JP6943302B2 - マルチコア光ファイバ、マルチコア光ファイバケーブルおよび光ファイバ伝送システム - Google Patents

マルチコア光ファイバ、マルチコア光ファイバケーブルおよび光ファイバ伝送システム Download PDF

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Description

本開示は、マルチコア光ファイバ(以下、「MCF」と記す)、MCFケーブルおよびそれを含む光ファイバ伝送システムに関するものである。
近年、MIMO(Multi-Input and Multi-Output)信号処理技術を用いて空間モード聞のクロストークを補償し、空間分割多重伝送を行う光ファイバ伝送システムの開発が行われるようになってきた。係る光ファイバ伝送システムに適用可能な伝送媒体の一つとしては、例えば、互いにモード結合が生じするように複数のコアが配置された結合コア群を有するMCFが知られており、この結合コア群は、複数のコア間においてモード結合を生じさせることで、実質的に一つのマルチモード伝送路とみなすことができる。
S. Fan and J. M. Kahn,"Principal modes in multimode waveguides," Opt. Lett. 30(2), 135-137(2005). M. Koshiba, K. Saitoh, K.Takenaga, and S. Matsuo, "Analytical expression of average power-couplingcoefficients for estimating intercore crosstalk in multicore fibers," IEEEPhoton. J. 4(5), 1987-1995 (2012). T. Hayashi, T. Sasaki, E.Sasaoka, K. Saitoh, and M. Koshiba, "Physical interpretation of intercorecrosstalk in multicore fiber: effects of macrobend, structure fluctuation, andmicrobend," Opt. Express 21(5), 5401-5412 (2013).
本開示の実施形態に係るMCFは、複数のコアにより構成された少なくとも1つの結合コア群と、結合コア群を取り囲む共通クラッドと、を備えたMCFである。当該MCFは、以下の第1条件から第3条件を満たすようなコア構造およびコア配列を有する。第1条件は、結合コア群を構成する複数のコアのうち隣接コア間のコア間隔Λ[m]が、波長1550nmにおける隣接コア間のモード結合係数が1.6×10[m−1]以下を満たすよう設定されることにより規定される。第2条件は、ケーブルに内蔵された状態での当該マルチコア光ファイバの曲率の、当該マルチコア光ファイバの長手方向に沿った平均値Cavg[m−1]、直線状態における当該マルチコア光ファイバの仮想曲率C[m−1]、結合コア群内における隣接コア間のモード結合係数κ[m−1]、結合コア群内における隣接コア間での伝搬定数の平均値β[m−1]、および、Λで定義されるκ/(βΛCavg)またはκ/(βΛC)が、Cを0.01[m−1]以上1[m−1]以下または0.1[m−1]以上1[m−1]以下とし、または、Cavgを0.01[m−1]以上2[m−1]以下または0.1[m−1]以上1[m−1]以下とする場合に、1530nm以上1625nm以下の波長範囲において0.1以下となることで規定される。第3条件は、κが2.6×10[m−1]以上、または、κ/(βΛCavg)またはκ/(βΛC)が1530nm以上1625nm以下の波長範囲において0.01以上となることで規定される。
本開示の実施形態に係る光ファイバ伝送システムの概略構成を示す図である。 本開示の実施形態に係る光ファイバ伝送システムに適用可能なMCFおよびMCFケーブルの断面構造それぞれ示す図である。 1つのコアと該コア周辺のクラッドの一部を含む領域に適用可能な種々の屈折率分布を示す図である。 インパルスレスポンスの20dB全幅とモード結合係数およびパワー結合係数それぞれの評価結果を示すグラフである。 式(1)中のパラメータbとDGD/aの関係およびパラメータbとκ/(βΛC)との関係をそれぞれ示すグラフである。
[本開示が解決しようとする課題]
発明者は、従来の光ファイバ伝送システムに適用可能な結合コア群を有するMCFについて検討した結果、以下のような課題を発見した。すなわち、従来の光ファイバ伝送システムによる空間多重伝送の場合、MIMO信号処理の負荷増加を抑制するため、空間モード間の群遅延時間差(DGD:Differential Group Delay)を低減する必要がある。発明者の知る限り、ランダムなモード結合の発生するMCFにおいて結合コア群内の隣接するコア同士のコア間隔が小さくなるにつれ空間モード間DGDも小さくなることはあったが、コア間隔を小さくしすぎると逆に空間モード間DGDが大きくなるとは知られていなかった。
換言すれば、結合コア群を構成するコア間のモード結合の度合いが強すぎると、コア間隔と空間モード間DGDの線形性が損なわれることは知られていなかった。すなわち、適度なコア間隔に設定された結合コア群では、ファイバ曲げとファイバ捻れにより、ファイバ長手方向に亘って離散的にランダムなモード結合が多数発生するため、空間モード間DGDの累積が緩やかになると考えられることになる。一方で、コア間隔が非常に小さくなるとファイバ曲げとファイバ捻れがコア間結合に与える摂動が、コア間のモード結合の強さに比して小さくなり、結果、ランダムなモード結合が発生しにくくなり空間モード間DGDの累積が大きくなると考えられることになる。
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、MCFに含まれる結合コア群のうち隣接コア間のモード結合やパワー結合の強さが空間モード間DGD低減のための適切なレベルに設定されたMCF、MCFケーブルおよびそれを含む光ファイバ伝送システムを提供することを目的としている。
[本開示の効果]
本開示によれば、1つの結合コア群に含まれる隣接コア間のモード結合やパワー結合の強さが空間モード間DGDの低減のための適切なレベルに設定されたMCFが得られる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態の内容をそれぞれ個別に列挙して説明する。
本開示の実施形態に係るMCF(マルチコア光ファイバ)は、複数のコアにより構成された少なくとも1つの結合コア群と、結合コア群を取り囲む共通クラッドと、を備える。特に、本開示の一態様として、結合コア群を構成する複数のコアのうち隣接コア間のコア間隔Λは、波長1550nmにおける隣接コア間のモード結合係数が2.6×10[m−1]以上1.6×10[m−1]以下を満たすか、または、波長1550nmにおける隣接コア間のパワー結合係数が1.3×10−3[m−1]以上8.1×10[m−1]以下を満たすよう設定されている。
本開示の一態様として、隣接コア間のコア間隔Λは、波長1550nmにおける隣接コア間のモード結合係数が2.1×10[m−1]以上5.7×10[m−1]以下を満たすか、または、波長1550nmにおける隣接コア間のパワー結合係数が1.0×10−1[m−1]以上9.0×10−1[m−1]以下を満たすよう設定されてもよい。
本開示の一態様として、当該MCFは、ケーブル化時の曲率を想定して低空間モード分散(インパルスレスポンスの自己相関関数の標準偏差で定義する)を実現するための構成を備えるのが好ましい。具体的には、ケーブルに内蔵された状態での当該MCFの曲率の、当該MCFの長手方向に沿った平均値をCavg[m−1]、直線状態における当該MCFの仮想曲率をC[m−1]、結合コア群を構成する複数のコアのうち隣接コア間のモード結合係数をκ[m−1]、結合コア群内における隣接コア間での伝搬定数の平均値をβ[m−1]、結合コア群内における隣接コア間のコア間隔をΛ[m]とするとき、当該MCFは、以下の第1条件から第3条件を満たすようなコア構造およびコア配列を有するのが好ましい。なお、第1条件は、結合コア群内における隣接コア間のコア間隔Λが、波長1550nmにおける該隣接コア間のモード結合係数が2.6×10[m−1]乃至1.6×10[m−1]を満たすよう設定されることにより規定される。第2条件は、Cを0.01[m−1]以上1[m−1]以下または0.1[m−1]以上1[m−1]以下とし、または、Cavgを0.01[m−1]以上2[m−1]以下または0.1[m−1]以上1[m−1]以下とする場合に、κ/(βΛCavg)またはκ/(βΛC)が1530nmから1625nmの波長範囲において0.1以下となることで規定される。また、第3条件は、κが2.6×10[m−1]以上、または、κ/(βΛCavg)またはκ/(βΛC)が1530nm以上1625nm以下の波長範囲において0.01以上となることにより規定される。
本開示の一態様として、長距離伝送用の結合型MCFとして望ましい特性を以下に列挙する。全モード励振時の伝送損失は、波長1530nm乃至1565nmまたは波長1460nm乃至1625nmにおいて、0.20dB/km以下、0.18dB/km以下、0.16dB/km以下、または、0.15dB/km以下であるのが好ましい。波長分散のモード平均は、16ps/(nm・km)以上であるのが好ましい。全空間モードにおいて、直径30mmのマンドレルに1ターン巻きつけたときの曲げ損失は、波長1550nmにおいて0.2dB以下であるのが好ましい。全空間モードにおいて、直径20mmのマンドレルに巻きつけたときの曲げ損失は、波長1550nmにおいて20dB/m以下であるのが好ましい。全空間モードにおいて、半径30mmのマンドレルに100ターン巻きつけたときの曲げ損失は、波長1550nmにおいて0.5dB以下であるのが好ましい。波長1530nm乃至1565nmの範囲または波長1460nm乃至1625nmの範囲において、モード依存損失の平均値は、0.01dB/km1/2以下であるのが好ましい。波長1530nm乃至1565nmの範囲または波長1460nm乃至1625nmの範囲において、各波長における空間モード間DGDの最大値の平均値は、10ps/km1/2以下であるのが好ましい。
本開示の一態様として、共通クラッドは、結合コア群を構成する複数のコア全てを覆う共通の光学クラッドと、光学クラッドの周囲を覆う物理クラッドとを含む。特に、上述の特性の実現に望ましいコア構造として、複数のコアそれぞれの外径が6μm以上15μm以下であるのが好ましい。また、長手方向に直交する当該MCFの断面において、純シリカの屈折率を基準とした比屈折率差をΔとするとき、複数のコアそれぞれの面積平均のΔと光学クラッドのΔの差は約0.2%以上0.5%以下であり、物理クラッドのΔは光学クラッドよりも高く、かつ、物理クラッドのΔと光学クラッドのΔの差は0.0%以上1%以下であるのが好ましい。
本開示の一態様として、125μmクラッドを有するMCFにおける望ましい構造を、以下に示す。すなわち、結合コア群は、2個以上7個以下、または、8個以上15個以下のコアにより構成されるのが好ましい。物理クラッドの外径は125±1μmであるのが好ましい。物理クラッドと物理クラッドに最も近い近接コアの中心との最短距離をD、該近接コアの半径をa、光学クラッドの中心と近接コアの中心との距離をDoffsetとするとともに、X=log10(Doffset/a)とするとき、
DJ/a≧7.68×10-2・X2−2.21×10-1・X+3.15
または、
DJ/a≧7.57×10-2・X2−2.25×10-1・X+3.40
なる式を満たすのが好ましい。
また、本開示に係るMCFケーブル(マルチコア光ファイバケーブル)は、空間モード分散を低減するための構造を備え、ファイバ曲げ、コア構造、コアピッチを制御することによりランダム空間モード結合を引き起こし、これにより、空間モード間DGDの累積を低減しつつファイバ単位断面積当たりのコア数を大きくすることを可能にする。具体的に当該MCFケーブルは、複数本のMCFを内蔵する。本開示に一態様として、複数本のMCFそれぞれは、複数のコアにより構成された少なくとも1つの結合コア群と、結合コア群を取り囲む共通クラッドと、を備える。また、当該MCFケーブルに内蔵された状態でのMCFの曲率の、該MCFの長手方向に沿った平均値をCavg[m−1]、直線状態における該MCFの仮想曲率をC[m−1]、結合コア群を構成する複数のコアのうち隣接コア間のモード結合係数をκ[m−1]、結合コア群内における隣接コア間での伝搬定数の平均値をβ[m−1]、結合コア群内における隣接コア間のコア間隔をΛ[m]とするとき、MCFは、以下の第1条件から第3条件を満たすようなコア構造およびコア配列を有するのが好ましい。なお、第1条件は、結合コア群内における隣接コア間のコア間隔Λは、波長1550nmにおける隣接コア間のモード結合係数が2.6×10[m−1]乃至1.6×10[m−1]を満たすことにより規定される。第2条件は、Cを0.01[m−1]以上1[m−1]以下または0.1[m−1]以上1[m−1]以下とした場合に、κ/(βΛCavg)またはκ/(βΛC)が1530nm以上1625nm以下の波長範囲において0.1以下となることにより規定される。第3条件は、κが2.6×10[m−1]以上、または、κ/(βΛCavg)またはκ/(βΛC)が1530nm以上1625nm以下の波長範囲において0.01以上となることにより規定される。
本開示の一態様として、空間モード間DGDの累積を低減しつつファイバ単位断面積当たりのコア数をより大きくするため、当該MCFケーブルに内蔵される複数本のMCFそれぞれにおけるコア構造とコア配列は、κ/(βΛCavg)またはκ/(βΛC)が、1530nm以上1625nm以下の波長範囲において0.01以上となるよう調整されるのが好ましい。
本開示の一態様として、長距離伝送に適したケーブル内のファイバ曲率を想定した時に上記特性を実現するためには、Cavgは、当該MCFケーブルに曲げが付与されていない状態で0.01[m−1]以上2[m−1]以下であるのが好ましい。同様の理由から、本開示の一態様として、Cavgは、当該MCFケーブルに曲げが付与されていない状態で0.1[m−1]以上、1[m−1]以下、または、0.1[m−1]以上かつ1[m−1]以下であるのが好ましい。
さらに、本開示の一態様として、長距離伝送用の当該MCFケーブルに適用可能な結合型MCFとして望ましい特性を以下に列挙する。すなわち、当該MCFケーブルに内蔵される複数本のMCFそれぞれにおいて、全モード励振時の伝送損失は、波長1530nm乃至1565nmまたは波長1460nm乃至1625nmにおいて0.20dB/km以下、0.18dB/km以下、0.16dB/km以下、または、0.15dB/km以下であるのが好ましい。波長分散のモード平均は、16ps/(nm・km)以上であるのが好ましい。全空間モードにおいて、直径30mmのマンドレルに1ターン巻きつけたときの曲げ損失は、波長1550nmにおいて0.2dB以下であるのが好ましい。全空間モードにおいて、直径20mmのマンドレルに巻きつけたときの曲げ損失は、波長1550nmにおいて20dB/m以下であるのが好ましい。全空間モードにおいて、半径30mmのマンドレルに100ターン巻きつけたときの曲げ損失は、波長1550nmにおいて0.5dB以下であるのが好ましい。波長1530nm乃至1565nmの範囲または波長1460nm乃至1625nmの範囲において、モード依存損失の平均値は、0.01dB/km1/2以下であるのが好ましい。波長1530nm乃至1565nmの範囲または波長1460nm乃至1625nmの範囲において、空間モード分散の平均値は、10ps/km1/2以下であるのが好ましい。
本開示の実施形態に係る光ファイバ伝送システムの一態様は、伝送路として、上述のような種々の態様のMCF、または、種々のMCFケーブルが適用されてもよい。また、この場合、当該光ファイバ伝送システムは、結合コア群内で発生した空間モード間のクロストークを、MIMO信号処理により補償する構造を備えるのが好ましい。
以上、この[本開示の実施形態の説明]の欄に列挙された各態様は、残りの全ての態様のそれぞれに対して、または、これら残りの態様の全ての組み合わせに対して適用可能である。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示に係るMCF、MCFケーブルおよび光ファイバ伝送システムの具体例を、以下に添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本開示は、これら例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図されている。
図1は、本開示の実施形態に係る光ファイバ伝送システムの概略構成を示す図である。図1に示された光ファイバ伝送システム1は、伝送路として適用された本開示の実施形態に係るMCF100と、MCF100の一方の端部側には配置された送信局10と、MCF100の他方の端部に配置された受信局20と、を備える。MCF100は、互いにモード結合する複数のコアにより構成された少なくとも1つの結合コア群を含むMCFである。送信局10には、複数の送信器11(TXからTX)と、これら複数の送信器11からの光信号をMCF100の各コアに導くためのコネクタ部品(ファンイン・ファンアウト・デバイス:FI/FO)12が設けられている。また、受信局20には、複数の受信器21(RXからRX)と、MCF100を伝搬した空間モードそれぞれを対応するに受信器21に分配するためのコネクタ部品(FI/FO)22を備える。また、当該光ファイバ伝送システム1では、MCF100の結合コア群内で発生した空間モード間のクロストークを、MIMO信号処理により補償する構造として、送信局10内には送信器11それぞれを制御するためのMIMO信号処理部13が配置され、また、受信局20内には受信器21それぞれを制御するためのMIMO信号処理部23が配置されている。
図2の上段には、MCF100の具体的な断面構造が示されている。図2の上段に示された断面図は、MCF100の長手方向に直交する断面である。MCF100は、結合コア群110と、これら結合コア群110を取り囲む共通クラッド120を備える。なお、共通クラッド120は、結合コア群110それぞれにおいて、当該結合コア群110を構成する複数のコア全てを覆う光学クラッドと、該光学クラッドを覆う物理クラッドを含む。すなわち、図2の上段に示されたMCF100の断面において、破線で囲まれた領域それぞれが光学クラッドであり、該破線で囲まれた領域の外側が物理クラッドである。
各結合コア群110は、隣接コア同士が所定のコア間隔Λになるように配置され、互いにモード結合する複数のコアから構成されている。なお、コア間隔Λは、各結合コア群110における隣接コアの中心間距離で規定される。また、結合コア群110は一つでも複数であってもよい。結合コア群110が複数の場合は、結合コア群110同士は、非結合状態(低クロストーク)になるよう十分な距離Dだけ離間している。
また、送信局10および受信局20の間には、それぞれが上述のような構造を有する複数本のMCF100を内蔵するMCFケーブル300が敷設されてもよい。図2の下段は、本開示の実施形態に係るMCFケーブルの構成例を示す図である。図2の下段に示されるように、MCFケーブル300は、支持部材310と、支持部材310を中心軸として螺旋状に撚り合わせるようにして支持部材310に所定ピッチで巻きつけられた複数のMCF100と、その巻きつけられた状態を保持するように複数のMCF100上に巻きつけられた強度部材250と、強度部材250の周りを覆うケーブル外被200を備える。この図2の下段に示された一例では、MCFケーブル300は、4本のMCF100を保持している。
ケーブルが真直ぐな場合でも、複数のMCF100それぞれは、その長手方向に沿って所定のピッチで支持部材310に巻きつけられることにより、一定の曲率半径CRの曲げが付与される。ケーブル外被200は、MCF100を外力から保護するように、強度部材250の全体を覆っている。強度部材250は、例えば、アラミド繊維(東レ・デュポン株式会社製の「ケブラー(登録商標)」や帝人株式会社製の「テクノーラ(登録商標)」)等であってもよい。強度部材250を設けることにより、MCFケーブル300が引っ張られた際にMCF100に伸び歪みが加わりにくくなるだけでなく、クッション効果により、MCF100を外部衝撃から保護する役割を果たすことができる。
支持部材310は、抗張力線(tension member)のような金属材料であっても、ケーブル外被200の収縮に抵抗する抗収縮材であってもよい。なお、図2の下段に示された例において、MCF100は、記載簡略のため、1本のみ記載しているが、実際には当該MCFケーブル300に含まれる全てのMCF100が支持部材310に巻かれている。
各コアの屈折率分布やそれに伴う光学特性については、用途に応じて適正な構造を選択することができるが、コアそれぞれの構造は均一でも良く、またそれぞれ異なった構造であってもよい。また、MCF100の断面内におけるコア数に制限は無く、収容されるコア数に応じてMCF100の断面直径(ガラス直径)および共通クラッドの外周面上に設けられる被覆樹脂の外径は適切に設定され得る。
具体的に、(各コアの屈折率分布の形状)/(それを覆う光学クラッドの屈折率分布の形状)で表される分布形状は、ステップ/マッチド型(図3に示されたパターン(a))、先端凹ステップ/マッチド型(図3に示されたパターン(b))、先端凸ステップ/マッチド型(図3に示されたパターン(c))、グレーデッド/マッチド型(図3に示されたパターン(d))、ステップ/ディプレスト型(図3に示されたパターン(e))、2重ステップ/マッチド型(図3に示されたパターン(f))、ステップ/トレンチ型(図3に示されたパターン(g))等のいずれも適用可能であり、コアとクラッドの屈折率分布を任意に組み合わせることが可能である。また、各コアは、コアを伝播するモード数が一つであるシングルモード動作を前提とした構造であっても、複数モードを伝播するマルチモード動作を前提とした構造を備えてもよい。ただし、数モード動作を前提とする場合、各結合コア群110を構成するコア同士のパワー結合係数は、各コアのLP01同士のパワー結合係数とする。
図4は、本開示の実施形態に係るMCF100の結合コア群として用意された複数のサンプルについて、インパルスレスポンスの20dB全幅とモード結合係数およびパワー結合係数それぞれの評価結果を示すグラフである。特に、図4の上段に示されたグラフ(a)は、インパルスレスポンスの20dB全幅[ns](最大値から20dB低い値のパルス全時間幅)とモード結合係数[m−1]との関係を示すグラフであり、図4の下段に示されたグラフ(b)は、インパルスレスポンスの20dB全幅[ns]とパワー結合係数[m−1]との関係を示すグラフである。
用意されたサンプル1からサンプル6は、それぞれ、6つの結合コア群110を有するMCFであって、各結合コア群110は、2つのコアにより構成されている。また、共通クラッド120を基準とした各コアの比屈折率差Δは、0.41%、各コアのコア径は9.0μmである。サンプル1におけるコア間隔Λは12.5μm、サンプル2におけるコア間隔Λは15.0μm、サンプル3におけるコア間隔Λは17.5μm、サンプル4におけるコア間隔Λは20.0μm、サンプル5におけるコア間隔Λは25.0μm、サンプル6におけるコア間隔Λは27.5μmである。なお、サンプル1からサンプル6のいずれも、6つの結合コア群110同士は、十分な非結合状態になるよう距離Dだけ離間している。
また、上記サンプル1からサンプル6において、ファイバ長を66mに設定し、各結合コア群110におけるコア間の、波長1550nmにおけるインパルスレスポンスの20dB全幅を、光周波数領域反射測定(OFDR:Optical Frequency DomainReflectometry)を用いて評価した。なお、このOFDRでは、半径140mmのボビンに巻いた状態に設定されたサンプル1からサンプル6それぞれの片端から光を入射し、他方の端部でのフレネル反射のピークが測定される。
上述のような構造を有するサンプル1からサンプル6それぞれの結合コア群110におけるコア間の、波長1550nmにおけるモード結合係数の計算値は、サンプル1(Λ=12.5μm)の結合コア群110では4.5×10[m−1]、サンプル2(Λ=15.0μm)の結合コア群110では1.6×10[m−1]、サンプル3(Λ=17.5μm)の結合コア群110では5.7×10[m−1]、サンプル4(Λ=20.0μm)の結合コア群110では2.1×10[m−1]、サンプル5(Λ=25.0μm)の結合コア群110では2.6×10[m−1]、サンプル6(Λ=27.5μm)の結合コア群110では9.4×10−1[m−1]であった。
また、サンプル1からサンプル6それぞれの各結合コア群110におけるコア間の、波長1550nmにおけるパワー結合係数の計算値は、サンプル1(Λ=12.5μm)の結合コア群110では7.6×10[m−1]、サンプル2(Λ=15.0μm)の結合コア群110では8.1×10[m−1]、サンプル3(Λ=17.5μm)の結合コア群110では9.0×10−1[m−1]、サンプル4(Λ=20.0μm)の結合コア群110では1.0×10−1[m−1]、サンプル5(Λ=25.0μm)の結合コア群110では1.3×10−3[m−1]、サンプル6(Λ=27.5μm)の結合コア群110では1.5×10−4[m−1]であった。
図4のグラフ(a)およびグラフ(b)それぞれ分かるように、サンプル6の結合コア群では、インパルスレスポンスの20dB全幅が急激に増加している。インパルスレスポンスの20dB全幅の急激な増加を免れているサンプル5の結合コア群と同等のインパルスレスポンスの20dB全幅である1.1ns以下を実現するためには、モード結合係数は、2.6×10[m−1]以上1.6×10[m−1]以下であることが望ましく、パワー結合係数は、1.3×10−3[m−1]以上8.1×10[m−1]以下であることが望ましい。更に、インパルスレスポンスの20dB全幅が最も小さいレベルの0.4ns以下になるためには、モード結合係数は、2.1×10[m−1]以上5.7×10[m−1]以下であることが更に望ましく、パワー結合係数は、1.0×10−1[m−1]以上9.0×10−1[m−1]以下であることが更に望ましいことが分かる。したがって、本開示の実施形態に係るMCF100において、各結合コア群110におけるコア間隔Λは、モード結合係数またはパワー結合係数の上記範囲を満たすように設定されるのが好ましい。
更に、本開示の実施形態に係るMCF100は、適度な曲げが付与されているのが望ましい。また、本開示の実施形態に係るMCF100は、共通クラッド中心(当該MCF100の長手方向に直交する共通クラッド120の断面における中心)を回転軸とする捻じりが付与されているのが望ましい。このような捻じりは、光ファイバ線引き中にガラスが融けた状態の時に付与されてもよいし、光ファイバ線引後にガラスが固まった状態で付与されてもよい。
次に、空間モード間DGDの累積の低減について検討する。MCFのファイバ長をLとし、aを比例定数とするとき、該空間モード間DGDは、ファイバ長Lに対して以下の式(1)に従って増加すると考えることができる。
Figure 0006943302
空間モード間でランダムな結合が生じていなければ、最も空間モード間DGDが大きくなるb=1となり、空間モード間で十分にランダムな結合が生じていれば、空間モード間DGDの増加がファイバ長Lの増加に対して緩やかになる(b=0.5)ことが偏波モード分散等の例からも知られている。図5の上段に示されたグラフ(a)は、DGD/aとファイバ長Lとの関係を示す図であり、グラフG510はb=0.5のときの関係、グラフG520はb=1のときの関係をそれぞれ示す。
ここで、発明者は、比例定数aをDGD scaling factorとし、bをDGD growth rateとするとき、bがどのような値となるかについて、ランダムシミュレーション計算により調べた。シミュレーションには、コアモードのモード結合方程式が使用して行われた。簡単のために偏波モードが縮退しているものと考えて、これら縮退モードを無視した2コア(すなわち合計2モード)のモード結合方程式は、以下の式(2)のように表すことができる。
Figure 0006943302

ここで、κはコア間モード結合係数、βは各コアの伝搬定数、Λはコア間隔(コア同士の中心間隔)、Cはファイバの曲率(曲げ半径の逆数)、θはある基準に採った時に曲げ方向に対するファイバの回転角である。また、各パラメータの添え字(下付き文字)はコア番号を表す。上記式(2)を解いていくと、以下の式(3)のような形のz=0からz=Lの伝達式を求めることができる。
Figure 0006943302

ここで、Tはコア数(合計モード数)×コア数(合計モード数)の伝達行列である。この伝達行列Tを上記非特許文献1に記載されたgroup-delayoperatorの形に変形することで該group-delay operator行列の固有値を求め、その最大値と最小値の差を採ることで空間モード間DGDをシミュレーションすることができる。
図5の下段に示されたグラフ(b)には、このような手法により、1530nm以上1625nm以下の波長範囲においてΛ、C,θのzに対する変化率を複数水準とって計算を行った結果が示されている。なお、隣接コア間のモード結合係数をκ、各隣接コアの伝搬定数をβ(ここでは2コアで等しいものとする)、コア間隔(隣接コア同士の中心間隔)をΛ、と考えることができる。この図5中のグラフ(b)に示された結果から、DGD growth rate bはκ/(βΛC)に対して明確な依存性を示すことが分かる。ここで、κ/(βΛC)の分子であるκは上記式(2)の非対角要素に入っていることからもわかるように、隣接する2つのコアの電界振幅の結合を表し、分母である(βΛC)は、対角要素である曲げの影響を受けた等価的な伝搬定数の差の最大値に当たる。κ/(βΛC)が0.1以下ではbが0.5付近の値を採っているのに対して、κ/(βΛC)が0.1から1に近づくにつれてbは1に近づいていき、κ/(βΛC)が1以上ではbは1となる。このことから、空間モード間DGDの低減のためにはκ/(βΛC)が0.1以下になるようにコア構造およびコア配列を調整する必要がある。すなわち、空間モード間DGDを低減するためにκ/(βΛC)が0.1以下であることが望ましい。
この結果は、伝搬定数差がMCFの長手方向に沿ってわずかしか変化しない、あるいは、コア間のモード結合が強すぎる(βΛC<<κ、つまりκ/(βΛC)>>1)場合は,コアモードが結合したスーパーモードが安定的に伝搬するため、スーパーモード同士は非結合でありかつスーパーモード間のDGDがb=1で累積していく。これに対して、コア間のモード結合係数が適度な範囲にあり、かつ、伝搬定数差がMCFの長手方向に沿って変化する場合(変化の最大値であるβΛCが大きい、つまりκ/(βΛC)は小さい、空間モード間でのランダムな結合が発生してbが0.5に近づき、空間モード間DGDの累積が緩やかになると理解することができる。
よって、ケーブル内におけるMCFの曲率の、該MCFのファイバ長手方向に沿った平均値をCavg[m−1]、結合コア群内における隣接コア間でのモード結合係数をκ[m−1]、結合コア群内における隣接コア間での伝搬定数の平均値をβ[m−1]、結合コア群内における隣接コア間のコア間隔をΛ[m]とするとき、κ/(βΛCavg)が1530nm以上1625nm以下の波長範囲において0.1以下となるように、コア構造とコア配列が調整されたMCFを内蔵することで、MCFケーブルにおける空間モード間DGDの累積を低減することが可能になる。また、コア間隔を大きくするほどκ/(βΛCavg)は小さくなっていくことから、κ/(βΛCavg)が小さすぎるとコア密度が低下し、また、コア間の結合が弱くなりモード結合自体が非常に弱くなる。この場合、空間モード間DGDの低減に必要な十分ランダムなモード結合が起こらなくなる。したがって、κ/(βΛCavg)は0.01以上であることが望ましい。なお、このときに、Cavgは、MCFに対して十分制御して付与された曲率の平均値であってもよく、意図せず付与された曲率も含めた曲率の平均値であってもよい。
また、上記非特許文献2および3に基づいて考察すると、たとえMCFが直線状態であっても(実際のCが0であったとしても)、ファイバ構造の長手方向に沿った変動やマイクロベンドによって、実質的には0.01[m−1]以上1[m−1]以下、または、0.1[m−1]以上1[m−1]以下のCが付与されているのと同等の、MCFの長手方向に沿ったコア間伝搬定数差の変動が生じていると考えられる。したがって、このようなMCF設置状態のCを仮想曲率C[m−1]とするとき、κ/(βΛC)が1530nm以上1625nm以下の波長範囲において0.1以下となるように、コア構造とコア配列が調整されたMCFを内蔵することで、MCFケーブルにおける空間モード間DGDの累積を低減することができる。また、コア間隔を大きくするほどκ/(βΛC)が小さくなっていくことから、κ/(βΛC)が小さすぎるとコア密度が低下し、また、コア間の結合が弱くなりモード結合自体が非常に弱くなる。この場合、空間モード間DGDの低減に必要な十分ランダムなモード結合が起こらなくなる。したがって、κ/(βΛC)は0.01以上であることも望ましい。
以下、κ/(βΛCavg)に下限についての本開示の実施形態に係るMCFのサンプルおよび比較例について言及する。
本開示の実施形態に係るMCFとして試作されたサンプルは、それぞれがリング型屈折率分布を有する2個以上7個以下のコアと、これらコアを覆う共通の光学クラッドと、該光学クラッドを覆う、外径125μmの物理クラッドを備える。コア外径は約11.3μm、純シリカの屈折率を基準とした比屈折率差をΔとするとき、コアの面積平均のΔと光学クラッドのΔの差は約0.34%、物理クラッドのΔは光学クラッドのΔよりも高く、かつ、物理クラッドのΔは光学クラッドのΔの差は0.05%以上0.1%以下である。物理クラッドと該物理クラッドに最も近い近接コアの中心との最短距離をD、該近接コアの半径をa、該近接コアと光学クラッドの中心との距離をDoffsetとするとともに、X=log10(Doffset/a)とするとき、
DJ/a≧7.68×10-2・X2−2.21×10-1・X+3.15
または、
DJ/a≧7.57×10-2・X2−2.25×10-1・X+3.40
なる式を満たす。
このようなMCFのサンプルにおいて、κ/(βΛC)が2.7×10−2となるように調整された場合の空間モード分散(空間モード間DGDの二乗平均平方根)の値を測定したところ、およそ6.1ps/km1/2となった。
一方、比較例では、κ/(βΛC)が2×10−3以上3×10−3以下となるように調整された場合の空間モード分散の値を測定したところ、およそ32ps/km1/2と、κ/(βΛC)が0.01以上の、本開示の実施形態に係るMCFのサンプルと比べて5倍近く悪化している。
なお、本開示の実施形態に係るMCFにおいて、コアおよび共通クラッドは、ガラス製またはシリカガラスからなるのが好ましい。更に、共通クラッドの周囲は、例えば樹脂、金属、炭素などからなる保護材によって覆われてもよい。コアそれぞれガラスには、微量のアルカリ金属が添加されていてもよい。
長距離伝送時の光信号対雑音比を向上させられるために望ましい特性としては、全モード励振時の伝送損失は、波長1530nm乃至1565nmまたは波長1460nm乃至1625nmにおいて、0.20dB/km以下、0.18dB/km以下、0.16dB/km以下、または、0.15dB/km以下であるのが好ましい。波長分散のモード平均は、16ps/(nm・km)以上であるのが好ましい。全空間モードにおいて、直径30mmのマンドレルに1ターン巻きつけたときの曲げ損失は、波長1550nmにおいて0.2dB以下であるのが好ましい。全空間モードにおいて、直径20mmのマンドレルに巻きつけたときの曲げ損失は、波長1550nmにおいて20dB/m以下であるのが好ましい。全空間モードにおいて、半径30mmのマンドレルに100ターン巻きつけたときの曲げ損失は、波長1550nmにおいて0.5dB以下であるのが好ましい。波長1530nm乃至1565nmの範囲または波長1460nm乃至1625nmの範囲において、モード依存損失の平均値は、0.01dB/km1/2以下であるのが好ましい。波長1530nm乃至1565nmの範囲または波長1460nm乃至1625nmの範囲において、各波長における空間モード間DGDの最大値の平均値は、10ps/km1/2以下であるのが好ましい。なお、それぞれ上述のような特性を有する複数のMCFが内蔵されたMCFケーブル全体としては、波長1530nm乃至1565nmの範囲または波長1460nm乃至1625nmの範囲において、空間モード分散の平均値は、10ps/km1/2以下である。
さらに、本開示の実施形態に係るMCFの望ましい特性として、外的応力付与下において、各コアに局在する空間モードの実効断面積(effective area)は、全ての空間モードにおいて60μm乃至180μmであることが、長距離伝送時の光信号対雑音比を向上させられるために望ましい。
上記望ましい特性を得るための構成として、本開示の実施形態に係るMCFにおいて、共通クラッドは、結合コア群を構成する複数のコア全てを覆う共通の光学クラッドと、光学クラッドの周囲を覆う物理クラッドとを含むのが好ましい。特に、上述の特性の実現に望ましいコア構造として、複数のコアそれぞれの外径が6μm以上15μm以下であるのが好ましい。また、長手方向に直交する当該MCFの断面において、純シリカの屈折率を基準とした比屈折率差をΔとするとき、複数のコアそれぞれの面積平均のΔと光学クラッドのΔの差は約0.2%以上0.5%以下であり、物理クラッドのΔは光学クラッドよりも高く、かつ、物理クラッドのΔと光学クラッドのΔの差は0.0%以上1%以下、または、0.0%以上0.5%以下、または、0.0%以上0.35%以下であるのが好ましい。
上述のようなコア構造を満たす本開示の実施形態に係るMCFは、125μm外径の物理クラッド内でのコア数を増加するため、以下のような構造を有するのが好ましい。すなわち、結合コア群は、2個以上7個以下、または、8個以上15個以下のコアにより構成される。物理クラッドの外径は125±1μmである。物理クラッド内や光学クラッドと物理クラッド界面のOH基に起因する伝送損失増加を抑えるため、物理クラッドと物理クラッドに最も近い近接コアの中心との最短距離をD、該近接コアの半径をa、光学クラッドの中心と近接コアの中心との距離をDoffsetとするとともに、X=log10(Doffset/a)とするとき、
DJ/a≧7.68×10-2・X2−2.21×10-1・X+3.15
または、
DJ/a≧7.57×10-2・X2−2.25×10-1・X+3.40
なる式を満たすのが好ましい。
1…光ファイバ伝送システム、10…送信局、11…送信器(TXからTX)、12…コネクタ部品、20…受信局、21…受信器(RXからRX)、100…MCF(マルチコア光ファイバ)、110…結合コア群、120…共通クラッド、300…MCFケーブル(マルチコア光ファイバケーブル)。

Claims (11)

  1. 複数のコアにより構成された少なくとも1つの結合コア群と、前記結合コア群を取り囲む共通クラッドと、を備えたマルチコア光ファイバであって、
    前記結合コア群を構成する前記複数のコアのうち隣接コア間のコア間隔Λ[m]が、波長1550nmにおける前記隣接コア間のモード結合係数κ2.6×10 [m −1 ]以上1.6×10[m−1]以下を満たすよう設定され、
    かつ、
    ケーブルに内蔵された状態での当該マルチコア光ファイバの曲率の、当該マルチコア光ファイバの長手方向に沿った平均値Cavg[m−1]、直線状態における当該マルチコア光ファイバの仮想曲率C[m−1]、前記結合コア群内における前記隣接コア間のモード結合係数κ[m−1]、前記結合コア群内における前記隣接コア間での伝搬定数の平均値β[m−1]、および、前記Λで定義されるκ/(βΛCavg)またはκ/(βΛC)が、前記Cを0.01[m−1]以上1[m−1]以下または0.1[m−1]以上1[m−1]以下とし、または、前記Cavgを0.01[m−1]以上2[m−1]以下または0.1[m−1]以上1[m−1]以下とする場合に、1530nm以上1625nm以下の波長範囲において0.1以下となることを特徴とする
    マルチコア光ファイバ。
  2. 全モード励振時の伝送損失が、波長1530nm乃至1565nmまたは波長1460nm乃至1625nmにおいて、0.20dB/km以下、0.18dB/km以下、0.16dB/km以下、または、0.15dB/km以下であり、
    波長分散のモード平均が、16ps/(nm・km)以上であり、
    全空間モードにおいて、直径30mmのマンドレルに1ターン巻きつけたときの曲げ損失が、波長1550nmにおいて0.2dB以下であり、
    全空間モードにおいて、直径20mmのマンドレルに巻きつけたときの曲げ損失が、波長1550nmにおいて20dB/m以下であり、
    全空間モードにおいて、半径30mmのマンドレルに100ターン巻きつけたときの曲げ損失が、波長1550nmにおいて0.5dB以下であり、
    波長1530nm乃至1565nmの範囲または波長1460nm乃至1625nmの範囲において、モード依存損失の平均値が、0.01dB/km1/2以下であり、
    波長1530nm乃至1565nmの範囲または波長1460nm乃至1625nmの範囲において、各波長における空間モード間の群遅延時間差の最大値の平均値が、10ps/km1/2以下である、請求項1に記載のマルチコア光ファイバ。
  3. 前記共通クラッドは、前記結合コア群を構成する前記複数のコア全てを覆う共通の光学クラッドと、前記光学クラッドの周囲を覆う物理クラッドとを含み、
    前記複数のコアそれぞれの外径が6μm以上15μm以下であり、
    前記長手方向に直交する当該マルチコア光ファイバの断面において、純シリカの屈折率を基準とした比屈折率差をΔとするとき、前記複数のコアそれぞれの面積平均のΔと前記光学クラッドのΔの差は0.2%以上0.5%以下であり、前記物理クラッドのΔは前記光学クラッドよりも高く、かつ、前記物理クラッドのΔと前記光学クラッドのΔの差は1%以下である、請求項1または2に記載に記載のマルチコア光ファイバ。
  4. 前記結合コア群が、2個以上7個以下、または、8個以上15個以下のコアにより構成され、
    前記物理クラッドの外径が125±1μmであり、
    前記物理クラッドと前記物理クラッドに最も近い近接コアの中心との最短距離をD、前記近接コアの半径をa、前記光学クラッドの中心と前記近接コアの中心との距離をDoffsetとするとともに、X=log10(Doffset/a)とするとき、
    DJ/a≧7.68×10-2・X2−2.21×10-1・X+3.15
    または、
    DJ/a≧7.57×10-2・X2−2.25×10-1・X+3.40
    なる式を満たす、請求項3に記載のマルチコア光ファイバ。
  5. 伝送路として請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のマルチコア光ファイバが適用された光ファイバ伝送システムであって、前記結合コア群内で発生した空間モード間のクロストークを、MIMO信号処理により補償する構造を備えた光ファイバ伝送システム。
  6. 複数本のマルチコア光ファイバを内蔵するマルチコア光ファイバケーブルであって、
    前記複数本のマルチコア光ファイバそれぞれは、
    複数のコアにより構成された少なくとも1つの結合コア群と、前記結合コア群を取り囲む共通クラッドと、を備えるとともに、
    前記結合コア群を構成する前記複数のコアのうち隣接コア間のコア間隔Λ[m]が、波長1550nmにおける前記隣接コア間のモード結合係数κ2.6×10 [m −1 ]以上1.6×10[m−1]以下を満たすよう設定され、
    当該マルチコア光ファイバケーブルに内蔵された状態での前記マルチコア光ファイバの曲率の、前記マルチコア光ファイバの長手方向に沿った平均値Cavg[m−1]、直線状態における前記マルチコア光ファイバの仮想曲率C[m−1]、前記結合コア群内における前記隣接コア間のモード結合係数κ[m−1]、前記結合コア群内における前記隣接コア間での伝搬定数の平均値β[m−1]、前記Λにより定義されるκ/(βΛCavg)またはκ/(βΛC)が、前記Cを0.01[m−1]以上1[m−1]以下または0.1[m−1]以上1[m−1]以下とした場合に、1530nm以上1625nm以下の波長範囲において0.1以下となることを特徴とする、
    マルチコア光ファイバケーブル。
  7. 前記複数本のマルチコア光ファイバそれぞれにおけるコア構造とコア配列は、前記κ/(βΛCavg)または前記κ/(βΛC)が、1530nm以上1625nm以下の波長範囲において0.01以上となるよう調整されている、請求項6に記載のマルチコア光ファイバケーブル。
  8. 前記Cavgが、当該マルチコア光ファイバケーブルに曲げが付与されていない状態で0.01[m−1]以上2[m−1]以下である、請求項6または7記載のマルチコア光ファイバケーブル。
  9. 前記Cavgが、当該マルチコア光ファイバケーブルに曲げが付与されていない状態で0.1[m−1]以上、1[m−1]以下、または、0.1[m−1]以上かつ1[m−1]以下である、請求項6から請求項8のいずれか一項に記載のマルチコア光ファイバケーブル。
  10. 前記複数本のマルチコア光ファイバそれぞれにおいて、
    全モード励振時の伝送損失が、波長1530nm乃至1565nmまたは波長1460nm乃至1625nmにおいて0.20dB/km以下、0.18dB/km以下、0.16dB/km以下、または、0.15dB/km以下であり、
    波長分散のモード平均が、16ps/(nm・km)以上であり、
    全空間モードにおいて、直径30mmのマンドレルに1ターン巻きつけたときの曲げ損失が、波長1550nmにおいて0.2dB以下であり、
    全空間モードにおいて、直径20mmのマンドレルに巻きつけたときの曲げ損失が、波長1550nmにおいて20dB/m以下であり、
    全空間モードにおいて、半径30mmのマンドレルに100ターン巻きつけたときの曲げ損失が、波長1550nmにおいて0.5dB以下であり、
    波長1530nm乃至1565nmの範囲または波長1460nm乃至1625nmの範囲において、モード依存損失の平均値が、0.01dB/km1/2以下であり、
    波長1530nm乃至1565nmの範囲または波長1460nm乃至1625nmの範囲において、空間モード分散の平均値が、10ps/km1/2以下である、請求項6から請求項9のいずれか一項に記載のマルチコア光ファイバケーブル。
  11. 伝送路として請求項6から請求項10のいずれか一項に記載のマルチコア光ファイバケーブルが適用された光ファイバ伝送システムであって、前記結合コア群内で発生した空間モード間のクロストークを、MIMO信号処理により補償する構造を備えた光ファイバ伝送システム。
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