JP2018045902A - リチウムイオン電池及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストで大型化を可能にし、かつ適切な電池容量を確保しながらも省スペース化を図る。【解決手段】第1極集電体、第1極活物質層、セパレータ、第2極活物質層及び第2極集電体が順に積層されてなる平板状の電池セルをラミネート容器に封止してなるラミネート電池を電池容器に収容したリチウムイオン電池において、ラミネート電池は、所定の間隔で屈曲部分が形成されることで、電池容器内において第1極集電体側の第1面同士と第2極集電体側の第2面同士とがそれぞれ相対向されるように交互に複数折り畳まれてなり、屈曲部分は、ラミネート電池の屈曲方向に対して連続した曲面を形成し、相対向する第1面同士及び第2面同士の間には所定の空間が形成されるようにラミネート電池が折り畳まれている。【選択図】図1

Description

本発明は、第1極集電体、第1極活物質層、セパレータ、第2極活物質層及び第2極集電体が順に積層されてなるリチウムイオン電池及びその製造方法に関する。
リチウムイオン(二次)電池は、高容量で小型軽量な二次電池として、近年様々な用途に多用されている。一般的なリチウムイオン電池は、正極活物質及び電解液を含む正極電極組成物層を正極集電体の表面に形成した正極と、同様に負極活物質及び電解液を含む負極電極組成物層を負極集電体の表面に形成した負極とがセパレータを挾んで積層されてなる単電池が外装体たる容器に収納されて構成されている。
一方、大型の発電所で発電した電力の余剰分を一時的に蓄電することの可能な、定置用蓄電池が注目されている。このような定置用蓄電池に用いられる蓄電池(二次電池)については、例えばナトリウム・硫黄電池のような、様々な種類の電池が検討、実用化されている。
特表2015−524994号公報
しかしながら、従来のリチウムイオン電池を上述した定置用蓄電池に適用する場合、正極及び負極の膜厚が100μm程度のものが一般的であるので、リチウムイオン電池を多数組み合わせて大型化する必要があり、生産性が低くコストが嵩むという課題があった。また、このように多数のリチウムイオン電池を組み合わせて定置用蓄電池を構成した場合、膜厚が薄いために単位体積当たりの電池容量を増やすことが困難であった。
電池容量の増加を目的として、一方向に延びかつ対向する一対の電極バスから交互に略直方体状の正極及び負極を突出させ、これら正極及び負極の間にセパレータを配置したリチウムイオン電池が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この特許文献1に提案されているリチウムイオン電池においても、数百μmの膜厚を有しているため、大型化するためにはこのリチウムイオン電池を、上述の一方向に直交する方向に数多く積層したスタック構造にしており、従って、依然として上述の課題を解決するには至っていない。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、低コストで大型化を可能にし、かつ適切な電池容量を確保しながらも省スペース化を図ることの可能なリチウムイオン電池及びその製造方法の提供を、その目的の一つとしている。
本発明は、第1極集電体、第1極活物質層、セパレータ、第2極活物質層及び第2極集電体が順に積層されてなる平板状の電池セルをラミネート容器に封止してなるラミネート電池を電池容器に収容したリチウムイオン電池に適用される。そして、ラミネート電池に所定の間隔で屈曲部分を形成することで、このラミネート電池が、電池容器内において第1極集電体側の第1面同士と第2極集電体側の第2面同士とがそれぞれ相対向されるように交互に複数折り畳まれてなり、屈曲部分がラミネート電池の屈曲方向に対して連続した曲面を形成し、相対向する第1面同士及び第2面同士の間には所定の空間が形成されるようにラミネート電池が折り畳まれていることにより、上述の課題の少なくとも一つを解決している。
ここで、相対向する前記第1面同士及び前記第2面同士のそれぞれの間に、第1面または第2面を所定の形状に支持する複数の支持体を設けることが好ましい。また、ラミネート電池の側面に複数の電流取り出し端子を設けることが好ましい。さらに、支持体に、気体または液体が移動可能な空隙を設けることが好ましい。そして、第1極活物質層及び第2極活物質層は、高分子化合物を含んでなる被覆層を有する電極活物質を含むことが好ましい。
また、本発明は、第1極集電体、第1極活物質層、セパレータ、第2極活物質層及び第2極集電体が順に積層されてなる平板状の電池セルをラミネート容器に封止してなるラミネート電池を電池容器に収容したリチウムイオン電池の製造方法に適用される。そして、ラミネート電池に所定の間隔で屈曲部分を形成することで、電池容器内において、第1極集電体側の第1面同士と第2極集電体側の第2面同士とをそれぞれ相対向させるようにラミネート電池を交互に複数回折り曲げて配置する配置工程を備え、さらに、配置工程が、相対向する第1面同士及び第2面同士の間に第1面または第2面を支持する支持体を配置する工程を備えることにより、上述の課題の少なくとも一つを解決している。
本発明によれば、低コストで大型化を可能にし、かつ適切な電池容量を確保しながらも省スペース化を図ることの可能なリチウムイオン電池及びその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態であるリチウムイオン電池を示す斜視図である。 一実施形態であるリチウムイオン電池を構成するラミネート電池を示す斜視図である。 本発明の一実施形態であるリチウムイオン電池の製造方法を示す図である。 一実施形態のリチウムイオン電池に用いられる支持体を示す斜視図である。 一実施形態のリチウムイオン電池の製造方法を示す工程図である。 一実施形態のリチウムイオン電池の製造方法を示す工程図である。 一実施形態のリチウムイオン電池に用いられる単電池を示す一部破断斜視図である。 本発明の変形例であるリチウムイオン電池を示す斜視図である。 本発明の変形例であるリチウムイオン電池の製造方法を示す工程図である。 (a)は本発明のリチウムイオン電池が有する単電池の変形例の要部を示す断面図、(b)は(a)のA円内拡大断面図、(c)は(a)のB円内拡大断面図である。 本発明のリチウムイオン電池の変形例を示す図である。
(一実施形態)
図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態であるリチウムイオン電池について詳細を説明する。本発明の一実施形態であるリチウムイオン電池を示す斜視図、一実施形態であるリチウムイオン電池を構成するラミネート電池を示す斜視図である。
これら図において、本実施形態のリチウムイオン電池Lは、外形略板状の一形態である外形略帯状のラミネート電池20と、このラミネート電池20を収容する電池容器の一形態であるフレーム22とを備える。本実施形態のラミネート電池20は、長さ方向には10m程度、厚さ方向には10cm程度、厚さ方向には数mm程度の大きさに形成されている。ラミネート電池20は、図7に示す、同様に外形略帯状のリチウム二次単電池1をラミネート容器21に収容し、さらにラミネート容器21内を減圧脱気して封止して構成されている。
ラミネート容器21(以下、単に容器21と称することがある)は、図2に詳細を示すように、シート状の部材をそれぞれ所定形状に形成してなる上容器21a及び下容器21bに分割されて構成されている。上容器21a及び下容器21bは略同一の形状に形成されており、一面が開口した上容器本体21c及び下容器本体21dと、これら上容器本体21c及び下容器本体21dの端部から側方に突出する一対の上容器縁部21e及び下容器縁部21fとを備える。容器21内には、上述のようにリチウム二次単電池(以下、単に「単電池」とも称する)1が収容されている。
ここで、本発明においてリチウム二次単電池1とは、正極電極活物質と電解液とを含む正極電極組成物層を正極集電体の表面に形成した正極と、負極電極活物質と電解液とを含む負極電極組成物層を負極集電体の表面に形成した負極とを有し、正極電極組成物と負極電極組成物とがセパレータを介して積層された構造を有し、電池容器、端子配置及び電子制御装置等を備えていない電池である(参考:日本工業規格JIS C8715-2「産業用リチウム二次電池の単電池及び電池システム」)。なお、リチウム二次単電池1は単電池と略する場合がある。
単電池1は、図7に詳細を示すように、略矩形板状の正極集電体(第1極集電体)7の表面に正極電極活物質と電解液とを含む略平板状の正極電極組成物層(第1電極組成物)5が形成された正極2と、同様に略矩形板状の負極集電体(第2極集電体)8の表面に負極電極活物質と電解液とを含む略平板状の負極電極組成物層(第2極電極組成物)6が形成された負極3とが、同様に略板状のセパレータ4を介して積層されて構成され、全体として略矩形板状に形成されている。これにより、対向する正極集電体7及び負極集電体8を最外層に有する単電池1が構成される。
より詳細には、正極集電体7及び負極集電体8の周縁部には枠状のシール部材9が形成され、正極活物質層5及び負極活物質層6は、このシール部材9によって形成された枠内に形成されている。これにより、正極2と負極3のそれぞれはセパレータ4を介してシール部材9によって封止されている。また、セパレータ4もその端部がこのシール部材9内に埋め込まれている。
図7に示す断面図において、正極集電体7及び負極集電体8は、シール部材9により所定間隔をもって対向するように位置決めされているとともに、セパレータ4と正極集電体7及び負極集電体8もシール部材9により所定間隔をもって対向するように位置決めされている。
正極集電体7とセパレータ4との間の間隔、及び、負極集電体8とセパレータ4との間の間隔はリチウムイオン電池の容量に応じて調整され、これら正極集電体7、負極集電体8及びセパレータ4の位置関係は必要な間隔が得られるように定められている。
上容器21a及び下容器21bと単電池1との間には図略の集電部材がそれぞれ介在されており、この集電部材の一部はそれぞれ上容器縁部21e及び下容器縁部21fを通って、リチウムイオン電池Lの外方にまで延出し、電極端子13及び14aとされている。電極端子13及び14は、図2に示すように、ラミネート電池20の一方の側部(図2において手前側側方)に、所定間隔をおいて交互に形成されている。
このようなラミネート電池20は、図3に示すように、その長手方向(図3において横方向)に所定の間隔で複数回屈曲されることで、この所定間隔をおいて、屈曲方向に対して連続した曲面を有する屈曲部分20aが複数個形成され、これにより、正極集電体7側の第1面20b同士が相対向され、同様に負極集電体8側の第2面20c同士も相対向され、そして、これら第1面20b同士及び第2面20c同士の間に支持体であるスペーサ23がそれぞれ配置されることで、これら第1面20b及び第2面20cがスペーサ23により所定の形状に支持されている。そして、ラミネート電池20は、上述した状態に屈曲されて、図1に示すようにフレーム22内に収容されている。
図1に示すように、フレーム22は、略矩形平板状の基台22aの四隅部分の上に4本のパイプ状部材22bが略垂直方向に立設され、このパイプ状部材22bの上端がそれぞれ別のパイプ状部材22cにより連結されることで、全体として中空の外形直方体状に形成されている。そして、スペーサ23が介装されたラミネート電池20はこのフレーム22内に収容され、これにより本実施形態のリチウムイオン電池Lが構成されている。
スペーサ23は、図4にその詳細を示すように、略矩形平板状の一対の支持部23a、23bを備える。支持部23a、23bの一端(図4において左手前の一端)は連結等されることで一体化され、一方、支持部23a、23bの他端(図4において右奥の一端)は、円筒を長手方向に切断したような湾曲表面を有する連結部23cにより連結等されることでこの連結部23cと一体化されている。一対の支持部23a、23bの間に形成されている空隙には、トラス状の補強部23dが介装されており、これにより、支持部23a、23b及び補強部23dで囲繞される空隙Sが、上述したラミネート電池20の第1面20b同士及び第2面同士の間に所定の空間を形成する、気体または液体が移動可能な空隙Sとなる(図1参照)。
スペーサ23の四隅には、フレーム22のパイプ状部材22bに係合してスペーサ23自身の位置を固定するクランプ部23eが設けられている。クランプ部23eは、L字状に形成されて支持部23a、23b及び連結部23cに固設された固定部23fと、この固定部23fの一端に回動自在に設けられ、ロック部23hにより固定部23fの他端に固定可能にされた移動部23gとを備える。スペーサ23は、ロック部23hによる固定が解除されて固定部23fと移動部23gとの間に十分な間隔が設けられた状態(図4の左手前の状態)でフレーム22内に配置され、その後、スペーサ23が所定位置に配置されたら、ロック部23hにより固定部23fと移動部23gとが固定されることで、クランプ部23eによりフレーム22のパイプ状部材22bに係合される。これにより、スペーサ23自身のフレーム22内での位置が固定されるとともに、ラミネート電池20も図1に示す状態での位置が固定される。
そして、ラミネート電池20の側部に形成された電極端子13、14は、それぞれ一方の電極端子13、14のみを連結する集電線15、16に接続され、この集電線15、16を介してラミネート電池20、ひいてはリチウムイオン電池Lの起電力が外部に取出可能とされている。このため、電極端子13、14は、ラミネート電池20が図1及び図2に示すように屈曲された状態で、それぞれの電極端子13、14が略直線上に並ぶ(図1では垂直方向に略直線上に並ぶ)ように、このラミネート電池20の長手方向に所定間隔をおいて形成されている。
正極活物質層5は、正極活物質粒子を含む非結着体であり、負極活物質層6は、負極活物質粒子を含む非結着体である。
既知のリチウムイオン電池の正極活物質層及び負極活物質層は、活物質層の導電ネットワークを保持するためにバインダを用いて活物質及び導電助剤等を相互に結着した「結着体」を形成する。
本明細書において、「非結着体」とは、バインダで活物質同士が相互に結着されていないことを意味する。すなわち、正極活物質層5及び負極活物質層6に含まれる正極活物質粒子及び負極活物質粒子は、それぞれ外力に応じて移動できる状態であり、非結着体である正極活物質層5及び負極活物質層6は外力に応じて自在に変形可能である。正極活物質層5及び負極活物質層6にそれぞれ含まれる正極活物質粒子及び負極活物質粒子は、正極活物質層5及び負極活物質層6の変形に追従して移動することができるため、隣接する正極活物質粒子及び負極活物質粒子との電気的接続が切れることが無い。そのため、リチウムイオン電池Lが大きく変形した場合でも導電経路を維持することができ、充放電特性を発揮できる。
非結着体である正極活物質層5及び負極活物質層6は、流動性を有する性状であることが好ましい。流動性を有する性状としては、粉体状、スラリー状及び懸濁液体状等が挙げられ、正極活物質粒子及び負極活物質粒子をそれぞれ電解液と混合した場合には、その混合重量比を調整することによって、ゲル状及び粉体に近い性状等にすることもできる。
本発明において、正極活物質層5又は負極活物質層6をそれぞれ形成するには、活物質粒子(正極活物質粒子又は負極活物質粒子)を電解液と混合して得られる正極電極組成物又は負極電極組成物をシート状に成形して得られる正極活物質層5及び負極活物質層6を配置してもよく、粉体状の正極活物質粒子及び負極活物質粒子をシート状に成形した後、電解液を添加することが好ましい。
正極電極組成物及び負極電極組成物をシート状に成形する場合、バインダを用いないで正極電極組成物及び負極電極組成物をそれぞれシート状の基材上に所定の厚さに塗布し、非水溶媒を除去することで活物質同士が結着していないままにシート状に成形することができる。
正極電極組成物は正極活物質粒子を含んでなり、正極活物質粒子としては、リチウムと遷移金属との複合酸化物(例えばLiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn24及びLiNi0.8Co0.15Al0.05)、遷移金属酸化物(例えばMnO2及びV25)、遷移金属硫化物(例えばMoS2及びTiS2)及び導電性高分子(例えばポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン及びポリカルバゾール)等が挙げられる。正極活物質の体積平均粒子径は、電池の電気特性の観点から0.1〜100μmが好ましく、1〜50μmであることがより好ましく、2〜20μmであることが更に好ましい。
正極活物質の体積平均粒子径は、レーザー回折・散乱法(マイクロトラック法ともいう)によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径(Dv50)を意味する。レーザー回折・散乱法とは、レーザー光を粒子に照射することによって得られる散乱光を利用して粒度分布を求める方法であり、体積平均粒子径の測定には、日機装株式会社製のマイクロトラック等を用いることができる。
また、負極電極組成物は負極活物質粒子を含んでなり、負極活物質粒子としては、黒鉛、難黒鉛化性炭素、アモルファス炭素、高分子化合物焼成体(例えばフェノール樹脂及びフラン樹脂等を焼成し炭素化したもの等)、コークス類(例えばピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークス等)、炭素繊維、導電性高分子(例えばポリアセチレン及びポリキノリン等)、スズ、シリコン、及び金属合金(例えばリチウム−スズ合金、リチウム−シリコン合金、リチウム−アルミニウム合金及びリチウム−アルミニウム−マンガン合金等)、リチウムと遷移金属との複合酸化物(例えばLi4Ti512等)等が挙げられる。負極活物質の体積平均粒子径は、電池の電気特性の観点から、0.01〜100μmが好ましく、0.1〜20μmであることがより好ましく、2〜10μmであることが更に好ましい。
負極活物質の体積平均粒子径は、正極活物質と同様に求めることができる。
正極活物質粒子及び負極活物質粒子は、表面の少なくとも一部が被覆用樹脂及び導電助剤を含む被覆剤からなる被覆層で被覆されてなる被覆活物質粒子であることが好ましい。被覆活物質粒子であると正極活物質層5及び負極活物質層6の柔軟性と導電性とがそれぞれ更に良好となり、充放電時に発生する電解液と活物質との電気化学反応を抑制できて電解液の劣化を抑制できてサイクル特性が良好となると考えられる。
本発明において被覆とは、活物質粒子の表面の少なくとも一部に被覆剤が付着している状態を意味し、活物質粒子表面に被覆剤が点在している状態も含む。活物質粒子の表面に被覆剤が付着している状態は、走査型電子顕微鏡等を用いて得られた被覆活物質粒子の拡大観察画像を観察することで確認することができる。
被覆剤は被覆用樹脂を含んでおり、正極活物質粒子及び負極活物質粒子の周囲が被覆剤で被覆されていると、電極の体積変化が緩和され、電極の膨脹を抑制することができる。被覆用樹脂としては、電解液を吸収して膨潤する樹脂を用いることができ、具体的な例としては、ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート等が挙げられる。これらの中ではビニル樹脂が好ましい。
ビニル樹脂は、通常ビニルモノマー(a)を必須構成単量体とする樹脂であり、ビニルモノマー(a)としてカルボキシル基又は酸無水物基を有するビニルモノマー(a1)及び下記一般式(1)で表されるビニルモノマー(a2)を必須構成単量体とする樹脂であることが好ましい。
CH=C(R)COOR (1)
[式(1)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素数4〜36の分岐アルキル基である。]
カルボキシル基又は酸無水物基を有するビニルモノマー(a1)としては、ビニル基含有モノカルボン酸[(メタ)アクリル酸、クロトン酸及び桂皮酸等]、ビニル基含有ジカルボン酸[(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸、シトラコン酸及びメサコン酸等]等が挙げられ、これらの中でも(メタ)アクリル酸が好ましく、メタクリル酸がより好ましい。なお、本明細書において(メタ)アクリル酸とは、メタクリル酸及び/又はアクリル酸を意味する。
ビニルモノマー(a1)は、アルカリ金属(ナトリウム及びリチウム等)との塩として用いることもできる。ビニルモノマー(a1)を塩で用いる場合、塩であるビニルモノマー(a1)を重合してもよく、樹脂を中和して塩にしてもよい。
上記一般式(1)で表されるビニルモノマー(a2)において、Rは水素原子又はメチル基を表し、メチル基であることが好ましい。
は炭素数4〜36の分岐アルキルアルコールから水酸基を除いた残基であり、具体例としては、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、1−メチルオクチル基、1−エチルヘプチル基、1−メチルノニル基、1−エチルオクチル基、1−メチルデシル基、1−エチルノニル基、1−ブチルエイコシル基、1−ヘキシルオクタデシル基、1−オクチルヘキサデシル基、1−デシルテトラデシル基、1−ウンデシルトリデシル基、iso−ブチル基、2−メチルブチル基、2−エチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、2−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、2−メチルヘキシル基、2−エチルペンチル基、2−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルオクチル基、2−エチルヘプチル基、2−メチルノニル基、2−エチルオクチル基、2−メチルデシル基、2−エチルノニル基、2−ヘキシルオクタデシル基、2−オクチルヘキサデシル基、2−デシルテトラデシル基、2−ウンデシルトリデシル基、2−ドデシルヘキサデシル基、2−トリデシルペンタデシル基、2−デシルオクタデシル基、2−テトラデシルオクタデシル基、2−ヘキサデシルオクタデシル基、2−テトラデシルエイコシル基及び2−ヘキサデシルエイコシル基等が挙げられ、好ましくは2−エチルヘキシル基及び2−デシルテトラデシル基である。
上記一般式(1)で表されるビニルモノマー(a2)としては、(メタ)アクリル酸と前記の炭素数4〜36の分岐アルキルアルコールとを公知の方法でエステル化して得られるビニルモノマーが挙げられ、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが好ましく、メタクリル酸2−エチルヘキシルがより好ましい。
また、ビニル樹脂の構成単量体としては、カルボキシル基又は酸無水物基を有するビニルモノマー(a1)及び上記一般式(1)で表されるビニルモノマー(a2)の他に、共重合性ビニルモノマー(a3)が含まれていてもよい。
活性水素を含有しない共重合性ビニルモノマー(a3)としては、下記(a31)〜(a38)が挙げられる。
(a31)炭素数1〜18のモノアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル:メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びベンジル(メタ)アクリレート等。
(a32)ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(炭素数2〜4)アルキル(炭素数1〜18)エーテルと(メタ)アクリレートとのエステル:メタノールのエチレンオキサイド10モル付加物のモノメチルエーテルと(メタ)アクリル酸とのエステル、プロピレンオキサイド10モル付加物のモノメチルエーテルと(メタ)アクリル酸とのエステル等。
(a33)窒素元素含有ビニル化合物:N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン等及びこれらを4級化したもの。
(a34)ビニル炭化水素:エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン及びベンジルスチレン等。
(a35)ビニルエステル:酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、ジアリルフタレート、メチル−4−ビニルベンゾエート及びアセトキシスチレン等。
(a36)ビニルエーテル:ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル2−エチルヘキシルエーテル、ビニル−2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、ビニル−2−エチルメルカプトエチルエーテル、ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン、ビニルフェニルエーテル及びフェノキシスチレン等。
(a37)ビニルケトン:ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン及びビニルフェニルケトン等。
(a38)ビニルスルホン酸:ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸並びにこれらのアルカリ金属との塩等。
上記(a3)として例示したもののうち耐電圧の観点から好ましいのは、(a31)、(a32)、(a33)及び(a38)であり、更に好ましいのは、(a31)であり、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。なお、本明細書において(メタ)アクリレートとは、メタクリレート及び/又はアクリレートを意味する。
カルボキシル基又は酸無水物基を有するビニルモノマー(a1)、上記一般式(1)で表されるビニルモノマー(a2)及び共重合性ビニルモノマー(a3)の含有量は、重合体の構成単量体の合計重量を基準として、それぞれ(a1)が0.1〜80重量%であり、(a2)が0.1〜99.9重量%であり、(a3)が0〜99.8重量%であることが好ましい。
それぞれの含有量が上記範囲内であると、正極活物質層5及び負極活物質層6において、正極活物質粒子及び負極活物質粒子の移動が良好となる。
より好ましい含有量は、(a1)が15〜60重量%、(a2)が5〜60重量%、(a3)が5〜80重量%であり、更に好ましい含有量は、(a1)が25〜50重量%、(a2)が15〜45重量%、(a3)が20〜60重量%である。
被覆用樹脂としてビニル樹脂を用いる場合、ビニル樹脂の数平均分子量の下限は3,000であることが好ましく、より好ましくは50,000、更に好ましくは100,000、特に好ましくは200,000であり、上限は2,000,000であることが好ましく、より好ましくは1,500,000、更に好ましくは1,000,000、特に好ましくは800,000である。
数平均分子量は、以下の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPCと略記)測定により求めることができる。
・装置:Alliance GPC V2000(Waters社製)
・溶媒:オルトジクロロベンゼン
・標準物質:ポリスチレン
・検出器:RI
・サンプル濃度:3mg/ml
・カラム固定相:PLgel 10μm、MIXED−B 2本直列(ポリマーラボラトリーズ社製)
・カラム温度:135℃
被覆用樹脂として用いるビニル樹脂は、単量体を用いて公知の重合方法(塊状重合、溶液重合、乳化重合及び懸濁重合等)により製造することができる。
重合に際しては、公知の重合開始剤{アゾ系開始剤[2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル等)]、パーオキサイド系開始剤(ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等)等}を使用して行なうことができる。
重合開始剤の使用量は、構成単量体の合計重量に基づいて通常0.01〜5重量%である。
溶液重合の場合に使用される溶媒としては、エステル(例えば酢酸エチル及び酢酸ブチル等の炭素数2〜8のエステル)、アルコール(例えばメタノール、エタノール及びオクタノール等の炭素数1〜8のアルコール)、炭化水素(例えばn−ブタン、シクロヘキサン及びトルエン等の炭素数4〜8の炭化水素)及びケトン(例えばメチルエチルケトン等の炭素数3〜9のケトン)が挙げられ、使用量は構成単量体の合計重量に基づいて通常5〜900%である。
乳化重合及び懸濁重合の場合に用いる分散媒としては、水、アルコール(例えばエタノール)、エステル(例えばプロピオン酸エチル)及び軽ナフサ等が挙げられ、乳化剤としては、高級脂肪酸(炭素数10〜24)金属塩(例えばオレイン酸ナトリウム及びステアリン酸ナトリウム)、高級アルコール(炭素数10〜24)硫酸エステル金属塩(例えばラウリル硫酸ナトリウム)、エトキシ化テトラメチルデシンジオール、メタクリル酸スルホエチルナトリウム、メタクリル酸ジメチルアミノメチル等が挙げられる。更に安定剤としてポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等を加えてもよい。
溶液重合、乳化重合及び懸濁重合において、溶液又は分散液に含まれる構成単量体の濃度は通常5〜95重量%である。
重合に際しては、メルカプト化合物(ドデシルメルカプタン及びn−ブチルメルカプタン等)及びハロゲン化炭化水素(四塩化炭素、四臭化炭素及び塩化ベンジル等)等の公知の連鎖移動剤を使用することができ、その使用量は構成単量体の全重量に基づいて通常2重量%以下である。
また、重合反応における系内温度は通常−5〜150℃であり、反応の終点は、未反応単量体の量を測定することにより決めることができる。なお、重合反応の終点における未反応単量体の量は、通常使用した構成単量体の合計重量に対して5重量%以下である。
被覆剤が含む導電助剤としては、導電性を有する材料から選択して用いることができる。
導電性を有する材料としては、金属[アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、金、銅及びチタン等]、導電性カーボン[グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック、バルカン(登録商標)、ケッチェンブラック(登録商標)、ブラックパール(登録商標)、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック、カーボンナノチューブ(単層カーボンナノチューブ及び多層カーボンナノチューブ等)、カーボンナノホーン、カーボンナノバルーン、ハードカーボン及びフラーレン等]、及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
これらの導電助剤は1種単独で用いられてもよいし、2種以上併用してもよい。また、これらの合金又は金属酸化物が用いられてもよい。電気的安定性の観点から、好ましくはアルミニウム、ステンレス、カーボン、銀、金、銅、チタン及びこれらの混合物であり、より好ましくは銀、金、アルミニウム、ステンレス及びカーボンであり、更に好ましくはカーボンである。また導電助剤としては、粒子系セラミック材料、樹脂材料等の非導電性材料の周りに導電性材料(上記した導電助剤の材料のうち金属のもの)をメッキ等でコーティングしたもの及び非導電性材料と導電性材料(上記した導電助剤の材料のうち金属のもの)とを混合したものも用いることができる。
導電助剤の形状に特に制限はなく、球状、不定形状、繊維状、単一粒子状、凝集体及びこれらの組み合わせ等の形状を有するものを用いることができ、なかでも、導電性等の観点から、一次粒子径が5〜50nmの微粒子の凝集体であることが好ましい。導電助剤の形状は、走査型電子顕微鏡等を用いて得られた導電助剤の拡大観察画像を観察し視野にある粒子を計測することで得ることができる。
被覆剤に含まれる被覆用樹脂と導電助剤との重量比は、被覆用樹脂:導電助剤=100:1〜100:200が好ましく、更に好ましくは100:5〜100:100である。この範囲にあると正極活物質層5及び負極活物質層6の導電性が良好となる。
被覆活物質粒子は、例えば、正極活物質粒子又は負極活物質粒子を万能混合機に入れて30〜500rpmで撹拌した状態で、被覆用樹脂及び必要により用いる導電助剤を有機溶剤に混合した樹脂溶液を1〜90分かけて滴下混合し、更に必要により用いる導電助剤を混合し、撹拌したまま50〜200℃に昇温し、0.007〜0.04MPaまで減圧した後に10〜150分保持することにより得ることができる。
樹脂溶液に含まれる被覆用樹脂の割合は、樹脂溶液の重量に基づいて10〜50重量%が好ましい。樹脂溶液に用いる有機溶剤としては被覆用樹脂を溶解可能な有機溶剤を選択することができる。
被覆活物質粒子が得られたことは、走査型電子顕微鏡等を用いて得られた被覆活物質粒子の拡大観察画像を観察することで確認することができる。
正極電極組成物及び負極電極組成物をそれぞれ形成する場合、正極電極組成物及び負極電極組成物としては、正極活物質粒子及び負極活物質粒子のそれぞれをそれぞれ電解液又は非水溶媒と混合して得られる混合物であることが好ましく、スラリー状の混合物であることがより好ましい。この場合、正極電極組成物及び負極電極組成物にそれぞれ含まれる正極活物質粒子及び負極活物質粒子の重量は、電解液又は非水溶媒の重量に基づいて10〜60重量%であることが好ましい。
電解液としては、公知のリチウムイオン電池の製造に用いられる電解質及び非水溶媒を混合して得られる公知の電解液を使用することができる。
電解質としては、通常の電解液に用いられているもの等が使用でき、無機酸のリチウム塩(LiPF6、LiBF4、LiSbF6、LiAsF6及びLiClO4等)及び有機酸のリチウム塩[LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22及びLiC(CF3SO23等]等が挙げられ、これらの電解質は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのなかでも電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましいのはLiPF6である。
非水溶媒としては、通常の電解液に用いられているもの等が使用でき、ラクトン、環状又は鎖状炭酸エステル、鎖状カルボン酸エステル、環状又は鎖状エーテル、リン酸エステル、ニトリル化合物、アミド化合物、スルホン、スルホラン等及びこれらの混合物等を用いることができる。これらの非水溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
非水溶媒のなかでも電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましいのは、ラクトン、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル及びリン酸エステルであり、より好ましいのはラクトン、環状炭酸エステル及び鎖状炭酸エステルであり、更に好ましいのは環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルの混合液である。特に好ましいのはプロピレンカーボネート(PC)、又はエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合液である。
電解液に含まれる電解質の濃度は、電解液の容量に基づいて0.1〜3mol/Lが好ましく、0.5〜2mol/Lがより好ましい。
本発明において正極活物質層5及び負極活物質層6は、イオン抵抗を低減できる等の観点からそれぞれ前記の被覆活物質粒子とともに繊維状導電性フィラーを含むことが好ましい。繊維状導電性フィラーとしては、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維、合成繊維の中に導電性のよい金属や黒鉛を均一に分散させてなる導電性繊維、ステンレス鋼のような金属を繊維化した金属繊維、有機物繊維の表面を金属で被覆した導電性繊維、有機物繊維の表面を導電性樹脂で被覆した導電性繊維等が挙げられる。これらの導電性繊維のなかでも炭素繊維が好ましい。
繊維状導電性フィラーは、イオン抵抗及び活物質層の強度等の観点から、平均繊維長が100〜1000μmが好ましく、110μm〜600μmが更に好ましく、150μm〜500μmが特に好ましい。平均繊維径は、0.1〜100μmであることが好ましく、0.5〜2.0μmであることが更に好ましい。
正極活物質層5及び負極活物質層6に繊維状導電性フィラーを含む場合、繊維状導電性フィラーの割合は、被覆活物質粒子の重量に基づいて0.5〜5重量%であることが好ましい。
正極活物質層5及び負極活物質層6に繊維状導電性フィラーを含む場合、正極2及び負極3のそれぞれに、正極活物質粒子と繊維状導電性フィラーと電解液とを含む正極電極組成物及び負極活物質粒子と繊維状導電性フィラーと電解液とを含む負極電極組成物をそれぞれ充填して正極活物質層5及び負極活物質層6を形成することが好ましい。
正極活物質層5及び負極活物質層6の厚さは、200μm以上であることが好ましい。より好ましくは500μm以上、更に好ましくは1000μm以上である。この厚さ以上であると、単位体積あたりの活物質量が多くなり、蓄電容量が大きい電池とできる。
セパレータ4としては、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HFP)等の炭化水素系樹脂及びポリオレフィン(ポリエチレン及びポリプロピレン等)製の多孔性フィルム、多孔性フィルムの多層フィルム(例えば、PP/PE/PPの3層構造をした積層体等)、合成繊維(ポリエステル繊維及びアラミド繊維等)及びガラス繊維等からなる不織布並びにこれらの表面にシリカ、アルミナ及びチタニア等のセラミック微粒子を付着させたもの等の公知のリチウムイオン電池用セパレータ等を用いることができる。
セパレータ4の厚みは、リチウムイオン電池の用途により調整することができるが、携帯機器等の電子機器等の用途においては、単層あるいは多層で好ましくは5〜100μmであり、更に好ましくは10〜50μmである。
前記多孔性フィルム又はその多層フィルムからなるセパレータ4の細孔径は、最大で1μm以下(通常、数十nm程度の孔径である)であることが好ましい。不織布を用いる場合、セパレータ4の厚さは、好ましくは5〜200μmであり、特に好ましくは10〜100μmである。
正極集電体7及び負極集電体8は金属集電体又は樹脂集電体であり、それぞれ公知の金属集電体並びに日本国特許公開第2012−150905号公報及び国際公開第WO2015/005116号等に記載の公知の樹脂集電体等を用いることができる。
金属集電体としては、リチウムイオン電池に一般に使用する金属集電体を用いることができ、銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、タンタル、ニオブ、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモン及びこれらの一種以上を含む合金並びにステンレス合金からなる群から選択される一種以上の金属からなる集電体等が挙げられる。
金属集電体の基材の形態は、薄板状、金属箔状及びメッシュ状のいずれであってもよく、金属集電体の基材の表面にスパッタリング、電着及び塗布等の手法により金属層を形成してもよい。
樹脂集電体とは、導電性高分子材料又は非導電性高分子材料に導電性を付与した高分子から形成された集電体である。
導電性高分子材料としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアクリロニトリル及びポリオキサジアゾール等が挙げられる。なお、導電性の高分子材料を含む樹脂集電体の導電性を向上させる目的から、更に後述する導電性フィラーを含んでいることが好ましい。
非導電性高分子材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリシクロオレフィン(PCO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂及びこれらの混合物等が挙げられる。
非導電性高分子材料としては、電気的安定性の観点から、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)及びポリシクロオレフィン(PCO)が好ましく、より好ましくはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン(PMP)である。
非導電性高分子材料に導電性を付与した高分子は、非導電性高分子材料と導電性フィラーとを混合することで得ることができ、導電性フィラーは、導電性を有する材料から得られるフィラーから選択される。好ましくは、集電体内のイオン透過を抑制する観点から、電荷移動媒体として用いられるイオンに関して伝導性を有さない材料から得られるフィラーからを用いるのが好ましい。具体的には、カーボン材料、アルミニウム、金、銀、銅、鉄、白金、クロム、スズ、インジウム、アンチモン、チタン、ニッケル及びステンレス(SUS)等の合金材等から得られるフィラーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。なかでも耐食性の観点から、好ましくはアルミニウム、ステンレス、カーボン材料又はニッケルから得られるフィラー、より好ましくはカーボン材料から得られるフィラーである。これらの導電性フィラーは1種単独で用いられてもよいし、2種以上併用してもよい。なお、導電性フィラーとしては、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに、上記で示される金属をメッキ等でコーティングしたものを用いることもできる。
導電性フィラーの形状は粒子状、繊維状及びこれらの凝集体のいずれの形状であってもよい。
樹脂集電体は、日本国特許公開第2012−150905号公報及び国際公開第WO2015/005116号等に記載の公知の方法で得ることができ、具体例としては、ポリプロピレンに導電性フィラーとしてアセチレンブラックを5〜20部分散させた後、熱プレス機で圧延したもの等が挙げられる。また、その厚みも特に制限されず、公知のものと同様、あるいは適宜変更して適用することができる。
正極集電体7及び負極集電体8は、金属集電体又は樹脂集電体をそのまま用いても、その表面に後述する導電層を形成したものを用いてもよく、電池特性等の観点から、導電層を形成した金属集電体又は樹脂集電体であることが好ましい。
上容器21aの内面と正極集電体7との間及び下容器21bの内面と負極集電体8との間に、それぞれの集電体と電気的に接続するように配置された集電部材を有することが好ましい。
集電部材は、電極端子13及び14となる突出部を有する略平板状であることが好ましく、銅箔及びアルミニウム箔等の導電性金属箔を用いることができ、導電性金属箔としてはその表面にカーボン等の他の導電性物質を塗布等して表面処理したものも用いることができる。なお、突出部は電流を取り出すことができればその形状に制限はなく、銅線等を用いることもできる。
正極集電体7及び負極集電体8として樹脂集電体を用いる場合、電極端子13及び14となる突出部を有する略平板状である集電部材を用いることが好ましい。
シール部材を構成する材料としては、正極集電体7及び負極集電体8と接着性を有し、電解液に対して耐久性のある材料であれば特に限定されないが、高分子材料が好ましく、熱硬化性高分子材料がより好ましい。具体的には、エポキシ系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂及びポリフッ化ビニデン樹脂等が挙げられ、耐久性が高く取り扱いが容易であることからエポキシ系樹脂が好ましい。
シール部材は、好ましくは両面テープ状に、すなわち、平面状の基材の両面に上述の熱硬化性樹脂等を塗布して形成する方法、及び公知のシールフィルム等を用いたものが好ましい。シールフィルムとしては、三層構造のシールフィルム(ポリエチレンナフタレートフィルムの上下に変性ポリプロピレンフィルムを積層したフィルム等)等を用いることができる。シールフィルムはインパルスシーラー等の公知のシール装置を用いて加熱圧着することでシールすることができる。
上容器縁部21e及び下容器縁部21fをシール部材で封止することによって得られた容器21には、正極集電体7、正極活物質層5、セパレータ4、負極活物質層6及び負極集電体8が順に積層した単電池1が発電部として収容されており、この発電部は可撓性を有する。
正極活物質層5及び負極活物質層6はそれぞれ活物質粒子の非結着体であり、正極活物質層5及び負極活物質層6は外力に応じて自在に変形可能であるから、前述した正極集電体7、セパレータ4及び負極集電体8を用いた積層体とすることによって可撓性を有する発電部とすることができる。
容器21としては、この容器21内に正極電極組成物及び負極電極組成物を安定に収納しうるものであり、特に、可撓性を有することが好ましいという観点から選定されている。加えて容器21は、電極組成物と容器21とが接触する可能性を考慮して、絶縁性を有する材料で構成されたることが好ましく、正極集電体、正極活物質層、セパレータ、負極活物質及び負極集電体を順に積層してなる発電部を内部に収納した状態で封止(好ましくは減圧封止)することを考慮して、気密性を有する材料で構成されることが好ましい。
容器21は、ラミネートフィルムからなる容器である。ラミネートフィルムとしては、耐熱性樹脂フィルムを含む外層と熱可塑性樹脂フィルムを含む内層との間に金属層を介在した複合フィルムを用いることができ、耐熱性樹脂フィルムとしてはポリアミド樹脂又はポリエステル樹脂の延伸フィルム等を好ましく用いることができ、熱可塑性樹脂フィルムとしては未延伸ポリオレフィンフィルム等を好ましく用いることができる。
金属層としては、アルミニウム箔、ステンレス箔及び銅箔等による層を用いることができる。なお、耐熱性樹脂フィルムとは、樹脂フィルムの融点が内層となる熱可塑性樹脂フィルムの融点よりも高い樹脂フィルムであることを意味し、耐熱性樹脂フィルムを外層に用いると、内層となる熱可塑性樹脂フィルムだけを十分に加熱溶融することができ、電池外装容器のヒートシールを確実に行うことが可能になる。
ラミネートフィルムの一例としては、アルミニウム又はニッケル等の金属層の面のうち、容器21の外面となる第一面に耐熱性樹脂(ポリアミド樹脂及びポリエステル樹脂等)をコーティングし、容器21の内面となる第二面に熱可塑性樹脂(ポリエチレン及びポリプロピレン等)をコーティングしたフィルムが上げられる。
容器21が可撓性を有するラミネート電池20は、可撓性を有する単電池1とともに屈曲することができる。従来のリチウムイオン電池であれば、屈曲に伴って活物質層での亀裂の発生や集電体との界面での剥離がおこる場合があるが、本発明に用いる単電池1が有する正極活物質層5及び負極活物質層6は、それぞれ正極活物質粒子と負極活物質粒子の非結着体であるため、正極活物質粒子及び負極活物質粒子は、活物質層内部に空隙等を生じることなく、活物質粒子同士の接触の維持したまま変形することができる。
正極活物質粒子及び負極活物質粒子が、表面の少なくとも一部が被覆用樹脂及び導電助剤を含む被覆剤からなる被覆層で被覆されてなる被覆活物質粒子であると、被覆層は活物質粒子同士の接触部分において潤滑層として作用し、接触部分における活物質粒子の動きを更に助けることができる。そのため、被覆活物質粒子は、隣接する活物質粒子との接触部分に空隙を生じることなく更に容易に動くことができ、正極活物質層5及び負極活物質層6が変形した場合であっても、活物質粒子同士の接触を更に良好に維持することができ、好ましい。
本発明に用いる単電池1は、正極活物質粒子及び負極活物質粒子が結着されていないため、活物質粒子は隣接する活物質粒子との接触を維持したまま動くことが出来る。これにより、ラミネート電池20を屈曲させても、活物質層での亀裂の発生や集電体との界面での剥離を起こすことなく、正極集電体7と負極集電体8との間における導電経路を維持することができ、十分な充放電特性を発揮し続けることができる。
このようにして得られたラミネート電池20は、全体に可撓性を持たせることが可能である。この結果、ラミネート電池20の長手方向及び短手方向に沿って屈曲させることが可能である。加えて、このように二方向にラミネート電池20が屈曲しても、正極集電体7と負極集電体8との間における導電経路を確保することができ、十分な充放電特性を発揮し続けることができる。
次に、本実施形態のリチウムイオン電池の製造方法について、図5及び図6を参照して説明する。
まず、図5に示すように、ロール状に巻回された帯状(長尺のシート状)の正極集電体シート7を、図示しない支持部材上で所定の搬送方向(図5では右方から左方への水平方向)に搬送して連続供給し、図6(a)に詳細を示すように、この連続供給される正極集電体シート7の上面の周縁部に上層壁部31aを形成する。
上層壁部31a(及び後述する下層壁部31b)はシール部材9を構成するものであり、これら上層壁部31a及び下層壁部31bを形成する手法は、周知のものから適宜選択されればよく、図5に示す例では、シール部材9を形成する材質を溶融したものをノズル32により正極集電体シート7上に滴下して上層壁部31a(及び下層壁部31b)を形成している。他に、インクジェット装置により正極集電体シート7上の所定位置に上層壁部31a(及び下層壁部31b)を形成してもよい。
次に、図6(b)に示すように、上層壁部31a及び正極集電体シート7によって画定される矩形状の空間に、正極活物質層5を構成する、正極電極活物質と電解液とが混合されてなるものの一方をノズル33により滴下して、少なくとも上層壁部31aの高さまで充填することで、この上層壁部31a及び正極集電体シート7によって画定される空間に正極活物質層5を充填、形成する。さらにこの充填後、図略の振動付与手段により正極集電体シート7に振動、衝撃を与えることで、正極電極活物質を均一に分散させてもよい。
次に、予め所定の大きさ、より詳細には、上層壁部31a及び正極集電体シート7によって画定される空間に充填、形成された正極活物質層5の図6(c)の上面を覆う大きさに切断されたセパレータ4を、図6(d)に示すように、この正極活物質層5の図中上面に配置する。
セパレータ4を正極活物質層5の上に配置する手法は周知のものから適宜選択されればよく、図6(c)に示す例では、真空チャック34によりセパレータ4を保持した後、この真空チャック34を正極活物質層5の上方に配置し、さらに、セパレータ4が正極活物質層5の上面に到達するまでこの真空チャック34を降下させた後、真空チャック34による保持を解除する手法がとられている。あるいは、図5に示すように、ロール状に巻回された帯状のセパレータシート4を、ローラ36により加圧しながら正極活物質層5の上面に配置する手法もあげられる。
一方、図5に示すように、ロール状に巻回された帯状の負極集電体シート8を、図示しない支持部材上で所定の搬送方向(図5では左方から右方への水平方向)に搬送して連続供給し、図6(e)に詳細を示すように、この連続供給される負極集電体シート8の上面の周縁部に下層壁部31bを形成する。下層壁部31bの形成手法は、上層壁部31aの形成手法と同様であるので、ここでの説明は省略する。
次に、図6(f)に示すように、下層壁部31b及び負極集電体シート8によって画定される矩形状の空間に、負極活物質層6を構成する、負極電極活物質と電解液とが混合されてなるものの一方をノズル38により滴下して、少なくとも下層壁部31bの高さまで充填することで、この下層壁部31b及び負極集電体シート8によって画定される矩形状の空間に負極活物質層6を充填、形成する。
そして、セパレータ4が上面に配置された正極活物質層5、及び負極活物質層6を、図6(g)に示すように、ローラ39により加圧しながらこのセパレータ4を挾んで配置することで、図6(h)及び図7に示すようなロール状の単電池1を形成することができる。この単電池1は、カッター40等の切断手段を用いて、所定長で切断される。
この後、単電池1を上容器本体21c及び下容器本体21dの間に配置し、この状態で、上容器21a及び下容器21bにより形成される収容部内を脱気し、上容器縁部21e及び下容器縁部21fをシール部材により封止することで、図2に示すようなラミネート電池20を得ることができる。
そして、このラミネート電池20を、その長手方向に所定の間隔で複数回屈曲させつつ、第1面20b同士及び第2面20c同士の間にスペーサ23をそれぞれ配置してフレーム22内に収容することで、図1に示すような本実施形態のリチウムイオン電池Lを製造することができる。
従って、本実施形態のリチウムイオン電池Lでは、正極活物質層5及び負極活物質層6の膜厚を十分厚くすることができるので、単位体積当たりの電池容量を増やすことができるとともに、多数の電極組成物層を形成する必要がないので、低コストで大型化が可能になる。以上から、本実施形態によれば、低コストで大型化を可能にし、かつ適切な電池容量を確保しながらも省スペース化を図ることの可能なリチウムイオン電池及びその製造方法を提供することができる。
加えて、本実施形態のリチウムイオン電池Lでは、支持体であるスペーサ23に気体または液体が移動可能な空隙Sが形成されているので、ラミネート電池20を屈曲させて限定されたスペースであるフレーム22内に収容させたことに伴う放熱性を十分確保することができ、これにより、適切な電池容量を確保しながらも省スペース化を図ることと放熱性の確保とを両立させることができる。
さらに、本実施形態のリチウムイオン電池Lでは、ラミネート電池20の側方に所定間隔を置いて電極端子13、14が形成されているので、ラミネート電池20が長尺であっても、正極集電体7、負極集電体8の長さ方向の抵抗に影響されずに効率良くラミネート電池20から起電力を取り出すことができる。
(変形例)
なお、本発明のリチウムイオン電池Lは、その細部が上述の一実施形態に限定されず、種々の変形例が可能である。一例として、上述の一実施形態ではラミネート電池20を電池容器であるフレーム22に収容していたが、図8に示すように、側方が開放されたコンクリート等の構造部材からなる、同様に電池容器である筐体41にラミネート電池20及びスペーサ23を収容してリチウムイオン電池Lを構成してもよい。この例であると、図9(a)に示すように、上述した方法によりラミネート電池20を製造した後、図9(b)に示すように、このラミネート電池20をリチウムイオン電池Lの設置場所に運搬し、図9(c)に示すように、設置場所においてラミネート電池20を屈曲させながらスペーサ23を介在させ、さらに、これらラミネート電池20等を筐体41内に収容すればよい。
また、上述の一実施形態では、スペーサ23の支持部23aが略矩形平板状に形成されていたため、図11(a)に示すように、相対向する第1面20b、第2面20cは略平板状に支持されていた。しかしながら、第1面20b、第2面20cが平板状に支持されるばかりではなく、図11(c)に示すように、屈曲部分20aから連続する曲面を形成するように、スペーサ23の支持部23aの形状を形成してもよい。
L リチウムイオン電池
S 空隙
1 単電池
2 正極
3 負極
4 セパレータ
5 正極電極組成物層
6 負極電極組成物層
7 正極集電体
8 負極集電体
9 シール部材
13、14 電極端子
20 ラミネート電池
20a 屈曲部分
20b 第1面
20c 第2面
21 ラミネート容器
22 フレーム
23 スペーサ
31a 上層壁部
31b 下層壁部
32、33 ノズル
34 真空チャック
36 ローラ
38 ノズル
39 ローラ
40 カッター

Claims (6)

  1. 第1極集電体、第1極活物質層、セパレータ、第2極活物質層及び第2極集電体が順に積層されてなる平板状の電池セルをラミネート容器に封止してなるラミネート電池を電池容器に収容したリチウムイオン電池において、
    前記ラミネート電池は、所定の間隔で屈曲部分が形成されることで、前記電池容器内において前記第1極集電体側の第1面同士と前記第2極集電体側の第2面同士とがそれぞれ相対向されるように交互に複数折り畳まれてなり、
    前記屈曲部分は、前記ラミネート電池の屈曲方向に対して連続した曲面を形成し、
    相対向する前記第1面同士及び前記第2面同士の間には所定の空間が形成されるように前記ラミネート電池が折り畳まれていることを特徴とするリチウムイオン電池。
  2. 請求項1記載のリチウムイオン電池において、
    相対向する前記第1面同士及び前記第2面同士のそれぞれの間に設けられ、前記第1面または前記第2面を所定の形状に支持する複数の支持体を備えることを特徴とするリチウムイオン電池。
  3. 請求項2記載のリチウムイオン電池において、
    前記ラミネート電池は、その側面に複数の電流取り出し端子を備えることを特徴とするリチウムイオン電池。
  4. 請求項3に記載のリチウムイオン電池において、
    前記支持体は、気体または液体が移動可能な空隙を備えることを特徴とするリチウムイオン電池。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のリチウムイオン電池において、
    前記第1極活物質層及び前記第2極活物質層は、高分子化合物を含んでなる被覆層を有する電極活物質を含むことを特徴とするリチウムイオン電池。
  6. 第1極集電体、第1極活物質層、セパレータ、第2極活物質層及び第2極集電体が順に積層されてなる平板状の電池セルをラミネート容器に封止してなるラミネート電池を電池容器に収容したリチウムイオン電池の製造方法であって、
    前記ラミネート電池に所定の間隔で屈曲部分を形成することで、前記電池容器内において、前記第1極集電体側の第1面同士と前記第2極集電体側の第2面同士とをそれぞれ相対向させるように前記ラミネート電池を交互に複数回折り曲げて配置する配置工程とを備え、
    前記配置工程は、相対向する前記第1面同士及び第2面同士の間に前記第1面または前記第2面を支持する支持体を配置する工程を備えることを特徴とするリチウムイオン電池の製造方法。
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