JP2018037889A - 通信装置およびキャンセル方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】受信信号に含まれる相互変調信号を精度よくキャンセルする。
【解決手段】通信装置のPIMキャンセラは、合成部、レプリカ生成部40、および遅延測定器50を有する。レプリカ生成部40は、遅延測定器50が測定した各送信信号の遅延量に基づいて相互変調信号を生成する。合成部は、生成された相互変調信号を用いて受信信号から相互変調信号をキャンセルする。遅延測定器50は、可変遅延部503aと、乗算器500bと、最大値検出部502aとを有する。可変遅延部503aは、複数の送信信号に含まれる送信信号x2を異なる第1の遅延量分遅延させる。乗算器500bは、受信信号に、遅延された送信信号x2を乗算して中間信号Sm1を生成する。最大値検出部502aは、第1の遅延量毎の中間信号Sm1と複数の送信信号に含まれる送信信号x1との相関値に基づいて、相互変調信号に対する送信信号x1の遅延量を算出する。
【選択図】図5

Description

本発明は、通信装置およびキャンセル方法に関する。
複数の無線通信装置は、互いに異なる周波数を用いて通信を行うことにより、相互に干渉することなく通信が可能である。また、FDD(Frequency Division Duplex)方式を用いた無線通信装置では、送信信号に用いられる周波数帯域と受信信号に用いられる周波数帯域とが異なるため、送信および受信を並行して行うことが可能である。
ところで、複数の無線通信装置が異なる周波数の送信信号を用いて通信を行う場合、複数の送信信号が金属製の看板などの障害物に反射するなどにより相互変調され、相互変調信号が各無線通信装置において受信される場合がある。送信信号の周波数の配置によっては、相互変調信号が受信信号の周波数帯域に含まれる場合がある。相互変調信号の周波数と受信信号の周波数とが近い場合、フィルタ等によって相互変調信号を除去しきれず、無線通信装置において受信信号の品質が劣化する。そこで、送信信号から相互変調信号を近似的に生成し、生成された相互変調信号によって受信信号に含まれる相互変調信号をキャンセルすることなどが検討されている。
特表2009−526442号公報
3GPP TR37.808 v12.0.0 "Passive Intermodulation (PIM) handling for Base Stations (BS) (Release 12)"
ところで、相互変調信号の発生源となる障害物までの距離は、一般的に無線通信装置毎に異なる。そのため、相互変調信号の発生源では、遅延量の異なる複数の送信信号によって相互変調信号が発生することになる。一方、各無線通信装置では、実際の相互変調信号を発生させた各送信信号の遅延量とは無関係に、複数の送信信号から相互変調信号を生成する。そのため、生成された相互変調信号を受信信号に合成しても、受信信号に含まれる相互変調信号を十分にキャンセルすることは困難である。従って、受信信号に残存する相互変調信号の成分により、受信信号の品質が劣化する。
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、受信信号に含まれる相互変調信号を精度よくキャンセルすることを目的とする。
1つの側面では、通信装置は、送信部と、受信部と、遅延測定器と、相互変調信号生成部と、キャンセル部とを有する。送信部は、複数の送信信号を、それぞれ異なる周波数で送信する。受信部は、複数の送信信号によって生じる相互変調信号を含む受信信号を受信する。遅延測定器は、複数の送信信号のそれぞれの遅延量を測定する。相互変調信号生成部は、遅延測定器によって測定された複数の送信信号のそれぞれの遅延量に基づいて、複数の送信信号から相互変調信号を生成する。キャンセル部は、相互変調信号生成部によって生成された相互変調信号と受信信号とを合成することにより、受信信号に含まれる相互変調信号をキャンセルする。また、遅延測定器は、遅延信号生成部と、中間信号生成部と、算出部とを有する。遅延信号生成部は、複数の送信信号に含まれる1つの送信信号を第1の遅延量分遅延させた信号を含む遅延信号を生成する。中間信号生成部は、受信信号に、遅延信号生成部によって生成された遅延信号または該遅延信号の複素共役を乗算することにより中間信号を生成する。算出部は、中間信号と複数の送信信号に含まれる他の送信信号との相関値に基づいて、相互変調信号に対する該他の送信信号の遅延量を算出する。
1実施形態によれば、受信信号に含まれる相互変調信号を精度よくキャンセルすることができる。
図1は、通信装置の一例を示すブロック図である。 図2は、相互変調信号が発生する状況を説明する図である。 図3は、相互変調信号の周波数の一例を示す図である。 図4は、実施例1における相互変調信号(PIM)キャンセラの一例を示すブロック図である。 図5は、実施例1における遅延測定器の一例を示すブロック図である。 図6は、相関器の一例を示す図である。 図7は、相関器の一例を示す図である。 図8は、通信装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図9は、実施例1における遅延量測定処理の一例を示すフローチャートである。 図10は、各送信信号の遅延プロファイルの一例を示す図である。 図11は、生成された相互変調信号の遅延プロファイルの一例を示す図である。 図12は、比較例におけるPIMキャンセラの一例を示すブロック図である。 図13は、比較例における遅延測定器の一例を示すブロック図である。 図14は、比較例において生成された相互変調信号の遅延プロファイルの一例を示す図である。 図15は、比較例における遅延測定器の他の例を示すブロック図である。 図16は、実施例1における遅延測定器の他の例を示すブロック図である。 図17は、各送信信号の遅延プロファイルの一例を示す図である。 図18は、実施例2における遅延測定器の一例を示すブロック図である。 図19は、実施例2における遅延量測定処理の一例を示すフローチャートである。 図20は、各送信信号の遅延プロファイルの一例を示す図である。 図21は、実施例2における遅延測定器の他の例を示すブロック図である。 図22は、各送信信号の遅延プロファイルの一例を示す図である。 図23は、実施例3における遅延測定器の一例を示すブロック図である。 図24は、実施例3における遅延量測定処理の一例を示すフローチャートである。 図25は、実施例3における遅延量測定処理の一例を示すフローチャートである。 図26は、実施例3における遅延量測定処理の一例を示すフローチャートである。 図27は、各送信信号の遅延プロファイルの一例を示す図である。 図28は、実施例4における遅延測定器の一例を示すブロック図である。 図29は、実施例4における遅延量測定処理の一例を示すフローチャートである。 図30は、各送信信号の遅延プロファイルの一例を示す図である。 図31は、実施例5における遅延測定器の一例を示すブロック図である。 図32は、実施例5における遅延量測定処理の一例を示すフローチャートである。 図33は、実施例5における遅延量測定処理の一例を示すフローチャートである。 図34は、各送信信号の遅延プロファイルの一例を示す図である。 図35は、実施例5における遅延測定器の他の例を示すブロック図である。 図36は、各送信信号の遅延プロファイルの一例を示す図である。 図37は、実施例6における遅延測定器の一例を示すブロック図である。 図38は、実施例6における遅延量測定処理の一例を示すフローチャートである。 図39は、各送信信号の遅延プロファイルの一例を示す図である。 図40は、実施例6における遅延測定器の他の例を示すブロック図である。 図41は、各送信信号の遅延プロファイルの一例を示す図である。 図42は、実施例7における遅延測定器の一例を示すブロック図である。 図43は、実施例7における遅延量測定処理の一例を示すフローチャートである。 図44は、各送信信号の遅延プロファイルの一例を示す図である。 図45は、実施例7における遅延測定器の他の例を示すブロック図である。 図46は、各送信信号の遅延プロファイルの一例を示す図である。 図47は、実施例8における遅延測定器の一例を示すブロック図である。 図48は、実施例8における遅延量測定処理の一例を示すフローチャートである。 図49は、RREのハードウェアの一例を示す図である。 図50は、遅延測定器のハードウェアの一例を示す図である。
以下に、本願が開示する通信装置およびキャンセル方法の実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下に示す実施例により本願が開示する通信装置およびキャンセル方法が限定されるものではない。また、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
<通信装置10>
図1は、通信装置10の一例を示すブロック図である。通信装置10は、BBU(Base Band Unit)11、PIM(Passive InterModulation)キャンセラ20−1、PIMキャンセラ20−2、RRE(Remote Radio Equipment)30−1、およびRRE30−2を有する。RRE30−1および30−2は、それぞれ異なる周波数の送信信号を送信する。本実施例では、RRE30−1は、周波数f1の送信信号x1を送信し、RRE30−2は、周波数f2の送信信号x2を送信する。送信信号x1は第1の送信信号の一例であり、送信信号x2は第2の送信信号の一例である。以下では、f1<f2と仮定する。なお、以下では、PIMキャンセラ20−1および20−2のそれぞれを区別することなく総称する場合に単にPIMキャンセラ20と記載し、RRE30−1および30−2のそれぞれを区別することなく総称する場合に単にRRE30と記載する。
それぞれのRRE30は、DAC(Digital to Analog Converter)31、ADC(Analog to Digital Converter)32、直交変調器33、および直交復調器34を有する。また、それぞれのRRE30は、PA(Power Amplifier)35、LNA(Low Noise Amplifier)36、DUP(DUPlexer)37、およびアンテナ38を有する。
DAC31は、BBU11から出力された送信信号をディジタル信号からアナログ信号に変換して直交変調器33へ出力する。直交変調器33は、DAC31によってアナログ信号に変換された送信ベースバンド信号を直交変調する。PA35は、直交変調器33によって直交変調された送信信号を増幅する。DUP37は、PA35によって増幅された送信信号のうち、送信帯域の周波数成分をアンテナ38へ通過させる。これにより、送信信号がアンテナ38から送信される。DAC31、直交変調器33、およびPA35は、送信部の一例である。
また、DUP37は、アンテナ38を介して受信された受信信号のうち、受信帯域の周波数成分をLNA36へ通過させる。LNA36は、DUP37から出力された受信信号を増幅する。直交復調器34は、LNA36によって増幅された受信信号を直交復調する。ADC32は、直交復調器34によって直交復調された受信信号をアナログ信号からディジタル信号に変換し、ディジタル信号に変換された受信信号をPIMキャンセラ20へ出力する。LNA36、直交復調器34、およびADC32は、受信部の一例である。
PIMキャンセラ20−1は、RRE30−1によって送信される送信信号x1と、RRE30−2によって送信される送信信号x2とをBBU11から取得し、送信信号x1および送信信号x2に基づいて相互変調信号を生成する。そして、PIMキャンセラ20−1は、生成された相互変調信号を、RRE30−1から出力された受信信号rx1からキャンセルし、相互変調信号がキャンセルされた受信信号rx1’をBBU11へ出力する。
PIMキャンセラ20−2は、RRE30−1によって送信される送信信号x1と、RRE30−2によって送信される送信信号x2とをBBU11から取得し、送信信号x1および送信信号x2に基づいて相互変調信号を生成する。そして、PIMキャンセラ20−2は、生成された相互変調信号を、RRE30−2から出力された受信信号rx2からキャンセルし、相互変調信号がキャンセルされた受信信号rx2’をBBU11へ出力する。
ここで、相互変調信号が発生する状況について説明する。図2は、相互変調信号が発生する状況を説明する図である。例えば図2に示すように、空間内に金属製の看板等の障害物100が存在する場合、RRE30−1から送信された周波数f1の送信信号x1と、RRE30−2から送信された周波数f2の送信信号x2とは、障害物100に反射する際に歪成分の信号が発生する。歪成分には、相互変調歪の信号が含まれる。周波数f1の送信信号x1と、周波数f2の送信信号x2とによって発生する相互変調歪の信号には、2f1−f2や2f2−f1の周波数の信号が含まれる。
1およびf2の周波数によっては、例えば図3に示すように、2f1−f2や2f2−f1の周波数が受信帯域に含まれる場合がある。2f1−f2や2f2−f1の周波数が受信帯域に含まれる場合、受信帯域における受信信号の品質が劣化する場合がある。そのため、PIMキャンセラ20は、RRE30によって受信された信号に含まれる2f1−f2や2f2−f1の周波数の相互変調信号をキャンセルすることにより、受信信号の品質を向上させる。
2f1−f2や2f2−f1の周波数の相互変調信号をキャンセルするためには、例えば、周波数f1の送信信号x1と、周波数f2の送信信号x2とから相互変調信号を生成し、生成された相互変調信号を受信信号に合成する。これにより、受信信号に含まれる相互変調信号が、生成された相互変調信号によりキャンセルされ、受信信号の品質が向上する。
しかし、例えば図2に示すように、RRE30−1内の回路からアンテナ端までのケーブル長等に起因する遅延Δt11と、RRE30−2内の回路からアンテナ端までのケーブル長等に起因する遅延Δt21とは、一般的に異なる。また、各RRE30から、相互変調信号の発生源となる障害物100までの距離は一般的に異なる。そのため、RRE30−1のアンテナ端から障害物100までの距離に起因する遅延Δt12と、RRE30−2のアンテナ端から障害物100までの距離に起因する遅延Δt22とは、一般的に異なる。
そのため、障害物100において、周波数f1の送信信号x1と、周波数f2の送信信号x2とによって相互変調信号が発生した場合、該相互変調信号を発生させた送信信号x1の遅延量と送信信号x2の遅延量とは、一般的に異なる。相互変調信号の生成に用いられた送信信号x1およびx2の遅延量と、受信信号に含まれている相互変調信号を発生させた送信信号x1およびx2の遅延量とが異なる場合、生成された相互変調信号を受信信号に合成しても、相互変調信号が十分にキャンセルされない。
そこで、本実施例では、相互変調信号の生成に用いられる送信信号x1およびx2の遅延量を、受信された相互変調信号を発生させた送信信号x1およびx2の遅延量に近づける。これにより、受信信号に含まれる相互変調信号が、生成された相互変調信号によって十分にキャンセルされ、受信信号の品質が向上する。
なお、以下では、2f1−f2の周波数の相互変調信号のキャンセルについて説明するが、2f2−f1の周波数の相互変調信号のキャンセルについても、f1とf2とを入れ替えることにより、同様に実現することができる。
<PIMキャンセラ20>
図4は、実施例1におけるPIMキャンセラ20の一例を示すブロック図である。PIMキャンセラ20は、合成部21、レプリカ生成部40、および遅延測定器50を有する。遅延測定器50は、BBU11から出力された送信信号x1およびx2と、RRE30から出力された受信信号rxとに基づいて、受信信号rxに対する送信信号x1の遅延量d1と、受信信号rxに対する送信信号x2の遅延量d2とをそれぞれ測定する。レプリカ生成部40は、遅延測定器50によって測定された遅延量d1分遅延させた送信信号x1と、遅延測定器50によって測定された遅延量d2分遅延させた送信信号x2とを用いて、相互変調信号を生成する。レプリカ生成部40は、相互変調信号生成部の一例である。合成部21は、RRE30から出力された受信信号rxと、レプリカ生成部40によって生成された相互変調信号とを合成することにより、受信信号rxに含まれている相互変調信号をキャンセルする。そして、合成部21は、相互変調信号がキャンセルされた受信信号rx’をBBU11へ出力する。合成部21は、キャンセル部の一例である。
レプリカ生成部40は、遅延設定部41、遅延設定部42、乗算器43、乗算器44、係数生成部45、および乗算器46を有する。乗算器43、乗算器44、および乗算器46は、例えば複素乗算器である。BBU11から出力された送信信号x1は、遅延設定部41によって遅延量d1分遅延され、乗算器43によって2乗される。また、BBU11から出力された送信信号x2は、遅延設定部42によって遅延量d2分遅延される。そして、乗算器44は、乗算器43によって2乗された送信信号x1と、遅延設定部42が遅延させた送信信号x2の複素共役とを乗算することにより、相互変調信号を生成する。
係数生成部45は、合成部21から出力された受信信号rx’に含まれている相互変調信号の成分を検出する。そして、係数生成部45は、検出された相互変調信号の成分がキャンセルされるように、乗算器44によって生成される相互変調信号の振幅および位相を調整するための係数を算出する。乗算器46は、乗算器44によって生成された相互変調信号に、係数生成部45によって算出された係数を乗算することにより、乗算器44によって生成された相互変調信号の振幅および位相を調整する。乗算器46によって振幅および位相が調整された相互変調信号は、合成部21へ出力される。
ここで、受信信号rには、例えば図2で説明したように、周波数が2f1−f2となる相互変調信号SPIMが含まれる。相互変調信号SPIMは、例えば下記(1)式のように表される。なお、搬送波のオフセット周波数は省略している。
PIM=A3(x1 2・x2 *)+A51(|x1|2・x1 2・x2 *)+A52(|x2|2・x1 2・x2 *)+・・・
=(A3+A51|x1|2+A52|x2|2+・・・)x1 2・x2 * ・・・(1)
上記(1)式において、A3、A51、A52、・・・は、非線形歪の係数を表す定数である。また、上記(1)式において、x*は、送信信号xの複素共役を示す。
上記(1)式に示した相互変調信号SPIMに送信信号x2を乗算すると、乗算結果である中間信号Sm1は、例えば下記(2)式のように表される。中間信号Sm1は、第1の中間信号の一例である。
m1=SPIM・x2
=(A3+A51|x1|2+A52|x2|2+・・・)x1 2・x2 *・x2
=(A3+A51|x1|2+A52|x2|2+・・・)|x2|2・x1 2 ・・・(2)
上記(2)式において、送信信号x2の成分は実数となり、振幅成分の変化となる。従って、上記(2)式に示した中間信号Sm1と送信信号x1の2乗との相関をとることが可能となる。また、本実施例では、送信信号x2を第1の遅延量分遅延させ、遅延された送信信号x2を相互変調信号SPIMに乗算することにより中間信号Sm1を生成する。そして、上記(2)式に示した中間信号Sm1に対して、送信信号x1の遅延量を変えながら、中間信号Sm1と送信信号x1の2乗との相関値を算出する。本実施例では、複数の異なる第1の遅延量を順次切り替えながら、第1の遅延量毎に中間信号Sm1と送信信号x1の2乗との相関値が算出される。そして、第1の遅延量毎の相関値の中で、相関値が最大となる遅延量が、相互変調信号SPIMを発生させた送信信号x1の遅延量d1となる。
また、上記(1)式に示した相互変調信号SPIMに、送信信号x1の2乗の複素共役を乗算すると、乗算結果である中間信号Sm2は、例えば下記(3)式のように表される。中間信号Sm2は、第2の中間信号の一例である。
m2=SPIM・(x1 2)*
=(A3+A51|x1|2+A52|x2|2+・・・)x1 2・x2 *・(x1 2)*
=(A3+A51|x1|2+A52|x2|2+・・・)|x1|4・x2 * ・・・(3)
上記(3)式において、送信信号x1の成分は実数となり、振幅成分の変化となる。従って、上記(3)式に示した中間信号Sm2と送信信号x2の複素共役との相関をとることが可能となる。また、本実施例では、送信信号x1を第1の遅延量分遅延させ、遅延された送信信号x1の2乗の複素共役を相互変調信号SPIMに乗算することにより中間信号Sm2を生成する。そして、上記(3)式に示した中間信号Sm2に対して、送信信号x2の遅延量を変えながら、中間信号Sm2と送信信号x2の複素共役との相関値を算出する。本実施例では、複数の異なる第1の遅延量を順次切り替えながら、第1の遅延量毎に中間信号Sm2と送信信号x2の複素共役との相関値が算出される。そして、第1の遅延量毎の相関値の中で、相関値が最大となる遅延量が、相互変調信号SPIMを発生させた送信信号x2の遅延量d2となる。
このように、相互変調信号を含む受信信号に送信信号を乗算したのちに、乗算結果と送信信号との相関をとることにより、各々の送信信号の遅延を独立に求めることが可能となる。各々の送信信号の遅延を求める処理は、遅延測定器50によって実現される。以下、遅延測定器50の具体的な処理ブロックの一例について説明する。
<遅延測定器50>
図5は、実施例1における遅延測定器50の一例を示すブロック図である。本実施例における遅延測定器50は、送信信号x1の遅延量d1を算出する第1の遅延検出部51と、送信信号x2の遅延量d2を算出する第2の遅延検出部52とを有する。第1の遅延検出部51は、乗算器500a、乗算器500b、相関器501a、最大値検出部502a、および可変遅延部503aを有する。第2の遅延検出部52は、乗算器500c、乗算器500d、相関器501b、最大値検出部502b、および可変遅延部503bを有する。乗算器500a〜500dは、例えば複素乗算器である。可変遅延部503aおよび503bは、遅延信号生成部の一例である。乗算器500aおよび500cは、中間信号生成部の一例である。また。相関器501aおよび501bは、相関部の一例である。また、最大値検出部502aおよび502bは、算出部の一例である。
可変遅延部503aは、BBU11から出力された送信信号x2を第1の遅延時間分遅延させる。可変遅延部503bは、BBU11から出力された送信信号x1を第1の遅延時間分遅延させる。可変遅延部503aおよび503bは、予め定められた複数の異なる第1の遅延量について、第1の遅延量を切り替えながら送信信号x2および送信信号x1を、それぞれ第1の遅延時間分遅延させる。可変遅延部503aによって遅延された送信信号x2および可変遅延部503bによって遅延された送信信号x1は、それぞれ遅延信号の一例である。可変遅延部503aは、第2の遅延部の一例であり、可変遅延部503bは、第1の遅延部の一例である。
乗算器500bは、RRE30から出力された受信信号rxに、可変遅延部503aによって遅延された送信信号x2を乗算することにより、中間信号Sm1を生成する。乗算器500bは、第1の生成部の一例である。乗算器500aは、BBU11から出力された送信信号x1の2乗を算出する。
相関器501aは、乗算器500bによって算出された中間信号Sm1と、乗算器500aによって算出された送信信号x1の2乗との相関値を算出する。相関器501aとしては、例えば図6に示すようなスライディング相関器を用いることができる。図6は、相関器501の一例を示す図である。乗算器500bによって算出された中間信号Sm1は、第1の信号として図6の相関器501に入力され、乗算器500aによって算出された送信信号x1の2乗は、第2の信号として図6に示す相関器501に入力される。そして、遅延設定部504に設定される遅延量を切り替えながら、該遅延量毎に、第1の信号と、第2の信号との相関値が算出される。遅延設定部504に設定される遅延量は、第2の遅延量の一例である。
また、相関器501aとしては、例えば図7に示すようなマッチドフィルタが用いられてもよい。図7は、相関器501の一例を示す図である。乗算器500bによって算出された中間信号Sm1は、第1の信号として図7に示す相関器501に入力され、乗算器500aによって算出された送信信号x1の2乗は、第2の信号として図7に示す相関器501に入力される。そして、遅延設定部505に設定される遅延量を切り替えながら、該遅延量毎に、第1の信号と、第2の信号との相関値が算出される。遅延設定部505に設定される遅延量は、第2の遅延量の一例である。
なお、可変遅延部503aおよび503bにおいて切り替えられる第1の遅延量の分解能は、相関器501において、遅延設定部504または遅延設定部505に設定される第2の遅延量の分解能よりも粗い。具体的には、複数の異なる第1の遅延量および複数の異なる第2の遅延量において、第1の遅延量同士の遅延量の差Δt1は、第2の遅延量同士の遅延量の差Δt2よりも大きい。以下では、第1の遅延量同士の遅延量の差Δt1を、第1の遅延量の時間分解能と呼ぶ場合がある。
最大値検出部502aは、相関器501aによって算出された相関値の中で、最大の相関値を検出する。そして、最大値検出部502aは、検出された最大の相関値における遅延量を、送信信号x1の遅延量d1としてレプリカ生成部40へ出力する。最大値検出部502aは、第1の算出部の一例である。
また、乗算器500cは、可変遅延部503bによって遅延された送信信号x1の2乗を算出する。乗算器500dは、RRE30から出力された受信信号rxに、乗算器500cによって算出された送信信号x1の2乗の複素共役を乗算することにより、中間信号Sm2を生成する。乗算器500dは、第2の生成部の一例である。
相関器501bは、送信信号x2の複素共役の遅延量の設定を変更しながら、乗算器500dによって算出された中間信号Sm2と、送信信号x2の複素共役との相関値を算出する。相関器501bとしては、例えば、図6に示したスライディング相関器や、図7に示したマッチドフィルタ等を用いることができる。
最大値検出部502bは、相関器501bによって算出された相関値の中で、最大の相関値を検出する。そして、最大値検出部502bは、検出された最大の相関値における遅延量を、送信信号x2の遅延量d2としてレプリカ生成部40へ出力する。最大値検出部502bは、第2の算出部の一例である。
<通信装置10の動作>
図8は、通信装置の動作の一例を示すフローチャートである。通信装置10は、送信信号x1および送信信号x2を送信する際に、図8に示す動作を実行する。
まず、BBU11は、送信信号x1をPIMキャンセラ20−1、PIMキャンセラ20−2、およびRRE30−1へ出力する。送信信号x1は、RRE30−1によって変調等の処理が施され、アンテナ38から送信される(S100)。また、BBU11は、送信信号x2をPIMキャンセラ20−1、PIMキャンセラ20−2、およびRRE30−2へ出力する。送信信号x2は、RRE30−2によって変調等の処理が施され、アンテナ38から送信される(S100)。
次に、RRE30−1およびRRE30−2は、それぞれ、相互変調信号を含む受信信号をアンテナ38を介して受信する(S101)。RRE30−1によって受信された受信信号rx1は、PIMキャンセラ20−1へ出力され、RRE30−2によって受信された受信信号rx2は、PIMキャンセラ20−2へ出力される。そして、PIMキャンセラ20−1およびPIMキャンセラ20−2のそれぞれによって、後述する遅延量測定処理が実行される(S200)。
次に、PIMキャンセラ20−1およびPIMキャンセラ20−2は、それぞれ、遅延量測定処理によって測定された送信信号x1および送信信号x2のそれぞれの遅延量に基づいて、相互変調信号を生成する(S102)。そして、PIMキャンセラ20−1は、生成された相互変調信号と受信信号rx1とを合成することにより、受信信号rx1に含まれる相互変調信号をキャンセルし、相互変調信号がキャンセルされた受信信号rx1’をBBU11へ出力する(S103)。同様に、PIMキャンセラ20−2は、生成された相互変調信号と受信信号rx2とを合成することにより、受信信号rx2に含まれる相互変調信号をキャンセルし、相互変調信号がキャンセルされた受信信号rx2’をBBU11へ出力する(S103)。
<遅延量測定処理>
図9は、実施例1における遅延量測定処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す遅延量測定処理は、遅延測定器50によって実行される。
まず、可変遅延部503aは、予め定められた複数の異なる第1の遅延量の中で、送信信号x2を遅延させる第1の遅延量を1つ選択する(S201)。そして、可変遅延部503aは、選択された第1の遅延量分、BBU11から出力された送信信号x2を遅延させる(S202)。乗算器500bは、RRE30から出力された受信信号rxに、可変遅延部503aによって遅延された送信信号x2を乗算することにより、中間信号Sm1を生成する(S203)。相関器501aは、乗算器500aによって算出された送信信号x1の2乗の遅延量d1の設定を変更しながら、中間信号Sm1と、送信信号x1の2乗との相関値を算出する(S204)。最大値検出部502aは、相関器501aによって算出された相関値の中で、最大の相関値を検出する。そして、最大値検出部502aは、検出した相関値を、該相関値に対応する送信信号x1の遅延量d1に対応付けて保持する。
次に、可変遅延部503aは、送信信号x2を遅延させる第1の遅延量を全て選択したか否かを判定する(S205)。未選択の第1の遅延量がある場合(S205:No)、可変遅延部503aは、再びステップS201に示した処理を実行する。一方、送信信号x2を遅延させる第1の遅延量が全て選択された場合(S205:Yes)、最大値検出部502aは、保持している相関値の中で、相関値が最大となる遅延量d1を特定する(S206)。
次に、可変遅延部503bは、予め定められた複数の異なる第1の遅延量の中で、送信信号x1を遅延させる第1の遅延量を1つ選択する(S207)。そして、可変遅延部503bは、選択された第1の遅延量分、BBU11から出力された送信信号x1を遅延させる(S208)。そして、乗算器500cは、可変遅延部503bによって遅延された送信信号x1の2乗を算出する。
次に、乗算器500dは、RRE30から出力された受信信号rxに、可変遅延部503bによって遅延され、乗算器500cによって2乗された送信信号x1の複素共役を乗算することにより、中間信号Sm2を生成する(S209)。相関器501bは、送信信号x2の遅延量d2の設定を変更しながら、中間信号Sm2と、送信信号x2の複素共役との相関値を算出する(S210)。最大値検出部502bは、相関器501bによって算出された相関値の中で、最大の相関値を検出する。そして、最大値検出部502bは、検出した相関値を、該相関値に対応する送信信号x2の遅延量d2に対応付けて保持する。
次に、可変遅延部503bは、送信信号x1を遅延させる第1の遅延量を全て選択したか否かを判定する(S211)。未選択の第1の遅延量がある場合(S211:No)、可変遅延部503bは、再びステップS207に示した処理を実行する。一方、送信信号x1を遅延させる第1の遅延量が全て選択された場合(S211:Yes)、最大値検出部502bは、保持している相関値の中で、相関値が最大となる遅延量d2を特定する(S212)。そして、最大値検出部502aおよび最大値検出部502bは、それぞれ、特定された遅延量d1およびd2をレプリカ生成部40へ出力する(S213)。そして、図9に示した遅延量測定処理は終了する。
なお、図9に示したフローチャートでは、ステップS201〜S206の処理が実行された後に、ステップS207〜S212の処理が実行されるが、ステップS201〜S206の処理と、ステップS207〜S212の処理とは、どちらが先に実行されてもよい。また、ステップS201〜S206の処理と、ステップS207〜S212の処理とは、並列に実行されてもよい。
遅延測定器50によって各送信信号について算出された遅延プロファイルは、例えば図10に示すようになる。図10は、各送信信号の遅延プロファイルの一例を示す図である。図10において、横軸は相互変調信号に対する各送信信号の遅延量を示し、縦軸は相関値を示す。図10では、LTEを想定した10MHz相当の信号を用いており、サンプリング周波数は、例えば61.44MHzである。また、図10において、白丸が中間信号Sm1と送信信号x1の2乗との相関値を示し、白三角が中間信号Sm2と送信信号x2の複素共役との相関値を示す。また、図10には、遅延量が+4サンプルの送信信号x1と、遅延量が−2サンプルの送信信号x2とにより発生した相互変調信号を含む受信信号との相関値が示されている。なお、図10の例では、相関値を算出する際に切り替えられる第2の遅延量の間隔Δt2は、例えば8サンプルである。
図10に示した遅延プロファイルの最大値が、相互変調信号に対する各送信信号の遅延量として検出される。図10の例において、送信信号x1については、相互変調信号に対して+4サンプルの位置で相関値が最大となり、送信信号x2については、相互変調信号に対して−2サンプルの位置で相関値が最大となっている。このように、相互変調信号を含む受信信号に送信信号を乗算したのちに、乗算結果と送信信号との相関をとることにより、各々の送信信号の遅延を独立に求めることが可能となる。
これにより、相互変調信号を発生させた各送信信号に近い遅延量となる送信信号に基づいて相互変調信号を生成することができる。そのため、レプリカ生成部40は、受信信号に含まれる相互変調信号に近い波形の相互変調信号を生成することができる。従って、生成された相互変調信号と受信信号との相関をとると、遅延プロファイルは、例えば図11に示すように、受信信号に含まれている相互変調信号に同期したタイミングで相関値が最大となる。これにより、生成された相互変調信号と、受信信号に含まれている相互変調信号とのタイミングを精度よく合わせることができ、受信信号に含まれる相互変調信号を精度よくキャンセルすることができる。
<比較例>
ここで、比較例について説明する。図12は、比較例におけるPIMキャンセラ20の一例を示すブロック図である。比較例におけるPIMキャンセラ20は、合成部21、遅延測定器200、およびレプリカ生成部400を有する。遅延測定器200は、BBU11から出力された送信信号x1およびx2に基づいて、相互変調信号を生成し、生成された信号と、RRE30から出力された受信信号rxとの相関に基づいて、相互変調信号の遅延量dを測定する。
レプリカ生成部400は、乗算器401、乗算器402、遅延設定部403、係数生成部404、および乗算器405を有する。乗算器401は、BBU11から出力された送信信号x1の2乗を算出する。乗算器402は、乗算器401によって算出された送信信号x1の2乗と、BBU11から出力された送信信号x2の複素共役とを乗算することにより、相互変調信号を生成する。
遅延設定部403は、乗算器402によって生成された相互変調信号を、遅延測定器200によって測定された遅延量d分遅延させる。係数生成部404は、合成部21から出力された受信信号に含まれている相互変調信号の成分をキャンセルされるように、遅延設定部403が遅延させた相互変調信号の振幅および位相を調整するための係数を算出する。乗算器405は、遅延設定部403が遅延させた相互変調信号に、係数生成部404によって算出された係数を乗算することにより、生成された相互変調信号の振幅および位相を調整する。
図13は、比較例における遅延測定器200の一例を示すブロック図である。比較例における遅延測定器200は、乗算器201、乗算器202、相関器203、および最大値検出部204を有する。乗算器201は、BBU11から出力された送信信号x1の2乗を算出する。乗算器202は、乗算器201によって算出された送信信号x1の2乗と、BBU11から出力された送信信号x2の複素共役とを乗算することにより、相互変調信号を生成する。
相関器203は、乗算器202によって生成された相互変調信号の遅延量の設定を変更しながら、RRE30から出力された受信信号rxと、乗算器202によって生成された相互変調信号との相関値を算出する。最大値検出部204は、相関器203によって算出された相関値の中で、最大の相関値を検出する。そして、最大値検出部204は、検出された最大の相関値における遅延量を、相互変調信号の遅延量dとしてレプリカ生成部400へ出力する。
比較例では、相互変調信号を発生させた各送信信号の遅延量が考慮されていない。そのため、比較例において生成された相互変調信号は、受信信号に含まれている相互変調信号とは異なる波形となる。そのため、比較例において生成された相互変調信号と、受信信号との相関をとると、例えば図14のようになる。図14は、比較例において生成された相互変調信号の遅延プロファイルの一例を示す図である。図14において、横軸は、受信信号に含まれている相互変調信号に対して、生成された相互変調信号の遅延量を示す。また、図14において、縦軸は、受信信号と、生成された相互変調信号との相関値を示す。
比較例では、受信信号に含まれている相互変調信号を発生させた各送信信号の遅延量と、相互変調信号の生成に用いられた各送信信号の遅延量とは異なる。そのため、受信信号と、生成された相互変調信号との相関値は、0の遅延量とは異なる遅延量において最大となる。そのため、生成された相互変調信号を、受信信号に含まれている相互変調信号のタイミングに合わせて合成することが難しく、受信信号に含まれている相互変調信号を十分にキャンセルすることが困難である。
また、比較例では、受信信号に含まれている相互変調信号を発生させた各送信信号の遅延量と、相互変調信号の生成に用いられた各送信信号の遅延量とは異なるため、生成された相互変調信号は、受信信号に含まれている相互変調信号とは異なる波形となる。そのため、生成された相互変調信号が、受信信号に含まれている相互変調信号のタイミングに合わせて合成されたとしても、受信信号に含まれている相互変調信号を十分にキャンセルすることは困難である。
ここで、例えば図15に示すように、遅延設定部205aおよび遅延設定部205bを用いて、送信信号x1およびx2の遅延量を個別に調整することが考えられる。図15の例では、遅延設定部205aおよび遅延設定部205bに設定される遅延量をそれぞれ変えながら、相関値が最大となる場合の遅延量の組合せを求めることができる。これにより、相互変調信号の生成に用いられる各送信信号の遅延量を、受信信号に含まれている相互変調信号を発生させた各送信信号の遅延量に近づけることができる。
しかし、図15の例では、送信信号x1およびx2に設定される遅延量が、例えばそれぞれ100通りである場合、10000通りの遅延量の組合せについて、相関器203により相関値を算出することになる。従って、図15に示した比較例の遅延測定器200では、処理負荷が高くなるという問題がある。
これに対し、図5に示した本実施例の遅延測定器50では、送信信号x1およびx2に設定される第1の遅延量が、例えばそれぞれ100通りである場合、可変遅延部503aおよび503bにそれぞれ100通りずつの第1の遅延量が設定される。そのため、本実施例の遅延測定器50では、合計で200通りの第1の遅延量について相関器501により相関値を算出すればよい。従って、本実施例の遅延測定器50は、処理負荷の増加を抑えつつ、送信信号x1およびx2のそれぞれの遅延量を精度よく算出することができる。これにより、本実施例のPIMキャンセラ20は、受信信号に含まれている相互変調信号に近い波形の相互変調信号を生成することができ、受信信号に含まれている相互変調信号を精度よくキャンセルすることができる。
なお、相互変調信号SPIMを生成している送信ストリームの成分が送信信号x1およびx2である場合、相互変調信号SPIMは、前述の(1)式のように表される。ここで、送信信号x1の遅延量d1を測定する場合、相互変調信号SPIMを生成している送信信号x2(t)の成分と、可変遅延部503aによって第1の遅延量分遅延された送信信号x2(t+nΔt1)との相関が得られれば良い。nΔt1は、それぞれの第1の遅延量に対応する。そのため、第1の遅延量の時間分解能であるΔt1は、送信信号x2(t)の信号帯域BWの逆数で表される時間長までの粗さで設定可能である。従って、本実施例の遅延測定器50では、送信信号x1およびx2に設定される第1の遅延量の数を少なくすることができ、処理負荷の増加をさらに抑えることができる。
<実施例1の遅延測定器50の他の例>
なお、上記した実施例1では、送信信号x1の遅延量d1を測定する際に、受信信号rxに、可変遅延部503aによって第1の遅延量分遅延された送信信号x2を乗算することにより中間信号Sm1が算出されたが、開示の技術はこれに限られない。例えば、受信信号rxに、送信信号x1の複素共役と可変遅延部503aによって第1の遅延量分遅延された送信信号x2とを乗算することにより中間信号Sm1が算出されてもよい。例えば、上記(1)式に示した相互変調信号SPIMに、送信信号x1の複素共役と送信信号x2とを乗算すると、乗算結果である中間信号Sm1は、例えば下記(4)式のように表される。
m1=SPIM・x1 *・x2
=(A3+A51|x1|2+A52|x2|2+・・・)x1 2・x2 *・x1 *・x2
=(A3+A51|x1|2+A52|x2|2+・・・)|x2|2・|x1|2・x1 ・・・(4)
上記(4)式では、送信信号x1の成分が残るため、中間信号Sm1と送信信号x1との相関をとることが可能となる。上記(4)式を実現する遅延測定器50は、例えば図16のようになる。図16は、実施例1における遅延測定器50の他の例を示すブロック図である。なお、図16に示す遅延測定器50では、送信信号x2の遅延量d2の算出において、受信信号rxに送信信号x1の複素共役を2回乗算することにより中間信号Sm2が算出される点も、図5に示した遅延測定器50とは異なる。
図16に示す遅延測定器50は、第1の遅延検出部51および第2の遅延検出部52を有する。第1の遅延検出部51は、乗算器500e、乗算器500f、相関器501a、最大値検出部502a、および可変遅延部503aを有する。第2の遅延検出部52は、乗算器500g、乗算器500h、相関器501b、最大値検出部502b、および可変遅延部503bを有する。乗算器500e〜500hは、例えば複素乗算器である。なお、以下に説明する点を除き、図16において、図5と同じ符号を付したブロックは、図5におけるブロックと同一または同様の機能を有するため説明を省略する。
乗算器500eは、RRE30から出力された受信信号rxに、可変遅延部503aによって第1の遅延量分遅延された送信信号x2を乗算する。乗算器500fは、乗算器500eによる乗算結果に、BBU11から出力された送信信号x1の複素共役を乗算することにより、中間信号Sm1を生成する。相関器501aは、BBU11から出力された送信信号x1の遅延量の設定を変更しながら、乗算器500fによって算出された中間信号Sm1と、送信信号x1との相関値を算出する。
乗算器500gは、RRE30から出力された受信信号rxに、可変遅延部503bによって第1の遅延量分遅延された送信信号x1の複素共役を乗算する。乗算器500hは、乗算器500gによる乗算結果に、可変遅延部503bによって第1の遅延量分遅延された送信信号x1の複素共役を乗算することにより、中間信号Sm2を生成する。相関器501bは、送信信号x2の複素共役の遅延量の設定を変更しながら、乗算器500hによって算出された中間信号Sm2と、送信信号x2の複素共役との相関値を算出する。
図16に示した遅延測定器50によって各送信信号について算出された遅延プロファイルは、例えば図17のようになる。図17は、各送信信号の遅延プロファイルの一例を示す図である。図17において、横軸は相互変調信号に対する各送信信号の遅延量を示し、縦軸は相関値を示す。また、図17において、白丸が中間信号Sm1と送信信号x1との相関値を示し、白三角が中間信号Sm2と送信信号x2の複素共役との相関値を示す。また、図17には、遅延量が+4サンプルの送信信号x1と、遅延量が−2サンプルの送信信号x2とにより発生した相互変調信号を含む受信信号との相関値が示されている。なお、サンプリング周波数やサンプリング間隔Δt2等は、図10と同様である。
<実施例1の効果>
以上、実施例1について説明した。本実施例の通信装置10は、RRE30と、遅延測定器50と、レプリカ生成部40と、合成部21とを有する。RRE30は、複数の送信信号を、それぞれ異なる周波数で送信する。また、RRE30は、複数の送信信号によって生じる相互変調信号を含む受信信号を受信する。遅延測定器50は、複数の送信信号のそれぞれの遅延量を測定する。レプリカ生成部40は、遅延測定器50によって測定された複数の送信信号のそれぞれの遅延量に基づいて、複数の送信信号から相互変調信号を生成する。合成部21は、レプリカ生成部40によって生成された相互変調信号と受信信号とを合成することにより、受信信号に含まれる相互変調信号をキャンセルする。また、遅延測定器50は、可変遅延部503aと、可変遅延部503bと、乗算器500bと、乗算器500dと、最大値検出部502aと、最大値検出部502bとを有する。可変遅延部503aおよび503bは、複数の送信信号に含まれる1つの送信信号を第1の遅延量分遅延させた信号を含む遅延信号を生成する。乗算器500bは、受信信号に、可変遅延部503aによって生成された遅延信号を乗算することにより中間信号を生成する。乗算器500dは、受信信号に、可変遅延部503bによって生成された遅延信号の複素共役を乗算することにより中間信号を生成する。最大値検出部502aおよび502bは、中間信号と複数の送信信号に含まれる他の送信信号との相関値に基づいて、相互変調信号に対する該他の送信信号の遅延量を算出する。これにより、本実施例の通信装置10は、受信信号に含まれる相互変調信号を精度よくキャンセルすることができる。
また、本実施例において、可変遅延部503aおよび503bは、複数の異なる第1の遅延量について、第1の遅延量を切り替えながら、相互変調信号を発生させる複数の送信信号の中の1つの送信信号を第1の遅延量分遅延させる。また、最大値検出部502aおよび502bは、第1の遅延量毎の中間信号と他の送信信号との相関値に基づいて、相互変調信号に対する他の送信信号の遅延量を算出する。これにより、本実施例の通信装置10は、受信信号に含まれる相互変調信号を発生させた各送信信号の遅延量を精度よく求めることができる。
また、本実施例において、遅延測定器50は、相関器501aおよび相関器501bを有する。相関器501aおよび相関器501bは、中間信号に対して、他の送信信号を第2の遅延量分遅延させ、第2の遅延量における他の送信信号と中間信号との相関値を算出する。また、相関器501aおよび相関器501bは、複数の異なる第2の遅延量を切り替えながら、それぞれの第2の遅延量における相関値を算出する。また、第1の遅延量同士の遅延量の差は、第2の遅延量同士の遅延量の差よりも大きい。これにより、本実施例の通信装置10は、受信信号に含まれる相互変調信号を発生させた各送信信号の遅延量を求める際の処理負荷を低減することができる。
また、本実施例において、複数の送信信号には、異なる周波数で送信される送信信号x1と送信信号x2とが含まれる。また、遅延測定器50は、送信信号x1を第1の遅延量分遅延させる可変遅延部503bと、送信信号x2を第1の遅延量分遅延させる可変遅延部503aとを含む。また、遅延測定器50は、可変遅延部503aによって遅延された送信信号x2を受信信号に乗算することにより中間信号Sm1を生成する乗算器500bと、可変遅延部503bによって遅延された送信信号x1の2乗の複素共役を、受信信号に乗算することにより中間信号Sm2を生成する乗算器500dとを含む。また、遅延測定器50は、第1の遅延量毎の中間信号Sm1と送信信号x1の2乗との相関値に基づいて、相互変調信号に対する送信信号x1の遅延量d1を算出する最大値検出部502aと、第1の遅延量毎の中間信号Sm2と送信信号x2の複素共役との相関値に基づいて、相互変調信号に対する送信信号x2の遅延量d2を算出する最大値検出部502bとを含む。これにより、本実施例の通信装置10は、受信信号に含まれる相互変調信号を精度よくキャンセルすることができる。
実施例1における通信装置10は、送信信号x1の遅延量d1と、送信信号x2の遅延量d2とを、それぞれ独立に算出する。これに対し、本実施例2の通信装置10は、送信信号x2を遅延させる第1の遅延量を切り替えながら送信信号x1の遅延量d1を算出し、送信信号x2の遅延量d2を算出する際には、算出された送信信号x1の遅延量d1を用いて、送信信号x2の遅延量d2を算出する。なお、本実施例では、送信信号x1の遅延量d1が算出された後に、算出された遅延量d1を用いて送信信号x2の遅延量d2が算出されるが、開示の技術はこれに限られない。例えば、送信信号x2の遅延量d2が算出された後に、算出された遅延量d2を用いて送信信号x1の遅延量d1が算出されてもよい。また、送信信号x1の遅延量d1が算出された後に、算出された遅延量d1を用いて送信信号x2の遅延量d2が算出され、算出された遅延量d2を用いて送信信号x1の遅延量d1がさらに算出されてもよい。また、算出された遅延量d1を用いて送信信号x2の遅延量d2を算出する処理と、算出された遅延量d2を用いて送信信号x1の遅延量d1を算出する処理とが、交互に何回か繰り返し実行されてもよい。
<遅延測定器50>
図18は、実施例2における遅延測定器50の一例を示すブロック図である。本実施例における遅延測定器50は、第1の遅延検出部51および第2の遅延検出部52を有する。第1の遅延検出部51は、乗算器500a、乗算器500b、相関器501a、最大値検出部502a、および可変遅延部503aを有する。第2の遅延検出部52は、乗算器500c、乗算器500d、相関器501b、最大値検出部502b、および遅延設定部506を有する。遅延設定部506は、第1の遅延部の一例である。なお、以下に説明する点を除き、図18において、図5と同じ符号を付したブロックは、図5におけるブロックと同一または同様の機能を有するため説明を省略する。
最大値検出部502aは、送信信号x1の遅延量d1を特定し、特定した遅延量d1を遅延設定部506へ出力する。遅延設定部506は、BBU11から出力された送信信号x1を、最大値検出部502aから出力された遅延量d1分遅延させる。乗算器500cは、遅延設定部506によって遅延された送信信号x1の2乗を算出する。
<遅延量測定処理>
図19は、実施例2における遅延量測定処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す遅延量測定処理は、遅延測定器50によって実行される。なお、以下に説明する点を除き、図19において、図9と同じ符号を付した処理は、図9で説明した処理と同様の処理であるため説明を省略する。
まず、図9と同様に、ステップS201〜S206までの処理が実行される。次に、最大値検出部502aは、ステップS206において特定された遅延量d1を遅延設定部506へ出力する。これにより、最大値検出部502aによって特定された遅延量d1が遅延設定部506に設定される(S220)。遅延設定部506は、BBU11から出力された送信信号x1を、設定された遅延量d1分遅延させる(S221)。乗算器500cは、遅延設定部506によって遅延された送信信号x1の2乗を算出する。そして、ステップS209、S210、S212、およびS213に示した処理が実行される。なお、ステップS220において、遅延設定部506には、最大値検出部502aによって特定された遅延量d1に代えて、該遅延量d1に最も近い遅延量の第1の遅延量が設定されてもよい。
本実施例の遅延測定器50によって各送信信号について算出された遅延プロファイルは、例えば図20に示すようになる。図20は、各送信信号の遅延プロファイルの一例を示す図である。図20において、横軸は相互変調信号に対する各送信信号の遅延量を示し、縦軸は相関値を示す。また、図20において、白丸が中間信号Sm1と送信信号x1の2乗との相関値を示し、白三角が中間信号Sm2と送信信号x2の複素共役との相関値を示す。また、図20には、遅延量が+4サンプルの送信信号x1と、遅延量が−2サンプルの送信信号x2とにより発生した相互変調信号を含む受信信号との相関値が示されている。なお、サンプリング周波数やサンプリング間隔Δt2等は、図10と同様である。
<実施例2の遅延測定器50の他の例>
なお、上記した実施例2においても、送信信号x1の遅延量d1を測定する際に、受信信号rxに、送信信号x1の複素共役と可変遅延部503aによって第1の遅延量分遅延された送信信号x2とを乗算することにより中間信号Sm1が算出されてもよい。図21は、実施例2における遅延測定器50の他の例を示すブロック図である。なお、図21に示す遅延測定器50では、送信信号x2の遅延量d2の算出において、受信信号rxに送信信号x1の複素共役を2回乗算することにより中間信号Sm2が算出される点も、図18に示した遅延測定器50とは異なる。
図21に示す遅延測定器50は、第1の遅延検出部51および第2の遅延検出部52を有する。第1の遅延検出部51は、乗算器500e、乗算器500f、相関器501a、最大値検出部502a、および可変遅延部503aを有する。第2の遅延検出部52は、乗算器500g、乗算器500h、相関器501b、最大値検出部502b、および遅延設定部506を有する。なお、図21において、図16または図18と同じ符号を付したブロックは、図16または図18におけるブロックと同一または同様の機能を有するため説明を省略する。
乗算器500gは、RRE30から出力された受信信号rxに、遅延設定部506によって遅延量d1分遅延された送信信号x1の複素共役を乗算する。乗算器500hは、乗算器500gによる乗算結果に、遅延設定部506によって遅延量d1分遅延された送信信号x1の複素共役を乗算することにより、中間信号Sm2を生成する。
図21に示した遅延測定器50によって各送信信号について算出された遅延プロファイルは、例えば図22のようになる。図22は、各送信信号の遅延プロファイルの一例を示す図である。図22において、横軸は相互変調信号に対する各送信信号の遅延量を示し、縦軸は相関値を示す。また、図22において、白丸が中間信号Sm1と送信信号x1との相関値を示し、白三角が中間信号Sm2と送信信号x2の複素共役との相関値を示す。また、図22には、遅延量が+4サンプルの送信信号x1と、遅延量が−2サンプルの送信信号x2とにより発生した相互変調信号を含む受信信号との相関値が示されている。なお、サンプリング周波数やサンプリング間隔Δt2等は、図10と同様である。
<実施例2の効果>
以上、実施例2について説明した。本実施例における通信装置10は、送信信号x2を遅延させる第1の遅延量を切り替えながら送信信号x1の遅延量d1を算出し、送信信号x2の遅延量d2を算出する際には、算出された送信信号x1の遅延量d1を用いて、送信信号x2の遅延量d2を算出する。これにより、送信信号x2の遅延量d2を算出する際の演算量を削減することができる。
上記した実施例1および2では、異なる2つの周波数で送信される送信信号x1およびx2により発生する相互変調信号をキャンセルする通信装置10について説明した。実施例3では、異なる3つの周波数で送信される送信信号x1、x2、およびx3により発生する相互変調信号のキャンセルについて説明する。以下では、送信信号x1の周波数をf1、送信信号x2の周波数をf2、送信信号x3の周波数をf3と定義し、f1<f2<f3と仮定する。送信信号x1は第1の送信信号の一例であり、送信信号x2は第2の送信信号の一例であり、送信信号x3は第3の送信信号の一例である。
送信信号x1、x2、およびx3によって発生する相互変調信号SPIMのうち、周波数がf1+f2−f3となる相互変調信号SPIMは、例えば下記の(5)式のように表される。なお、搬送波のオフセット周波数は省略している。
PIM=(A3+A51|x1|2+A52|x2|2+A53|x3|2+・・・)x1・x2・x3 *
・・・(5)
上記(5)式に示した相互変調信号SPIMに、送信信号x2の複素共役と送信信号x3とを乗算すると、乗算結果である中間信号Sm1は、例えば下記(6)式のように表される。
m1=SPIM・x2 *・x3
=K・x1・x2・x3 *・x2 *・x3
=K・|x2|2・|x3|2・x1 ・・・(6)
ただし、K=A3+A51|x1|2+A52|x2|2+A53|x3|2+・・・である。
上記(6)式において、送信信号x2およびx3の成分は実数となり、振幅成分の変化となる。従って、上記(6)式に示した中間信号Sm1と送信信号x1との相関をとることが可能となる。上記(6)式に示した中間信号Sm1に対して、送信信号x1の遅延量を変えながら、中間信号Sm1と送信信号x1との相関値を算出し、相関値が最大となる遅延量が、相互変調信号SPIMを発生させた送信信号x1の遅延量d1となる。
また、上記(5)式に示した相互変調信号SPIMに、送信信号x1の複素共役と送信信号x3とを乗算すると、乗算結果である中間信号Sm2は、例えば下記(7)式のように表される。
m2=SPIM・x1 *・x3
=K・x1・x2・x3 *・x1 *・x3
=K・|x1|2・|x3|2・x2 ・・・(7)
ただし、K=A3+A51|x1|2+A52|x2|2+A53|x3|2+・・・である。
上記(7)式において、送信信号x1およびx3の成分は実数となり、振幅成分の変化となる。従って、上記(7)式に示した中間信号Sm2と送信信号x2との相関をとることが可能となる。上記(7)式に示した中間信号Sm2に対して、送信信号x2の遅延量を変えながら、中間信号Sm2と送信信号x2との相関値を算出し、相関値が最大となる遅延量が、相互変調信号SPIMを発生させた送信信号x2の遅延量d2となる。
また、上記(5)式に示した相互変調信号SPIMに、送信信号x1の複素共役と送信信号x2の複素共役とを乗算すると、乗算結果である中間信号Sm3は、例えば下記(8)式のように表される。
m3=SPIM・x1 *・x2 *
=K・x1・x2・x3 *・x1 *・x2 *
=K・|x1|2・|x2|2・x3 * ・・・(8)
ただし、K=A3+A51|x1|2+A52|x2|2+A53|x3|2+・・・である。
上記(8)式において、送信信号x1およびx2の成分は実数となり、振幅成分の変化となる。従って、上記(8)式に示した中間信号Sm3と送信信号x3の複素共役との相関をとることが可能となる。上記(8)式に示した中間信号Sm3に対して、送信信号x3の遅延量を変えながら、中間信号Sm3と送信信号x3の複素共役との相関値を算出し、相関値が最大となる遅延量が、相互変調信号SPIMを発生させた送信信号x3の遅延量d3となる。
以下、本実施例の処理を実現する遅延測定器50の具体的な機能ブロックの一例について説明する。
<遅延測定器50>
図23は、実施例3における遅延測定器50の一例を示すブロック図である。本実施例における遅延測定器50は、送信信号x1の遅延量d1を算出する第1の遅延検出部51と、送信信号x2の遅延量d2を算出する第2の遅延検出部52と、送信信号x3の遅延量d3を算出する第3の遅延検出部53とを有する。第1の遅延検出部51は、乗算器520a、乗算器520b、相関器521a、最大値検出部522a、可変遅延部523a、および可変遅延部523bを有する。第2の遅延検出部52は、乗算器520c、乗算器520d、相関器521b、最大値検出部522b、可変遅延部523c、および可変遅延部523dを有する。第3の遅延検出部53は、乗算器520e、乗算器520f、相関器521c、最大値検出部522c、可変遅延部523e、および可変遅延部523fを有する。乗算器520a〜520fは、例えば複素乗算器である。また、相関器521a〜521cとしては、例えば図6に示したようなスライディング相関器や、図7に示したマッチドフィルタ等を用いることができる。可変遅延部523a〜523fは、遅延信号生成部の一例である。乗算器520a〜520fは、中間信号生成部の一例である。また、最大値検出部522a〜522cは、算出部の一例である。
可変遅延部523aは、BBU11から出力された送信信号x2を第1の遅延時間分遅延させる。可変遅延部523bは、BBU11から出力された送信信号x3を第1の遅延時間分遅延させる。可変遅延部523cは、BBU11から出力された送信信号x1を第1の遅延時間分遅延させる。可変遅延部523dは、BBU11から出力された送信信号x3を第1の遅延時間分遅延させる。可変遅延部523eは、BBU11から出力された送信信号x1を第1の遅延時間分遅延させる。可変遅延部523fは、BBU11から出力された送信信号x2を第1の遅延時間分遅延させる。可変遅延部523a〜523fは、予め定められた複数の異なる第1の遅延量について、第1の遅延量を切り替えながらそれぞれの送信信号を第1の遅延時間分遅延させる。可変遅延部523cおよび523eは、第1の遅延部の一例であり、可変遅延部523aおよび523fは、第2の遅延部の一例であり、可変遅延部523bおよび523dは、第3の遅延部の一例である。
乗算器520aは、RRE30から出力された受信信号rxに、可変遅延部523aによって遅延された送信信号x2の複素共役を乗算する。乗算器520bは、乗算器520aによる乗算結果に、可変遅延部523bによって遅延された送信信号x3を乗算することにより、中間信号Sm1を生成する。乗算器520aおよび520bは、第1の生成部の一例である。
相関器521aは、BBU11から出力された送信信号x1の遅延量の設定を変更しながら、中間信号Sm1と、送信信号x1との相関値を算出する。最大値検出部522aは、相関器521aによって算出された相関値の中で、最大の相関値を検出する。そして、最大値検出部522aは、検出された最大の相関値における遅延量を、送信信号x1の遅延量d1としてレプリカ生成部40へ出力する。最大値検出部522aは、第1の算出部の一例である。
乗算器520cは、RRE30から出力された受信信号rxに、可変遅延部523cによって遅延された送信信号x1の複素共役を乗算する。乗算器520dは、乗算器520cによる乗算結果に、可変遅延部523dによって遅延された送信信号x3を乗算することにより、中間信号Sm2を生成する。乗算器520cおよび520dは、第2の生成部の一例である。
相関器521bは、BBU11から出力された送信信号x2の遅延量の設定を変更しながら、中間信号Sm2と、送信信号x2との相関値を算出する。最大値検出部522bは、相関器521bによって算出された相関値の中で、最大の相関値を検出する。そして、最大値検出部522bは、検出された最大の相関値における遅延量を、送信信号x2の遅延量d2としてレプリカ生成部40へ出力する。最大値検出部522bは、第2の算出部の一例である。
乗算器520eは、RRE30から出力された受信信号rxに、可変遅延部523eによって遅延された送信信号x1の複素共役を乗算する。乗算器520fは、乗算器520eによる乗算結果に、可変遅延部523fによって遅延された送信信号x2の複素共役を乗算することにより、中間信号Sm3を生成する。乗算器520eおよび520fは、第3の生成部の一例である。
相関器521cは、BBU11から出力された送信信号x3の遅延量の設定を変更しながら、中間信号Sm3と、送信信号x3の複素共役との相関値を算出する。最大値検出部522cは、相関器521cによって算出された相関値の中で、最大の相関値を検出する。そして、最大値検出部522cは、検出された最大の相関値における遅延量を、送信信号x3の遅延量d3としてレプリカ生成部40へ出力する。最大値検出部522cは、第3の算出部の一例である。
<遅延量測定処理>
図24〜図26は、実施例3における遅延量測定処理の一例を示すフローチャートである。図24〜図26に示す遅延量測定処理は、遅延測定器50によって実行される。
まず、可変遅延部523bは、予め定められた複数の異なる第1の遅延量の中で、送信信号x3を遅延させる第1の遅延量を1つ選択する(S230)。そして、可変遅延部523bは、選択された第1の遅延量分、BBU11から出力された送信信号x3を遅延させる(S231)。次に、可変遅延部523aは、予め定められた複数の異なる第1の遅延量の中で、送信信号x2を遅延させる第1の遅延量を1つ選択する(S232)。そして、可変遅延部523aは、選択された第1の遅延量分、BBU11から出力された送信信号x2を遅延させる(S233)。
乗算器520aは、RRE30から出力された受信信号rxに、可変遅延部523aによって遅延された送信信号x2の複素共役を乗算する。そして、乗算器520bは、乗算器520aによる乗算結果に、可変遅延部523bによって遅延された送信信号x3を乗算することにより、中間信号Sm1を生成する(S234)。そして、相関器521aは、BBU11から出力された送信信号x1の遅延量d1の設定を変更しながら、中間信号Sm1と、送信信号x1との相関値を算出する(S235)。最大値検出部522aは、相関器521aによって算出された相関値の中で、最大の相関値を検出する。そして、最大値検出部522aは、検出した相関値を、該相関値に対応する送信信号x1の遅延量d1に対応付けて保持する。
次に、可変遅延部523aは、送信信号x2を遅延させる第1の遅延量を全て選択したか否かを判定する(S236)。未選択の第1の遅延量がある場合(S236:No)、可変遅延部523aは、再びステップS232に示した処理を実行する。一方、送信信号x2を遅延させる第1の遅延量が全て選択された場合(S236:Yes)、可変遅延部523bは、送信信号x3を遅延させる第1の遅延量を全て選択したか否かを判定する(S237)。未選択の第1の遅延量がある場合(S237:No)、可変遅延部523bは、再びステップS230に示した処理を実行する。一方、送信信号x3を遅延させる第1の遅延量が全て選択された場合(S237:Yes)、最大値検出部522aは、保持している相関値の中で、相関値が最大となる遅延量d1を特定する(S238)。
次に、可変遅延部523dは、予め定められた複数の異なる第1の遅延量の中で、送信信号x3を遅延させる第1の遅延量を1つ選択する(図25のS240)。そして、可変遅延部523dは、選択された第1の遅延量分、BBU11から出力された送信信号x3を遅延させる(S241)。次に、可変遅延部523cは、予め定められた複数の異なる第1の遅延量の中で、送信信号x1を遅延させる第1の遅延量を1つ選択する(S242)。そして、可変遅延部523cは、選択された第1の遅延量分、BBU11から出力された送信信号x1を遅延させる(S243)。
次に、乗算器520cは、RRE30から出力された受信信号rxに、可変遅延部523cによって遅延された送信信号x1の複素共役を乗算する。そして、乗算器520dは、乗算器520cによる乗算結果に、可変遅延部523dによって遅延された送信信号x3を乗算することにより、中間信号Sm2を生成する(S244)。そして、相関器521bは、BBU11から出力された送信信号x2の遅延量d2の設定を変更しながら、中間信号Sm2と、送信信号x2との相関値を算出する(S245)。最大値検出部522bは、相関器521bによって算出された相関値の中で、最大の相関値を検出する。そして、最大値検出部522bは、検出した相関値を、該相関値に対応する送信信号x2の遅延量d2に対応付けて保持する。
次に、可変遅延部523cは、送信信号x1を遅延させる第1の遅延量を全て選択したか否かを判定する(S246)。未選択の第1の遅延量がある場合(S246:No)、可変遅延部523cは、再びステップS242に示した処理を実行する。一方、送信信号x1を遅延させる第1の遅延量が全て選択された場合(S246:Yes)、可変遅延部523dは、送信信号x3を遅延させる第1の遅延量を全て選択したか否かを判定する(S247)。未選択の第1の遅延量がある場合(S247:No)、可変遅延部523dは、再びステップS240に示した処理を実行する。一方、送信信号x3を遅延させる第1の遅延量が全て選択された場合(S247:Yes)、最大値検出部522bは、保持している相関値の中で、相関値が最大となる遅延量d2を特定する(S248)。
次に、可変遅延部523fは、予め定められた複数の異なる第1の遅延量の中で、送信信号x2を遅延させる第1の遅延量を1つ選択する(図26のS250)。そして、可変遅延部523fは、選択された第1の遅延量分、BBU11から出力された送信信号x2を遅延させる(S251)。次に、可変遅延部523eは、予め定められた複数の異なる第1の遅延量の中で、送信信号x1を遅延させる第1の遅延量を1つ選択する(S252)。そして、可変遅延部523eは、選択された第1の遅延量分、BBU11から出力された送信信号x1を遅延させる(S253)。
次に、乗算器520eは、RRE30から出力された受信信号rxに、可変遅延部523eによって遅延された送信信号x1の複素共役を乗算する。そして、乗算器520fは、乗算器520eによる乗算結果に、可変遅延部523fによって遅延された送信信号x2の複素共役を乗算することにより、中間信号Sm3を生成する(S254)。そして、相関器521cは、BBU11から出力された送信信号x3の遅延量d3の設定を変更しながら、中間信号Sm3と、送信信号x3の複素共役との相関値を算出する(S255)。最大値検出部522cは、相関器521cによって算出された相関値の中で、最大の相関値を検出する。そして、最大値検出部522cは、検出した相関値を、該相関値に対応する送信信号x3の遅延量d3に対応付けて保持する。
次に、可変遅延部523eは、送信信号x1を遅延させる第1の遅延量を全て選択したか否かを判定する(S256)。未選択の第1の遅延量がある場合(S256:No)、可変遅延部523eは、再びステップS252に示した処理を実行する。一方、送信信号x1を遅延させる第1の遅延量が全て選択された場合(S256:Yes)、可変遅延部523fは、送信信号x2を遅延させる第1の遅延量を全て選択したか否かを判定する(S257)。未選択の第1の遅延量がある場合(S257:No)、可変遅延部523fは、再びステップS250に示した処理を実行する。一方、送信信号x2を遅延させる第1の遅延量が全て選択された場合(S257:Yes)、最大値検出部522cは、保持している相関値の中で、相関値が最大となる遅延量d3を特定する(S258)。そして、最大値検出部522a〜522cは、それぞれ、特定された遅延量d1〜d3をレプリカ生成部40へ出力する(S259)。そして、図24〜図26に示した遅延量測定処理は終了する。
なお、図24〜図26に示したフローチャートでは、ステップS230〜S238の処理の後にステップS240〜S248の処理が実行され、その後にステップS250〜S258の処理が実行されるが、開示の技術はこれに限られない。例えば、ステップS230〜S238の処理と、ステップS240〜S248の処理と、ステップS250〜S258の処理とは、任意の順番で実行されてもよい。また、ステップS230〜S238の処理と、ステップS240〜S248の処理と、ステップS250〜S258の処理とは、並列に実行されてもよい。
本実施例の遅延測定器50によって各送信信号について算出された遅延プロファイルは、例えば図27のようになる。図27は、各送信信号の遅延プロファイルの一例を示す図である。図27において、横軸は相互変調信号に対する各送信信号の遅延量を示し、縦軸は相関値を示す。また、図27において、白丸が中間信号Sm1と送信信号x1との相関値を示し、白三角が中間信号Sm2と送信信号x2との相関値を示し、+が中間信号Sm3と送信信号x3の複素共役との相関値を示す。また、図27には、遅延量が+4サンプルの送信信号x1と、遅延量が−2サンプルの送信信号x2と、遅延量が−4サンプルの送信信号x3とにより発生した相互変調信号を含む受信信号との相関値が示されている。なお、サンプリング周波数やサンプリング間隔Δt2等は、図10と同様である。
<実施例3の効果>
以上、実施例3について説明した。本実施例の通信装置10によれば、周波数が異なる3つの送信信号により発生した相互変調信号を含む受信信号において、該相互変調信号を発生させた各送信信号の遅延量を精度よく算出することができる。これにより、本実施例の通信装置10は、受信信号に含まれている相互変調信号に近い波形の相互変調信号を生成することができる。従って、本実施例の通信装置10は、受信信号に含まれている相互変調信号を精度よくキャンセルすることができ、受信信号の品質を向上させることができる。
前述の実施例3では、周波数が異なる3つの送信信号により発生した相互変調信号を含む受信信号において、該相互変調信号を発生させた各送信信号の遅延量がそれぞれ独立に算出された。これに対し、本実施例4では、周波数が異なる3つの送信信号により発生した相互変調信号を含む受信信号において、1つの送信信号の遅延量が算出され、算出された遅延量を用いて、他の送信信号の遅延量が算出される。
<遅延測定器50>
図28は、実施例4における遅延測定器50の一例を示すブロック図である。本実施例における遅延測定器50は、第1の遅延検出部51、第2の遅延検出部52、および第3の遅延検出部53を有する。第1の遅延検出部51は、乗算器520a、乗算器520b、相関器521a、最大値検出部522a、可変遅延部523a、および可変遅延部523bを有する。第2の遅延検出部52は、乗算器520c、乗算器520d、相関器521b、最大値検出部522b、遅延設定部524a、および遅延設定部524bを有する。第3の遅延検出部53は、乗算器520e、乗算器520f、相関器521c、最大値検出部522c、遅延設定部524c、および遅延設定部524dを有する。なお、以下に説明する点を除き、図28において、図23と同じ符号を付したブロックは、図23におけるブロックと同一または同様の機能を有するため説明を省略する。
最大値検出部522aは、送信信号x1の遅延量d1を特定し、特定した遅延量d1を遅延設定部524aおよび524cへ出力する。最大値検出部522bは、送信信号x2の遅延量d2を特定し、特定した遅延量d2を遅延設定部524dへ出力する。可変遅延部523bは、送信信号x1の遅延量d1が特定された際に可変遅延部523bに設定されていた第1の遅延量を遅延設定部524bへ出力する。
遅延設定部524aおよび524cは、BBU11から出力された送信信号x1を、最大値検出部522aから出力された遅延量d1分遅延させる。遅延設定部524bは、BBU11から出力された送信信号x3を、可変遅延部523bから出力された第1の遅延量分遅延させる。遅延設定部524dは、BBU11から出力された送信信号x2を、最大値検出部522bから出力された遅延量d2分遅延させる。本実施例において、可変遅延部523aは、第1の遅延部の一例であり、可変遅延部523bは、第2の遅延部の一例である。また、遅延設定部524aは、第3の遅延部の一例であり、遅延設定部524bは、第4の遅延部の一例であり、遅延設定部524cは、第5の遅延部の一例であり、遅延設定部524dは、第6の遅延部の一例である。
乗算器520cは、RRE30から出力された受信信号rxに、遅延設定部524aによって遅延された送信信号x1の複素共役を乗算する。乗算器520dは、乗算器520cによる乗算結果に、遅延設定部524bによって遅延された送信信号x3を乗算することにより、中間信号Sm2を生成する。
乗算器520eは、RRE30から出力された受信信号rxに、遅延設定部524cによって遅延された送信信号x1の複素共役を乗算する。乗算器520fは、乗算器520eによる乗算結果に、遅延設定部524dによって遅延された送信信号x2の複素共役を乗算することにより、中間信号Sm3を生成する。
<遅延量測定処理>
図29は、実施例4における遅延量測定処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す遅延量測定処理は、遅延測定器50によって実行される。なお、図29に示す遅延量測定処理において、図24〜図26に示した遅延量測定処理と同様の処理については、図24〜図26に示した遅延量測定処理におけるステップ番号を示し、詳細な説明を省略する。
まず、図24で説明したステップS230〜S238までの処理が実行される。次に、最大値検出部522aによって特定された送信信号x1の遅延量d1が遅延設定部524aに設定される(S260)。遅延設定部524aは、設定された遅延量d1分、BBU11から出力された送信信号x1を遅延させる(S261)。次に、送信信号x1の遅延量d1が特定された際に可変遅延部523bに設定されていた第1の遅延量が遅延設定部524bに設定される(S262)。遅延設定部524bは、設定された第1の遅延量分、BBU11から出力された送信信号x3を遅延させる(S263)。そして、図25で説明したステップS244、S245、およびS248の処理が実行される。
次に、最大値検出部522aによって特定された送信信号x1の遅延量d1が遅延設定部524cに設定される(S264)。遅延設定部524cは、設定された遅延量d1分、BBU11から出力された送信信号x1を遅延させる(S265)。次に、最大値検出部522bによって特定された送信信号x2の遅延量d2が遅延設定部524dに設定される(S266)。遅延設定部524dは、設定された遅延量d2分、BBU11から出力された送信信号x2を遅延させる(S267)。そして、図26で説明したステップS254、S255、S258、およびS259の処理が実行される。
本実施例の遅延測定器50によって各送信信号について算出された遅延プロファイルは、例えば図30のようになる。図30は、各送信信号の遅延プロファイルの一例を示す図である。図30において、横軸は相互変調信号に対する各送信信号の遅延量を示し、縦軸は相関値を示す。また、図30において、白丸が中間信号Sm1と送信信号x1との相関値を示し、白三角が中間信号Sm2と送信信号x2との相関値を示し、+が中間信号Sm3と送信信号x3の複素共役との相関値を示す。また、図30には、遅延量が+4サンプルの送信信号x1と、遅延量が−2サンプルの送信信号x2と、遅延量が−4サンプルの送信信号x3とにより発生した相互変調信号を含む受信信号との相関値が示されている。なお、サンプリング周波数やサンプリング間隔Δt2等は、図10と同様である。
<実施例4の効果>
以上、実施例4について説明した。本実施例の通信装置10によれば、周波数が異なる3つの送信信号により発生した相互変調信号を含む受信信号において、1つの送信信号の遅延量が算出され、算出された遅延量を用いて、他の送信信号の遅延量が算出される。これにより、他の送信信号の遅延量を算出する際の演算量を削減することができる。
前述の実施例1では、異なる2つの周波数で送信される送信信号x1およびx2により発生する相互変調信号のキャンセルについて説明した。実施例5では、異なる周波数で送信される2組の送信信号により発生する相互変調信号のキャンセルについて説明する。2組の送信信号の中の一方の組には、同一の周波数で送信される2つの送信信号x1およびx2が含まれ、他方の組には、同一の周波数で送信される2つの送信信号x3およびx4が含まれる。このような相互変調信号は、例えば、異なる周波数の送信信号を送信する複数のRRE30が存在し、各RRE30が2つのアンテナのそれぞれから、同一周波数の送信信号を送信する場合に発生する。以下では、送信信号x1およびx2の周波数をf1、送信信号x3およびx4の周波数をf2と定義し、f1<f2と仮定する。なお、送信信号x1〜x4は互いに無相関の信号である。
送信信号x1〜x4によって発生する相互変調信号SPIMのうち、周波数が2f1−f2となる相互変調信号SPIMは、例えば下記の(9)式のように表される。
PIM=K・(x1+x2)2・(x3+x4)*
=K・(x1 23 *+2x123 *+x2 23 *+x1 24 *+2x124 *+x2 24 *)
・・・(9)
ただし、K=A3+A51|x1+x2|2+A52|x3+x4|2+・・・である。
送信信号x1の遅延量d1を求める場合、上記(9)式に示した相互変調信号SPIMに、送信信号x3を乗算する。乗算結果である中間信号Sm1には、x1 2と実数との積からなる項が含まれる。x1 2と実数との積からなる項以外の項には、x1、x2、x3、およびx4等が含まれ、x1、x2、x3、およびx4等とx1 2とは無相関である。従って、中間信号Sm1とx1 2との相関をとることが可能となる。即ち、上記(9)式に示した相互変調信号SPIMに送信信号x3を乗算して得られた中間信号Sm1に対して、送信信号x1の遅延量を変えながら、中間信号Sm1とx1 2との相関値を算出する。そして、相関値が最大となる遅延量が、相互変調信号SPIMを発生させた送信信号x1の遅延量d1となる。
また、送信信号x2の遅延量d2を求める場合、上記(9)式に示した相互変調信号SPIMに、送信信号x4を乗算する。乗算結果である中間信号Sm2には、x2 2と実数との積からなる項が含まれる。x2 2と、x1、x2、x3、およびx4等とは無相関であるため、中間信号Sm2とx2 2との相関をとることが可能となる。即ち、上記(9)式に示した相互変調信号SPIMに送信信号x4を乗算して得られた中間信号Sm2に対して、送信信号x2の遅延量を変えながら、中間信号Sm2とx2 2との相関値を算出する。そして、相関値が最大となる遅延量が、相互変調信号SPIMを発生させた送信信号x2の遅延量d2となる。
また、送信信号x3の遅延量d3を求める場合、上記(9)式に示した相互変調信号SPIMに、送信信号x1の2乗の複素共役を乗算する。乗算結果である中間信号Sm3には、x3の複素共役と実数との積からなる項が含まれる。x3の複素共役と、x1、x2、x3、およびx4等とは無相関であるため、中間信号Sm3とx3の複素共役との相関をとることが可能となる。即ち、上記(9)式に示した相互変調信号SPIMに送信信号x1の2乗の複素共役を乗算して得られた中間信号Sm3に対して、送信信号x3の遅延量を変えながら、中間信号Sm3とx3の複素共役との相関値を算出する。そして、相関値が最大となる遅延量が、相互変調信号SPIMを発生させた送信信号x3の遅延量d3となる。
また、送信信号x4の遅延量d4を求める場合、上記(9)式に示した相互変調信号SPIMに、送信信号x2の2乗の複素共役を乗算する。乗算結果である中間信号Sm4には、x4の複素共役と実数との積からなる項が含まれる。x4の複素共役と、x1、x2、x3、およびx4等とは無相関であるため、中間信号Sm4とx4の複素共役との相関をとることが可能となる。即ち、上記(9)式に示した相互変調信号SPIMに送信信号x2の2乗の複素共役を乗算して得られた中間信号Sm4に対して、送信信号x4の遅延量を変えながら、中間信号Sm4とx4の複素共役との相関値を算出する。そして、相関値が最大となる遅延量が、相互変調信号SPIMを発生させた送信信号x4の遅延量d4となる。
以下、本実施例の処理を実現する遅延測定器50の具体的な機能ブロックの一例について説明する。
<遅延測定器50>
図31は、実施例5における遅延測定器50の一例を示すブロック図である。本実施例における遅延測定器50は、第1の遅延検出部51、第2の遅延検出部52、第3の遅延検出部53、および第4の遅延検出部54を有する。第1の遅延検出部51は、乗算器540a、乗算器540b、相関器541a、最大値検出部542a、および可変遅延部543aを有する。第2の遅延検出部52は、乗算器540e、乗算器540f、相関器541c、最大値検出部542c、および可変遅延部543cを有する。第3の遅延検出部53は、乗算器540c、乗算器540d、相関器541b、最大値検出部542b、および可変遅延部543bを有する。第4の遅延検出部54は、乗算器540g、乗算器540h、相関器541d、最大値検出部542d、および可変遅延部543dを有する。乗算器540a〜540hは、例えば複素乗算器である。また、相関器541a〜541dとしては、例えば図6に示したようなスライディング相関器や、図7に示したマッチドフィルタ等を用いることができる。可変遅延部543a〜543dは、遅延信号生成部の一例である。乗算器540a、540d、540e、および540hは、中間信号生成部の一例である。また、最大値検出部542a〜542dは、算出部の一例である。
可変遅延部543aは、BBU11から出力された送信信号x3を第1の遅延時間分遅延させる。可変遅延部543bは、BBU11から出力された送信信号x1を第1の遅延時間分遅延させる。可変遅延部543cは、BBU11から出力された送信信号x4を第1の遅延時間分遅延させる。可変遅延部543dは、BBU11から出力された送信信号x2を第1の遅延時間分遅延させる。可変遅延部543a〜543dは、予め定められた複数の異なる第1の遅延量について、第1の遅延量を切り替えながらそれぞれの送信信号を第1の遅延時間分遅延させる。本実施例において、可変遅延部543aは、第1の遅延部の一例であり、可変遅延部543bは、第2の遅延部の一例であり、可変遅延部543cは、第3の遅延部の一例であり、可変遅延部543dは、第4の遅延部の一例である。
乗算器540aは、RRE30から出力された受信信号rxに、可変遅延部543aによって遅延された送信信号x3を乗算することにより、中間信号Sm1を生成する。乗算器540aは、第1の生成部の一例である。乗算器540bは、BBU11から出力された送信信号x1の2乗を算出する。
乗算器540eは、RRE30から出力された受信信号rxに、可変遅延部543cによって遅延された送信信号x4を乗算することにより、中間信号Sm2を生成する。乗算器540eは、第2の生成部の一例である。乗算器540fは、BBU11から出力された送信信号x2の2乗を算出する。
乗算器540cは、可変遅延部543bによって遅延された送信信号x1の2乗を算出する。乗算器540dは、RRE30から出力された受信信号rxに、乗算器540cによって算出された送信信号x1の2乗の複素共役を乗算することにより、中間信号Sm3を生成する。乗算器540dは、第3の生成部の一例である。
乗算器540gは、可変遅延部543dによって遅延された送信信号x2の2乗を算出する。乗算器540hは、RRE30から出力された受信信号rxに、乗算器540gによって算出された送信信号x2の2乗の複素共役を乗算することにより、中間信号Sm4を生成する。乗算器540hは、第4の生成部の一例である。
相関器541aは、乗算器540bによって算出された送信信号x1の2乗の遅延量の設定を変更しながら、中間信号Sm1と、送信信号x1の2乗との相関値を算出する。最大値検出部542aは、相関器541aによって算出された相関値の中で、最大の相関値を検出する。そして、最大値検出部542aは、検出された最大の相関値における遅延量を、送信信号x1の遅延量d1としてレプリカ生成部40へ出力する。最大値検出部542aは、第1の算出部の一例である。
相関器541cは、乗算器540fによって算出された送信信号x2の2乗の遅延量の設定を変更しながら、中間信号Sm2と、送信信号x2の2乗との相関値を算出する。最大値検出部542cは、相関器541cによって算出された相関値の中で、最大の相関値を検出する。そして、最大値検出部542cは、検出された最大の相関値における遅延量を、送信信号x2の遅延量d2としてレプリカ生成部40へ出力する。最大値検出部542cは、第2の算出部の一例である。
相関器541bは、BBU11から出力された送信信号x3の複素共役の遅延量の設定を変更しながら、中間信号Sm3と、送信信号x3の複素共役との相関値を算出する。最大値検出部542bは、相関器541bによって算出された相関値の中で、最大の相関値を検出する。そして、最大値検出部542bは、検出された最大の相関値における遅延量を、送信信号x3の遅延量d3としてレプリカ生成部40へ出力する。最大値検出部542bは、第3の算出部の一例である。
相関器541dは、BBU11から出力された送信信号x4の複素共役の遅延量の設定を変更しながら、中間信号Sm4と、送信信号x4の複素共役との相関値を算出する。最大値検出部542dは、相関器541dによって算出された相関値の中で、最大の相関値を検出する。そして、最大値検出部542dは、検出された最大の相関値における遅延量を、送信信号x4の遅延量d4としてレプリカ生成部40へ出力する。最大値検出部542dは、第4の算出部の一例である。
<遅延量測定処理>
図32〜図33は、実施例5における遅延量測定処理の一例を示すフローチャートである。図32〜図33に示す遅延量測定処理は、遅延測定器50によって実行される。
まず、可変遅延部543aは、予め定められた複数の異なる第1の遅延量の中で、送信信号x3を遅延させる第1の遅延量を1つ選択する(S270)。そして、可変遅延部543aは、選択された第1の遅延量分、BBU11から出力された送信信号x3を遅延させる(S271)。
次に、乗算器540aは、RRE30から出力された受信信号rxに、可変遅延部543aによって遅延された送信信号x3を乗算することにより、中間信号Sm1を生成する(S272)。そして、相関器541aは、乗算器540bによって算出された送信信号x1の2乗の遅延量の設定を変更しながら、中間信号Sm1と、送信信号x1の2乗との相関値を算出する(S273)。最大値検出部542aは、相関器541aによって算出された相関値の中で、最大の相関値を検出する。そして、最大値検出部542aは、検出した相関値を、該相関値に対応する送信信号x1の遅延量d1に対応付けて保持する。
次に、可変遅延部543aは、送信信号x3を遅延させる第1の遅延量を全て選択したか否かを判定する(S274)。未選択の第1の遅延量がある場合(S274:No)、可変遅延部543aは、再びステップS270に示した処理を実行する。一方、送信信号x3を遅延させる第1の遅延量が全て選択された場合(S274:Yes)、最大値検出部542aは、保持している相関値の中で、相関値が最大となる遅延量d1を特定する(S275)。
次に、可変遅延部543bは、予め定められた複数の異なる第1の遅延量の中で、送信信号x1を遅延させる第1の遅延量を1つ選択する(S276)。そして、可変遅延部543bは、選択された第1の遅延量分、BBU11から出力された送信信号x1を遅延させる(S277)。可変遅延部543bによって遅延された送信信号x1は、乗算器540cによって2乗される。
次に、乗算器540dは、RRE30から出力された受信信号rxに、乗算器540cによって2乗された送信信号x1の複素共役を乗算することにより、中間信号Sm3を生成する(S278)。そして、相関器541bは、BBU11から出力された送信信号x3の複素共役の遅延量の設定を変更しながら、中間信号Sm3と、送信信号x3の複素共役との相関値を算出する(S279)。最大値検出部542bは、相関器541bによって算出された相関値の中で、最大の相関値を検出する。そして、最大値検出部542bは、検出した相関値を、該相関値に対応する送信信号x3の遅延量d3に対応付けて保持する。
次に、可変遅延部543bは、送信信号x1を遅延させる第1の遅延量を全て選択したか否かを判定する(S280)。未選択の第1の遅延量がある場合(S280:No)、可変遅延部543bは、再びステップS276に示した処理を実行する。一方、送信信号x1を遅延させる第1の遅延量が全て選択された場合(S280:Yes)、最大値検出部542bは、保持している相関値の中で、相関値が最大となる遅延量d3を特定する(S281)。
次に、可変遅延部543cは、予め定められた複数の異なる第1の遅延量の中で、送信信号x4を遅延させる第1の遅延量を1つ選択する(図33のS282)。そして、可変遅延部543cは、選択された第1の遅延量分、BBU11から出力された送信信号x4を遅延させる(S283)。
次に、乗算器540eは、RRE30から出力された受信信号rxに、可変遅延部543cによって遅延された送信信号x4を乗算することにより、中間信号Sm2を生成する(S284)。そして、相関器541cは、乗算器540fによって算出された送信信号x2の2乗の遅延量の設定を変更しながら、中間信号Sm2と、送信信号x2の2乗との相関値を算出する(S285)。最大値検出部542cは、相関器541cによって算出された相関値の中で、最大の相関値を検出する。そして、最大値検出部542cは、検出した相関値を、該相関値に対応する送信信号x2の遅延量d2に対応付けて保持する。
次に、可変遅延部543cは、送信信号x4を遅延させる第1の遅延量を全て選択したか否かを判定する(S286)。未選択の第1の遅延量がある場合(S286:No)、可変遅延部543cは、再びステップS282に示した処理を実行する。一方、送信信号x4を遅延させる第1の遅延量が全て選択された場合(S286:Yes)、最大値検出部542cは、保持している相関値の中で、相関値が最大となる遅延量d2を特定する(S287)。
次に、可変遅延部543dは、予め定められた複数の異なる第1の遅延量の中で、送信信号x2を遅延させる第1の遅延量を1つ選択する(S288)。そして、可変遅延部543dは、選択された第1の遅延量分、BBU11から出力された送信信号x2を遅延させる(S289)。可変遅延部543dによって遅延された送信信号x2は、乗算器540gによって2乗される。
次に、乗算器540hは、RRE30から出力された受信信号rxに、乗算器540gによって2乗された送信信号x2の複素共役を乗算することにより、中間信号Sm4を生成する(S290)。そして、相関器541dは、BBU11から出力された送信信号x4の複素共役の遅延量の設定を変更しながら、中間信号Sm4と、送信信号x4の複素共役との相関値を算出する(S291)。最大値検出部542dは、相関器541dによって算出された相関値の中で、最大の相関値を検出する。そして、最大値検出部542dは、検出した相関値を、該相関値に対応する送信信号x4の遅延量ddに対応付けて保持する。
次に、可変遅延部543dは、送信信号x2を遅延させる第1の遅延量を全て選択したか否かを判定する(S292)。未選択の第1の遅延量がある場合(S292:No)、可変遅延部543dは、再びステップS288に示した処理を実行する。一方、送信信号x2を遅延させる第1の遅延量が全て選択された場合(S292:Yes)、最大値検出部542dは、保持している相関値の中で、相関値が最大となる遅延量d4を特定する(S293)。そして、最大値検出部542a〜542dは、それぞれ、特定された遅延量d1〜d4をレプリカ生成部40へ出力する(S294)。そして、図32〜図33に示した遅延量測定処理は終了する。
なお、ステップS270〜S275、ステップS276〜S281、ステップS282〜S287、およびステップS288〜S293の処理の実行順序は、図32〜図33に示した順序に限られない。ステップS270〜S275の処理と、ステップS276〜S281の処理と、ステップS282〜S287の処理と、ステップS288〜S293の処理とは、任意の順番で実行されてもよい。また、ステップS270〜S275の処理と、ステップS276〜S281の処理と、ステップS282〜S287の処理と、ステップS288〜S293の処理とは、並列に実行されてもよい。
本実施例の遅延測定器50によって各送信信号について算出された遅延プロファイルは、例えば図34のようになる。図34は、各送信信号の遅延プロファイルの一例を示す図である。図34において、横軸は相互変調信号に対する各送信信号の遅延量を示し、縦軸は相関値を示す。また、図34において、白丸が中間信号Sm1と送信信号x1の2乗との相関値を示し、白三角が中間信号Sm2と送信信号x2の2乗との相関値を示す。また、図34において、+が中間信号Sm3と送信信号x3の複素共役との相関値を示し、×が中間信号Sm4と送信信号x4の複素共役との相関値を示す。また、図34には、遅延量が+4サンプルの送信信号x1と、遅延量が−2サンプルの送信信号x2と、遅延量が−4サンプルの送信信号x3と、遅延量が+2サンプルの送信信号x4とにより発生した相互変調信号を含む受信信号との相関値が示されている。なお、サンプリング周波数やサンプリング間隔Δt2等は、図10と同様である。
<実施例5の遅延測定器50の他の例>
なお、上記した実施例5に示した遅延測定器50は、例えば図35に示すように構成することも可能である。図35は、実施例5における遅延測定器50の他の例を示すブロック図である。図35に示す遅延測定器50は、第1の遅延検出部51、第2の遅延検出部52、第3の遅延検出部53、および第4の遅延検出部54を有する。第1の遅延検出部51は、乗算器540i、乗算器540j、相関器541a、最大値検出部542a、および可変遅延部543aを有する。第2の遅延検出部52は、乗算器540m、乗算器540n、相関器541c、最大値検出部542c、可変遅延部543c、および可変遅延部543eを有する。第3の遅延検出部53は、乗算器540k、乗算器540l、相関器541b、最大値検出部542b、および可変遅延部543bを有する。第4の遅延検出部54は、乗算器540o、乗算器540p、相関器541d、最大値検出部542d、および可変遅延部543dを有する。乗算器540i〜540pは、例えば複素乗算器である。なお、図35において、図31と同じ符号を付したブロックは、以下に説明する点を除き、図31におけるブロックと同一または同様の機能を有するため説明を省略する。
乗算器540iは、RRE30から出力された受信信号rxに、可変遅延部543aによって遅延された送信信号x3を乗算する。乗算器540jは、乗算器540iによる乗算結果に、BBU11から出力された送信信号x1の複素共役を乗算することにより、中間信号Sm1を生成する。本実施例において、乗算器540iおよび540jは、第1の生成部の一例である。相関器541aは、BBU11から出力された送信信号x1の遅延量の設定を変更しながら、中間信号Sm1と、送信信号x1との相関値を算出する。
乗算器540kは、RRE30から出力された受信信号rxに、可変遅延部543bによって遅延された送信信号x1の複素共役を乗算する。乗算器540lは、乗算器540kによる乗算結果に、可変遅延部543bによって遅延された送信信号x1の複素共役を乗算することにより、中間信号Sm3を生成する。本実施例において、乗算器540kおよび540lは、第3の生成部の一例である。相関器541bは、BBU11から出力された送信信号x3の複素共役の遅延量の設定を変更しながら、中間信号Sm3と、送信信号x3の複素共役との相関値を算出する。
可変遅延部543eは、BBU11から出力された送信信号x3を第1の遅延時間分遅延させる。乗算器540mは、RRE30から出力された受信信号rxに、可変遅延部543cによって遅延された送信信号x1の複素共役を乗算する。乗算器540nは、乗算器540mによる乗算結果に、可変遅延部543eによって遅延された送信信号x3を乗算することにより、中間信号Sm2を生成する。本実施例において、乗算器540mおよび540nは、第2の生成部の一例である。相関器541cは、BBU11から出力された送信信号x2の遅延量の設定を変更しながら、中間信号Sm2と、送信信号x2との相関値を算出する。
可変遅延部543dは、BBU11から出力された送信信号x1を第1の遅延時間分遅延させる。乗算器540oは、RRE30から出力された受信信号rxに、可変遅延部543dによって遅延された送信信号x1の複素共役を乗算する。乗算器540pは、乗算器540oによる乗算結果に、可変遅延部543dによって遅延された送信信号x1の複素共役を乗算することにより、中間信号Sm4を生成する。本実施例において、乗算器540oおよび540pは、第4の生成部の一例である。相関器541dは、BBU11から出力された送信信号x4の複素共役の遅延量の設定を変更しながら、中間信号Sm4と、送信信号x4の複素共役との相関値を算出する。
図35に示した遅延測定器50によって各送信信号について算出された遅延プロファイルは、例えば図36のようになる。図36は、各送信信号の遅延プロファイルの一例を示す図である。図36において、横軸は相互変調信号に対する各送信信号の遅延量を示し、縦軸は相関値を示す。また、図36において、白丸が中間信号Sm1と送信信号x1との相関値を示し、白三角が中間信号Sm2と送信信号x2との相関値を示す。また、図36において、+が中間信号Sm3と送信信号x3の複素共役との相関値を示し、×が中間信号Sm4と送信信号x4の複素共役との相関値を示す。また、図36には、遅延量が+4サンプルの送信信号x1と、遅延量が−2サンプルの送信信号x2と、遅延量が−4サンプルの送信信号x3と、遅延量が+2サンプルの送信信号x4とにより発生した相互変調信号を含む受信信号との相関値が示されている。なお、サンプリング周波数やサンプリング間隔Δt2等は、図10と同様である。
<実施例5の効果>
以上、実施例5について説明した。本実施例の遅延測定器50によれば、周波数が異なる2組の送信信号により発生した相互変調信号を含む受信信号において、該相互変調信号を発生させた各送信信号の遅延量を算出することができる。これにより、本実施例の通信装置10は、受信信号に含まれている相互変調信号に近い波形の相互変調信号を生成することができる。従って、本実施例の通信装置10は、受信信号に含まれている相互変調信号を精度よくキャンセルすることができ、受信信号の品質を向上させることができる。
前述の実施例5では、周波数が異なる2組の送信信号により発生した相互変調信号を含む受信信号において、該相互変調信号を発生させた各送信信号の遅延量がそれぞれ独立に算出された。これに対し、本実施例6では、周波数が異なる2組の送信信号により発生した相互変調信号を含む受信信号において、1つの送信信号の遅延量が算出され、算出された遅延量を用いて、他の送信信号の遅延量が算出される。
<遅延測定器50>
図37は、実施例6における遅延測定器50の一例を示すブロック図である。本実施例の遅延測定器50は、第1の遅延検出部51、第2の遅延検出部52、第3の遅延検出部53、および第4の遅延検出部54を有する。第1の遅延検出部51は、乗算器540a、乗算器540b、相関器541a、最大値検出部542a、および可変遅延部543を有する。第2の遅延検出部52は、乗算器540e、乗算器540f、相関器541c、最大値検出部542c、遅延設定部544b、および遅延設定部544cを有する。第3の遅延検出部53は、乗算器540c、乗算器540d、相関器541b、最大値検出部542b、および遅延設定部544aを有する。第4の遅延検出部54は、乗算器540g、乗算器540h、相関器541d、最大値検出部542d、および遅延設定部544dを有する。可変遅延部543および遅延設定部544a〜544dは、遅延信号生成部の一例である。なお、図37において、図31と同じ符号を付したブロックは、以下に説明する点を除き、図31におけるブロックと同一または同様の機能を有するため説明を省略する。
最大値検出部542aは、送信信号x1の遅延量d1を特定し、特定した遅延量d1を遅延設定部544a、544b、および544dへ出力する。最大値検出部542bは、送信信号x3の遅延量d3を特定し、特定した遅延量d3を遅延設定部544cへ出力する。可変遅延部543は、BBU11から出力された送信信号x3を第1の遅延時間分遅延させる。
遅延設定部544a、544b、および544dは、BBU11から出力された送信信号x1を、最大値検出部542aから出力された遅延量d1分遅延させる。遅延設定部544cは、BBU11から出力された送信信号x3を、最大値検出部542bから出力された遅延量d3分遅延させる。本実施例において、可変遅延部543は、第1の遅延部の一例であり、遅延設定部544aは、第2の遅延部の一例であり、遅延設定部544bは、第3の遅延部の一例である。また、本実施例において、遅延設定部544cは、第4の遅延部の一例であり、遅延設定部544dは、第5の遅延部の一例である。
乗算器540aは、RRE30から出力された受信信号rxに、可変遅延部543によって遅延された送信信号x3を乗算することにより、中間信号Sm1を生成する。乗算器540eは、RRE30から出力された受信信号rxに、遅延設定部544bによって遅延された送信信号x1の複素共役を乗算する。乗算器540fは、乗算器540eによる乗算結果に、遅延設定部544cによって遅延された送信信号x3を乗算することにより、中間信号Sm2を生成する。乗算器540cは、遅延設定部544aによって遅延された送信信号x1の2乗を算出する。乗算器540gは、遅延設定部544dによって遅延された送信信号x1の2乗を算出する。
<遅延量測定処理>
図38は、実施例6における遅延量測定処理の一例を示すフローチャートである。図38に示す遅延量測定処理は、遅延測定器50によって実行される。なお、図38に示す遅延量測定処理において、図32〜図33に示した遅延量測定処理と同様の処理については、図32〜図33に示した遅延量測定処理におけるステップ番号を示し、詳細な説明を省略する。
まず、図32で説明したステップS270〜S275までの処理が実行される。次に、最大値検出部542aによって特定された送信信号x1の遅延量d1が遅延設定部544aに設定される(S300)。これにより、遅延設定部544aは、設定された遅延量d1分、BBU11から出力された送信信号x1を遅延させる。そして、図32で説明したステップS278、S279、およびS281の処理が実行される。
次に、最大値検出部542aによって特定された送信信号x1の遅延量d1が遅延設定部544bに設定される(S301)。これにより、遅延設定部544bは、設定された遅延量d1分、BBU11から出力された送信信号x1を遅延させる。また、最大値検出部542bによって特定された送信信号x3の遅延量d3が遅延設定部544cに設定される(S302)。これにより、遅延設定部544cは、設定された遅延量d3分、BBU11から出力された送信信号x3を遅延させる。
次に、RRE30から出力された受信信号rxに、遅延設定部544bによって遅延された送信信号x1の複素共役と、遅延設定部544cによって遅延された送信信号x3とが乗算されることにより、中間信号Sm2が生成される(S303)。具体的には、乗算器540eは、RRE30から出力された受信信号rxに、遅延設定部544bによって遅延された送信信号x1の複素共役を乗算する。そして、乗算器540fは、乗算器540eによる乗算結果に、遅延設定部544cによって遅延された送信信号x3を乗算することにより、中間信号Sm2を生成する。そして、図33で説明したステップS285およびS287の処理が実行される。
次に、最大値検出部542aによって特定された送信信号x1の遅延量d1が遅延設定部544dに設定される(S304)。これにより、遅延設定部544dは、設定された遅延量d1分、BBU11から出力された送信信号x1を遅延させる。そして、図33で説明したステップS290、S291、S293、およびS294の処理が実行される。
本実施例の遅延測定器50によって各送信信号について算出された遅延プロファイルは、例えば図39のようになる。図39は、各送信信号の遅延プロファイルの一例を示す図である。図39において、横軸は相互変調信号に対する各送信信号の遅延量を示し、縦軸は相関値を示す。また、図39において、白丸が中間信号Sm1と送信信号x1の2乗との相関値を示し、白三角が中間信号Sm2と送信信号x2との相関値を示す。また、図39において、+が中間信号Sm3と送信信号x3の複素共役との相関値を示し、×が中間信号Sm4と送信信号x4の複素共役との相関値を示す。また、図39には、遅延量が+4サンプルの送信信号x1と、遅延量が−2サンプルの送信信号x2と、遅延量が−4サンプルの送信信号x3と、遅延量が+2サンプルの送信信号x4とにより発生した相互変調信号を含む受信信号との相関値が示されている。なお、サンプリング周波数やサンプリング間隔Δt2等は、図10と同様である。
<実施例6の遅延測定器50の他の例>
なお、上記した実施例6に示した遅延測定器50は、例えば図40に示すように構成することも可能である。図40は、実施例6における遅延測定器50の他の例を示すブロック図である。図40に示す遅延測定器50は、第1の遅延検出部51、第2の遅延検出部52、第3の遅延検出部53、および第4の遅延検出部54を有する。第1の遅延検出部51は、乗算器540i、乗算器540j、相関器541a、最大値検出部542a、および可変遅延部543を有する。第2の遅延検出部52は、乗算器540m、乗算器540n、相関器541c、最大値検出部542c、遅延設定部544b、および遅延設定部544cを有する。第3の遅延検出部53は、乗算器540k、乗算器540l、相関器541b、最大値検出部542b、および遅延設定部544aを有する。第4の遅延検出部54は、乗算器540o、乗算器540p、相関器541d、最大値検出部542d、および遅延設定部544dを有する。なお、図40において、図35または図37と同じ符号を付したブロックは、以下に説明する点を除き、図35または図37におけるブロックと同一または同様の機能を有するため説明を省略する。
乗算器540iは、RRE30から出力された受信信号rxに、可変遅延部543によって遅延された送信信号x3を乗算する。乗算器540jは、乗算器540iによる乗算結果に、BBU11から出力された送信信号x1の複素共役を乗算することにより、中間信号Sm1を生成する。相関器541aは、BBU11から出力された送信信号x1の遅延量の設定を変更しながら、中間信号Sm1と、送信信号x1との相関値を算出する。
乗算器540kは、RRE30から出力された受信信号rxに、遅延設定部544aによって遅延された送信信号x1の複素共役を乗算する。乗算器540lは、乗算器540kによる乗算結果に、遅延設定部544aによって遅延された送信信号x1の複素共役を乗算することにより、中間信号Sm3を生成する。相関器541bは、BBU11から出力された送信信号x3の複素共役の遅延量の設定を変更しながら、中間信号Sm3と、送信信号x3の複素共役との相関値を算出する。
乗算器540mは、RRE30から出力された受信信号rxに、遅延設定部544bによって遅延された送信信号x1の複素共役を乗算する。乗算器540nは、乗算器540mによる乗算結果に、遅延設定部544cによって遅延された送信信号x3を乗算することにより、中間信号Sm2を生成する。相関器541cは、BBU11から出力された送信信号x2の遅延量の設定を変更しながら、中間信号Sm2と、送信信号x2との相関値を算出する。
乗算器540oは、RRE30から出力された受信信号rxに、遅延設定部544dによって遅延された送信信号x1の複素共役を乗算する。乗算器540pは、乗算器540oによる乗算結果に、遅延設定部544dによって遅延された送信信号x1の複素共役を乗算することにより、中間信号Sm4を生成する。相関器541dは、BBU11から出力された送信信号x4の複素共役の遅延量の設定を変更しながら、中間信号Sm4と、送信信号x4の複素共役との相関値を算出する。
図40に示した遅延測定器50によって各送信信号について算出された遅延プロファイルは、例えば図41のようになる。図41は、各送信信号の遅延プロファイルの一例を示す図である。図41において、横軸は相互変調信号に対する各送信信号の遅延量を示し、縦軸は相関値を示す。また、図41において、白丸が中間信号Sm1と送信信号x1との相関値を示し、白三角が中間信号Sm2と送信信号x2との相関値を示す。また、図41において、+が中間信号Sm3と送信信号x3の複素共役との相関値を示し、×が中間信号Sm4と送信信号x4の複素共役との相関値を示す。また、図41には、遅延量が+4サンプルの送信信号x1と、遅延量が−2サンプルの送信信号x2と、遅延量が−4サンプルの送信信号x3と、遅延量が+2サンプルの送信信号x4とにより発生した相互変調信号を含む受信信号との相関値が示されている。なお、サンプリング周波数やサンプリング間隔Δt2等は、図10と同様である。
<実施例6の効果>
以上、実施例6について説明した。本実施例の遅延測定器50によれば、周波数が異なる2組の送信信号により発生した相互変調信号を含む受信信号において、1つの送信信号の遅延量が算出され、算出された遅延量を用いて、他の送信信号の遅延量が算出される。これにより、他の送信信号の遅延量を算出する際の演算量を削減することができる。
実施例1における通信装置10は、相互変調信号を発生させる複数の送信信号の中の1つの送信信号の遅延量を算出する際に、他の送信信号を第1の遅延量分遅延させた遅延信号またはその複素共役を受信信号rxに乗算することにより中間信号を生成した。これに対し、本実施例の通信装置10では、相互変調信号を発生させる複数の送信信号の中の1つの送信信号の遅延量を算出する際に、他の送信信号の時間平均または該時間平均の複素共役を受信信号rxに乗算することにより中間信号を生成する。
ここで、周波数f1の送信信号x1と周波数f2の送信信号x2によって発生した相互変調信号のうち、2f1−f2の成分の相互変調信号SPIMは、前述の(1)式により表される。送信信号x1の遅延量d1を測定する場合には、例えば下記の(10)式に示すように、相互変調信号SPIMに送信信号x2の時間平均信号を乗算することにより、中間信号Sm1を生成する。
m1=SPIM・{x2(t-1)+x2(t)+x2(t+1)}
=K{x2(t-1)・x2 *(t)+|x2(t)|2+x2(t+1)・x2 *(t)}・x1 2(t)
・・・(10)
ただし、K=A3+A51|x1(t)|2+A52|x2(t)|2+A53|x3(t)|2+・・・である。
なお、上記(10)式において、{x2(t-1)+x2(t)+x2(t+1)}は、送信信号x2における3サンプルの時間平均信号を示す。
上記(10)式において、x2(t-1)は、x2(t)に対して1サンプルずれた関係にあるため、x2(t-1)は、x2(t)に近い波形の信号である。そのため、x2(t-1)とx2 *(t)との乗算結果は、x2(t)とx2 *(t)との乗算結果である|x2(t)|2に近い値となる。|x2(t)|2は実数である。同様に、x2(t+1)は、x2(t)に対して1サンプルずれた関係にあるため、x2(t+1)は、x2(t)に近い波形の信号である。そのため、x2(t+1)とx2 *(t)との乗算結果は、x2(t)とx2 *(t)との乗算結果である|x2(t)|2に近い値となる。従って、上記(10)式のSm1は、x1 2(t)と実数に近い値との積で表される。従って、上記(10)式のSm1とx1 2(t)との相関をとることが可能となる。即ち、上記(10)式のSm1とx1 2(t)との相関をとると、相互変調信号SPIMに含まれる送信信号x1の遅延量d1において相関値が最大となる。
なお、送信信号x2の時間平均は、送信信号x2を異なる第1の遅延量分遅延させた信号を平均したものであり、送信信号x2を第1の遅延量分遅延させた信号を含む。なお、送信信号x2の時間平均をとると、相互変調信号を生成している送信ストリーム成分と、時間平均された送信信号x2との相関が得られる範囲が拡大する。しかしながら、時間平均長を長くするとSN比(信号対雑音比)が小さくなってくる。このため、時間平均長は、所望のSN比を考慮して設定される。また、本実施例において、送信信号x2の時間平均を算出する際に送信信号x2を遅延させるそれぞれの第1の遅延量の分解能は、前述の実施例1〜6に記載した第1の遅延量の分解能よりも粗くすることが可能である。送信信号x2を時間平均した信号は、遅延信号の一例である。
以下、本実施例の処理を実現する遅延測定器50の具体的な機能ブロックの一例について説明する。
<遅延測定器50>
図42は、実施例7における遅延測定器50の一例を示すブロック図である。本実施例における遅延測定器50は、第1の遅延検出部51および第2の遅延検出部52を有する。第1の遅延検出部51は、乗算器560a、乗算器560b、相関器561a、最大値検出部562a、および平均部563を有する。第2の遅延検出部52は、乗算器560c、乗算器560d、相関器561b、最大値検出部562b、および遅延設定部564を有する。乗算器560a〜560dは、例えば複素乗算器である。また、相関器561aおよび561bとしては、例えば図6に示したようなスライディング相関器や、図7に示したマッチドフィルタ等を用いることができる。平均部563および遅延設定部564は、遅延信号生成部の一例である。乗算器560bおよび560dは、中間信号生成部の一例である。また、最大値検出部562aおよび562bは、算出部の一例である。
平均部563は、BBU11から出力された送信信号x2に対して、所定のサンプル数分の移動平均を計算することにより時間平均を算出する。平均部563は、例えばフィルタ等により送信信号x2の時間平均を算出してもよい。乗算器560aは、BBU11から出力された送信信号x1の2乗を算出する。乗算器560bは、RRE30から出力された受信信号rxに、平均部563によって算出された送信信号x2の時間平均を乗算することにより、中間信号Sm1を生成する。乗算器560bは、第1の生成部の一例である。
相関器561aは、乗算器560bによって算出された中間信号Sm1と、乗算器560aによって算出された送信信号x1の2乗との相関値を算出する。最大値検出部562aは、相関器561aによって算出された相関値の中で、最大の相関値を検出する。そして、最大値検出部562aは、検出された最大の相関値における遅延量を、送信信号x1の遅延量d1として遅延設定部564およびレプリカ生成部40へ出力する。最大値検出部562aは、第1の算出部の一例である。
遅延設定部564は、最大値検出部562aによって検出された送信信号x1の遅延量d1分、BBU11から出力された送信信号x1を遅延させる。乗算器560cは、遅延設定部564によって遅延された送信信号x1の2乗を算出する。乗算器560dは、RRE30から出力された受信信号rxに、乗算器560cによって算出された送信信号x1の2乗の複素共役を乗算することにより、中間信号Sm2を生成する。乗算器560dは、第2の生成部の一例である。
相関器561bは、乗算器560dによって算出された中間信号Sm2と、BBU11から出力された送信信号x2の複素共役との相関値を算出する。最大値検出部562bは、相関器561bによって算出された相関値の中で、最大の相関値を検出する。そして、最大値検出部562bは、検出された最大の相関値における遅延量を、送信信号x2の遅延量d2としてレプリカ生成部40へ出力する。最大値検出部562bは、第2の算出部の一例である。
<遅延量測定処理>
図43は、実施例7における遅延量測定処理の一例を示すフローチャートである。図43に示す遅延量測定処理は、遅延測定器50によって実行される。
まず、平均部563は、予め定められた所定数のサンプルについて、送信信号x2の時間平均を計算する(S320)。乗算器560bは、RRE30から出力された受信信号rxに、平均部563によって時間平均された送信信号x2を乗算することにより、中間信号Sm1を生成する(S321)。そして、相関器561aは、乗算器560aによって算出された送信信号x1の2乗の遅延量d1の設定を変更しながら、中間信号Sm1と、送信信号x1の2乗との相関値を算出する(S322)。最大値検出部562aは、相関器561aによって算出された相関値の中で、相関値が最大となる送信信号x1の遅延量d1を特定する(S323)。
次に、最大値検出部562aは、特定した送信信号x1の遅延量d1を遅延設定部564へ出力する。これにより、最大値検出部562aによって特定された遅延量d1が遅延設定部564に設定される(S324)。遅延設定部564は、BBU11から出力された送信信号x1を、設定された遅延量d1分遅延させる(S325)。乗算器560cは、遅延設定部564によって遅延された送信信号x1の2乗を算出する。
次に、乗算器560dは、RRE30から出力された受信信号rxに、遅延設定部564によって遅延され、乗算器560cによって2乗された送信信号x1の複素共役を乗算することにより、中間信号Sm2を生成する(S326)。そして、相関器561bは、送信信号x2の遅延量d2の設定を変更しながら、中間信号Sm2と、送信信号x2の複素共役との相関値を算出する(S327)。最大値検出部562bは、相関器561bによって算出された相関値の中で、相関値が最大となる送信信号x2の遅延量d2を特定する(S328)。そして、最大値検出部562aおよび562bは、それぞれ、特定された遅延量d1およびd2をレプリカ生成部40へ出力する(S329)。そして、図43に示した遅延量測定処理は終了する。
なお、図43に例示した遅延量測定処理では、送信信号x1の遅延量d1を特定する際に送信信号x2の時間平均が用いられ、特定された送信信号x1の遅延量d1を用いて、送信信号x2の遅延量d2が特定されたが、開示の技術はこれに限られない。例えば、送信信号x2の遅延量d2を特定する際に送信信号x1の時間平均が用いられ、特定された送信信号x2の遅延量d2を用いて、送信信号x1の遅延量d1が特定されてもよい。また、送信信号x1の遅延量d1と、送信信号x2の遅延量d2とが、それぞれ独立に特定されてもよい。具体的には、送信信号x2の時間平均を用いて送信信号x1の遅延量d1が特定され、送信信号x1の時間平均を用いて送信信号x2の遅延量d2が特定されてもよい。
本実施例の遅延測定器50によって各送信信号について算出された遅延プロファイルは、例えば図44に示すようになる。図44は、各送信信号の遅延プロファイルの一例を示す図である。図44において、横軸は相互変調信号に対する各送信信号の遅延量を示し、縦軸は相関値を示す。また、図44において、白丸が中間信号Sm1と送信信号x1の2乗との相関値を示し、白三角が中間信号Sm2と送信信号x2の複素共役との相関値を示す。また、図44には、遅延量が+4サンプルの送信信号x1と、遅延量が−2サンプルの送信信号x2とにより発生した相互変調信号を含む受信信号との相関値が示されている。なお、サンプリング周波数やサンプリング間隔Δt2等は、図10と同様である。
<実施例7の遅延測定器50の他の例>
なお、上記した実施例7に示した遅延測定器50は、例えば図45に示すように構成することも可能である。図45は、実施例7における遅延測定器50の他の例を示すブロック図である。図45に示す遅延測定器50は、第1の遅延検出部51および第2の遅延検出部52を有する。第1の遅延検出部51は、乗算器560e、乗算器560f、相関器561a、最大値検出部562a、および平均部563を有する。第2の遅延検出部52は、乗算器560g、乗算器560h、相関器561b、最大値検出部562b、および遅延設定部564を有する。なお、図45において、図42と同じ符号を付したブロックは、図42におけるブロックと同一または同様の機能を有するため説明を省略する。
乗算器560eは、RRE30から出力された受信信号rxに、平均部563によって算出された送信信号x2の時間平均を乗算する。乗算器560fは、乗算器560eによる乗算結果に、BBU11から出力された送信信号x1の複素共役を乗算することにより、中間信号Sm1を生成する。相関器561aは、BBU11から出力された送信信号x1の遅延量の設定を変更しながら、乗算器560fによって算出された中間信号Sm1と、送信信号x1との相関値を算出する。
乗算器560gは、RRE30から出力された受信信号rxに、遅延設定部564によって遅延量d1分遅延された送信信号x1の複素共役を乗算する。乗算器560hは、乗算器560gによる乗算結果に、遅延設定部564によって遅延量d1分遅延された送信信号x1の複素共役を乗算することにより、中間信号Sm2を生成する。
図45に示した遅延測定器50によって各送信信号について算出された遅延プロファイルは、例えば図46のようになる。図46は、各送信信号の遅延プロファイルの一例を示す図である。図46において、横軸は相互変調信号に対する各送信信号の遅延量を示し、縦軸は相関値を示す。また、図46において、白丸が中間信号Sm1と送信信号x1との相関値を示し、白三角が中間信号Sm2と送信信号x2の複素共役との相関値を示す。また、図46には、遅延量が+4サンプルの送信信号x1と、遅延量が−2サンプルの送信信号x2とにより発生した相互変調信号を含む受信信号との相関値が示されている。なお、サンプリング周波数やサンプリング間隔Δt2等は、図10と同様である。
<実施例7の効果>
以上、実施例7について説明した。本実施例の遅延測定器50は、平均部563と、乗算器560bと、最大値検出部562aとを有する。平均部563は、複数の異なる第1の遅延量について、送信信号x1を第1の遅延量分遅延させた信号の時間平均を算出する。乗算器560bは、受信信号rxに、平均部563によって時間平均された送信信号x1を乗算することにより中間信号Sm1を生成する。最大値検出部562aは、中間信号Sm1と送信信号x2との相関値に基づいて、相互変調信号に対する送信信号x2の遅延量を算出する。これにより、本実施例の通信装置10は、受信信号に含まれる相互変調信号を精度よくキャンセルすることができる。
上記した実施例7では、異なる2つの周波数で送信される送信信号x1およびx2により発生する相互変調信号をキャンセルする通信装置10について説明した。実施例8では、異なる3つの周波数で送信される送信信号x1、x2、およびx3により発生する相互変調信号のキャンセルについて説明する。以下では、送信信号x1の周波数をf1、送信信号x2の周波数をf2、送信信号x3の周波数をf3と定義し、f1<f2<f3と仮定する。送信信号x1は第1の送信信号の一例であり、送信信号x2は第2の送信信号の一例であり、送信信号x3は第3の送信信号の一例である。
<遅延測定器50>
図47は、実施例8における遅延測定器50の一例を示すブロック図である。本実施例における遅延測定器50は、第1の遅延検出部51と、第2の遅延検出部52と、第3の遅延検出部53とを有する。第1の遅延検出部51は、乗算器580a、乗算器580b、相関器581a、最大値検出部582a、平均部583a、および平均部583bを有する。第2の遅延検出部52は、乗算器580c、乗算器580d、相関器581b、最大値検出部582b、遅延設定部584a、および平均部583cを有する。第3の遅延検出部53は、乗算器580e、乗算器580f、相関器581c、最大値検出部582c、遅延設定部584b、および遅延設定部584cを有する。乗算器580a〜580fは、例えば複素乗算器である。また、相関器581a〜581cとしては、例えば図6に示したようなスライディング相関器や、図7に示したマッチドフィルタ等を用いることができる。平均部583a〜583cおよび遅延設定部584a〜584cは、遅延信号生成部の一例である。乗算器580b、580d、および580fは、中間信号生成部の一例である。また、最大値検出部582a〜582cは、算出部の一例である。
平均部583aは、BBU11から出力された送信信号x2に対して、所定のサンプル数分の時間平均を算出する。平均部583bは、BBU11から出力された送信信号x3に対して、所定のサンプル数分の時間平均を算出する。乗算器580aは、RRE30から出力された受信信号rxに、平均部583aによって算出された送信信号x2の時間平均の複素共役を乗算する。乗算器580bは、乗算器580aによる乗算結果に、平均部583bによって算出された送信信号x3の時間平均を乗算することにより、中間信号Sm1を生成する。乗算器580aおよび580bは、第1の生成部の一例である。
相関器581aは、乗算器580bによって算出された中間信号Sm1と、BBU11から出力された送信信号x1との相関値を算出する。最大値検出部582aは、相関器581aによって算出された相関値の中で、最大の相関値を検出する。そして、最大値検出部582aは、検出された最大の相関値における遅延量を、送信信号x1の遅延量d1として遅延設定部584a、遅延設定部584b、およびレプリカ生成部40へ出力する。最大値検出部582aは、第1の算出部の一例である。
遅延設定部584aは、最大値検出部582aによって検出された送信信号x1の遅延量d1分、BBU11から出力された送信信号x1を遅延させる。平均部583cは、BBU11から出力された送信信号x3に対して、所定のサンプル数分の時間平均を算出する。乗算器580cは、RRE30から出力された受信信号rxに、遅延設定部584aによって遅延された送信信号x1の複素共役を乗算する。乗算器580dは、乗算器580cによる乗算結果に、平均部583cによって時間平均された送信信号x3を乗算することにより、中間信号Sm2を生成する。乗算器580cおよび580dは、第2の生成部の一例である。
相関器581bは、乗算器580dによって算出された中間信号Sm2と、BBU11から出力された送信信号x2との相関値を算出する。最大値検出部582bは、相関器581bによって算出された相関値の中で、最大の相関値を検出する。そして、最大値検出部582bは、検出された最大の相関値における遅延量を、送信信号x2の遅延量d2として遅延設定部584cおよびレプリカ生成部40へ出力する。最大値検出部582bは、第2の算出部の一例である。
遅延設定部584bは、最大値検出部582aによって検出された送信信号x1の遅延量d1分、BBU11から出力された送信信号x1を遅延させる。遅延設定部584cは、最大値検出部582bによって検出された送信信号x2の遅延量d2分、BBU11から出力された送信信号x2を遅延させる。乗算器580eは、RRE30から出力された受信信号rxに、遅延設定部584bによって遅延された送信信号x1の複素共役を乗算する。乗算器580fは、乗算器580eによる乗算結果に、遅延設定部584cによって遅延された送信信号x2の複素共役を乗算することにより、中間信号Sm3を生成する。乗算器580eおよび580fは、第3の生成部の一例である。
相関器581cは、乗算器580fによって算出された中間信号Sm3と、BBU11から出力された送信信号x3の複素共役との相関値を算出する。最大値検出部582cは、相関器581cによって算出された相関値の中で、最大の相関値を検出する。そして、最大値検出部582cは、検出された最大の相関値における遅延量を、送信信号x3の遅延量d3としてレプリカ生成部40へ出力する。最大値検出部582cは、第3の算出部の一例である。
<遅延量測定処理>
図48は、実施例8における遅延量測定処理の一例を示すフローチャートである。図48に示す遅延量測定処理は、遅延測定器50によって実行される。
まず、平均部583aは、予め定められた所定数のサンプルについて送信信号x2の時間平均を計算し、平均部583bは、予め定められた所定数のサンプルについて送信信号x3の時間平均を計算する(S340)。乗算器580aは、RRE30から出力された受信信号rxに、平均部583aによって時間平均された送信信号x2の複素共役を乗算する。そして、乗算器580bは、乗算器580aによる乗算結果に、平均部563bによって時間平均された送信信号x3を乗算することにより、中間信号Sm1を生成する(S341)。そして、相関器581aは、BBU11から出力された送信信号x1の遅延量d1の設定を変更しながら、中間信号Sm1と、送信信号x1との相関値を算出する(S342)。最大値検出部582aは、相関器581aによって算出された相関値の中で、相関値が最大となる送信信号x1の遅延量d1を特定する(S343)。
次に、最大値検出部582aは、特定した送信信号x1の遅延量d1を遅延設定部584aへ出力する。これにより、最大値検出部582aによって特定された遅延量d1が遅延設定部584aに設定される(S344)。平均部583cは、予め定められた所定数のサンプルについて送信信号x3の時間平均を計算する(S345)。乗算器580cは、RRE30から出力された受信信号rxに、遅延設定部584aによって遅延された送信信号x1の複素共役を乗算する。そして、乗算器580dは、乗算器580cによる乗算結果に、平均部583cによって時間平均された送信信号x3を乗算することにより、中間信号Sm2を生成する(S346)。そして、相関器581bは、BBU11から出力された送信信号x2の遅延量d2の設定を変更しながら、中間信号Sm2と、送信信号x2との相関値を算出する(S347)。最大値検出部582bは、相関器581bによって算出された相関値の中で、相関値が最大となる送信信号x2の遅延量d2を特定する(S348)。
次に、最大値検出部582aは、特定した送信信号x1の遅延量d1を遅延設定部584bへ出力する。これにより、最大値検出部582aによって特定された遅延量d1が遅延設定部584bに設定される(S349)。また、最大値検出部582bは、特定した送信信号x2の遅延量d2を遅延設定部584cへ出力する。これにより、最大値検出部582bによって特定された遅延量d2が遅延設定部584cに設定される(S350)。乗算器580eは、RRE30から出力された受信信号rxに、遅延設定部584bによって遅延された送信信号x1の複素共役を乗算する。そして、乗算器580fは、乗算器580eによる乗算結果に、遅延設定部584cによって遅延された送信信号x2の複素共役を乗算することにより、中間信号Sm3を生成する(S351)。そして、相関器581cは、BBU11から出力された送信信号x3の遅延量d3の設定を変更しながら、中間信号Sm3と、送信信号x3の複素共役との相関値を算出する(S352)。最大値検出部582cは、相関器581cによって算出された相関値の中で、相関値が最大となる送信信号x3の遅延量d3を特定する(S353)。そして、最大値検出部582a〜582cは、それぞれ、特定された遅延量d1〜d3をレプリカ生成部40へ出力する(S354)。そして、図48に示した遅延量測定処理は終了する。
<実施例8の効果>
以上、実施例8について説明した。本実施例の通信装置10によれば、周波数が異なる3つの送信信号により発生した相互変調信号を含む受信信号において、1つの送信信号の遅延量が算出され、算出された遅延量を用いて、他の送信信号の遅延量が算出される。これにより、他の送信信号の遅延量を算出する際の演算量を削減することができる。
<その他>
上記した各実施例におけるRRE30は、例えば図49に示すハードウェアにより実現される。図49は、RRE30のハードウェアの一例を示す図である。RRE30は、例えば図49に示すように、インターフェイス回路300、メモリ301、プロセッサ302、無線回路303、およびアンテナ38を有する。
インターフェイス回路300は、例えばCPRI(Common Public Radio Interface)等の通信規格に従って、BBU11およびPIMキャンセラ20との間で信号の送信および受信を行う。無線回路303は、DAC31、ADC32、直交変調器33、直交復調器34、PA35、LNA36、およびDUP37を実現する。メモリ301には、RRE30の機能を実現するためのプログラムやデータ等が格納されている。プロセッサ302は、メモリ301から読み出したプログラムを実行し、インターフェイス回路300および無線回路303等と協働することにより、RRE30の各機能を実現する。
また、上記した各実施例における遅延測定器50は、例えば図50に示すハードウェアにより実現される。図50は、遅延測定器50のハードウェアの一例を示す図である。遅延測定器50は、例えば図50に示すように、メモリ55、プロセッサ56、およびインターフェイス回路57を有する。
インターフェイス回路57は、例えばCPRI等の通信規格に従って、BBU11およびRRE30との間で信号の送信および受信を行う。メモリ55には、遅延測定器50の機能を実現するためのプログラムやデータ等が格納されている。プロセッサ56は、メモリ55から読み出したプログラムを実行し、インターフェイス回路57等と協働することにより、遅延測定器50の各機能、例えば、乗算器、相関器、最大値検出部、可変遅延部、遅延設定部、および平均部等の各機能を実現する。
なお、開示の技術は、上記した実施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。例えば、上記した各実施例では、遅延測定器50は、BBU11およびRRE30とは独立した装置として、BBU11とRRE30との間に設けられるが、開示の技術はこれに限られない。遅延測定器50は、例えば、BBU11内に設けられてもよく、各RRE30内に設けられてもよい。
また、第1の遅延量を切り替えながら各送信信号の遅延量を求める実施例1〜6と、送信信号の時間平均を用いて各送信信号の遅延量を求める実施例7〜8とを組み合わせることにより、実施例1〜6における第1の遅延量の分解能をさらに粗くすることもができる。
以上の実施例1〜8を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)複数の送信信号を、それぞれ異なる周波数で送信する送信部と、
前記複数の送信信号によって生じる相互変調信号を含む受信信号を受信する受信部と、
前記複数の送信信号のそれぞれの遅延量を測定する遅延測定器と、
前記遅延測定器によって測定された前記複数の送信信号のそれぞれの遅延量に基づいて、前記複数の送信信号から前記相互変調信号を生成する相互変調信号生成部と、
前記相互変調信号生成部によって生成された前記相互変調信号と前記受信信号とを合成することにより、前記受信信号に含まれる相互変調信号をキャンセルするキャンセル部と
を有し、
前記遅延測定器は、
前記複数の送信信号に含まれる1つの送信信号を第1の遅延量分遅延させた信号を含む遅延信号を生成する遅延信号生成部と、
前記受信信号に、前記遅延信号生成部によって生成された前記遅延信号または前記遅延信号の複素共役を乗算することにより中間信号を生成する中間信号生成部と、
前記中間信号と前記複数の送信信号に含まれる他の送信信号との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記他の送信信号の遅延量を算出する算出部と
を有することを特徴とする通信装置。
(付記2)前記遅延信号生成部は、
複数の異なる前記第1の遅延量について、前記第1の遅延量を切り替えながら前記1つの送信信号を前記第1の遅延量分遅延させ、
前記算出部は、
前記第1の遅延量毎の前記中間信号と前記他の送信信号との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記他の送信信号の遅延量を算出することを特徴とする付記1に記載の通信装置。
(付記3)前記中間信号に対して、前記他の送信信号を第2の遅延量分遅延させ、前記第2の遅延量における前記他の送信信号と前記中間信号との相関値を算出する相関部を有し、
前記相関部は、複数の異なる前記第2の遅延量を切り替えながら、それぞれの前記第2の遅延量における前記相関値を算出し、
前記第1の遅延量同士の遅延量の差は、前記第2の遅延量同士の遅延量の差よりも大きいことを特徴とする付記2に記載の通信装置。
(付記4)前記複数の送信信号には、異なる周波数で送信される第1の送信信号と第2の送信信号とが含まれ、
前記遅延信号生成部は、
前記第1の送信信号を、前記第1の遅延量分遅延させる第1の遅延部と、
前記第2の送信信号を、前記第1の遅延量分遅延させる第2の遅延部と
を含み、
前記中間信号生成部は、
前記第2の遅延部によって遅延された前記第2の送信信号を前記受信信号に乗算することにより第1の中間信号を生成する第1の生成部と、
前記第1の遅延部によって遅延された前記第1の送信信号の2乗の複素共役を、前記受信信号に乗算することにより第2の中間信号を生成する第2の生成部と
を含み、
前記算出部は、
前記第1の遅延量毎の前記第1の中間信号と前記第1の送信信号の2乗との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記第1の送信信号の遅延量を算出する第1の算出部と、
前記第1の遅延量毎の前記第2の中間信号と前記第2の送信信号の複素共役との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記第2の送信信号の遅延量を算出する第2の算出部と
を含むことを特徴とする付記2または3に記載の通信装置。
(付記5)前記複数の送信信号には、異なる周波数で送信される第1の送信信号と第2の送信信号とが含まれ、
前記遅延信号生成部は、
前記第1の送信信号を所定の遅延量分遅延させる第1の遅延部と
前記第2の送信信号を前記第1の遅延量分遅延させる第2の遅延部と、
を含み、
前記中間信号生成部は、
前記第2の遅延部によって遅延された前記第2の送信信号を前記受信信号に乗算することにより第1の中間信号を生成する第1の生成部と、
前記第1の遅延部によって遅延された前記第1の送信信号の2乗の複素共役を、前記受信信号に乗算することにより第2の中間信号を生成する第2の生成部と
を含み、
前記算出部は、
前記第1の遅延量毎の前記第1の中間信号と前記第1の送信信号の2乗との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記第1の送信信号の遅延量を算出する第1の算出部と、
前記第2の中間信号と前記第2の送信信号の複素共役との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記第2の送信信号の遅延量を算出する第2の算出部と
を含み、
前記第1の遅延部は、
前記第1の送信信号を、前記第1の算出部によって算出された遅延量分遅延させることを特徴とする付記2または3に記載の通信装置。
(付記6)前記複数の送信信号には、異なる周波数で送信される第1の送信信号、第2の送信信号、および第3の送信信号が含まれ、
前記遅延信号生成部は、
前記第1の送信信号を前記第1の遅延量分遅延させる第1の遅延部と、
前記第2の送信信号を前記第1の遅延量分遅延させる第2の遅延部と、
前記第3の送信信号を前記第1の遅延量分遅延させる第3の遅延部と
を含み、
前記中間信号生成部は、
前記第2の遅延部によって遅延された前記第2の送信信号の複素共役と前記第3の遅延部によって遅延された前記第3の送信信号とを前記受信信号に乗算することにより第1の中間信号を生成する第1の生成部と、
前記第1の遅延部によって遅延された前記第1の送信信号の複素共役と前記第3の遅延部によって遅延された前記第3の送信信号とを前記受信信号に乗算することにより第2の中間信号を生成する第2の生成部と、
前記第1の遅延部によって遅延された前記第1の送信信号の複素共役と前記第2の遅延部によって遅延された前記第2の送信信号の複素共役とを前記受信信号に乗算することにより第3の中間信号を生成する第3の生成部と
を有し、
前記算出部は、
前記第1の遅延量毎の前記第1の中間信号と前記第1の送信信号との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記第1の送信信号の遅延量を算出する第1の算出部と、
前記第1の遅延量毎の前記第2の中間信号と前記第2の送信信号との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記第2の送信信号の遅延量を算出する第2の算出部と、
前記第1の遅延量毎の前記第3の中間信号と前記第3の送信信号の複素共役との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記第3の送信信号の遅延量を算出する第3の算出部と
を含むことを特徴とする付記2または3に記載の通信装置。
(付記7)前記複数の送信信号には、異なる周波数で送信される第1の送信信号、第2の送信信号、および第3の送信信号が含まれ、
前記遅延信号生成部は、
前記第2の送信信号を前記第1の遅延量分遅延させる第1の遅延部と、
前記第3の送信信号を前記第1の遅延量分遅延させる第2の遅延部と、
前記第1の送信信号を所定の遅延量分遅延させる第3の遅延部と、
前記第3の送信信号を所定の遅延量分遅延させる第4の遅延部と、
前記第1の送信信号を所定の遅延量分遅延させる第5の遅延部と、
前記第2の送信信号を所定の遅延量分遅延させる第6の遅延部と
を含み、
前記中間信号生成部は、
前記第1の遅延部によって遅延された前記第2の送信信号の複素共役と前記第2の遅延部によって遅延された前記第3の送信信号とを前記受信信号に乗算することにより第1の中間信号を生成する第1の生成部と、
前記第3の遅延部によって遅延された前記第1の送信信号の複素共役と前記第4の遅延部によって遅延された前記第3の送信信号とを前記受信信号に乗算することにより第2の中間信号を生成する第2の生成部と、
前記第5の遅延部によって遅延された前記第1の送信信号の複素共役と前記第6の遅延部によって遅延された前記第2の送信信号の複素共役とを前記受信信号に乗算することにより第3の中間信号を生成する第3の生成部と
を有し、
前記算出部は、
前記第1の遅延量毎の前記第1の中間信号と前記第1の送信信号との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記第1の送信信号の遅延量を算出する第1の算出部と、
前記第2の中間信号と前記第2の送信信号との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記第2の送信信号の遅延量を算出する第2の算出部と、
前記第3の中間信号と前記第3の送信信号の複素共役との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記第3の送信信号の遅延量を算出する第3の算出部と
を含み、
前記第3の遅延部および前記第5の遅延部は、前記第1の送信信号を、前記第1の算出部によって算出された遅延量分遅延させ、
前記第4の遅延部は、前記第3の送信信号を、前記第1の算出部によって前記第1の送信信号の遅延量が算出された際に前記第2の遅延部に設定されていた前記第1の遅延量分遅延させ、
前記第6の遅延部は、前記第2の送信信号を、前記第2の算出部によって算出された遅延量分遅延させることを特徴とする付記2または3に記載の通信装置。
(付記8)前記複数の送信信号には、異なる周波数で送信される2組の送信信号が含まれ、
前記2組の送信信号の中の一方の組には、同一の周波数で送信される第1の送信信号および第2の送信信号が含まれ、
前記2組の送信信号の中の他方の組には、同一の周波数で送信される第3の送信信号および第4の送信信号が含まれ、
前記遅延信号生成部は、
前記第3の送信信号を前記第1の遅延量分遅延させる第1の遅延部と、
前記第1の送信信号を前記第1の遅延量分遅延させる第2の遅延部と、
前記第4の送信信号を前記第1の遅延量分遅延させる第3の遅延部と、
前記第2の送信信号を前記第1の遅延量分遅延させる第4の遅延部と
を含み、
前記中間信号生成部は、
前記第1の遅延部によって遅延された前記第3の送信信号を前記受信信号に乗算することにより第1の中間信号を生成する第1の生成部と、
前記第3の遅延部によって遅延された前記第4の送信信号を前記受信信号に乗算することにより第2の中間信号を生成する第2の生成部と、
前記第2の遅延部によって遅延された前記第1の送信信号の2乗の複素共役を前記受信信号に乗算することにより第3の中間信号を生成する第3の生成部と、
前記第4の遅延部によって遅延された前記第2の送信信号の2乗の複素共役を前記受信信号に乗算することにより第4の中間信号を生成する第4の生成部と
を含み、
前記算出部は、
前記第1の遅延量毎の前記第1の中間信号と前記第1の送信信号の2乗との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記第1の送信信号の遅延量を算出する第1の算出部と、
前記第2の中間信号と前記第2の送信信号の2乗との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記第2の送信信号の遅延量を算出する第2の算出部と、
前記第3の中間信号と前記第3の送信信号の複素共役との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記第3の送信信号の遅延量を算出する第3の算出部と、
前記第4の中間信号と前記第4の送信信号の複素共役との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記第4の送信信号の遅延量を算出する第4の算出部と
を含むことを特徴とする付記2または3に記載の通信装置。
(付記9)前記複数の送信信号には、異なる周波数で送信される2組の送信信号が含まれ、
前記2組の送信信号の中の一方の組には、同一の周波数で送信される第1の送信信号および第2の送信信号が含まれ、
前記2組の送信信号の中の他方の組には、同一の周波数で送信される第3の送信信号および第4の送信信号が含まれ、
前記遅延信号生成部は、
前記第3の送信信号を前記第1の遅延量分遅延させる第1の遅延部と、
前記第1の送信信号を所定の遅延量分遅延させる第2の遅延部と、
前記第1の送信信号を所定の遅延量分遅延させる第3の遅延部と、
前記第3の送信信号を所定の遅延量分遅延させる第4の遅延部と、
前記第1の送信信号を所定の遅延量分遅延させる第5の遅延部と
を含み、
前記中間信号生成部は、
前記第1の遅延部によって遅延された前記第3の送信信号を前記受信信号に乗算することにより第1の中間信号を生成する第1の生成部と、
前記第3の遅延部によって遅延された前記第1の送信信号の複素共役と前記第4の遅延部によって遅延された前記第3の送信信号とを前記受信信号に乗算することにより第2の中間信号を生成する第2の生成部と、
前記第2の遅延部によって遅延された前記第1の送信信号の2乗の複素共役を前記受信信号に乗算することにより第3の中間信号を生成する第3の生成部と、
前記第5の遅延部によって遅延された前記第1の送信信号の2乗の複素共役を前記受信信号に乗算することにより第4の中間信号を生成する第4の生成部と
を含み、
前記算出部は、
前記第1の遅延量毎の前記第1の中間信号と前記第1の送信信号の2乗との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記第1の送信信号の遅延量を算出する第1の算出部と、
前記第2の中間信号と前記第2の送信信号との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記第2の送信信号の遅延量を算出する第2の算出部と、
前記第3の中間信号と前記第3の送信信号の複素共役との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記第3の送信信号の遅延量を算出する第3の算出部と、
前記第4の中間信号と前記第4の送信信号の複素共役との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記第4の送信信号の遅延量を算出する第4の算出部と
を含み、
前記第2の遅延部、前記第3の遅延部、および前記第5の遅延部は、前記第1の送信信号を、前記第1の算出部によって算出された遅延量分遅延させ、
前記第4の遅延部は、前記第3の送信信号を、前記第2の算出部によって算出された遅延量分遅延させることを特徴とする付記2または3に記載の通信装置。
(付記10)前記遅延信号生成部は、
複数の異なる前記第1の遅延量について、前記1つの送信信号を前記第1の遅延量分遅延させた信号の時間平均を算出し、
前記中間信号生成部は、
前記受信信号に、前記遅延信号生成部によって時間平均された前記1つの送信信号または該1つの送信信号の複素共役を乗算することにより中間信号を生成し、
前記算出部は、
前記中間信号と前記複数の送信信号に含まれる他の送信信号との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記他の送信信号の遅延量を算出することを特徴とする付記1に記載の通信装置。
(付記11)前記複数の送信信号には、異なる周波数で送信される第1の送信信号と第2の送信信号とが含まれ、
前記遅延信号生成部は、
前記第2の送信信号を時間平均する平均部と、
前記第1の送信信号を所定の遅延量分遅延させる遅延部と
を含み、
前記中間信号生成部は、
前記平均部によって時間平均された前記第2の送信信号を前記受信信号に乗算することにより第1の中間信号を生成する第1の生成部と、
前記遅延部によって遅延された前記第1の送信信号の2乗の複素共役を、前記受信信号に乗算することにより第2の中間信号を生成する第2の生成部と
を含み、
前記算出部は、
前記第1の中間信号と前記第1の送信信号の2乗との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記第1の送信信号の遅延量を算出する第1の算出部と、
前記第2の中間信号と前記第2の送信信号の複素共役との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記第2の送信信号の遅延量を算出する第2の算出部と
を含み、
前記遅延部は、前記第1の送信信号を、前記第1の算出部によって算出された遅延量分遅延させることを特徴とする付記10に記載の通信装置。
(付記12)前記複数の送信信号には、異なる周波数で送信される第1の送信信号、第2の送信信号、および第3の送信信号が含まれ、
前記遅延信号生成部は、
前記第2の送信信号を時間平均する第1の平均部と、
前記第3の送信信号を時間平均する第2の平均部と、
前記第3の送信信号を時間平均する第3の平均部と
を含み、
前記遅延測定器は、
前記第1の送信信号を所定の遅延量分遅延させる第1の遅延部と、
前記第1の送信信号を所定の遅延量分遅延させる第2の遅延部と、
前記第2の送信信号を所定の遅延量分遅延させる第3の遅延部と
を含み、
前記中間信号生成部は、
前記第1の平均部によって時間平均された前記第2の送信信号の複素共役と前記第2の平均部によって時間平均された前記第3の送信信号とを前記受信信号に乗算することにより第1の中間信号を生成する第1の生成部と、
前記第1の遅延部によって遅延された前記第1の送信信号の複素共役と前記第3の平均部によって時間平均された前記第3の送信信号とを前記受信信号に乗算することにより第2の中間信号を生成する第2の生成部と、
前記第2の遅延部によって遅延された前記第1の送信信号の複素共役と前記第3の遅延部によって遅延された前記第2の送信信号の複素共役とを前記受信信号に乗算することにより第3の中間信号を生成する第3の生成部と
を有し、
前記算出部は、
前記第1の中間信号と前記第1の送信信号との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記第1の送信信号の遅延量を算出する第1の算出部と、
前記第2の中間信号と前記第2の送信信号との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記第2の送信信号の遅延量を算出する第2の算出部と、
前記第3の中間信号と前記第3の送信信号の複素共役との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記第3の送信信号の遅延量を算出する第3の算出部と
を含み、
前記第1の遅延部および前記第2の遅延部は、前記第1の送信信号を、前記第1の算出部によって算出された遅延量分遅延させ、
前記第3の遅延部は、前記第2の送信信号を、前記第2の算出部によって算出された遅延量分遅延させることを特徴とする付記10に記載の通信装置。
(付記13)通信装置が、
複数の送信信号を、それぞれ異なる周波数で送信し、
前記複数の送信信号によって生じる相互変調信号を含む受信信号を受信し、
前記複数の送信信号のそれぞれの遅延量を測定し、
測定された前記複数の送信信号のそれぞれの遅延量に基づいて、前記複数の送信信号から前記相互変調信号を生成し、
生成された前記相互変調信号と前記受信信号とを合成することにより、前記受信信号に含まれる相互変調信号をキャンセルする
処理を実行し、
前記遅延量を測定する処理は、
前記複数の送信信号に含まれる1つの送信信号を第1の遅延量分遅延させた信号を含む遅延信号を生成し、
前記受信信号に、生成された前記遅延信号または前記遅延信号の複素共役を乗算することにより中間信号を生成し、
前記中間信号と前記複数の送信信号に含まれる他の送信信号との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記他の送信信号の遅延量を算出する
処理を含むことを特徴とするキャンセル方法。
10 通信装置
11 BBU
20 PIMキャンセラ
21 合成部
30 RRE
40 レプリカ生成部
50 遅延測定器
51 第1の遅延検出部
52 第2の遅延検出部
53 第3の遅延検出部
54 第4の遅延検出部
500 乗算器
501 相関器
502 最大値検出部
503 可変遅延部
504 遅延設定部
505 遅延設定部
506 遅延設定部
520 乗算器
521 相関器
522 最大値検出部
523 可変遅延部
524 遅延設定部
540 乗算器
541 相関器
542 最大値検出部
543 可変遅延部
544 遅延設定部
560 乗算器
561 相関器
562 最大値検出部
563 平均部
564 遅延設定部
580 乗算器
581 相関器
582 最大値検出部
583 平均部
584 遅延設定部

Claims (7)

  1. 複数の送信信号を、それぞれ異なる周波数で送信する送信部と、
    前記複数の送信信号によって生じる相互変調信号を含む受信信号を受信する受信部と、
    前記複数の送信信号のそれぞれの遅延量を測定する遅延測定器と、
    前記遅延測定器によって測定された前記複数の送信信号のそれぞれの遅延量に基づいて、前記複数の送信信号から前記相互変調信号を生成する相互変調信号生成部と、
    前記相互変調信号生成部によって生成された前記相互変調信号と前記受信信号とを合成することにより、前記受信信号に含まれる相互変調信号をキャンセルするキャンセル部と
    を有し、
    前記遅延測定器は、
    前記複数の送信信号に含まれる1つの送信信号を第1の遅延量分遅延させた信号を含む遅延信号を生成する遅延信号生成部と、
    前記受信信号に、前記遅延信号生成部によって生成された前記遅延信号または前記遅延信号の複素共役を乗算することにより中間信号を生成する中間信号生成部と、
    前記中間信号と前記複数の送信信号に含まれる他の送信信号との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記他の送信信号の遅延量を算出する算出部と
    を有することを特徴とする通信装置。
  2. 前記遅延信号生成部は、
    複数の異なる前記第1の遅延量について、前記第1の遅延量を切り替えながら前記1つの送信信号を前記第1の遅延量分遅延させ、
    前記算出部は、
    前記第1の遅延量毎の前記中間信号と前記他の送信信号との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記他の送信信号の遅延量を算出することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記中間信号に対して、前記他の送信信号を第2の遅延量分遅延させ、前記第2の遅延量における前記他の送信信号と前記中間信号との相関値を算出する相関部を有し、
    前記相関部は、複数の異なる前記第2の遅延量を切り替えながら、それぞれの前記第2の遅延量における前記相関値を算出し、
    前記第1の遅延量同士の遅延量の差は、前記第2の遅延量同士の遅延量の差よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
  4. 前記複数の送信信号には、異なる周波数で送信される第1の送信信号と第2の送信信号とが含まれ、
    前記遅延信号生成部は、
    前記第1の送信信号を、前記第1の遅延量分遅延させる第1の遅延部と、
    前記第2の送信信号を、前記第1の遅延量分遅延させる第2の遅延部と
    を含み、
    前記中間信号生成部は、
    前記第2の遅延部によって遅延された前記第2の送信信号を前記受信信号に乗算することにより第1の中間信号を生成する第1の生成部と、
    前記第1の遅延部によって遅延された前記第1の送信信号の2乗の複素共役を、前記受信信号に乗算することにより第2の中間信号を生成する第2の生成部と
    を含み、
    前記算出部は、
    前記第1の遅延量毎の前記第1の中間信号と前記第1の送信信号の2乗との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記第1の送信信号の遅延量を算出する第1の算出部と、
    前記第1の遅延量毎の前記第2の中間信号と前記第2の送信信号の複素共役との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記第2の送信信号の遅延量を算出する第2の算出部と
    を含むことを特徴とする請求項2または3に記載の通信装置。
  5. 前記遅延信号生成部は、
    複数の異なる前記第1の遅延量について、前記1つの送信信号を前記第1の遅延量分遅延させた信号の時間平均を算出し、
    前記中間信号生成部は、
    前記受信信号に、前記遅延信号生成部によって時間平均された前記1つの送信信号または該1つの送信信号の複素共役を乗算することにより中間信号を生成し、
    前記算出部は、
    前記中間信号と前記複数の送信信号に含まれる他の送信信号との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記他の送信信号の遅延量を算出することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  6. 前記複数の送信信号には、異なる周波数で送信される第1の送信信号と第2の送信信号とが含まれ、
    前記遅延信号生成部は、
    前記第2の送信信号を時間平均する平均部と、
    前記第1の送信信号を所定の遅延量分遅延させる遅延部と
    を含み、
    前記中間信号生成部は、
    前記平均部によって時間平均された前記第2の送信信号を前記受信信号に乗算することにより第1の中間信号を生成する第1の生成部と、
    前記遅延部によって遅延された前記第1の送信信号の2乗の複素共役を、前記受信信号に乗算することにより第2の中間信号を生成する第2の生成部と
    を含み、
    前記算出部は、
    前記第1の中間信号と前記第1の送信信号の2乗との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記第1の送信信号の遅延量を算出する第1の算出部と、
    前記第2の中間信号と前記第2の送信信号の複素共役との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記第2の送信信号の遅延量を算出する第2の算出部と
    を含み、
    前記遅延部は、前記第1の送信信号を、前記第1の算出部によって算出された遅延量分遅延させることを特徴とする請求項5に記載の通信装置。
  7. 通信装置が、
    複数の送信信号を、それぞれ異なる周波数で送信し、
    前記複数の送信信号によって生じる相互変調信号を含む受信信号を受信し、
    前記複数の送信信号のそれぞれの遅延量を測定し、
    測定された前記複数の送信信号のそれぞれの遅延量に基づいて、前記複数の送信信号から前記相互変調信号を生成し、
    生成された前記相互変調信号と前記受信信号とを合成することにより、前記受信信号に含まれる相互変調信号をキャンセルする
    処理を実行し、
    前記遅延量を測定する処理は、
    前記複数の送信信号に含まれる1つの送信信号を第1の遅延量分遅延させた信号を含む遅延信号を生成し、
    前記受信信号に、生成された前記遅延信号または前記遅延信号の複素共役を乗算することにより中間信号を生成し、
    前記中間信号と前記複数の送信信号に含まれる他の送信信号との相関値に基づいて、前記相互変調信号に対する前記他の送信信号の遅延量を算出する
    処理を含むことを特徴とするキャンセル方法。
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