JP2018036566A - マイクロレンズ形成用ポジ型感放射線性樹脂組成物、及びマイクロレンズの形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
式(1−2)中、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のフッ素化アルキル基である。但し、R3及びR4のうち、少なくとも一方は、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のフッ素化アルキル基である。)
当該ポジ型感放射線性樹脂組成物は、マイクロレンズの形成材料として用いられるものであり、[A]重合体及び[B]酸発生体を含有する。当該ポジ型感放射線性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の任意成分を含有してもよい。以下、各成分について詳述する。
[A]重合体は、構造単位(I)を有する重合体である。[A]重合体は、後述する構造単位(II)を有することが好ましく、構造単位(III)を有することも好ましい。さらに、[A]重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の構造単位(IV)を有していてもよい。なお、[A]重合体は、各構造単位を2種以上有していてもよい。
構造単位(I)は、下記式(1−1)で表される基、下記式(1−2)で表される基、又はこれらの組み合わせを含む構造単位である。
−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−SO2O−、−SO3−等のヘテロ原子のみからなる基;
−CO−、−COO−、−COS−、−CONH−、−OCOO−、−OCOS−、−OCONH−、−SCONH−、−SCSNH−、−SCSS−等の炭素原子とヘテロ原子とを組み合わせた基などが挙げられる。
構造単位(II)は、環状エーテル構造又は環状カーボネート構造を含む構造単位である。この環状エーテル構造又は環状カーボネート構造は、加熱等により、上記構造単位(I)の上記式(1−1)又は(1−2)で表される基における水酸基と反応し、強固な架橋構造を形成する。これにより、耐薬品性や硬度が高いマイクロレンズを形成することなどができる。一方、この反応は、常温では生じがたい高め、優れた保存安定性を発揮することができ、この結果、解像度及びレンズ形状への成形性も良好なものとなる。
オキシラン構造を含むものとして、下記式(II−1)〜(II−5)で表される構造単位等;
オキセタン構造を含むものとして、下記式(II−6)〜(II−9)で表される構造単位等;
テトラヒドロフラン構造を含むものとして、下記式(II−10)及び(II−11)で表される構造単位等;
環状カーボネート構造を含むものとして、下記式(II−12)〜(II−16)で表される構造単位等が挙げられる。
構造単位(III)は、酸解離性基を含む構造単位である。この酸解離性基は、カルボキシ基やフェノール性水酸基等の酸性基を保護する保護基として作用する。このような保護基を有する[A]重合体は、通常、アルカリ水溶液に不溶又は難溶である。この[A]重合体は、保護基が酸解離性基であることから、酸の作用により保護基が解裂することで、アルカリ水溶液に可溶性となる。従って、[A]重合体が酸解離性基を有することにより、保存安定性を維持しつつ、感度等を高めることができる。
その他の構造単位を与える単量体としては、例えばカルボキシ基を有する単量体、アルコール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸鎖状アルキルエステル、(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、フェノール性水酸基を有する不飽和芳香族化合物、その他の不飽和芳香族化合物、共役ジエン、マレイミド化合物等が挙げられる。
[A]重合体は、例えば所定の各構造単位に対応する単量体を、ラジカル開始剤を使用し、適当な溶媒中で重合することにより製造できる。例えば、単量体及びラジカル開始剤を含有する溶液を、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法、単量体を含有する溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法、各々の単量体を含有する複数種の溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法等の方法で合成することが好ましい。
[B]酸発生体は、放射線の照射により酸を発生する化合物である。[B]酸発生体は、加熱によってさらに酸を発生してもよい。当該ポジ型感放射線性樹脂組成物が[B]酸発生体を含有することで、放射線の露光部分が現像工程で除去されるポジ型の感放射線特性を有すると共に、後の加熱工程における加熱で発生した酸が架橋触媒として機能し、架橋反応を促進して高い耐熱性及び表面硬度等を有するマイクロレンズを形成することができる。当該ポジ型感放射線性樹脂組成物における[B]酸発生体の含有形態としては、後述するような化合物の態様(以下、この態様を「[B]酸発生剤」ともいう)でも、重合体の一部として組み込まれた態様でも、これら両方の態様でもよい。なお、上記放射線は、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等を含む概念である。
トリヒドロキシベンゾフェノンとして、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン等;
テトラヒドロキシベンゾフェノンとして、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,3’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’−テトラヒドロキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシ−3’−メトキシベンゾフェノン等;
ペンタヒドロキシベンゾフェノンとして、2,3,4,2’,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン等;
ヘキサヒドロキシベンゾフェノンとして、2,4,6,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン等;
(ポリヒドロキシフェニル)アルカンとして、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン、4,4’−〔1−〔4−〔1−〔4−ヒドロキシフェニル〕−1−メチルエチル〕フェニル〕エチリデン〕ビスフェノール、ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインデン−5,6,7,5’,6’,7’−ヘキサノール、2,2,4−トリメチル−7,2’,4’−トリヒドロキシフラバン等;
その他の母核として、2−メチル−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)−7−ヒドロキシクロマン、1−[1−(3−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−4,6−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−3−(1−(3−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−4,6−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、4,6−ビス{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−1,3−ジヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
当該ポジ型感放射線性樹脂組成物は、通常[C]溶媒を含有する。[C]溶媒は、[A]重合体、[B]酸発生体、及び必要に応じて含有される任意成分を均一に溶解し、各成分と反応しないものが用いられる。なお、[C]溶媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
モノアルコール系溶媒として、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等;
多価アルコール系溶媒として、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等;
多価アルコール部分エーテル系溶媒として、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等が挙げられる。
脂肪族炭化水素系溶媒として、n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、i−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等;
芳香族炭化水素系溶媒として、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、i−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、i−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−i−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン等が挙げられる。
当該ポジ型感放射線性樹脂組成物が含有してもよいその他の任意成分としては、例えば接着助剤、界面活性剤、酸化防止剤、酸拡散制御剤等が挙げられる。なお、当該ポジ型感放射線性樹脂組成物は、上記各成分を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
接着助剤は、得られるマイクロレンズと基板との接着性を向上させる成分である。上記接着助剤としては、カルボキシ基、メタクリロイル基、ビニル基、イソシアネート基、オキシラニル基等の反応性官能基を有する官能性シランカップリング剤が好ましい。
界面活性剤は、当該ポジ型感放射線性樹脂組成物の塗膜形成性を向上させる成分である。上記界面活性剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、及びその他の界面活性剤が挙げられる。
酸化防止剤は、露光若しくは加熱により発生したラジカル、又は酸化によって生成した過酸化物を分解し、重合体分子の結合の解裂を防止することができる成分である。その結果、得られる硬化膜は経時的な酸化劣化が防止され、例えば、マイクロレンズの形状変化を抑制することができる。
酸拡散制御剤は、露光により[B]感放射線性酸発生体から生じる酸の塗膜中における拡散現象を制御し、未露光部における好ましくない化学反応を抑制する効果を奏する。酸拡散制御剤としては、例えばアミン化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等が挙げられる。
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体、[B]酸発生体(酸発生剤)、必要に応じて[C]溶媒、その他の任意成分を所定の割合で混合することにより調製できる。調製したポジ型感放射線性樹脂組成物は、例えば、孔径0.2μm以下のフィルタでろ過することが好ましい。
当該マクロレンズの形成方法は、
(1)基板上に当該ポジ型感放射線性樹脂組成物の塗膜を形成する工程、
(2)上記塗膜の一部に放射線を照射する工程、
(3)上記放射線が照射された塗膜を現像する工程、及び
(4)上記現像された塗膜を加熱する工程
を有する。
本工程では、当該ポジ型感放射線性樹脂組成物を用い、基板上に塗膜を形成する。具体的には、当該ポジ型感放射線性樹脂組成物の溶液を基板表面に塗布し、好ましくはプレベークを行うことにより溶媒を除去して感放射線性樹脂組成物の塗膜を形成する。上記基板としては、例えばガラス基板、シリコンウエハ、プラスチック基板、及びこれらの表面に着色レジスト、オーバーコート、反射防止膜、各種金属薄膜が形成された基板等が挙げられる。上記プラスチック基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリイミド等のプラスチックからなる樹脂基板が挙げられる。
本工程では、上記塗膜の一部に放射線を露光する。具体的には、工程(1)で形成した塗膜に所定のマイクロレンズのパターンを有するマスクを介して放射線を照射する。このとき用いられる放射線としては、例えば、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等が挙げられる。
本工程では、上記放射線が照射された塗膜を現像する。具体的には、工程(2)で放射線が照射された塗膜に対し、現像液により現像を行って放射線の照射部分を除去する。上記現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジエチルアミノエタノール、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕−5−ノナンなどのアルカリ(塩基性化合物)の水溶液等が挙げられる。また、上記アルカリの水溶液にメタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液、又は当該ポジ型感放射線性樹脂組成物を溶解する各種有機溶媒を少量含むアルカリ水溶液を現像液として使用してもよい。
本工程では、上記現像された塗膜を加熱する。具体的には、工程(3)で現像された塗膜を焼成するホットプレート、オーブン等の加熱装置を用い、この塗膜を加熱・焼成処理(ポストベーク)することによって塗膜の硬化を行う。また、この加熱により現像後の塗膜はメルトフローし、図1(a)に示すような半凸レンズ形状(マイクロレンズ形状)となる。本工程における焼成温度としては、例えば120℃以上240℃以下とすることができる。加熱時間は、加熱機器の種類により異なるが、例えばホットプレート上で加熱処理を行う場合には5〜30分間、オーブン中で加熱処理を行う場合には10〜90分間とすることができる。この際に、2回以上の加熱工程を行うステップベーク法等を用いることもできる。
下記条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりMw及びMnを測定した。また、分子量分布(Mw/Mn)は得られたMw及びMnより算出した。
装置:GPC−101(昭和電工製)
GPCカラム:GPC−KF−801、GPC−KF−802、GPC−KF−803及びGPC−KF−804を結合(島津ジーエルシー製)
移動相:テトラヒドロフラン
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
各実施例及び比較例の重合体の合成で用いた単量体化合物を以下に示す。
下記式(i−1)〜(i−3)で表される単量体化合物(i−1)〜(i−3)
下記式(ii−1)〜(ii−5)で表される単量体化合物(ii−1)〜(ii−5)
(iii−1):テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルメタクリレート
(iv−1):メタクリル酸
(iv−2):スチレン
(iv−3):メタクリル酸メチル
(iv−4):N−シクロヘキシルマレイミド
(iv−5):α−メチル−p−ヒドロキシスチレン
(iv−6):メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル
冷却管及び撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)8質量部及びジエチレングリコールメチルエチルエーテル200質量部を仕込んだ。次いで、構造単位(I)を与える単量体化合物(i−1)30質量部、構造単位(II)を与える単量体化合物(ii−1)20質量部、構造単位(IV)を与える単量体化合物(iv−1)5質量部、単量体化合物(iv−2)15質量部、及び単量体化合物(iv−3)30質量部を仕込み、窒素置換し、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合することにより重合体(A−1)を含有する重合体溶液を得た。この重合体溶液の固形分濃度は34.4質量%であり、重合体(A−1)のMwは8,400、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であった。得られた重合体の各構造単位の含有割合は、対応する単量体化合物の仕込比と同等であった。
下記表1に示す種類及び使用量の単量体化合物を用いた以外は、合成例1と同様に操作し、重合体(A−2)〜(A−13)及び(a−1)〜(a−2)を合成した。得られた各重合体溶液の固形分濃度、並びに各重合体のMw及びMw/Mnは、上記重合体(A−1)の値と同等であった。なお、表1中の空欄は、該当する単量体化合物を配合しなかったことを示す。得られた重合体の各構造単位の含有割合は、対応する単量体化合物の仕込比と同等であった。
各ポジ型感放射線性樹脂組成物の調製に用いた[B]酸発生剤を以下に示す。
B−1:4,4’−〔1−〔4−〔1−〔4−ヒドロキシフェニル〕−1−メチルエチル〕フェニル〕エチリデン〕ビスフェノール(1.0モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド(2.0モル)との縮合物
B−2:4,7−ジ−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート
[A]重合体としての(A−1)100質量部(固形分)を含有する重合体溶液、[B]酸発生剤としての(B−1)22質量部、接着助剤(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)2質量部、界面活性剤(ネオス社の「FTX−218」)0.2質量部を混合し、さらに固形分濃度が12質量%となるように[C]溶媒としてのジエチレングリコールメチルエチルエーテルを添加した後、孔径0.2μmのメンブランフィルタで濾過することによりポジ型感放射線性樹脂組成物を調製した。
[A]重合体及び[B]酸発生剤を表2に示す種類とした以外は、実施例1と同様に操作し、各ポジ型感放射線性樹脂組成物を調製した。
調製した各ポジ型感放射線性樹脂組成物を用い、下記評価方法に従い評価した。その評価結果を表2に示す。
実施例1〜13及び比較例1〜2について、各々の組成物の溶液を、クリーントラックを用いて反射防止膜を形成したシリコン基板上に塗布した後、90℃にて90秒間プレベークして膜厚0.5μmの塗膜を形成した。ニコン社の「NSR2205i12D」縮小投影露光機(NA=0.63、λ=365nm(i線))を用い、露光時間を変化させて、0.25μmスペース・1.15μmドットのパターンを有するマスクを介して塗膜に露光を行った。次いで、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(現像液)を用い、液盛り法によって25℃、1分間現像処理を行った。現像処理後、塗膜を水でリンスし、乾燥させてウェハー上にパターンを形成した。このような露光及び現像処理において0.25μmスペース・1.15μmドットが形成されるのに必要な露光量を感度(mJ/cm2)として、表2に示した。この値が160mJ/cm2以下の場合に感度が良好であると判断される。
実施例1〜13及び比較例1〜2について、感度の評価で形成した0.25umスペース・1.15umドットパターンをキヤノン社の「PLA−501F」露光機(超高圧水銀ランプ)を用い、積算照射量が300mJ/cm2となるように塗膜に対して露光を行った。次いで、ホットプレートを用いて、140℃で10分間、塗膜を加熱し、さらに200℃で10分間加熱してパターンをメルトフローさせマイクロレンズを形成した。形成されたマイクロレンズの断面形状の評価を表2に示す。形状は、図1(a)のような半凸レンズ形状であるときに良好であり、(b)のような略台形状の場合は不良であると判断される。またウエハ面内における任意のレンズ10点についてレンズ底部を測長した際の測長バラツキを求め、サイズ安定性の指標とした。サイズ安定性を、A:測長バラツキ20nm未満、B:測長バラツキ20nm以上30nm未満、C:側長バラツキ30nm以上とし、A及びBの場合、サイズ安定性を良好と、Cの場合、不良と評価した。
スピンナーを用い、シリコン基板上に各ポジ型感放射線性樹脂組成物を塗布した後、90℃にて90秒間ホットプレート上でプレベークして膜厚0.5μmの塗膜を形成した。得られた塗膜に水銀ランプによって積算照射量が300mJ/cm2となるように紫外線を照射した。次いで、このシリコン基板をホットプレート上で、140℃で10分間加熱し、さらに200℃で10分間加熱して硬化膜を得た。得られた硬化膜の膜厚(T1)を測定した。そして、この硬化膜が形成されたシリコン基板を、アセトン中に5分間浸漬させた後、上記浸漬後の硬化膜の膜厚(t1)を測定し、膜厚変化率を下記式から算出し、これを耐薬品性の指標とした。
膜厚変化率={(t1−T1)/T1}×100(%)
この値の絶対値が3%未満の場合、耐薬品性は良好と、3%以上の場合、不良と評価できる。
ガラス基板を用いる以外は耐薬品性の評価と同様の方法を用いて硬化膜を作成した。得られた硬化膜の透過率を紫外可視分光光度計(日本分光社の「V−630」)を用いて測定した。このとき、波長400nmの光の透過率が95%以上の場合を良好(透明性が良い)と、95%未満の場合を不良(透明性が悪い)と評価できる。
調製した各ポジ型感放射線性樹脂組成物を用い、下記評価方法に従い評価した。その評価結果を表3に示す。
実施例1〜13及び比較例1〜2について、各々の組成物の溶液を、クリーントラックを用いて反射防止膜を形成したシリコン基板上に塗布した後、90℃にて90秒間プレベークして膜厚0.40μmの塗膜を形成した。ニコン社の「NSREX12B」縮小投影露光機(NA=0.55、λ=248nm(KrFエキシマレーザー光))を用い、露光時間を変化させて、0.20μmスペース・0.90μmドットのパターンを有するマスクを介して塗膜に露光を行った。次いで、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(現像液)を用い、液盛り法によって25℃、1分間現像処理を行った。現像処理後、塗膜を水でリンスし、乾燥させてウェハー上にパターンを形成した。このような露光及び現像処理において0.20μmスペース・1.90μmドットが形成されるのに必要な露光量を感度(mJ/cm2)として、表3に示した。この値が160mJ/cm2以下の場合に感度が良好であると判断される。
実施例1〜13及び比較例1〜2について、各々の組成物の溶液を、クリーントラックを用いて反射防止膜を形成したシリコン基板上に塗布した後、90℃にて90秒間プレベークして膜厚0.5μmの塗膜を形成した。ニコン社の「NSREX12B」縮小投影露光機(NA=0.55、λ=248nm)を用い、露光時間を変化させて、0.20umスペース・0.90umドットのパターンを有するマスクを介して塗膜に露光を行った。次いで、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(現像液)を用い、液盛り法によって25℃、1分間現像処理を行った。現像処理後、塗膜を水でリンスし、乾燥させてウェハー上にパターンを形成した。このような露光及び現像処理において、低露光量側のスペース部を観察し、最も小さなスペースパターンが形成される際のスペースサイズを解像度の指標とした。0.16um以下の場合に解像度が良好であると判断される。
Claims (8)
- 下記式(1−1)で表される基、下記式(1−2)で表される基、又はこれらの組み合わせを含む構造単位(I)を有する重合体、並びに
感放射線性酸発生体
を含有するマイクロレンズ形成用ポジ型感放射線性樹脂組成物。
式(1−2)中、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のフッ素化アルキル基である。但し、R3及びR4のうち、少なくとも一方は、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のフッ素化アルキル基である。) - 上記重合体が、環状エーテル構造又は環状カーボネート構造を含む構造単位(II)をさらに有する請求項1に記載のマイクロレンズ形成用ポジ型感放射線性樹脂組成物。
- 上記構造単位(II)が環状エーテル構造を含み、この環状エーテル構造がオキシラン構造及びオキセタン構造のうちの少なくとも一方である請求項2に記載のマイクロレンズ形成用ポジ型感放射線性樹脂組成物。
- 上記感放射線性酸発生体が、キノンジアジド化合物である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のマイクロレンズ形成用ポジ型感放射線性樹脂組成物。
- 上記重合体が、酸解離性基を含む構造単位(III)をさらに有する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のマイクロレンズ形成用ポジ型感放射線性樹脂組成物。
- (1)基板上に請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のマイクロレンズ形成用ポジ型感放射線性樹脂組成物の塗膜を形成する工程、
(2)上記塗膜の一部に放射線を照射する工程、
(3)上記放射線が照射された塗膜を現像する工程、及び
(4)上記現像された塗膜を加熱する工程
を備えるマイクロレンズの形成方法。 - 上記放射線の照射をKrFエキシマレーザーにより行う請求項7に記載のマイクロレンズの形成方法。
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