JP2018039493A - 駐輪機 - Google Patents

駐輪機 Download PDF

Info

Publication number
JP2018039493A
JP2018039493A JP2017068747A JP2017068747A JP2018039493A JP 2018039493 A JP2018039493 A JP 2018039493A JP 2017068747 A JP2017068747 A JP 2017068747A JP 2017068747 A JP2017068747 A JP 2017068747A JP 2018039493 A JP2018039493 A JP 2018039493A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
auxiliary
rack
piston rod
column
gas spring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017068747A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6183873B1 (ja
Inventor
波戸内 悟吉
Gokichi Hatouchi
悟吉 波戸内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OSS KK
Original Assignee
OSS KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=59678140&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2018039493(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by OSS KK filed Critical OSS KK
Application granted granted Critical
Publication of JP6183873B1 publication Critical patent/JP6183873B1/ja
Priority to CN201810430402.3A priority Critical patent/CN108798095B/zh
Priority to CN201710770726.7A priority patent/CN107575061B/zh
Publication of JP2018039493A publication Critical patent/JP2018039493A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E04BUILDING
    • E04HBUILDINGS OR LIKE STRUCTURES FOR PARTICULAR PURPOSES; SWIMMING OR SPLASH BATHS OR POOLS; MASTS; FENCING; TENTS OR CANOPIES, IN GENERAL
    • E04H6/00Buildings for parking cars, rolling-stock, aircraft, vessels or like vehicles, e.g. garages
    • E04H6/005Garages for vehicles on two wheels
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62HCYCLE STANDS; SUPPORTS OR HOLDERS FOR PARKING OR STORING CYCLES; APPLIANCES PREVENTING OR INDICATING UNAUTHORIZED USE OR THEFT OF CYCLES; LOCKS INTEGRAL WITH CYCLES; DEVICES FOR LEARNING TO RIDE CYCLES
    • B62H3/00Separate supports or holders for parking or storing cycles
    • B62H3/08Separate supports or holders for parking or storing cycles involving recesses or channelled rails for embracing the bottom part of a wheel

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Architecture (AREA)
  • Civil Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Fluid-Damping Devices (AREA)
  • Closing And Opening Devices For Wings, And Checks For Wings (AREA)

Abstract

【課題】設置時に要する初期投資やその後の保守費用を抑制するとともに、ラックに搭載される自転車の個別重量や実車状態で同時上昇するラック台数が変化した場合でもラックの上昇速度を安定させ振動騒音の発生を抑制し、稼働時に安定かつ静穏なラック上昇を可能とする駐輪機を提供する。【解決手段】定荷重ばね1によって常時引き上げ付勢される上部台車10の下方位置には、ガススプリング80によって常時引き上げ付勢される下部台車20が配置されている。ガススプリング80のピストンロッド80Rは下向きに突出し、ラック11に搭載される自転車と下部可動体21との合計荷重に匹敵する牽引力を発揮する。ピストンロッド80Rの先端部は、動滑車8M、定滑車8F及びワイヤー8wを含む巻き掛け伝動機構8を介して下部可動体21に接続されている。【選択図】図1

Description

本発明は駐輪機に関する。
近年では、一般的な自転車(例えば15〜20kgf程度)の他に、軽量のスポーツタイプ自転車や子供用自転車(例えば15kgf未満)、重量の大きい電動アシスト自転車(道路交通法では駆動補助機付自転車と呼称され、20kgfを超えるものもある)等も普及し、車種の多様化につれて重量の範囲も従来から拡大している。例えば、自治体等が運営する公設(公営)の駐輪場においては原則としてこれらの多様な自転車の搬入制限はなく、あるいはビル、マンション等の集合住宅に設けられた共同駐輪場においても転居や家族構成の推移等によって所有する自転車の仕様が頻繁に変わるので、上下昇降式ラックに搭載される自転車の重量変化に柔軟に対応できる駐輪機が望まれる。
本願出願人は特許文献1において、ラックに搭載した自転車を昇降するために定荷重ばねを複数段備え、使用する定荷重ばねの段数調整により自転車の重量に応じたアシスト力を付与できる駐輪機を提案した。また、特許文献2には、エアシリンダへのエア供給の切換によって、実車状態の自転車の昇降操作をアシストする技術が開示されている。これらの先行技術により、ラックに搭載される自転車に対して所定のアシスト力(ばね力又はシリンダ駆動力)がラックの昇降時に作用する。
実用新案登録第3198802号公報 特開2007−138680号公報
しかしながら、複数台の駐輪機を駐輪場に設置する際に、特許文献1では駐輪機毎に定荷重ばねの段数調整作業が必要であり、特許文献2では圧縮空気の発生・配管設備及び操作スイッチ類を含む制御設備が必要であるから、初期設備投資や保守費用が嵩む傾向がある。
また、これらの駐輪機の稼働時において、特許文献1の定荷重ばね方式では、例えば定荷重ばねの定格荷重25kgfに対し15kgf未満の軽量自転車が搭載されたときのように、ラックの急速上昇を抑制し上段での急停止に伴う振動騒音を緩和するために、ばね力の再調整・追加調整を要する事態に至る可能性がある。一方、特許文献2のエアシリンダ方式では、例えばラッシュアワーでの一斉稼働時のように、複数の駐輪機のうち実車状態で同時上昇するラックの台数が常に変動する状況に直面したとき、所定の空気圧を安定供給しラックを安定した速度で昇降することが困難な事態に至る可能性がある(なお、増圧機、蓄圧タンク等の増設は大幅なコストアップになる)。
本発明の課題は、設置時に要する初期投資やその後の保守費用を抑制するとともに、ラックに搭載される自転車の個別重量や実車状態で同時上昇するラック台数が変化した場合でもラックの上昇速度を安定させ振動騒音の発生を抑制し、稼働時に安定かつ静穏なラック上昇を可能とする駐輪機を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を解決するために、第一発明の駐輪機は、
自転車を搭載可能なラックと、そのラックを上下方向に筒状形態で立設された支柱に沿って昇降可能な第一可動体(例えば上部可動体)とを有し、自転車を搭載しない空車状態のラックと前記第一可動体との合計荷重を牽引する機能を有する第一付勢部材によって常時上方に引き上げるように付勢される第一昇降部(例えば上部台車)と、
その第一昇降部の下方に配置され、前記支柱に沿って前記第一昇降部と一体的に昇降可能な第二可動体(例えば下部可動体)を有し、前記ラックに実車状態で搭載された自転車と前記第二可動体との合計荷重を牽引する機能を有する第二付勢部材によって常時上方に引き上げるように付勢される第二昇降部(例えば下部台車)と、
前記第一昇降部と第二昇降部との間に設けられ、それらを前記支柱に対し個別にロック可能にするとともに、前記空車状態では前記第一昇降部の単独状態での昇降を可能とし、前記実車状態では前記第一昇降部及び第二昇降部にそれぞれ設けられた当接部が圧接することにより両者が一体化した状態での昇降を可能とする係合部と、を備える駐輪機であって、
前記第二付勢部材は、前記支柱の内部に配置されたガススプリングで構成され、該ガススプリングのシリンダ(の頭部)は前記支柱に対し直接又は取付部材を介して間接的に取り付けられ、下向きに突出して牽引力を発揮するピストンロッドの先端部は動滑車を含む巻き掛け伝動機構を介して前記第二可動体に接続されることを特徴とする。
このように、第二付勢部材がガススプリングで構成され、そのシリンダは支柱に取り付けられピストンロッドは動滑車を含む巻き掛け伝動機構を介して第二可動体に接続されることにより、支柱の内部にコンパクトに収容配置できるので、設置時に要する初期投資やその後の保守費用が抑制され、耐久性も向上する。また、第二付勢部材にガススプリングを用いたので、シリンダの内部密封空間に封入された不活性ガスによって、実車状態の自転車と第二可動体との合計荷重を牽引する機能と上段停止位置での緩衝機能とが発揮され、ラックに搭載される自転車の個別重量が変化した場合でもラックの上昇速度を安定させ振動騒音の発生を抑制し、稼働時に安定かつ静穏なラック上昇が可能となる。
具体的には、ガススプリングは、シリンダ内部の密封空間に窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、二酸化炭素等の不活性圧縮ガスが封入された状態で稼働する。したがって、所定のガス反力(ピストンロッドの押出力でもある)が得られるように封入ガス圧が予め調整されていれば、定荷重ばねのように自転車の重量変化に応じて頻繁に調整し直さなくて済み、またコンプレッサ等から圧縮ガスの供給を受けるエアシリンダのようにラックの上昇速度が同時稼働台数に左右されて不安定になることもない。
巻き掛け伝動機構は、動滑車、定滑車及び連結部材(ワイヤー、ロープ、ベルト、チェン等)を含む。動滑車や定滑車には巻き掛け面に連結部材の案内溝が設けられたシーブを用いてもよい。動滑車は、実車状態のラックの上昇を補助するアシスト力をピストンロッドの押出力(即ち、シリンダ封入ガスの反力)の整数分の1に縮小し、ラックストロークをピストンロッドストロークの整数倍に拡大する機能を有する。
なお、第一付勢部材には、ばね又はバランスウェイトが用いられる。ばねには、ばね鋼等の金属からなる金属ばね(例えば、コイルばね、板ばね、定荷重ばね等)、合成ゴム、合成樹脂等からなる非金属ばね(例えば、ゴム製ダンパー等)、空気、油等からなる流体ばね(例えば、空気ばね、ガススプリング、オイルダンパー等)のいずれを用いてもよく、異種のばねを組み合わせて用いることもできる。定荷重ばねは、長尺の板ばねをコイル状に巻いたものであり、撓み量が変化してもばね力(直線に引き伸ばされたときに生じる戻り力)がほぼ一定(変化量が小)である。
また、上記課題を解決するために、第二発明の駐輪機は、
自転車を搭載したラックと、そのラックを上下方向に筒状形態で立設された支柱に沿って昇降可能な可動体とを有し、前記ラック、前記可動体及び前記ラックに実車状態で搭載された自転車の合計荷重を牽引する機能を有する付勢部材によって常時上方に引き上げるように付勢される昇降部を備える駐輪機であって、
前記付勢部材は、前記支柱の内部に配置されたガススプリングで構成され、該ガススプリングのシリンダ(の頭部)は前記支柱に対し直接又は取付部材を介して間接的に取り付けられ、下向きに突出して牽引力を発揮するピストンロッドの先端部は動滑車を含む巻き掛け伝動機構を介して前記可動体に接続されることを特徴とする。
このように、跳ね上げ収納式即ち、空車状態のラックが下段(下方)位置で水平姿勢から倒立姿勢に変更されて収納状態(不使用状態)になるタイプの駐輪機の場合には、付勢部材がガススプリングで構成され、そのシリンダは支柱に取り付けられピストンロッドは動滑車を含む巻き掛け伝動機構を介して可動体に接続されることにより、支柱の内部にコンパクトに収容配置できるので、設置時に要する初期投資やその後の保守費用が抑制され、耐久性も向上する。また、付勢部材にガススプリングを用いたので、シリンダの内部密封空間に封入された不活性ガスによって、ラックと可動体と実車状態の自転車との合計荷重を牽引する機能と上段停止位置での緩衝機能とが発揮され、ラックに搭載される自転車の個別重量が変化した場合でもラックの上昇速度を安定させ振動騒音の発生を抑制し、稼働時に安定かつ静穏なラック上昇が可能となる。なお、ガススプリング、巻き掛け伝動機構及び動滑車については上記第一発明と同様である。
これらの駐輪機において、上記ガススプリングのシリンダの頭部が支柱に揺動可能な状態で又は揺動不能な状態で取り付けられるとともに、ピストンロッドの先端部に動滑車が揺動可能な状態で又は揺動不能な状態で取り付けられ、
上記ピストンロッドの進出・退入に応じて動滑車を所定の方向に往復移動させるための直線状案内機構が設けられている。
このような直線状案内機構を有することにより、ピストンロッドストローク(即ち、動滑車移動距離)の全範囲にわたりピストンロッドの進出・退入動作が安定する。よって、ラック昇降途中の振動騒音を軽減でき、ひいては駐輪機の精度及び耐久性が向上する。
直線状案内機構は、例えば支柱に設けられたガイドレールと動滑車の近傍に配置されたガイドローラとを含み、動滑車を鉛直方向に移動案内する。なお、直線状レールと直線状キャリッジとの間に複数の転動体(ボール又はころ)を介在させた“LMガイド”(THK株式会社登録商標)等の直線ガイド(リニアガイドとも通称される)を用いることによって、高精度の直線状案内機構を構成してもよい。
上記ガススプリングのシリンダ内径をD、ピストンロッド径をdとするとき、ピストンのヘッド側の受圧面積AH及びロッド側の受圧面積ARがそれぞれ
AH=πD /4
AR=AH−πd /4=π(D+d)(D−d)/4
で表わされ、
ガススプリングの受圧面積比率r
=AR/AH=(D+d)(D−d)/D
で求められ、かつ0.77≦r≦0.92である。
このように、ガススプリングの受圧面積比率rを比較的大にしてピストンロッドの進出側と退入側とに生じるヒステリシスを相対的に小さくすることにより、実車状態におけるラック上昇側(即ち、ピストンロッド進出側)及びラック下降側(即ち、ピストンロッド退入側)で必要な人為的操作力を軽減し、ラック昇降時の操作性の向上を図ることができる。
なお、ガススプリングの受圧面積比率rについて、望ましくは0.80≦r≦0.89の範囲であり、一層望ましくは0.82≦r≦0.87の範囲である。これらの上限値を超えるとピストンロッドに座屈発生のおそれがあり、一方下限値を下回ると特にラック上昇時の操作力が大となり、高齢者による電動アシスト付き自転車の駐輪操作等に支障を生じるおそれがある。
上記ラックは搭載する自転車の車輪を導入するために樋形状に形成されるとともに、
搭載された自転車の横転を防止するために長手方向の両側に沿って各々設けられた倒れ防止手段(例えばサイドガイド)と、
搭載時における先行導入車輪を保持して自転車の導入位置を規定するために樋形状の底部に設けられた車輪受け手段(例えばタイヤ受け)と、
上昇停止時における先行導入車輪の浮き上がりを抑制するために、一方の倒れ防止手段において車輪受け手段と支柱との間の所定位置を起点として上方に延びた後、先行導入車輪を迂回する方向変換部を経て下方に延び他方の倒れ防止手段に至る逆U字状の車輪保護手段(例えばタイヤガード)とを有する。
このように、倒れ防止手段に加えて車輪受け手段及び車輪保護手段がラックに設けられるので、上段停止時の衝撃で先行導入車輪がラックから浮き上がったときでも脱輪や脱落を防止でき、振動騒音も低減できる。
第一発明の駐輪機において、上記第一付勢部材は、ガススプリングとは別個に支柱の内部に配置された他のガススプリングである補助ガススプリングで構成され、補助ガススプリングの補助シリンダ(の頭部)は支柱に直接又は取付部材を介して間接的に取り付けられ、下向きに突出して牽引力を発揮する補助ピストンロッドの先端部は、動滑車とは別個に設けられた他の動滑車である補助動滑車を含む、巻き掛け伝動機構とは別個に設けられた他の巻き掛け伝動機構である補助巻き掛け伝動機構を介して第一可動体に接続される。
このように、第一付勢部材を構成する補助ガススプリングが空車状態のラックを全ストロークにわたってほぼ一定速度で昇降することによって、(従来の定荷重ばねよりも)さらに昇降動作を安定させ、第一付勢部材の耐久性向上を図れる。
上記巻き掛け伝動機構は、一端を支柱に固定された連結部材が、ピストンロッドの先端部に取り付けられた動滑車と支柱に取り付けられた定滑車とに巻き掛けられ、他端を第二可動体に固定されて構成される一方、
上記補助巻き掛け伝動機構は、一端を支柱に固定され連結部材とは別個に設けられた他の連結部材である補助連結部材が、補助ピストンロッドの先端部に取り付けられた補助動滑車と、支柱に取り付けられかつ定滑車とは別個に設けられた他の定滑車である補助定滑車とに巻き掛けられ、他端を第一可動体に固定されて構成され、
巻き掛け伝動機構と補助巻き掛け伝動機構とはラックの長手方向に沿う幅中心線に対して左右に分かれかつ支柱の内部で上下方向(例えば鉛直方向)に並列して配置され、
平面視において、定滑車及び補助定滑車の巻き掛け中心線は、長手方向に所定距離離間した位置で幅中心線とそれぞれ交差するように傾斜して配置されるとともに、定滑車に巻き掛けられた連結部材は幅中心線との交点から垂下して第二可動体に至り、補助定滑車に巻き掛けられた補助連結部材は幅中心線との交点から垂下して第一可動体に至る。
このように、定滑車及び補助定滑車が幅中心線に対して斜めに配置され、連結部材と補助連結部材とは平面視で幅中心線上において長手方向に齟齬した位置からそれぞれ垂下する。その結果、第二可動体と連結部材との接続点及び第一可動体と補助連結部材との接続点はそれぞれ幅中心に位置するので、連結部材による第二可動体の昇降及び補助連結部材による第一可動体(及びラック)の昇降がともにこじれなく円滑に行われる。また、支柱の狭い内部空間に巻き掛け伝動機構と補助巻き掛け伝動機構とを左右に分けて配置できるので組立が容易であり、かつ誤組付けに起因する誤作動を防止できる。
上記ガススプリングにはピストンロッドの進出・退入に応じて動滑車を上下方向(例えば鉛直方向)に往復移動させるための直線状案内機構が設けられる一方、
上記補助ガススプリングには補助ピストンロッドの進出・退入に応じて補助動滑車を動滑車とは独立して上下方向(例えば鉛直方向)に往復移動させるための補助直線状案内機構が設けられる。
このように、動滑車と補助動滑車とを互いに独立して往復移動させるために、直線状案内機構と補助直線状案内機構とが設けられているので、連結部材と補助連結部材とは絡み合うことなくラックストロークの全範囲(例えば1.2m)にわたり安定して作動できる。
上記補助ガススプリングは、
補助シリンダの内部において補助ピストンロッドの基端部に接続され、補助シリンダの内部をヘッド側及びロッド側の密閉室に区画するとともに、これらの密閉室相互間での流体の移動を許容するための1又は複数の補助オリフィスが貫通形成された補助ピストンと、
補助シリンダの内部に封入されるとともに、補助ピストンロッドの突出時には補助オリフィスを介してロッド側の密閉室からヘッド側の密閉室へ移動する一方、補助ピストンロッドの退入時には補助オリフィスを介してヘッド側の密閉室からロッド側の密閉室へ移動する不活性圧縮ガスと、
補助シリンダの内部であって不活性圧縮ガスの封入領域(エリア)よりも補助ピストンロッドの先端部側に封入されるとともに、補助ピストンロッドの突出時には不活性圧縮ガスの移動に引き続き補助オリフィスを介してロッド側の密閉室からヘッド側の密閉室へ移動する一方、補助ピストンロッドの退入時には不活性圧縮ガスの移動に先行して補助オリフィスを介してヘッド側の密閉室からロッド側の密閉室へ移動する緩衝用オイルとを含み、
補助ピストンロッドの下向き突出時において、ロッド側の密閉室から補助オリフィスを通りヘッド側の密閉室へ最初に流入する不活性圧縮ガスとその後に流入する緩衝用オイルとによって段階的な緩衝機能を発揮する。
このように、補助ピストンロッドが下向きに突出するとき、補助ガススプリングは不活性圧縮ガスによる緩衝機能と緩衝用オイルによる緩衝機能とを段階的に発揮するので、空車状態で上昇中のラックの上昇速度をコントロールして振動騒音の発生を抑制することができる。
具体的には、上記空車状態で上昇中のラックは、不活性圧縮ガスが補助オリフィスを通過する際に第一段階の緩衝作用を受け、上段停止位置が近づくにつれて徐々に上昇速度を低下するとともに、緩衝用オイルが補助オリフィスを通過する際に第二段階の緩衝作用を受け、上段停止位置直前にて上昇速度をさらに低下する。
このように、空車状態で上昇中(例えばオートリターン中)のラックは、不活性圧縮ガスが補助オリフィスを通過する際の第一段階の緩衝作用を継続的に受けた後、上段停止位置直前に緩衝用オイルが補助オリフィスを通過する際の第二段階の緩衝作用を受けることになり、上段停止位置での振動騒音の発生が減少する。
本発明の駐輪機の第一実施例として、ラックが空車状態で上段位置にあり、待機状態であることを表わす全体正面図。 図1の右側面図。 図1の左側面図。 図1のA1部及びA2部の拡大図。 図1のB1部及びB2部の拡大図。 図4の要部の説明図。 図1の動滑車を平面視した支柱の断面図。 図1の定滑車を平面視した支柱の断面図。 図7の動滑車が設けられた中間可動部の正面図。 図9の中間可動部の側面図。 図1に続いてラックが空車状態で下段位置にあることを表わす全体正面図。 図11のC部の拡大図。 図12の要部を説明する平面図及び右側面図。 図11に続いてラックが実車状態で下段位置にあることを表わす全体正面図。 図14のD部の拡大図。 図15の要部を説明する平面図及び右側面図。 図14に続いてラックが実車状態で上段位置にあることを表わす全体正面図。 図17の左側面図。 図17のE1部、E2部、E3部の拡大図。 図17に続いてラックが降車状態で下段位置にあることを表わす全体正面図。 図20のF部の拡大図。 図21の要部を説明する平面図及び右側面図。 図20に続いてラックが降車状態で下段位置から上昇中であることを表わす全体正面図。 図23のG部の拡大図。 ラックの正面図。 図25の平面図。 ガススプリングの構成と作動を示す断面説明図。 ピストンのヘッド側端面説明図。 ピストンのロッド側端面説明図。 本発明の駐輪機の第二実施例として、ラックが空車状態で上段位置にあり、待機状態であることを表わす全体右側面図。 図28の背面図。 図29のH部の拡大図。 図28の正面図。 図31に続いてラックが空車状態で下段位置にあることを表わす正面図。 図32の背面図。 図28の動滑車を平面視した支柱の断面図。 図28の定滑車を平面視した支柱の断面図。 図28の動滑車が設けられた中間可動部の正面図。 図36の中間可動部の側面図。 ガススプリングの構成と作動を示す断面説明図。 ピストンのヘッド側端面説明図。 ピストンのロッド側端面説明図。 補助ガススプリングの構成と作動を示す断面説明図。 補助ピストンのヘッド側端面説明図。 補助ピストンのロッド側端面説明図。 補助ガススプリングの第一参考例を示す断面説明図。 図44に示す補助ピストンのロッド側端面説明図。 図44に示すオリフィス板の端面説明図。 補助ガススプリングの第二参考例を示す断面説明図。 図47に示す補助ピストンのロッド側端面説明図。 図47に示す第一オリフィス板の端面説明図。 図47に示す第二オリフィス板の端面説明図。 本発明の駐輪機の第三実施例として、実車状態のラックが上段位置で停止状態にあるときの全体正面図。 図51の駐輪機において、実車状態のラックが下段位置で停止状態にあるときの全体正面図。 図51の駐輪機において、空車状態のラックが下段位置で収納状態にあるときの全体正面図。
以下、本発明の実施の形態につき図面に示す実施例を参照して説明する。
(第一実施例)
本発明の第一実施例について説明する。図1〜図6では、駐輪機100が待機状態、即ち、自転車110(図14参照)を搭載する(載せる)ためのラック11が、空車状態(非搭載状態)でベース部4から上下方向に立設された四角筒状の支柱3の上段位置(上方位置)にあることを表わしている。なお、本発明は上下2段のラックを有する垂直昇降式駐輪機に適用できるが、ここに示す実施例では待機状態で下段(下方)に位置するラックの図示を省略し、待機状態で上段(上方)に位置するラックのみについて説明する。
図1〜図6に示す待機状態の駐輪機100において、支柱3の上部(上方位置)には、単一(複数でも可)の定荷重ばね1(第一付勢部材)によって常時上方に引き上げるように付勢される上部台車10(第一昇降部)が配置されている。一方、上部台車10から離れて支柱3の下部(下方位置)には、ガススプリング80(第二付勢部材)によって常時上方に引き上げるように付勢される下部台車20(第二昇降部)が配置されている。なお、ガススプリング80の装着数は調整(変更)可能であり、例えば複数を並列配置してもよい。
図4に拡大して示す上部台車10は、自転車110を搭載可能なラック11と、そのラック11を上下方向に筒状形態で立設された支柱3に沿って昇降可能な上部可動体12(第一可動体)と、を有した第一の台車である。ラック11は、自転車110を搭載及び降車させる際の前後進方向(以下、前後方向という)に延びる長手状をなし、駐輪時には自転車110が支柱3側に前進して実車状態となり(図14参照)、降車時には自転車110が支柱3側から後退して空車状態となる(図20参照)。上部可動体12は、ラック11に固定され、複数(例えば図2に示す計4個)のローラ121を介しラック11とともに支柱3に沿って昇降可能である。
定荷重ばね1は、支柱3の最上部のキャップ3T内に設けられる巻取器1aと上部可動体12との間に掛け渡され(図1、図2参照)、自転車を搭載しない空車状態のラック11と上部可動体12との合計荷重を牽引する機能を有し、具体的には合計荷重(例えば7kgf)よりも大きなばね力(例えば9kgf)に設定されている。定荷重ばね1は、長尺の板ばねをコイル状に巻いたものであり、撓み量が変化してもばね力(直線に引き伸ばされたときに生じる戻り力)がほぼ一定(即ち、変化量が小)である。
図5に拡大して示す下部台車20は、上部台車10の下方に配置された第二の台車であり、ラック11の実車状態(図14〜図16参照)において、支柱3に沿って上部台車10(ラック11及び上部可動体12)と一体的に昇降可能である。具体的には、下部台車20は、後述する係合部30の作用により、ラック11の実車状態(図14〜図16参照)では上部可動体12と一体化した状態(連結した状態)で、複数(例えば図2に示す計4個)のローラ211を介し支柱3に沿って昇降するとともに、ラック11の空車状態(図1〜図6、図11〜図13参照)では支柱3の下方位置に昇降不能にロックされる、下部可動体21(第二可動体)を有する。
ガススプリング80は、支柱3の内側に配置され、少なくともラック11に実車状態(例えば図14参照)で搭載された自転車110(例えば18kgf)と下部可動体21(例えば1kgf)との合計荷重を牽引する機能を有し、具体的には合計荷重(例えば19kgf)に匹敵する付勢力が得られるよう設定されている。ここでのガススプリング80は、図4のようにシリンダ80Sが支柱3に対し取付部材38を介して間接的に(支柱3に対し直接でも可)取り付けられるとともに、図5のように下向きに突出して牽引力を発揮するピストンロッド80Rの先端部が、動滑車8Mを含む巻き掛け伝動機構8を介して下部可動体21に接続されている。よって、ガススプリング80の付勢力は、動滑車8M等の巻き掛け伝動機構8の構成に応じて設定されている。
このように、ラック11の空車状態(図1〜図6、図11〜図13参照)では、定荷重ばね1の付勢力(例えば9kgf)によって空車状態のラック11及び上部可動体12が支えられ、ラック11の実車状態(図14〜図16参照)では、定荷重ばね1の付勢力(例えば9kgf)にガススプリング80による付勢力(例えば19kgf)が付加されることによって、実車状態のラック11(ラック11+自転車110)と上部可動体12と下部可動体21とが支えられる。
ガススプリング80は、図27A〜図27Cに示すように、作動流体が封入されるシリンダ80Sと、シリンダ80Sの後端(頭部)に設けられ、支柱3(図4参照)の上部に取り付けられるシリンダ側取付部80BSと、シリンダ80S内に挿入され、シリンダ80S内部を第一室(ヘッド側密閉室)801と第二室(ロッド側密閉室)802との2室に仕切るピストン80Pと、後端がピストン80Pに連結され、前端がシリンダ80Sの前端から外部に突出するピストンロッド80Rと、ピストンロッド80Rの前端(頭部)に設けられ、中間可動部82(動滑車昇降部:図5参照)に取り付けられるロッド側取付部80BRと、ピストン80Pに設けられ、ピストンロッド80Rの移動に伴いシリンダ80S内部の上記2室801、802の間で作動流体を流通させるオリフィス80Fと、を備える。
ピストン80Pの第二室802側の受圧面80p2の面積ARが第一室801側の受圧面80p1の面積AHに比べ小さく、封入ガスから受ける力がピストン80Pの第二室802側で小さくなるため、ピストンロッド80Rは所定のピストンロッドストローク80RSの範囲内において常に伸長方向(ここでは下向き)の押出力(ガス反力ともいう)PFを発生し、実車状態のラック11を上昇させることができる(図17参照)。なお、上記2室801、802には、作動流体として、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、二酸化炭素等の不活性圧縮ガスが封入されており、ここでは窒素ガスが採用されている。また、ガススプリング80のロッド側密閉室802にはガスシール用の封止用オイルSO(すなわち、シリンダ80S内に封入された窒素ガスの気密性を保持するための気密用オイル)が充填されている。
具体的には、ロッド側密閉室802内の窒素ガス(不活性圧縮ガス)がオリフィス80Fを通過してヘッド側密閉室801へ流入することによって、ピストン80P及びピストンロッド80Rを下向きに押す押出力PF(ガス反力)を発生する(図27Aの(A)→(B))。この実施例では動滑車8M(詳しくは後述する)を用いているため、実車状態のラック11はピストンロッドストローク80RS(例えば、下向きの突出量60cm)の約2倍のラックストローク11RS(例えば1.2m)を上昇する(図17参照)。そして、窒素ガスの移動(オリフィス80Fの通過)に伴って押出力PFは徐々に減少する。言い換えれば、特にピストンロッドストローク80RS(ラックストローク11RS)の終末区間においてガススプリング80はショックアブソーバ(ダンパ)としても機能しているから、実車状態のラック11の上昇速度を緩和して上段位置における振動騒音の軽減を図ることができる。なお、ピストンロッド80Rに押込力(外力)が作用すると、ヘッド側密閉室801内の窒素ガスがオリフィス80Fを通過してロッド側密閉室802へ流入し、ピストンロッド80Rがシリンダ80S内に退入復帰する(図27Aの(B)→(A))。
支柱3は、四角筒状に形成され、図7及び図8に示すように、その内部空間を前後方向(図中の上下方向)において仕切る仕切壁部3vを有する。支柱3内において、仕切壁部3vに対し前方側の支柱内空間381には、下部可動体21を昇降動作させる巻き掛け伝動機構8(図4及び図5参照)の主要部が設けられる。一方、仕切壁部3vに対し後方側の支柱内空間382には、下部可動体21と、上部可動体12と、上部可動体12を昇降動作させる定荷重ばね1と、が設けられている(図4及び図5参照)。
巻き掛け伝動機構8は、動滑車8M、定滑車8F及び連結部材としてのワイヤー8wを含む。ここでの巻き掛け伝動機構8は、図4及び図5に示すように、一端を支柱3の上部に固定したワイヤー8wが、ピストンロッド80Rの先端部(前端部)に取り付けられた動滑車8Mと、支柱3に取り付けられた定滑車8Fとに巻き掛けられ、他端を下部可動体21に固定される形で構成されている。具体的にいえば、ワイヤー8wは、図4に示すように環状の一端が支柱3の上部前方側に締結固定された掛け止め部材84(支柱側固定部)に引っ掛けられた掛け止め固定状態とされ、他端側が下方へと延びる。そしてワイヤー8wの下方に延びた先は、図5に示すように中間可動部82に設けられた動滑車8Mに巻き掛けられ、上方へと折り返す。中間可動部82はピストンロッド80Rの先端(前端)のロッド側取付部80BRに取り付けられているので、動滑車昇降部として機能する。図4に戻り、動滑車8Mで上方へと折り返されたワイヤー8wは、支柱3の上部において取付部材38に固定された定滑車8Fに巻き掛けられ、再び下方へと折り返す。図5を参照すると、定滑車8Fで下方へと折り返されたワイヤー8wは、下部台車20の掛け止め部28(下部可動体側固定部)に引っ掛けられた掛け止め固定状態とされている。下部台車20は、この巻き掛け伝動機構8とガススプリング80とによって昇降動作する。
ガススプリング80は、ピストンロッド80Rに対し下方への押出力(付勢力ともいえる)を発揮するものであり、その押出力に従ってピストンロッド80Rが下方に伸びていくと、ピストンロッド80Rの先端の動滑車8Mも連動して降下していく。これにより、定滑車8Fに巻き掛けられたワイヤー8wは、動滑車8M側へと引き下げられていく一方で、その逆側が引き上げられていき、その先に固定されている下部台車20が上昇していく。
他方、上昇した下部台車20に対し、ピストンロッド80Rの下方への押出力に抗する形で下方に押し下げる外力(例えばユーザーによる操作力)が作用した際には、定滑車8Fに巻き掛けられたワイヤー8wは、動滑車8M側とは逆側が引き下げられ、動滑車8M側が引き上げられていく。そして、このとき動滑車8Mも引き上げられて、ピストンロッド80Rがシリンダ80S内部へと退入していく。
動滑車8Mは、図5、図7、図9、図10に示すように、前方側の支柱内空間381内に配置されるとともに、中間可動部82に取り付けられて、中間可動部82と一体に昇降する。動滑車8Mは、実車状態のラック11の上昇を補助するアシスト力をピストンロッド80Rの押出力(即ち、シリンダ封入ガスの反力)の整数分の1に縮小し、ラックストローク11RSをピストンロッドストローク80RSの整数倍に拡大する機能を有する。ここでは、図17に示すように、ラックストローク11RSがピストンロッドストローク80RSの2倍(例えばラックストローク11RSが1.2mで、ピストンロッドストローク80RSが0.6m)とされている。これにより、より短い小型のガススプリング80を支柱3内に配置して、駐輪機100の小型化を実現している。
定滑車8Fは、図4、図8に示すように、動滑車8Mから前方側の支柱内空間381内を通って上方に延びてくるワイヤー8wを、下部台車20が配置される後方側の支柱内空間382内に進入するよう下方に折り返す形で配置されている。ワイヤー8wの一端側は、前方側の支柱内空間381内において、掛け止め部材84に固定され、動滑車8Mに巻き掛けられて定滑車8Fへと至る一方、定滑車8Fから先のワイヤー8wの他端側は、後方側の支柱内空間382内へと進入し、当該支柱内空間382内において下部台車20に固定されている。ここでの定滑車8Fは、仕切壁部3vの上側において、前方側である支柱内空間381側と後方側である支柱内空間382側とにまたがる形で配置されている。
中間可動部82は、図5、図7に示すように、前方側の支柱内空間381内に配置され、ピストンロッド80Rと一体的に昇降可能である。図1、図3は、ピストンロッド80Rが縮んで下部台車20が下段位置にあるときの中間可動部82の作動位置を示している。一方、図17、図18は、ピストンロッド80Rが伸びて下部台車20が上段位置にあるときの中間可動部82の作動位置を示している。
図3、図5、図7、図9、図10に示すように、中間可動部82は複数(例えば図3、図9に示す計4個)のローラ821を介し支柱3に沿って昇降する。巻き掛け伝動機構8には、ピストンロッド80Rの進出・退入に応じて動滑車8Mを所定の方向に往復移動させるための直線状案内機構82Gが設けられている。このような直線状案内機構82Gを有することにより、ピストンロッドストローク80RS(即ち、動滑車移動距離:図17参照)の全範囲にわたりピストンロッド80Rの進出・退入動作が安定する。よって、ラック11の昇降途中の振動騒音を軽減でき、ひいては駐輪機100の精度及び耐久性が向上する。
図3、図5、図7に示すように、直線状案内機構82Gは、支柱3に設けられたレール831(ガイドレール)と、動滑車8Mの近傍に配置されたローラ821(ガイドローラ)とを含んで構成されている。ここでの直線状案内機構82Gは、ローラ821が設けられた中間可動部82を、支柱3に設けられたレール831によって支柱3の軸線方向である鉛直方向に移動案内することにより、中間可動部82に固定された動滑車8Mを鉛直方向に昇降させる。
ローラ821は、図3、図9に示すように、中間可動部82の左右に対をなす形で回転自在に設けられており、ここでは昇降方向に2対並んで設けられている。他方、レール831は、図7に示すように、支柱3を構成する壁部によって形成されている。即ち、支柱3は、対向する周壁3w、3wと、それら周壁3w、3wから互いの対向方向に延出して支柱3内を前後方向に分断する仕切壁部3vと、を有しており、レール831は、それら周壁3w、3wと仕切壁部3vとによって形成されている。具体的にいえば、支柱3の周壁3w、3wは、それぞれ仕切壁部3vの両端部3vr、3vrに対し前方側で対向して位置する対向部3wr、3wrを有しており、ローラ821は、支柱3内を昇降するに際し前後方向において対向する端部3vrと対向部3wrとの間に挟まれる形で常にガイドを受ける。
なお、図2、図4、図5に示すように、上部台車10及び下部台車12にはそれぞれ直線案内部12Gが設けられている。直線案内部12Gは、上部台車10、下部台車20に設けられたローラ121、211(ガイドローラ)と、支柱3に設けられたレール131(ガイドレール:図7参照)と、を含んで構成される。図7に示すように、レール131(ガイドレール)は、支柱3の仕切壁部3vの両端部3vr、3vrと、それら両端部3vr、3vrに対しそれぞれ後方側で対向して位置する、周壁3wの後端屈曲部3fr、3frとによって構成され、ローラ121、211はこれらに挟まれた形でガイドを受ける。
ガススプリング80は、支柱3に対し前後方向に揺動可能に取り付けられている。具体的にいえば、図4に示すように、後端のシリンダ80Sの頭部をなすシリンダ側取付部80BSが、支柱3の上部にて前後方向に延びる取付部材38に対し軸部材38Aを介して前後方向に揺動可能に取り付けられている。他方、図5に示すように、前端のピストンロッド80Rの頭部をなすロッド側取付部80BRが、中間可動部82に対し軸部材82Aを介して前後方向に揺動可能に取り付けられている。
図8に示すように、取付部材38は平面視U字状の板材であって、支柱3の上部(ここでは仕切壁部3v)に対しボルトやナット等の締結部材38R、38Rによって締結固定されている。U字状をなす取付部材38は、正面側と背面側とで対面する対向壁部38w、38wを有しており、シリンダ側取付部80BSの揺動中心である軸部材38A(図4参照)は、それら対向壁部38w、38wに対し双方に貫通した形で固定されている。図4に戻り、ガススプリング80のシリンダ側取付部80BSは、それら対向壁部38w、38wの間で、軸部材38Aに対し回動自在に取り付けられることにより、ガススプリング80は、取付部材38の下側において前後方向への揺動が可能とされている。
図7、図9、図10に示すように、中間可動部82は平面視で幅広U字状の板材からなる本体部82Cを有する。本体部82Cは、底壁部82bと、底壁部82bの左右両側にて直角状に屈曲して互いに対面する形で延びる対向壁部82w、82wと、を有しており、軸部材82Aは、それら対向壁部82w、82wに対し双方に貫通した形で固定されている。ここでの軸部材82Aはボルトであり、ナットによってそれら対向壁部82w、82wに対し締結固定されている。なお、中間可動部82は、それらの対向壁部82w、82wが支柱3内において正面側と背面側に位置するよう配置されている。図5に戻り、ガススプリング80のロッド側取付部80BRは、それら対向壁部82w、82wの間で、軸部材82Aに対し回動自在に取り付けられることにより、ガススプリング80は、中間可動部82の上方側において前後方向への揺動が可能とされている。
さらにガススプリング80は、図5に示すように、前方側の支柱内空間381内において下側ほど後方(図中の右側)に傾いた形で傾斜配置されている。これにより、ピストンロッド80Rがシリンダ80Sの外部(下方)に進出して中間可動部82を降下させていくと、ガススプリング80は、支柱3の軸線方向かつ中間可動部82の昇降方向である鉛直方向3zに対する傾斜角度θを小さくしていく形で、支柱3及び中間可動部82の双方に対し揺動を生じる。逆に、ピストンロッド80Rがシリンダ80Sの内部(上方)に退入して中間可動部82を上昇させていくと、ガススプリング80は、支柱3の軸線方向かつ中間可動部82の昇降方向である鉛直方向3zに対する傾斜角度θを大きくしていく形で、支柱3及び中間可動部82の双方に対し揺動を生じる。
なお、図7及び図8に示すように、動滑車8M及び定滑車8Fは、それぞれ軸部材8Aの外周側にベアリングを介して回転可能に配置されたシーブ8sを有する。図7において、動滑車8Mを回転可能に支持する軸部材8Aは、中間可動部82の対向壁部82w、82wの双方に貫通する形で配置されたボルトであり、ナットにより締結固定されている。図8において、定滑車8Fを回転可能に支持する軸部材8Aは、取付部材38の対向壁部38w、38wの双方に貫通する形で配置されたボルトであり、ナットにより締結固定されている。
ここまで図4、図8に基づいて説明した通り、取付部材38は支柱3に固定されるとともに、ガススプリング80のシリンダ側取付部80BSの揺動中心をなす軸部材38A(シリンダ揺動軸)と、定滑車8Fを支持する軸部材8A(定滑車支持軸)とを保持している。一方、図5、図7、図9、図10に基づいて説明した通り、中間可動部82は支柱3の鉛直方向のレール831上を転動するローラ821を有するとともに、ガススプリング80のロッド側取付部80BRの揺動中心をなす軸部材82A(ロッド揺動軸)と、動滑車8Mを支持する軸部材8A(動滑車支持軸)とを保持している。
再び図7及び図8において、動滑車8M及び定滑車8Fの各シーブ8sには、ワイヤー8wの巻き掛け面にワイヤー8wの案内溝8vが設けられている。図7に示すように、動滑車8Mが取り付けられる中間可動部82は、動滑車8Mの案内溝8vからのワイヤー8wの脱落を阻止する脱落阻止手段82Bを有する。他方、図8に示すように、定滑車8Fが支持される取付部材38は、定滑車8Fの案内溝8vからのワイヤー8wの脱落を阻止する脱落阻止手段38Bを有する。
まず脱落阻止手段82Bについて説明する。動滑車8Mに対して設けられる脱落阻止手段82Bは、図5、図7、図9、図10に示すように、動滑車8Mの案内溝8vの外周側にオーバーラップする形で配置される部材である。ここでの中間可動部82の底壁部82bには、動滑車8Mを非接触に貫通配置させるための動滑車用貫通孔82Hが形成されており、この動滑車用貫通孔82Hを取り囲む開孔縁部(貫通孔内縁部)が第一の脱落阻止手段82Bとして機能している。また、ここでの中間可動部82は、対向壁部82w、82wの底壁部82bとは逆側で、それら対向壁部82w、82wに対し双方を貫通する形で固定された軸状部材82cを有する。この軸状部材82cは、動滑車8Mの回転軸となる軸部材8Aよりも下側で、かつ定滑車8Fに向けてワイヤー8wが上方に折り返す側に配置されている。この軸状部材82cが、動滑車8Mの外周側で案内溝8vと対向しており、第二の脱落阻止手段82Bとして機能している。ここでの軸状部材82cはボルトであり、ナットによって対向壁部82w、82wに締結固定されている。
次に脱落阻止手段38Bについて説明する。定滑車8Fに対して設けられる脱落阻止手段38Bは、図4、図8に示すように、定滑車8Fの案内溝8vの外周側にオーバーラップする形で配置される部材である。ここでは、支柱3に固定されるU字状の取付部材38の対向壁部38w、38wの上部かつ開放側に、それら対向壁部38w、38wの対向間をまたぐように板材38bが配置されている。この板材38bが、定滑車8Fの外周側で案内溝8vと対向しており、脱落阻止手段38Bとして機能している。ここでの板材38bは、仕切壁部3vに対し締結部材38R、38Rによって取付部材38と共締めされている。
ここで、上部台車10と下部台車20とを一体化した状態で昇降可能とするための係合部30について説明する。図4〜図6に拡大して示すように、上部台車10と下部台車20との間には係合部30が設けられ、この係合部30は、上部台車10(ラック11)の底面側に配置される上側係合部30Uと、下部台車20(下部可動体21)の上面側に配置される下側係合部30Lとに分割形成されている。上側係合部30U及び下側係合部30Lによって、上部台車10(ラック11)及び下部台車20(下部可動体21)は支柱3に対し個別にロック可能である。また、ラック11の空車状態(図1〜図6及び図11〜図13参照)では上部台車10(ラック11及び上部可動体12)が単独状態で昇降し、ラック11の実車状態(図14〜図16参照)では、上部台車10(ラック11及び上部可動体12)と下部台車20(下部可動体21)とが連結して一体化した状態で昇降する。
図1、図4、図6及び図11、図12に示すように、上側係合部30Uは、支柱3の上段位置又は下段位置にロックされたラック11を操作レバー313(操作部)の人為的操作又はラック11への自転車110の出し入れの際のタイヤ110F、110Rによる操作レバー313の作動によりロック解除可能なラックストッパープレート31と、ラック11への自転車110の出し入れに応じ、空車状態では支柱3側に前進移動し、実車状態では後退移動する連動プレート32とを有する。操作レバー313とラックストッパープレート31とはリンク等の連結機構314(図26参照)を介して連結される。
一方、図13、図16に示すように、下側係合部30Lは、連動プレート32(図6参照)の前後移動に追随して、空車状態では支柱3側に前進して支柱3へのロック可能位置へ移動し(図5、図12参照)、実車状態では支柱3側から後退してロック解除される(図15参照)下部ストッパープレート33を有する。
具体的には、図2に示すように、支柱3の上段位置及び下段位置には上段ラックストッパー31U及び下段ラックストッパー31Lが設けられている。図4に示すように、上段ラックストッパー31Uは上側ほど幅広になる楔形形状に形成され、ラックストッパープレート31は引張コイルばね312(付勢部材)によって常時支柱3側へ付勢されている(図6(B)参照)。したがって、ラック11(及びそれと一体の上部可動体12)が上方へ移動するときには、ラックストッパープレート31は引張コイルばね312の付勢力(ばね力)に抗して上段ラックストッパー31Uを乗り越えた後、その上面に着座してロックされる。操作レバー313の人為的操作により引張コイルばね312の付勢力に抗してラックストッパープレート31を後方移動させると、ラックストッパープレート31のロック状態を解除できる。
一方、図5、図12に示すように、下段ラックストッパー31Lは下側ほど幅広になる楔形形状に形成されているので、ラック11(及びそれと一体の上部可動体12)が下方へ移動するときには、ラックストッパープレート31は引張コイルばね312の付勢力(ばね力)に抗して下段ラックストッパー31Lを乗り越えた後、その下面に着座してロックされる。操作レバー313の人為的操作により引張コイルばね312の付勢力に抗してラックストッパープレート31を後方移動させると、ラックストッパープレート31のロック状態を解除できる。
また、図1に示すように、ラック11のタイヤ受け323と連動プレート32とはリンク等の連結機構324(図26参照)を介して連結され、連動プレート32は引張コイルばね322(付勢部材)によって常時支柱3側へ付勢されている(図6(B)参照)。ラック11へ自転車110を搬入(図14の実車状態)すると、タイヤ受け323が前方側へ倒れ、引張コイルばね322の付勢力(ばね力)に抗して連動プレート32を後退移動させる一方、ラック11から自転車110を搬出(図20の空車状態)すると、タイヤ受け323が後方側へ倒れ、引張コイルばね322の付勢力により連動プレート32を前進移動させる。
図14〜図16に示すように、実車状態即ち、連動プレート32が後退移動したとき、連動プレート32から下向きに突出形成された上側当接部321(当接部)の後面と、下部ストッパープレート33から上向きに突出形成された下側当接部331(当接部)の前面とが圧接状態になり、上部台車10(ラック11及び上部可動体12)と下部台車20(下部可動体21)とが連結して一体化した状態での昇降が可能になる。
図5に戻り、支柱3の下段ラックストッパー31Lよりも下側に下部ストッパー33Lが設けられている。下部ストッパー33Lは下側ほど幅広になる楔形形状に形成されているので、下部台車20(下部可動体21)が下方へ移動するときには、下部ストッパープレート33は引張コイルばね332の付勢力に抗して下部ストッパー33Lを乗り越えた後、その下面に着座してロックされる。図14〜図16に示すように、実車状態即ち、連動プレート32が後退移動したとき、下部ストッパープレート33が引張コイルばね332の付勢力に抗して後方移動してロック状態を解除できる。
このように、ラック11の実車状態では、下部ストッパープレート33のロック状態が解除されるとともに、上部台車10と下部台車20とが連結一体化されるので、上部台車10と下部台車20とを一体に昇降できる。下部台車20に関していえば、ラック11が実車状態になった場合に限り、上部台車10と一体となる形で昇降可能になり、ラック11が空車状態の場合には、下段位置にロックされて上昇不可とされている。
図25、図26に操作レバー313を備えたラック11の具体例を示す。ラック11の後方側端部に位置するタイヤ出入口には左右一対の補強板111(補助部材)が固定されている。操作レバー313は、ラック11に対して回動可能となるように、左右の補強板111に跨って取り付けられている。具体的には、操作レバー313は、補強板111、111間に架設された支軸111aに回動可能に取り付けられるボス部313aと、ボス部313aから半径方向に延びる回動アーム部313cと、回動アーム部313cの先端部に形成された半円筒形状の把持部313bとを有する。ラック11が上段位置において空車状態(図1参照)又は実車状態(図示せず)であるとき、操作レバー313のロック解除操作を行う際には、把持部313bは左右の補強板111、111を繋ぐ連結軸111bとともに作業者の手で把持される。
なお、ラック11の下段位置において自転車110の出し入れを行う際には、自転車110の前輪110F又は後輪110Rとの接触により操作レバー313(の把持部313b)が回動して、瞬間的にラックストッパープレート31を後方移動させ支柱3とのロック状態を解除する(なお、車輪通過後の状況等については後述する)。
このように、実車状態、空車状態を問わずラック11の下降操作において、回動式の把持部313bを連結軸111bとともに把持することにより操作レバー313の操作力を軽減し、ラック11を支えながら安全に下降させることができる。
なお、図2等に示す33Sは、下部ストッパー33Lよりも上方位置の支柱3に設けられた安全ストッパーであり、例えば下部ストッパー33Lに対する下部ストッパープレート33のロックが誤動作したような場合に下部ストッパープレート33を緊急ロックするための安全装置として機能し、下部ストッパー33Lと同様のものが使用されている。また、図6(B)に示すように、上側当接部321は底面視でY字形の溝形状に形成され、平面視で三角形状に突出形成された下側当接部331(図13(A)等参照)との接触面積を大きくし、圧接力が大きくなるようにしてある。
次に、以上で述べた駐輪機100の作動について、操作の順序に沿って概略を説明する。
<待機状態=ラック空車状態、上段位置>(図1〜図6)
図4に示すように、上段ラックストッパー31Uの上面にラックストッパープレート31の下面が着座してロックされる。ただし、上部台車10(空車状態のラック11及び上部可動体12)を支える定荷重ばね1のばね力により、この図のようにラックストッパープレート31の下面は上段ラックストッパー31Uの上面よりも若干浮いた状態で静止する場合がある。図5に示すように、下部ストッパー33Lの下面に下部ストッパープレート33の上面が当接してロックされ、ガススプリング80の付勢力によって下部台車20(下部可動体21)が支えられている。
<ラック空車状態、下降中>(図示せず)
把持部313bを把持し操作レバー313を回動して上段ラックストッパー31Uの上面とラックストッパープレート31の下面とのロックを解除すると、上部台車10の下降が開始される。把持部313bを放すとラックストッパープレート31は引張コイルばね312により再び支柱3側に付勢される。
<ラック空車状態、下段位置>(図11〜図13)
図12に示すように、ラックストッパープレート31が下段ラックストッパー31Lの傾斜を乗り越えた後、下段ラックストッパー31Lの下面にラックストッパープレート31の上面が当接してロックされ、定荷重ばね1のばね力によって上部台車10(空車状態のラック11及び上部可動体12)が支えられている。なお、上部台車10及び下部台車20が下段位置にあるときには、下部ストッパープレート33は下部ストッパー33Lよりも少し下方に移動し、下部ストッパー33Lの下面に当接しなくなっている(図12参照;ただし、後方移動によるロック解除位置ではなく下方移動によるロック可能位置に留まっている)。
<ラック搭載状態、下段位置>(図14〜図16)
図14に示すようにラック11に自転車110を搭載して実車状態へ移行する場合について、時系列的に説明する。
(1−1)前輪110Fが操作レバー313に接触する段階
自転車110の前輪110F(先行搬入車輪)が操作レバー313(把持部313b)に接触すると、操作レバー313が回動して、瞬間的にラックストッパープレート31が後方移動し支柱3とのロック状態が解除される。このときタイヤ受け323は後方側へ倒れて、連動プレート32を介し下部ストッパープレート33が前進移動し支柱3とのロック状態、かつ当接部321、331が圧接解除状態であるから、ラック11(ここでの牽引対象は上部台車10単独)には定荷重ばね1のばね力が作用している。しかし、ラック11には既に自転車110の約1/2重量が負荷されているので、ラック11(上部台車10)は上昇しない。さらに、前輪110Fが通過すると、操作レバー313(把持部313b)が回動復帰して、ラックストッパープレート31が前方移動し支柱3とのロック状態が復活する。
(1−2)後輪110Rが操作レバー313に接触する段階
自転車110の後輪110R(後続搬入車輪)が操作レバー313(把持部313b)に接触すると、操作レバー313が回動して、瞬間的にラックストッパープレート31が後方移動し支柱3とのロック状態が解除される。このときタイヤ受け323は後方側へ倒れて、連動プレート32を介し下部ストッパープレート33が前進移動し支柱3とのロック状態、かつ当接部321、331が圧接解除状態であるから、ラック11(ここでの牽引対象は上部台車10単独)には定荷重ばね1のばね力が作用している。しかし、ラック11には既に自転車110の1/2以上の重量が負荷されているので、ラック11(上部台車10)は上昇しない。さらに、後輪110Rが通過すると、操作レバー313(把持部313b)が回動復帰して、ラックストッパープレート31が前方移動し支柱3とのロック状態が復活する。
(2)前輪110Fがタイヤ受け323を作動する段階
自転車110の前輪110F(先行搬入車輪)がタイヤ受け323を前方側へ倒すと、連動プレート32を介し下部ストッパープレート33が後退移動し支柱3とのロック解除状態、かつ当接部321、331が圧接状態になるから、ラック11(ここでの牽引対象は一体化された上部台車10及び下部台車20)には定荷重ばね1のばね力及びガススプリング80の押出力が作用する。しかし、ラックストッパープレート31は前方移動し支柱3とのロック状態が維持されているので、ラック11(上部台車10及び下部台車20)は上昇しない。
<ラック実車状態、下段位置から上昇開始>(図示せず)
作業者が把持部313bを踏むことによって操作レバー313が回動して、ラックストッパープレート31が後方移動する。下段ラックストッパー31Lの下面とラックストッパープレート31の上面とのロックを解除すると、上部台車10と下部台車20とは一体化された状態で上昇を開始する。把持部313bを放すとラックストッパープレート31は引張コイルばね312により再び支柱3側に付勢される。
<ラック実車状態、上段位置>(図17〜図19、図16)
ラックストッパープレート31が上段ラックストッパー31Uの傾斜を乗り越え、上段ラックストッパー31Uの上面にラックストッパープレート31の下面が着座してロックされる。ただし、上部台車10及び下部台車20を支える、定荷重ばね1とガススプリング80との付勢力により、ラックストッパープレート31の下面は上段ラックストッパー31Uの上面よりも若干浮いた状態で静止する場合がある。
<ラック降車状態、下段位置でオートリターン開始>(図20〜図22)
図20に示すようにラック11から自転車110を降ろして空車状態へ移行する場合について、時系列的に説明する。
(1)前輪110Fがタイヤ受け323を作動する段階
自転車110の前輪110F(後続搬出車輪)がタイヤ受け323を後方側へ倒すと、連動プレート32を介し下部ストッパープレート33が前進移動し支柱3とのロック状態、かつ当接部321、331が圧接解除状態になるから、ラック11(ここでの牽引対象は上部台車10単独)には定荷重ばね1のばね力が作用する。しかし、ラックストッパープレート31は前方移動し支柱3とのロック状態が維持されているので、ラック11(上部台車10)は上昇しない。
(2−1)後輪110Rが操作レバー313に接触する段階
自転車110の後輪110R(先行搬出車輪)が操作レバー313(把持部313b)に接触すると、操作レバー313が回動して、瞬間的にラックストッパープレート31が後方移動し支柱3とのロック状態が解除される。このときタイヤ受け323は後方側へ倒れて、連動プレート32を介し下部ストッパープレート33が前進移動し支柱3とのロック状態、かつ当接部321、331が圧接解除状態であるから、ラック11(ここでの牽引対象は上部台車10単独)には定荷重ばね1のばね力が作用している。しかし、ラック11には未だ自転車110の1/2以上の重量が負荷されているので、ラック11(上部台車10)は上昇しない。さらに、後輪110Rが通過すると、操作レバー313(把持部313b)が回動復帰して、ラックストッパープレート31が前方移動し支柱3とのロック状態が復活する。
(2−2)前輪110Fが操作レバー313に接触する段階
自転車110の前輪110F(後続搬出車輪)が操作レバー313(把持部313b)に接触すると、操作レバー313が回動して、瞬間的にラックストッパープレート31が後方移動し支柱3とのロック状態が解除される。このときタイヤ受け323は後方側へ倒れて、連動プレート32を介し下部ストッパープレート33が前進移動し支柱3とのロック状態、かつ当接部321、331が圧接解除状態であるから、ラック11(ここでの牽引対象は上部台車10単独)には定荷重ばね1のばね力が作用している。よって、前輪110Fがラック11のタイヤ出入口を通過すると同時に、ラック11(上部台車10)は下部台車20から分離して自動的に上昇(オートリターン)を開始する。
<ラック降車状態、下段位置からオートリターン中>(図23、図24)
図23に示すように、ラックストッパープレート31が下段ラックストッパー31Lを通り過ぎた後も上部台車10は定荷重ばね1のばね力により上昇を続ける。しかし、下部ストッパープレート33の上面は下部ストッパー33Lの下面に当接してロック状態になるので、下部台車20はわずかに上昇移動したのみで下段位置に残される。このように、ラックストッパープレート31のロック解除及び当接部321、331の圧接状態解除と、下部ストッパープレート33のロック作動との間に若干の時間差(タイムラグ)が設けられるので、上部台車10のオートリターン上昇と下部台車20のロック停止とが確実に機能する。
<主にラックの降車状態で作用する上段位置での過上昇防止>(図4参照)
図4に示すように、ラック降車状態でオートリターン上昇する際に、上段ラックストッパー31Uを越えても上部台車10(ラック11)の上昇速度が低下しない場合には、エアダンパー90(緩衝器)の緩衝部90Aが上部可動体12(又はラック11)と当接して、上部台車10を上段位置で緩やかに停止させる。このエアダンパー90は、後方側の支柱内空間382内上部にピストンロッド90Rの前端を下方に向けて取り付けられ、その前端に緩衝部90Aを有しており、上部可動体12との当接により作動して、上部台車10に緩衝作用(即ち、当接した際の衝撃吸収作用)を及ぼす。定荷重ばね1のばね力が相対的に大きく、オートリターン時にラック11が勢いよく上昇する場面等において、エアダンパー90の緩衝作用が効果的に機能する。
以上のようにして駐輪機100の作動が一巡し、図1〜図6に示す待機状態に戻って停止する。
このように、下部ストッパープレート33により下部台車20を支柱3へロックする動き(及び当接部321、331の圧接状態を解除する動き)と、ラックストッパープレート31により上部台車10を支柱3からロック解除する動きとが時系列的に二段階に作動するので、オートリターン構造が誤作動することなく確実に機能する。その際、ラック11への自転車110の出し入れに応じて移動する連動プレート32の作動を下部ストッパープレート33へと直接的に伝達して構造の簡略化を図り、作動の安定性を高めることができるので、耐久性の向上に寄与する。
次に、駐輪機100の車輪止め6について説明する。
図14及び図17に示すように、車輪止め6はラック11に設けられている。ラック11は、搭載する自転車110の車輪110F、110Rを導入するために樋形状に形成されるとともに、搭載された自転車110の横転を防止する倒れ防止手段としてのサイドガイド62と、搭載時における先行導入車輪を保持して自転車110の導入位置を規定する車輪受け手段としてのタイヤ受け323と、上昇停止時における先行導入車輪の浮き上がりを抑制する車輪保護手段(浮き上がり抑制手段)としてのタイヤガード60と、を有する。
サイドガイド62は、搭載された自転車110の正面側と背面側との両側に、ラック長手方向(前後方向)に沿って各々設けられた長手状の板材又は棒材である。ここでのサイドガイド62は、一端が支柱3に固定され、他端が支柱3とは逆側となるラック11の後端側に固定されるとともに、その長手方向の1以上の途中位置にて直下のラック11と連結する補強部61を有する。なお、サイドガイド62とラック11とはそれぞれ別体に用意された上で組み付けられてもよいが、サイドガイド62とラック11とが一体に形成されていてもよい。
タイヤ受け323は、搭載時における先行導入車輪(図14及び図17では前輪110F)を保持して自転車110の導入位置を規定するものであり、樋形状のラック11の底部に設けられている。なお、タイヤ受け323は、自転車110の導入位置を規定するべく先行導入車輪を保持するものであれば、本実施例とは異なる他の形態であってもよい。
タイヤガード60は、正面側及び背面側に設けられたサイドガイド62のうち一方のサイドガイド62においてタイヤ受け323と支柱3との間の所定位置を起点として上方に延びた後、先行導入車輪(図14及び図17では前輪110F)を迂回する頂上部60a(方向変換部)を経て下方に延び他方のサイドガイド62に至る逆U字状部材である。ここでのタイヤガード60は、少なくともラック実車状態の自転車110の先行導入車輪(図14及び図17では前輪110F)の回転中心よりも支柱3側にて、当該先行導入車輪の上方を頂上部60aが通過するように設けられている。さらに、ここでのタイヤガード60は、頂上部60a側ほど支柱3側に接近するよう傾斜した形で設けられている。なお、タイヤガード60とサイドガイド62とはそれぞれ別体に用意された上で組み付けられてもよいが、タイヤガード60とサイドガイド62とが一体に形成されていてもよい。
このように、サイドガイド62に加えてタイヤ受け323及びタイヤガード60がラック11に設けられるので、上段停止時の衝撃で先行導入車輪(図14及び図17では前輪110F)がラックから浮き上がったときでも脱輪や脱落を防止でき、振動騒音も低減できる。
最後に、ガススプリング80について詳細に説明する。
特許文献1に示すような従来の駐輪機においては、本実施例のガススプリング80に代わって定荷重ばね(特許文献1における第二定荷重ばね)が用いられている。ところが、特許文献1の定荷重ばね方式では、例えば定荷重ばねの定格荷重25kgfに対し15kgf未満の軽量自転車が搭載された際に、ラックの急速上昇を抑制して上段での急停止に伴う振動騒音を緩和するためには、ばね力の再調整・追加調整を要する事態に至る可能性がある。これに対し、本実施例のようにガススプリング80を用いる構成とすれば、シリンダ80S内部の密封空間に封入されたガスによって、実車状態の自転車110と下部台車20との合計荷重を牽引する機能と、上段停止位置への上方引き上げ時における減速・定速化機能と、上段停止位置での緩衝機能とが発揮され、ラックに搭載される自転車の個別重量が変化した場合でもラックの上昇速度を安定させ振動騒音の発生を抑制し、稼働時に安定かつ静穏なラック上昇が可能となる。さらに、動滑車8Mを含む巻き掛け伝動機構8を用いることで、ガススプリング80を支柱3内部にコンパクトに収容配置でき、設置時に要する初期投資やその後の保守費用が抑制され、耐久性も向上する。
しかしながら、駐輪機100において本実施例のようなガススプリング方式を採用する場合には、次のような課題が発生する。
即ち、ガススプリングのヒステリシスの問題である。従来のようにラックの上昇に定荷重ばねのみを用いる場合は、ラックの上昇時に作用するばね力と、下降時に作用するばね力とが同じになるため、ユーザーは、ラックを上昇させるときも下降させるときもほぼ同様の力加減でラックを動かすことができた。ところが、ガススプリングの場合は、ヒステリシスを有するため、ピストンロッドの進出時に作用するばね力と、退入時に作用するばね力とに差が生じる。このため、ユーザーは、ラックを上昇させるときと下降させるときとで異なる力加減でラックを動かす必要に迫られる。その結果、例えばラックを下降させる際の操作が思ったよりも軽くてラックの下降スピードが速くなりすぎる、あるいはラックを上昇させる操作に思ったよりも力が必要でラックの上昇に時間がかかったり等、力加減の違いに戸惑うケースが想定される。
このような新たな課題を解決するために、図27A〜図27Cにおいて、シリンダ80S内径をD、ピストンロッド80Rの径をd、ピストン80Pのヘッド側(即ち、シリンダ側取付部80BS側)の受圧面の面積(受圧面積)をAH、ピストン80Pのロッド側(即ち、ロッド側取付部80BR側)の受圧面の面積(受圧面積)をARとすると、それぞれは以下のように表される。
(1)AH=πD /4
(2)AR=AH−πd /4=π(D+d)(D−d)/4
このとき受圧面積比率rは、以下のように表される。
(3)r=AR/AH=(D+d)(D−d)/D
そして本実施例においては、この受圧面積比率rが以下の関係を満たすよう調整されている。
(4)0.77≦r≦0.92
このように、ガススプリング80の受圧面積比率rを比較的大にしてピストンロッドの進出側と退入側とに生じるヒステリシスを相対的に小さくすることにより、実車状態におけるラック上昇側(即ち、ピストンロッド進出側)及びラック下降側(即ち、ピストンロッド退入側)で必要となるユーザーの操作力を軽減し、ラック11の昇降時の操作性の向上が図られている。
なお、本実施例では、D=30mm、d=12mm、r=0.840の値が採用されている。ただし、受圧面積比率rについては、望ましくは0.80≦r≦0.89の範囲であればよく、一層望ましくは0.82≦r≦0.87の範囲であればよい。これらの上限値を超えるとピストンロッドに座屈発生のおそれがあり、一方下限値を下回ると特にラック上昇時の操作力が大となり、高齢者による電動アシスト付き自転車の駐輪操作等に支障を生じるおそれがある。
また、本実施例のガススプリング80では、ピストンロッド80Rに対する下向きの押出力PFに基づき得られる実車状態のラック11の上昇を補助するアシスト力AFが、147〜245N[=15〜25kgf]となっている。ガススプリング80は、2室801、802にそれぞれ封入された作動流体(不活性圧縮ガス)がピストン80Pに形成された1または複数のオリフィス80Fを介して流通する構成を有しており、シリンダ内径をD、ピストンロッド径をd、個々のオリフィス径をk(i=1〜n)、オリフィス数をnとした場合に、数1で表わされるガススプリング80のガス平均流通指数xの値が5≦x≦25となるよう調整されている。
Figure 2018039493
本実施例では、D=30mm,d=12mm,n=1,k1=1.0mm,x=21.0の値が採用されている。なお、ピストンロッドの押出力PF(ガス反力ともいう)はピストンロッド径dと封入ガス圧力pによって決まる(PF=p×πd /4)。また、動滑車8Mの使用によりAFはPFの整数分の1(ここではAF=PF/2)に減少できる。
(ガス平均流通指数)が上記範囲に調整されることにより、ラック11に実車状態の自転車110の上昇速度を0.5〜1.0m/sの範囲に定めることができる。実際に駐輪機100を利用するにあたっては、ラック11の上昇スピードが速すぎても遅すぎても問題があり、実際のところでは、ラックストロークの全長(ここでは1.2m)を1.5〜2.0secで上昇する速さとなることが理想である。xが上記範囲に調整されることで、理想的な速度でのラック11の上昇が可能になる。
なお、x(ガス平均流通指数)の範囲は、望ましくは7≦x≦23の範囲内、一層望ましくは8≦x≦21の範囲内に定められるとよい。これら上限値を超えると流通抵抗が増大して、特に冬季に作動不良のおそれがある。また、これら下限値を下回ると流通抵抗が減少して、特に夏季や過熱時に急上昇のおそれがある。
上記第一実施例はあくまでも例示にすぎない。本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、追加及び省略等の種々の変更が可能である。
上記第一実施例において、動滑車8M及び定滑車8Fに対し巻き掛けられ、下部台車20を牽引するワイヤー8wは、ロープ、ベルト、チェン等の連結部材とすることができる。
上記第一実施例において、ローラ821とレール831とを有して構成される直線状案内機構82Gは、それらの構成に代わって、直線状レールと直線状キャリッジとの間に複数の転動体(ボール又はころ)を介在させた“LMガイド”(THK株式会社登録商標)等の直線ガイド(リニアガイドとも通称される)を用いてもよい。これにより、一層高精度の直線状案内機構を構成できる。
上記第一実施例における定荷重ばね1(第一付勢手段)は、他の付勢部材とすることができ、例えばばね又はバランスウェイトを用いることができる。ばねには、ばね鋼等の金属からなる金属ばね(例えば、コイルばね、板ばね等)、合成ゴム、合成樹脂等からなる非金属ばね(例えば、ゴム製ダンパー等)、空気、油等からなる流体ばね(例えば、空気ばね、ガススプリング、オイルダンパー等)のいずれを用いてもよく、異種のばねを組み合わせて用いることもできる。次に記載する第二実施例では、定荷重ばね1に代わって補助ガススプリング81を用いた場合について説明する。
以下、他の実施例や参考例について説明する。ただし、上記第一実施例と同じ部分については同じ符号を付することで、説明を省略する。なお、上記第一実施例と下記実施例ないし参考例は、技術的な矛盾を生じない領域において適宜組み合わせて実施できる。
(第二実施例)
本発明の第二実施例について、図28〜図43を用いて説明する。
第二実施例の駐輪機200は、主に、定荷重ばね1に代わって補助ガススプリング81及び補助巻き掛け伝動機構800を採用した点と、第一実施例で用いられていたガススプリング80及び動滑車8M・定滑車8Fの配置を変更した点において、第一実施例の駐輪機100と異なる。
補助ガススプリング81は、図28〜図30、図41に示すように、下部台車20(第二昇降部)を牽引するガススプリング80とは別個に支柱3の内部に配置された他のガススプリングであり、定荷重ばね1に代わって上部台車10(第一昇降部)を牽引する。補助ガススプリング81は、ガススプリング80と同様、補助シリンダ81S、補助ピストン81P、補助ピストンロッド81R、補助オリフィス81F、及びシリンダ側取付部81BS、ロッド側取付部81BR等を備え、補助シリンダ81S内部の2室(ヘッド側密閉室811とロッド側密閉室812)内に作動流体(ここでは窒素ガス)が封入されている。そして、補助ピストンロッド81Rが常に伸び方向(図28、図29、図41では下方向)に押出力PF(ガス反力)を有している。
図42及び図43において、補助シリンダ81S内径をD、補助ピストンロッド81Rの径をd、補助ピストン81Pのヘッド側(即ち、シリンダ側取付部81BS側)の受圧面の面積(受圧面積)をAH、補助ピストン81Pのロッド側(即ち、ロッド側取付部81BR側)の受圧面の面積(受圧面積)をARとすると、それぞれは以下のように表される。
(5)AH=πD /4
(6)AR=AH−πd /4=π(D+d)(D−d)/4
このとき受圧面積比率rは、以下のように表される。
(7)r=AR/AH=(D+d)(D−d)/D
そして本実施例においては、この受圧面積比率rが以下の関係を満たすよう調整されている。
(8)0.77≦r≦0.92
このように、補助ガススプリング81の受圧面積比率rを比較的大にしてピストンロッドの進出側と退入側とに生じるヒステリシスを相対的に小さくすることにより、空車状態におけるラック上昇側(即ち、ピストンロッド進出側)及びラック下降側(即ち、ピストンロッド退入側)で必要となるユーザーの操作力を軽減し、ラック11の昇降時の操作性の向上が図られている。
なお、本実施例では、D=27mm,d=10mm,r=0.863の値が採用されている。ただし、受圧面積比率rについては、望ましくは0.80≦r≦0.89の範囲であればよく、一層望ましくは0.82≦r≦0.87の範囲であればよい。これらの上限値を超えるとピストンロッドに座屈発生のおそれがあり、一方下限値を下回ると特にラック上昇時の操作力が大となり、高齢者による電動アシスト付き自転車の駐輪操作等に支障を生じるおそれがある。
また、この実施例ではガススプリング80と補助ガススプリング81とは同じサイズのものが用いられ、図38〜図40においてD=D=27mm,d=d=10mmである。したがって、ガススプリング80の受圧面積比率rはr=r=0.863である。
なお、図38〜図40に示すように、本実施例では、数1においてD=27mm,d=10mm,n=3,k1=k=0.6mm,k=1.0mmであり、ガススプリング80のガス平均流通指数x=8.41の値が採用されている。
このように、本実施例のガススプリング80(図38〜図40参照)は、ピストン80Pのオリフィス数nを除いて、第一実施例のガススプリング80(図27A〜図27C参照)と共通の構造を有している。よって、本実施例におけるガススプリング80の作動(図38)は第一実施例におけるガススプリング80の作動(図27A)と同様であり、詳細説明を省略する。
次に、本実施例の補助ガススプリング81(図41〜図43参照)は、上記した通りガススプリング80(図38〜図40参照)とほぼ同様の構造を有している。ただし、図41に示す補助ガススプリング81には、図38に示すガススプリング80に封入された封止用オイルSOよりも多くの緩衝用オイルBOが封入されている。
図41に示すように、補助ガススプリング81の補助ピストン81Pは補助シリンダ81Sの内部において補助ピストンロッド81Rの基端部に接続され、補助シリンダ81Sの内部をヘッド側及びロッド側の密閉室811,812に区画する。補助ピストン81Pには窒素ガス(不活性圧縮ガス)及び緩衝用オイルBOの移動(流通)を許容する複数(ここでは3個)の補助オリフィス81Fが貫通形成されている。
窒素ガスは補助シリンダ81Sの内部に封入される。窒素ガスは、補助ピストンロッド81Rの突出時には補助オリフィス81Fを介してロッド側密閉室812からヘッド側密閉室811へ移動可能である(図41の(A)→(B))。一方、窒素ガスは、補助ピストンロッド81Rの退入時には補助オリフィス81Fを介してヘッド側密閉室811からロッド側密閉室812へ移動可能である(図41の(B)→(A))。
緩衝用オイルBOは、窒素ガス(不活性圧縮ガス)の封入領域(エリア)よりも補助ピストンロッド81Rの先端部側(下端部側)に封入される。緩衝用オイルBOは、補助ピストンロッド81Rの突出時には、窒素ガスの移動に引き続き補助オリフィス81Fを介してロッド側密閉室812からヘッド側密閉室811へ移動可能である(図41の(B)→(C))。一方、緩衝用オイルBOは、補助ピストンロッド81Rの退入時には、窒素ガスの移動に先行して補助オリフィス81Fを介してヘッド側密閉室811からロッド側密閉室812へ移動可能である(図41の(C)→(B))。
このようにして補助ガススプリング81は、補助ピストンロッド81Rの下向き突出時において、ロッド側密閉室812から補助オリフィス81Fを通りヘッド側密閉室811へ最初に流入する窒素ガスとその後に流入する緩衝用オイルBOとによって段階的な緩衝機能(図41の(B),(C))を発揮する。
具体的には、空車状態で上昇中のラック11(図23、図24参照)は、窒素ガスが補助オリフィス81Fを通過する際に第一段階の緩衝作用を受け(図41の(B))、上段停止位置が近づくにつれて徐々に上昇速度を低下する。さらに、緩衝用オイルBOが補助オリフィス81Fを通過する際に第二段階の緩衝作用を受け(図41の(C))、上段停止位置直前にて上昇速度をさらに低下する。
このように、オートリターン中のように空車状態で上昇中のラック11は、窒素ガスが補助オリフィス81Fを通過する際の第一段階の緩衝作用を継続的に受けた後、上段停止位置直前に緩衝用オイルBOが補助オリフィス81Fを通過する際の第二段階の緩衝作用を受けることになり、上段停止位置での振動騒音の発生が減少する。なお、緩衝用オイルBOには比較的粘度の低いマシン油、シリコーン油等が用いられる。
図29に戻り、補助ガススプリング81は、補助シリンダ81Sの後端(頭部)をなすシリンダ側取付部81BSが支柱3に対し取付部材380を介して間接的に(支柱3に対し直接でも可)取り付けられる一方、下向きに突出して牽引力を発揮する補助ピストンロッド81Rの先端部(図37参照)が、補助動滑車8Nを含む、伝動機構8とは別個に設けられた補助伝動機構800を介して上部可動体12に接続されている。なお、補助動滑車8Nは、巻き掛け伝動機構8の動滑車8Mとは別個に設けられた他の動滑車である。
取付部材380は、図30、図34に示すように、支柱3の上部に取り付けられる。ここでの取付部材380は、キャップ3Tに内包される形で、支柱3の上端部に対し固定されている。取付部材380は、天井壁部380cの正面側及び背面側から下方向に延出する対向壁部380w、380wを有した逆U字状の本体部380Cと、それら対向壁部380w、380wの双方を貫通する軸部材380Aと、それら対向壁部380w、380wからそれらの対向方向の外向きに広がる下端部380B、380Bと、を有する。下端部380B、380Bは、支柱3の上端の固定部3b、3bに対しボルトなどの締結部材によって固定されている。軸部材380Aは、ボルト及びナットからなる締結部材であり、対向壁部380w、380wに対しそれらを外側から挟みこむ形で締結固定されている。ガススプリング80、補助ガススプリング81は、それぞれのシリンダ側取付部80BS、81BSの取付孔内に軸部材380Aを貫通させた形で配置され、揺動中心をなす軸部材380A(シリンダ揺動軸)に対して前後方向に揺動可能とされている。なお、図30には、補助ガススプリング81のみが示されているが、ガススプリング80も同様にして取付部材380に対し揺動可能に固定されている。
補助巻き掛け伝動機構800は、図28に示すように、一端を支柱3に固定されワイヤー8x(補助連結部材)が、補助ピストンロッド81Rの先端部に取り付けられた補助動滑車8Nと支柱3に取り付けられた補助定滑車8Eとに巻き掛けられ(図34及び図35参照)、他端を上部可動体12(第一可動体:図29及び図33参照)に固定されて構成された、巻き掛け伝動機構8とは別個に設けられた他の巻き掛け伝動機構である。なお、ワイヤー8xは、巻き掛け伝動機構8のワイヤー8wとは別個に設けられた他のワイヤーであり、補助定滑車8Eも、定滑車8Fとは別個に設けられた他の定滑車である。
支柱3は、第一実施例と同様の形状を有する。ただし、巻き掛け伝動機構8、補助巻き掛け伝動機構800は、第一実施例とは異なり、図34及び図35に示すように、ラック11の長手方向に沿う幅中心線11yに対して左右に分かれ、かつ支柱3の内部で上下方向に直列ではなく並列に配置されている。即ち、巻き掛け伝動機構8、補助巻き掛け伝動機構800は、支柱3の内部でラック11の幅方向11xにおける正面側と背面側とに並んだ状態で配置されている。さらに、支柱3内において、仕切壁部3vに対し前方側の支柱内空間381に、下部可動体21を昇降動作させる巻き掛け伝動機構8の主要部と、上部可動体12を昇降動作させる補助巻き掛け伝動機構800の主要部との双方が設けられている。
巻き掛け伝動機構8のワイヤー8wは、図28に示すように、その環状の一端が、支柱3の上部の正面側と背面側の一方の側(ここでは正面側)に設けられた掛け止め部材86(支柱側固定部)に掛け止め固定され、他端側が下方へと延びている。
他方、補助巻き掛け伝動機構8のワイヤー8xは、図28に示すように、その環状の一端が、ワイヤー8wの逆側である支柱3の上部の正面側と背面側の他方の側(ここでは背面側)に設けられた掛け止め部材860(支柱側固定部)に掛け止め固定され、他端側が下方へと延びている。
巻き掛け伝動機構8の動滑車8Mは、図35に示すように、支柱3の内部の正面側に配置され、正面側を上下方向に昇降する。具体的にいえば、動滑車8Mは、ピストンロッド80Rの先端部に取り付けられた中間可動部82に設けられており、支柱3の内部の正面側に設けられたレール831(ガイドレール)によって、ローラ821(ガイドローラ)付きの中間可動部82が、支柱3の軸線方向である鉛直方向に移動案内されることにより、動滑車8Mはその鉛直方向に昇降する。この中間可動部82を移動案内する機構(レール831とローラ821)が、ガススプリング80のピストンロッド80Rの進出・退入に応じて動滑車8Mを上下方向に往復移動させるための直線状案内機構80Gである。
他方、補助巻き掛け伝動機構800の補助動滑車8Nは、図35に示すように、動滑車8Mの逆側である支柱3の内部の背面側に配置され、背面側を上下方向に昇降する。具体的にいえば、補助動滑車8Nは、補助ピストンロッド81Rの先端部に取り付けられた補助中間可動部820に設けられており、支柱3の内部の背面側に設けられたレール832(ガイドレール)によって、ローラ822(ガイドローラ)付きの補助中間可動部820が、支柱3の軸線方向である鉛直方向に移動案内されることにより、補助動滑車8Nはその鉛直方向に昇降する。この補助中間可動部820を移動案内する機構(レール832とローラ822)が、補助ガススプリング81の補助ピストンロッド81Rの進出・退入に応じて補助動滑車8Nを(伝動機構8の動滑車8Mとは独立して)上下方向に往復移動させるための補助直線状案内機構81Gである。
なお、動滑車8M及び補助動滑車8Nは、対応するワイヤー8w、8xの脱落を阻止する脱落阻止手段82Bをそれぞれ有する。脱落阻止手段82Bは、動滑車8M、補助動滑車8Nの案内溝8vの外周側にオーバーラップする形で配置される部材である。ここでの中間可動部82、補助中間可動部820は、図36及び図37に示すように、上側に位置する底壁部82bと、底壁部82bの左右両側にて下方に屈曲して互いに対面する形で延びる対向壁部82w、82wと、を有したU字状の本体部82Cをそれぞれ備え、それら対向壁部82w、82wに対し双方を貫通する形で固定された軸状部材82cを有する。ここでの軸状部材82cは、動滑車8M、補助動滑車8Nを支持する軸部材8A(動滑車支持軸)よりも下方で、かつ軸部材8Aに対し前後双方の側にそれぞれ配置されている。これら一対の軸状部材82cが動滑車8M、補助動滑車8Nの脱落阻止手段82Bとしてそれぞれ機能している。
中間可動部82、補助中間可動部820は、図36及び図37に示すように、互いに同様の構成を有しており、各々に対応するガススプリング80、補助ガススプリング81のピストンロッド80R、補助ピストンロッド81Rの先端部が固定される一方で、各々に対応する動滑車8M、補助動滑車8Nが軸部材8A(動滑車支持軸)により回転可能に支持されている。ここでの中間可動部82、補助中間可動部820は、上側に位置する底壁部82bに雌ネジ穴82Hが設けられ、各々に対応するピストンロッド80R、補助ピストンロッド81Rの先端に設けられた雄ネジ部をなすロッド側取付部80BR、81BRが、当該雌ネジ穴82H内に螺合する形で固定されている。つまり、ここでの中間可動部82、補助中間可動部820は、鉛直方向3zに対し傾斜角度θを有するピストンロッド80R、補助ピストンロッド81Rの先端部に揺動しない形でそれぞれ固定配置されている。
また、図35に示すように、中間可動部82、補助中間可動部820には、本体部82Cの正面側と背面側との双方に対をなすローラ821、822(ここでは各1対)が回転自在に取り付けられており、各々に対応するピストンロッド80R、補助ピストンロッド81Rと一体的に昇降可能である。支柱3内に並ぶ4個のローラ821、821、822、822のうち、外側に位置するローラ821、822は、仕切壁部3vの端部3vrと、これに対向するよう周壁3wが屈曲して形成された対向部3wrとにより形成されるレール831、832で各々ガイドされる。一方、内側に位置するローラ821、822は、仕切壁部3vに設けられた内側レール部830のレール部831a、831bで各々ガイドされる。なお、内側レール部830は、レール部831a、831bを仕切るようそれらの間にて後方に突出するレール面仕切部831cを有する。内側レール部830は、図示のごとく仕切壁部3vとは別体に形成される構成、あるいは仕切壁部3vと一体に成形される構成のいずれであってもよい。支柱3の後方側の支柱内空間382は、上下方向にわたって後方に向けて開口しているため、内側レール部830をなすレール部材を、仕切壁部3vの前方側に壁面上に配置した上で、ボルトやビスによって後方側の支柱内空間382から容易に固定することができる。
伝動機構8の定滑車8Fは、図34に示すように、平面視において、その巻き掛け中心線8fが幅中心線11yと交差するように傾斜して配置される。伝動機構8のワイヤー8wは、前方側の支柱内空間381内において動滑車8Mから上方に延びるとともに、その先で定滑車8Fに巻き掛けられると、巻き掛け中心線8fの幅中心線11yとの交点から垂下して、後方側の支柱内空間382を通って下部可動体21に至り、掛け止め部28に固定される(図31参照)。
なお、下部可動体21を含む下部台車20の構成は第一実施例と同様であるため説明を省略する。
他方、補助巻き掛け伝動機構800の補助定滑車8Eは、図34に示すように、平面視において、巻き掛け伝動機構8の定滑車8Fよりも前方に位置し、自身の巻き掛け中心線8eが幅中心線11yと交差するように傾斜して配置される。補助巻き掛け伝動機構800のワイヤー8xは、前方側の支柱内空間381内において、巻き掛け伝動機構8のワイヤー8wよりも後方側で補助動滑車8Nから上方に延びるとともに、その先で補助定滑車8Eに巻き掛けられると、巻き掛け中心線8eの幅中心線11yとの交点から垂下して、後方側の支柱内空間382で、巻き掛け伝動機構8のワイヤー8wよりも後方側を通って上部可動体12に至り、掛け止め部18に固定される(図30参照)。
なお、上部可動体12及びラック11を含む上部台車10の構成は第一実施例と同様であるため説明を省略する。
定滑車8F及び補助定滑車8Eは、図30に示すように、対応する取付部材380F、380Eによって支柱3の上部にそれぞれ固定される。ここでの取付部材380F、380Eは、第一実施例の取付部材38と同様、U字状の板材であり、底壁部380sと対向壁部380t、380tとをそれぞれ有する。各底壁部380sは、支柱3の上部に取り付けられる別の取付部材380の天井壁部380cに対しボルト部材によって締結固定されている。ここでの取付部材380F、380Eには、対向壁部380t、380tの双方を貫通して定滑車8F、補助定滑車8Eを支持する軸部材8A(定滑車支持軸)がそれぞれ備えられている。一方、その軸部材8Aよりも上側となる位置において、対向壁部380t、380tの双方を貫通する軸状部材380uがそれぞれ備えられている。これらの軸状部材380uは定滑車8F、補助定滑車8Eの案内溝8vの外周側にそれぞれオーバーラップして配置され、各々が定滑車8F、補助定滑車8Eの脱落阻止手段38Bとして機能している。
ガススプリング80の作動について、図38は第一実施例の図27Cと同様である。また、ガススプリング80及び巻き掛け伝動機構8による下部台車20の昇降は第一実施例と同様であり、ここでの説明は省略する。
次に、補助ガススプリング81及び補助巻き掛け伝動機構800による上部台車10の昇降について説明する。
補助ガススプリング81は、補助ピストンロッド81Rに対し常に下方への押出力(付勢力ともいえる)を発揮するものである。このため、その押出力に従って補助ピストンロッド81Rが下方に伸びていくと、補助ピストンロッド81Rの先端の補助動滑車8Nも連動して降下していき、補助定滑車8Eに巻き掛けられたワイヤー8xは、補助動滑車8N側へと引き下げられていく。その結果、補助定滑車8Eに巻き掛けられたワイヤー8xの、補助動滑車8N側とは逆側が引き上げられていき、その先に固定されている上部台車10が上昇していく。
他方、上昇した上部台車10に対し下方に押し下げる外力(例えば自転車の車重やユーザの手による押し下げ力)が作用した際には、補助ピストンロッド81Rの下方への押出力に抗する形で、補助定滑車8Eに巻き掛けられたワイヤー8xは、補助動滑車8N側が引き上げられていく。そして、このとき補助動滑車8Nも引き上げられて、補助ピストンロッド81Rが補助シリンダ81S内部へと退入していく。
このように、補助ガススプリング81による上部台車10の昇降は、ガススプリング80による下部台車20の昇降と同様にして生じる。一方で、補助ガススプリング81による上部台車10の昇降は、第一実施例の定荷重ばね1による上部台車10の昇降と同様であり、上部台車10が常に上方に付勢される中、その付勢力を利用して上昇を生じさせる一方、その付勢力に抗する外力を利用して下降を生じさせる。このため、第二実施例の駐輪機200の作動については、操作の順序を含め、上記第一実施例の駐輪機100と同様に生じる。なお、補助ガススプリング81の作動について、図41において既に詳細に説明した。よって、第二実施例の駐輪機200の作動については、その説明を省略する。
(第一参考例)
図44〜図46に補助ガススプリングの第一参考例を示す。補助ガススプリング81’の補助ピストン81P’には、窒素ガス(不活性圧縮ガス)のみの移動(流通)を許容する複数(ここでは2個)のガス用補助オリフィス81F’が貫通形成されている。また、補助ピストン81P’から所定距離離間してオリフィス板81pが補助ピストンロッド81Rの中途部に固定されている。このオリフィス板81pには、緩衝用オイルBOのみの移動(流通)を許容する複数(ここでは2個)のオイル用補助オリフィス81fが貫通形成されている。
この参考例では、ガスの流通専用の補助オリフィス81F’を有する補助ピストン81P’と、オイルの流通専用の補助オリフィス81fを有するオリフィス板81pとを設けることによって、補助ガススプリング81’は二段階の緩衝機能を発揮できる。なお、図45,図46では、ガス用補助オリフィス81F’とオイル用補助オリフィス81fとは周方向で一致するように配置され、後者は前者よりも大径に形成されている。補助ピストン81P’とオリフィス板81pとの離間距離、ガス用補助オリフィス81F’とオイル用補助オリフィス81fとの位置関係、それらの大小関係等については、適宜定めることができる。
(第二参考例)
図47〜図50に補助ガススプリングの第二参考例を示す。補助ガススプリング81”の補助ピストン81P”には、窒素ガス(不活性圧縮ガス)のみの移動(流通)を許容する複数(ここでは2個)のガス用補助オリフィス81F”が貫通形成されている。また、補助ピストン81P”から各々所定距離離間して第一オリフィス板81p1及び第二オリフィス板81p2が補助ピストンロッド81Rの中途部に固定されている。各々のオリフィス板81p1,81p2には、緩衝用オイルBOのみの移動(流通)を許容する複数(ここでは2個ずつ)のオイル用補助オリフィス81f1,81f2が貫通形成されている。
この参考例では、ガスの流通専用の補助オリフィス81F”を有する補助ピストン81P”と、オイルの流通専用の第一及び第二補助オリフィス81f1,81f2を有する第一及び第二オリフィス板81p1,81p2とを設けることによって、補助ガススプリング81”は三段階の緩衝機能を発揮できる。なお、図48〜図50では、ガス用補助オリフィス81F”、オイル用第一補助オリフィス81f1及びオイル用第二補助オリフィス81f2は周方向で一致するように配置され、後ろのものほど大径に形成されている。補助ピストン81P”と第一及び第二オリフィス板81p1,81p2との離間距離、ガス用補助オリフィス81F”とオイル用第一及び第二補助オリフィス81f1,81f2との位置関係、それらの大小関係等については、適宜定めることができる。
(第三実施例)
本発明の第三実施例について、図51〜図53を用いて説明する。
第三実施例の駐輪機300は、主に、定荷重ばね1、補助ガススプリング81及び補助巻き掛け伝動機構800が存在しない点と、ガススプリング80及び巻き掛け伝動機構8が上部台車10に連結され、上部台車10を昇降させる点において、第一実施例の駐輪機100(又は第二実施例の駐輪機200)とは異なる。
後者に関していえば、第三実施例の駐輪機300では、ラックを有する上部台車10は、第一実施例の駐輪機100(又は第二実施例の駐輪機200)における上部台車10と下部台車20とが常時一体となったものに相当し、上部台車10と下部台車20とを一体化する係合部30が存在していない。従って、第三実施例の駐輪機300は、使用しない場合には、第一実施例の駐輪機100(又は第二実施例の駐輪機200)のように空車状態のラック11を上段位置(図1〜図6参照)で待機させる構成ではなく、空車状態のラック11を下段位置で待機させる。
ただし、図53に示すように、第三実施例の駐輪機300では下段位置での待機状態において水平姿勢から倒立姿勢に変更し、収納状態(不使用状態)とする。即ち、第三実施例の駐輪機300は、ラック11が上部可動体12に対し、支柱3側端部に位置する支持軸70を中心に水平姿勢(図51、図52)と倒立姿勢(図53)との間で回動可能に保持されている。空車状態のラック11が下段(下方)位置で水平姿勢から倒立姿勢に変更されて収納状態とされるので、このような駐輪機300は跳ね上げ収納式駐輪機と呼ばれている。
第三実施例の駐輪機300における上部台車10の昇降について説明する。
第三実施例の上部台車10は、既に述べたように、第一実施例(又は第二実施例)において上部台車10と下部台車20が一体化された台車であり、単一のガススプリング80によって牽引されるものと考えることができる。そうすると、第三実施例の上部台車10では、図11のラック11が空車状態で下段位置に保持された実車前状態から、自転車110が搭載された図14の実車状態となり、その実車状態にてラック11が上昇して上段位置となって図17の待機状態に移行するという一連の上昇動作は、第一実施例(又は第二実施例)における、一体となった上部台車10と下部台車20の上昇動作と同様に行われる。さらに、第三実施例の上部台車10では、その実車状態でラック11が上端位置にある図17の待機状態から、ラック11が下降して図14の下段位置となって自転車110の降車可能状態に移行するという一連の下降動作が、第一実施例(又は第二実施例)における、一体となった上部台車10と下部台車20の下降動作と同様に行われる。
なお、上部台車10に対するラック11の倒立姿勢機構、倒立姿勢解除機構等は跳ね上げ収納式における既知の構造(例えば、特開2012−86806号公報、特開2011−173476号公報等参照)を採用できる。なお、ラック11は倒立姿勢(収納姿勢)において中間で折れ曲るように構成(中折れ式)してもよい。
100,200,300 駐輪機
110 自転車
1 定荷重ばね(第一付勢部材)
3 支柱
8 巻き掛け伝動機構
8M 動滑車
8F 定滑車
8f 巻き掛け中心線
8w ワイヤー(連結部材)
10 上部台車(第一昇降部;昇降部)
11 ラック
11y 幅中心線
12 上部可動体(第一可動体;可動体)
20 下部台車(第二昇降部)
21 下部可動体(第二可動体)
30U 上側係合部(係合部)
30L 下側係合部(係合部)
321 上側当接部(当接部)
323 タイヤ受け(車輪受け手段)
331 下側当接部(当接部)
38 取付部材
60 タイヤガード(車輪保護手段;浮き上がり抑制手段)
62 サイドガイド(倒れ防止手段)
80 ガススプリング(第二付勢部材;付勢部材)
80S シリンダ
80P ピストン
80R ピストンロッド
80F オリフィス
80G,82G 直線状案内機構
81 補助ガススプリング(第一付勢部材;他のガススプリング)
81S 補助シリンダ
811 ヘッド側密閉室
812 ロッド側密閉室
81P 補助ピストン
81R 補助ピストンロッド
81F 補助オリフィス
81G 補助直線状案内機構
800 補助巻き掛け伝動機構(他の巻き掛け伝動機構)
8N 補助動滑車
8E 補助定滑車
8e 巻き掛け中心線
8x ワイヤー(補助連結部材)
SO 封止用オイル(気密用オイル)
BO 緩衝用オイル
ガススプリング80の受圧面積比率
補助ガススプリング81の受圧面積比率
ガススプリング80のガス平均流通指数
上記課題を解決するために、発明の駐輪機は、
自転車を搭載可能なラックと、そのラックを上下方向に筒状形態で立設された支柱に沿って昇降可能な第一可動体(例えば上部可動体)とを有し、自転車を搭載しない空車状態のラックと前記第一可動体との合計荷重を牽引する機能を有する第一付勢部材によって常時上方に引き上げるように付勢される第一昇降部(例えば上部台車)と、
その第一昇降部の下方に配置され、前記支柱に沿って前記第一昇降部と一体的に昇降可能な第二可動体(例えば下部可動体)を有し、前記ラックに実車状態で搭載された自転車と前記第二可動体との合計荷重を牽引する機能を有する第二付勢部材によって常時上方に引き上げるように付勢される第二昇降部(例えば下部台車)と、
前記第一昇降部と第二昇降部との間に設けられ、それらを前記支柱に対し個別にロック可能にするとともに、前記空車状態では前記第一昇降部の単独状態での昇降を可能とし、前記実車状態では前記第一昇降部及び第二昇降部にそれぞれ設けられた当接部が圧接することにより両者が一体化した状態での昇降を可能とする係合部と、を備える駐輪機であって、
前記第二付勢部材は、前記支柱の内部に配置されたガススプリングで構成され、該ガススプリングのシリンダ(の頭部)は前記支柱に対し直接又は取付部材を介して間接的に取り付けられ、下向きに突出して牽引力を発揮するピストンロッドの先端部は動滑車を含む巻き掛け伝動機構を介して前記第二可動体に接続され
前記第一付勢部材は、前記ガススプリングとは別個に前記支柱の内部に配置された他のガススプリングである補助ガススプリングで構成され、該補助ガススプリングの補助シリンダ(の頭部)は前記支柱に直接又は取付部材を介して間接的に取り付けられ、下向きに突出して牽引力を発揮する補助ピストンロッドの先端部は、前記動滑車とは別個に設けられた他の動滑車である補助動滑車を含む、前記巻き掛け伝動機構とは別個に設けられた他の巻き掛け伝動機構である補助巻き掛け伝動機構を介して前記第一可動体に接続され、
前記巻き掛け伝動機構は、一端を前記支柱に固定された連結部材が、前記ピストンロッドの先端部に取り付けられた前記動滑車と前記支柱に取り付けられた定滑車とに巻き掛けられ、他端を前記第二可動体に固定されて構成される一方、
前記補助巻き掛け伝動機構は、一端を前記支柱に固定され前記連結部材とは別個に設けられた他の連結部材である補助連結部材が、前記補助ピストンロッドの先端部に取り付けられた前記補助動滑車と、前記支柱に取り付けられかつ前記定滑車とは別個に設けられた他の定滑車である補助定滑車とに巻き掛けられ、他端を前記第一可動体に固定されて構成され、
前記巻き掛け伝動機構と前記補助巻き掛け伝動機構とは前記ラックの長手方向に沿う幅中心線に対して左右に分かれかつ前記支柱の内部で上下方向(例えば鉛直方向)に並列して配置され、
平面視において、前記定滑車及び前記補助定滑車の巻き掛け中心線は、長手方向に所定距離離間した位置で前記幅中心線とそれぞれ交差するように傾斜して配置されるとともに、前記定滑車に巻き掛けられた前記連結部材は前記幅中心線との交点から垂下して前記第二可動体に至り、前記補助定滑車に巻き掛けられた前記補助連結部材は前記幅中心線との交点から垂下して前記第一可動体に至ることを特徴とする。
また、本発明と同様の課題を解決するために、他の駐輪機においては、
自転車を搭載したラックと、そのラックを上下方向に筒状形態で立設された支柱に沿って昇降可能な可動体とを有し、前記ラック、前記可動体及び前記ラックに実車状態で搭載された自転車の合計荷重を牽引する機能を有する付勢部材によって常時上方に引き上げるように付勢される昇降部を備える駐輪機であって、
前記付勢部材は、前記支柱の内部に配置されたガススプリングで構成され、該ガススプリングのシリンダ(の頭部)は前記支柱に対し直接又は取付部材を介して間接的に取り付けられ、下向きに突出して牽引力を発揮するピストンロッドの先端部は動滑車を含む巻き掛け伝動機構を介して前記可動体に接続される場合がある
このように、跳ね上げ収納式即ち、空車状態のラックが下段(下方)位置で水平姿勢から倒立姿勢に変更されて収納状態(不使用状態)になるタイプの駐輪機の場合には、付勢部材がガススプリングで構成され、そのシリンダは支柱に取り付けられピストンロッドは動滑車を含む巻き掛け伝動機構を介して可動体に接続されることにより、支柱の内部にコンパクトに収容配置できるので、設置時に要する初期投資やその後の保守費用が抑制され、耐久性も向上する。また、付勢部材にガススプリングを用いたので、シリンダの内部密封空間に封入された不活性ガスによって、ラックと可動体と実車状態の自転車との合計荷重を牽引する機能と上段停止位置での緩衝機能とが発揮され、ラックに搭載される自転車の個別重量が変化した場合でもラックの上昇速度を安定させ振動騒音の発生を抑制し、稼働時に安定かつ静穏なラック上昇が可能となる。なお、ガススプリング、巻き掛け伝動機構及び動滑車については上記本発明と同様である。
本発明の駐輪機において、上記第一付勢部材は、ガススプリングとは別個に支柱の内部に配置された他のガススプリングである補助ガススプリングで構成され、補助ガススプリングの補助シリンダ(の頭部)は支柱に直接又は取付部材を介して間接的に取り付けられ、下向きに突出して牽引力を発揮する補助ピストンロッドの先端部は、動滑車とは別個に設けられた他の動滑車である補助動滑車を含む、巻き掛け伝動機構とは別個に設けられた他の巻き掛け伝動機構である補助巻き掛け伝動機構を介して第一可動体に接続される。
本発明の前提となる駐輪機の基本構成例として、ラックが空車状態で上段位置にあり、待機状態であることを表わす全体正面図。 図1の右側面図。 図1の左側面図。 図1のA1部及びA2部の拡大図。 図1のB1部及びB2部の拡大図。 図4の要部の説明図。 図1の動滑車を平面視した支柱の断面図。 図1の定滑車を平面視した支柱の断面図。 図7の動滑車が設けられた中間可動部の正面図。 図9の中間可動部の側面図。 図1に続いてラックが空車状態で下段位置にあることを表わす全体正面図。 図11のC部の拡大図。 図12の要部を説明する平面図及び右側面図。 図11に続いてラックが実車状態で下段位置にあることを表わす全体正面図。 図14のD部の拡大図。 図15の要部を説明する平面図及び右側面図。 図14に続いてラックが実車状態で上段位置にあることを表わす全体正面図。 図17の左側面図。 図17のE1部、E2部、E3部の拡大図。 図17に続いてラックが降車状態で下段位置にあることを表わす全体正面図。 図20のF部の拡大図。 図21の要部を説明する平面図及び右側面図。 図20に続いてラックが降車状態で下段位置から上昇中であることを表わす全体正面図。 図23のG部の拡大図。 ラックの正面図。 図25の平面図。 ガススプリングの構成と作動を示す断面説明図。 ピストンのヘッド側端面説明図。 ピストンのロッド側端面説明図。 本発明の駐輪機の実施例として、ラックが空車状態で上段位置にあり、待機状態であることを表わす全体右側面図。 図28の背面図。 図29のH部の拡大図。 図28の正面図。 図31に続いてラックが空車状態で下段位置にあることを表わす正面図。 図32の背面図。 図28の動滑車を平面視した支柱の断面図。 図28の定滑車を平面視した支柱の断面図。 図28の動滑車が設けられた中間可動部の正面図。 図36の中間可動部の側面図。 ガススプリングの構成と作動を示す断面説明図。 ピストンのヘッド側端面説明図。 ピストンのロッド側端面説明図。 補助ガススプリングの構成と作動を示す断面説明図。 補助ピストンのヘッド側端面説明図。 補助ピストンのロッド側端面説明図。 補助ガススプリングの第一参考例を示す断面説明図。 図44に示す補助ピストンのロッド側端面説明図。 図44に示すオリフィス板の端面説明図。 補助ガススプリングの第二参考例を示す断面説明図。 図47に示す補助ピストンのロッド側端面説明図。 図47に示す第一オリフィス板の端面説明図。 図47に示す第二オリフィス板の端面説明図。 駐輪機の他の構成例として、実車状態のラックが上段位置で停止状態にあるときの全体正面図。 図51の駐輪機において、実車状態のラックが下段位置で停止状態にあるときの全体正面図。 図51の駐輪機において、空車状態のラックが下段位置で収納状態にあるときの全体正面図。
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。
基本構成例)
本発明の前提となる駐輪機の基本構成例について説明する。図1〜図6では、駐輪機100が待機状態、即ち、自転車110(図14参照)を搭載する(載せる)ためのラック11が、空車状態(非搭載状態)でベース部4から上下方向に立設された四角筒状の支柱3の上段位置(上方位置)にあることを表わしている。なお、本発明は上下2段のラックを有する垂直昇降式駐輪機に適用できるが、ここに示す構成例では待機状態で下段(下方)に位置するラックの図示を省略し、待機状態で上段(上方)に位置するラックのみについて説明する。
具体的には、ロッド側密閉室802内の窒素ガス(不活性圧縮ガス)がオリフィス80Fを通過してヘッド側密閉室801へ流入することによって、ピストン80P及びピストンロッド80Rを下向きに押す押出力PF(ガス反力)を発生する(図27Aの(A)→(B))。この構成例では動滑車8M(詳しくは後述する)を用いているため、実車状態のラック11はピストンロッドストローク80RS(例えば、下向きの突出量60cm)の約2倍のラックストローク11RS(例えば1.2m)を上昇する(図17参照)。そして、窒素ガスの移動(オリフィス80Fの通過)に伴って押出力PFは徐々に減少する。言い換えれば、特にピストンロッドストローク80RS(ラックストローク11RS)の終末区間においてガススプリング80はショックアブソーバ(ダンパ)としても機能しているから、実車状態のラック11の上昇速度を緩和して上段位置における振動騒音の軽減を図ることができる。なお、ピストンロッド80Rに押込力(外力)が作用すると、ヘッド側密閉室801内の窒素ガスがオリフィス80Fを通過してロッド側密閉室802へ流入し、ピストンロッド80Rがシリンダ80S内に退入復帰する(図27Aの(B)→(A))。
タイヤ受け323は、搭載時における先行導入車輪(図14及び図17では前輪110F)を保持して自転車110の導入位置を規定するものであり、樋形状のラック11の底部に設けられている。なお、タイヤ受け323は、自転車110の導入位置を規定するべく先行導入車輪を保持するものであれば、本構成例とは異なる他の形態であってもよい。
特許文献1に示すような従来の駐輪機においては、本構成例のガススプリング80に代わって定荷重ばね(特許文献1における第二定荷重ばね)が用いられている。ところが、特許文献1の定荷重ばね方式では、例えば定荷重ばねの定格荷重25kgfに対し15kgf未満の軽量自転車が搭載された際に、ラックの急速上昇を抑制して上段での急停止に伴う振動騒音を緩和するためには、ばね力の再調整・追加調整を要する事態に至る可能性がある。これに対し、本構成例のようにガススプリング80を用いる構成とすれば、シリンダ80S内部の密封空間に封入されたガスによって、実車状態の自転車110と下部台車20との合計荷重を牽引する機能と、上段停止位置への上方引き上げ時における減速・定速化機能と、上段停止位置での緩衝機能とが発揮され、ラックに搭載される自転車の個別重量が変化した場合でもラックの上昇速度を安定させ振動騒音の発生を抑制し、稼働時に安定かつ静穏なラック上昇が可能となる。さらに、動滑車8Mを含む巻き掛け伝動機構8を用いることで、ガススプリング80を支柱3内部にコンパクトに収容配置でき、設置時に要する初期投資やその後の保守費用が抑制され、耐久性も向上する。
しかしながら、駐輪機100において本構成例のようなガススプリング方式を採用する場合には、次のような課題が発生する。
このような新たな課題を解決するために、図27A〜図27Cにおいて、シリンダ80S内径をD、ピストンロッド80Rの径をd、ピストン80Pのヘッド側(即ち、シリンダ側取付部80BS側)の受圧面の面積(受圧面積)をAH、ピストン80Pのロッド側(即ち、ロッド側取付部80BR側)の受圧面の面積(受圧面積)をARとすると、それぞれは以下のように表される。
(1)AH=πD /4
(2)AR=AH−πd /4=π(D+d)(D−d)/4
このとき受圧面積比率rは、以下のように表される。
(3)r=AR/AH=(D+d)(D−d)/D
そして本構成例においては、この受圧面積比率rが以下の関係を満たすよう調整されている。
(4)0.77≦r≦0.92
なお、本構成例では、D=30mm、d=12mm、r=0.840の値が採用されている。ただし、受圧面積比率rについては、望ましくは0.80≦r≦0.89の範囲であればよく、一層望ましくは0.82≦r≦0.87の範囲であればよい。これらの上限値を超えるとピストンロッドに座屈発生のおそれがあり、一方下限値を下回ると特にラック上昇時の操作力が大となり、高齢者による電動アシスト付き自転車の駐輪操作等に支障を生じるおそれがある。
また、本構成例のガススプリング80では、ピストンロッド80Rに対する下向きの押出力PFに基づき得られる実車状態のラック11の上昇を補助するアシスト力AFが、147〜245N[=15〜25kgf]となっている。ガススプリング80は、2室801、802にそれぞれ封入された作動流体(不活性圧縮ガス)がピストン80Pに形成された1または複数のオリフィス80Fを介して流通する構成を有しており、シリンダ内径をD、ピストンロッド径をd、個々のオリフィス径をk(i=1〜n)、オリフィス数をnとした場合に、数1で表わされるガススプリング80のガス平均流通指数xの値が5≦x≦25となるよう調整されている。
構成例では、D=30mm,d=12mm,n=1,k1=1.0mm,x=21.0の値が採用されている。なお、ピストンロッドの押出力PF(ガス反力ともいう)はピストンロッド径dと封入ガス圧力pによって決まる(PF=p×πd /4)。また、動滑車8Mの使用によりAFはPFの整数分の1(ここではAF=PF/2)に減少できる。
上記基本構成例はあくまでも例示にすぎない。駐輪機の基本構成はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、追加及び省略等の種々の変更が可能である。
上記基本構成例において、動滑車8M及び定滑車8Fに対し巻き掛けられ、下部台車20を牽引するワイヤー8wは、ロープ、ベルト、チェン等の連結部材とすることができる。
上記基本構成例において、ローラ821とレール831とを有して構成される直線状案内機構82Gは、それらの構成に代わって、直線状レールと直線状キャリッジとの間に複数の転動体(ボール又はころ)を介在させた“LMガイド”(THK株式会社登録商標)等の直線ガイド(リニアガイドとも通称される)を用いてもよい。これにより、一層高精度の直線状案内機構を構成できる。
上記基本構成例における定荷重ばね1(第一付勢手段)は、他の付勢部材とすることができ、例えばばね又はバランスウェイトを用いることができる。ばねには、ばね鋼等の金属からなる金属ばね(例えば、コイルばね、板ばね等)、合成ゴム、合成樹脂等からなる非金属ばね(例えば、ゴム製ダンパー等)、空気、油等からなる流体ばね(例えば、空気ばね、ガススプリング、オイルダンパー等)のいずれを用いてもよく、異種のばねを組み合わせて用いることもできる。次に記載する実施例では、定荷重ばね1に代わって補助ガススプリング81を用いた場合について説明する。
以下、実施例や他の構成例について説明する。ただし、上記基本構成例と同じ部分については同じ符号を付することで、説明を省略する。なお、上記基本構成例と下記実施例ないし他の構成例は、技術的な矛盾を生じない領域において適宜組み合わせて実施できる。
実施例)
本発明の実施例について、図28〜図43を用いて説明する。
実施例の駐輪機200は、主に、定荷重ばね1に代わって補助ガススプリング81及び補助巻き掛け伝動機構800を採用した点と、基本構成例で用いられていたガススプリング80及び動滑車8M・定滑車8Fの配置を変更した点において、基本構成例の駐輪機100と異なる。
このように、本実施例のガススプリング80(図38〜図40参照)は、ピストン80Pのオリフィス数nを除いて、基本構成例のガススプリング80(図27A〜図27C参照)と共通の構造を有している。よって、本実施例におけるガススプリング80の作動(図38)は基本構成例におけるガススプリング80の作動(図27A)と同様であり、詳細説明を省略する。
支柱3は、基本構成例と同様の形状を有する。ただし、巻き掛け伝動機構8、補助巻き掛け伝動機構800は、基本構成例とは異なり、図34及び図35に示すように、ラック11の長手方向に沿う幅中心線11yに対して左右に分かれ、かつ支柱3の内部で上下方向に直列ではなく並列に配置されている。即ち、巻き掛け伝動機構8、補助巻き掛け伝動機構800は、支柱3の内部でラック11の幅方向11xにおける正面側と背面側とに並んだ状態で配置されている。さらに、支柱3内において、仕切壁部3vに対し前方側の支柱内空間381に、下部可動体21を昇降動作させる巻き掛け伝動機構8の主要部と、上部可動体12を昇降動作させる補助巻き掛け伝動機構800の主要部との双方が設けられている。
なお、下部可動体21を含む下部台車20の構成は基本構成例と同様であるため説明を省略する。
なお、上部可動体12及びラック11を含む上部台車10の構成は基本構成例と同様であるため説明を省略する。
定滑車8F及び補助定滑車8Eは、図30に示すように、対応する取付部材380F、380Eによって支柱3の上部にそれぞれ固定される。ここでの取付部材380F、380Eは、基本構成例の取付部材38と同様、U字状の板材であり、底壁部380sと対向壁部380t、380tとをそれぞれ有する。各底壁部380sは、支柱3の上部に取り付けられる別の取付部材380の天井壁部380cに対しボルト部材によって締結固定されている。ここでの取付部材380F、380Eには、対向壁部380t、380tの双方を貫通して定滑車8F、補助定滑車8Eを支持する軸部材8A(定滑車支持軸)がそれぞれ備えられている。一方、その軸部材8Aよりも上側となる位置において、対向壁部380t、380tの双方を貫通する軸状部材380uがそれぞれ備えられている。これらの軸状部材380uは定滑車8F、補助定滑車8Eの案内溝8vの外周側にそれぞれオーバーラップして配置され、各々が定滑車8F、補助定滑車8Eの脱落阻止手段38Bとして機能している。
ガススプリング80の作動について、図38は基本構成例の図27Cと同様である。また、ガススプリング80及び巻き掛け伝動機構8による下部台車20の昇降は基本構成例と同様であり、ここでの説明は省略する。
このように、補助ガススプリング81による上部台車10の昇降は、ガススプリング80による下部台車20の昇降と同様にして生じる。一方で、補助ガススプリング81による上部台車10の昇降は、基本構成例の定荷重ばね1による上部台車10の昇降と同様であり、上部台車10が常に上方に付勢される中、その付勢力を利用して上昇を生じさせる一方、その付勢力に抗する外力を利用して下降を生じさせる。このため、実施例の駐輪機200の作動については、操作の順序を含め、上記基本構成例の駐輪機100と同様に生じる。なお、補助ガススプリング81の作動について、図41において既に詳細に説明した。よって、実施例の駐輪機200の作動については、その説明を省略する。
他の構成例)
駐輪機の他の構成例について、図51〜図53を用いて説明する。
他の構成例の駐輪機300は、主に、定荷重ばね1、補助ガススプリング81及び補助巻き掛け伝動機構800が存在しない点と、ガススプリング80及び巻き掛け伝動機構8が上部台車10に連結され、上部台車10を昇降させる点において、基本構成例の駐輪機100(又は実施例の駐輪機200)とは異なる。
後者に関していえば、他の構成例の駐輪機300では、ラックを有する上部台車10は、基本構成例の駐輪機100(又は実施例の駐輪機200)における上部台車10と下部台車20とが常時一体となったものに相当し、上部台車10と下部台車20とを一体化する係合部30が存在していない。従って、他の構成例の駐輪機300は、使用しない場合には、基本構成例の駐輪機100(又は実施例の駐輪機200)のように空車状態のラック11を上段位置(図1〜図6参照)で待機させる構成ではなく、空車状態のラック11を下段位置で待機させる。
ただし、図53に示すように、他の構成例の駐輪機300では下段位置での待機状態において水平姿勢から倒立姿勢に変更し、収納状態(不使用状態)とする。即ち、他の構成例の駐輪機300は、ラック11が上部可動体12に対し、支柱3側端部に位置する支持軸70を中心に水平姿勢(図51、図52)と倒立姿勢(図53)との間で回動可能に保持されている。空車状態のラック11が下段(下方)位置で水平姿勢から倒立姿勢に変更されて収納状態とされるので、このような駐輪機300は跳ね上げ収納式駐輪機と呼ばれている。
他の構成例の駐輪機300における上部台車10の昇降について説明する。
他の構成例の上部台車10は、既に述べたように、基本構成例(又は実施例)において上部台車10と下部台車20が一体化された台車であり、単一のガススプリング80によって牽引されるものと考えることができる。そうすると、他の構成例の上部台車10では、図11のラック11が空車状態で下段位置に保持された実車前状態から、自転車110が搭載された図14の実車状態となり、その実車状態にてラック11が上昇して上段位置となって図17の待機状態に移行するという一連の上昇動作は、基本構成例(又は実施例)における、一体となった上部台車10と下部台車20の上昇動作と同様に行われる。さらに、他の構成例の上部台車10では、その実車状態でラック11が上端位置にある図17の待機状態から、ラック11が下降して図14の下段位置となって自転車110の降車可能状態に移行するという一連の下降動作が、基本構成例(又は実施例)における、一体となった上部台車10と下部台車20の下降動作と同様に行われる。

Claims (10)

  1. 自転車を搭載可能なラックと、そのラックを上下方向に筒状形態で立設された支柱に沿って昇降可能な第一可動体とを有し、自転車を搭載しない空車状態のラックと前記第一可動体との合計荷重を牽引する機能を有する第一付勢部材によって常時上方に引き上げるように付勢される第一昇降部と、
    その第一昇降部の下方に配置され、前記支柱に沿って前記第一昇降部と一体的に昇降可能な第二可動体を有し、前記ラックに実車状態で搭載された自転車と前記第二可動体との合計荷重を牽引する機能を有する第二付勢部材によって常時上方に引き上げるように付勢される第二昇降部と、
    前記第一昇降部と第二昇降部との間に設けられ、それらを前記支柱に対し個別にロック可能にするとともに、前記空車状態では前記第一昇降部の単独状態での昇降を可能とし、前記実車状態では前記第一昇降部及び第二昇降部にそれぞれ設けられた当接部が圧接することにより両者が一体化した状態での昇降を可能とする係合部と、を備える駐輪機であって、
    前記第二付勢部材は、前記支柱の内部に配置されたガススプリングで構成され、該ガススプリングのシリンダは前記支柱に対し直接又は取付部材を介して間接的に取り付けられ、下向きに突出して牽引力を発揮するピストンロッドの先端部は動滑車を含む巻き掛け伝動機構を介して前記第二可動体に接続されることを特徴とする駐輪機。
  2. 自転車を搭載したラックと、そのラックを上下方向に筒状形態で立設された支柱に沿って昇降可能な可動体とを有し、前記ラック、前記可動体及び前記ラックに実車状態で搭載された自転車の合計荷重を牽引する機能を有する付勢部材によって常時上方に引き上げるように付勢される昇降部を備える駐輪機であって、
    前記付勢部材は、前記支柱の内部に配置されたガススプリングで構成され、該ガススプリングのシリンダは前記支柱に対し直接又は取付部材を介して間接的に取り付けられ、下向きに突出して牽引力を発揮するピストンロッドの先端部は動滑車を含む巻き掛け伝動機構を介して前記可動体に接続されることを特徴とする駐輪機。
  3. 前記ガススプリングのシリンダの頭部が前記支柱に揺動可能な状態で又は揺動不能な状態で取り付けられるとともに、ピストンロッドの先端部に前記動滑車が揺動可能な状態で又は揺動不能な状態で取り付けられ、
    前記ピストンロッドの進出・退入に応じて前記動滑車を所定の方向に往復移動させるための直線状案内機構が設けられている請求項1又は2に記載の駐輪機。
  4. 前記ガススプリングのシリンダ内径をD、ピストンロッド径をdとするとき、ピストンのヘッド側の受圧面積AH及びロッド側の受圧面積ARがそれぞれ
    AH=πD /4
    AR=AH−πd /4=π(D+d)(D−d)/4
    で表わされ、
    前記ガススプリングの受圧面積比率r
    =AR/AH=(D+d)(D−d)/D
    で求められ、かつ0.77≦r≦0.92である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の駐輪機。
  5. 前記ラックは搭載する自転車の車輪を導入するために樋形状に形成されるとともに、
    搭載された自転車の横転を防止するために長手方向の両側に沿って各々設けられた倒れ防止手段と、
    搭載時における先行導入車輪を保持して自転車の導入位置を規定するために樋形状の底部に設けられた車輪受け手段と、
    上昇停止時における前記先行導入車輪の浮き上がりを抑制するために、一方の前記倒れ防止手段において前記車輪受け手段と前記支柱との間の所定位置を起点として上方に延びた後、前記先行導入車輪を迂回する方向変換部を経て下方に延び他方の前記倒れ防止手段に至る逆U字状の車輪保護手段とを有する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の駐輪機。
  6. 前記第一付勢部材は、前記ガススプリングとは別個に前記支柱の内部に配置された他のガススプリングである補助ガススプリングで構成され、該補助ガススプリングの補助シリンダは前記支柱に直接又は取付部材を介して間接的に取り付けられ、下向きに突出して牽引力を発揮する補助ピストンロッドの先端部は、前記動滑車とは別個に設けられた他の動滑車である補助動滑車を含む、前記巻き掛け伝動機構とは別個に設けられた他の巻き掛け伝動機構である補助巻き掛け伝動機構を介して前記第一可動体に接続される請求項1に記載の駐輪機。
  7. 前記巻き掛け伝動機構は、一端を前記支柱に固定された連結部材が、前記ピストンロッドの先端部に取り付けられた前記動滑車と前記支柱に取り付けられた定滑車とに巻き掛けられ、他端を前記第二可動体に固定されて構成される一方、
    前記補助巻き掛け伝動機構は、一端を前記支柱に固定され前記連結部材とは別個に設けられた他の連結部材である補助連結部材が、前記補助ピストンロッドの先端部に取り付けられた前記補助動滑車と、前記支柱に取り付けられかつ前記定滑車とは別個に設けられた他の定滑車である補助定滑車とに巻き掛けられ、他端を前記第一可動体に固定されて構成され、
    前記巻き掛け伝動機構と前記補助巻き掛け伝動機構とは前記ラックの長手方向に沿う幅中心線に対して左右に分かれかつ前記支柱の内部で上下方向に並列して配置され、
    平面視において、前記定滑車及び前記補助定滑車の巻き掛け中心線は、長手方向に所定距離離間した位置で前記幅中心線とそれぞれ交差するように傾斜して配置されるとともに、前記定滑車に巻き掛けられた前記連結部材は前記幅中心線との交点から垂下して前記第二可動体に至り、前記補助定滑車に巻き掛けられた前記補助連結部材は前記幅中心線との交点から垂下して前記第一可動体に至る請求項6に記載の駐輪機。
  8. 前記ガススプリングには前記ピストンロッドの進出・退入に応じて前記動滑車を上下方向に往復移動させるための直線状案内機構が設けられる一方、
    前記補助ガススプリングには前記補助ピストンロッドの進出・退入に応じて前記補助動滑車を前記動滑車とは独立して上下方向に往復移動させるための補助直線状案内機構が設けられる請求項6又は7に記載の駐輪機。
  9. 前記補助ガススプリングは、
    前記補助シリンダの内部において前記補助ピストンロッドの基端部に接続され、前記補助シリンダの内部をヘッド側及びロッド側の密閉室に区画するとともに、これらの密閉室相互間での流体の移動を許容するための1又は複数の補助オリフィスが貫通形成された補助ピストンと、
    前記補助シリンダの内部に封入されるとともに、前記補助ピストンロッドの突出時には前記補助オリフィスを介して前記ロッド側の密閉室から前記ヘッド側の密閉室へ移動可能であり、前記補助ピストンロッドの退入時には前記補助オリフィスを介して前記ヘッド側の密閉室から前記ロッド側の密閉室へ移動可能である不活性圧縮ガスと、
    前記補助シリンダの内部であって前記不活性圧縮ガスの封入領域よりも前記補助ピストンロッドの先端部側に封入されるとともに、前記補助ピストンロッドの突出時には前記不活性圧縮ガスの移動に引き続き前記補助オリフィスを介して前記ロッド側の密閉室から前記ヘッド側の密閉室へ移動可能であり、前記補助ピストンロッドの退入時には前記不活性圧縮ガスの移動に先行して前記補助オリフィスを介して前記ヘッド側の密閉室から前記ロッド側の密閉室へ移動可能である緩衝用オイルとを含み、
    前記補助ピストンロッドの下向き突出時において、前記ロッド側の密閉室から前記補助オリフィスを通り前記ヘッド側の密閉室へ最初に流入する前記不活性圧縮ガスとその後に流入する前記緩衝用オイルとによって段階的な緩衝機能を発揮する請求項6ないし8のいずれか1項に記載の駐輪機。
  10. 前記空車状態で上昇中のラックは、前記不活性圧縮ガスが前記補助オリフィスを通過する際に第一段階の緩衝作用を受け、上段停止位置が近づくにつれて徐々に上昇速度を低下するとともに、前記緩衝用オイルが前記補助オリフィスを通過する際に第二段階の緩衝作用を受け、上段停止位置直前にて上昇速度をさらに低下する請求項9に記載の駐輪機。
JP2017068747A 2016-09-05 2017-03-30 駐輪機 Active JP6183873B1 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN201810430402.3A CN108798095B (zh) 2016-09-05 2017-08-31 自行车停放器
CN201710770726.7A CN107575061B (zh) 2016-09-05 2017-08-31 自行车停放器

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016173118 2016-09-05
JP2016173118 2016-09-05

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6183873B1 JP6183873B1 (ja) 2017-08-23
JP2018039493A true JP2018039493A (ja) 2018-03-15

Family

ID=59678140

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017068747A Active JP6183873B1 (ja) 2016-09-05 2017-03-30 駐輪機

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6183873B1 (ja)
CN (2) CN108798095B (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022122339A (ja) * 2021-02-10 2022-08-23 株式会社Cpm 駐輪機
JP7388735B2 (ja) 2021-03-18 2023-11-29 楊 朋▲い▼ 二輪車駐輪機

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108248723B (zh) * 2018-02-12 2024-01-12 辽宁工业大学 一种滑动式自行车停车架及其模糊匹配停车方法
CN108945173B (zh) * 2018-05-25 2019-12-24 武汉理工大学 一种应用于自行车停放抬升的触发结构
CN108661370A (zh) * 2018-07-09 2018-10-16 沈阳航空航天大学 一种单车双层停车装置
CO2018014211A1 (es) * 2018-12-26 2019-01-31 Soluciones Inteligentes De Parqueo Sas Parqueadero doble motorizado para motocicletas
CN110217322A (zh) * 2019-05-29 2019-09-10 安徽商贸职业技术学院 一种自行车的校园停车装置
KR102208529B1 (ko) * 2019-06-05 2021-01-27 성하경 승강기능이 구비된 자전거 거치장치
CN110562362B (zh) * 2019-09-03 2024-03-01 杭州奥斯停车设备有限公司 自行车停放器的车架收纳构造
CN110562361B (zh) * 2019-09-03 2024-03-01 杭州奥斯停车设备有限公司 自行车停放器
CN110871861B (zh) * 2019-12-02 2021-03-16 燕山大学 一种双层导轨式自行车停放装置
CN111395826B (zh) * 2020-03-20 2021-03-16 湖北工业大学 一种壁挂式双层自行车停车系统
CN112810733B (zh) * 2021-02-20 2021-12-14 杭州奥斯停车设备有限公司 自行车停放器
WO2022193241A1 (zh) * 2021-03-18 2022-09-22 杨朋烨 一种两轮车停放器

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0893834A (ja) * 1994-09-20 1996-04-12 Tokico Ltd シリンダ装置
JP2007138680A (ja) * 2005-11-15 2007-06-07 Takagi Sekkei:Kk 垂直昇降式駐輪設備
JP2010036813A (ja) * 2008-08-07 2010-02-18 Sanwa Seisakusho:Kk 駐輪装置
JP2014156238A (ja) * 2013-01-16 2014-08-28 Oss:Kk 駐輪機
JP2016014311A (ja) * 2014-06-11 2016-01-28 株式会社Oss 駐輪機

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20040247423A1 (en) * 2003-05-19 2004-12-09 James Thiel Multi-lift for lifting and storing motorcycles and other vehicles
JP2011005886A (ja) * 2009-06-23 2011-01-13 Sanwa Seisakusho:Kk 昇降式駐輪装置
CN103863441B (zh) * 2014-03-31 2016-02-24 杭州益润建筑配套工程有限公司 垂直升降式自行车停车架
CN204161521U (zh) * 2014-09-26 2015-02-18 杨闽新 助力升降式自行车停车架
CN105133892B (zh) * 2015-10-16 2018-06-01 天津远卓科技发展有限公司 带张紧调节的自行车库输送台升降机构
CN105133891A (zh) * 2015-10-16 2015-12-09 天津远卓科技发展有限公司 地下自行车库输送台升降机构
CN105882794B (zh) * 2016-05-09 2018-08-07 杭州壕车科技有限公司 一种自行车库的自行车收置结构

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0893834A (ja) * 1994-09-20 1996-04-12 Tokico Ltd シリンダ装置
JP2007138680A (ja) * 2005-11-15 2007-06-07 Takagi Sekkei:Kk 垂直昇降式駐輪設備
JP2010036813A (ja) * 2008-08-07 2010-02-18 Sanwa Seisakusho:Kk 駐輪装置
JP2014156238A (ja) * 2013-01-16 2014-08-28 Oss:Kk 駐輪機
JP2016014311A (ja) * 2014-06-11 2016-01-28 株式会社Oss 駐輪機

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022122339A (ja) * 2021-02-10 2022-08-23 株式会社Cpm 駐輪機
JP7388735B2 (ja) 2021-03-18 2023-11-29 楊 朋▲い▼ 二輪車駐輪機

Also Published As

Publication number Publication date
CN108798095B (zh) 2020-10-23
JP6183873B1 (ja) 2017-08-23
CN107575061A (zh) 2018-01-12
CN107575061B (zh) 2018-08-17
CN108798095A (zh) 2018-11-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6183873B1 (ja) 駐輪機
JP3212483U (ja) 駐輪機
CN107350111A (zh) 汽车喷漆翻转架
CN114074902A (zh) 一种轨道平移式施工升降工作台
CN206734366U (zh) 楼梯助力小车
JP3198802U (ja) 駐輪機
CN216709545U (zh) 一种可伸缩的电动自行车
US20060070816A1 (en) Lift truck with central mast
CN109955861B (zh) 逃生装置和具有其的轨道车辆、轨道交通系统
WO2022202139A1 (ja) 運搬台車
JP2021095083A (ja) 駐輪機
CN112298224B (zh) 一种轨道梁的作业车
CN212098961U (zh) 一种车辆工程用具有防护性能的轮胎运输装置
CN106995199A (zh) 一种包含伸缩臂架的高空车
JP7054272B1 (ja) 駐輪機
CN112810733B (zh) 自行车停放器
ITTO20070150U1 (it) Unita' di supporto per una ruota di scorta esterna.
JP5947032B2 (ja) 車椅子リフト用プラットホームスライドフレーム装置
CN106395558A (zh) 风力发电机塔筒电梯
CN110155861A (zh) 一种基于折叠式轿厢的大行程维修升降梯
CN219945990U (zh) 一种摩托车车架组装工装
JP6922119B1 (ja) 自転車用駐輪装置
CN217598324U (zh) 一种电池包托架结构及汽车
CN108657318B (zh) 辅助支撑装置和两轮车及侧倾助力方法
JP3222443U (ja) 上下2段式駐輪装置

Legal Events

Date Code Title Description
A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20170517

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170614

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170629

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170714

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170719

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6183873

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250