JP2001158923A - 焼結機の操業方法 - Google Patents

焼結機の操業方法

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JP2001158923A
JP2001158923A JP34013199A JP34013199A JP2001158923A JP 2001158923 A JP2001158923 A JP 2001158923A JP 34013199 A JP34013199 A JP 34013199A JP 34013199 A JP34013199 A JP 34013199A JP 2001158923 A JP2001158923 A JP 2001158923A
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sintering
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JP34013199A
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Hideaki Sato
秀明 佐藤
Hidetoshi Yamauchi
秀敏 山内
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JFE Engineering Corp
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼結原料に含有されるアルカリ金属、ハロゲ
ン及び油分の含有量を制限しても、電気集塵機での除塵
を一定値以上に安定して向上させ得ない理由を解明し
て、排ガス中の煤塵量を一層減らす。 【解決手段】 焼結機の電気集塵機入口で排ガス中ダス
ト濃度を測定し、ダスト濃度が所定範囲内に入るよう
に、その焼成過程で焼結原料から発生するダスト量の支
配要因を制御することにより、前記電気集塵機で捕捉さ
れるダストが含むアルカリ金属等の合計濃度を制御し、
電気集塵機の高効率運転を可能とする。ダスト発生量支
配要因として、原料造粒工程で添加する造粒バインダー
の添加率、水分添加率、及び造粒時間の内、少なくとも
一つを制御する。その際、造粒バインダーとして生石灰
を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 この発明は、焼結機の操業
において、焼結工程で発生するダストの集塵装置である
電気集塵機の集塵性能を高レベルに維持すると共に、大
気放散する排ガス中煤塵濃度を低く抑えるための焼結機
の操業方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高炉原料として使用される焼結鉱は、一
般に下方吸引式無端移動床型焼結機により製造される。
図2に、焼結機パレットの概略斜視図を示し、図3に、
当該焼結機の概略横断面図を示す。焼結原料23が無端
移動床型に長く連結されたパレット5上に所定厚で層状
に装入され、着火された後、原料層を下方吸引しつつ加
熱昇温して焼成過程に入る。焼結機4の操業中には、パ
レット5に装着されたグレート24の間隙24aより、
パレット5上に装入された焼結原料23の微細ダスト2
5が、原料層を上部から下方に通過したガスによって運
ばれ、風箱10を、次いで主排ガスダクト11を通過し
て集塵機に入り、その大部分が除塵された排ガスが主煙
突より大気中に放散される。放散される微細ダストは、
浮遊煤塵として大気汚染防止法で排出量が規制されてお
り、可能な限り低減しなければならない。
【0003】上記において、焼結機から発生する主排ガ
スの温度は通常120〜140℃程度であり、炉休した
場合には更に高温となること、及び主排ガスの流量は1
00万Nm3/hを超える莫大な量となるので、当該主
排ガス中のダスト捕集は、圧損の大きいバグフィルター
式集塵機等では対応が困難であり、一般に電気集塵機が
用いられている。
【0004】ここで、電気集塵機の集塵特性は、一般に
下記(1)式のDeutcheの式で表わされる。 η≡(Sin−Sout)/Sin=1−e-WA/Q ……… (1) 但し、 η :集塵効率(−) Sin:電気集塵機入口における含塵量 Sout:電気集塵機出口における含塵量 W :電気集塵機へのダストの移動速度(m/sec) A :電気集塵機の集塵面積(m2) Q :排ガス流量(m3/sec)
【0005】上記(1)式によれば、電気集塵機の集塵効
率ηは、集塵面積Aを大きくし、また排ガス流量Qを少
なくすれば高くなる。しかし、これらの因子は、設備の
能力上及び改造コスト面からの制約、並びに生産性低下
面からの制約により、大きく変えることはできない。即
ち、集塵面積Aを大きくするためには、集塵機そのもの
の増設が必要であり、莫大な投資を必要とする。一方、
排ガス流量Qの制約は、生産量を制限することになり、
所要の生産量を確保することができなくなる。
【0006】そこで、更に(1)式において、集塵効率
ηに及ぼすダストの移動速度Wの影響について検討す
る。ダストの移動速度Wが大きくなるほど集塵効率ηを
上げることができることがわかる。ところが、電気集塵
機へのダストの移動速度Wは、ダストの粒径が小さくな
るほど小さくなり、一方、ダスト中の水分濃度が高くな
るほど大きくなる。このように、電気集塵機へのダスト
の移動速度(以下、「ダストの移動速度」という)W
は、ダストの物理的性状の他に、化学的性状によっても
支配され、ダストにNa、K等のアルカリ金属、Cl等
のハロゲン、及び油分が含まれると小さくなり、その濃
度が高くなるほど小さくなることが知られている。
【0007】一般に、焼結原料中のアルカリ金属、ハロ
ゲン及び油分は、焼結反応時の高温下で昇華して微細ダ
スト表面にNaCl、KClあるいは油の形態で付着す
ることが知られている。そのため従来より、焼結原料中
のアルカリ金属、ハロゲン及び油分の含有量を制限する
ことにより、焼結反応時に昇華してダスト中に移行する
量を制限している。即ち、一般的には、十数種類の銘柄
の鉄鉱石、及び副原料等を、所定の成分組成になるよう
配合した原料を焼結原料として使用する。そして、この
配合段階で原料中に含有されるアルカリ金属、ハロゲン
及び油分の含有量を制限するという方法がとられてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来行
なわれているように、焼結原料中のアルカリ金属、ハロ
ゲン及び油分の含有量を制限しても、焼結機の主煙突か
ら放出される煤塵の量は、必ずしも一定値以下に安定さ
せることはできない。
【0009】そこで、本発明者等は、上述した従来の対
策を施しても、所期の目的が必ずしも達成されない原因
を明らかにすることを課題とした。そして、この課題を
解決することにより、焼結機操業における電気集塵機の
性能を安定して十分に発揮させ、主煙突から大気中に放
散される排ガス中の煤塵量を一層減らすことが可能とな
る、焼結機の操業方法を提供することを本発明の目的と
した。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
この課題について鋭意検討を重ねた。
【0011】従来のように、焼結原料中のアルカリ金
属、ハロゲン及び油分の含有量を制限すれば、確かに焼
結過程で発生する、アルカリ金属、ハロゲン及び油分
(以下、「アルカリ金属等物質」という)の発生量は制
限される。しかしながら、仮に、アルカリ金属等物質の
発生量を低値に制限したとしても、当該焼結過程で発生
するダスト量が変動すると、それに伴ってダストに含有
されるアルカリ金属等物質の含有率は変動する。即ち、
発生ダスト量が増加又は減少すれば、それぞれの場合に
対応して、ダスト中のアルカリ金属等物質の含有率は、
減少又は増加する。図4に、上記発生ダスト量と当該ダ
スト中のアルカリ金属等物質の含有率との関係を模式的
に示す。
【0012】そして、例えば、ダスト中のアルカリ金属
等物質の含有率が大きくなると、電気集塵機へのダスト
の移動速度Wは前記の通り小さくなり(図5)、その結
果、集塵機の集塵効率ηは低下する(図6)。図5に、
ダスト中のアルカリ金属等物質含有率とダストの移動速
度Wとの関係を、図6に、ダストの移動速度Wと集塵効
率ηとの関係を、いずれも模式的に示す。
【0013】このように、図4〜図6よりわかるよう
に、焼結原料装入速度及び焼結鉱生産速度が一定の操業
条件において、焼結原料中アルカリ金属等物質の含有量
を低く一定値にし、従って、焼結反応時に発生するアル
カリ金属等物質の発生量を同じく一定値にした場合、発
生ダスト量が増加すると、ダスト中アルカリ金属等物質
の含有率は低下し、従って、ダストの移動速度Wは大き
くなる。よって、集塵機の集塵効率ηは向上する。しか
しながら、(1)式の集塵効率ηが上昇しても、焼結機
の主煙突から大気中に放散される排ガス中ダスト濃度が
常に低下するとは限らない。その理由は下記の通りであ
る。即ち、集塵効率ηは(1)式より、 η≡(Sin−Sout)/Sin 但し、Sin :電気集塵機入口における含塵量 Sout :電気集塵機出口における含塵量 で定義されているので、集塵機入口における含塵量Sin
が大きい場合における集塵効率ηが、集塵機入口におけ
る含塵量Sinがより小さい場合における集塵効率ηより
大きくても、集塵機出口における含塵量Sout について
はより大きい場合もあるからである。
【0014】このように、電気集塵機の集塵性能を十分
に発揮させつつ、しかも大気中に放散される排ガス中ダ
スト濃度をできるだけ低く抑えるためには、焼結原料中
に含まれるアルカリ金属等物質の含有量のみならず、焼
結原料がパレットに装入された後、焼結完了までの過程
で原料から発生して主排ガス中に入るダストの量(発生
ダスト量)にも注目しなければならないとの知見を得る
と共に、上記発生ダスト量を把握するための適切な手段
によりそれを把握することが可能であることに着眼し
た。
【0015】従って、ダストの発生量の大小は、この発
明において極めて重要な意味を持つ。そこで、主排ガス
中ダストの発生機構とその発生量に及ぼす要因について
考察する。
【0016】焼結操業においては、−5mmの粉鉄鉱
石、媒溶剤としての副原料、粒径が小さくて焼結成品と
ならずに循環使用される返鉱、及び燃料としての粉コー
クスに、造粒バインダー及び水を添加し、造粒機で混合
・造粒する。これを焼結機に所定の層厚になるよう装入
し、焼成して焼結鉱を製造する。
【0017】上記において、造粒操作とは、原料中粒子
の中で比較的大きい粒子の表面に、微細な粒子をバイン
ダーの結合作用により強固に付着させて擬似粒子を調製
するものである。従って、造粒バインダーの添加量が少
ないほど、造粒されずに残るものの割合が増える。ここ
で、特に、原料中の−125μmの粒子が造粒されずに
残ると、焼結機パレット上の原料層中通気性が著しく悪
化して、焼成時間が延びる。従って、所要生産量に応じ
て造粒バインダーの添加量を調節する必要がある。ま
た、造粒されずに残った微細な粒子、及び擬似粒子への
付着力が弱い粒子は、パレットに装入され、次いで焼成
が完了するまでの間に、パレットに装着されたグレート
の間隙より落下し、原料層を通過してきたガス流れによ
って運ばれて風箱を通過し、主排ガスダクト中を流れる
主排ガス中に入って運ばれる。
【0018】従って、一定量の焼結鉱を生産しようとす
る場合に、造粒バインダーを過剰に添加したときにはダ
スト発生量は少ないので、主排ガス中ダスト濃度は低
い。これに対して造粒バインダーを過少に添加したとき
にはダスト発生量が多くなるので、主排ガス中ダスト濃
度は高くなる。こうして、両者間の排ガス中ダスト濃度
には大きな差が生じることになる。一方、焼結原料中に
含まれるアルカリ金属、ハロゲン及び油分の含有率は所
定値に制限しているので、焼結反応進行時(焼成時)に
燃焼熱により昇華して主排ガス中に移行する上記アルカ
リ金属等物質の量は一定となる。よって、主排ガス中に
浮遊するダストの濃度の大小により、ダスト表面に付着
したアルカリ金属等物質の量は異なることになる、即
ち、ダスト中アルカリ金属等物質の含有率が異なること
になるので、電気集塵機による集塵効率に大きな差が生
じることになる。即ち、造粒バインダーを過剰に添加
した場合、主排ガス中のダスト濃度は小さくなるが、ダ
スト中アルカリ金属等物質の含有率は高くなる。従っ
て、集塵され難いダストになる。これに対して、造粒
バインダーを過少に添加した場合、主排ガス中のダスト
濃度は大きくなるが、ダスト中アルカリ金属等物質の含
有率は低くなる。従って、集塵され易いダストになる
が、この場合は、集塵機に入るダスト量が多いので、集
塵機で除塵されずに主煙突から放散されるダスト量も多
くなる。
【0019】以上の考察から、本発明者等は、前記知見
及び着眼を具体化した。即ち、生成反応時に焼結原料か
ら発生するアルカリ金属等物質の量が一定であって、し
かも電気集塵機に入る主排ガス流量が一定の場合には、
電気集塵機で除塵後の排ガス中ダスト濃度、即ち、大気
放出される排ガス中ダスト濃度を最小にする方法とし
て、電気集塵機入口での主排ガス中ダスト濃度(xin
と、電気集塵機出口での主排ガス中ダスト濃度
(xout)、及びダスト発生要因、例えば造粒バインダ
ーの添加量との間の関係を把握すれば、電気集塵機入口
での主排ガス中ダスト濃度(xin)に関する情報を得る
ことにより、所期の目的を達成することができる。この
発明は、上記知見に基づきなされたものであり、その特
徴は次の通りである。
【0020】請求項1に係る発明の焼結機の操業方法
は、含有成分組成を所定値に調整した原料を使用する焼
結操業において、その焼結機の電気集塵機入口で排ガス
中ダスト濃度を測定し、当該ダスト濃度が所定の範囲内
に入るように、上記原料からその焼成過程で発生するダ
ストの発生量を支配する要因を制御することにより、上
記電気集塵機で捕捉されるダストが含有するアルカリ金
属、ハロゲン及び油分の合計濃度を制御し、当該電気集
塵機の高効率運転を可能とすることに特徴を有するもの
である。
【0021】請求項2に係る発明の焼結機の操業方法
は、請求項1に係る発明において、上記ダストの発生量
支配要因として、上記原料の造粒工程で添加する造粒バ
インダーの添加率及び水分添加率、並びに造粒時間の
内、少なくとも一つを制御することに特徴を有するもの
である。
【0022】請求項3に係る発明の焼結機の操業方法
は、請求項2に係る発明において、上記造粒バインダー
として生石灰を用いることに特徴を有するものである。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、図を参照しながらこの発明
の実施の形態について説明する。図1に、この発明の実
施に適した焼結設備の概略フロー図の例を示す。配合槽
1より、粉鉄鉱石1a、石灰石1b、珪石1c等の媒溶
剤、返鉱1d、粉コークス1e及び造粒バインダーであ
る生石灰1fを所定の比率で所定量切り出す。次いで、
ドラムミキサー2で混合すると共に、ドラムミキサー2
内に設置された散水スプレーにより所定の水分値になる
ように水を添加し、次のドラムミキサー3で造粒し、所
定の大きさの擬似粒子に調製する。次いでこれを焼結機
4のパレット5上に、一定の層厚になるようにサージホ
ッパー6から装入し、点火炉8で原料層表面に着火した
後、当該原料層を下方吸引することにより大気中酸素ガ
スにより原料層内にある粉コークスを燃焼させる。粉コ
ークスの燃焼が起こっている燃焼帯は、パレットの移動
と共に原料層の下方へ移動し、排鉱部9において原料層
の最下端まで燃焼前線が到達するように操業する。
【0024】上記工程において、原料中の微細な粒子
は、焼結反応の進行と共にパレット8上に装着されたグ
レート(図2参照)の間隙から、原料層を通過する空気
と共に風箱10を通り、主排ガスダクト11中に入る。
一方、原料中に含有されるNa、K等のアルカリ金属、
Cl等のハロゲン及び油分(アルカリ金属等物質)も粉
コークスの燃焼による熱で昇華し、風箱10を通って主
排ガスダクト中に入る。これらのダストの発生及び上記
アルカリ金属等物質の昇華は、通常、原料層中の燃焼分
が最下層に移り、未燃の層がなくなる焼結機の排鉱部側
で増加する。こうして昇華したアルカリ金属等物質は、
風箱10あるいは主排ガスダクト11中で排ガス中に浮
遊するダストの表面に、NaCl、KCl等の化合物及
び油の形態で付着し、主排ガスによって運ばれ、電気集
塵機12に入る。
【0025】電気集塵機12の入側煙道とその出側煙道
との両方に、ダスト濃度計13及び14を設置し、それ
ぞれにおけるダスト濃度(xin及びxout)を計測す
る。得られた測定データを、データ処理装置17に伝送
する。データ処理装置17において、ダスト濃度xin
はダスト濃度xoutに応じ、造粒バインダーである生石
灰1fの添加率を、下記操業方針に基づいて算出し、制
御装置18を介して算出された生石灰1f量を切り出
す。
【0026】即ち、主煙突16から排出される煤塵の量
をできるだけ少なく抑えるために、電気集塵機12の出
側煙道におけるダスト濃度xoutを低く抑えるように操
業を管理する。即ち、前述した通り、昇華によるアルカ
リ金属等物質の排ガス中への混入量が一定の場合には、
電気集塵機12で除塵後の排ガス中ダスト濃度は、原料
からのダストの発生量支配要因、例えば原料調製工程で
の造粒バインダーの添加率に依存する。従って、電気集
塵機12の出口でのダスト濃度xoutが管理上限値を超
えないように、ダストの発生量支配要因、例えば生石灰
等造粒バインダーの添加率を調節する。なお、このダス
ト濃度xoutは、所定の焼結操業条件が一定条件下にあ
る場合には、電気集塵機12の入口でのダスト濃度xin
との間に一定の関係が存在するので、この関係を予めあ
るいはその都度測定しておき、し、その関係に基づき、
このダスト濃度xinが所定範囲内に入るように、ダスト
の発生量支配要因を調節してもよい。
【0027】上記において、ダスト濃度計は、光透過式
等の連続測定が可能なもの、あるいはサンプリングによ
る重量法によるもののいずれでもよい。また、焼結原料
からのダストの発生量支配要因としては、造粒バインダ
ーの添加率、ドラムミキサー2における水分添加率、及
び造粒時間の内、一つ又は二つ以上の組合せであっても
よい。
【0028】
【実施例】この発明を実施例により更に詳しく説明す
る。
【0029】図1に示した設備フローを有する有効焼成
面積(グレート面積)が400m2の焼結機で、650
t/hの焼結鉱生産操業を行なった。原料使用量は78
5t/h(主・副原料:700t/h,返鉱:85t/
h)であり、燃料粉コークスは26t/hで一定とし、
水分の添加量は、擬似粒子の焼結機4への装入時水分が
7.0wt.%となるように調節した。焼結原料中のN
a+K含有率は0.040wt.%、Cl含有率は90
ppm、油分含有率は0.1wt.%以下で、いずれも
一定とした。一方、焼結設備については、電気集塵機1
2の集塵面積は80000m2、主排風機15の能力
は、吸引負圧が1600mmH2Oで排風量は3400
0m3/minである。
【0030】上記設備及び操業条件下において、原料擬
似粒子の造粒バインダーとして生石灰を使用し、生石灰
を所定量添加して操業した場合における電気集塵機12
の出側での排ガス中ダスト濃度に注目して、主煙突16
から排出される煤塵濃度を低く抑えるための操業試験を
実施した。表1にその試験結果の概要を示す。
【0031】
【表1】
【0032】第1期においては、造粒バインダーとし
ての生石灰添加量を原料使用量の2.4wt.%(1
8.8t/h)と多目にした。このとき、電気集塵機1
2入口での排ガス中ダスト濃度は274mg/Nm3
低かったが、ダスト中のアルカリ金属等物質の含有率は
32.0wt.%とかなり高い値を示した。そして、電
気集塵機12出口での排ガス中ダスト濃度は52mg/
Nm3と高かった。このときの集塵効率ηは81.0%
と低かった。
【0033】そこで、第2期においては、生石灰添加
量を減らして、原料使用量の1.6wt.%(12.5
t/h)にしたところ、電気集塵機12入口での排ガス
中ダスト濃度は、1320mg/Nm3と著しく高くな
った。これに応じて、ダスト中のアルカリ金属等物質の
含有率は6.8wt.%と低下した。そして、電気集塵
機12出口での排ガス中ダスト濃度は40mg/Nm3
とやや低下したに留まった。また、このときは、焼結原
料層中の通気性の悪化による排風量の減少が顕著であっ
た。しかし、このときの集塵効率ηは、97.0%と高
くなる。これは、第2期においては、電気集塵機12入
口での排ガス中ダスト濃度が著しく高かったので、電気
集塵機12出口での排ガス中ダスト濃度がそれほど低く
なくても、集塵効率ηは高くなった例である。
【0034】以上の結果に鑑み、第3期においては、
生石灰添加量を第1期と第2期との中間とし、原料使用
量の2.0wt.%(15.7t/h)にした。その結
果、電気集塵機12入口での排ガス中ダスト濃度は、5
15mg/Nm3となり、これに応じて、ダスト中のア
ルカリ金属等物質の含有率は14.7wt.%となっ
た。そして、電気集塵機12出口での排ガス中ダスト濃
度は28mg/Nm3と十分に低い値になった。このと
きは集塵効率ηも94.6%と高水準である。
【0035】このように、焼結の設備及び原料成分等の
操業条件が与えられたときに、電気集塵機入側での排ガ
ス中ダスト濃度の管理範囲値を定めておき、当該ダスト
濃度の測定値が、その管理範囲に入るように造粒バイン
ダーの添加量を調節することにより、電気集塵機の性能
を十分に発揮させつつ、しかも大気放散される排ガス中
の煤塵量を低く抑えることができる。
【0036】
【発明の効果】上述した通り、この発明の方法によれ
ば、焼結機の操業において、現有設備のままで、焼結工
程で発生するダストを電気集塵機の集塵性能を高レベル
に維持すると共に、大気に放散する排ガス中煤塵濃度を
容易に低く抑えることができる。従って、また焼結機の
操業安定化及び環境改善に寄与する。このような焼結機
の操業方法を提供することができ、工業上有用な効果が
もたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施に適した焼結設備の概略フロー
図の例である。
【図2】焼結機パレットの概略斜視図である。
【図3】下方吸引式無端移動床型焼結機の概略横断面図
である。
【図4】焼成過程で原料から発生し、主排ガス中に移行
するダスト量と当該ダスト中のアルカリ金属等物質の含
有率との関係を示す模式図である。
【図5】ダスト中のアルカリ金属等物質含有率とダスト
の移動速度Wとの関係を示す模式図である。
【図6】ダストの移動速度Wと集塵効率ηとの関係を示
す模式図である。
【符号の説明】
1 配合槽 1a 粉鉄鉱石 1b 石灰石 1c 珪石 1d 返鉱 1e 粉コークス 1f 生石灰 2 ドラムミキサー 3 ドラムミキサー 4 焼結機 5 パレット 6 サージホッパー 7 床敷ホッパー 8 点火炉 9 排鉱部 10 風箱 10a 風箱ダンパー 11 主排ガスダクト 12 電気集塵機 13 ダスト濃度計(電気集塵機入側) 14 ダスト濃度計(電気集塵機出側) 15 主排風機 16 主煙突 17 データ処理装置 18 制御装置 19 クーラー 20 スクリーン 23 焼結原料 24 グレート 24a 間隙 25 微細ダスト 26 一次クラッシャー 27 二次クラッシャー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含有成分組成を所定値に調整した原料を
    使用する焼結操業において、前記焼結機の電気集塵機入
    口で排ガス中ダスト濃度を測定し、当該ダスト濃度が所
    定の範囲内に入るように、前記原料からその焼成過程で
    発生するダストの発生量を支配する要因を制御すること
    により、前記電気集塵機で捕捉されるダストが含有する
    アルカリ金属、ハロゲン及び油分の合計濃度を制御し、
    前記電気集塵機の高効率運転を可能とすることを特徴と
    する焼結機の操業方法。
  2. 【請求項2】 前記ダストの発生量支配要因として、前
    記原料の造粒工程で添加する造粒バインダーの添加率及
    び水分添加率、並びに造粒時間の内、少なくとも一つを
    制御することを特徴とする、請求項1記載の焼結機の操
    業方法。
  3. 【請求項3】 前記造粒バインダーとして生石灰を用い
    ることを特徴とする、請求項2記載の焼結機の操業方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018141619A (ja) * 2017-02-27 2018-09-13 Jfeスチール株式会社 焼結機の運転停止方法
JP2020186416A (ja) * 2019-05-09 2020-11-19 日本製鉄株式会社 焼結煤塵管理方法

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