JP2018044048A - スチレン系樹脂組成物の製造方法、該スチレン系樹脂組成物を用いたスチレン系難燃性樹脂組成物 - Google Patents

スチレン系樹脂組成物の製造方法、該スチレン系樹脂組成物を用いたスチレン系難燃性樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】均一性の優れたスチレン系樹脂組成物の製造方法。当該スチレン系樹脂組成物を用いて得られたスチレン系難燃性樹脂組成物が難燃性、成形品外観に優れた成形品を得ること。【解決手段】(A)スチレン系樹脂及び(B)ポリフェニレンエーテル系樹脂を含有するスチレン系樹脂組成物を、二軸押出機を使用して特定の製造条件で押出する。【選択図】図1

Description

本発明は、スチレン系樹脂組成物の製造方法、該スチレン系樹脂組成物を用いたスチレン系難燃性樹脂組成物に関するものである。
ゴム変性スチレン系樹脂は広範囲の用途に使用されており、特に、難燃性樹脂はワープロ、パーソナルコンピュータ、プリンター、複写機等のOA機器、テレビ、VTR、オーディオ等の家電製品等を初めとする多岐の分野で使用されている。従来から、スチレン系樹脂に難燃性を付与するために、種々の難燃剤が提案されており、中でも安価で物性バランスに優れているハロゲン含有有機化合物が多く使用されている。しかしながら、近年ハロゲン含有有機化合物を規制する動きが欧州を中心に活発化していることなどから、ハロゲン元素を含まない難燃樹脂、難燃樹脂組成物の需要が高まっている。こうしたハロゲン系難燃剤の代替難燃剤としてリン系難燃剤が検討されている。リン系難燃剤では難燃効果を発現するために炭化層形成成分を含有する樹脂と併用することが一般的である。
近年、経済性や作業環境等の観点から、スチレン系樹脂を難燃化する方法として、予め、高濃度な難燃剤と炭化層形成成分を押出機にてスチレン系樹脂と溶融混合してマスターバッチとして得られたスチレン系樹脂組成物とスチレン系樹脂を使用して所望な物性や難燃性を有したスチレン系難燃性樹脂組成物を製造する方法が増えている。マスターバッチの技術として特許文献1が挙げられる。
さらに、昨今、OA機器・家電製品などの分野では、プラスチックの外装部品の外観が重要視されている。
特開2014−205802号公報
難燃剤と炭化層形成成分を押出機にてスチレン系樹脂と溶融混合した際、炭化層形成成分は融点が高く、混練方法によっては未溶物が発生する。その未溶物があるスチレン系樹脂組成物を用いて得られたスチレン系難燃性樹脂組成物を成形した際にフラッシュなどの成形不良が発生する。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、均一性に優れたスチレン系樹脂組成物の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、(A)スチレン系樹脂及び(B)ポリフェニレンエーテル系樹脂を含有する組成物からなる均一性に優れたスチレン系樹脂組成物が提供される。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
1.(A)スチレン系樹脂と、(B)ポリフェニレンエーテル系樹脂を含有する組成物を、二軸押出機のいずれかの混練部の下流側直後の樹脂温度が250℃以上であるスチレン系樹脂組成物の製造方法。
2.(A)スチレン系樹脂93〜25質量部と、(B)ポリフェニレンエーテル系樹脂7〜75質量部の合計が100質量部を含有する組成物を、二軸押出機のいずれかの混練部の下流側直後の樹脂温度が250℃以上であるスチレン系樹脂組成物の製造方法。
3.(A)スチレン系樹脂、(B)ポリフェニレンエーテル系樹脂と、(C)リン系難燃剤を含有する組成物を、二軸押出機の第一供給部より(A)スチレン系樹脂と(B)ポリフェニレンエーテル樹脂を、第二供給部より(C)リン系難燃剤を供給し、第一供給部から第二供給部の間のいずれかの混練部の下流側直後の樹脂温度が250℃以上であるスチレン系樹脂組成物の製造方法。
4.(A)スチレン系樹脂93〜25質量部、(B)ポリフェニレンエーテル系樹脂7〜75質量部の合計が100質量部に対して(C)リン系難燃剤6〜65質量部を含有する組成物を、二軸押出機の第一供給部より(A)スチレン系樹脂と(B)ポリフェニレンエーテル樹脂を、第二供給部より(C)リン系難燃剤を供給し、第一供給部から第二供給部の間のいずれかの混練部の下流側直後の樹脂温度が250℃以上であるスチレン系樹脂組成物の製造方法。
5.上記(C)リン系難燃剤が、芳香族ジオールビス(ジアリールホスフェート)化合物である前記3〜4いずれか1に記載のスチレン系樹脂組成物の製造方法。
6.上記芳香族ジオールビス(ジアリールホスフェート)化合物が、ビスフェノールAビス(ジアリールホスフェート)化合物である前記3〜5いずれかに記載のスチレン系樹脂組成物の製造方法。
7.前記1〜6のいずれかに記載のスチレン系樹脂組成物とスチレン系樹脂を含有するスチレン系難燃性樹脂組成物。
8.前記7に記載のスチレン系難燃性樹脂組成物からなる成形体。
本発明によれば、二軸押出機を使用して特定の製造条件で溶融混合することによって、均一性に優れたスチレン系樹脂組成物を作製する事ができ、そのスチレン系樹脂組成物を使用し、スチレン系樹脂で希釈することによって、スチレン系難燃性脂組成物を容易に製造することができる。得られたスチレン系難燃性樹脂組成物は、成形品外観に優れた成形品を容易に得ることができる。
本発明の製造工程を示す模式図である。
本発明の製造方法は、(A)スチレン系樹脂と、(B)ポリフェニレンエーテル系樹脂とを含有するスチレン系樹脂組成物を、二軸押出機を使用して特定の製造条件で溶融混合することを特徴とする。
スチレン系樹脂組成物の製造方法は、以下に示す方法で、均一性に優れたスチレン系樹脂組成物を得ることができる。
図1は、本発明の製造方法で使用する二軸押出機の模式図である。以下、この二軸押出機を用いてスチレン系樹脂組成物の製造方法について説明する。
図1は二軸押出機1の上流側に位置する第一供給部2から下流側に位置する樹脂組成物を排出口(ダイス)5までの間に、上流側から混練部3、真空ベント口4、第二供給部6を備える。更に、樹脂温度を観察する為の、混練部3の下流側直後及び樹脂組成物排出口に温度計7をそれぞれ備えた。尚、第二供給部6、真空ベント4、温度計7は無くても、本製造には影響しない。
混練部3の下流側直後の温度計の樹脂温度は250℃以上が好ましく、250℃未満だと、スチレン系樹脂組成物中の(B)ポリフェニレンエーテル系樹脂が分散不良となる。
混練部3の位置は、特に限定されない。尚、第二供給部を設置する場合は、第一供給部から第二供給部の間であれば、位置及び個数は限定されない。具体的な構成は、特に限定されず、一般的な構成の物が利用可能であり、いずれかの混練部3の下流側直近の樹脂温度が250度以上となる事が好ましい。具体的な構成としては、以下のニーディングディスク(1)〜(3)を組み合わせたものである。
(1)L/D=0.4〜1.5、B=3〜10枚、α=20〜80度であるニーディングブロック
(2)L/D=0.4〜1.5、B=3〜10枚、α=90度であるニーディングブロック
(3)L/D=0.4〜1.5、B=3〜10枚、α=100〜170度であるニーディングブロック
(但し、Lはニーディングブロックの長さ(mm)、Dはスクリュー径(mm)、Bはニーディングブロックを構成する羽根の枚数(枚)、αは隣接する2枚の羽根の間のねじれ角度(度)を表す。)
第二供給部からは、(C)リン系難燃剤を供給する事が出来る。リン系難燃剤が液体の場合は液添用ノズルを用いて、公知の液体運搬用ポンプで樹脂圧力以上に吐出圧を上げて供給する方法がある。また、リン系難燃剤が固体の場合は、液添用ノズルの代わりにサイドフィーダーを用いて供給する方法がある。
本発明に使用する(A)スチレン系樹脂は、ゴム変性スチレン系樹脂を使用するのが好ましい。ゴム変性スチレン系樹脂とは、芳香族ビニル化合物系単量体を重合したものにゴム状重合体を加えてゴム変性を行ったものである。重合方法としては公知の方法、例えば、塊状重合法、塊状・懸濁二段重合法、溶液重合法等により製造することができる。芳香族ビニル化合物系単量体は、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン等の公知のものが使用できるが、好ましくはスチレンである。また、これらの芳香族ビニル化合物系単量体と共重合可能なアクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等のスチレン系単量体や無水マレイン酸等以外の単量体も、樹脂組成物の性能を損なわない程度のものであれば良い。さらに本発明ではジビニルベンゼン等の架橋剤をスチレン系単量体に対し添加して重合したものであっても差し支えない。
ゴム変性スチレン系樹脂に含まれるゴム状重合体としては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンのランダムまたはブロック共重合体、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、スチレン−イソプレンのランダム、ブロック又はグラフト共重合体、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムなどが挙げられるが、特にポリブタジエン、スチレン−ブタジエンのランダム、ブロック又はグラフト共重合体が好ましい。また、これらは一部水素添加されていても差し支えない。ゴム変性スチレン系樹脂の例として、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレンプロピレン−スチレン共重合体)、MBS樹脂(メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体)等が挙げられる。
ゴム変性スチレン系樹脂中の芳香族ビニル重合体の分子量については特に制限はないが、還元粘度(ηsp/C)で0.5〜1.0が好ましい。
ゴム変性スチレン系樹脂中のゴム状重合体の含有量については特に制限はないが、3〜10質量%が好ましい。
ゴム変性スチレン系樹脂中のゴム状重合体の平均粒子径については特に制限はないが、0.4〜5.0μm質量%が好ましい。更に好ましいのは1.0〜4.0μm質量%である。
本発明に使用される(B)ポリフェニレンエーテル系樹脂とは下記化1に示す構造単位を主鎖に有する重合体であって、単独重合体又は共重合体のいずれでもよい。
Figure 2018044048
(ここで、R1、R2、R3、R4は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、第1級若しくは第2級アルキル基、アリール基、アミノアルキル基、ハロアルキル基、炭化水素オキシ基、又はハロ炭化水素オキシ基を表す。ただし、R1、R2がともに水素原子になることはない。)
ポリフェニレンエーテル系樹脂の単独重合体の代表例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル等が挙げられる。共重合体の例としては、2,6−ジメチルフェノール/2,3,6−トリメチルフェノール共重合体、2,6−ジメチルフェノール/2,3,6−トリエチルフェノール共重合体、2,6−ジエチルフェノール/2,3,6−トリメチルフェノール共重合体、2,6−ジプロピルフェノール/2,3,6−トリメチルフェノール共重合体等の2,6−ジアルキルフェノール/2,3,6−トリアルキルフェノール共重合体、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)にスチレンをグラフト重合させたグラフト共重合体、2,6−ジメチルフェノール/2,3,6−トリメチルフェノール共重合体にスチレンをグラフト重合させたグラフト共重合体等が挙げられる。
ポリフェニレンエーテル樹脂として、好ましくは、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、2,6−ジメチルフェノール/2,3,6−トリメチルフェノールランダム共重合体であり、特に好ましいのはポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルである。
ポリフェニレンエーテル系樹脂の極限粘度は、クロロホルム中で測定した30℃の極限粘度が好ましくは0.2〜0.8dl/g、更に好ましくは0.3〜0.5dl/gである。
(A)スチレン系樹脂、(B)ポリフェニレンエーテル系樹脂の添加量は特に限定されないが、(A)スチレン系樹脂93〜25質量部と(B)ポリフェニレンエーテル系樹脂7〜75質量部の合計が100質量部である事が好ましい。更に好ましくは、(A)スチレン系樹脂91〜30質量部と(B)ポリフェニレンエーテル系樹脂9〜70質量部の合計が100質量部である。
(C)リン系難燃剤としては、赤リン、有機リン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物、ホスフィン酸塩類、ホスフォン酸塩類、ホスホルアミド化合物等が挙げられ、特に下記化2で表される芳香族ジオールビス(ジアリールホスフェート)化合物が好ましい。
Figure 2018044048
(ここで、nは1〜5の整数であり、Ar1〜Ar4は炭素数6〜15のフェニル基又はアルキル置換フェニル基を表し、Xは下式に示す化3で表わされるX1、X2、X3、X4、又はX5から選ばれる置換基である。)
Figure 2018044048
更に好ましくは下記化4で表されるビスフェノールAビス(ジアリールホスフェート)化合物である。
Figure 2018044048
(ここで、nは1〜5の正数であり、Ar1〜Ar4は炭素数6〜15のフェニル基又はアルキル置換フェニル基を表す。)
ビスフェノールAビス(ジアリールホスフェート)化合物として具体的には、ビスフェノールAのビス(ジフェニルホスフェート)、ビス(ジトリルホスフェート)、(ジキシレニルホスフェート)化合物等が挙げられるが、好ましくは、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)化合物である。
(C)リン系難燃剤の添加量としては特に規定は無いが、(A)スチレン系樹脂93〜25質量部と(B)ポリフェニレンエーテル系樹脂7〜75質量部の合計が100質量部に対して、(C)リン系難燃剤6〜65質量部である事が好ましい。更に好ましくは、(C)リン系難燃剤8〜60質量部である。
また、本発明のスチレン系樹脂組成物を得るのに、更に添加剤として、着色剤、可塑剤、滑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、充填剤、補強剤等を目的に合わせて添加することが出来る。
例えば、黒色成形品が多いので、本発明スチレン系樹脂組成物に顔料としてカーボンブラックを必要に応じて添加してスチレン系樹脂組成物を製造することができる。
また、スチレン系樹脂組成物の成形物の流動性・擦り傷性等の観点から、滑剤としてポリオレフィン系ワックス、高級脂肪酸アミド、及び高級カルボン酸金属塩等を使用する事が出来る。更に充填材としてタルクを添加する事が出来る。タルクを添加する場合特に制限されないが、好ましくは体積平均粒子径が2〜15μmであり、更に好ましくは5〜10μmである。添加量は(A)スチレン系樹脂と(B)ポリフェニレンエーテル系樹脂の合計が100質量部に対して、タルク10質量部以下である事が好ましい。
本発明のスチレン系樹脂組成物を用いて、任意のスチレン系樹脂で希釈を行い、スチレン系難燃性樹脂組成物を得ることが出来る。スチレン系樹脂の希釈量はスチレン系樹脂組成物の難燃剤量や、スチレン系難燃性樹脂組成物の求められる難燃性によって任意に決める事が出来る。好ましくはスチレン系樹脂組成物100〜20質量部に対して、スチレン系樹脂0〜80質量部であり、更に好ましくは、スチレン系樹脂組成物100〜25質量部に対して、スチレン系樹脂0〜75質量部である。溶融混練方法としては、特に限定されないが、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、単軸押出機、二軸押出機等の方法を採用する事が可能であるが、特に、単軸押出機、二軸押出機を使用する事が好ましい。単軸押出機のスクリューはフルフライト、ダルメージ、ピン又はマドック等を採用する事が可能であるが、特にダルメージを使用する事が好ましい。
スチレン系難燃樹脂組成物の成形体は、ワープロ、パーソナルコンピュータ、プリンター、複写機等のOA機器、TV、VTR、オーディオ等の家電製品等に使用される。また、成形方法としては特に限定されないが、好ましくは射出成形であり、大型の成形機を用いたホットランナー成形法やガスアシストインジェクション法も適用される。
以下に例を挙げて具体的に本発明を説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
〔(A)スチレン系樹脂〕
使用した(A)スチレン系樹脂は、還元粘度0.69dl/g、ゲル含有量26.6量%で、ゴム状重合体を9.4質量%含有し、該ゴム状重合体の体積平均粒子径2.8μmであり、その全てがシス−1,4結合を90モル%以上の比率で含有するハイシスポリブタジエンゴムのゴム変性スチレン系樹脂(HI)である。
ここで言う還元粘度、ゲル含有量、ゴム状重合体含有量及び体積平均粒子径は以下の方法にて測定した。
〈還元粘度〉
スチレン系樹脂1gにメチルエチルケトン(MEK)15mlとアセトン15mlの混合溶媒を加え、25℃で2時間振とう溶解した後、遠心分離で不溶分を沈降させ、デカンテーションにより上澄み液を取り出し、500mlのメタノールを加えて樹脂分を析出させ、不溶分を濾過乾燥する。同操作で得られた樹脂分をトルエンに溶解してポリマー濃度0.4%(重量/体積)の試料溶液を作製する。この試料溶液、及び純トルエンを30℃に恒温しウベローデ型粘度計により溶液流下秒数を測定して、下式にて算出した。
ηsp/C=(t1/t0−1)/C
t0:純トルエン流下秒数
t1:試料溶液流下秒数
C:ポリマー濃度
〈ゲル含有量〉
スチレン系樹脂をトルエンに2.5質量%の割合で加え、25℃で2時間振とう溶解した後、遠心分離(回転数10000〜14000rpm、分離時間30分)で不溶分(ゲル分)を沈降させ、デカンテーションにより上澄み液を除去してゲルを得る。次に、この膨潤ゲルを100℃で2時間予備乾燥した後、120℃の真空乾燥機で1時間乾燥する。デシケータで常温まで冷却し精秤し下式にて算出した。
ゲル分率(%)=((b−a)/S)×100
a:遠心沈降管重量
b:乾燥ゲル+遠心沈降管重量
S:試料樹脂重量
〈ゴム状重合体含有量〉
スチレン系樹脂をクロロホルムに溶解させ、一定量の一塩化ヨウ素/四塩化炭素溶液を加え暗所に約1時間放置後、15質量%のヨウ化カリウム溶液と純水50mlを加え、過剰の一塩化ヨウ素を0.1Nチオ硫酸ナトリウム/エタノール水溶液で滴定し、付加した一塩化ヨウ素量から算出した。
〈ゴム状重合体の体積平均粒子径〉
スチレン系樹脂をジメチルホルムアミドに完全に溶解させ、レーザー回析方式粒度分布装置にて測定した。測定装置としては、ベックマン・コールター株式会社製レーザー回析方式粒子アナライザー「LS−230型」を用いた。
〔(B)ポリフェニレンエーテル系樹脂〕
三菱エンジニアリングプラスチックス社製「PX100F」(極限粘度:0.38dl/g)を使用した。
〔(C)リン系難燃剤〕
大八化学工業社製「CR−741」(リン含有量8.2質量%)を使用した。
〔タルク〕
富士タルク工業株式会社製「FH108」(体積平均粒子径:8μm)を使用した。
〔スチレン系樹脂組成物の製造〕
(A)スチレン系樹脂、(B)ポリフェニレンエーテル系樹脂、タルクを表1に示す配合量(質量部)にて、ヘンシェルミキサー型混合機で予備混合した後、二軸押出機の第一供給部に定量供給して溶融混練り後、更に同押出機の液添用ノズルより(C)リン系難燃剤を表1に示す配合比率にて供給し、溶融混練りして、ストランドとし、水冷してからペレタイザーへ導き、ペレット化して難燃剤マスターバッチを得た。尚、予備混合時にソジウムアルミノシリケートとA型ゼオライトの混合物、ジンクステアレート、ポリエチレンワックス、エチレンビスステアリン酸アマイドも同時に添加した。
二軸押出機は株式会社東芝機械製「TEM−26SS」(スクリュー径Φ26mm、L/D=56)を用いた。シリンダー設定温度は、260℃(搬送部位)〜260℃(混練部)〜230℃(計量部位〜ダイス部位)、吐出量30kg/h、スクリュー回転数300rpmで実施した。押出時の混練部下流側直後及び排出口に設置した温度計値を表1に記載した。
下記のニーディングディスクA〜Jを用いて、実施例は混練部の下流側直後の温度計が260℃以上になるように混練部の構成を組んで実施した。比較例は混練部の下流側直後の温度計が240℃以下になるように混練部の構成を組んで実施した。また、混練部より下流側の構成は実施例、比較例共に同じ構成とした。
A:L/D=1.03、B=7枚、α=45度
C:L/D=1.03、B=5枚、α=45度
E:L/D=0.76、B=5枚、α=45度
F:L/D=1.03、B=7枚、α=90度
G:L/D=1.03、B=5枚、α=90度
H:L/D=0.76、B=5枚、α=90度
I:L/D=1.03、B=7枚、α=135度
J:L/D=0.76、B=5枚、α=135度
Lはニーディングブロック及び順送りスクリューブロックの長さ(mm)、Dはスクリュー径(mm)、Bはニーディングブロックを構成する羽根の枚数(枚)、αは隣接する2枚の羽根の間のねじれ角度(度)を表す
[スチレン系難燃樹脂組成物の製造]
スチレン系樹脂組成物を表2及び表3に示す配合量(質量部)にて、ヘンシェルミキサー型混合機で予備混合した後、単軸押出機及び二軸押出機に供給して、溶融混練りして、ストランドとし、水冷してからペレタイザーへ導き、ペレット化してスチレン系難燃樹脂組成物を得た。
単軸押出機はIKG社製「PMS40−28」(スクリュー径Φ40mm、L/D=28、ダルメージスクリュー)を用いた。シリンダー温度は180℃(搬送部位)〜200℃(混練り〜計量部位)〜230℃(ダイス部位)、スクリュー回転数は100rpmで実施した。
二軸押出機は株式会社東芝機械製「TEM−26SS」(スクリュー径Φ26mm、L/D=56)を用いた。シリンダー設定温度は、180℃(搬送部位)〜230℃(混練部〜計量部位〜ダイス部位)、吐出量30kg/h、スクリュー回転数300rpmで実施した。
〔評価方法〕
実施例、比較例に示された各種測定は以下の方法により実施した。結果を表1〜表3に示す。
〈分散性〉
プレス成形機(株式会社東洋精機製作所製「MP−2F」)にて、スチレン系樹脂組成物のペレットを70℃で3時間加熱乾燥後、プレス板の端に約100g置いて、設定温度200℃にて3分間加熱を行い、徐々に圧力をかけて、溶融してはみ出してきたスチレン系樹脂組成物をゆっくり引いて、厚さが約30〜50μmのフイルムを作製し、目視観察した。評価結果は下記のように表記した。
○:ブツが無い
×:分散不良のブツがある
(難燃性〉
スチレン系難燃性樹脂組成物のペレットを70℃で3時間加熱乾燥後、射出成形機(日本製鋼所株式会社製「J100E−P」)にて、127×12.7×0.8mmの難燃性評価用試験片を成形した。係る試験片を用い、米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ社のサブジェクト94号の垂直燃焼試験方法(UL94)に基づき、燃焼試験を行った。
(プレート外観〉
スチレン系難燃性樹脂組成物のペレットを70℃で3時間加熱乾燥後、射出成形機(日本製鋼所株式会社製「J100E−P」)にて、3段プレート金型(成形品寸法:縦/横/深さ=90×45×3,2,1mm)をシリンダー温度:220℃、金型温度:40℃、冷却時間:30秒、射出速度:30%、射出時間:5秒にて連続成形した。成形品に発生するフラッシュを目視観察した。評価結果は下記のように表記した。
○:フラッシュの発生無し
×:フラッシュが発生
Figure 2018044048
Figure 2018044048
Figure 2018044048
1 二軸押出機
2 第一供給部
3 混練部
4 真空ベント口
5 樹脂組成物の排出口(ダイス)
6 第二供給部
7 温度計

Claims (8)

  1. (A)スチレン系樹脂と、(B)ポリフェニレンエーテル系樹脂を含有する組成物を、二軸押出機のいずれかの混練部の下流側直後の樹脂温度が250℃以上であるスチレン系樹脂組成物の製造方法。
  2. (A)スチレン系樹脂93〜25質量部と、(B)ポリフェニレンエーテル系樹脂7〜75質量部の合計が100質量部を含有する組成物を、二軸押出機のいずれかの混練部の下流側直後の樹脂温度が250℃以上であるスチレン系樹脂組成物の製造方法。
  3. (A)スチレン系樹脂、(B)ポリフェニレンエーテル系樹脂と、(C)リン系難燃剤を含有する組成物を、二軸押出機の第一供給部より(A)スチレン系樹脂と(B)ポリフェニレンエーテル樹脂を、第二供給部より(C)リン系難燃剤を供給し、第一供給部から第二供給部の間のいずれかの混練部の下流側直後の樹脂温度が250℃以上であるスチレン系樹脂組成物の製造方法。
  4. (A)スチレン系樹脂93〜25質量部、(B)ポリフェニレンエーテル系樹脂7〜75質量部の合計が100質量部に対して(C)リン系難燃剤6〜65質量部を含有する組成物を、二軸押出機の第一供給部より(A)スチレン系樹脂と(B)ポリフェニレンエーテル樹脂を、第二供給部より(C)リン系難燃剤を供給し、第一供給部から第二供給部の間のいずれかの混練部の下流側直後の樹脂温度が250℃以上であるスチレン系樹脂組成物の製造方法。
  5. 上記(C)リン系難燃剤が、芳香族ジオールビス(ジアリールホスフェート)化合物である請求項3〜4いずれか1項に記載のスチレン系樹脂組成物の製造方法。
  6. 上記芳香族ジオールビス(ジアリールホスフェート)化合物が、ビスフェノールAビス(ジアリールホスフェート)化合物である請求項3〜5いずれか1項に記載のスチレン系樹脂組成物の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のスチレン系樹脂組成物とスチレン系樹脂を含有するスチレン系難燃性樹脂組成物。
  8. 請求項7に記載のスチレン系難燃性樹脂組成物からなる成形体。
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