本発明の実施の形態に係る照明器具について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る照明器具の構成図である。照明器具1は、筐体2と、発光部3と、光源点灯装置4と、接続部5を備える。発光部3は、発光素子として複数のLEDを備える。光源点灯装置4は、発光部3を点灯させる。接続部5は、筐体2に設けられ、制御ユニット10を収納する。接続部5は、光源点灯装置4に配線によって接続されている。接続部5は、接続部5に収納された制御ユニット10と光源点灯装置4を電気的に接続する。接続部5は、筐体2の外側に露出した開口を備える。
制御ユニット10は、開口から接続部5に取り付けられる。制御ユニット10は、筐体2に着脱可能に取り付けられる。制御ユニット10が収納されていない状態では、開口をカバーで覆っても良い。本実施の形態では、互いに異なる機能または仕様を有する複数の制御ユニット10が準備されている。使用者は、機能または仕様を選択して所望の制御ユニット10を照明器具1に取り付けることができる。ここで言う使用者は、最終消費者に限らず、照明器具1の設定を行う設置者なども含む。なお、発光部3は発光素子として、LEDの代わりに有機ELを備えても良い。
制御ユニット10は、電極11と、センサ部12と、通信制御回路13を備えている。電極11は、接続部5において、光源点灯装置4と電気的に接続される。制御ユニット10には、電極11を介して光源点灯装置4から電力が供給される。センサ部12は、外部の照明制御機器と通信を行うことで、使用者からの指令のおよび外部状態に応じた指令信号を通信制御回路13に送信する。通信制御回路13は、センサ部12が受信した指令信号を、光源点灯装置4に指令するための制御信号に変換する。通信制御回路13は、制御信号を電極11から出力する。光源点灯装置4は、電極11、接続部5および配線を介して制御信号を受信する。
制御ユニット10と光源点灯装置4は、接続部5を介して配線により電気的に接続される。光源点灯装置4は通信制御回路13から受信した制御信号に応じて、光源点灯装置4が備えるスイッチング方式のDC−DCコンバータ回路を制御することで、発光部3を制御する。具体的には、光源点灯装置4は、発光部3に流れる電流量および点灯時間などを制御できる。
本実施の形態では、制御ユニット10が無線通信機能を有する無線通信ユニットである場合について説明する。この場合、センサ部12は、無線通信アンテナを備える。無線通信アンテナは、外部からの信号を受信し、さらに、外部に信号を送信する。また、通信制御回路13は無線通信制御回路を備える。無線通信制御回路は、無線通信アンテナが送受信する指令信号を制御信号に変換し、光源点灯装置と制御信号の受け渡しを行う。
次に、例えば、外部の照明制御機器が、無線通信手段を備える調光コントローラである場合の照明器具1の動作について説明する。まず、外部の照明制御機器から、照明器具1の明るさを変更する指令信号が送信される。センサ部12の無線通信アンテナは指令信号を受信する。通信制御回路13は指令信号を制御信号に変換し、光源点灯装置4に送信する。光源点灯装置4は、制御信号に応じて、発光部3に流れる電流量を制御する。
また、制御ユニット10は、光源点灯装置4から制御ユニット10に送信された信号を、無線通信アンテナから照明制御機器に送信しても良い。ここで、光源点灯装置4から制御ユニット10に送信された信号は、光源点灯装置4が記憶している情報を含む信号である。光源点灯装置4が記憶している情報は、例えば、照明器具1の消費電力、点灯時間、または故障状態である。これにより、照明制御機器の表示部に消費電力、点灯時間、または故障状態を表示することができる。
ここでは、照明制御機器は無線通信手段を備える調光コントローラであるとしたが、照明制御機器は、無線通信手段を備え、調光の設定をするためのリモコンであってもよい。また、照明制御機器と制御ユニット10との通信手段は、無線方式以外でも良い。例えば、赤外線による通信手段を用いても構わない。この場合、制御ユニット10はセンサ部12に赤外線受光素子を備える。
図2は、本発明の実施の形態1に係る光源点灯装置および制御ユニットの回路ブロック図である。制御ユニット10が接続部5に接続された状態において、接続部5が備える電極5aと、電極11とが接続される。電極5aは、光源点灯装置4が備える制御回路4bおよびスイッチ部4dと配線により接続されている。
光源点灯装置4は、点灯回路4aを備える。点灯回路4aは、整流回路41を備える。整流回路41は、ダイオードブリッジ回路である。整流回路41は、スイッチSWを介して交流電源である外部電源70と接続される。本実施の形態では、外部電源70は商用電源である。スイッチSWは外部電源70からの電力供給を遮断するための壁スイッチである。整流回路41の直流出力側には、平滑コンデンサであるコンデンサ44が並列に接続される。コンデンサ44の正極には、インダクタ45の一端が接続される。
インダクタ45の他端は、スイッチング素子46のドレインおよびダイオード47のアノードに接続される。スイッチング素子46のソースは、コンデンサ44の負極に接続される。また、スイッチング素子46のゲートは制御回路4bと接続される。ダイオード47のカソードにはコンデンサ48の正極が接続される。コンデンサ48の負極は、スイッチング素子46のソースに接続される。
コンデンサ48の正極はスイッチング素子49のドレインと接続される。スイッチング素子49のソースにはダイオード51のカソードおよびインダクタ52の一端が接続される。ダイオード51のアノードは、コンデンサ48の負極に接続される。スイッチング素子49のゲートは制御回路4bと接続される。インダクタ52の他端には、コンデンサ53の正極が接続される。コンデンサ53の負極は、ダイオード51のアノードが接続される。
以上から、点灯回路4aは、スイッチング方式のDC−DCコンバータ回路を備える。スイッチング素子46のオン時間を調整することで、コンデンサ48の正極に定電圧が発生する。また、スイッチング素子49のオン時間を変更することで、点灯回路4aの出力電流が変更される。点灯回路4aの出力には、発光部3が並列に接続される。発光部3は、直列に接続された複数の発光素子81を備える。点灯回路4aは、発光素子81を点灯させる。
次に、制御回路4bについて説明する。制御回路4bは、処理回路26を備える。処理回路26は、コンデンサ48の両端に印加される電圧が定電圧になるようにスイッチング素子46のオン時間を算出する。また、処理回路26は、電極5aおよび電極11を介して通信制御回路13に接続されている。処理回路26には、通信制御回路13が発する制御信号92によって目標となる調光率が通知される。処理回路26は、制御信号92が通知する調光率で発光部3が点灯するように、スイッチング素子49のオン時間を算出する。
制御回路4bは駆動回路20を備える。駆動回路20は、処理回路26が算出したスイッチング素子46およびスイッチング素子49のオン時間に従って、PWM信号を出力する。PWM信号によって、スイッチング素子46およびスイッチング素子49のオンオフが制御される。また、処理回路26で実行される演算処理には、記憶装置23に記憶されたプログラムが用いられる。以上から、制御信号92によって通知された調光率に従って、発光部3が点灯する。
次に、制御電源回路4cについて説明する。制御電源回路4cは、スイッチング素子64を備える。スイッチング素子64のドレインは、コンデンサ48の正極と接続される。スイッチング素子64のソースにはダイオード63のカソードおよびインダクタ62の一端が接続される。ダイオード63のアノードは、コンデンサ61の負極に接続される。
スイッチング素子64のゲートは駆動回路65と接続される。駆動回路65は、スイッチング素子64のオン時間を調整する。インダクタ62の他端には、コンデンサ61の正極が接続される。コンデンサ61の正極は、制御回路4bに接続される。また、コンデンサ61の正極は、スイッチ部4dを介して制御ユニット10に接続される。
以上から、制御電源回路4cは、スイッチング方式のDC−DCコンバータ回路を備える。制御電源回路4cは、コンデンサ48の正極に発生する電圧を降圧し、コンデンサ61の正極に出力する。制御電源回路4cの出力電圧は、スイッチング素子64のデューティー比を調整することで調整される。制御電源回路4cの出力は、制御回路4bと、スイッチ部4dを介して制御ユニット10に接続される。従って、制御電源回路4cは、制御回路4bと制御ユニット10に電力を供給する。制御電源回路4cの出力電圧は、制御回路4bと制御ユニット10を駆動させる制御電源電圧となる。
次に、スイッチ部4dについて説明する。スイッチ部4dの一端には、制御電源回路4cの出力が接続される。また、スイッチ部4dの他端には、電極5aおよび電極11を介して、制御ユニット10が接続される。従って、スイッチ部4dは、制御電源回路4cから制御ユニット10に電力を供給する経路に設けられる。このため、スイッチ部4dの遮断によって、制御ユニット10への制御電源の供給が遮断される。
制御回路4bは、スイッチ部4dをオンオフする。スイッチ部4dには、例えば、MOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)またはバイポーラトランジスタなどの半導体スイッチング素子を用いることができる。
使用者は照明制御機器90である調光コントローラの操作によって、発光部3の明るさを所望の明るさに調整することができる。以下に、使用者が調光率を変更する手順を説明する。使用者が発光部3の明るさを変更する場合、スイッチ部4dは導通状態である。このとき、制御ユニット10には制御電源回路4cから制御電源が供給される。このため、制御ユニット10は動作状態となる。このとき、制御ユニット10は、照明制御機器90からの指令信号91を受信可能な状態となる。
まず、使用者が照明制御機器90に発光部3の所望の明るさを入力する。照明制御機器90は入力された明るさを指令信号91として発信する。この結果、センサ部12は、指令信号91を受信する。通信制御回路13は、指令信号91を光源点灯装置4に指令するための制御信号92に変換する。通信制御回路13は、制御信号92を制御回路4bに通知する。ここで、通信制御回路13は、使用者が入力した明るさを調光率に変換し、制御信号92として送信するものとしても良い。この結果、制御回路4bは点灯回路4aを制御して、使用者が照明制御機器90から設定した明るさで発光部3を点灯させる。
次に、使用者が発光部3の明るさの変更を必要としない場合について説明する。このとき、発光部3は、一定の明るさの状態で点灯を維持する。このとき、使用者は照明制御機器90から制御ユニット10の動作を停止する操作を行う。この結果、照明制御機器90から制御ユニット10の動作を停止するための指令信号91が送信される。この結果、制御ユニット10からスイッチ部4dをオフするための制御信号92が送信される。
制御回路4bは、制御信号92に応じてスイッチ部4dを遮断する。この結果、制御ユニット10への制御電源の供給が遮断される。従って、制御ユニット10は動作を停止し、照明制御機器90からの指令信号91を受け付けなくなる。本実施の形態では、使用者が発光部3の明るさの変更を必要としない場合に、制御ユニット10の動作を停止できる。従って、制御ユニット10の消費電力を削減することができる。
また、制御回路4bは、発光素子81の点灯中にスイッチ部4dが遮断されると、スイッチ部4dの遮断前の調光率を保持するように点灯回路4aを制御する。この結果、制御回路4bは、制御ユニット10の動作を停止する直前に設定された明るさで、発光部3の点灯を維持する。これにより、制御ユニット10のオンオフに係らず、発光部3を一定の明るさで点灯させることができる。つまり、発光部3が一定の明るさを維持したまま、制御ユニット10の消費電力を削減することができる。
次に、使用者が制御ユニット10の動作を停止した後に、再び照明制御機器90の操作により、発光部3の明るさを変更する場合について説明する。外部電源70から点灯回路4aに電力が供給され、且つ、スイッチ部4dが遮断された状態において、外部電源70から点灯回路4aへの電力供給をスイッチSWにより遮断する。その後、スイッチSWをオンし、外部電源70から点灯回路4aへの電力供給を開始する。以上の操作により、制御回路4bはスイッチ部4dを導通状態とする。
この結果、制御ユニット10に制御電源回路4cから再び制御電源が供給される。本実施の形態では、スイッチSWをオフし、その後オンすることにより、制御ユニット10が再び起動する。このため、制御ユニット10を再起動させるための追加回路が不要となり、照明器具1の回路を簡易化できる。制御ユニット10の再起動後は、照明制御機器90から送信される指令信号91に基づいて発光部3は点灯する。
なお、点灯回路4aは、整流回路41の直流出力側に分圧抵抗42、43を備える。制御回路4bは、分圧抵抗42、43に印加される電圧を読み取ることで、スイッチSWのオンオフを検知できる。処理回路26は、スイッチSWがオンであり、且つ、スイッチ部4dが遮断された状態において、スイッチSWがオフされた後にオンされたことを検知すると、スイッチ部4dを導通状態にする。
ここで、使用者が常に制御ユニット10の動作を停止したい場合がある。上述の操作方法では、スイッチSWによって外部電源70を投入する度に、照明制御機器90から制御ユニット10の動作を停止する操作を実行しなければならず、操作が煩わしい。そこで、常時、制御ユニット10の動作を停止する方法について説明する。
まず、スイッチ部4dが導通状態において、使用者は照明制御機器90から制御ユニット10の動作を停止する指令信号91を送信する。この結果、制御ユニット10からスイッチ部4dをオフするための制御信号92が送信される。次に、制御回路4bはスイッチ部4dをオフするための制御信号92を受け取った情報を記憶装置23に記憶する。記憶装置23は不揮発性メモリを備える。スイッチ部4dをオフするための制御信号92を受け取った情報は、外部電源70を遮断しても維持されるものとする。
次に、使用者がスイッチSWを遮断後、再びスイッチSWをオンしたとする。処理回路26は、スイッチSWが遮断後に再びオンされたことを検知する。このとき、処理回路26はスイッチSWの遮断前に制御ユニット10への制御電源の供給を遮断していたか否かを記憶装置23から読み出し、判断する。制御ユニット10への制御電源の供給を遮断していた場合、処理回路26はあらかじめ定めた一定期間、スイッチ部4dを導通状態とする。ここで、スイッチ部4dを導通状態とする一定期間は、例えば10秒間である。
スイッチ部4dが導通状態である一定期間中は、制御ユニット10へ制御電源の供給が行われる。このため、制御ユニット10は照明制御機器90からの指令信号91を受信可能となる。この一定期間に照明制御機器90から制御ユニット10に、制御ユニット10の動作を開始する指令信号91が送信されなければ、制御回路4bは再び制御ユニット10への制御電源の供給を再び遮断する。つまり、一定期間にスイッチ部4dの遮断を解除する制御信号92を処理回路26が受信しない場合、処理回路26は、スイッチ部4dを再び遮断する。
ここで、制御回路4bはカウンタ24を備える。カウンタ24は、スイッチ部4dを導通状態とする一定期間である10秒をカウントする。スイッチSWが遮断後に再びオンされたことを処理回路26が検知すると、カウンタ24はカウントを開始する。スイッチ部4dの遮断を解除する制御信号92を受信せずに、カウンタ24から10秒が経過したことが通知されると、処理回路26はスイッチ部4dを再び遮断する。以上から、使用者は、外部電源70を投入する度に、照明制御機器90から制御ユニット10の動作を停止する操作を行う必要がなくなる。
また、予め記憶装置23に、使用者が制御ユニット10への制御電源の供給を遮断する直前の調光率を記憶しておく。あらかじめ定めた一定期間に、制御ユニット10の動作を開始する指令信号91が送信されない場合、スイッチ部4dが再び遮断される。その後、処理回路26は、記憶装置23に記憶された調光率を読みだす。この調光率に基づいて、制御回路4bは点灯回路4aを制御する。このため、制御回路4bは、前回の点灯時の調光率を保持するように、発光部3に流れる電流を制御する。従って、前回の点灯時と同じ明るさとなる調光率で発光部3を点灯することができる。以上から、使用者が外部電源70を投入する度に、照明制御機器90で調光率を設定する操作を行う必要がなくなる。
以上から、使用者が制御ユニット10の動作の停止の設定および調光率の設定を一度実施すれば、スイッチSWをオンオフしても毎回同じ設定で発光部3を点灯させることができる。従って、照明制御機器90を操作する煩わしさを解消しつつ、制御ユニット10の消費電力を削減することができる。これは、例えば、調光コントローラによって発光部3の明るさの調整を行う頻度が少ないような用途に有効である。
使用者がスイッチSWを遮断後、再びスイッチSWをオンすると、あらかじめ定めた一定期間にスイッチ部4dが導通状態となる。この一定期間中に、制御ユニット10の動作を開始する指令信号91が照明制御機器90から送信されれば、制御ユニット10への制御電源の供給が継続される。つまり、カウンタ24が10秒の経過を処理回路26に通知する前に、スイッチ部4dの遮断を解除する制御信号92を処理回路26が受信した場合、処理回路26は、スイッチ部4dの導通状態を維持する。このとき、スイッチSWがオン状態である間は、調光コントローラによる操作が有効となる。
ここでは、照明制御機器90が調光コントローラであり、照明器具1が無線通信機能を有する制御ユニット10を備える場合について説明した。これに対し、例えば、照明制御機器90に照度センサまたは人感センサを搭載しても良い。次に、照明制御機器90が照度センサを搭載し、照明器具1が無線通信機能を有する制御ユニット10を備える場合について説明する。
照度センサを搭載した照明制御機器90は、例えば天井に設置される。照明制御機器90は、照度センサで外部の明るさを検出する。また、照明制御機器90は、検出した明るさを無線通信手段で送信するための指令信号91に変換する。さらに、照明制御機器90は、指令信号91を制御ユニット10に送信する。次に、制御ユニット10は受信した指令信号91を通信制御回路13にて、制御回路4bに送信するための制御信号92に変換し、送信する。
ここで、通信制御回路13は、照度センサが検知した明るさを示す信号を制御信号92として送信するものとしても良い。また、通信制御回路13は、外部の明るさに対して適した調光率を算出し、制御信号92として送信するものとしても良い。また、通信制御回路13は、外部の明るさが明るい程、制御回路4bに低い調光率を通知するものとしても良い。制御回路4bは受信した制御信号92に応じて点灯回路4aを制御する。この結果、発光部3に流れる電流量が調整され、発光部3の明るさが制御される。
例えば、外光が入る窓側に照明器具1が設置されている場合、昼間は照明器具1の調光率が50%程度となるように制御し、夜間は100%程度となるように制御しても良い。一方、照明器具1が、外光が入らないような室内に設置されている場合は、昼夜問わず照明器具1の調光率を100%程度となるように制御しても良い。
このように、照度センサを搭載した照明制御機器90により、照明器具1の設置される外部環境に応じて発光部3の明るさを制御することができる。このため、外部環境が明るい時に調光率を低減することで、発光部3が消費する電流を低減できる。従って、照明器具1の消費エネルギーを低減できる。なお、1台の照明制御機器で、同一の外部環境に設置された複数の照明器具1を同時に制御しても良い。この場合、1台の照明制御機器90が送信した指令信号91を、各々の照明器具1に取り付けられた制御ユニット10が受信する。これにより、複数の照明器具1が一台の照明制御機器90によって同時に調光可能となる。
次に、使用者が照度センサの機能をオフし、外部環境の明るさに関係なく照明器具1を点灯する場合について説明する。使用者は、照明制御機器90に対して照度センサの機能をオフする設定を行う。この結果、照明制御機器90から制御ユニット10に、制御ユニット10の動作を停止する指令信号91が送信される。これにより、制御ユニット10から制御回路4bにスイッチ部4dを遮断する制御信号92が送信される。
制御回路4bは制御信号92を受けて、スイッチ部4dをオフする。従って、制御ユニット10への制御電源の供給が遮断される。この結果、制御ユニット10は動作を停止する。このため、制御ユニット10の消費電力を削減することができる。なお、照明制御機器90は照度センサとリモコンを備えるものとしても良い。この場合、制御ユニット10の機能をオフする設定は、リモコンから行ってもよい。この場合、制御ユニット10の動作を停止する指令信号91はリモコンから制御ユニット10に送信される。
ここでは、照明制御機器90に照度センサが搭載された例について説明した。これに対し、照度センサを制御ユニット10に搭載しても良い。次に、制御ユニット10が照度センサを備える場合について説明する。このとき、制御ユニット10は、照度センサユニットとなる。照度センサを搭載した制御ユニット10は、電極11、センサ部12および通信制御回路13を備える。電極11は、接続部5に接続される。センサ部12は、明るさを検出する照度センサを備える。通信制御回路13は、照度センサで検出した明るさを制御信号92に変換して、制御回路4bに送信する照度制御回路である。
制御信号92に応じて、制御回路4bは点灯回路4aを制御する。この結果、発光部3に流れる電流量が調整され、明るさが制御される。また、制御ユニット10が照度センサを備える場合、外部の照明制御機器90はリモコンを備えても良い。このとき、センサ部12は、さらに無線通信アンテナを備える。使用者は、リモコンから制御ユニット10の機能をオフする操作を行う。この結果、リモコンから制御ユニット10に、制御ユニット10の動作を停止する指令信号91が送信される。
また、照明制御機器90は赤外線リモコンであっても良い。このとき、センサ部12は、さらに赤外線受光部を備える。赤外線リモコンから制御ユニット10に制御ユニット10の機能をオフする指令信号91を送信すると、制御ユニット10は赤外線リモコンからの指令信号91に基づいた制御信号92を制御回路4bに送信する。この結果、制御回路4bはスイッチ部4dをオフし、制御ユニット10への制御電源の供給を遮断する。
次に、照明制御機器90が人感センサを搭載し、照明器具1が無線通信機能を有する制御ユニット10を備える場合について説明する。人感センサを備える照明制御機器90は、例えば天井に設置される。人感センサは、人の在/不在を検出する焦電素子を備える。また、人感センサは、焦電素子で検出した人の在/不在の判定結果を指令信号91に変換し、制御ユニット10に送信する人感制御回路を備える。
焦電素子が人を検出すると、照明制御機器90は人が居ることを通知する指令信号91を制御ユニット10に送信する。制御ユニット10は指令信号91に基づいて、点灯を指示する制御信号92を制御回路4bに送信する。制御回路4bは、制御信号92に応じて点灯回路4aを制御し、発光部3を点灯させる。
また、人の存在を検出してから予め定められた期間、焦電素子が人を検出しなければ、人感制御回路は人が不在と判定する。人の不在が判定されると、照明制御機器90は人の不在を通知する指令信号91を制御ユニット10に送信する。制御ユニット10は指令信号91に基づいて、消灯を指示する制御信号92を制御回路4bに送信する。制御回路4bは制御信号92に基づいて点灯回路4aを制御し、発光部3を消灯させる。または、制御回路4bは制御信号92に基づいて発光部3の調光率を低下させるものとしても良い。
以上から、人感センサにより、人の在/不在を検出して、照明器具1の点灯、消灯または調光制御を行うことが可能である。人の不在時に発光部3を消灯または調光率を低下させることで、照明器具1の消費電力を低下させることが可能となる。
次に、使用者が人感センサの機能をオフし、人の在/不在に関係なく発光部3を点灯させる場合について説明する。使用者は照明制御機器90に対して人感センサの機能をオフする設定を行う。これにより、照明制御機器90から制御ユニット10へ、制御ユニット10の動作を停止する指令信号91が送信される。制御ユニット10は、指令信号91を受けて、制御回路4bにスイッチ部4dを遮断する制御信号92を送信する。制御回路4bは制御信号92に応じて、スイッチ部4dをオフし、制御ユニット10への制御電源の供給を遮断する。従って、制御ユニット10は動作を停止し、制御ユニット10の消費電力を削減することができる。
ここでは、照明制御機器90に人感センサが搭載された例について説明した。これに対し、人感センサを制御ユニット10に搭載してもよい。このとき、制御ユニット10は人感センサユニットとなる。この場合、制御ユニット10は、電極11、センサ部12および通信制御回路13を備える。電極11は、接続部5に接続される。センサ部12は、人の在/不在を検出する焦電素子を備える。通信制御回路13は、人感制御回路を備える。人感制御回路は、焦電素子で検出した人の在/不在を判定する信号を変換し、制御信号92を生成する。また、人感制御回路は、制御信号92を制御回路4bに送信する。
また、制御ユニット10が人感センサを備える場合、外部の照明制御機器90はリモコンを備えても良い。このとき、センサ部12は、さらに無線通信アンテナを備える。人感センサの機能をオフする場合、使用者はリモコンから人感センサの機能をオフする操作を行う。この結果、リモコンから制御ユニット10に、制御ユニット10の動作を停止する指令信号91が送信される。
照明制御機器90は赤外線リモコンであっても良い。この場合、センサ部12は、さらに赤外線受光部を備える。赤外線リモコンから制御ユニット10に人感センサの機能をオフする指令信号91を送信すると、制御ユニット10は指令信号91に基づいた制御信号92を制御回路4bに送信する。この結果、制御回路4bはスイッチ部4dをオフし、制御ユニット10への制御電源の供給を遮断する。
使用者が制御ユニット10の動作を停止した後に、再び照度センサまたは人感センサの機能を復帰させる手順は、照明制御機器90が調光コントローラである場合と同様である。使用者は、外部電源70をスイッチSWで遮断した後に、再投入する。これにより、再び制御回路4bはスイッチ部4dをオンする。この結果、制御ユニット10に制御電源が供給され、照度センサまたは人感センサの機能が復帰する。
また、使用者が常に照度センサまたは人感センサの機能を停止する場合の制御は、照明制御機器90が調光コントローラである場合と同様である。これにより、外部電源70の投入の度に、照明制御機器90から照度センサまたは人感センサの機能を停止する操作を行う必要がなくなる。従って、照明制御機器90を操作する煩わしさを解消することができる。
本実施の形態では、スイッチ部4dを光源点灯装置4に設けた。これに対し、制御ユニット10にスイッチ部4dを設けても良い。また、本実施の形態では、制御電源回路4cの出力と制御ユニット10との間にスイッチ部4dを設けた。このため、スイッチ部4dを遮断することで、制御ユニット10への制御電源の供給が遮断される。これに対し、制御電源の遮断方法はこれに限定されない。
本実施の形態では、制御ユニット10と制御回路4bに対して共通の制御電源回路4cから電力が供給される。これに対し、制御回路4bと制御ユニット10に対して、それぞれ独立した制御電源回路から電力が供給されるものとしても良い。この場合、制御ユニット10に電力を供給する制御電源回路の動作自体を停止することで、制御ユニット10への制御電源の供給を遮断しても良い。この場合、制御ユニット10に電力を供給する制御電源回路の入力側にスイッチ部4dが設けられる。
また、本実施の形態では、照明制御機器90の操作によりスイッチ部4dを遮断する。これにより、制御ユニット10への制御電源の供給を遮断した。これに対し、スイッチ部4dは、例えば制御ユニット10または照明器具1の筐体等に設けられたスイッチまたは引き紐等であっても良い。この場合、使用者がスイッチまたは引き紐を操作することによって、制御ユニット10への制御電源の供給が遮断される。
また、制御回路4bは、接続部5に接続された制御ユニット10の種類を自動で判別するものとしても良い。制御回路4bは、制御ユニット10の種類を判別すると、制御ユニット10の種類に応じた制御となるように、制御を自動で切り替えても良い。これにより、制御ユニット10の取り付け時における、使用者による機器設定等の手間を低減することができる。接続された制御ユニット10の種類の判別は、制御ユニット10と制御回路4bとの通信により容易に実行できる。
処理回路26、記憶装置23およびカウンタ24はマイクロコンピュータに内蔵されていても良い。このとき、制御回路4bはマイクロコンピュータを備える。また、処理回路26は、記憶装置23に格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)であっても良い。CPUは、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサまたはDSPともいう。また、処理回路26は専用のハードウェアであっても良い。
処理回路26がCPUの場合、処理回路26の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアおよびファームウェアはプログラムとして記述され、記憶装置23に格納される。処理回路26は、記憶装置23に記憶されたプログラムを読み出して実行する。これにより、照明機具1の機能を実現する。また、これらのプログラムは、制御回路4bによる点灯回路4aおよびスイッチ部4dの制御の手順および方法を処理回路26に実行させるものであるともいえる。ここで、記憶装置23は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリおよび磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等が該当する。
これらの変形は以下の実施の形態に係る照明器具について適宜応用することができる。なお、以下の実施の形態に係る照明器具については実施の形態1との共通点が多いので、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る照明器具1の構成は、実施の形態1と同様である。実施の形態1では、任意のタイミングで制御ユニット10への制御電源の供給を遮断する場合について説明した。本実施の形態では、制御ユニット10への制御電源の供給が間欠的に行われる場合について説明する。
ここでは、照明制御機器90が照度センサを搭載し、照明器具1が無線通信機能を有する制御ユニット10を備える場合について説明する。照度センサの機能については、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。照度センサを用いて、外光に応じて発光部3の明るさを制御する場合について考える。
例えば、昼間から夜間にかけて、外光は徐々に暗くなる。外光が入る窓側に設置された照明器具1は照度センサからの指令信号91に応じて、外光が暗くなるほど、明るさを増していく。ここで、外光は急激に変化することはなく、変化速度は極めて遅い。従って、例えば、数分から数十分おきに光源点灯装置4は照度センサからの情報である制御信号92を取り込み、発光部3の明るさに反映させれば十分目的を果たすことができる。
本実施の形態に係る照明器具1では、制御回路4bは間欠的に制御信号92を取り込む。また、制御ユニット10から制御信号92を受信しない期間においては、制御ユニット10への制御電源の供給が遮断される。これにより制御ユニット10の待機電力を削減することができる。ここで、本実施の形態では、制御回路4bが制御信号92を取り込む間隔を例えば10分間隔とする。
図3は、本発明の実施の形態2に係る照明器具の動作を示すフローチャートである。図3を用いて本実施の形態の動作例について説明する。照明器具1にスイッチSWまたは照明制御機器90等を用いて点灯指示を行う。この結果、光源点灯装置4は発光部3を点灯させる。次に、処理回路26は、制御回路4bの内部の時間を計測するカウンタ24をリセットする。この結果、カウンタ24のカウント値はゼロとなる。次に、処理回路26はスイッチ部4dをオンする。この結果、制御ユニット10に制御電源が供給される。
これにより、制御ユニット10は動作を開始する。次に、通信制御回路13は、照明制御機器90に対して照度センサが検出した照度の情報の送信を要求する。照度の情報の送信を要求する要求信号は、通信制御回路13の指示によりセンサ部12から送信される。照明制御機器90は要求信号を受信すると、照度センサによって検出した照度を通知する指令信号91を制御ユニット10に送信する。
制御ユニット10は、指令信号91を受信すると、指令信号91を制御回路4bに送信するための制御信号92に変換する。次に、制御ユニット10は制御信号92を制御回路4bに送信する。制御回路4bは受信した制御信号92に基づいて点灯回路4aを制御して、発光部3の電流量を調整する。この結果、制御信号92が通知した調光率が発光部3に反映される。
制御信号92を受信すると、処理回路26はスイッチ部4dをオフする。この結果、制御ユニット10への制御電源の供給が遮断される。次に、制御回路4bは、カウンタ24を用いて時間カウントを開始する。制御回路4bは、例えばマイクロコンピュータで構成される。カウンタ24には、マイクロコンピュータ内部のカウンタを用いることが出来る。あらかじめ定めた規定時間が経過すると、カウンタ24はカウントを停止する。規定時間は、例えば10分である。その後、処理回路26は、再びカウンタリセットを行う。以降、制御回路4bは、カウンタリセットからカウント停止までの一連の動作を繰り返す。
本実施の形態では、制御回路4bは、スイッチ部4dを間欠的に導通状態とする。これにより、制御ユニット10は、間欠的に光源点灯装置4と通信を行う。また、通信を実施しない期間においては、制御ユニット10への制御電源の供給は遮断される。従って、制御ユニット10の消費電力を削減することができる。
ここでは、照明制御機器90に照度センサが搭載された構成について説明した。これに対し、例えば、制御ユニット10に照度センサが搭載されていても構わない。次に、照度センサを搭載した制御ユニット10を備えた照明器具1の動作について説明する。
まず、制御回路4bがスイッチ部4dをオンし、制御ユニット10に制御電源を供給する。この結果、制御ユニット10が起動する。次に、制御ユニット10は内蔵する照度センサが検知した照度に基づく制御信号92を制御回路4bに送信する。制御回路4bは制御信号92を受信する。制御回路4bは、制御信号92に応じて、点灯回路4aを制御し、発光部3の電流量を調整する。次に、制御回路4bは制御ユニット10への制御電源の供給を遮断する。制御回路4bはカウンタ24で時間をカウントする。あらかじめ定めた規定時間が経過すると、制御回路4bは再び制御ユニット10への制御電源の供給を開始する。ここで、規定時間は、例えば10分である。その後、制御回路4bは一連の動作を繰り返す。
このように、光源点灯装置4は、照度センサが検知した照度に基づく制御信号92を、間欠的に制御ユニット10から直接取り込む。また、通信を実施しない期間においては、制御ユニット10への制御電源の供給を遮断する。このため、制御ユニット10の消費電力を削減することができる。また、照度センサを搭載した制御ユニット10を用いる場合、外部の照明制御機器90および制御ユニット10は無線通信機能を備えなくても良い。従って、簡単な構成で照明システムを形成できる。
ここで、例えば、照度センサを内蔵する制御ユニット10を搭載した照明器具1が、照度センサを搭載していない照明器具に照度センサに基づくデータを送信してもよい。この場合、制御ユニット10は無線通信部を備える。照度センサを内蔵する制御ユニット10を搭載した1台の照明器具1から、周辺に設けられた照度センサを持たない複数の照明器具に対して、無線通信により照度を通知する。このため、照度センサを持たない複数の照明器具を、適切な明るさで点灯するように制御することができる。ただし、照度センサを持たない照明器具には無線通信機能を有する制御ユニットを取り付ける必要がある。
ここでは、照明制御機器90が照度センサを備える場合の動作例について示した。これに対し、照明制御機器90は他の種類のセンサを備えても構わない。例えば、照明制御機器90が備えるセンサは、人の在/不在を検出する人感センサであっても構わない。この場合、人感センサを搭載した照明制御機器90は天井等に設置される。照明制御機器90が照度センサを備える場合よりも短い間隔で、制御ユニット10と光源点灯装置4は通信を行う。ここで、制御ユニット10と光源点灯装置4が通信を行う間隔は、例えば数秒間隔である。
通信を行わない期間においては、制御回路4bは制御ユニット10への制御電源の供給を遮断する。制御ユニット10への制御電源の供給を再開すると、制御ユニット10は照明制御機器90に対して、人の検知結果の通知を要求する信号を送信する。照明制御機器90は検知結果に応じた指令信号91を送信する。指令信号91に応じて、制御ユニット10は制御回路4bに制御信号92を送信する。制御回路4bは、制御信号92に応じて、発光部3の点灯または消灯を制御する。
制御ユニット10の制御電源が遮断中、照明制御機器90は人の在/不在の情報を記憶しておく。制御ユニット10から、人の検知結果の通知を要求する信号を受信すると、照明制御機器90は、記憶してある情報を指令信号91として送信する。
なお、光源点灯装置4は、接続部5に接続された制御ユニット10の種類を制御回路4bによって自動判別してもよい。また、接続部5に接続された制御ユニット10の種類に応じて、制御回路4bは、自動で通信を行う間隔を変更しても良い。例えば、照度センサと通信するための制御ユニット10が接続された場合、通信の間隔を10分とする。また、人感センサと通信するための制御ユニット10が接続された場合、通信の間隔を数秒とする。これにより、使用者による機器設定の手間を低減することができる。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る照明器具1の構成は、実施の形態1と同様である。本実施の形態では、光源点灯装置4への外部電源70の投入時および外部電源70の遮断時における、制御ユニット10への制御電源の供給および遮断のタイミングについて説明する。図4は、本発明の実施の形態3に係る照明器具の動作シーケンスを示すタイムチャートである。まず、図4を用いて、光源点灯装置4に外部電源70を投入するときの、照明器具1の動作シーケンスについて説明する。
(時刻t0〜t1)
時刻t0においてスイッチSWをオンすることにより、光源点灯装置4に外部電源70が投入される。外部電源70が投入されると、制御電源回路4cには、コンデンサ48の正極に発生する電圧が入力される。制御電源回路4cは、予め設定した大きさの制御電源電圧の生成を開始する。制御電源電圧は、例えば10Vである。生成された制御電源電圧は制御回路4bに印加され、制御回路4bが起動する。このとき、スイッチ部4dはオフ状態である。このため、制御ユニット10には制御電源電圧は印加されない。
(時刻t1〜t2)
制御回路4bが動作を開始すると、制御回路4bはスイッチ部4dをオンする。この結果、制御電源回路4cから制御ユニット10に制御電源が供給される。これにより、制御ユニット10は起動する。
(時刻t2〜t3)
制御ユニット10が動作を開始すると、制御回路4bはスイッチング素子49を駆動して、発光部3に電流を供給する。この結果、発光部3が点灯を開始する。制御回路4bは制御ユニット10からの制御信号92に従って点灯回路4aを制御し、発光部3を流れる光源電流の調整等を実施する。
以上から、制御電源回路4cが起動すると、まず制御回路4bに制御電源を供給する。また、制御回路4bの起動が完了するまでは、制御ユニット10に制御電源を供給しない。例えば、制御回路4bがマイクロコンピュータ等の半導体回路で構成される場合、制御回路4bが起動する前に制御ユニット10等から信号が入力されると、正しく信号を受信できない場合がある。このため、マイクロコンピュータが誤動作する可能性がある。
また、例えば、制御回路4bと制御ユニット10に、それぞれ独立した制御電源回路から制御電源が供給される場合を考える。この場合、それぞれの制御電源回路で起動時間が異なると、制御回路4bに制御電源が供給される前に制御ユニット10に制御電源が供給される可能性がある。この場合、制御回路4bが備えるマイクロコンピュータに制御電源が供給されない状態で、マイクロコンピュータの各ポートに制御ユニット10からの信号が入力される可能性がある。この場合、マイクロコンピュータはラッチアップ現象を引き起こし、故障する可能性がある。
本実施の形態では、外部電源70から点灯回路4aへの電力供給を開始すると、制御回路4bに電力が供給された後に、制御回路4bはスイッチ部4dを導通状態とする。従って、制御回路4bの起動完了後に制御ユニット10に制御電源が供給される。このため、制御回路4bが起動を完了する前に、制御回路4bに信号が入力されることを防止できる。従って、マイクロコンピュータの誤動作およびラッチアップ現象を防止できる。
次に、図4を用いて、外部電源70を遮断するときの、照明器具1の動作シーケンスを説明する。
(時刻t3〜t4)
時刻t3において、スイッチSWをオフすることによって外部電源70から光源点灯装置4への電力供給が遮断される。ここで、点灯回路4aおよび制御電源回路4cは平滑コンデンサであるコンデンサ48およびコンデンサ61を有している。このため、外部電源70が遮断された後、一定期間は、制御電源回路4cは制御電源電圧を出力可能である。このため、外部電源70が遮断された後も、制御回路4bは動作可能である。また、スイッチSWがオフされると、発光部3は消灯する。
(時刻t4〜t5)
制御回路4bは外部電源70の遮断を検出すると、スイッチ部4dをオフする。この結果、制御ユニット10への制御電源の供給が遮断される。これにより、制御ユニット10は動作を停止する。なお、例えば、分圧抵抗42、43に印加される電圧を制御回路4bが読み取ることで、外部電源70の遮断を判定することができる。
(時刻t5〜t6)
制御電源回路4cが出力する制御電源電圧は時間の経過とともに低下する。この結果、制御回路4bの動作が停止する。
本実施の形態では、外部電源70から点灯回路4aへの電力供給が遮断されると、制御回路4bがスイッチ部4dを遮断し、その後に、制御回路4bへの電力供給が停止される。従って、外部電源70を遮断すると、まず制御ユニット10への制御電源の供給が遮断され、制御ユニット10の動作が停止する。その後、制御回路4bへの制御電源の供給が停止し、制御回路4bの動作が停止する。これにより、制御回路4bが動作停止後に制御ユニット10から制御信号92が入力されることを防止できる。従って、制御回路4bの誤動作およびラッチアップ現象を防止できる。
実施の形態4.
図5は、本発明の実施の形態4に係る光源点灯装置および制御ユニットの回路ブロック図である。本実施の形態に係る照明器具1の構成は、実施の形態1と同様である。本実施の形態では、発光部3が消灯中に制御ユニット10へ供給する制御電源の電圧を、発光部3が点灯状態のときに制御ユニット10に供給する電圧より低くする。これにより、制御ユニット10の消費エネルギーを低減する方法について説明する。
制御回路4bは、スイッチング素子46、49を駆動する駆動回路20、マイクロコンピュータ21および降圧回路22を備える。ここで、マイクロコンピュータ21は、図2における処理回路26、記憶装置23およびカウンタ24を含む。また、図2において降圧回路22は省略されている。また、制御ユニット10は、マイクロコンピュータ30および降圧回路31を備える。マイクロコンピュータ30は、図2における通信制御回路13を含む。また、図2では降圧回路31は省略されている。また、図5では便宜上、センサ部12および分圧抵抗42、43は省略されている。
駆動回路20はマイクロコンピュータ21の指示に従ってスイッチング素子46、49を駆動する。降圧回路22はマイクロコンピュータ21の駆動電源を供給する。降圧回路22は、制御電源回路4cの出力電圧である制御電源電圧をマイクロコンピュータ21の動作に適した電圧に変換する。
マイクロコンピュータ30は、照明制御機器90から送信される各種センサ等からの情報を取得し、制御回路4bに送信するための制御信号92に変換する。降圧回路31はマイクロコンピュータ30の駆動電源を供給する。降圧回路31は、制御電源回路4cの出力電圧をマイクロコンピュータ30の動作に適した電圧に変換する。ここで、降圧回路22、降圧回路31は例えば3端子レギュレータ、トランジスタによるシリーズレギュレータ、またはツェナーダイオード等で降圧を行う回路を含む。
図6は、本発明の実施の形態4における照明器具の動作シーケンスを示すタイムチャートである。まず、外部の照明制御機器90からの指令信号91により、発光部3を点灯状態から消灯状態とした場合の制御電源回路4cの動作について図6を用いて説明する。本実施の形態では、照明制御機器90が調光コントローラである場合について説明する。
(時刻t0〜t1)
時刻t0〜t1では、発光部3であるLEDユニットは点灯している状態である。制御回路4bおよび制御ユニット10には制御電源電圧として、例えば10Vが印加されている。駆動回路20にはスイッチング素子46、49を駆動するために、10Vの電源が供給されることが必要となる。これに対し、マイクロコンピュータ21を駆動するためには例えば3.3Vの電源を供給する事が必要となる。
そこで、10Vの制御電源電圧は降圧回路22により3.3Vに降圧され、マイクロコンピュータ21に印加される。一方、駆動回路20には10Vが印加される。同様に、制御ユニット10においても、マイクロコンピュータ30を駆動するためには3.3Vの電源を供給する事が必要となる。降圧回路31により制御電源電圧は3.3Vに降圧され、マイクロコンピュータ30に印加される。
(時刻t1〜t2)
時刻t1において、調光コントローラから発光部3を消灯する指令信号91が出力される。なお、本実施の形態では、調光コントローラからの指令信号91はLOWが点灯信号を表し、HIGHが消灯信号を表すものとする。制御ユニット10はHIGH信号を受信すると、光源点灯装置4に発光部3を消灯するための制御信号92を送信する。これにより、発光部3を流れる光源電流がゼロとなり、発光部3は消灯する。この時、点灯回路4aには、外部電源70から常に電力が供給されている状態である。
発光部3が消灯すると、制御電源回路4cは制御電源電圧を10Vから例えば5Vに変更する。制御電源回路4cは出力電圧の変更は、駆動回路65によって、スイッチング素子64のデューティー比を調整することで実施する。ここで、制御回路4bは、制御信号92に応じて制御電源電圧を下げるように駆動回路65を制御するものとしても良い。また、制御電源回路4cが消灯を指示する制御信号92を受信することで、制御電源回路4cは制御電源電圧を下げるように駆動回路65を制御するものとしても良い。
この時、スイッチ部4dはオン状態である。降圧回路31は5Vから3.3Vを生成する。マイクロコンピュータ30は、降圧回路31から3.3Vが供給され、駆動する。同様に、降圧回路22は5Vから3.3Vを生成する。マイクロコンピュータ21は、降圧回路22から3.3Vが供給され、駆動する。すなわち、発光部3が消灯状態であっても、降圧回路22、31の出力電圧は点灯状態の時と変わらない。発光部3が消灯状態のとき、スイッチング素子46、49を駆動する必要がない。このため、駆動回路20に10Vの制御電源電圧の供給する必要がない。
次に、調光コントローラからの指令信号91により、発光部3を消灯状態から点灯状態とした場合の制御電源回路4cの動作について図6を用いて説明する。
(時刻t2〜t3)
時刻t2において、調光コントローラから発光部3を点灯するための指令信号91であるLOW信号が出力される。制御ユニット10はLOW信号を受信すると、光源点灯装置4に発光部3を点灯するための制御信号92を送信する。光源点灯装置4は制御信号92を受信すると、制御電源回路4cの出力電圧を5Vから10Vに変更する。
(時刻t3〜t4)
制御電源回路4cの出力電圧が10Vに到達すると、駆動回路20がマイクロコンピュータ21の指令に基づいてスイッチング素子46、49を駆動させる。この結果、発光部3が点灯する。このとき、降圧回路22、31は制御電源回路4cの出力電圧である10Vから3.3Vを生成する。ここで、制御回路4bは、制御電源回路4cの出力電圧を検知する電圧検知回路を備えても良い。
(時刻t4〜)
調光コントローラから、制御ユニット10への制御電源の供給を遮断する指令信号91が出力される。指令信号91に基づき、制御回路4bはスイッチ部4dをオフする。この結果、降圧回路31の出力電圧はゼロとなり、マイクロコンピュータ30への電力の供給が遮断される。また、制御電源回路4cは出力電圧10Vを維持する。このため、降圧回路22は10Vから3.3Vを生成してマイクロコンピュータ21の駆動を維持する。さらに、駆動回路20への制御電源電圧の供給が維持されるため、点灯回路4aは発光部3の点灯を維持する。
本実施の形態では、発光素子81が消灯状態において制御電源回路4cが発生させる電圧は、発光素子81が点灯状態において制御電源回路4cが発生させる電圧よりも低い。つまり、発光部3が点灯中の場合は、スイッチング素子46、49を駆動する必要がある。このため、制御電源電圧として10Vの高電圧が必要となる。このとき、マイクロコンピュータ21、30等の低い電圧で駆動する回路には、降圧回路22、31によって10Vから3.3Vに降圧した電圧を供給する。
一方、発光部3が消灯中の場合は、スイッチング素子46、49を駆動しない。このため、10Vの高電圧は必要ない。また、制御回路4bは点灯を指示する信号の受信待ちの状態となる。このとき、制御回路4bおよび制御ユニット10に供給する電圧は、マイクロコンピュータ21およびマイクロコンピュータ30を駆動するための3.3Vの電圧で良い。
そこで、発光部3が消灯中の場合は、制御電源回路4cの出力電圧を点灯中の出力電圧である10Vよりも低い5Vに設定する。これにより、降圧回路22、31における損失を低減できる。例えば、10Vから3.3Vを生成するには降圧回路22、31に10Vと3.3Vの差分である6.7Vが印加される。これに対し、制御電源電圧を5Vにすると、降圧回路22、31に印加される電圧は1.7Vに減少する。ここで、降圧回路の損失は降圧回路に印加される電圧と降圧回路に流れる電流の積で決まる。このため、電流値が同じであれば、制御電源電圧を下げることで、降圧回路22、31の損失を大幅に削減できる。
以上のように、本実施の形態では、発光部3が消灯中において、制御ユニット10に供給される制御電源電圧を、発光部3が点灯中において供給される制御電源電圧より低く設定する。従って、制御ユニット10の消費電力を削減することができる。なお、各実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いてもよい。