JP2018037039A - 交通システム - Google Patents

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Kazuhiko Kato
和彦 加藤
浩二 長谷部
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浩二 長谷部
洋丈 阿部
Hirotake Abe
洋丈 阿部
雅之 川本
Masayuki Kawamoto
雅之 川本
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Abstract

【課題】先頭自走車の目的地と同じ目的地に移動するか又は先頭自走車の目的地に至るまでの途中までは同じ経路を通る目的地へ移動する1台以上の後続自走車を相互に機械的に連結することなく追従させて移動する交通システムにおいて、運行指令発生部に障害が発生してもサービスを継続させることができる交通システムを提供する。
【解決手段】運行指令発生部CGで発生した障害により、運行経路が複数の自走車のすべてに対して与えられない緊急事態が発生したときに、交差点Jに設置されている暫定運行経路付与装置SP1〜SP3が、予め定められた複数の暫定運行経路中の一つの暫定運行経路を、1以上の交差点に到達した先頭自走車に与える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、先頭車両に1台以上の後続自走車が相互に機械的に連結されることなく追従して移動する交通システムに関するものである。
特開2000−112523号公報(特許文献1)及び特開2000−113399号公報(特許文献2)には、先頭車に対して無人運転される後続車の走行追従軌跡精度が高い縦列での縦列走行を実現した自動追従走行システムが開示されている。
また発明者は、原動機を搭載して運転手によって運転されるか又は自動で運転される複数の自走車が、自走車列の先頭を移動する複数の先頭自走車と複数の先頭自走車に追随する複数の後続自走車に分かれており、しかも複数の自走車が、運行指令発生部から通信網を介して与えられる、1以上の交差点を含む複数の運行経路の中の一つの運行経路を、自走車列を構成しながら移動する際に、先頭自走車の目的地と同じ目的地に移動するか又は先頭自走車の目的地に至るまでの途中までは同じ経路を通る目的地へ移動する1台以上の後続自走車が、先頭自走車に相互に機械的に連結されることなく追従して移動する交通システムを提案した。
特開2000−112523号公報 特開2000−113399号公報
本発明が対象とする上記交通システムでは、輸送に関する需要をリアルタイムで把握もしくは予測し、それにもとづいて動的に各車両の運行スケジュールを決定することが重要である。通常こうしたスケジューリングは、中央の運行指令発生部が需要に関する情報を一元的に集約して決定し、そこから各車両に指示を出すという方法によって実現されることが多い。このような中央集中型の制御方式は、分散管理型の制御方式に比べて実装が容易であるという利点がある。しかしながら、運行指令発生部が何らかの原因で機能不全に陥ってしまうと交通システム全体が停止してしまうという問題がある。そのため、運行指令発生部に障害が発生してもサービスを継続させるためには、障害時に各車両に対して暫定的な運行経路(以下、暫定運行経路と呼ぶ)を自動で割り当てる方法が求められる。
本発明の目的は、先頭自走車の目的地と同じ目的地に移動するか又は先頭自走車の目的地に至るまでの途中までは同じ経路を通る目的地へ移動する1台以上の後続自走車を相互に機械的に連結することなく追従させて移動する交通システムにおいて、運行指令発生部に障害が発生してもサービスを継続させることができる交通システムを提供することにある。
本発明の交通システムでは、原動機を搭載して運転手によって運転されるか又は自動で運転される複数の自走車が、自走車列の先頭を移動する複数の先頭自走車と複数の先頭自走車に追随する複数の後続自走車に分かれている。そして複数の自走車が、運行指令発生部から通信網を介して与えられる、1以上の交差点を含む複数の運行経路の中の一つの運行経路を、自走車列を構成しながら移動する際に、先頭自走車の目的地と同じ目的地に移動するか又は先頭自走車の目的地に至るまでの途中までは同じ経路を通る目的地へ移動する1台以上の後続自走車が、先頭自走車に相互に機械的に連結されることなく追従して移動する。本発明の交通システムは、旅客輸送のみならず、荷物輸送等のように種々の輸送に利用できるものである。
本発明では、運行指令発生部で発生した障害により、運行経路が複数の自走車のすべてに対して与えられない緊急事態が発生すると、予め定められた複数の暫定運行経路中の一つの暫定運行経路を、1以上の交差点に到達した先頭自走車に与える暫定運行経路付与装置が1以上の交差点にそれぞれ設置されている。そして先頭自走車は、暫定運行経路を受け取ると、暫定運行経路を受け取る前に運行指令発生部から受け取った運行経路に従った運行を完了してから、暫定運行経路に従った運行を開始する。本願明細書において、「運行経路」や「暫定運行経路」とは、先頭自走車が走行する経路を意味するものであり、多くの場合、電子データの形態で作成されるものであるが、運転手がいる場合には、紙媒体で作成されてもよい。また「暫定運行経路を与える動作」、「暫定運行経路を受け取る動作」は、通信により実行される場合が一般的であるが、運転手がいる場合には、運転手が暫定運行経路付与装置から暫定運行経路を受け取るようにしてもよいのは勿論である。
本発明の交通システムでは、運行指令発生部で発生した障害により、運行経路が複数の自走車のすべてに対して与えられない緊急事態が発生したときに、交差点に設置されている暫定運行経路付与装置が、予め定められた複数の暫定運行経路中の一つの暫定運行経路を、1以上の交差点に到達した先頭自走車に与える。その結果、本発明によれば、運行指令発生部で障害が発生したときでも、交通システムを停止することなく、各先頭自走車は暫定運行経路に従って運行を継続することができる。その上、先頭自走車は、暫定運行経路を受け取ると、暫定運行経路を受け取る前に運行指令発生部から受け取った運行経路に従った運行を完了してから、暫定運行経路に従った運行を開始する。その結果、運行指令発生部で障害が発生したときでも、先頭自走車はすでに受け取っている運行経路に従った運行をするので、直ちに交通システムが混乱状態に陥ることを防ぐことができる。
また本発明の交通システムでは、運行指令発生部で発生した障害により、運行経路が複数の自走車のすべてに対して与えられない緊急事態が発生すると、複数の暫定運行経路中の一つの暫定運行経路を、予め定めたルールに従って、1以上の交差点に到達した先頭自走車に与える暫定運行経路付与装置が1以上の交差点にそれぞれ設置されている。暫定運行経路付与装置のこのルールは、対応する交差点に来た先頭自走車が、該対応する交差点を運行指令発生部から与えられた運行経路の目的地とするか、または該対応する交差点を運行指令発生部から与えられた運行経路の目的地の近く(例えば、一つまたは二つ手前)の交差点とする場合にのみ、対応する交差点に来た先頭自走車に暫定運行経路を与えるように予め定められている。この場合にも、先頭自走車は、暫定運行経路を受け取ると、暫定運行経路を受け取る前に運行指令発生部から受け取った運行経路に従った運行を完了してから、暫定運行経路に従った運行を開始する。暫定運行経路付与装置が、このようなルールに従って先頭自走車に暫定運行経路を与えると、先頭自走車の運行経路と関係性を持って暫定運行経路が先頭自走車に与えられたり、与えられなかったりすることになる。そのため当初与えられている運行経路の最終目的地に近い位置にある暫定運行経路付与装置から暫定運行経路が先頭自走車に与えられることになり、不必要な動きが少なくて済む暫定運行経路が先頭自走車に与えられる可能性が高くなって、よりスムーズに暫定運行経路に従って交通システムの運用を行うことができる。
上記交通システムでは、先頭自走車は、暫定運行経路を受け取ると、暫定運行経路を受け取る前に運行指令発生部から受け取った運行経路に従った運行を完了してから、暫定運行経路に従った運行を開始することとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、暫定運行経路を暫定運行経路付与装置から受け取ったら直ぐに、暫定運行経路に従った運用を開始してもよいのは勿論である。この場合、暫定運行経路付与装置のルールは、複数の暫定運行経路中に対応する交差点に来た先頭自走車の目的地を経路中に含む暫定運行経路があれば、該暫定運行経路を先頭自走車に与え、対応する交差点を含む暫定運行経路がなければ、運行経路を継続させるために先頭自走車には前記暫定運行経路を与えないように定める。そして先頭自走車は、暫定運行経路を受け取ると、運行指令発生部から受け取った運行経路に従った運行を中止して、暫定運行経路に従った運行を開始する。このようにすると、暫定運行経路に従った運行を直ぐに開始したとしても、先頭走行車は、運行指令発生部から与えられた運行経路の目的地に到達することが可能になる。したがって例えば先頭自走車に乗車していた乗客は、乗り換えをすることなく、当初の目的地まで移動することができる。
なお運行指令発生部CGで発生した障害により、先頭自走車に追従していた後続自走車が、目的地に到達できなくなることも予想される。そこでこのような事態の発生を防止するために、暫定運行経路付与装置は、交差点に来た先頭自走車に追従する1以上の後続自走車があるときに、追従の関係を一度リセットする指令を後続自走車に与える。このようにすると追従の関係がリセットされたことにより、後続自走車はその交差点にある停留所において、目的地に行ける先頭自走車を選ぶことになる。そこで暫定運行経路付与装置は、交差点に来た先頭自走車が、交差点の停留所に停留する1台以上の後続自走車に与えられている行き先を目的地とする先頭自走車か、または与えられている行き先の途中の交差点を通る先頭自走車であるかを判断し、1台以上の後続自走車に、交差点に来た先頭自走車に追従するか否かを決定して指示する機能を有しているのが好ましい。このようにすると運行指令発生部からの指令が来ない状態でも、交差点ごとに後続自走車の追従の可否が判断されるので、後続自走車を支障なく移動させることができる。
なお後続自走車が、緊急事態が発生している状態では、交差点に来た先頭自走車が、与えられている行き先を目的地とする先頭自走車か、または与えられている行き先の途中の交差点を通る先頭自走車であるかを判断して、交差点に来た先頭自走車に追従することを決定する機能を有していてもよいのは勿論である。
また暫定運行経路付与装置は、交差点にある停留所に停留していて行き先が付与されていない後続自走車に、予め定めた複数の新たな行き先候補から順番にまたはランダムに選択した新たな行き先を付与する機能を有しているのが好ましい。暫定運行経路付与装置がこのような機能を有していると、行き先が定まっていないで停留所に停留する後続自走車に新たな行き先が付与されるので、後続自走車を無駄なく運用できる。
暫定運行経路には、該暫定運行経路を移動する先頭自走車が予め定めた交差点に到達したときに該交差点にある停留所に行き先が付与されていない後続自走車が停留しているときに、暫定運行経路に含まれる先の交差点を目的地とするか、先の交差点を目的地の途中の交差点とするように後続自走車のための新たな行き先を付与する行き先情報が含まれていてもよい。この場合、暫定運行経路付与装置は、対応する交差点にある停留所に行き先が付与されていない後続自走車が停留しているときには、該対応する交差点に来た先頭自走車に与えられている暫定運行経路に含まれている行き先情報に基づいて停留所に停留する行き先が付与されていない後続自走車に新たな行き先を付与するようにしてもよい。このようすると交差点に来た先頭自走車の暫定運行路線と関係する行き先が、この交差点にある停留所に停留している行き先が付与されていない後続自走車に付与されるので、行き先が決まっていない後続自走車に行き先を与えて、しかもその後続自走車を先頭自走車に追従させることができる。そのため後続自走車を効率よく有効に活用することが可能になる。
なお暫定運行経路付与装置が停留所に停留している行き先が付与されていない後続自走車に新たな行き先を付与するのではなく、その停留所に来た先頭自走車の暫定運行経路に、後続自走車のための新たな行き先を付与する行き先情報が含まれていれば、先頭自走車が、対応する交差点にある停留所に行き先が付与されていない後続自走車が停留しているときには、先頭自走車に与えられている暫定運行経路に含まれている行き先情報に基づいて、停留所に停留する行き先が付与されていない後続自走車に新たな行き先を付与するようにしてもよい。このようにすると暫定運行経路付与装置の負担を減らすことができる。なおこの先頭自走車から後続自走車への行き先の付与は通信により行うか、先頭自走車に運転者が乗車しているときには、運転者により行う。
複数の後続自走車は、運行指令発生部から受け取った運行経路の移動を完了すると、移動完了時の交差点にある停留所に停留し、該停留所のある交差点に設置された暫定運行経路付与装置から新たな行き先の付与を受ける。このようにすると交通システムに含まれるすべての後続自走車を有効活用できる。
また暫定運行経路付与装置は、複数の暫定運行経路から順番にまたはランダムに選択した暫定運行経路を先頭自走車に与え、複数の暫定運行経路をすべて複数の先頭自走車に与えると、暫定運行経路の付与動作を停止する。このように交差点に来た先頭自走車に複数の暫定運行経路から順番にまたはランダムに選択した暫定運行経路を先頭自走車に与えると、早期に複数の先頭自走車に暫定運行経路を付与することができる。
また暫定運行経路付与装置は、先頭自走車の運行経路の目的地に応じて、複数の暫定運行経路から無駄な移動が少なくて済む暫定運行経路を選んで先頭自走車に与えるようにしてもよい。このようにすると暫定運行経路を付与された先頭自走車が、先に付与されていた運行経路に従った運行を終了した後に、無駄な移動をすることなく、早期に暫定運行経路に従った運行を開始することができる。
暫定運行経路付与装置は、付与動作を停止した後、暫定運行経路が付与されていない先頭自走車が対応する交差点に到達したときに、暫定運行経路として予め定めた他の交差点に向かう経路を該先頭自走車に与えるようにするのが好ましい。このようにすると先頭自走車が停留所に停留した状態になる事態の発生を防止できる。
暫定運行経路付与装置が複数の先頭自走車に与える複数の暫定運行経路は、該暫定運行経路付与装置が設置された交差点または該交差点に隣接する交差点を暫定運行経路中に含むように構成されているのが好ましい。このようにすれば、暫定運行経路付与装置から付与された暫定運行経路が早期に利用された場合でも、先頭走行車が無駄な移動を行うことを少なくすることができる。
複数の暫定運行経路付与装置が複数の先頭自走車にそれぞれ与える複数の暫定運行経路は、交通システムを運用するすべての路線と複数の暫定運行経路が重ならない経路が生じないように定められているのが好ましい。このようにすると暫定運行経路が利用される場合において、先頭走行車が走行しない路線が発生することを防止できる。その結果、時間がかかるとしても、事故復旧まで従前と同様の路線の確保が可能になる。
また複数の暫定運行経路付与装置が複数の先頭自走車にそれぞれ与える複数の暫定運行経路は、過去の運用実績に基づいて、交通システムを運用するすべての路線の中で目的地となる頻度が少ない目的地を含む路線を含む1以上の暫定運行経路が、複数の暫定運行経路に含まれないように定められていてもよい。このようすれば、暫定的な交通システムの運用において、重要性の少ない路線への運行はなくなるものの、需要の高い路線の運行を確保することができる。
複数の暫定運行経路付与装置が複数の前記先頭自走車にそれぞれ与える複数の前記暫定運行経路は、過去の運用実績に基づいて予め定めた複数の時間帯別に複数種類用意されており、複数の暫定運行経路付与装置は、緊急事態が発生した時間帯に応じた1種類の複数の暫定運行経路を選択するようにしてもよい。このようにすると、過去の運用実績を反映して暫定的に交通システムを運用することができる。
自走車列のイメージを示す図である。 乗り合い自走車を例にして、本発明の運行システムにおける乗り合い自走車の分離と追従の状況を説明するための図である。 図2の乗り合い自走車の車列が走行する運行経路網の一例を示す図である。 (A)及び(B)は、運行経路の例を示す図である。 (A)及び(B)は、運行経路網の例を示す図である。 運行指令に基づく先頭自走車の制御フローの一例を示す図である。 図6のステップST7の詳細を示す図である。 行き先表示部の変更を実行する際に行う先頭自走車における制御部の動作フローの一例を示す図である。 本発明を適用した旅客輸送の具体例を説明するために用いる図である。 (A)及び(B)は、暫定運行経路のパターンの設定例を示す図である。 運行指令発生部CGの障害により運行スケジュールに関する通信が途絶えたときにおける実施の形態の動作を、コンピュータを用いて実現する場合に用いるソフトウエアのフローチャートである。 図11のステップST210の詳細を示すフローチャートである。 先頭自走車における運行処理を示すフローチャートである。 本発明の交通システムの第2の実施例において、障害発生時に暫定運行経路付与装置が実行する手順をコンピュータを用いて実現する場合に用いるソフトウエアのフローチャートである。 第2の実施の形態の交通システムにおける暫定運行経路の割り当てのルールに対応するフローチャートである。 図2の実施の形態における先頭自走車の運行処理を示すフローチャートである。 暫定運行経路付与装置が、図11及び図13のステップST211における後続自走車への行き先の付与を行う場合のソフトウエアのフローチャートの一例である。 暫定運行経路付与装置が、図11及び図13のステップST210における後続自走車への行き先の付与を行う場合のソフトウエアのフローチャートの他の例である。
以下、図面を参照しつつ本発明の交通システムの実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態は、先頭自走車の目的地と同じ目的地に移動するか又は先頭自走車の目的地に至るまでの途中までは同じ経路を通る目的地へ移動する1台以上の後続自走車を相互に機械的に連結することなく追従させて移動する交通システムにおいて、運行指令発生部に障害が発生しても旅客輸送サービスを継続させることができる交通システムを提供するものである。そこで最初に、運行指令発生部に障害が発生していないときの本実施の形態の交通システムについて説明し、運行指令発生部に障害が発生したときの本実施の形態の交通システムについては後に説明する。
本発明の交通システムでは、図1にイメージで示すように、原動機(エンジン、モータ等)を搭載して運転手によって運転されるか又は自動で運転される複数台の自走車AMが、相互に機械的に連結されることなく追従して自走車列ACを構成しながら、運行指令に従って、交差点を有する経路を通って移動する。自走車は、人を輸送する場合と人を輸送しない場合がある。本願明細書においては、自走車がいずれの場合も含む場合には、単に自走車と呼び、人を輸送する場合には乗り合い自走車と言う。
図2は、乗り合い自走車を例にして、本発明の運行システムにおける乗り合い自走車AM1〜AM4の分離と追従の状況を説明するための図である。図3は、図2の乗り合い自走車の車列ACが走行する運行経路網SRNの一例を示す図である。図3に示す運行経路網と同様のものとしては、端末交通システムが挙げられる。これは、従来の公共交通である鉄道や路線バスに比べ、出発地や目的地により近い場所をつなぐ交通システムで用いられるような運行経路網である。こうした端末交通システムは、高齢者や障害者などの交通制約者の移動の負担をより軽減するものとして期待される一方で、以下のような課題が残されていた。まず、端末移動では乗降地が多様に分散することが多く、従来型の交通システムでは、すべての乗客を乗降需要のあるすべての停留所に連れ回すことになる。また、高齢者や障害者は乗降に時間を要するため、それぞれの停留所での滞留時間も長くなり、結果として速達性を大きく喪失するものになってしまう。さらに、比較的広範囲を移動する場合には、複数の運行経路を乗り継ぐ必要があり、乗客に乗り換えの動作を強いることになってしまうという問題もある。これらの課題は、従来のオンデマンドバス等で利用されていた車両運行方式で解決することは難しく、電子連結車両の特性を活かした運行方式による解決が求められていた。本実施の形態では、このような問題を解消する。
図3の運行経路網SRNは、4つのエリアA〜Dにそれぞれ個別の循環経路タイプの運行経路SRA〜SRDを備えており、各運行経路SRA〜SRDの交差部分には、交差点J1〜J3を備えている。図3において、○印は停留所を示しており、本実施の形態では、交差点も停留所となる。図3の例では、運行経路網はエリアA〜Dの4つのエリアに区分けされており、それぞれのエリアで周回ルートが設けられている。また、エリアBのように、一つのエリアに複数の交差点が存在することもある。周回ルートは必ずしも異なる停留所のみを結ぶ必要はなく、例えば図4(A)のように同じ停留所が複数回現れるようなルートであっても良い。また、図4(B)のように、エリア内の停留所を巡回する経路は一通りに定まっていなくても良い。(この図の例では、1−2−4−5の順で周回するルートと、3−4−5の順で周回するルートが存在する。)各有人の先頭自走車には、あらかじめ走行可能なエリアを決めることできる。そのため、走行可能でないエリアには、交差点を超えて侵入することができない場合がある。
図2においては、先頭乗り合い自走車AM1に後続乗り合い自走車AM2及びAM3が追従して乗り合い自走車列ACが構成されている。図示していないが、乗り合い自走車AM1〜AM4には、管制制御システムMC内に配置された運行指令発生部CGからの指令に応じてそれぞれ行き先を表示する行き先表示部DPが設けられている。図2の例では、運行指令発生部CGは、次のような動作を各自走車AM1〜AM4に行わせる運行指令を発生し、無線で各自走車AM1〜AM4に送信する。まず先頭乗り合い自走車AM1の目的地に至るまでの途中までは同じ経路を通る異なる目的地へ移動する2台の他方面行き後続乗り合い自走車AM2及びAM3が、異なる目的地に向かうためには先頭乗り合い自走車AM1とは離れて別の経路を移動するために経路を変更しなければならない交差点J1に乗り合い自走車列ACが到達すると、自走車列ACから他方面行き後続乗り合い自走車MC3が乗り合い自走車列ACから離脱して交差点J1の停留所Sに停留する。そして停留所Sに停留する他方面行き後続乗り合い自走車AM3の目的地と同じ目的地または他方面行き後続乗り合い自走車AM3が目的地に至るまでの途中までは同じ経路を通る目的地へ移動する別の先頭乗り合い自走車AM11(図3)又は別の自走車列が停留所Sに来ると、他方面行き後続乗り合い自走車AM3が別の先頭乗り合い自走車AM11または別の乗り合い自走車列に追従する。
また図2の例では、停留所Sに停留していて先頭乗り合い自走車AM1の目的地と同じ目的地または先頭乗り合い自走車AM1の目的地に至るまでの途中までは同じ経路を通る異なる目的地へ移動する後続乗り合い自走車AM4が、交差点J1に到達した乗り合い自走車列ACに追従する動作を行う。図3の例では、後続乗り合い自走車AM4はエリアA内のどこかの停留所を最終目的地とするものである。なお後に詳しく説明するように、運行指令発生部CGは、後続乗り合い自走車AM4が、最終目的地が含まれる最終の運行経路SRAに入ると、後続乗り合い自走車AM4の行き先表示部に、次の目的地が判る行き先表示を表示させる指令を出力する。
運行指令発生部CGは、他方面行きの後続乗り合い自走車AM3が、分離と追従の動作を1回以上繰り返して、当初の先頭乗り合い自走車AM1の目的地とは異なる目的地に到達するように、乗り合い自走車に運行指令をそれぞれ与えるように構成されている。図2及び図3には、後に説明するが、運行指令発生部CGに障害が発生したときに本実施の形態の交通システムで使用する暫定運行経路付与装置PS1〜PS3が交差点J1〜J3にそれぞれ設置してある。
本実施の形態によれば、停留所において、後続乗り合い自走車の分離と追従を切り替え、また各車両の行き先表示を変更することにより、乗り換え無しで乗客を目的地まで輸送することができる。したがって、複数の地域の既存の輸送経路をつないで、より広範な交通網を形成することができる。また、乗り換え動作が困難な乗客に対して移動を容易にするとともに、乗り換えに伴う他の乗客の待ち時間を短縮することができる。
なお上記実施の形態では乗客の輸送を行うため、自走車を先頭乗り合い自走車及び後続乗り合い自走車と名付けたが、人を輸送しない場合には先頭自走車及び後続自走車と呼ぶ。なお以後の説明では、特に乗客を輸送する場合に限定しないときには、先頭自走車及び後続自走車の用語を使用する場合もある。
(運行経路網の具体例)
ここで二つの典型的な運行経路網の例を挙げる。一つは、図5(A)で示すように、複数のエリア内を周回する局所的なルートと、異なるエリア間を接続する幹線ルートの2種類の経路によって構成される運行経路網である。またもう一つは、図5(B)で示すように、それぞれの乗客の自宅から主要な駅の間を輸送するための端末交通ネットワークである。
(先頭自走車の制御)
上記実施の形態において、管制制御システムMCからの運行指令により移動する先頭自走車の制御について説明する。図6は、運行指令に基づく先頭自走車の制御フローの一例を示している。なおこの制御フローでは、自走車は乗り合い自走車である。ステップST1では、到着した交差点の停留所Sにおいて、先に管制制御システムMCから受信済みの運行経路の情報に応じて、先頭自走車に追従する後続自走車(例えば、図2の後続自走車AM4)の追加と交差点で先頭自走車から分離される後続自走車(例えば、図2の後続自走車AM3)の分離が行われる。また必要な行き先表示の切換が実施される。ステップST1の詳細は、後に説明する図8に示す通りである。なおこのステップST1はステップST10の後に実行される。ステップST2では、管制制御システムMCから先頭自走車の次の運行経路を示す運行指令を受信する。なお次の運行指令が、先に受けている運行指令と変わらない場合もある。先頭自走車が移動を開始するとステップST3で現在地を検出し、ステップST4で管制制御システムMCに現在地の情報を送信する。ステップST5で、現在地が停留場であるか否かの判断がなされ、停留所でなければステップST3乃至ST5が繰り返される。そしてステップST5で、現在地が停留所であると判断された後、ステップST6に進んでその停留所での乗降者がいる自走車には乗降動作命令が送信される。そしてステップST7で乗降動作が実行される。ステップST7については、図7のフローに詳細を示してある。このフローでは、ドアの開閉(ステップST71)、乗車人数確認(ステップST72)、満車の確認(ステップST73)、表示を「満車」に変更(ステップST74)及び先頭自走車に作業完了と乗車人数を伝達(ステップST75)を実行する。そしてステップST8で全ての自走車からの乗降動作の完了を確認すると、ステップST9において、管制制御システムMCに乗客数を送信する。次にステップST10において、現在地(停留所)が交差点であるか否かの判断がなされ、停留所で無ければステップST2に戻り、停留所であればステップST1へと戻る。
図8は、図6のステップST1の詳細であって、乗り合い自走車を前提とした場合において、先頭自走車の最終目的地が含まれる運行エリアに入る交差点に到達したときに、後続自走車の切り離しと、新たな後続自走車の追従(牽引)と、行き先表示部の変更を実行する際に行う先頭自走車における制御部の動作フローの一例を示している。この動作フローが実行される前提として、先頭走行車及び後続走行車は、それぞれ行き先表示部(図2の符号D参照)を備えており、そこに運行経路網内のエリア名のいずれか一つを表示するものとする。また行き先表示部には、「回送」や「満車」など、旅客に乗車できないことを知らせる情報も表示される。なお後続自走車の最終目的地(最終目的エリア)が異なる場合には、同一の自走車列にある車両が、それぞれ異なるエリア名を表示することになる。図8の動作フローの例では、先頭自走車が最終目的地を含むエリアの交差点に到達すると、ステップST101で管制制御システムMCから各種情報を受信する。そしてステップST102で、牽引する(追従する)後続自走車の縦列構成が決定される。次にステップST103では、次の目的地(本実施の形態では交差点)とそこまでの走行ルートを決定する。そしてステップST104で、到達した交差点で分離すべき後続自走車への切り離しを命令する。次にステップST105で、到達した交差点にある停留所に停留している新たに牽引(追従)すべき後続自走車に追従のための連結命令が出される。つづくステップST106では、車列の中に行き先表示に示すエリアと現在のエリアが同一である自走車が存在するか否かの判断がなされる。この判断で存在する場合には、該当する自走車に対して行き先表示を次の目的地(エリア)の表示に変更する指示を出力し、存在しない場合にはステップST108へ進む。ステップST108では、各自走車からの作業完了を受信すると一連の制御を終了する。整理すると、図8の制御フローでは行き先表示の表示は、現在位置が以下の条件を満たすときにのみ変更することができる。
現在の位置が交差点である。
現在位置するエリアと現在の行き先表示で示されているエリアが一致している。
ただし、車両が満車になったときは、任意の停留所で行き先表示の表示を「満車」に切り替えることができる。乗客は、運行経路網内の任意の停留所から乗り合い自走車に乗ることができ、乗り合い自走車によって目的地とする停留所に移動することができる。乗客が乗り合い自走車に乗るときは、目的地とするエリアが行き先表示に表示されたン自走車にのみ乗ることができる。特に、出発地と目的地が同一のエリアXにあるときは、Xが表示された乗り合い自走車にのみ乗ることになる。また、行き先表示が「回送」もしくは「満車」と表示された乗り合い自走車には、誰も乗ることができない。
図9は、旅客輸送の具体例を説明するための図である。なお以下の説明では乗り合い自走車を単に自走車と言う。この例では、エリアA、B、Cの3つの局所的なエリアと、それらを繋ぐ循環経路からなるエリアD(中央の円)からなる運行経路網を考える。A、B、Cの各エリアは地理的に離れていて、それらを結合する循環経路のエリアD上を高速に走行する「快速」自走車1〜3及び11〜13を設ける。4つのエリアのそれぞれについて、先頭自走車は自身のいるエリアの外には出られないものとする。
エリアA、B、Cにおいて、それぞれの運行経路は複数の停留所を周回するルートによって構成されており、その上を複数の先頭自走車が周回する。また、循環経路はエリアA、B、Cのそれぞれと繋がる交差点J1〜J3のみからなる周回ルートにより構成されており、その上を右回りと左回りの2方向で先頭自走車が周回する(図中では、3台ずつ右まわりの自走車1〜3と左回りの自走車11〜13がある。
以上の運行経路網において、以下のような方法で旅客を輸送する。まずステップ1において、エリアA、B、Cのそれぞれにおいて、先頭自走車の行き先表示を自身の属するエリアとし、また後続の自走車の行き先表示を外部のエリアとする。例えばエリアAでは、先頭自走車の行き先表示を「エリアA」とし、後続の自走車の行き先表示を「エリアB」と「エリアC」とする。なお、図中では先頭自走車は省略している。また、行き先をここではa、b、cで表している。各エリアを周回する間、乗客は自身の目的地のあるエリアの行き先表示を掲げた自走車に乗車する。
次にステップ2において、各エリアで交差点J1〜J3から出発した車列が1周すると、後続の自走車を交差点で切り離す。切り離された自走車は、循環経路を走行する先頭自走車に接続され、それぞれの目的地のエリアに向かう。
ステップ3において、目的地のあるエリアの交差点に到着した後続の自走車は切り離され、新たにそのエリアの先頭自走車に接続される。
さらにステップ4において、後続の自走車は次の客を運ぶために、自走車の行き先表示を外部のエリアに切り替え、現在のエリアを周回する。例えばステップ3において、エリアBおよびCから循環経路を経て運ばれてきた後続の自走車は、ステップ4において新たに行き先表示をエリアBおよびCに切り替える。このとき注意すべきことは、新たに行き先表示がエリアBおよびCに変更された後続自走車に乗車している乗客は、エリアAのどこかの停留所を目的地としていることである。したがって、エリアAを周回する間に、既に後続の自走車に乗っている旅客を降車させながら、エリアA内の新たな旅客を乗車させることになる。
上記実施の形態では、乗客を輸送する場合を例として説明したが、荷物を輸送する場合にもこの交通システムを適用できるのは勿論である。
また上記実施の形態では、先頭自走車には運転手が乗車しているが、本発明は無人で運転される自動制御の先頭自走車を用いる場合にも適用できる。また上記実施の形態のように管制制御システムMCに運行指令発生部CGを配置して中央制御を行うため、状況に応じて、先頭自走車を後続自走車に変更したり、後続自走車を先頭自走車に変更してもよいのは勿論である。このようにすると運行計画を変更することが容易になる。
(運行指令発生部に障害が発生したときのシステム)
(具体的な障害に関する仮定)
本実施の形態で想定する障害に関する仮定について説明する。まず、ここで想定するのは運行指令発生部CGの故障のみである。特に、運行指令発生部CGからの情報がどの交差点のサーバにも届かない場合のみを想定する。したがって、運行指令発生部が一部の交差点のサーバのみと通信できるといった部分的な障害は考えないものとする。また、先頭自走車及び後続自走車は運行指令発生部に障害が発生すると、それを直ちに検知できるものとする。さらに、ここで想定する障害は、一度発生するとしばらくはその状態が継続するようなものを考える。
(基本構成)
図2及び図3に示すように、本実施の形態の交通システムの実施例1では、運行指令発生部CGで発生した障害により、運行経路が複数の自走車のすべてに対して与えられない緊急事態が発生すると、複数の暫定運行経路中の一つの暫定運行経路を、予め定めたルールに従って、交差点にJS1〜JS3に到達した先頭自走車に与えるように構成されていている。このルールは、一例では、対応する交差点に来た先頭自走車が、該対応する交差点を運行指令発生部CGから与えられた運行経路の目的地とするか、または該対応する交差点を運行指令発生部CGから与えられた運行経路の目的地の近く(例えば、一つまたは二つ手前)の交差点とする場合にのみ、対応する交差点に来た先頭自走車に暫定運行経路を与えるように予め定めることができる。そこで予め定められた複数の暫定運行経路中の一つの暫定運行経路を、交差点J1〜J3に到達した先頭自走車に与える暫定運行経路付与装置PS1〜PS3が交差点J1〜J3にそれぞれ設置している。
本実施の形態では、先頭自走車AM1は、暫定運行経路を受け取ると、暫定運行経路を受け取る前に運行指令発生部CGから受け取った運行経路の移動を完了してから、暫定運行経路の移動を開始する。本実施の形態では、「暫定運行経路」は、先頭自走車が走行する経路を意味するものであり、電子データの形態で作成され、通信により先頭自走車AM1に与えられる。しかし図2のように、運転手がいる場合には、「暫定運行経路」は紙媒体で作成されており、運転手が暫定運行経路付与装置PSから暫定運行経路を受け取るようにしてもよい。
運行指令発生部CGで発生した障害により、先頭自走車AM1に追従していた後続自走車AM2,AM3等が、目的地に到達できなくなる事態が発生することが予想される。そこでこのような事態の発生を防止するために、暫定運行経路付与装置PSは、交差点に来た先頭自走車AM1に追従する1以上の後続自走車AM2,AM3があるときに、追従の関係を一度リセットする指令を後続自走車に与える。このようにすると追従の関係がリセットされたことにより、後続自走車はその交差点にある停留所において、目的地に行ける先頭自走車を選ぶことになる。そこで本実施の形態では、暫定運行経路付与装置PSは、交差点に来た先頭自走車AM1が、交差点の停留所Sに停留する1台以上の後続自走車に与えられている行き先を目的地とする先頭自走車か、または与えられている行き先の途中の交差点を通る先頭自走車であるかを判断し、1台以上の後続自走車に、交差点に来た先頭自走車に追従するか否かを決定して指示する機能を有している。その結果、運行指令発生部CGからの指令が来ない状態でも、交差点ごとに後続自走車の追従の可否が判断されるので、後続自走車を支障なく移動させることができる。
本実施例1によれば、運行指令発生部CGで障害が発生したときでも、交通システムを停止することなく、各先頭自走車AM1は暫定運行経路に従って運行を継続することができる。その上、本実施の形態では、先頭自走車AM1は、暫定運行経路を受け取ると、暫定運行経路を受け取る前に運行指令発生部CGから受け取った運行経路に従った移動を完了してから、暫定運行経路に従った運行を開始する。また後続自走車も運行指令発生部CGから受け取った行き先まで、暫定運行経路付与装置PSからの指令に従って移動することが可能になるので、直ちに交通システムが混乱状態に陥ることを防ぐことができる。
また暫定運行経路付与装置PSは、交差点JS1〜JS3にある停留所Sに停留していて行き先が付与されていない後続自走車に、予め定めた複数の新たな行き先候補から順番にまたはランダムに選択した新たな行き先を付与する機能を有している。暫定運行経路付与装置PSがこのような機能を有していると、行き先が定まっていないで停留所Sに停留する後続自走車に新たな行き先が付与されるので、後続自走車を無駄なく運用できる。
(図3の実施例1における事前の設定事項の一例)
図3の実施例1を想定した場合には、障害発生時に備え、以下の(1)〜(4)を事前に設定する。
(1)障害発生時に先頭自走車に割り当てられる暫定運行経路を設定する。このとき暫定運行経路は以下の2つの条件を満たすものとする。
(ア)各エリアにおいて,少なくとも1つの暫定運行経路はエリアを周回する。
(イ)1つもしくは複数の暫定運行経路をたどることにより、任意の2交差点間の一方から出発して他方に至る経路を得ることができる。
暫定運行経路のパターンの設定例を図10(A)及び(B)に2つ示す。図10(A)では、隣り合う2つのエリアを周回するルートを周回する3つの暫定運行経路R1〜R3が設定されている。図10(B)では、それぞれのエリア内のみを周回する4つの暫定運行経路が設定されている。
(2)各交差点において、交差点に新たな車列が到着した際の後続自走車の切り替えに関する規則を設定する。
すなわち、先頭自走車が次に向かうべき交差点まで牽引すべき後続自走車を、これまで牽引してきた後続自走車と停留所にある後続自走車の中からどのように選定するのかを決定する規則を設定する。その具体例としては、これまで牽引してきた後続自走車の牽引または追従をリセットする。そして例えば停留所に停留している後続自走車のうち、乗客の待ち時間が最も長いものから順に牽引可能な上限の台数まで接続するといった規則が考えられる。
(3)各交差点において、交差点に新たな車列が到着した際の行先票の変更方法に関する規則について設定する。ただしここで行先票の変更の対象となる自走車は、前述の通り、現在位置する交差点の属するエリアと現在の行先票で示されているエリアが一致している車両のみである。ここで、行先票の変更に関する規則は、以下の条件を満たす必要がある。
(ウ)交通システム内のどのエリアについても、定期的に行先票に現れる。すなわち、十分な時間が経過してもどの自走車の行先票にも表示されないようなエリアは存在しない。
例えば先の図3の場合、先頭自走車が最大で3台の後続自走車を牽引可能であるとすると、行先票の変更規則として、それぞれ異なるエリアの行先票を掲げた車両4台で常に車列を形成するなどが考えられる。あるいは、最初の車列をエリアA行きとエリアB行きを2台ずつで構成し、次の車列をエリアC行きとエリアD行きの2台ずつで構成するという組み合わせを交互に繰り返すなども考えられる。
ここで、先述の(1)で示した先頭自走車の運行経路に関する2つの条件(ア)および(イ)と、行先票の変更規則に関する条件(ウ)についての注意事項を説明する。これら3つの条件は、当該の障害発生時の運行方式が、交通システムの任意の2停留所間の移動を旅客の乗り換え動作無しで実現可能とするための十分条件となっている。その理由は、まず条件(ア)および(イ)を満たすことにより、旅客に対して十分な数の後続自走車があれば、車両の接続を適切に切り替えることにより(より具体的には、目的地により近い交差点に向かう先頭自走車に接続・牽引されることにより)、任意の2停留所間を後続自走車が移動可能となる。さらに条件(ウ)を満たすことにより、各停留所において、どのエリアを目的地とする後続自走車もいつか必ず訪れるためである。
なお、上記の(1)〜(3)で定める規則として、現在時刻などの状況によって設定が変化するようなものを考えてもよい。例えば、「午前中には暫定運行経路1を走行し、午後には暫定運行経路2を走行する」などである。ただしこのような設定を導入する場合でも、必ずどの時点においても上記の条件(ア)〜(ウ)が満たされている必要がある。
暫定運行経路付与装置PS1〜PS3に対して、どの経路に何台割り当てるのかを設定する。このとき、各暫定運行経路付与装置PS1〜PS3が割り当てを担当する自走車の台数の総和が、システム全体の先頭自走車の台数と一致している必要がある。
例えば、先の図10(A)で示したように、R1〜R3の3つの経路を障害発生時の暫定運行経路として設定したと仮定する。また、システム全体では15台の先頭自走車が走行しているものとする。ここで、障害発生時にはR1〜R3の経路にそれぞれ5台ずつ割り当てたいと仮定する。この割り当てを実現するためには、図10(A)で示すように、例えば暫定運行経路付与装置PS1〜PS3に対してそれぞれ担当の割り当てとして以下のような設定が考えられる。
暫定運行経路付与装置PS1は、5台の先頭自走車に対してそれぞれ経路R1を割り当てる。
暫定運行経路付与装置PS2は、5台の先頭自走車に対してそれぞれ経路R2を割り当てる。
暫定運行経路付与装置PS3は、5台の先頭自走車に対してそれぞれ経路R3を割り当てる。
以上の(1)から(4)の設定のもとで、障害が発生した際には、各交差点で経路の割り当てが行われていない先頭自走車が到着する毎に、自身の担当分が完了するまで経路の割り当てを行う。これにより、交差点間で情報交換することなく意図通りの割り当てが可能となる。
なおここで、あるエリアに車両が偏って存在する場合、ある暫定運行経路付与装置PS1〜PS3は自身の担当する割り当てがすぐに終わっているのに、別の暫定運行経路付与装置PS1〜PS3は先頭自走車が訪れないために割り当てが終わらないことがある。このような場合、既に割り当てが終わった暫定運行経路付与装置PS1〜PS3に先頭自走車が到着したら、まだ割り当てが終わっていない交差点に向かうよう指示するものとする。
(暫定運行経路付与装置による暫定運行経路の割り当ての手順の一例)
運行指令発生部CGの障害により運行スケジュールに関する通信が途絶えると、各交差点の暫定運行経路付与装置(サーバ)PSは障害を検知し、下記の障害発生時の動作モードに移行する。この動作モードにいる間、交差点に先頭自走車が到着する度に、暫定運行経路付与装置(サーバ)PSは以下のステップA〜ステップCの手順に従って先頭自走車に指示を出し、障害時の暫定運行経路に切り替えさせる。図11は、この手順をコンピュータを用いて実施する場合に用いるソフトウエアのフローチャートを示している。なお、この中で暫定運行経路付与装置(図11ではサーバと記載する)PS1〜PS3が担当する経路をc1,…ckとし、各cjに対して現時点で割り当てるべき残りの車両の台数をij(j=1,…,k)とする。
[ステップA:図11のST201〜ST209]
先頭自走車Xが交差点に到着したら、次の動作を行う。
Case 1:先頭自走車Xにまだ暫定運行経路が割り当てられていないとき
Case 1-1:暫定運行経路付与装置(サーバ)PS1〜PS3が担当分の割り当てを完了していないとき
Case 1-1-1:Xが障害発生前に指示された経路を走行し終わっているとき
Case 1-1-1-1:暫定運行経路付与装置(サーバ)PS1〜PS3の持つ割り当て可能な暫定運行経路のうち、現在地を経路に含むかもしくはその近くを通るものがあれば、そのうちの1つを先頭自走車Xの暫定運行経路として割り当てる。(ステップBへ)
Case 1-1-1-2:そうでなければ、先頭自走車Xに対して別の交差点に向かうよう指示をする。このとき、どの交差点に向かうのかについては、割り当ての効率を考慮した行き先が事前に決められているものとする。(最初に戻って次の先頭自走車の到着を待つ。)
Case 1-1-2:先頭自走車Xが障害発生前に指示された経路を走行し終わっていないとき
Case 1-1-2-1:暫定運行経路付与装置(サーバ)PS1〜PS3の持つ割り当て可能な暫定運行経路のうち、障害発生前に指示された最終目的地を経路に含むかもしくはその近くを通るものがあれば、そのうちの1つを先頭自走車Xの暫定運行経路として割り当てる。(ステップBへ)
Case 1-1-2-2:そうでなければ、Case 1-1-1-2と同様の処理をする
Case 1-2:暫定運行経路付与装置(サーバ)PS1〜PS3が担当分の経路の割り当てを既に完了しているときは、Case 1-1-1-2と同様の処理をする
Case 2:先頭自走車Xに既に経路が割り当てられているときには、先頭自走車Xに対し現在の経路の走行を継続させる(ステップBへ)。
[ステップB:図11のST210]
図12に示すように、先頭自走車Xが現在接続している後続自走車の接続を一度リセットする(ST210B)。具体的には、暫定運行経路付与装置PS1〜PS3が、交差点に来た先頭自走車に追従する1以上の後続自走車があるときに、追従の関係を一度リセットする指令を後続自走車に与える。このようにすると追従の関係がリセットされたことにより、後続自走車はその交差点にある停留所において、目的地に行ける先頭自走車を選ぶことになる。そこで暫定運行経路付与装置PS1〜PS3は、交差点に来た先頭自走車が、交差点の停留所に停留する1台以上の後続自走車に与えられている行き先を目的地とする先頭自走車か、または与えられている行き先の途中の交差点を通る先頭自走車であるかを判断し、1台以上の後続自走車に、交差点に来た先頭自走車に追従するか否かを決定して指示する(210C)。このようにすると運行指令発生部からの指令が来ない状態でも、交差点ごとに後続自走車の追従の可否が判断されるので、後続自走車を支障なく移動させることができる。なおこのとき、乗客の待ち時間の長い順に後続自走車を選び出し、それらを牽引するように先頭自走車X及び後続自走車に指示を出して、後続自走車を繋ぎかえる(ステップCへ)。
[ステップC:図11のST211]
これから走行するエリアで客がすべて降車する場合には、あらかじめ決められた方法で行先票を変更する。すなわちここでは行き先が付与されていない後続自走車に行き先を付与する。このときの変更規則は事前に定められており、先述のように「交通システム内のどのエリアについても、定期的に行先票に現れる(すなわち、十分な時間が経過してもどの車両の行先票にも表示されないようなエリアは存在しない)」という条件が満たされているものとする。
なお、運行指令発生部が障害から復旧し、交差点の暫定運行経路付与装置(サーバ)PS1〜PS3に対して再度運行指令の通信が送られるようになったら、各交差点の暫定運行経路付与装置(サーバ)PS1〜PS3は交差点に到着した先頭自走車に対して再び運行指令発生部CGから送られてきた運行経路に従うよう指示を出すものとする。
[先頭自走車の運行変更]
図13は、実施例1において、運行経路が複数の自走車のすべてに対して与えられない緊急事態が発生した以降の先頭自走車の運行変更をコンピュータを用いて実現する場合のフローチャート(ステップST301〜ST306)の一例を示している。先頭自走車は、交差点に到着するたびに、運行指令発生部CGから受け取った運行経路に従った運行を継続するか否かを判断し、この運行経路を継続する。そして運行指令発生部CGから受け取った運行経路に従った運行を完了すると、その時点で暫定運行経路を割り当てられていれば、その暫定運行経路に従った運行を行う。もし暫定運行経路を割り当てられていなければ、暫定運行経路付与装置PS1〜PS3からの指示(例えば、特定の交差点に移動することの指示)に従う。
(実施例2)
図14は、本発明の交通システムの実施例2において、障害発生時に暫定運行経路付与装置(サーバ)が実行する手順をコンピュータを用いて実現する場合に用いるソフトウエアのフローチャートを示している。図13のフローチャートでは、図11のフローチャートのステップST206及びST207が無い点で図11のフローチャートと相違する。この相違により、第2の実施例では、交差点に暫定運行経路が付与されていない先頭自走車が来たときには、直ちに暫定運行経路付与装置が暫定運行経路を先頭自走車に付与する。
この場合、暫定運行経路付与装置は、複数の暫定運行経路から順番にまたはランダムに選択した暫定運行経路を先頭自走車に与え、複数の暫定運行経路をすべて複数の先頭自走車に与えると、暫定運行経路の付与動作を停止する。このように交差点に来た先頭自走車に複数の暫定運行経路から順番にまたはランダムに選択した暫定運行経路を先頭自走車に与えると、早期に複数の先頭自走車に暫定運行経路を付与することができる。また暫定運行経路付与装置は、付与動作を停止した後、暫定運行経路が付与されていない先頭自走車が対応する交差点に到達したときには、暫定運行経路として予め定めた他の交差点に向かう経路を該先頭自走車に与えるようにする。このようにすると先頭自走車が停留所に停留した状態になる事態の発生を防止できる。
本実施例の場合でも、暫定運行経路付与装置は、先頭自走車の運行経路の目的地に応じて、複数の暫定運行経路から無駄な移動が少なくて済む暫定運行経路を選んで先頭自走車に与えるようにしてもよい。このようにすると暫定運行経路を付与された先頭自走車が、先に付与されていた運行経路の移動を終了した後に、無駄な移動をすることなく、早期に暫定運行経路に従って移動を開始することができる。
また暫定運行経路付与装置が複数の先頭自走車に与える複数の暫定運行経路は、該暫定運行経路付与装置が設置された交差点または該交差点に隣接する交差点を暫定運行経路中に含むように構成されているのが好ましい。このようにすれば、暫定運行経路付与装置から付与された暫定運行経路が早期に利用された場合でも、先頭走行車が無駄な移動を行うことを少なくすることができる。
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態の実施例1及び実施例2では、先頭自走車は、暫定運行経路を受け取ると、暫定運行経路を受け取る前に運行指令発生部CGから受け取った運行経路に従った運行を完了してから、暫定運行経路に従った運行を開始する。しかしながら本発明はこれに限定されるものではなく、第2の実施の形態では、暫定運行経路を暫定運行経路付与装置PS1〜PS3から受け取ったら直ぐに、暫定運行経路に従った運用を開始する。但し、この場合には、暫定運行経路付与装置PS1〜PS3が暫定運行経路を付与するルールは、図15に示すフローチャートのように定める。すなわち暫定運行経路付与装置のルールは、複数の暫定運行経路中に対応する交差点に来た先頭自走車の目的地を経路中に含む暫定運行経路があれば、該暫定運行経路を先頭自走車に与え(ST401〜ST403)、対応する交差点を含む暫定運行経路がなければ、運行経路を継続させるために先頭自走車には暫定運行経路を与えないように定める(ST404)。
そして先頭自走車は、図16に示すフローチャートに示すように、交差点で暫定運行経路の割り当てを受け取ると(ST501,ST502)、運行指令発生部CGから受け取った運行経路に従った運行を中止して、暫定運行経路に従った運行を開始する(ST503)。暫定運行経路の割り当てができない場合(すなわち暫定運行経路付与装置に割り当てる暫定運行経路が残っていない場合)には、前に運行指令発生部CGから受け取った運行経路に従った運行を継続する。次の交差点において、暫定運行経路を受け取れば、そのときから運行指令発生部CGから受け取った運行経路に従った運行を中止して、暫定運行経路に従った運行を開始する(ST503)。
このようにすると、暫定運行経路に従った運行を直ぐに開始したとしても、先頭走行車は、運行指令発生部CGから与えられた運行経路の目的地に到達することが可能になる。したがって例えば先頭自走車に乗車していた乗客は、乗り換えをすることなく、当初の目的地まで移動することができる。
(後続自走車への行き先付与)
図17は、暫定運行経路付与装置PS1〜PS3が、図11及び図14のステップST211における行き先切替の際に、行き先が付与されていない後続自走車への行き先の付与を行う場合のソフトウエアのフローチャートの一例を示している。この例では、暫定運行経路付与装置PS1〜PS3から先頭自走車に与える暫定運行経路には、該暫定運行経路を移動する先頭自走車が予め定めた交差点に到達したときに該交差点にある停留所に行き先が付与されていない後続自走車が停留しているときに、暫定運行経路に含まれる先の交差点を目的地とするか、先の交差点を目的地の途中の交差点とするように後続自走車のための新たな行き先を付与する行き先情報が含まれている。この場合、暫定運行経路付与装置PS1〜PS3は、対応する交差点J1〜J3にある停留所Sに行き先が付与されていない後続自走車が停留しているときには、該対応する交差点に来た先頭自走車に与えられている暫定運行経路に含まれている行き先情報に基づいて停留所に停留する行き先が付与されていない後続自走車に新たな行き先を付与する(ST601〜ST603)。このようにすると交差点に来た先頭自走車の暫定運行経路と関係する行き先が、この交差点にある停留所に停留している行き先が付与されていない後続自走車に付与されるので、行き先が決まっていない後続自走車に行き先を与えて、しかもその後続自走車を先頭自走車に追従させることができる。そのため後続自走車を効率よく有効に活用することが可能になる。
図18の例では、暫定運行経路付与装置PS1〜PS3が停留所Sに停留している行き先が付与されていない後続自走車に新たな行き先を付与するのではなく、その停留所Sに来た先頭自走車の暫定運行経路に、後続自走車のための新たな行き先を付与する行き先情報が含まれていれば、先頭自走車が、対応する交差点にある停留所に行き先が付与されていない後続自走車が停留しているときに、先頭自走車に与えられている暫定運行経路に含まれている行き先情報に基づいて、停留所に停留する行き先が付与されていない後続自走車に新たな行き先を付与する(ST701〜ST704)。このようにすると暫定運行経路付与装置PS1〜PS3の負担を減らすことができる。
(変形例)
暫定運行経路付与装置PS1〜PS3が複数の先頭自走車にそれぞれ与える複数の暫定運行経路は、交通システムを運用するすべての路線と複数の暫定運行経路が重ならない経路が生じないように定められているのが好ましい。このようにすると暫定運行経路が利用される場合において、先頭走行車が走行しない路線が発生することを防止できる。その結果、時間がかかるとしても、事故復旧まで従前と同様の路線の確保が可能になる。
また暫定運行経路付与装置PS1〜PS3が複数の先頭自走車にそれぞれ与える複数の暫定運行経路は、過去の運用実績に基づいて、交通システムを運用するすべての路線の中で目的地となる頻度が少ない目的地を含む路線を含む1以上の暫定運行経路が、複数の暫定運行経路に含まれないように定められていてもよい。このようすれば、暫定的な交通システムの運用において、重要性の少ない路線への運行はなくなるものの、需要の高い路線の運行を確保することができる。
暫定運行経路付与装置PS1〜PS3が複数の前記先頭自走車にそれぞれ与える複数の前記暫定運行経路は、過去の運用実績に基づいて予め定めた複数の時間帯別に複数種類用意されており、複数の暫定運行経路付与装置は、緊急事態が発生した時間帯に応じた1種類の複数の暫定運行経路を選択するようにしてもよい。このようにすると、過去の運用実績を反映して暫定的に交通システムを運用することができる。
本発明の交通システムによれば、運行指令発生部で発生した障害により、運行経路が複数の自走車のすべてに対して与えられない緊急事態が発生したときに、交差点に設置されている暫定運行経路付与装置が、予め定められた複数の暫定運行経路中の一つの暫定運行経路を、1以上の交差点に到達した先頭自走車に与える。その結果、本発明によれば、運行指令発生部で障害が発生したときでも、交通システムを停止することなく、各先頭自走車は暫定運行経路に従って運行を継続することができる。その上、先頭自走車は、暫定運行経路を受け取ると、暫定運行経路を受け取る前に運行指令発生部から受け取った運行経路の移動を完了してから、暫定運行経路の移動を開始する。その結果、運行指令発生部で障害が発生したときでも、先頭自走車はすでに受け取っている運行経路を移動するので、直ちに交通システムが混乱状態に陥ることを防ぐことができる。
AM、AM1〜AM4 自走車
A〜D エリア
SRC〜SRD 運行経路
J1〜J4 交差点
MC 管制制御システム
CG 運行指令発生部
PS1〜PS3 暫定運行経路付与装置

Claims (16)

  1. 原動機を搭載して運転手によって運転されるか又は自動で運転される複数の自走車が、自走車列の先頭を移動する複数の先頭自走車と前記複数の先頭自走車に追随する複数の後続自走車に分かれており、しかも前記複数の自走車が、運行指令発生部から通信網を介して与えられる、1以上の交差点を含む複数の運行経路の中の一つの運行経路を、自走車列を構成しながら移動する際に、前記先頭自走車の目的地と同じ目的地に移動するか又は前記先頭自走車の目的地に至るまでの途中までは同じ経路を通る目的地へ移動する1台以上の後続自走車が、前記先頭自走車に相互に機械的に連結されることなく追従して移動する交通システムにおいて、
    前記運行指令発生部で発生した障害により、前記運行経路が前記複数の自走車のすべてに対して与えられない緊急事態が発生すると、予め定められた複数の暫定運行経路中の一つの前記暫定運行経路を、前記1以上の交差点に到達した前記先頭自走車に与える暫定運行経路付与装置が前記1以上の交差点にそれぞれ設置されており、
    前記先頭自走車は、前記暫定運行経路を受け取ると、前記暫定運行経路を受け取る前に前記運行指令発生部から受け取った前記運行経路に従った運行を完了してから、前記暫定運行経路に従った運行を開始することを特徴とする交通システム。
  2. 原動機を搭載して運転手によって運転されるか又は自動で運転される複数の自走車が、自走車列の先頭を移動する複数の先頭自走車と前記複数の先頭自走車に追随する複数の後続自走車に分かれており、しかも前記複数の自走車が、運行指令発生部から通信網を介して与えられる、1以上の交差点を含む複数の運行経路の中の一つの運行経路を、自走車列を構成しながら移動する際に、前記先頭自走車の目的地と同じ目的地に移動するか又は前記先頭自走車の目的地に至るまでの途中までは同じ経路を通る目的地へ移動する1台以上の後続自走車が、前記先頭自走車に相互に機械的に連結されることなく追従して移動する交通システムにおいて、
    前記運行指令発生部で発生した障害により、前記運行経路が前記複数の自走車のすべてに対して与えられない緊急事態が発生すると、複数の暫定運行経路中の一つの前記暫定運行経路を、予め定めたルールに従って、前記1以上の交差点に到達した前記先頭自走車に与える暫定運行経路付与装置が前記1以上の交差点にそれぞれ設置されており、
    前記暫定運行経路付与装置の前記ルールは、対応する前記交差点に来た前記先頭自走車が、該対応する交差点を前記運行指令発生部から与えられた前記運行経路の目的地とするか、または該対応する交差点を前記運行指令発生部から与えられた前記運行経路の前記目的地の近くの交差点とする場合にのみ、前記対応する交差点に来た前記先頭自走車に前記暫定運行経路を与えるように予め定められており、
    前記先頭自走車は、前記暫定運行経路を受け取ると、前記暫定運行経路を受け取る前に前記運行指令発生部から受け取った前記運行経路に従った運行を完了してから、前記暫定運行経路に従った運行を開始することを特徴とする交通システム。
  3. 原動機を搭載して運転手によって運転されるか又は自動で運転される複数の自走車が、自走車列の先頭を移動する複数の先頭自走車と前記複数の先頭自走車に追随する複数の後続自走車に分かれており、しかも前記複数の自走車が、運行指令発生部から通信網を介して与えられる、1以上の交差点を含む複数の運行経路の中の一つの運行経路を、自走車列を構成しながら移動する際に、前記先頭自走車の目的地と同じ目的地に移動するか又は前記先頭自走車の目的地に至るまでの途中までは同じ経路を通る目的地へ移動する1台以上の後続自走車が、前記先頭自走車に相互に機械的に連結されることなく追従して移動する交通システムにおいて、
    前記運行指令発生部で発生した障害により、前記運行経路が前記複数の自走車のすべてに対して与えられない緊急事態が発生すると、複数の暫定運行経路中の一つの前記暫定運行経路を、予め定めたルールに従って、前記1以上の交差点に到達した前記先頭自走車に与える暫定運行経路付与装置が前記1以上の交差点にそれぞれ設置されており、
    前記暫定運行経路付与装置の前記ルールは、前記複数の暫定運行経路中に対応する前記交差点に来た前記先頭自走車の目的地を経路中に含む前記暫定運行経路があれば、該暫定運行経路を前記先頭自走車に与え、前記対応する交差点を含む前記暫定運行経路がなければ、前記運行経路を継続させるために前記先頭自走車には前記暫定運行経路を与えないように定められており、
    前記先頭自走車は、前記暫定運行経路を受け取ると、前記運行指令発生部から受け取った前記運行経路に従った運行を中止して、前記暫定運行経路に従った運行を開始することを特徴とする交通システム。
  4. 前記暫定運行経路付与装置は、前記交差点に来た前記先頭自走車に追従する1以上の前記後続自走車があるときに、追従の関係を一度リセットする指令を前記後続自走車に与え、
    前記暫定運行経路付与装置は、前記交差点に来た前記先頭自走車が、前記交差点の停留所に停留する1台以上の前記後続自走車に与えられている行き先を目的地とする前記先頭自走車か、または与えられている行き先の途中の交差点を通る前記先頭自走車であるかを判断し、前記1台以上の後続自走車に、前記交差点に来た前記先頭自走車に追従するか否かを決定して指示する機能を有している請求項1乃至3のいずれか1項に記載の交通システム。
  5. 前記暫定運行経路付与装置は、前記交差点に来た前記先頭自走車に追従する1以上の前記後続自走車があるときに、追従の関係を一度リセットする指令を前記後続自走車に与え、
    前記後続自走車は、前記緊急事態が発生している状態では、前記交差点に来た前記先頭自走車が、与えられている行き先を目的地とする前記先頭自走車か、または与えられている行き先の途中の交差点を通る前記先頭自走車であるかを判断して、前記交差点に来た前記先頭自走車に追従することを決定する機能を有している請求項1乃至3のいずれか1項に記載の交通システム。
  6. 前記暫定運行経路付与装置は、前記交差点にある停留所に停留していて行き先が付与されていない前記後続自走車に、予め定めた複数の新たな行き先候補から順番にまたはランダムに選択した前記新たな行き先を付与する機能を有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の交通システム。
  7. 前記暫定運行経路には、該暫定運行経路を移動する前記先頭自走車が予め定めた前記交差点に到達したときに該交差点にある停留所に行き先が付与されていない前記後続自走車が停留しているときに、前記暫定運行経路に含まれる先の交差点を目的地とするか、前記先の交差点を目的地の途中の交差点とするように前記後続自走車のための新たな行き先を付与する行き先情報が含まれており、
    前記暫定運行経路付与装置は、対応する前記交差点にある前記停留所に行き先が付与されていない前記後続自走車が停留しているときには、該対応する交差点に来た前記先頭自走車に与えられている前記暫定運行経路に含まれている前記行き先情報に基づいて前記停留所に停留する前記行き先が付与されていない後続自走車に前記新たな行き先を付与することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の交通システム。
  8. 前記暫定運行経路には、該暫定運行経路を移動する前記先頭自走車が予め定めた前記交差点に到達したときに該交差点にある停留所に行き先が付与されていない前記後続自走車が停留しているときに、前記暫定運行経路に含まれる先の交差点を目的地とするか、前記先の交差点を目的地の途中の交差点とするように前記後続自走車のための新たな行き先を付与する行き先情報が含まれており、
    前記先頭自走車は、対応する前記交差点にある前記停留所に行き先が付与されていない前記後続自走車が停留しているときには、前記先頭自走車に与えられている前記暫定運行経路に含まれている前記行き先情報に基づいて、前記停留所に停留する前記行き先が付与されていない後続自走車に前記新たな行き先を付与することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の交通システム。
  9. 前記複数の後続自走車は、前記運行指令発生部から受け取った前記運行経路の移動を完了すると、移動完了時の前記交差点にある停留所に停留し、該停留所のある前記交差点に設置された前記暫定運行経路付与装置から前記新たな行き先の付与を受けることを特徴とする請求項7に記載の交通システム。
  10. 前記暫定運行経路付与装置は、前記複数の暫定運行経路から順番にまたはランダムに選択した前記暫定運行経路を前記先頭自走車に与え、前記複数の暫定運行経路をすべて複数の前記先頭自走車に与えると、前記暫定運行経路の付与動作を停止する請求項1または2に記載の交通システム。
  11. 前記暫定運行経路付与装置は、前記先頭自走車の前記運行経路の目的地に応じて、前記複数の暫定運行経路から無駄な移動が少なくて済む前記暫定運行経路を選んで前記先頭自走車に与える請求項2に記載の交通システム。
  12. 前記暫定運行経路付与装置は、前記付与動作を停止した後は、前記暫定運行経路が付与されていない前記先頭自走車が対応する前記交差点に到達したときに、暫定運行経路として予め定めた他の交差点に向かう経路を該先頭自走車に与える請求項10に記載の交通システム。
  13. 前記暫定運行経路付与装置が複数の前記先頭自走車に与える前記複数の暫定運行経路は、該暫定運行経路付与装置が設置された交差点または該交差点に隣接する交差点を前記暫定運行経路中に含むように構成されている請求項1または2に記載の交通システム。
  14. 複数の前記暫定運行経路付与装置が複数の前記先頭自走車にそれぞれ与える複数の前記暫定運行経路は、交通システムを運用するすべての路線と前記複数の暫定運行経路が重ならない経路が生じないように定められている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の交通システム。
  15. 複数の前記暫定運行経路付与装置が複数の前記先頭自走車にそれぞれ与える複数の前記暫定運行経路は、過去の運用実績に基づいて、交通システムを運用するすべての路線の中で目的地となる頻度が少ない目的地を含む路線を含む1以上の暫定運行経路が、前記複数の暫定運行経路に含まれないように定められている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の交通システム。
  16. 複数の前記暫定運行経路付与装置が複数の前記先頭自走車にそれぞれ与える複数の前記暫定運行経路は、過去の運用実績に基づいて予め定めた複数の時間帯別に複数種類用意されており、
    前記複数の暫定運行経路付与装置は、前記緊急事態が発生した時間帯に応じた1種類の前記複数の暫定運行経路を選択する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の交通システム。
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