JP2018039450A - 電動ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動モータの出力変動を抑制して、良好なブレーキフィーリングが得られる新規な電動ブレーキ制御装置を提供することにある。【解決手段】電動モータに対する第1の目標指令値を演算する目標指令値演算部102と、第1の目標指令値を補正する補正値を演算する補正値演算部107と、第1の目標指令値と補正値によって第2の目標指令値を演算する指令値補正演算部108とを備え、補正値演算部107は、液圧発生機構12によって発生したブレーキ液圧値と、指令値補正演算部108が演算した第2の目標指令値とを用いてブレーキ液圧の反力に基づく外乱分に相当する反力補正値を演算し、第1の目標指令値を反力補正値で補正して新たに第2の目標指令値を求めて電動モータを駆動する。電動モータの出力変動を低減することができ、良好なブレーキフィーリングが得られるようになる。【選択図】図2

Description

本発明は電動ブレーキ制御装置に係り、特にブレーキ液圧を電動モータによって制御する電動ブレーキ制御装置に関するものである。
最近では、自動車の各種の運動制御機器の電動化が進められており、例えば、特開2007-112426号公報(特許文献1)にあるように、自動車に制動をかけるブレーキ装置においても電動化が進められている。特許文献1においては、ブレーキペダル入力に対応して電動モータで駆動されるブースタピストン位置を制御することで、ブレーキ液圧を制御してマスタシリンダに出力する電動ブレーキ装置が提案されている。
ところで、特許文献1に記載されたような電動ブレーキ装置では、ブレーキ液圧は電動モータへの反力となるため、結果的に電動モータの外乱トルクとなる。この外乱トルクを補償する手段として、例えば、外乱オブザーバを用いた外乱トルク補償が知られている。この外乱オブザーバは、レゾルバ等の回転位置センサによって検出した電動モータの回転位置情報から二階微分演算を行って加速度情報を算出し、得られた加速度情報から外乱トルクを推定して、ブレーキ液圧の反力に基づく外乱トルクの補償を行うようにしているものである。
特開2007−112426号公報
電動ブレーキ装置に使用されるレゾルバ等を使用した回転位置センサは、構造的に大きくなる、価格が高いといった理由から、最近では半導体センサの1つであるGMR素子を使用した回転位置検出センサや、回転位置を推定する回転位置推定ロジックを使用して電動モータの回転位置情報を検出することが提案されている。
そして、このような電動モータの回転位置検出手段は、従来のレゾルバを用いた方法に対して、検出分解能や検出精度が劣るといった属性を有している。このため、GMR素子を使用した回転位置検出手段によって検出した電動モータの回転位置情報を用いて、外乱オブザーバによる外乱補償を行う場合、回転位置情報の検出分解能や検出精度が低いことによって、推定される外乱トルクの値に、二階微分演算によるノイズや振動が発生することがある。尚、推定される外乱トルクのノイズや振動は、GMR素子の検出精度や分解能以外の要因によっても生じることもある。
このため、外乱オブザーバを使用した電動ブレーキ装置では、電動モータに与えられる供給電流がノイズや振動によって変動して、電動モータに出力変動を発生させるようになる。そして、電動モータに出力変動が生じるとブレーキ液圧も変動し、運転者がブレーキペダルを踏み込んだ状態で、ブレーキ液圧の変動がブレーキペダルに伝わってブレーキペダルに機械的振動が発生し、ブレーキフィーリングが悪化するという課題を生じるようになる。
本発明の目的は、電動モータの出力変動を抑制して、良好なブレーキフィーリングが得られる新規な電動ブレーキ制御装置を提供することにある。
本発明の特徴は、電動モータに対する第1の目標指令値を求める演算を行う目標指令値演算部と、第1の目標指令値を補正する補正値を求める演算を行う補正値演算部と、第1の目標指令値を補正値で補正する演算を行って第2の目標指令値を求める指令値補正演算部とを備え、補正値演算部は、液圧発生機構によって発生したブレーキ液圧値と指令値補正演算部が演算した第2の目標指令値とを用いて、ブレーキ液圧の反力に基づく外乱分に相当する反力補正値を求め、指令値補正演算部は、第1の目標指令値を反力補正値によって補正して新たに第2の目標指令値を求めて電動モータを駆動する、ところにある。
本発明によれば、電動モータの出力変動に基づくブレーキ液圧の変動を低減することができ、これによってブレーキペダルの機械的振動を抑制して良好なブレーキフィーリングが得られるようになる。
本発明が適用される電動ブレーキ装置のシステム構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る電動ブレーキ制御装置の主たる機能を表したブロック線図である。 図2に示す補正電流値演算部における補正電流値の算出方法を説明するブロック線図である。 本発明の第2の実施形態に係る電動ブレーキ制御装置の主たる機能を表したブロック線図である。 図4に示す補正トルク値演算部における補正トルク値の算出方法を説明するブロック線図である。 本発明の第3の実施形態に係る電動ブレーキ制御装置の主たる機能を表したブロック線図である。 図6に示す補正電流値演算部における補正電流値の算出方法を説明するブロック線図である。
本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
本発明の実施形態を説明する前に、本発明が適用される電動ブレーキ装置の構成と動作について簡単に説明する。図1は、電動ブレーキ装置の全体的なシステム構成を示している。
参照番号1は電動ブレーキ装置であり、ブレーキペダル2は、ブレーキ操作時に運転者によって図1中の矢示A方向に踏み込み操作されるものである。ブレーキペダル2には、ペダル戻しばね2Aとブレーキセンサ3が設けられている。ペダル戻しばね2Aは、図1中の矢示B方向に向かう力をブレーキペダル2に付与して、ブレーキペダル2を初期位置に向けて付勢するものである。
ブレーキセンサ3は、例えばブレーキペダル2のストローク量を検出するストロークセンサによって構成されている。尚、ブレーキセンサ3は、少なくともブレーキペダル2の位置(後述の入力ロッドの位置)、または踏み込み操作量である変化量(ストローク量)が検出可能なものであれば良いものである。
ブレーキセンサ3は、入力ロッド14の変位センサを含む複数の位置センサと、運転者によるブレーキペダル2のペダル踏力を検出する踏力センサを含むものでも良いものである。ブレーキセンサ3は、その検出信号を後述の制御手段(以下、ECUと表記する)23、27及び車両データバス25等に出力する。ブレーキペダル2の踏み込み操作により、マスタシリンダ4には後述の電動倍力装置12を介してブレーキ液圧が発生する。
マスタシリンダ4は、タンデム型マスタシリンダにより構成され、一側が開口端となり他側が底部となって閉塞された有底筒状のシリンダ本体を有している。このシリンダ本体5には、後述のリザーバ10に連通するリザーバポート10A、10Bが設けられている。第1のリザーバポート10Aは、後述するブースタピストン15の摺動変位により第1の液圧室7Aに対して連通、遮断される。
このシリンダ本体5は、その開口端側が後述する電動倍力装置12のブースタハウジング13に複数の取付ボルト(図示せず)等を用いて着脱可能に固着されている。マスタシリンダ4は、シリンダ本体5と、第1のピストン(入力ロッド14とブースタピストン15)、及び第2のピストン6と、第1の液圧室7Aと第2の液圧室7Bと、第1の戻しばね8と、第2の戻しばね9を含んで構成されている。
この場合、マスタシリンダ4において、第1のピストンが入力ロッド14とブースタピストン15とにより構成されている。また、シリンダ本体5内に形成される第1の液圧室7Aは、第2のピストン6とブースタピストン15(及び入力ロッド14)との間でシリンダ本体5内に形成されている。
第1の戻しばね8は、第1の液圧室7A内に位置してブースタピストン15と第2のピストン6との間に配設され、ブースタピストン15をシリンダ本体5の開口端側に向けて付勢している。第2の戻しばね9は、第2の液圧室内7Bに位置してシリンダ本体5の底部と第2のピストン6との間に配設され、第2のピストン6を第1の液圧室7A側に向けて付勢している。
マスタシリンダ4のシリンダ本体5は、ブレーキペダル2の踏み込み操作に応じてブースタピストン15(及び入力ロッド14)と第2のピストン6とがシリンダ本体5の底部に向かって変位し、リザーバポート10A、10Bを遮断したときに、第1、第2の液圧室7A、7B内のブレーキ液によりブレーキ液圧を発生させる。
一方、ブレーキペダル2の操作を解除した場合には、ブースタピストン15(及び入力ロッド14)と第2のピストン6とが第1、第2の戻しばね8、9によりシリンダ本体5の開口端側に向かって矢示B方向に変位していくときに、リザーバ10からブレーキ液の補給を受けながら第1、第2の液圧室7A、7B内の液圧を解除していくものである。
マスタシリンダ4のシリンダ本体5には、ブレーキ液タンクとしてのリザーバ10が設けられ、このリザーバ10の内部にはブレーキ液が収容されている。リザーバ10は、シリンダ本体5内の各液圧室7A、7Bにブレーキ液を給排するための容器である。即ち、第1のリザーバポート10Aがブースタピストン15により第1の液圧室7Aに連通され、第2のリザーバポート10Bが第2のピストン6により第2の液圧室7Bに連通されている間は、これらの液圧室7A、7B内にリザーバ10内のブレーキ液が給排される。
一方、第1のリザーバポート10Aがブースタピストン15により第1の液圧室7Aに遮断され、第2のリザーバポート10Bが第2のピストン6により第2の液圧室7Bから遮断されたときには、これらの液圧室7A、7Bに対するリザーバ10内のブレーキ液の給排が断たれる。このため、マスタシリンダ4の第1、第2の液圧室7A、7B内には、ブレーキ操作に伴ってブレーキ液圧が発生する。
自動車のブレーキペダル2とマスタシリンダ4との間には、ブレーキペダル2の操作力を増大させるブースタとしての電動倍力装置12が設けられている。この電動倍力装置12は、マスタシリンダ4内にブレーキ液圧を発生させる液圧発生機構を構成し、電動モータ17が作動することでマスタシリンダ4から車両のホイールシリンダ(図示せず)へとブレーキ液を供給するものである。この電動倍力装置12は、ブレーキペダル2による入力ロッド14の移動に応じて駆動機構16を作動させて、後述のブースタピストン15に推力を発生させ、ブレーキ液圧を可変に制御するものである。
電動倍力装置12は、車体のフロントボードである車室前壁(図示せず)に固定して設けられるブースタハウジング13と、このブースタハウジング13に移動可能に設けられる入力ロッド14と、この入力ロッド14に対して相対移動可能に配置されたピストンとしてのブースタピストン15と、このブースタピストン15をマスタシリンダ4の軸方向に進退移動させ、このブースタピストン15にブースタ推力を付与する駆動機構16と、反力調整機構としての中立ばね22A、22Bと、後述するマスタ圧制御ユニットとしての第1のECU23とを含んで構成されている。
ブースタハウジング13は、後述の減速機構19等を内部に収容する筒状の減速機ケース13Aと、この減速機ケース13Aとマスタシリンダ4のシリンダ本体5との間に設けられブースタピストン15を軸方向に摺動変位可能に支持した筒状の支持ケース13Bと、減速機ケース13Aを挟んで支持ケース13Bとは軸方向の反対側に配置され減速機ケース13Aの開口を閉塞する段付筒状の蓋体13Cとにより構成されている。減速機ケース13Aの外周側には、後述の電動モータ17を固定的に支持するための支持板13Dが設けられている。
入力ロッド14は、蓋体13C側からブースタハウジング13内に挿入され、後述のブースタピストン15内を第1の液圧室7Aに向けて軸方向に延びている。即ち、この入力ロッド14はブレーキペダル2の操作により進退移動する入力部材を構成している。入力ロッド14の先端側(軸方向他側)端面は、ブレーキ操作時に第1の液圧室7A内に発生する液圧をブレーキ反力として受圧し、入力ロッド14はこれをブレーキペダル2に伝達する。
これにより、車両の運転者にはブレーキペダル2を介してブレーキの制動力に応じた適正な踏み応えが与えられ、良好なブレーキフィーリングを得ることができる。この結果、ブレーキペダル2の操作感を向上することができ、ブレーキフィーリングを良好に保つことができる。
ピストンとしてのブースタピストン15は、マスタシリンダ4のシリンダ本体5内に開口端側から軸方向に摺動可能に挿嵌された筒状部材により構成されている。ブースタピストン15の内周側には、ブレーキペダル2の操作に従って直接的に押動され、マスタシリンダ4の軸方向(即ち、矢示A、B方向)に進退移動する入力ロッド14が摺動可能に挿嵌されている。
ブースタピストン15は、入力ロッド14と一緒にマスタシリンダ4の第1ピストンを構成し、入力ロッド14の後側端部にはブレーキペダル2が連結されている。シリンダ本体5内は、第2のピストン6とブースタピストン15及び入力ロッド14との間に第1の液圧室7Aが形成されている。
電動倍力装置12の駆動機構16は、ブースタハウジング13の減速機ケース13Aに支持板13Dを介して設けられた電動モータ17と、この電動モータ17の回転を減速して減速機ケース13A内の筒状回転体18に伝えるベルト等の減速機構19と、筒状回転体18の回転をブースタピストン15の軸方向変位(進退移動)に変換するボールねじ等の回転/直動機構20とにより構成されている。入力ロッド14とブースタピストン15とは、それぞれの先端部をマスタシリンダ4の第1の液圧室7Aに臨ませ、ブレーキペダル2から入力ロッド14に伝わるペダル踏力(推力)と駆動機構16からブースタピストン15に伝わるブースタ推力とにより、マスタシリンダ4内にブレーキ液圧を発生させるものである。
すなわち、電動倍力装置12のブースタピストン15は、ブレーキセンサ3の出力(即ち、制動指令)に基づいて駆動機構16により駆動され、マスタシリンダ4内にブレーキ液圧を発生させる直動ポンプ機構を構成している。また、ブースタハウジング13の支持ケース13B内には、ブースタピストン15を制動解除方向(図1中の矢示B方向)に常時付勢する戻しばね21が設けられている。ブースタピストン15は、ブレーキ操作の解除時に電動モータ17が逆向きに回転されると共に、戻しばね21の付勢力により図1に示す初期位置まで矢示B方向に戻されるものである。
電動モータ17は、例えば永久磁石型同期電動機を用いて構成されている。また、電動モータ17には、GMR素子からなる回転位置センサ17Aが設けられている。この回転位置センサ17Aは、電動モータ17(回転軸)の回転位置(回転角)を検出し、その検出信号を第1のECU23に出力する。第1のECU23は、この回転位置情報に従って、電動モータ17のフィードバック制御を行なうものである。
また、回転位置センサ17Aは、検出した電動モータ17の回転位置に基づいて、ブースタピストン15の絶対変位を検出する絶対変位検出手段としての機能を備えている。さらに、回転位置センサ17Aは、ブレーキセンサ3と共に、入力ロッド14とブースタピストン15との相対変位量を検出する相対変位検出手段を構成し、これらの検出信号は、第1のECU23に送出される。
尚、回転検出手段としては、GMR等の回転位置センサ17Aに限らず、絶対変位(回転角)を検出できる回転型のポテンショメータ等により構成してもよい。また、減速機構19は、ベルト等に限らず、例えば歯車減速機構等を用いて構成しても良いものである。
また、回転運動を直動運動に変換する直動機構20は、例えばラック―ピニオン機構等により構成することもでき、場合によっては減速機構19を廃止することも可能である。例えば、筒状回転体18に筒状のモータ軸を一体に設け、電動モータのステータを筒状回転体18の周囲に配置して、電動モータにより直接、筒状回転体18を回転させるようにしても良いものである。
マスタ圧制御ユニットを構成する第1のECU23は、例えば、マイクロコンピュータ(CPU)等からなり、ROM、RAM、不揮発性メモリ等からなる記憶部を有している。この記憶部には、入力ロッド14とブースタピストン15との相対変位量を制御するプログラム等が格納されている。この第1のECU23は、液圧発生機構である電動倍力装置12の駆動機構16をブレーキペダル2の操作に基づいて電気的に駆動制御するものである。
第1のECU23の入力側は、ブレーキペダル2のペダルストロークを検出するブレーキセンサ3と、電動モータ17の回転位置センサ17Aと、例えばL−CANと呼ばれる通信が可能な車載の信号線24、30及び車両データバス25等とに接続されている。車両データバス25は、車両に搭載されたV−CANと呼ばれるシリアル通信部であり、車載向けの多重通信を行なうものである。
一方、第1のECU23の出力側は、電動モータ17、車載の信号線24、及び車両データバス25等に接続されている。そして、第1のECU23は、ブレーキセンサ3、液圧センサ26からの検出信号に従って電動倍力装置12によりマスタシリンダ4内に発生させるブレーキ液圧を可変に制御すると共に、電動倍力装置12が正常に動作しているか否か等を判別する機能も有している。
検出手段としての液圧センサ26は、例えばシリンダ側液圧配管11A内の液圧を検出するもので、マスタシリンダ4からシリンダ側液圧配管11Aを介して車両のホイール圧に供給されるブレーキ液圧を検出する。液圧センサ26は、信号線28によって後述の第2のECU27に電気的に接続されると共に、液圧センサ26による検出信号は、第2のECU27から信号線24を介して第1のECU23にも通信により送られる。また、信号線29によって車両データバス25等に接続されている。
ここで、電動倍力装置12においては、ブレーキペダル2が操作されると、マスタシリンダ4のシリンダ本体5内に向けて入力ロッド14が前進し、このときの動きがブレーキセンサ3によって検出される。第1のECU23は、ブレーキセンサ3からの検出信号により電動モータ17に回転駆動指令を出力して電動モータ17を回転駆動し、その回転が減速機構19を介して筒状回転体18に伝えられる。そして、筒状回転体18の回転は、回転/直動機構20によりブースタピストン15の軸方向変位に変換される。
このとき、ブースタピストン15は、マスタシリンダ4のシリンダ本体5内に向けて入力ロッド14と一体的(または、相対変位をもって)に前進し、ブレーキペダル2から入力ロッド14に付与されるペダル踏力(推力)と駆動機構16からブースタピストン15に付与されるブースタ推力とに応じたブレーキ液圧がマスタシリンダ4の第1、第2の液圧室7A、7B内に発生する。
また、第1のECU23は、信号線24を介して液圧センサ26からの検出信号を受け取ることによりマスタシリンダ4に発生した液圧を監視することができ、電動倍力装置12が正常に動作しているか否かを判別することができる。
以上のような構成の電動ブレーキ装置において、上述したように電動モータに出力変動が生じると、これに伴ってブレーキ液圧も変動し、入力ロッド14の先端側端面が第1の液圧室7A内に発生する液圧をブレーキ反力として受圧してブレーキペダル2に伝達する。このため、運転者がブレーキペダルを踏み込んだ状態で、ブレーキ液圧の変動がブレーキペダルに伝わってブレーキペダルに機械的振動が発生し、ブレーキフィーリングが悪化するという課題を生じるようになる。
このような課題を解決するため、本発明は以下に説明する代表的な実施形態を提案するものである。次に、本発明の具体的な実施形態の詳細について図面を引用しながら説明するが、以下に説明する実施形態の動作は、実際には第1のECU23で実行されるものである。
図2は第1のECU23に備わるブレーキ制御手段のブロック線図を示したものである。ブレーキ制御手段101は、第1の電流指令値(=第1の目標指令値)を演算する電流指令値演算部102と、第1の電流指令値の補正電流値を出力する補正電流値演算部107と、第1の電流指令値と補正電流値に基づき第2の電流指令値(=第2の目標指令値)を出力する指令値補正演算部108を備えている。尚、本実施形態では、指令値補正演算部108で求められた第2の電流指令値によって電動モータが駆動されるものである。
電流指令値演算部102は、図2に示すように、ブレーキセンサ3が検出するストローク量と、回転位置センサ17Aが検出する回転位置情報が入力されている。電流指令値演算部102は、ストローク量が入力される目標モータ回転位置決定手段103と、第1の増幅手段104及び第2の増幅手段105と、回転位置情報が入力される微分演算器106を備えている。
目標モータ回転位置決定手段103は、ブレーキセンサ3が検出したストローク量を入力として受け、筒状回転体18の単位回転あたりのブースタピストン15の進み量と、筒状回転体18の回転数と電動モータ17の回転数の比である減速機構19の減速比によって、目標モータ回転位置に変換して出力するものである。
第1の増幅手段104は、目標モータ回転位置決定手段103が出力した目標モータ回転位置と回転位置センサ17Aによって検出された回転位置情報の偏差を増幅し、目標モータ回転速度として出力するものである。また、微分演算器106は、回転位置センサ17Aが検出した回転位置情報を微分し、電動モータ17の回転速度を演算するものである。第2の増幅手段105は、目標モータ回転速度と微分演算器106が出力する電動モータ17の回転速度の偏差を増幅し、第1の電流指令値102Sを生成する。
一方、液圧センサ26が検出するブレーキ液圧値は、図1に示す信号線28を介して第2のECU27に送られ、信号線24を介して第1のECU23にも送られる。第1のECU23が受信したブレーキ液圧値情報は、補正電流値演算部107へ送信される。補正電流値演算部107には、第2の電流指令値108Sも入力されている。この第2の電流指令値108Sについては以下に後述する。
尚、ブレーキ液圧値情報は、信号線28を介し第2のECU27に送られ、信号線24を介して第1のECU23に送られるが、信号線28を介して第2のECU27に送られ、更に車両データバス25を介して受信しても良いものである。
指令値補正演算部108は、第1の電流指令値102Sと補正電流値演算部107が出力する補正電流値107Sを加算して、第2の電流指令値108Sを出力する。ここで、出力された第2の電流指令値108Sは、補正電流値演算部107に再入力されてフィードバックループを形成するように構成されている。
補正電流値演算部107は、図3に示すようにブースタピストン位置推定手段109と、ばねモデル110と、第1のゲイン変換手段111、第2のゲイン変換手段112、第3のゲイン変換手段113と、電流推定手段114を備えている。
図3において、ブースタピストン位置推定手段109は、液圧センサ26のブレーキ液圧値情報に基づき、ブースタピストン15の位置を推定し出力するものである。ブースタピストン15の位置推定には、液圧値とブースタピストン15の位置の関係をテーブルとして用意しても良いし、液圧値から液量を算出する手段を備え、液量をブースタピストン15の位置に換算するテーブルを用意しても良いものである。
ばねモデル110は、ブースタピストン位置推定手段109の出力(ブースタピストン15の推定位置)に基づいて、戻しばね21及び第1の戻しばね8がブースタピストン15に及ぼす反力を算出する。この反力の算出には、戻しばね21及び第1の戻しばね8のたわみ量に対する反力を出力するモデルを用いることで算出できる。
第1のゲイン変換手段111は、ブレーキ液圧を入力として受け、検出されたブレーキ液圧値がブースタピストン15に及ぼす力に換算する。第1のゲイン変換手段111には、例えばブースタピストン15の断面積を用いることで、ブレーキ液圧がブースタピストン15に及ぼす力を算出することができる。
そして、第1のゲイン変換手段111の出力と、ばねモデル110の出力を加算した値が、ブースタピストン15を図1中の矢示Bの方向へ押し戻すブレーキ液圧の反力となる。つまり、電動モータ17の外乱となるものである。これによって、上述した二階微分演算等を実行しないで、外乱トルクとなるブレーキ液圧の反力を求めることができる。
そして、これを第2のゲイン変換手段112に入力することで、電動モータ17に及ぼす負荷トルク(外乱トルク)を算出する。尚、この第2のゲイン変換手段112は、例えば本実施形態では、筒状回転体18の単位回転あたりのブースタピストン15の進み量と、筒状回転体18の回転数と電動モータ17の回転数の比である減速機構19の減速比によって求まるものである。
更に、第3のゲイン変換手段113は、第2のゲイン変換手段112によって出力された負荷トルク(外乱トルク)を電流値に換算するものである。ここで、第3のゲイン変換手段113は、例えば電動モータ17のトルク定数の逆数を用いれば良く、また、電動モータ17の電流値や回転速度とトルク定数の関係を表すテーブルを用意しても良いものである。
電流推定手段114は、電動モータ17の第2の電流指令値108Sから、電動モータ17を駆動する電流値を推定するものである。電流推定手段114は、例えば、1次遅れ要素や、2次遅れ要素等のフィルター要素でも良く、また、電流推定手段114は、電流値を検出する電流検出手段を有し、検出した電流値を用いる構成としても良いものである。
そして、第3のゲイン変換手段113が出力する電流値は、電流推定手段114の推定電流値から減算される。減算された電流値は、第2の電流指令値108Sから減算され、その減算された電流値を反力補正値として、補正値演算部107は反力補正電流値107Sを出力するようになる。
更に、電流指令値演算部102が演算する第1の電流指令値102Sと、補正電流値演算部107が出力する反力補正電流値107Sとを加算して、図2に示すように、指令値補正演算部108は、新たに第2の電流指令値(最終電流指令値)108Sを生成する。そして、第2の電流指令値108Sによる電動モータ17への供給電流が設定されて、電動モータ17を駆動するものである。
このように、従来の電動ブレーキ制御装置では、電動モータの回転位置情報を二階微分することで外乱を推定していたが、本実施形態では二階微分演算の代わりにブレーキ液圧を用いることで外乱を推定することができるようになる。
このため、本実施形態では、二階微分演算等に起因する電流指令値の振動の低減ができ、電動モータ17の回転位置や、回転速度の振動も低減できるため、運転手のペダル踏力を滑らかにアシストすることができる。その結果、ブレーキ操作時におけるブレーキペダルの機械的振動を抑制できるようになる。このように、電動モータの出力変動に基づくブレーキ液圧の変動を低減することができ、これによってブレーキペダルの機械的振動を抑制して良好なブレーキフィーリングが得られるようになる。
次に、本発明の第2の実施形態に係るブレーキ制御手段を図4及び図5に基づき、第1の実施形態(図1〜図3)を参照して説明する。
第2の実施形態に係るブレーキ制御手段151は、図4に示すように、第1のトルク指令値(=第1の目標指令値)を演算するトルク指令値演算部152と、第1のトルク指令値の補正値を演算する補正トルク値演算部155と、第1のトルク指令値と補正トルク値に基づき第2のトルク指令値(=第2の目標指令値)を出力する指令値補正演算部108と、第2のトルク指令値を第2の電流指令値に換算するトルク/電流変換手段154とを備えている。
第1の実施形態と比べて、第1の電流指令値を演算する電流指令値演算部102に代えて第1のトルク指令値を演算するトルク指令値演算部152が設けられたこと、指令値補正演算部108の出力に第2のトルク指令値を第2の電流指令値に変換するトルク/電流変換手段154を設けた点が異なっているものであり、基本的な考え方は同じである。
第1のトルク指令値152Sを演算するトルク指令値演算部152は、図4に示すように、ブレーキセンサ3が検出するストローク量と、回転位置センサ17Aが検出する回転位置情報が入力されている。トルク指令値演算部152は、ストローク量が入力される目標モータ回転位置決定手段103と、第1の増幅手段111と、第4の増幅手段153と、回転位置が入力される微分演算器106を備えている。
目標モータ回転位置決定手段103は、第1の実施形態と同様の動作をし、ブレーキセンサ3が検出するストローク量に基づいて目標モータ回転位置を出力する。また、第1の増幅手段111は、目標モータ回転位置と回転位置センサ17Aによって検出される電動モータ17の回転位置の偏差を増幅し、電動モータ17の目標回転速度を出力する。微分演算器106は、回転位置センサ17Aが検出した回転位置情報を微分し、電動モータ17の回転速度を演算する。第4の増幅手段153は、目標モータ回転速度と微分演算器106が出力する電動モータ17の速度の偏差を増幅し、第1のトルク指令値152Sを生成する。
第2実施形態における補正トルク値演算部155は、図5に示すように、第1実施形態における図3に示す補正電流値演算部107と比べて、第3のゲイン変換手段113を省略し、また電流推定手段112に代わりにトルク推定手段156を設け、第5のゲイン変換手段157を設けた点で異なっている。
トルク推定手段156は、第2の電流指令値154Sに基づいて、電動モータ17のトルクを推定するものである。例えば、トルク推定手段156には、第1の実施形態における電流推定手段112と電動モータ17のトルク定数を使用して推定しても良いし、電動モータ17の電流値と電動モータ17のトルクを示すテーブルを用意して求めても良いものである。
第5のゲイン変換手段157は、第2の電流指令値をトルク値に換算するものである。この第5のゲイン変換手段157は、例えば、電動モータ17のトルク定数である。他にも第5のゲイン変換手段157としては、第2の電流指令値154Sに対するトルク定数のテーブルを用意して使用しても良いものである。
第1の実施形態と同様に、液圧センサ26が検出したブレーキ液圧値を、信号線28、第2のECU27、信号線24、第1のECU23を介してブレーキ制御手段151が受信する。受信したブレーキ液圧値は、第1の実施形態と同様に、ブースタピストン位置推定手段109、ばねモデル110、第1、第2のゲイン変換手段111、112を介してモータの負荷トルクに換算され、トルク推定手段156の推定トルクから減算される。減算されたトルク値を、更に第5のゲイン変換手段157のトルク値から減算ずることで反力補正値として、補正トルク値演算部155は反力補正トルク値155Sを出力するようになる。
指令値補正演算部108は、図4に示すように、第1のトルク指令値152Sと反力補正トルク値155Sを加算して、第1のトルク指令値152Sの補正演算を実行し、第2のトルク指令値を算出してトルク/電流変換手段154に入力する。
トルク/電流変換手段154は、第2のトルク指令値を第2の電流指令値154Sに換算するものであり、トルク/電流変換手段154には、電動モータ17のトルク定数の逆数を用いれば良いものである。また、電動モータ17のトルク定数の逆数の他にも、例えば、第2のトルク指令値に基づき第2の電流指令値154Sを出力するテーブルを用意して使用することもできる。
ここで、第2の実施形態では図5にあるように、第2の電流指令値154Sは、トルク推定手段156、第5のゲイン変換手段157によって電流値からトルク値に変換されているが、図4の指令値補正演算部108で求められた第2のトルク指令値をそのまま使用することも可能である。したがって、この場合、第2のトルク指令値は、トルク推定手段156、第5のゲイン変換手段157を経由しないで演算されるようになる。
第2の実施形態では、第1の実施形態と比べて、トルク指令値演算部152が出力する第1のトルク指令値を補正する構成となっている。そして、これに対応して補正トルク値演算部155におけるトルク推定手段156及び第5のゲイン変換手段157は、指令値補正演算部108が出力する第2の電流指令値に基づき、トルクを推定する構成となっている。尚、第2の実施形態では、トルク推定手段156及び第5のゲイン変換手段157に、第2の電流指令値に対するトルク定数をテーブルに記憶しておくこともできるものである。
このように第2の実施形態ではトルク値を用いるようにしているので、温度等の環境変動を含めて制御に反映できる。このため、第1の実施形態と比べて電動モータ17の外乱トルクを精度良く推定することができ、補正トルク値演算部155が出力する補正トルク値の精度を向上することができる。その結果、運転者に対してより良好なブレーキフィーリングを提供することができる。
次に、本発明の第3の実施形態に係るブレーキ制御手段を図6及び図7に基づき、第1の実施形態(図1〜図3)を参照して説明する。
第3の実施形態に係るブレーキ制御手段201は、図6に示すように、第1の電流指令値(=第1の目標指令値)を演算する電流指令値演算部102と、第1の電流指令値の補正電流値を演算する補正電流値演算部202と、第1の電流指令値と補正電流値に基づき第2の電流指令値(=第2の目標指令値)を出力する指令値補正演算部108と、を備えている。第1の実施形態と比べて、回転位置センサ17Aが検出する電動モータ17の回転位置が、補正電流値演算部202に入力されている点が異なっている。尚、その他の部分は、第1の実施形態と同様である。
補正電流値演算部202は、図7に示すように、ブースタピストン推定手段109と、ばねモデル110と、第1のゲイン変換手段111、第2のゲイン変換手段112、第3のゲイン変換手段113と、電流推定手段114を備えている。ただ、第1の実施形態の補正電流値演算部107ではブースタピストン位置推定手段109の入力がブレーキ液圧であるのに対し、第3の実施形態ではブースタピストン位置推定手段109の入力がモータ回転位置情報となっている点が異なっている。
そして、ブースタピストン位置推定手段109は、回転位置センサ17Aが検出する電動モータ17の回転位置情報に基づいて、ブースタピストンの位置を推定する。ブースタピストン位置推定手段には、電動モータ17の回転数と筒状回転体18の回転数の比である減速機構19の減速比と、筒状回転体18の単位回転あたりのブースタピストンの進み量を用いることで推定する。
ブースタピストンの位置が推定されると、ばねモデル110によって、ブースタピストン位置推定手段109の出力に基づいて、戻しばね21及び第1の戻しばね8がブースタピストン15に及ぼす反力を算出する。第1のゲイン変換手段111の出力と、ばねモデル110の出力が加算されて、ブースタピストン15を押し戻すブレーキ液圧の反力が求められる。
そして、これを第2のゲイン変換手段112に入力することで、電動モータ17に及ぼす負荷トルクを算出する。そして、第1の実施形態と同様に負荷トルクは第3のゲイン変換手段113によって電流値に換算され、電流推定手段114の推定電流値から減算される。更に、減算された電流値は第2の電流指令値108Sから減算され、その減算された電流値を反力補正値として、補正値演算部202は反力補正電流値202Sを出力するようになる。尚、その他の部分は、第1の実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
第1、第2の実施形態と比べて、第3の実施形態では、ブースタピストン位置推定手段109の入力が、回転位置センサ17Aが検出する電動モータ17の回転位置情報となっている。電動モータ17の回転位置とブースタピストン15の位置関係は、筒状回転体18の単位回転あたりのブースタピストン15の進み量と、電動モータ17の回転数と筒状回転体18の回転数の比である減速機構19の減速比によって容易に求めることができる。
即ち、第3の実施形態とすることで、ブースタピストン位置推定手段109の推定精度が第1、第2実施形態と比べて向上するため、補正電流値演算部202が出力する補正電流値の精度も向上し、運転者により良好なブレーキフィーリングを提供することができる。
以上述べた通り本発明によれば、電動モータの第1の目標指令値を演算し、更に第1の目標指令値を補正して第2の目標指令値を演算すると共に、液圧発生機構によって発生したブレーキ液圧と、第2の目標指令値とを用いてブレーキ液圧の反力に基づく外乱分に相当する反力補正値を演算し、第1の目標指令値を反力補正値によって補正して第2の目標指令値を求め、この第2の目標指令値に基づいて電動モータを駆動する構成とした。
このような構成にすることによって、電動モータの出力変動に基づくブレーキ液圧の変動を低減することができ、これによってブレーキペダルの機械的振動を抑制して良好なブレーキフィーリングが得られるようになる。
尚、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…電動ブレーキ装置、2…ブレーキペダル、3…ブレーキセンサ、4…マスタシリンダ、10…リザーバ、12…電動倍力装置、13…ブースタハウジング、15…ブースタピストン、17…電動モータ、17A…回転位置センサ(GMR素子利用)、23…第1のECU、26…液圧センサ、101…ブレーキ制御手段、102…電流指令値演算部、107…補正電流値演算部、108…指令値補正演算部。

Claims (6)

  1. ブレーキ液圧を発生させる液圧発生機構を電動モータによって駆動する電動ブレーキ装置に使用され、ブレーキペダルからの入力情報に基づいて前記電動モータを制御するブレーキ制御手段を備えた電動ブレーキ制御装置において、
    前記ブレーキ制御手段は、前記電動モータに対する第1の目標指令値を求める演算を行う目標指令値演算部と、前記第1の目標指令値を補正する補正値を求める演算を行う補正値演算部と、前記第1の目標指令値を前記補正値で補正する演算を行って第2の目標指令値を求める指令値補正演算部とを備え、
    前記補正値演算部は、前記液圧発生機構によって発生したブレーキ液圧値と前記指令値補正演算部が演算した前記第2の目標指令値とを用いて、ブレーキ液圧の反力に基づく外乱分に相当する反力補正値を求め、
    前記指令値補正演算部は、前記第1の目標指令値を前記反力補正値によって補正する演算を行なって新たに前記第2の目標指令値を求めて前記電動モータを駆動する
    ことを特徴とする電動ブレーキ制御装置。
  2. 請求項1に記載の電動ブレーキ制御装置において、
    前記目標指令値演算部は、前記電動モータに対する第1の電流指令値を演算して求め、
    前記指令値補正演算部は、前記第1の電流指令値を補正して第2の電流指令値を演算して求め、
    前記補正値演算部は、前記液圧発生機構によって発生したブレーキ液圧値と前記指令値補正演算部が演算した前記第2の電流指令値とを用いて、ブレーキ液圧の反力に基づく外乱分に相当する反力補正電流値を演算して求め、
    前記指令値補正演算部は、前記第1の電流指令値を前記反力補正電流値によって補正する演算を行って新たに前記第2の電流指令値を求めて前記電動モータを駆動する
    ことを特徴とする電動ブレーキ制御装置。
  3. 請求項2に記載の電動ブレーキ制御装置において、
    前記補正値演算部は、前記ブレーキ液圧値と前記第2の電流指令値に加えて前記電動モータの回転位置を用いて、ブレーキ液圧の反力に基づく外乱分に相当する反力補正電流値を演算して求めることを特徴とする電動ブレーキ制御装置。
  4. 請求項1に記載の電動ブレーキ制御装置において、
    前記目標指令値演算部は、前記電動モータに対する第1のトルク指令値を演算して求め、
    前記指令値補正演算部は、前記第1のトルク指令値を補正して第2のトルク指令値を求め、更に前記第2のトルク指令値をトルク−電流変換手段によって電流値に変換して第2の電流指令値を求め、
    前記補正値演算部は、前記液圧発生機構によって発生したブレーキ液圧値と前記指令値補正演算部が演算した前記第2のトルク指令値とを用いて、ブレーキ液圧の反力に基づく外乱分に相当する反力補正トルク値を演算し、
    前記指令値補正演算部は、前記第1のトルク指令値を前記反力補正トルク値によって補正する演算を行って新たに前記第2のトルク値を求め、前記トルク−電流変換手段によって新たに求められた前記第2のトルク値を前記第2の電流指令値に変換して前記電動モータを駆動する
    ことを特徴とする電動ブレーキ制御装置。
  5. 請求項4に記載の電動ブレーキ制御装置において、
    前記補正値演算部に入力される前記第2のトルク指令値は、前記指令値補正演算部が演算した前記第2の電流指令値をトルク値に変換して求められたものであることを特徴とする電動ブレーキ制御装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電動ブレーキ制御装置において、
    前記目標指令値演算部は、前記電動モータの回転位置情報と前記ブレーキペダルのストローク量から前記電動モータに対する前記第1の目標指令値、或いは前記第1の電流指令値、或いは前記第1のトルク指令値を求めることを特徴とする電動ブレーキ制御装置。
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