JP2018040185A - スイングドア制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動で回動中のドアを手動に円滑に切り替えて回動させることができるスイングドア制御装置を提供する。【解決手段】ドアに設けられるシリンダ11と、ボデーに設けられシリンダ11内を閉側気室21及び開側気室22に区画するとともにシリンダ11内を移動することでドアを回動させるピストン12と、空気ポンプ27及び排出路28と、閉側気室21、開側気室22を空気ポンプ27及び排出路28に選択的に連通する閉側三方弁25、開側三方弁26と、閉側気室21及び開側気室22の空気の圧力をそれぞれ検出する閉側圧力センサ31及び開側圧力センサ32と、閉側気室21及び開側気室22のいずれか一方が空気ポンプ27に連通され、且つ、いずれか他方が排出路28に連通された状態で空気ポンプ27に連通する該当の閉側気室21又は開側気室22の空気の圧力が低下したときに、排出路28に連通させるドアECUとを備える。【選択図】図5

Description

本発明は、スイングドア制御装置に関するものである。
従来、スイングドア制御装置としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。このスイングドア制御装置は、車両のボデーに回動自在に連結されるドアの内部に設置されてドア開閉機構に駆動連結された開閉モータと、該開閉モータを駆動制御する制御部(ECU)とを備えて構成される。そして、開閉モータが駆動されることでドアが開閉作動すべく回動する。なお、ドアが開作動すべく回動する際には車両の幅方向に飛び出すことになる。このため、特許文献1では、ドアの開作動時に障害物との接触を回避するための構成が併せて提案されている。
特開2013−10384号公報
ところで、ドアを自動(電動)で回動させる場合、手動で回動させる場合に比べて遅い速度に設定されることが一般的であり、開閉作動の完了に時間が掛かることになっている。このため、例えばユーザが急いでいるなどの状況では、自動で回動中のドアを手動に切り替えて速やかに回動させることが望まれる。
ドアの回動を自動から手動に切り替えるためには、ユーザによる手動操作の意思を検出して、これに基づき開閉モータ及びドア開閉機構の動力伝達経路の一部を適宜のクラッチ機構で遮断することになる。しかしながら、ユーザが手動操作の意思を示してからクラッチ機構の作動が完了するまでに時間差が生じるため、ユーザが手動でドアを回動させる時点でクラッチ機構の切替えが未完了であると操作に違和感(例えば引っ掛かり感、唐突感)を与えることがある。
本発明の目的は、自動で回動中のドアを手動に円滑に切り替えて回動させることができるスイングドア制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するスイングドア制御装置は、車両のボデー及び該ボデーに回動自在に連結されるドアのいずれか一方に設けられるシリンダと、前記ボデー及び前記ドアのいずれか他方に設けられ、前記シリンダに挿入されて該シリンダ内を開側流体室及び閉側流体室に区画するとともにそれらの占有スペースの配分の変更に伴い前記シリンダ内を移動することで前記ドアを回動させるピストンと、作動流体をそれぞれ供給及び排出する流体供給源及び排出路と、前記開側流体室を前記流体供給源及び前記排出路に選択的に連通する開側切替弁と、前記閉側流体室を前記流体供給源及び前記排出路に選択的に連通する閉側切替弁と、前記開側流体室及び前記閉側流体室の作動流体の圧力をそれぞれ検出する開側センサ及び閉側センサと、前記開側切替弁及び前記閉側切替弁を駆動制御する制御部であって、前記開側流体室及び前記閉側流体室のいずれか一方が前記流体供給源に連通され、且つ、いずれか他方が前記排出路に連通された状態で前記流体供給源に連通する該当の前記開側流体室又は前記閉側流体室の作動流体の圧力が低下したときに、前記排出路に連通させる制御部と、を備える。
この構成によれば、前記制御部による前記開側切替弁及び前記閉側切替弁の駆動制御により、前記開側流体室及び前記閉側流体室がそれぞれ前記流体供給源及び前記排出路に連通すると、前記開側流体室の占有スペースが増加するとともに前記閉側流体室の占有スペースが減少するようにそれらの配分が変更される。そして、これに伴う前記ピストンの移動により、前記ドアが自動で開作動すべく回動する。また、自動で回動中の前記ドアが手動で開操作されると、これに伴う前記ピストンの移動により、前記開側流体室の占有スペースが急増して該開側流体室の圧力が低下する。この手動での操作力は、前記シリンダの作動流体の弾性変形によって緩衝されることで、操作に与える違和感を抑制できる。そして、前記開側センサにより前記開側流体室の圧力の低下が検出されると、前記制御部による前記開側切替弁の駆動制御により、前記開側流体室が前記排出路に連通する。これにより、前記開側流体室の作動流体が解放されることで、該作動流体に阻害されることなく前記ドアを手動で速やかに回動させることができる。
一方、前記制御部による前記開側切替弁及び前記閉側切替弁の駆動制御により、前記開側流体室及び前記閉側流体室がそれぞれ前記排出路及び前記流体供給源に連通すると、前記開側流体室の占有スペースが減少するとともに前記閉側流体室の占有スペースが増加するようにそれらの配分が変更される。そして、これに伴う前記ピストンの移動により、前記ドアが自動で閉作動すべく回動する。また、自動で回動中の前記ドアが手動で閉操作されると、これに伴う前記ピストンの移動により、前記閉側流体室の占有スペースが急増して該閉側流体室の圧力が低下する。この手動での操作力は、前記シリンダの作動流体の弾性変形によって緩衝されることで、操作に与える違和感を抑制できる。そして、前記閉側センサにより前記閉側流体室の圧力の低下が検出されると、前記制御部による前記閉側切替弁の駆動制御により、前記閉側流体室が前記排出路に連通する。これにより、前記閉側流体室の作動流体が解放されることで、該作動流体に阻害されることなく前記ドアを手動で回動させることができる。
上記スイングドア制御装置について、前記ドアの全開状態を検出する全開センサを備え、前記制御部は、前記全開センサにより前記全開状態が検出されたときに、前記流体供給源の駆動を停止することが好ましい。
この構成によれば、自動で開作動すべく回動中の前記ドアがこれに伴って前記全開状態への移行が完了すると、前記制御部により前記流体供給源の駆動が停止されることで、徒に前記流体供給源を駆動し続けることを回避できる。
上記スイングドア制御装置について、前記全開センサは、前記シリンダに設けられ、前記ドアの前記全開状態に相当する前記ピストンの全開位置を検出する全開位置センサであることが好ましい。
この構成によれば、前記全開センサとしての前記全開位置センサを、前記シリンダに集約配置できる。
上記スイングドア制御装置について、前記ドアの半ドア状態を検出する半ドアセンサを備え、前記制御部は、前記半ドアセンサにより前記半ドア状態が検出されたときに、前記流体供給源の駆動を停止することが好ましい。
この構成によれば、自動で閉作動すべく回動中の前記ドアがこれに伴って前記半ドア状態への移行が完了すると、前記制御部により前記流体供給源の駆動が停止されることで、徒に前記流体供給源を駆動し続けることを回避できる。
上記スイングドア制御装置について、前記半ドア状態にある前記ドアを全閉状態まで閉作動させるべく回動させるドアクローザと、前記全閉状態を検出する全閉センサと、を備え、前記制御部は、前記全閉センサにより前記全閉状態が検出されたときに、前記閉側流体室が前記排出路に連通するように前記閉側切替弁を駆動制御することが好ましい。
この構成によれば、前記ドアクローザにより前記ドアを前記全閉状態まで閉作動させるべく回動させる際、前記ドアの前記全閉状態への移行が完了すると、前記制御部による前記閉側切替弁の駆動制御により、前記閉側流体室が前記排出路に連通する。これにより、前記閉側流体室の作動流体が解放されることで、即ち前記開側流体室及び前記閉側流体室の作動流体が共に解放されることで、前記全閉状態にある前記ドアに対して作動流体が影響を及ぼすことを抑制できる。
本発明は、自動で回動中のドアを手動に円滑に切り替えて回動させることができる効果がある。
スイングドア制御装置の一実施形態が適用される車両を示す側面図。 同実施形態のスイングドア制御装置が適用される車両を示す平面図。 (a)、(b)は、同実施形態のスイングドア制御装置についてその全閉状態及び全開状態の構造を示す平面図。 ラッチ機構の構造を示す立面図。 スイングドア制御装置の一実施形態についてその空気回路を示す概略図。 (a)〜(c)は、スイングドア制御装置の一実施形態についてその空気回路の動作を示す概略図。 スイングドア制御装置の一実施形態についてその電気的構成を示すブロック図。 同実施形態のスイングドア制御装置についてその開作動時の制御態様を示すフローチャート。 同実施形態のスイングドア制御装置についてその閉作動時の制御態様を示すフローチャート。
以下、スイングドア制御装置の一実施形態について説明する。なお、以下では、車両の前後方向を「前後方向」といい、車両の高さ方向上方及び下方をそれぞれ「上方」及び「下方」という。また、車室内方に向かう車両の幅方向内側を「車内側」といい、車室外方に向かう車両の幅方向外側を「車外側」という。特に、ドアについての前後方向及び車両の幅方向(車内側、車外側)は、閉じていると見なしてのそれをいう。
図1及び図2に示すように、車両のボデー1の側部には、乗降用の開口2が形成されるとともに、該開口2の前方の縁部(いわゆるピラー)2aには、車両の高さ方向に並設された一対のドアヒンジ3によりドア4が回動自在に連結されている。ドア4は、ドアヒンジ3の周りに一方向及び他方向に回動することで開閉作動する、いわゆるスイングドアである。
ボデー1には、開口2の後端部に合わせて略U字状のストライカ5が固着されており、ドア4の後端部には、ストライカ5と係合してドア4を半ドア状態又は全閉状態で保持するラッチ機構6が搭載されている。このラッチ機構6は、ドア4の車外側及び車内側にそれぞれ設けられたアウトサイドハンドル7及びインサイドハンドル8にそれぞれ連結されており、アウトサイドハンドル7及びインサイドハンドル8のいずれかからの操作力が伝達されることで、ストライカ5との係合を解除してドア4を開可能状態にする。
すなわち、図4に示すように、ラッチ機構6は、ドア4に固定されるベースプレート61に対し互いに平行な回転軸62,63の周りに回動自在に連結されたラッチ64及びポール65を備えている。
ラッチ64は、係合凹部64aを有して略U字形状を呈しており、該係合凹部64aを挟んでその一側及び他側(図4において時計回りに先行する側及び追従する側)にそれぞれ第1爪部64b及び第2爪部64cを形成する。そして、第1爪部64bの先端部には、係合凹部64aの反対側で第1係合部64dが形成され、第2爪部64cの先端部には、係合凹部64a側で第2係合部64eが形成されている。このラッチ64は、ベースプレート61に一端の掛止されたラッチ付勢ばね(図示略)の他端が掛止されることで、図示時計回りに回動する側に付勢される。そして、ラッチ64は、ベースプレート61に設置されたラッチストッパ(図示略)に当接することで当該方向への回動が規制されて所定の回動位置(図4において、時計回りに略90°だけ先行する回動位置、以下、「アンラッチ位置」ともいう)に保持される。
一方、ポール65は、その回転軸63から一側及び他側(図4の右側及び左側)にそれぞれ延出する係合端部65a及び延出端部65bを形成する。このポール65は、ベースプレート61に一端の掛止されたポール付勢ばねの他端が掛止されることで、図示反時計回りに回動する側、即ち係合端部65aを上昇させる側に付勢される。また、ポール65は、ベースプレート61に設置されたポールストッパ(図示略)に当接することで当該方向への回動が規制され、図4に示す所定の回動位置(以下、「ポール初期位置」ともいう)に保持される。
このような構成にあって、ドア4が開放されている状態では、ラッチ64は、ラッチストッパに当接することでアンラッチ位置に保持されており、係合凹部64aは、ドア4の閉作動に伴うストライカ5の進入経路に臨んで開口する。また、ポール65は、上述したようにポールストッパに当接することでポール初期位置に保持されており、係合端部65aは、第2爪部64cの下方に配置される。なお、このときのラッチ機構6の状態をアンラッチ状態(解除状態)という。
そして、ドア4の閉作動に伴い、係合凹部64a内にストライカ5が進入すると、該ストライカ5により係合凹部64aの内壁面が押圧されることで、ラッチ64は、ラッチ付勢ばねの付勢力に抗して図示反時計回りに回動し、第2係合部64eに係合端部65aが係止されることで回り止めされる。このとき、ドア4は、係合凹部64aにおいてストライカ5と係合してこれを抜け止めする半ドア状態にあり、このときのラッチ機構6の状態をハーフラッチ状態という。
続いて、ドア4の更なる閉作動に伴い、係合凹部64a内にストライカ5が更に進入すると、該ストライカ5により係合凹部64aの内壁面が押圧されることで、図4に示すように、ラッチ64は、ラッチ付勢ばねの付勢力に抗して図示反時計回りに更に回動し、第1係合部64dに係合端部65aが係止されることで回り止めされる。このとき、ドア4は、係合凹部64aにおいてストライカ5と係合してこれを抜け止めする全閉状態にあり、このときのラッチ機構6の状態をフルラッチ状態(係合状態)という。
また、上述したハーフラッチ状態又はフルラッチ状態において、ポール65がポール付勢ばねに抗してポール初期位置から図示時計回りに回動すると、係合端部65aによる第1係合部64d又は第2係合部64eの係止が解除される。このとき、ラッチ64は、例えばウェザストリップの反発力などでドア4が開作動し始めることに伴い、係合凹部64a内から退出するストライカ5により係合凹部64aの内壁面が押圧されることで、図示時計回りにアンラッチ位置まで回動する。そして、ドア4は、係合凹部64aにおけるストライカ5との係合を解除して開放可能となる。
なお、図1に示すように、ラッチ機構6は、ドア4内に搭載されたドアクローザ9に連結されている。このドアクローザ9は、電動モータを主体に構成されており、ドア4を半ドア状態で保持するラッチ機構6を駆動して全閉状態で保持させる。すなわち、ドアクローザ9は、ラッチ64においてラッチ機構6に機械的に連係されており、ラッチ64がハーフラッチ状態に相当する回動位置であるハーフラッチ位置にあるときに、フルラッチ状態に相当する回動位置であるフルラッチ位置までラッチ64を回動させる。このようなドアクローザ9によるラッチ機構6の駆動により、半ドア状態にあるドア4が全閉状態まで閉作動するべく回動する。
ボデー1及びドア4の間には、縁部2aにおいて、開閉機構10が介設されている。図3(a)、(b)に示すように、開閉機構10は、シリンダ11と、該シリンダ11に挿入されたピストン12とを備えて構成される。
シリンダ11は、前後方向に延在する有蓋有底の略筒状に成形されており、ドア4に固定されている。すなわち、ドア4は、車外側に臨むように広がるドアアウタパネル4a及びその車内側に配置される箱形のドアインナパネル4bを有しており、ドアアウタパネル4aの縁端及びドアインナパネル4bの開口端同士が接合されることで略密閉された内部空間を形成する。シリンダ11は、当該内部空間におけるドアインナパネル4bの前端近傍でドア4に固定されている。なお、ドア4は、各ドアヒンジ3の軸3aを中心に回動することで開閉作動する。
一方、ピストン12は、例えば金属棒からなり、ボデー1側の先端部がドア4の開閉方向に合わせて回動自在に縁部2aに連結されている。すなわち、縁部2aには、車内側に凹む略平面状の取付面2bが形成されており、該取付面2bには、例えば金属板からなるブラケット13が締結されている。ピストン12は、ロッド部12aと、該ロッド部12aのドア4側の先端に接続されたピストン部12bとを有する。ピストン12は、ロッド部12aのボデー1側の先端部において、ブラケット13に車両の高さ方向に延びる軸線の周りに回動自在に連結されている。ピストン12は、ドア4の開閉作動に応じて、ロッド部12aのボデー1側の先端部を中心に揺動しつつシリンダ11(ドア4)に対しその長手方向に相対移動する。
なお、ロッド部12aのドア4側の先端部は、取付面2bの後方でこれに対向するドアインナパネル4bの壁部4cを通ってシリンダ11内に進入している。そして、ピストン部12bは、ロッド部12aよりも拡径されてシリンダ11に摺接する。これにより、ピストン部12bは、シリンダ11内を前後方向で閉側流体室としての閉側気室21及び開側流体室としての開側気室22に区画する。閉側気室21及び開側気室22は、ドア4の開閉作動に伴うピストン12(ピストン部12b)の移動に伴ってそれらの占有スペースの配分が変更される。すなわち、例えばドア4の開作動時には、ピストン12はシリンダ11を移動しつつドア4内から引っ込むことで、閉側気室21の占有スペースの配分が減少されるとともにこれに応じて開側気室22の占有スペースの配分が増加される。反対に、ドア4の閉作動時には、ピストン12はシリンダ11を移動しつつドア4内に進入することで、閉側気室21の占有スペースの配分が増加されるとともにこれに応じて開側気室22の占有スペースの配分が減少される。つまり、閉側気室21及び開側気室22の占有スペースの配分は、ドア4の開閉位置(開度)に一義的に対応している。換言すれば、ピストン12は、閉側気室21及び開側気室22の占有スペースの配分の変更に伴いシリンダ11内を移動することでドア4を回動させる。
次に、シリンダ11及びピストン12を含む空気回路について説明する。
図5に概略的に示すように、シリンダ11は、その前端及び後端において閉側流路23及び開側流路24にそれぞれ連通する。そして、閉側流路23は、閉側切替弁としての電動式又は電磁式の閉側三方弁25を介して流体供給源としての空気ポンプ27及び排出路28のいずれか一方に接続可能となっている。なお、排出路28は大気開放されている。同様に、開側流路24は、開側切替弁としての電動式又は電磁式の開側三方弁26を介して空気ポンプ27及び排出路28のいずれか一方に接続可能となっている。
ここで、図5に示すように、閉側三方弁25により閉側流路23が空気ポンプ27及び排出路28から共に遮断され、且つ、開側三方弁26により開側流路24が空気ポンプ27及び排出路28から共に遮断されているとする。このとき、シリンダ11内のピストン12は、閉側気室21及び開側気室22の作動流体としての空気の圧力が一致する均衡位置で停止することになり、該均衡位置に応じた回動位置でドア4が停止・保持される(保持モード)。
一方、図6(a)に示すように、閉側三方弁25により閉側流路23が排出路28に連通され、且つ、開側三方弁26により開側流路24が空気ポンプ27に連通されているとする。このとき、空気ポンプ27の高圧の空気(圧縮空気)が開側三方弁26等を介して開側気室22に供給されるとともに、閉側気室21の空気が閉側三方弁25等を介して排出路28から排出される。これに伴い、シリンダ11における閉側気室21の占有スペースが減少するとともに開側気室22の占有スペースが増加するようにそれらの配分が変更され、これに合わせてピストン12がドア4を開作動させるように移動する(オート開モード)。つまり、開側気室22に供給された空気がピストン12を介して縁部2aを押圧することでドア4が開作動する。
また、図6(b)に示すように、閉側三方弁25により閉側流路23が空気ポンプ27に連通され、且つ、開側三方弁26により開側流路24が排出路28に連通されているとする。このとき、空気ポンプ27の高圧の空気が閉側三方弁25等を介して閉側気室21に供給されるとともに、開側気室22の空気が開側三方弁26等を介して排出路28から排出される。これに伴い、シリンダ11における開側気室22の占有スペースが減少するとともに閉側気室21の占有スペースが増加するようにそれらの配分が変更され、これに合わせてピストン12がドア4を閉作動させるように移動する(オート閉モード)。つまり、閉側気室21に供給された空気がピストン12を介して縁部2aを引っ張ることでドア4が閉作動する。
また、図6(c)に示すように、閉側三方弁25により閉側流路23が排出路28に連通され、且つ、開側三方弁26により開側流路24が排出路28に連通されているとする。このとき、閉側気室21及び開側気室22の空気が閉側三方弁25等及び開側三方弁26等をそれぞれ介して大気開放される。これに伴い、ピストン12が閉側気室21及び開側気室22の空気に阻害されることなくシリンダ11内を移動可能となる。つまり、ピストン12の当該移動を伴う手動によるドア4の開閉作動が閉側気室21及び開側気室22の空気によって阻害されることがなくなる(手動開閉モード)。
なお、図5に示すように、シリンダ11の前端及び後端には、閉側気室21及び開側気室22の圧力をそれぞれ検出する閉側センサとしての閉側圧力センサ31及び開側センサとしての開側圧力センサ32が設置されている。また、シリンダ11の前端部の外壁面には、例えばホール素子などの磁気センサからなる全開位置センサ33が設置されている。ピストン12は、ドア4の全開状態に相当する全開位置にあるときに全開位置センサ33における磁束密度が最大になるように構成されており、全開位置センサ33は、この最大となる磁束密度を検知することでピストン12が全開位置にあること、即ちドア4が全開状態にあることを検出する。
次に、本実施形態の電気的構成について説明する。
図7に示すように、例えばボデー1に設置される制御部としてのドアECU(Electronic Control Unit)40は、例えばマイクロ・コントローラ(MCU)を主体に構成されている。ドアECU40は、ドアクローザ9、閉側三方弁25、開側三方弁26及び空気ポンプ27に電気的に接続されており、それらを個別に駆動制御する。閉側三方弁25及び開側三方弁26等の駆動制御により、開閉機構10によるドア4の開閉作動等が制御されることは既述のとおりである。
また、ドアECU40は、閉側圧力センサ31及び開側圧力センサ32に電気的に接続されており、閉側気室21の圧力情報及び開側気室22の圧力情報をそれぞれ取得する。そして、ドアECU40は、閉側気室21の圧力情報又は開側気室22の圧力情報に基づいて、ドア4による挟み込みを検出する。これは、例えばドア4を開作動すべく開側気室22に空気ポンプ27の高圧の空気を供給中に開側気室22の圧力が急上昇した場合、ドア4の開作動を抑制する現象、即ち開作動時における挟み込みが発生したと想定されるためである。同様に、ドア4を閉作動すべく閉側気室21に空気ポンプ27の高圧の空気を供給中に閉側気室21の圧力が急上昇した場合、ドア4の閉作動を抑制する現象、即ち閉作動時における挟み込みが発生したと想定されるためである。なお、ドアECU40は、ドア4による挟み込みが検出されたとき、閉作動から開作動へ反転(以下、「反転開作動」ともいう)させるべく閉側三方弁25及び開側三方弁26を駆動制御する。
あるいは、ドアECU40は、閉側気室21の圧力情報又は開側気室22の圧力情報に基づいて、ユーザによる手動でのドア4に対する開閉操作を検出する。これは、例えばドア4を開作動すべく開側気室22に空気ポンプ27の高圧の空気を供給中に開側気室22の圧力が急低下した場合、ドア4の開作動を促進する現象、即ちユーザによる手動でのドア4に対する開操作が発生したと想定されるためである。同様に、ドア4を閉作動すべく閉側気室21に空気ポンプ27の高圧の空気を供給中に閉側気室21の圧力が急低下した場合、ドア4の閉作動を促進する現象、即ちユーザによる手動でのドア4に対する閉操作が発生したと想定されるためである。
さらに、ドアECU40は、全開位置センサ33に電気的に接続されており、ドア4が全開状態にあることを表す全開情報を取得する。また、ドアECU40は、例えばロータリスイッチからなる半ドアセンサ及び全閉センサとしてのラッチスイッチ34に電気的に接続されている。このラッチスイッチ34は、ラッチ64の回動位置(アンラッチ位置、ハーフラッチ位置、フルラッチ位置)を検出するためのもので、ドアECU40は、ラッチスイッチ34によりラッチ64の回動位置情報を取得する。そして、ドアECU40は、例えばラッチ64がハーフラッチ位置にあるときに、ドア4を全閉状態にするべくラッチ64がフルラッチ位置まで回動するようにドアクローザ9を駆動制御する。
加えて、ドアECU40は、ボデー1に搭載された車載機35と電気的に接続されている。車載機35は、利用者の携帯する携帯機36との間で無線通信システムを構成しており、該携帯機36のワイヤレススイッチ36a(押ボタン)の押操作に伴う送信信号を受信してこれをドアECU40に送信する。ドアECU40は、車載機35からの信号に基づいて開閉機構10によるドア4の開閉作動等を制御する。
また、ドアECU40は、例えば運転席側に臨んでダッシュボードに設置された運転席操作スイッチ37と電気的に接続されている。ドアECU40は、運転者(利用者)により運転席操作スイッチ37(押ボタン)が押操作されることで、その操作信号に基づいて開閉機構10によるドア4の開閉作動等を制御する。
次に、ドアECU40によるドア4の開作動の制御態様について説明する。このルーチンは、ユーザによるワイヤレススイッチ36a若しくは運転席操作スイッチ37の押操作を表す操作信号又は前述の反転開作動を開始する反転開作動トリガが入力されることで起動される。
図8に示すように、このルーチンに移行すると、ドアECU40は、開作動条件が成立か否かを判断する(ステップS1)。この開作動条件は、例えば車速度センサ(図示略)の検出信号に基づき車両が停止中であると検知されていることである。あるいは、ドア4周辺の障害物を検出する画像取得手段(例えば車載カメラ)や側拒センサなどの障害物センサ(図示略)を備える場合において、該障害物センサの検出信号に基づきドア4周辺に障害物がないと検知されていることであってもよい。加えて、ラッチスイッチ34の検出信号に基づきラッチ機構6がアンラッチ状態であると検知されていることであってもよい。
ドアECU40は、開作動条件が成立しないと判断されるとそのまま処理を終了し、開作動条件が成立したと判断されると、シリンダ11の占有スペースの配分の増加側である開側気室22の圧力の監視(開側圧力センサ32の検出圧力の取得)を開始する(ステップS2)。そして、ドアECU40は、閉側気室21を排出路28に連通するべく閉側三方弁25を作動させるとともに、開側気室22を空気ポンプ27に連通するべく開側三方弁26を作動させる(ステップS3:オート開モード)。
続いて、ドアECU40は、空気ポンプ27を作動させる(ステップS4)。このとき、開側気室22に空気ポンプ27の高圧の空気が供給されることで、前述のようにドア4が開作動する(開作動を開始する)。そして、ドアECU40は、開側気室22の圧力変動を演算する(ステップS5)。具体的には、ドアECU40は、開側圧力センサ32により検出された現在の開側気室22の圧力と、所定の演算回数前(例えば前回)の開側気室22の圧力との偏差に基づいて開側気室22の圧力変動を演算する。
次いで、ドアECU40は、演算された開側気室22の圧力変動に基づき、該開側気室22の圧力の急上昇があったか否かを判断する(ステップS6)。具体的には、ドアECU40は、演算された開側気室22の圧力変動が所定の上昇側閾値を超えることで当該急上昇があったと判断する。そして、開側気室22の圧力の急上昇があったと判断されると、ドアECU40は、ドア4の開作動時における挟み込みが発生したと見なして、適宜の挟み込み応力緩和作動を実行した後にドア位置を保持させて(ステップS7)、処理を終了する。
一方、ステップS6において開側気室22の圧力の急上昇がなかったと判断されると、ドアECU40は、演算された開側気室22の圧力変動に基づき、該開側気室22の圧力の急低下があったか否かを判断する(ステップS8)。具体的には、ドアECU40は、演算された開側気室22の圧力変動が所定の低下側閾値を下回ることで当該急低下があったと判断する。
ここで、開側気室22の圧力の急低下があったと判断されると、ドアECU40は、ユーザによるドア4の開操作が発生したと見なして、開側気室22を排出路28に連通するべく開側三方弁26を作動させる(ステップS9:手動開閉モード)。このとき、閉側気室21及び開側気室22が共に排出路28に連通して大気開放されることで、ドア4の開操作が開側気室22の空気によって阻害されることがなくなる。そして、ドアECU40は、空気ポンプ27の作動を停止し(ステップS10)、処理を終了する。
また、ステップS8において開側気室22の圧力の急低下がなかったと判断されると、ドアECU40は、開作動終了条件が成立か否かを判断する(ステップS11)。この開作動終了条件は、全開位置センサ33から全開情報が取得されていることである。ここで、開作動終了条件が成立しないと判断されると、ドアECU40はステップS4に戻って同様の処理を繰り返す。つまり、開作動中のドア4は、開側気室22の圧力の急上昇又は急低下がない限り全開状態に到達するまで開作動し続ける。
ステップS11において開作動終了条件が成立したと判断されると、ドアECU40は、空気ポンプ27の作動を停止する(ステップS12)。そして、ドアECU40は、閉側気室21を空気ポンプ27及び排出路28から共に遮断するべく閉側三方弁25を作動させるとともに開側気室22を空気ポンプ27及び排出路28から共に遮断するべく開側三方弁26を作動させて(ステップS13:保持モード)、処理を終了する。これにより、全開状態にあるドア4がシリンダ11内の空気によって軽微に保持される。
次に、ドアECU40によるドア4の閉作動の制御態様について説明する。このルーチンは、ユーザによるワイヤレススイッチ36a若しくは運転席操作スイッチ37の押操作を表す操作信号が入力されることで起動される。
図9に示すように、このルーチンに移行すると、ドアECU40は、閉作動条件が成立か否かを判断する(ステップS21)。この閉作動条件は、例えば車速度センサの検出信号に基づき車両が停止中であると検知されていることである。
ドアECU40は、閉作動条件が成立しないと判断されるとそのまま処理を終了し、閉作動条件が成立したと判断されると、シリンダ11の占有スペースの配分の増加側である閉側気室21の圧力の監視(閉側圧力センサ31の検出圧力の取得)を開始する(ステップS22)。そして、ドアECU40は、閉側気室21を空気ポンプ27に連通するべく閉側三方弁25を作動させるとともに、開側気室22を排出路28に連通するべく開側三方弁26を作動させる(ステップS23:オート閉モード)。
続いて、ドアECU40は、空気ポンプ27を作動させる(ステップS24)。このとき、閉側気室21に空気ポンプ27の高圧の空気が供給されることで、前述のようにドア4が閉作動する(閉作動を開始する)。そして、ドアECU40は、閉側気室21の圧力変動を演算する(ステップS25)。具体的には、ドアECU40は、閉側圧力センサ31により検出された現在の閉側気室21の圧力と、所定の演算回数前(例えば前回)の閉側気室21の圧力との偏差に基づいて閉側気室21の圧力変動を演算する。
次いで、ドアECU40は、演算された閉側気室21の圧力変動に基づき、該閉側気室21の圧力の急上昇があったか否かを判断する(ステップS26)。具体的には、ドアECU40は、演算された閉側気室21の圧力変動が所定の上昇側閾値を超えることで当該急上昇があったと判断する。そして、閉側気室21の圧力の急上昇があったと判断されると、ドアECU40は、ドア4の閉作動時における挟み込みが発生したと見なして、前述の反転開作動トリガを出力し(ステップS27)、処理を終了する。この反転開作動トリガに基づいて、前述したドア4の開作動の制御(図6参照)が開始される。
一方、ステップS26において閉側気室21の圧力の急上昇がなかったと判断されると、ドアECU40は、演算された閉側気室21の圧力変動に基づき、該閉側気室21の圧力の急低下があったか否かを判断する(ステップS28)。具体的には、ドアECU40は、演算された閉側気室21の圧力変動が所定の低下側閾値を下回ることで当該急低下があったと判断する。
ここで、閉側気室21の圧力の急低下があったと判断されると、ドアECU40は、ユーザによるドア4の閉操作が発生したと見なして、閉側気室21を排出路28に連通するべく閉側三方弁25を作動させる(ステップS29:手動開閉モード)。このとき、閉側気室21及び開側気室22が共に排出路28に連通して大気開放されることで、ドア4の閉操作が閉側気室21の空気によって阻害されることがなくなる。そして、ドアECU40は、空気ポンプ27の作動を停止し(ステップS30)、処理を終了する。
また、ステップS28において閉側気室21の圧力の急低下がなかったと判断されると、ドアECU40は、閉作動終了条件が成立か否かを判断する(ステップS31)。この閉作動終了条件は、ラッチスイッチ34の検出信号に基づきラッチ機構6がハーフラッチ状態であると検知されていることである。ここで、閉作動終了条件が成立しないと判断されると、ドアECU40はステップS24に戻って同様の処理を繰り返す。つまり、閉作動中のドア4は、閉側気室21の圧力の急上昇又は急低下がない限り半ドア状態に到達するまで閉作動し続ける。
ステップS31において閉作動終了条件が成立したと判断されると、ドアECU40は、空気ポンプ27の作動を停止する(ステップS32)。そして、ドアECU40は、ドア4を全閉状態まで閉作動させるべくドアクローザ9を作動させる(ステップS33)。
次いで、ドアECU40は、ドア4が全閉状態か否かを判断する(ステップS34)。具体的には、ドアECU40は、ラッチスイッチ34の検出信号に基づきラッチ機構6がフルラッチ状態であると検知されることでドア4が全閉状態であると判断する。ここで、ドア4が全閉状態であると判断されると、ドアECU40は、閉側気室21を排出路28に連通するべく閉側三方弁25を作動させ(ステップS35:手動開閉モード)、処理を終了する。このとき、閉側気室21及び開側気室22が共に排出路28に連通して大気開放される。これは、全閉状態にあるドア4がラッチ機構6単独でも堅固に保持されることで、シリンダ11内の空気に頼る必要がないためである。また、ステップS34においてドア4が全閉状態でないと判断されると、ドアECU40は、何らかの事情で全閉状態でのドア4の保持が完了していないと見なす。そして、ドアECU40は、閉側気室21を空気ポンプ27及び排出路28から共に遮断するべく閉側三方弁25を作動させるとともに開側気室22を空気ポンプ27及び排出路28から共に遮断するべく開側三方弁26を作動させて(ステップS36:保持モード)、処理を終了する。これにより、仮にラッチ機構6によるドア4の保持が不完全であったとしても、シリンダ11内の空気によってドア4が軽微に保持される。
次に、本実施形態の作用とともに、その効果について説明する。
(1)本実施形態では、ドアECU40による閉側三方弁25及び開側三方弁26の駆動制御により、閉側気室21及び開側気室22がそれぞれ空気ポンプ27及び排出路28に連通すると、閉側気室21の占有スペースが増加するとともに開側気室22の占有スペースが減少するようにそれらの配分が変更される。そして、これに伴うピストン12の移動により、ドア4が自動で閉作動すべく回動する。また、自動で回動中のドア4が手動で閉操作されると、これに伴うピストン12の移動により、閉側気室21の占有スペースが急増して該閉側気室21の圧力が低下(急低下)する。この手動での操作力は、シリンダ11の空気の弾性変形によって緩衝されることで、操作に与える違和感を抑制できる。すなわち、ユーザには、従来例のような引っ掛かり感等ではなく、柔らかな感触として伝わる。そして、閉側圧力センサ31により閉側気室21の圧力の低下が検出されると、ドアECU40による閉側三方弁25の駆動制御により、閉側気室21が排出路28に連通する。これにより、閉側気室21の空気が解放されることで、該空気に阻害されることなくドア4を手動で速やかに回動(閉作動)させることができる。
一方、ドアECU40による閉側三方弁25及び開側三方弁26の駆動制御により、閉側気室21及び開側気室22がそれぞれ排出路28及び空気ポンプ27に連通すると、閉側気室21の占有スペースが減少するとともに開側気室22の占有スペースが増加するようにそれらの配分が変更される。そして、これに伴うピストン12の移動により、ドア4が自動で開作動すべく回動する。また、自動で回動中のドア4が手動で開操作されると、これに伴うピストン12の移動により、開側気室22の占有スペースが急増して該開側気室22の圧力が低下(急低下)する。この手動での操作力は、シリンダ11の空気の弾性変形によって緩衝されることで、操作に与える違和感を抑制できる。すなわち、ユーザには、従来例のような引っ掛かり感等ではなく、柔らかな感触として伝わる。そして、開側圧力センサ32により開側気室22の圧力の低下が検出されると、ドアECU40による開側三方弁26の駆動制御により、開側気室22が排出路28に連通する。これにより、開側気室22の空気が解放されることで、該空気に阻害されることなくドア4を手動で回動(開作動)させることができる。
(2)本実施形態では、自動で開作動すべく回動中のドア4がこれに伴って全開状態への移行が完了すると(全開位置センサ33から全開情報が取得されると)、ドアECU40により空気ポンプ27の駆動が停止されることで、徒に空気ポンプ27を駆動し続けることを回避できる。
(3)本実施形態では、全開センサは、シリンダ11に設けられドア4の全開状態に相当するピストン12の全開位置を検出する全開位置センサ33であることで、該全開位置センサ33をシリンダ11に集約配置できる。
(4)本実施形態では、自動で閉作動すべく回動中のドア4がこれに伴って半ドア状態への移行が完了すると(ラッチスイッチ34の検出信号に基づきラッチ機構6がフルラッチ状態であると検知されると)、ドアECU40により空気ポンプ27の駆動が停止されることで、徒に空気ポンプ27を駆動し続けることを回避できる。
(5)本実施形態では、ドアクローザ9によりドア4を全閉状態まで閉作動させるべく回動させる際、ドア4の全閉状態への移行が完了すると(全開位置センサ33により全閉状態が検出されると)、ドアECU40による閉側三方弁25の駆動制御により、閉側気室21が排出路28に連通する。これにより、閉側気室21の空気が解放されることで、即ち閉側気室21及び開側気室22の空気が共に解放されることで、全閉状態にあるドア4に対して空気が影響を及ぼすことを抑制できる。
(6)本実施形態では、保持モードにおいて、開閉機構10によりドア4を保持できるため、既存の機械式のドアチェックを省略できる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態において、ユーザによるアウトサイドハンドル7の操作を検知するアウトサイドハンドルスイッチを備える場合、閉側圧力センサ31又は開側圧力センサ32により検出される圧力変化に加えて、アウトサイドハンドルスイッチの検知信号を論理積で参照して手動によるドア4の開閉作動の意思を検知するようにしてもよい。同様に、ユーザによるインサイドハンドル8の操作を検知するインサイドハンドルスイッチを備える場合、閉側圧力センサ31又は開側圧力センサ32により検出される圧力変化に加えて、インサイドハンドルスイッチの検知信号を論理積で参照して手動によるドア4の開閉作動の意思を検知するようにしてもよい。なお、アウトサイドハンドルスイッチに代えて、ドアアウタパネル4aに設けられる適宜の検知スイッチを採用してもよい。あるいは、インサイドハンドルスイッチに代えて、ドアインナパネル4b(又はドアトリム)に設けられる適宜の検知スイッチを採用してもよい。あるいは、ドア4周辺のユーザの挙動を検出する画像取得手段(例えば車載カメラ)を採用してもよい。これらの場合、外力(例えば風力など)をユーザによる操作力と誤判定する可能性を低減できる。
・前記実施形態において、閉側三方弁25に代えて、電動式又は電磁式の複数の開閉弁の組み合わせからなる閉側切替弁を採用してもよい。同様に、開側三方弁26に代えて、電動式又は電磁式の複数の開閉弁の組み合わせからなる閉側切替弁を採用してもよい。
・前記実施形態において、保持モードにあるときに閉側気室21及び開側気室22のいずれか一方の圧力の低下が検出された場合、閉側気室21及び開側気室22を共に排出路28に連通するようにしてもよい。これにより、閉側気室21及び開側気室22の空気が共に解放されることで、該空気に阻害されることなくドア4を手動で速やかに回動(開閉作動)させることができる。
・前記実施形態において、保持モードにあるときに閉側気室21及び開側気室22を共に空気ポンプ27に連通するようにしてもよい。
・前記実施形態において、ドアクローザ9を省略してもよい。この場合、閉側気室21に供給する空気(圧縮空気)のみでドア4を全閉状態まで閉作動させるようにしてもよい。
・前記実施形態において、ドアECU40によるドア4の閉作動の制御では、ドア4の全閉状態への移行が完了することで(ステップS34でYES)、閉側気室21及び開側気室22を共に空気ポンプ27及び排出路28から遮断してもよい。
・前記実施形態において、ドアECU40によるドア4の閉作動の制御では、閉作動終了条件が成立することで(ステップS31でYES)、空気ポンプ27の作動を停止したが、ドア4が全閉状態であると判断されることで(ステップS34でYES)、空気ポンプ27の作動を停止してもよい。
・前記実施形態において、ドアECU40によるドア4の閉作動の制御では、閉作動終了条件が成立しても(ステップS31でYES)、空気ポンプ27の作動を停止しなくてもよい。
・前記実施形態において、全開センサとしては、例えばドア4の開閉位置や開閉角度を検出するセンサであってもよい。
・前記実施形態において、ドアECU40によるドア4の開作動の制御では、開作動終了条件が成立しても(ステップS11でYES)、空気ポンプ27の作動を停止しなくてもよい。
・前記実施形態においては、ボデー1及びドア4にピストン12及びシリンダ11をそれぞれ固定したが、これらの関係は互いに逆であってもよい。すなわち、ボデー1及びドア4にシリンダ11及びピストン12をそれぞれ固定してもよい。
・前記実施形態において、作動流体としては、空気以外の気体(例えばヘリウムなど)を採用してもよい。
・ドアとしては、車両のボデー1の後部に形成された開口を開閉するバックドア、トランクリッドなどを採用してもよい。
1…ボデー、4…ドア、9…ドアクローザ、11…シリンダ、12…ピストン、21…閉側気室(閉側流体室)、22…開側気室(開側流体室)、25…閉側三方弁(閉側切替弁)、26…開側三方弁(開側切替弁)、27…空気ポンプ(流体供給源)、28…排出路、31…閉側圧力センサ(閉側センサ)、32…開側圧力センサ(開側センサ)、33…全開位置センサ(全開センサ)、34…ラッチスイッチ(半ドアセンサ、全閉センサ)、37…運転席操作スイッチ、40…ドアECU(制御部)。

Claims (5)

  1. 車両のボデー及び該ボデーに回動自在に連結されるドアのいずれか一方に設けられるシリンダと、
    前記ボデー及び前記ドアのいずれか他方に設けられ、前記シリンダに挿入されて該シリンダ内を開側流体室及び閉側流体室に区画するとともにそれらの占有スペースの配分の変更に伴い前記シリンダ内を移動することで前記ドアを回動させるピストンと、
    作動流体をそれぞれ供給及び排出する流体供給源及び排出路と、
    前記開側流体室を前記流体供給源及び前記排出路に選択的に連通する開側切替弁と、
    前記閉側流体室を前記流体供給源及び前記排出路に選択的に連通する閉側切替弁と、
    前記開側流体室及び前記閉側流体室の作動流体の圧力をそれぞれ検出する開側センサ及び閉側センサと、
    前記開側切替弁及び前記閉側切替弁を駆動制御する制御部であって、前記開側流体室及び前記閉側流体室のいずれか一方が前記流体供給源に連通され、且つ、いずれか他方が前記排出路に連通された状態で前記流体供給源に連通する該当の前記開側流体室又は前記閉側流体室の作動流体の圧力が低下したときに、前記排出路に連通させる制御部と、を備えた、スイングドア制御装置。
  2. 請求項1に記載のスイングドア制御装置において、
    前記ドアの全開状態を検出する全開センサを備え、
    前記制御部は、前記全開センサにより前記全開状態が検出されたときに、前記流体供給源の駆動を停止する、スイングドア制御装置。
  3. 請求項2に記載のスイングドア制御装置において、
    前記全開センサは、前記シリンダに設けられ、前記ドアの前記全開状態に相当する前記ピストンの全開位置を検出する全開位置センサである、スイングドア制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のスイングドア制御装置において、
    前記ドアの半ドア状態を検出する半ドアセンサを備え、
    前記制御部は、前記半ドアセンサにより前記半ドア状態が検出されたときに、前記流体供給源の駆動を停止する、スイングドア制御装置。
  5. 請求項4に記載のスイングドア制御装置において、
    前記半ドア状態にある前記ドアを全閉状態まで閉作動させるべく回動させるドアクローザと、
    前記全閉状態を検出する全閉センサと、を備え、
    前記制御部は、前記全閉センサにより前記全閉状態が検出されたときに、前記閉側流体室が前記排出路に連通するように前記閉側切替弁を駆動制御する、スイングドア制御装置。
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