JP2018043910A - 改質フライアッシュ、改質フライアッシュの製造方法、及び、フライアッシュ改質装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】未燃カーボン含有量を低減するだけでなく、効率的に水銀を除去しつつ、活性度指数を向上させたフライアッシュ改質方法を提供する。
【解決手段】フライアッシュ改質方法は、キルン1に第1フライアッシュF1を供給する供給工程と、キルン1に燃焼ガスCGを供給し、第1フライアッシュF1を600℃〜900℃に加熱して、未燃カーボンを自燃させるとともに、水銀を揮発させる加熱工程と、加熱工程で発生した排ガスG1から、水銀及び第2フライアッシュF2を分離する分離工程と、加熱工程を第3フライアッシュF3の粒度を調整して、所定の粉末度とする粒度調整工程とを備える。
【選択図】図2
【解決手段】フライアッシュ改質方法は、キルン1に第1フライアッシュF1を供給する供給工程と、キルン1に燃焼ガスCGを供給し、第1フライアッシュF1を600℃〜900℃に加熱して、未燃カーボンを自燃させるとともに、水銀を揮発させる加熱工程と、加熱工程で発生した排ガスG1から、水銀及び第2フライアッシュF2を分離する分離工程と、加熱工程を第3フライアッシュF3の粒度を調整して、所定の粉末度とする粒度調整工程とを備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、未燃カーボン及び水銀が除去され、活性度指数が向上された改質フライアッシュ、その改質フライアッシュの製造方法、及び、供給されたフライアッシュを改質するフライアッシュ改質装置に関する。
石炭火力発電所の微粉炭燃焼ボイラ等からは、石炭灰(フライアッシュ)を含む排ガスが発生する。従来、その排ガスに含まれるフライアッシュを電気集塵器等で採取し、コンクリート等の混和材料として使用することが知られている。
しかし、一般社団法人石炭エネルギーセンターの報告によると、平成26年度の石炭灰発生量は1262万トン(電気事業:959万トン、一般産業:303万トン)に達したにもかかわらず、このうち、フライアッシュとしてコンクリートの混和材等に有効活用された量は約17万トン(発生量全体の1.3%)に過ぎなかった。この理由の一つとして、フライアッシュに含まれる未燃カーボンの問題が考えられる。
未燃カーボンが多量に含まれているフライアッシュをコンクリート等の混和材料として使用すると、その未燃カーボンがコンクリートに添加される各種混和剤類を吸着してしまい、必要となる混和剤類の総量が増加してしまうという問題が生じる。また、そのようなフライアッシュが使用されたコンクリート硬化体では、表面に未燃カーボンが浮き出し、美観が損なわれてしまうという問題が生じる。
そこで、未燃カーボンの除去を目的とするフライアッシュ改質方法として、外熱式ロータリーキルンにフライアッシュを供給し、供給したフライアッシュをロータリーキルンの加熱部から加えられる熱及び燃焼ガスによって加熱して、フライアッシュに含まれる未燃カーボンを自燃させて低減する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)
ところで、フライアッシュ粒子の表面には、石炭由来の水銀の凝縮物が付着していることがあるが、水銀は毒性を有するためできるだけ除去することが好ましい。しかし、特許文献1に記載のフライアッシュ改質方法は、未燃カーボンを低減することのみが考慮されており、水銀を除去することについてはなんら考慮されたものではなかった。
さらに、未燃カーボン含有率の高いフライアッシュは、往々にして活性度指数が低い。また、未燃カーボンの低減等を目的にフライアッシュを加熱処理した場合には、フライアッシュ中の非晶質相量の減少等が生じてフライアッシュの活性度指数が低下してしまうことが通常である。
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、未燃カーボン含有量を低減するだけでなく、効率的に水銀を除去しつつ、活性度指数を向上させた改質フライアッシュ、その改質フライアッシュの製造方法、及び、供給されたフライアッシュを改質するフライアッシュ改質装置を提供することを目的とする。
本願の発明者は、上記目的を達成するために、鋭意検討した結果、600℃〜900℃の高温環境下でフライアッシュ中の未燃カーボンの自燃処理を行うことによって、フライアッシュに含まれる未燃カーボンを効率よく減少させるとともに、フライアッシュに含まれる水銀を蒸発させて除去できることを、さらに、この処理を行ったフライアッシュに、粉砕、分級若しくは異なる粒度を有するフライアッシュとの混合又はそれらの二つ以上を組み合わせた方法による粒度調整処理を施すことによって、JIS A 6201におけるI種又はII種の規格を満足する活性度指数を有するフライアッシュが容易に製造できることを見出した。
ここで、JIS A 6201とは、「コンクリート用フライアッシュ」に係る規格であり。この規格において、コンクリート等に混和材料として使用可能なフライアッシュは、活性度指数等に基づいてI種からIV種までの4種類に分類されている。また、この規格において、フライアッシュに含まれる未燃カーボン量は、強熱減量に係る規格として、間接的に規定されている。
すなわち、上記目的を達成するために、本発明の改質フライアッシュは、未燃カーボン含有率が0.5質量%以下、水銀含有率が0.005ppm未満、28日材齢の活性度指数が80以上、且つ91日材齢の活性度指数が90以上であることを特徴とする。
また、本発明の改質フライアッシュの製造方法は、外熱式ロータリーキルンに第1フライアッシュ及び後述の分離工程で排ガスから分離された第2フライアッシュを供給する供給工程と、前記外熱式ロータリーキルンに燃焼ガスを供給し、前記第1フライアッシュ及び前記第2フライアッシュを600℃〜900℃に加熱して、該第1フライアッシュ及び該第2フライアッシュに含まれる未燃カーボンを自燃させるとともに、該第1フライアッシュ及び該第2フライアッシュに含まれる水銀を蒸発させる加熱工程と、前記加熱工程で発生した排ガスから、該排ガスに含まれる水銀及び前記第2フライアッシュを分離する分離工程と、前記第1フライアッシュ及び前記第2フライアッシュに加熱工程を施して得られた第3フライアッシュの粒度を粉砕、分級若しくは粒度の異なるフライアッシュとの混合、又は、前記粉砕、前記分級及び前記混合のうちの二つ以上の方法を組合せた方法によって調整して、該第3フライアッシュの粉末度を所定の粉末度とする粒度調整工程とを備えていることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明のフライアッシュ改質装置は、供給された第1フライアッシュ及び前記第1フライアッシュを加熱することによって発生した排ガスから分離された第2フライアッシュを加熱する外熱式ロータリーキルンと、前記第1フライアッシュ及び前記第2フライアッシュを前記外熱式ロータリーキルンに供給する灰供給装置と、前記外熱式ロータリーキルンで発生した排ガスから、該排ガスに含まれる水銀及び前記第2フライアッシュを分離する分離装置と、前記外熱式ロータリーキルンで前記第1フライアッシュ及び前記第2フライアッシュを加熱して得られた第3フライアッシュの粒度を粉砕、分級若しくは粒度の異なるフライアッシュとの混合、又は、前記粉砕、前記分級及び前記混合のうちの二つ以上の方法を組合せた方法によって調整して、該第3フライアッシュの粉末度を所定の粉末度にする粒度調整装置とを備えていることを特徴とする。
このように、未処理の第1フライアッシュを600℃〜900℃に加熱して自燃させることにより、第1フライアッシュに含まれる未燃カーボンを減少させることができる。また、同時に、第1フライアッシュに含まれる水銀を蒸発させて除去することができる。
さらに、フライアッシュを加熱して発生した排ガスから、水銀及び排ガス中の水銀が付着した第2フライアッシュを分離し、その内、該第2フライアッシュのみを上記第1フライアッシュと共に再度加熱することを繰り返すことによって、水銀を除去した第3フライアッシュを回収することができる。
そして、第1フライアッシュの時点で低位であり、さらに上記加熱処理によってさらに低位となった第3フライアッシュの活性度指数を、分級、粉砕または/及び異なる粒度のフライアッシュとの混合による粒度調整によって、JIS規格を満足するように向上させることができるので、石炭火力発電所等で発生した低品位フライアッシュを有効に利用することが可能となる。
したがって、本発明によれば、品位が低く有効利用が困難であったフライアッシュの、未燃カーボン量を減じると同時に、水銀を除去し、さらに活性度指数を向上させることができる。
また、本発明の改質フライアッシュの製造方法においては、前記加熱工程で供給する前記燃焼ガスの供給量又は前記燃焼ガスの酸素濃度は、前記供給工程で供給する前記第1フライアッシュ及び前記第2フライアッシュの未燃カーボン量に基づいて決定されることが好ましい。
上記燃焼ガスとして大気が使用可能であるが、上記未燃カーボン量と酸素濃度の比によって、燃焼ガスの供給量を増量する必要がある場合、燃焼ガスの加温に必要となる熱エネルギーが増加すると共に、燃焼ガスの供給量の増量に伴うロータリーキルン内の燃焼ガスの流速の増大によって、加熱処理中のフライアッシュが燃焼ガスに乗って、ガス排出口からロータリーキルン外に散逸するおそれが高まる。その結果、第3フライアッシュの回収量が減少し、製造効率が低下する。
そこで、ロータリーキルン内の燃焼ガスの流速変動を抑制して加熱工程を安定化させるために、通常の大気よりも酸素濃度の高いガスを用意しておいて、上記未燃カーボン量と酸素濃度の比から酸素供給量を増やす必要が生じた場合でも、燃焼ガスの供給量が変動しないように複数の酸素濃度の異なるガスを併用するのが好ましい。
ここで、本発明の改質フライアッシュの製造方法においては、前記燃焼ガスの供給量又は前記燃焼ガスの酸素濃度は、前記第1フライアッシュ及び前記第2フライアッシュの前記未燃カーボン量をCmol/分とし、前記加熱工程で供給する前記燃焼ガスの酸素量をO2mol/分とした場合に、O2/Cモル比=2〜8となる値であることが好ましい。
燃焼ガスの酸素濃度と未燃カーボン量の割合をこのような値にすると、未燃カーボンを効率的に自燃させることができる。
第3フライアッシュを粒度調整処理して得られる前記改質フライアッシュは、ブレーン比表面積が4500cm2/g以上であればよい。なお、改質フライアッシュのブレーン比表面積の上限については、11000cm2/g以下が好ましい。
改質フライアッシュのブレーン比表面積を上記のような値にした場合、JIS A 6201「コンクリート用フライアッシュ」のII種規格(材齢28日:80以上、材齢91日:90以上)以上を満足するし、且つ、コンクリート等のフレッシュ性状を悪化させない。
ここで、ブレーン比表面積(cm2/g)とは、フライアッシュの粒径の細かさを表すものであり、JIS A 6201「コンクリート用フライアッシュ」に測定方法が規定されているブレーン方法に基づいて測定された比表面積を指す。
以下、図面を参照して、本発明に係る改質フライアッシュの製造方法を行うためのフライアッシュ改質装置について説明する。
まず、図1を参照して、フライアッシュ改質装置(以下、「改質装置R」という。)の概略構成について説明する。なお、図1において、実線の矢印はフライアッシュの流れ、一点鎖線の矢印は制御信号の流れ、破線の矢印はガスの流れをそれぞれ示している。
図1に示すように、改質装置Rは、外熱式ロータリーキルンであるキルン1と、キルン1へ処理前の第1フライアッシュF1を供給する灰供給装置2とを備えている。
また、改質装置Rは、キルン1で発生した排ガスG1を処理する構成として、排ガスG1から第2フライアッシュF2及び水銀を分離する第1固気分離装置3と、第2フライアッシュF2及び水銀が回収された排ガスG3を吸引して排気するファン4とを備えている。
また、改質装置Rは、キルン1から排出された第3フライアッシュF3を処理する構成として、第3フライアッシュF3を冷却する冷却装置5と、第3フライアッシュF3の粒度を調整する粒度調整装置6と、粒度調整装置6で粒度が調整された精粉を回収する第2固気分離装置7と、粒度調整装置6で粒度の調整がされた改質フライアッシュRFを貯蔵する貯蔵設備8とを備えている。
さらに、改質装置Rは、キルン1、灰供給装置2、ファン4及び粒度調整装置6の運転を制御する構成として、制御装置Cを備えている。
キルン1は、傾斜した大略円筒形状の装置として構成されている。キルン1は、窯尻部1a、窯前部1b、窯尻部1aと窯前部1bとの間に回転自在に配置されている円筒形状の円筒部1c、及び、円筒部1cが挿通されている円筒形状の加熱部1dを有している。
キルン1では、円筒部1cが窯尻部1aから窯前部1bに向かって0.5〜5.0%で下方に向かって傾斜している。そのため、窯尻部1aに供給された第1フライアッシュF1は、円筒部1cの回転に伴って、窯尻部1aから窯前部1bへと移動し、窯前部1bから排出される。
また、キルン1では、燃焼ガスCGは、窯前部1bから導入され、排ガスG1は、窯尻部1aから排出される。なお、燃焼ガスCGを窯尻部1aから導入し、排ガスG1を窯前部1bから排出する構成としてもよい。
窯尻部1aには、灰供給装置2から未処理の第1フライアッシュF1を供給するための灰供給口1a1と、排ガスG1を排出するためのガス排出口1a2とが設けられている。
窯前部1bには、加熱処理が行われた第3フライアッシュF3を排出するための灰排出口1b1と、燃焼ガスCGを導入するためのガス導入口1b2とが設けられている。
円筒部1cの中央部は、加熱部1dで間接加熱される被加熱部1c1となっている。また、円筒部1cの内周面には、軸線方向に延在するようにして、複数のリフター部材1c2が立設されている。リフター部材1c2によって、窯尻部1aを介して円筒部1cの内部に導入された第1フライアッシュF1は、窯前部1bに向かって移動する間、連続的に掻き上げられて撹拌される。
円筒部1cの内部には、第1温度計T1が設けられている。第1温度計T1は、キルン1の内部における第1フライアッシュF1の温度を測定し、その温度に関する情報を制御装置Cに送信する。第1温度計T1としては、例えば、放射温度計又は熱電対を用いればよい。
加熱部1dは、円筒部1cが回転自在に挿通されており、円筒部1cの被加熱部1c1を覆う位置に配置されている。加熱部1dは、軸線方向で区切られた複数の領域において、それぞれ出力を調整可能に構成されている。
加熱部1dには、出力を調整可能な領域ごとに、第2温度計T2が設置されている。第2温度計T2は、円筒部1cの被加熱部1c1の温度を測定し、その温度に関する情報を制御装置Cに送信する。なお、第2温度計T2は、例えば、熱電対を用いればよい。
加熱部1dの出力は、制御装置Cによって制御されている。具体的には、第1温度計T1及び第2温度計T2に基づいて、制御装置Cが加熱部1dの出力を調整する。
ところで、円筒部1cの内部で第1フライアッシュF1を急激に加熱すると、加熱部1dの窯尻部1a側(第1フライアッシュF1の供給部付近)にコーチングが形成されやすくなる。そこで、制御装置Cは、加熱部1dの入り口部分(改質装置Rでは、図1における最も右側の第2温度計T2とその左側の第2温度計T2との間)において、30℃〜50℃の温度勾配が形成されるように、加熱部1dの出力を調整している。
キルン1の灰供給口1a1と灰供給装置2との間には、キルン1に供給する第1フライアッシュF1及び第2フライアッシュF2の混合物の未燃カーボン含有率を測定するためのフライアッシュ測定装置M1が設置されている。フライアッシュ測定装置M1は、キルン1に供給されるフライアッシュの未燃カーボン量を測定し、その未燃カーボン量に関する情報を制御装置Cに送信する。
フライアッシュ測定装置M1としては、例えば、強熱減量値から間接的に未燃カーボン含有率を求めることができる熱天秤分析装置、又は、特開平11−258155号公報に開示されている青色発光体を光源とした反射光量測定装置等のオンライン対応装置を用いればよい。
キルン1のガス導入口1b2には、燃焼ガス測定装置M2が設置されている。燃焼ガス測定装置M2は、キルン1に供給される燃焼ガスCGの流量(供給量)及び酸素濃度を測定し、その流量および酸素濃度に関する情報を制御装置Cに送信する。
燃焼ガス測定装置M2としては、例えば、熱式、コリオリ式、渦式、超音波式等の通常の気体用の流量計、及び、磁気式(磁気風方式及び磁気力方式)又は酸素の電気化学的酸化還元反応を利用する電気化学式(ジルコニア方式及び電極方式)の酸素濃度測定装置を併設したものを用いればよい。
灰供給装置2は、石炭火力発電所の微粉炭燃焼ボイラ等で発生した第1フライアッシュF1とともに、第1固気分離装置で回収された第2フライアッシュF2を、キルン1の灰供給口1a1に供給する。
灰供給装置2からキルン1へ供給されるフライアッシュの量は、制御装置Cによって制御されている。具体的には、第1フライアッシュ測定装置M1と燃焼ガス測定装置M2の測定結果に基づいて、燃焼ガスの酸素濃度とフライアッシュの未燃カーボン量の割合が所定の値となるように、制御装置Cが、灰供給装置2から供給されるフライアッシュの供給量を決定している。
第1固気分離装置3は、キルン1で発生した排ガスG1に含まれる第2フライアッシュF2を回収するための第2フライアッシュ回収装置3aと、第2フライアッシュF2が回収された排ガスG2から水銀を回収するための水銀回収装置3bとを有している。
第2フライアッシュ回収装置3aとしては、例えば、バグフィルタを用いればよい。第2フライアッシュ回収装置3aで回収された第2フライアッシュF2は、灰供給装置2へと送られ、第1フライアッシュF1とともに、キルン1へ供給され、再び加熱処理される。これは、排ガスG1から分離した第2フライアッシュF2には、排ガスG1に含まれている水銀が付着している可能性が高いので、改めて水銀を除去するための処理を行うことが好ましいためである。
水銀回収装置3bとしては、例えば、吸着剤により水銀を吸着除去するガス吸着装置を用いればよい。具体的には、カートリッジ式固定相吸着装置、連続クロスフロー式移層吸着装置等を用いればよい。吸着剤としては、硫黄若しくは金属硫化物、活性炭若しくは又は活性炭を担持した吸着媒体、又は、水銀と反応する金属若しくは水銀を担持した吸着媒体等を用いればよい。水銀回収装置で使用される活性炭としては、特に、水銀吸着用として調整された硫黄添着処理が施されている活性炭を用いることが好ましい。
ファン4は、第1固気分離装置3からの排ガスG3の排気量を調整する。すなわち、ファン4は、第1固気分離装置3の中を流れる排ガスG2及び第1固気分離装置3へ流入する排ガスG1、ひいては、キルン1の内部を流れる燃焼ガスCGの流量を調整する。ファン4へ供給される動力(すなわち、ファン4による排気量)は、制御装置Cによって制御されている。具体的には、燃焼ガス測定装置M2の測定結果に基づいて、制御装置Cがファン4へ供給する動力を決定している。
冷却装置5は、キルン1から受け取った第3フライアッシュF3を冷却する。冷却装置5としては、第3フライアッシュF3に、冷却用の空気を直接接触させて冷却する形式のものであってもよく、水等で冷却装置の外部を冷却することによって間接的に接触させて冷却させる形式のものであってもよい。具体的には、例えば、ロータリー式又はグレート式のものを用いればよい。
冷却装置5で冷却に用いられた空気(すなわち、冷却装置5から排出された空気)は、加熱された状態となる。そこで、改質装置Rでは、その熱を有効利用するために、その排出された空気を、燃焼ガスCGの一部として用いている。
冷却装置5と粒度調整装置6との間には、冷却装置5から排出された第3フライアッシュF3の未燃カーボン含有率及び水銀含有量を測定するための第3フライアッシュ測定装置M3が設置されている。
第3フライアッシュ測定装置M3において未燃カーボン含有率を測定するための構成としては、例えば、強熱減量値から間接的に未燃カーボン含有率を求めることができる熱天秤分析装置、又は、特開平11−258155号公報に開示されている青色発光体を光源とした反射光量測定装置等のオンライン対応装置を用いればよい。
また、第3フライアッシュ測定装置M3において水銀含有量を測定するための構成としては、例えば、試料の加熱気化装置が付属したオンライン式原子吸光分析装置等を用いればよい。
粒度調整装置6は、第3フライアッシュF3を分級するための分級機6aと、分級された第3フライアッシュF3のうちの粗粉を粉砕する粉砕機6bとを有している。分級機6aと粉砕機6bとは、閉回路を構成しており、粉砕機6bで粉砕された第3フライアッシュF3は、その後、再び分級機6aに供給される。
分級機6aは、冷却装置5から供給された第3フライアッシュF3を、精粉と粗粉とに分級する。分級機6aで分級された第3フライアッシュF3のうち、精粉は第2固気分離装置7へ送られ、粗粉は粉砕機6bに送られる。分級機としては、例えば、サイクロン型又はルーバー型慣性分級機及び振動篩装置等、一般的に使用されている乾式分級機を用いればよい。また、活性度指数を向上させる観点から、精粉の最大粒径は100μm以下とするとよい。
粉砕機6bは、分級機6aで分級された第3フライアッシュF3のうちの粗粉を粉砕する。粉砕機6bとしては、例えば、乾式のボールミル若しくはハンマーミル、又は、ロールミル等を用いればよい。
粒度調整装置6と第2固気分離装置7との間には、粒度調整装置6で処理された改質フライアッシュRFの粒度を測定するための粒度測定装置M4が設置されている。粒度測定装置M4は、粒度調整装置6の分級機6aによって分級された精粉の粒度を測定し、粒度に関する情報を制御装置Cに送信する。粒度測定装置M4としては、例えば、乾式レーザ回析・散乱法を用いたオンライン粒子径分布測定器等を用いればよい。
粒度調整装置6の分級機6aの分級の度合いは、制御装置Cによって制御されている。具体的には、粒度測定装置M4の測定結果及び使用者が所望する活性度指数に基づいて、制御装置Cが、分級機6aの分級の度合いを決定している。
第2固気分離装置7は、粒度調整装置6で調整された改質フライアッシュRFを回収し、貯蔵設備8に送る。第2固気分離装置7としては、たとえば、バグフィルタ等を用いればよい。
貯蔵設備8は、粒度調整装置6で粒度の調整された改質フライアッシュRFが貯蔵される。
次に、図1及び図2を参照して、改質装置Rで行われる処理について説明する。なお、図2は、改質装置Rで行われる処理を示すフローチャートである。
まず、制御装置Cが、キルン1の加熱部1dの出力を調整して、円筒部1cの被加熱部1c1を加熱することにより、円筒部1cの内部を600℃〜900℃に加熱する(図2/STEP01)。
制御装置Cは、STEP01以降の処理においても、キルン1の円筒部1cの内部の温度が600℃〜900℃を維持するように、キルン1の加熱部1dの出力を制御する。
次に、灰供給装置2は、石炭火力発電所の微粉炭燃焼ボイラ等で発生した第1フライアッシュF1を、窯尻部1aの灰供給口1a1を介して、キルン1に連続的に供給する(図2/STEP02)。
このSTEP02が、第1フライアッシュF1の供給工程である。
次に、制御装置Cは、キルン1の円筒部1cを回転させ、第1フライアッシュF1を撹拌しつつ600℃〜900℃まで加熱する(図2/STEP03)。
このSTEP03が、第1フライアッシュF1の加熱工程である。この加熱工程で、第1フライアッシュF1は、円筒部1cの被加熱部1c1の内面に接触して加熱されるとともに、複数のリフター部材1c2によって掻き上げられ撹拌される。これにより、第1フライアッシュF1の全量が均質に加熱される。
この加熱処理を行うことにより、第1フライアッシュF1に含まれる未燃カーボンが自燃して、未燃カーボン量を減少させることができる。また、同時に、第1フライアッシュF1に含まれる水銀を蒸発させて除去することができる。
この加熱工程において、第1フライアッシュF1を600℃〜900℃の範囲内としているのは、フライアッシュの粗粒化や、キルン内壁面等へのコーチングを生じさせずに、且つ、十分に未燃カーボンの自燃を促すためである。
第1フライアッシュF1の温度が600℃未満の場合には、後述する実験結果からも明らかなように、第1フライアッシュF1の未燃カーボンの自燃を十分に生じさせることができず、未燃カーボンの除去が不十分となってしまうおそれがある。さらに、第1フライアッシュF1の温度が350℃未満の場合には、第1フライアッシュF1から水銀の蒸発も生じなくなり、水銀の除去すらできなくなる。
一方、第1フライアッシュF1の温度が900℃を超える場合には、第1フライアッシュF1粒子同士が焼結して第3フライアッシュF3の粗粒化が生じたり、第1フライアッシュF1が溶融して、円筒部1cの内部に土手状のコーチングが形成されてしまうおそれがある。
また、この加熱工程において、制御装置Cは、フライアッシュ測定装置M1の測定結果(すなわち、第1フライアッシュF1の未燃カーボン含有率)、及び、燃焼ガス測定装置M2の測定結果(すなわち、燃焼ガスCGの流量及び酸素濃度)に基づいて、ファン4の駆動を制御して、キルン1への燃焼ガスCGの供給量を制御するか、灰供給装置2を制御して、第1フライアッシュF1の供給量を制御する。なお、第2フライアッシュF2の発生量の安定化のためには、後述するように灰供給装置2による第1フライアッシュF1の供給量の制御を優先することが好ましい。
具体的には、まず、制御装置Cは、キルン1に供給される燃焼ガスCGの供給量及び酸素(O2)濃度に基づいて、単位時間あたりにキルン1に供給される酸素(O2)量(mol/分)を算出する。
次に、制御装置Cは、キルン1に供給される第1フライアッシュF1の未燃カーボン含有率と供給量に基づいて、単位時間あたりにキルン1に供給される未燃カーボン(C)量(mol/分)を算出する。
そして、かかる酸素量と未燃カーボン量のモル比O2/Cが、2〜8となるように、制御装置Cは、灰供給装置2を制御して第1フライアッシュF1の供給量を調整する。
ここで、O2/Cモル比の上げ操作が必要な場合において、第1フライアッシュF1の供給量を下げることができない場合には、燃焼ガスCGの供給量または酸素(O2)濃度の上げ操作が必要となるが、燃焼ガスCGの供給量の上げ操作はキルン1内の燃焼ガスの流速の増加に直結し、飛散する第1フライアッシュF1の量、すなわち排ガスから回収される第2フライアッシュF2の量を増加させてしまうことになり、生産効率が大きく低下する。
この生産効率の低下を抑制するためには、燃焼ガスCGの供給量を大きく変動させなくてもO2/Cモル比の上げ操作が可能なように、通常に使用する燃焼ガスCGよりも酸素濃度の高い燃焼ガスを準備しておき、適宜、使用できるようにしておくことが好ましい。
なお、上記のO2/Cモル比は、処理対象である第1フライアッシュF1の未燃カーボン量、処理後の第3フライアッシュF3に望まれる未燃カーボン量等に基づいて、2〜8以外の値を選択してもよい。
また、第1フライアッシュF1の飛散を別途防止する手段を設けている場合(例えば、キルン1のガス排出口1a2の構造を工夫している場合等)には、燃焼ガスの供給量を上記のように調整せず導入することができる。
次に、第1固気分離装置3の第2フライアッシュ回収装置3aが、キルン1から排出された排ガスG1から、その排ガスG1に含まれている第2フライアッシュF2を分離する(図2/STEP04)。
次に、第2フライアッシュ回収装置3aが、灰供給装置2に、回収した第2フライアッシュF2を供給する(図2/STEP05)。
次に、灰供給装置2が、供給された第2フライアッシュF2を、第1フライアッシュF1の一部として、キルン1に供給する(図2/STEP06)。
排ガスG1から分離した第2フライアッシュF2には、排ガスG1に含まれていた水銀が付着している可能性が高い。そこで、第2フライアッシュF2を再びキルン1に供給し、第1フライアッシュF1とともに加熱することによって、第2フライアッシュF2に付着していた水銀を取り除くことができる。
なお、第2フライアッシュF2は、必ずしも灰供給装置2を介して第1フライアッシュF1の一部とする必要はない。例えば、キルン1のいずれかの部分に別途第2フライアッシュF2専用の導入口を設け、その導入口から供給するように構成してもよい。そのように構成する場合には、第2フライアッシュF2の未燃カーボン量を測定する測定装置を設ける、又は、制御装置Cで予め第2フライアッシュF2の未燃カーボン量を予測して算出するようにすることが好ましい。
また、第2フライアッシュF2に適した処理機構を別途設けた場合等には、第2フライアッシュF2を第1フライアッシュF1と独立して処理するようにしてもよい。
次に、第1固気分離装置3の水銀回収装置3bが、第2フライアッシュF2が回収された排ガスG2から水銀を回収し、ファン4を介して、水銀が除去された排ガスG3を排気する(図2/STEP13)。
このSTEP04及びSTEP13が分離工程である。この分離工程は、改質装置Rの駆動中に連続的に行われる。
次に、冷却装置5が、加熱処理後の第1フライアッシュF1である第3フライアッシュF3を回収し、冷却する(図2/STEP07)。
このSTEP07が回収工程である。この回収工程の際に、第3フライアッシュF3を冷却するために用いられたガスは、冷却処理の後に回収され、燃焼ガスCGの一部として再利用される。
次に、粒度調整装置6の分級機6aが、第3フライアッシュF3を分級し、粒度の大きい粗粉を粒度調整装置6の粉砕機6bに供給する(図2/STEP08)。
次に、粒度調整装置6の粉砕機6bが、分級された第3フライアッシュF3のうちの粗粉を粉砕する(図2/STEP09)。
次に、粉砕機6bが粉砕した第3フライアッシュF3を分級機6aに供給し、分級機6aが粉砕された第3フライアッシュF3を再び分級する(図2/STEP10)。
さらに、分級機6aで分級された精粉に、粒度の異なるフライアッシュを混合し、その混合されたフライアッシュを精粉として取り扱う(図2/STEP11)。
このSTEP08〜STEP11が、粒度調整工程である。この粒度調整工程は、粒度測定装置M4の測定結果が、所望の粒度になるように、制御装置Cによって分級機6aが制御される。
このような粒度調整を行っているのは、元々が低い値である、未燃カーボン含有率が高いフライアッシュ(第1フライアッシュF1)の活性度指数を、上記加熱処理に付することでさらに低下させてしまうためである。
なお、粒度調整工程で行われる処理としては、上記のように分級、粉砕及び処理対象であるフライアッシュと粒度の異なるフライアッシュとの混合、又は、それらのいずれかを組み合わせた方法であればよい。
この粒度調整工程では、粒度調整処理を経て得られる改質フライアッシュRFのブレーン比表面積が、4500cm2/g〜11000cm2/gとなるようにする。改質フライアッシュRFのブレーン比表面積が4500cm2/g以下の場合、改質フライアッシュRFの活性度指数が、JIS A 6201「コンクリート用フライアッシュ」のII種規格以上を満足できない場合がある。
また、改質フライアッシュRFのブレーン比表面積が11000cm2/g以上の場合、JIS A 6201「コンクリート用フライアッシュ」のII種以上の品質規格上の問題は生じないが、粘性の増大等のフライアッシュとして使用したコンクリートのフレッシュ性状の悪化が生じやすくなるため、11000cm2/g以下が好ましい。
本発明では、この粒度調整工程に分級、粉砕及び処理対象であるフライアッシュと粒度の異なるフライアッシュとの混合の3つの方法を使用しているが、後述の通り、ブレーン比表面積を品質管理指標とする限り、どの方法を用いても同等の品質の改質フライアッシュRFを得ることができる。
最後に、貯蔵設備8が、粒度調整装置6で分級された精粉を貯蔵して、処理を完了する(図2/STEP12)。
以上説明したように、改質装置Rで行われる改質フライアッシュの製造方法によれば、未燃カーボン含有率が低く、さらに水銀含有率がほぼゼロであり、且つJIS A 6201「コンクリート用フライアッシュ」のII種以上の活性度指数を有する、改質フライアッシュを得ることができる。 最後に、改質装置Rで行われた処理に係る試験結果について説明する。
まず、未燃カーボンの低減に係る試験方法について説明する。
試験装置として上記の改質装置Rを用いた。なお、改質装置Rのキルン1の円筒部1cの詳細は以下の表1に示すとおりである。
この改質装置Rに、所定の未燃カーボン含有率、水銀含有率及び化学組成を有するフライアッシュ(表3の「改質前」の項目参照)を第1フライアッシュF1として、キルン1の回転数と傾斜を一定とし、被加熱部1c1の温度とO2/Cモル比の2つの項目を変化させて(表2参照)、加熱処理する試験を行った。
次に、未燃カーボンの低減に係る試験結果について、以下の表3に示す。
次に、未燃カーボンの低減に係る試験結果について検討する。
加熱温度を600℃〜900℃、好ましくは、750℃〜850℃とし、供給する燃焼ガスCGの酸素量と未燃カーボン量の比率を、O2/Cモル比=2〜8、好ましくは3〜7とすれば(表2参照)、処理後の改質フライアッシュの未燃カーボン量は0.3質量%以下となり、且つ、水銀含有量は0.005ppm未満となることが分かった(表3参照)。
すなわち、上記改質装置Rによって改質された第3フライアッシュF3は、未燃カーボン量の低減と水銀の除去が十分に行われることが分かる。
次に、図3を参照して、改質フライアッシュの粒度の調整に係る試験について説明する。
まず、改質フライアッシュの粒度の調整に係る試験方法及び試験結果について説明する。
2種類の改質フライアッシュA,Bを用いて、9種類の試料及び3種類の比較試料を作成し、これらの試料の活性度指数を評価した。
改質フライアッシュAとしては、上記の未燃カーボンの低減に係る試験における水準a1の条件で作成したものを用いた。改質フライアッシュBは、上記の未燃カーボンの低減に係る試験における水準a1の条件で作成したものであるが、改質フライアッシュAとは発生元(石炭火力発電所)が異なるものを用いた。
9種類の試料としては、改質フライアッシュA及び改質フライアッシュBを所定のブレーン比表面積値となるようにボールミルで粉砕したもの、並びに、粉砕した後に異なる割合で混合したものを用いた。3種類の比較試料としては、改質フライアッシュAの未粉砕品、及び、改質フライアッシュAの未処理品を用いた。
これらの試料の詳細、及び、活性度指数を、下記の表4に示す。
次に、改質フライアッシュの粒度の調整に係る試験結果について検討する。
表4の試験結果をプロットすると、図3に記載のグラフとなる。なお、図3は、改質フライアッシュのブレーン比表面積と活性度指数との関係を示すグラフであり、図3Aは28日活性度指数、図3Bは91日活性度指数を示す。
図中の直線は一次回帰式による回帰直線であり、かかる一次回帰式とその回帰式の決定係数(R2)をそれぞれの図中に示す。図3A、図3B共に、決定係数は0.9を超える値を示しており、このことから、本発明の改質フライアッシュの製造方法による改質フライアッシュは、ブレーン比表面積を管理指標にすれば、粒度調整方法として分級、粉砕及び粒度の異なるフライアッシュとの混合のいずれ方法をも用いることができることが分かる。
ここで、図3に示す下記式(1)、式(2)より、JIS A 6201「コンクリート用フライアッシュ」のII種以上の活性度指数を満足する改質フライアッシュのブレーン比表面積を求めると、28日活性度指数については4476cm2/g以上、91日活性度指数については3429cm2/g以上であり、4500cm2/g以上であればJIS A 6201「コンクリート用フライアッシュ」のII種以上の活性度指数を十分に満足することができる。
28日材齢活性度指数(%)
= 0.0021×(ブレーン比表面積(cm2/g))+70.6
・・・(1)
91日材齢活性度指数(%)
= 0.0014×(ブレーン比表面積(cm2/g))+85.2
・・・(2)
= 0.0021×(ブレーン比表面積(cm2/g))+70.6
・・・(1)
91日材齢活性度指数(%)
= 0.0014×(ブレーン比表面積(cm2/g))+85.2
・・・(2)
ところで、ブレーン比表面積の上限については、フライアッシュの品質上からは制約が生じない。しかし、コンクリートの混和材量としての使用を想定した場合、フライアッシュのブレーン比表面積が過度に大きいと(すなわち、フライアッシュの粒度が過度に小さいと)、コンクリートの単位水量の増加、コンクリートの粘性の増大等が生じるおそれがある。
そこで、例えば、上記関係式(1),(2)において、JIS A 6201「コンクリート用フライアッシュ」のII種規格以上の活性度指数を満足するブレーン比表面積10600cm2/gの数値を参考に、11000cm2/gを上限とすることが好ましいと考えられる。
1…キルン、1a…窯尻部、1a1…灰供給口、1a2…ガス排出口、1b…窯前部、1b1…灰排出口、1b2…ガス導入口、1c…円筒部、1c1…被加熱部、1c2…リフター部材、1d…加熱部、2…灰供給装置、3…第1分離装置、3a…第2フライアッシュ回収装置、3b…水銀回収装置、4…ファン、5…冷却装置、6…粒度調整装置、6a…分級機、6b…粉砕機、6c…粒度測定装置、7…第2固気分離装置、8…貯蔵設備、C…制御装置、CG…燃焼ガス、G1,G2,G3,G4…排ガス、F1…第1フライアッシュ、F2…第2フライアッシュ、F3…第3フライアッシュ、M1…フライアッシュ測定装置、M2…燃焼ガス測定装置、M3…第3フライアッシュ測定装置、M4…粒度測定装置、R…改質装置、RF…改質フライアッシュ、T1…第1温度計、T2…第2温度計、T3…第3温度計。
Claims (8)
- 未燃カーボン含有率が0.5質量%以下、水銀含有率が0.005ppm未満、28日材齢の活性度指数が80以上、且つ91日材齢の活性度指数が90以上であることを特徴とする改質フライアッシュ。
- 外熱式ロータリーキルンに第1フライアッシュを供給する供給工程と、
前記外熱式ロータリーキルンに燃焼ガスを供給し、前記第1フライアッシュを600℃〜900℃に加熱して、該第1フライアッシュに含まれる未燃カーボンを自燃させるとともに、該該第1フライアッシュに含まれる水銀を揮発させる加熱工程と、
前記加熱工程で発生した排ガスから、該排ガスに含まれる水銀及び第2フライアッシュを分離する分離工程と、
前記第1フライアッシュに加熱工程を施して得られた第3フライアッシュの粒度を粉砕、分級若しくは粒度の異なるフライアッシュとの混合、又は、前記粉砕、前記分級及び前記混合のうちの二つ以上の方法を組合せた方法によって調整して、該第3フライアッシュの粉末度を所定の粉末度とする粒度調整工程とを備えていることを特徴とする改質フライアッシュの製造方法。 - 請求項2に記載の改質フライアッシュの製造方法において、
前記供給工程で、前記第2フライアッシュを前記第1フライアッシュの一部として前記外熱式ロータリーキルンに供給することを特徴とする改質フライアッシュの製造方法。 - 請求項2又は請求項3に記載の改質フライアッシュの製造方法において、
前記加熱工程で供給する前記燃焼ガスの供給量又は前記燃焼ガスの酸素濃度は、前記供給工程で供給する前記第1フライアッシュの未燃カーボン量に基づいて決定されることを特徴とする改質フライアッシュの製造方法。 - 請求項4に記載の改質フライアッシュの製造方法において、
前記燃焼ガスの供給量又は前記燃焼ガスの酸素濃度は、前記第1フライアッシュの前記未燃カーボン量をCmol/分とし、前記加熱工程で供給する前記燃焼ガスの酸素量をO2mol/分とした場合に、O2/Cモル比=2〜8となる値であることを特徴とする改質フライアッシュの製造方法。 - 請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載の改質フライアッシュの製造方法において、
前記粒度調整工程で、前記改質フライアッシュのブレーン比表面積を4500cm2/g〜11000cm2/gにすることを特徴とする改質フライアッシュの製造方法。 - 供給された第1フライアッシュを加熱する外熱式ロータリーキルンと、
前記第1フライアッシュを前記外熱式ロータリーキルンに供給する灰供給装置と、
前記外熱式ロータリーキルンで発生した排ガスから、該排ガスに含まれる水銀及び第2フライアッシュを分離する分離装置と、
前記外熱式ロータリーキルンで前記第1フライアッシュを加熱して得られた第3フライアッシュの粒度を粉砕、分級若しくは粒度の異なるフライアッシュとの混合、又は、前記粉砕、前記分級及び前記混合のうちの二つ以上の方法を組合せた方法によって調整して、該第3フライアッシュの粉末度を所定の粉末度にする粒度調整装置とを備えていることを特徴とするフライアッシュ改質装置。 - 請求項7に記載のフライアッシュ改質装置において、
前記分離装置は、分離した前記第2フライアッシュを前記灰供給装置に供給し、
前記灰供給装置は、前記第2フライアッシュを前記第1フライアッシュの一部として前記外熱式ロータリーキルンに供給することを特徴とするフライアッシュ改質装置。
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