開始してから押し上げるようにすると、後続シートP3で後方に引っ張られてシート束PBの整列性がより向上する。ここでの後続シートのスイッチバック搬送の速度は750mm/sec、基準面57による押し出し速度は、何れも600mm/secを設定値としてある。
図16は、図15に続く先行束出しの説明図である。図16(a)は、後続シートP3が搬送ローラ44でスイッチバック搬送され排出ローラ48の上流側に戻った時点で、排出ローラ48の排出上ローラ48aを下降して戴置トレイ54上のシート束BP1をニップして、先行して束出しを開始している図である。後続シートP3は切り替えゲート37により分岐経路70に進み、分岐ローラ72によりさらに分岐経路70下流側に進む。これにより後続シートP3の後端は排出ローラ48の上流に位置し、シート束BPの排出に干渉することなくスイッチバック搬送する。これにより上流側に後続シートP3が通過後直ちに排出ローラ48で戴置トレイ54上のシート束BPを第1集積トレイ24に排出できることは上述したとおりである。このとき、シート束BP1を戴置トレイ出口50側に押し出した基準面57は図示の破線位置から元の実線位置に復帰する。この状態は、図27では、待機(後続)シートスイッチバックして排出ローラ48上流に戻しと24で示される。また、このスイッチバック段階では、上述したように戴置トレイ54のシート束排出S25の束だしステップとして示されている。
図16(b)は、引き続き戴置トレイ54から排出ローラ48でシート束BP1の排出を行い、第1集積トレイ24に排出している図である。ここでのシート束排出速度は整合性を悪化させないため速度も600mm/secから350mm/secに減速している。この図16(b)の状態の直後にシート束BP1は第1集積トレイ24に排出され、これにより先行束だしは完了する。一方、2枚目の後続シートP4は、搬入ローラ34によって搬送ローラ44に向かって送られてくる。この後続シートP4がシートセンサ42Sによって検出されると、予め分岐経路70に待機していた待機シートwp1(3枚目の後続シートP3)との間にwplの差を持って、共に搬送ローラ44に向かって搬送される。ここでの後続シートの搬送速度は650mm/secとしてある。
図16(b)でシート束BP1が排出後、図17(a)に示すように引き続き後続シートP3、P4が搬送ローラ44で搬送され、排出ローラ48に近接する。このとき、排出上ローラ48aは図示破線の圧接位置から実線の離間位置に退避する。この排出ローラ48の位置を後続シートP3、P4が通過する。 なお、後続シートが3枚以上の場合は、この図に示すように排出上ローラ48aを上昇した離間位置に移動すると、シートの排出ローラ48位置の通過が容易なる。この点は、後述する。
図17(a)の状態から、排出ローラ48位置を後続シートP3、P4が通過すると図17(b)に示される様に、再び排出ローラ48でニップされ、第1集積トレイ24側に移送される。その後排出ローラ48はその回転を一旦停止する。この状態は、図示楕円図内に示される様に、後続シートP3、P4はwplの距離をもってずれており、また後続シートP3とシートセンサ42Sの距離がSBlとなる状態に一致するように設定されている。そして、排出ローラ48は逆転(図と矢印方向が逆の反時計方向に回転)を開始する。この状態は、図27では、待機シートのみを戴置トレイ54にスイッチバックするS26の搬入ステップとして示されている。なお、この戴置トレイ54への放出時は600mm/secから300mm/secに減速して行われ、その後停止し、戴置トレイ54への搬入は600mm/secを設定値として搬送する。
図18(b)は、待機シートwp1である後続シートP5が排出ローラ48を通過しスイチバック搬送を開始するとともに、基準面57は戴置トレイ54上のシート束BP2の押し出しを開始した状態の図である。この状態はこの先行束だしで説明した図15(b)略同じで、あるのでここでの説明を省略するが、後続シートP5のスイッチバック搬送中に基準面移動モータ64Mを起動し、基準面57でシート束BP1を戴置トレイ出口50に押し出しを行っている。また、ここでの後続シートのスイッチバック搬送の速度は750mm/sec、基準面57による押し出し速度は、何れも600mm/secを設定値としてある。
次に、図19から図26により、図15から図18までの変形例を説明する。この変形例は、図10(c)で説明した戴置トレイ54に10枚シート束として戴置し、これを第1集積トレイ24に排出するものによく採用できる。そして、図15から図18の動作と異なる点は、後続シートが3枚以上となり、このうちの待機シートwpこのものは後続シートがスイッチバック搬送する間に戴置トレイ54のシート束を段階的に第1集積トレイ24に排出する(段階的先行束出し)。
まず、図19(a)は、図14に続くシートの状態として、戴置トレイ5410枚のシート束BP1が戴置され、戴置されたシートは一方側に整合・シフト部材が完了した状態を示している。また、後続シートP11(待機シートwp1)か搬入ローラ34により、搬入を開始している。次に、図19(b)は、後続シートP11が待機シートwpとして搬送ローラ44によりスイッチバックを開始されると共に、このスイッチバック開始により基準面57がシート束BP1の押し出しを開始している。この場合も、後続シートのスイッチバック搬送時に戴置トレイ54のシート束BPの押し出しを開始するので、綴じがなされていないシート束であっても整列性の乱れが少なくなる。
続いて、図20(b)では、2枚目の後続シートP12の搬入により排出ローラ48のシート束のニップ排出を中断し、排出上ローラ48aを離間位置に上昇する。この状態では、先行束出しされたシート束BP1は、戴置トレイ54の出口近くで一旦停止するが、シート束形状がある程度屈曲しているので煮崩れすることはない。あるいは、排出下ローラ48b付近からシート束BP1を支える図示しない補助トレイやシート束BP1押さえを設けてもよい。
図22は、図21に続く状態図で先行シート束の段階出しを実行する。図22(a)では、2枚の後続シートP11、P12が排出ローラ48の上流側にスイッチバックした時点で、排出上ローラ48aを再び下降させる。この下降により、排出ローラ48で排出途中であった戴置トレイ54上のシート束BP1を、再びニップ回転して次段の排出を行う。続く図22(b)では、排出ローラ48によりシート束BP1が第1集積トレイ24に排出される。その後排出上ローラ48aは次の後続シートの搬入に備えて、図示破線の圧接位置から実線の離間位置に移動する。一方、待機経路としての分岐経路70には2枚の待機シートwp1、wp2(後続シートP11、P12)と、後続シートP13が夫々先端がずれた状態で搬送ローラ44の上流側にセットされる。
次に、本願の2つ目の変形例を図25により説明する。これは先に図14から図18で、先行束だしとして説明した状態図のうち、図16(b)、図17(a)の状態の変形である。すなわち、図16(b)でシート束BP1が排出後、図17(a)に示すように引き続き後続シートP3、P4が搬送ローラ44で搬送され、排出ローラ48に近接する。このとき、排出上ローラ48aは図示破線の圧接位置から実線の離間位置に退避する。この排出ローラ48の位置を後続シートP3、P4が通過する。そして、この通過後に排出上ローラ48aを圧接位置に再び移動している。
一方、後続シートが3枚以上の場合は、図30(b)で既に説明したように搬送ローラHRにある程度腰付けされていても、搬送ローラHRと排出ローラERとの間で下方外にガイドGAで案内されて最下層np1のシートが戴置トレイTrに側に前転してしまい、これにつられて後続シートすべてがカールしてしまい、ジャム発生してしまった。
上述した画像形成装置のシステム制御構成を図28のブロック図に従って説明する。図1に示す画像形成装置のシステムは画像形成装置Aの画像形成制御部200とシート処理装置Bのシート処理制御部204(制御CPU)を備えている。画像形成制御部200は、給紙制御部202と入力部203を備えている。そしてこの入力部203に設けられたコントロールパネル18から「プリントモード」「シート処理モード」の設定を行うことは既に述べた通りである。
上述のように構成された本実施態様のシート処理制御部204はシート処理装置Bに、例えば「プリントアウトモード」「端面綴じモード(第1の処理)」「区分け(ジョグ)モード」、「中綴じモード」等に実行させる。以下、この処理モードについて述べる。
(1)「プリントアウトモード」
画像形成装置Aの本体排出口3から画像形成されたシートを受け入れ、このシートを搬送ローラ44や排出ローラ48で第1集積トレイ24に収容する。
(2)「端面綴じモード(第1の処理)」
(3)「区分け(ジョグ)モード(第2の処理)」
(4)「中綴じモード」
B シート処理装置
20 装置フレーム
24 第1集積トレイ(積載トレイ)
26 第2集積トレイ
30 搬入口
32 搬入経路
36 分岐位置
37 切り替えゲート
42 搬送経路
44 搬送ローラ
45 腰付けコロ
48 排出ローラ
48a 排出上ローラ
48b 排出下ローラ
50 戴置トレイ出口
54 戴置トレイ(処理トレイ)
57 基準面(移動部材)
58 整合板
58a フロント整合板
58b リア側整合板
60 端面綴じ部
62 端面綴じユニット
70 分岐経路(待機経路)
72 分岐ローラ
204 シート処理制御部
210 シート搬送制御部
Claims (13)
- 戴置トレイに戴置されたシートを処理するシート処理部と、
上記戴置トレイで処理されたシートを積載トレイに排出する揺動可能な排出ローラと、
上記戴置トレイにシートを排紙するか、上記排出ローラの上流から下流に後続シートを搬送し再び上流にスイッチバック搬送する搬送ローラと、
上記搬送ローラでスイッチバックされたシートを待機させる待機経路とを備え、
上記後続シートを上記搬送ローラで上記排出ローラの下流側に搬送しその後スイッチバック搬送して上流側に戻し、このスイッチバック搬送中に上記排紙ローラが上記戴置トレイのシートをニップして上記積載トレイに排出することを特徴とするシート処理装置。 - シートを束として戴置する戴置トレイと、
上記戴置トレイに戴置されたシートを処理するシート処理部と、
上記シート処理部で処理されたシートをニップして積載トレイに排出するニップ位置とこれから離間した離間位置と間で揺動可能な排出ローラと、
上記排出ローラの上流側に設けられシートを上記戴置トレイに排紙すると共に、離間位置にある上記排出ローラを超えて後続シートを搬送し再び排出ローラ上流側にスイッチバック搬送する正逆回転可能な搬送ローラと、
上記戴置トレイ上のシートをシート処理部で処理するため、上記搬送ローラによってスイッチバックされた後続シートを待機させる待機経路と、
上記排出ローラと上記搬送ローラを制御する制御部とを備え、
上記制御部は、
上記後続シートを上記搬送ローラで上記排出ローラの下流側に搬送しその後スイッチバック搬送して上記排出ローラの上流側に戻し、この上流側に戻った段階で処理済みシートを上記排紙ローラでニップして上記戴置トレイから上記積載トレイに排出することを特徴とするシート処理装置。 - 上記排出ローラは、上記搬送ローラが待機経路から上記後続シートを上記戴置トレイに排紙の際は、戴置トレイの基準側に向けて移動するために後続シートをニップして上記積載トレイへの排出方向と反対側に逆転することを特徴とするとする請求項2に記載のシート処理装置。
- 上記戴置トレイには、上記戴置トレイ上の処理済シートを積載トレイ側に移動する移動部材が設けられ、この移動部材は上記制御部により後続シートの移動に応じて戴置トレイに戴置された処理済シートを積載トレイ側に予め押し出すことを特徴とする請求項2に記載のシート処理装置。
- 上記制御手段は、上記移動部材による上記戴置トレイ上の処理済シートの押し出しを、後続シートが上記搬送ローラによってスイッチバック搬送が開始されてから行うことを特徴とする請求項4に記載のシート処理装置。
- 上記シート処理部は、上記積載トレイでシート区分けするために上記戴置トレイに戴置されるシートの戴置位置を変更するシフト部材であることを特徴とする請求項5に記載のシート処理装置。
- 上記シフト部材は、上記戴置トレイ上に戴置されたシート側縁に当接する当接位置とこれから離間した離間位置との間でシフト可能に設けられてシートを揃える整合板からなることを特徴とする請求項6に記載のシート処理装置。
- 上記戴置トレイの基準側には、上記整合板で整合された戴置トレイ上のシートを綴じる端面綴ユニットがシート幅方向に移動可能に配置されていることを特徴とする請求項7に記載のシート処理装置。
- 上記搬送ローラによりスイッチバック搬送されたシートを待機させる上記待機経路は、上記戴置トレイ側方で湾曲した経路からなりこの湾曲した経路の下流側にはシートをスタックするスタッカと、このスタッカにスタックされたシートの中ほどを綴じる中綴じユニットとが配置されていることを特徴とする請求項8に記載のシート処理装置。
- 前記搬送ローラによってスイッチバック搬送され上待機経路に待機する後続シートが複数枚ある場合には、上記制御部は、後続シートの夫々が排出ローラの上流側に戻る都度に処理済みシートを上記排紙ローラでニップして上記戴置トレイから上記積載トレイ側に区分け移動して排出することを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
- 上記戴置トレイには、上記戴置トレイ上のシートを上記積載トレイ側に移動する移動部材が設けられ、この移動部材は上記制御部により後続シートの最初のシートのスイッチバック搬送が開始された後に戴置トレイに戴置された処理済シートを上記積載トレイ側に予め押し出すことを特徴とする請求項10に記載のシート処理装置。
- シートに画像形成を行う画像形成部と、
この画像形成部から搬送されるシートに対して処理を行うシート処理装置を備え、このシート処理装置は上記請求項1ないし11のいずれか1項に記載の構成を備えるシート処理装置であることを特徴とする画像形成装置。 - 処理されたシートを戴置トレイから排出するシート排出方法であって、
シートを束として戴置する戴置トレイと、
上記戴置トレイに戴置されたシートを処理するシート処理部と、
上記シート処理部で処理されたシートをニップして積載トレイに排出するニップ位置とこれから離間した離間位置と間で揺動可能な排出ローラと、
上記排出ローラの上流側に設けられシートを上記戴置トレイに排紙すると共に、離間位置にある上記排出ローラを超えて後続シートを搬送し再び上記排出ローラ上流側にスイッチバック搬送する正逆回転可能な搬送ローラと、
上記戴置トレイ上のシートを上記シート処理部で処理するため、上搬送ローラによってスイッチバック搬送される後続シートを待機する待機経路とを備え、
上記後続シートの先端を排出ローラの下流側に搬送に上記搬送ローラで搬送する搬送ステップと、
この後続シート先端が排出ローラを超えて下流側に達した段階でこの後続シートを上記搬送ローラでスイッチバック搬送するスイッチバックステップと、
このスイッチバックした後続シートの先端が排出ローラ上流側に戻った後に
上記戴置トレイの処理済みシートを上記排紙ローラでニップして上記戴置トレイから積載トレイ側に排出する排出ステップとからなることを特徴とするシート排出方法。
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