JP2018036339A - 光ファイバケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のモードが伝搬する光ファイバに対し、モード結合を促進する光ファイバケーブルを提供する。
【解決手段】光ファイバケーブルは、複数の伝搬モードを伝搬する複数の光ファイバ11と、複数の光ファイバ11の屈折率を、複数の光ファイバ11の長手方向に、光ファイバ11の伝搬モード間の伝搬定数差に相当する所定のピッチ幅Wで変化させる、長周期グレーティングや凹凸シート21などのモード結合部と、を備える。
【選択図】図5

Description

本開示は、複数の伝搬モードが伝搬する数モードファイバを用いた光ファイバケーブルに関する。
伝送容量を拡大する技術として複数の伝搬モードを用いる数モード光ファイバが提案されている。特に複数の伝搬モードを用いたモード多重伝送は、伝送容量をモード数倍に向上させられることから、新たな大容量伝送方式として注目されている。
この数モード光ファイバを用いた伝送においては、伝送路中でモード間クロストークが発生することから、その補償手段として、受信端においてMIMO(Multiple−Input Multiple−Output)等化器が用いられる。しかしながら、モード間の損失差(Mode dependent Loss:以下、MDL)が存在する場合、MIMO等化器を利用したとしても伝送システムのパフォーマンス低下が課題となる(例えば、非特許文献1を参照。)。
また、受信端においてモード間の群遅延差(Differential Mode Delay:以下、DMD)が大きいと、MIMOに関わるデジタル処理(DSP)の負荷が大きくなり、長距離伝送を実現する為にはDSP負荷の低減が課題となる。(例えば、非特許文献2を参照。)。そこで、MDLやDMDの影響を緩和するために、モード間の結合を生じさせるモードスクランブラの利用が提案されている(例えば、非特許文献3を参照。)。また、モード間の結合を光ファイバ伝送路中で積極的に起こすために、リングコア型ファイバが提案されている(例えば、非特許文献4を参照。)。
P. J. Winzer, et al., "Mode−dependent loss, gain, and noise in MIMO−SDM systems," in Proc. ECOC 2014, paper Mo.3.3.2, 2014. S.O. Arik, D. Askarov, J.M. Kahn, "Effect of mode coupling on signal processing complexity in mode−division multiplexing," J. Lightwave Technol. 31 (3) (2013) 423−431. Lobato, A.; Ferreira, F.; Rabe, J.; Kuschnerov, M.; Spinnler, B.; Lankl, B., "Mode scramblers and reduced−search maximum−likelihood detection for mode−dependent−loss−impaired transmission," in Optical Communication (ECOC 2013), 39th European Conference and Exhibition, Th.2.C.3, 22−26 Sept. 2013. N. Fontaine, R. Ryf, M. Hirano, and T. Sasaki, "Experimental investigation of crosstalk accumulation in a ring−core fiber," in Proc. IEEE Photon. Soc. Summer Top. Meeting Series, 2013, pp. 111−112.
しかしながら、非特許文献4においてはモード結合量が不十分であった。特に高次モードにおいては伝搬モード間の伝搬定数差Δβが大きくなる傾向にあり、モード数が増えた場合にも十分なモード結合を起こすことが難しい。そこで、本開示は、複数のモードが伝搬する光ファイバに対し、モード結合を促進する光ファイバケーブルを提供することを目的とする。
本開示に係る光ファイバケーブルは、複数の伝搬モードを伝搬する複数の光ファイバと、前記複数の光ファイバのコアの構造を、前記複数の光ファイバの長手方向に所定のピッチ幅で変化させるモード結合部と、を備える。
前記モード結合部は、例えば、光ファイバに予め屈折率変化を与えたグレーティング、凹凸シートを用いて光ファイバに応力を付与する構成、或いは、光ファイバの被覆に設けた凹凸に平坦な応力付与シートで応力を付与する構成、が例示できる。
前記所定のピッチ幅は、前記光ファイバの伝搬モード間の伝搬定数差に相当するピッチ幅を有する。例えば、前記光ファイバのn番目とm番目(n及びmはn≠mである整数)の伝搬モード間の伝搬定数差をΔβとした時、前記所定のピッチ幅が2π/Δβである。
本開示は、光ファイバのコアに周期的な変化を与える構造を有するため、複数のモードが伝搬する光ファイバに対し、モード結合を促進する光ファイバケーブルを提供することができる。
本開示に係る光ファイバケーブルの一例を示す。 LPGの押し当てがある本実施形態のインパルス応答波形の一例である。 LPGの押し当てがない比較例のインパルス応答の一例である。 実施形態2に係る光ファイバケーブルの一例を示す。 実施形態2における光ファイバ付近の拡大図を示す。 実施形態3に係る光ファイバケーブルの一例を示す。 実施形態3における光ファイバ付近の拡大図を示す。 実施形態3に係る光ファイバケーブルの第2の形態例における光ファイバ付近の拡大図を示す。 実施形態4に係る光ファイバケーブルの一例を示す。 実施形態4における光ファイバ付近の拡大図を示す。 実施形態5に係る光ファイバケーブルの一例を示す。 実施形態5における光ファイバ付近の拡大図を示す。 実施形態6において測定用いた光ファイバケーブルの概略構成図である。 実施形態6における光ファイバ付近の拡大図を示す。 モード間クロストーク(XT)の測定結果の一例を示す。 光ファイバのLP01−LP11モード間の伝搬定数差とLP11−LP21モード間の伝搬定数差の波長依存性を説明する図である。 光ファイバのLP01−LP11モード間の結合ピッチとLP11−LP21モード間の結合ピッチの波長依存性を説明する図である。 モード結合に必要なピッチの波長依存性をLP01−LP11間とLP01−LP21間で表す表である。 光ファイバの構造変化長Lに対するモード結合の強さφのピッチずれとの関係を表す図である。 光ファイバの構造変化長Lに対して理想的なピッチでのモード結合の強さφが得られると近似できる最大の光ファイバ構造変化のピッチのずれ量を説明する図である。 各モードの実効屈折率のSIファイバとGIファイバの比較を説明する図である。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。これらの実施の例は例示に過ぎず、本開示は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
本開示に係る光ファイバケーブルは、複数モードを伝搬する光ファイバを使用し、光ファイバに周期的な凹凸を与える構造を有する。具体的には、本開示に係る光ファイバケーブルは、複数の伝搬モードを伝搬する複数の光ファイバと、複数の光ファイバの屈折率を、複数の光ファイバの長手方向に所定のピッチ幅で変化させるモード結合部と、を備える。モード結合部は、光ファイバのコアに屈折率変化を与える任意の手段を用いることが可能であり、例えば、長周期グレーティング、後述する凹凸シートなどの応力の付与が例示できる。所定のピッチ幅は伝搬モード間の伝搬定数差に相当するピッチ幅とする。高次の伝搬定数差が大きいモード間に関してはそれらの伝搬定数差に対応した狭いピッチ幅の長周期グレーティングを設置する。なお、光ファイバの屈折率プロファイルはステップインデックス型、グレーデッドインデックス型、マルチステップ型、リング型等、複数モードを伝搬可能であればどれでも選択して良いとする。
伝搬モード間の伝搬定数差に近いピッチ幅をもつ長周期グレーティングを押し当てることで高効率にモード結合を起こすことができる。モード数が増えても各伝搬定数差に対応するピッチ間隔の凹凸を持つシートを挿入することで高い結合効率が得られる。これにより、本開示は、光ファイバ伝送路の長手方向に周期的に応力を付与することで効率の良いモード結合が生じる光ファイバケーブルを提供することが出来る。
(実施形態1)
図1に、本開示に係る光ファイバケーブルの一例を示す。図1は、光ファイバ中での分布的な長周期グレーティング(Long Period Grating:LPG)の押し当てを、ボビンを使って模擬した様子を示す。光ファイバはLP01、LP11a、LP11bモードが伝搬可能な3モードファイバ(ファイバ長350m、コア半径6.7μm、比屈折率差0.4%のステップインデックスファイバ)とした。グレーティングのピッチ幅Wは、光ファイバの伝搬モード間の伝搬定数差(〜8000rad/m)に相当する約750μm)に設計した。長周期グレーティングの作製は、作製誤差±50μmの3Dプリンタを用いて作製した。このようにして作製したLPGを280mm径ボビンに貼り付け、上から張力をかけながら光ファイバを巻きつけることで分布的なLPG押し当てを実現した。
図2はLPGの押し当てがある本開示に係るインパルス応答波形を示し、図3はLPGの押し当てがない比較例に係るインパルス応答波形を示す。図2及び図3において、G01はLP01入力、G11はLP11入力を示す。作製したLPGのピッチと光ファイバの伝搬定数差に相当する幅が合致し、モード結合が促進される波長1570nmにおいて強結合状態のインパルス応答波形を観測した。
図2に示すようにLP01入力の場合もLP11入力の場合もインパルス応答がGaussian状になり、比較例に係る結合がない場合の0.9nsの幅と比較し約0.45nsと半分に抑制できた。また復元に必要なタップ数も36タップと比較例の76タップと比較しおよそ半分に抑えられた。
以上説明したように、本開示に係る光ファイバケーブルは光ファイバの伝搬モード間のモード結合を促進させることで伝搬モード間の伝搬遅延差を軽減でき、受信部の信号処理負荷の低減に貢献できる。以下、本開示に係る光ファイバケーブルを実現するための構成例について説明する。なお、伝送路の途中で凸部12がない部分があっても良い。
(実施形態2)
図4に、本実施形態に係る光ファイバケーブルの一例を示す。本実施形態に係る光ファイバケーブルは、テープスロット型光ケーブルへの適用例である。テープスロット型光ケーブルは、外皮13と高張力線14の間に光ファイバテープ芯線11Tを配置するための空隙であるスロット22が配置され、スロット22内に光ファイバテープ芯線11Tを保持する。
図5に、光ファイバ付近Pの拡大図を示す。本実施形態では、凹凸シート21が光ファイバテープ芯線11Tの間に配置されている。凹凸シート21の両面に、凸部12がピッチ幅Wで配置されている。このように、周期的な凹凸をもつ凹凸シート21を挿入し、凹凸シート21が光ファイバテープ芯線11Tに挟まるような構造にすることで、光ファイバ11の長手方向に分布的に張力が付与され、モード結合を起こすことが出来る。
ピッチ幅Wは、光ファイバの11の伝搬モード間の伝搬定数差Δβに相当するピッチ幅を持つ。凸部12の高さH12及び数については後述する。
(実施形態3)
図6に、本実施形態に係る光ファイバケーブルの一例を示す。本実施形態に係る光ファイバケーブルは、層撚型ケーブルへの適用例である。層撚型ケーブルの場合には高張力線14の周りに光ファイバ11がらせん状に巻きつけられている。
図7に、光ファイバ11付近Pの拡大図を示す。図7は、図6のケーブルの伝搬方向に垂直な横断面図と、ケーブルの伝搬方向に平行な縦断面図を示す。本実施形態では、高張力線14と光ファイバ11の間に凸部12を有する凹凸シート21が配置されている。凸部12は、高張力線14の長手方向にピッチ幅Wで配置されている。図7に示すように、凹凸シート21を凸部12がケーブルの外側を向くように入れることで、光ファイバ11の長手方向に分布的な曲げを付与しモード結合を起こすことが出来る。
凹凸シート21のピッチ幅Wは、伝搬モード間の伝搬定数差Δβに相当する間隔で、光ファイバ11の長手方向に分布的な曲げを付与するピッチ幅を持つことが必要であり、必ずしもらせん状に配置される光ファイバ11の長手方向と垂直である必要はない。なお、図8に示すように、光ファイバ11の周囲に凹凸シート21が配置されていてもよい。
(実施形態4)
図9に、本実施形態に係る光ファイバケーブルの一例を示す。本実施形態に係る光ファイバケーブルは、ユニット型ケーブルへの適用例である。ユニット型ケーブルの場合、外皮13の内側に、複数の光ファイバ芯線ユニット11Uが配置されている。外皮13には、テンションメンバ15が配置されていてもよい。
図10に、光ファイバ11付近Pの拡大図を示す。図10は、図9のケーブルの伝搬方向に垂直な横断面図と、ケーブルの伝搬方向に平行な縦断面図を示す。本実施形態では、光ファイバ11が、高張力線14の周囲に、高張力線14の長手方向と平行に配置されている。凹凸シート21が、各光ファイバ芯線ユニット11Uの周囲に、光ファイバ11側に凸部12が配置されるように巻きつけられている。凸部12は、光ファイバ11の長手方向にピッチ幅Wで配置されている。凹凸シート21を凸部12が内側を向くようにケーブル内に入れることで光ファイバ芯線ユニット11Uの全ての光ファイバ11でモード結合を起こすことができる。
凸部12のピッチ幅W及び凸部12の高さH12は実施形態2と同様である。ケーブル内での光ファイバ11はねじられており、外側の凹凸シート21に光ファイバ芯線ユニット11Uのすべての光ファイバ芯線がまんべんなく触れている状態が好ましい。
(実施形態5)
図11に、本実施形態に係る光ファイバケーブルの一例を示す。本実施形態に係る光ファイバケーブルは、スロットがない超高密度ケーブルへの適用例である。超高密度ケーブルの場合、外被13の内側に押さえ巻17が配置されている。押さえ巻17の内側に、複数の光ファイバ芯線ユニット11Uが配置されている。外皮13には、抗張力体16が配置されていてもよい。
図12に、光ファイバ11付近Pの拡大図を示す。図13は、図11のケーブルの伝搬方向に垂直な横断面図を示す。本実施形態では、凹凸シート21が、各光ファイバ芯線ユニット11Uの周囲に、光ファイバ11側に凸部12が配置されるように巻きつけられている。凸部12は、光ファイバ11の長手方向にピッチ幅Wで配置されている。凹凸シート21を凹凸が内側を向くよう光ファイバ芯線ユニット11Uを包むように入れることでケーブル内の全ての光ファイバ芯線でモード結合を起こすことが出来る。
凸部12のピッチ幅W及び凸部12の高さH12は実施形態2と同様である。ケーブル内での光ファイバ11はねじられており、外側の凹凸シート21に光ファイバ芯線ユニット11Uのすべての光ファイバ11がまんべんなく触れている状態が好ましい。
(実施形態6)
本開示に係る光ファイバケーブルにおいて、LPGの押し当てを行う手段は実施形態2〜実施形態5に示した凹凸シート21に限定されない。例えば、光ファイバにあらかじめCO2レーザ、UVレーザ等で長手方向に屈折率変化を与えた光ファイバを、前述の光ファイバ11としてケーブルに収容しても良い。
(実施形態7)
前述のとおり、凹凸シート21を光ファイバ11の被覆に押し付けたり、またはCO2レーザ等の掘削を用途とするレーザを照射することで光ファイバ11の被覆にグレーティングを形成し、応力を付与する応力付与シート26とともに光ファイバ11をケーブルに収容することで、光ファイバの周期的な曲げを起こしモード結合を発生させることが出来る。
応力付与シート26は、図13及び図14に示すようにスロット22内に入れられる。またスロット22がないケーブルに関しては、光ファイバ11の隙間に入れるなどの方法がある。また、応力付与シート26は、凹凸のない平坦面を有し、ゴムのような弾性のある材質でできていることが好ましく、ケーブルの長手方向に必ずしも連続的になく途中で途切れる箇所があっても良い。なお、光ファイバ11に与える応力は光ファイバ11の被覆に付与したグレーティングのピッチ数に依存する。
図15に、凹凸数の異なる凹凸シート21を光ファイバ11に押し当てた際に得られるモード間クロストーク(XT)の測定結果を示す。実線は凸部12の数が50の場合、破線は凸部12の数が25の場合を示す。光ファイバ11は約1mのステップインデックスファイバ(比屈折率差0.4%、コア半径6.7μm)とした。この光ファイバ11の両端にLP01モードとLP11モードが合分波可能なモード合分波器を融着接続し、ステップインデックスファイバの中間でLP01モードとLP11モードの結合が起こるピッチ幅の凹凸シート21を押し当てた。入力側の合分波器のLP01ポートのみに光を入射し、LP01ポート、LP11ポートそれぞれのパワーを測定し、LP01ポートのパワーとLP11ポートのパワーの比をとりクロストークを算出した。クロストークはLP01モードの光がLP11モードにどれだけ変換されたか、を表し、クロストークの値が大きいほどモード結合量が大きいことを表す。
図15は光ファイバ11に凹凸シート21を押し当てる際の力を凹凸シート21の凸部12の数で割り、凹凸シート21の凸部121つ当たりにかかる力に対するクロストーク量としている。凸部12の数が25のとき、1つの凸部12に0.39Nの力を加えると、クロストーク値が最大となる。一方、凸部12の数が50のとき、1つの凸部12に0.25Nの力を加えれば、最大のクロストークが得られる。このように、凹凸シート21の凸部12の数が多ければ多いほど、凸部121つあたりに必要な力は減る。光ファイバ11の被覆に施した凹凸数が50以上の光ファイバ11に関しては凹凸シート21の凸部1つあたり0.25Nより弱い力で十分なモード結合量が得られる。
(実施形態8)
光ファイバ11の伝搬モード数をNとおくと、DMD低減のためには例えば光ファイバ11の最もDMDが大きいモード間を結合させることでDMDを低減させる方法がある。更に他のモードを結合することによってより大きなDMD低減効果を得るためには、必要に応じて複数のピッチ幅Wの構造変動を光ファイバ11に付与する必要がある。また、波長を多重化して伝送する場合にも同様に複数のピッチの構造を光ファイバ11に付与することでより高いDMD低減効果が期待できる。
図16及び図17は、それぞれ、伝搬定数差Δβ及びピッチ幅Wの波長依存性の一例を示す。図中において、G1はLP01−LP11間を、G2はLP11−LP21間を示す。例えば、コア半径12μm、Δ0.4%のステップインデックスファイバの場合、図16に示すように、LP01−LP11間の伝搬定数差ΔβとLP11−LP21間のΔβは異なり、またそれぞれ波長依存性を持つ。このため、図17のようにモード間の結合が生じる光ファイバ11の構造変動の周期は結合を起こすモードの組によって異なり、波長によっても異なる。このように、伝送させるモード及び波長に応じたピッチ幅Wの範囲の構造変動を光ファイバ11に付与する必要がある。
コア半径12μm、Δ0.4 %のステップインデックスファイバの例を図18に示す。例えばLP01−LP11間のモード結合のみ生じさせる場合、C帯であれば1620〜1650μmの30μmの範囲のピッチがあれば良い。また、C〜L帯を網羅するためには1580〜1650μm、O〜L帯を網羅するためには1580〜1900μmの範囲のピッチを設ける必要がある。さらにLP11−LP21モード間のモード結合を起こすには図18に示す細いピッチを設ける必要がある。
(実施形態9)
光ファイバ11に付与する周期的な構造変動の周期は、必ずしも光ファイバ11を伝搬するモード間の伝搬定数差Δβを用いた2π/Δβに相当する長さである必要はなく、結合条件がもう少し緩和される。一般に、モード結合の強さφは数式(2)で表される。
Figure 2018036339
ただしモードl、モードmの伝搬定数差をβ、βとおき理想的な構造変化のピッチを2π/(β−β)とした場合に、光ファイバに与えた構造変化の周期を2π/Ωとおき、構造変化のトータル長をLとする。コア半径12μm、Δ0.4%のステップインデックスファイバで波長1550nmの時のLP01モードのβをβ、LP11モードのβをβとした場合、LP01モード、LP11モード間の結合の強さφは図19のように表される。図に示すプロットG,G10,G20,G30は、それぞれ、次式で表されるΔpitchが0μm、10μm、20μm、30μmであるときのφを示す。
光ファイバに与えた構造周期とLP01−LP11モード間のΔβに相当するピッチ幅Wを用いて、ピッチ幅のずれΔpitchは数式(3)で表される。
Figure 2018036339
Δpitchが0のときのプロットGは、伝搬モード間のΔβに相当するピッチ幅と光ファイバに与えた構造変化の周期が合致するため、構造変化長Lを長くすればするほどモード結合の強さφも大きくなる。理想的なピッチ幅は1633μmであるが、ここで、ピッチ幅に10μmのずれを与えると、プロットG10に示すように、光ファイバの構造変化が生じている長さが短い時はφはΔpitch=0のプロットに近似できるが構造変化長が長くなるとφの値は小さくなる。同様に20μmのずれを与えたプロットG20、30μmのずれを与えたプロットG30もLが小さい時のみ近似できる。ここからLが短いほどピッチずれに対し理想的なφが得られ、またピッチずれが大きくなればなるほど、Lを短くする必要があることが分かる。
これらの曲線がΔpitch=0のプロットとほぼ等しいとみなせる範囲は数式(4)で表される。
Figure 2018036339
この関係式から光ファイバの構造変化長Lと許容されるピッチのずれ量2π/Ωを求めた結果を図20に示す。Lが短いほど許容されるずれ量が大きい。このことから、Lが短い場合は構造変化のピッチ幅が一定でも広い範囲の波長帯域でモード結合を生じさせることが可能である。例えば、1.41cmの構造変化長では許容されるずれは100μmであるため、所望のピッチ幅±100μmの範囲であればモード結合が生じると言える。
図18に示すように波長によって変換される帯域は異なるが、帯域を網羅するような結合変化長Lを定めることで、少ないピッチ幅の種類で広帯域を網羅することが可能である。このことから、実施形態2〜実施形態5のようにケーブルに凹凸を有するシートを挿入する場合は、凹凸を有する区間と有さない区間を交互に設けることで、少ないピッチ幅Wで、所望の帯域幅において、複数モード間のモード結合を生じさせることが可能である。また、図13及び図14のように、応力付与シート26を備えたケーブル中に光ファイバ11を収容する場合においても、上記のようなピッチ幅Wの分布を被覆にもつ光ファイバを収容することで、所望の帯域幅おいて複数モード間のモード結合を生じさせることが可能である。
(実施形態10)
光ファイバ11としてグレーデッドインデックス(GI)ファイバを用いると、1種類のコアの曲げの周期で複数のモードのモード間結合を発生させることが可能である。図21に、各伝搬モードにおける実効屈折率neffを示す。図中において、●はSIファイバを示し、▲はGIファイバを示す。
実効屈折率neffは伝搬定数βと数式(5)のように比例関係にある。
Figure 2018036339
伝搬定数は実効屈折率neffに比例するため、モード結合に係るモード間の伝搬定数差Δβは実効屈折率差Δneffに比例する。例えば図21に示すSIファイバの実効屈折率neffはモード番号1で最も大きくモード番号2,3では次に大きく、これらは同じ実効屈折率neffをもつ。このモード番号2,3のモードのように同じ屈折率を持つモードをモード群と呼ぶ。他にもSIファイバではモード4,5や7,8等がモード群である。SIファイバの場合、モード群間で実効屈折率差が異なるため、複数の組のモード間の結合を起こす場合は異なる2π/Δβに相当するピッチ幅Wの構造変化を光ファイバ11に付与する必要がある。一方、GIファイバではモード群間の実効屈折率差Δneffが等しく複数の組のモード間の結合を起こす場合でも単一の2π/Δβで可能であることから、モード数を拡張した際に簡単に複数モード間を結合させるのに有効な手段である。
(実施形態11)
なお、本開示において、ケーブルに挿入するシートの凸部12の形状は、矩形、台形、三角、正弦波状、円弧状等周期的であればどのような形状であっても、本開示に係る作用・効果を奏する。
(実施形態12)
本開示は、低DMDファイバや結合が生じやすいリングコアファイバ、DMD補償伝送路等と併用することも可能である。この場合、光ファイバ11のコアにモード間の伝搬定数差に相当するピッチ2π/Δβの周期で構造揺らぎを与えることで更なるモード間の伝搬時間差の低減効果が期待でき、非常に少ない信号処理負荷で伝送可能な光伝送システムを提供できる。
本開示はファイバ中の高次モードの利用により光ファイバ伝送の大容量化及び長距離化を実現することができる。
11:光ファイバ
11T:光ファイバテープ芯線
11U:光ファイバ芯線ユニット
12:凸部
13:外被
14:高張力線
15:テンションメンバ
16:抗張力体
17:押さえ巻
22:スロット
21:凹凸シート
26:応力付与シート

Claims (5)

  1. 複数の伝搬モードを伝搬する複数の光ファイバと、
    前記複数の光ファイバのコアの構造を、前記複数の光ファイバの長手方向に、前記光ファイバの伝搬モード間の伝搬定数差に相当する所定のピッチ幅で変化させるモード結合部と、
    を備える光ファイバケーブル。
  2. 前記モード結合部は、光ファイバの長手方向に前記所定のピッチ幅で凸部が設けられ、前記凸部が前記光ファイバに応力を付与する凹凸シートである、
    請求項1に記載の光ファイバケーブル。
  3. 前記モード結合部は、前記複数の光ファイバに前記所定のピッチ幅で予め屈折率変化を与えたグレーティングである、
    請求項1に記載の光ファイバケーブル。
  4. 前記モード結合部は、
    前記複数の光ファイバの被覆に前記所定のピッチ幅で凹凸が設けられ、
    前記凹凸が平坦な応力付与シートで応力を付与されている、
    請求項1に記載の光ファイバケーブル。
  5. 前記光ファイバのn番目とm番目(n及びmはn≠mである整数)の伝搬モード間の伝搬定数差をΔβとした時、前記所定のピッチ幅が2π/Δβである、
    請求項1から4のいずれかに記載の光ファイバケーブル。
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