JPWO2015001990A1 - マルチコア光ファイバおよびマルチコア光ファイバケーブル - Google Patents
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Abstract
本実施形態は、単位断面積当りの伝送容量や周波数利用効率が優れ製造が容易なマルチコア光ファイバ等に関する。当該マルチコア光ファイバは、複数のコア、クラッド、および被覆を備え、隣接コア間ピッチ、ケーブルカットオフ波長、各コア内への光閉じ込め指標、クラッド外径、隣接コア間パワー結合係数が適切に設定され、式Λ/(rclad−OCTmin)の最小値、該式の最大値、およびコア数との間の関係が所定の関係下で存在する。
Description
本実施形態は、マルチコア光ファイバおよびマルチコア光ファイバケーブルに関するものである。
マルチコア光ファイバは、共通のクラッド中にファイバ軸に沿って延在する複数のコアを有する。マルチコア光ファイバにおいて単位断面積当りの伝送容量の向上が要求されている。
T. Hayashi, T. Nagashima, O. Shimakawa, T. Sasaki, and E. Sasaoka, "Crosstalk variation of multi-core fibre due to fibre bend," in Eur. Conf. Opt. Commun. (ECOC), 2010, p. We.8.F.6.
発明者は、従来のマルチコア光ファイバについて詳細に検討した結果、以下のような課題を発見した。
すなわち、上記特許文献1および非特許文献1では、マルチコア光ファイバにおいて単位断面積当りの伝送容量の向上を図る為、望ましい光学特性とクロストークとの関係や、ファイバ断面におけるコア配置について、検討されている。しかしながら、マルチコア光ファイバの製造容易性をも考慮した上で単位断面積当りの伝送容量や周波数利用効率の観点では最適化が図られていない。
本実施形態は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、単位断面積当りの伝送容量や周波数利用効率が優れ製造が容易なマルチコア光ファイバおよびマルチコア光ファイバケーブルを提供することを目的としている。
本実施形態に係るマルチコア光ファイバは、それぞれが中心軸に沿って延在するとともに石英系ガラスからなる複数のコアと、複数のコアそれぞれを覆うとともに石英ガラスからなる共通のクラッドと、クラッドの外周面上に設けられるとともに石英ガラスとは異なる材料からなる被覆と、を備える。
特に、本実施形態の第1の態様では、中心軸に垂直な当該マルチコア光ファイバの断面において、複数のコアが正三角格子状に配置され、かつ、隣接コアの中心間距離である隣接コア間ピッチΛ[μm]は一定である。また、複数のコアそれぞれのケーブルカットオフ波長λcc[μm]は1.53μm以下である。理論カットオフ波長をλcth[μm]、モードフィールド径をMFD[μm]とするとき、複数のコアそれぞれへの光の閉じ込め指標であるMFD/(λcc)0.657が波長1.55μmにおいて8.2以下であるか、または、複数のコアそれぞれへの光の閉じ込め指標であるMFD/(λcth)0.720が波長1.55μmにおいて6.9以下である。共通クラッドの外径2rclad[μm]が115μm〜250μmである。当該マルチコア光ファイバが、その全長に亘って0.3m〜3mの範囲内の曲率半径Rで曲げられているとき、隣接コア間パワー結合係数および隣接同種コア間パワー結合係数の双方は波長1625nmにおいて2.3×10−6/km以下であり、かつ、隣接コア間パワー結合係数および隣接同種コア間パワー結合係数の少なくとも何れか一方は波長1530nmにおいて3.6×10−9/km以上である。複数のコアのうち最外周に位置するコアの中心から共通クラッドの外周面までの最短距離をOCTとするとき、被覆における伝送損失増加が理論上0.01dB/kmとなるOCT0.01dB/km[μm]および被覆における伝送損失増加が理論上0.001dB/kmとなるOCT0.001dB/km[μm]のぞれぞれは、波長1.625μmにおけるMFD[μm]を用いて以下の式(1)または式(2)により求められる値となる。許容可能な最薄のOCTをOCTminとするとき、OCTminはOCT0.01dB/km〜OCT0.001dB/kmの値であり、かつ、実際のOCTはOCTmin以上である。更に、隣接コア間ピッチΛを共通クラッドのコア配置可能半径で割った比Λ/(rclad−OCTmin)なる式で表されるパラメータを定義したとき、[コア数:前記パラメータの最小値:前記パラメータの最大値]の関係が、[19:0.450:0.500]、[27:0.378:0.397]、[31:0.351:0.378]、[37:0.315:0.333]、[42:0.297:0.311] 、[48:0.278:0.285]、[55:0.255:0.277]、[63:0.240:0.248]、[69:0.229:0.240]、[73:0.222:0.229]、[85:0.203:0.218]、[102:0.189:0.195]、[109:0.182:0.189]、[121:0.173:0.180]、[151:0.154:0.160]の何れかである。
上記第1の態様に適用可能な第2の態様として、当該マルチコア光ファイバが、その全長に亘って0.3m〜3mの範囲内の曲率半径Rで曲げられているとき、隣接異種コア間パワー結合係数および隣接同種コア間パワー結合係数の双方は波長1625nmにおいて1.1×10−6/km以下であり、かつ、隣接異種コア間パワー結合係数および隣接同種コア間パワー結合係数の少なくとも何れか一方は波長1530nmにおいて5.3×10−8/km以上であるのが好ましい。
上記第1および第2の態様のうち少なくとも何れかの態様に適用可能な第3の態様として、複数のコアのうち隣接コアの組には、同種コアの組が含まれるのが好ましい。また、当該マルチコア光ファイバの曲率半径R[m]の、その長手方向に沿った平均値が0.3m以上である使用状態において、波長をλ[μm]、実効屈折率をneff、隣接同種コアのコア間ピッチをΛidentical[μm]、実効屈折率neffの最小値ηminを3.6×10−9/km、実効屈折率neffの最大値ηmaxを2.3×10−6/km、実効曲率半径Reff,λを以下の式(3)と定義するとき、Λidentical[μm]は、第1条件または第2条件を満たすのが好ましい。なお、第1条件は、Λidentical[μm]が、λ=1.53μmにおいて以下の式(4)を満たしかつλ=1.625μmにおいて以下の式(5)を満たす条件である。また、第2条件は、Λidentical[μm]が、λ=1.53μmにおいて以下の式(6)を満たし、かつ、λ=1.625μmにおいて以下の式(7)を満たす条件である。
上記第1〜第3の態様のうち少なくとも何れかの態様に適用可能な第4の態様として、複数のコアすべては、同種コアであるのが好ましい。
また、上記第1〜第4の態様のうち少なくとも何れかの態様に適用可能な第5の態様として、波長1.55μmにおいて、コア数が27〜55の間で変わった場合の、コア数とMFD/(λcc)0.657の上限値とMFD/(λcth)0.720の上限値の望ましい関係を、[コア数、MFD/(λcc)0.657の上限値、MFD/(λcth)0.720の上限値]と記載するとき、[コア数、MFD/(λcc)0.657の上限値、MFD/(λcth)0.720の上限値]は、[27、6.4、5.6]、[31、6.1、5.4]、[37、5.4、4.8]、[42、5.1、4.6]、[48、4.7、4.2]、[55、4.6、4.1]、の何れかとなるのが好ましい。
上記第1〜第5の態様のうち少なくとも何れかの態様に適用可能な第6の態様として、共通クラッドは、それぞれが、複数のコアのうち対応するコアに接触している領域であって、対応するコアにおける光伝搬に寄与する複数の光学クラッドを含む。そして、複数のコアのうち隣接コアの組には、コア径、コアと光学クラッドの比屈折率差、および光学クラッドの屈折率のうち少なくとも何れかが異なる異種コアで構成された一またはそれ以上の隣接異種コアの組が含まれる。このとき、隣接異種コアにおけるコア間ピッチは、隣接同種コアにおけるコア間ピッチΛidenticalより小さいのが好ましい。
上記第1〜第6の態様のうち少なくとも何れかの態様に適用可能な第7の態様として、隣接異種コアのすべての組について、隣接異種コア間のクロストークが最大となる、当該マルチコア光ファイバに対する曲げの曲率半径Rが、0.3m未満であるのが好ましい。
また、本実施形態に係るマルチコア光ファイバケーブルは、上記第1〜第6の態様のうち何れかの態様に係るマルチコア光ファイバを含む。特に、当該マルチコア光ファイバにおいて、マルチコア光ファイバは、その長手方向に沿った曲率半径Rの平均値が0.3m以上に維持された状態で内蔵される。
一方、本実施形態に係るマルチコア光ファイバケーブルは、上記第1、第2および第4〜第7の態様のうち何れかの態様に係るマルチコア光ファイバを含んでもよい。この場合、当該マルチコア光ファイバにおいて、マルチコア光ファイバは、その長手方向に沿った曲率半径Rの平均値が3m以下に維持された状態で内蔵される。
本実施形態に係るマルチコア光ファイバは、製造が容易であって、単位断面積当りの伝送容量や周波数利用効率が優れる。
以下、添付図面を参照して、本実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1(a)は、マルチコア光ファイバ1の断面構造を示す図である。図1(a)において、マルチコア光ファイバ1は、ファイバ軸AX(当該マルチコア光ファイバ1の中心軸)に沿ってそれぞれが延在する複数のコア10と、複数のコア10それぞれを覆う共通クラッド20(以下、単にクラッドという)と、共通クラッド20の外周に設けられた被覆30を備える。図1(a)にはコア数が7の例が示されている。図1(a)のファイバ断面において、中心(ファイバ軸AXと交差する位置)に位置する1個のコア10の周りに6個のコア10が配置されている。すなわち、図1(a)のファイバ断面において、7個のコア10が正三角格子状に配置されている。複数のコア10それぞれは、共通クラッド20の屈折率より高い屈折率を有する。コア10およびクラッド20は石英ガラスからなり、コア10またはクラッド20は屈折率調整のための不純物が添加されている。また、被覆30は、例えば樹脂など、石英ガラス以外の材料からなる。
図1(b)は、マルチコア光ファイバケーブル100の内部構造を示す図である。図1(b)の例では、ケーブル外皮(図中、破線で示されている)内に、上記マルチコア光ファイバ1に所定の曲率半径Rの曲げを付与した状態で保持するスロッテッドロッド60が収納されている。スロッテッドロッド60は、石英ガラス以外の材料、例えば樹脂からなり、その中心には抗張力線50(tension member)が配置されている。また、スロッテッドロッド60の表面には、抗張力線50の名が手方向に沿ってスロット61が螺旋状に形成されており、上記マルチコア光ファイバ1がスロット61に収納されることにより、マルチコア光ファイバ1に所定の曲率半径Rの曲げが付与される。なお、マルチコア光ファイバ1に所定の曲率半径Rの曲げを付与する構造はスロッテッドロッド60には限定されない。また、曲率半径Rの曲げ付与は、螺旋配置以外の配置によっても実現可能である。
マルチコア光ファイバ1で伝送可能な容量を最大化するためには、各空間チャネル(各コア)の周波数利用効率(SE: spectral efficiency)の和をファイバ断面積Acsで割った値である空間・周波数利用効率(SSE: spatial spectral efficiency)を大きくすることが望ましい。SSEは以下の式(8)で定義される。
各空間チャネルのSEは無限に改善できるわけではない。光増幅器の雑音および非線形光学現象による雑音を最小化したとき、各空間チャネルのSEは最大になる。各空間チャネルの周波数利用効率SEの上限をSElimと記す。空間・周波数利用効率SSEの上限SSElimは以下の式(9)で表される。
本発明者は、上記の定義に基づいて以下のような検討を行った。光ファイバの太さや形状のことを考慮せず、無限に続く平面上でコアを正三角格子状に配置した場合のSSElimをSSElim,coreとする。SSElim,coreは以下の式(10)で定義される。ここで、Λは隣接コアの中心同士の間隔(以下、単にコア間ピッチという)である。SSElim,coreは、そのコアを用いて実現できるSSEの潜在指標として用いることができる。SSElim,coreは、コア形状や屈折率分布により変化する。
たとえば、ケーブルカットオフ波長が1530nmであるステップインデックスコアにおけるSSElim,coreを、波長1550nmにおける実効断面積Aeffが80μm2であってケーブルカットオフ波長が1260nmである汎用シングルモードファイバのSSElim,SMF(被覆径250μmをΛとして上記式(10)で計算した)で割った比(SSElim,core/SSElim,SMF)を求めて、ステップインデックスコアの実効断面積Aeffおよびコア間ピッチΛに対する比(SSElim,core/SSElim,SMF)の依存性を調べた。図2は、ステップインデックスコアの実効断面積Aeffおよびコア間ピッチΛに対する比(SSElim,core/SSElim,SMF)の依存性を示すグラフである。ここでは、伝送損失0.18dB/km、平均ファイバ曲率半径1m、光増幅器の雑音指数6dB、光増幅器間隔80km、総伝送リンク長3200kmを仮定して計算を行った。Λが小さすぎるとSSElim,coreがほぼ0になるのは、コア間クロストークが大きくなりすぎるからである。
単純なステップインデックス型のコアを用いているにもかかわらず、ステップインデックスコアのAeffが約87μm2以下であるとき、SSElim,coreはSSElim,SMFの30倍以上を実現することができる。ステップインデックスコアのAeffが約64μm2以下であるとき、SSElim,coreはSSElim,SMFの35倍以上を実現することができる。また、ステップインデックスコアのAeffが約50μm2以下であるとき、SSElim,coreはSSElim,SMFの40倍以上を実現することができる。
コアへの光の閉じ込め指標(後述するとおり、閉じ込め指標が小さいほど閉じ込めが強い)として、ケーブルカットオフ波長λcc[μm]とMFD[μm]で表されるMFD/(λcc)0.657を用いると、波長1.55μmにおいて、MFD/(λcc)0.657が、7.8以下でSSElim,coreはSSElim,SMFの30倍以上を実現でき、6.8以下で35倍以上を実現でき、6.0以下で40倍以上を実現でき、5.4以下で45倍以上を実現できる。また、コアへの光の閉じ込め指標として、理論カットオフ波長λcth[μm]とMFD[μm]で表されるMFD/(λcth)0.720を用いると、波長1.55μmにおいて、MFD/(λcth)0.720が、6.7以下でSSElim,coreはSSElim,SMFの30倍以上を実現でき、5.9以下で35倍以上を実現でき、5.3以下で40倍以上を実現でき、4.8以下で45倍以上を実現できる。無限に続く平面上でコアを配置するのであれば、六方格子上にコアを配置することで、最密充填が可能である。しかし、光ファイバの断面は限られており、六方格子配置でない方が、より多くのコアを配置できる場合がある。
クラッド直径Dcladが大きくなると、光ファイバの破断確率が上昇し、機械的信頼性が悪化する。したがって、クラッド直径Dcladは一定の大きさ以下に抑える必要がある。クラッドと被覆との界面(クラッド外周面)とコア中心との最短距離である外クラッド厚OCT(outer cladding thickness)が薄すぎると、クラッド外周面に近いコアの伝送損失が悪化するので、一定以上のOCTが必要である。また、隣接コア同士の中心間の最短距離である最短隣接コア間ピッチdminが小さくなると、クロストークXTが悪化したり、カットオフ波長が変化したりしてしまうので、dminは一定の値以上にする必要がある。
このようにして、クラッド直径Dclad,外クラッド厚OCTおよび最短隣接コア間ピッチdminが決定されれば、円形クラッドを仮定すると、コア配置の問題は、円充填の問題として考えることができ、数学の成果を活用することができる。
図3は、最外周コアの伝送損失増が許容範囲にあるときの最外周コアの中心とファイバ中心との間の距離の最大値romを最短隣接コア間ピッチdminで規格化した値(rom/dmin)と、配置可能な最大コア数との関係を示す図である。図3には、六方格子充填(Hexagonal packing)および既知の範囲での最密充填(Densestpacking)それぞれの場合が示されている。六方格子充填の場合に比べて、最密充填の方が、わずかなdminの短縮やromの拡大を効果的にコア数増大に活用できていることが分かる。
クラッド直径Dcladの許容可能な最大値は200〜250μm程度であると考えられている。そこで、クラッド直径Dcladを225μmとした場合のマルチコア光ファイバのSSElim(SSElim,MCF)を計算して求めた。図4は、ステップインデックスコアの実効断面積Aeffおよびコア間ピッチΛに対する比(SSElim,MCF/SSElim,SMF)の依存性を示すグラフである。図4でも、図2同様の汎用シングルモード光ファイバのSSElim (SSElim,SMF)を計算して、SSElim,MCF/SSElim,SMFの比をとった値が示されている。ここでは、被覆径Dcoatを350μmとして、断面積Acs=π(Dcoat/2)2とし、図3の最密充填のコア数でSSElim,MCFを計算した。
被覆厚を薄くして被覆径Dcoatを小さくしても、SSElim,MCFの大小の傾向は変わらず、SSElim,MCFが全体に改善することになるので、マイクロベンドロスなどの問題が生じない範囲でDcoatは小さい方が望ましい。外クラッド厚OCTについては、最外周コアの伝送損失増が波長1625nmにおいて0.001dB/kmとなる値を許容可能な最薄外クラッド厚OCTminとしているので、実効断面積Aeffが小さいほどromは大きくなる。これは、Aeffが小さい方がコアへの光の閉じ込めが強くなるからである。図4から、Aeffが50μm2以下で、かつ、dminが30〜39μmのときに、SSElim,MCFはSSElim,SMF の10倍以上を実現することができる。
しかしながら、六方格子でない最密充填によるコア配置には、製造容易性の点から問題がある場合がある。マルチコア光ファイバの製造に関しては、ロッド・イン・コラプス法やサンドクラッディング法では或る程度自由なコア配置が可能である。しかし、スタックアンドドロー法では、コア用ロッドを六方格子以外の配置でスタックすることは、不可能ではないが、様々な径のクラッド用ロッドと一緒に複雑に組み上げてスタックする必要があり、設計・実作業ともに非常に困難である。また、マルチコア光ファイバの周辺機器に関しては、例えば、マルチコア光ファイバのファンアウトを複数のシングルコア光ファイバをバンドルして実現する場合についても、前記のスタックアンドドロー法と同様の困難さがある。
以下に説明するマルチコア光ファイバは、六方格子コア配置でありながら最密充填と同等のコア数を実現し、高い空間・周波数利用効率SSEを実現することができる。図5は、六方格子充填の場合のコア数を最密充填の場合のコア数で割ったコア数比と、比(dmin/rom)との関係を示すグラフである。図5は、図3から求められた。図5から、六方格子充填でコアが配置された場合でも、特定のdmin/romの範囲であれば、コア数比は1又は1に近い値をとることができることが分る。なお、dmin/rom=Λ/(rclad−OCTmin) である。
図6は、コア数比が1となるdmin/romの範囲、および、その際の六方格子充填でのコア数を纏めた表である。図7は、コア数比が0.95以上となるdmin/romの範囲、および、その際の六方格子充填でのコア数を纏めた表である。図8は、コア数比が0.9以上となるdmin/romの範囲、および、その際の六方格子充填でのコア数を纏めた表である。「コア数比」は、六方格子充填の場合のコア数を最密充填の場合のコア数で割った値である。ただし、一続きのdmin/romの範囲が0.005に満たないものは省略した。これは、例えば、2romが200μmである場合、dminの最大値・最小値の範囲に換算すると0.5μmの範囲となり、コア配置をその様な精度で制御することは必ずしも容易ではなく、マルチコア光ファイバの製造性・歩留まりを低下させる可能性があるからである。
コア数比が0.9以上になりかつ大きなSSElim,MCFを実現できるマルチコア光ファイバの具体的な構造について検討すると以下のとおりである。
先ず、最外周コアの伝送損失増の観点から許容可能な最短の外クラッド厚OCTとの関係について説明する。ここでは、規格化外クラッド厚OCT/λを導入することで、波長に無依存な関係を発見した。
図10は、最外周コアの伝送損失増が0.01dB/km及び0.001dB/kmとなる場合の、波長[μm]及びカットオフ波長[μm]及びMFD[μm]とOCT[μm]の関係を示したグラフである。図10は、ケーブルカットオフ波長が1.26μmと1.53μmの場合の波長1550nmおよび波長1625nmにおけるデータを含む。カットオフ波長としてケーブルカットオフ波長λccを用いる場合MFD/(λcc)0.869と最外周コアの伝送損失増が0.01dB/kmとなるOCT(OCT0.01dB/km)との関係は以下の式(11−1)で表され、最外周コアの伝送損失増が0.001dB/kmとなるOCT(OCT0.001dB/km)との関係は以下の式(11−2)で表される。カットオフ波長として理論カットオフ波長λcthを用いる場合、MFD/(λcth)0.703とOCT0.01dB/kmとの関係は以下の式(12−1)で表され、OCT0.001dB/kmとの関係は以下の式(12−2)で表される。
この関係は、コアの周囲にクラッドよりも低い屈折率のトレンチ層を備えるトレンチアシスト型コアなどの場合にも成り立つ。最外周コアの伝送損失が0.01dB/kmを超えて増加することは光学特性上有意な伝送損失増加となってしまうこととを考えると、波長1.625μmにおいて、OCTは以下の式(11−1)または式(12−1)から計算されるOCT0.01dB/km以上であることが好ましく、更に最外周コアの伝送損失が0.001dB/kmを超えない為には、OCTは以下の式(11−2)または式(12−2)で計算されるOCT0.001dB/km以上であることが好ましい。或いは、OCTminをOCT0.01dB/km〜OCT0.001dB/kmの値とし(OCT0.001dB/km>OCT0.01dB/km)、実際のOCTはOCTmin以上であることが好ましい。このとき、Λ/(rclad−OCTmin)が、コア数に応じて図8におけるdmin/romの範囲の値をとることが望ましく、コア数に応じて図7におけるdmin/romの範囲の値をとることが更に望ましく、コア数に応じて図6におけるdmin/romの範囲の値をとることが更に望ましい。特にコア数が19以下の少ないときは、可能な限りコア数比を高める為に図6におけるdmin/romの範囲の値をとることが望ましい。これにより、最外周コアの伝送損失増を抑圧しつつ、OCTを過剰に厚くすることなく、正三角格子状のコア配置でも高いコア数比を実現できる。
次に、SSElim,MCF/SSElim,SMFを向上させることが可能な最短隣接コア間ピッチdminについて説明する。ここでは、図2および図4の場合と同様にステップインデックス型のコアを考える。図9に示されたように、クラッドの屈折率を基準としたコアの比屈折率差をΔcoreとし、コアの直径を2rcoreとする。なお、図9の屈折率分布は、1つのコア10を含むその周辺の屈折率分布であり、図1(a)中の線L1に沿った各部の屈折率を示す。Cバンドでの伝送を考え、ケーブルカットオフ波長λccを1530nmに固定すると、コアの比屈折率差Δcoreおよび直径2rcoreのうち一方が決まれば他方も一意に定まる。図11は、他コアからの総クロストークの統計平均値(XTtotal)と、Aeffごとに正規化したSSElim,coreとの関係を示すグラフである。図11は、Aeffが30〜270μm、Δcoreが0.18〜1.0%、波長1.55μmにおける、コアへの光の閉じ込め指標MFD/(λcc)0.657が4.9〜10.4、コアへの光の閉じ込め指標MFD/(λcth)0.720が4.5〜13.6であるデータを含んでいる。図2ではSSElim,coreが極大値をとるdminはAeffごとに異なるが、図11ではSSElim,coreが極大値をとるXTtotalはAeff(または閉じ込め指標)にほぼ無依存であることが分かる。このことから、SSElim,coreの最大化の為には、XTtotalが一定の範囲にあることが必要である。
図11に示されるグラフは総伝送リンク長3200kmを仮定した計算の値を示しているが、SSElim,coreが極大値をとる隣接コア間パワー結合係数は、総伝送リンク長への依存性が大きくない。隣接コア間パワー結合係数をηとし、正三角格子状のコア配置を仮定し、総伝送リンク長が80km〜12000kmの範囲であるとする。このとき、SSElim,MCF/SSElim,max,MCFが0.85以上を維持する為には、隣接コア間パワー結合係数ηが約3.6×10−9/km〜約2.3×10−6/kmであることが好ましい。SSElim,MCF/SSElim,max,MCFが0.9以上を維持する為には、隣接コア間パワー結合係数ηが約1.4×10−8/km〜約1.7×10−6/kmであることが好ましい。また、SSElim,MCF/SSElim,max,MCFが0.95以上を維持する為には、隣接コア間パワー結合係数ηが約5.3×10−8/km〜約1.1×10−6/kmであることが好ましい。ここでは、同種コアのみによって構成されるマルチコア光ファイバの場合を考えたが、複数種類のコアで構成され隣接コア同士が異種であるマルチコア光ファイバの場合、隣接コア間パワー結合係数よりも隣接同種コア間パワー結合係数の方が大きい場合もあり得る。その場合、隣接コア間パワー結合係数及び隣接同種コア間パワー結合係数の双方が、波長1625nmのときに、前記ηの望ましい範囲の最大値以下であり、隣接コア間パワー結合係数及び隣接同種コア間パワー結合係数の少なくとも何れか一方が、波長1530nmのときに、前記ηの望ましい範囲の最小値以上であることが好ましい。
図16(a)は、マルチコア光ファイバ1の断面において、同種コアのみの場合の隣接コアの関係を示す図であり、図16(b)は、マルチコア光ファイバ1の断面において、複数種類のコアの場合の隣接コアの関係を示す図である。図16において、同じ模様(網掛け)のコアは同種のコアである。なお、「隣接コア間パワー結合係数」は、本来、同種コアも異種コアも対象とする。「隣接同種コア間パワー結合係数」は、図16(a)に示されたように、マルチコア光ファイバ1内に存在する同種コアのうち最短距離の同種コア間のパワー結合係数を意味する。「最短距離の同種コア」は、最短距離のコア同士が、隣接コアの組である場合もあるが、隣接コアの組ではない場合も含む。本明細書において「隣接同種コア間」は、同種コアのうち、隣接している同種コアを意味する。また、「隣接異種コア間パワー結合係数」は、隣接しているコアが異種コア同士の場合を意味する。「異種コア」か「同種コア」かは、屈折率分布及び外径の双方が同じコア同士を「同種コア」、屈折率分布及び外径の少なくとも一つが異なるコア同士を「異種コア」とする。
また、SSElim,coreを大きくするためには、ηだけではなくAeffやコアの比屈折率差も適切な範囲に設定する必要がある。SSElim,coreがSSElim,SMFの30倍以上である為には、Aeffは約87μm2以下が望ましい。SSElim,coreがSSElim,SMFの35倍以上である為には、Aeffは約64μm2以下が望ましい。SSElim,coreがSSElim,SMFの40倍以上である為には、Aeffは約50μm2以下が望ましい。波長1.55μmのおいて、SSElim,coreがSSElim,SMFの30倍以上である為には、MFD/(λcc)0.657は7.8以下が望ましい。SSElim,coreがSSElim,SMFの35倍以上である為には、MFD/(λcc)0.657は6.8以下が望ましい。SSElim,coreがSSElim,SMFの40倍以上である為には、MFD/(λcc)0.657は6.0以下が望ましい。SSElim,coreがSSElim,SMFの45倍以上である為には、MFD/(λcc)0.657は5.4以下が望ましい。SSElim,coreがSSElim,SMFの30倍以上である為には、MFD/(λcth)0.720は6.7以下が望ましい。SSElim,coreがSSElim,SMFの35倍以上である為には、MFD/(λcth)0.720は5.9以下が望ましい。SSElim,coreがSSElim,SMFの40倍以上である為には、MFD/(λcth)0.720は5.3以下が望ましい。SSElim,coreがSSElim,SMFの45倍以上である為には、MFD/(λcth)0.720は4.8以下が望ましい。
ここで、参考文献1「M. Koshiba, K. Saitoh, K. Takenaga, and S. Matsuo, “Analyticalexpression of average power-coupling coefficients for estimating intercorecrosstalk in multicore fibers,” IEEE Photon. J., vol. 4, no. 5, pp. 1987-1995,Oct. 2012.」の数式(12)〜(15)を元にすると、隣接する同種コア間でのパワー結合係数は、以下の式(13)で表すことができる。ここで、κはモード結合係数、Rは曲率半径、βは伝搬定数、Λidenticalは同種コア間ピッチ、lcはコア間位相差の相関長であり、Reffをクロストークに関する実効曲率半径と呼ぶこととする。lcは約0.05mとなることが上記参考文献1で報告されているので、曲率半径をR[m]、波長をλ[μm]、実効屈折率をneff、同種コア間ピッチをΛidentical[μm]の単位で表す場合、クロストークに関する実効曲率半径Reff[m]は、以下の式(14)とすることができる。
ステップインデックス型の同種コア同士を考えた場合、波長1530nmでηが上記範囲の下限以上となり、波長1625nmでηが上記範囲の上限以下となる様なコア間ピッチΛidentical[μm]は以下のようになる。ここで同種コア同士とは、屈折率分布または実効屈折率が実質的に等しいコア同士のことである。実際のマルチコア光ファイバにおいては、ある2つのコア間でのクロストークが曲げロスなどの影響を受けずに最大となるファイバ曲率半径が、ファイバ使用時の曲率半径以上である場合、該2つコア同士は同種コア同士であるといえる。
上記式(13)を用いて、シミュレーション計算により、η[/km]、Λidentical[μm]、λ[μm]、λcc[μm]、λcth[μm]、MFD[μm]、Reff[m]の関係を求めた結果、ケーブルカットオフ波長λccとMFDで表されるMFD/(λcc)0.657、または、理論カットオフ波長λcthとMFDで表されるMFD/(λcth)0.720をコアへの光の閉じ込め指標として用いることで、以下の式(15)または式(16)の様な関係が成立することを発見した。
上記式(15)より、波長1.53μmにおいて以下の式(17)が成り立ち、かつ、波長1.625μmにおいて以下の式(18)が成り立つことが好ましく、または、上記式(15)より、波長1.53μmにおいて以下の式(19)が成り立ち、かつ、波長1.625μmにおいて以下の式(20)が成り立つことが好ましい。その際、SSElim,MCF/SSElim,max,MCFが0.85以上を維持する為には、ηmin=3.6×10−9/kmであり、かつ、ηmax=2.3×10−6/kmであることが好ましく、SSElim,MCF/SSElim,max,MCFが0.9以上を維持する為には、ηmin=1.4×10−8/kmであり、かつ、ηmax=1.7×10−6/kmであることが好ましく、SSElim,MCF/SSElim,max,MCFが0.95以上を維持する為には、ηmin=5.3×10−8/kmであり、かつ、ηmax=1.1×10−6/kmであることが好ましい。
隣接するコア同士が同種のコアであるマルチコア光ファイバにおいては、Λ=Λidenticalとなる。同種コアのみによって構成されるマルチコア光ファイバは、製造時のコア材料の在庫管理や歩留まり管理が容易であり、また、敷設後の伝送線路の光学特性管理が容易になるので望ましい。
同種コアのみによって構成されるマルチコア光ファイバにおいて、クラッド径250μm以下とすると、図8を満たしつつコア数が19となる為には、波長1.55μmにおいて、MFD/(λcc)0.657が8.2以下、または、MFD/(λcth)0.720が6.9以下であることが望ましい。同様に、コア芯数が27〜55の間で変わった場合の、望ましい、コア芯数とMFD/(λcc)0.657の上限値とMFD/(λcth)0.720の上限値の関係を、[コア芯数、MFD/(λcc)0.657の上限値、MFD/(λcth)0.720の上限値]と記載すると、それぞれ、[27、6.4、5.6]、[31、6.1、5.4]、[37、5.4、4.8]、[42、5.1、4.6]、[48、4.7、4.2]、[55、4.6、4.1]、となる。
隣接するコア同士が異種のコアであるマルチコア光ファイバにおいては、ΛはΛidenticalの整数分の1となる。3種類のコアで構成されるマルチコア光ファイバでは、すべての隣接コア同士を異種コアとしつつ、ΛをΛidenticalの1/31/2にすることができる。また、4種類のコアで構成されるマルチコア光ファイバでは、すべての隣接コア同士を異種コアとしつつ、ΛをΛidenticalの1/2にすることができる。また、7種類のコアで構成されるマルチコア光ファイバでは、すべての隣接コア同士を異種コアとしつつ、ΛをΛidenticalの1/71/2にすることができる。また、9種類のコアで構成されるマルチコア光ファイバでは、すべての隣接コア同士を異種コアとしつつ、ΛをΛidenticalの1/3にすることができる。隣接するコア同士が異種コアであるマルチコア光ファイバは、製造時のコア材料の在庫管理や歩留まり管理が煩雑になり、また、敷設後の伝送線路の光学特性管理も煩雑になるが、クロストークを有意に上昇させずにコアピッチを短縮することができるので、SSE向上の観点からは望ましい。
上記特許文献1や上記非特許文献1に記載されているように、曲率半径が小さくなると、異種コア間のクロストークは急激に悪化することが知られている。閾値となる曲率半径Rpkは以下の式(21)で表される。ここで、Dは異種コアの中心同士の間隔であり、〈neff〉は異種コア間の実効屈折率の平均値、Δneffは異種コア間の実効屈折率差である。
異種コア間のクロストークの悪化を抑制する為には、すべての隣接コア間でRpkは、0.3m未満であることが望ましく、0.2m以下であることが更に望ましく、0.1m以下であることが更に望ましい。或いは、クロストークが最大となる曲率半径は、すべての隣接コア間で、0.3m未満であることが望ましく、0.2m以下であることが更に望ましく、0.1m以下であることが更に望ましい。
コア間の実効屈折率差Δneffを大きくすることで、Rpk、又は、異種コア間でクロストークが最大となる曲率半径は小さくできる。異種コア間でコア径やΔcoreに差を持たせることで実効屈折率差Δneffを付与しても良い。異種コア間での光学特性に生じる差を抑えるためには、コア周囲のクラッドである光学クラッドに差を持たせることで実効屈折率差Δneffを付与することがより望ましい。
光学クラッドは、コア周囲のクラッド部分である。光学クラッドまでを含むコア数分のロッドを、コア数分の孔をあけた1つのジャケットロッドの各孔に挿入して、加熱一体化することで、マルチコア光ファイバの母材を製造することができる。または、光学クラッドまでを含むコア数分のロッドをスタックしたものを、1つの孔のあいたジャケットパイプに一括して挿入して、加熱一体化することで、マルチコア光ファイバの母材を製造することができる。または、光学クラッドまでを含むコア数分のロッドを正三角格子状に配置し又はスタックしたものを、1つの孔のあいたジャケットパイプに一括して挿入して、パイプとコアロッドとの隙間を粉末状のシリカガラスで埋めた上で、加熱一体化することで、マルチコア光ファイバの母材を製造することができる。光学クラッドより外側のクラッドをここではジャケットと呼ぶこととする。
光学クラッドの屈折率は、ジャケットの屈折率と等しくてもよいし、ジャケットの屈折率と等しくなくてもよい。光学クラッド同士の間に、ジャケットがあっても良いし、無くてもよい。光学クラッド同士が直接接触していても良い。すべての光学クラッドの屈折率がジャケットの屈折率より低くてもよいし、また、すべての光学クラッドの屈折率がジャケットの屈折率より高くてもよい。
図12は、マルチコア光ファイバ1Aの断面を示す図である。図13は、マルチコア光ファイバ1Aの屈折率分布であり、図12中の線L1Aに沿った各部の屈折率を示す。これら図12および図13に示されたマルチコア光ファイバ1Aの例では、7個のコア10それぞれの周囲の光学クラッド21は互いに異なる屈折率を有し、光学クラッド21の間にはジャケット22が配置されている。
図14は、マルチコア光ファイバ1Bの断面を示す図である。図15は、マルチコア光ファイバ1Bの屈折率分布であり、図14中の線L1Bに沿った各部の屈折率を示す。これら図14および図15に示されたマルチコア光ファイバ1B例では、7個のコア10それぞれの周囲の光学クラッド21は互いに異る屈折率を有し、光学クラッド21の間にはジャケット22は存在しない。
1,1A,1B…マルチコア光ファイバ、10…コア、20…クラッド(共通クラッド)、21…光学クラッド、22…ジャケット。
Claims (9)
- それぞれが中心軸に沿って延在するとともに石英系ガラスからなる複数のコアと、前記複数のコアそれぞれを覆うとともに石英ガラスからなる共通クラッドと、前記共通クラッドの外周面上に設けられるとともに石英ガラスとは異なる材料からなる被覆と、を備えたマルチコア光ファイバであって、
前記中心軸に垂直な当該マルチコア光ファイバの断面において、前記複数のコアが正三角格子状に配置され、かつ、隣接コアの中心間距離である隣接コア間ピッチΛ[μm]が一定であり、
前記複数のコアそれぞれのケーブルカットオフ波長λcc[μm]が1.53μm以下であり、
理論カットオフ波長をλcth[μm]、モードフィールド径をMFD[μm]とするとき、前記複数のコアそれぞれへの光の閉じ込め指標であるMFD/(λcc)0.657が波長1.55μmにおいて8.2以下であるか、または、前記複数のコアそれぞれへの光の閉じ込め指標であるMFD/(λcth)0.720が波長1.55μmにおいて6.9以下であり、
前記共通クラッドの外径2rclad[μm]が115μm〜250μmであり、
当該マルチコア光ファイバが、その全長に亘って0.3m〜3mの範囲内の曲率半径Rで曲げられているとき、隣接コア間パワー結合係数および隣接同種コア間パワー結合係数の双方が波長1625nmにおいて2.3×10−6/km以下であり、かつ、前記隣接コア間パワー結合係数および前記隣接同種コア間パワー結合係数の少なくとも何れか一方が波長1530nmにおいて3.6×10−9/km以上であり、
前記複数のコアのうち最外周に位置するコアの中心から前記共通クラッドの外周面までの最短距離をOCTとするとき、前記被覆における伝送損失増加が理論上0.01dB/kmとなるOCT0.01dB/km[μm]および前記被覆における伝送損失増加が理論上0.001dB/kmとなるOCT0.001dB/km[μm]が、波長1.625μmにおけるMFD[μm]を用いて以下の式(1)または式(2)により求められる値であり、
前記隣接コア間ピッチΛを前記共通クラッドのコア配置可能半径で割った比Λ/(rclad−OCTmin)なる式で表されるパラメータを定義したとき、[コア数:前記パラメータの最小値:前記パラメータの最大値]の関係が、[19:0.450:0.500]、[27:0.378:0.397]、[31:0.351:0.378]、[37:0.315:0.333]、[42:0.297:0.311] 、[48:0.278:0.285]、[55:0.255:0.277]、[63:0.240:0.248]、[69:0.229:0.240]、[73:0.222:0.229]、[85:0.203:0.218]、[102:0.189:0.195]、[109:0.182:0.189]、[121:0.173:0.180]、[151:0.154:0.160]の何れかである
マルチコア光ファイバ。 - 当該マルチコア光ファイバが、その全長に亘って0.3m〜3mの範囲内の曲率半径Rで曲げられているとき、隣接異種コア間パワー結合係数および前記隣接同種コア間パワー結合係数の双方が波長1625nmにおいて1.1×10−6/km以下であり、かつ、前記隣接異種コア間パワー結合係数および前記隣接同種コア間パワー結合係数の少なくとも何れか一方が波長1530nmにおいて5.3×10−8/km以上である請求項1に記載のマルチコア光ファイバ。
- 前記複数のコアのうち隣接コアの組には、同種コアの組が含まれ、
当該マルチコア光ファイバの曲率半径R[m]の、その長手方向に沿った平均値が0.3m以上である使用状態において、波長をλ[μm]、実効屈折率をneff、隣接同種コアのコア間ピッチをΛidentical[μm]、実効屈折率neffの最小値ηminを3.6×10−9/km、実効屈折率neffの最大値ηmaxを2.3×10−6/km、実効曲率半径Reff,λを以下の式(3)と定義するとき、λ=1.53μmにおいて以下の式(4)を満たすとともにλ=1.625μmにおいて以下の式(5)を満たす第1条件、または、λ=1.53μmにおいて以下の式(6)を満たすとともにλ=1.625μmにおいて以下の式(7)を満たす第2条件を、前記Λidentical[μm]が満たしている請求項1に記載のマルチコア光ファイバ。
- 前記複数のコアすべてが同種コアである請求項3に記載のマルチコア光ファイバ。
- 波長1.55μmにおいて、コア数が27〜55の間で変わった場合の、コア数とMFD/(λcc)0.657の上限値とMFD/(λcth)0.720の上限値の望ましい関係を、[コア数、MFD/(λcc)0.657の上限値、MFD/(λcth)0.720の上限値]と記載するとき、[コア数、MFD/(λcc)0.657の上限値、MFD/(λcth)0.720の上限値]は、[27、6.4、5.6]、[31、6.1、5.4]、[37、5.4、4.8]、[42、5.1、4.6]、[48、4.7、4.2]、[55、4.6、4.1]、の何れかとなる請求項4に記載のマルチコア光ファイバ。
- 前記共通クラッドは、それぞれが、前記複数のコアのうち対応するコアに接触している領域であって、前記対応するコアにおける光伝搬に寄与する複数の光学クラッドを含み、
前記複数のコアのうち隣接コアの組には、コア径、コアと光学クラッドの比屈折率差、および光学クラッドの屈折率のうち少なくとも何れかが異なる異種コアで構成された一またはそれ以上の隣接異種コアの組が含まれ、前記隣接異種コアにおけるコア間ピッチが前記隣接同種コアにおけるコア間ピッチΛidenticalより小さい請求項3に記載のマルチコア光ファイバ。 - 前記隣接異種コアのすべての組について、隣接異種コア間のクロストークが最大となる、当該マルチコア光ファイバに対する曲げの曲率半径Rが、0.3m未満である請求項6に記載のマルチコア光ファイバ。
- 請求項1〜6の何れか一項に記載のマルチコア光ファイバを含むマルチコア光ファイバケーブルであって、前記マルチコア光ファイバを、その長手方向に沿った曲率半径Rの平均値が0.3m以上に維持された状態で内蔵しているマルチコア光ファイバケーブル。
- 請求項1、2および4〜7の何れか一項に記載のマルチコア光ファイバを含むマルチコア光ファイバケーブルであって、前記マルチコア光ファイバを、その長手方向に沿った曲率半径Rの平均値が3m以下に維持された状態で内蔵している請求項8に記載のマルチコア光ファイバケーブル。
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